【文献】
Molecular Cancer Therapeutics,2011年,Vol.10, No.11, Suppl.1,Abstract: C240
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
診断または治療における使用のための、あるいは、哺乳動物における、癌、糖尿病、自己免疫疾患、腎臓病、循環器疾患、膵臓病、腸疾患、肝臓病、神経疾患、神経筋障害、神経運動欠損、神経骨格障害、神経障害、感覚神経機能不全、脳卒中、虚血、摂食障害、α1−アンチトリプシン(AAT)欠損症、バッテン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、骨疾患、外傷、または肺疾患の1以上の症状を、治療する、予防する、または寛解させることにおける使用のための、請求項12または請求項13に記載の組成物。
哺乳動物における、疾患、障害、機能障害、傷害、異常状態、先天性欠損、または外傷の1以上の症状を、診断する、治療する、予防する、または寛解させるための医薬の製造における、請求項12から14のいずれか一項に記載の組成物の使用。
哺乳動物の細胞が、内皮細胞、上皮細胞、血管細胞、肝臓細胞、肺細胞、心臓細胞、膵臓細胞、腸細胞、腎臓細胞、筋肉細胞、骨細胞、樹状細胞、心細胞、神経細胞、血液細胞、脳細胞、線維芽細胞、または癌細胞である、請求項16に記載の組成物。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、VP3領域における表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基の1つまたは組み合わせの改変を含む、AAVキャプシドタンパク質を提供する。また、本発明のAAVキャプシドタンパク質を含むrAAVビリオン、ならびに本発明のAAVキャプシドタンパク質をコードする核酸分子およびrAAVベクターも提供する。有利なことに、本発明のrAAVベクターおよびビリオンは、野生型rAAVベクターおよびビリオンと比較した場合、対象の様々な細胞、組織および臓器の形質導入において改善された効率を有する。
【0008】
一実施形態では、本発明は、AAVキャプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、AAVキャプシドタンパク質のVP3領域が、野生型AAVのキャプシドタンパク質[例えば、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、または配列番号10;かつ、一実施形態では、好ましくは野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2)]のVP3領域におけるリジン残基に対応する位置で非リジン残基を含み、野生型AAVタンパク質のVP3領域におけるリジン残基がK258、K321、K459、K490、K507、K527、K572、K532、K544、K549、K556、K649、K655、K665、およびK706の1以上、またはそれらの任意の組み合わせである、核酸分子を提供する
【0009】
一実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のK532に対応する表面露出リジンが改変される。一実施形態では、AAVキャプシドの表面露出リジンがグルタミン酸(E)またはアルギニン(R)に改変される。特定の実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のK532に対応する表面露出リジンがアルギニンに改変される(K532R)。
【0010】
ある実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のK490、K544、K549、およびK556に対応する1以上の表面露出リジン残基が改変される。ある特定の実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のK490、K544、K549、およびK556に対応する1以上の表面露出リジンがグルタミン酸(E)に改変される。
【0011】
一実施形態では、本発明は、野生型AAV2キャプシドのK544およびK556残基に対応する表面露出リジン残基がグルタミン酸(E)に改変される、AAV2ベクターを提供する。
【0012】
ある実施形態では、野生型AAV8キャプシド配列のK530、K547、およびK569に対応する1以上の表面露出リジン残基が改変される。ある特定の実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のK530、K547、およびK569に対応する1以上の表面露出リジン残基がグルタミン酸(E)に改変される。
【0013】
一実施形態では、AAVキャプシドの表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基の組み合わせが改変され、ここで改変は、野生型AAVキャプシド配列の[例えば、配列番号1−10の1以上;かつ、特定の実施形態では、野生型AAV2配列のキャプシドタンパク質(配列番号2)の]
(Y444F+Y500F+Y730F+T491V)
(Y444F+Y500F+Y730F+T491V+T550V)
(Y444F+Y500F+Y730F+T491V+T659V)
(T491V+T550V+T659V)
(Y440F+Y500F+Y730F)
(Y444F+Y500F+Y730F+T491V+S662V)、および/または
(Y444F+Y500F+Y730F+T491V+T550V+T659V)
に対応する位置で起こる。
【0014】
関連する実施形態では、本発明は本明細書に開示されるベクターおよび組成物を使用するための方法を提供し、かつ開示されたウイルスベクター構築物を用いる、対象の1以上の細胞、1以上の組織、および/または1以上の臓器、特に、哺乳動物のものの形質導入のためのプロセスをさらに提供する。全体的かつ一般的な意味で、そのような方法は一般に、ウイルスベクターで少なくとも第一の細胞または第一の細胞集団を形質転換するのに十分な量および時間で、有効量の、本発明のrAAVベクターおよび/もしくは感染性AAVウイルス粒子、または組換えAAVビリオンを含む、本質的にそれらからなる、またあるいはそれらからなる少なくとも第一の組成物を、対象の適切な宿主細胞内に導入する段階を少なくとも含む。特定の実施形態では、本発明のベクター、ビリオン、または感染性ウイルス粒子は、好ましくは、対象の選択された宿主細胞に1以上の核酸セグメントを導入するためのベクターとして有用である。好ましくは、宿主細胞は哺乳動物の宿主細胞であり、ヒト宿主細胞が本明細書に記載される組換えベクターおよびビリオンのための標的として特に好ましい。ある実施形態では、そのようなベクターは、例えば、本明細書に記載され提供されるベクター、ウイルス、または感染性ビリオンの1以上によって形質転換された哺乳動物の宿主細胞において発現できる、対象の1以上の遺伝子を含む1以上のポリヌクレオチドを含む、選択された治療剤および/または診断剤をコードする1以上の単離されたDNAセグメントさらに含む。
【0015】
一態様では、本発明は、哺乳動物の細胞および組織に1以上の有益または治療的産物をコードする遺伝物質を送達する方法において有用な、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、ビリオン、ウイルス粒子、およびそれらの医薬製剤を含む組成物をさらに提供する。特に、本発明の組成物および方法は、1以上の哺乳動物の疾患の症状の治療、予防(prevention)、および/または寛解(amelioration)におけるそれらの使用を通して、当技術分野において著しい進歩を提供する。多くの様々な疾病、障害、および機能障害の治療における使用のための新規かつ改善されたウイルスベクター構築物を提供することにより、本教示からヒト遺伝子治療が特に利益を得ることが期待されている。
【0016】
別の態様では、本発明は、ベクター構築物が送達された哺乳動物における1以上の障害の予防、治療、および/または寛解のための1以上の哺乳動物の治療剤をコードする、改変されたrAAVベクターに関する。特に、本発明は、哺乳動物の疾患、機能障害、傷害および/または障害の1つ以上の症状の治療、予防(prophylaxis)および/または寛解における使用のための、1以上の哺乳動物の治療剤(例えば、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、酵素、抗体、抗原結合断片、ならびにバリアント、および/またはそれらの活性断片を含むが、これらに限定されない)をコードするrAAVベースの発現構築物を提供する。
【0017】
別の実施形態では、本発明は、細胞における1以上の内因性生物学的過程の活性を変化させる、阻害する、低減させる、妨げる、除去する、または障害する1以上の治療剤をコードする、少なくとも第一の核酸セグメントを含む、遺伝的に改変されたrAAVベクターに関する。特定の実施形態では、そのような治療剤は、1以上の代謝過程、機能障害、障害あるいは疾患の効果を選択的に阻害するまたは低減させるものであってもよい。ある実施形態では、欠陥は、治療が望まれる哺乳動物への傷害または外傷(trauma)によって引き起こされ得る。他の実施形態では、欠陥は、内因性生体化合物の過剰発現によって引き起こされ得る、一方、他の実施形態ではさらに;欠陥は、1以上の内因性生体化合物の過小発現または欠如によって引き起こされ得る。
【0018】
ベクターでトランスフェクトされた特定の細胞への、外因性タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、リボザイム、siRNA、および/またはアンチセンスオリゴヌクレオチドの導入のために、そのようなベクターの使用が意図される場合、例えば、ペプチド、タンパク質、ポリペプチド、抗体、リボザイム、siRNA、およびアンチセンスオリゴもしくはポリヌクレオチドを含む、コードされた治療剤を産生するために、ベクターを含む細胞においてポリヌクレオチドを発現する、少なくとも第一の異種プロモーターの下流に作動可能に配置され、かつその制御下にある、少なくとも第一の外因性ポリヌクレオチドを、ベクターに組み込むことにより、本明細書に開示される改変されたAAVベクターを採用し得る。そのような構築物は、対象の治療剤を発現するために1以上の異種プロモーターを採用し得る。そのようなプロモーターは、構成的、誘導性、または細胞もしくは組織特異的であってもよい。例示的なプロモーターには、CMVプロモーター、β−アクチンプロモーター、ハイブリッドCMVプロモーター、ハイブリッドβ−アクチンプロモーター、EF1プロモーター、U1aプロモーター、U1bプロモーター、Tet−誘導性プロモーター、VP16−LexAプロモーター、ジョイント特異的(joint−specific)プロモーターおよびヒト特異的プロモーターを含むが、これらに限定されない。
【0019】
本発明の遺伝的に改変されたrAAVベクターまたは発現系はまた、rAAVベクターにクローニングされた異種遺伝子の転写を変化させるまたは達成する(effect)ために、1以上のエンハンサー、調節エレメント、転写エレメントを含む、本質的にそれらからなる、またはそれらからなる第二の核酸セグメントをさらに含み得る。例えば、本発明のrAAVベクターは、少なくとも第一のCMVエンハンサー、合成エンハンサー、または細胞もしくは組織特異的エンハンサーを含む、本質的にそれらからなる、またはそれらからなる第二の核酸セグメントをさらに含み得る。第二の核酸セグメントはまた、1以上のイントロン配列、転写後調節エレメントなどをさらに含み得る、本質的にそれらからなり得る、またはそれらからなり得る。本発明のベクターおよび発現系はまた、便利な制限部位でのrAAVベクターへの1以上の選択された遺伝要素、ポリヌクレオチドなどの挿入を容易にするために、1以上のポリリンカーまたはマルチプル制限部位/クローニング領域を含む、本質的にそれらからなる、またはそれらからなる第三の核酸セグメントを任意にさらに含み得る。
【0020】
本発明の態様では、本明細書に開示される1以上の改善されたrAAVベクター内に含まれる外因性ポリヌクレオチドは、好ましくは、哺乳動物起源のものであり、ヒト、霊長類、マウス、ブタ、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ウマ、エピン(epine)、ヤギまたはオオカミ起源のポリペプチドおよびペプチドをコードするポリヌクレオチドが特に好ましい。
【0021】
上述の通り、外因性ポリヌクレオチドは、好ましくは、1以上のタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、酵素、抗体、siRNA、リボザイム、もしくはアンチセンスポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA分子、またはこれらの治療剤の2以上の組み合わせである。実際に、外因性ポリヌクレオチドは、所望され得るように、そのような分子の2以上、またはそのような分子の複数をコードし得る。組み合わせ遺伝子治療が望まれる場合、2以上の異なる分子が単一のrAAV発現系から産生されてもよく、またあるいは、選択された宿主細胞が、2以上の固有のrAAV発現系であって、その各々が治療剤をコードする1以上の別個のポリヌクレオチドを含み得るものでトランスフェクトされてもよい。
【0022】
他の実施形態では、本発明はまた、治療的および/または予防的遺伝子治療計画のための、ヒトなどの哺乳動物への投与のために製剤化された、それ自身もまた1以上の希釈剤、バッファー、生理学的溶液または医薬的賦形剤内に含まれ得る、感染性アデノ随伴ウイルス粒子もしくはビリオン、または複数のそのような粒子内に含まれる、遺伝的に改変されたrAAVベクターを提供する。そのようなベクター、ウイルス粒子、ビリオン、およびそれらの複数はまた、選択された家畜(livestock)、珍しい(exotic)動物もしくは家畜(domesticated animal)、コンパニオンアニマル(ペットなどを含む)、ならびに非ヒト霊長類、動物標本かそうでなければ捕獲標本(captive specimen)などへの、獣医学的投与に許容可能な、賦形剤製剤(excipient formulation)において提供され得る、ここで、そのようなベクターの使用および関連する遺伝子治療は、そのような動物への投与上の有益な効果を生むために示される。
【0023】
本発明はまた、開示されるrAAVベクター、ウイルス粒子、またはビリオンの少なくとも1つを含む宿主細胞に関する。そのような宿主細胞は、特に哺乳動物の宿主細胞であり、ヒト宿主細胞が特に非常に好ましく、かつ単離されていても、細胞または組織培養中でもいずれであってもよい。遺伝的に改変された動物モデルの場合、形質転換された宿主細胞は、非ヒト動物自体の体内に含まれていてもよい。
【0024】
ある実施形態では、1以上の開示されたrAAVベクターを含む、組換え非ヒト宿主細胞、および/または単離された組換えヒト宿主細胞の作成もまた、例えば、本明細書に開示されるrAAVベクターの大規模量の産生のための手段を含む、様々な診断用かつ研究用プロトコールのために有用であると考えられる。そのようなウイルス産生方法は、特に、遺伝子治療ツールとして有用であるために非常に高い力価のウイルスストックを要求するものを含む、既存の方法の改善であると考えられる。本発明者らは、本方法の1つの非常に重要な利点は、適切なレベルでトランスフェクション率をまだ保持する、哺乳動物の形質導入プロトコールにおけるより低い力価のウイルス粒子を利用する能力であると考える。
【0025】
1以上の開示されたrAAVベクター、発現系、感染性rAAV粒子、または宿主細胞を含む組成物はまた、本発明の一部分、特に、治療における使用のため、かつ1以上の哺乳動物の疾患、障害、機能障害、または外傷の治療のための医薬の製造における使用のための、少なくとも第一の医薬的に許容可能な賦形剤をさらに含む、それらの組成物を形成する。そのような医薬組成物は、1以上の希釈剤、バッファー、リポソーム、脂質、脂質複合体を任意にさらに含み得る;また、チロシン改変rAAVベクターはミクロスフェアまたはナノ粒子内に含まれ得る。ヒトもしくは他の動物の臓器または組織または複数の細胞もしくは組織内への、筋肉内、静脈内、または直接注入に適した医薬製剤が特に好ましい、しかしながら、本明細書に開示される組成物はまた、例えば、体内の1以上の臓器、組織、または細胞の種類内への直接注入に適している製剤を含む、哺乳動物体内の目立たない領域への投与における有用性を見出しうる。そのような注入部位には、脳、関節もしくは関節包、滑膜もしくはサブサイノビアム(subsynovium)組織、腱、靭帯、軟骨、骨、関節周囲筋もしくは哺乳動物の関節の関節窩、ならびに、例えば、腹腔内(intraabdominal)、胸腔内(intrathorascic)、血管内、もしくは脳室内送達を介するウイルスベクターの導入を含む、患者体内の心臓、肝臓、肺、膵臓、腸、脳、膀胱、腎臓、もしくは他の部位などの臓器への直接投与を含むが、これらに限定されない。
【0026】
本発明の他の態様は、例えば、筋肉内、静脈内、関節内、または選択された哺乳動物の1以上の細胞、組織もしくは臓器への直接注入によるなどの、適切な手段による哺乳動物への投与が意図されるベクターの医薬製剤などの、本明細書に開示される1以上のrAAVベクターを含む、本質的にそれらからなる、またはそれらからなるアデノ随伴ウイルスビリオン粒子、組成物、および宿主細胞に関する。典型的には、そのような組成物は、以下に記載される医薬的に許容可能な賦形剤と共に製剤され得る、かつ治療が望まれる選択された臓器、組織、および細胞への投与を促進するために、1以上のリポソーム、脂質、脂質複合体、ミクロスフェアまたはナノ粒子製剤を含み得る。
【0027】
開示されたrAAVベクター、ビリオン、ウイルス粒子、形質転換された宿主細胞またはそのようなものを含む医薬組成物の1以上;および治療的、診断的、または臨床的実施形態においてキットを用いるための指示書を含むキットもまた、本開示の好ましい態様を示す。そのようなキットは、1以上の試薬、制限酵素、ペプチド、治療薬、医薬化合物、または宿主細胞への、もしくは動物への組成物の送達のための手段(例えば、注射器、注射剤(injectable)、等)をさらに含み得る。そのようなキットは、疾患、欠損症、機能障害および/または傷害の症状を治療する、予防する、または寛解させるための治療キットであってもよく、かつ改変されたrAAVベクター構築物、発現系、ビリオン粒子、または複数のかかる粒子、および治療的および/または診断的医療計画においてキットを用いるための指示書を含んでもよい。そのようなキットはまた、市販のための、あるいは、例えばウイルス学者、医療専門家、等を含む他者による使用のための、大量のウイルスベクター自体(それにコードされる治療剤の有無にかかわらず)の産生のために、大規模産生方法において用いてもよい。
【0028】
本発明の別の重要な態様は、脊椎動物などの、動物における様々な疾患、機能障害、または欠損症を予防する、治療するまたは寛解させるための医薬の製造における、本明細書に記載される、開示されたrAAVベクター、ビリオン、発現系、組成物、および宿主細胞の使用の方法に関する。そのような方法は、一般に、それを必要とする哺乳動物、またはヒトへ、1以上の開示されたベクター、ビリオン、ウイルス粒子、宿主細胞、組成物、またはそれらの複数を、罹患した動物におけるそのような疾患、機能障害、または欠損症の症状を予防、治療または和らげるのに十分な量および時間で、投与することを含む。方法はまた、そのような状態を有する疑いがある動物の予防的治療、または診断後、あるいは症状の発症の前のいずれかに、そのような状態を発症する危険があるそれらの動物へそのような組成物を投与することを包含する。
【0029】
上述の通り、外因性ポリヌクレオチドは、好ましくは、1以上のタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、リボザイム、もしくはアンチセンスオリゴヌクレオチド、またはこれらの組み合わせをコードする。実際に、外因性ポリヌクレオチドは、所望され得るように、そのような分子の2以上、またはそのような分子の複数をコードし得る。組み合わせ遺伝子治療が望まれる場合、2以上の異なる分子が単一のrAAV発現系から産生されてもよく、またあるいは、選択された宿主細胞が、2以上の固有のrAAV発現系であって、その各々が少なくとも2つのそのような分子をコードする固有の異種ポリヌクレオチドを提供するものでトランスフェクトされてもよい。
【0030】
他の実施形態では、本発明はまた、1以上の医薬媒体内に含まれる、感染性アデノ随伴ウイルス粒子内に含まれる、かつ治療的、および/または予防的遺伝子治療計画のために、ヒトなどの哺乳動物への投与のために製剤化され得る、開示されたrAAVベクターに関する。そのようなベクターはまた、選択された家畜(livestock)、家畜(domesticated animal)、ペット、等への獣医学的投与に許容可能である医薬製剤に提供され得る。
【0031】
本発明はまた、開示されたrAAVベクターおよび発現系を含む宿主細胞、特に哺乳動物の宿主細胞に関し、ヒト宿主細胞が特に好ましい。
【0032】
1以上の開示されたrAAVベクター、発現系、感染性AAV粒子、宿主細胞を含む組成物はまた、本発明の一部分、特に、医薬の製造およびそのようなrAAVベクターの治療的投与を含む方法における使用のための、少なくとも第一の医薬的に許容可能な賦形剤をさらに含む組成物を形成する。そのような医薬組成物は、任意に、リポソーム、脂質、脂質複合体をさらに含んでもよい;あるいは、rAAVベクターはミクロスフェアまたはナノ粒子内に含まれてもよい。ヒトの臓器もしくは組織への筋肉内、静脈内、または直接注入に適している医薬製剤が特に好まれる。
【0033】
本発明の他の態様は、例えば、適切な手段を介する、例えば、選択された哺乳動物の細胞、組織または臓器への筋肉内、静脈内、もしくは直接投与による、哺乳動物への投与を対象としたベクターの医薬製剤などの、本明細書に開示される1以上のAAVベクターを含む、組換えアデノ随伴ウイルスビリオン粒子、組成物、および宿主細胞に関する。典型的には、そのような組成物は、以下に記載される医薬的に許容可能な賦形剤と共に製剤され得る、かつ治療が望まれる、選択された臓器、組織、および細胞への投与を促進するために、1以上のリポソーム、脂質、脂質複合体、ミクロスフェアまたはナノ粒子製剤を含み得る。
【0034】
1以上の開示されたベクター、ビリオン、宿主細胞、ウイルス粒子または組成物;および(ii)治療的、診断的、または臨床的実施形態においてキットを用いるための指示書を含むキットもまた、本開示の好ましい態様を示す。そのようなキットは、1以上の試薬、制限酵素、ペプチド、治療薬、医薬化合物、または宿主細胞への、もしくは動物への組成物の送達のための手段、例えば、注射器、注射剤(injectable)、等、をさらに含み得る。そのようなキットは、特定の疾患の症状を治療するまたは寛解させるための治療キットであってもよく、かつ本明細書に記載される改変されたrAAVベクター構築物、発現系、ビリオン粒子、または治療用組成物の1以上、ならびにキットを使用するための指示書を含む。
【0035】
本発明の別の重要な態様は、哺乳動物における様々なポリペプチド欠損症の症状を治療するまたは寛解させるための医薬の製造における、本明細書に記載される、開示されたベクター、ビリオン、発現系、組成物、および宿主細胞の使用の方法に関する。そのような方法は、一般に、それを必要とする哺乳動物、またはヒトへ、1以上の開示されたベクター、ビリオン、宿主細胞、または組成物を、罹患した哺乳動物におけるそのような欠損症の症状を治療するまたは寛解させるのに十分な量および時間で、投与することを含む。方法はまた、そのような状態を有する疑いがある動物の予防的治療、または診断後、あるいは症状の発症の前のいずれかに、そのような状態を発症する危険があるそれらの動物へそのような組成物を投与することを包含する。
【0036】
配列の簡単な説明
配列番号1は、野生型アデノ随伴ウイルス血清型1(AAV1)のキャプシドタンパク質のアミノ酸配列である;
配列番号2は、野生型アデノ随伴ウイルス血清型2(AAV2)のキャプシドタンパク質のアミノ酸配列である;
配列番号3は、野生型アデノ随伴ウイルス血清型3(AAV3)のキャプシドタンパク質のアミノ酸配列である;
配列番号4は、野生型アデノ随伴ウイルス血清型4(AAV4)のキャプシドタンパク質のアミノ酸配列である;
配列番号5は、野生型アデノ随伴ウイルス血清型5(AAV5)のキャプシドタンパク質のアミノ酸配列である;
配列番号6は、野生型アデノ随伴ウイルス血清型6(AAV6)のキャプシドタンパク質のアミノ酸配列である;
配列番号7は、野生型アデノ随伴ウイルス血清型7(AAV7)のキャプシドタンパク質のアミノ酸配列である;
配列番号8は、野生型アデノ随伴ウイルス血清型8(AAV8)のキャプシドタンパク質のアミノ酸配列である;
配列番号9は、野生型アデノ随伴ウイルス血清型9(AAV9)のキャプシドタンパク質のアミノ酸配列である;
配列番号10は、野生型アデノ随伴ウイルス血清型10(AAV10)のキャプシドタンパク質のアミノ酸配列である;
配列番号11は、本発明による有用なオリゴヌクレオチドプライマー配列である;かつ
配列番号12は、本発明による有用なオリゴヌクレオチドプライマー配列である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
実施形態の説明
本発明は、VP3領域における表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基の1つまたは組み合わせの改変を含む、AAVキャプシドタンパク質を提供する。また、本明細書に開示される1以上のAAVキャプシドタンパク質変異を含むrAAVビリオン、ならびに本発明のAAVキャプシドタンパク質をコードする核酸分子およびrAAVベクターも提供される。有利なことに、本発明のrAAVベクターおよびビリオンは、野生型のrAAVベクターおよびビリオンと比較した場合、対象の様々な細胞、組織および臓器の形質導入において改善された効率を有する、かつ/あるいはベクターに対する宿主免疫応答を低減させる。
【0039】
一実施形態では、本発明は、AAVキャプシドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、AAVキャプシドタンパク質のVP3領域が、野生型AAV[例えば、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、または配列番号10;かつ、一つの特定の例示的実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2)]のキャプシドタンパク質のVP3領域における1以上のリジン残基に対応する1以上の位置で非リジン残基を含み、野生型AAVのVP3領域における1以上のリジン残基が
図2Aおよび
図2Bに図示される1以上のリジン残基から選択される、核酸分子を提供する。
【0040】
特定の実施形態では、野生型AAVキャプシドタンパク質[例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2)]のK258、K321、K459、K490、K507、K527、K572、K532、K544、K549、K556、K649、K655、K665、およびK706からなる群から選択される1以上のリジン残基に対応する、1以上の表面露出リジン残基が改変される。
【0041】
一実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のK532に対応する表面露出リジン残基が改変される。一実施形態では、AAVキャプシドの表面露出リジン残基がグルタミン酸(E)またはアルギニン(R)へと改変される。一つの特定の実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のK532に対応する表面露出リジン残基がアルギニンへと改変される(K532R)。
【0042】
ある実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のK490、K544、K549、およびK556に対応する1以上の表面露出リジン残基が改変される。ある特定の実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のK490、K544、K549、およびK556に対応する1以上の表面露出リジン残基がグルタミン酸(E)へと改変される。
【0043】
一実施形態では、本発明は、野生型AAV2キャプシドのK544およびK556残基に対応する表面露出リジン残基がグルタミン酸(E)へと改変される、AAV2ベクターを提供する。
【0044】
ある実施形態では、野生型AAV8キャプシド配列のK530、K547、およびK569に対応する1以上の表面露出リジン残基が改変される。ある特定の実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のK530、K547、およびK569に対応する1以上の表面露出リジン残基がグルタミン酸(E)またはアルギニン(R)へと改変される。
【0045】
また、本発明は、有効量の、本発明のrAAVベクターおよび/またはビリオンを含む組成物を、細胞内に導入することを含む、対象の細胞、組織、および/または臓器の形質導入のための方法を提供する。
【0046】
AAVキャプシドの表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基のリン酸化は、ベクターのユビキチン化/プロテアソーム分解をもたらすことができる。セリン/トレオニンプロテインキナーゼは、細胞分化、転写調節、および発生を含む多種多様な細胞内プロセスに関与する。ウイルスキャプシドの表面露出セリンおよび/またはトレオニン残基のリン酸化は、ベクターのプロテアソーム媒介性分解を誘導し、かつベクター形質導入効率を低減させる。細胞性上皮成長因子受容体タンパク質チロシンキナーゼ(EGFR−PTK)もまた、表面チロシン残基でキャプシドをリン酸化し、それゆえ、核輸送およびそれに続く組換えAAV2ベクターによる導入遺伝子発現にマイナスの影響を与える。
【0047】
AAVキャプシド上の表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基が同定される(
図2A、
図2B、
図2C、および
図2D)。例えば、野生型AAV2のキャプシドタンパク質のVP3領域は、様々な表面露出リジン(K)残基(K258、K321、K459、K490、K507、K527、K572、K532、K544、K549、K556、K649、K655、K665、K706)、表面露出セリン(S)残基(S261、S264、S267、S276、S384、S458、S468、S492、S498、S578、S658、S662、S668、S707、S721)、表面露出トレオニン(T)残基(T251、T329、T330、T454、T455、T503、T550、T592、T581、T597、T491、T671、T659、T660、T701、T713、T716)、および表面露出チロシン残基(Y252、Y272、Y444、Y500、Y700、Y704、Y730)を含有する。
図2A、
図2B、
図2C、および
図2Dに示されるように、キャプシドのこれらの表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基はAAV1−12間で高度に保存されている。
【0048】
表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基の部位特異的変異誘発が実施された、結果は、表面露出残基の1つまたは組み合わせの改変または置換が、AAVベクターがユビキチン化およびプロテアソーム媒介性分解段階を迂回できるようにし、それによって高効率の形質導入を備える新規AAVベクターを得ることができることを示す。AAVキャプシドの表面露出チロシン残基の置換は、ベクターがユビキチン化を逃れるのを可能にし、それゆえ、プロテアソーム媒介性分解を阻害する。リン酸化されたAAVベクターはそれらの非リン酸化対応物と同じくらい効率的に細胞に侵入できたが、それらの形質導入効率は著しく低減した。一本鎖AAV(ssAAV)および自己相補的AAV(rAAV)の両方の形質導入効率が減少したため、この低減は、ウイルスの二本鎖DNA合成が損なわれたことに起因するものではなかった。
【0049】
表面露出チロシン残基における点突然変異を含有する組換えAAVベクターは、野生型(WT)AAVベクターと比較した場合、より低用量でより高い形質導入効率を与える。
【0050】
さらに、本発明によると、(i)AAV2キャプシド上の15個の表面露出セリン(S)残基のバリン(V)残基での部位特異的変異誘発は、WT AAV2ベクターと比較して、S458V、S492V、およびS662V変異ベクターの改善された形質導入効率を引き起こす;(ii)S662V変異ベクターは、初代ヒト単球由来樹状細胞(moDCs)、従来のAAVベクターによる形質導入を容易に受けることができない細胞種、を効率的に形質導入する;(iii)S662V変異体によるmoDCsの高効率な形質導入は、これらの細胞において表現型変化を全く誘導しない;かつ(iv)切断型ヒトテロメラーゼ(hTERT)遺伝子を有する組換えS662V−rAAVベクターを形質導入されたDCsは、迅速で特異的なT細胞クローン増殖および強力なCTLsの生成をもたらし、K562細胞の特異的な細胞溶解を引き起こす。結果は、本発明のセリン改変rAAV2ベクターがmoDCsの高効率な形質導入をもたらすことを実証する。
【0051】
腫瘍免疫療法のセッティングでは、T細胞活性化およびCD8 T細胞応答の効力および寿命が、治療結果を決定する際の重要な要因である。本発明によると、セリン変異AAV2ベクターによるmoDCの増大した形質導入効率がT細胞の優れたプライミングをもたらした。臨床研究からヒトテロメラーゼが多数の癌患者について広く発現されている拒絶抗原の魅力的な候補であることが示されているため、ヒトテロメラーゼが特異的な標的として用いられた。また、S662V変異ベクターの形質導入効率は、JNKおよびp38 MAPKの特異的阻害剤での細胞の前処置によりさらに増大し、AAV2キャプシド上の1以上の表面露出トレオニン(T)残基がこれらのキナーゼによりリン酸化される可能性が最も高いことを示す。
【0052】
組換えAAVベクターおよびビリオン
本発明の一態様は、VP3領域における表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基の1つまたは組み合わせの改変を含む、AAVキャプシドタンパク質を提供する。本発明のAAVキャプシドタンパク質を含むrAAVビリオン、ならびに本発明のAAVキャプシドタンパク質をコードする核酸分子およびrAAVベクターもまた提供される。有利なことに、本発明のrAAVベクターおよびビリオンは、野生型のrAAVベクターおよびビリオンと比較した場合、対象の様々な細胞、組織および臓器の形質導入において改善された効率を有する。
【0053】
一実施形態では、本発明は、AAVキャプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、AAVキャプシドタンパク質がVP3領域における表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基の1つまたは組み合わせの改変を含む、核酸分子を提供する。有利なことに、表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基の改変は、AAVベクターのユビキチン化のレベルを防止または低減し、それによってプロテアソーム媒介性分解のレベルを防止または低減する。また、本発明による表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基の改変は形質導入効率を改善する。
【0054】
一実施形態では、AAVキャプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、AAVキャプシドタンパク質のVP3領域が以下の特性の1つまたは組み合わせを含む、核酸分子:
(a)
(i)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2(配列番号2)のキャプシドタンパク質)のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるリジン残基に対応する1以上の位置の非リジン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記リジン残基はK258、K321、K459、K490、K507、K527、K572、K532、K544、K549、K556、K649、K655、K665、およびK706からなる群から選択され、前記非リジン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;および/または
(ii)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるリジン残基に対応する1以上の位置の化学修飾されたリジン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記リジン残基はK258、K321、K459、K490、K507、K527、K572、K532、K544、K549、K556、K665、K649、K655、およびK706からなる群から選択され、前記化学修飾されたリジン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;
(iii)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV8のキャプシドタンパク質(配列番号8))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるリジン残基に対応する1以上の位置の非リジン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記リジン残基はK530、K547、およびK569からなる群から選択され、前記非リジン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;および/または
(iv)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV8のキャプシドタンパク質(配列番号8))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるリジン残基に対応する1以上の位置の化学修飾されたリジン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記リジン残基はK530、K547、およびK569からなる群から選択され、前記化学修飾されたリジン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;
(b)
(i)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるセリン残基に対応する1以上の位置の非セリン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記セリン残基はS261、S264、S267、S276、S384、S458、S468、S492、S498、S578、S658、S662、S668、S707、およびS721からなる群から選択され、前記非セリン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;および/または
(ii)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるセリン残基に対応する1以上の位置の化学修飾されたセリン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記セリン残基はS261、S264、S267、S276、S384、S458、S468、S492、S498、S578、S658、S662、S668、S707、およびS721からなる群から選択され、前記化学修飾されたセリン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;
(c)
(i)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるトレオニン残基に対応する1以上の位置の非トレオニン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記トレオニン残基はT251、T329、T330、T454、T455、T503、T550、T592、T581、T597、T491、T671、T659、T660、T701、T713、およびT716からなる群から選択され、前記非トレオニン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;および/または
(ii)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるトレオニン残基に対応する1以上の位置の化学修飾されたトレオニン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記トレオニン残基はT251、T329、T330、T454、T455、T503、T550、T592、T581、T597、T491、T671、T659、T660、T701、T713、およびT716からなる群から選択され、前記化学修飾されたトレオニン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;ならびに/または
(d)
(i)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるチロシン残基に対応する1以上の位置の非チロシン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記チロシン残基はY252、Y272、Y444、Y500、Y700、Y704、およびY730からなる群から選択され、前記非チロシン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;および/または
(ii)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるチロシン残基に対応する1以上の位置の化学修飾されたチロシン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記チロシン残基はY252、Y272、Y444、Y500、Y700、Y704、およびY730からなる群から選択され、前記化学修飾されたチロシン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない。
【0055】
別の実施形態では、本発明は、AAVキャプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、VP3領域における表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基の1以上が以下のように改変される核酸分子を提供する:
(a)
(i)VP3領域における少なくとも1つのリジン残基が化学修飾される、あるいは非リジン残基へと改変される、ここで改変された残基は野生型AAVキャプシド配列(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のK258、K321、K459、K490、K507、K527、K572、K532、K544、K549、K556、K649、K655、またはK706に対応し、前記非リジン残基または前記化学修飾されたリジン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;および/または
(ii)VP3領域における少なくとも1つのリジン残基が化学修飾される、あるいは非リジン残基へと改変される、ここで改変された残基は野生型AAVキャプシド配列(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV8のキャプシドキャプシドタンパク質(配列番号8))のK530、K547、またはK569に対応し、前記非リジン残基または前記化学修飾されたリジン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;
(b)VP3領域における少なくとも1つのセリン残基が化学修飾される、あるいは非セリン残基へと改変される、ここで改変された残基は野生型AAVキャプシド配列(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のS261、S264、S267、S276、S384、S458、S468、S492、S498、S578、S658、S662、S668、S707、またはS721に対応し、前記非セリン残基または前記化学修飾されたセリン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;
(c)VP3領域における少なくとも1つのトレオニン残基が化学修飾される、あるいは非トレオニン残基へと改変される、ここで改変された残基は野生型AAVキャプシド配列(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドキャプシドタンパク質(配列番号2))のT251、T329、T330、T454、T455、T503、T550、T592、T581、T597、T491、T671、T659、T660、T701、T713、またはT716に対応し、前記非トレオニン残基または前記化学修飾されたトレオニン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;ならびに
(d)VP3領域における少なくとも1つのチロシン残基が化学修飾される、あるいは非チロシン残基へと改変される、ここで改変された残基は野生型AAVキャプシド配列(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドキャプシドタンパク質(配列番号2))のY252、Y272、Y444、Y500、Y700、Y704、またはY730に対応し、前記非チロシン残基または前記化学修飾されたチロシン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない。
【0056】
本発明はまた、1以上の表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシンの改変を有するAAV VP3キャプシドタンパク質を提供する。一実施形態では、本発明は、以下の特性の1つまたは組み合わせを含むAAV VP3キャプシドタンパク質を提供する:
(a)
(i)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるリジン残基に対応する1以上の位置の非リジン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記リジン残基はK258、K321、K459、K490、K507、K527、K572、K532、K544、K549、K556、K649、K655、K665、およびK706からなる群から選択され、前記非リジン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;および/または
(ii)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるリジン残基に対応する1以上の位置の化学修飾されたリジン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記リジン残基はK258、K321、K459、K490、K507、K527、K572、K532、K544、K549、K556、K649、K655、K665、およびK706からなる群から選択され、前記化学修飾されたリジン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;
(iii)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV8のキャプシドタンパク質(配列番号8))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるリジン残基に対応する1以上の位置の非リジン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記リジン残基はK530、K547、およびK569からなる群から選択され、前記非リジン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;および/または
(iv)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV8のキャプシドタンパク質(配列番号8))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるリジン残基に対応する1以上の位置の化学修飾されたリジン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記リジン残基はK530、K547、およびK569からなる群から選択され、前記化学修飾されたリジン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;
(b)
(i)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるセリン残基に対応する1以上の位置の非セリン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記セリン残基はS261、S264、S267、S276、S384、S458、S468、S492、S498、S578、S658、S662、S668、S707、およびS721からなる群から選択され、前記非セリン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;および/または
(ii)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるセリン残基に対応する1以上の位置の化学修飾されたセリン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記セリン残基はS261、S264、S267、S276、S384、S458、S468、S492、S498、S578、S658、S662、S668、S707、およびS721からなる群から選択され、前記化学修飾されたセリン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;
(c)
(i)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるトレオニン残基に対応する1以上の位置の非トレオニン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記トレオニン残基はT251、T329、T330、T454、T455、T503、T550、T592、T581、T597、T491、T671、T659、T660、T701、T713、およびT716からなる群から選択され、前記非トレオニン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;および/または
(ii)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるトレオニン残基に対応する1以上の位置の化学修飾されたトレオニン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記トレオニン残基はT251、T329、T330、T454、T455、T503、T550、T592、T581、T597、T491、T671、T659、T660、T701、T713、およびT716からなる群から選択され、前記化学修飾されたトレオニン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;ならびに/または
(d)
(i)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるチロシン残基に対応する1以上の位置の非チロシン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記チロシン残基はY252、Y272、Y444、Y500、Y700、Y704、およびY730からなる群から選択され、前記非チロシン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;および/または
(ii)野生型AAV(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のキャプシドタンパク質のVP3領域におけるチロシン残基に対応する1以上の位置の化学修飾されたチロシン残基、ここで野生型AAVのVP3領域における前記チロシン残基はY252、Y272、Y444、Y500、Y700、Y704、およびY730からなる群から選択され、前記化学修飾されたチロシン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない。
【0057】
別の実施形態では、本発明は、VP3領域における1以上の表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基が以下のように改変されている、AAVキャプシドタンパク質を提供する:
(a)
(i)VP3領域における少なくとも1つのリジン残基が化学修飾される、あるいは非リジン残基へと改変される、ここで改変された残基は野生型AAVキャプシド配列(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のK258、K321、K459、K490、K507、K527、K572、K532、K544、K549、K556、K649、K655、K665、またはK706に対応し、前記非リジン残基または前記化学修飾されたリジン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;および/または
(ii)VP3領域における少なくとも1つのリジン残基が化学修飾される、あるいは非リジン残基へと改変される、ここで改変された残基は野生型AAVキャプシド配列(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV8のキャプシドキャプシドタンパク質(配列番号8))のK530、K547、またはK569に対応し、前記非リジン残基または前記化学修飾されたリジン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;
(b)VP3領域における少なくとも1つのセリン残基が化学修飾される、あるいは非セリン残基へと改変される、ここで改変された残基は野生型AAVキャプシド配列(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のS261、S264、S267、S276、S384、S458、S468、S492、S498、S578、S658、S662、S668、S707、またはS721に対応し、前記非セリン残基または前記化学修飾されたセリン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;
(c)VP3領域における少なくとも1つのトレオニン残基が化学修飾される、あるいは非トレオニン残基へと改変される、ここで改変された残基は野生型AAVキャプシド配列(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドキャプシドタンパク質(配列番号2))のT251、T329、T330、T454、T455、T503、T550、T592、T581、T597、T491、T671、T659、T660、T701、T713、またはT716に対応し、前記非トレオニン残基または前記化学修飾されたトレオニン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない;ならびに
(d)VP3領域における少なくとも1つのチロシン残基が化学修飾される、あるいは非チロシン残基へと改変される、ここで改変された残基は野生型AAVキャプシド配列(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドキャプシドタンパク質(配列番号2))のY252、Y272、Y444、Y500、Y700、Y704、またはY730に対応し、前記非チロシン残基または前記化学修飾されたチロシン残基はAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさない。
図2A、
図2B、
図2C、および
図2Dに示されるように、キャプシドタンパク質のVP3領域に位置する表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基はAAV血清型(AAV1−12)間で高度に保存されている。一実施形態では、AAVキャプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、AAV血清型がAAV1から12から選択される、核酸分子。ある実施形態では、野生型AAVキャプシドタンパク質は配列番号1−10から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0058】
一つの特定の実施形態では、核酸分子は、AAV2キャプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。アデノ随伴ウイルス(AAV2)は非病原性ヒトパルボウイルスである。組換えAAV2ベクターは、in vitroおよびin vivoで、多種多様な細胞および組織を形質導入することが知られており、嚢胞性線維症、アルファ−1アンチトリプシン欠損症、パーキンソン病、バッテン病、および筋ジストロフィーなどの多数の疾患の遺伝子治療のための第I/II相臨床試験において現在用いられている。
【0059】
一実施形態では、本発明は、野生型AAV2キャプシドの1以上のアミノ酸残基が以下のように改変されることを除いて、野生型AAV2のキャプシドタンパク質のアミノ酸配列(配列番号2)を含む、AAVキャプシドタンパク質を提供する:
(a)非リジン残基または化学修飾されたリジン残基がAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさないように、K258、K321、K459、K490、K507、K527、K572、K532、K544、K549、K556、K649、K655、K665、およびK706からなる群から選択される野生型AAV2キャプシド配列の少なくとも1つのリジン残基が、前記非リジン残基へと改変される、あるいは前記リジン残基が前記化学修飾される;
(b)非セリン残基または化学修飾されたセリン残基がAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさないように、S261、S264、S267、S276、S384、S458、S468、S492、S498、S578、S658、S662、S668、S707、およびS721からなる群から選択される野生型AAV2キャプシド配列の少なくとも1つのセリン残基が、前記非セリン残基へと改変される、あるいは前記リジン残基が前記化学修飾される;
(c)非トレオニン残基または化学修飾されたトレオニン残基がAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさないように、T251、T329、T330、T454、T455、T503、T550、T592、T581、T597、T491、T671、T659、T660、T701、T713、およびT716からなる群から選択される野生型AAV2キャプシド配列の少なくとも1つのトレオニン残基が、前記非トレオニン残基へと改変される、あるいは前記トレオニン残基が前記化学修飾される;かつ/または
(d)非チロシン残基または化学修飾されたチロシン残基がAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさないように、Y252、Y272、Y444、Y500、Y700、Y704、およびY730からなる群から選択される野生型AAV2キャプシド配列の少なくとも1つのチロシン残基が、前記非チロシン残基へと改変される、あるいは前記チロシン残基が前記化学修飾される。一実施形態では、非リジン残基または改変されたリジン残基がAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさないように、野生型AAVキャプシド配列(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のK532、K459、K490、K544、K549、K556、K527、K490、K143、またはK137から選択されるリジン残基に対応する表面露出リジンが、非リジン残基へと改変される、かつ/または前記化学修飾される。
【0060】
別の実施形態では、本発明は、野生型AAV8キャプシドのK530、K547、およびK569に対応する1以上の表面露出リジンが非リジン残基(グルタミン酸(E)、アルギニン(R)など)に改変される、かつ/または化学修飾されることを除いて、野生型AAV8のキャプシドタンパク質のアミノ酸配列(配列番号8)を含むAAVキャプシドタンパク質であって、ここで前記非リジン残基または前記改変されたリジン残基がAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさないものである、AAVキャプシドタンパク質を提供する。ある実施形態では、AAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化を避けるために、AAV配列の表面露出リジンがグルタミン酸(E)、アルギニン(R)、セリン(S)、またはイソロイシン(I)へと改変される。
【0061】
本発明はまた、本発明のAAVキャプシドタンパク質(例えば、VP3)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供する。
【0062】
一つの特定の実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のK532に対応する表面露出リジン残基が改変される。一実施形態では、AAVキャプシドの表面露出リジン残基がグルタミン酸(E)またはアルギニン(R)へと改変される。一つの特異的な実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のK532に対応する表面露出リジン残基がアルギニンへと改変される(K532R)。
【0063】
一実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のリジン位置に対応するAAVキャプシドの少なくとも1つの表面露出リジンが、
図2Bに示されるように改変される。
【0064】
一実施形態では、非セリン残基または改変されたセリン残基がAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさないように、野生型AAVキャプシド配列(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のS662、S261、S468、S458、S276、S658、S384、またはS492から選択されるセリン残基に対応する少なくとも1つの表面露出セリン残基が、前記非セリン残基へと改変される、かつ/または前記化学修飾される。
【0065】
一つの特定の実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のS662に対応する表面露出セリン残基が改変される。一実施形態では、AAVキャプシドの表面露出セリン残基がバリン(V)、アスパラギン酸(D)、またはヒスチジン(H)へと改変される。一つの特定の実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のS662に対応する表面露出セリン残基がバリンへと改変される(S662V)。
【0066】
一実施形態では、非トレオニン残基または改変されたトレオニン残基がAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさないように、野生型AAVキャプシド配列[例えば、配列番号1−10;かつ、特定の実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2)]のT455、T491、T550、T659、またはT671から選択されるトレオニン残基に対応する表面露出トレオニン残基が、前記非トレオニン残基へと改変される、かつ/または前記化学修飾される。
【0067】
一つの特定の実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のT491に対応する表面露出トレオニン残基が改変される。一実施形態では、AAVキャプシドの表面露出トレオニン残基がバリン(V)へと改変される。一つの特定の実施形態では、野生型AAV2キャプシド配列のT491に対応する表面露出トレオニン残基がバリンへと改変される(T491V)。
【0068】
一実施形態では、AAVベクターは、野生型AAVキャプシド配列[例えば、配列番号1−10;かつ、特定の実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2)]の(T550V+T659V+T491V)に対応する位置で表面露出トレオニン残基の改変を含む。一実施形態では、非チロシン残基または改変されたチロシン残基がAAVベクターのリン酸化および/またはユビキチン化をもたらさないように、野生型AAVキャプシド配列(例えば、配列番号1−10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2))のY252、Y272、Y444、Y500、Y704、Y720、Y730、またはY673から選択されるチロシン残基に対応する表面露出チロシン残基が、前記非チロシン残基へと改変される、かつ/または前記化学修飾される。
【0069】
一実施形態では、AAVキャプシドの表面露出チロシン残基がフェニルアラニン(F)へと改変される。一実施形態では、AAVベクターは、野生型AAVキャプシド配列[例えば、配列番号1から配列番号10;かつ、特定の実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2)]の(Y730F+Y500F+Y444F)に対応する位置で表面露出チロシン残基の改変を含む。
【0070】
一実施形態では、AAVキャプシドの表面露出リジン、セリン、トレオニンおよび/またはチロシン残基の組み合わせが改変され、ここで改変は野生型AAVキャプシド配列[例えば、配列番号1から配列番号10;一実施形態では、野生型AAV2のキャプシドタンパク質(配列番号2)]の(Y444F+Y500F+Y730F+T491V)、(Y444F+Y500F+Y730F+T491V+T550V)、(Y444F+Y500F+Y730F+T491V+T659V)、(T491V+T550V+T659V)、(Y440F+Y500F+Y730F)、(Y444F+Y500F+Y730F+T491V+S662V)、および/または(Y444F+Y500F+Y730F+T491V+T550V+T659V)に対応する位置で起こる。また、本発明の核酸分子によってコードされるAAVキャプシドタンパク質も提供される。
【0071】
一実施形態では、本発明は、本発明のAAVキャプシドタンパク質をコードする核酸配列を含む組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターを提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明のAAVキャプシドタンパク質を含むrAAVビリオンを提供する。一実施形態では、rAAVベクターおよびビリオンは、野生型のrAAVベクターおよびビリオンと比較した場合、形質導入効率を増強した。別の実施形態では、rAAVベクターおよびビリオンは、対象の細胞、組織、および/または臓器の効率的な形質導入が可能である。
【0072】
一実施形態では、rAAVベクターは、プロモーター、および任意に他の調節因子に作動可能に連結された導入遺伝子(異種核酸分子ともいわれる)をさらに含む。一実施形態では、導入遺伝子は対象の治療剤をコードする。
【0073】
例示的なプロモーターは、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、デスミン(DES)、ベータ−アクチンプロモーター、インスリンプロモーター、エノラーゼプロモーター、BDNFプロモーター、NGFプロモーター、EGFプロモーター、成長因子プロモーター、軸索特異的プロモーター、樹状突起特異的プロモーター、脳特異的プロモーター、 海馬特異的プロモーター、腎臓特異的プロモーター、エラフィンプロモーター、サイトカインプロモーター、インターフェロンプロモーター、成長因子プロモーター、アルファ−1アンチトリプシンプロモーター、脳特異的プロモーター、神経細胞特異的プロモーター、中枢神経系細胞特異的プロモーター、末梢神経系細胞特異的プロモーター、インターロイキンプロモーター、セルピンプロモーター、ハイブリッドCMVプロモーター、ハイブリッド.ベータ.−アクチンプロモーター、EF1プロモーター、U1aプロモーター、U1bプロモーター、Tet−誘導性プロモーターおよびVP16−LexAプロモーターからなる群から選択されるプロモーターを含むが、これらに限定されない、1以上の異種、組織特異的、構成的または誘導性プロモーターを含む。例示的な実施形態では、プロモーターは哺乳動物またはトリベータ−アクチンプロモーターである。
【0074】
例示的なエンハンサー配列は、CMVエンハンサー、合成エンハンサー、肝臓特異的エンハンサー、血管特異的エンハンサー、脳特異的エンハンサー、神経細胞特異的エンハンサー、肺特異的エンハンサー、筋肉特異的エンハンサー、腎臓特異的エンハンサー、膵臓特異的エンハンサー、および膵島細胞特異的エンハンサーからなる群から選択される1以上を含むが、これらに限定されない。
【0075】
例示的な治療剤は、ポリペプチド、ペプチド、抗体、抗原結合断片、リボザイム、ペプチド核酸、siRNA、RNAi、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびアンチセンスポリヌクレオチドからなる群から選択される剤を含むが、これらに限定されない。
【0076】
例示的な実施形態では、本発明のrAAVベクターは、アドレナリンアゴニスト、抗アポトーシス因子、アポトーシス阻害剤、サイトカイン受容体、サイトカイン、細胞毒、赤血球生成剤(erythropoietic agent)、グルタミン酸デカルボキシラーゼ、糖タンパク質、成長因子、成長因子受容体、ホルモン、ホルモン受容体、インターフェロン、インターロイキン、インターロイキン受容体、キナーゼ、キナーゼ阻害剤、神経成長因子、ネトリン、神経活性ペプチド、神経活性ペプチド受容体、神経性因子(neurogenic factor)、神経性因子受容体、ニューロピリン、神経栄養因子、ニューロトロフィン、ニューロトロフィン受容体、N−メチル−D−アスパラギン酸アンタゴニスト、プレキシン、プロテアーゼ、プロテアーゼ阻害剤、プロテインデカルボキシラーゼ、プロテインキナーゼ、プロテインキナーゼ阻害剤、タンパク質分解性タンパク質(proteolytic protein)、タンパク質分解性タンパク質阻害剤、セマフォリンa、セマフォリン受容体、セロトニン輸送タンパク質、セロトニン取り込み阻害剤、セロトニン受容体、セルピン、セルピン受容体、および腫瘍抑制因子からなる群から選択される治療用タンパク質またはポリペプチドをコードする。
【0077】
ある適用では、改変された高形質導入効率ベクターは、BDNF、CNTF、CSF、EGF、FGF、G−SCF、GM−CSF、ゴナドトロピン、IFN、IFG−1、M−CSF、NGF、PDGF、PEDF、TGF、TGF−B2、TNF、VEGF、プロラクチン、ソマトトロピン、XIAP1、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−10(187A)、ウイルス性IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、およびIL−18からなる群から選択されるポリペプチドをコードする核酸セグメントを含み得る。そのような治療剤は、ヒト、マウス、トリ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ウマ、エピン(epine)、ヤギ、オオカミ(lupine)または霊長類起源のものであってもよい。
【0078】
本発明による有用な組換えAAVベクターは、一本鎖(ss)または自己相補的(self−complementary)(sc)AAVベクターを含む。
【0079】
本発明のrAAVベクターはまた、例えば、ヒト、霊長類、マウス、ネコ、イヌ、ブタ、ヒツジ、ウシ、ウマ、エピン(epine)、ヤギおよびオオカミ(lupine)の宿主細胞を含む、単離された哺乳動物の宿主細胞内にあってもよい。rAAVベクターは、ヒト内皮細胞、上皮細胞、血管細胞、肝細胞、肺細胞、心臓(heart)細胞、膵臓細胞、腸細胞、腎臓細胞、心(cardiac)細胞、癌もしくは腫瘍細胞、筋肉細胞、骨細胞、神経細胞、血液細胞、または脳細胞などの、単離された哺乳動物の宿主細胞内にあってもよい。
【0080】
治療用途
本発明の別の態様は、対象の細胞、組織、および/もしくは臓器の効率的な形質導入のための、かつ/または遺伝子治療における使用のための、本発明のrAAVベクターおよびビリオンの使用に関する。
【0081】
一実施形態では、本発明は、有効量の本発明のrAAVベクターおよび/またはビリオンを含む組成物を細胞内に導入することを含む、対象の細胞、組織、および/または臓器の形質導入のための方法を提供する。
【0082】
ある実施形態では、本発明のrAAVベクターおよびビリオンは、例えば、ヒト、霊長類、マウス、ネコ、イヌ、ブタ、ヒツジ、ウシ、ウマ、エピン(epine)、ヤギおよびオオカミ(lupine)の宿主細胞を含む哺乳動物の宿主細胞の形質導入のために用いられる。ある実施形態では、本発明のrAAVベクターおよびビリオンは、内皮細胞、上皮細胞、血管細胞、肝臓細胞、肺細胞、心臓細胞、膵臓細胞、腸細胞、腎臓細胞、筋肉細胞、骨細胞、樹状細胞、心細胞、神経細胞、血液細胞、脳細胞、線維芽細胞、または癌細胞の形質導入のために用いられる。
【0083】
一実施形態では、本発明のrAAVベクターおよび/またはビリオンを用いて、対象の細胞、組織、および/または臓器が形質導入される。
【0084】
本明細書で用いられる用語「対象」は、本発明の組成物での治療が提供できる、霊長類などの哺乳動物を含む、生物を記載する。開示される治療方法から利益を得ることができる哺乳動物の種は、類人猿(ape);チンパンジー;オランウータン;ヒト;サル(monkey);イヌおよびネコなどの飼い慣らされた動物(domesticated animal);ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、およびニワトリなどの家畜;ならびにマウス、ラット、モルモット、およびハムスターなどの他の動物を含むが、これらに限定されない。
【0085】
また、本発明は、疾患の治療のための方法であって、有効量の、本発明のrAAVベクターおよび/またはビリオンを含む組成物を、そのような治療を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
【0086】
本明細書で用いられる用語「治療(treatment)」およびその任意の文法的変形(例えば、治療する(treat)、治療すること(treating)、および治療(treatment)等)は、疾患または状態の症状を緩和する;ならびに/または、疾患または状態の進行、重症度、および/もしくは範囲を低減する、抑制する、阻害する、和らげる、寛解させるもしくは影響を及ぼすことを含むが、これらに限定されない。
【0087】
本明細書で用いられる用語「有効量」は、疾患または状態を治療するまたは寛解させることができる、あるいは、意図された治療効果を生じることができる量を指す。
【0088】
本発明はまた、疾患、障害または機能障害の治療、予防(prevention)および/もしくは予防(prophylaxis)、ならびに/またはそのような疾患、障害または機能障害の1以上の症状の寛解を含むが、これらに限定されない、疾患、障害、機能障害、傷害または外傷の症状を治療する、予防する、または寛解させるための医薬の製造における、本明細書に開示される組成物の使用を提供する。rAAVウイルスベースの遺伝子治療が特定の有用性を見出し得る例示的な状態は、癌、糖尿病、自己免疫疾患、腎臓病、循環器疾患、膵臓病、腸疾患、肝臓病、神経疾患、神経筋障害、神経運動欠損(neuromotor deficit)、神経骨格障害(neuroskeletal impairment)、神経障害(neurological disability)、感覚神経機能不全(neurosensory dysfunction)、脳卒中、アルファ
1アンチトリプシン(AAT)欠損症、バッテン病、虚血、摂食障害、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、骨疾患、および肺疾患を含むが、これらに限定されない。
【0089】
本発明はまた、哺乳動物におけるそのような疾患、傷害、障害、または機能障害の症状を治療するまたは寛解させるための方法を提供する。そのような方法は、一般に、それを必要とする哺乳動物へ、1以上の本発明のrAAVベクターおよびビリオンを、哺乳動物におけるそのような疾患、傷害、障害、または機能障害の症状を治療するまたは寛解させるのに十分な量および時間で、投与する段階を少なくとも含む。
【0090】
そのような治療計画は、1以上の組成物の、筋肉内、静脈内、皮下、くも膜下腔内、腹腔内、または治療中の対象の臓器もしくは組織への直接注入による投与を介する、ヒト治療において、特に意図される。
【0091】
本発明はまた、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量の本発明のrAAV組成物を、rAAVベクター内に含まれる1以上の核酸セグメントによりコードされる、治療有効量の所望の治療剤を患者に提供するのに十分な量および時間で、提供するための方法を提供する。好ましくは、治療剤は、ポリペプチド、ペプチド、抗体、抗原結合断片、リボザイム、ペプチド核酸、siRNA、RNAi、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびアンチセンスポリヌクレオチドからなる群から選択される。
【0092】
医薬組成物
本発明はまた、治療的または医薬的に許容可能な担体と組み合わせることができる形で活性成分を含む治療または医薬組成物を提供する。本発明の遺伝子構築物は、様々な組成物に調製されてもよく、かつヒトまたは動物対象への投与のための適切な医薬媒体に製剤化されてもよい。
【0093】
本発明のrAAV分子およびそれらを含む組成物は、様々な障害、特に、例えば骨関節炎、リウマチ性関節炎、および関連する障害を含む関節の疾患、障害、および機能障害の症状の治療、制御、および寛解のための新規かつ有用な治療薬を提供する。
【0094】
本発明はまた、1以上の開示されたrAAVベクター、発現系、ビリオン、ウイルス粒子;または哺乳動物の細胞を含む組成物を提供する。後述の通り、そのような組成物は、医薬的賦形剤、バッファー、または希釈剤をさらに含んでもよく、かつ動物、特にヒトへの投与のために製剤化されてもよい。そのような組成物は、リポソーム、脂質、脂質複合体、ミクロスフェア、マイクロ粒子、ナノスフェア、またはナノ粒子を任意にさらに含んでもよく、あるいは、それを必要とする対象の細胞、組織、臓器、または身体への投与のために製剤化されてもよい。そのような組成物は、癌、腫瘍、もしくは他の悪性増殖、神経欠損機能障害(neurological deficit dysfunction)、自己免疫疾患、関節疾患、心臓(cardiac)もしくは肺疾患、虚血、脳卒中、脳血管発作(cerebrovascular accident)、一過性脳虚血発作(TIA);糖尿病および/または膵臓の他の病気;心循環系疾患または機能障害(例えば、低血圧症、高血圧症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、血管損傷または疾患を含む);神経疾患(例えば、アルツハイマー病、ハンチントン病、テイ・サックス病、およびパーキンソン病、物忘れ、トラウマ(trauma)、運動障害、神経障害(neuropathy)、ならびに関連した障害を含む);胆道、腎臓または肝臓疾患もしくは機能障害;筋骨格または神経筋疾患(例えば、関節炎、麻痺、嚢胞性線維症(CF)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、筋ジストロフィー(MD)、等を含む)などの疾患または障害をもたらす状態を例えば含む、例えば、ペプチド欠損症、ポリペプチド欠損症、ペプチド過剰発現、ポリペプチド過剰発現などの状態の寛解、予防、および/または治療におけるなどの、様々な治療における使用のために製剤化され得る。
【0095】
一実施形態では、哺乳動物に投与されるrAAVベクターおよび/またはビリオン粒子の数は、およそ10
3から10
13粒子/mlの範囲であり、あるいは、例えば約10
7、10
8、10
9、10
10、10
11、10
12、または10
13粒子/mlなど、それらの間の任意の値であり得る。一実施形態では、10
13粒子/mlより多くのrAAVベクターおよび/またはビリオン粒子が投与される。rAAVベクターおよび/またはビリオン粒子は、単一用量として投与することができ、あるいは、治療されている特定の疾患または障害の治療を達成するのに必要な場合、2以上の投与に分けることができる。ほとんどのrAAVベースの遺伝子治療計画において、発明者らは、従来の遺伝子治療プロトコールに比べて、改変キャプシドrAAVベクターを用いる時、より低い力価の感染性粒子が必要とされるだろうと確信している。
【0096】
ある実施形態では、本発明は、単独または1以上の他の治療様式との組み合わせにおける、特に、ヒトに影響を及ぼすヒト細胞、組織、および疾患の治療のための、細胞または動物への投与のための医薬的に許容可能な溶液における、本明細書に開示される1以上のrAAVベースの組成物の製剤に関する。
【0097】
所望であれば、1以上の治療遺伝子産物を発現する核酸セグメント、RNA、DNAまたはPNA組成物は、治療用ポリペプチド、生物活性断片、またはそれらのバリアントの1以上の全身または局所投与を含む、例えば、タンパク質もしくはポリペプチドもしくは様々な医薬的に活性な剤などの他の剤と組み合わせて投与されてもよい。実際、追加の剤が標的細胞または宿主組織との接触時に著しい悪影響を引き起こさないなら、含まれ得る他の成分に対する制限は事実上存在しない。rAAVベースの遺伝的組成物(genetic composition)は、それゆえ、特定の場合に必要とされる様々な他の剤と一緒に送達され得る。そのような組成物は、宿主細胞または他の生物学的供給源から精製されてもよく、あるいは本明細書に記載されるように化学的に合成されてもよい。同様に、そのような組成物は、置換または誘導体化されたRNA、DNA、siRNA、mRNA、tRNA、リボザイム、触媒RNA分子、またはPNA組成物等をさらに含んでもよい。
【0098】
医薬的に許容可能な賦形剤および担体溶液の製剤は、例えば、経口、非経口、静脈内、鼻腔内、関節内、筋肉内投与および製剤を含む、本明細書に記載される特定の組成物を用いるための適切な用量および治療計画の開発があるように、当業者によく知られている。
【0099】
典型的には、有効成分のパーセンテージは、もちろん、変化してもよく、かつ好都合には、約1または2%の間、かつ総製剤の重量または用量の約70%または80%以上であるが、これらの製剤は、少なくとも約0.1%以上の活性化合物を含有しうる。当然、個々の治療上有用な組成物における活性化合物の量は、適切な用量が化合物の任意の単位用量において得ることができるような方法で、調製される。溶解度、生物学的利用能、生物学的半減期、投与経路、製品貯蔵期間、ならびに他の薬理学的考慮点などの因子は、そのような医薬製剤を調製する当業者により熟慮され、ゆえに、様々な用量および治療計画が望ましいことがある。
【0100】
ある状況において、皮下、眼球内、硝子体内(intravitreally)、非経口、皮下、静脈内、脳室内(intracerebroventricularly)、筋肉内、くも膜下腔内、経口、腹腔内、経口または経鼻吸入により、あるいは直接注入による1以上の細胞、組織、または臓器への直接注入により、本明細書に開示される適切に製剤化された医薬組成物におけるAAVベクターベースの治療構築物を送達することが望ましいだろう。投与方法はまた、米国特許第5,543,158号、第5,641,515号および/または第5,399,363号(各々、それらの出典を表すことによりその全体が本明細書に具体的に組み込まれる)に記載される様式を含み得る。遊離塩基または医薬的に許容可能な塩としての活性化合物の溶液は、無菌の水に調製してもよく、あるいはヒドロキシプロピルセルロースなどの1以上の界面活性剤と適切に混合してもよい。分散液(dispersion)もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物において、および油中において調製され得る。保存および使用の通常の条件の下、これらの調製物は、微生物の成長を防止するために防腐剤を含有する。
【0101】
注射可能な使用に適切なAAVベースのウイルス組成物の医薬品形態は、無菌の水溶液もしくは分散液および無菌の注射可能な溶液または分散液の即時調製のための無菌の粉末を含む(米国特許第5,466,468号、その出典を表すことによりその全体が本明細書に具体的に組み込まれる)。全ての場合において、形態は無菌でなくてはならず、かつ容易な注射器使用可能性(syringability)が存在する程度に流動性でなければならない。それは、製造および保存の条件下で安定でなければならず、かつ細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール、等)、それらの適切な混合物、および/または植物油を含有する、溶媒または分散媒(dispersion)とすることができる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合は必要な粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって、維持され得る。
【0102】
用語「担体」は、化合物が共に投与される、希釈剤、アジュバント、賦形剤、または媒体を指す。そのような医薬担体は、鉱物油などの石油、ピーナッツ油、大豆油、およびごま油などの植物油、動物油、または合成起源の油のものを含む、水および油などの無菌の液体とすることができる。生理食塩水溶液および水性デキストロースおよびグリセロール溶液もまた、液体担体として採用できる。
【0103】
本発明の組成物は、肺、鼻腔内、経口、吸入、静脈内などの非経口、局所、経皮、皮内、経粘膜、腹腔内、筋肉内、嚢内(intracapsular)、眼窩内、心臓内、経気管、皮下、表皮下(subcuticular)、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内(intrasternal)注入を含むが、これらに限定されない、標準的な経路により、治療される対象へ投与できる。好ましい実施形態では、組成物は、鼻腔内、肺、または経口経路を介して投与される。
【0104】
注射用水溶液の投与のために、例えば、溶液を適切に緩衝することができ、必要に応じて、液体希釈剤は最初に十分な生理食塩水またはグルコースで等張にされる。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与に特に適している。これに関連して、採用できる無菌の水性媒体は、本開示に照らして当業者に公知であろう。例えば、1回用量は、1mlの等張NaCl溶液に溶解してもよいし、1000mlの皮下注入液に加えられるか、注入予定部位に注入されるかのいずれかであってもよい(例えば、“Remington’s Pharmaceutical Sciences” 15th Edition、pages 1035−1038 and 1570−1580を参照のこと)。用量のいくらかの変動が、治療される被験体の状態に応じて必然的に発生するだろう。投与責任者は、いずれにせよ、個々の対象に適切な用量を決定するだろう。さらに、ヒトへの投与のために、調製物は、無菌性、発熱性、およびFDA Office of Biologics standardsによって必要とされる一般的な安全性および純度の基準を満たす必要がある。
【0105】
無菌注射溶液は、活性AAVベクター送達型治療用ポリペプチドをコードするDNA断片を、上記に列挙した他の成分のいくつかと適切な溶媒中に必要量を組み込むことによって、必要に応じて、続いて濾過滅菌することによって調製される。一般に、分散液は、基本的な分散媒および上に列挙したもの由来の必要な他の成分を含有する無菌媒体に、様々な無菌活性成分を組み込むことによって調製される。無菌注射溶液の調製のための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、予め濾過滅菌したその溶液から活性成分および任意のさらなる所望の成分の粉末を得る真空乾燥技術および凍結乾燥技術である。
【0106】
本明細書に開示されるAAVベクター組成物はまた、中性または塩形態で製剤化してもよい。医薬的に許容可能な塩は、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基と形成される)を含み、それは、例えば塩酸もしくはリン酸などの無機酸、あるいは酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸等などの有機酸と形成されている。遊離カルボキシル基と形成される塩はまた、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または水酸化第二鉄などの無機塩基、ならびに、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカイン等などの有機塩基から誘導できる。製剤化の際、溶液は、投与製剤に適合する方法で、かつ治療的に有効であるような量で投与されるであろう。製剤は、注射可能な溶液、薬物放出カプセル等などの様々な剤形で容易に投与される。
【0107】
AAV組成物の量およびそのような組成物の投与の時間は、本教示の利益を有する当業者の知識の範囲内であろう。しかしながら、治療有効量の開示された組成物の投与は、そのような治療を受けている患者に治療上の利益を提供するように、例えば、感染性粒子の十分な数の単回注入などの、単回投与によって達成され得る可能性がある。あるいは、いくつかの状況では、そのような組成物の投与を監督する医師によって決定され得るように、比較的短い、または、比較的長い期間にわたって、AAVベクター組成物の複数回、または連続的な投与を提供することが望ましい。
【0108】
発現ベクター
本発明は、様々なAAVベースの発現系、およびベクターを意図する。一実施形態では、好ましいAAV発現ベクターは、治療用ペプチド、タンパク質、またはポリペプチドをコードする少なくとも第一の核酸セグメントを含む。別の実施形態では、本明細書に開示される好ましいAAV発現ベクターは、アンチセンス分子をコードする少なくとも第一の核酸セグメントを含む。別の実施形態では、プロモーターが機能的mRNA、tRNA、リボザイムまたはアンチセンスRNAをコードする配列領域に作動可能に連結される。
【0109】
発現ベクターおよび最終的にポリペプチドコード領域が作動可能に連結されるプロモーターの選択は、所望の機能特性、例えば、位置およびタンパク質発現のタイミング、ならびに形質転換される宿主細胞に直接依存する。これらは、組換えDNA分子を構築する技術に固有の既知の制限である。しかしながら、本発明の実施に有用なベクターは、それが作動可能に連結された機能的RNAの発現を指向し得る。
【0110】
相補的粘着末端または平滑末端を介してベクターにDNAを作動可能に連結するために、様々な方法が開発されてきた。例えば、相補的ホモポリマー領域(complementary homopolymer tract)は、挿入されるDNAセグメントおよびベクターDNAに追加できる。ベクターおよびDNAセグメントは、次いで、組換えDNA分子を形成する相補的ホモポリマーテール間の水素結合によって結合される。
【0111】
本発明による治療剤を発現するために、1以上のプロモーターの制御下で、治療剤をコードする核酸セグメントを含むチロシン改変rAAV発現ベクターを調製してもよい。プロモーター「の制御下」に配列をもたらすために、選択されたプロモーターの約1〜約50ヌクレオチド「下流」(すなわち、3’)の間に、一般に、転写リーディングフレームの転写開始部位の5’末端を配置する。「上流」プロモーターはDNAの転写を刺激し、コードされたポリペプチドの発現を促進する。これが、この文脈における「組換え発現」の意味である。特に好ましい組換えベクター構築物は、rAAVベクターを含むものである。そのようなベクターは、本明細書に詳細に記載されている。
【0112】
そのようなベクターの使用が、ベクターでトランスフェクトされた特定の細胞への1以上の異種タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、リボザイム、および/またはアンチセンスオリゴヌクレオチドの導入のために意図されている場合、コードされたペプチド、タンパク質、ポリペプチド、リボザイム、siRNA、RNAiまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドを産生するためにベクターを含む細胞において、ポリヌクレオチドを発現する、少なくとも第一の異種プロモーターの下流に作動可能に配置され、かつその制御下にある、少なくとも第一の異種ポリヌクレオチドをさらに含むために、rAAVベクターまたはベクターを遺伝的に改変することによる本明細書に開示されるチロシン改変rAAVベクターを採用し得る。そのような構築物は、構成的、誘導性、または細胞特異的プロモーターである異種プロモーターを採用し得る。例示的なそのようなプロモーターは、例えば、CMVプロモーター、.ベータ.−アクチンプロモーター、ハイブリッドCMVプロモーター、ハイブリッド.ベータ.−アクチンプロモーター、EF1プロモーター、U1aプロモーター、U1bプロモーター、Tet−誘導性プロモーター、VP16−LexAプロモーター、等を含む、ウイルス、哺乳動物、およびトリプロモーターを含むが、これらに限定されない。
【0113】
ベクターまたは発現系はまた、rAAVのベクターの中にクローニングされた異種遺伝子の転写を変更するまたは達成する(effect)ために、1以上のエンハンサー、調節エレメント、転写エレメントを含んでもよい。例えば、本発明のrAAVのベクターは、少なくとも第一のCMVエンハンサー、合成エンハンサー、または細胞もしくは組織特異的エンハンサーをさらに含んでもよい。異種ポリヌクレオチドはまた、1以上のイントロン配列を含んでもよい。
【0114】
治療キット
本発明はまた、特定のrAAV−ポリヌクレオチド送達製剤の製剤化において、かつ対象への、特にヒトへの投与のための治療剤の調製において採用され得る、医薬的に許容可能な賦形剤、担体、希釈剤、アジュバント、および/または他の成分と共に、本明細書に開示される遺伝的に改変されたrAAVベクター組成物の1以上を含む。特に、そのようなキットは、対象におけるそのような障害の治療におけるウイルスベクターを使用するための指示書と組み合わせて、1以上の開示されたrAAV組成物を含み得、また典型的には、便利な商業包装のために調製した容器をさらに含むことができる。
【0115】
したがって、本明細書に開示される医薬組成物の投与のための好ましい動物は、哺乳動物、特にヒトを含む。他の好ましい動物はマウス、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、およびネコが含まれる。組成物は、部分的にまたは著しく精製されたrAAV組成物を、単独で、あるいは、天然または組換え供給源から得ることができる、あるいは、天然に得ることができる、もしくは化学合成され得る、またはそのようなさらなる活性成分をコードするDNAセグメントを発現する組換え宿主細胞からin vitroで産生される、1以上のさらなる活性成分と組み合わせて含み得る。
【0116】
少なくとも1つの本明細書に開示される組成物および治療剤として組成物を使用するための指示書を含む治療キットもまた調製され得る。そのようなキットのための容器手段は、典型的には、開示されたrAAVの組成物が配置され得る、好ましくは適切に等分され得る、少なくとも一つのバイアル、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジまたは他の容器手段を含み得る。第二の治療用ポリペプチド組成物も提供される場合、キットは、この第二の組成物が配置され得る第二の別個の容器を含んでもよい。あるいは、複数の治療的生物活性組成物は、単一の医薬組成物に調製してもよく、バイアル、フラスコ、シリンジ、ボトル、または他の適切な単一の容器手段などの、単一の容器手段中に包装してもよい。本発明のキットはまた、典型的には、例えば、所望のバイアルが保持されている射出またはブロー成形プラスチック容器などの、市販のために厳重に密封して(in close confinement)バイアルを含有するための手段を含むだろう。
【0117】
4.7kbの一本鎖DNAゲノムを保護することができる、非エンベロープ型、T−1正二十面体格子(icosahedral lattice)内の60個の個々のキャプシドタンパク質サブユニットの超分子集合(Supramolecular assembly)は、ヘルパー依存性ヒトパルボウイルス、アデノ随伴ウイルス2(AAV2)のライフサイクルにおける重要なステップである。成熟した20nm直径のAAV2粒子は、1:1:18の割合でVP1、VP2、およびVP3(それぞれ、87、73、および62kDaの分子量)と名付けられた三つの構造タンパク質から構成される。粒子を含む60個のキャプシドタンパク質のその対称性と、これらの分子量推定値に基づくと、3個がVP1タンパク質であり、3個がVP2タンパク質であり、かつ54個がVP3タンパク質である。
【0118】
生物学的機能的等価物
改変は、特に、様々な疾患および障害の治療、予防、および予防(prophylaxis)のための、選択された哺乳動物の細胞、組織、および臓器への、治療用遺伝子構築物の改善された送達、ならびに、そのような疾患の症状の寛解のための手段に関して、望ましい特性を有する機能的なウイルスベクターを得るために、本明細書において記載される改善されたrAAVビリオンを提供するための、かつrAAVベクター介在性遺伝子治療を介する対象の異種治療的および予防的ポリペプチドの発現を促進するための、野生型のrAAVベクターのポリヌクレオチドおよびポリペプチドの構造への変化である。上述のように、本発明の重要な態様の一つは、開示されたrAAV構築物によりコードされる1以上の治療剤をコードする特定のヌクレオチド配列への1以上の変異の作成である。特定の状況では、結果として生じるポリペプチド配列はこれらの変異により変更され、あるいは他の場合には、ポリペプチドの配列は、哺乳動物系における遺伝子治療を達成する(effect)ための改善された特性を有する改変されたベクターを産生するために、コードポリヌクレオチドにおいて1以上の変異によって変更されない。
【0119】
例えば、あるアミノ酸は、例えば、抗体の抗原結合領域または基質分子上の結合部位などの、構造の相互作用結合能力のかなりの損失無しに、タンパク質構造において他のアミノ酸に置換され得る。タンパク質の生物学的機能活性を規定するのはタンパク質の相互作用能力および性質であるので、あるアミノ酸配列置換はタンパク質配列、および当然その基礎となるDNAコード配列において作成でき、かつそれにもかかわらず、同様の特性を有するタンパク質を得ることができる。それゆえ、様々な変化が、それらの生物学的有用性または活性のかなりの損失なしに、本明細書に開示されるポリヌクレオチド配列において作成され得ることが、本発明者らによって企図される。
【0120】
そのような変更を行う際に、アミノ酸の疎水性親水性指標が考慮され得る。タンパク質に相互作用的な生物学的機能を付与する際の疎水性親水性アミノ酸指標の重要性は、一般に当技術分野で理解されている(Kyte and Doolittle、1982、出典明示により本明細書に組み込まれる)。アミノ酸の相対的ハイドロパシー特性(hydropathic character)が得られたタンパク質の二次構造に寄与し、それが他の分子、例えば、酵素、基質、受容体、DNA、抗体、抗原、等とタンパク質の相互作用を定義することが認められている。各アミノ酸は、その疎水性および電荷特性に基づいて疎水性親水性指標を割り当てられている(Kyte and Doolittle、1982)、これらは:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);トレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン(−3.9);およびアルギニン(−4.5)である。
【0121】
例示的な定義
本発明による、ポリヌクレオチド、核酸セグメント、核酸配列等は、DNA(ゲノムもしくはゲノム外DNAを含むが、これらに限定されない)、遺伝子、ペプチド核酸(PNA)、RNAs(rRNA、mRNAおよびtRNAを含むが、これらに限定されない)、ヌクレオシド、および天然の供給源から得られた、化学合成された、あるいは、人の手によって全体的または部分的に調製または合成された核酸セグメントを含むが、これらに限定されない。
【0122】
別段の定義がない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法および組成物は、本発明の実施または試験に用いることができるが、好ましい方法および組成物は本明細書に記載される。本発明の目的のため、以下の用語が以下に定義される:
【0123】
本明細書で用いられる用語「プロモーター」は、転写を調節する核酸配列の領域(単数)または領域(複数)を指す。
【0124】
本明細書で用いられる用語「調節エレメント」は、転写を調節する核酸配列の領域(単数)または領域(複数)を砂州。例示的な調節エレメントは、エンハンサー、転写後エレメント、転写制御配列、等を含むが、これらに限定されない。
【0125】
本明細書で用いられる用語「ベクター」は、宿主細胞中で複製することができる(通常はDNAで構成される)、かつ/または結合したセグメントの複製をもたらすように別の核酸セグメントが作動可能に連結できる核酸分子を指す。プラスミド、コスミド、またはウイルスが典型的なベクターである。
【0126】
本明細書中で用いられる用語「実質的に対応する」、「実質的に相同」、または「実質的に同一」は、核酸またはアミノ酸配列の特徴であって、選択された核酸またはアミノ酸配列が、選択された参照核酸またはアミノ酸配列と比較して少なくとも約70または約75パーセントの配列同一性を有するものである特徴を意味する。より典型的には、選択された配列および参照配列は、少なくとも約76、77、78、79、80、81、82、83、84または85パーセントの配列同一性、より好ましくは少なくとも約86、87、88、89、90、91、92、93、94、または95パーセントの配列同一性を有する。より好ましくは、なお高度に相同な配列は、多くの場合、選択された配列とそれが比較される参照配列との間で、少なくとも約96、97、98、または99パーセントの配列同一性よりも大きく共有する。
【0127】
配列同一性のパーセンテージは、比較される配列の全長にわたって計算してもよく、または選択された参照配列の約25%未満ほどをしめる小さな欠失または付加を除外することによって計算してもよい。参照配列は、遺伝子もしくはフランキング配列の一部分、または染色体の反復部分などの、より大きな配列のサブセットであってもよい。しかしながら、2以上のポリヌクレオチド配列の配列相同性の場合には、参照配列は、典型的には少なくとも約18〜25ヌクレオチド、より典型的には少なくとも約26から35ヌクレオチド、さらにより典型的には少なくとも約40、50、60、70、80、90、または100ヌクレオチドほどを含む。
【0128】
望ましくは、高度に相同なフラグメントが望まれる、2つの配列間のパーセント同一性の程度は、例えば、PearsonおよびLipman(Proc. Natl. Acad. Sci. USA、85(8):2444−8、April 1988)によって記載されたFASTAプログラム解析などの、当業者によく知られている配列比較アルゴリズムの1以上により容易によって決定されるように、少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは約90%または95%以上である。
【0129】
本明細書で用いられる用語「作動可能に連結された」は、連結されている核酸配列が、典型的には近接している(contiguous)、または実質的に近接している、かつ2つのタンパク質コード領域を結合する必要がある場合には、近接し、リーディングフレームにあることを指す。しかしながら、エンハンサーは、数キロベースおよび可変の長さであり得るイントロン配列によりプロモーターから分離される場合に一般に機能するので、いくつかのポリヌクレオチドエレメントは、作動可能に連結されるが、近接していなくてもよい。
【実施例】
【0130】
本発明を実施するための手順および実施形態を例示する実施例は以下の通りである。実施例は限定するものとして解釈されるべきではない。
【0131】
材料および方法:
細胞および抗体:HEK293細胞、HeLa細胞、NIH3T3細胞は、American Type Culture Collection(Manassas、VA、USA)から入手し、10%FBS(Sigma−Aldrich、St. Louis、MO、USA)および抗生物質(Lonza)を補充したDMEM(Invitrogen)において単層培養として維持した。白血球除去由来の末梢血単核細胞(PBMC)(AllCells)を、Ficoll−Paque(GEHeathCare)上で精製し、無血清AIM−V培地(Lonza)で再懸濁し、そして半接着細胞画分を、組換えヒトIL−4(500U/mL)およびGM−CSF(800U/mL)(R&D Systems)と7日間インキュベートした。細胞成熟は、48時間、10ng/mL TNF−α、10ng/mL IL−1、10ng/mL IL−6、および1mg/mL PGE2(R&D Systems)を含むサイトカイン混合物で開始した。EGFP発現の前に、細胞を、それらが成熟樹状細胞(mDC)の典型的な表現型を満たすことを確保するために、共刺激分子の発現について特徴付けた(CD80、RPE、マウスIgG1;CD83、RPE、マウスIgG1;CD86、FITC、マウスIgG1;Invitrogen)。
【0132】
部位特異的変異誘発:以前に述べられたように(Wang et al.、1999)、Turbo(登録商標)Pfuポリメラーゼ(Stratagene)を用いて、二段階PCRをプラスミドpACG2で実施した。簡単に言えば、第一段階では、2つのPCR伸長反応が、別々のチューブでフォワードおよびリバースPCRプライマーについて3サイクル実施された。第二段階では、二つの反応を混合し、PCR反応をさらに15サイクル、続いて1時間のDpnI消化を実施した。プライマーは、変異した残基の各々について、セリンから(TCAまたはAGC)バリン(GTAまたはGTC)への変更を導入するように設計された。
【0133】
組換えAAVベクターの産生:chicken(登録商標)−アクチンプロモーターにより駆動されるEGFP遺伝子を含有する組換えAAV2ベクターを、以前に述べられたように(Zolotukhin、2002)生成した。簡単に言えば、HEK293細胞を、ポリエチレンイミン(PEI、直鎖、MW 25,000、Polysciences、Inc.)を用いてトランスフェクトした。トランスフェクション後72時間、細胞を回収し、ベクターをイオジキサノール(Sigma−Aldrich)勾配遠心分離およびイオン交換カラムクロマトグラフィー(HiTrap Sp Hp 5mL、GE Healthcare)により精製した。次いで、ウイルスを濃縮し、遠心スピンコンセントレーター(Apollo、150−kDaカット−オフ、20−mL容量、CLP)を用いてバッファーを乳酸リンゲルに3サイクル交換した(Cheng et al.、2011)。10μLの精製ウイルスをDNAse I(Invitrogen)で2時間37℃で、次いで、さらに2時間プロテイナーゼK(Invitrogen)で56℃で処置した。反応混合物をフェノール/クロロホルムにより、その後クロロホルム処理により精製した。パッケージ化されたDNAを、20μg グリコーゲン(Invitrogen)の存在下、エタノールで沈殿させた。DNAse I耐性AAV粒子の力価を、CBAプロモーターに特異的な、以下のプライマー対を用いるRT−PCRによって決定した:
フォワード 5’-TCCCATAGTAACGCCAATAGG-3’ (配列番号11)
リバース 5’-CTTGGCATATGATACACTTGATG-3’ (配列番号12)
およびSYBR Green PCRマスターミックス(Invitrogen)。
【0134】
in vitroでの組換えAAVベクター形質導入アッセイ:HEK293または単球由来樹状細胞(moDCs)を、それぞれ、1,000vgs/細胞または2,000vgs/細胞でAAV2ベクターで形質導入し、48時間インキュベートした。あるいは、細胞を、50μMの選択的セリン/トレオニンキナーゼ阻害剤、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−アミノヘキシルカルバミン酸tert−ブチルエステル−9−イソプロピルプリン(CaMK−IIに対して)、アントラ[1,9−CD]ピラゾール−6(2H)−オン、1,9−ピラゾロアントロン(JNKに対して)、および4−(4−フルオロフェニル)−2−(4−メチルスルフィニルフェニル)−5−(4−ピリジル)−1H−イミダゾール(MAPKに対して)(CK59、JNK阻害剤2、PD 98059、Calbiochem)で、形質導入前1時間、前処置した。導入遺伝子の発現は、視野当たりの緑色蛍光(pixel
2)の総面積(平均±SD)として、または以前に述べられたように(Markusic et al.、2011; Jayandharan et al.、2011)フローサイトメトリーにより、評価した。分散分析を用いて、試験結果および統計的に有意であると決定された対照を比較した。
【0135】
ウェスタンブロット解析:ウェスタンブロット解析は以前に述べられたように(Aslanidi et al.、2007)実施した。細胞を遠心分離によって回収し、PBSで洗浄し、50mM Tris_HCl,pH7.5、120mM NaCl、1%ノニデットP−40、10%グリセロール、10mM Na
4P
2O
7、1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、1mM EDTA、およびプロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤混合物(セット2および3、Calbiochem)を補充した1mM EGTAを含有する溶解バッファーに再懸濁した。懸濁液を氷上で1時間インキュベートし、30分間14,000rpmで4℃で遠心分離により清澄化した。タンパク質濃度についての正規化(normalization)に続いて、サンプルを12%ポリアクリルアミド/SDS電気泳動を用いて分離し、ニトロセルロース膜に移し、そして一次抗体、抗p−p38 MAPK (Thr180/Tyr182)ウサギmAb、総p38 MAPKウサギmAbおよびGAPDHウサギmAb(1:1000、CellSignaling)、続いて二次ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合抗体(1:1000、CellSignaling)を用いてプローブした。
【0136】
特異的細胞傷害性Tリンパ球生成および細胞毒性アッセイ:単球由来樹状細胞(moDCs)を上述のように生成した。未成熟DCを、ヒトテロメラーゼcDNAをコードするAAV2−S662Vベクター(Karina Krotova博士、フロリダ大学)で感染させ、2つの重複ORF−hTERT
838−2229およびhTERT
2042−3454に、各々MOI 2,000vgs/細胞で分離した。次いで、サプリメントでの刺激を細胞に受けさせ、成熟を誘導した。48時間後、hTERTを発現する成熟DCを回収し、20:1の比でPBMCと混合した。CTLは、25cm
2フラスコにおいて、20×10
6個の細胞で、組換えヒトIL-15(20IU/ml)およびIL-7(20ng/mL)を含有するAIM−V培地中で培養した。新鮮なサイトカインを2日ごとに添加した。プライミング7日後、細胞を回収し、殺傷アッセイ(killing assay)(Heiser et al.、2002)のために用いた。殺傷曲線を生成し、以前に述べられたように(Mattis et al.、1997)特異的細胞溶解を生存/死細胞比のFACS分析により決定した。ヒト不死化骨髄性白血病細胞株K562を標的として用いた。
【0137】
統計分析:結果を平均±SDとして表した。群間の差は、スチューデントのt検定のグループ化−対応のない両側分布を用いて同定した。P値<0.05を統計的に有意であるとみなした。
【0138】
実施例1−特異的な細胞性セリン/トレオニンキナーゼの阻害はrAAV2ベクターの形質導入効率を増大させる
細胞性上皮成長因子受容体タンパク質チロシンキナーゼ(EGFR−PTK)活性の阻害、ならびに7個の表面露出チロシン残基の部位特異的変異誘発は、これらの残基のリン酸化を防止することにより、AAV2ベクターの形質導入効率を著しく増大させ、それによってベクターのユビキチン化およびそれに続くプロテアソーム介在性分解を回避した。AAV2キャプシドはまた、様々な細胞型および組織において広く発現されている細胞性セリン/トレオニンキナーゼにより潜在的にリン酸化できる、15個の表面露出セリン残基を含有する。
【0139】
そのようなキナーゼ活性の阻害が、表面露出セリン残基のリン酸化を防止し、それゆえ、AAV2ベクターの細胞内輸送および核輸送を改善できるかどうかを調べるために、カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII(CAMK−II)、c−Jun N末端キナーゼ(JNK)、およびマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(p38 MAPK)などの、いくつかの市販の細胞性セリン/トレオニンキナーゼの特異的阻害剤が用いられた。HEK293細胞を、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−アミノヘキシルカルバミン酸tert−ブチルエステル−9−イソプロピルプリン(CaMK−IIに対して)、アントラ[1,9−CD]ピラゾール−6(2H)−オン、1,9−ピラゾロアントロン(JNKに対して)、および4−(4−フルオロフェニル)−2−(4−メチルスルフィニルフェニル)−5−(4−ピリジル)−1H−イミダゾール(p38 MAPKに対して)などの特異的阻害剤で、1時間、様々な濃度で前処置した。細胞を、その後、細胞当たり1,000ベクターゲノム(vgs)で、一本鎖(ss)または自己相補的(sc)AAV2ベクターのいずれかで形質導入した。
【0140】
これらの結果は、50μMの濃度ですべての阻害剤が、ssAAV2およびscAAV2ベクターの形質導入効率を著しく増大させ、p38 MAPK阻害剤が最も効率的であったことを示す(
図3Aおよび
図3B)。結果は、形質導入効率の増大が、改善されたウイルスの第二鎖DNA合成(second−strand DNA synthesis)よりも、ベクターキャプシドのリン酸化の防止に起因したことを示す。
【0141】
実施例2−表面露出セリン残基の部位特異的変異誘発はベクター介在性導入遺伝子発現を改善する
AAV2キャプシドは、3つのキャプシドVPのウイルスタンパク質3(VP3)共通領域において、50個のセリン(S)残基を含有し、その15残基(S261、S264、S267、S276、S384、S458、S468、S492、S498、S578、S658、S662、S668、S707、S721)が表面に露出している。15個のS残基の各々を、前述のように部位特異的変異誘発によりバリン(V)残基に置換した。ほとんどの変異体は、S261V、S276V、およびS658Vを除いて、これらは〜10倍低い力価で生成され、かつS267VおよびS668Vは検出可能なレベルのDNAse Ι−耐性ベクター粒子を全く生じなかった、WT AAV2ベクターに類似の力価で生成できた。S468VおよびS384V変異体の力価はWT AAV2ベクターより〜3−5倍高かった。S−V変異ベクターの各々が293細胞における形質導入効率について評価された。
【0142】
図4Aおよび
図4Bに示されるこれらの結果は、15個の変異体のうち、S662V変異体がそのWT対応物よりも〜20倍より効率的に293細胞を形質導入したことを示した。S458VおよびS492V変異ベクターの形質導入効率は、それぞれ、〜4および2倍に増大した。WT AAV2ベクターよりも高い力価で産生された、S468VおよびS384V変異体の形質導入効率は、同一の感染多重度(MOI)で、変わらないままであった(S468V)か、〜10倍低減した(S384V)かのいずれかであった。様々なセリンからバリンへ変異したAAV2ベクターの形質導入効率が、
図5に要約されている。驚くべきことに、形質導入効率の更なる増大は、二重変異(S458V+S662VおよびS492V+S662V)のいずれかを含有するベクターにおいて、または三重変異(S458V+S492V+S662V)を含有していたベクターにおいて、全く観察されなかった。
【0143】
実施例3−様々なアミノ酸でのS662の置換
位置662でのSからVへの置換に加えて、以下の7つの変異体もまた異なるアミノ酸置換を用いて作製された:S662→アラニン(A)、S662→アスパラギン(N)、S662→アスパラギン酸(D)、S662→ヒスチジン(H)、S662→イソロイシン(I)、S662→ロイシン(L)、およびS662→フェニルアラニン(F)。これらの変異ベクターの各々の形質導入効率もまた、上記のものに類似する293細胞において評価した。
【0144】
結果は、
図6Aおよび
図6Bに示され、かつ
図7に要約されるように、他の変異体と比較した場合、VでのSの置換が、ベクター力価を変更せずに、最も効率的な変異体の産生をもたらしたことを示している。N、I、L、またはFでのSの置換は、形質導入効率に著しい影響を与えず、〜10倍パッケージング効率を減少させ、一方で、DまたはHでの置換は、ベクター力価に影響を与えずに、それぞれ〜8倍および〜4倍形質導入効率を増大させた。SからAへの置換は、WT AAV2ベクターと比較して、最大〜5倍ウイルス力価を増大させ、かつ〜3倍導入遺伝子発現を増強した。位置662でのセリン変異体の力価および感染性における観察された変動性(variability)は、AAV2パッケージング効率およびその生物学的活性の両方を調節することにおいてアミノ酸の各々がつとめる重要な役割を示唆する。
【0145】
実施例4−S662Vベクターの形質導入効率は様々な細胞型におけるp38 MAPKの活性と相関した
S662Vベクター介在性導入遺伝子発現は、以下の細胞型を用いて検査される:(i)NIH3T3(マウス胚線維芽細胞)、(ii)H2.35(マウス胎児肝細胞)、(iii)HeLa(ヒト子宮頸癌細胞)、および(iv)初代ヒト単球由来樹状細胞(moDCs)。これらの細胞型を、同一条件下で、細胞あたり2000 vgsのMOIでWT scAAV2−EGFPまたはS662V scAAV2−EGFPベクターで形質導入した。EGFP遺伝子発現を、HeLa、293およびmoDCsについて感染後(p.i.)48時間で、かつH2.35およびNIH3T3細胞についてp.i.5日で評価した。
【0146】
結果は、
図8Aに示されるように、WTおよびS662V変異ベクター間の形質導入効率の絶対値差分(absolute difference)は、〜3倍から(H2.35細胞において)〜20倍(293細胞において)の範囲であったが、変異ベクターは試験した各細胞型において一貫してより効率的であったことを示す。
【0147】
WTおよび変異ベクターの形質導入効率の観察された差が、細胞性p38 MAPKの発現および/または活性のレベルの変動に起因するかどうかを調べるために、各細胞型から調製した細胞溶解物を特異的抗体でプローブされたウェスタンブロットで分析し、総p38 MAPKおよびホスホ−p38 MAPKレベルを検出した。GAPDHをローディング対照として使用した。
【0148】
結果は、
図8Bに示されるように、p38 MAPKタンパク質レベルは同様であったが、キナーゼ活性は、リン酸化のレベルによって決定されるように、異なる細胞型の間で著しく変動し、かつS662V変異ベクターの形質導入効率は、p38 MAPK活性とほぼ相関したことを示す。結果はAAV2ベクターのp38 MAPK介在性リン酸化を示す。さらに、WT−AAV2ベクターによる形質導入は、293細胞またはmoDCsのいずれかにおいて、p38 MAPKのリン酸化のアップレギュレーションをもたらさなかった;これは、AAVがmoDCsにおいて強力な表現型の変化を誘導しないことを示す。
【0149】
実施例5−moDCsのS662V変異ベクター介在性形質導入は表現型変化を引き起こさなかった
MAPKファミリーメンバーは、APCの発生および成熟に重要な役割を果たす。この実施例では、健康なドナーの白血球除去から単離されたmoDCsを、上述の通り、50μMの選択的キナーゼ阻害剤で処置し、次いでWT scAAV2−EGFPベクターで形質導入した。p.i.2時間で、細胞をサプリメント(TNF−α、IL−1β、Il−6、PGE2)で処置し、成熟を誘導した。p.i.48時間で蛍光顕微鏡によりEGFP導入遺伝子発現を評価した。
【0150】
結果は、JNKおよびp38 MAPKの特異的阻害剤でのmoDCsの前処置が、それぞれ、EGFP発現レベルを約2倍および約3倍増大させ、かつ形質導入効率が、S662V変異ベクターで〜5倍増強したことを示す(
図9A、
図9B、および
図9C)。
【0151】
これらのキナーゼの阻害は、以前に、樹状細胞の成熟を防止することが報告されているので、DCにおいて表現型変化を誘導するS662V変異体の能力も調べた。簡単に言えば、moDCを細胞当たり最大50,000vgsのより一層高いMOIで感染させ、p.i.48時間で回収し、かつ表面共刺激分子のアップレギュレーションについて蛍光活性化セルソーター(FACS)により分析した。CD80、CD83およびCD86などのDC成熟マーカーのフローサイトメトリー分析は、WT AAV2ベクターと同様、S662V変異ベクターもまたmoDCsの成熟を誘導しなかったことを示した(
図9C)。結果は、本発明に従って調製されたキャプシド−変異AAVベクターが低い免疫原性を示したことを示した。
【0152】
実施例6−AAV2−S662Vベクターで形質導入されたmoDCによるhTERT特異的CTLの生成
moDCにおけるセリン変異AAV2ベクター介在性導入遺伝子発現が、WT−AAV2と比較して著しく改善されたので、本研究は、S662V−搭載moDCsの、細胞傷害性Tリンパ球の生成および標的細胞の効率的な特異的殺傷を刺激する能力を実証する。ヒトテロメラーゼがほとんどの癌細胞で発現されるユニークな抗癌標的として認識されていることを考え、ニワトリβ−アクチンプロモーターの制御下の切断型ヒトテロメラーゼ(hTERT)遺伝子をクローニングし、DNAをAAV2 S662V変異体にパッケージングした。最大25%のCD8陽性細胞を含有する非接着性末梢血単核細胞(PBMC)を、S662Vベクターにより送達されるmoDC/hTERTで一回刺激した。不死化骨髄性白血病細胞株K562を、細胞媒介性細胞傷害(cell−mediated cytotoxicity)の二色蛍光アッセイに用いて、その後減少するエフェクター対ターゲット細胞比(effector to target cell ratio)を備える殺傷曲線を生成した。
【0153】
図10に示される結果は、hTERTを搭載したmoDCが、GFPを発現するmoDCと比較して特異的なT細胞クローン増殖および殺傷活性を効率的に刺激できたことを示した。これらの結果はまた、キャプシド−変異rAAV−ベクターベースの送達方法が、様々な哺乳動物のワクチン接種方法において用いることができることを示した。
【0154】
実施例7−表面露出チロシン、セリン、および/またはトレオニン残基の部位特異的変異誘発によって得られた高効率rAAV2
AAVベクターは、現在、治療遺伝子の持続的な発現を達成するために、様々な組織を標的とするための送達媒体として、多数の臨床試験で使用されている。しかしながら、治療効果を観察するには多くのベクター用量が必要とされる。十分量のベクターの産生は課題であり、ベクターに対する免疫応答を起こすリスクも有する。それゆえ、低用量で高い形質導入効率を有する新規AAVベクターを開発することが重要である。
【0155】
細胞性上皮成長因子受容体タンパク質チロシンキナーゼ(EGFR−PTK)は、主にチロシン残基でのAAV2キャプシドのリン酸化に起因して、組換えAAV2ベクターからの導入遺伝子の発現にマイナスの影響を与える。チロシン−リン酸化キャプシドは、その後、AAVベクターの形質導入効率にマイナスの影響を与える、宿主プロテアソーム機構により分解される。JNKおよびp38 MAPKセリン/トレオニンキナーゼの選択的阻害剤は形質導入効率を改善し、これは、ある表面露出セリンおよび/またはトレオニン残基のリン酸化がAAVベクターの形質導入効率を低下させることを示す。
【0156】
野生型AAV2のキャプシドタンパク質への部位特異的変異誘発が実施された。
図11A、
図11B、
図12A、および
図12Bに示されるように、野生型AAV2キャプシドタンパク質のセリン(S662V)およびトレオニン(T491V)変異は、その後、AAVベクターの形質導入効率を増大させた。
【0157】
セリン(S662V)およびトレオニン(T491V)変異を最高のパフォーマンスの単一(Y730F)および三重(Y730F)チロシン変異と組み合わせて、以下のベクターを生成した:(i)3つの二重(S662V+T491V;Y730F+S662V;Y730F+T491V);(ii)1つの三重(S662V+Y730F+T491V);(iii)2つの四重(Y730+500+444F+S662V;Y730+500+44F+T491V);および(iv)1つの五重(Y730+500+4440F+S662V+T491V)。変異ベクターの各々の形質導入効率を、初代マウス肝細胞系H3.25を用いて評価した。
【0158】
図13Aおよび
図13Bに示されるように、AAV2四重変異(Y730+500+730F+T491V)ベースのベクターは、対応する非改変野生型(WT)AAV2ベクターのものに対しておよそ30倍、かつAAV2三重変異(Y730+500+444F)ベースのベクターにより産生されるものに対しておよそ3倍、形質導入効率を増大させた。単一(Y730F)または三重チロシン変異(Y730F+500+444F)ベクターのいずれかとS662V変異を組み合わせることは、形質導入効率にマイナスの影響を与えた。
【0159】
遺伝的に改変された樹状細胞(DCs)は広範に研究されており、癌患者におけるそれらの有効性を評価する多数の第I相および第II相臨床試験が開始されている。しかしながら、DCローディング(DC loading)のための現在の方法は、細胞生存率、抗原提示の寿命に関する不確実性、および患者のハプロタイプによる制限の点で不十分である。AAVベクターの種々の一般に使用される血清型によるDCsの異なるサブセットの形質導入の成功が実証され、AAVベースの抗腫瘍ワクチンの潜在的な利点が議論されている。しかしながら、特異性および形質導入効率の点での、DCsへの組換えAAVベクターによる遺伝子導入のさらなる改善が、抗腫瘍ワクチンとして使用される場合に有意な影響を達成するために必要とされている。
【0160】
セリン/トレオニンプロテインキナーゼは、ウイルスキャプシド上の表面露出セリンおよび/またはトレオニン残基をリン酸化することにより、AAVベクター介在性導入遺伝子発現を負に調節でき、ベクターをプロテアソーム介在性分解のための標的とすることができる。表面露出セリンおよびトレオニン残基のリン酸化の防止は、ベクターがリン酸化およびそれに続くユビキチン化を回避できるようにし、それゆえ、プロテアソーム分解を防止した。
【0161】
部位特異的変異誘発を野生型AAVベクターの15個の表面露出セリン(S)残基の各々に実施した。結果は、野生型AAV2ベクターと比較した場合、バリン(V)へのS662の置換が、最大6倍S662V変異体の形質導入効率を増大させたことを示している。また、部位特異的変異誘発を、Vを用いて、野生型AAV2ベクターの17個の表面露出トレオニン(T)の各々に実施した(T251V、T329V、T330V、T454V、T455V、T503V、T550V、T592V、T581V、T597V、T491V、T671V、T659V、T660V、T701V、T713V、T716V)。T−V変異ベクターの各々の形質導入効率を、2,000vgs/細胞のMOIで、初代ヒト単球由来樹状細胞(moDCs)を用いて評価した。10ng/mL TNF−α、10ng/mL IL-1、10ng/mL IL-6、および1mg/mL PGE2を含むサイトカイン混合物での成熟の後、EGFP発現を蛍光顕微鏡下で感染後48時間に分析した。成熟樹状細胞(mDCs)の典型的な表現型を満たすことを確保するために、細胞を、共刺激分子(CD80、CD83、およびCD86)の発現について特徴付けた。
【0162】
図14Aおよび
図14Bに示されるように、以下のT残基(T455V、T491V、T550V、T659V、T671V)の変異は、最大5倍、moDCsの形質導入効率を増加させ、T491V変異体は本研究で試験されたものの中で最も高い形質導入効率を示すものであった。
【0163】
T残基の複数の変異が形質導入効率をさらに向上させることができるかどうかを調べるために、以下のAAV2変異体も生成した:(i)野生型AAV2ベクターに対して二重の変異を有する4つのAAV2ベクター(T455V+T491V;T550V+T491V;T659V+T491V;T671V+T491V);(ii)2つの三重変異AAV2ベクター(T455V+T491V+T550VおよびT550V+T659V+T491V);ならびに(iii)1つの四重変異AAV2ベクター(T455V+T550V+T659V+T491V)。結果は、これらの複数変異ベクターのいくつかが、樹状細胞の形質導入効率を増大させることを示し、かつ三重変異体(T550V+T659V+T491V)が、特に、最適な形質導入効率を有することが示された(対応する非修飾、野生型AAV2ベクターのものよりもおよそ10倍!)。これらの結果は、多数の適切なキャプシド変異ベクターを生成するために、「混合および適合(mix−and−match)」様式で様々な組み合わせ変異体を作ることにより、さらに増強された。1つのそのような組み合わせ−−最高のパフォーマンスのセリン置換(S662V)変異を最高のパフォーマンスのトレオニン(T491V)置換と組み合わせることは、個々の単一変異のいずれかと比較して、さらにおよそ8倍まで形質導入効率を増強した。
【0164】
実施例8−AAV2キャプシド上のユビキチン結合リジン残基の標的変異誘発はその形質導入効率を改善する
血友病の臨床試験から得られるデータから、高用量のAAVベクターの肝臓遺伝子導入が、強力な適応免疫応答の素因となることが、今ではよく認識されている。したがって、より低用量のベクターが持続的な表現型補正(phenotypic correction)を達成し、かつベクター関連免疫毒性を制限するのを可能にする、新規な戦略を開発する必要がある。
【0165】
本実施例は、VVA2キャプシドタンパク質のVP3領域の表面露出リジン残基が宿主ユビキチンリガーゼの直接的な目標であり、かつこれらのリジン残基の変異誘発がAAVベクターの形質導入効率を改善することを示す。
【0166】
ユビキチン化予測ソフトウェア(UbPred)を用いるin silico解析は、野生型AAV2キャプシドの7個のリジン残基(K39、K137、K143、K161、K490、K527およびK532)がユビキチン化され得ると同定した。AAV2 Rep/Capコードプラスミドにおけるリジンからアルギニンへの変異を実行し、EGFP[scAAV−CBa−EGFP]を発現する組換え自己相補的AAV2ベクターの高度精製ストックを、7個のリジン変異プラスミドの各々において生成した。リジン変異ベクターの物理的粒子力価は、野生型(WT)scAAVベクターに匹敵していた(〜0.5−1×10
12vgs/mL)、これは、これらの変異が、変異キャプシドの構造またはパッケージング能力に影響を及ぼさなかったことを示唆する。
【0167】
WTまたは7個のリジン変異キャプシドを含有するscAAVベクターを、次いで、in vitroでそれらの形質導入の可能性について評価した。およそ8×10
4 HeLa細胞またはHEK293細胞を、モック感染または500、2000もしくは5000vgs/細胞を含む種々の感染多重度(MOI)でAAVを感染させた。感染後48時間で、導入遺伝子(EGFP)の発現を蛍光顕微鏡により、かつフローサイトメトリーにより測定した。
【0168】
図15)に示される結果は、WT−AAV2ベクターと比較した場合、K532R変異ベクターがin vitroでHeLa細胞(18X)およびHEK293(9X)細胞の両方において遺伝子発現を著しく増大させたことを示す。K532Rベクターの増大した形質導入効率は、試験した3つの異なるMOIの間で一貫しており、WTベクターに対して10倍の平均増大であった。
【0169】
実施例9−in vivoでの古典的(canonical)および代替(alternative)NF−κB経路のAAVベクター介在性活性化
in vitroでのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターでのHeLa細胞の感染は、NF−κB、細胞性免疫および炎症応答の中心的調節因子、の代替経路の活性化をもたらす。また、古典的経路ではなく代替経路の活性化は、これらの細胞におけるAAV介在性導入遺伝子発現を調節する。
【0170】
本実施例は、マウスにおける肝臓指向性AAV介在性遺伝子導入におけるNF−κBの役割を明らかにする。in vivoでは、AAV介在性遺伝子導入は、古典的および代替NF−κB経路の連続的な活性化をもたらす。これらの経路は、主に炎症(古典的)または適応応答(代替経路)を駆動すると考えられている。野生型(WT)またはチロシン三重変異(TM)キャプシドを有するAAV2ベクターは、2時間以内に古典的NF−κB経路を活性化し、前炎症性サイトカインおよびケモカインの発現をもたらした(
図14A)。この一過性のプロセスは、Toll様受容体9(TLR9)依存性であり、抗原提示細胞によるベクターゲノムの初期感知(initial sensing)をおそらく反映している。ベクター送達9時間後に調製された肝臓ホモジネートのウェスタンブロット分析(
図14B)は、肝細胞への遺伝子導入におそらく由来する、代替NF−κB経路の核p52タンパク質成分の存在量を示した。
【0171】
遺伝子導入前のNF−κB阻害剤Bay11の投与は、効率的に両方の経路の活性化を阻止した。これは、炎症誘発性先天性免疫応答を防止し、また、抗AAVキャプシド抗体形成の勢いを弱めた(
図14C)。重要なことに、Bay11はWTおよびTM AAV2ベクターの両方によって介在される長期の導入遺伝子発現を妨害しなかった(
図14D)。これらの結果は、ベクター投与前のNF−κB阻害剤での一過性の免疫抑制が、(先天性応答によって引き起こされる)炎症を除去し、また適応応答を制限したことを実証した。
【0172】
実施例10−最適化rAAV3ベクターの開発:ヒト肝臓癌細胞の高効率形質導入のメカニズム
10個の一般に使用されるAAV血清型のうち、AAV3は不十分に細胞および組織に形質導入することが報告されている。しかしながら、本発明者らは、AAVベクターが非常に効率的に、確立されたヒト肝芽腫(HB)およびヒト肝細胞癌(HCC)細胞株ならびに初代ヒト肝細胞に形質導入することを発見した。AAV3はウイルスの侵入のために細胞受容体/共受容体としてヒトHGFRを利用する。
【0173】
本実施例は、hHGFRの細胞外ならびに細胞内キナーゼドメインの両方がAAV3ベクター侵入およびAAV3介在性導入遺伝子発現に関与することを示す。結果は、(i)AAV3ベクター介在性形質導入が、T47D細胞、検出不可能なレベルの内因性hHGFRを発現するヒト乳癌細胞株において、安定的なトランスフェクションおよびhHGFRの過剰発現の後、著しく増大した(
図15A);(ii)hHGFR関連チロシンキナーゼ活性がAAV3ベクターの形質導入効率にマイナスの影響を与える(
図15B、
図15C);(iii)プロテアソーム阻害剤の使用が、AAV3ベクター介在性形質導入を著しく改善する;(iv)AAV3キャプシド上の特定の表面露出チロシン残基の部位特異的変異誘発が、改善された形質導入効率を引き起こす;ならびに(v)2つのチロシン変異の特定の組み合わせが、導入遺伝子発現の程度をさらに改善する(
図15D)ことを示す。これらのAAV3ベクターは、ヒトにおける肝臓癌の遺伝子治療のために有用であり得る。
【0174】
実施例11−表面露出リジン残基の部位特異的変異誘発は、in vivoでのマウス肝細胞におけるrAAV2およびrAAV8ベクターの改善された形質導入効率を引き起こす
ユビキチン−プロテアソーム経路は、これらのベクターの導入効率にマイナスの影響を与える、組換えAAV2ベクターの細胞内輸送において重要な役割を果たしている。ユビキチン化のための最初のシグナルは、AAV2キャプシド上の特定の表面露出チロシン(Y)、セリン(S)、およびトレオニン(T)残基のリン酸化である;これらの残基のいくつかの除去は野生型(WT)AAV2ベクターの形質導入効率を著しく増大させる。
【0175】
本実施例は、表面露出リジン残基の部位特異的変異誘発がAAV2キャプシドのユビキチン化を防止し、それが細胞性プロテアソーム機構によるベクター分解を防止し、それによって選択された哺乳動物の細胞に治療用または診断用ポリヌクレオチドを送達するための改善されたベクターを産生することを表す。
【0176】
グルタミン酸(E)での表面露出リジン(K)残基(K258、K490、K527、K532、K544、549、およびK556)における単一変異を有するAAV2ベクターを調製し、分析した。EGFPレポーター遺伝子を発現するK490E、K544E、K549E、およびK556E scAAV2ベクターの形質導入効率は、対応する未修飾WT AAV2ベクターと比較して、5倍も増大した(
図16参照)。本研究で分析された例示的な構築物のうち、リジン置換変異体の間で、K556E単一変異が最も高い形質導入効率を有した(Hela細胞においてin vitroで2,000vgs/細胞の形質導入率を有する)。1×10
10vgsの各ベクターがin vivoでC57BL/6マウスに静脈内送達されたときも同様の結果が得られ、肝細胞における導入遺伝子の発現が注射後2週に評価された。1×10
10vgs/動物のホタルルシフェラーゼ(Fluc)レポーター遺伝子を発現するWTまたはリジン変異ssAAV2ベクターのいずれかの静脈内送達後の注入2週間後の生物発光イメージングは、これらの結果をさらに裏付けた。
【0177】
重要なことに、最も効率的な単一アミノ酸残基変異の2つを組み合わせて、二重変異(K544E+K556E)を生成した。in vivoでのマウス肝細胞におけるこの二重変異ssAAV2−Flucベクターの形質導入効率は、単一変異のいずれかと比べて〜2倍、かつWT、非改変ssAAV2−Fluc対照ベクターと比べて〜10倍、増大した。
【0178】
AAV8ベクターは、非常によくマウス肝細胞に形質導入することが以前に示されている。表面露出K残基のいくつかもまたこの血清型において保存されているので、K530E−、K547E−、またはK569E−変異を有するssAAV8−Flucベクターも生成した。in vivoでのマウス肝細胞におけるK547EおよびK569E ssAAV8−Flucベクターの形質導入効率は、WT ssAAV8ベクターと比較して、それぞれ、〜3倍および〜2倍増大した(
図17A、
図17B、
図17C、
図17D、
図17E、および
図18)。
【0179】
結果(
図19A、
図19B、
図20Aおよび
図20B、
図21A−
図21I、
図22A−
図22I、
図23A−
図23F、
図24、ならびに
図25において、本明細書に要約される)は、表面露出リジン残基を標的とすることがまた、ヒト細胞の増大した形質導入のための新規な改善されたAAVベースのウイルスベクター、および重要なことに遺伝子治療に有用な新規なターゲッティングベクターを作成するのに役立ち得るということを実証した。
【0180】
参考文献:
以下の参考文献は、本明細書に記載されたものを補足する例示的な手順または他の詳細を提供する程度に、出典明示により本明細書に具体的に組み込まれる。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0181】
本明細書に記載される実施例および実施形態は例示目的のみのものであり、かつ、それらに照らして様々な変形や変更が当業者に示唆され、本願の趣旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれると理解されるべきである。
【0182】
各文献が、出典明示により組み込まれることが個々にかつ具体的に示され、その全体が本明細書に説明された場合と同程度に、本明細書で引用される刊行物、特許出願および特許を含む全ての参考文献は、出典明示により組み込まれる。
【0183】
本発明を説明する文脈で使用される用語「a」および「an」および「the」および類似の指示対象は、本明細書において特に指定のない限り、あるいは文脈と明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方をカバーするように解釈されるべきである。
【0184】
本明細書における範囲の記載は、本明細書において特に指定のない限り、範囲内に入るそれぞれ別個の値を個々に言及する簡便な方法としての機能を果たすことを単に意図し、かつそれぞれ別個の値は、それが個々に本明細書に記載されているかのように、本明細書に組み込まれる。
【0185】
本明細書に記載される全ての方法は、本明細書において特に指定のない限り、あるいは文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で行うことができる。
【0186】
本明細書に提供される、任意のおよび全ての例、または例示的な言葉(例えば、「など」)の使用は、本発明をより明らかにすることを単に意図し、特に指定のない限り、本発明の範囲を限定するものではない。明細書中の言葉は、明示的に述べられていない限り、任意の要素が本発明の実施に不可欠であることを示すと解釈されるべきではない。
【0187】
要素(単数)および要素(複数)に関する「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、または「含有する(containing)」などの用語を用いる、本発明の任意の態様または実施形態の本明細書における記載は、特に明記のない限り、あるいは文脈と明らかに矛盾しない限り、その特定の要素(単数)および要素(複数)「からなる(consist of)」、「から実質的になる(consist essentially of)」、または「を実質的に含む(substantially comprise)」発明の同様の態様または実施形態のサポートを提供することを意図する(例えば、特定の要素を含んでいる本明細書に記載される組成物は、特に明記のない限り、あるいは文脈と明らかに矛盾しない限り、その要素からなる組成物も記載していると理解されるべきである。
【0188】
本明細書に開示され、特許請求された組成物および方法の全ては行うことができ、本開示に照らして過度の実験をすることなく実行することができる。本発明の組成物および方法を好ましい実施形態に関して説明してきたが、本発明の概念、趣旨および範囲から逸脱することなく、組成物および方法に対して、および本明細書に記載される方法の段階または段階の連続において変形を適用できることは当業者には明らかであろう。より具体的には、化学的および生理学的の両方に関連するある物質が、同一または類似の結果を達成しつつ、本明細書に記載される薬剤の代わりに使用され得る。当業者に明らかなそのような類似の置換および改変は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨、範囲および概念内にあるとみなされる。