(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563178
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】調整弁および該調整弁の製造方法
(51)【国際特許分類】
F16K 3/26 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
F16K3/26 B
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-127944(P2014-127944)
(22)【出願日】2014年6月23日
(65)【公開番号】特開2015-28380(P2015-28380A)
(43)【公開日】2015年2月12日
【審査請求日】2017年3月21日
(31)【優先権主張番号】VI2013A000159
(32)【優先日】2013年6月24日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】514159379
【氏名又は名称】キャレル・インダストリーズ・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ルイージ・ナリーニ
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィデ・スカラボットロ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエレ・カツィン
【審査官】
松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭53−047029(JP,A)
【文献】
特開昭58−050366(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/171950(WO,A1)
【文献】
実開昭60−121565(JP,U)
【文献】
特開平09−265322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 3/00 − 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流れ調整弁(10)であって、該調整弁は、
− 流体のためのチャネル(12)によって横切られる本体(11)と、
− 前記チャネル(12)を塞ぐ閉位置と、前記チャネル(12)が開かれる少なくとも開位置との間で、スライド方向(A)に沿って前記本体(11)内においてスライドするシャッター(13)と、
を備え、
前記チャネル(12)は、前記スライド方向(A)に平行な内面(15)が設けられた前記シャッター(13)のための、前記シャッターに向かって突出する座部(14)を備え、前記シャッター(13)は、前記スライド方向(A)に沿って後端部(16)および前端部(17)の間に延在し、前記スライド方向(A)に平行な側面(18)が設けられ、かつ前記座部(14)の前記内面(15)に連結し、;前記シャッター(13)の前記端部(16,17)は、連通して、これらに作用する前記流体の圧力の釣り合いをとり、;前記前端部(17)は、管状であり、かつ前記スライド方向(A)と垂直の方向に流体によって横切られる少なくとも1つの開口部(20)を有し、;前記閉位置において、前記少なくとも1つの開口部(20)は、前記座部(14)の前記内面(15)によって覆われ、かつ閉じられ、および前記開位置において、前記少なくとも1つの開口部(20)は、前記流体が通過するための少なくとも自由部分(200)を示し、;
前記調整弁(10)は、前記少なくとも1つの開口部(20)が、とがった形を形成し、かつ前記スライド方向(A)に沿って発散するように共に接合する2つの辺(20a,20b)を有し、
前記チャネル(12)が入口および出口を備え、前記座部(14)は、前記入口および前記出口の間に配置され、
前記チャネル(12)が前記入口および前記座部(14)の間に配置された流出チャンバ(24)を備え、前記流出チャンバ(24)は、環状であり、かつ前記シャッター(13)が中央を横切ることを特徴とする、調整弁(10)。
【請求項2】
前記シャッターが前記少なくとも1つの開位置にある場合に、前記開口部(20)の前記自由部分(200)が略三角形の形を有するように、前記辺(20a,20b)が前記調整弁(10)の閉鎖方向に関して発散していることを特徴とする、請求項1に記載の調整弁(10)。
【請求項3】
前記シャッターが前記少なくとも1つの開位置にある場合に、前記開口部(20)の前記自由部分(200)が略正方形、または台形の形を有するように、前記辺(20a,20b)が前記調整弁(10)の開口方向に関して発散していることを特徴とする、請求項1に記載の調整弁(10)。
【請求項4】
前記前端部(17)が前記スライド方向(A)に平行、かつ一定の厚さを有する壁(19)を備え、該厚さは、前記調整弁(10)の通常使用時に前記シャッター(13)の前記前端部(17)の形の安定性を保証するのに適した最小値が選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の調整弁(10)。
【請求項5】
前記シャッター(13)は、管状であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の調整弁(10)。
【請求項6】
前記シャッターが筒状の引抜管の一部分によって生成されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の調整弁(10)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの開口部(20)は、略直線、かつ前記スライド方向(A)に垂直の縁(20c)を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の調整弁(10)。
【請求項8】
前記チャネル(12)が2つの羽根を(22,23)を備え、第1の羽根(22)は、前記スライド方向(A)に垂直に突出し、かつ第2の羽根(23)は、前記スライド方向(A)に平行に突出し、前記前端部(17)には、前記第1の羽根(22)に連通する内部空洞が設けられていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の調整弁(10)。
【請求項9】
前記本体(11)は、前記シャッター(13)の前記後端部(16)がスライド挿入される平衡チャンバ(25)を有し、前記後端部(16)には、平衡チャンバ(25)を前記シャッター(13)の内部に連通させることに適した少なくとも1つの貫通孔(26)があることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の調整弁(10)。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の調整弁の製造方法であって、管の引抜段階と、前記管の一部のせん断段階を含み、前記管の一部が前記シャッター(13)の前記本体を形成していることを特徴とする調整弁の製造方法。
【請求項11】
レーザー切断によって、少なくとも1つの開口部(20)を前記シャッター(13)に形成する段階を備えることを特徴とする、請求項10に記載の調整弁の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に冷蔵装置に適した調整弁と、その製造方法に関連する。
【0002】
特に、本発明は、シャッターの圧力平衡システムが設けられた調整弁に関連する。
【0003】
本願の調整弁は、冷却流体、例えばCO2のための
スロットル弁として使用されることに特に適している。
【0004】
したがって、本発明は、流体の流れ
を調整するための弁の分野に設定される。
【背景技術】
【0005】
冷却流体の流れのための調整弁の分野において今日知られている弁の第1モデルは、本体および本体内でスライド可能なシャッターを備えている。
【0006】
本体には、2つの羽根から成るパイプおよび2つの羽根を分離するシャッターのための座部が横切っている。
【0007】
シャッターは、シャッターの前端部および後端部の間に延在する筒状の側面を有する。
【0008】
座部は、シャッターに結合するために筒状であり、かつ複数の
貫通開口部が設けられている。
【0009】
シャッターは、閉じることによってその側壁が開口部をカバーする完全な遮蔽位置と、シャッターが開口部をカバーしない完全な開口位置との間で座部においてスライド可能である。
【0010】
座部におけるシャッターのスライドは、モジュールに適したエンジンによって駆動され、座部に沿ったシャッターの位置によって弁の開口を調整する。
【0011】
さらに、シャッターの前端部に作られた穴が後端部の前の領域に連通する
バランスチャネルが設けられて、弁の使用時にシャッターの端部に作用する圧力を釣り合わせる。
【0012】
機能的な観点から、弁を使用する場合、シャッターの後端部にかかる流体の圧力は、穴における流体の圧力に実質的に等しい。
【0013】
従来の弁のこの第1モデルの欠点は、弁を使用する間、
結果的に生じるゼロではない力が、流体の動作により、シャッターのスライド方向にシャッターに作用するという事実によって特徴付けられる。
【0014】
この場合、弁開口部の確実な調整を保証するためにこのような力の釣り合いをとるために、それに対応して座部におけるシャッターを支持し、優れた効率によるシャッターの作動駆動部を想定する必要があるため、費用がかかる。
【0015】
今日知られている弁の第2モデルは、
チャネルによって横切られた本体、および
チャネルを遮断するために本体内でスライドするシャッターからなる。
【0016】
特に、チャネルは、2つの羽根、および羽根を分割するシャッターのための1つの座部からなる。
【0017】
シャッターは、
チャネルを閉じるために、
座部の縁に結合するよう適合された円錐ヘッドを有する。
【0018】
さらに、シャッターは、円錐ヘッドの逆の端部に配置された平衡壁を有する。
【0019】
円錐ヘッドは、平衡壁に連通する1または複数の穴を有する。
【0020】
弁のこの第2モデルが使用される間、平衡壁にかかる流体の圧力は、穴における圧力と等しいか、または穴における圧力の平均に等しく、これらは、異なる穴では異なる値を有している。
【0021】
実際には、円錐ヘッドに作用する流体圧力の不均一性により、流体によってシャッターにかかる圧力は、不安定となり、したがって、シャッターの作動駆動部は、予測できる最大の力を補うような大きさ、かつ弁の構造の単純化および経済的利便性が好都合であるような大きさとなっている。
【0022】
さらに今日知られた調整弁は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4に記載されている。
【0023】
特に、特許文献1は、添付の請求項1のプリアンブルによる調整弁が開示されている。
【0024】
この従来の弁の欠点は、より良い調整、または特に迅速な開口が要求される用途においては、弁の開閉中の変化容量が適切ではないことが多いという事実である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/035225号明細書
【特許文献2】国際公開第2010/060565号パンフレット
【特許文献3】欧州特許出願公開第1830115号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102010008167号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明の核心の課題は、予め設定された方法により上行または下行弁の開閉中に容量の変化を有するということである。
【0027】
本発明の主なタスクは、このような課題のための解決策を提供する調整弁を作成することであり、上に開示された調整弁の報告された欠点を
克服する。
【課題を解決するための手段】
【0028】
このようなタスク内で、本発明の目的は、シャッターが上下する機能によって弁の開閉中に変化する流体の通過部分を有する調整弁を提案することである。
【0029】
本発明の他の目的は、少なくとも同等の信頼性を維持しながら従来の弁に対してより小さい大きさの駆動部を使用することである。
【0030】
本発明の別の目的は、従来の調整弁と比較してより簡単な流体の流れの調整が可能な調整弁を作成することである。
【0031】
本発明のなおも別の目的は、従来の調整弁に比べて整備があまり必要ない調整弁を提案することである。
【0032】
本発明のさらなる目的は、従来の弁よりも構造的にシンプルな調整弁を作成することである。
【0033】
本発明のさらに別の目的は、容易に作成することができる調整弁を提供することであり、そのために、弁の特定の用途専用の通過部分を簡単に形成することである。
【0034】
本発明のさらに別の目的は、少なくとも同等の弁の全体性能を維持しながら、従来の弁において使用されるものと比較してより小さいトルクを提供するよう適合された駆動部を使用することができる調整弁を提案することである。
【0035】
本発明のなおも別の目的は、従来のプロセスと比較してより簡単に実施することができる調整弁の製造方法を提案することによって特徴付けられる。
【0036】
以下に示されるこれら、および他の目的にかかわらず、このタスクは、参照によってここに組み込まれる添付の請求項1による調整弁によって達成される。
【0037】
本発明による調整弁の詳細な機構は、対応する従属請求項において開示され、それらはここに呼び戻される。
【0038】
本発明による調整弁の前端部の管形により、弁の使用時に流体によってシャッターに加えられる圧力応力を著しく減らすことができ、大きさのより小さい駆動部の使用が可能となり、従来の弁と比較して流れ調整のより強力な信頼性を有することが可能となる。
【0039】
特に、前端部の自由端部から離れた側開口部を好ましく示すシャッターの前端部の構成は、流体のシャッターにかかる動的圧力の効果をかなり低減する。
【0040】
実際、使用時に、シャッターが閉位置にない場合、流体は、開口部に対応してより速い速度を示す。
【0041】
したがって、速い速度の流体が作用する従来の弁の表面よりもかなり小さい拡張部を有することができる開口部の端に作用するため、開口部に対応して流体によってシャッターに加えられた応力の成分は、スライド方向に沿って、実質的に釣り合いが取れる。
【0042】
本発明による調整弁の構成により、使用の際に
従来の弁と比較してより変化の少ない、実体のより小さい、流体によるシャッターへの応力が可能となり、弁の構造の簡素化、およびその妨害を低減することができる。
【0043】
開口部のとがった形は、製造中に容易に形成でき、弁の使用中に、弁の通過部分の増加が達成され、シャッターのスライドのあらかじめセットされた機構に応じて通過部分を変えることができ、このような機構は、調整弁の特定の用途専用である。
【0044】
本発明のさらなる特徴および利点は、好ましい実施形態の開示から主に得られるが、本発明による調整弁を除くものではなく、一例を示すのみであり、添付の図面に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図5】シャッター行程に関連する容量変化の略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
上述の図を特に参照すると、参照符号10によって全体が示されるのは、特に排他的ではないが冷蔵装置における使用に適した調整弁である。
【0047】
この調整弁10は、冷却流体、例えばCO2の流れの調整のための
スロットル弁としての使用が好ましく適している。
【0048】
構造の観点から、調整弁10は、
− 流体のためのチャネル12が横切っている本体11
− シャッターがチャネル12を塞ぐ閉位置と、チャネル12が開かれる開位置との間でスライド方向Aによりスライド可能な本体11内のシャッター13
を備える。
【0049】
チャネル12には、シャッター13のための座部14が装備され、座部にはスライド方向Aと平行な内面15が設けられている。
【0050】
シャッター13は、スライド方向Aに沿って後端部16および前端部17の間で突出する。
【0051】
前端部17には、スライド方向Aに平行、かつ座部14の内面15に接続可能な側面18が設けられている。
【0052】
好ましくは、前端部17には、凹所14に収容される図示しない封止部材が設けられ、弁の密閉を確実にするためにシャッターが閉位置にある場合に座部14の端に設けられた
当接面に対して当接するよう適合される。
【0053】
シャッター13の端部16および17は、それらに作用する流体圧力の釣り合いをとるために、相互連通している。
【0054】
前端部17は、管状であり、かつスライド方向(A)に垂直の方向に流体によって横切られる少なくとも1つの開口部20を有する。
【0055】
調整弁10は、シャッター13が閉位置にある場合に、各開口部20は、それをカバーする前記座部14の内面15によって閉じられ、シャッター13が開位置にある場合に、開口部20には、流体が通ることができる自由部分200が少なくとも存在するように構成される。
【0056】
本発明によれば、開口部20が、とがった形を形成し、スライド方向Aに沿って発散するよう接合する2つの辺20a,20bを有するため、調整弁10は、特定の特異性を示す。
【0057】
辺20a,20bの形状は、シャッター行程A
の機能における自由部分200の区画の
所定の変化を決定するように選択される。
【0058】
図4a、
図4bおよび
図4cには、限定されない一例として、開口部20の形、辺20aおよび20bの3つの例が示されており、この図において、それらは、スライド方向Aに関して対称、かつそれぞれ凹状、直線、または凸状である。
【0059】
図4dおよび
図4eにおいては、本発明による2つの他の開口部20形が例示され、これらは、
図4a、
図4b、
図4cの形の組み合わせによって得られる。
【0060】
本発明の第1実施形態において、シャッター13が開位置にある場合には、開口部20の自由部分200は、実質的に三角形状を有するように、辺20a,20bは、調整弁10の閉鎖方向に関して発散している。
【0061】
図1〜
図3cにおいては、本発明の第1実施形態の限定されない例が提供される。
【0062】
第1実施形態により作られた調整弁10は、流体の流れを良好に調整することを要求されるような用途に特に適している。
【0063】
この第1実施形態において、流体の通路のために自由となる開口部20の第1部分は、スライド方向Aに垂直の方向に沿って拡張部がないものである。
【0064】
開口部20のとがった形は、この場合非常に段階的な開口または閉鎖が可能である、すなわちシャッター13の移動に伴う自由部分200の区画の少ない増加または減少が可能である。
【0065】
特に、調整弁10が開口/閉鎖する場合に、辺20a,20bが調整弁10容量の変化の割合がシャッター13の開/閉行程に関する割合によって表される変位に等しくなるように構成された形状を有し、
図5の符号Bによって例示、特定されるような「等しい割合」によって定義された弁の
特性曲線を得る。図ではx座標はシャッターの開/閉行程の割合を表し、y座標は、容量の割合を表す。
【0066】
添付図には図示されない本発明の第2実施形態においては、辺20a,20bは、調整弁10の開口方向に関して発散するため、シャッター13が開位置にある場合、自由部分200は、実質的に正方形、および好ましくは、台形を有する。
【0067】
このような第2実施形態によって作られた調整弁は、「速い開口」すなわち急開口モードなどの調整が要求される用途に特に適している。
【0068】
このような第2実施形態においては、流体の通過のために自由な第1開口20部分は、スライド方向Aに対して垂直の方向に大きな拡張部を有するものである。
【0069】
図5の符号Cは、「速い開口」による調整のために適した弁に典型的な曲線の例を示している。
【0070】
図5の符号Dで示されるのは、開口形状またはシャッターの開口部が実質的に長方形である、すなわち開口部の辺はシャッターのスライド方向に平行である本発明による弁の典型的な曲線である。
【0071】
明確にするために、本願では、「管状」という語句は、シャッターの前端部17が内部空洞17aの境界となる壁を備える、および好ましくはそのような壁から成ることを意味している。
【0072】
このような空洞17aは、前端部17の前の領域に向かって少なくとも好都合に開かれる。
【0073】
好都合に、前端部17は、筒状であり、かつそれに応じて、座部14は、またシャッター13の挿入によって受容される筒状である。
【0074】
前端部17は、スライド方向Aに平行、かつ一定の厚さを有する壁19を好都合に備え、それによって調整弁10の通常使用時にシャッター13の前端部17の形の安定性を確実にするのに適合する最小値が選択される。
【0075】
好都合に、効率的な圧力オフセットを許容する本発明による調整弁は、CO2装置の場合など使用時に調整弁の上流および下流の間で大きい圧力差が生じるような用途での使用に特に適している。
【0076】
例えばCO2の流れの調整に使用され、実質的に140barおよび50barの間の圧力の間で機能すること
を提供する本発明による調整弁10を非限定的に排他的に例示するために、好都合に10mmに等しい直径の筒状の前端部17を有し、好ましくはAISI304等のステンレス鋼からなり、かつ壁19の厚さは、好ましく0.5mm〜1.0mmの間である。
【0077】
したがってこのような調整弁は、上流および下流の間の圧力の高い飛躍、特定の例においては90barの差を有する場合の使用に適している。
【0078】
好ましくは、シャッター13は、管状であり、かつ好都合に筒状である。
【0079】
シャッター13、または前端部17の好ましい管形により、運用時にシャッターに作用する応力を制限することができる。
【0080】
シャッター13の前端部17は、好ましくは、スライド方向Aに垂直の方向に流体が横切る少なくとも1つの開口部20を有する。
【0081】
好都合に、前端部17は、複数の開口部20を有し、好ましくは筒状であり、および好都合に前端部17の円周方向に沿って滑らかに分布した開口部20を有する。
【0082】
好都合に、シャッター13の閉位置において、開口部20は、座部14の内面15によって覆われ、かつ閉じられ、したがってチャネルは、閉塞される、その代わり、開位置においては、開口部20は、流体が通過するための自由部分200を有する。
【0083】
開口部20は、実質的に直線、かつスライド方向Aに垂直の縁20cを好ましく有する。
【0084】
さらに詳細には、開口部20は、スライド方向Aに平行な高さを有する三角形を好ましく有する。
【0085】
高さは、三角形の頂点を通りこの頂点の対辺に垂直に進むセグメントを意味する。
【0086】
本発明の前記第1実施形態によると、開口部20は、開位置および閉位置の間の中間位置に配置される場合に、シャッター13が座部14の内面15によって覆われる開口部20の第1部分201、および流体の通過のために開かれている自由部分200を有し、第1部分201は、三角形の底辺を形成する縁20cからなる一方で、自由部分200が底辺と反対の頂点を備えるように好都合に形成されている。
【0087】
調整弁10は、シャッターの位置を開および閉位置の間で制御可能に調節するよう適合されたシャッター13の作動駆動部21を好都合に備える。
【0088】
駆動部21のローターは、シャッター13の端部16に好ましく接続される。
【0089】
好ましくは、開口部20は、好ましくは、スライド方向Aに垂直の底辺を有する二等辺三角形として形成される。
【0090】
チャネル12は、好都合に2つの羽根22,23から成る。
【0091】
座部14は、羽根22および23の間に好都合に配置される。
【0092】
好ましくは、羽根22,23の第1の羽根22は、スライド方向Aに垂直に突出し、かつ羽根22,2の3第2の羽根23は、スライド方向Aに平行に突出する。
【0093】
前端部17には、第1の羽根22に連通する内部空洞17aが好都合に設けられる。
【0094】
チャネル12は、第1の羽根22および座部14の間に配置された流出チャンバ24を好ましく備え、流出チャンバ24は、好都合に環状であり、かつシャッター13が中央に横切っている。
【0095】
本体11は、平衡チャンバ25を有し、そこはスライドして挿入されたシャッター13の後端部16であり、平衡チャンバ25がシャッター13の内部に連通するのに適した少なくとも1つの貫通孔26が後端部16に
提供され、したがって好都合に、平衡チャンバ25は、シャッター13の前端部17の内部空洞17aによって第2羽根23に連通する。
【0096】
添付の図を特に参照すると、シャッター13の後端部16に
挿入され、かつ駆動部21のローターに固定されるコネクタ27が好都合に
提供される。
【0097】
シャッター13の閉位置において、開口部20は、部分的に、または完全に覆われる、したがって座部14の内壁15によって閉じられることに留意すべきである。
【0098】
部分的に覆う第1の場合において、シャッター13が閉位置にある場合、座部14の内部15と係合していない開口部20が2つの羽根22および23の1つのみ、添付図において示される実施形態によると好ましくは、第2の羽根と連通するように、調整弁10は、構成される。
【0099】
好都合に、調整弁10は、流体の流出方向において上流に第1の羽根22および下流に第2の羽根23が管に沿って取り付けられることに適している。
【0100】
非限定的な例において、
図3aおよび
図3cにおいて、開位置および閉位置がそれぞれ示され、
図3bにおいては、それらの間の中間位置が示されており、開口部20は、部分的に開口し、したがって座部14によって残された部分に対して流体が横切ることができる。
【0101】
本発明の好ましい実施形態においては、シャッターは、好ましくは筒状の引抜管の一部から取り出される。
【0102】
本発明の目的はまた、管の引出段階と前記管の一部の
切断段階を備え、この1つの部品からシャッター13本体が得られるという特定の特色を示す調整弁10の製造方法である。
【0103】
好ましくは、このプロセスは、レーザー
切断によりシャッター13上
に開口部20
を形成する段階を備える。
【0104】
このように、シャッター13は、作成がきわめて単純かつ経済的に利便性があり、特別な処理を必要とせずに座部14に低減した間隙が可能となる。
【0105】
本発明による調整弁は、特に以下の利点がある:
− 座部およびシャッターの間の連結が好ましく円柱面の間に限られた間隙を生じさせる;このような特性は、バイパス容量により与えられる
非常に限られた損失およびしたがって調整容量の幅広い
範囲における弁のこのような構造の適用性を保証するため、小さい大きさが要求される場合でも本発明による弁を使用することができる;
− 管状シャッターの製造が簡単であることにより、開口部をそこに作成する際に幅広い幾何学的な柔軟性が可能となるため、本発明は、それに付随する用途により適した弁の調節曲線を形成するように、単純な方法で開口部の形を作成することができる。
【0106】
前記第1実施形態による三角形の開口部の場合、このような形状により、弁容量が著しく減少しても容量の正確な制御を保証する、流れの良好な制御に適した典型的な曲線の変化を得ることができる(「等しい割合」または「非常に等しい割合」)。
【0107】
管状シャッターによる解決策の場合、この最後の特徴は、調整される容量の範囲が広い本発明による弁構造の適用可能性により高められる。
【0108】
前記第2実施形態による作成の場合、開口部の第1部分の開口時に容量の急増を保証する曲線を有する調整弁が得られる。
【0109】
本発明による調整弁によって提供されるさらなる利点は、より大きな力がかかることがあり、したがってより大きなトルクを提供する作動駆動部が必要であるため、より大きく高価なものとなる従来の弁よりも使用時にシャッターに作用する応力の釣り合いが取れることである。
【0110】
このように想到された本発明は、特許請求の範囲内でいくつかの変形および形態が可能である。
【0111】
例えば、本調整弁は、ガスヒーターのガスの流れを調整するために好都合に使用することができる。
【0112】
さらに、全ての詳細を技術的に同等な他の要素と置換することができる。
【0113】
実際には、付随する形および大きさに加えて使用される材料付帯は、ニーズおよび技術的バックグラウンドに応じて変更することができる。
【0114】
以下の請求項に述べる構造的な特徴および技術が記号または参照符号により示される場合、このような記号または参照符号は、請求項の統一を図ることのみを目的として付けられており、結果としてこれらは、そのようなサインまたは参照符号によって一例として、特定された各要素の解釈を制限するものではない。
【符号の説明】
【0115】
10 調整弁
11 本体
12 チャネル
13 シャッター
14 座部
15 内面
16 後端部
17 前端部
17 空洞
18 側面
19 壁
20 開口部
21 駆動部
22,23 羽根
24 流出チャンバ
25 平衡チャンバ
26 貫通孔
27 コネクタ
200 自由部分
201 第1部分