(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の最終製品であって、前記第1のゾーンの前記第1の選択された機能的属性は、前記第1のゾーン内の第1ヤーンタイプに依存し、前記第2のゾーンについての第2の選択された機能的属性は、前記第2のゾーン内の第2ヤーンタイプに依存し、前記移行ゾーンの前記バンドは、前記第1ヤーンタイプのヤーンと前記第2ヤーンタイプのヤーンとを含み、前記バンド内の前記第1ヤーンタイプのパーセントは、前記第1のゾーンに隣接した前記バンドから前記第2のゾーンに隣接した前記バンドに向かって漸進的に減少することを特徴とする最終製品。
請求項3に記載の最終製品であって、前記選択的なフロートは、(1)前記第1のゾーンに近接した前記移行ゾーンの第1の部分において、前記第1のゾーンにおいて選択された機能的属性および視覚的属性を示す緯糸ヤーンを前記生地構築体のフェイスに配置することによって、および/または、(2)前記第2のゾーンに近接した前記移行ゾーンの第2の部分において、前記第2のゾーンにおいて選択された機能的属性および視覚的属性を示す緯糸ヤーンを前記生地構築体のフェイスに配置することによって、前記機能的属性および視覚的属性の前記漸進的な移行を少なくとも部分的に画定していることを特徴とする最終製品。
請求項6に記載の最終製品であって、連続するバンドにおいて、各離散的な形状はピクセルとして機能し、漸進的に変化するパターンは、前記移行ゾーンの前記一部分の内部全体で動く、ピクセルサイズ、形状、および/またはスペーシングの変化を含むことを特徴とする最終製品。
請求項1に記載の最終製品であって、前記生地構築体において、前記移行ゾーンの前記一部分は、ヤーンデニールの漸進的な変化を伴って構成されており、前記第1のゾーンから前記第2のゾーンへの前記漸進的な移行を提供するようになっていることを特徴とする最終製品。
請求項11に記載の最終製品であって、前記生地構築体において、前記第1のゾーンおよび前記第2のゾーンの相対的な高さ(第1のゾーン/第2のゾーンまたは第2のゾーン/第1のゾーン)は、互いから、16%から100%の値の中にあることを特徴とする最終製品。
請求項1に記載の最終製品であって、前記生地構築体において、(i)前記第1のゾーンおよび/または(ii)前記第2のゾーンに対する前記移行ゾーンの相対的な高さは、互いから、16%から10,000%の値の中にあることを特徴とする最終製品。
請求項1に記載の最終製品であって、生地構築体において第4のゾーンタイプを有する第4のゾーンをさらに含み、前記第4のゾーンタイプは前記第1のゾーンタイプまたは前記第2のゾーンタイプとは異なる選択された機能的属性を表し、前記第4のゾーンに隣接した移行ゾーンの少なくとも一部分は、前記第4のゾーンから、当該第4のゾーンとは異なるゾーンタイプを有する他のゾーンへの漸進的な移行を提供し、前記移行ゾーンの前記一部分は前記第4のゾーンと前記他のゾーンとに隣接してその間に位置することをさらに含むことを特徴とする最終製品。
請求項1に記載の最終製品であって、前記生地構築体において前記第1のゾーンタイプの前記選択された機能的属性は弾力性が高く、前記第2のゾーンタイプの前記選択された機能的属性は耐久性が高いため、前記第1のゾーンと前記第2のゾーンは弾力性および耐久性に違いがあることを特徴とする最終製品。
請求項11に記載の最終製品であって、前記最終製品はアパレルまたはフットウェアの物品を含み、前記物品は、織られたテキスタイルまたは不織テキスタイルの複数の層を含み、そのうちの1つの層は、前記生地構築体であり、別の層は、防水の通気性のあるテキスタイル層であり、前記1つの層と前記別の層は少なくとも部分的に同一箇所に延在することを特徴とする最終製品。
請求項17に記載の最終製品であって、前記生地構築体において、前記第1のゾーンは、耐久性ゾーンタイプを含み、前記耐久性ゾーンタイプは、肩、上背部、胸郭上部の鎖骨、肘、腕のカフ、脚のカフ、ポケット、ジッパー、臀部、および/または膝エリアを含む、相対的に高い摩耗エリアに配設され、前記第2のゾーンは、身体が湾曲または屈曲する体関節部に設けられる、耐久性は相対的に劣るが弾力性に優れたゾーンを含むことを特徴とするアパレルまたはフットウェアの物品。
請求項18に記載の最終製品であって、前記生地構築体において、前記第2のゾーンまたは前記第4のゾーンは、胸郭中部から胸郭下部、腹部、中背部から下背部、および/または、脇の下のエリアを含むエリアに配設されている通気性ゾーンタイプを含むことを特徴とするアパレルまたはフットウェアの物品。
請求項5に記載の最終製品であって、前記生地構築体において、前記第1のゾーンと前記第2のゾーンとの間に配設されている前記移行ゾーンの前記一部分は、弾力性を持つ第1のゾーンタイプから弾力性のない第2のゾーンタイプへの前記移行ゾーン全体を通じた漸進的な移行を提供し、前記ゾーンは、弾力的ヤーンタイプであるヤーンの比率を、前記移行ゾーンの前記一部分の中の前記バンド間で変えることによって移行されることを特徴とする最終製品。
請求項1に記載の最終製品であって、前記最終製品はアパレルの物品を含み、前記生地構築体において、所与のゾーンは、アパレルの前記物品の表側の一部分と、アパレルの前記物品の裏面の別の部分とを有しており、前記一部分と前記別の部分は、前記生地構築体内で互いに隣接して一緒にシームレスに織られていることを特徴とする最終製品。
請求項18に記載の最終製品であって、耐久性に関して、前記第1のゾーンタイプに関する引張強度は、前記第2のゾーンのものよりも少なくとも10%強いことを特徴とする最終製品。
請求項18に記載の最終製品であって、耐久性に関して、前記第1のゾーンタイプの引き裂き強度は、前記第2のゾーンのものよりも少なくとも10%強いことを特徴とする最終製品。
フットウェア、アパレル、テント、バックパック、およびラゲッジアイテムの物品の群から選択される最終製品において、前記物品の少なくとも一部分が生地構築体を含む最終製品を作製する方法であって、
前記生地構築体を製織することを含み、前記製織することは、
製織装置の上に経糸ヤーンのセットを提供し、緯糸ヤーンのセットを前記経糸ヤーンの中へ織り込み、第1の選択された機能的属性を表す第1のゾーンタイプの織られたゾーンを作り出すステップと、
前記装置の上に緯糸ヤーンの第2のセットを提供し、緯糸ヤーンの前記第2のセットを前記経糸ヤーンの中へ織り込み、第2の選択された機能的属性を表す第2のゾーンタイプの織られたゾーンを作り出すステップと、
前記装置の上に緯糸ヤーンの第3のセットを提供し、緯糸ヤーンの前記第3のセットを前記経糸ヤーンの中へ織り込み、第3のゾーンタイプの織られたゾーンを作り出すステップであって、前記第3のゾーンは、前記第1のゾーンと前記第2のゾーンとの間に配設されている移行ゾーンであり、すべての前記ゾーンは、単一の織られた構築体として形成されており、隣接する前記ゾーンは一緒にシームレスに接合され、前記移行ゾーンの少なくとも一部分が、前記第1のゾーンおよび前記第2のゾーンそれぞれの少なくとも一部分に隣接してその間に位置し、前記移行ゾーンが、前記第1の選択された機能的属性タイプから前記第2の選択された機能的属性タイプへの漸進的な移行を提供する、ステップと
を含み、
前記移行ゾーンの前記一部分は、前記第1のゾーンタイプに関する前記第1の選択された機能的属性の特性から、前記第2のゾーンタイプに関する前記第2の選択された機能的属性の特性への漸進的な移行を集合的に提供する、緯糸ヤーンおよび/または経糸ヤーンのセットの複数のバンドを含み、
前記生地構築体上に前記物品のパターンをマッピングすることを含み、前記パターンは、前記各ゾーンの特定の隣接する部分が、単一の構成物にカットされ、その後で縁部が整合するように折り畳まれることで、前記物品の3次元形状を形成できる平坦なカットアウトを提供し、前記3次元形状において、前記隣接する部分の一方が前記単一の構成物の前面に配置され、他方が前記単一の構成物の背面に配置され、
前記機能的属性は、耐久性、通気性、弾力性、快適性、耐水性、および/または難燃性における材料の差異を表す、
ことを特徴とする方法。
請求項1に記載の生地構築体であって、前記第1のゾーンは、前記生地の部分の中に隔離されており、前記生地の部分は、前記生地の周囲から離れるように間隔を置いて配置されており、前記生地の縁部から縁部へ延在していないことを特徴とする生地構築体。
請求項1に記載の生地構築体であって、前記生地は、ダブルクロスの構築体、二重織りの構築体、および、ダブルフェイスド構築体の群から選択される複数の層構築物を含むことを特徴とする生地構築体。
請求項1に記載の生地構築体であって、前記生地の前記第1のゾーンは、ダブルクロスの構築体、二重織りの構築体、および、ダブルフェイスド構築体の群から選択される複数の層構築物を含むことを特徴とする生地構築体または物品。
請求項39に記載の物品であって、前記生地構築体において、前記選択的なフロートは、前記移行ゾーンの前記一部分の中に離散的な形状のパターンを画定しており、前記離散的な形状のパターンは、前記移行ゾーンの内部全体で漸進的に変化して、前記機能的属性の前記漸進的な移行を少なくとも部分的に表すことを特徴とするアパレルまたはフットウェアの物品。
請求項40に記載の物品であって、前記生地構築体において、前記パターンは、前記移行ゾーンの前記部分の中に漸進的に変化するピクセル化されたパターンを含み、前記変化は、前記移行ゾーンの前記一部分の内部全体で動く、ピクセルサイズ、形状、および/またはスペーシングの変化を含み、前記ピクセルは、均一な織り方タイプにおける前記選択的なフロートによって表されることを特徴とするアパレルまたはフットウェアの物品。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の主題による代表的な実施形態は、
図1〜
図7に示されており、同じ特徴または概して同様の特徴は、共通の参照番号を共有している。
【0018】
<移行ゾーンを備える複数のゾーン>
本発明の主題は、概して、複数のゾーンタイプを備える織られた生地に関し、複数のゾーンタイプは、互いから異なっており、衣類または他の織られた物体の中の異なる機能的な要求に対応している。
【0019】
図は、複数のゾーンが、製品パターン、すなわち、ジャケットに対応するように織られる、製織スキームを示している。所与の製織タイプの機能的なゾーンは、以下の属性のうちの1つ以上に関している可能性がある。
・ 耐久性(強度および/または耐久性によって測定される)
・ 通気性(透過性)
・ 弾力性(たとえば、良好なフィット感のゾーン、伸縮性のゾーン、性能ゾーンを提供する)
・ 快適性(手触り)
・ 断熱
・ 耐水性
・ 難燃性
・ 視覚的効果(たとえば、カラー、パターン、表面テクスチャー)
・ など
ゾーンは、以下に基づいて変化することが可能である。
・ 使用されるヤーンのタイプ
・ ヤーンのデニール
・ 織り方のタイプを含む織り方属性、または、たとえば、生地カウントなど、所与の織り方でのヤーンの数および/もしくは空間的関係。
【0020】
したがって、本発明の主題は、1つ以上の属性の点において異なる少なくとも第1のゾーンタイプ(Z
1)および第2のゾーンタイプ(Z
2)を企図している(
図1を参照)。第1および第2のゾーンタイプの中間には、第3のゾーンタイプがあることが可能であり、第3のゾーンタイプは、それぞれに隣接しているが、第1および第2のゾーンとは異なっている(
図2を参照)。いくつかの実施形態では、数値的に測定可能な属性に関して、別のゾーンタイプと比較したときに、1つのゾーンタイプにおいて使用される所与の属性の比較は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、200%、250%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%、5000%、10,000%、または、それ以上の相対的な相違を示している。
【0021】
本発明の主題の下で、第3のゾーンタイプは、移行ゾーン(Z
T)であることが可能であり、移行ゾーン(Z
T)は、第1および第2のゾーンタイプの1つ以上の属性の選択されたブレンドを有しており、第1および第2のゾーンタイプは、移行ゾーンに隣接しているか、または、移行ゾーンの近くに間隔を置いて配置されている。移行ゾーンは、異なるタイプの2つ以上の隣接するゾーンを備える単一のシームレスの織り方の一部である。移行ゾーンは、1つの隣接するゾーンタイプのいくつかまたはすべての属性の、1つ以上の他の異なる隣接するゾーンタイプへの漸進的な移行を提供することが可能である。典型的に、移行ゾーンは、中間において間隔を置いて配置されており、移行ゾーンに隣接している2つの異なるゾーンタイプを全体的にまたは部分的に分離している。最も典型的には、図において見られるように、異なるゾーンタイプが、移行ゾーンに隣接しており、移行ゾーンの両側にある。
【0022】
移行ゾーンは別として、所与の移行ゾーンに隣接しているか、または、所与の移行ゾーンに極めて接近している、他のゾーンタイプが、ゾーンを横切って均一または一定のままである1つ以上の選択された属性を有することが可能である。移行ゾーンは、それらが対応するゾーンの1つ以上の選択される属性に関して異なっており、選択される1つ以上の属性は、より詳細に下記に説明されているように、移行ゾーンを横切って漸進的に変化させられる。
【0023】
本発明の主題は、特許文献1の考えを超えている、特許文献1の中の教示に対する著しい改善を提供する。図に示されている実施形態によれば、生地構築体10または100は、長手方向のヤーンおよび横断方向のヤーンのセットを含み、それは、緯糸ヤーンおよび経糸ヤーンとして当業者に知られており、それは、織り合わされて交差し、複数のセルを形成する。生地は、任意の適切な材料から作製され得る。示されている実施形態では、生地構築体は、たとえば、ポリエステル、ナイロン、綿、シルク、ナノウェブ、ポリプロピレン、または他のポリマーベースの織られた構築体、不織構築体、もしくは、編まれた構築体などの、構築体または材料の1つ以上の層によって積層され得る。生地構築体10または100は、他の材料のプライによって積層され、多層構築物を形成することが可能である。生地構築体は、構築体10または100が使用されることとなる物体または衣類の性質に依存し得るということが企図されている。たとえば、ベース生地構築体10の組成は、アスリートのための弾性ベースの伸縮可能な材料、消防士のための耐火性材料、または、キャンピング機器および/もしくは軍事目的のための高い耐久性の材料であることが可能である。生地構築体10または100における使用に適切な他の材料は、本明細書の教示から容易に当業者に明らかになることとなる。
【0024】
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、緯糸ヤーン(Y
1、Y
2)および経糸ヤーン(Y
3)は、互いに対して直交しており、生地構築体の中のパターンのクロスハッチングのパターンを結果として生じさせている。また、たとえば、さまざまなダイヤモンド形状などのような他の適切な構成も、本発明の主題の範囲および精神の中にある。いくつかの実施形態では、ヤーンは、物体または衣類に応じて、約5デニールから約1050デニールの範囲にあるデニール等級を有している。より高いデニールのヤーン(たとえば、850デニール)が、たとえば、より重いキャンバス材料から構成される物体にとって適当であり、一方、より低いデニールのヤーン(たとえば、70デニール)が、たとえば、軽量のジャケットおよびキャンピング機器にとってより適当である。
【0025】
本発明の主題によれば、生地構築体10または100の中の異なるゾーンは、構築体の異なるエリアが、たとえば、摩耗性、抵抗性、引張強度、引き裂き強度、伸縮性、耐水性、または通気性の特質などの、異なる属性を有しているということを示すことが可能である。したがって、生地10は、複数の生地の特質を持つようになることが可能であり、また、高性能の物体または衣類を開発する際に異なる生地タイプの別々のパネルを組み合わせる必要性を低減させるか、または、さらには排除することが可能である。1つの実施形態では、異なるエリアにおいて使用されるヤーンの密度および/またはヤーンのタイプ(構造および/または材料)は、異なっていることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、異なるゾーンにおいて使用される材料は、異なっていることが可能である。さらなる別の実施形態では、製造ステップは、異なるエリアを異なって処理することが可能である。さまざまな製造技法が、上述の異なる生地特性のいずれかを有する生地構築体の異なるエリアを作製するために使用され得る。たとえば、
図1に示されている1つの可能性のある実施形態では、ナイロンベースのヤーンが、画定されたスペーシングで生地の中に散りばめられ、耐久性ゾーンを生成している(
図1の中のZ
1)。耐久性ゾーンは、ナイロンCordura(商標)ヤーンなどのような強力ヤーンに基づくことが可能である。代替的に、耐久性ゾーンは、リップストップ生地構築物に基づくことが可能である。いくつかの可能性のある実施形態では、リップストップラインのために使用されるヤーンは、たとえば、シリコン含浸処理されたリップストップ、ポリウレタンコーティングされたリップストップ、反射リップストップ、熱および太陽反射リップストップを含むことが可能である。当業者に容易に明らかである他の処理が、本開示に基づく本発明の範囲および精神の中にある。
【0026】
生地構築体10または100において、ゾーンZ
1は、生地の単一の織り方で、たとえば、より低い耐久性であるが、より高い透過性など、異なる属性の隣接するゾーンにシームレスに接続されている。換言すれば、ゾーンは、同じ製織プロセスにおいて形成されており、それぞれが織られた後に一緒に接合される別々のパネルではない。たとえば、
図3を参照すると、すべての他のものが等しいとして、生地構築体10または100のゾーンは、異なる性質のセルから形成されている構築体の一部分と比較して、より大きい耐久性を付与するセルから形成され得る。多様な耐久性は、たとえば、ヤーンの密度、製織パターン、材料(たとえば、ヤーン構造および/または材料タイプの観点から)、製造プロセス(化学的な製造プロセス、機械的な製造プロセスなど)の変化によって実現され得る。
【0027】
上記に示されているように、いくつかの実施形態では、マルチゾーンの単一の生地は、構築体の異なるゾーンの間で、生地構築体10の通気性を変化させている。たとえば、ゾーンZ
2は、経糸および緯糸ヤーン交差のより大きいセルから形成され得る。また、多様な通気性が、たとえば、ヤーンの密度、異なる製織パターン、異なる材料、および/または、異なる製造プロセス(化学的な製造プロセス、機械的な製造プロセスなど)の変化によって実現され得る。
【0028】
特定の実施形態では、
図1〜
図2において見られるように、たとえば、本明細書で開示されている生地構築体は、長方形構造として製織マシンから外れ、長方形構造は、経糸方向のヤーンのセットの長さによって画定されている経糸長さ、および、緯糸方向のヤーンのセットの長さによって画定されている緯糸幅を有している。生地の中の異なるゾーンが経糸方向に直交して走る場所では、ゾーンは、
図3において見られるように、連続的な緯糸ヤーンのセットの変化によって画定され得る。そして、逆の場合も同じであり、生地の中の異なるゾーンが緯糸方向に直交して走る場所では、ゾーンは、連続的な経糸ヤーンのセットの変化によって画定され得る(たとえば、
図3Cを参照)。換言すれば、図において見られるように、異なるゾーンZ
1、Z
T、およびZ
2は、緯糸方向および/または経糸方向に沿って縁部から縁部まで走る平行なヤーンの観点から画定され得る。示されてはいないが、緯糸スレッドおよび経糸スレッドの両方を変化させることによって、他のゾーンタイプとは異なる全体的な性質の格子縞のパターンのような直線的なゾーンが、緯糸および経糸ヤーン配向に基づくゾーンの中に生成され得る。そのような直線的なゾーンでは、ゾーンは、生地のグリッドの任意のセクションにおいて隔離され得、他の実施形態と同様に、縁部から縁部まで延在してはいない。マルチゾーン生地構築体に関する他の可能性が、
図7に図示されており、それは、構築体の縁部から間隔を離して配置された三角形形状の移行ゾーンZ
tを有している。他のゾーンZ
1、Z
2、Z
3、およびZ
4は、それぞれ異なるタイプのものであり、移行ゾーンに隣接している。
【0029】
生地構築体、および、結果的に、生地構築体の中のゾーンは、用途および意図した使用に応じて、種々の寸法を有することが可能である。一般的に、アパレルの中に透過性または快適性を提供するために、所与のゾーンタイプは、相対的に大きい表面積を有することが可能である。たとえば、少なくとも4平方インチの表面積が、脇の下のエリアに通気性を提供することが可能である。25平方インチ以上のゾーンが、衣類の他のエリアに良好な通気性または保護を提供することが可能である。本発明の主題は、生地の中のゾーンの平方インチは、それが製織マシンから外れるときに、典型的に、衣類用途に関して、1から900平方インチ以上の範囲にあることが可能であるが、所望の結果に応じて、より大きい面積またはより小さい面積が適用され得るということを企図している。特定の実施形態では、ゾーンは、構築体の中を縁部から縁部まで走る平行なエリアである。生地構築体は、2つ以上のゾーンタイプの任意の数のゾーンを有することが可能である。たとえば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または、それ以上の異なるゾーンタイプが存在することが可能であり、それぞれが、異なる機能的な属性および/または視覚的効果の属性を表している。属性は、ヤーンタイプの性質および/またはゾーンタイプの織り方特質によって付与され得る。
【0030】
生地構築体の中のゾーンは、衣類に関するパターンとともに使用可能でなければならないので、製織マシンから外れる生地構築体の緯糸方向または経糸方向の、ゾーンの縁部から縁部までの幅は、少なくとも1インチになることとなり、衣類などのような最終製品の中の機能的なゾーンにとって十分な表面積の最小寸法を提供するようになっているということが一般的に企図されている。
【0031】
本明細書で使用されているように、「高さ」は、ゾーンの幅に直交する寸法を意味している。また、ゾーンの高さは、少なくとも1インチであることが可能である。いくつかの用途では、ゾーンの幅は、少なくとも、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、48、50、52、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84インチ、または、約それらの値であることが可能である。多くの用途では、ゾーンの高さは、少なくとも、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、48、50、52、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84インチ、または、約それらの値であることが可能である。
【0032】
たとえば、テントなど、いくつかの用途では、さまざまな寸法は、かなり大きくなることが可能である。医療用途のための生地などのような、いくつかの用途に関して、寸法は、かなり小さくなることが可能であり、たとえば、ナノファイバーの使用まで縮小される。
【0033】
別のゾーンに対する1つのゾーンの相対的な高さは、それが製織マシンから外れるときに、生地構築体の中で変化することが可能である。しかし、それらは、一般的に、同様のスケールまたは大きさのものになることとなる。たとえば、隣接するゾーンのセットは、一方から他方へ0.25倍から10倍、または、約それらの値の中にある、相対的な高さを有することが可能である。
【0034】
経糸ヤーンのスペーシングは、均一であることが可能であり、または、変化することも可能である。スペーシングは、あるパターンで起こることが可能である。たとえば、スペーシングは、所与の第1の複数の経糸ヤーンに関して均一であることが可能であり、次いで、第2の複数の経糸ヤーンに関して変化することが可能である。先述のことは、緯糸方向のヤーンに関しても当てはまる。経糸ヤーンのスペーシングは、緯糸ヤーンのスペーシングと同じであるか、または異なっていることが可能である。優先的には、生地は、所与の側部の経糸ヤーンまたは緯糸ヤーンの上に示すことが可能である。たとえば、ツイル構築物の生地は、優先的には、経糸ヤーンの上に浮かせられている1つの表面緯糸ヤーンの上に示すことが可能である。
【0035】
別の例として、ドビー織り方またはジャッカード織り方では、生地は、優先的には、相対的なスペーシングおよび所与のヤーンタイプの数を変化させることによって、フェイス表面において、経糸ヤーンまたは緯糸ヤーンを示すことが可能である。たとえば、経糸フェイスまたは緯糸フェイス生地フェイスは、経糸ヤーンおよび緯糸ヤーンの相対的なカバーを変化させることによって決定され得る。
【0036】
本発明の主題は、任意の1つ以上のゾーンにおいて使用される織り方タイプが、いくつかの標準的な織り方タイプのいずれかであることが可能であるということを企図している。たとえば、企図されている織り方タイプは、平織、斜子織、リブ織、斜文織、朱子織、ドビー織、ファイユ織、リップストップ織、および(アンバランスな)絡み織、ならびに、それらの組み合わせを含む。生地構築体およびその中のゾーンは、構築体の中の異なるそれぞれのレベルにおいて、ヤーンの2つ以上のセットを使用して、織り合わされた生地から全体的にまたは部分的に形成され得る。織られた生地は、ジャッカード、コンピューター化されたジャッカード、ドビー、および自動ドビーなどを含む、任意のタイプの標準的な織機の上で作り出され得る。緯糸挿入は、空気ジェット、ウォータージェット、またはレピアなどを含む、さまざまな方法を通して達成され得る。
【0037】
本明細書で開示されている生地構築体は、1つまたは複数の層構築物であることが可能であり、また、ポリエステルおよびポリアミドなどのような全合成繊維、天然繊維、ならびに、天然繊維および合成繊維の組み合わせに基づくヤーンから作り出され得る。織り合わされる生地構築体は、ダブルクロス構築体、二重織り構築体、およびダブルフェイスド構築体を含む。
【0038】
当業者によく知られている標準的な織り方のいくつかをより詳細に見ると、平織は、一般的に、緯糸(フィリング)ヤーンが経糸ヤーンの上および下を交互に通過する場合のものである。平織生地は、モスリン、ギンガム、ブロードクロス、およびシフォンを含む。
【0039】
斜子織は、平織の一般的な変化形である。これは、織り合わせプロセスの間に2つ以上のヤーンが一緒に置かれ、1つとして扱われる場合である。斜子織を使用する生地は、モンクスクロス、オックスフォードクロス、およびホップサッキングである。
【0040】
斜文織では、一方の方向のヤーンが、他方の方向の2つ以上のヤーンの上に一定の間隔で浮かぶ。それぞれのフロートは、すぐ前のフロートから1つのヤーンを越えて開始する。これは、対角方向のリブまたはコードパターンを生成させる。ツイル生地は、目を詰めて織られており、強い耐久性がある生地を作り出す。斜文織を備える生地は、デニム、ギャバジン、およびシュラーを含む。ツイル生地は、両側が同じである平織とは異なり、異なる表面および裏面を技術的に有している。ツイルの表側は、テクニカルフェイスであり、裏側は、テクニカルバックと呼ばれる。斜文織生地のテクニカルフェイス側は、最もはっきりしたウエールを備えている側である。それは、通常、より耐久性があり、より魅力的であり、生地のファッション側、および、製織の間に見ることができる側として使用されることが最も多い。テクニカルフェイスの上に経糸フロートが存在する場合には(すなわち、経糸が2つ以上の緯糸の上に交差している場合には)、テクニカルバックの上にフィリングフロートが存在することとなる(緯糸が2つ以上の経糸の上に交差することとなる)。ツイルウエールが、一方の側で右へ行く場合には、それは、他方の側で左へ行くこととなる。ツイル生地は、織られるときにアップダウンがない。
【0041】
朱子織は、表面の上で浮いている長いヤーンを有している。経糸ヤーンは、4つ以上のフィリングヤーンの上を行き、次いで、1つのフィリングヤーンの下を行く。次のフロートは、すぐ前のフロートが開始した場所から2つのヤーンを越えて開始する。朱子織のフェイスは、ほとんど全体的に、1つの方向だけに走っているヤーンから構成されている。これは、光を反射して光沢を有する表面を生成させる。朱子織は、サテン生地およびサティーン生地を作製するために使用される。サテンでは、フロートは、経糸ヤーンであり、サティーンでは、フロートは、フィリングヤーンである。
【0042】
パイル織りは、過剰なループを有しており、または、ヤーンは、表面から突き出ていない。それらは、平織または斜文織のいずれかによって作製され得、ベルベットのケースでは、それらは、向かい合わせて二重に織られ、中間を切断され、パイル生地の2つの別々のピースを作製する。このタイプの織り方を備える生地は、コーデュロイ、ベルベット、フェイクファーである。パイル織りおよびけば立てた表面生地は、ナップを有している。ナップは、異なる方向から見たときに異なって見える繊維端部の層である。パイル織りは、機能的な属性および視覚的効果の属性のうちの1つまたは両方であることが可能である。たとえば、パイルまたはナッピングは、断熱材および/または審美的な表面テクスチャーとしての役割を果たすことが可能である。
【0043】
1つ以上の実施形態では、本開示にしたがって製造される単一のマルチゾーン構造を備える生地は、異なるパターンを使用し、マルチゾーン構造を示すことが可能である。たとえば、1つの実施形態は、カラーパターンを有することが可能であり、例として、
図4A〜
図4Dにおいて見られるように、多様な色合いが使用され、マルチゾーン構造を示すことが可能である。別の実施形態は、反復的なパターンを使用することが可能であり、反復的なパターンの多様な密度が使用され、そのようなパターンを示す
図2A〜
図2Bおよび
図4A〜
図4Dにおいて見られるように、マルチゾーン構造、および、カラー変化またはシェーディング変化を示すことが可能である。さらなる実施形態では、本開示にしたがって製造されるマルチゾーン構造を備える生地は、視覚的パターンを使用せず、マルチゾーン構造を示すことが可能である。
【0044】
任意の生地構築体、または、その一部分は、1層、1.5層、2層、2.5層、または3層の構築物を含むことが可能である。上部の(最も外側の)層は、外部使用に適切な(たとえば、外側に露出される)1つのタイプの材料(たとえば、ヤーンまたは堆積された化学的な材料)であることが可能であり、また、底部の最も内側の層は、内部使用に適切な(たとえば、人間の身体に接触している)1つのタイプの材料(たとえば、ヤーン)であることが可能である。中間層は、クロスハッチングのスレッディング(crosshatched threading)に起因して引き裂きおよび切り裂きに抵抗する、織られた材料を含むことが可能であり、または、それは、非テキスタイル材料であることが可能である。生地構築体10または100のマルチゾーン構造は、任意の1つまたは複数の層の中に実装され得る。1つの可能性のある実施形態では、マルチゾーン構造は、中間層の上に積層され得る。別の可能性のある実施形態では、マルチゾーン構造は、プリントされたまたはそうでなければ堆積された材料を含むことが可能であり、それは、層を形成している。
【0045】
図4A〜
図4Dは、構築体100のような生地構築体から作製されている衣類200の正面図および裏面図を示している。例示のために、衣類は、ジャケットシェルである。しかし、生地構築体10または100は、それに限定されないが、キャンピング、スポーツ活動、消火活動、ならびに、他の専門的職業、軍事、およびファッション、または、当業者に容易に明らかな任意の他の活動領域において一般に使用される物体または衣類を含む、任意の適切な衣類または物体とともに使用され得るということを理解されたい。
【0046】
1つの可能性のある実施形態では、生地構築体10または100は、ナイロン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ウール、綿、および/または、任意の適切な材料から、単独でまたは組み合わせで作製され得る。その構築体を使用する衣類の中の層は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)などのような防水の通気性のある膜であることが可能である。
【0047】
また、任意の実施形態では、製造業者は、パターン15または150によって示されている少なくとも1つのゾーン構造に基づいて、衣類の一部分に対応するように、生地10または100のゾーンを選択することが可能である。衣類のゾーンに対する生地構築体のゾーンのマッピングは、本明細書で「ゾーンプロファイル」と称され得る。この例示的な実施形態では、生地構築体100の一部分は、ジャケット200のエリアに対応している。ジャケット200のそれぞれのエリアは、耐久性、通気性、弾力性、および/または耐水性などのようなさまざまな属性の観点から、異なる要件を有する可能性がある。たとえば、腹側および背側セクションエリアの肩エリア、ならびに、下側袖部分は、より通気性を必要とする他のエリアよりも大きい耐久性を必要とするが、より低い通気性しか必要としない可能性がある。
図5を見ると、ジャケットおよびパンツのスーツ300の中の暗い領域および明るい領域は、異なるゾーンタイプを示している。ジャケットは、肩エリア21.2、上腕エリア21.2、肘/下腕エリア21.3、手首またはカフエリア21.4、臀部エリア21.5、膝エリア21.6、下腿およびくるぶしエリア21.7、頭部エリア21.8、ならびにジッパーエリア21.9において、高い耐久性の生地の第1のゾーンタイプの複数の暗いゾーンを含む。より明るいカラーのエリアは、より大きい通気性、弾力性、柔軟性、または他の所望の属性のゾーンタイプであることが可能である。
【0048】
図1、
図2、および
図6に図示されているように、たとえば、衣類は、1つまたは複数のコンポーネントとして、生地構築体からカットされ、そして、縫い合わせられ、溶融結合され、テープで付けられ、または、そうでなければ、一緒に接合され、衣類200または300などのような衣類を形成することが可能である。たとえば、コンポーネントパーツは、当技術分野で知られている任意の適切な手段を使用して、たとえば、平坦で、強化された、および/または湾曲した縫合を使用して、一緒に縫い合わせられ得る。
図1および
図2のパターンは、完全なジャケットシェルを表す単一の物体として、カットされ得るジャケットがどういうものであるかを示している。
図6は、右上角部に、3次元の衣類300の中に形成され得るパターンからカットされる生地構築体の例を示している。シェルは、シェル形態を完成させるために他のコンポーネントを追加する必要性なしに、実質的に完全な形態で組み立てられ得る。
【0049】
本明細書で開示されているように、人間の身体は、アパレル耐久性、耐水性、通気性、断熱性もしくは熱伝導性、弾力性、快適性、および/または、手触りの観点から、異なる要求を有している。他の適切な特質は、それに限定されないが、衣類の視覚的外観を含む。ゾーンプロファイルに基づいて、衣類に関する生地構築体の適当なゾーンが確認され得る。
【0050】
したがって、単一のマルチゾーン構造の生地構築体を形成することによってテキスタイル組成を構築することによって、および、制御される様式でゾーンを横切って特性を変化させることによって、カスタマイズされた衣類100が、単一の生地構築体からカットされた1つまたは複数のピースを使用して生成され得る。したがって、単一の生地構築体10または100は、たとえば、複数の生地の特質を持つようになることが可能である。
【0051】
任意の実施形態では、所与のゾーンの織り方タイプは、少なくとも4つの方式で変化させられ得、それは、
図3A〜
図3Cに概略的に図示されており、それは、(i)異なるヤーンタイプの使用(
図3A)、(ii)所与のスレッドまたはヤーンに関するデニールの相違(
図3B)、および、(iii)交差点のより高い密度(
図3C)である。追加的に、デニールは、マルチフィラメントヤーンの使用によって、たとえば、同じまたは異なるスレッドまたはヤーンタイプを一緒に捩じることによって、効果的に変化させられ得る。
【0052】
図2、
図4A〜
図4D、および
図6は、生地の単一の層から形成されるジャケットの可能性のある実施形態の詳細を図示しており、それは、複数のゾーンタイプを含み、そのうちの少なくとも1つは、移行ゾーンタイプである。移行ゾーンを備える生地構築体は、さまざまな種類の製織マシンおよびプロセスを使用して作製され得る。この例では、示されているジャケットのための生地構築体は、経糸ヤーンに対する個別制御に関して、ドビー製織マシンまたはジャッカード製織装置を使用して作製され得る。
【0053】
この例では、ゾーンZ
1、Z
2、およびZ
Tは、シームレスに接合されたゾーンを備える単一の織られた構築体の一部であり、また、一般的に、
図2〜
図3の構築体の上に図示されているパターンで表されているが、そのパターンは、同一のマッチでなくてもよい。この例では、すべてのゾーンは、斜文織から構築されている。
図4A〜
図4Dは、全体的なジャケットシェル200の背中側を示している。背中側は、ユーザーから離れる方を向くこととなる外側表面と、ユーザーの方を向くこととなる内側表面とを有している。
図4Bは、
図4Aからの詳細を示している。
図4A〜
図4Bでは、外側表面が示されている。
図4C〜
図4Dでは、ジャケット200の内側表面が示されている。
図4Dは、
図4Cからの詳細を示している。ジャケットは、3つのゾーンタイプ、すなわち、第1のゾーンタイプZ
1、第2のゾーンタイプZ
2、および移行ゾーンZ
Tを有している。この実施形態では、ゾーン同士は、互いに対して平行であり、製織マシンから外されることが完了したときに、生地構築体100(
図2)に示されているものと同様に、生地構築体を横切って縁部から縁部まで走っている。生地構築体の中の所与のタイプのそれぞれのゾーンは、衣類または他の最終製品に関するパターンの一部分にマッピングされており、そして、それは、衣類または他の最終製品の一部分にマッピングされている。
【0054】
見ることができるように、生地構築体10または100の上のパターンは、所与のゾーンを、パターンの上の異なるゾーンへとブレークダウンすることが可能である。換言すれば、衣類の中のそれぞれのゾーンに関する最終製品の中に、1xまたはそれ以上の複数のゾーンが存在している。たとえば、生地構築体100の中のゾーンZ
2は、衣類200の中のZ
1、Z
2、Z
Tに関して離散的なゾーンを生成させるために使用されている。構築体の中の所与のゾーンは、衣類または他の最終製品の中に2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のゾーンを生成させるために使用され得る。
【0055】
ゾーンタイプの例として、
図4A〜
図4Cは、第1のゾーンタイプZ
1がジャケットの背面の概して中央のエリアに配設されている、ジャケット200の背中側を示している。移行ゾーンZ
Tは、および第1のゾーンタイプの下方に隣接して配設されている。それは、より詳細に本明細書で議論されているように、1つの隣接するまたは近隣のゾーンの属性の、別の隣接するまたは近隣のゾーンの属性への移行を提供する。移行ゾーンの下方に隣接しているのは、第2のゾーンタイプZ
2である。任意の他のゾーンと同様に、移行ゾーンの複数のセットが、生地構築体および結果として生じる最終製品の中に存在することが可能である。
【0056】
示されている例では、同じタイプの経糸ヤーンが、すべてのゾーンを横切って使用されている。経糸ヤーンは、ユーザーの身体の長軸(頭尾軸)に対して平行に配向されている。緯糸ヤーンは、長軸に対して垂直に配向されている。
【0057】
したがって、ゾーンの属性は、使用される緯糸ヤーンタイプおよび/または製織タイプにしたがって変化することが可能である。他の実施形態では、緯糸スレッドは、ゾーンを横切って一定であることが可能であり、経糸スレッドは、変化させられ得る。他の実施形態では、経糸スレッドおよび緯糸スレッドの両方が、変化させられ得る。したがって、ゾーン属性は、緯糸ヤーンタイプ、経糸ヤーンタイプ、および/または、異なるゾーンの中の織り方タイプの性質に依存する。さらに図示するために、任意の所与の構築体では、経糸ヤーンが一定のままであることが可能であるが、それらは、必ずしも、経糸方向を横切って同じヤーンタイプである必要はない。たとえば、ヤーンタイプは、経糸を横切って移動するときに変化することが可能である。変化は、ヤーン材料、デニール、または、任意の他のヤーン属性の観点から生じることが可能である。変化は、パターンを有することが可能であり、たとえば、1つのヤーンタイプは、ベースヤーンタイプであることが可能であり、異なるヤーンタイプが、所与の複数のベースヤーンタイプの後に存在している。これは、たとえば、
図3Aに図示されている。任意の複数の異なるヤーンタイプは、経糸方向に配置され得る。
【0058】
例示的な例として、ジャケット200の中の経糸ヤーンは、ポリプロピレンヤーンであることが可能である。ポリプロピレンは、衣類用途に関して比較的に軽量のヤーンであり、衣類のユーザーから離れるように湿気を逃がす利点を有している。ジャケット200では、第1のゾーンタイプZ
1の複数のゾーンが存在しており、それは、より暗い灰色のエリアによって表されており、緯糸ヤーンは、耐久性が比較的に高く、耐久性ゾーンタイプを提供する。たとえば、それらは、70Dまたはそれより高いデニールナイロン6,6またはCordura(商標)ナイロンなどのような、強力ナイロンであることが可能である。ナイロン40Dなどのような、より軽量のヤーンタイプを使用する第2の製織タイプの複数の通気性ゾーンZ
2が存在している。また、通気性ゾーンは、より重いデニール耐久性ゾーンの構築物よりも軽量で柔軟なゾーン構築物であると考えられ得る。
【0059】
異なる機能的なゾーンZ
1とZ
2との間に、移行ゾーンZ
Tが存在している。移行ゾーンZ
Tでは、それぞれの隣接するゾーン(すなわち、耐久性ゾーン、および、通気性のあるゾーンまたはより軽量のゾーン)に特有の、より重い緯糸ヤーンとより軽い緯糸ヤーンのブレンドが存在している。移行ゾーンの中のそのような緯糸ヤーンのブレンディングは、所与の隣接するゾーンの方向に漸進的に増加し、その隣接するゾーンにより近いものになる。
【0060】
本発明の主題によれば、移行ゾーンは、1つの側から別の側へ1つまたは複数の属性が漸進的に変化するゾーンの性質を持っていることが可能である。たとえば、それは、他のタイプの隣接するゾーンまたは近隣のゾーン同士の間の属性の連続体、勾配、またはスペクトルの性質を持っていることが可能であり、1つのゾーンから移行ゾーンを通って他のゾーンへ、選択されたゾーンタイプ属性の滑らかな移行が存在するようになっている。
【0061】
移行することは、所与のゾーン、または、ゾーンのセットのすべての属性に関するものである必要はない。たとえば、第1のゾーンが、ヤーンタイプに基づく特有の耐久性の属性、および、視覚的効果の属性を有しており、第2のゾーンが、織り方タイプの開放性に基づく特有の通気性の属性、および、特有の視覚的効果の属性を有している場合には、移行することのさまざまな形態が可能である。たとえば、移行ゾーンは、第1のゾーンの中のより重いヤーンタイプが第2のゾーンの中のより軽いヤーンタイプに滑らかに移行することだけを提供することが可能である。代替的に、それは、第1のゾーンタイプの中のより目の詰まった織り方が第2のゾーンタイプの中のより目が粗い織り方に移行することだけを可能にすることができる。あるいは、それは、たとえば、第1のゾーンタイプの中の黒色に着色されたヤーンが第2のゾーンタイプの中の白色に着色されたヤーンに移行することだけを可能にすることができる。また、属性移行の組み合わせも可能である。たとえば、移行ゾーンは、織り方開放性およびヤーンカラーが滑らかに移行することを可能にすることができる。代替的に、それは、例の中のすべての属性、すなわち、ヤーンタイプのデニール、織り方開放性、およびヤーンカラーが移行することを可能にすることができる。要するに、任意の1つ以上の属性が、単独で、または、任意の選択された組み合わせで、移行させられ得る。
【0062】
移行することは、ベースにされる任意の数の方式で実現され得る。たとえば、経糸ヤーンが一定であり、第1のゾーンから第2のゾーンへ移行ゾーンを横切る場合に、移行ゾーンは、あるパターンの1つ以上の緯糸ヤーンの複数のバンドの観点から画定され得る(
図3A)。ヤーンタイプの組成、または、バンドからバンドへのヤーンの空間的関係が変化させられ、ゾーン同士の間の漸進的な移行を集合的に提供する(
図3B〜
図3C)。緯糸ヤーンの漸進的なバンディング(banding)の代わりに、または、それに加えて、経糸ヤーンは、上記に(または、下記に)説明されているような方式でバンドを付けられ、画定されている移行ゾーンを横切って漸進的な移行を生成することが可能である。
【0063】
図3A〜
図3Cを参照すると、緯糸ヤーンの漸進的なバンドの例として、第1のゾーンZ
1に最も近いバンドは、第1のゾーンと同じタイプの緯糸ヤーンの相対的に高いパーセンテージと、第2のゾーンと同じタイプの緯糸ヤーンの相対的に低いパーセンテージとを有することが可能であり、パーセンテージは、バンドからバンドへ変化する(
図3A)。それぞれの連続的なバンドが第2のゾーンに近づくにつれて、パーセンテージは、より第2のゾーンのものになるようにシフトする。また、漸進的なバンディングは、ゾーンに関する他の特性の変化に基づいて、第1および第2のゾーンのヤーンタイプのブレンドではなく、1つだけのヤーンタイプを使用して実現され得る。たとえば、バンドは、第1のゾーンタイプのヤーンタイプだけを有することができ、第2のゾーンタイプをいずれも含まないことが可能である。第1のヤーンタイプは、第2のゾーンの緯糸タイプとは異なる別のヤーンタイプと組み合わせられ得る。たとえば、他のヤーンタイプは、経糸スレッドにおいて使用される同じヤーンタイプであることが可能であり、または、第1および第2のゾーンにおいて使用される任意のヤーンタイプとはまったく異なることが可能である。
【0064】
他の可能性の範囲を図示するために、経糸ヤーンがポリプロピレンなどのような軽量のヤーンである場合には、第1のゾーンは、それに限定されないが、70Dナイロン6,6などのような強力ヤーンの耐久性ゾーンであり、第2のゾーンは、40Dナイロンなどのような軽量のナイロンを含む、通気性のあるより軽量のゾーンである。移行ゾーンは、移行ゾーンを横切って漸進的にシフトするバンドの中の3つのヤーンタイプのいずれかの組み合わせに基づくことが可能である。たった1つのヤーンタイプだけが使用される場合には、たとえば、通気性は、本明細書の他の場所で議論されているように、織り方タイプを変化させることによって実現され得る。
【0065】
ヤーンタイプおよびブレンドの変化と組み合わせて、または、漸進的な移行の独立した形態として、織り方タイプは、1つのゾーンタイプから別のゾーンタイプへ行くときに変化させられ得る。たとえば、第1および第2のゾーンは、同じタイプのヤーンを有することが可能であるが、織り方タイプの点で異なっている。移行は、目の詰まった織り方(高い生地カウント)のゾーンから相対的に緩い織り方のゾーンへ行くときの観点になっていることが可能である。ヤーンタイプおよび/または織り方タイプを変化させることによって、漸進的な移行の中の連続的なバンドのそれぞれは、隣接するバンドまたは連続的なバンドにおけるものと同じヤーンタイプまたは織り方タイプの使用に基づいてもよく、または、基づかなくてもよい。
【0066】
さらに、バンドの中のヤーンタイプは、第1または第2のゾーンタイプの中で使用される任意のヤーンタイプと同じである必要はない。その代わりに、それらは、異なっていることが可能であるが、依然として、1つのゾーンタイプから別のゾーンタイプへの属性の漸進的な移行を提供することが可能である。図示するために、経糸スレッドがたとえばポリプロピレンであり、第1のゾーンは、70Dナイロン6,6などのような強力ヤーンの耐久性ゾーンであり、第2のゾーンは、40Dナイロンなどのような相対的に軽量のナイロンの、通気性のあるより軽量のゾーンである場合には、移行ゾーンは、バンドのセットから構築され得、それは、第1および第2のゾーンにおけるものと同じではないが、種々のデニールおよび靱性を有することが可能であり、それは、それらのゾーンの中間である。たとえば、第1のゾーンの近位の第1のバンドは、65Dナイロンであることが可能であり、第2のゾーンにより近い連続的なバンドは、55Dナイロンであることが可能であり、第2のゾーンにさらに近い第3のバンドは、50Dナイロンであることが可能であり、などである。
【0067】
移行ゾーンの中のバンドの数は、所望の特性に応じて、数個から多数まで変化することが可能である。しかし、一般的に、アパレル用途において漸進的な移行を提供するために、少なくとも3つのバンドの移行ゾーンが、適切である可能性がある。しかし、より細かい粒度が望ましい可能性があり、特性の連続的な進行をそれぞれ提供するバンドの数は、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、100、200、300、400、500、1000、10,000、もしくは、それ以上、または、中間にある任意の値または範囲であることが可能である。
【0068】
製織マシンから外れる生地構築体の緯糸方向または経糸方向の、ゾーンの縁部から縁部まで幅は、少なくとも1インチになることとなり、衣類などのような最終製品の中の機能的なゾーンにとって十分な表面積の最小寸法を提供するようになっているということが一般的に企図されている。多くの用途では、バンドに関する平行なスレッドのセットの高さによって画定されるようなバンドの高さは、バンドを含有する移行ゾーンの全体的な高さのパーセンテージであることが可能である。多くの用途では、所与のバンドの高さは、移行ゾーンの高さの0.001%、0.01%、0.1%、1%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、25%、%、26%、28%、30%、32%、33%、34%、36%、38%、40%、42%、44%、48%、50%、または、約それらの値であることが可能である。
【0069】
たとえば、テントなど、いくつかの用途では、移行ゾーンの中の任意のタイプまたはバンドのゾーンのさまざまな寸法は、かなり大きくなっていることが可能である。医療用途のための生地などのような、いくつかの用途に関して、寸法は、かなり小さくなることが可能であり、たとえば、ナノファイバーの使用まで縮小される。
【0070】
いくつかの実施形態では、移行の中に切替点が存在しており、そこでは、1つのヤーンタイプのフローティングまたはフェイシングの選択的な変化が存在している。たとえば、(1)第1のゾーンの近位の移行ゾーンの第1の部分では、第1のゾーンの中の緯糸ヤーンの反射的である緯糸ヤーンは、生地のフェイスにそれらを置くように浮かせられており、および/または、(2)第2のゾーンの近位の移行ゾーンの第2の部分では、第2の部分の反射的である緯糸ヤーンは、生地のフェイスにそれらを置くように浮かせられている。
【0071】
特定の実施形態では、属性の漸進的な移行は、ヤーンを選択的に浮かせることによって生成され得る。たとえば、ヤーンは、連続的な列で浮かせられ、移行ゾーンを横切って漸進的に変化する離散的な形状のパターンを画定し、それによって、少なくとも部分的に、移行ゾーンの中の属性の漸進的な移行を画定することが可能である。これは、たとえば、
図2および
図4の移行ゾーンZ
Tの中に見られ、概略的に
図7に図示されている。選択的なフローティングを使用することにより、移行ゾーンは、生地構築体の中で縁部から縁部までになることが可能であり、または、それは、生地構築体のグリッドの中のどこかで、生地構築体の縁部から間隔を置いて配置されている離散的なエリアの中に画定され得る。
【0072】
パターンは、図において見られるように、ピクセルサイズ、形状、および/またはスペーシングの漸進的な変化を伴うピクセル化されたパターンであることが可能である。ジャッカード制御は、生地のフェイスにおいて、緯糸スレッドを選択的に浮かせるように使用され得る。ドットまたは他のパターン要素の密度、サイズ、または形状は、たとえば、
図7において見られるように、機能的な効果および/または視覚的効果の観点から漸進的な移行に、移行ゾーンの中で漸進的に変化させられ得る。その図は、暗いカラーの緯糸ヤーンのセットを明るいカラーの経糸ヤーンのセットの上に浮かせることによって画定される要素116a、116b、116c、116dを示している。緯糸ヤーンがその上に浮かんでいる経糸ヤーンの数、および、結果的に要素サイズは、要素のそれぞれの連続的な列(バンド)とともに減少する。また、これは、
図4Bのジャケットシェル200の中のピクセル状の要素またはドット要素16a、16bおよび16cによって表されているパターンの中に見られる。
図7の概略図と同様に、要素は、浮かせられているヤーンのセットである。
図7と同様に、
図4Bの中の緯糸ヤーンは、暗いカラーにされており、経糸ヤーンは、明るいカラーにされている。しかし、逆側では、生地のフェイスの上の暗い緯糸ヤーンの選択的なフローティングに起因して、ドットは、
図4Dの中の要素16dおよび16eによって表されているように、明るいカラーの経糸ヤーンを有している。
【0073】
ツイル製織プロセスは、生地の所望の側部において、緯糸ヤーンの選択的なフローティングを提供するために使用され得る。他の実施形態では、緯糸スレッドまたは経糸スレッドは、異なるカバーを有することが可能であり、一方または他方が、生地のフェイスに選択的に設置されるようになっている。
【0074】
生地構築体の中のヤーンのフロートの変化は、生地構築体の機能的な属性および視覚的属性に影響を及ぼす可能性がある。たとえば、低いフロート密度のエリアは、より高いフロート密度のエリアと比較して、より耐久性があり、より伸縮抵抗があり、および/または、より浸透性が低くなっていることが可能である。
【0075】
要約すれば、本発明の移行ゾーンの使用は、機能的なゾーン同士の間の機能性のより滑らかなブレンディングを提供する。また、それは、より良好な衣類の美観の管理および提示を可能にし、1つのゾーンから別のゾーンへ、美観同士の間の急な移行を排除する。
【0076】
パターン設計
有利には、複数のコンポーネントをカットし、組み立て、縫合する必要性を排除するために、図に示されている衣類のためのパターンが、少なくとも身体の部分に関する単数の平坦なカットアウトとして形成され得る。示されているパターンは、特定のゾーンの正面部分および背面部分が、3次元の形状へと折り畳まれ、対応する身体のパーツを受け入れることを可能にする。折り畳まれた部分は、縁部を有しており、縁部は、整合させられ、縫合され、随意的に、一緒にテープで付けられる。たとえば、
図2および
図6のジャケットシェルを見ると、耐久性ゾーンの正面部分および背面部分、ならびに、通気性ゾーンは、そのような方式で一緒になっている。しかし、いくつかのケースでは、シェルの正面部分および背面部分は、反対側に、対応する部分を必ずしも有していない。たとえば、耐久性ゾーン背面部分は、ショルダー部ブレードに対応しており、胸部エリアの対向する部分を必ずしも有していない。胸部エリアは、単純に、通気性のあるゾーンの中にあることが可能である。別の例として、ジャケットの正面のポケットは、より大きい通気性ゾーンの中に埋め込まれている耐久性ゾーンの中にあることが可能である。さらなる例として、シェルの袖部分の上の肘エリアは、耐久性のある織り方から形成され得、一方、隣接する袖部分は、通気性のある織り方から形成され得る。先述のゾーン機能性は、例示のためのものであり、また、原理は、衣類または他の種類の最終製品の上の任意の数の組み合わせまたは配置で、任意の2つ以上の機能的なゾーンタイプに適用され得る。
【0077】
体積スペースを生成させるために接合されなければならないシームを最小化するパターンを作成する際に、考慮事項は、必要に応じて、特定のエリアにマッピングされ、裏側および表側を横切って延在する、ゾーンタイプをレイアウトすることを含む。示されている例では、パターンの中の輪郭を描かれた部分は、ユーザーの胴部、首、および腕、ならびに、随意的に、頭部エリアを受け入れるための体積スペースを生成させるために計算される角度、湾曲、および折り目を有している。より具体的には、2次元のパターンが、衣類または他の物体の3Dレンダリングから生成され得る。3D表示が存在すると、手動アプローチおよび/またはソフトウェアツールが、物体に関する「メッシュ」を生成させるために使用され得る。
【0078】
多角形メッシュは、3Dコンピューターグラフィックおよびソリッドモデリングにおいて、多面体物体の形状を画定する頂点、縁部、およびフェイスの収集である。フェイスは、通常、三角形、四角形、または他の簡単な凸形多角形から構成されている。その理由は、これは、レンダリングを簡単化するからであるが、それは、また、より一般的な凹形多角形、または、孔を備える多角形から構成され得る。多角形メッシュの異なる表示が、異なる用途および目標のために使用される。メッシュの上で実施されるさまざまな操作は、ブール論理、スムージング、簡単化、および、多くの他のものを含むことが可能である。体積メッシュは、それらが構造の表面および体積の両方を明示的に表している点において、多角形メッシュから離散的であり、一方、多角形メッシュは、表面だけを明示的に表している(体積は暗示的である)。
【0079】
さまざまなコンピュータープログラムが、Adobe(商標)IllustratorおよびAutoCAD(商標)プログラムなどのような周知のプログラムを含む、グラフィック設計およびCADプログラムなどのような、初期の3Dレンダリングを生成させるために利用可能である。3Dレンダリングが生成されると、「UVマッピング」操作が実施され得、それは、メッシング機能を含むことが可能であり、2Dパターンまたは近い近似として3D物体をレンダリングするために使用され得る。UVマッピングは、3Dモデルの2Dイメージ表示を作製する3Dモデリングプロセスである。UVマップは、ソフトウェアアプリケーションによって自動的に発生させられるか、デザイナーによって手動で作製されるか、または、その両方のいくつかの組み合わせのいずれかであることが可能である。多くの場合、UVマップが発生させられることとなり、次いで、デザイナーが、それを調節して最適化し、シームおよび重なりを最小化することとなる。モデルが対称的である場合には、デザイナーは、メッシュの中の反対側の多角形を重ねることが可能であり、両方の側部が同じ表面テクスチャーによって同時に表されることを可能にし、それは、本発明の主題にしたがって、同じ織られたゾーンタイプへと変換される。
【0080】
モデルが、3Dモデラーを使用して、多角形メッシュとして生成されるときに、UV座標が、メッシュの中のそれぞれの頂点に関して発生させられ得る。1つの方式は、連続的に接続されている多角形の辺のセットによって画定されているシームにおいて、3Dモデラーが、三角形または他の多角形メッシュを広げ、多角形を2次元のパターンで自動的にレイアウトすることである。たとえば、メッシュがUV球面である場合には、モデラーは、それを正距円筒投影図へ変換させることが可能である。次いで、デザイナーは、製織に適切な直線的なフットプリントでパターンのレイアウトを最小化しながら、物体に関して発生させられたメッシュから、縁部を接合および縫合するための適当な折り畳み線およびカット線を決定することが可能である。オープンソースのメッシングソフトウェアの例に関して、http://www.openmesh.org/を参照されたい。
【0081】
本発明の主題は、アパレルの物品を形成するさまざまな方法を企図している。アパレルの物品またはアイテムは、本明細書で使用されているように、完成した衣類、または、その実質的な部分もしくはコンポーネント、たとえば、胴部部分、ズボンの脚、袖、またはフードなどを意味している。一般的に、方法は、アパレルの物品を作製する際に使用するためのサイズ、形状、および選択されたゾーンタイプを備えて構成される生地構築体を形成するステップを含む。したがって、方法ステップは、製織装置の上に経糸ヤーンのセットを提供し、緯糸ヤーンのセットを経糸ヤーンの中へ織り込み、第1のゾーンタイプの織られたゾーンを作り出すステップと;装置の上に緯糸ヤーンの第2のセットを提供し、緯糸ヤーンの第2のセットを経糸ヤーンの中へ織り込み、第2のゾーンタイプの織られたゾーンを作り出すステップと;装置の上に緯糸ヤーンの第3のセットを提供し、緯糸ヤーンの第3のセットを経糸ヤーンの中へ織り込み、第3のゾーンタイプの織られたゾーンを作り出すステップとを含む。第3のゾーンは、第1のゾーンと第2のゾーンとの間に配設されている移行ゾーンであることが可能である。すべてのゾーンは、単一の織られた構築体として形成されており、隣接するゾーンは一緒にシームレスに接合されている。いくつかの実施形態では、移行ゾーンは、第1のゾーンタイプの特性から第2のゾーンタイプの特性への漸進的な移行を集合的に提供する、緯糸ヤーンのセットの複数のバンドから構成されている。ステップは、記載されている順序で、または、特定の順序で実施される必要はない。しかし、一般的に、従来の製織マシンを使用して、第1のゾーンが最初に織られ、移行ゾーンが次に織られ、そして、第2のゾーンが、移行ゾーンの後に織られ、移行ゾーンが第1のゾーンと第2のゾーンとの間に挟まれることを結果として生じさせる。
【0082】
企図されている方法では、第1および第2のゾーンタイプは、第1のゾーンおよび第2のゾーンの中で使用される緯糸ヤーンのセットの間の相違によって決定され得る。企図されている方法では、第1および第2のゾーンタイプは、第1のゾーンおよび第2のゾーンの中で使用される経糸ヤーンのセットの間の相違によって決定され得る。企図されている方法では、第1および第2のゾーンタイプは、第1のゾーンおよび第2のゾーンの中で使用される織り方タイプ属性の間の相違によって決定され得る。
【0083】
企図されている方法は、アパレルの物品のパターンを生地構築体にマッピングすることを含むことが可能であり、生地の中のゾーンが、アパレルの物品の上のエリアにおいてそれぞれ異なってマッピングされるようになっている。企図されている方法では、生地構築体の上のそれぞれのゾーンは、アパレルの物品の上の2つ以上の別々のおよび異なるエリアに分配され得、それは、選択された機能的な属性または視覚的効果の属性に関する相違をそれぞれ提供する。
【0084】
生地構築体が製織マシンの上で完成された後に、アパレルの物品を作り出すことに向けて、以下のステップ、すなわち、所定のパターンまたは設計にしたがって生地構築体をカットするステップと、マッピングされたパターンまたは設計にしたがって、生地構築体をアパレルのアイテムへと組み立てるステップとが実施され得る。はさみで切ること、スタンピング、または、先の尖った刃;サーマルナイフ;レーザー切断;およびウォータージェットに基づく他のアクションを含む、カッティングの任意の形態が使用され得る。
【0085】
組み立てるステップは、生地構築体の中のゾーンを折り畳み、アパレルアイテムの異なる側に所与のタイプのゾーンを置くステップを含むことが可能である。組み立てるステップは、カットされた生地の中のシームを接合し、ユーザーの身体、たとえば、袖、脚、フードなどのための囲うものを形成するステップを含むことが可能である。ジッパー、スナップ、ボタン、ポケット、面ファスナー、断熱材などのような、追加的な要素が、物品に追加され得る。接合または追加する方法は、縫合、テーピング、接着、および熱結合を含む。
【0086】
上記に議論されているように、いくつかの実施形態は、アパレルの物品の3Dレンダリングに対応するように配置されている多角形のセットから構成される3Dメッシングを発生させることを企図している。次いで、生地は、多角形の複数の縁部に沿って折り畳まれ、および/またはカットされ得る。
【0087】
製造プロセスの廃棄物を最小化するために、生地構築体の経糸または緯糸の幅は、構築体とともに使用することを意図したパターンの幅と同じまたはかなり近似したものであることが可能である。所与のパターンに対応する生地構築体に関する製織プロセスは、連続的なプロセスとしてセットアップされ得、生地のロールが、所与の生地構築体に関する繰り返しセクションとともに発生させられるようになっている。
【0088】
他の用途
本明細書で図示されている製品は、すべてアパレルのアイテムに関するということを理解されたい。しかし、本発明の主題の原理は、示されているもの以外にも、ロングパンツおよびショートパンツ、ベスト、シューアッパー、ハット、グローブなどのような、アパレルの他のアイテムに適用され得る。また、原理は、テント;バックパック;ダッフルバッグ;他のラゲッジまたはキャリアアイテム;室内装飾用品;寝具;床の敷物;および、織られた生地を使用する任意の他の最終製品を含む、他のアイテムにも適用され得る。
【0089】
定義および専門用語
「フィラメント」は、ステープル繊維よりもはるかに長い長さを備える繊維の連続的なストランドである。すべての人工繊維は、フィラメント繊維であるが、フィラメント繊維である唯一の天然繊維はシルクである。フィラメントは、2つのタイプ、すなわち、モノフィラメントおよびマルチフィラメントがある。
【0090】
「ヤーン」は、天然繊維、人工繊維、または、ブレンドの形態のその両方の組み合わせのいずれかである、繊維の束の捩じられてドラフトされた長いストランドである。それは、テキスタイル産業のスピニングプロセスの最終製品である。
【0091】
「スレッド」という用語は、典型的に、プライヤーンに関して使用される。2つ以上のヤーンが、一緒に捩じられ、スピニングの後にくるダブリングプロセスによってプライヤーンを作製するときに、最終製品は、スレッドと呼ばれる。スレッドの一般的な例は、縫製スレッドである。
【0092】
フィラメント、ヤーン、またはスレッドは、すべてフィラメント状の構造であり、それは、織られた生地または編まれた生地を作製さする際に、独立してまたは組み合わせてそれぞれ使用され得る。したがって、便宜上のために、本明細書で使用されているように、本明細書または添付の特許請求の範囲もしくは図において任意の1つのそのような構造を参照することは、区別が要求されているかまたは文脈から明確でなければ、すべての3つのタイプのフィラメント状の構造を包含することを意味している。さらに便宜のために、「ヤーン」は、ヤーン、スレッド、およびフィラメントを包含するものとして、本明細書で主に使用される用語である。
【0093】
「生地」は、製織プロセスまたは編みプロセスの最終製品であるが、本明細書では、生地は、製織プロセスの最終製品を意味している。本明細書で使用されているように、「生地」および「テキスタイル」という用語は、区別が要求されているかまたは文脈から明確でなければ、本明細書で交換可能に使用される。
【0094】
「エンドパーインチ」または「EPI」は、織られた生地の1インチ当たりの経糸スレッドの数を意味している。一般的に、エンドパーインチが高ければ高いほど、生地はきめ細かくなる。
【0095】
「ピックパーインチ」または「PPI」は、織られた生地の1インチ当たりの緯糸スレッドの数を意味している。ピックは、単一の緯糸スレッドである。一般的に、ピックパーインチが高ければ高いほど、生地はきめ細かくなる。
【0096】
「生地カウント」は、「ヤーンカウント」または「スレッドカウント」とも称され、経糸ヤーン端部およびピックヤーン端部(フィリングヤーン/緯糸ヤーン)の数を意味しており、それは、織られた生地において1インチ当たりでカウントされる。生地カウントは、生地の1平方インチの中の端部の数とピックの数を掛けたものである。
【0097】
(PPI、EPI、または生地カウントは、米国ではインチで測定および報告される可能性があるが、SI単位が測定に関して国際的に受け入れられている単位なので、それは、25mm当たり、または2.5cm当たりで報告される可能性もある。)
【0098】
「生地密度」は、「カバーファクター」と呼ばれるものによって一般的に測定される。このファクターは、生地インチ当たりの経糸ヤーンの数と経糸ヤーンのデニールの平方根との積に、生地インチ当たりの緯糸ヤーンの数と緯糸ヤーンのデニールの平方根との積をすべて加えたものを測定する。したがって、高いカバーファクターの生地は、経糸方向および緯糸方向の両方において、相対的に高いデニールのヤーンを含むこととなり、それは、すべて、高いピックパーインチカウントで織られている。
【0099】
「引張強度」は、繊維、ヤーン、または生地によって示される、圧力下での破壊に抵抗する強度である。それは、テキスタイルに関するASTM規格などのような、標準化された試験方法を使用する試験マシンの上で材料が破壊される前に、生地が示すこととなる抵抗の実際のポンドの数である。
【0100】
生地の「引き裂き強度」は、引き裂きに対する抵抗の生地の測定値である。また、引き裂き強度は、たとえば、緯糸方向または経糸方向にテストする、材料の異方性を示すために使用され得る。既存の引き裂きを伝播するために必要とされる力が測定される。生地試料の準備の一部として、生地がカットされ、カットを拡張するために必要とされる力が、エルメントルフ試験機、および、テキスタイルに関するASTM規格などのような、標準化された試験方法を使用して測定される。
【0101】
当業者は、本発明の主題の性質を説明するために説明および図示されてきたパーツおよびアクションの詳細、材料、および配置において、多くの修正例および変形例が可能であるということ、ならびに、そのような修正例および変形例は、本教示およびそれに含有される特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱していないということを理解されたい。
【0102】
本明細書で引用されるすべての特許文献および非特許文献は、すべての目的のために、その全体が本願に引用して援用されている。
【0103】
本明細書で使用されているように、「および/または」は、「および」または「または」、ならびに、「および」および「または」を意味している。そのうえ、本明細書で引用されている任意のおよびすべての特許文献および非特許文献は、すべての目的のために、その全体が本願に引用して援用されている。
【0104】
任意の特定の例に関連して上記に説明されている原理は、他の例のうちの任意の1つ以上に関連して説明されている原理と組み合わせられ得る。したがって、この詳細な説明は、限定する意味で解釈されるべきではなく、本開示の再検討に続いて、当業者は、本明細書で説明されているさまざまな概念を使用して考案され得る多種多様なシステムを理解することとなる。そのうえ、当業者は、本明細書で開示されている例示的な実施形態が、開示されている原理から逸脱することなく、さまざまな構成に適合され得るということを理解することとなる。
【0105】
開示されている実施形態の以前の説明は、任意の当業者が開示されている革新を作製または使用することを可能にするように提供されている。それらの実施形態に対するさまざまな変形が、当業者に容易に明らかになることとなり、本明細書で画定されている包括的な原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用され得る。したがって、特許請求されている発明は、本明細書で示されている実施形態に限定されることは意図されていないが、特許請求の範囲の文言に一貫する完全な範囲に与えられるべきであり、たとえば、冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」を使用することなど、単数形で要素を参照することは、具体的にそのように述べられていなければ、「1つおよび1つだけ」を意味するように意図されておらず、むしろ、「1つ以上の」を意味するように意図されている。
【0106】
当業者に知られているまたは当業者に後に知られることとなる、開示の全体を通して説明されているさまざまな実施形態の要素のすべての構造的な均等物および機能的な均等物は、本明細書で説明および特許請求されている特徴によって包含されることが意図されている。そのうえ、本明細書で開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に開放されることは意図されていない。要素が「のための手段(means for)」または「のためのステップ(step for)」という語句を使用して明示的に記載されていなければ、請求項要素は、米国特許法の下での「ミーンズプラスファンクション」請求項として解釈されるべきではない。
【0107】
発明者は、以下の特許請求の範囲の範囲および精神の中に入るすべてのものを主張する権利を含む、本明細書で開示されている主題に対するすべての権利を留保する。
【0108】
特許請求の範囲が、仮特許出願の必要なコンポーネントではなく、したがって、詳細な特許請求の範囲を含んでいないということを、発明者は理解するが、発明者は、限定なしに、少なくとも以下の主題を主張する権利を留保する。