(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理手段は、ドレンに含まれる特定の物質を変化させる触媒物質、またはドレンに含まれる特定の物質を吸着させる吸着剤を備えることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の熱源装置。
設定された処理開始時刻に基づいて、前記流入制御手段を閉止させて、ドレン処理を開始させる処理を含むことを特徴とする請求項10または請求項11に記載のドレン排出処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、吸着剤や触媒を利用したドレン処理は、特定物質の吸着や分解反応が十分に行われ、環境への影響が少ない状態になるまでに一定の時間を要する。十分な処理が行われないまま浴槽や排出管路、または追焚管路などを通じて排出させたのでは、特定物質が浴槽などに混入するというおそれがある。そのためドレンの処理では、吸着または分解に必要な時間を十分にとるほか、処理中にドレンが混入するのを避けなければならないという課題がある。
【0007】
ドレン処理を完了させるために、ドレン処理を行う処理槽を閉鎖し、処理中に未処理のドレンを混入させないようにした場合、ドレン管路内にドレンが溢れるおそれがある。ドレンの発生を抑制するため、二次熱交換器での潜熱回収を禁止させるなどの処理が必要となる。また、給湯や追焚機能を利用中にドレンの排出を禁止している場合は、吸着や分解処理を終えたドレンが排出されなければ、処理槽内に新たなドレンが入れられないため、ドレンの溢れ防止によるドレン発生を抑制することになる。このようなドレン発生抑制を行った場合、熱源装置での排熱回収の効率が低下してしまうという課題がある。
【0008】
特許文献1および特許文献2には、斯かる課題やそれを解決する手段の開示や示唆はない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、ドレンに含まれる物質の吸着や分解などの処理を十分に行え、さらに、燃焼効率を維持した熱源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の熱源装置の一側面によれば、燃焼排気中の主として潜熱を回収する熱交換により、ドレンが発生する熱交換器を備えた熱源装置であって、前記熱交換器で発生したドレンを取込んで中和する中和器と、前記中和器
で中和されたドレンが流入し、処理剤によって
該ドレン
から特定の物質を削減するドレン処理を行う処理手段と、前記処理手段に対する
、前記
中和器で中和されたドレンの流入を制限する流入制御手段と、
前記流入制御手段を介して前記処理手段と接続され、前記流入制御手段によって前記処理手段へ
前記中和器で中和されたドレンの流入が制限された
時に、前記熱交換器で発生して前記中和器で中和されたドレンを貯める貯留手段と、前記処理手段で処理され
たドレンを熱源装置の外部に流す排出手段と、前記流入制御手段を閉止してドレン処理を開始させ、設定時間経過を契機に前記排出手段を通じて
前記処理手段からドレンを排出させた後に、前記流入制御手段を開状態にさせ
て、前記貯留手段に溜められたドレン、または前記貯留手段と前記中和器とに貯められたドレンを前記処理手段に流入させる制御部とを備えればよい。
【0011】
上記熱源装置において、好ましくは、前記処理手段は、内部に貯留したドレンの水位を検出する水位検出手段を備え、前記制御部は、前記水位検出手段の検出結果から前記処理手段内部の水位が閾値以上になった場合、ドレン処理を実行させてもよい。
【0012】
上記熱源装置において、好ましくは、前記制御部は、設定された処理開始時刻に基づいて、前記流入制御手段を閉止させて、ドレン処理を開始させてもよい。
【0013】
上記熱源装置において、好ましくは、前記処理手段は、内部でドレンを
流動させる
流動手段を設け、前記制御部は、ドレン処理の実行タイミングで、前記
流動手段を動作させてもよい。
【0014】
上記熱源装置において、好ましくは、前記処理手段は、ドレンに含まれる特定の物質を変化させる触媒物質、またはドレンに含まれる特定の物質を吸着させる吸着剤を備えてもよい。
【0015】
上記熱源装置において、好ましくは、前記排出手段は、浴槽内の浴槽水を流して追焚させる追焚管路と、該追焚管路の一部に設置され、ドレン排出時に前記追焚管路を通じて流されたドレンを排出側に導く切換弁とを備えてもよい。
【0016】
上記熱源装置において、好ましくは、さらに、熱源装置の燃焼手段の燃焼状態を監視する燃焼監視手段を備え、前記制御部は、所定時間以上、前記燃焼手段の燃焼処理が実行されない場合、前記流入制御手段を開状態に維持させて、ドレン処理を開始させてもよい。
【0017】
上記熱源装置において、好ましくは、前記制御部は、ドレン処理を完了する前に前記燃焼手段への動作要求があった場合、ドレン処理を停止させてもよい。
【0018】
上記熱源装置において、好ましくは、前記貯留手段は、前記中和器の一部に形成されてもよい。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明のドレン排出処理方法の一側面によれば、燃焼排気中の主として潜熱を回収する熱交換により、ドレンが発生する熱交換器を備えた熱源装置のドレン排出処理方法であって、前記熱交換器で発生したドレンを取込んで中和器で中和し、
前記中和器で中和されたドレンが流入した処理手段にて、処理剤によってドレンに含まれる特定の物質を削減するドレン処理を行い、流入制御手段により、前記処理手段に対する前記
中和器で中和されたドレンの流入を制限し、前記流入制御手段へ
前記中和器で中和されたドレンの流入が制限された
時に、前記熱交換器で発生して前記中和器で中和されたドレンを
、前記流入制御手段を介して前記処理手段と接続された貯留手段に貯め、前記処理手段で処理され
たドレンを熱源装置の外部に流し、前記流入制御手段を閉止してドレン処理を開始させ、設定時間経過を契機
に排出手段を通じて
前記処理手段からドレンを排出させた後に、前記流入制御手段を開状態にさせ
て、前記貯留手段に溜められたドレン、または前記貯留手段と前記中和器とに貯められたドレンを前記処理手段に流入させる処理を含めばよい。
【0020】
上記ドレン排出処理方法において、好ましくは、前記処理手段の内部に貯留したドレンの水位を水位検出手段で検出し、前記水位検出手段の検出結果から前記処理手段内部の水位が閾値以上になった場合、ドレン処理を実行させる処理を含んでもよい。
【0021】
上記ドレン排出処理方法において、好ましくは、設定された処理開始時刻に基づいて、前記流入制御手段を閉止させて、ドレン処理を開始させる処理を含んでもよい。
【0022】
上記目的を達成するため、本発明のドレン排出処理プログラムの一側面によれば、熱交換によりドレンが発生する熱源装置を制御するコンピュータに実行させるためのドレン排出処理プログラムであって、
熱交換により発生したドレンを中和器に取込む機能と、流入制御手段を閉止して、処理剤によってドレンに含まれる特定の物質を削減するドレン処理を実行する処理手段に対して、前記
中和器で中和されたドレンの流入を制限する機能と、
前記流入制御手段によって前記処理手段へ前記中和器で中和されたドレンの流入が制限された時に、熱交換で発生し前記中和器で中和されたドレンを、前記流入制御手段を介して前記処理手段と接続された貯留手段に溜める機能と、前記流入制御手段の閉止に応じてドレン処理を開始させ、設定時間経過を契機に排出手段を通じて
前記処理手段からドレンを排出させた後に、前記流入制御手段を開状態にさせ
て、前記貯留手段に溜められたドレン、または前記貯留手段と前記中和器とに貯められたドレンを前記処理手段に流入させる機能とをコンピュータに実行させればよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
【0024】
(1) ドレンに対する処理時間を確保でき、特定物質を残留させずにドレンを排出できる。
【0025】
(2) 新たに発生したドレンが処理中のドレンに混入するのを防止でき、未処理又は不十分な処理のドレンを排出させないので、熱源装置の信頼性を向上させることができる。
【0026】
(3) ドレン処理を実行する場合でも、熱源装置の熱回収効率が低下するのを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、ドレン排出システムの一例を示している。
図1に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。
【0030】
ドレン排出システム2は、たとえば
図1に示すように、給湯機能や浴槽6内の浴槽水BWの追焚機能などを備えた熱源装置4を含んでおり、本開示の熱源装置の一例である。ドレン排出システム2は、燃焼排気と浄水との熱交換によって発生するドレンに対し、中和処理、特定物質の除去または分解などによるドレン処理を行って、所定の排水側への排出処理を行う。このドレン排出システム2では、ドレン処理が完了したドレンを浴槽6以外の排水口に排出する。
【0031】
熱源装置4は、本開示の熱源装置の一例であり、その内部に給湯用の熱交換を行う熱交換器8を備えるとともに、浴槽水BWを取り込んで追焚する追焚用の熱交換器48(
図3)を備える。熱交換器8は、燃焼排気ガス中から主として顕熱を回収する一次熱交換器と、主として潜熱を回収する二次熱交換器とを備えている。熱源装置4では、これらの熱交換器8のうち特に、二次熱交換器での潜熱回収において、燃焼排気ガスや周囲の空気に含まれる水蒸気が凝縮して、不用水であるドレンが発生する。発生したドレンは、たとえば強酸性であるとともに、燃料ガスに含まれるメタン成分として、ホルムアルデヒド等の物質が含まれている。ホルムアルデヒドは、厚生労働省が規定する上水側の水道水質基準項目の対象となっている。このドレン排出システム2では、熱源装置内の管路の一部をドレンの排出経路に利用することや、環境負荷への影響を抑えるためにドレンに含まれるホルムアルデヒドなどの特定物質を削減することで、装置の清浄化を図る。
【0032】
熱源装置4には、たとえば熱交換器8の底部側に沿ってドレンDを回収するドレン受け10を備え、回収されたドレンDはドレン排出手段の一部であるドレン管路12を通じて排出側に導かれる。ドレン管路12には、熱源装置4の内部に配置された中和器14、貯留タンク16、ドレン流入弁18、ドレンタンク20を備える。またドレンタンク20には、処理済みのドレンを熱源装置4の外部に排出するための排出管路22を備える。斯かる排出管路22は、本開示の排出手段の一例であり、浴槽6内の浴槽水BWを追焚加熱するための追焚管路24の一部を利用する。排出管路22には、たとえばドレンタンク20から追焚管路24側に流すタンク側流路22−1や追焚戻り管路24−1や追焚往き管路24−2の一部を含む排出側流路22−2を含む。タンク側流路22−1と追焚管路24との連結部分には、浴槽水BWの流れと処理済のドレンDの流れを切り換える三方弁26や追焚往き管路24−2の浴槽6に設置される循環アダプタの手前を分岐して、排水部30側にドレンDを流す三方弁ユニット28を備える。
【0033】
中和器14は、回収したドレンDを中和する手段の一例であり、たとえば内部に中和剤として炭酸カルシウムなどが充填されており、流入したドレンDに中和剤を浸漬させることで、ドレンDのpHを中性またはそれに近い状態に中和させる。なお中和器14は、充填された中和剤を利用する場合に限られない。ドレンDを中和する手段であれば、どのようなものであってもよく、たとえば強アルカリ性の薬剤を添加するなどの手法をとってもよい。
【0034】
貯留タンク16は、ドレンタンク20への流入が制限されたドレンを貯める貯留手段の一例である。この貯留タンク16は、たとえばドレン処理が開始されたドレンタンク20に対し、新たに発生した未処理のドレンDを流入させないために貯める、所謂バッファタンクとして機能する。貯留タンク16は、たとえば熱源装置4の給湯能力や、熱交換器8の熱交換によるドレン発生量を実験などで測定した値などのほか、ドレンタンク20におけるドレン処理時間に基づいて容量を設定すればよい。
【0035】
ドレン流入弁18は、本開示の流入制御手段の一例であり、ドレン管路12を開閉することでドレンタンク20に対する未処理のドレンDの流入を制御する。ドレン流入弁18は、ドレン管路12の流路を遮断可能な開閉弁を利用すればよい。ドレン流入弁18は、熱源装置4の制御部32によって開閉制御されており、ドレンタンク20のドレン処理の実行に連動して開閉制御が行われる。
【0036】
ドレンタンク20は、本開示の処理手段の一例であり、たとえば処理剤が充填されたタンク内部にドレンDを流入させ、所定時間浸漬させておくことでドレンDに含まれるホルムアルデヒドなどの特定の物質を分解または処理剤に吸着させる。これにより、装置外に排出するドレンDから斯かる物質を削減させる。ドレンタンク20には、たとえば分解や吸着など、処理したい特定物質に応じて充填させる処理剤の種類や処理手法を用いればよい。
【0037】
ドレンDからホルムアルデヒドを削減するドレン処理では、処理剤としてたとえば麦飯石118(
図4)を用いればよい。この麦飯石118は、ホルムアルデヒドを多糖物質に変化させる触媒の一例である。ドレンタンク20に流入したドレンDは、麦飯石118との接触により三炭糖に変化した後、四炭糖、五炭槽と物質変化する。
【0038】
なお、ドレンDに対する処理手段、処理剤はこれに限らない。ドレンDを物質変化させるために、ホルムアルデヒドなどの特定物質をドレンから吸着する吸着剤を利用してもよい。
【0039】
制御部32は、熱源装置4の機能制御手段の一例であり、図示しないバーナの燃焼制御や給湯、浴槽水BWの追焚制御のほか、ドレン流入弁18やドレンタンク20に対するドレン処理の実行制御、処理後のドレンDの排出処理としてドレン流入弁18や三方弁26、三方弁ユニット28の切換え制御などを行う。
【0041】
図2は、熱源装置の動作制御の一例を示すフローチャートある。このフローチャートに示す処理内容、処理手順は一例であり、本発明が斯かる内容に限定されるものではない。この熱源装置の動作制御は、本開示のドレン排出処理方法およびドレン排出処理プログラムの一例であり、ドレン排出管理のほか、給湯動作制御、浴槽管理動作制御が含まれる。
【0042】
熱源装置4の電源を投入すると、制御部32は、たとえば機種設定情報の読込み、各機能部に対する出力値の初期化などを含むイニシャライズ処理を実行する(S1)。イニシャライズ処理が完了すると、熱源装置4は、ユーザの操作指示による給湯要求や追焚要求の待機状態に移行する。また、熱源装置4は、これらの動作要求とは別に、熱交換によって生じるドレンDの発生や、ドレンタンク20に溜まったドレンDの水位監視を行うほか、ドレン処理としてホルムアルデヒドの削減処理やドレン排水等のドレン排出管理を行う(S2)。
【0043】
また、制御部32は、熱源装置4の給湯動作の実行か否かを判断する(S3)。この給湯動作の実行判断では、たとえば給湯要求として、給湯栓などが開栓されたか否かに基づいて判断すればよい。制御部32は、給湯動作の実行が要求されている場合(S3のYES)には、給湯動作制御に移行する(S4)。給湯動作制御では、たとえば設定温度や開栓度合いなどに基づき、バーナの燃焼制御や出湯温度の調整制御などが含まれる。
【0044】
制御部32は、給湯動作の実行が要求されていない場合(S3のNO)には、浴槽管理動作制御の実行か否かの判断を行う(S5)。浴槽管理動作制御には、たとえば浴槽水BWについて自動運転スイッチの投入等の自動湯張り制御や追焚制御などが含まれる。また制御部32では、その他の制御として凍結防止処理や異常監視処理などの制御を実行する(S7)。
【0045】
制御部32は、ドレンタンク20でのドレン処理の後、装置外への排出処理において、浴槽管理実行判断(S5)の結果を利用し、斯かる判断結果において追焚管路24が利用されていない場合に、排出処理を行えばよい。また、制御部32は、ドレン処理の実行条件の判断の1つとして、給湯動作実行判断(S3)の結果を利用してもよい。
【0046】
なお、熱源装置4の動作制御は、それぞれ独立して実行されればよく、ドレン排出管理や給湯動作制御、浴槽管理制御等について常時ループして監視すればよい。また制御装置32は、各動作要求に対して、割込み制御を行えばよい。
【0048】
図3は、給湯・追焚装置の構成例を示している。この給湯・追焚装置40は、本開示の熱源装置4の一例であり、たとえば取り込んだ上水を熱交換して所定温度に加熱して供給する給湯機能や、浴槽水BWを取り込んで熱交換して加熱する追焚機能を備える。
【0049】
給湯・追焚装置40は、たとえば筐体内に燃焼室42を備えており、燃焼室42の内部に給湯用の一次熱交換器44及び二次熱交換器46と、追焚用の熱交換器48を備えている。給湯用の二次熱交換器46は本開示の熱交換器の一例であり、ドレンDが発生する。給湯用の熱交換器と追焚用の熱交換器はそれぞれ独立しており、双方同時運転または単独運転が可能となっている。また、給湯・追焚装置40では、一方の熱交換器の機能を他方の用途で利用可能な例として、給湯側の熱交換器で加熱した湯を浴槽6側に注湯し、湯張りすることが可能である。
【0050】
また、燃焼室42には、給湯バーナ50や追焚バーナ52が設置されており、それぞれのバーナに対して燃料ガスGが燃料ガス管を通じて供給される。この燃料ガス管には、たとえば元ガス電磁弁やガス比例弁、切替電磁弁、ガス電磁弁などが設置されており、給湯要求または追焚要求に応じた燃焼量を実現するためにガス供給量が調整される。そのほか、各バーナには、燃焼空気を供給するファンなどが設置される。
【0051】
バーナ50には、たとえば燃焼監視手段として、フレームロッド51を備えている。
【0052】
なお、
図3に示す給湯・追焚装置40では、給湯バーナ50と追焚バーナ52が共通の燃焼室42内に設置される状態を示しているが、これに限られない。各バーナには、それぞれ給湯用燃焼室または追焚用燃焼室を備えてもよい。そして給湯熱交換器および追焚熱交換器は、斯かる給湯用燃焼室または追焚用燃焼室に配置されればよい。
【0054】
給湯・追焚装置40には、上水Wを導く給水管路60、熱交換後の温水を流して出湯させる出湯管路62、給水管路60の一部を分岐して熱交換後の温水に上水Wを混合させるバイパス管路64や、出湯管路62から分岐され、追焚管路24側に注湯する注湯管路66を備える。給水管路60には、たとえば水量センサ68が設置され、上水Wの流入の有無やその流量を検出する。上水Wは、水量センサ68を通って二次熱交換器46側に流されて熱交換した後、一次熱交換器44で熱交換して給湯口側に至る。バイパス管路64は、湯の設定温度に対する出湯の応答性を高めるために、熱交換した湯に対して上水Wの一部を混合させるバイパス水制御弁70を備える。そのほか給湯・追焚装置40には、給水管路60側に過圧逃がし弁、入水温度を検出する入水温サーミスタを備えるほか、出湯管路62側に出湯温サーミスタや混合温サーミスタ、水制御弁72などが設置される。
【0055】
注湯管路66は、たとえば給湯口の手前で分岐させ、給湯管路側で得られた湯HWを追焚管路24に流す。この注湯管路66には、たとえば注湯電磁弁、注湯量を監視する注量センサ、逆止弁などを備えている。注湯管路66に流された湯HWは、追焚管路24を通じて浴槽6内に給湯される。
【0057】
追焚管路24は、たとえば追焚用の熱交換器48と浴槽6の連結部分に設置される循環アダプタとの間に配置されている。追焚管路24には、たとえば浴槽水BWを循環させるためのポンプ94のほか、浴槽水BWの水流を検出するふろ水流スイッチ、浴槽水BWの温度を検出する風呂入サーミスタ、風呂出サーミスタなどを備えている。また追焚管路24は、既述のように、追焚往き管路24−2側の一部に三方弁ユニット28を備えているとともに、三方弁26を介してドレンDを処理するドレンタンク90と接続されている。このような構成により、三方弁26を切り換えることでドレンタンク90内の処理済のドレンDがポンプ94の駆動により追焚管路24を通して三方弁ユニット28より排水部30側に排出される。
【0059】
二次熱交換器46で発生したドレンDは、ドレン受け10で回収され、ドレン管路12に設置された中和器80に貯められる。この中和器80は、たとえばその上部側の一部に貯留空間82を形成している。中和器12で中和されたドレンDは、ドレン流入弁84を通じてドレンタンク90に流される。ドレンタンク90は、貯留したドレンDに対してドレン処理を行った後、所定のタイミングで排水管路92から追焚管路24を通じて排出される。
【0060】
その他、給湯・追焚装置40には、各機能部の動作制御を行う電装基板100、ユーザからの運転指示の入力や給湯・追焚装置の動作状態の表示等を行う浴室リモコン102、台所リモコン104などを備える。
【0062】
図4は、ドレンタンクの一例を示している。
図4に示す構成は一例であり、ドレンタンクは、斯かる構成に限定されない。
【0063】
ドレンタンク90は、たとえばタンク本体部110の上部側に、中和器80で中和されたドレンDを流入させるドレン流入口112を備える。タンク本体部110には、たとえば内部を仕切る仕切り壁114を備えており、この仕切り壁114で仕切られた一方側の第1の空間部116内に処理剤である麦飯石118が充填されている。ドレン流入口112は、たとえば第1の空間部116側に配置されており、取り込んだドレンDを直接、麦飯石118に接触させるように流入させればよい。またドレンタンク90の底部には、たとえば第1の空間部116側に、処理済のドレンを排出する処理水排出口128を備える。
【0064】
またドレンタンク90には、タンク本体部110の底部側の一部を突出させた滞留部120が形成されている。この滞留部120は、第1の空間部116側に形成されており、内部に麦飯石118が充填される。これによりドレンタンク90には流入したドレンDの一部が滞留部120に溜まり、滞留部120内がドレンDで満たされると第1の空間部116内の水位が上昇する。処理水排出口128は、滞留部120以外の部分に形成されているため、滞留部120よりも高い位置に形成される。これにより、ドレンタンク90には、ドレンDの排出処理が完了した場合でも、滞留部120内に一定量の処理済のドレンDを残留する。このように処理済のドレンDを残留させることで、新たに流入した未処理のドレンDに含まれるホルムアルデヒドに対し、三炭糖に変化した糖から四炭糖、五炭糖へと著しい反応の促進を促す触媒効果(フォルモース反応)が期待できる。
【0065】
また、滞留部120の底部には、たとえばドレンDを流すコネクタ部122が形成され、このコネクタ部122には、タンク本体部110の上部側にドレンDを流動させる循環パイプ124および循環ポンプ126が設置される。この循環パイプ124および循環ポンプ126は、本開示の揺動手段の一例であり、ドレンDを循環させて触媒である麦飯石118に対して揺動することで、ホルムアルデヒド等の特定物質の反応促進効果が期待できる。
【0066】
またタンク本体部110には、仕切り壁114で仕切られた第2の空間部130内にドレンDの水位を検出する水位センサ132を備えている。仕切り壁114は、たとえば流体であるドレンDを通過させるが、固体である麦飯石118を通過させない網状構造で形成すればよい。水位センサ132は、たとえば水位電極134や共通電極(COM)136、オーバーフロー間近の水位を検出する水位センサH138、ドレンタンク90内のドレンDの有無を検出する水位センサL140を備えている。
【0067】
<中和器およびドレンタンクへの流入経路の構成>
【0068】
中和器80は、たとえば
図5に示すように、タンク本体部110の上部側にドレン管路12を通じてドレンDを流入させるドレン流入口150が形成されている。タンク内部には、たとえば中和剤152が充填されるとともに、この堆積した中和剤152の内部に至るまで天井から底部側に向けて仕切り板154が設置されている。これにより、仕切り板154の先端側からタンクの底部までの間には、中和剤152で満たされた空間部156が形成される。中和器80に貯められたドレンDは、たとえば仕切り板154で仕切られた一方の領域から他方の領域に向けて、空間部156を通過して流動する。
【0069】
また、中和器80には、たとえば側面部であって、中央よりも高い位置に中和処理されたドレンDを排出する排出口158が形成され、この排出口158にドレン管路159が接続される。中和器80内のドレンDは、水位上昇により排出口158からドレン管路159側に排出される。排出口158は、たとえば仕切り板154で仕切られた中和器内部について、ドレン流入口150が配置された領域とは異なる領域側に形成される。
【0070】
ドレン管路159は、ドレンタンク90に向けて中和されたドレンDを流す管路であり、この管路の途中には、流路を遮断可能なドレン流入弁84が設置される。ドレン流入弁84は、たとえばドレンタンク90でドレン処理が開始された時に閉止される。
【0071】
中和器80には、たとえば天井側であって、排出口158よりも高い位置に貯留空間82が形成されている。この貯留空間82は、本開示の貯留タンクの一例であり、ドレン管路159に設置されたドレン流入弁84が閉止された時に、ドレンDを貯留する手段である。これにより、給湯・追焚装置40は、たとえばドレンタンク90側でドレン処理を開始した場合、ドレン流入弁84を閉止しても、一定量のドレンDを貯めることができ、二次熱交換器46を利用した給湯をすることができる。
【0073】
図6は、熱源装置の制御部の一例を示している。
図6に示す構成は一例であり、これに限定されない。制御部32は、給湯・追焚装置40の電装基板100で構成される。
【0074】
制御部32は、マイクロコンピュータ等からなり、たとえばプロセッサ160、メモリ162、タイマ164、システム通信部166、I/O(Input/Output)168などを備える。また制御部32は、たとえばI/O168を通じて、フレームロッド51、水位センサ132、追焚循環ポンプ94、循環ポンプ126、ドレン流入弁84、三方弁26、三方弁ユニット28、水量センサ68、水温センサ169などと接続され、検出情報の収集や制御対象への指示出力を行う。
【0075】
プロセッサ160は、プログラムの実行に用いられる演算手段の一例であり、熱源装置である給湯・追焚装置40の動作を制御するためのプログラムを実行する。メモリ162は、記憶手段の一例であり、たとえば熱源装置の基本動作を制御するOS(Operating System)や燃焼制御プログラム、ドレン排出処理プログラムや各種センサから取得した検出データなどを記憶する記憶領域や、プログラムの演算処理を行う処理領域を含む。メモリ162は、記憶領域としてROM(Read Only Memory)や不揮発メモリを利用し、演算処理領域としてRAM(Random Access Memory)を利用する。
【0076】
タイマ164は、熱源装置の動作時刻を検出する時計手段および動作経過時間を計時する計時手段の一例である。システム通信部166は、通信機能部の一例であり、リモコン制御部170のシステム通信部176との間でデータ通信を行う。
【0077】
リモコン制御部170は、浴室リモコン102や台所リモコン104に搭載された制御装置の一例であり、それぞれプロセッサ172、メモリ174、システム通信部176、I/O178を備える。またリモコン制御部170は、I/O178を通じて、それぞれのリモコン装置に備えた表示部180、操作部182、警報部184等との間で動作指示のやりとりを行う。リモコン装置には、たとえばユーザ操作により給湯や追焚の要求温度の設定変更や追焚指示のほか、給湯・追焚装置40の異常の表示や警告の報知などが含まれる。
【0079】
図7は、ドレン排出管理の一例を示している。このドレン排出管理は、本開示のドレン排出処理方法またはドレン排出処理プログラムの一例である。
【0080】
ドレン排出管理では、ドレンタンク90内のドレンの水位状態、時刻情報または燃焼停止の経過時間に基づいて、制御部32によりドレン処理の開始や完了が判断される。潜熱回収により発生したドレンDは、中和処理の後にドレンタンク90に貯められる。このドレンDの発生は、バーナの燃焼に関連している。またドレン処理により、ホルムアルデヒドなどの削減を行うには所定時間を要する。このドレン処理には、対象となる物質や処理方法の違いにもよるが、たとえば6時間程度を要する場合もある。このドレン処理中のドレンタンク90内に未処理のドレンDが大量に混入すれば、処理時間はさらに長くなる。
【0081】
そこで、このドレン排出管理では、たとえばバーナの燃焼状態や排出側の管理などを考慮してドレン処理が行われる。
【0082】
ドレン排出管理では、制御部32が、ドレンDの排出準備が完了しているか否かを判断する(S11)。この排出準備の完了か否かの判断では、たとえばメモリ内に記憶されている状態情報(たとえば、後述するS30、S37)や、すでにドレン処理が完了したドレンがドレンタンク90に貯められている等の状態を判断すればよい。ドレン排出準備が完了している場合(S11のYES)には、排出処理に移行する。またドレン排出準備が完了していない場合(S11のNO)は、ドレン処理に移行しているか否かの判断を行う(S12)。この判断処理では、たとえばタイマ164の稼動が有ったか、または現在稼動中か否かをみればよい。
【0083】
制御部32は、ドレンタンク90内のドレンDが未処理でかつ処理の実行に達していないと判断すると(S12のNO)、ドレンタンク90内の水位検出情報について、下水位(L)か否かを判断する(S13)。ドレンタンク90内のドレンDが下水位(L)に
達していない場合(S13のNO)、新たなドレンDが殆ど流入していないとして、待機状態を維持する。またドレンタンク90の水位が下水位(L)以上の場合(S13のYES)には、現在時刻が、予め設定された所定時刻か否かを判断する(S14)。
【0084】
時刻条件は、たとえば給湯・追焚装置40の使用頻度が低い時刻を設定し、ドレン処理に要する時間分だけ新たに発生したドレンDを貯留できる容量が貯留タンクにあるか否かで設定されてもよい。このため、所定時刻は深夜帯や日中の不在時など、ユーザの利用頻度に基づいて設定してもよい。
【0085】
制御部32は、現在時刻が所定時刻、たとえば深夜の1時になっている場合(S14のYES)、ドレン流入弁84を閉止させて(S15)、ドレン処理に移行させる。また、所定時刻になっていない場合でも(S14のNO)、ドレンタンク90の水位が上水位(H)以上となった場合(S16のYES)には、ドレン流入弁84を閉止させて(S15)、ドレン処理に移行させる。ドレンタンク90の水位が上限に達した場合には、所定時刻まで待たずにドレン処理を開始する。
【0086】
ドレン処理では、ドレンタンク90内でドレンDの循環を開始させ(S17)、タイマ164をスタートさせ、ドレン処理の経過時間の計時を開始する(S18)。
【0087】
また、制御部32は、ドレンタンク90内の水位が上水位(H)に達していない場合(S16のNO)であり、かつ、バーナ50が燃焼停止中の場合(S19のYES)には、ドレンタンク90内の循環を開始させて(S17)、ドレン処理に移行する。但し、バーナ50の燃焼状態をドレン処理開始条件とした場合には、ドレン流入弁84を開状態に維持させる。これにより、給湯要求が発生した場合でも、ドレン流入弁84の開閉処理を行う必要がなくなるほか、貯留空間82の容量に応じたドレンDの発生許容量の制限により、二次熱交換器46の利用が制限されるのを防止できる。また、所定時刻以外であっても、長時間追焚機能を利用しない場合に、ドレン処理が完了できれば、ドレンタンク90や貯留空間82を満水にさせず、二次熱交換器46の利用が制限されない。
【0088】
なお、このドレン処理では、たとえばドレンタンク90に溜まっているドレンDの量(水位)が少ない場合など、ドレン処理が短時間で済むと判断できる場合には、循環処理を行わないように制御してもよい。また、この実施の形態では、ドレン処理の開始条件としてドレンタンクの水位や時刻情報、またはバーナの停止状態を判断する場合を示したが、これに限らない。ドレン処理の判断として、直近に行ったドレン処理からの経過時間やこれまでのドレン処理の発生頻度、そのときのドレンDの量などをメモリ162に記憶しておき、斯かる情報を次回のドレン処理の開始条件の判断に利用してもよい。これにより、頻繁にドレン処理が発生するのを防止でき、給湯効率の向上や省エネの効果が期待できる。
【0089】
ドレン処理が開始されると、制御部32は、タイマ164を参照し、所定時間(たとえば、6時間)を経過したか否かを判断する(S20)。所定時間が経過していない場合であって(S20のNO)、ドレン流入弁が閉められていない場合(S21のNO)、たとえばフレームロッド51の検出結果からバーナ50の燃焼状態を監視する(S22)。そしてバーナ50の燃焼が開始された場合(S22のNO)、タイマ164を停止させ(S23)、ドレンタンク循環を停止させて(S24)、ドレン処理を中止させる。すなわち、燃焼停止を条件としてドレン処理を開始した場合には、バーナの燃焼開始により二次熱交換器の利用を契機に、通常の給湯運転に戻す。
【0090】
また、燃焼停止によるドレン処理において、バーナ50が燃焼停止状態である場合(S22のYES)、ドレン処理開始時刻に成った場合(S25のYES)、ドレン流入弁84を閉止させ(S26)、ドレン処理を継続させる。
【0091】
制御部32は、ドレン処理を開始してから所定時間が経過した場合(S20のYES)、ドレン流入弁84が開状態であれば閉止させ(S27)、タイマ164の停止(S28)、ドレンタンク90内の循環を停止させて(S29)、ドレン処理を完了させる。ドレン処理が完了すると、制御部32は、排出準備完了情報をメモリ162などに記憶させた(S30)後、ドレン排出ルートを確立して排出処理を開始させる(S31)。
【0092】
ドレン排出ルートの確立では、たとえば追焚処理の実行中か否か、すなわち、追焚管路24にドレンDを排出できるか否かを判断した上、三方弁26をドレンタンク90側に切り換えるとともに、三方弁ユニット28を切り換え、追焚往き管路24−2を排水部30側に接続する。また、制御部32は、ドレン排出処理に移行した場合、浴槽水BWの追焚を制限する。
【0094】
制御部32は、ドレン排出準備が完了すると(S11のYES)、ドレンタンク90の水位センサ132を監視し、下水位(L)以下になるまで(S32のYES)、ドレン排出を継続する(S33)。ドレンタンク90内の水位が下水位(L)以下になると(S32のNO)、制御部32は、ドレンの排出を停止させ(S34)、必要に応じてドレン排出ルートの洗浄処理を行ったのち、追焚管路24を元に戻す(S35)。ドレン排出ルートの洗浄処理では、たとえば三方弁26を切り換えた後、三方弁ユニット28を排水部30側にした状態で、注湯管路を通じて湯または水を流入させることで、少なくとも追焚管路24や追焚循環ポンプ94、三方弁ユニット28内を清浄化することができる。
【0095】
洗浄処理が完了すると、ドレン流入弁84を開放し(S36)、ドレンタンク90内に、中和器80および貯留空間82に貯められた未処理のドレンDを流入可能にする。その後、制御部32は、メモリ162に記憶した排出準備完了情報を消去して(S37)ドレン排出処理を完了させる。
【0096】
斯かる構成によれば、以下のような効果が得られる。
【0097】
(1) ホルムアルデヒドなどの特定物質に対するドレン処理を行っている場合であっても、二次熱交換器を利用した給湯動作を行うことができ、給湯効率の低下を防止できる。
【0098】
(2) ドレン流入弁により、ドレン処理中のドレンタンク内に未処理又は不十分な処理のドレンを排出させないので、熱源装置の信頼性を向上させることができる。
【0099】
(3) 既存の管路をドレンの排出路に利用する場合でも、未処理または不十分な処理のドレンを流さないため、浴槽水等を汚染することがない。
【0100】
(4) また、ドレン処理を十分に行うことができるので、熱源装置から外部に排出したドレンによる環境負荷を低減できる。
【0101】
(5) ドレンが発生しない状態、すなわち、バーナの燃焼停止時にドレン処理を開始することで、熱源装置に対するユーザの利用状態に応じてドレン処理を行うことができ、利便性の向上が図れるほか、ドレンが排出できない状態になるのを防止できる。
【0103】
(1) 上記実施の形態では、ドレン流入弁84を閉止した際に発生したドレンDを貯留する手段として、中和器80の一部に形成された貯留空間82にドレンを貯留させる場合を示したが、これに限らない。給湯・追焚装置40は、たとえば
図8に示すように、中和器80と接続する位置として、ドレン管路159上にサブタンクとして貯留タンク190を備えてもよい。この貯留タンク190は、たとえばドレン流入弁84が閉状態になった時にドレンDを貯留させればよく、ドレン流入弁84が開状態の場合には、ドレンDを通過させる構造であればよい。
【0104】
なお、貯留タンク190は、中和器80とドレンタンク90との間に配置させる場合に限らず、ドレン管路12上であって、中和器80に対して上流側に設置されてもよい。
【0105】
斯かる構成によれば、ドレン処理が開始された場合でも新たに発生したドレンを貯留させることができるので、二次熱交換器を利用した給湯処理が継続できる。
【0106】
(2) 上記実施の形態では、ドレン処理を行う処理剤として、触媒である麦飯石を用いる場合を示したがこれに限らない。ホルムアルデヒドなどの特定物質を削減可能であれば他の触媒を利用してもよい。また処理剤として、特定物質を吸着させる吸着剤を用いてもよい。この吸着剤として、たとえばアミノ化合物とケイ酸塩系無機化合物の複合物などを用いてもよい。
【0107】
(3) 上記実施の形態では、ドレン処理を促進するために、揺動手段として循環パイプ124や循環ポンプ126を用いる場合を示したが、これに限らない。ドレンDに含まれる特定物質の分解、削除処理を促進するための手段として、たとえばタンク内を加熱するためのヒータを設けてもよく、またはその他の手段を用いてもよい。
【0108】
(4) 上記実施の形態では、ドレン排出ルートの確立において、追焚管路への排出が可能か否かを判断して三方弁26、三方弁ユニット28を切り換える場合を示したが、これに限らない。ドレン排出管理では、たとえば追焚処理制御と連動して、ドレン排出ルートの確立を行ってもよい。制御部32は、たとえばドレン排出処理についても、所定時刻条件やユーザの利用頻度条件などを利用し、ドレン排出処理を行える時刻か否かを判断してもよい。そして、ドレン排出処理では、たとえばドレン処理に要する所定時間と、ユーザの利用頻度が低い時間帯の条件とを合せるようにドレン排出開始時刻を設定し、ドレン排出ルートを確立させてもよい。
【0109】
また、給湯・追焚機能において、ユーザが自動給湯機能を継続的に利用している場合などでは、設定時刻であって、ユーザの浴槽水BWの利用が無い時に、一時的に自動運転を解除するなどの処理を行ってもよい。
【0110】
(5) ドレン排出管理において、制御部32は、たとえばユーザの利用状態によりドレン処理が完了したドレンDが排出できない場合には、浴室リモコン102や台所リモコン104に警告表示や音声報知を行い、排出可能な状態にさせるように促してもよい。
【0111】
(6) 上記実施の形態では、ドレンタンク90にのみ水位センサ132を設ける場合を示したがこれに限らない。中和器80や貯留タンク190に水位センサを設けて、ドレンDの貯留状態を監視してもよい。これにより制御部32では、たとえば追焚管路24が使用中のために、ドレンDが排出できない場合が継続した時に、中和器80や貯留タンク190内にドレンDが溢れるのを防止するほか、ドレンDの貯留速度や残りの貯留量などを算出してもよい。これにより、排水不可によってドレンDが装置内に溢れるのを防止でき、安全性の向上が図れる。
【0112】
(7) 上記実施の形態では、ドレン処理が開始され、ドレン流入弁84を閉止すると、処理済のドレンを排出させるまでドレンタンク90内に未処理のドレンを流入させない場合を示したが、これに限らない。制御部32は、たとえば時刻条件によってドレン処理を開始した場合など、ドレンタンク90内の水位が上水位(H)に達していない場合、新たにドレンが発生した時にドレン流入弁84を開状態にして、ドレンタンク90内にドレンを流入させてもよい。この場合、たとえばドレン処理の開始の時間経過が少ない場合や、中和器80、貯留空間82、貯留タンク190が満水に近い状態であるなどの条件を設けてもよい。また、新たにドレンを流入させた場合には、タイマをリセットして、ドレン処理に必要な所定時間の計時を開始すればよい。
【0113】
以上説明したように、本発明の技術の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。