(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562940
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】入力モジュールを備えたロボットアーム
(51)【国際特許分類】
B25J 9/08 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
B25J9/08
【請求項の数】16
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-555908(P2016-555908)
(86)(22)【出願日】2014年11月27日
(65)【公表番号】特表2016-538150(P2016-538150A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】EP2014003168
(87)【国際公開番号】WO2015078585
(87)【国際公開日】20150604
【審査請求日】2017年7月3日
(31)【優先権主張番号】102013019869.0
(32)【優先日】2013年11月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ベアント ゴンベアト
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル リース
(72)【発明者】
【氏名】アーコシュ シェムシェイ
【審査官】
臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−157946(JP,A)
【文献】
特開2009−028893(JP,A)
【文献】
特開昭56−085106(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/083818(WO,A1)
【文献】
特開昭60−252911(JP,A)
【文献】
特開平05−245784(JP,A)
【文献】
特開2010−089257(JP,A)
【文献】
米国特許第04408286(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0094461(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0130541(US,A1)
【文献】
国際公開第2007/099511(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 3/00−13/08
B65G 19/42
G05B 19/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに可動の少なくとも第1および第2のアームモジュール(41,42)と、ユーザ入力に基づいてロボットアーム(1)を制御する制御信号を形成するための、少なくとも1つの手動操作可能な入力モジュール(11)と、を備えたロボットアーム(1)において、
前記第1および第2のアームモジュール(41,42)が、前記入力モジュール(11)を選択的に実装可能な第1の接続面(38,40)を有し、
前記第2のアームモジュール(42)は、前記第1のアームモジュール(41)の第1の接続面(40)に接続可能な第2の接続面(39)を有する、
ことを特徴とするロボットアーム(1)。
【請求項2】
互いに可動の少なくとも第1および第2のアームモジュール(41,42)と、ユーザ入力に基づいてロボットアーム(1)を制御する制御信号を形成するための、少なくとも1つの手動操作可能な入力モジュール(11)と、を備えたロボットアーム(1)において、
前記第1および第2のアームモジュール(41,42)が、前記入力モジュール(11)を選択的に実装可能な第1の接続面(38,40)を有し、
前記入力モジュール(11)は、2つの接続面(14,15)を有しており、前記接続面の一方は、前記第1のアームモジュール(41)に接続可能であり、他方は、前記第2のアームモジュール(42)に接続可能である、
ことを特徴とするロボットアーム(1)。
【請求項3】
前記入力モジュール(11)を実装した接続面(8,38,39,40)を識別して、前記入力モジュール(11)から送出された制御信号を評価する際に考慮するように構成された制御ユニット(17,19)が設けられている、
請求項1記載のロボットアーム(1)。
【請求項4】
互いに可動の少なくとも第1および第2のアームモジュール(41,42)と、ユーザ入力に基づいてロボットアーム(1)を制御する制御信号を形成するための、少なくとも1つの手動操作可能な入力モジュール(11)と、を備えたロボットアーム(1)において、
前記第1および第2のアームモジュール(41,42)が、前記入力モジュール(11)を選択的に実装可能な第1の接続面(38,40)を有し、
前記入力モジュール(11)を実装した接続面(8,38,39,40)を識別して、前記入力モジュール(11)から送出された制御信号を評価する際に考慮するように構成された制御ユニット(17,19)が設けられており、
前記制御ユニット(17,19)は、前記ロボットアーム(1)の運動を制御して、前記入力モジュール(11)を実装した接続面(38,40)を前記入力モジュール(11)にかかる力の方向へ運動させるように構成されている、
ロボットアーム(1)。
【請求項5】
前記第2のアームモジュール(42)の2つの接続面(38,39)は、少なくとも1つの自由度で互いに可動である、
請求項1記載のロボットアーム(1)。
【請求項6】
前記入力モジュール(11)は、2つの接続面(14,15)を有しており、前記接続面の一方は、前記第1のアームモジュール(41)に接続可能であり、他方は、前記第2のアームモジュール(42)に接続可能であり、
前記第1の接続面(38,40)は、第1のタイプであり、前記第2の接続面(39)は、前記第1のタイプとは構造的に異なる第2のタイプであり、前記入力モジュール(11)の接続面(14,15)は、その一方が前記第1のタイプであり、他方が前記第2のタイプである、
請求項1記載のロボットアーム(1)。
【請求項7】
前記第2のアームモジュール(42)の第1の接続面(38)に実装可能な第3のアームモジュール(43)が設けられている、
請求項1から6までのいずれか1項記載のロボットアーム(1)。
【請求項8】
前記第3のアームモジュール(43)は、前記入力モジュール(11)の接続面(14)に接続可能である、
請求項7記載のロボットアーム(1)。
【請求項9】
前記第3のアームモジュール(43)の接続面(8)は、前記第2のアームモジュール(42)の前記第1の接続面(38)に、又は、前記入力モジュール(11)に、選択的に実装可能である、
請求項7又は8記載のロボットアーム(1)。
【請求項10】
前記第3のアームモジュール(43)は、工具又は機器として構成されている、
請求項7又は8記載のロボットアーム(1)。
【請求項11】
前記入力モジュール(11)は、周囲に操作エレメント(26)が延在したベースボディ(12)を有する、
請求項1から10までのいずれか1項記載のロボットアーム(1)。
【請求項12】
前記入力モジュール(11)の接続面(14,15)は、ベースボディ(12)の、操作エレメント(13,26)によって互いに分離された2つの端面に存在している、
請求項1から11までのいずれか1項記載のロボットアーム(1)。
【請求項13】
前記入力モジュール(11)は、2つの操作エレメント(13,13R,13L,27,27R,27L)を有しており、前記操作エレメントの一方は、前記ロボットアーム(1)の運動方向を制御し、前記操作エレメントの他方は、前記運動の速度を制御する、
請求項4記載のロボットアーム(1)。
【請求項14】
前記入力モジュール(11)は、2つの操作エレメント(13,13R,13L,27,27R,27L)を有しており、前記操作エレメントの一方は、前記ロボットアーム(1)の運動方向を第1の速度で制御し、前記操作エレメントの他方は、前記ロボットアーム(1)の運動方向を第2の速度で制御する、
請求項1から13までのいずれか1項記載のロボットアーム(1)。
【請求項15】
前記操作エレメント(13,13R,13L,27,27R,27L)が同時に操作される場合、1つの操作エレメント(13,13R,13L,27,27R,27L)の制御命令のみが実行される、
請求項14記載のロボットアーム(1)。
【請求項16】
前記入力モジュール(11)に、前記入力モジュール(11)に作用する加速度を検出する装置が備え付けられている、
請求項1から15までのいずれか1項記載のロボットアーム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットアームを制御するための手動操作可能な入力モジュールを備えたロボットアームに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットは多様な技術領域で使用されている。こうしたロボットのうち、広く実現されている形態の1つにロボットアームがある。ロボットアームは、しばしば、人員が手作業を実行する際の負荷を軽減するために利用される。これにより、人員が自身で難儀な手作業を処理する手間が省かれる。こうした手動介入を例えば工業生産において同一形式で多数回反復しなければならない場合も、ロボットアームが走行すべき経路を一度プログラミングし、続いてこの経路に沿った運動をコンピュータで制御すれば充分であることが多い。独国特許出願公開第3240251号明細書には、こうした経路をプログラミングするための入力モジュールが開示されている。入力モジュールは、定置されてロボットアームから分離された状態で、又は、ロボットアームと共に移動可能に、ロボットアームのエンドエフェクタに取り付けることができる。どのようなケースにおいても、入力モジュールは、エンドエフェクタのみに対する所望の制御を可能にする。ただし、ロボットアームの中間アームモジュールが障害物に妨害されると、ロボットは計画された運動を実行できない。
【0003】
独国特許出願公開第3211992号明細書には、枢動可能に接続された複数のアームモジュールを備えた塗料噴射ロボットが開示されている。2つのアームモジュールがグリップの形態のそれぞれ1つずつの入力モジュールを支持しており、これらの入力モジュールに、ユーザがグリップにかけた力の方向を検出するセンサが設けられている。よって、中間アームモジュールに取り付けられているグリップを介してこの中間アームモジュールを所期の通りにガイドし、外部の障害物によるブロックを回避できる。
【0004】
1つのロボットアームが備える互いに可動のアームモジュールの数が増えるにつれ、中間アームモジュールの障害物回避運動は、一般的に云えば可能ではあるものの、費用が嵩むし、しかも、アームモジュールごとに必要な入力モジュールを設けなければならなくなる。個別のアームモジュールにつき入力モジュールを設けないままにすれば確かにコストを節約できるが、これは、入力モジュールを備えないアームモジュールが障害物に妨害されるおそれが無いことが確かである場合にしか有意でない。したがって、ロボットアームの顧客は、必ずしも全てを要するわけでない多数の入力モジュール用手段を使用するか、又は、中間アームモジュールが障害物の箇所を旋回通過できず妨害されてしまうためにロボットアームが所望の運動を実行できない危険を考慮に入れるかを決定しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、低コストで製造でき、そのうえ、障害物によるブロックのおそれが最小化されたロボットアームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、少なくとも2つの互いに可動のアームモジュールと、ユーザ入力に基づいてロボットアームを制御する制御信号を形成するための少なくとも1つの手動操作可能な入力モジュールとを備えた、ロボットアームにおいて、少なくとも2つのアームモジュールが入力モジュールを選択的に実装可能な第1の接続面を有することにより解決される。
【0007】
よって、ロボットアームのユーザは、入力モジュールの取り付け位置を必要に応じてそのつど選択し、場合によりこれをロボットアームの使用環境へ適合させることができる。障害物の回避にとって不要な入力モジュールは実装ひいては入手の必要がないので、ユーザはロボットアームの準備コストを低く抑えることができる。特定の適用環境において、入力モジュール数が充分でなく、アームが全ての障害物を避けられないことが判明している場合に、別の入力モジュールを入手して実装すればよい。なお、同じ入力モジュールを1つのロボットアームの種々の位置で使用できるので、大量生産、ひいては、メーカからの安価な提供が可能となる。
【0008】
これにより、ロボットアームを特定の使用目的に適合させることができる。例えば、ロボットアームの一方端部を手動操作が不可能な作業区域へ進入させなければならない場合、ロボットを当該端部に位置する入力モジュールで制御することは全く不可能である。この問題も、本発明にしたがって入力モジュールを手動操作可能な位置に取り付けることにより回避できる。
【0009】
当該入力モジュールは種々のアームモジュールに取り付け可能であるため、当該入力モジュールが取り付けられた接続面を識別できる手段が設けられると好都合である。したがって、本発明では有利に、設けられている接続面の占有又は非占有に基づいて、どの接続面に入力モジュールが取り付けられているかを自動識別する相応の制御ユニットが設けられる。さらに、当該制御ユニットは、好ましくは、入力モジュールを実装した接続面が、入力モジュールから送出された制御信号を評価する際に考慮されるように構成される。したがって、入力モジュールは、ロボットアームでの実装位置に依存して、ロボットアームの種々の制御を行える。入力モジュールが例えばロボットアームの端部に取り付けられる場合、この入力モジュールを介して当該端部を空間内で任意に運動させることができる。対して、入力モジュールが中間アームモジュールに取り付けられる場合には、この中間アームモジュールのみが入力モジュールの設定した運動経路に沿って運動される。この場合、中間アームモジュールに接続されたアームモジュールは随伴運動のみ行う。
【0010】
ロボットの操作は、できるかぎり直感的に行えなければならない。このことは、ユーザが入力モジュールに力をかけたのと同じ方向へロボットアームが運動する場合に達成される。したがって、制御ユニットは、好ましくは、ロボットアームの運動を制御して、入力モジュールを実装した接続面の、入力モジュールに作用する力の方向への運動が生じるように構成される。
【0011】
ロボットアームは、種々のアームモジュールの組み合わせから構成可能である。キャビネットシステムと同様に、構造同一の又は構造の異なる複数のアームモジュールを相互に組み合わせて、或るアームモジュールの接続面を別のアームモジュールの接続面に接続することができる。例えば、本発明で設けられているアームモジュールの第1の接続面は、当該アームモジュールの相互接続に用いられる。これに代えて、アームモジュールに、別のアームモジュールの第1の接続面に接続可能な第2の接続面を設けてもよい。
【0012】
アームモジュールが2つの接続面を有する場合、各接続面は、好ましくは、少なくとも1つの自由度で互いに可動となるようにアームモジュールに取り付けられる。このために、アームモジュールは、2つの接続面間に配置されるジョイントを有し、これにより、一方の接続面が他方の接続面に対して相対運動できるようになる。組み込まれたジョイントによって複数のアームモジュールが相互に接続される場合、複数の自由度を有する可動のロボットアームを構成できる。
【0013】
本発明の有利な一実施形態では、入力モジュールを2つのアームモジュール間に組み込むことができる。このために、入力モジュールは2つの接続面を有し、その一方は第1のアームモジュールの接続面に接続可能であり、他方は第2のアームモジュールの接続面に接続可能である。こうした構造により、特に、接続面を介して相互接続された複数のアームモジュールから成る既存のモジュラー状のロボットアームにおいて、入力モジュールを取り付けるための空いた接続面が存在しない場合にも、入力モジュールを後から取り付けることができる。
【0014】
各接続面は種々に構成可能である。第1の接続面は、第1のタイプ、例えばプラグ状に構成可能であり、第2の接続面は、第2のタイプ、例えばブシュ状に構成可能である。ただし、構造の異なるタイプはそれぞれ相補的に構成されるので、各タイプを相互に接続可能である。アームモジュール及び入力モジュールの双方とも、第1のタイプ及び/又は第2のタイプの接続面の少なくとも1つを有することができる。
【0015】
ロボットアームのモジュラー構造により、ロボットの構造に高いフレキシビリティが得られる。好ましくは、各アームモジュールを種々の順序で実装又は交換できる。よって、ロボットのユーザは、大きな構造自由空間を得て、ロボットアームを個別の要求に適合させることができる。例えば、ロボットアームを、少なくとも3つのアームモジュールと1つの入力モジュールとから構成できる。2つのアームモジュールは上述した方式で接続可能である。第2のアームモジュールに入力モジュールが取り付けられたか否かに応じて、本発明によれば、第3のアームモジュールを、第2のアームモジュールの第1の接続面に実装してもよいし、入力モジュールの接続面に実装してもよい。相応に、第3のアームモジュールの接続面は、これが可能となるように構成される。よって、ユーザは、モジュールを相互に結合する際の自由選択度を有する。
【0016】
本発明の有利な実施形態では、第3のアームモジュールは工具又は機器を含むか、又は、それ自体が工具又は機器として構成される。
【0017】
入力モジュールは、制御信号の本来の手動入力に用いられるベースボディ及び操作エレメントを有する。操作エレメントは、特に直線運動及び/又は回転運動のそれぞれ3つずつの自由度で、ベースエレメントに可動に取り付けることができる。また、可動でないように構成して、作用する力又はトルクの大きさ及び方向に対する感応性が得られるようにしてもよい。操作方向に応じて、ロボットアーム又はこれに接続されているベースエレメントを空間内で任意にガイドできる。例えば上方から操作エレメントへ押圧力がかかる場合、入力モジュールは下方へ運動する。操作エレメントが回転される場合、ロボットアームは相応の回転方向へ旋回する。
【0018】
操作エレメントは種々の実施形態で設けることができる。第1の形態では、操作エレメントは、側方でベースボディに取り付けられるキャップとして構成される。これにより、操作エレメントは容易にアクセス可能となり、手で良好に把持して操作できる。
【0019】
代替的な形態では、操作エレメントはベースボディの周囲に延在する。好ましくは、操作エレメントはリング状に構成され、この場合も6つの自由度で操作可能である。
【0020】
入力モジュールの接続面は、好ましくは、分離されて互いに向かい合うベースボディの端面に存在する。
【0021】
入力モジュールは、さらに、複数の操作エレメントを有することができる。例えば、入力モジュールは、別の機能を有する第2の操作エレメントを含むことができる。これにより、ユーザに対し、一方の操作エレメントを所定の速度で操作し、他方の操作エレメントを変化させた速度で操作することにより、ロボットアームを運動させる手段が提供される。このために、双方の操作エレメントに所定の速度が割り当てられ、これにより、どの操作エレメントが操作されるかに応じて、それぞれ異なる速度を設定することができる。これに代えて、第2の操作エレメントを、第1の操作エレメントでの入力によって設定された方向へのロボットアームの運動速度を調整するための調整部として機能するように構成してもよい。このようにすれば、速度を無段階で変化させることができる。
【0022】
本発明によれば、入力モジュールは、その安全性又は信頼性を向上させるための別の機能を有することができる。相応に、2つ以上の操作エレメントの同時操作を識別可能である。なお、唯一の操作エレメントに優位性を与えるために、他の操作エレメントに対する優先権を当該操作エレメントに与えることができる。これにより、優先される操作エレメントの制御命令のみが実行される。
【0023】
さらに、入力モジュールには、この入力モジュールに作用する加速度を検出する装置を設けることができる。当該加速度値から、重要な運動情報、例えば、ロボットアームの運動速度、又は、入力モジュールの存在する位置を求めることができる。この場合、求められた値と操作エレメントでの設定値とを比較することにより、設定値と真の値とが一致するか否かを検査することができる。差が生じた場合には、相応のステータスレポートをユーザに対して形成するか、又は、当該差を自動制御することができる。
【0024】
本発明の別の特徴及び利点は、添付図に関連する実施形態の詳細な説明から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】複数のアームモジュールと1つの入力モジュールとから構成されるロボットアームである。
【
図2】
図1のロボットアームの概略的な分解図である。
【
図3】非互換的な2つの接続面を接合するためのアダプタである。
【
図4】第1の実施形態による入力モジュールである。
【
図5】接続リングを備えた機械的接続面の断面図である。
【
図7】第1の位置から第2の位置へ運動するロボットアームである。
【
図8】2つの入力モジュールを備えたロボットアームである。
【
図9】第2の実施形態による入力モジュールである。
【
図10】第3の実施形態による入力モジュールである。
【
図12】第3の実施形態による入力モジュールを備えたロボットアームである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1には、複数のモジュール、すなわち、第1の下部アームモジュール41と第2の中間アームモジュール42と第3の上部アームモジュール43と入力モジュール11とから形成されるロボットアーム1が示されている。アームモジュール41,42,43は、モジュール部2,3,4,5,6,7の組み合わせから形成されている。各アームモジュールは、タイプ及び個数の点でそれぞれ異なるモジュール部を含むことができる。よって、本発明では、種々のモジュール部を相互に任意に接続可能なモジュラー方式が実現される。したがって、以下に説明するロボットアーム又は各アームモジュールの構造は例示にすぎない。第1のアームモジュール41は、モジュール部として、ベース部2と、その上に配設されるジョイント部3と、アーム部6と、ジョイント部3と同一構造であってよい別のジョイント部4と、を含む。ベース部2によりロボットアーム1を任意の位置に固定可能である。
【0027】
第2のアームモジュール42は、モジュール部として、アーム部7とジョイント部5とを有し、アーム部7はアーム部6と同一構造であってよく、ジョイント部5はジョイント部3,4と同一構造であってよい。
【0028】
第3のアームモジュール43は、工具又は機器として構成されており、機器シャフト9及びこれに接続されたエンドエフェクタ10を含む。
【0029】
第2のアームモジュール42と第3のアームモジュール43との間には、入力モジュール11が組み込まれている。アームモジュール42,43及び入力モジュール11は、相互に堅固に接続されることにより、一体の構造ユニット、ひいてはロボットアーム1を形成する。
【0030】
入力モジュール11は、ベースボディ12及び手動操作可能な操作エレメント13を含む。操作エレメント13はベースボディ12に可動に取り付けられており、6つまでの自由度で操作可能である。つまり、チャート状の座標系において、操作エレメント13は、3つの空間軸に沿って押出し又は引込み可能であり、さらに、当該3つの空間軸を中心として回転可能である。
【0031】
ジョイント部3,4,5は、好ましくは、それぞれ2つずつの枢動軸線を有する。つまり、ジョイント部3,4,5は、自身が接続する各部間に2つの回転自由度を有する。
【0032】
上述したように、ロボットアーム1の上記構造は例示にすぎない。上記とは異なって、アームモジュール41,42,43を付加的な又はより少ないジョイント部及び/又はアーム部によって形成することもできる。これにより、ロボットアームのアーム長さ及び運動自由度を適合化可能である。
【0033】
図2には、
図1に示されているロボットアーム1が概略的な分解図で示されている。ここでは、各接続面を図示するために、3つのアームモジュール41,42,43及び入力モジュール11を相互に解離させた状態で示している。
【0034】
各アームモジュール41,42,43及び入力モジュール11は、各モジュールを相互に接続可能な少なくとも1つの接続面を有する。各接続面は第1の接続面と第2の接続面とで区別可能であり、ここで、第1の接続面は第1のタイプ、例えばプラグ状であってよく、第2の接続面は第2のタイプ、例えばブシュ状であってよい。2つのタイプの接続面は相補的に構成されているので、第1のタイプの接続面は第2のタイプの接続面に接続可能である。また、代替的な形態として、2つの接続面を同形状に形成してもよい。
【0035】
第1のアームモジュール41は、第2のアームモジュール42の第2のタイプの接続面39に接続可能な、第1のタイプの接続面40を有する。さらに、第2のアームモジュール42は、第3のアームモジュール43の第2のタイプの接続面8に接続可能な、第1のタイプの接続面38を有する。よって、アームモジュール41,42,43は相互に接続可能なように構成される。
【0036】
入力モジュール11は、第2のタイプの接続面15を有する。これにより、入力モジュール11は、第1のアームモジュール41の接続面40又は第2のアームモジュール42の第1の接続面38に、
図1に示されているように、接続可能である。また、入力モジュール11は、別のアームモジュールの第2のタイプの接続面に接続可能な第1のタイプの接続面14を有する。つまり、入力モジュール11が第1のアームモジュール41に固定されている場合には、入力モジュール11に第2のアームモジュール42を実装でき、又は、入力モジュール11が第2のアームモジュール42に固定されている場合には、入力モジュール11に第3のアームモジュール43を実装できる。
【0037】
したがって、入力モジュール11を、第1のアームモジュール41と第2のアームモジュール42との間、又は、第2のアームモジュール42と第3のアームモジュール43との間に組み込むことができる。さらに、(図示されていない)第2の入力モジュールをロボットアーム1に組み込み、これにより3つのアームモジュール41,42,43全ての間に入力モジュール11を挿入して接続することもできる。
【0038】
つまり、本発明のロボットアーム1のモジュラー構造により、各アームモジュールを任意に形成することができ、そのうえ、各モジュールを相互に任意に組み合わせ、又は、ロボットアーム1に接続することができる。こうして、モジュラー方式に相応に、ロボットの構造を個別の要求に適合化することもできる。
【0039】
さらに、モジュラー構造によって、交換手段も簡単化される。機器の交換の実行のために、第3のアームモジュール43を容易に交換できる。また、故障時にも、ロボットアーム1全体を置換する必要はなく、該当するモジュール又は該当するモジュール部のみを交換すれば充分である。
【0040】
上述したように、接続面8,14,15,38,39,40は好ましくは相補的に構成されるので、これらは相互に接続可能である。第1の接続面及び第2の接続面が相互に互換性を有さない場合、本発明の一実施形態として、
図3に示されているように、これら2つの接続面15,38間を接続するアダプタ44が設けられる。アダプタ44は2つの接続面を有し、その一方の接続面は第1の接続面15に接続可能であり、他方の接続面は第2の接続面38に接続可能である。アダプタ44は、第1の接続面15又は第2の接続面38の固定的な構成要素であってもよい。このようにすれば、ユーザには、例えば、種々のメーカのモジュールを相互に接続する手段が提供される。
【0041】
図4には、第1の実施形態における入力モジュール11が示されている。入力モジュール11は、平坦な円筒形のベースボディ12とこのベースボディ12から半径方向で突出する操作エレメント13とを含む。操作エレメント13は、好ましくは6つの自由度で操作可能なキャップとして構成されている。操作エレメント13とベースボディ12との間には、例えば、ユーザが操作エレメント13に作用させた力の大きさ及び方向を検出する複数の圧電センサ、又は、ベースボディ12に対する操作エレメント13の相対運動の大きさ及び方向を検出する光センサを配設することができる。
【0042】
円筒形のベースボディ12は、2つの端面にそれぞれ1つずつ接続面14,15を有し、これらの接続面を介していずれかのアームモジュール41,42,43のいずれかの接続面8,38,39,40に固定可能である。
【0043】
図1の構成では、接続面14,15のうち一方がアームモジュール42の接続面38に接続されており、他方がアームモジュール43の接続面8に接続されている。これに代えて、入力モジュール11をアームモジュール41,42の接続面39,40間に挿入することもできる。
【0044】
アームモジュールの複数のモジュール部、例えばアームモジュール41のジョイント部3,4及びアーム部6が第1のタイプの接続面と第2のタイプの接続面との対によって相互に接続されている場合、入力モジュール11をこうしたアームモジュールの2つのモジュール部間に組み込むこともできる。
【0045】
図4に示されている接続面14は、第1のタイプの接続面である。当該接続面は、外ねじを備えた周面に設けられた機械的な接続手段14’、ここではベースボディ12の端面から突出する平坦な接続部材と、電気コンタクト14’’とを含む
。図4では見えない第2のタイプの接続面15は、この接続面15の電気コンタクト15’’を第1のタイプの接続面のコンタクトに唯一の方向でのみ接続させる表面輪郭と、この表面輪郭を中心として回転可能な、接続面14の外ねじに対する相補的な内ねじを備えたユニオンナットとを有する。
【0046】
電気コンタクト14’’,15’’は、少なくとも1つの電気線路18,18’を介して相互に接続されている。各線路18,18’を介して、電流及び/又は電気信号は入力モジュール11からアームモジュール41,42,43へ又は逆方向へ伝送可能であり、さらに、或るアームモジュールから別のアームモジュールへ転送可能である。電気コンタクト14’’,15’’は、プラグコンタクト又は摩擦コンタクトとして構成可能である。本発明の有利な構成では、電気コンタクト14’’,15’’は接続面基板35の形態で実現されている。
【0047】
入力モジュールは、操作エレメント13の上述したセンサに接続されており、このセンサの信号を処理し、線路18,18’を介してロボットアーム1の別のモジュールへ転送する、電子評価ユニット17を含む。
【0048】
図5及び
図6には、接続面14の別の構成が示されている。この場合、接続部材の外ねじが周溝32によって置換されており、ユニオンナットに代えて、相互にねじ止めされる2つの半部から成る接続リング33が設けられている。リング33の一方向を向いたリブ34は、溝32と、接続面14に接続されるべき図示されていない第2の接続面の対応する溝と、に嵌合する。リブ34の斜めの当接面16,16’により、各接続面が相互に圧着された状態に保たれる。
【0049】
入力モジュール11は、基本的に、ロボットアーム1の任意の各モジュール部を制御するのに適する。どのモジュール部が入力に応動するか、及び、どのように運動するか、又は、場合により同時に幾つのモジュール部が運動するかを、制御装置19のプログラミングにより設定できる。制御装置19は、
図2に示されているように、ベース部2に収容可能である。
【0050】
図7には、制御装置19が、第1の動作モードにおいて、アームモジュール43,42間に実装された入力モジュール11で行われた入力をアームモジュール41,42の運動へ変換し、入力モジュールにかかる力の方向へのアームモジュール43の運動を生じさせるようにプログラミングされているケースが示されている。ユーザが操作エレメント13を経路20に沿って引き上げる場合、制御装置は、ジョイント部5,3での反時計回りの回転とジョイント部4での時計回りの回転とを同時に制御することにより、ロボットアーム1を当該経路20に沿ってガイドする。こうして、エンドエフェクタ10を、迅速かつ効果的に、ロボットアームの到達範囲内の任意の各位置に位置決めできる。操作エレメント13にかかるトルクは、ジョイント部5の回転によって空間内のエンドエフェクタ10の配向を制御するために評価可能である(
図8を参照)。
【0051】
続いて、制御装置19は、操作エレメント13での入力に基づいてエンドエフェクタ10を制御する第2の動作モードへ切り換え可能となる。
【0052】
第2の動作モードでは、一般に、第1の動作モードよりも格段に精密な位置制御が要求される。したがって、制御装置が操作エレメント13での定められた偏向又は力作用を第2の動作モードにおいて第1の動作モードより小さな移動距離又はより低い移動速度へ変換するように、構成可能である。
【0053】
操作エレメント13は、上述したように、6つまでの自由度で操作可能である。したがって、3次元空間で可能な6つの自由度に対して、1つの制御命令が形成される。このようにすれば、同様に、少なくとも6つの自由度を有するロボットアームを3次元空間で任意にガイドできる。
【0054】
入力モジュール11には、加速度センサ及び/又は慣性測定装置を設けることができる。これにより、入力モジュール11の操作によって生じるロボットアーム1の運動に基づいて入力モジュール11自身に作用する加速度を検出することができる。センサ装置は入力モジュール11に組み込み可能である。このようにして、入力モジュール11に接続されたロボットアーム1の運動を、その加速度及びそこから導出可能な速度などのパラメータに関して、制御及び監視することができる。
【0055】
入力モジュール11の第2の実施形態によれば、入力モジュール11は複数の操作エレメントを含むことができる。
図9に示されているように、入力モジュール11は、同様にキャップとして構成可能な右方操作エレメント13Rと左方操作エレメント13Lとを含むことができる。よって、単純な操作エレメント13による構成にもかかわらず、操作エレメントへのアクセス性も向上する。操作エレメントが把持しにくい場合、ロボット1は別の操作エレメントを介して手動調整可能となる。
【0056】
ロボットアーム1が操作エレメント13L,13Rの誤った操作に応動するのを防止するため、入力モジュール11は、つねに操作エレメント13R,13Lの双方が一緒に操作されないかぎり妥当な制御信号が形成されないように構成される。右方操作エレメント13R及び左方操作エレメント13Lでのそれぞれの操作は、入力モジュール11に組み込まれた電子回路17によって比較及び検証可能である。有効であると検証された場合にのみ、電子回路17によって制御信号が形成される。
【0057】
これに代えて、操作エレメント13L,13Rを別個の操作エレメントとして使用し、各操作エレメントを精密位置特定及び粗位置特定の実行に利用することもできる。この場合、一方の操作エレメント、例えばキャップ13Rが、精密位置特定に対して定められ、他方の操作エレメント、例えばキャップ13Lが、粗位置特定に対して定められる。このため、入力モジュール11によって制御されるモジュールは、精密位置特定によっては緩慢ではあるが精密に、粗位置特定によっては粗ではあるが迅速に操作できるようになる。
【0058】
さらに、粗位置特定及び精密位置特定は、速度のみならず、制御ストラテジによっても区別可能である。つまり、本発明によれば、粗制御においては速度制御を実行でき、精密制御によっては位置制御を実行できる。操作エレメント13R,13Lが同時に操作される際の制御のコンフリクトを回避するために、粗位置特定に対して精密位置特定を優先することができる。
【0059】
これに代えて、入力モジュール11とベース部2との間に配置された操作エレメントのうち、一方を、上述した第1の動作モードにしたがった各モジュール部の制御に使用し、同時に、他方を、入力モジュール11に対向配置されたモジュール部、特にアームモジュール43の制御に対して設けることもできる。
【0060】
図10に示されているように、第3の実施形態によれば、入力モジュール11の操作エレメント13は、ベースボディ12を包囲するように配置される制御リング26として構成可能である。制御リング26の機能は、キャップとして構成される操作エレメント13の機能と同一であるので、制御リング26も好ましくは6つの自由度で手動操作可能である。したがってこのために制御リング26はケーシング12の周囲に支承されうる。これにより、3次元座標系x,y,zでの制御リング26の移動と、3次元座標系x,y,zでの回転運動とが可能になる。例えば、
図11には、概略図で、ベースボディ12の周囲に支承される制御リング26がx方向及びy方向に偏向されたことが示されている。これと同様に、制御リング26を他の移動方向又は回転方向に操作することもできる。
図12には、アームモジュール42,43間に挿入された入力モジュール11が示されている。
図1の入力モジュールと同様に、アームモジュール41,42間、又は、1つのアームモジュールのモジュール部間に、入力モジュール11を実装可能である。
【0061】
第1の実施形態又は第2の実施形態(
図4,
図9を参照)による入力モジュール11の操作エレメント13;13R,13Lには、それぞれ1つずつの回転調整部27;27R,27Lが対応して設けられる。当該回転調整部27;27R,27Lは、操作エレメント13;13R,13Lに加えて設けられる付加的な操作エレメントとして使用可能である。回転調整部27は操作エレメント13の回転軸線に対して同軸上に配置され、この回転軸線を中心として回転可能である。回転運動はセンサによって検出される。センサ信号は電子回路17によって処理することができる。検出された回転運動に対する応答として、ロボットアーム1及び/又はアームモジュール43及びそのエンドエフェクタ10を制御するための制御命令を形成することができる。
【0062】
したがって、有利には、ロボットアーム1と、機器として構成されているアームモジュール43との双方に対して、唯一の入力モジュールにより、それぞれ1つずつの別個の操作エレメント13,27を割り当てることができる。例えば、操作エレメント13をアームモジュール41,42の制御のみに用い、回転調整部27をアームモジュール43の制御のみに用いることができる。
【0063】
回転調整部27を一方の方向へ回転させることにより、例えば、エンドエフェクタ10を開放でき、他方の方向へ回転させることにより、エンドエフェクタ10を閉鎖できる。これに代えて、回転によりエンドエフェクタ10を軸線に沿って軸方向に移動させることができ、又は、軸線を中心として例えば
図12に示されているように回転させることができる。
【0064】
入力モジュール11の意図しない操作を防止するために、入力モジュールを(図示されていない)保護スイッチに接続することができる。保護スイッチの操作により、入力モジュールを作動乃至イネーブルでき、又は、不活性化できる。有利には、保護スイッチは、足で操作可能なスイッチとして構成される。このようにすれば、入力モジュールをさらに容易に手でガイドでき、スイッチが足で操作された場合にのみ入力モジュールの制御命令が変換される。ユーザが足をスイッチから離すと、入力モジュールは自動的に不活性化される。
【0065】
さらに、入力モジュール11には、動作状態を視覚的に表示する手段が設けられる。これにより、ユーザには、例えば、入力モジュールが作動又は不活性化されたか、エラーが発生したか否か、どの制御モード(例えば精密位置特定又は粗位置特定、アームモジュール41,42もしくはアームモジュール43の制御)が作動されているかなどが表示される。上述した状態のほか、ここで詳細には説明しない別の状態を表示することもできる。視覚的表示は、好ましくは発光手段、例えば種々の色に発光するLEDによって実現される。こうして、状態に応じて異なる色をいわば色符号として表示することができる。つまり、赤色によりエラー状態を表すことができる。発光手段は、入力モジュールの任意の要素、例えばベースボディ12又は操作エレメント13,13R,13L,26に組み込み可能である。本発明の有利なバリエーションとして、発光手段を回転調整部27;27R,27Lに組み込むことができる。回転調整部が透明なプラスチック、例えばPVCから形成される場合、発光手段によって回転調整部をそれぞれの色で照明することができる。
【0066】
有利には、制御装置19は、入力モジュール11がロボットアーム1に接続された時点を自動識別する。これにより、入力モジュール11が形成した信号を制御装置19で受信し、ロボットアーム1の制御のために利用できる。例えば操作エレメント13が操作されると、この操作に応じた信号を制御装置19へ送信できる。制御装置19は当該信号を処理し、ロボットアーム1を操作エレメント13の操作にしたがって運動させるために、制御信号を形成することができる。
【0067】
これに代えて、入力モジュール11の電子回路17が直接にロボットアーム1を制御できるように構成することもできる。すなわち、入力モジュール11は、検出された操作エレメント13での操作そのものから相応の制御信号を形成する。
【0068】
有利には、制御装置19と電子回路17とが同時に制御信号を形成した場合に、高いほうの優先度を有する制御信号のみがロボットアーム1の相応の操作を生じさせるよう、制御装置19の制御信号と電子回路17の制御信号とに異なる優先度を与えることができる。例えば、入力モジュール11の制御信号のほうが高い優先度を有する場合、制御装置19の制御信号はつねに拒否される。このようにすれば、ロボットアーム1は、制御装置19が別の制御信号を設定したとしても、つねに入力モジュール11の制御信号に追従することになる。また、これに代えて、入力モジュール11に対する優位性を制御装置19に与えることもできる。
【0069】
本発明の別の実施形態では、個々のアームモジュール41,42,43の制御可能性がロボットアーム1の入力モジュール11の組み込み位置に依存して定まり、これにより、入力モジュール11の第1の接続面14の側に位置するアームモジュールのみ、又は、入力モジュール11の第2の接続面15の側に位置するアームモジュールのみを操作することができる。すなわち、接続面14に対向配置されたモジュール、又は、反対側の接続面15に対向配置されたモジュールを操作することができる。
【0070】
こうして、機器として構成されたアームモジュール43の操作と他のアームモジュールの操作との分離を達成できる。機器として構成されたアームモジュール43がロボットアーム1の静止時に操作されるか、又は、ロボットアーム1に組み込まれたアームモジュール41,42が機器の静止時に操作されるかのいずれかである。このようにすれば、機器を所定の位置に運動させ、当該位置で機器の把持を行うことができる。2つの制御手段の双方向の切り換えを可能にするために、入力モジュール11は、好ましくは、図示されない切り換えボタンを有する。
【0071】
有利には、アームモジュール41,42,43は、個々に作動又は不活性化できる。こうして、切り換えによってそのつど作動されているモジュールに応じて、入力モジュール11により、種々の制御ストラテジを実現することができる。ロボットアーム1を所定の位置へ移動させるには、機器又はそのエンドエフェクタ10の操作に比べ、格段に小さな位置決め精度で充分である。これに対して、ロボットアーム1を迅速に位置決めする手段も有利である。ゆえに、入力モジュール11は、どのモジュールが作動されているかに応じて、精密位置特定又は粗位置特定を行うことができる。すなわち、操作エレメント13の操作が同じであっても、アームモジュール41,42,43は異なって操作され、これにより、精密位置特定によって制御されるアームモジュールは緩慢ではあるが精密に運動し、粗位置特定によって制御されるアームモジュールは粗ではあるが迅速に運動する。本発明によれば、精密制御は機器として構成されたアームモジュール43が作動されている場合に行われ、粗制御はアームモジュール43が不活性状態にある場合に行われる。
【0072】
さらに、粗位置特定及び精密位置特定は、速度のみならず制御ストラテジによっても区別可能である。つまり、本発明によれば、粗制御で速度調整を行い、精密制御で位置調整を行うことができる。
【0073】
電子回路17又は制御装置19には、ロボットアーム1に組み込まれている全てのモジュールを識別するモジュール識別の機能を拡張することができる。アームモジュール41,42,43につき、制御装置19では、入力を規定通りにアームモジュールの運動へ変換できるよう、寸法及び運動自由度が既知でなければならない。入力モジュール11が複数存在する場合には、制御の際に考慮できるようにするため、ロボットアームにおける入力モジュールの個数及び位置を把握すべきである。もちろん、
図8に示されているように、複数の入力モジュール11a,11bをロボットアーム1に組み込むことができる。入力モジュール11bに力が作用する場合、制御装置19は、ジョイント部4がこの力の方向に運動し、アームモジュール42,43の不活性状態での追従運動が可能となるように制御しなければならない。対して、同方向の力が入力モジュール11aに作用する場合には、ジョイント部5をこの力の方向に運動させなければならない。このことは、
図7に関連して説明したように、ジョイント部3,4,5の同時の回転を含みうる。
【0074】
第1の制御バリエーションでは、入力モジュール11a,11bの双方が同等の権限を有している。つまり、2つの入力モジュールが同時に操作される場合、複数の制御命令が同時に形成される。よって、ユーザは例えば、操作エレメント13bでの引き上げと操作エレメント13aでの保持とを同時に行うことで、ジョイント部4を(障害物を避けて)運動させ、同時にジョイント部5を運動させずに留めるという動作を達成できる。
【0075】
第2の制御バリエーションでは、個々の入力モジュール11a,11bは、相互に異なる優先度を有することができる。優先度の決定は、制御装置19によって行うこともできるし、又は、入力モジュールの組み込み位置によって自動設定することもできる。例えば、入力モジュール11a,11bは、アームモジュール43の近傍に位置する入力モジュールが遠くの入力モジュールよりも高い優先度を有するよう、プログラミング可能である。
図8について考察すれば、これは、アームモジュール43の近傍に位置する入力モジュール11aが他方の入力モジュール11bよりもつねに優先されることを意味する。このようにすれば、入力モジュール11a,11bが同時に操作される場合の制御命令の重畳を防止できる。
【符号の説明】
【0076】
1 ロボットアーム、 2 ベース部、 3,4,5 ジョイント部、 6,7 アーム部、 8 第3のアームモジュールの接続面、 9 機器シャフト、 10 エンドエフェクタ、 11,11a,11b 入力モジュール、 12 ベースボディ、 13,13R,13L 操作エレメント、 14 入力モジュールの第1の接続面、 14’,15’ 接続手段、 14’’,15’’ コンタクト、 15 入力モジュールの第2の接続面、 16,16’ 接続リングの当接面、 17 電子回路、 18,18’ 電子線路、 19 制御装置、 20 運動経路、 26 制御リング、 27,27R,27L 回転調整部、 32 溝、 33 接続リング、 34 リブ、 35 接続面基板、 38 第2のアームモジュールの第1の接続面、 39 第2のアームモジュールの第2の接続面、 40 第1のアームモジュールの第1の接続面、 41 第1のアームモジュール、 42 第2のアームモジュール、 43 第3のアームモジュール、 44 アダプタ