(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
絶縁性材料で板状に形成されたハウジングにおける表裏面のうちの一方の面から端子ボルトのネジ部が突出し、他方の面からは該ネジ部よりも大径のネジ頭を前記絶縁性材料で覆ったネジ頭被覆部が突出した2枚の板状端子台が、前記他方の面どうしを対面させて重ねられてなり、
重ねられた当該2枚の板状端子台を該2枚の板状端子台と直交する直交方向から見た平面視において、前記ネジ頭被覆部どうしが互いにずれた位置に配置されるように、前記2枚の板状端子台それぞれの前記端子ボルトが設けられていることを特徴とする端子台。
前記2枚の板状端子台それぞれにおいて、前記端子ボルトが複数、所定の配列方向に並べられるとともに、該配列方向に隣り合う少なくとも1組の前記端子ボルトの相互間で、該配列方向と直交するとともに前記ハウジングの表裏面と平行なズレ方向に、互いに位置がずれるように配列され、
隣り合う前記端子ボルトの前記ズレ方向のずれが、前記2枚の板状端子台の相互間において互い違いのずれになっていることを特徴とする請求項1に記載の端子台。
前記2枚の板状端子台それぞれが、導電性金属で帯板状に形成されたバスバーと、該バスバーの長手方向に沿った方向を前記配列方向として該配列方向に配列されるとともに、各々が前記バスバーに電気的に接続されて前記端子ボルトの前記ネジ部に貫通される複数の端子と、を備え、
前記2枚の板状端子台それぞれの前記ハウジングが、前記複数の端子それぞれに前記ネジ部を介して接続対象物が接続可能となるように各端子における前記ネジ部の周辺部を接続領域として露出させて前記バスバーと前記複数の端子とを収容しており、
前記2枚の板状端子台それぞれにおいて、前記複数の端子のうち、隣り合う少なくとも1組の端子それぞれにおける前記接続領域が、前記バスバーの幅方向に沿った方向を前記ズレ方向として該ズレ方向に互いにずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の端子台。
前記2枚の板状端子台それぞれにおいて、前記1組の端子それぞれにおける前記接続領域が、前記ズレ方向に互いにずれつつ、前記配列方向には、一方の端子の前記接続領域における他方の端子側の縁が、該他方の端子の前記接続領域における前記一方の端子側の縁よりも該他方の端子の中央寄りの位置まで入り込むように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の端子台。
前記2枚の板状端子台それぞれにおいて、前記複数の端子が3つ以上の端子であり、当該複数の端子それぞれにおける前記接続領域が、前記ズレ方向に交互に位置がずれた千鳥配列となるように前記配列方向に並べられて配置されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の端子台。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記のように2枚の板状端子台を重ねて1つの端子台を構成する場合、その構成上、端子台が厚くなりがちである。一方、近年では、車両の省スペース化が進み、上記のような端子台を設置するための空間的な余裕が減りつつあり、端子台はなるべく薄型である方が望ましい。
【0006】
従って、本発明は、上記のような問題点に着目し、2枚の板状端子台を重ねて構成しつつも薄型化が図られた端子台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、絶縁性材料で板状に形成されたハウジングにおける表裏面のうちの一方の面から端子ボルトのネジ部が突出し、他方の面からは該ネジ部よりも大径のネジ頭を前記絶縁性材料で覆ったネジ頭被覆部が突出した2枚の板状端子台が、前記他方の面どうしを対面させて重ねられてなり、重ねられた当該2枚の板状端子台を該2枚の板状端子台と直交する直交方向から見た平面視において、前記ネジ頭被覆部どうしが互いにずれた位置に配置されるように、前記2枚の板状端子台それぞれの前記端子ボルトが設けられていることを特徴とする端子台となっている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の端子台において、前記2枚の板状端子台それぞれにおいて、前記端子ボルトが複数、所定の配列方向に並べられるとともに、該配列方向に隣り合う前記端子ボルトどうしで、該配列方向と直交するとともに前記ハウジングの表裏面と平行なズレ方向に、互いに位置がずれるように配列され、隣り合う前記端子ボルトの前記ズレ方向のずれが、前記2枚の板状端子台の相互間において互い違いのずれになっていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の端子台において、前記2枚の板状端子台それぞれにおいて、前記端子ボルトが3つ以上、前記ズレ方向に交互に位置がずれた千鳥配列となるように前記配列方向に並べられて配置され、前記2枚の板状端子台の相互間において、前記千鳥配列が互い違いの配列になっていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の端子台において、前記2枚の板状端子台それぞれが、導電性金属で帯板状に形成されたバスバーと、該バスバーの長手方向に沿った方向を前記配列方向として該配列方向に配列されるとともに、各々が前記バスバーに電気的に接続されて前記端子ボルトの前記ネジ部に貫通される複数の端子と、を備え、前記2枚の板状端子台それぞれの前記ハウジングが、前記複数の端子それぞれに前記ネジ部を介して接続対象物が接続可能となるように各端子における前記ネジ部の周辺部を接続領域として露出させて前記バスバーと前記複数の端子とを収容しており、前記2枚の板状端子台それぞれにおいて、前記複数の端子のうち、隣り合う少なくとも1組の端子それぞれにおける前記接続領域が、前記バスバーの幅方向に沿った方向を前記ズレ方向として該ズレ方向に互いにずれた位置に配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の端子台において、前記2枚の板状端子台それぞれにおいて、前記1組の端子それぞれにおける前記接続領域が、前記ズレ方向に互いにずれつつ、前記配列方向には、一方の端子の前記接続領域における他方の端子側の縁が、該他方の端子の前記接続領域における前記一方の端子側の縁よりも該他方の端子の中央寄りの位置まで入り込むように配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の端子台において、前記2枚の板状端子台それぞれにおいて、前記複数の端子が3つ以上の端子であり、当該複数の端子それぞれにおける前記接続領域が、前記ズレ方向に交互に位置がずれた千鳥配列となるように前記配列方向に並べられて配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、重ねられた2枚の板状端子台を直交方向から見た平面視において、ネジ頭被覆部どうしが互いにずれた位置に配置されるように、2枚の板状端子台それぞれの端子ボルトが設けられている。これにより、2枚の板状端子台を重ねて端子台を構成するに当たり、ネジ頭被覆部どうしの干渉が回避される。仮にネジ頭被覆部どうしが干渉すると仮定すると、2枚の板状端子台を重ねるときには2つのネジ頭被覆部の厚みの合計に相当する間隔が、2枚の板状端子台の相互間に開くこととなる。これに対し、請求項1に記載の発明によれば、ネジ頭被覆部どうしの干渉が回避されるので、2枚の板状端子台を重ねるときの2枚の板状端子台の相互間の間隔は、ネジ頭被覆部1つ分の厚みに相当する間隔で済む。つまり、請求項1に記載の発明によれば、2枚の板状端子台を重ねて端子台を構成しつつも、その端子台の薄型化を図ることができる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明によれば、2枚の板状端子台それぞれにおいて、端子ボルトが複数、所定の配列方向に並べられる。さらに、この配列方向に隣り合う端子ボルトどうしで、配列方向と直交するとともにハウジングの表裏面と平行なズレ方向に、互いに位置がずれるように配列されている。複数の端子ボルトを、上記のズレ方向の位置が互いにずれるように配列することで、配列方向における間隔を詰めて複数の端子ボルトを配列することができる。つまり、請求項2に記載の発明によれば、各板状端子台に複数の端子ボルトを設けるに当たり、その配列方向の幅を短縮して各板状端子台の小型化、延いては端子台の小型化を図ることができる。そして、隣り合う端子ボルトのズレ方向のずれが、2枚の板状端子台の相互間において互い違いのずれになっていることから、ネジ頭被覆部どうしの干渉が回避され、2枚の板状端子台で構成される端子台の薄型化も図ることができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明によれば、2枚の板状端子台それぞれにおいて、端子ボルトが3つ以上、上記のズレ方向に交互に位置がずれた千鳥配列となるように配列方向に並べられて配置される。そして、2枚の板状端子台の相互間において、千鳥配列が互い違いの配列になっている。これにより、端子ボルトの数を3つ以上に増やしても、配列方向における間隔を詰めて複数の端子ボルトを配列して端子台の小型化を図りつつ、ネジ頭被覆部どうしの干渉を回避して、2枚の板状端子台で構成される端子台の薄型化も図ることができる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明によれば、2枚の板状端子台それぞれにおいて、複数の端子のうち、隣り合う少なくとも1組の端子それぞれにおける接続領域が、バスバーの幅方向に沿ったズレ方向に互いにずれた位置に配置されている。これにより、上記のようにズレ方向に互いにずれた位置に配置された接続領域については、配列方向については間隔を詰めて配置することができる。つまり、請求項4に記載の発明によれば、複数の端子を設けるに当たり、少なくとも1組の端子について接続領域の配列方向の間隔を詰めて配置することで、この配列方向について2枚の板状端子台それぞれの寸法、即ち端子台の寸法を短縮して小型化を図ることができる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明によれば、2枚の板状端子台それぞれにおいて、配列方向には、一方の端子の接続領域における他方の端子側の縁が、該他方の端子の接続領域における前記一方の端子側の縁よりも該他方の端子の中央寄りの位置まで入り込むように配置されている。これにより、配列方向について接続領域の間隔を一層詰めて配置することができる。つまり、請求項5に記載の発明によれば、配列方向について2枚の板状端子台それぞれの寸法、即ち端子台の寸法を一層短縮して小型化を図ることができる。
【0018】
また、請求項6に記載の発明によれば、2枚の板状端子台それぞれにおいて、3つ以上の端子それぞれにおける接続領域が千鳥配列となるように配列方向に並べられて配置されている。これにより、端子の数を3つ以上に増やしても、配列方向における接続領域の間隔を詰めて2枚の板状端子台それぞれの寸法、即ち端子台の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態の端子台について
図1〜
図4を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態の端子台を示す斜視図であり、
図2は、
図1に示されている端子台を構成する2枚の板状端子台それぞれにおける、端子ボルトのネジ部が突出する面の平面視を示す平面図である。
図3は、
図1及び
図2に示されている端子台を構成する2枚の板状端子台それぞれに内蔵されている板金構造物を示す平面図である。
図4は、
図1に示されている端子台について薄型化が図られる様子を、2枚の板状端子台それぞれの端子ボルトを通る断面で示す模式図である。
【0021】
本実施形態の端子台1は、バッテリから供給される電力を回路に供給するためのものであり、
図1において紙面手前側に図示されている第1の板状端子台11と、紙面手前側に図示されている第2の板状端子台12とが重ねられて構成される。
図2(a)には、第1の板状端子台11の平面図が示され、
図2(b)には、第2の板状端子台12の平面図が示されている。
【0022】
第1の板状端子台11及び第2の板状端子台12は、それぞれ、絶縁性材料で板状に形成されたハウジング111,121に、導電性金属で形成された次のような板金構造物112,122と、5本の端子ボルト113,123が収納されて構成されている。
図3(a)には、第1の板状端子台11のハウジング111に収納される板金構造物112が端子ボルト113とともに平面図で示されている。また、
図3(b)には、第2の板状端子台12のハウジング121に収納される板金構造物122が端子ボルト123とともに平面図で示されている。
【0023】
図3に示されているように、各板状端子台11,12の板金構造物112,122は、バスバー112a,122aと、5つの回路端子112b,122bと、5つの可溶体112c,122cとを有している。尚、
図1〜
図3では、5本の端子ボルト113,123が互いに同等な要素であり、5つの可溶体112c,122cも互いに同等な要素であるので、図を見易くするため、各板状端子台11,12につき1本の端子ボルト113,123、及び1つの可溶体112c,122cにのみ代表的に符号を付している。また、5つの回路端子112b,122bは、その形状に差異はあるものの実質的に互いに同等な要素であるので、これら5つの回路端子112b,122bについても、各板状端子台11,12につき1つの回路端子112b,122bにのみ代表的に符号を付している。
【0024】
バスバー112a,122aは、一端側が90°折れ曲がってL字形状の帯板状に形成され、上記の一端側の先端が90°に折起こされて、バッテリ等の電源からの電力が供給される給電端子112a−1,122a−1が形成されている。給電端子112a−1,122a−1には、例えばバッテリ端子等の電力供給部品に、端子台1をネジ止めにより電気的に接続するとともに機械的に固定するための貫通孔112a−2(
図1参照)が設けられている。
【0025】
5つの回路端子112b,122bは、各板金構造物112,122において、バスバー112a,122aの長手方向に沿った配列方向D1,D2に配列されて設けられている。各回路端子112b,122bは、
図1及び
図2に示されているように、その表裏面のうちの一方の面の一部がハウジング111,121から露出している。この露出した部分が、不図示の回路から伸びてくる端子付き電線2,3の丸端子21,31が電気的に接続される接続領域112b−1,122b−1となっている。各接続領域112b−1,122b−1の略中央には、端子ボルト113,123のネジ部113a,123aが貫通する貫通孔112b−2,122b−2が設けられている。この貫通孔112b−2,122b−2を貫通した端子ボルト113,123のネジ部113a,123aに、端子付き電線2,3の丸端子21,31が通され、不図示のナットが締め付けられる。これにより、丸端子21,31が、回路端子112b,122bの接続領域112b−1,122b−1に面接触した状態で締結されて、丸端子21,31が接続領域112b−1,122b−1に機械的に固定されるとともに電気的に接続される。
【0026】
5つの可溶体112c,122cは、各板金構造物112,122において、バスバー112a,122aと5つの回路端子112b,122bとを繋ぐ細帯状の部分である。各回路端子112b,122bには、各可溶体112c,122cを介して電流が流れる。閾値以上の電流が流れるとこの可溶体112c,122cが溶断することにより、回路に過剰な電流が流れることが回避される。
【0027】
ハウジング111,121は、給電端子112a−1,122a−1、各回路端子112b,122bの接続領域112b−1,122b−1が露出するように板金構造物112,122を絶縁性材料で覆い固めて(モールディング)板状に形成されている。また、露出した接続領域112b−1,122b−1の周囲には、
図1や
図2に示されているように、図中下方に開放した周壁111a,121aが形成されている。この周壁111a,121aは、各接続領域112b−1,122b−1に接続された丸端子21,31を周囲から絶縁するとともに、端子付き電線2,3を図中下方に案内する役割を果たす。
【0028】
また、ハウジング111,121には、可溶体112c,122cの溶断を視認するための窓111b,121bが設けられている。この溶断視認用の窓111b,121bには、透明カバー114,124が嵌め込まれており、可溶体112c,122cの溶断が、この透明カバー114,124越しに視認される。
【0029】
また、ハウジング111,121は、各回路端子112b,122bの貫通孔112b−2,122b−2をネジ部113a,123aが貫通した端子ボルト113,123と一緒に板金構造物112,122を覆い固めている。このとき、端子ボルト113,123においてネジ部113a,123aよりも大径のネジ頭113b,123bは、貫通孔112b−2,122b−2を通ることなく回路端子112b,122bにおける接続領域112b−1,122b−1とは反対側の面に位置する。ハウジング111,121では、回路端子112b,122bにおけるこの反対側の面と端子ボルト113,123のネジ頭113b,123bとが一体的に覆い固められている。そして、ネジ頭113b,123bを覆ったネジ頭被覆部111c,121cが、
図1に示されているように、回路端子112b,122bにおける上記反対側の面を覆う平坦面から突出している。
【0030】
このように、各板状端子台11,12では、板状に形成されたハウジング111,121の表裏面のうちの一方の面に各回路端子112b,122bの接続領域112b−1,122b−1が露出している。そして、各接続領域112b−1,122b−1の中央から端子ボルト113,123のネジ部113a,123aが突出する。また、ハウジング111,121における他方の面からは、端子ボルト113,123のネジ頭113b,123bを覆ったネジ頭被覆部111c,121cが突出している。
【0031】
そして、
図1に示されているように、これら2枚の板状端子台11,12が、ネジ頭被覆部111c,121cが突出している上記の他方の面どうしを対面させて重ねられる。重ねられた2枚の板状端子台11,12が、不図示の締結構造によって互いに締結されて端子台1が構成される。
【0032】
このとき、端子台1では、各板状端子台11,12において端子ボルト113,123が次のように設けられている。即ち、重ねられた2枚の板状端子台11,12と直交する直交方向D3(
図1)から見た平面視において、ネジ頭被覆部111c,121cどうしが互いにずれた位置に配置されるように、2枚の板状端子台11,12それぞれの端子ボルト113,123が設けられている。
【0033】
本実施形態では、各板状端子台11,12において5つの端子ボルト113,123は、配列方向D1,D2に隣り合う端子ボルト113,123どうしで、配列方向D1,D2と直交するとともにハウジング111,121の表裏面と平行なズレ方向D4,D5の位置が互いにずれるように配列されている。即ち、5つの端子ボルト113,123が、ズレ方向D4,D5に交互に位置がずれた千鳥配列となるように配列方向D1,D2に並べられて配置されている。
【0034】
そして、配列方向D1,D2に隣り合う端子ボルト113,123のズレ方向D4,D5のずれが、2枚の板状端子台11,12の相互間において互い違いのずれとなっている。即ち、2枚の板状端子台11,12の相互間において、端子ボルト113,123の千鳥配列が互い違いの配列になっている。これにより、2枚の板状端子台11,12の相互間において、ネジ頭被覆部111c,121cどうしが互いにずれた位置に配置されることとなっている。
【0035】
本実施形態では、2枚の板状端子台11,12それぞれにおける上記のような端子ボルト113,123の配列は、各端子ボルト113,123のネジ部113a,123aが貫通する回路端子112b,122bの接続領域112b−1,122b−1における次のような配置によってなされている。
【0036】
各板状端子台11,12では、5つの接続領域112b−1,122b−1が次のような位置に配置されている。即ち、上記の直交方向D3(
図1)から見た平面視において、隣り合う回路端子112b,122bの接続領域112b−1,122b−1が、バスバー112a,122aの幅方向に沿ったズレ方向D4,D5に互いにずれた位置に配置されている。具体的には、5つの接続領域112b−1,122b−1が、ズレ方向D4,D5に交互に位置がずれた千鳥配列となるように配列方向D1,D2に並べられて配置されている。これにより、5本の端子ボルト113,123も、千鳥配列となるように配列方向D1,D2に並べられて配置されることとなっている。
【0037】
さらに、本実施形態では、各板状端子台11,12において、隣り合う回路端子112b,122bの接続領域112b−1,122b−1が、配列方向D1,D2に、
図2に示されているように間隔W2,W3を詰めて配置されている。即ち、第1の板状端子台11では、隣り合う回路端子112bのうちの一方の回路端子112bの接続領域112b−1における他方の回路端子112b側の縁112b−1aが、他方の回路端子112bの接続領域112b−1における前記一方の回路端子112b側の縁112b−1bよりも該他方の回路端子112bの中央寄りの位置まで入り込むように配置されている。同様に、第2の板状端子台12でも、隣り合う回路端子122bのうちの一方の回路端子122bの接続領域122b−1における他方の回路端子122b側の縁122b−1aが、他方の回路端子122bの接続領域122b−1における前記一方の回路端子122b側の縁122b−1bよりも該他方の回路端子122bの中央寄りの位置まで入り込むように配置されている。
【0038】
以上、説明したように本実施形態の端子台1によれば、重ねられた2枚の板状端子台11,12を直交方向D3(
図1)から見た平面視において、ネジ頭被覆部111c,121cどうしが互いにずれた位置に配置されるように、2枚の板状端子台11,12それぞれの端子ボルト113,123が設けられている。これにより、2枚の板状端子台11,12を重ねて端子台1を構成するに当たり、ネジ頭被覆部111c,121cどうしの干渉が
図4に模式的に示されているように回避される。
図4(a)には、本実施形態における2枚の板状端子台11,12それぞれの端子ボルト113,123を通る断面が示されている。
図4(b)には、本実施形態と比較するための比較例として、平面視において、ネジ頭被覆部111c,121cどうしが互いに一致する位置に配置された場合の2枚の板状端子台11’,12’の断面が示されている。
【0039】
図4(b)に示されているようにネジ頭被覆部111c,121cどうしが互いに一致する位置に配置された場合、2枚の板状端子台11’,12’が重ねられるとネジ頭被覆部111c,121cどうしが干渉する。この場合には、2枚の板状端子台11’,12’を重ねるときには2つのネジ頭被覆部111c,121cの厚みの合計に相当する間隔W1’が、2枚の板状端子台11’,12’の相互間に開くこととなる。
【0040】
これに対し、
図4(a)に示されている本実施形態の端子台1によれば、ネジ頭被覆部111c,121cどうしの干渉が回避されるので、2枚の板状端子台11,12を重ねるときの2枚の板状端子台11,12の相互間の間隔W1は、ネジ頭被覆部111c,121cの1つ分の厚みに相当する間隔で済む。つまり、本実施形態の端子台1では、2枚の板状端子台11,12を重ねて端子台1を構成しつつも、その端子台1の薄型化が図られている。
【0041】
尚、本実施形態では、2枚の板状端子台11,12の相互間でネジ頭被覆部111c,121cどうしが互いにずれた位置に配置されるような端子ボルト113,123の配列の一例として、
図2に示されているように、2枚の板状端子台11,12の相互間で互い違いの配列となった千鳥配列が例示されている。しかしながら、ネジ頭被覆部111c,121cどうしを互いにずらす端子ボルト113,123の配列は、このような千鳥配列に限るものではなく、例えば、次のような別例の配列であってもよい。
【0042】
図5は、2枚の板状端子台の相互間でネジ頭被覆部どうしを互いにずらす端子ボルトの配列の別例を示す図である。この
図5には、各板状端子台11”,12”における端子ボルト113”,123”の配列以外は、
図2に示されている端子台1と同等な別例の端子台1”が示されている。
図5(a)には、別例の端子台1”における第1の板状端子台11”の平面図が示され、
図5(b)には、別例の端子台1”における第2の板状端子台12”の平面図が示されている。
図5では、
図2に示されている構成要素と同等な構成要素については、
図2と同じ符号が付されており、以下では、これら同等な構成要素についての重複説明を省略する。
【0043】
この
図5に示されている別例では、第1の板状端子台11”のハウジング111”において、回路端子112b”の接続領域112b−1”及び端子ボルト113”が配列方向D1に1列に配列されている。同様に、第2の板状端子台12”のハウジング121”においても、回路端子122b”の接続領域122b−1”及び端子ボルト123”が配列方向D2に1列に配列されている。ただし、2枚の板状端子台11”,12”の相互間で、各1列の接続領域112b−1”,122b−1”及び端子ボルト113”,123”の配列が、配列方向D1,D2に直交するとともにハウジング111”,121”の表裏面に平行なズレ方向D6にずれている。そして、このような別例の配列を採用した端子台1”でも、2枚の板状端子台11”,12”の相互間で不図示のネジ頭被覆部の位置を互いにずらせて、
図1〜
図4を参照して説明した本実施形態の端子台1と同様に薄型化を図ることができる。
【0044】
ここで、本実施形態の端子台1では、各板状端子台11,12において、隣り合う端子ボルト113,123が、上記のズレ方向D4,D5にずれて配列されている。これにより、これらの端子ボルト113,123の配列方向D1,D2における間隔W2,W3が、
図5に示されている別例のように1列に配列されている端子ボルト113,123の配列方向D1,D2における間隔W2”,W3”よりも詰められている。その結果、本実施形態の端子台1では、各板状端子台11,12の配列方向D1,D2の幅W4,W5が、
図5に示されている別例における各板状端子台11”,12”の配列方向D1,D2の幅W4”,W5”よりも短縮されている。本実施形態の端子台1では、この短縮により、各板状端子台11,12の小型化、延いては端子台1の小型化が図られている。そして、隣り合う端子ボルト113,123のズレ方向D4,D5のずれが、2枚の板状端子台11,12の相互間において互い違いのずれになっていることから、上述したようにネジ頭被覆部111c,121cどうしの干渉が回避され、2枚の板状端子台11,12で構成される端子台1の薄型化も図られている。
【0045】
また、本実施形態の端子台1では、2枚の板状端子台11,12それぞれにおいて、端子ボルト113,123が5つ、上記のズレ方向D4,D5に交互に位置がずれた千鳥配列となるように配列方向D1,D2に並べられて配置されている。そして、2枚の板状端子台11,12の相互間において、千鳥配列が互い違いの配列になっている。これにより、配列方向D1,D2における間隔W2,W3を詰めた5つの端子ボルト113,123の配列により端子台1の小型化が図られ、ネジ頭被覆部111c,121cどうしの干渉の回避により、2枚の板状端子台11,12で構成される端子台1の薄型化も図られている。
【0046】
また、本実施形態の端子台1によれば、2枚の板状端子台11,12それぞれにおいて、隣り合う回路端子112b、122bの接続領域112b−1,122b−1が、バスバー112a,122aの幅方向に沿ったズレ方向D4,D5に互いにずれた位置に配置されている。これにより、接続領域112b−1,122b−1が、配列方向D1,D2について上記のように間隔W2,W3を詰めて配置されて、この配列方向D1,D2について各板状端子台11,12の寸法W4,W5を短縮して小型化が図られている。
【0047】
また、本実施形態の端子台1によれば、第1の板状端子台11において、一方の回路端子112bの接続領域112b−1における他方の回路端子112b側の縁112b−1aが、該他方の回路端子112bの接続領域112b−1における前記一方の回路端子112b側の縁112b−1bよりも該他方の回路端子112bの中央寄りの位置まで入り込むように配置されている。これにより、配列方向D1について接続領域112b−1の間隔W2が一層詰められている。第2の板状端子台12についても回路端子122bの同様の配置により、配列方向D2について接続領域122b−1の間隔W3が一層詰められている。このように、本実施形態の端子台1では、配列方向D1,D2について各板状端子台11,12の寸法W4,W5が一層短縮されて小型化されている。
【0048】
また、本実施形態の端子台1によれば、第1の板状端子台11において、5つの回路端子112bそれぞれにおける接続領域112b−1が千鳥配列となるように配列方向D1に並べられて配置されている。これにより、回路端子112bの数を5つに増やしつつも、配列方向D1における接続領域112b−1の間隔W2を詰めて第1の板状端子台11の小型化が図られている。第2の板状端子台12についても5つの回路端子122bの同様の配置により、接続領域122b−1の間隔W3を詰めて第2の板状端子台12の小型化が図られている。
【0049】
尚、以上に説明した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の端子台の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【0050】
例えば、上述した実施形態及び別例では、本発明にいう端子台の一例として、可溶体112c,122cを介して電力を回路に供給するいわゆるヒュージブルリンクとしての端子台1が例示されている。しかしながら、本発明にいう端子台は、これに限るものではなく、例えば可溶体を備えない単純な端子台であってもよい。
【0051】
また、上述した実施形態及び別例では、本発明にいう板状端子台の一例として、5つの端子ボルト113,123を備えた板状端子台11,12が例示されている。しかしながら、本発明にいう板状端子台は、これに限るものではなく、端子ボルトを1つ備えたものであってもよく、端子ボルトを5つ以外の複数個備えたものであってもよい。同様に、各端子ボルトのネジ部が貫通する端子についても、その数を問うものではない。
【0052】
また、本発明にいう端子台の一例として、上述した実施形態では、2枚の板状端子台11,12の相互間で、互い違いの千鳥配置に端子ボルト113,123が配列された端子台1が例示され、別例では、2枚の板状端子台11”,12”の相互間で位置をずらせて端子ボルト113,123が各々1列に配列された端子台1”が例示されている。しかしながら、本発明にいう端子台は、これらに限るものではなく、2枚の板状端子台の相互間でネジ頭被覆部どうしが互いにずれた位置に配置されるものであれば、端子ボルトの具体的な配列やずらせ方を問うものではない。同様に、各端子ボルトのネジ部が貫通する端子についても、その接続領域の具体的な配列やずらせ方を問うものではない。