(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
建物の開口部の開閉を行うシャッターカーテンを備えたシャッターの防火構造であり、前記シャッターカーテンによって前記開口部を全閉した状態である開口部全閉状態において前記建物の屋外側で火災が発生した場合に、前記建物の屋内側に前記シャッターを介して炎が侵入することを防止するための防火構造であって、
前記開口部を閉鎖するように前記シャッターカーテンを開閉させた際における当該シャッターカーテンの先端に、座板を設け、
前記座板の先端部分は、
前記シャッターカーテンの閉鎖方向に向けて突出する第1突出部と、
前記第1突出部よりも前記建物の屋内側に配置された第2突出部であって、前記シャッターカーテンの閉鎖方向に向けて突出する第2突出部と、を備え、
前記開口部の周辺には、
前記座板の前記第1突出部よりも前記建物の屋内側に位置する溝部であって、前記開口部全閉状態において前記座板の前記第1突出部を前記建物の屋外側から覆わないものの前記座板の前記第2突出部を前記建物の屋外側から覆うための溝部を有するカバー片を設け、
前記座板の側面の領域のうち、
前記第1突出部における前記建物の屋内側の側面の領域であって、前記シャッターカーテンの幅方向に沿った方向の端部の領域である第1領域と、
前記第2突出部における前記建物の屋外側の側面のうち見込方向側から見て前記第1領域と重複する部分を少なくとも含む領域であって、前記座板における前記建物の屋内側の側面に取り付けられた可燃性部材に対する閉鎖方向側の領域、又は前記座板における前記建物の屋内側の側面に取り付けられた可燃性部材に対する閉鎖方向側の領域及びその近傍の領域である第2領域と、のみに、
前記火災の熱で膨張する熱膨張耐火部材を設けることにより、前記開口部全閉状態において、前記火災の熱で膨張した前記第1領域の前記熱膨張耐火部材によって、前記溝部の溝側片のうち前記第1突出部と前記第2突出部との相互間において前記第1突出部及び前記第2突出部の各々と対向するように位置する溝側片と前記第1突出部との相互間の隙間が塞がれると共に、前記火災の熱で膨張した前記第2領域の前記熱膨張耐火部材によって、前記溝側片と前記第2突出部との相互間の隙間が塞がれることで、前記開口部全閉状態において前記火災の炎が前記建物の屋内側に侵入することを抑制可能とし、且つ前記火災の熱によって溶融した前記可燃性部材が閉鎖方向側に流れ込むことを抑制可能とした、
シャッターの防火構造。
建物の開口部の開閉を行うシャッターカーテンを備えたシャッターの防火構造であり、前記シャッターカーテンによって前記開口部を全閉した状態である開口部全閉状態において前記建物の屋外側で火災が発生した場合に、前記建物の屋内側に前記シャッターを介して炎が侵入することを防止するための防火構造であって、
前記開口部を閉鎖するように前記シャッターカーテンを開閉させた際における当該シャッターカーテンの先端に、座板を設け、
前記座板には、ユーザが前記建物の屋外側から手を掛けるための凹部を設け、
前記座板の側面の領域のうち、
前記座板の先端部分のうち前記シャッターカーテンの幅方向に沿った方向の端部の領域、及び前記凹部の内部のうち前記シャッターカーテンの幅方向に沿った方向の端部の領域である第1領域と、
前記座板における前記建物の屋内側の側面に取り付けられた可燃性部材に対する閉鎖方向側の領域、又は前記座板における前記建物の屋内側の側面に取り付けられた可燃性部材に対する閉鎖方向側の領域及びその近傍の領域である第2領域と、のみに、
前記火災の熱で膨張する熱膨張耐火部材を設けることにより、前記開口部全閉状態において前記火災の炎が前記建物の屋内側に侵入することを抑制可能とし、且つ前記火災の熱によって溶融した前記可燃性部材が閉鎖方向側に流れ込むことを抑制可能とした、
シャッターの防火構造。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るシャッターの防火構造の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部の開閉を行うシャッターカーテンを備えたシャッターの防火構造であり、シャッターカーテンによって開口部を全閉した状態(以下、「開口部全閉状態」と称する)において建物の屋外側で火災が発生した場合に、建物の屋内側にシャッターを介して炎が侵入することを防止するための防火構造に関するものである。
【0017】
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、天井、又は床等)において窓や入り口を設置するために形成された開口部である。また、「シャッター」とは、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる巻上げ戸であり、例えば、窓シャッター、軽量シャッター、重量シャッター等を含む概念である。また、シャッターの開閉構造は任意であり、例えば「上下開閉式のシャッター」や「左右開閉式のシャッター」として構成することができる。また、シャッターの駆動方式は任意であり、例えば、「手動式のシャッター」や「電動式のシャッター」として構成することができる。また、「防火」とは、建物の屋外側又は屋内側のいずれか一方で発生した火災が、建物の屋外側又は屋内側のいずれか他方に向けて拡大することを防ぐことを意味する。以下、実施の形態では、シャッターが、戸建て住宅の如き建物の壁であって窓を有する壁に配置された上下開閉式且つ電動式の窓シャッターである場合について説明する。
【0018】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0019】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係るシャッターの防火構造について説明する。この実施の形態1は、座板の側面の領域のうち、後述する第1領域及び第2領域のみに熱膨張耐火部材を設けた形態である。
【0020】
(構成)
最初に、実施の形態1に係るシャッターの防火構造が適用されるシャッターの構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るシャッターであって、開口部全閉状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図、
図2は、
図1のシャッターのA−A矢視断面図、
図3は、
図2の下方領域の拡大図、
図4は、
図1のB−B矢視断面図である。なお、以下の説明では、
図1のX方向をシャッターの左右方向又は幅方向(−X方向をシャッターの左方向、+X方向をシャッターの右方向)、
図1のY方向をシャッターの前後方向(+Y方向をシャッターの前方向(建物の屋外側の方向)、−Y方向をシャッターの後方向(建物の屋内側の方向))、
図1のZ方向をシャッターの上下方向(+Z方向をシャッターの上方向、−Z方向をシャッターの下方向)と称する。なお、
図3においては、施錠装置33の一部の図示を省略する(後述する
図8についても同様とする)。また、
図3、
図4においては、後述する第1侵入ルートR1、及び後述する第2侵入ルートR2を想像線で示す。
【0021】
これら
図1、
図2に示すように、シャッター1は、概略的に、枠体10と、シャッター収納部20と、シャッターカーテン30と、開閉機40と、巻き取り軸50とを備えて構成されている。このシャッター1は、上述のように窓シャッターであって、
図1に示すように、建物の躯体2に形成された開口部3には窓(図示省略)が設けられており、この開閉式の窓の屋外側にシャッターカーテン30が設けられている。このため、シャッターカーテン30は、開口部3を、当該開口部3の開口面内ではなく当該開口部3の開口面よりも屋外側において開閉することになるが、このような開閉であっても、開口部3を介した人や物の出入りを制限するための開閉を行う点において同様であるため、「開口部3を開閉する」ものとして説明する。ただし、窓には公知の開閉式のサッシ窓等を採用することができるので、その説明は省略する。なお、後述するシャッター1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。ただし、これに限られず、例えば、取付相手側の部材の一部をかしめることにより、取付側の部材を取付相手側の部材に対して取り付ける(又は接続する)方法が採用されてもよい。
【0022】
(構成−枠体)
枠体10は、建物の躯体2に形成された開口部3に設けられるものである。この枠体10は、複数の枠材を相互に組み合わせることによって構成されている。具体的には、複数の枠材は、左縦枠80(支持枠材)、右縦枠81(支持枠材)、及び水切り板70から構成されている。そして、これら左縦枠80、右縦枠81、及び水切り板70は、それぞれ開口部3の周縁における建物の躯体2の外面に公知の方法で直接的に固定されている。なお、これら左縦枠80、右縦枠81を特に区別する必要のないときは、単に「縦枠82」と総称する。
【0023】
また、左縦枠80と右縦枠81の各々には、ガイドレール13が設けられている。ガイドレール13は、シャッターカーテン30を開口部3の開閉方向(すなわち、上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール13は、横断面形状が略コ字状となるように形成された長尺体であり、左縦枠80、右縦枠81の前面(すなわち、建物の躯体2外面)において、当該ガイドレール13の上下方向(長手方向)が左縦枠80と右縦枠81の各々の上下方向(長手方向)に略沿う方向で配置され、左縦枠80、右縦枠81に対して固定具等によって固定されている。また、このガイドレール13には、開口部の上方において、開閉機40と巻き取り軸50とを接続するチェーン41を収容する領域を確保するための収容枠14が形成されている。この収容枠14は、チェーン41を収容することが可能な内部空間を有する中空三角柱状体であり、ガイドレール13の上下方向の全長にわたって形成されており、ガイドレール13の左右の端部において左右外側に向けて張り出すように配置されている。
【0024】
(構成−シャッター収納部)
シャッター収納部20は、シャッター1の各部を収納するための中空体であり、建物における開口部3の上端近傍位置に取り付けられている。このシャッター収納部20の内部には、開閉機40と、巻き取り軸50とが収容されている。また、巻き取り軸50にてシャッターカーテン30が巻き取られた状態では、シャッターカーテン30の少なくとも一部も、シャッター収納部20の内部に収容される(なお、
図2では、開口部3を全開した状態において、巻き取り軸50によって巻装されたシャッターカーテン30の外縁を2点鎖線で示す)。このシャッター収納部20は、例えば、折り曲げ成形された複数のスチール製の板状体を固定具によって相互に接続して形成することができる。
【0025】
(構成−シャッターカーテン)
シャッターカーテン30は、巻き取り軸50によって巻き取り又は巻き出しされることで、開口部3を全開した状態、開口部3を全閉した状態(すなわち、開口部全閉状態)、あるいは半開状態とする遮蔽手段である。
図2、
図3に示すように、このシャッターカーテン30は、複数のスラット30aを備えて構成されており、各スラット30aの上下の両端部には嵌合部30bが設けられている。この嵌合部30bは、複数のスラット30aを相互に嵌合接続するために各スラット30aの上下の両端部に設けられたもので、当該両端部を屈曲させることによって形成されている。また、このシャッターカーテン30の左右方向(長手方向)の両端部の各々は、ガイドレール13のコ字状の開放端部を介して当該ガイドレール13の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール13の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール13の外部に脱落しないように規制されている。
【0026】
また、シャッターカーテン30の下端部には、座板31が設けられている。
図5は、座板31を示す図であり、(a)は背面図、(b)は平面図、(c)は右側面図、
図6は、
図5(c)の拡大図である。この座板31は、開口部全閉状態において枠体10の水切り板70と近接し、又は接触するように配置されたものであり、シャッターカーテン30の下端部の左右方向の全長にわたって形成されている。この座板31の上端部には嵌合部32が設けられており、この嵌合部32をシャッターカーテン30の最下方のスラット30aにおける下端部の嵌合部30bに嵌合させることで、座板31がシャッターカーテン30に取付けられている。また、この座板31の側面には、施錠装置33と、ストッパ34とが設けられている。
【0027】
施錠装置33は、シャッターカーテン30を施錠するための施錠手段である。この施錠装置33は、後述する座板31の一対の取付片65、66の相互間に取付けられているもので、可燃性部材(例えば樹脂。以下同様)にて形成された中空箱状の筐体に、左右方向に沿って配置されたスチール製の一対のラッチバー33cと、このラッチバー33cの左右方向の外端に設けられたラッチ33aであり、可燃性部材にて覆われたラッチ33aと、可燃性部材にて覆われた操作レバー33bとを設けて構成されている。そして、ユーザが操作レバー33bを介して所定操作を行うことにより、ラッチ33aをガイドレール13の内部のラッチ受け部(図示省略)に係止させることで、シャッターカーテン30を施錠することできる。
【0028】
ストッパ34は、シャッター収納部20に当接してシャッターカーテン30の上昇を規制する規制手段である。このストッパ34は、座板31の左右方向の両端部の各々の近傍位置に設けられているもので、可燃性部材にて形成された正面略コ字状の部材であり、座板31に対して固定具を介して固定されている。
【0029】
(構成−開閉機)
図2において、開閉機40は、巻き取り軸50を回転駆動することによって電動でシャッターカーテン30を昇降させる昇降手段であり、操作スイッチ若しくはリモコン(図示せず)を介して操作される。
【0030】
(構成−巻き取り軸)
巻き取り軸50は、シャッターカーテン30を巻き取り又は巻き出すことにより、シャッターカーテン30を昇降させる昇降手段である。この巻き取り軸50は、シャッター収納部20の左右方向(長手方向)に沿って配置されており、この巻き取り軸50にはシャッターカーテン30の上端に連結された連結スラット(図示省略)が接続されていて、この巻き取り軸50を回転させることで、連結スラットを介してシャッターカーテン30を巻き取り又は巻き出すことができる。ただし、この巻き取り軸50は、例えば公知の巻き取り軸等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0031】
(構成−シャッターカーテン−座板の構成の詳細)
次に、シャッターカーテン30の座板31の構成の詳細について説明する。ただし、座板31は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。また、実施の形態1において、
図3から
図6に示すように、座板31は、本体片60、第1突出部61、第2突出部62、接続部63、切欠部64、及び取付片65、66を備えて構成されている。このうち、本体片60は、座板31の基本構造体である。この本体片60は、シャッターカーテン30の左右方向(長手方向)の全長にわたって形成されており、上下方向に略沿うように配置されている。第1突出部61は、本体片60の先端部分(すなわち、本体片60の下端部)からシャッターカーテン30の閉鎖方向(すなわち、下方向)に向けて突出するように、シャッターカーテン30の左右方向の全長にわたって形成されている。この第1突出部61の先端部は、建物の屋内側に向けて折り返すように形成されている。第2突出部62は、シャッターカーテン30の閉鎖方向(すなわち、下方向)に向けて突出するものであり、開口部全閉状態において、水切り板70の後述する溝部73の第3溝側片73cと当接するように形成されており、第1突出部61よりも建物の屋内側に配置されている。接続部63は、第1突出部61と第2突出部62とを接続するためのものであり、第1突出部61の上端部から第2突出部62の上端部に至るように形成されている。切欠部64は、第2突出部62及び接続部63における左右方向の端部及びその近傍部分に形成されたものであり、このように切欠部64を設けることにより、開口部全閉状態において第2突出部62及び接続部63がガイドレール13と干渉することが防止されている。取付片65、66は、施錠装置33を挟持することで座板31に取り付けるためのものであり、本体片60の屋内側の側面から屋内側に向けて張り出すようにそれぞれ形成されている。
【0032】
(構成−枠体−水切り板の構成の詳細)
次に、枠体10の水切り板70の構成の詳細について説明する。
図7は、水切り板70を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。ただし、水切り板70は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。水切り板70は、座板31の少なくとも一部を覆うカバー片であり、
図3、
図4、
図7に示すように、水切り板本体71と、立ち上げ片72とを備えている。このうち、水切り板本体71は、水切り板70の基本構造体である。この水切り板本体71は、左側のガイドレール13の収容枠14から右側のガイドレール13の収容枠14に至る範囲にわたって形成されている。また、この水切り板本体71は、建物の開口部3の周縁下方から建物の屋外側に向けて張り出すように配置されており、具体的には、水切り板本体71を水切り面として機能させるために、建物の屋内側から建物の屋外側に向かうに伴って下方に傾斜するように配置されている。また、この水切り板本体71の前端部及びその近傍部分には、溝部73が形成されている。溝部73は、開口部全閉状態における座板31の第2突出部62を建物の屋外側から覆うためのものである。この溝部73は、縦断面形状が下方に向けて突出するU字状に形成されており、具体的には、
図7に示すように、建物の屋内側に位置する第1溝側片73aと、建物の屋外側に位置する第2溝側片73bと、及び第1溝側片73aと第2溝側片73bとの相互間に位置する第3溝側片73c(溝部73の底部分に相当)とを有している。このうち、第1溝側片73aは、座板31の第2突出部62よりも建物の屋内側に位置すると共に、第2溝側片73bは、第2突出部62よりも建物の屋外側に位置するように、溝部73が配置されている。また、第2溝側片73b及び第3溝側片73cの各々における左右方向の端部及びその近傍部分には、水切り板70と縦枠82の後述する第2接続部85とが当接しないように、切欠部74が形成されている。また、立ち上げ片72は、水切り板本体71の後端部から上方に向けて張り出すように形成されている。この立ち上げ片72には、当該立ち上げ片72と建物との相互間の隙間に水が侵入することを防止するための水密材76(例えば樹脂製のパッキン等)が取り付けられている。このように構成された水切り板70は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、アルミニウムの押し出し成形により製造することができる。
【0033】
(構成−枠体−縦枠の構成の詳細)
次に、枠体10の縦枠82の構成の詳細について説明する。ただし、縦枠82は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。縦枠82は、水切り板70とガイドレール13とを支持する支持手段であり、
図3、
図4に示すように、縦枠本体83と、第1接続部84と、第2接続部85とを備えて構成されている。このうち、縦枠本体83は、縦枠82の基本構造体であり、水切り板70の左右方向の各端部において、建物の開口部3の周縁下方から建物の屋外側に向けて張り出すように配置されており、当該縦枠本体83に形成された取付孔(図示省略)及び水切り板70の水切り板本体71に形成された取付孔71aを介して当該水切り板本体71に対して固定具によって接続されている。また、この縦枠本体83の前端部には、嵌合部83aが形成されている。この嵌合部83aは、縦枠82をガイドレール13に接続する接続手段であり、ガイドレール13の収容枠14に形成された嵌合部14aに対して嵌合接続されている。また、第1接続部84は、縦枠82と建物とを接続する接続手段である。この第1接続部84は、縦枠本体83の後端部からシャッターカーテン30の左右外側に向けて張り出すように形成されており、当該第1接続部84に形成された取付孔(図示省略)及び建物に形成された取付孔(図示省略)を介して固定具によって当該建物に対して接続されている。第2接続部85は、縦枠82とガイドレール13とを接続する接続手段である。この第2接続部85は、縦枠本体83の前端部の近傍からシャッターカーテン30の左右方向の内側に向けて張り出すように形成されており、当該第2接続部85に形成された取付孔(図示省略)及び収容枠14に設けられた接続片14bに形成された取付孔(図示省略)を介して、固定具によって当該収容枠14に対して接続されている。このように構成された縦枠82は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、アルミニウムの押し出し成形により製造することができる。
【0034】
(構成−シャッターの防火構造)
次に、シャッター1の防火構造について説明する。
図8は、開口部全閉状態において、建物の屋外側で火災が発生した場合のシャッター1の状況を示す図であって、
図3に対応する領域を示す図である。この
図8に示すように、このシャッター1は、開口部全閉状態において建物の屋外側で火災が発生した場合に、シャッター1を介して炎が侵入することを防止するための防火構造を備えている。また、この防火構造は、座板31の防火構造と、ガイドレール13の防火構造と、水切り板70の防火構造とを備えている。以下では、これら各防火構造について順次説明する。
【0035】
(構成−シャッターの防火構造−座板の防火構造)
最初に、座板31の防火構造について説明する。
図3、
図5、
図6、
図8に示すように、建物の屋外側で発生した火災の炎が座板31を介して建物の屋内側に侵入することを防止するための防火構造として、座板31の側面に熱膨張耐火部材90a、90bが設けられている。以下では、この座板31の防火構造について説明する。なお、これら熱膨張耐火部材90a、90bを特に区別する必要のないときは、単に「熱膨張耐火部材90」と総称する。
【0036】
熱膨張耐火部材90a、90bは、長尺板状に形成されており、例えば、所定温度(具体的には、150℃〜250℃の温度)で加熱されることで発泡する公知の熱膨張耐火部材(具体的には、フィブロック(登録商標)等)を用いて構成されていて、座板31に対して、両面テープ、接着剤、あるいは固定具によって固定されている。
【0037】
これら熱膨張耐火部材90a、90bは、座板31の側面における所定の領域のみに配置されている。ここで、「座板31の側面における所定の領域」とは、「第1領域」と「第2領域」とを含む概念である。このうち、「第1領域」とは、座板31の側面の領域のうち、開口部全閉状態において、火災の炎が建物の屋内側に侵入する可能性がある領域である。また、「第2領域」とは、開口部全閉状態において、座板31における建物の屋内側の側面に取り付けられた施錠装置33やストッパ34に対する閉鎖方向側(本実施の形態においては下方側)の領域(以下、「第2下方領域」と称する)、又は火災の熱によって溶融した施錠装置33やストッパ34が水切り板70の溝部73に流れ込む可能性がある領域(以下、「第2流入領域」と称する)の少なくともいずれか一方を含む領域である。
【0038】
より具体的には、「第1領域」とは、座板31の先端部分のうち、シャッターカーテン30の幅方向に沿った方向の端部の領域(すなわち、座板31における下方の左端及び右端の領域。以下、「第1先端領域」と称する)であり、この第1先端領域の全域に熱膨張耐火部材90aが設置されている。この「第1先端領域」のさらに具体的な決定方法は任意であるが、例えば、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材90aによって、座板31の第1突出部61と後述するレールキャップ100との相互間の隙間、座板31の切欠部64、及び座板31とガイドレール13における上下方向に沿った側面との相互間の隙間を、炎が侵入困難となる程度に塞ぐことができるように決定することができる。ただし、このような領域は、熱膨張耐火部材90aの膨張率や厚み等に応じて異なり得ることから、実験等により決定することができる。本実施の形態においては、熱膨張耐火部材90aの上下方向の長さ(高さ)が、第1突出部61の上下方向の長さ(高さ)と略同一に設定され、熱膨張耐火部材90aの左右方向の長さ(幅)が、座板31における後述するレールキャップ100の設置領域と重なる部分の左右方向の長さと略同一に設定されている。このような熱膨張耐火部材90aを、座板31の先端部分の屋内側の側面において、シャッターカーテン30の幅方向に沿った方向の最端部を起点として、左右方向の内側に至るように配置している。このように第1領域に熱膨張耐火部材90aを配置することで、
図3、
図4に示すように、建物の屋外側で発生した火災の炎(又は熱)が第1侵入ルートR1又は第2侵入ルートR2を介して建物の屋内側に侵入することを抑制することが可能となる。ここで、「第1侵入ルートR1」とは、建物の屋外側から第1突出部61とベース部材101との相互間の隙間、第1突出部61と第2溝側片73bとの相互間の隙間、及びガイドレール13とストッパ34との相互間の隙間を経由して建物の屋内側に侵入するルートである。また、「第2侵入ルートR2」とは、建物の屋外側から第1突出部61と第2溝側片73bとの相互間の隙間、及びガイドレール13とストッパ34との相互間の隙間を経由して建物の屋内側に侵入するルートである。
【0039】
また、より具体的には、「第2領域」の「第2下方領域」とは、座板31の屋内側の側面の領域のうち、施錠装置33又はストッパ34の下方側に位置する領域であり、この第2下方領域の全域に熱膨張耐火部材90bが設置されている。この「第2下方領域」のさらに具体的な決定方法は任意であるが、例えば、溝部73の第2溝側片73bと第1突出部62によって仕切られた領域のうち、施錠装置33の下方側に位置する領域と、ストッパ34に対して下方において隣接する領域を、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材90bによって塞ぐことにより、これら領域よりも建物の内側に当該火災が延焼することを抑制できるように決定することができる。ただし、このような領域は、熱膨張耐火部材90bの膨張率や厚み等に応じて異なり得ることから、実験等により決定することができる。本実施の形態においては、熱膨張耐火部材90bの上下方向の長さ(高さ)が第2突出部62の上下方向の長さ(高さ)の半分程度に設定されており、熱膨張耐火部材90bの左右方向の長さ(幅)が施錠装置33やストッパ34の左右方向の長さ(幅)をほぼ同程度に設定されており、このような熱膨張耐火部材90bを、第2突出部62の屋外側の側面において、施錠装置33又はストッパ34の下方に対応する位置に配置している。
【0040】
また、より具体的には、「第2領域」の「第2流入領域」とは、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材90bが水切り板70の溝部73に入り込むことにより、当該溝部73のうち、火災の熱によって溶融した施錠装置33やストッパ34が流れ込む可能性がある部分を塞ぐことが可能となる領域であり、この第2流入領域の全域に熱膨張耐火部材90bが設置されている。この「第2流入領域」のさらに具体的な決定方法は任意であるが、例えば、水切り板70の溝部73のうち、火災の熱によって燃焼や溶融した施錠装置33又はストッパ34が当該溝部73に落下して左右方向に沿って流動する可能性がある部分を、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材90bによって塞ぐことにより、この燃焼や溶融した施錠装置33又はストッパ34が、溝部73に落下して左右方向の外側に向けて当該溝部73の外部に流れ出ることを抑制できるように決定することができる。ただし、このような領域は、熱膨張耐火部材90bの膨張率や厚み等に応じて異なり得ることから、実験等により決定することができる。本実施の形態においては、熱膨張耐火部材90bの上下方向の長さ(高さ)が第2突出部62の上下方向の長さ(高さ)の半分程度に設定されており、熱膨張耐火部材90bの左右方向の長さ(幅)が施錠装置33やストッパ34の左右方向の長さ(幅)が上記燃焼や溶融した施錠装置33又はストッパ34が、溝部73に落下して左右方向の外側に向けて当該溝部73の外部に流れ出ることを抑制できる程度の長さに設定されており、このような熱膨張耐火部材90bを、第2突出部62の屋外側の側面において、施錠装置33又はストッパ34の下方に対応する位置を中心として、左右方向に沿って配置している。
【0041】
なお、第1領域と第2領域とが相互に部分的に重複する場合には、当該重複部分には、熱膨張耐火部材90aと熱膨張耐火部材90bのいずれか一方のみを配置すればよく、あるいは、熱膨張耐火部材90aと熱膨張耐火部材90bの両方を重合するように配置してもよい。あるいは、第2領域の第2下方領域と第2流入領域とが相互に部分的に重複する場合には、当該重複部分には、熱膨張耐火部材90bを一重に配置すればよく、あるいは二重に配置してもよい。本実施の形態においては、施錠装置33又はストッパ34の下方においては、第2下方領域と第2流入領域とが相互に重複しているため、当該重複部分には、熱膨張耐火部材90bを一重に配置している。さらに具体的には、第2下方領域に配置する熱膨張耐火部材90bと第2流入領域に配置する熱膨張耐火部材90bとを相互に連なった境目のない熱膨張耐火部材90bとして一体に形成している。
【0042】
(構成−シャッターの防火構造−ガイドレールの防火構造)
次に、ガイドレール13の防火構造について説明する。
図3、
図4、
図8に示すように、建物の屋外側で発生した火災の炎がガイドレール13を介して建物の屋内側に侵入することを防止するための防火構造として、レールキャップ100と、熱膨張耐火部材110と、熱膨張耐火部材140とが設けられている。
【0043】
最初に、レールキャップ100について説明する。レールキャップ100は、ガイドレール13の一部を覆うための被覆手段であり、ベース部材101と、防火部材102とを備えて構成されている。このうち、ベース部材101は、ガイドレール13の閉鎖方向側の端部(すなわち、ガイドレール13の下端部)を覆うためのベース片である。このベース部材101は、略板状に形成されており、ガイドレール13の下端部及びその周辺部分(例えば、水切り板70の左端部(又は右端部)及びその近傍部分、ガイドレール13の収容枠14等)を含む領域を下方側から覆うように配置されている。そして、水切り板70における溝部73の第3溝側片73cに形成された取付孔73d及びベース部材101に形成された取付孔(図示省略)を介して、ベース部材101が水切り板70に対して固定具によって接続されている。
【0044】
また、防火部材102は、ガイドレール13の側面のうち、シャッターカーテン30に対向する側面である内側面のうち、シャッターカーテン30よりも建物の屋内側に位置する内側面を覆うための防火片である。この防火部材102は、略板状に形成されており、ガイドレール13の内部において、ベース部材101から上方に向けて突出するように設けられており、当該防火部材102に形成された取付孔(図示省略)及びガイドレール13の側面に形成された取付孔(図示省略)を介してガイドレール13に対して固定具によって接続されている。この防火部材102の設置位置については任意であるが、実施の形態1においては、建物の屋外側で発生した火災の炎がガイドレール13の内部に流入した場合に、防火部材102によってガイドレール13とレールキャップ100との相互間の隙間を介して建物の内部に当該炎が侵入することを抑制できるように設置されている。具体的には、
図4に示すように、ガイドレール13の側面のうちシャッターカーテン30に対向する側面である内側面のうち、シャッターカーテン30よりも建物の屋内側に位置する内側面の下方部分に加えて、当該シャッターカーテン30よりも建物の屋外側に位置する内側面の下方部分、及び左右方向に直交する内側面の下方部分を覆うように設置されている。
【0045】
また、このレールキャップ100は、任意の材質で製造することができるが、例えば、レールキャップ100によって火災の炎からガイドレール13を保護する観点から、耐火性を有する材質であることが好ましく、さらには一般的な製造上のニーズからは、製造コストを低減することが可能な材質であることが好ましい。このため、実施の形態1においては、レールキャップ100の材質としてステンレス鋼材が採用されている。あるいは、これに限られず、例えば、鋼材や耐火繊維等の材質が採用されてもよい。
【0046】
次に、熱膨張耐火部材110について説明する。熱膨張耐火部材110は、ガイドレール13とレールキャップ100のベース部材101との相互間の隙間を塞ぐためのものである。この熱膨張耐火部材110は、長尺な板状体であり、公知の熱膨張耐火部材を用いて構成されており、当該熱膨張耐火部材110の側面がベース部材101の上面と当接するように配置され、このベース部材101に対して両面テープや接着剤等によって固定されている。
【0047】
また、熱膨張耐火部材110の設置位置の詳細については任意であるが、実施の形態1においては、レールキャップ100のベース部材101とガイドレール13との相互間の隙間又はその近傍位置に設置されている。具体的には、熱膨張耐火部材110は、熱膨張耐火部材110における建物の屋外側の端部が、ベース部材101とガイドレール13との相互間の隙間に挟み込まれると共に、熱膨張耐火部材110における建物の屋外側の端部以外の部分が、ベース部材101と水切り板70の溝部73の第3溝側片73cとの相互間の隙間に挟み込まれるように設置されている(すなわち、熱膨張耐火部材110が横置きに設置されている)。これにより、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材110によってガイドレール13とベース部材101との相互間の隙間を塞ぐことができるため、当該隙間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。
【0048】
次に、熱膨張耐火部材140について説明する。熱膨張耐火部材140は、ガイドレール13の内部空間を塞ぐためのものである。この熱膨張耐火部材140は、長尺な板状体であり、公知の熱膨張耐火部材を用いて構成されており、当該熱膨張耐火部材140の側面がガイドレール13の内側面のうち建物の屋内側の内側面と当接するように配置され、当該熱膨張耐火部材140の上端部又は下端部のいずれか一方又は両方が、ガイドレール13によってかしめられている。また、この熱膨張耐火部材140の設置位置について任意であるが、実施の形態1においては、熱膨張耐火部材140を効果的に膨張させることができるように、具体的には、
図4に示すように、ガイドレール13における上記建物の屋内側の内側面に設置されている。このような設置により、ガイドレール13とシャッターカーテン30との相互間の隙間から火災の炎が流入することを一層抑制できる。
【0049】
このような防火構造により、建物の屋外側で発生した火災の炎がガイドレール13の内部に流入した場合には、防火部材102によって、ガイドレール13の内側面のうち、シャッターカーテン30よりも建物の屋内側に位置する内側面が火災の炎から遮蔽されるため、ガイドレール13とレールキャップ100との相互間の隙間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。また、この火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材110によってガイドレール13とレールキャップ100のベース部材101との相互間の隙間を塞ぐことができるため、当該隙間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。また、この火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材140によってガイドレール13とシャッターカーテン30との相互間の隙間を塞ぐことができるため、当該隙間及びガイドレール13とベース部材101との相互間の隙間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。以上のことから、シャッター1の防火性能を一層向上させることが可能となる。
【0050】
(構成−シャッターの防火構造−水切り板の防火構造)
次に、水切り板70の防火構造について説明する。
図3、
図4、
図7、
図8に示すように、建物の屋外側で発生した火災の炎が水切り板70と縦枠82の第2接続部85との相互間の隙間から建物の屋内側に侵入することを防止するための防火構造として、熱膨張耐火部材120が設けられている。以下では、この水切り板70の防火構造について説明する。
【0051】
この熱膨張耐火部材120は、水切り板70の切欠部74と第2接続部85との相互間の隙間を塞ぐためのものである。この熱膨張耐火部材120は、四角形状の板状体であり、公知の熱膨張耐火部材を用いて構成されており、当該熱膨張耐火部材120の側面が水切り板70の溝部73の第1溝側片73aと当接するように配置され、当該側面に対して両面テープや接着剤等によって固定されている。また、この熱膨張耐火部材120の設置位置については任意であるが、実施の形態1においては、建物の屋外側で発生した火災の炎が、切欠部74と第2接続部85との相互間の隙間を介して建物の屋内側に侵入することを抑制できるように配置されており、具体的には、
図3、
図4、
図7に示すように、溝部73における建物の屋外側の側面のうち、左端部(又は右端部)及びその近傍部分であって、当該水切り板70の切欠部74に対応する部分に配置されている。
【0052】
このような構造により、建物の屋外側で火災が発生した場合に、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材120によって切欠部74と第2接続部85との相互間の隙間を塞ぐことができるため、当該隙間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。よって、シャッター1の防火性能をさらに一層向上させることが可能となる。
【0053】
(シャッターの防火構造の作用)
続いて、このように構成されたシャッター1の防火構造の作用について説明する。
【0054】
まず、開口部全閉状態において、建物の屋外側で火災が発生すると、当該火災の熱によってシャッターカーテン30が熱膨張により伸長する。そして、この伸長部分が建物の屋外側に向けて変形することに伴って、座板31が建物の屋外側に向けて移動する(より具体的には、座板31が建物の屋外側に向けて斜め上方に移動する)。
【0055】
次に、座板31の移動前、移動中、又は移動後において、座板31に取り付けられた熱膨張耐火部材90a、90bが、上記火災の熱によって所定温度以上で加熱されると、
図8に示すように、当該熱膨張耐火部材90a、90bが膨張する。これにより、例えば、座板31の左右方向の中央部分が他の部分よりも建物の屋外側に向けて突出するように、座板31が湾曲状に変形した場合に、座板31とガイドレール13との相互間に隙間が広がったとしても、熱膨張耐火部材90aの膨張によって、この隙間を塞ぐことができ、建物の屋内側に炎が侵入することを抑制できる。また、上記座板31が湾曲状に変形した場合に、座板31に取り付けられた施錠装置33が火源に近づいたとしても、施錠装置33の燃焼又は溶融よりも先に熱膨張耐火部材90bが膨張しやすいことから、この膨張した熱膨張耐火部材90bによって当該施錠装置33が発火することを回避することが可能となる。また、この膨張した熱膨張耐火部材90bによって水切り板70の溝部73を塞ぐことができる。これにより、燃焼や溶融した施錠装置33又はストッパ34が、溝部73に落下して当該溝部73から外部に流れ出ることを抑制でき、上記火災が延焼することを回避することが可能となる。
【0056】
また、上記火災の炎がガイドレール13の内部に流入した場合には、防火部材102によって、ガイドレール13とレールキャップ100との相互間の隙間を介して建物の屋内側へ火災の炎が侵入することを抑制できる。また、レールキャップ100のベース部材101に取り付けられた熱膨張耐火部材110が、上記火災の熱によって所定温度以上で加熱されると、
図8に示すように、当該熱膨張耐火部材110が膨張する。これにより、膨張した熱膨張耐火部材110によってガイドレール13とベース部材101との相互間の隙間を塞ぐことができるため、当該隙間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。
【0057】
また、水切り板70に取り付けられた熱膨張耐火部材120が、上記火災の熱によって所定温度以上で加熱されると、
図8に示すように、当該熱膨張耐火部材120が膨張する。これにより、膨張した熱膨張耐火部材120によって水切り板70の切欠部74と第2接続部85との相互間の隙間を塞ぐことができるため、当該隙間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できる。
【0058】
(効果)
このように実施の形態1によれば、座板31の側面の領域のうち、開口部全閉状態において、火災の炎が建物の屋内側に侵入する可能性がある第1領域と、開口部全閉状態において、当該座板31における建物の屋内側の側面に取り付けられた可燃性部材に対する閉鎖方向側の領域、又は火災の熱によって溶融した可燃性部材が流れ込む可能性がある領域の少なくともいずれか一方を含む第2領域と、のみに、火災の熱で膨張する熱膨張耐火部材90を設けたので、座板31の左右方向の全長にわたって熱膨張耐火部材90を設けた場合に比べて、シャッター1を介して炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できると共に、熱膨張耐火部材90の設置量を低減することができる。また同時に、シャッター1を介して炎が建物の屋内側に侵入する可能性が高い箇所に熱膨張耐火部材90を設置することにより、座板31の左右方向(長手方向)の全長にわたって熱膨張耐火部材90を設けた場合に比べて、シャッター1の防火性能を同等程度に維持することができる。これらのことから、シャッター1の防火性能を維持しつつ、シャッター1の設置コストを低減することが可能となる。
【0059】
また、第1領域は、座板31の先端部分のうち、シャッターカーテン30の幅方向に沿った方向の端部の領域であるので、例えば、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材90aによって座板31とガイドレール13との相互間の隙間、又は座板13と溝部73の第2溝側片73bとの相互間の隙間を塞ぐことができるため、これら隙間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制することが可能となる。
【0060】
また、第2領域は、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材90bが水切り板70の溝部73に入り込むことにより、当該溝部73のうち、火災の熱によって溶融した可燃性部材が流れ込む可能性がある部分を塞ぐことが可能となる領域であるので、膨張した熱膨張耐火部材90bによって溝部73を塞ぐことができる。これにより、燃焼や溶融した施錠装置33又はストッパ34が溝部73に落下して当該溝部73から外部に流れ出ることを抑制でき、上記火災が延焼することを回避することが可能となる。
【0061】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係るシャッターの防火構造について説明する。この実施の形態2は、座板の側面の領域のうち、建物の屋内側又は屋外側の側面における第1領域及び第2領域のみに熱膨張耐火部材を設けた形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0062】
(構成)
まず、実施の形態2に係るシャッターの構成について説明する。
図9は、実施の形態2に係るシャッターの防火構造を示す図であって、
図3に対応する領域を示す図である。この
図9に示すように、実施の形態2に係るシャッター1については、実施の形態1に係るシャッター1とほぼ同様に構成されている。ただし、座板31の構成、及び座板31の防火構造については、下記に示す工夫が施されている。
【0063】
(構成−座板)
次に、座板31の構成の詳細について説明する。
図10は、座板31を示す図であり、(a)は背面図、(b)は平面図、(c)は右側面図、
図11は、
図10(c)の拡大図である。なお、
図11においては、座板31の一部の図示を省略する。
図9から
図11に示すように、座板31は、本体片60と、取付片65、66とを備えて構成されている。
【0064】
このうち、本体片60の下方側の部分には、凹部67が設けられている。凹部67は、ユーザが建物の屋外側から手を掛けてシャッターカーテン30を上下動させるためのものである。この凹部67は、縦断面形状が建物の屋内側に向けて突出するコ字状(又はC字状)に形成されており、シャッターカーテン30の左右方向の全長にわたって形成されている。また、この凹部67の形状については、具体的には、ユーザが凹部67に手を掛けることができる形状にて設定されており、より具体的には、凹部67の上下方向の長さ(高さ)がユーザの指の太さよりも長く(高く)設定されると共に、凹部67の前後方向の長さ(深さ)がユーザの指がかかる程度の長さ(深さ)に設定されている。
【0065】
(構成−座板の防火構造)
次に、座板31の防火構造について説明する。
図12は、開口部全閉状態において、建物の屋外側で火災が発生した場合のシャッター1の状況を示す図であって、
図9に対応する領域を示す図である。この
図12に示すように、建物の屋外側で発生した火災の炎が座板31を介して建物の屋内側に侵入することを防止するための防火構造として、座板31の側面における第1領域に熱膨張耐火部材130が設けられている。
【0066】
本実施の形態における「第1領域」は、実施の形態1における「第1先端領域」に加えて、さらに座板31の凹部67の内部のうち、シャッターカーテン30の幅方向に沿った方向の端部の領域(すなわち、凹部67の内部の左端及び右端の領域。以下、「第1凹部領域」と称する)であり、この第1凹部領域の全域に熱膨張耐火部材130が設置されている。この「第1凹部領域」のさらに具体的な決定方法は任意であるが、例えば、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材130によって、凹部67とガイドレール13における上下方向に沿った側面との相互間の隙間を、炎が侵入困難となる程度に塞ぐことができるように決定することができる。ただし、このような領域は、熱膨張耐火部材130の膨張率や厚み等に応じて異なり得ることから、実験等により決定することができる。本実施の形態においては、熱膨張耐火部材130の上下方向の長さ(高さ)が凹部67の内部空間の上下方向の長さ(高さ)と略同一に設定され、熱膨張耐火部材130の左右方向の長さ(幅)が数mm程度に設定されており、このような熱膨張耐火部材130を、凹部67における屋内側の側面において、シャッターカーテン30の幅方向に沿った方向の最端部を起点として、左右方向の内側に至るように配置している。このように第1先端領域に熱膨張耐火部材130を配置することで、建物の屋外側で発生した火災の炎がガイドレール13の内部に流入した場合に、当該流入した炎が凹部67とガイドレール13における上下方向に沿った側面との相互間の隙間を介して侵入することを抑制することができる。
【0067】
(効果)
このように実施の形態2によれば、第1領域は、座板31の凹部67の内部のうち、シャッターカーテン30の幅方向に沿った方向の端部の領域であるので、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材130によって凹部67の内部空間を塞ぐことができるため、当該内部空間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制することが可能となる。
【0068】
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0069】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係るシャッター1の防火構造の防火性能が従来と同程度であっても、従来と異なる構造により従来と同程度の設置性を確保できている場合には、本願の課題は解決している。
【0070】
(可燃性部材について)
上記実施の形態1、2では、可燃性部材が、施錠装置33やストッパ34が該当すると説明したが、これに限られず、例えば、座板31の側面に取り付けられている可燃性部材であればよく、例えば、座板31が障害物に接触したことを検知するセンサ等であってもよい。
【0071】
(シャッターの防火構造について)
上記実施の形態1、2では、シャッター1の防火構造は、座板31の防火構造と、ガイドレール13の防火構造と、水切り板70の防火構造とを備えていると説明したが、これに限られず、例えば、ガイドレール13の防火構造又は水切り板70の防火構造の少なくともいずれか一方を省略してもよい。
【0072】
(付記)
付記1のシャッターの防火構造は、建物の開口部の開閉を行うシャッターカーテンを備えたシャッターの防火構造であり、前記シャッターカーテンによって前記開口部を全閉した状態である開口部全閉状態において前記建物の屋外側で火災が発生した場合に、前記建物の屋内側に前記シャッターを介して炎が侵入することを防止するための防火構造であって、前記開口部を閉鎖するように前記シャッターカーテンを開閉させた際における当該シャッターカーテンの先端に、座板を設け、前記座板の側面の領域のうち、前記開口部全閉状態において、前記火災の炎が前記建物の屋内側に侵入する可能性がある第1領域と、前記開口部全閉状態において、当該座板における前記建物の屋内側の側面に取り付けられた可燃性部材に対する閉鎖方向側の領域、又は前記火災の熱によって溶融した前記可燃性部材が流れ込む可能性がある領域の少なくともいずれか一方を含む第2領域と、のみに、前記火災の熱で膨張する熱膨張耐火部材を設けた。
【0073】
付記2のシャッターの防火構造は、付記1に記載のシャッターの防火構造において、前記第1領域は、前記座板の先端部分のうち、前記シャッターカーテンの幅方向に沿った方向の端部の領域である。
【0074】
付記3のシャッターの防火構造は、付記1に記載のシャッターの防火構造において、前記座板には、ユーザが前記建物の屋外側から手を掛けるための凹部を設け、前記第1領域は、前記座板の先端部分のうち、前記シャッターカーテンの幅方向に沿った方向の端部の領域と、前記凹部の内部のうち、前記シャッターカーテンの幅方向に沿った方向の端部の領域である。
【0075】
付記4のシャッターの防火構造は、付記1から3のいずれか一項に記載のシャッターの防火構造において、前記座板の先端部分は、前記シャッターカーテンの閉鎖方向に向けて突出する第1突出部と、前記第1突出部よりも前記建物の屋内側に配置された第2突出部であって、前記シャッターカーテンの閉鎖方向に向けて突出する第2突出部とを備え、前記開口部の周辺には、前記座板の前記第1突出部よりも前記建物の屋内側に位置する溝部であって、前記開口部全閉状態における前記座板の前記第2突出部を前記建物の屋外側から覆うための溝部を有するカバー片を設け、前記第2領域は、前記火災の熱で膨張した前記熱膨張耐火部材が前記溝部に入り込むことにより、当該溝部のうち、前記火災の熱によって溶融した前記可燃性部材が流れ込む可能性がある部分を塞ぐことが可能となる領域である。
【0076】
(付記の効果)
付記1に記載のシャッターの防火構造によれば、座板の側面の領域のうち、開口部全閉状態において、火災の炎が建物の屋内側に侵入する可能性がある第1領域と、開口部全閉状態において、当該座板における建物の屋内側の側面に取り付けられた可燃性部材に対する閉鎖方向側の領域、又は火災の熱によって溶融した可燃性部材が流れ込む可能性がある領域の少なくともいずれか一方を含む第2領域と、のみに、火災の熱で膨張する熱膨張耐火部材を設けたので、座板の長手方向の全長にわたって熱膨張耐火部材を設けた場合に比べて、シャッターを介して炎が建物の屋内側に侵入することを抑制できると共に、熱膨張耐火部材の設置量を低減することができる。また同時に、シャッターを介して炎が建物の屋内側に侵入する可能性が高い箇所に熱膨張耐火部材を設置することにより、座板の長手方向の全長にわたって熱膨張耐火部材を設けた場合に比べて、シャッターの防火性能を同等程度に維持することができる。これらのことから、シャッターの防火性能を維持しつつ、シャッターの設置コストを低減することが可能となる。
【0077】
付記2に記載のシャッターの防火構造によれば、第1領域は、座板の先端部分のうち、シャッターカーテンの幅方向に沿った方向の端部の領域であるので、例えば、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材によって座板とガイドレールとの相互間の隙間や、座板と水切り板の溝部における建物の外側の側面との相互間の隙間を塞ぐことができるため、これらの隙間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制することが可能となる。
【0078】
付記3に記載のシャッターの防火構造によれば、第1領域は、座板の先端部分のうち、シャッターカーテンの幅方向に沿った方向の端部の領域であるので、例えば、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材によって少なくとも座板とガイドレールとの相互間の隙間を塞ぐことができるため、当該隙間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制することが可能となる。また、第1領域は、凹部の内部のうち、シャッターカーテンの幅方向に沿った方向の端部の領域であるので、膨張した熱膨張耐火部材によって凹部の内部空間を塞ぐことができるため、当該内部空間を介して火災の炎が建物の屋内側に侵入することを抑制することが可能となる。
【0079】
付記4に記載のシャッターの防火構造によれば、第2領域は、火災の熱で膨張した熱膨張耐火部材が溝部に入り込むことにより、当該溝部のうち、火災の熱によって溶融した可燃性部材が流れ込む可能性がある部分を塞ぐことが可能となる領域であるので、膨張した熱膨張耐火部材によって溝部を塞ぐことができる。これにより、燃焼や溶融した可燃性部材が溝部に落下して当該溝部から外部に流れ出ることを抑制でき、上記火災が延焼することを回避することが可能となる。