【実施例】
【0029】
本発明の好適な実施例を、図面を参照して詳細に説明する。全ての図面において、同様の符号は、同様の構成要素を示す。
【0030】
図1を参照し、高速で回転できるシャフト101は、そのシャフト101にOリング111(若しくは、
図1Bに詳細に例示するような他の取付機構、又はこの明細書において詳述する若しくは当該技術分野において既知の他の配置構造)を介して連結されたランナー110を有する。Oリングは、ランナーに軸方向コンプライアンスを設けて、それと固定面との間の隙間の自己調整及びシャフトの軸方向変位を可能にする。ランナーがシャフトにハードマウントで取り付けられている場合は、何らかの軸方向コンプライアンスを固定部品内に組み込む必要がある。ランナーは、空気膜上を径方向に自由に移動できる。
図1Bに示すような従来のメカニカルフェースシールの多くは、シールの対向面を接触状態に付勢するバネ荷重機構を有する。この技術は、当該技術分野においてよく知られており、シール面に対する荷重を調節し軸方向コンプライアンスを提供するために採用してもよい。103は、シールの一方側のボリュームを示し、これは、例として、ギヤボックス、モータ発電機ハウジング、又は、ミキサ、リファイナ、ウォーターポンプ若しくはガスパイプライン圧縮機等の処理流体若しくはガス、一台の回転機器の区画間のシールとすることができる。104は、ケーシング又はハウジングを示す。また、
図2Aに205で示すようなアダプタプレートが設けられても設けられなくてもよい。シール体109自体は、Oリングシール105を介してハウジングケーシング又はアダプタプレートに取り付けられるようになっていてもよい。
図1Aに例示するシール体は、軽く荷重をかけられるシールを示すが、シール体及びその取り付けは、密封される圧力差のもとで大きく変形しないように十分な剛性を有している必要があることは認識すべきである。シール体には、加圧流体をプレナム108に流通させる伝導通路106が備えられている。プレナム108は、加圧流体を多孔質体102の裏側に均一に分配する。多孔質体102は、グラファイト、カーボン、シリコンカーバイド、タングステンカーバイド、アルミナ又は基本的に任意の多孔質及び/若しくは焼結材料から構成することができる。これらの材料は、典型的に、フェースシール及びメカニカルシールとして、また、ドライガスシールにおけるランナー及びランナーフェースとして見られる。この多孔質を充填又は密封する代わりに、その多孔質を、機能性のために使用する。多孔質体の空気軸受による補償は、単に考えられる解決手段の一つであり、当該技術分野において知られている他の補償技術のうち、オリフィス、ステップ、溝、固有の(inherent)又はポケットを有する(pocketed)補償を採用してもよい。多孔質空気軸受は、当該技術分野において既知であり、前述の出願において発明者によって説明されている。また、圧力で清浄な流体を供給する方法もよく知られており、容易に利用できる。
図1Bにおいて
図1Aと異なる点は、シャフト101が、そのシャフトに固定されたスリーブ112と、ランナー又は合わせリングを多孔質軸受のシール面及び/又は1次リングに対して押圧又は付勢するバネエレメント113とを備えていることである。
【0031】
隙間の厚さは、液体静圧入力圧、(圧力差、バネ力、動的力等からの)面を互いに付勢する力、多孔質体の規制、及び表面積のそれら表面のリークエッジ(leak edge)に対する比率によって決まる。これらの変数を制御して、非常に有効な非接触シールを作り出せる。
【0032】
図1Dを参照し、圧縮機又はタービン等の回転機器のシャフト151には、1次リング150と協働するスリーブ・合わせリング152が嵌着されている。圧縮機ケース153は、当該技術分野において一般的でありAPI682規格によって詳細が規定されているシールカートリッジ159を受容する。回転しない1次リングの多孔質面154には、シールカートリッジを介して圧力が供給される。1次リングが「可撓性エレメント」として配置される場合、この圧力は、
図1E,1F,1Gに記載されるようなOリング156で密封されるプレナム157を介して、又は、1次リング(ここでは示さないが
図3Bを参照のこと)に直接螺入できるチューブを含む当該技術分野において既知の方法で、ポート155に導入してもよい。空気軸受1次リングが回転合わせリングに対して押圧された状態を保持する付勢力は、バネ158、又は、当該技術分野において既知のダイアフラム型撓み部、及び/又は、空気圧を用いた方法(そのうちの2つを以下に教示する)によって影響される。タンデムシールの場合、同じ説明を2次シールに関しても繰り返す。
【0033】
図1Eにおいて、多孔質面160とその多孔質面160の裏側に空気圧を分配するためのプレナム161とを有する1次リング169が、Oリング162によりシールカートリッジの内部に収容されている。ポート165は、空気を他のプレナム167から分配する。プレナム167には、ポート168を介して圧力が導入される。166は、1次リングを合わせリングに対して押圧する付勢力を与えるバネ又はダイアフラムである。あらゆる考えうる漏出を避けるために、1次リングは合わせリングに対して常に押圧されていることが望ましい。シールは、何らかの理由でコンプライアントリングが合わせリングに対して押し付けられない時に「ハングアップ」する。これにより、望ましくない逆流が起こる。「ハングアップ」を防止するのを助けるために、軸受の面に供給される空気圧をも、この場合は1次リングの裏側に対して利用する。163と164との直径の差は、シール面間において所望の閉じ力を維持できるように設計する。164の直径内で描かれる面積が、力が等しくなる軸受面における面積の50%に等しい場合、多孔質体による圧力降下が50%程度になりやすい。これは、他の圧力差からの、又は、付勢バネ又は撓み部からの力は考慮されていないが、当該技術分野において適合できるようにそれも考慮し設計する必要がある。
【0034】
図1Fにおいて、多孔質面170とその多孔質面170の裏側に空気圧を分配するためのプレナム171とを有する1次リング179が、シールカートリッジ内においてOリング172間に拘束されている。軸受機能性のためにポート178を介して入力された空気圧は、プレナム171に達する前にポート175へと伝わる。空気軸受面のための圧力が1次リングの裏側に力を掛けないように分離されるのを確実にするために、ベント173が使用される。このようにして、バネ又はダイアフラムの力のみが、1次リングを合わせリングに向けて付勢する。
【0035】
図1Gは、多孔質面180とその多孔質面180の裏側に空気圧を分配するためのプレナム181とを有する1次リング189が、シールカートリッジ内においてOリング182を介して拘束されている状態を示し、トーラス183(一定の直径を有する球体又はカーブの断片)が、シールカートリッジの直径184の密着内側と協働する。軸受への空気圧は、ポート188を介して導入され、他のプレナム187を介してポート185へ、そこからプレナム181を介して多孔質体180へと流通する。
【0036】
図2Aに示すように、高速で回転できるシャフト201は、そのシャフト201にOリング211(Oリング又は他の添付の図面で説明するような他の取付機構)を介して連結されたランナー214を有する。Oリングは、ランナーに軸方向コンプライアンスを提供して、空気軸受面間の中心が分かるようにし、シャフトの小さい軸方向変位を可能にする。ランナーがシャフトにハードマウントで取り付けられている場合は、何らかの軸方向コンプライアンスを固定部品内に組み込む必要がある。ランナーは、空気膜間を径方向に自由に移動できる。202は、シールの一方側のボリュームを示し、これは、例として、ギヤボックス、モータ発電機ハウジング、又は、ミキサ、リファイナ、ウォーターポンプ若しくはガスパイプライン圧縮機等の処理流体若しくはガスとすることができる。203は、ケーシング又はハウジングを示す。205は、204のような固定のOリングシールを採用できるアダプタプレートが設けられてもよいことを示す。図示のようにケーシングハウジング又はアダプタプレートに取り付けられたシール体自体には、考えられるOリングシール206をその境界に含んでいる。シール自体は、環状で対向する空気軸受面212を有する2つのリング213及び216を備える。リングは、ランナー214と同様の軸方向寸法を有するスペーサ215によって離隔されている。スペーサはまた、大気へのベントドレン208を提供し、スラスト面209間のボリューム内に圧力が蓄積されないようにする。スペーサは、設計の目的に応じて、ランナーよりも若干大きく、又は、ランナーよりも若干小さくできる。より大きいスペーサによって隙間はより大きくなり、より小さいスペーサによって、液体静圧力が消失した場合にクランプ機能を提供できる。この場合、そしてランナーがシャフトに固定されている場合、シールは、従来の接触フェースシールのように働く。非多孔質材料から構成される、又は、意図する軸受/シール面を除いて密封されたリング216及び213は、ポート207及びプレナム210を通じた液体静圧力流体の導通を提供して、その流体を、多孔質体の裏側又は意図する面近傍の領域に均一に分配する。多孔質体212は、グラファイト、カーボン、シリコンカーバイド、アルミナ又は基本的に任意の焼結材料から構成することができる。これらの材料は、典型的に、フェースシール及びメカニカルシールとして、また、ドライガスシールにおけるランナー及びランナーフェースとして見られる。この多孔質を充填又は密封する代わりに、その多孔質を、空気軸受の機能性のために使用する。多孔質体の空気軸受による補償は、単に考えられる解決手段の一つであり、当該技術分野において知られている他の補償技術のうち、オリフィス、ステップ、溝、固有の(inherent)又はポケットを有する(pocketed)補償を採用してもよい。多孔質空気軸受は、当該技術分野において既知であり、前述の出願において発明者によって説明されている。また、圧力で清浄な流体を供給する方法もよく知られており、容易に利用できる。
【0037】
図2Bにおいて、ターボ機器のシャフト221は、シールカートリッジ222を有し、そのカートリッジの内部には合わせリング223が設けられる。合わせリング223は、この場合、回転可撓性エレメントである。図示の合わせリングは、スリーブと一体であるが、スリーブとリングとは、別体の部品であってもよい。一体のスリーブを有する合わせリングは、バネ232を介してシャフトに軸方向に支持され、合わせリング223及び233は、クランプリング237によって軸方向に互いに係止されている。合わせリング223は、固定1次リング229に対して当接し、固定1次リング229は、この好適な実施例において、多孔質軸受面224と、規制エレメントとして多孔質体225を使用して効果的な液体静圧ギャップを作り出すために必要なプレナム226及び入力ポート227とを有する。本実施例において、ダブルシールの一例として、229の空気軸受1次リング面に対して反対側に、第2合わせリング233及び第2の1次リング面230がある。両方の軸受システムは、外部圧力を供給し、同じシステム及びポートを使用して通気される。シール面224及び230間のボリュームは、ポート228を介して通気されて、そこに圧力が蓄積するのを防ぐ。シール面230及び231間においても同様であり、それらは通気される。シールギャップ224から出る流れの一部がプロセス側に流れることは注意されたい。その量は、圧力差によって決まる。そして、ボリューム234は、1000PSIまで加圧され、ベント228から出る流れは大気圧となり、流れの大部分はプロセス側に流入せずにベントから出る。多孔質体225への入力圧はそれが密封するこの圧力よりも4〜6バール高くすべきであり、そのため1060〜1090PSIとなる。もちろん、連続する面のそれぞれに対して段階的に低下する圧力となるように制御して、ステージ毎の圧力低下を落とすようにすることも可能である。各ステージが1000PSIの圧力降下を有する場合には、シールは3000PSIで効果的に密封できる。
【0038】
ここでの多孔質体の使用とは独立した新規性は、合わせリング223及び233の内側対向面における229上の多孔質軸受の面間のギャップを密封する空気軸受が、アセンブリに固定されていることである。これはバネ荷重による嵌合ではなく、そのため、シール面を解放させる特許文献2で現在の技術の主要な問題として指摘されるようなハングアップが起こる可能性がない。この多孔質体空気軸受シール技術のロバスト性は、たとえ合わせリングがシャフト上でハングアップしてシャフトのシールカートリッジに対する軸方向変位が起きても、軸受面は物理的に損傷を受けず、合わせリングスリーブがシャフト上で移動するということを意味する。この効果は、より多くの合わせ1次リング面を追加することによって増大させることができ、1次リング236における軸受シール面231がこの一例である。235の厚さは、アセンブリに適合させている。また、他の多孔質カーボン軸受面を、234で示される空間において合わせリング223の反対側に当接させてもよい。これは、
図6Aの教示においてその論理的結論が得られている。
【0039】
APIが多くの異なるシール配置構造を提案していること、そして、これらにとして、対面式、背中合わせ式、ダブル対向式、及びタンデム式シールが挙げられることは理解されよう。場合によって、可撓性エレメントはシャフト上を旋回し、場合によって、可撓性エレメントはステータと一体化される。本明細書で例示する多孔質空気軸受技術は、これらのシール配置構造の全ての面に採用できることを意味する。
【0040】
図2C−1〜2C−4は、ガスシール用途における空気力学軸受に対する外部加圧多孔質体空気軸受の利点を例示することを意図している。
図2C−1において、ポート253におけるプロセスガスの圧力よりも高い圧力でシールガスが導入され、シャフト251と共に高速で回転するランナー252が、その表面にエッチングされてランナーの各側に空気軸受膜を設定するのを助ける空力機構254を有することがわかる。シールガスは、ギャップに沿う外縁255からギャップ内に流れ、低圧縁256を流出する。
図2C−2において、ステータに対するシャフトの軸方向変化又は角度変化によって、一方側に小さいギャップ257を形成し、他方側のギャップ258は大きくなる。なお、空気膜の剛性は、このような運動が起こってもそのような運動に耐えうることに注意されたい。この点において、小さいギャップ257の側へのシールガスの流れは、反対側の大きいギャップ258である最小抵抗の通路を取る圧力のために少なくなる。ランナーが対向面に対して最も接近する場合、流れは規制されて、接触を回避するために最も高い圧力が欲しい領域への流れが小さくなる。接触点において、圧力及び流れの全ては、大きいギャップ258側を通り、ランナーを反対側の257へと駆動する。これは不安定な状況である。液体動圧機構が空気圧をこの領域へと圧送しようとするが、特に角度変化よりも軸方向変化が大きい場合には空気を小さいギャップへと流入させることは難しい。
【0041】
図2C−3において、高圧ガスが、ポート259を介してプレナム260へと導入され、その後、流れを規制する多孔質体261を介してギャップ262へと導入される。ランナーには何の機構もエッチングされていない。軸受面の一つに向かうランナーの位置の同様の軸方向又は角度変化があると、ギャップ内の263における軸受圧が、ランナーが実際に接触するまで自動的に増加する。この時点で、多孔質体を出ようとする圧力は入力圧に近づく。ランナーと軸受面との相対的な力は、軸受面を出ようとする圧力によって緩和される。同時に、反対側の264は、ギャップが大きいため圧力は低く、規制がギャップの縁部からではなく多孔質体から来るため、ギャップがより大きければ圧力はより低くなる。この結果、ギャップが最も小さい側が常に最も高い圧力を作り、ギャップが最も大きい側が最も低い圧力を有するという自然に安定した状態となる。
図2C−1及び2C−2に例示する空力シールでは、これが逆になる。
【0042】
図2Dを見ると、空気軸受膜の剛性がその厚さに応じて変化することが分かる。エアギャップが薄ければ薄いほど、剛性は高くなる。
図2Dのチャートはリフト・荷重曲線であり、曲線の傾きは、その点における軸受の剛性を表す。水平線はゼロ剛性を示し、垂直線は無限剛性を示す。外部加圧軸受の面におけるオリフィス又は空気力学軸受の周縁のギャップを扱うかどうかにかかわらず、ギャップが小さいほど、十分な空気を軸受の全表面に亘って分配することが難しくなる。多孔質軸受を用いると、空気は軸受の全面から直接ギャップに発せられ、空気をギャップに亘って流そうとしなければ発せられない。これにより、多孔質軸受を、よりロバストな気体軸受とすることができる。また、ギャップ中の流れがそのギャップの三次関数であるため、ギャップを2倍にすることによって流れは8倍になることは注目に値する。多孔質軸受の安定性によって、このように小さいエアギャップでも高い安全性及び信頼性が得られるため、好ましい。
【0043】
図3Aから分かるように、高速で回転できるシャフト301は、固定円筒状軸受シール310の内部で回転する。ボリューム308内に存在する異物又は圧力は、ギャップ309から出る液体静圧力によって密封されてギャップ309へと放出されるのが防止される。311によって示されるハウジング又はケーシングは、円筒状空気軸受シールを直接受容するように備えてもよく、又は、アダプタブロック315を使用してもよい。この場合、Oリング313によってその境界面に静的シールが設けられる。本実施例において、シールの低圧側にリテイナ303を有することが好ましく、このリテイナとシャフトとの間に隙間302を設けるべきである。高圧流体を円筒状シールアセンブリに導通するために通路306が必要である。Oリング312は複数の機能を提供する。これらの機能の1つは、プレナム307を密封して、フィッティングをシール体に直接接続することなく、この高圧流体を、単一の孔306を介してシール体310内に導通させることができるようにすることである。これらのOリングは、径方向及び角度コンプライアンスを提供するために使用してもよく、シャフトは空気膜上を軸方向に完全に自由に移動できる。Oリング312は、望ましい場合には、孔314を介して注入されるエポキシを含むために使用してもよく、このエポキシを、ハウジング又は取付ブロックと、それに堅く取り付けられるシール体との間の円筒状ギャップ304に充填してもよい。空気圧をかけると、シールがそれ自体で、機械の設計中央線に保持されるシャフトに位置合わせされ、エポキシが硬化してシールを正しい位置にハードマウントする(NEW WAYの空気軸受取付についての情報を参照のこと)。
【0044】
アパーチャ306を介して流入しシール体の孔を通って流れた高圧流体は、多孔質体又はシール体とできるプレナム305によって、シール体310と多孔質体316との間を軸方向及び径方向に分配される。多孔質体による補償が好ましい実施例であるが、他の補償方法も可能である。多孔質体の空気軸受による補償は、単に考えられる解決手段の一つであり、当該技術分野において知られている他の補償技術のうち、オリフィス、ステップ、溝、固有の(inherent)又はポケットを有する(pocketed)補償を採用してもよい。多孔質空気軸受は、当該技術分野において既知であり、前述の出願において発明者によって説明されている。また、圧力で清浄な流体を供給する方法もよく知られており、容易に利用できる。多孔質体316は、グラファイト、カーボン、シリコンカーバイド、アルミナ又は基本的に任意の焼結又は多孔質材料から構成することができる。これらの材料は、典型的に、フェースシール及びメカニカルシールとして、また、ドライガスシールにおけるランナー及びランナーフェースとして見られる。一般的に実施されているこの多孔質の充填又は密封の代わりに、その多孔質を、空気軸受の機能性のために使用する。
【0045】
図3Bを参照し、軸受システム353を介して連結されたシャフト351及びハウジング352がある。ベアリングを領域357におけるプロセス又は環境から隔離することが望ましく、
図3A(例外的に、この例では、気体静圧力は可撓性チューブ356を介して送られる)における例示(ただし軸方向に短い)と一致する気体静圧ガスシール355が、高圧空気膜を介してシャフト351に連結されている。高圧空気膜は、シール355をシャフトに対して非接触の形で支持する。そのため、シャフトは、エアギャップにおけるせん断力が低いため、実質的にトルクをシールに伝えることなく高速で回転するが、シールは、空気膜の径方向剛性のために接触することなくシャフトの運動に追従できる。メカニカルベローズによって、シールは、ハウジングに堅く連結された状態を維持せずにシャフトに追従できる。コンプライアンスを与える追加的な方法の詳細を
図7A〜10Bにおいて説明する。
【0046】
ラビリンスシールとは対照的に、円筒状空気軸受シールは、空気膜の剛性を介してシャフトに連結されている。
図3Bにおいて、ブッシングシールは、それが密封するスピニングシャフトによって支持されている。これにより、ラビリンスシールに見られる位置合わせの問題を解消できる。シールは、ステータに対して固定され、コンプライアントマウントの例としてある種類の可撓性ベローズ構成354、ダイアフラム又は軸方向Oリングを介してそれに接続される。周方向シールを使用して、
図2A及び8Aで説明するように、軸方向フェースシール間に取り付けることも可能である。
【0047】
図2A、3B又は7A〜10Bで見られるようなベアリングアイソレータは、Garlock社、Waukesha社及びCrane社から入手でき、これらは、シャフトの中心のシフト、シャフトの角度偏位、及び軸方向変位を可能にするコンプライアントマウントを採用している他のシール製造業者の例である。場合により、これらのベアリングアイソレータを使用して補償されていない環状溝を介して空気又は水を圧縮することによりシールに影響を及ぼす助けにする。これらは、その大きなギャップ及び補償の欠如により、高い流量及び低い圧力によって特徴付けられる。
【0048】
図4Aにおいて、高速で回転できるシャフト401は、そのシャフト401に取付リング413を用いて連結された羽根ランナー405を有する。取付リング413は、押しネジ403及び/又はショルダーによってシャフトに固定されている。Oリング410を採用して、402の隙間を密封する。
図4Aでは、羽根405が多孔質シール軸受面に対して接触しておらず、ギャップ406により羽根ランナー405を見ることができるのに対し、
図4Bでは、羽根ランナーは所定の位置にあり、それと多孔質面412との間のギャップ406は動作時において25μm未満であることに気が付くであろう。シャフトがショルダーをそのように備える場合には(ショルダーは、直径方向におけるステップにより作り出される軸方向面である)、羽根自体は、ショルダーに直接連結してもよい。
図6Aを参照のこと。羽根ランナーは、軸方向に薄く、従来のランナーとはそれで区別できる点で特徴付けられる。羽根は、任意の厚さにできるが、0.1mm〜1mmの厚さが適している。この羽根ランナーは、軽量であるという利点があるため、シャフトの慣性モーメントに対して、又は、ランナーにより起こりうるアンバランスに対して最小限の影響しか及ぼさない。ボリューム404において密封される圧力は、そのボリュームにおいてそれが羽根の撓みの背面に対して均一に作用してそれを単位面積当たり一定の力で空気軸受のシール面に対して付勢する場合、常に同一である。このため、シャフトに接続された重く堅いランナーを有する必要がない。ギャップ406は変化するが、ボリューム404内に存在する力と等しく且つ反対方向の力が、エアギャップ内に発生する。本実施例は、特に空気エンジンとして設計されたタービンにおけるブラシ型シールを置換するのに非常に適している。より効果的に密封できるため、摩擦又は摩耗がゼロ又は少なくとも比較的低く、軸方向に占める空間も極めて小さい。
【0049】
ボリューム404内に存在するものよりも数バール高い高圧ガスをポート408に導入すると、ポート408は圧力をプレナム409に導通し、プレナム409は、空気圧を多孔質体412の裏側に均一に分配し、多孔質体412はその面とランナー405との間のギャップ406内に圧力を作り出す。
【0050】
ボリューム404は、シールの一方側のボリュームを示し、これは、例として、ギヤボックス、モータ発電機ハウジング、又は、ミキサ、リファイナ、ウォーターポンプ若しくはガスパイプライン等の処理流体若しくはガス、あるいは、圧縮機等の回転機器における、区画、インペラ又はステージ間のシールとすることができる。414は、ケーシング又はハウジングを示す。
図2Aで示すようなアダプタプレート(番号205)が設けられてもよい。シール体411自体は、Oリングシール407を用いてハウジングケーシング又はアダプタプレートに取り付けられうる。
図1Aのシール体は、軽く荷重をかけられるシールを示すが、シール体及びその取付は、密封される圧力差下で大きく変形しないように十分な剛性を有するように設計してもよい。あるいは、鋼鉄の板バネ撓み部である羽根ランナーの適合性(conformable nature)と協働するように撓むように設計してもよい。
【0051】
図5Aの従来技術において、従来の遠心圧縮機は、本明細書で説明した(しかしこれは、回転機器における多くの他の考えうる用途を説明している)密封・軸受システムを採用している。シャフト501は、圧縮機キャンバ504から、ラビリンスシール502を介して、シールカートリッジ503内へと延びる。シールカートリッジ503は、圧縮機ケーシング505内部のシールチャンバに嵌合している。そして、1次リング507と合わせリング506との間において、ここでは1次シール508と称するフェース又はドライガスシールが影響されている。プレナム502と1次シール508との間には、ポート524を介してバッファ/フラッシュガスが導入される。このガスの大部分は、プロセスサイドへと逆流する。これは、圧力差がたったの1バールに相当する量であってもラビリンスシールは高い程度の流れを有するからである。バッファガスは、1次シールギャップを清浄に保つために重要である。ガスの一部は、メカニカルフェース又は気体動圧1次シール508上を流れてプレナム509内に流入し、最後にベント510を介して流出する。そして、ポート512を介して導入されたシールガス又は不活性ガスがあるが、すでに述べたように、このほとんどはラビリンスシール511を流通しベント510から流出する。このガスの一部は、合わせリング513及び1次リング514から形成される2次シールを流通する。これは、512において導入される圧力がボリューム515内の圧力よりも高いためである。この流れは、ベント516を介して排出される。そして、ポート517を介して導入された分離ガスが、分離シール518を流通する。この流れの一部は、ボリューム515へと移動し516を介して排気され、その流れの一部はラビリンスシール519を通って(そのように備えられている場合)軸受チャンバ520へと流入する。そのため、ベント510からプロセス・バッファガスが流出し、これが、512を介して導入されたシール又は不活性ガスと混合される。これは、再処理されるかフレアへと送られる。2次シール上を流れボリューム515内へと流入するガスは、517を介して導入される分離ガスと混合され、その後ベント516から流出し、これもフレアに送られるか、あるいは処理又は排出として報告される。また、軸受チャンバ520内へと流入する分離ガスは、ベント521から流出して、別の環境問題となる。軸受チャンバは、その内部にポート522を介して圧送されたオイルを有し、このオイルはポート523(これは底部に位置付けることができる)を介して排出する必要がある。オイルは、ろ過され冷却されてその粘度が制御される。これは、粘度は、非常に感温性が高いため重要である。それらのチューブの全ては圧縮機の各端部を通っており、それを見てメデューサを思い起こした作業者も複数いる。
【0052】
図5Bに示す好適な実施例において、上述のサービス、複雑さ及び環境問題は、以下の新規の教示によって解消される。
図5Bを参照し、圧縮機のシャフトを支持する軸受のための潤滑媒体としてのオイルが除かれていることに注目されたい。代わりに、圧縮機内で圧縮されたガスに対して動作する気体軸受を利用して、シャフト551のための気体静圧空気軸受サポート560を形成している。圧縮機ケーシング554内の軸受カートリッジ555並びに軸受チャンバ及び/又はシールチャンバを、新しい設計に変更して、可能な一層コンパクトな設計を活用してもよいが、これは、気体軸受カートリッジが、油軸受カートリッジが嵌合するのと同じ空間に嵌合できれば必要ない。
【0053】
好適な実施例は、多孔質体規制558を、ティルティングパッド外部加圧空気軸受560の面において使用する。これらの軸受には、従来技術において採用されているものと同じバッファガスを使用して供給できるが、その代わり、このバッファガスは、外部加圧空気軸受560内に圧送される。軸受は、ボリューム552におけるラビリンスシールの他方側の圧力よりも4〜20バールの範囲で高い圧力差が必要であるが、このバッファガス流、つまり軸受ガスのボリュームは、従来技術において必要なバッファガスの量よりも大幅に少なく、例えば軸受当たり1立方フィート/分(約0.03立方メートル/分)未満である。バッファガスは、ポンプの高圧側又は吸引側から取り出され、フィルタ又はドライヤに導通され、吸引側から取り出される場合は圧縮され、その後ポート556を介して軸受560に導入され、多孔質体558により規制されたプレナム557に分配され、そして最後に圧力下で最終軸受規制ギャップ559を介して流出する。ガスは、軸受ギャップ559から流出した後、使用済みガスがラビリンスシール553又はその位置で使用される一部の他のリング若しくは分離シールを介してプロセスに逆流するため、軸受区画内の圧力を若干上昇させる。
【0054】
全てのベントは除去される。軸受チャンバへのプロセス流を有する理由はなく、それが行く場所はない。これにより、フレアへ送ったり大気へ排気したりする必要が無くなり、巨大な環境的な利点となる。そして、扱うガスが1つしかないため、サービスは劇的に簡略化され、メンテナンスコスト及びダウンタイムが改善され、資本コスト及びシールサービス資本コストの低減は、シールのコストの倍にもなりうる。換気を取り除くことによって、圧縮された可燃性ガスに酸素が取り込まれたり危険なガスが放出されたりする可能性を取り除くことができるため、安全性も改善される。
【0055】
本発明を使用することによって、ロータの運動性は劇的に改善する。以前はシールによって使用されていたシャフトの長さを無くして、シャフト551の剛性を高めることができる。シャフトの直径は、シャフトの剛性を高め気体軸受におけるスクィーズフィルムダンピングのためのより大きな領域を設けるのに対して、気体軸受の高速能力のおかげで増大させることができる。
【0056】
オイルの漏れがなくなるため、オイルに伴う環境問題及び混乱は解消する。オイルがフェース又はドライガスシールに到達して炭化することはない。また、オイルによって軸受区画が運転できる温度が左右されることもない。気体軸受は、極低温から過熱蒸気までの最も極端な温度範囲でも運転できる。ここで、多孔質体558をステンレス鋼又はアルミニウムの軸受ハウジング560に接着する従来の技術は、極端な温度では適切ではないことも注意されたい。
【0057】
圧縮機は、あるいは、ガスタービンや大型の発電機の場合でも、ロータは、ゼロRPMの場合でも無摩擦のガスフィルムに支持されている。これにより、シールのハングアップや軸受の損傷等の危険のない低速回転スタンバイ運転ができるようになり、無摩擦の始動及び停止が可能になるため、始動時及び停止時における危険が軽減する。
【0058】
滑らかな多孔質面から得られる優れた気体動圧特性のために、軸受への外部圧力は、圧縮機又はターボ機械が十分な速度になるとなくなる。この時点で、シャフトは、気体動圧効果に支持される。そして、副圧縮機(備えている場合)は、始動時及び停止時又は低回転条件下でのみ稼働させてもよい。運転中この副圧縮機が機能しなくても、それは主圧縮機の運転には影響せず、ロータは、鋼鉄のシャフトのカーボングラファイト軸受面に対する優れたトライポロジー特性のために損傷することなく、圧力の低下と共に旋回を停止しうる。また、この技術は、軸受がその圧力をポンプの高圧側から取り出し、開始・停止サイクルにおいて滑り軸受として許容できる寿命を有するため、海中での圧縮を対象とした缶型の圧縮機に適切である。これは、磁気軸受よりも簡素でコンパクトな油除去方法である。
【0059】
しかし、密封無し且つ換気無しでは、軸受は超高圧下で動作することになる。ポンプの吸引圧が100バールで圧縮機の出力側が200バールの場合、軸受は106バールで供給でき、これらの軸受を通る流れはバッファガスとなる。100バール環境下で動作する軸受は、実際に6バールの圧力差しかない。
【0060】
図6に示すように、高速で旋回できるシャフト601は、上述の
図4Aで説明したように複数の薄い羽根が接続されている。これらの羽根614は、ショルダー及びボルト616を介してシャフト601に固定されており、精密スペーサリング615によって互いに分離されている。多孔質軸受シール604は、ショルダー及びボルト612を介してステータ603に接続されている。多孔質軸受シール604も、羽根ランナーと同じサイズの又は若干厚い(しかし好ましくは10μ以下だけ厚い)精密スペーサ605によって分離されている。多孔質軸受シールの内径とシャフトの外径との間には隙間610がある。羽根ランナーの外径とステータの内径との間には補完隙間611がある。この隙間は、シャフトの径方向運動を提供する。ボリューム602とボリューム609との間に圧力差が存在する、例えば、ボリューム602の圧力がより高いと、その圧力が第1羽根ランナーに対して作用してそれを第1多孔質軸受シールに対して付勢する。しかし、より高い圧力がポート606を介して導入されその圧力が溝607によって周方向に、そして径方向孔608によって多孔質軸受シール内を径方向に導通される。そしてこの圧力は、多孔質体と羽根と軸受との間の面とを導通し、分離力を発生させてシールとなる。
【0061】
図6Bに関し、この実施例は、ブラシ又は遠心シールを採用しているジェット飛行機及び/又はガスタービンにおいて見られるような空気エンジンに関連するものである。これらの接触型シールはメンテナンスの問題があり、効率性の損失を起こす摩擦及び熱を発生させ、騒音を発生させる。これらの問題は、大部分が、多孔質カーボン空気軸受技術を採用することによって解消される。軸受技術は、本明細書内の複数の箇所において教示されている。具体的な配置構造は、タービンシャフト651に、平行撓み技術を用いてシャフトに取り付けられる撓み部であるランナーを保持する機構が設けられている。これらのランナー656は、この好適な実施例において多孔質体補償654を使用する固定空気軸受シール653と協働する。シールの固定部は、摩擦式シールの固定部分を取り付けるために採用されているものと同様の従来技術を使用してエンジン/圧縮機/発電機のハウジング655に取り付けられる。スペーサ657を使用して、シャフトに接続され、659より固定される652のシールアンドキーオフ(and key off)の固定部とともに軸方向にランナーをおおよそ位置付ける。平行撓み658によって、ランナーは、シャフトに対して軸方向に移動でき、これは例えば、離陸のための加速時に起こるが、シールの固定部の面に対して平行な状態を維持する。
【0062】
図6Cは、撓みシールランナーの拡大図であり、軸受面661と、撓み部品662と、取付用の貫通孔663と、ソリッドステンレス鋼ブランクから機械加工、研削又は放電加工(EDM)される領域664とを示す。撓み式ランナーを製造するには他の方法でも良い。
【0063】
追加コンプライアンスを設ける方法が開示される。
より簡素な実施例から始めると、
図7A及び7Bにおいて、球状外径(OD)を有するランナー711を担持する機器のシャフト701がある。ODを有するランナーは、Oリング702を介してシャフトに連結される。これは有利である。何故なら、多くのシャフトはその端部において損傷し且つ/又は真円ではなく、キー溝は多くの場合隆起エッジを有し、これらのハイスポットがこれらの損傷した箇所を摺動して位置決めされるときに精密空気軸受/密封面を損傷する場合があるからである。Oリングは、その弾性力のためにこれらの種類のハイスポットに耐えることができる。他の利点は、それが、705を取り付けるときに問題となる公差を減らすことである。これは、この技術を採用するカートリッジシールが、そのカートリッジシールに適合するシャフトのための添付のスリーブと関連付けられている場合には問題とならない。球状ランナーのODは、好適な実施例において規制された多孔質体である補完的に形状付けられた球状空気軸受に適合する。球状空気軸受は、鉛直方向に分割されたヨーク712(分割は不図示)内に取り付けられ、空気が、入力ポート706及び分配プレナム704を介して多孔質規制エレメント703の背面に供給される。教示のようなこの技術を用いることによって、多孔質カーボン規制エレメント703と球状ランナー711のODとの間に幾つかのバールの圧力を有するエアギャップが提供される。この空気膜は、角度的な自由をシャフトに与えて、713,707及び710で示すようなシャフトの角度変化による制約を回避するための無摩擦で摩耗のない手段を提供する。709は、2つの球状軸受間にベントを示す。これにより2つの軸受エレメント間に圧力が蓄積されるのを回避し、軸受はより圧力が降下しその性能が増大する。
【0064】
図7Cを参照し、多孔質体規制エレメント751は、アルミニウムや鋼鉄、ステンレス鋼又は任意の他の適切な材料から作ることができる非多孔質ハウジング752に焼嵌めされている。ハウジングと多孔質体との間の面積の約50%を占め多孔質体内の自由流れの少なくとも10倍のコンダクタンスを有するプレナム753を、ハウジングのID若しくは多孔質体のOD又はその両方に設けてもよい。プレナムに通じる空気供給孔754によって、空気をプレナムへ、そして多孔質体を介して軸受ギャップ内へと流すことができる。空気軸受ギャップは、軸方向の自由度を与えるが、上述したように、精密シャフトが利用できない場合には、700で示すようなOリング又は、シールカートリッジに合うシャフト用のスリーブを使用する方が賢明な場合もある。
図7Cにおいて、シャフトは、そのシャフトの軸方向の自由度を残したままで、ジャーナル気体軸受内部で回転してもよいことは注意されたい。
【0065】
図8A及び8Bは、シャフトの無摩擦の径方向変位に自由度を与えるのに適切な実施例を示す。これは、
図7A〜7Cでも説明したヨーク824及び817を用いてそれを、
図2Aに示したものと同様にスラスト面間に懸架することによって実現できる。ヨーク824は、それをシャフトと共に回転させないピン(不図示)に非回転状態で係合している。この非回転ピンには、コンプライアンスを意図した制限された範囲において部品が自由に回転できるように十分な隙間が設けられている。このヨークは、821において分割されて、Oリングシール820が採用されている。用途に応じた適切な強度のスラストプレート又はカラー806には、空気圧を多孔質体816の背面へ分配するためのポート807及びプレナム805が設けられている。スラストカラー806は、ジョイント819において、例えば溝内のOリング818によって密封できる。球状気体軸受は、
図7A〜Cでも前述したように、プレナム804と、空気入力ポート808と、規制多孔質エレメント803とを有する。この実施例において、球状軸受間にベントがないが、その代わりに、この領域において蓄積される高圧を利用して、圧力を非接触な形態でジャーナル軸受へと導通させる。外部加圧は、固定ハウジング822内のポート810を介して、各側がスラスト軸受により密封されたプレナム領域823に入り、そしてポート809を介して、球状軸受間の領域に流入する。そこで、非接触の形態でポート811を通って
図7Cで示すプレナム内に入る。そして、規制エレメント802を介して、規制エレメントのロータと814の軸受面との間のギャップ内に入る。
【0066】
この実施例は、これも全ての運動位置においてシールである軸受を用いて、無摩擦の形態で、シャフトの軸方向の自由性、シャフトの角度自由性及びシャフトの径方向変位を提供する。
【0067】
シャフト801は、軸受エレメント802及びランナー826の内部で回転及び軸方向に移動できる。ランナーは、空気軸受膜を介して以外はどこにも連結していないため、これも回転できる。これにより、それらはシャフトの速度を共有でき、シャフトが20,000RPMで回転している場合、ジャーナル軸受814が10,000RPMをとることができ、ランナーが10,000RPMで回転している場合には、他方の10,000RPMを球状軸受803,815とランナー826との間でとることができる。
【0068】
図8A及び8Bと
図9A及び9Bとの違いは、シャフトに無摩擦径方向運動を提供する対向軸方向空気軸受のポートについて、ポート908及びプレナム905を、
図8A及び8Bにおいてそれらがあったスラストプレート906からヨーク924の内部へと移動させたことである。これにより、スラストプレート906の製造が簡素化され、ヨークが、スラストキャップがそれほど強くはない片持ち曲げ剛性を見込む場合のコラム剛性の量に対する圧縮荷重を見込むため、それらがその所定の軸方向厚さに対して高い剛性を保持できるようになる。
図8A及び8Bと
図9A及び9Bにおける軸受配置構造のそれぞれにおいて、多孔質体の気体軸受の表面とそれが916,915及び914に対して作用するガイドウェイとの界面は軸受エレメントの一方側のみが大気圧に解放されており、これにより、外部加圧空気軸受の効果は低減するが、軸受は大きな荷重能力を保持することに注意されたい。
【0069】
図8A〜9Bと
図10との違いは、
図10は完全に通気されている、すなわち、気体軸受の全てが、外部入力圧と、軸受の逃げ縁部(escape edge)に存在する大気圧又はプロセス圧との間の完全な圧力降下を見込むことである。そのため、外部圧力が、1009を介してスラストプレート1008に入力され、プレナム1007によって多孔質体規制エレメントの背後に分配される。また、貫通孔1005が、多孔質体を通って直接プレナム1007内へと延びるように穿設されている。この孔が、このコンプライアンス装置の設計変位中1005と1006とのコンダクタンスを維持するカウンタボア1004を有するヨーク1006内の孔とほぼ位置合わせされる。これは、
図8Aと8Bにおいて説明した非回転ピンのために位置合わせされたままとなる。孔1006によって、ヨーク1028内に穿設され後で1011により栓がされるクロス孔1010を介して球状軸受エレメント1003及びジャーナル多孔質軸受エレメント1002の両方に圧力のコンダクタンスが提供される。1010は、圧力及び流れをプレナム1020に送達し、球状規制エレメント/軸受1020に対して外部加圧を与える。は、フィッティングを受容するようにネジ山が設けられたとも連通している。フィッティングは、ヨークと係合してヨークに対して非回転性を与える球状ランナーとなる圧力のコンダクタンスにおいて運動コンプライアンスを与える可撓性チューブに接続される。ジャーナル規制エレメント1002のための圧力及び流れは、チューブ1015を介してフィッティング1014,1016を通り
図10Aのプレナム1030と
図10Bのプレナム1031内に供給される。
【0070】
ジャーナル気体軸受部の中心にある環状溝が、中央ベント孔へ軸受/シール流れの均一な流通を提供する。これは、球状ランナー1028内の径方向孔であり、フィッティング1016の隣に示している。この孔が、球状軸受間の空間に排気し、これら軸受の両方が、フィッティング1014,1016及びチューブ1015が部分的に占有する孔を介して排気できる。ハウジング1026内を通る孔1013が、対向軸方向面1021からの流れに加えてこれらの流れの排気を提供する。
【0071】
シールを設置するために、
図11Aに示すように、2つの対向面の一方側を備える多孔質材料1102を使用して、加圧流体(気体、液体、蒸気、等)の外部源から油圧を2つの面の間に均一に分配する。圧力は、1106を介してプレナム1108に送給し、そして多孔質体1102を介してギャップ1107内へ送る。この液体静圧力は、2つの面を閉じようとする圧力差又はバネからの力と反対の力を作り出す。他方の面は、軸受シール側の1110である。この液体静圧力は、2つの面が密着1107していても2つの面に対する荷重が完全になくなりゼロ接触圧が2つの面の間に存在する点まで調節できる。これらの面は接触しているため、ギャップを通る流れは略ゼロとなり、多孔質材料に供給されるライン圧が2つの面の間に存在する。
【0072】
そして、他の例示的な例において、
図11Bを参照し、シール体1123の面を対向面1121とともに付勢する1000ポンド(約453.6kg)の力、又はこの例において、1124で示される1000ポンド(約453.6kg)の質量が存在し、シール面が、それらの間に10平方インチ(約64.5平方センチメートル)の面積を有し、100PSIの空気圧がポート1125において供給されこの圧力が本明細書で何度もすでに教示したようにプレナムを用いて多孔質媒体の背面に亘って分配されると、多孔質シール面は、面間の液体静圧力がシール面を共に付勢する力の質量を均等化するため、面間に正確にゼロの接触力を有する。この接触力は、入力圧を変化させることによって容易に調節でき、これにより摩擦によって発生する摩耗及び熱を低減できる。
【0073】
この技術は、面軸受及び接触シールの高い剛性及びダンピングを、流体膜軸受及びシールの低摩擦性及び高速能力と組み合わせたものである。
【0074】
多孔質体は、グラファイト、カーボン、シリコンカーバイド、タングステンカーバイド、アルミナ又は基本的に任意の多孔質及び/若しくは焼結材料から構成することができる。これらの材料は、典型的に、フェースシール及びメカニカルシールとして、また、ドライガスシールにおけるランナー及びランナーフェースとして見られる。この多孔質を充填又は密封する代わりに、その多孔質を、液体静圧力を導通させ均一に分配するために使用する。
【0075】
オリフィスポケット又はステップ型の空気軸受の補償は、この明細書においては、均一な多孔質体のみがゼロギャップで液体静圧力を均一に分配することが可能なため、機能しない。例えば、オリフィスを採用した場合、面が接触していると、液体静圧力はオリフィスの領域に対してのみ加えられることになる。
【0076】
図12を参照し、これは、ソリッドカーボングラファイトティルティングパッド径方向空気軸受1201の例示である。これを2つの部品を貼り合わせようとするのではなく1つの部品から製造する場合、極端な温度で使用するために2つの部品を接合する困難が避けられる。ほとんどのカーボングラファイトは、それが800℃超の環境に置かれるまでは酸化し始めないため、これは非常に広範な温度範囲を提供する。この場合、空気を多孔質体面の背面に分配するためのプレナムは、クロス孔1203を穿設することによって実現できる。これらのクロス孔にはネジ山が設けられ、後で焼成されてカーボングラファイトと共焼結される高温セラミック又はグレーズの1204で栓がされる。金属切削工具により作られるセラミックインサート1206を同時に焼成して、ティルティングパッド機構のヘルツ接触による荷重を分配する。1205は、当該技術分野において既知の高温フィッティングを示す。1202は、このような軸受が支持するシャフトに対して補完する直径を示す。
【0077】
別体セラミック部品、例えば、非多孔質ハウジングを多孔質体面と共焼成することも可能である。共焼成は、基本的に一体部品を作るが、プレナム又はラビリンスを、それらを共焼結又は共焼成する前に、グリーン(未加工)部品に機械加工する機会があった。あるいは、陶器の外側に対して行なわれる艶出し作業と同様に、ガラス接合を高温接着として採用して、複数の別体のセラミック部品を、極端な温度環境下で軸受又はシールとして使用できる単一の高温部品に接合してもよい。
【0078】
図面を参照して好適な実施例を詳細に説明したが、本開示を参照した当業者であれば、本発明の範囲内において他の実施例も実現できることはすぐに理解できよう。従って、発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。