(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562994
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20190808BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20190808BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20190808BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20190808BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20190808BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20190808BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20190808BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20190808BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
G06F3/041 495
G09F9/30 336
G09F9/30 338
G09F9/00 366A
G09F9/30 365
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/04
H05B33/12 E
G02B5/20 101
G06F3/041 400
G06F3/044 124
G06F3/044 125
【請求項の数】20
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-237764(P2017-237764)
(22)【出願日】2017年12月12日
(65)【公開番号】特開2018-106706(P2018-106706A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2017年12月12日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0180050
(32)【優先日】2016年12月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】尹浄基
(72)【発明者】
【氏名】林ゴ−ユン
【審査官】
野村 和史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2017−224508(JP,A)
【文献】
特開2015−176254(JP,A)
【文献】
特開2014−164770(JP,A)
【文献】
特開2014−049436(JP,A)
【文献】
特開2014−153791(JP,A)
【文献】
特開2015−050245(JP,A)
【文献】
特開2011−040042(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/021223(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0154499(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00 −43/00
G02B 5/20 − 5/28
G06F 3/03
3/041− 3/047
G09F 9/00 − 9/46
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00 −33/28
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置される発光素子と、
前記発光素子上に配置される封止スタックと、
前記封止スタック上に互いに交差するように配置されるタッチセンシングライン及びタッチ駆動ラインを含むタッチセンサーと、
前記タッチセンシングライン及びタッチ駆動ラインの間に配置されるタッチ有機絶縁膜と、
前記タッチセンシングライン及びタッチ駆動ラインの間に配置されるタッチ無機絶縁膜であって、前記タッチ無機絶縁膜は、前記タッチ有機絶縁膜上に形成されている、タッチ無機絶縁膜と、
前記タッチセンシングラインから伸長してタッチセンシングラインと電気的に接続される第1ルーティングラインと、
前記タッチ駆動ラインから伸長してタッチ駆動ラインと電気的に接続される第2ルーティングラインと、
を含み、
前記タッチ駆動ラインは、前記封止スタック上に第1方向に配列される第1タッチ電極を含み、
前記タッチセンシングラインは、前記第1方向と交差する第2方向に配列される第2タッチ電極を含み、
前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極は同じ層に形成されている、表示装置。
【請求項2】
前記タッチ駆動ラインは、前記第1タッチ電極を互いに連結する第1ブリッジをさらに含み、
前記タッチセンシングラインは、前記第2タッチ電極を互いに連結する第2ブリッジをさらに含み、
前記第1及び第2タッチ電極と前記第1及び第2ブリッジの少なくとも一つは、前記タッチ無機絶縁膜上に配置される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1及び第2タッチ電極と前記第1及び第2ブリッジの少なくとも一つは、メッシュ状に形成される、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1及び第2タッチ電極と前記第1及び第2ブリッジの少なくとも一つは、前記タッチ無機絶縁膜とエッチング特性が同一である少なくとも一層のタッチ導電層からなる、
請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1及び第2タッチ電極と前記第1及び第2ブリッジの少なくとも一つと前記タッチ無機絶縁膜は、ドライエッチングされる素材からなる、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記タッチ無機絶縁膜は、Al2O3、TiOx及びSiOxの少なくとも1種を含む単層構造に形成される、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記タッチ無機絶縁膜は、Al2O3、TiOx及びSiOxの少なくとも1種を含む
多層構造に形成される、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記タッチ導電層は、Ti、Al、Mo、MoTi、Cu、Ta及びITOの少なくとも1種からなる、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項9】
少なくとも一つの前記タッチ導電層は、メッシュ状に形成される、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1及び第2タッチ電極と第1及び第2ブリッジは、Ti、Al、Mo、MoTi
、Cu、Ta及びITOの少なくとも1種からなる少なくとも一つのタッチ導電層に形成
される、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1及び第2ブリッジの少なくとも一つは、少なくとも一つのスリットを含む、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項12】
前記封止スタックと前記タッチセンサーの間に配置されるカラーフィルターをさらに含
む、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記タッチセンサー上に配置されるカラーフィルターをさらに含み、
前記タッチセンサーは、前記カラーフィルターと前記封止スタックの間に配置される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1及び第2ルーティングラインは、前記封止スタックの第1及び第2側面のそれぞれ上に配置される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記基板と封止スタックの間に配置される少なくとも一層の下部絶縁膜をさらに含む、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1ルーティングラインを介して前記タッチセンシングラインと電気的に接続され
る第1タッチパッドと、
前記第2ルーティングラインを介して前記タッチ駆動ラインと電気的に接続される第2
タッチパッドと、
をさらに含む、請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1及び第2タッチパッドは、前記下部絶縁膜と接触する、
請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記発光素子と接続され、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極及びアクティブ層を
含む駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタのゲート電極とアクティブ層の間に配置される第1絶縁膜と、
前記アクティブ層とソース及びドレイン電極の間に配置される第2絶縁膜と、
前記ソース及びドレイン電極と前記発光素子の間に配置される第3絶縁膜と、
をさらに含み、
前記少なくとも一層の下部絶縁膜は、第1〜第3絶縁膜の少なくとも一つである、
請求項15に記載の表示装置。
【請求項19】
前記タッチ無機絶縁膜は、前記タッチ有機絶縁膜によって前記封止スタックから離隔す
る、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第1及び第2ルーティングラインは、前記封止スタックの最上面に配置された封止層の側面上に配置されている、
請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関するもので、特に工程簡素化及び費用節減が可能な表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンは、表示装置などの画面に現れた指示内容を人の手又は物体で選択して使用者の命令を入力することができるようにした入力装置である。すなわち、タッチスクリーンは、人の手又は物体が直接接触した接触位置を電気的信号に変換し、接触位置で選択された指示内容が入力信号として入力される。このようなタッチスクリーンは、キーボード及びマウスのように表示装置に連結されて動作する別途の入力装置を取り替えることができるので、その利用範囲が徐々に拡張している趨勢である。
【0003】
このようなタッチスクリーンは、一般的に液晶表示パネル又は有機電界発光表示パネルのような表示パネルの前面に接着剤を介して付着される場合が多い。この場合、タッチスクリーンが別に製作されて表示パネルの前面に付着されるので、付着工程の追加によって工程が複雑になり、費用が上昇する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、工程簡素化及び費用節減が可能な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明によるタッチセンサーを有する有機発光表示装置は、封止スタック上に互いに交差するように配置されるタッチセンシングライン及びタッチ駆動ラインを含み、タッチセンシングライン及びタッチ駆動ラインは、このタッチ有機絶縁膜及びタッチ無機絶縁膜を挟んで交差することによって、タッチ有機絶縁膜の変性による染み及びタッチ有機絶縁膜の損傷を防止することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明による表示装置は、第1タッチ電極及び第1ブリッジを有するタッチ駆動ラインと第2タッチ電極及び第2ブリッジを有するタッチセンシングラインの間に配置されるタッチ有機絶縁膜及びタッチ無機絶縁膜を備える。このようなタッチ無機絶縁膜は、第1及び第2タッチ電極、第1及び第2ブリッジを成す多層のタッチ導電層のエッチング工程時に用いられるエッチングガスとタッチ有機絶縁膜の反応を遮断する。これにより、本発明では、タッチ有機絶縁膜の変性による染み不良を防止することができる。また、本発明では、タッチ導電層のエッチング工程時にタッチ無機絶縁膜によってタッチ有機絶縁膜が保護されるので、タッチ有機絶縁膜が損傷されることを防止することができ、工程マージンの減少を防止することができる。それだけでなく、従来の有機発光表示装置は、接着剤を介してタッチスクリーンが有機発光表示装置に付着される反面、本発明による有機発光表示装置は、封止スタック上にタッチ電極が配置されることによって別途の接着工程が不要になり、工程が簡素化し、費用を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1実施例によるタッチセンサーを有する有機発光表示装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示したタッチセンサーを有する有機発光表示装置を示す平面図である。
【
図3】
図1の線“I−I”及び線“II−II”に沿って切断した、タッチセンサーを有する有機発光表示装置を示す断面図である。
【
図4A】
図3に示したブリッジの他の実施例を示す平面図である。
【
図4B】
図3に示したブリッジの他の実施例を示す断面図である。
【
図5】本発明の第2実施例によるタッチセンサーを有する有機発光表示装置を示す断面図である。
【
図6】
図5に示した第1及び第2タッチ電極を詳細に示す平面図である。
【
図7A】
図5に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7B】
図5に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7C】
図5に示した有機発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図8】カラーフィルターを有する本発明の第3実施例によるタッチセンサーを有する有機発光表示装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面に基づいて本発明による実施例を詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明によるタッチセンサーを有する有機発光表示装置を示す斜視図である。
【0010】
図1に示したタッチセンサーを有する有機発光表示装置は、タッチ期間中に
図2に示したタッチ電極152e、154eを介して使用者のタッチによる相互静電容量(mutual capacitance:タッチセンサー)Cmの変化量を感知してタッチ有無及びタッチ位置をセンシングする。そして、
図1に示したタッチセンサーを有する有機発光表示装置は、発光素子120を含む単位画素を介して映像を表示する。単位画素は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のサブ画素PXLから構成されるとか、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)及び白色(W)のサブ画素PXLから構成される。
【0011】
このために、
図1に示した有機発光表示装置は、基板111上にマトリックス状に配列された多数のサブ画素PXLと、多数のサブ画素PXL上に配置された封止スタック140と、封止スタック140上に配置された相互静電容量Cmとを備える。
【0012】
多数のサブ画素PXLのそれぞれは、画素駆動回路と、画素駆動回路と接続される発光素子120とを備える。
【0013】
画素駆動回路は、スイッチングトランジスタT1、駆動トランジスタT2及びストレージキャパシタCstを備える。
【0014】
スイッチングトランジスタT1は、スキャンラインSLにスキャンパルスが供給されるときにターンオンドされ、データラインDLに供給されたデータ信号をストレージキャパシタCst及び駆動トランジスタT2のゲート電極に供給する。
【0015】
駆動トランジスタT2は、その駆動トランジスタT2のゲート電極に供給されるデータ信号に応じて高電圧VDD供給ラインから発光素子120に供給される電流(I)を制御することによって発光素子120の発光量を調節することになる。そして、スイッチングトランジスタT1がターンオフされても、ストレージキャパシタCstに充電された電圧によって、駆動トランジスタT2は、次のフレームのデータ信号が供給されるまで一定の電流(I)を供給して発光素子120が発光を維持するようにする。
【0016】
このような駆動薄膜トランジスタT2、130は、
図3に示したように、ゲート電極132と、第1絶縁膜であるゲート絶縁膜112を挟んでゲート電極132と重畳するアクティブ層134と、第2絶縁膜である層間絶縁膜114上に形成され、アクティブ層134と接触するソース及びドレイン電極136、138とを備える。ここで、アクティブ層134は、非晶質半導体物質、多結晶半導体物質及び酸化物半導体物質の少なくとも一つから形成される。
【0017】
発光素子120は、アノード電極122と、アノード電極122上に形成される少なくとも一つの発光スタック124と、発光スタック124上に形成されるカソード電極126とを備える。
【0018】
アノード電極122は、第3絶縁膜である保護膜116を貫通する画素コンタクトホールを通じて露出した駆動薄膜トランジスタ130のドレイン電極138と電気的に接続される。
【0019】
少なくとも一つの発光スタック124は、バンク128によって設けられた発光領域のアノード電極122上に形成される。少なくとも一つの発光スタック124は、アノード電極122上に正孔関連層、有機発光層、電子関連層の順に又はその逆順に積層されて形成される。その外にも、発光スタック124は、電荷生成層(Charge Generation Layer:CGL)を挟んで対向する第1及び第2発光スタックを備えることもできる。この場合、第1及び第2発光スタックのいずれか一つの有機発光層は、青色光を生成し、第1及び第2発光スタックの残りの一つの有機発光層は、黄色−緑色光を生成することによって、第1及び第2発光スタックを介して白色光が生成される。この発光スタック124で生成された白色光は、発光スタック124の上部又は下部に位置するカラーフィルター(図示せず)に入射するので、カラー映像を具現することができる。その外にも、別途のカラーフィルターなしに各発光スタック124で各サブ画素に対応するカラー光を生成してカラー映像を具現することもできる。すなわち、赤色(R)サブ画素の発光スタック124は、赤色光を、緑色(G)サブ画素の発光スタック124は、緑色光を、青色(B)のサブ画素の発光スタック124は、青色光を生成することもできる。
【0020】
カソード電極126は、発光スタック124を挟んでアノード電極122と対向するように形成され、低電圧VSS供給ラインと接続される。
【0021】
封止スタック140は、外部の水分又は酸素に弱い発光素子120に外部の水分又は酸素が浸透することを遮断する。このために、封止スタック140は、多数の無機封止層142、146と、多数の無機封止層142、146の間に配置される有機封止層144とを備え、無機封止層146が最上層に配置されるようにする。ここで、封止スタック140は、少なくとも2層の無機封止層142、146と、少なくとも1層の有機封止層144とを備える。本発明では、第1及び第2無機封止層142、146の間に有機封止層144が配置される封止スタック140の構造を例として説明する。
【0022】
第1無機封止層142は、発光素子120と最も近接するように、カソード電極126が形成された基板111上に形成される。このような第1無機封止層142は、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)又は酸化アルミニウム(Al
2O
3)のような低温蒸着が可能な無機絶縁素材から形成される。これにより、第1無機封止層142が低温雰囲気で蒸着されるので、第1無機封止層142の蒸着工程時、高温雰囲気に弱い発光スタック124が損傷されることを防止することができる。
【0023】
有機封止層144は、有機発光表示装置の歪みによる各層間の応力を緩和させる緩衝役目をし、平坦化性能を強化する。この有機封止層144は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン又はシリコンオキシカーボン(SiOC)のような有機絶縁素材から形成される。
【0024】
第2無機封止層146は、有機封止層144の上面145及び側面147と有機封止層144によって露出した第1無機封止層142の上面及び側面149を覆うように形成される。これにより、第2無機封止層146は、外部の水分又は酸素が第1無機封止層142及び有機封止層144に浸透することを最小化するとか遮断する。このような第2無機封止層146は、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)又は酸化アルミニウム(Al
2O
3)のような無機絶縁素材から形成される。
【0025】
封止スタック140上には、タッチ絶縁膜168を挟んでタッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152が交差するように配置される。このようなタッチセンシングライン154とタッチ駆動ライン152の交差部には、相互静電容量(mutual capacitance)Cmが形成される。これにより、相互静電容量Cmは、タッチ駆動ライン152に供給されるタッチ駆動パルスによって電荷を充電し、充電された電荷をタッチセンシングライン154へ放電することによってタッチセンサーの役目をすることになる。
【0026】
タッチ駆動ライン152は、多数の第1タッチ電極152eと、多数の第1タッチ電極152e間を電気的に連結する第1ブリッジ152bとを備える。
【0027】
多数の第1タッチ電極152eは、第2無機封止層146上に第1方向であるX方向に一定の間隔で離隔する。このような多数の第1タッチ電極152eのそれぞれは、第1ブリッジ152bを介して隣接した第1タッチ電極152eと電気的に連結される。
【0028】
第1ブリッジ152bは、第1タッチ電極152eと同一平面の第2無機封止層146上に配置され、別途のコンタクトホールなしに第1タッチ電極152eと電気的に接続される。
【0029】
タッチセンシングライン154は、多数の第2タッチ電極154eと、多数の第2タッチ電極154eを互いに電気的に連結する第2ブリッジ154bとを備える。
【0030】
多数の第2タッチ電極154eは、タッチ平坦化膜166上で第2方向であるY方向に一定の間隔で離隔する。このような多数の第2タッチ電極154eのそれぞれは、第2ブリッジ154bを介して隣接した第2タッチ電極154eと電気的に連結される。
【0031】
第2ブリッジ154bは、タッチ絶縁膜168上に形成され、タッチ絶縁膜168を貫通するタッチコンタクトホール150を通じて露出して第2タッチ電極154eと電気的に接続される。この第2ブリッジ154bは、第1ブリッジ152bと同様に、バンク128と重畳するように配置されるので、第1及び第2ブリッジ152b、154bによって開口率が損傷されることを防止することができる。
【0032】
一方、タッチ電極152e、154eとは違う平面上に配置される第2ブリッジ154bは、
図4A及び
図4Bに示したように、多数のスリット153を備えることもできる。多数のスリット153を備える
図4に示した第2ブリッジ154bは、スリット153を備えない
図2に示した第2ブリッジ154bに比べて面積を減らすことができる。これにより、第2ブリッジ154bによる外部光反射を減らすことができ、視認性が低下することを防止することができる。
【0033】
一方、本発明のタッチ駆動ライン152は、第1ルーティングライン156及びタッチ駆動パッド170を介してタッチ駆動部(図示せず)と連結される。そして、タッチセンシングライン154は、第2ルーティングライン186及びタッチセンシングパッド180を介してタッチ駆動部と連結される。
【0034】
第1ルーティングライン156は、タッチ駆動パッド170及び第1タッチ電極152eを電気的に連結するので、タッチ駆動パッド170からのタッチ駆動パルスをタッチ駆動ライン152に伝送する。第2ルーティングライン186は、タッチセンシングパッド180及び第2タッチ電極154eを電気的に連結するので、タッチセンシングライン154からのタッチ信号をタッチセンシングパッド180に伝送する。
【0035】
第1及び第2ルーティングライン156、186は、封止スタック140の側面を覆うように封止スタック140の最上層に配置される第2無機封止スタック146の側面159と接触する。
【0036】
タッチ駆動パッド170及びタッチセンシングパッド180のそれぞれは、基板111と封止スタック140の間に配置される多数の下部絶縁膜112、114、116のいずれか一つと接触するように、その絶縁膜(例えば、保護膜116)上に配置される。このようなタッチ駆動パッド170及びタッチセンシングパッド180のそれぞれは、第1及び第2ルーティングライン156、186から伸長して形成される。このタッチ駆動パッド170及びタッチセンシングパッド180のそれぞれは、タッチ保護膜(図示せず)によって露出するように形成されることによって、タッチ駆動部が実装された信号伝送フィルムと接続される。ここで、タッチ保護膜は、タッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152を覆うように形成されることで、タッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152が外部の水分などによって腐食することを防止する。このようなタッチ保護膜は、有機絶縁素材から形成されるか、または、円編光板又はエポキシ又はアクリル素材のフィルム形態に形成される。
【0037】
このような本発明の第2ブリッジ154b、第1及び第2ルーティングライン156、186、タッチ駆動パッド170及びタッチセンシングパッド180のそれぞれは、低抵抗の具現のために多層構造に形成される。例えば、第2ブリッジ154b、第1及び第2ルーティングライン156、186、タッチ駆動パッド170及びタッチセンシングパッド180のそれぞれは、ドライエッチングが可能な第1〜第3タッチ導電層151a、151b、151cから形成される。第1〜第3タッチ導電層151a、151b、151cのそれぞれとしては、Ti、Al、Mo、MoTi、Cu、Ta及びITOの少なくとも1種を用いる。すなわち、第2ブリッジ154b、第1及び第2ルーティングライン156、186、タッチ駆動パッド170及びタッチセンシングパッド180のそれぞれは、Ti/Al/Ti、MoTi/Cu/MoTi又はTi/Al/Moのように積層された3層構造に形成される。
【0038】
この第2ブリッジ154b、第1及び第2ルーティングライン156、186、タッチ駆動パッド170及びタッチセンシングパッド180を成すタッチ導電層151a、151b、151cは、Cl
2又はCl
3のような塩素(Chlorine)系のエッチングガスを用いたドライエッチング工程でパターニングされることによって形成される。ここで、タッチ導電層151a、151b、151cの下部に配置されるタッチ絶縁膜が有機膜のみで形成される場合、塩素(Chlorine)系のエッチングガスは、タッチ絶縁膜内のC、H及びO元素の少なくとも一つと反応してタッチ絶縁膜が変性するので、染みと認識され得る。また、塩素系のエッチングガスによってタッチ絶縁膜もエッチングされるので、工程マージンが減少するようになる。
【0039】
よって、本発明では、タッチ絶縁膜168を、
図3に示したように、タッチ有機絶縁膜168aとタッチ無機絶縁膜168bの積層構造に形成する。タッチ有機絶縁膜168aは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド又はポリエチレンのような有機膜素材から形成される。タッチ無機絶縁膜168bは、タッチ有機絶縁膜168a上にAl
2O
3、TiOx又はSiOxのようなドライエッチングが可能な無機膜素材から100〜300Åの小さな厚さで形成される。このようなタッチ無機絶縁膜168bは、SiNxに比べて水素含有量が低い無機膜から形成されるので、タッチ無機絶縁膜168bの水素が有機発光素子120及びトランジスタT1、T2のアクティブ層134に拡散することを防止することができる。
【0040】
ここで、第2ブリッジ154b、第1及び第2ルーティングライン156、186、タッチ駆動パッド170及びタッチセンシングパッド180を成すタッチ導電層151a、151b、151cとタッチ有機絶縁膜168aの間には、タッチ無機絶縁膜168bが配置される。この場合、タッチ導電層151a、151b、151cのエッチング工程時に用いられる塩素系のエッチングガスは、タッチ無機絶縁膜168bによってタッチ有機絶縁膜168aとの反応が遮断される。これにより、タッチ導電層151a、151b、151cのエッチング工程時にタッチ有機絶縁膜168aの変性を防止することができ、染み不良を防止することができる。また、タッチ無機絶縁膜168bとエッチング特性が同一であるタッチ導電層151a、151b、151cのドライエッチング工程時、タッチ無機絶縁膜168bがエッチングされ得るが、タッチ無機絶縁膜168bの総厚さより小さい100〜300Å未満の水準でエッチングされる。これにより、タッチ導電層151a、151b、151cのエッチング工程時にタッチ有機絶縁膜168aが損傷されることを防止することができ、工程マージンの減少を防止することができる。
【0041】
図5は、本発明の第2実施例によるタッチセンサーを有する有機発光表示装置を示す断面図である。
【0042】
図5に示した有機発光表示装置は、
図3に示した有機発光表示装置と対比して、第1及び第2タッチ電極152e、154eが多層構造に形成されることを除き、同一の構成要素を備える。したがって、同一の構成要素についての詳細な説明は、省略する。
【0043】
図5に示した第1及び第2タッチ電極152e、154e及び第1及び第2ブリッジ152b、154bの少なくとも一つは、同一の線幅及び形状を有する第1〜第3タッチ導電層151a、151b、151cが順次積層された構造になる。このような第1及び第3タッチ導電層151a、151b、151cが積層された構造の第1及び第2タッチ電極152e、154e、第1及び第2ブリッジ152b、154bの少なくとも一つは、
図6に示したように、メッシュ状に形成される。第1及び第2タッチ電極152e、154e及び第1及び第2ブリッジ152b、154bの少なくとも一つは、タッチ無機絶縁膜168bと一緒にドライエッチングされる少なくとも一層のタッチ導電層151a、151b、151cからなる。ここで、タッチ導電層151a、151b、151cとしては、第2ブリッジ154b、第1及び第2ルーティングライン156、186、タッチ駆動パッド170及びタッチセンシングパッド180のそれぞれと同様に、Ti、Al、Mo、MoTi、Cu、Ta及びITOの少なくとも1種を用いる。例えば、第1及び第2タッチ電極152e、154e及び第1及び第2ブリッジ152b、154bの少なくとも一つは、Ti/Al/Ti、MoTi/Cu/MoTi又はTi/Al/Moと一緒に積層された3層構造に形成される。
【0044】
ここで、第1〜第3タッチ導電層151a、151b、151cは、伝導性が良く、第1及び第2タッチ電極152e、154eを低抵抗電極から形成することができる。これにより、第1及び第2タッチ電極152e、154e自体の抵抗とキャパシタンスが減少することでRC時定数が減少し、タッチ感度を向上させることができる。また、メッシュ状の第1及び第2タッチ電極152e、154eの線幅が非常に小さいので、第1及び第2タッチ電極152e、154eに含まれた不透明な第1〜第3タッチ導電層151a、151b、151cによって開口率及び透過率が低下することを防止することができる。
【0045】
このような第1及び第2タッチ電極152e、154eの下部に配置されるタッチ絶縁膜168は、タッチ有機絶縁膜168aとタッチ無機絶縁膜168bが積層された構造に形成される。タッチ有機絶縁膜168aは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド又はポリエチレンのような有機膜素材から形成される。タッチ無機絶縁膜168bは、タッチ有機絶縁膜168a上にAl
2O
3、TiOx又はSiOxのような無機膜素材から300〜500Åの小さな厚さで形成される。
タッチ無機絶縁膜168bは、Al2O3、TiOx及びSiOxの少なくとも1種を含む単層構造または積層構造に形成されてもよい。
【0046】
ここで、第1及び第2タッチ電極152e、154e及び第1及び第2ブリッジ152b、154bの少なくとも一つは、多数のタッチ導電層151a、151b、151cからなり、第1及び第2タッチ電極152e、154e及び第1及び第2ブリッジ152b、154bの少なくとも一つは、タッチ無機絶縁膜168b上に配置される。この場合、タッチ導電層151a、151b、151cのエッチング工程時に用いられる塩素(Chlorine)系のエッチングガスは、タッチ無機絶縁膜168bによってタッチ無機絶縁膜168bの下部に配置されるタッチ有機絶縁膜168aとの反応が遮断される。これにより、タッチ導電層151a、151b、151cのエッチング工程時にタッチ有機絶縁膜168aの変性を防止することができ、染み不良を防止することができる。また、タッチ無機絶縁膜168bとエッチング特性が同一であるタッチ導電層151a、151b、151cのドライエッチング工程時、タッチ無機絶縁膜168bがエッチングされ得るが、タッチ無機絶縁膜168bの総厚さより小さい100〜300Å未満の水準でエッチングされる。これにより、タッチ導電層151a、151b、151cのエッチング工程時にタッチ有機絶縁膜168aが損傷されることを防止することができ、工程マージンの減少を防止することができる。
【0047】
図7A〜
図7Cは、
図6に示したタッチセンサーを有する有機電界発光表示装置の製造方法を説明するための平面図及び断面図である。
【0048】
図7Aを参照すると、スイッチングトランジスタT1、駆動トランジスタT2、130、有機発光素子120及び封止スタック140が形成された基板111上に第2ブリッジ154bが形成される。
【0049】
具体的に、スイッチングトランジスタT1、駆動トランジスタT2、130、有機発光素子120及び封止スタック140が形成された基板111上に第1〜第3タッチ導電層151a、151b、151cがスパッタリングを用いた蒸着工程によって常温で全面に蒸着された後、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程によって第1〜第3タッチ導電層151a、151b、151cがパターニングされることによって第2ブリッジ154bが形成される。ここで、第1〜第3タッチ導電層151a、151b、151cのそれぞれは、Al、Ti、Cu、Mo、Ta、MoTiのような金属から単層又は多層構造に形成される。
【0050】
図7Bを参照すると、第2ブリッジ154bが形成された基板111上に同一の形状及び線幅を有するタッチ有機絶縁膜168a及びタッチ無機絶縁膜168bが形成される。
【0051】
具体的に、第2ブリッジ154bが形成された基板111上に有機絶縁物質が積層されることによってタッチ有機絶縁膜168aが形成される。このタッチ有機絶縁膜上に無機絶縁物質が積層されることによってタッチ無機絶縁膜168bが形成される。その後、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により、タッチ有機絶縁膜168a及びタッチ無機絶縁膜168bが同時にパターニングされることによってタッチコンタクトホール150が形成される。
【0052】
図7Cを参照すると、タッチコンタクトホール150を有するタッチ無機絶縁膜168b上に第1及び第2タッチ電極152e、154eと第1ブリッジ152bが形成される。
【0053】
具体的に、タッチコンタクトホール150を有するタッチ無機絶縁膜168b上に第1〜第3タッチ導電層151a、151b、151cがスパッタリングを用いた蒸着工程によって常温で全面に蒸着される。その後、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により、第1〜第3タッチ導電層151a、151b、151cがパターニングされることによって第1及び第2タッチ電極152e、154e及び第1ブリッジ152bが形成される。ここで、第1〜第3タッチ導電層151a、151b、151cのそれぞれは、Al、Ti、Cu、Mo、Ta、MoTiのような金属から単層又は多層構造に形成される。
【0054】
図8は、本発明の第3実施例による有機発光表示装置を示す断面図である。
【0055】
図8に示した有機発光表示装置は、
図3に示した有機発光表示装置と対比して、封止スタック140及びタッチ電極152e、154eの間に配置されるカラーフィルター192をさらに備えることを除き、同一の構成要素を備える。したがって、同一の構成要素についての詳細な説明は、省略する。
【0056】
カラーフィルター192は、タッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152のそれぞれと発光素子120の間に形成される。このカラーフィルター192によって、タッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152のそれぞれと発光素子120との間の離隔距離が大きくなる。これにより、タッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152のそれぞれと発光素子120との間に形成される寄生キャパシタの容量値を最小化することができ、タッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152のそれぞれと発光素子120との間のカップリングによる相互影響を防止することができる。また、カラーフィルター192は、タッチセンシングライン154及びタッチ駆動ライン152の製造工程時に用いられる薬液(現像液又はエッチング液など)又は外部からの水分などが発光スタック124に浸透することを遮断することができる。これにより、カラーフィルター192は、薬液又は水分に弱い発光スタック124の損傷を防止することができる。一方、
図8に示したように、カラーフィルター192上にタッチ電極が配置されるものを例として説明したが、その外にもカラーフィルター192は、タッチ電極上に配置されることもできる。この場合、タッチ電極152e、154eは、カラーフィルター192と封止スタック140との間に配置される。
【0057】
このようなカラーフィルター192の間には、ブラックマトリックス194が配置される。ブラックマトリックス194は、各サブ画素領域を区分するとともに隣接したサブ画素領域間の光干渉及び光漏れを防止する役目をする。このようなブラックマトリックス194は、高抵抗のブラック絶縁素材から形成されるか、または、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)カラーフィルター192の少なくとも2色のカラーフィルターが積層されて形成される。また、カラーフィルター192及びブラックマトリックス194が形成された基板111上にタッチ平坦化膜166が形成される。このタッチ平坦化膜166によってカラーフィルター192及びブラックマトリックス194が形成された基板111が平坦化する。
【0058】
このように、本発明によるタッチセンサーを有する有機発光表示装置は、第1タッチ電極152e及び第1ブリッジ152bを有するタッチ駆動ライン152と第2タッチ電極154e及び第2ブリッジ154bを有するタッチセンシングライン154の間に配置されるタッチ有機絶縁膜168a及びタッチ無機絶縁膜168bを備える。このようなタッチ無機絶縁膜168bは、第1及び第2タッチ電極152e、154e及び第1及び第2ブリッジ152b、154bを成す多層のタッチ導電層のエッチング工程時に用いられるエッチングガスとタッチ有機絶縁膜168aの反応を遮断する。したがって、本発明は、タッチ有機絶縁膜168aの変性による染み不良を防止することができる。
【0059】
また、本発明は、タッチ導電層151a、151b、151cのエッチング工程時にタッチ無機絶縁膜168bによってタッチ有機絶縁膜168aが保護されるので、タッチ有機絶縁膜168aが損傷されることを防止することができ、工程マージンの減少を防止することができる。
【0060】
それだけでなく、従来の有機発光表示装置は、接着剤を介してタッチスクリーンが有機発光表示装置に付着される反面、本発明による有機発光表示装置は、封止スタック140上にタッチ電極152e、154eが配置されることにより、別途の接着工程が不要になり、工程が簡素化し、費用を低減することができる。
【0061】
以上の説明は、本発明を例示的に説明したものに過ぎなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、多様な変形が可能であろう。したがって、本発明の明細書に開示された実施例は、本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、下記の特許請求範囲によって解釈されなければならなく、それと均等な範囲内にあるいずれの技術も本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならないであろう。
【符号の説明】
【0062】
142、146 無機封止層、144 有機封止層、152 タッチ駆動ライン、154 タッチセンシングライン、156、186 ルーティングライン、168 タッチ絶縁膜。