【文献】
BRYAN WILKINSON PYLE; PYLE WILKINSON,MOLECULAR CLONING AND CHARACTERIZATION OF SESQUITERPENE SYNTHASES FROM VALERIANA OFFICINALIS,A THESIS [ONLINE],UNIVERSITY OF CALGARY,2012年 7月,P1-94,URL,http://theses.ucalgary.ca/bitstream/11023/129/2/ucalgary_2012_pyle_bryan.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
宿主細胞又はヒトでない宿主生物を、配列番号6を含むポリペプチドをコードする核酸で形質転換し、ポリペプチドの生成が可能な条件下で宿主細胞又は宿主生物を培養する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】標準の(−)−ドリメノールの質量スペクトルを示す図。
【
図3】標準の(−)−ドリメノールの
13C NMRスペクトルを示す図。
【
図4】標準の(−)−ドリメノールのX線(Cu K放射線)構造を示す図。
【
図5】タバコの葉における単離されたドリメノールシンターゼ(VaTPS3)の一過性発現実験のGC/MSクロマトグラムを示す図。GC/MSクロマトグラムのドリメノールピークをラベル付けし、相応する質量スペクトルも提供される。
【
図6】遺伝子操作した細菌細胞における組換えVaTPS3によって生じた生成物のGC/MS分析を示す図。A.細胞培養物の溶媒抽出物の合計イオンクロマトグラム。B.12.544分でのピークのGC/MS(標準の(−)−ドリメノール基準の質量スペクトルについて
図2を参照)。11.902分で溶出するピークは、遺伝子操作した大腸菌細胞によって生成されるファルネシルピロリン酸の加水分解から生じるファルネソールである。
【
図7】標準の(−)−ドリメノール(上段)、ラセミ体ドリメノール(中段)、及び遺伝子操作した細菌細胞における組換えVaTPS3によって生じたドリメノール(下段)のキラルGC/FIDクロマトグラムを示す図。
【
図8】組換えVaTPS3シンターゼによってin vitroで生成されたセスキテルペンのGC/MS分析を示す図。A.外因性FPPでインキュベートした場合に組換えVaTPS3シンターゼによって生成されたセスキテルペンの合計イオンクロマトグラム。B.空のプラスミドで形質転換した大腸菌細胞で同一の実験条件で実施した陰性対照。C.12.99分でのピークの質量スペクトル。D.標準の(−)−ドリメノール基準の質量スペクトル。
【0009】
明細書及び付属の特許請求の範囲について、“又は”の使用は、特に明記されない限り“及び/又は”を意味する。同様に、“含有する(comprise)”、“含有する(comprises)”、“含有している(comprising)”、“含む(include)”、“含む(includes)”及び“含んでいる(including)”は、置き換えることができ、かつ制限することを意図しない。
【0010】
さらに、種々の実施形態の記載が“含有している(comprising)”の用語を使用する場合に、当業者は、ある特定の例において、一実施形態が“実質的にからなる(consisting essentially of)”又は“からなる(consisting of)”の言語を使用して代わりに記載されてよいことを理解していることを、さらに理解すべきである。一態様において、本明細書で、以下、
i)非環式テルペンピロリン酸、特にファルネシル二リン酸(FPP)と、ドリメノールシンターゼ活性を有し、かつ配列番号6を含有するポリペプチドとを接触させて、ドリメノールを製造すること;及び
ii)任意にドリメノールを単離すること
を含むドリメノールの製造方法が提供される。
【0011】
一態様において、ドリメノールが単離される。
【0012】
本明細書で提供される他の態様において、ドリメノールは、60%以上、80%以上、又は90%以上、又はさらに95%以上の選択性で生成される。
【0013】
さらに、本明細書で、配列番号6のアミノ酸を含む、ドリメノール活性を有する単離されたポリペプチドが提供される。
【0014】
さらに、本明細書において、配列番号6のアミノ酸を含む、ポリペプチドをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0015】
さらに、本明細書において、配列番号5を含む核酸分子が提供される。
【0016】
さらに、本明細書で、宿主細胞又はヒトでない宿主生物を、配列番号6を含むポリペプチドをコードする核酸で形質転換し、ポリペプチドの生成が可能な条件下で宿主細胞又は宿主生物を培養する工程を含む,請求項1において挙げられた方法が提供される。
【0017】
さらに、記載された核酸分子を含む少なくとも1つのベクターが提供される。
【0018】
さらに、本明細書において、原核ベクター、ウィルスベクター及び真核ベクターの群から選択されるベクターが提供される。
【0019】
さらに、本明細書で、発現ベクターであるベクターが提供される。
【0020】
“ドリメノールシンターゼ”に関して、又は“ドリメノールシンターゼ活性を有するポリペプチド”に関して、本明細書で、非環式テルペンピロリン酸、特にFPPから出発して、その立体異性体又はそれらの混合物の任意の形で、ドリメノールの合成を触媒作用できるポリペプチドを意味する。ドリメノールは、単独の生成物であってよく、又はセスキテルペンの混合物の一部であってよい。
【0021】
特定のセスキテルペン(例えばドリメノール)の合成を触媒作用するポリペプチドの能力は、実施例2〜4において詳述されるように酵素アッセイを実行することによって単純に確認できる。
【0022】
本発明に従って、ポリペプチドは、それらのドリメノールシンターゼ活性を維持することが提供された短縮ポリペプチドを含むことも意味する。
【0023】
本明細書において以下で意図されるように、“配列番号5を改質することによって得られるヌクレオチド配列又はそれらの相補体”は、当業者に公知の任意の方法を使用して、例えば任意のタイプの突然変異を導入すること、例えば消失、挿入又は置換の突然変異によって、配列番号5の又はそれらの相補体の配列を変更することによって得られる任意の配列を包含する。かかる方法の例は、変異体ポリペプチド及びそれらの製造方法に関する記載の一部に挙げられている。
【0024】
使用した省略形
bp 塩基対
kb キロベース
BSA ウシ血清アルブミン
DNA デオキシリボ核酸
cDNA 相補的DNA
DTT ジチオトレイトール
FID 水素炎イオン化検出器
FPP ファルネシルピロリン酸
GC ガスクロマトグラフ
IPTG イソプロピル−D−チオガラクト−ピラノシド
LB 溶原性培地(LB培地)
MS 質量分析器/質量分析法
MVA メバロン酸
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
RMCE レコンビナーゼ媒介カセット変換(recombinase-mediated cassette exchange)
3'-/5'-RACE 3’及び5’のcDNAの急速増幅(rapid amplification of cDNA ends)
RNA リボ核酸
mRNA メッセンジャーリボ核酸
miRNA マイクロRNA
siRNA 低分子干渉RNA
rRNA リボソームRNA
tRNA 転移RNA。
【0025】
“ポリペプチド”の用語は、連続して重合させたアミノ酸残基、例えば、少なくとも15残基、少なくとも30残基、少なくとも50残基のアミノ酸配列を意味する。本明細書における一実施形態のいくつかの実施形態において、ポリペプチドは、酵素、又はそれらの断片、又はそれらの変異体であるアミノ酸配列を含む。
【0026】
“単離された”ポリペプチドの用語は、その自然環境から、任意の方法、又は当業者に公知であり組換え法、生化学的方法及び合成法を含む方法の組合せによって取り出されたアミノ酸配列をいう。
【0027】
“タンパク質”の用語は、天然に生じようと合成であろうと、アミノ酸が、共有ペプチド結合によって連結されており、かつオリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド及び完全鎖のタンパク質を含む、任意の長さのアミノ酸配列をいう。
【0028】
“ドリメノールシンターゼ”又は“ドリメノールシンターゼタンパク質”の用語は、ファルネシル二リン酸(FPP)をドリメノールに変換することができる酵素をいう。
【0029】
“生物学的機能”、“機能”、“生物学的活性”又は“活性”の用語は、本明細書において提供されるドリメノールシンターゼの、FPPからドリメノールの形成を触媒作用する能力をいう。
【0030】
“核酸配列”、“核酸”及び“ポリヌクレオチド”の用語は、区別なく、ヌクレオチドの配列を意味するために使用される。核酸配列は、一本鎖又は二本鎖のデオキシリボ核酸、又は任意の長さのリボ核酸であってよく、遺伝子のコード配列及び非コード配列、エキソン、イントロン、センス及びアンチセンスの相補的配列、ゲノムDNA、cDNA、miRNA、siRNA、mRNA、rRNA、tRNA、組換え核酸配列、単離された及び精製された天然に生じるDNA及び/又はRNA配列、合成DNA及びRNA配列、断片、プライマー及び核酸プローブを含む。当業者は、RNAの核酸配列が、種々のチミン(T)をウラシル(U)によって置き換えたDNAの配列と同一であることに気付いている。
【0031】
“単離された核酸”又は“単離された核酸配列”は、核酸又は核酸配列が天然に生じる環境とは異なる環境である核酸又は核酸配列として定義される。本明細書において使用される核酸に適用される“天然に生じる”の用語は、天然に細胞中で見られる核酸をいう。例えば、生物において、例えば生物の細胞において存在し、天然の源から単離されてよく、研究室においてヒトによって意図的に改質されていない核酸配列が、天然に生じる。
【0032】
“組換え核酸配列”は、天然に生じず、かつそうでなければ生物学的生物において見られない核酸配列を生じる、1種以上の源からの遺伝物質と一緒にもたらすための実験的方法(分子クローニング)の使用から生じる核酸配列である。
【0033】
“組換えDNA技術”は、例えば、Weigel及びGlazebrookによって編集されたLaboratory Manuals(2002 Cold Spring Harbor Lab Press)、並びにSambrookら(1989 Cold Spring Harbor, NY: Cold Spring Harbor Laboratory Press)において記載されているような組換え核酸配列を製造するための分子生物学的方法をいう。
【0034】
“遺伝子”の用語は、適した調節領域、例えばプロモーターに操作可能に連結された、RNA分子、例えば細胞中のmRNAに転写された領域を含むDNA配列を意味する。遺伝子は、従って、いくつかの操作可能に連結された配列、例えばプロモーター、例えば翻訳開始において含まれる配列を含む5’リーダー配列、cDNA又はゲノムDNAのコード領域、イントロン、エキソン、及び/又は例えば転写末端部位を含む3’非翻訳配列を含んでよい。
【0035】
“キラル遺伝子”は、通常、種において天然に見られないあらゆる遺伝子、特に、核酸配列の1以上の部位が互いに天然に関連せずに存在する遺伝子をいう。例えば、プロモーターは、転写領域の一部もしくは全てと又は他の調節領域と天然に関連しない。“キラル遺伝子”の用語は、プロモーター又は転写調節配列が、1つ以上のコード配列に、もしくは1つのアンチセンス、すなわちセンス鎖の逆相補鎖に操作可能に連結され、又は繰り返し配列を逆転させる(センス及びアンチセンス、それによりRNA転写が転写に対して二本鎖RNAを形成する)、発現構築物を含むと解される。
【0036】
“3’UTR”又は“3’非翻訳配列”(“3’非翻訳領域”又は“3’末端”とも言われる)は、例えば転写末端部位及び(ほとんど、しかし全てではないが真核mRNAの)ポリアデニル化シグナル、例えばAAUAAA又はそれらの変異体を含む、遺伝子のコード配列の下流に見られる核酸配列をいう。転写の終了後に、mRNA転写は、ポリアデニル化シグナルの下流で裂けてよく、かつ転写部位、例えば細胞質へのmRNAの輸送中に含まれるポリ(A)末端が付加されてよい。
【0037】
“遺伝子の発現”は、タンパク質中への遺伝子の転写及びmRNAの翻訳を含む。過剰発現は、同一の遺伝的背景の非形質転換細胞又は非形質転換生物における生成物のレベルを超える、トランスジェニック細胞又はトランスジェニック生物におけるmRNA、ポリペプチド及び/又は酵素活性のレベルによって測定される遺伝子生成物の生成をいう。
【0038】
本明細書において使用される“発現ベクター”は、宿主細胞中へ異物又は外因性のDNAを導入するための分子生物学的方法及び組換えDNA技術を使用して設計された核酸分子を意味する。発現ベクターは、典型的に、ヌクレオチド配列の適正な転写のために要求される配列を含む。コード領域は、通常、関心のあるタンパク質についてコードするが、RNA、例えばアンチセンスRNA、siRNA等についてもコードしてよい。
【0039】
本明細書において使用される“発現ベクター”は、制限されることなく、ウィルスベクター、バクテリオファージ及びプラスミドを含む、あらゆる線状又は環状の組み換えベクターを含む。当業者は、発現系に従って適したベクターを選択することができる。一実施形態において、発現ベクターは、転写、翻訳、開始及び終止を調節する少なくとも1つの調節配列、例えば転写プロモーター、オペレーター又はエンハンサー、又はmRNAリボソーム結合部位に操作可能に連結され、及び任意に、少なくとも1つの選択マーカーを含む、本明細書における一実施形態の核酸を含む。ヌクレオチド配列は、調節配列が、本明細書における一実施形態の核酸に機能的に関連する場合に、“操作可能に連結”される。
【0040】
“調節配列”は、本明細書の一実施形態の核酸配列の発現レベルを決定し、かつ調節配列に操作可能に連結される核酸配列の転写の割合を調整することができる核酸配列をいう。調節配列は、プロモーター、エンハンサー、転写因子、プロモーター要素等を含む。
【0041】
“プロモーター”は、RNAポリメラーゼのための結合部位、及び制限なく転写因子結合部位、リプレッサー及び活性タンパク質結合部位を含む適正な転写のために要求される他の因子を提供することにより、コード配列の発現を制御する核酸配列をいう。プロモーターの用語の意味は、“プロモーター調節配列”の用語も含む。プロモーター調節配列は、転写、RNAプロセッシング又は関連するコード核酸配列の安定性に影響してよい、上流及び下流の要素を含んでよい。プロモーターは、天然由来の配列及び合成の配列を含む。コード核酸配列は、通常、転写開始位置で出発する転写の方向に関連してプロモーターの下流に配置される。
【0042】
“構成性プロモーター”は、操作可能に連結される核酸配列の連続的な転写を可能にする非調節性プロモーターをいう。
【0043】
本明細書において使用されるように、“操作可能に連結”の用語は、機能的関連でのポリヌクレオチド要素の連結をいう。核酸は、それが他の核酸配列と機能的関連に置かれる場合に“操作可能に連結”される。例えば、プロモーター、むしろ転写調節配列は、コード配列の転写に影響する場合に、コード配列に操作可能に連結される。操作可能に連結は、連結されているDNA配列が典型的に隣接することを意味する。プロモーター配列に関連するヌクレオチド配列は、形質転換されるべき植物に関して相同性又は非相同性の起源のものであってよい。前記配列は、全体的に又は部分的に合成されているものでもよい。起源に関わらず、プロモーター配列に関連する核酸配列は、本明細書における一実施形態のポリペプチドへの結合後に連結されるプロモーター特性に従って発現されるか又は発現抑制される。関連する核酸は、全ての時間で又は代わりに特定の時間で生物を通じて、又は特異的な組織、細胞もしくは細胞コンパートメント中で、発現又は抑制されるべきであることが所望されるタンパク質についてコードしてよい。かかるヌクレオチド配列は、特に、それらで改変された又は形質転換された宿主細胞又は宿主生物に対して所望の表現型の特徴を付与するタンパク質をコードする。より詳述すれば、関連するヌクレオチド配列は、生物中でドリメノールの製造を導く。特に、ヌクレオチド配列は、ドリメノールシンターゼをコードする。
【0044】
“標的ペプチド”は、タンパク質、又は細胞内オルガネラ、すなわちミトコンドリア、もしくは色素体に対するポリペプチド、又は細胞外空間(分泌シグナルペプチド)に対するポリペプチドを標的とするアミノ酸配列をいう。標的ペプチドをコードする核酸配列は、タンパク質又はポリペプチドのアミノ末端、例えばN−末端をコードする核酸配列に融合してよく、又は天然の標的ポリペプチドを置き換えるために使用されてよい。
【0045】
“プライマー”は、鋳型の核酸配列にハイブリダイズされ、かつ鋳型に対して相補的な核酸配列の重合のために使用される、短い核酸配列をいう。
【0046】
本明細書において使用されるように、“宿主細胞”又は“形質転換細胞”の用語は、転写に対してドリメノールを製造するために有用なドリメノールシンターゼタンパク質をもたらす、少なくとも1つの核酸分子、例えば所望のタンパク質又は核酸配列をコードする組換え遺伝子を宿すために改変された細胞(又は生物)をいう。宿主細胞は、特に細菌細胞、真菌細胞又は植物細胞である。宿主細胞は、宿主細胞の核ゲノム又はオルガネラゲノムに組込まれる本発明による組換え遺伝子を含んでよい。代わりに、宿主は、組換え遺伝子を染色体外で含んでよい。相同配列は、オルソガス配列又はパラロガス配列を含む。系統学的方法、配列類似性、及びハイブリダイゼーション法を含む、オルソログ又はパラログを同定する方法は、当業者に公知であり、本明細書において記載されている。
【0047】
パラログは、類似した配列及び類似した機能を有する2以上の遺伝子を生じる遺伝子重複から生じる。パラログは、典型的に、一緒にクラスター形成し、関連する植物種内で遺伝子の重複によって形成される。パラログは、ペアワイズのBlast解析を使用して類似の遺伝子の群で見出されるか、又はプログラム、例えばCLUSTALを使用した遺伝子ファミリーの系統発生解析中に見出される。パラログにおいて、コンセンサス配列は、関連する遺伝子内の配列及び遺伝子の類似の機能を有する配列に対して特徴的に同定されうる。
【0048】
オルソログ、又はオルソガス配列は、それらが共通祖先の子孫である種において見出されるため、互いに類似する配列である。例えば、共通祖先を有する植物種は、類似した配列及び機能を有する多くの酵素を含むことが公知である。当業者は、オルソガス配列を同定することができ、かつオルソログの機能を、例えばCLUSTAL又はBLASTプログラムを使用して1つの種の遺伝子ファミリーについてのポリジーン系図(polygenic tree)を構築することによって予測することができる。相同配列中の類似した機能を同定又は確認するための方法は、関連するポリペプチドを過剰発現する又は(ノックアウト/ノックダウンで)欠失する植物中で転写プロフィールを比較することによる。当業者は、通常50%より多くの調節された転写で、又は通常70%より多くの調節された転写で、又は通常90%より多くの調節された転写で類似した転写プロフィールを有する遺伝子が類似した機能を有することを理解している。ホモログ、パラログ、オルソログ及び本発明における配列のあらゆる他の変異体は、ドリメノールシンターゼタンパク質を製造する植物を作成することによって類似する方法において機能することが予期される。
【0049】
本明細書において提供される一実施形態は、オルソログ及びパラログを含むドリメノールシンターゼタンパク質のアミノ酸配列、並びに他の生物におけるドリメノールシンターゼのオルソログ及びパラログを同定及び単離するための方法を提供する。特に、ドリメノールシンターゼの同定されたオルソログ及びパラログは、ドリメノールシンターゼ活性を保持し、かつFPP前駆体から出発してドリメノールを製造することができる。
【0050】
“選択可能なマーカー”の用語は、発現に対して、選択可能なマーカーを含む1つの細胞又は複数の細胞を選択するために使用されてよい任意の遺伝子をいう。選択可能なマーカーの例を以下に記載する。当業者は、種々の抗生物質、殺菌剤、栄養要求性又は除草剤の選択可能なマーカーが種々の標的種に適用可能であることを周知している。
【0051】
この適用の目的のための“ドリメノール”は、(−)−ドリメノール(CAS:468−68−8)をいう。
【0052】
“生物”の用語は、任意のヒトでない多細胞生物又は単細胞生物、例えば植物又は微生物をいう。特に、微生物は、細菌、酵母、藻類又は真菌である。“植物”の用語は、植物プロトプラスト、植物組織、再生植物を生じる植物細胞組織培養物、又は植物の一部、又は植物器官、例えば根、茎、葉、花、花粉、胚珠、胚、果実等を含む植物細胞を含むために区別なく使用される。任意の植物が、本明細書における一実施形態の方法を実施するために使用されうる。
【0053】
in vitroで、非環式ピロリン酸、例えばFPPと接触されるべきポリペプチドは、標準のタンパク質又は酵素抽出技術を使用して、それを発現する任意の生物から抽出することにより得られうる。宿主生物が単細胞生物又は培地中に本明細書における一実施形態のポリペプチドを放出する細胞である場合に、ポリペプチドは、培地から、例えば遠心分離、続いて場合により洗浄工程及び適した緩衝溶液中での再懸濁によって簡単に採取されてよい。前記生物又は細胞が、その細胞内でポリペプチドを蓄積する場合に、ポリペプチドは、細胞の破壊又は溶解、及び細胞溶解物からポリペプチドのさらなる抽出によって得られてよい。
【0054】
ドリメノールシンターゼ活性を有するポリペプチドは、単離された形で又は他のタンパク質と一緒に、例えば培養細胞又は微生物から得られた粗タンパク質抽出物中で、至適pHで緩衝溶液中で懸濁されてよい。適宜、塩、DTT、無機カチオン及び他の種類の酵素補因子を、酵素活性を最適化するために添加してよい。前駆体FPPを、ポリペプチド懸濁液に添加し、そして至適温度、例えば15〜40℃、特に25〜35℃、より特に30℃でインキュベートする。インキュベート後に、製造したドリメノールを、場合により溶液からポリペプチドを取り出した後に、標準の単離方法、例えば溶媒抽出及び蒸留によってインキュベートした溶液から単離してよい。
【0055】
他の特定の実施形態に従って、任意の前記実施形態の方法を、in vivoで実施する。この場合、工程a)は、ドリメノールの製造を導く条件下で、FPPを製造することができ、かつ配列番号6を有するアミノ酸を含有し、ドリメノールシンターゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドを発現するために形質転換されるヒトでない宿主生物又は宿主細胞を培養することを含む。
【0056】
より特定の一実施形態に従って、前記方法は、さらに、工程a)の前に、FPPを製造できるヒトでない生物又は細胞を、配列番号6を有するアミノ酸を含有し、ドリメノールシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする少なくとも1つの核酸で形質転換して、前記生物が前記ポリペプチドを発現することを含む。
【0057】
本明細書における一実施形態のこれらの実施形態は、予めポリペプチドを単離することなくin vivoで前記方法を実施することができるため、特に有利である。前記反応は、形質転換した生物又は細胞内で直接生じて、前記ポリペプチドを発現する。
【0058】
より特定の実施形態に従って、前記実施形態のいずれかにおいて使用される少なくとも1つの核酸は、配列番号5又はそれらの相補体を改質することによって得られるヌクレオチド配列を含む。他の実施形態に従って、少なくとも1つの核酸は、オミナエシ科の植物から、特にバレリアナ・アミュレンシス(Valeriana amurensis)から単離される。前記生物又は細胞は、ポリペプチドを“発現”することを意味するが、但し前記生物又は細胞は、該ポリペプチドをコードする核酸を宿すために形質転換され、この核酸は、mRNAに転写され、そしてポリペプチドは、宿主生物又は宿主細胞中で見出される。“発現”の用語は、“異種発現”及び“過剰発現”を含み、後者は、形質転換していない生物又は細胞中で測定されるものを超える、及びそれより多いmRNA、ポリペプチド及び/又は酵素の活性のレベルをいう。ヒトでない宿主生物又は宿主細胞を形質転換するための適した方法のより詳細な記載は、本発明で提供される特定の目的として、かかる形質転換したヒトでない宿主生物又は宿主細胞について記載された明細書の一部で、及び実施例で以下に記載されている。
【0059】
特定の生物又は細胞は、天然にFPPを製造する場合に、又は天然にFPPを製造しないがFPPを製造するために形質転換される場合に、本明細書において記載された核酸で形質転換する前に、又は前記核酸と一緒に、“FPPを製造できる”ことを意味する。生物又は細胞を天然に生じるよりも高い量のFPPを製造するために形質転換させた生物又は細胞は、“FPPを製造することができる生物又は細胞”にも包含される。生物、例えば微生物を形質転換して、それらがFPPを製造するための方法は、当業者に既に公知である。
【0060】
本明細書における一実施形態をin vivoで実施するために、宿主生物又は宿主細胞を、ドリメノールの製造を導く条件下で培養させる。従って、宿主がトランスジェニック植物である場合に、最適な成長条件、例えば最適な光条件、水条件及び栄養条件を提供する。宿主が単細胞生物である場合に、ドリメノールの製造の助けとなる条件は、宿主の培地への適した補因子の添加を含んでよい。さらに、培地は、ドリメノール合成を最大化するように選択されてよい。最適な培養条件は、次の実施例でより詳細な方法で記載されている。
【0061】
本明細書における一実施形態の方法をin vivoで実施するために適したヒトでない宿主生物は、任意のヒトでない多細胞又は単細胞生物であってよい。特定の一実施態様において、本明細書における一実施形態をin vivoで実施するために使用されるヒトでない宿主生物は、植物、原核生物又は真菌である。あらゆる植物、原核生物又は真菌を使用できる。特に有用な植物は、多量のテルペンを自然に製造するものである。より特定の一実施形態において、本明細書における一実施形態の方法をin vivoで実施するために使用されるヒトでない宿主生物は、微生物である。あらゆる微生物を使用できるが、さらにより特定の実施形態に従って、該微生物は細菌又は酵母菌である。最も特に、前記細菌は大腸菌(Escherichia coli)であり、かつ前記酵母は、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)である。
【0062】
これらの生物のいくつかは、天然にFPPを製造しない。本明細書における一実施形態の方法を実施するために適切であるために、これらの生物は、前記前駆体を製造するために形質転換される。それらは、前記で説明されているように、前記実施形態のいずれかに従って記載された核酸での改質前、又は同時に、形質転換されてよい。
【0063】
単離された高次真核細胞を、完全な生物の代わりに、本明細書における一実施形態の方法をin vivoで実施するための宿主としても使用できる。適した真核細胞は、あらゆるヒトでない細胞であってよいが、しかし特に植物細胞又は真菌細胞である。
【0064】
他の特定の実施形態において、ポリペプチドは、配列番号6を含む。
【0065】
他の特定の実施形態に従って、前記実施形態のいずれかにおいて使用されるドリメノールシンターゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチド、又は前記実施形態のいずれかにおいて使用される核酸によりコードされる少なくとも1つのポリペプチドは、遺伝子工学によって得られる、配列番号6の変異体であるアミノ酸配列を含み、但し、該変異体は、前記されたようなそのドリメノールシンターゼ活性を維持しており、かつ必要なパーセンテージの配列番号6に対する同一性を有する。他の場合、前記ポリペプチドは、特に、配列番号5又はそれらの相補体を改質することによって得られるヌクレオチド配列によってコードされたアミノ酸配列を含む。より特定の一実施形態に従って、前記実施形態のいずれかにおいて使用されるドリメノールシンターゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチド、又は前記実施形態のいずれかにおいて使用される核酸によりコードされる少なくとも1つのポリペプチドは、遺伝子工学によって得られる、配列番号6の変異体であるアミノ酸配列、すなわち、配列番号5又はそれらの相補体を改質することによって得られるヌクレオチド配列によってコードされたアミノ酸配列からなる。
【0066】
他の特定の一実施形態に従って、前記実施形態のいずれかにおいて使用されるドリメノールシンターゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチド、又は前記実施形態のいずれかにおいて使用される核酸によりコードされる少なくとも1つのポリペプチドは、他の生物、例えば他の植物種において天然に見出される配列番号6の変異体であり、但し、それは、そのドリメノールシンターゼ活性維持する。
【0067】
本明細書において使用されるように、ポリペプチドは、本明細書において同定されるアミノ酸配列を含むポリペプチド又はペプチド断片、並びに短縮されたポリペプチド又は変異体ポリペプチドとして意図され、但し、それらは、前記で定義したようなそれらのドリメノールシンターゼ活性を維持し、かつ少なくとも配列番号6の対応する断片と定義したパーセンテージの同一性を共有する。
【0068】
変異体ポリペプチドの例は、代わりのmRNAスプライシングから又は本明細書において記載されたポリペプチドのタンパク質切断からもたらされる天然に生じるタンパク質である。タンパク質分解による変異は、例えば、本明細書における一実施形態のポリペプチドからの1つ以上の末端アミノ酸のタンパク質分解性除去による、種々のタイプの宿主細胞における発現に対するN末端又はC末端での差異を含む。以下に記載されているように、本明細書における一実施形態の核酸の天然又は人工の突然変異によって得られた核酸によってコードされたポリペプチドも、本明細書における一実施形態によって含まれる。
【0069】
アミノ末端及びカルボキシル末端で追加のペプチド配列の融合から得られるポリペプチド変異体も、本明細書における一実施形態の方法で使用されうる。特に、かかる融合は、ポリペプチドの発現を高めることができ、タンパク質の精製において有用であり、又は所望の環境又は発現系でポリペプチドの酵素活性を改良する。かかる追加のペプチド配列は、例えばシグナルペプチドであってよい。従って、本発明は、変異体ポリペプチド、例えば他のオリゴペプチド又はポリペプチドとの融合によって得られたもの、及び/又はシグナルペプチドに連結させたものを使用する方法を含む。他の機能性タンパク質、例えばテルペン生合成経路からの他のタンパク質との融合から得られるポリペプチドは、有利には、本明細書における一実施形態の方法においても使用されうる。
【0070】
他の一実施形態に従って、前記実施形態のいずれかにおいて使用されるドリメノールシンターゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチド、又は前記実施形態のいずれかにおいて使用される核酸によってコードされたポリペプチドは、オミナエシ科の植物から、特にバレリアナ・アミュレンシスから単離される。本明細書における一実施形態の方法を実施するために重要な手段は、ポリペプチド自体である。従って、ドリメノールシンターゼ活性を有し、かつ配列番号6のアミノ酸配列を含有するポリペプチドが、本明細書において提供される。
【0071】
特定の一実施形態に従って、ポリペプチドは、セスキテルペンの混合物を製造することができ、その際、ドリメノールは、少なくとも20%、特に少なくとも30%、特に少なくとも35%、特に少なくとも90%、特に少なくとも95%、より特に少なくとも98%の製造されたセスキテルペンを示す。本明細書で提供される他の態様において、ドリメノールは、95%以上、より特に98%以上の選択性で製造される。
【0072】
特定の一実施形態に従って、ポリペプチドは、配列番号6のアミノ酸配列を含む。
【0073】
他の特定の実施形態に従って、ポリペプチドは、配列番号6からなる。
【0074】
少なくとも1つのポリペプチドは、遺伝子工学によって得られるか、又はカノコソウ植物においてもしくは他の植物種において天然に見出される配列番号6の変異体であるアミノ酸配列を含む。他の場合、変異体ポリペプチドが遺伝子工学により得られる場合に、前記ポリペプチドは、配列番号5又はそれらの相補体を改質することによって得られるヌクレオチド配列によってコードされたアミノ酸配列を含む。より特定の一実施形態に従って、ドリメノールシンターゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドは、遺伝子工学によって得られた配列番号6の変異体であるアミノ酸配列、すなわち配列番号6を改質することによって得られるヌクレオチド配列によってコードされたアミノ酸配列からなる。
【0075】
他の実施形態に従って、ポリペプチドは、オミナエシ科の植物から、特にバレリアナ・アミュレンシスから単離される。本明細書において使用されるように、ポリペプチドは、本明細書において同定されるアミノ酸配列を含むポリペプチド又はペプチド断片、並びに短縮されたポリペプチド又は変異体ポリペプチドとして意図され、但し、それらは、前記で定義したようなそれらの活性を維持し、かつ少なくとも配列番号6の対応する断片と定義したパーセンテージの同一性を共有する。
【0076】
前記のように、本明細書における一実施形態のポリペプチドをコードする核酸配列は、前記方法がin vivoで実施される場合に使用されるべきであると意図されるヒトでない宿主生物又は宿主細胞を改質するために有用な手段である。
【0077】
従って、前記実施形態のいずれかに従ってポリペプチドをコードする核酸が、本明細書においても提供される。
【0078】
より特定の一実施態様に従って、核酸は、配列番号5又はそれらの相補体を含む。
【0079】
他の特定の一実施態様に従って、核酸は、配列番号5又はそれらの相補体のヌクレオチド配列からなる。
【0080】
本明細書における一実施形態の核酸は、一本鎖形又は二本鎖形(DNA及び/又はRNA)でのデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドポリマーを含むと定義されうる。“ヌクレオチド配列”の用語は、別々の断片の形で、又はより大きい核酸の成分としてポリヌクレオチド分子又はオリゴヌクレオチド分子を含むとも解されるべきである。本明細書における一実施形態の核酸は、実質的に内因性材料を汚染することを有さないものを含むある単離されたヌクレオチド配列も含む。本明細書における一実施形態の核酸は短縮されてよいが、但し、前記のように本発明により含まれるポリペプチドをコードする。
【0081】
一実施形態において、本明細書における一実施形態の核酸は、カノコソウ種もしくは他の種の植物中で天然に存在するか、又は配列番号5もしくはそれらの相補体を改質することによって得られてよい。
【0082】
配列番号5又はそれらの相補体の突然変異によって得られた配列を含む核酸は、本明細書における一実施形態に含まれるが、但し、それらを含む配列は、少なくとも配列番号5又はそれらの相補体の定義された配列を共有し、かつそれらは、前記実施形態のいずれかにおいて定義されたように、ドリメノールシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする。突然変異は、これらの核酸のあらゆる種類の突然変異、例えば点突然変異、欠失突然変異、挿入突然変異及び/又はフレームシフト突然変異であってよい。変異体核酸は、そのヌクレオチド配列を特定の発現系に適応するために製造されてよい。例えば、細菌発現系は、アミノ酸が特定のコドンによってコードされる場合に、ポリペプチドをより効率的に発現することが公知である。
【0083】
遺伝子コードの縮重によって、1つ以上のコドンが、同一のアミノ酸配列をコードしてよく、多重核酸配列は、同一のタンパク質又はポリペプチドについてコードでき、その際、全てのこれらのDNA配列は、本明細書における一実施形態に含まれる。適宜、ドリメノールシンターゼをコードする核酸配列は、宿主細胞中で増加させた発現について最適化されてよい。例えば、本明細書における一実施形態のヌクレオチドを、改良された発現のために特に宿主によってコドンを使用して合成してよい。
【0084】
本明細書における一実施形態の方法をin vivoで実施するために適した宿主生物又は宿主細胞を形質転換するための他の重要な手段は、本明細書における一実施形態のあらゆる実施形態に従った核酸を含む発現ベクターである。従って、かかるベクターも、本明細書において提供される。
【0085】
本明細書において提供される発現ベクターは、さらに以下で開示されるように、本明細書における一実施形態の核酸を宿す宿主生物及び/又は宿主細胞中で遺伝子的に形質転換された宿主生物及び/又は宿主細胞を製造するための方法において、並びにドリメノールシンターゼ活性を有するポリペプチドを製作するための方法において使用されてよい。
【0086】
本明細書における一実施形態の少なくとも1つの核酸を宿すために形質転換させて、本明細書における一実施形態の少なくとも1つのポリペプチドを非相同的に発現又は過剰発現する組換えたヒトでない宿主生物及び宿主細胞は、本明細書における一実施形態の方法を実施するための非常に有用な手段でもある。従って、かかるヒトでない宿主生物及び宿主細胞が、本明細書において提供される。
【0087】
前記実施形態のいずれかに従った核酸は、ヒトでない宿主生物及び宿主細胞を形質転換するために使用されてよく、かつ発現させたポリペプチドは、前記ポリペプチドのいずれかであってよい。
【0088】
本明細書における一実施形態のヒトでない宿主生物は、任意のヒトでない多細胞又は単細胞生物であってよい。特定の一実施形態において、ヒトでない宿主生物は、植物、原核生物又は真菌である。あらゆる植物、原核生物又は真菌が、本明細書において記載される方法に従って形質転換されるために適している。特に有用な植物は、多量のテルペンを自然に製造するものである。
【0089】
より特定の一実施形態において、ヒトでない宿主生物は、微生物である。あらゆる微生物がヒトでない宿主として適しているが、さらにより特定の一実施形態に従って、該微生物は細菌又は酵母菌である。最も特に、細菌は大腸菌であり、かつ前記酵母は、サッカロミセス・セレビジエである。
【0090】
単離された高次真核細胞を、完全な生物の代わりに、形質転換させることもできる。高次真核細胞とは、ここで酵母菌細胞を除いたあらゆるヒトでない真核細胞を意味する。特定の高次真核細胞は、植物細胞又は真菌細胞である。
【0091】
変異体は、ポリペプチド骨格に共有結合又は非共有結合する改質基の付着により、本明細書における一実施形態のポリペプチドとも異なる。変異体は、導入されたN結合した又はO結合したグリコシル化部位、及び/又はシステイン残基の付加によって本明細書において提供されるポリペプチドとは異なるポリペプチドも含む。当業者は、どのようにアミノ酸配列を改質するか、及び生物学的活性を保持するかを認識している。
【0092】
あらゆるドリメノールシンターゼタンパク質、変異体又は断片の機能性又は活性を、種々の方法を使用して測定してよい。例えば、植物、細菌又は酵母菌の細胞における一過性の又は安定した過剰発現が、タンパク質が活性化されているかどうか、すなわちFPP前駆体からドリメノールが製造されているかどうかを試験するために使用されてよい。ドリメノールシンターゼ活性は、機能性を示すドリメノールの製造に対して、微生物発現系で、例えば本明細書における実施例2又は3において記載されるアッセイで評価されてよい。本明細書における一実施形態のドリメノールシンターゼポリペプチドの変異体又は誘導体は、FPP前駆体からドリメノールを製造するための能力を保持している。本明細書において提供されるドリメノールシンターゼの変異体のアミノ酸配列は、例えば変更された基質利用、反応速度、生成物分布又は他の変更を含む、追加の所望の生物学的機能を有してよい。
【0093】
本明細書における一実施形態は、in vitro又はin vivoでFPP前駆体と本明細書における一実施形態のポリペプチドとを接触してドリメノールを製造するための方法において使用されるべき本明細書における一実施形態のポリペプチドを提供する。
【0094】
本明細書において提供されるポリペプチド又は変異体ポリペプチドをコードする単離された組換え又は合成ポリヌクレオチドも本明細書において提供される。本明細書における一実施形態は、FPP前駆体から細胞中でドリメノールの製造を触媒作用する配列番号6のアミノ酸又はそれらの断片を有するドリメノールシンターゼについてコードする配列番号5の単離された組換え又は合成核酸配列を提供する。cDNA、ゲノムDNA及びRNA配列も本明細書において提供される。ドリメノールシンターゼをコードするあらゆる核酸配列又はそれらの変異体は、ドリメノールシンターゼをコードする配列として本明細書に挙げられる。
【0095】
特定の一実施形態に従って、配列番号5の核酸配列は、実施例において記載されているように得られるドリメノールシンターゼをコードするドリメノールシンターゼ遺伝子のコード配列である。
【0096】
配列番号5のポリヌクレオチドの断片は、本明細書における一実施形態のポリヌクレオチドの長さで特に少なくとも15bp、少なくとも30bp、少なくとも40bp、少なくとも50bp及び/又は少なくとも60bpである連続ヌクレオチドをいう。特にポリヌクレオチドの断片は、本明細書における一実施形態のポリヌクレオチドの連続ヌクレオチドを少なくとも25、より特に少なくとも50、より特に少なくとも75、より特に少なくとも100、より特に少なくとも150、より特に少なくとも200、より特に少なくとも300、より特に少なくとも400、より特に少なくとも500、より特に少なくとも600、より特に少なくとも700、より特に少なくとも800、より特に少なくとも900、より特に少なくとも1000含む。制限されることなく、本明細書におけるポリヌクレオチドの断片は、PCRプライマーとして、及び/又はプローブとして、又はアンチセンス遺伝子のサイレンシング又はRNAiのために使用されてよい。
【0097】
本明細書における一実施形態のポリヌクレオチドを含む遺伝子を、当業者に公知の方法により、利用できるヌクレオチド配列情報、例えば付属の配列表において見出される情報に基づいてクローン作製できることは、当業者に明らかである。これらは、例えば、センス方向で生じ、かつセンス鎖の合成を開始し、かつ他は逆相補的な方法で作製され、かつアンチセンス差を生じる、かかる遺伝子のフランキング配列を示すDNAプライマーの設計を含む。熱安定性のDNAポリメラーゼ、例えばポリメラーゼ連鎖反応において使用されるものは、かかる実験を実施するために一般に使用される。代わりに、遺伝子を表すDNA配列は、化学的に合成され、続いて、例えば適合性の細菌、例えば大腸菌によって増殖されてよいDNAベクター分子中で導入されてよい。
【0098】
本明細書において提供される関連する一実施形態において、ドリメノールシンターゼをコードする核酸配列を検出するためのPCRプライマー及び/又はプローブが提供される。当業者は、配列番号5に基づいて、ドリメノールシンターゼをコードする核酸配列又はそれらの断片を増幅するための縮重した又は特異的なPCRプライマー対を合成するための方法を認識している。ドリメノールシンターゼをコードする核酸配列のための検出キットは、ドリメノールシンターゼをコードする核酸配列について特異的なプライマー及び/又はプローブ、並びに試料中でドリメノールシンターゼをコードする核酸配列を検出するためにプライマー及び/又はプローブを使用するための関連するプロトコルを含んでよい。かかる検出キットは、植物が改質されているかどうか、すなわちドリメノールシンターゼをコードする配列で形質転換されているかどうかを測定するために使用されてよい。
【0099】
配列番号5の突然変異により得られる核酸配列は、常に製造されることができ、かつ本明細書において提供される実施形態の範囲内でもある。1つ以上のヌクレオチドの突然変異、欠失、挿入、及び/又は置換を、配列番号5のDNA配列に導入することができることは、当業者に明らかである。一般に、突然変異は、製造されたポリペプチドのアミノ酸配列を変更できる遺伝子のDNA配列における変化である。
【0100】
本明細書における一実施形態に従った変異体DNA配列の機能を試験するために、関心のある配列は、選択可能な又はスクリーニング可能なマーカー遺伝子に操作可能に連結され、かつレポーター遺伝子の発現が、プロトプラストでの一過性の発現アッセイで、又は安定して形質転換された植物で試験される。当業者は、発現を操作できるDNA配列が、モジュールとして構築されることを認識している。従って、より短いDNA断片からの発現レベルは、最も長い断片からの発現レベルとは異なってよく、かつ互いに異なってよい。本明細書において提供されるドリメノールシンターゼタンパク質をコードする核酸配列、すなわち、配列番号5の核酸配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列の機能的当量も本明細書において提供される。
【0101】
当業者は、他の生物における相同配列を同定するための方法、及び相同配列間の配列同一性のパーセンテージを決定するための方法(本明細書における定義の段落において関連づけられる)を認識している。そして、かかる新たに同定されたDNA分子を、配列決定してよく、そしてその配列を、配列番号5の核酸配列と比較してよい。
【0102】
本明細書において提供される関連する一実施形態は、配列番号5に従った核酸配列、例えば抑制性RNAsに相補的である核酸配列、又はストリンジェントな条件下で配列番号5に従ったヌクレオチド配列の少なくとも一部にハイブリダイズする核酸配列を提供する。本明細書における一実施形態の代わりの一実施形態は、宿主細胞中で遺伝子発現を変更するための方法を提供する。例えば、本明細書における一実施形態のポリヌクレオチドは、宿主細胞又は宿主生物中で、ある状況で(例えば、昆虫が噛むか刺し、又は特定の温度に曝すことで)高められるか又は過剰発現されるか又は誘発されてよい。
【0103】
本明細書において提供されるポリヌクレオチドの発現の変更は、変更させた生物における、及び対照又は野生型の生物における種々の発現パターンである“異所性発現”ももたらす。発現の変更は、本明細書における一実施形態のポリペプチドと外因性又は内因性修飾因子との相互作用から生じるか、又はポリペプチドの化学的修飾の結果として生じる。前記用語は、検出レベル未満又は完全に抑制された活性を変更する、本明細書における一実施形態のポリヌクレオチドの変更された発現パターンもいう。
【0104】
一実施形態において、いくつかのドリメノールシンターゼをコードする核酸配列は、単独の宿主で、特に種々のプロモーターの制御下で、同時発現される。代わりに、いくつかのドリメノールシンターゼタンパク質をコードする核酸配列は、単独の形質転換ベクターで存在してよく、又は別々のベクターを使用して、及び双方のキメラ遺伝子を含む形質転換体を選択して、同時に同時形質転換されてよい。同様に、1つ以上のドリメノールシンターゼをコードする遺伝子は、例えば害虫耐性又はその他を高める他のタンパク質をコードする、他のキメラ遺伝子と一緒に単独の植物で発現されてよい。
【0105】
ドリメノールシンターゼタンパク質をコードする本明細書における一実施形態の核酸配列は、宿主細胞又は宿主生物中でドリメノールシンターゼタンパク質を製造するために、発現ベクター中に挿入されてよく、及び/又は発現ベクター中で挿入されたキメラ遺伝子において含まれてよい。宿主細胞のゲノム中へ導入遺伝子を挿入するためのベクターは、当業者に周知であり、かつプラスミド、ウィルス、コスミド及び人工染色体を含む。キメラ遺伝子が挿入される二元の又は同時組み込み型のベクターも、宿主細胞を形質転換するために使用される。
【0106】
本明細書において提供される一実施形態は、ドリメノールシンターゼ遺伝子の核酸配列を含む組換え発現ベクター、又は関連する核酸配列、例えばプロモーター配列に操作可能に連結したドリメノールシンターゼ遺伝子の核酸配列を含むキメラ遺伝子を提供する。例えば、キメラ遺伝子は、配列番号5の核酸配列を含むか、又は場合により3’非翻訳核酸配列に連結した植物細胞、細菌細胞もしくは真菌細胞中での発現に適したプロモーター配列に操作可能に連結してよい。
【0107】
代わりに、プロモーター配列は、ベクター中で既に存在していてよく、その結果、転写されるべき核酸配列は、プロモーター配列の下流のベクター中に挿入される。ベクターは、典型的に遺伝子操作されて、複製、マルチクローニング部位、及び選択可能なマーカーの起点を有する。
【0108】
次の実施例は、単に例証されるのみであり、特許請求の範囲及び本明細書において記載された一実施形態を制限することを意図しない。
【0109】
実施例
実施例1:標準の(−)−ドリメノールの製造及び構造同定
(−)−ドリメノールを、蒸留によって、続いてフラッシュクロマトグラフィ及び結晶化によって、アミリス・バルサミフェラ(Amyris balsamifera)から単離した。(−)−ドリメノールの構造(
図1)を、GC/MS(
図2、DB1カラム上でLRI 1744)、NMR(
図3)、X線回折(
図4)、及び旋光性(−6.52°、c=0.092;MeOH)により同定した。
【0110】
実施例2:バレリアナ・アミュレンシスからのドリメノールシンターゼ遺伝子(VaTPS3)の単離及びその機能確認
生きているバレリアナ・アミュレンシスの植物の根組織を採取し、そして液体窒素で直ちに凍結させた。凍結させた組織を、RNA単離のために、モーター及び乳棒を使用して粉末に磨砕した。全体のRNAを、CTAB法を使用して抽出し、そしてDNアーゼ(Ambion Turbo DNAフリーDNアーゼ処理及び除去試薬)で処理して、cDNAの合成前にDNA混入物を取り除いた。cDNAを、全体のRNAからRT−PCR(18080−051)のためのInvitrogen(登録商標) SuperScript III
TM First−Strand Synthesis Systemを使用して、続いて製造者により推奨される標準プロトコルを使用して合成した。
【0111】
TPS遺伝子クローニングのために、次の縮重プライマーGATTTCAANMTKCTRCAAAWGCTTCA及びGCATTCRASGCCNGWNGCAACATGTを、鋳型として上記で合成したcDNAを使用してPCRのために使用した。PCRを、1×反応緩衝液、dNTP(それぞれ0.2mM)、プライマー(それぞれ1uM)、cDNA(1ul)及びDNAポリメラーゼ(0.2ulのQ5 High−Fidelity DNAポリメラーゼ、NEB)を含む20ulの反応容量で実施した。PCRパラメータは以下であった:最初の変性のために98℃で45秒、続いて98℃で15秒、55℃で30秒及び72℃で30秒を35サイクル。最後の72℃で5分間を、最終の伸長のために追加した。期待サイズのPCR産物を、シーケンスのためにpMD−19−Tベクター中にクローニングした。配列分析に基づいて、PCR産物をセスキテルペンシンターゼ遺伝子の断片であると予測した。
【0112】
このDNA配列の完全長を、Clontech’s SMARTer
TM RACE cDNA Amplification Kitを使用して3’及び5’RACE PCRによりクローニングした。次の遺伝子特異的プライマーを使用した:5’RACEのためのアウタープライマーATCTTCCTCCTCGTGGCTCATTACATCG及びインナープライマーCGGCCAAACGATTACCGATTGACACTAC;3’RACEのためのアウタープライマーTACCACGAACCAAAGTACTCTCCGGCTC及びインナープライマーGGAAGAGTTAAAAGCTATCGCCAAGTGC。双方のインナープライマー対からのPCR産物を、pMD−19ベクター中にTAクローニング及びシーケンスによりクローニングした。そして完全長配列を生成し、VaTPS3と名付けた。
【0113】
この完全長TPS遺伝子を、pCAMBIA2300ベースの植物発現ベクター中にクローニングし、その機能をタバコ葉で、アグロインフィルトレーション(agroinfiltration)を介した一過性発現によって試験した。処理した葉のGC/MS分析は、顕著な揮発性代謝物としてドリメノールの存在を検出した(葉の新鮮重50μg/gまで)。GC/MSを、DB1−msカラム(30m×0.25mm id×0.25m DB−1ms(J&W 122−0132))を備え、5975シリーズの質量分析器を連結したAgilent 6890シリーズGCシステムで実施した。キャリヤーガスは、1mL/分の一定流でのヘリウムであった。注入は、250℃での注射器温度設定でのスプリットモード(25:1)であり、そして炉の温度を、5℃/分で50℃(5分保持)〜300℃、そして50℃/分で〜340℃(3分保持)としてプログラムした。生成物の同定を、保持指数、及び標準の質量スペクトルの一致に基づいて確認した(
図5)。
【0114】
タバコの葉に対する単離されたドリメノールシンターゼの一過的発現実験のGC/MSクロマトグラム。ドリメノールピークをGC/MSクロマトグラムでラベル付けし、相応する質量スペクトルも示す。
【0115】
実施例3:遺伝子操作した大腸菌細胞におけるVaTPS3の非相同発現及び機能性の特徴付け
大腸菌におけるVaTPS3の非相同発現のために、VaTPS3をコードするcDNAのコドンを最適化したバージョンを設計し、DNA2.0(Menlo Park、CA)により合成し、そしてpJ404細菌発現ベクター(DNA2.0)中にサブクローニングして、pJ404/VaTPS3を得た。大腸菌BL21 Star
TM(DE3)(Invitrogen、Carlsbad、CA)を、イソプレノイド生成株として使用した。親の細菌株のin vivoでの生産性を改良するために、非相同メバロン酸経路の過剰発現による代謝工学のアプローチを受けた。大腸菌アセトアセチル−CoAチオラーゼ(atoB)、黄色ブドウ球菌HMG−CoA合成酵素(mvaS)、黄色ブドウ球菌HMG−CoAレダクターゼ(mvaA)及びサッカロミセス・セレビジエファルネシルピロリン酸(FPP)シンターゼ(ERG20)遺伝子からなる合成オペロンを、DNA2.0により化学的に合成し、そしてNcoI−BamHIに消化したpACYCDuet−1ベクター(Invitrogen)を連結して、pACYC/29258を得た。低級のメバロン酸経路として、メバロネートキナーゼ(MvaKl)、ホスホメバロネートキナーゼ(MvaK2)、メバロネートジホスフェートデカルボキシラーゼ(MvaD)及びイソペンテニルピロホスフェートイソメラーゼ(Fni)についてコードする肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)からの天然オペロンを、ゲノムDNA(肺炎連鎖球菌ATCC BAA-334)から次のプライマーを使用してPCR増幅した:5’−AAGGAGATATACATATGACAAAAAAAAGTTGGTGTCGGTCAGG−3’(フォワード)及び5’−CTTTACCAGACTCGAGTTACGCCTTTTTCATCTGATCCTTTGC−3’(リバース)。得られたアンプリコンを、In−Fusion 2.0 Dry−Down PCR Cloning Kit(Clontech)を使用して、NdeI−XhoIで消化したpACYC/29258中にクローンし、pACYC/29258_4506ベクターを提供した(J. Am. Chem. Soc. 2013, 134: 18900-18903)。そしてFPP過剰生産株を、前記pJ404/VaTPS3構築物で同時形質転換した。形質転換した細胞の単コロニーを使用して、適した抗生物質で補足した5mLのLB培地をインキュベートした。そして培養物を37℃及び250rpmで一夜インキュベートした。翌日、2mLのミネラル‘AM’培地を、一夜培養物200μlで植え付け、そして37℃及び250rpmでインキュベートした(J. Am. Chem. Soc. 2013, 134: 18900-18903)。4〜6時間の培養後に(又は培養物の600nmでの光学密度が〜2の値に達した場合に)、培養物を25℃まで冷却させ、そしてタンパク質発現を、0.1mMイソプロピル−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘発した。同時に、10%(v/v)のドデカンを成長培地に添加した。72時間の軌道振盪(250rpm)でのインキュベーション後に、細胞培養物を、1容量のメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)で2回抽出し、その溶媒抽出物をGC/MSにより分析した。GC/MSを、DB1カラム(30m×0.25mm×0.25mmの膜厚、Agilent)を備え、5975シリーズの質量分析器を連結したAgilent 6890シリーズGCシステムで実施した。キャリヤーガスは、1mL/分の一定流でのヘリウムであった。注入は、250℃での注射器温度設定でのスプリットレスモードであり、そして炉の温度を、10℃/分で50℃〜225℃、そして20℃/分で〜320℃としてプログラムした。生成物の同定を、保持指数、及び標準の質量スペクトルの一致に基づいて確認した。
【0116】
図6において示されるように、組換えVaTPS3は、主な生成物として(−)−ドリメノールを生じ(98%の選択性)、約200mg/mLのピーク力価を得た。(−)−ドリメノールの同定を、アミリス・バルサミフェラから単離した標準(−)−ドリメノールの保持時間及び質量スペクトルを突き合わせることにより確認した。高光学純度(enantiopurity)を、キラルGC分析により測定した(
図7)。
【0117】
実施例4:in vitroでのVaTPS3の機能の特徴付け
実施例3において記載されたVaTPS3 cDNAのコドンを最適化したバージョンを、pJ414細菌発現ベクター(DNA2.0)中にサブクローニングして、pJ414/VaTPS3を得た。
【0118】
VaTPS3の非相同発現を、BL21Star
TM(DE3)大腸菌細胞(Invitrogen)中で実施した。pJ414/VaTPS3プラスミドで形質転換した細胞の単コロニーを使用して、50μg/mlのカルベニシリンを含む5mlのLB培地に植え付けた。軌道振盪下で37℃で5〜6時間インキュベート後に、細菌培養物を20℃のインキュベーターに移した。そして組換えVaTPS3の発現を、0.1mM IPTGを添加することにより誘発し、20℃で一夜インキュベートした。翌日、細胞を遠心分離により採取し、50mM MOPSO(pH7、10%グリセロール)の0.1容量中で再懸濁し、そして超音波破砕により分解した。抽出物を遠心分離(20000gで30分)により清浄し、そして可溶性サイトゾルタンパク質を含む上清を、他の実験のために使用した。
【0119】
in vitroでのアッセイを、50mM MOPSO(pH7、10%グリセロール)、1mM DTT、15mM MgCl
2(80μΜのファルネシル−二リン酸(FPP、Sigma)の存在下で)及び0.1〜0.5mgのタンパク質抽出物の1mL中で実施した。その管を、12〜24時間20℃でインキュベートし、そしてペンタン1容量で2回抽出した。窒素流下での濃縮後に、ペンタン抽出物を、実施例3において記載したようにGC−MSにより分析した。陰性対照を、空のpJ414プラスミドで形質転換した大腸菌細胞の抽出物を使用して、同一の実験条件下で実施した。
図8において示すように、VaTPS3組換え酵素は、98%を超える選択性で主な生成物として(−)−ドリメノールを生成した。(−)−ドリメノールの同定を、アミリス・バルサミフェラから単離した標準ドリメノール基準の質量スペクトル及び保持時間を突き合わせることにより確認した。