(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563247
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】マイクロプロジェクタ装置、磁気浮上ベース及びマイクロプロジェクタ設備
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20190808BHJP
H01F 7/20 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
H01F7/20 E
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-100909(P2015-100909)
(22)【出願日】2015年5月18日
(65)【公開番号】特開2016-51166(P2016-51166A)
(43)【公開日】2016年4月11日
【審査請求日】2018年3月8日
(31)【優先権主張番号】201410438074.3
(32)【優先日】2014年8月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】呂 學文
【審査官】
佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】
中国実用新案第203732867(CN,U)
【文献】
中国実用新案第202268750(CN,U)
【文献】
特開2011−160547(JP,A)
【文献】
特開2008−245404(JP,A)
【文献】
特開平08−057157(JP,A)
【文献】
特表2009−527207(JP,A)
【文献】
特開2009−205050(JP,A)
【文献】
特表2006−503530(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第103312233(CN,A)
【文献】
中国実用新案第202957914(CN,U)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0300356(US,A1)
【文献】
特開2012−127489(JP,A)
【文献】
中国特許第102055382(CN,B)
【文献】
国際公開第2015/182806(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0079468(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00 −37/00 、
G03B21/00 −21/10 、21/12 −21/13 、
21/134−21/30 、33/00 −33/16 、
G09B23/00 −29/14 、
H02J50/00 −50/90 、
H04N 5/66 − 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクタと主浮上磁性体とを備え、
前記プロジェクタは、前記主浮上磁性体に固定され、磁界において、前記プロジェクタを浮上させるように、前記主浮上磁性体の磁界中心の磁界方向が重力方向になるプロジェクタ装置であって、
前記主浮上磁性体はウェイトを備え、
前記プロジェクタ装置は、前記プロジェクタ或いはウェイトに設置された少なくとも1つの補助用磁性体をさらに備え、
前記補助用磁性体毎の磁界中心の磁界方向にある仮想直線が、前記主浮上磁性体の磁界中心の磁界方向にある仮想直線とは垂直になるプロジェクタ装置。
【請求項2】
前記プロジェクタに無線充電受信機を内蔵することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ装置。
【請求項3】
ケースと、前記ケース内に位置する少なくとも三つのベース磁性体を備え、
前記少なくとも三つのベース磁性体により形成した合成磁界の中心における磁界方向が重力方向にあり、前記合成磁界の中心における磁界強度が各ベース磁性体近傍における前記合成磁界の磁界強度より小さい磁気浮上ベース。
【請求項4】
全てのベース磁性体は前記ケース内に均一に設置されることを特徴とする請求項3に記載の磁気浮上ベース。
【請求項5】
請求項1に記載のプロジェクタ装置と、請求項3に記載の磁気浮上ベースと、を備え、
操作過程において、前記プロジェクタ装置が前記磁気浮上ベースの上方に浮上できるプロジェクタ設備。
【請求項6】
前記主浮上磁性体にウェイトをさらに備え、少なくとも1つの補助用磁性体が前記プロジェクタに或いはウェイトに設置され、前記補助用磁性体毎の磁界中心おける磁界方向にある仮想直線が、前記主浮上磁性体の磁界中心における磁界方向にある仮想直線と垂直にすることを特徴とする請求項5に記載のプロジェクタ設備。
【請求項7】
前記プロジェクタ或いはウェイトに二つの長尺状の補助用磁性体を備え、前記二つの長尺状の補助用磁性体のそれぞれの軸線は同一な平面になることを特徴とする請求項6に記載のプロジェクタ設備。
【請求項8】
四つのベース磁性体がケース内に配置され、
二つの長尺状の補助用磁性体のS極を連結する線分とN極を連結する線分とは第1の「十」字になり、前記四つのベース磁性体がケース内に均一に分布され、対角にある二つのベース磁性体を連結する線分が第2の「十」字になり、前記第1の「十」字と前記第2の「十」字は、前記磁気浮上ベースの底部の投影中心において重なり合うとともに、前記二つの「十」字の各分岐の指向がそれぞれ同じであることを特徴とする請求項7に記載のプロジェクタ設備。
【請求項9】
全てのベース磁性体は電磁石であることを特徴とする請求項5に記載のプロジェクタ設備。
【請求項10】
電磁石制御装置をさらに備え、
前記電磁石制御装置は、電源モジュールと制御モジュールとを備え、前記電源モジュールは、電力を提供するように、前記電磁石と前記制御モジュールにそれぞれ接続し、前記制御モジュールは、前記電源モジュールにより前記電磁石に対して電流を入力することを制御することを特徴とする請求項9に記載のプロジェクタ設備。
【請求項11】
電磁石制御装置は、監視モジュールをさらに備え、前記監視モジュールは、前記電源モジュールと制御モジュールとに接続し、前記プロジェクタ装置が浮上する高さ及び方位信号を監視し、前記高さと方位信号を前記制御モジュールに伝送するためのものであり、前記制御モジュールは、前記高さと方位信号に基づいて前記プロジェクタ装置の高さと方位をリアルタイムに調整することを特徴とする請求項10に記載のプロジェクタ設備。
【請求項12】
前記プロジェクタに無線充電受信機を内蔵し、前記磁気浮上ベースは前記受信器に対応する無線充電発信器をさらに備えることを特徴とする請求項5〜11のいずれか1項に記載のプロジェクタ設備。
【請求項13】
前記無線充電受信機は共振式無線充電受信機或いは光電誘導式無線充電受信機であり、これに対応するように、前記無線充電発信器は共振式無線充電発信器或いは光電誘導式無線充電発信器であることを特徴とする請求項12に記載のプロジェクタ設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロプロジェクタ装置、磁気浮上ベース及びマイクロプロジェクタ設備に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェアラブル技術及びマイクロプロジェクタ技術の発達に連れ、マイクロプロジェクタを指輪に設置し、いわゆる、指輪プロジェクタ(以下、投影指輪と称する)が提案されている。そして、使用体験を実現するために、投影指輪に磁気浮上のベースを設置することが提案されたが、具体的な技術案が提案されていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の少なくとも一実施例は、マイクロプロジェクタ装置と、磁気浮上ベース及びマイクロプロジェクタ設備を提出し、従来技術におけるマイクロプロジェクタを浮上させることが実現できない問題点を克服する。
【0004】
本発明の少なくとも一実施例がマイクロプロジェクタ装置を提供する。このマイクロプロジェクタ装置は、マイクロプロジェクタと主浮上磁性体を備え、前記マイクロプロジェクタは、前記主浮上磁性体に固定され、前記主浮上磁性体は、磁界中心の磁界方向が垂直方向になり、磁界において、前記マイクロプロジェクタを浮上させる。
【0005】
このマイクロプロジェクタ装置において、例えば、前記主浮上磁性体にウェイトをさらに備えても良い。
【0006】
例えば、該マイクロプロジェクタ装置は、前記マイクロプロジェクタ或いはウェイトに設置された少なくとも1つの補助用磁性体をさらに備え、前記補助用磁性体毎の磁界中心の磁界方向にある直線が前記主浮上磁性体の磁界中心の磁界方向にある直線とは垂直になる。
【0007】
このマイクロプロジェクタ装置において、例えば、前記マイクロプロジェクタに無線充電受信機を内蔵しても良い。
【0008】
本発明の少なくとも一実施例が磁気浮上ベースを提供する。この磁気浮上ベースは、ケースと、前記ケース内に位置する少なくとも三つのベース磁性体を備え、前記少なくとも三つのベース磁性体により形成した合成磁界の中心の磁界方向は垂直方向にあり、前記合成磁界の中心の磁界強度は各ベース磁性体近傍における前記合成磁界の磁界強度より小さく、これにより、前記いずれの実施例に記載のマイクロプロジェクタ装置を浮上させる。
【0009】
磁気浮上ベースにおいて、例えば、全てのベース磁性体は前記ケース内に均一に設置されても良い。
【0010】
磁気浮上ベースにおいて、例えば、前記ケースに四つの前記磁気浮上ベースを備えても良い。
【0011】
本発明の少なくとも一実施例がマイクロプロジェクタ設備を提供する。このマイクロプロジェクタ設備は、前記に示したマイクロプロジェクタ装置と、前記に示した磁気浮上ベースと、を備え、操作過程において、前記マイクロプロジェクタ装置が前記磁気浮上ベースの上方に浮上できる。
【0012】
前記設備において、例えば、前記主浮上磁性体にウェイトをさらに備え、少なくとも1つの補助用磁性体が前記マイクロプロジェクタに或いはウェイトに設置され、前記補助用磁性体毎の磁界中心の磁界方向にある直線は前記主浮上磁性体の磁界中心の磁界方向にある直線と垂直にしても良い。
【0013】
前記設備において、例えば、前記マイクロプロジェクタ或いはウェイトに二つの長尺状の補助用磁性体を備え、前記二つの長尺状の補助用磁性体のそれぞれの軸線は同一の平面になっても良い。
【0014】
前記設備において、例えば、二つの長尺状の補助用磁性体のS極を連結する線分とN極を連結する線分とは第1の「十」字になり、前記四つのベース磁性体がケース内に均一に分布され、対角にある二つのベース磁性体を連結する線分は第2の「十」字になり、前記第1の「十」字と前記第2の「十」字は、前記磁気浮上ベースの底部の投影中心において重合するとともに、前記二つの「十」字の各分岐の指向はそれぞれ同じであっても良い。
【0015】
前記設備において、例えば、前記マイクロプロジェクタ或いはウェイトに設けられた前記補助用磁性体の数は前記ベース磁性体の数とは同じであっても良い。
【0016】
前記設備において、例えば、全てのベース磁性体は電磁石であっても良い。
【0017】
前記設備において、例えば、電磁石制御装置をさらに備えても良い、前記電磁石制御装置は、電源モジュールと制御モジュールとを備え、前記電源モジュールは、前記電磁石と前記制御モジュールとをそれぞれに接続し、電力を提供する。前記制御モジュールは、前記電源モジュールにより前記電磁石に対して電流を入力することを制御する。
【0018】
前記設備において、例えば、電磁石制御装置は、監視モジュールをさらに備えても良い。前記監視モジュールは、前記電源モジュールと制御モジュールとを接続し、前記マイクロプロジェクタ装置が浮上する高さ及び方位信号を監視し、前記高さと方位信号を前記制御モジュールに伝送するためのものである。前記制御モジュールは、前記高さと方位信号によって前記マイクロプロジェクタ装置の高さと方位をリアルタイムに調整する。
【0019】
前記設備において、例えば、前記磁気浮上ベースのケースの天井部にクッションを設置し、或いは天井部そのものは軟質材によって作られる。又は、前記ケースの天井部は開口であり、前記ケース内の底部にクッションを設置し、或いは底部そのものは軟質材によって作られた。
【0020】
前記設備において、例えば、前記マイクロプロジェクタに無線充電受信機を内蔵してもよく、前記磁気浮上ベースは前記受信器に対応する無線充電発信器をさらに備える。
【0021】
前記設備において、例えば、前記無線充電受信機は共振式無線充電受信機或いは光電誘導式無線充電受信機であり、これに対して、前記無線充電発信器は共振式無線充電発信器或いは光電誘導式無線充電発信器である。
【0022】
本発明の実施例によれば、マイクロプロジェクタを磁性体に固定することによって、磁界が有する状態においてマイクロプロジェクタの浮上を実現できる。
【0023】
本発明の実施例における技術案をより明らかに説明するために、実施例の図面を簡単に説明する。勿論、説明した図面は本発明における幾つかの実施例に関し、本発明を制限しない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1a】本発明の実施例におけるマイクロプロジェクタ装置の構造を示す模式図である。
【
図1b】
図1aのマイクロプロジェクタ装置の変体の構造の模式図である。
【
図2】本発明の実施例の磁気浮上ベースの構造の模式図である。
【
図3】
図2の磁気浮上ベースが形成した磁界形状の模式図である。
【
図4】
図1のマイクロプロジェクタ装置が
図2の磁気浮上ベースに浮上する模式図である。
【
図5】マイクロプロジェクタ装置の補助用磁性体と磁気浮上ベースのベース磁性体との位置関係図である。
【
図6】磁気浮上ベースにおける電磁石を制御する電磁石制御装置の構造の模式図である。
【
図7】他の実施例におけるマイクロプロジェクタ装置が磁気浮上ベースに浮上する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の目的、技術案及び利点をさらに明らかにするように、以下は本発明における実施例の図面に基づき、本発明の実施例の技術案を明らかで完備に説明する。
【0026】
本発明は少なくとも一実施例は、前記したようなマイクロプロジェクタ装置と、前記したような磁気浮上ベースと、を備え、操作過程において、前記マイクロプロジェクタ装置が前記磁気浮上ベースの上方に浮上できるマイクロプロジェクタ設備を提供する。
【0027】
図1は本発明の実施例におけるマイクロプロジェクタ装置の構造の模式図である。
図1aに示すように、マイクロプロジェクタ装置は、マイクロプロジェクタ4を含む。また、マイクロプロジェクタ4の浮上を実現するために、主浮上磁性体3をさらに含む。マイクロプロジェクタ4は主浮上磁性体3に固定される。磁界において前記マイクロプロジェクタ4を浮上させるように、主浮上磁性体3の磁界中心の磁界方向を垂直方向にする。マイクロプロジェクタ4は、投影指輪であっても良く、或いはその他のかたちのプロジェクタであっても良い。
【0028】
例えば、主浮上磁性体3にウェイト11をさらに設けてもよい。
図1bに示すように、ウェイト11は天平の分銅に類似するものであってもよく、実際の状況(磁界の磁界強度が異なる)により、異なるウェイトが設置できる。勿論、マイクロプロジェクタ4自身は所定の質量があれば、その自体がウェイトとして利用できる。
【0029】
マイクロプロジェクタ4は、垂直方向に安定的に保持される必要があるだけではなく、投影した画像は安定的に保持されるように、水平方向にも安定的な指向が実現できることが必要である。例えば、マイクロプロジェクタ4或いはウェイトに少なくとも1つの補助用磁性体5がさらに設けられる。補助用磁性体5毎の磁界中心の磁界方向にある直線は、前記主浮上磁性体3の磁界中心の磁界方向にある直線とは垂直する。そのように、磁界において、磁性体3は垂直方向に磁力が付与され、マイクロプロジェクタ4が浮上する状態に保持されると、補助用磁性体5は、水平方向に磁力が付与され、マイクロプロジェクタ4の安定的な指向が保持される。
【0030】
例えば、マイクロプロジェクタ4に無線充電受信機をさらに内装しても良い。そのようにすれば、浮上するときにしても、マイクロプロジェクタ4に無線充電できるので、十分な電池の使用時間を保障する。
【0031】
浮上磁性体3に対する反発力がある磁界においても、本発明の少なくとも一実施例のマイクロプロジェクタ装置によれば、マイクロプロジェクタの浮上が実現できる。該磁界は下記実施例の磁気浮上ベースの磁界であっても良い。
【0032】
本発明の少なくとも一実施例は磁気浮上ベースをさらに提供する。
図2に示すように、該磁気浮上ベースは、ケース1及びケース1の内部に位置する少なくとも三つのベース磁性体2を含む。上記いずれの実施例に示したマイクロプロジェクタ装置を浮上させるように、該少なくとも三つのベース磁性体2により形成した合成磁界の中心の磁界方向は垂直方向にあり、該合成磁界の中心の磁界強度を各ベース磁性体近傍における前記合成磁界の磁界強度より小さくする(即、合成磁界において、合成磁界の中心近傍の磁界強度はいずれのベース磁性体2近傍の磁界強度より小さい)。磁界強度は磁性体から離れるにつれ弱くなるため、少なくとも三つの磁界が重畳すると、中心が弱いが、各磁性体の上方が強い合成磁界を形成できる。即、マイクロプロジェクタ装置全体の重力を克服するように、該合成磁界はマイクロプロジェクタ装置の主浮上磁性体3に垂直方向の反発力を付与し、マイクロプロジェクタ装置を浮上させる。
図2において、ケース1は円錐台形状であるが、本発明の実施例はこれに限らない。
【0033】
例えば、均一な合成磁界を提供するように、即合成磁界により主浮上磁性体3に付与された合力は水平方向に0になるように、全てのベース磁性体2を均一的にケース1内に設置し、マイクロプロジェクタ装置を傾斜させない。
【0034】
図2において、ケース1内に四つのベース磁性体2を有する状態を示す。四つのベース磁性体2は、均一にケース1の底部に分布されても良く、勿論ケース1の側壁に固定されてもよい。ここでは、具体的に限定しない。
【0035】
図2において、ベース磁性体2はみな長尺状であり、各長尺状のベース磁性体2の極性向きが一致である。
図2において、N極はみな上に向き、S極はみな上に向いている。
図3には、四つの長尺状のベース磁性体2により形成した磁界の形態を示している。これらの四つの長尺状ベース磁性体2のそれぞれの磁界が重畳して、円環中心が弱いが、四つの磁性体の上方が強い合成磁界が形成する。
【0036】
図4及び5に示すように、マイクロプロジェクタ装置は磁気浮上ベースに浮上する状態を示す。主浮上磁性体3のS−N極の配向はベース中のベース磁性体2のS−N極の配向とは逆である。
図4に示すように、主浮上磁性体3のN極は下、S極は上にあるが、ベース磁性体2のN極は上、S極は下にあるため、主浮上磁性体3が空に浮上できる。
【0037】
図4と
図5において、マイクロプロジェクタ4に二つの長尺状の補助用磁性体5が設けられる。該二つの長尺状の補助用磁性体5の軸線が同じ平面になる。マイクロプロジェクタ4は水平方向に安定するために、二つの長尺状の補助用磁性体S極を連結する線分とN極を連結する線分とは第1の「十」字になり、前記四つのベース磁性体がケース内に均一に分布される。そして、対角にある二つのベース磁性体を連結するは第2の「十」字になる。第1の「十」字と第2の「十」字は前記磁気浮上ベースの底部の投影中心においてお互い重合するとともに、前記二つの“十字”の各分岐の指向がそれぞれ同じである。
【0038】
例えば、
図5に示すように、十字の縦方向であるy方向の両端に位置するベース磁性体2の磁界強度N1は、十字の水平方向であるx方向の両端に位置するベース磁性体2の磁界強度N2より小さいため、縦方向の両端が補助用磁性体5のN極に対する反発力が小さいが、水平方向の両端が補助用磁性体5のN極に対する反発力が大きく、S極に対する引き合う力が強いため、補助用磁性体5が安定的に指向させる。補助用磁性体5が安定するため、マイクロプロジェクタ4は良好な水平方向指向が維持でき、投影画像が安定に保持できる。1つだけの補助用磁性体5を使用する方式に比べて、二つの補助用磁性体5を使用する場合、磁界をより易く安定する。多数の補助用磁性体5を設置しても良い、例えば、補助用磁性体5はベースにおけるベース磁性体2の数と等しい。そうすると、良好な水平方向指向性を保持するように、ベース磁性体2毎に1つの補助用磁性体5を配置する。
【0039】
ベース磁性体2はみな普通な永久磁性体(マイクロプロジェクタ装置におけるウェイトによって浮上高度を調整できる)であってもよく、みな電磁石であってもよい、各電磁石の磁力の強さをそれぞれに調整できるため、より円滑的にマイクロプロジェクタ装置の浮上高さが調整できる。
【0040】
例えば、該磁気浮上ベースは電磁石制御装置をさらに備えてもよい。
図6に示したように(具体的に点線で囲む部分に示したように)、前記電磁石制御装置は、電源モジュールと制御モジュールとを含む。前記電源モジュールは、前記電磁石と制御モジュールにそれぞれ接続し、前記制御モジュールは、前記電源モジュールにより前記電磁石に対して電流を入力することを制御する。制御モジュールにおいて、調整したいパラメータを事前に設置してもよい。このようなパラメータは、例えば、マイクロプロジェクタの浮上高さと方位に対応する電磁石の電流の強さである。
【0041】
例えば、電磁石制御装置は、監視モジュールをさらに備えても良い。前記監視モジュールは、前記電源モジュールと制御モジュールとに接続し、前記マイクロプロジェクタ装置浮上の高さ及び方位信号を監視し、前記高さと方位信号を前記制御モジュールに伝送するためのものである。前記制御モジュールは、前記高さと方位信号に基づいて前記マイクロプロジェクタ装置の高さと方位をリアルタイムに調整する。例えば、制御モジュールは、マイクロプロジェクタが速やか且つ安定に運行するように実現するために、PID(比例−積分−微分)算法或いはファジィ制御算法等の各種の制御算法が使用できる。監視モジュールは、例えば、補助用磁性体5の磁界分布を監視するような磁界分布センサであってもよく、浮上物(投影指輪)における顕著なマークを撮影し、制御モジュールによって画像算法を行い浮上物の指向を判定するカメラであっても良い。使用する際に、使用者がマイクロプロジェクタ装置をベース上方のほぼ中央の位置に放置すれば、マイクロプロジェクタ装置は高さと配向の安定性が速やかに実現できる。例えば、コンパクトな構造と安定的な効果が実現するように、前記電磁石制御装置をみなベース中に集成しても良い。
【0042】
電源モジュールは、電磁石と、監視モジュールと制御モジュールに電力を提供する。該電源モジュールは、他の電源に外接してもよく、或いは内蔵された電池等であっても良い。
【0043】
例えば、万一停電になったら、電磁石が磁界を失い、マイクロプロジェクタ装置が落ちて壊れてしまうことを防ぐため、磁気浮上ベースのケース1の天井部にクッションを設置し、或いは天井部そのものは軟質材によって作られてもよい。また、ケース1の天井部は、開口であってもよく、即天井部なしのかたちになっていてよい。その時、ケース内の底部にクッションを設置し、或いは底部そのものは軟質材によって作られる。
【0044】
例えば、
図7に示すように、前記マイクロプロジェクタに無線充電受信機21を内蔵しても良い。前記磁気浮上ベースは、前記受信器に対応する無線充電発信器22を含めても良い。そうすると、浮上している時も、マイクロプロジェクタ4に無線充電でき、十分な電池の使用時間を保障する。例えば、前記無線充電受信機は、共振式無線充電受信機或いは光電誘導式無線充電受信機である。これに対応するように、前記無線充電発信器は共振式無線充電発信器或いは光電誘導式無線充電発信器である。共振式と光電式の無線充電の作業周波数はマイクロプロジェクタの機械共振周波数よりはるかに大きいため、磁界の変動により投影顕示効果に大きく影響しない。
【0045】
尚、本発明の実施例における全ての磁性体は長尺状の磁性体を採用してもよく、環状の磁性体を採用しても良い。例えば主浮上磁性体3を環状に作られ、磁界配向が環状の軸線に沿えばよい。安定な効果を実現するように、磁気浮上ベースケースの全体形状は各種の形状にしても良い。例えば、火山状、灰皿状、クレー状等の各種の形状に設けてもよい。マイクロプロジェクタ装置が浮上する方式は本実施例における磁気浮上ベースが下、マイクロプロジェクタ装置が上のような浮上方式に限らなく、磁気浮上ベースを上方、例えば天井板に固定され、マイクロプロジェクタ装置がベースの下に位置する浮上方式であっても良く、即磁気浮上ベースにおけるベース磁性体はマイクロプロジェクタ装置の主浮上磁性体と引き合う力を発生すればよく、その原理が上記実施例と類似で、ここでさらに説明しない。
【0046】
本出願は、2014年8月29日に提出した中国特許出願第201410438074.3号の優先権を要求し、ここで、全文において、上記中国特許出願が開示した内容を引用して本出願の一部とする。
【符号の説明】
【0047】
1 ケース
2 ベース磁性体
3 主浮上磁性体
4 マイクロプロジェクタ
5 補助用磁性体
11 ウェイト
21 無線充電受信機