(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係る現金両替機の実施形態を説明する。
図1に、現金両替機の外観斜視図を示す。
図2に、現金両替機の構成要素のブロック図を示す。現金両替機1は、金融機関等に設置され、両替される貨幣を受け入れ、指定された金種の貨幣を払い出す両替処理を行う自動取引装置であり、操作ユニット12、紙幣入出金機構ユニット13、硬貨入出金機構ユニット14、包装硬貨出金機構ユニット15、カード機構ユニット16、明細票機構ユニット17、そして、これら各ユニットを制御する制御モジュール11を含んで構成されている。制御モジュール11は、CPU、メモリ等のハードウェア資源と、プログラム、データ等のソフトウェア資源とから構成され、両替取引を処理、管理等する。
【0012】
操作ユニット12は、利用者操作ユニット12aと金融機関関係者操作ユニット12bとを備えている。利用者操作ユニット12aは、画面表示、キー入力検知機能を備えており、現金両替機の利用者が取引を行う際、現金両替機の利用者側である前面で、取引操作の誘導画面を表示したり、両替金種の指定等、利用者によって操作されたキー入力を受付ける。
【0013】
関係者操作ユニット12bも画面表示、キー入力検知機能を備えており、現金貨幣の補充・回収の処理や取引集計印字などの運用処理を行う際、処理操作の誘導画面を表示したり、関係者によって操作された入力を受付ける。
【0014】
利用者操作ユニット12aと関係者操作ユニット12bはタッチパネル等により構成された入力兼表示ユニットとして提供されることが望ましい。両ユニットは、種々の情報を表示画面に表示し、表示画面に含まれる色々な項目への入力操作を検知する。
【0015】
カード機構ユニット16は、利用者によるカードの挿入、又は、利用者に対するカードの返却動作、カードの磁気ストライプ、及び/又は、カードのICチップに対する、リード又はライト動作を行う。
【0016】
明細票機構ユニット17は印字ユニットを備え、取引内容を明細票に印字し、明細票を現金両替機から利用者等に送出する。紙幣入出金機構ユニット13は、両替される紙幣の入金と両替された紙幣の出金を行う。
【0017】
硬貨入出金機構ユニット14は、両替手数料としての硬貨の入金と両替された硬貨の出金を行う。包装硬貨出金機構ユニット15は、両替硬貨としての包装硬貨の出金を行う。
【0018】
次に、現金両替機において、紙幣等の貨幣を収容するための構成について説明する。同構成を、
図3に従い、現金両替機の側面から見た透視図を用いて説明する。
図3(1)は現金両替機の右側面から透視した現金両替機内部の模式図であり、紙幣を収容する紙幣収容領域31が現金両替機の下半分の領域に配置されている。紙幣収容領域は上部ユニット31Aと下部ユニット31Bとを備えている。上部ユニット31Aは紙幣入出金口、紙幣一時保留部、紙幣識別部、各部位を巡る搬送路を備え、主な機能は入金処理において利用者が投入した紙幣を識別し、取引が成立した場合は紙幣を下部ユニットの入金用カセットへ収容することと、出金処理においては下部ユニットの出金用カセットから紙幣を繰出し、紙幣を識別し、紙幣入出金口へ搬送することにある。下部ユニット31Bは、両替機においては、入金用カセット(通常1個)と出金用カセット(通常3〜4個)とを分けた構成として実現される。各カセットの上部側には繰出しと集積の機構が備わっている。
【0019】
さらに、
図3(2)は現金両替機の左側面から透視した現金両替機内部の模式図であり、硬貨を収容する硬貨収容領域32が現金両替機の上半分の領域に配置され、包装硬貨を収容する包装硬貨収容領域33が現金両替機の下半分の領域に配置されている。
【0020】
図4に、硬貨収容領域32の詳細を示す。
図4は、硬貨収容領域32と前記硬貨入出金機構ユニット14とを現金両替機の左側面から表している。硬貨収容領域32は硬貨入出金機構ユニット14によって搬送等される硬貨を収容する。硬貨収容領域32は、硬貨の収納のための硬貨ユニット(硬貨ホッパ)41〜44と、硬貨の回収等の運用も可能する硬貨ユニット(硬貨ユニット41〜44から区別するために、便宜上、硬貨運用ユニット、と記載する。)45とを備え、これらは硬貨の繰出しと収納の両機構を実行し、硬貨収容領域に対応する。硬貨ユニット41〜44は、夫々決められた金種の硬貨を収容する。硬貨運用ユニット45は着脱可能なカセット式として構成されている。
【0021】
次に、硬貨収容領域32に関連する前記硬貨入出金機構ユニット14について説明する。硬貨入出金機構ユニット14は次のとおり構成されている。
【0022】
硬貨入出金口46は利用者からの入金硬貨を受付ける硬貨の投入口であり、さらに、硬貨ユニット41〜44から硬貨が払い出される出金口でもある。
【0023】
硬貨検銭ユニット47は硬貨入出金口46から投入された貨幣媒体が受付可能な金種であるかどうかを判断する。受付可と判断された媒体は硬貨搬送路52を経由して一時保留ユニット49で滞留させる。受付不可と判断したものは硬貨搬送路53を経由して硬貨返却口48へ返却される。
【0024】
受付可能な金種は両替手数料の金額によって異なり、両替取引において両替手数料が500円未満となる場合は100円硬貨、50円硬貨のみが受付可能となり、その他の金種(1円、5円、10円、500円)は受付不可扱いとなる。
【0025】
両替取引の両替手数料が500円以上の場合は、500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨が受付可能となり、1円、5円、10円が受付不可扱いとなる。
【0026】
硬貨搬送路(搬送機構)54〜56は硬貨を1枚ずつ搬送でき、一時保留ユニット49の硬貨を硬貨ユニット41〜44へ搬送し、硬貨ユニット41〜44から繰出した硬貨を入出金口46へ搬送する。さらに、硬貨搬送路54〜56は、硬貨ユニット41〜44と硬貨運用ユニット45間で双方向に硬貨を出入りさせる。
【0027】
硬貨搬送路54上に硬貨識別ユニット51があり、同ユニットは、入出金動作時、硬貨運用ユニット45の装填、硬貨の補充、硬貨の回収、硬貨の精査時等において、搬送路54で搬送される硬貨を識別する。
【0028】
硬貨ユニット41〜44と硬貨運用ユニット45は、夫々の下部に繰出し機構を備え、硬貨を硬貨搬送路54へ送出する。さらに、各ユニットの上部に硬貨を取り込む機構があり、硬貨搬送路56から各ユニットへ硬貨が収納される。硬貨運用ホッパ引出用トレー50は硬貨収容領域32から硬貨運用ユニット45の引き出しを可能にする。
【0029】
従来の現金両替機では、硬貨入金箱は両替機本体装置の前面側の扉下部付近に配置されているため、硬貨入金箱内の現金を回収するためには、金融機関の関係者は前面扉を開閉してアクセスするか、もしくは後面扉を開閉し下部に配置されているユニットを引き出した状態で硬貨入金箱にアクセスする等の操作が必要となり、出金現金や入金現金の回収操作に比べると操作方法が複雑で面倒であるという課題があったが、硬貨収容領域32から硬貨運用ユニット45の引き出しを可能にすることによって、出金現金や入金現金と同様に手数料現金の管理がやり易くなる。
【0030】
図5に、硬貨収容領域32の金種構成例を示す。
図5は、硬貨収容領域32と硬貨入出金機構ユニット14とを現金両替機の左側面から表している。同一金種の硬貨であれば出金現金と手数料現金を区別せずユニット(ホッパ)に混在して収容してもよい。100円硬貨は両替取引での出金枚数が他金種に比べ多いため、2つの硬貨ユニット42,43を割り当てている。この例では利用者が投入した両替手数料硬貨は、金種に応じて41〜44のいずれかのユニットに収容される。硬貨収容領域32から硬貨運用ユニット45の引き出しを可能にしているために、硬貨運用ユニット45は、貨幣の補充、回収、計数用などの貨幣処理の運用のために供される。
【0031】
硬貨搬送路54〜56は硬貨を1枚ずつ搬送させるために、硬貨ユニット41〜44の少なくとも一つと硬貨運用ユニット45との間で貨幣の移動を可能にしている。この動作は、手数料計数(
図6(a))と手数料収納(
図6(b))を備える。
【0032】
図6(a)において、硬貨入出金口46から投入された貨幣媒体が受付可能な金種であるかどうかを硬貨検銭ユニット47が判断する。受付可と判断された貨幣媒体は硬貨搬送路52を経由して一時保留ユニット49に滞留される。受付不可と判断された貨幣媒体は硬貨搬送路53を経由して硬貨返却口48に返却される。制御モジュール11は、受付けた硬貨の合計金額が両替手数料金額に達した時点で接客面の硬貨入出口シャッタ(図示なし)を閉じて硬貨入出金口46への追加投入を受付けないようにする。
【0033】
図6(b)において、制御モジュール11は、一時保留ユニット49に滞留している硬貨を順次繰出し、硬貨搬送路54を経由して硬貨識別ユニット51で金種を識別する。500円硬貨は硬貨ユニット41へ、100円硬貨は硬貨ユニット42へ、50円硬貨は硬貨ユニット44へ振り分けられる。42と43の硬貨ユニットのうち硬貨ユニット42が優先されて、100円硬貨が収容される。硬貨ユニット42が満杯に近い状態の場合、100円硬貨が硬貨ユニット43に収容される。
【0034】
図7に、制御モジュール11が管理する、両替取引の集計情報を示す。この集計情報は管理テーブルとして、制御モジュール11のメモリに記憶される。管理テーブルは、両替の取引件数、取引金額、手数料金額、現金種類毎の出金枚数等を管理する。
【0035】
図8に、制御モジュール11が管理する、現金両替機内部に保有される現金貨幣量の情報を示す。当該情報は管理テーブルとして制御モジュール11のメモリに記憶される。紙幣は入金として受付けられた分と出金用の準備金とが区別され、夫々金種別に管理される。硬貨は入金分と出金用の準備金を区別せず単に金種別に管理されるようにしてもよい。取扱可能な硬貨の種類は入金用、出金用ともに500円、100円、50円の3種類とされる。なお、現在流通している現金両替機は500円、100円の2種類のみを取扱っているタイプが多い。包装硬貨は出金用の準備金として金種別に管理される。現金貨幣の情報は両替取引にて貨幣に出入りが発生した場合や、現金貨幣の補充・回収処理にて貨幣の出入りが発生した場合に更新される。
【0036】
図9に、現金両替機の制御モジュール11によって行われる両替取引の処理フローを示す。制御モジュール11が利用者に両替金を現金両替機1の紙幣入出金機構ユニット13に投入させると(S801)、紙幣入出金機構ユニット13に両替金を計数させる(S802)。計数が完了次第、利用者操作ユニット12aの画面に両替設定用の案内画面を表示する。
【0037】
制御モジュール11は、利用者に画面上に表示された両替設定用のアイコンを選択させ、希望する出金金種と枚数または本数(包装硬貨の場合)を指定させる(S803)。利用者の両替設定入力が完了すると、制御モジュール11は両替手数料の投入要否を判定して投入が必要と判断した場合は利用者に手数料の投入案内を行う。案内に従って利用者に手数料を硬貨入出金口46から入金させると(S804)、硬貨入出金機構ユニット14に入金された手数料を計数させる(S805)。硬貨収容領域32内の計数処理の詳細については後述する。
【0038】
硬貨手数料の計数を完了させると、制御モジュール11は利用者操作ユニット12aの画面に両替設定内容の確認案内を表示して利用者に確認入力を行わせる(S806)。利用者の確認入力によって、制御モジュール11は両替設定処理で指定された両替金種の出金処理を行うと同時に取引明細票の印字処理を行う(S807)。
【0039】
制御モジュール11は、S807の処理が終了すると、両替取引が成立したとして、利用者が入金した両替金および手数料現金を一時的な退避場所から収納ユニットに移動させ(S808)、両替取引集計情報管理テーブル(
図7)の更新と保有現金量管理テーブル(
図8)の更新を行う(S809)。そして、制御モジュール11は利用者に取引明細票と現金を送出して(S810、S811)、フローを終了させる。
【0040】
制御モジュール11は、両替取引成立時のタイミングで両替取引集計情報管理テーブル(
図7)の更新処理を
図10のフローチャートに従ってスタートさせる。制御モジュール11は、両替取引集計情報管理テーブルにアクセスして、両替取引総件数61のデータに1を加算する(S1001)。
【0041】
制御モジュール11は、両替取引金額63のデータに取引に係る両替金額を加算する(S1002)。制御モジュール11は両替取引の内容から、両替取引が有料取引だったか否かを判定し(S1003)、これを肯定すると、有料取引件数62のデータに1を加算する(S1004)。
【0042】
次いで、制御モジュール11は、両替手数料金額64のデータに取引に係る手数料金額を加算し(S1005)、両替入金枚数(紙幣)65のデータに本取引の紙幣入金枚数を加算する(S1006)。
【0043】
制御モジュール11がS1003のステップにおいて、両替取引が有料でないと判定すると、S1004,S1005のステップをスキップする。制御モジュール11は、両替入金枚数(硬貨)66のデータに本取引の硬貨入金枚数を加算し(S1007)、両替出金枚数(紙幣)67のデータに本取引の紙幣出金枚数を加算する(S1008)。
【0044】
次いで、制御モジュール11は、両替出金枚数(硬貨)68のデータに取引に係る硬貨出金枚数を加算し(S1009)、両替出金本数(包装硬貨)69のデータに取引に係る包装硬貨の出金本数を加算し(S1010)、更新後の両替取引集計管理テーブルをメモリに格納する。
【0045】
制御モジュール11は、両替取引成立時のタイミングで保有現金量管理テーブル(
図8)の更新処理を
図11のフローチャートに従ってスタートさせる。
【0046】
制御モジュール11は、保有現金量管理テーブルにアクセスして、両替取引で入金された紙幣枚数を保有現金量(入金紙幣)72に加算する(S1101)。そして、制御モジュール11は、両替取引で入金された硬貨枚数を保有現金量(入出金硬貨)74に加算し(S1102)、両替取引で出金された紙幣枚数を保有現金量(出金用紙幣)73に加算する(S1103)。
【0047】
さらに、制御モジュール11は、両替取引で出金された硬貨枚数を保有現金量(入出金硬貨)74に加算し(S1104)、両替取引で出金された包装硬貨本数を保有現金量(出金用包装硬貨)75に加算する(S1105)。制御モジュール11は、更新後の保有現金量管理テーブルをメモリに格納する。
【0048】
図12に、両替取引の運用処理のためのメニュー画面(関係者操作ユニット12b)の一例を示す。金融機関の関係者が、「合計」、「小計」、「自動精査」、「手数料回収」、「保有現金量」の各アイコンを操作することにより、選択された処理が制御モジュール11によって起動される。
【0049】
図13に両替取引の集計処理の印字例(明細票)を示す。
図12の「合計」アイコン1201または「自動精査」アイコン1202が操作されることによって、明細票に印字が行われ、関係者はこの印字内容にて、両替手数料の合計金額を確認することができる。制御モジュール11は、操作内容に応じて、明細票機構ユニット17に印字を実行させる。
【0050】
「合計」が操作させると、明細票への印字が完了した時点で、制御モジュール11は、両替取引の集計情報管理テーブル(
図7)をクリアする。「小計」キーが操作された場合、テーブルはクリアされない。1行目(1301)に実行処理名、実行日時が印字される(印字例は「合計」処理の場合である。)。2行目(1302)に前回「合計」処理から起算する累計取引件数(
図7の61に相当)が印字される。3行目から9行目(1303)には、前回「合計」処理からの入金枚数合計と入金金額合計を金種別に印字される(
図7の65、66に相当)。11行目〜14行目(1304)には、前回「合計」処理からの取引金額合計と手数料金額合計、およびその合計が印字される(
図7の63、64に相当)。15行目〜28行目(1305)には、前回「合計」処理からの出金枚数合計と出金金額合計が印字される(
図7の67〜69に相当)。
【0051】
図14に両替機の保有現金量の印字例(明細票)を示す。関係者は印字内容によって、保有現金量を確認することができる。制御モジュール11は、操作内容に応じて、明細票機構ユニット17に印字を実行させる。
図12の「保有現金量」キー1204が操作されることによって、明細票に印字が行われる。1行目(1401)に実行処理名、実行日時が印字される。2行目(1402)に保有された現金量の全金額が印字される(
図8の71に相当) 。3行目〜7行目(1403)に、保有される紙幣のうち、利用者から受付けた入金紙幣の全金額が印字される(
図8の72に相当)。8行目〜11行目(1404)には、保有される紙幣のうち、出金用紙幣の全金額が印字される(
図8の73に相当)。12行目〜18行目(1405)には、保有された包装硬貨の全金額が印字される(
図8の75に相当)。19行目〜22行目(1406)には、保有されたバラ硬貨の全金額が印字される(
図8の74に相当)。
【0052】
図15〜
図17に基づいて自動精査を説明する。自動精査とは、現金両替機に収容されていう現金貨幣の金額(有高)と金種とを自動で精査する機能である。
図15は自動精査のために制御モジュール11が行うフローチャートである。制御モジュール11は、自動精査処理を、関係者操作パネルの運用処理メニュー案内画面の「自動精査」アイコン(
図12の1202)の操作によって起動する(S1501)。制御モジュール11は、紙幣収容領域31、包装硬貨収容領域33、バラ硬貨収容領域32に自動精査処理を実行する(S1502)。制御モジュール11が各収納ユニットに対する自動精査処理を終了させると、明細票機構ユニット17に自動精査の処理結果を印字させ明細票を送出させ、関係者がこれを抜き取れる様にする(S1503)。関係者は抜取った明細票の印字内容によって、現金両替機が保有する現金の精査結果を確認できる(S1504)。
【0053】
図16に硬貨収容領域32に対する自動精査の動作を示す。
図16は、硬貨収容領域32と硬貨入出金機構ユニット14とを現金両替機の左側面から表している。硬貨ユニット42に収容している100円硬貨の動きを例にとり説明する。
【0054】
図16(a)に示すように、硬貨入出金機構ユニット14は、硬貨ユニット42に収容している硬貨を順次搬送路54〜56に繰出して硬貨運用ユニット45へ搬送する。硬貨ユニット42内のすべての硬貨が硬貨運用ユニット45へ移動させる際に、硬貨識別ユニット51は、硬貨ユニット42内に収容されていた総枚数を計数する。硬貨が搬送される途中で、硬貨識別ユニット51によって金種が識別され、硬貨ユニット42内から繰出される硬貨がすべて100円硬貨であることがチェックされる。
【0055】
制御モジュール11は、硬貨ユニット42内のすべての硬貨が硬貨運用ユニット45へ移し終わったら、硬貨運用ユニット45内の硬貨をすべて元の硬貨ユニット42へ戻す動作を行う(
図16(b))。
【0056】
以上が、硬貨ユニット42に収容している100円硬貨の自動精査の動作となるが、他の硬貨ユニットについても同様の動作を行うことにより、硬貨ユニットに収容している全ての硬貨について金種と枚数の把握が可能となる。
【0057】
なお、従来の現金両替機において、自動精査の対象貨幣は、出金現金と入金現金であって、手数料現金を自動精査するという発想はなかった。そもそも、金融機関関係者は、手数料現金の有高を、現金両替機内の硬貨入金箱を取り出して、容易に確認できるからという考え方である。
【0058】
しかしながら、手数料の現金の有高の確認は、店舗毎の事務取扱規定に従う必要がある厄介なものであり、現金両替機内の硬貨入金箱を取り出して、手数料現金を計数することも、手間のかかるものであった。
【0059】
そこで、既述のとおり、手数料現金を自動精査の対象に含め、さらに、もともと、手数料現金の回収操作は出金現金や入金現金に比べると操作方法が分かり難く、かつ、面倒な操作になるというものであったが、運用ユニット45を硬貨収容領域32から繰り出して着脱可能なカセットへ搬送すれば、手数料現金の回収も容易になる。
【0060】
図17は自動精査処理の結果印字例(明細票)である。関係者は本印字内容にて、現金両替機が保有する現金の計数結果を確認することができる。紙幣(入金分)、紙幣(出金用)、包装硬貨、バラ硬貨の計数結果について枚数(包装硬貨の場合は本数)と金額のそれぞれが印字され、最終行には全金額が印字される。
【0061】
図18に、制御モジュール11によって行われる手数料現金を回収する処理フローを示す。制御モジュール11は、関係者操作ユニット12bによって、運用処理メニュー案内画面(
図12)の「手数料回収」アイコン1203が操作されることによって、処理を起動する。手数料現金の全額ではなく一部の金額を回収する場合は、回収する金額が入力されればよい(S901)。
【0062】
手数料回収処理を起動すると、制御モジュール11は両替取引集計情報管理テーブル(
図7)を参照し、全額回収の場合は両替手数料金額(
図7の64)に相当する金額を、一部の金額を回収する場合は入力された金額分を、所定の硬貨ユニット(
図4)から繰出して硬貨運用ユニット45に搬送させる(S902)。
【0063】
搬送処理が終了した時点で、制御モジュール11は、管理テーブルの両替手数料金額(
図7の64)と保有現金量(入出金硬貨)(
図8の74)を回収した分だけ減算する(S903)。
【0064】
制御モジュール11は、手数料回収処理を終了すると、硬貨収納ユニット32の引出用トレー50をスライド可能な状態とし、明細票機構ユニット17に手数料回収処理の結果の印字を実行させ、明細票を送出させる(S904)。制御モジュール11は、関係者に、明細票機構ユニット17から明細票を抜取れるようにするとともに、硬貨収容領域32から硬貨運用ユニット45をスライドさせて硬貨運用ユニットを抜取り、手数料現金が回収できるようにする(S905)。そして、明細票の印字内容から、回収した手数料現金の金額が確認できるようにする(S906)。
【0065】
図19に、手数料現金を硬貨運用ユニット45に回収する際の硬貨入出金機構ユニット14の動作を示す。
図19は、硬貨収容領域32と硬貨入出金機構ユニット14とを現金両替機の左側面から表している。
【0066】
制御ユニット11は、管理テーブル(
図7)にアクセスして、両替手数料金額(
図7の64)を読み出し、その金額相当分を硬貨ユニットから繰出して硬貨運用ユニット45へ搬送させる。500円、100円、50円各硬貨の繰出し枚数は総繰出し枚数が最少となるように算出する。例えば、両替手数料金額が12,350円の場合は500円硬貨を24枚、100円硬貨を3枚、50円硬貨を1枚繰出すことになる。
【0067】
関係者はこの状態で硬貨運用ユニット45を硬貨収容領域32から取出して、ユニット内の手数料を回収することができる。
図20に、硬貨収容領域から硬貨運用ユニットをスライドさせた状態を示す。なお、硬貨収容領域32全体を引き出しても硬貨運用ユニット45を取り出せるようにできるが、硬貨収容領域32全体を引き出すと硬貨運用ユニット45以外の他の現金にもアクセスできるため、硬貨運用ユニット45それ自体を、硬貨収容領域32を現金両替機内に留めたまま、取り出せるようにすることがよい。
【0068】
図21に手数料現金回収処理の印字例(明細票)を示す。1行目に実行処理名、実行日時を印字する(2101)。2行目に両替手数料の全金額(
図7の64)が印字され、2行目〜5行目に硬貨運用ユニット45に回収した硬貨の内訳が印字される(2102)。6行目には両替取引総件数のうち手数料を徴収した取引件数(
図7の有料取引件数62)が印字される(2103)。
【0069】
図22に、手数料現金を硬貨入出金口46へ送出する際の硬貨ユニットの動作を示す。
図22は、硬貨収容領域32と硬貨入出金機構ユニット14とを現金両替機の左側面から表している。制御モジュール11は、管理テーブル(
図7)から両替手数料金額(
図7の64)を読み出し、その金額相当分を硬貨ユニット41〜44から繰出して硬貨入出金口46へ搬送する。したがって、硬貨運用ユニット45が硬貨収容領域32から引き出せないようにしたとしても、金融機関関係者は、両替手数料金額を硬貨入出金口46から回収することができる。
【0070】
図21に手数料現金回収処理の印字例(明細票)を示す。既述の実施形態では、硬貨収容領域32を、現金両替機の上部左側に配置したが、上部右側、又は、下部に配置してもよい。硬貨収容領域32に、硬貨ユニットを4基(41〜44)、硬貨運用ユニット1基が配置されたが、これらの数は次のとおり適宜変更可能である。
【0071】
金種毎の硬貨ユニットの41〜44について、500円硬貨用を1基の硬貨ユニット、100円硬貨用を2基の硬貨ユニット、50円硬貨用を1の硬貨ユニットから構成したが、他の金種構成、例えば500円硬貨用を2基、100円硬貨用を2基にする形態の他、500円硬貨用、100円硬貨用、50円硬貨用、10円硬貨用を各1基にした形態でもよい。
【0072】
また、4基の硬貨ユニットをすべて入出金用としたが、1基を入金専用として残りを出金用とする形態でもよい。この場合、利用者から受付けた両替手数料はすべて入金専用の硬貨ユニットへ収容されることになり、管理テーブルに記憶される保有現金量の情報は入金硬貨と出金用硬貨が区別されて管理される。この金種構成の場合、以下に示す運用が行なわれる場合には、入金専用の硬貨ユニット内の全金額額と両替手数料の全金額とが一致しないので注意が必要である。
【0073】
第1に、両替金投入ステップ(
図9のS801)において、硬貨の受付けが可能となった運用、例えば、手数料入金ステップ(
図9のS804)において、100円の両替手数料に対して、500円硬貨を受付けて400円を返却する運用、そして、第2に、千円紙幣を受付けて900円を返却する運用とする場合である。
【0074】
既述の実施形態では、手数料現金の回収時に両替手数料金額に相当する金額をすべて硬貨で回収されるものとしたが、紙幣を含めてもよい。例えば、両替手数料の回収金額が78,900円の場合、内訳は万円紙幣が7枚、千円紙幣が8枚、500円硬貨が1枚、100円硬貨が4枚となる。
【0075】
既述の硬貨投入方式として、硬貨1枚ずつの投入方式でも、一括投入方式のいずれでもよい。両替手数料として受付可能な金種は500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨の3種類としているが、これに50円硬貨の代わりに10円硬貨を加えてもよい。そして、一時保留ユニット49を省略してもよい。その場合、硬貨運用ユニット45を一時保留ユニットとして利用することができる。すなわち、検銭ユニット47に受付けられた硬貨が硬貨運用ユニット45まで搬送されて一旦滞留され、その後硬貨ユニット41〜44に搬送される。
【0076】
既述の実施形態では、関係者操作パネルから「自動精査」や「手数料回収」の実行指示が行われるが、現金両替機外部からの実行指示を受けてもよく、また、曜日や時刻によって実行タイミングを事前に決めておかれてもよい。
【0077】
さらに、自動精査の処理結果や手数料現金回収の処理結果を明細票に印字する形態としたが、明細票への印字処理を行わず関係者操作ユニット12bへの表示、電子メールなどに関係者管理端末に通知されることでもよい。