特許第6562943号(P6562943)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6562943エッチングされたクラッチ面を備えたトルクコンバータを製作する方法、エッチングされたクラッチ面を備えたトルクコンバータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562943
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】エッチングされたクラッチ面を備えたトルクコンバータを製作する方法、エッチングされたクラッチ面を備えたトルクコンバータ
(51)【国際特許分類】
   F16H 45/02 20060101AFI20190808BHJP
   F16D 13/62 20060101ALI20190808BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20190808BHJP
   B24C 1/00 20060101ALI20190808BHJP
   B24C 1/06 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   F16H45/02 Z
   F16D13/62 B
   B23K1/00 330N
   B24C1/00 A
   B24C1/06
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-560499(P2016-560499)
(86)(22)【出願日】2015年3月30日
(65)【公表番号】特表2017-516956(P2017-516956A)
(43)【公表日】2017年6月22日
(86)【国際出願番号】US2015023329
(87)【国際公開番号】WO2015153453
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2018年3月27日
(31)【優先権主張番号】61/973,312
(32)【優先日】2014年4月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ラシッド ファラハティ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー クローズ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーン マロット
(72)【発明者】
【氏名】プラサナ グルムルティ
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−6011(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0230385(US,A1)
【文献】 特開2010−270768(JP,A)
【文献】 特開2003−211084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 45/02
B23K 1/00
B24C 1/00
B24C 1/06
F16D 13/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルクコンバータを製作する方法であって、
第1の環状部分を含むタービンシェルを形成するステップであって、前記第1の環状部分は、第1の粗さを有する第1の面を含みかつ前記タービンシェルの半径方向最も外側の部分を形成している、ステップと、
前記タービンシェルに第1の複数のブレードを固定的に接続するステップと、
第2の粗さを有する第2の面を備えた第2の環状部分を含むインペラシェルを形成するステップと、
前記インペラシェルに第2の複数のブレードを固定的に接続するステップと、
前記第1の面又は前記第2の面に、凝固した二酸化炭素粒子又はNaHCO粒子を衝突させるステップと、
粒子が衝突させられた前記第1の面又は第2の面に接着剤を塗布するステップと、
粒子が衝突させられた前記第1の面又は第2の面に前記接着剤によって摩擦材料を接合するステップと、
を含む、トルクコンバータを製作する方法。
【請求項2】
前記第1の面に前記粒子が衝突させられた場合、前記タービンシェル又は前記第1の複数のブレードの中に又は上に残留するNaHCO粒子を除去するために前記タービンシェル及び前記第1の複数のブレードを洗浄するステップ、又は
前記第2の面に前記粒子が衝突させられた場合、前記インペラシェル又は前記第2の複数のブレードの中に又は上に残留するNaHCO粒子を除去するために前記インペラシェル及び前記第2の複数のブレードを洗浄するステップ、
をさらに含む、請求項記載の方法。
【請求項3】
前記タービンシェルに前記第1の複数のブレードを固定的に接続するステップは、
前記タービンシェル又は前記第1の複数のブレードにろう接材料を塗布するステップと、
前記タービンシェル、ろう接材料、及び第1の複数のブレードを加熱するステップと、
を含む、請求項記載の方法。
【請求項4】
前記第1の面又は第2の面に前記粒子を衝突させるステップの前に、前記第1の粗さを得るために前記第1の面を機械加工するステップをさらに含む、請求項記載の方法。
【請求項5】
前記インペラシェルに前記第2の複数のブレードを固定的に接続するステップは、
前記インペラシェル又は前記第2の複数のブレードにろう接材料を塗布するステップと、
前記インペラシェル、ろう接材料、及び第2の複数のブレードを加熱するステップと、
を含む、請求項記載の方法。
【請求項6】
前記第1の面又は第2の面に前記粒子を衝突させるステップの前に、前記第2の粗さを得るために前記第2の面を機械加工するステップをさらに含む、請求項記載の方法。
【請求項7】
前記タービンシェルと前記インペラシェルとを、第3の複数のブレードを含むステータに組み付けるステップをさらに含む、請求項記載の方法。
【請求項8】
前記インペラシェルを前記トルクコンバータ用のカバーに固定的に接続するステップをさらに含む、請求項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年4月1日に出願された米国仮特許出願第61/973,312号の合衆国第35法典第119条(e)に基づく利益を請求し、その全体が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、トルクコンバータのための、摩擦材料を接合するために、クラッチの面を粗面化する方法と、摩擦材料を接合するための粗面を有するクラッチを含むトルクコンバータに関する。
【背景技術】
【0003】
図5は、タービンクラッチ302を備える公知のトルクコンバータ300の部分断面図である。トルクコンバータ300は、トルクを受け取るように配置されたカバー304と、インペラ306と、タービン308と、ステータ310とを備える。インペラ306は、面314を有する部分312Aを有するインペラシェル312と、このシェル312に、例えばろう接によって固定的に接続されるブレード316と、を備えている。タービン308は、面320を有する半径方向最も外側の部分318Aを有するタービンシェル118と、このシェル318に、例えばろう接によって固定的に接続されるブレード322と、を備えている。ステータ310はブレード324とワンウェイクラッチ325とを含む。クラッチ302は、面314又は320に接着剤によって接合される摩擦材料326を含む。クラッチ302は、コンバータ300用のロックアップクラッチとして作用する。例えば、室328内の圧力が軸方向ADでシェル318に作用して、摩擦材料326を面314及び320に接触させ、シェル312と318とを回動不能に接続する。従って、シェル312に伝達されるトルクはシェル318に直接伝達される。
【0004】
面314又は320に摩擦材料を接合するために、面314又は320は粗面化されていて、これにより面314又は320に対する接着剤の接合は容易にされている。通常、ブレード316と322とは、シェル312と318に対して、それぞれ、ブレード及びシェルの加熱を含むろう接プロセスによって固定されている。加熱により、面314及び320の歪みが生じる。従って、歪みを除去するために面314及び320は機械加工される。機械加工ステップのため、粗面化は、ろう接プロセス後まで行うことができない。つまり、ろう接実施前に粗面化を行ったならば、機械加工によって粗面加工がなくされてしまう。
【0005】
面314及び320のような面を粗面化するために、例えば酸化アルミニウム粒子によるサンドブラストを使用することが公知である。サンドブラストに次いで、サンドブラストされたパーツは、サンドブラスト工程後に残留する粒子を除去するために洗浄されなければならない。しかしながらシェル312とブレード316及びシェル318とブレード322の各組み合わせは、無数の角隅、裂け目、ポケット、及びその他の粒子が入り込み得る構造を形成する。洗浄又はその他の手段によってこのような粒子を除去するのは、事実上不可能でなくとも極めて困難である。タービン又はインペラに残留している粒子は、トルクコンバータ300の操作、又はトルクコンバータに接続された別の機器、例えば流体をトルクコンバータに供給するトランスミッションポンプの操作に悪影響を与える恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で説明する態様によると、トルクコンバータを製作する方法であって、第1の粗さを有する第1の面を含みかつタービンシェルの半径方向最も外側の部分を形成している、第1の環状部分を含むタービンシェルを形成するステップと、タービンシェルに第1の複数のブレードを固定的に接続するステップと、第2の粗さを有する第2の面を備えた第2の環状部分を含むインペラシェルを形成するステップと、インペラシェルに第2の複数のブレードを固定的に接続するステップと、粒子状物質又は液体を使用せずに第1の面又は第2の面の少なくとも一部を除去するステップと、少なくとも一部が除去された第1の面又は第2の面の第1の粗さ又は第2の粗さを増大させるステップと、少なくとも一部が除去された第1の面又は第2の面に接着剤を塗布するステップと、少なくとも一部が除去された第1の面又は第2の面に、接着剤によって摩擦材料を接合するステップと、を含む方法が提供される。
【0007】
本明細書で説明する態様によると、トルクコンバータを製作する方法であって、第1の粗さを有する第1の面を含みかつタービンシェルの半径方向最も外側の部分を形成している、第1の環状部分を含むタービンシェルを形成するステップと、タービンシェルに第1の複数のブレードを固定的に接続するステップと、第2の粗さを有する第2の面を備えた第2の環状部分を含むインペラシェルを形成するステップと、インペラシェルに第2の複数のブレードを固定的に接続するステップと、第1の面又は第2の面に、凝固した二酸化炭素粒子又はNaHCO粒子を衝突させるステップと、粒子が衝突させられた第1の面又は第2の面に接着剤を塗布するステップと、粒子が衝突させられた第1の面又は第2の面に接着剤によって摩擦材料を接合するステップと、を含む方法が提供される。
【0008】
本明細書で説明する態様によると、トルクコンバータであって、トルクを受け取るように配置されたカバーと、カバーに固定的に接続されたインペラシェルを含みかつ第1の面を含むインペラと、インペラシェルに固定的に接続された第1の複数のブレードと、タービンシェルであって、該タービンシェルの半径方向最も外側の部分を形成する第2の面を有するタービンシェルを含むタービンと、第1の面又は第2の面に接着剤によって接合された摩擦材料と、タービンとインペラに接続され、第3の複数のブレードを含むステータと、を備えるトルクコンバータが提供される。摩擦材料が接合される第1の面又は第2の面は、摩擦材料が接合される第1の面又は第2の面にエッチングされた周期的パターンを有している。
【0009】
様々な実施の形態は、添付の概略的な図面に関連して例としてのみ開示されている。図面では、対応する参照符号は対応する部材を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1a】本願において使用される空間に関する用語を説明する円柱座標系の斜視図である。
図1b】本願において使用される空間に関する用語を説明する図1aの円柱座標系における物体の斜視図である。
図2】摩擦材料が接合される粗面を有するタービンクラッチを含むトルクコンバータの部分断面図である。
図3図2の領域3にある面を軸方向から見た図であり、この面にエッチングされたパターンの一例を概略的に示している。
図4】摩擦材料が接合される粗面を有するタービンクラッチを含むトルクコンバータの部分断面図である。
図5】タービンクラッチを備える公知のトルクコンバータの部分的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に、異なる図面における類似の図面番号は、本開示の同じ又は機能的に類似の構造要素を識別していることを認識すべきである。請求の範囲に記載した開示は、開示された態様に限定されないことを理解すべきである。
【0012】
さらに、この開示は、特定の方法、材料及び記載された変更に限定されるのではなく、もちろん変更されてよいことが理解される。本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明する目的のためだけのものであり、本開示の範囲を限定することを意図したものではないことも理解される。
【0013】
別段の定めがない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示が属する技術分野における当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で説明されたものと類似又は均等なあらゆる方法、装置又は材料を、本開示の実用又は試験において使用することができることを理解すべきである。
【0014】
図1Aは、本願において使用される空間に関する用語を説明する円柱座標系10の斜視図である。本発明は、少なくとも部分的に円柱座標系10に関して説明される。系10は、以下の方向及び空間に関する用語の基準として使用される長手方向軸線1を有する。軸方向ADは、軸線1に対して平行である。半径方向RDは、軸線1に対して垂直である。周方向CDは、軸線1を中心として回転する(軸線1に対して垂直な)半径Rの終端点によって規定されている。
【0015】
空間に関する用語を明らかにするために、物体4,5及び6を使用する。物体4の面7は、軸方向平面を形成している。例えば軸線1は面7と一致する。物体5の面8は、半径方向平面を形成している。例えば半径2は面8と一致する。物体6の面9は、周方向面を形成している。例えば円周3は面9と一致する。別の例として、軸方向の移動又は配置は、軸線1に対して平行であり、半径方向の移動又は配置は、軸線1に対して垂直であり、周方向の移動又は配置は、円周3に対して平行である。回転は、ここでは軸線1に関して説明される。
【0016】
「軸方向に」、「半径方向に」及び「周方向に」という副詞は、それぞれ軸線1、半径2又は円周3に対して平行な向きに関して使用される。「軸方向に」、「半径方向に」及び「周方向に」という副詞は、それぞれの平面に対して平行な向きに関しても使用される。
【0017】
図1Bは、本願において使用される空間に関する用語を説明する図1Aの円柱座標系10における物体15の斜視図である。円筒状の物体15は、円柱座標系における円筒状の物体を表し、本発明の請求項を限定することは意図されていない。物体15は、軸方向の面11と、半径方向の面12と、周方向の面13とを有する。面11は、軸方向平面の一部であり、面12は、半径方向平面の一部であり、面13は周方向の面の一部である。
【0018】
図2は、タービンクラッチ102を備えるトルクコンバータ100の部分断面図であり、タービンクラッチ102は、摩擦材料が接合される粗面を有している。トルクコンバータ100は、(例えば図示されていないエンジンからの)トルクを受け取るように配置されたカバー104と、インペラ106と、タービン108と、ステータ110とを備える。インペラ106は、面114を含む環状部分112Aを有するインペラシェル112と、このシェル112に固定的に接続されるブレード116とを備えている。タービン108は、面120を有する半径方向最も外側の部分118Aを有するタービンシェル118と、このシェル118に固定的に接続されるブレード122とを備えている。ステータ110はブレード124とワンウェイクラッチ125とを含む。クラッチ102は、面114又は120に接着剤によって接合される摩擦材料126を含む。クラッチ102は、コンバータ100用のロックアップクラッチとして作用する。例えば、室128内の圧力が軸方向ADでシェル118に作用して、摩擦材料126を面114及び120に接触させ、シェル112と118とを回動不能に接続する。従って、シェル112に伝達されるトルクはシェル118に直接伝達される。
【0019】
面114又は120に摩擦材料を接合するために、面114又は120は粗面化されていて、これにより、面114又は120に対する接着剤の接合が容易になっている。通常、ブレード116と122とは、シェル112と118に対して、それぞれ、ブレード及びシェルの加熱を含むろう接プロセスによって固定されている。加熱により、面114及び120の歪みが生じる。従って、歪みを除去するために面114及び120は機械加工される。機械加工ステップのため、粗面化は、ろう接プロセス後まで行うことができない。つまり、ろう接実施前に粗面化を行ったならば、機械加工によって粗面加工がなくされてしまう。
【0020】
図3は、図2の領域3にある面120を軸方向から見た図であり、面120にエッチングされたパターン130の一例が概略的に示されている。図3には面120が示されているが、面114にエッチングされたパターン130を面114が有していてもよいことは勿論である。パターン130は概略的な一例であって、別のパターンであってもよいことを理解されたい。パターニング工程を以下に説明する。
【0021】
以下に、トルクコンバータ100を形成するための方法例が記載されている。この方法は、明確性を期して連続したステップとして示されているが、明確に述べられていない限り、この連続性から順番を規定すべきではない。第1ステップでは、環状部分112Aを含むインペラシェル112が形成される。部分112Aは、第1の粗さを有する面114を含んでいる。第2ステップでは、インペラシェルにブレード116が固定的に接続される。第3ステップでは、タービンシェル118と環状部分118Aとが形成される。部分118Aは面120を含んでいる。面120は第2の粗さを有している。第4ステップでは、タービンシェル118にブレード122が固定的に接続される。第5ステップでは、粒子状物質や液体を使用せずに面114又は120の少なくとも一部を除去する。以下の説明は面120に関するものである。しかしながら、この説明は、面114にも同様に適用可能であると理解されたい。第6ステップでは、面120の粗さを増大させる。第7ステップでは、面120に接着剤が塗布される。第8ステップでは、接着剤によって、面120に摩擦材料126が接合される。
【0022】
面114又は120の上記少なくとも一部の除去には、面120における周期的なパターン130の形成が含まれる。1つの実施形態では、インペラシェルへのブレード116の固定的な接続には、インペラシェル及び/又はブレード116へのろう接材料の塗布、及び、インペラシェル、ろう接材料、及びブレード116の加熱が含まれる。1つの実施形態では、第9ステップで、上記の第5ステップの前に、第2の粗さを得るために、面114が機械加工される。1つの実施形態では、タービンシェルへのブレード122の固定的な接続には、タービンシェル及び/又はブレード122へのろう接材料の塗布、及び、タービンシェル、ろう接材料、及びブレード122の加熱が含まれる。1つの実施形態では、第10ステップで、上記の第5ステップの前に、第1の粗さを得るために、面120が機械加工される。
【0023】
第11ステップでは、タービンとインペラとがステータ110に組み付けられる。第12ステップでは、カバー104にインペラシェル112が固定的に接続される。
【0024】
1つの実施形態では、第5ステップでレーザが使用される。レーザが、面114及び120を形成する各材料の少なくとも一部を除去し、パターン130を形成するように、レーザの出力と、面114又は120の特定の領域にレーザの焦点が合わせられる期間とが決定される。1つの実施形態では、レーザはX及びY方向で8の字パターンで動かされながら、X又はY方向で面114又は120にわたって伝達される。レーザは実質的に除去材料を蒸発させ、蒸発された材料は、面114又は120から排出されることができるので、面114又は120のエッチングのためのレーザ使用は、例えばトルクコンバータ100の粒子汚染とはならず有利である。
【0025】
図4は、タービンクラッチ202を備えるトルクコンバータ200の部分断面図であり、タービンクラッチ102は、摩擦材料が接合される粗面を有している。トルクコンバータ200は、(例えば図示されていないエンジンからの)トルクを受け取るように配置されたカバー204と、インペラ206と、タービン208と、ステータ210とを備える。インペラ206は、面214を含む環状部分212Aを有するインペラシェル212と、このシェル212に固定的に接続されるブレード216とを備えている。タービン208は、面220を有する半径方向最も外側の部分218Aを有するタービンシェル218と、このシェル218に固定的に接続されるブレード222とを備えている。ステータ210は、ブレード224とワンウェイクラッチ225とを含む。クラッチ202は、面214又は220に接着剤によって接合される摩擦材料226を含む。クラッチ202は、コンバータ200用のロックアップクラッチとして作用する。例えば、室228内の圧力が軸方向ADでシェル218に作用して、摩擦材料226を面214及び220に接触させ、シェル212と218とを回動不能に接続する。従って、シェル212に伝達されるトルクはシェル218に直接伝達される。
【0026】
面214又は220に摩擦材料を接合するために、面214又は220は粗面化されていて、これにより、面214又は220に対する接着剤の接合が容易になっている。通常、ブレード216と222とは、シェル212と218に対して、それぞれ、ブレード及びシェルの加熱を含むろう接プロセスによって固定されている。加熱により、面214及び220の歪みが生じる。従って、歪みを除去するために、面214及び220は機械加工される。機械加工ステップのため、粗面化は、ろう接プロセス後まで行うことができない。つまり、ろう接実施前に粗面化を行ったならば、機械加工によって粗面加工がなくされてしまう。
【0027】
以下に、トルクコンバータ200を製作するための方法が記載されている。この方法は、明確性を期して連続したステップとして示されているが、明確に述べられていない限り、この連続性から順番を規定すべきではない。第1ステップでは、環状部分212Aを含むインペラシェル212が形成される。第2ステップでは、インペラシェルにブレード216が固定的に接続される。第3ステップでは、タービンシェル218と環状部分218Aとが形成される。部分218Aは面220を含んでいる。第4ステップでは、タービンシェル218にブレード222が固定的に接続される。第5ステップでは、面214又は220に、凝固した二酸化炭素粒子又はNaHCO粒子が衝突させられる。第6ステップでは、粒子が衝突させられた面214又は220に接着剤が塗布される。第7ステップでは、接着剤によって、面214又は220に摩擦材料226が接合される。
【0028】
面214にNaHCO粒子が衝突させられた場合には、第8ステップで、衝突完了後にインペラシェル又はブレード216の中又は上に残留しているNaHCO粒子を除去するために、インペラシェル又はブレード216が洗浄されるのが望ましい。面220にNaHCO粒子が衝突させられた場合には、第8ステップで、衝突完了後にタービンシェル又はブレード222の中に又は上に残留しているNaHCO粒子を除去するために、タービンシェル又はブレード222が洗浄されるのが望ましい。
【0029】
1つの実施形態では、インペラシェルへのブレード216の固定的な接続には、インペラシェル及び/又はブレード216へのろう接材料の塗布及び、インペラシェル、ろう接材料、及びブレード216の加熱が含まれる。1つの実施形態では、第9ステップで、上記の第5ステップの前に、面214が機械加工される。1つの実施形態では、タービンシェルへのブレード222の固定的な接続には、タービンシェル及び/又はブレード222へのろう接材料の塗布及び、タービンシェル、ろう接材料、及びブレード222の加熱が含まれる。1つの実施形態では、第10ステップで、上記の第5ステップの前に、面220が機械加工される。
【0030】
第11ステップでは、タービンとインペラとがステータ210に組み付けられる。第12ステップでは、カバー204にインペラシェル212が固定的に接続される。
【0031】
有利には、第5ステップ後に、インペラ206又はタービン208に残留している二酸化炭素の粒子は周囲温度で蒸発する。従って、トルクコンバータ200又はこのコンバータ200に関連する機器に悪影響を与える残留物は残されない。
【0032】
NaHCOは水溶性であるので、第9ステップ及び第10ステップの洗浄プロセスでは好適には、第5ステップ後にインペラ206又はタービン208に残された実質的に全てのNaHCOを除去することができる。従って、トルクコンバータ200又はこのコンバータ200に関連する機器に悪影響を与える粒子は残されない。
【0033】
上に開示された特徴及び機能並びにその他の特徴及び機能、又はそれらに代替するものは、望ましくは多くのその他の異なるシステム又は用途に組み合わされてよいことが認められるであろう。現時点では予想又は予期されない様々な代替、修正、変更又は改良が、引き続き当業者によってなされてよく、これらも、以下の請求の範囲によって包含されることが意図されている。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5