【実施例】
【0014】
図1は、本実施例に係るシステムの構成を示す図である。
図1に示すように、このシステムは、フロア5に、AP(Access Point)1,2,3と、端末α,β,γと、キャプチャ装置100X,100Yとが配置される。フロア5の外部に、AP4が配置される。また、キャプチャ装置100X,100Yは、測定装置200に接続された場合に、情報を測定装置200に出力する。測定装置200は、フロア5に設置されていても良いし、フロア5の外部に配置されていても良い。
【0015】
端末α,β,γは、無線LAN(Local Area Network)によって、通信範囲内のAPに接続される。例えば、端末αは、AP1,2,3,4に接続される。このシステムは、端末α,β,γ以外の端末が含まれていても良い。また、このシステムは、AP1〜4以外のAPが含まれていても良い。
【0016】
端末αは、APを介して、他の端末とフレームを送受信する装置である。例えば、端末αは、無線LANによって、AP1,2,3,4のいずれかと接続し、他の端末にフレームを送信する。端末β,γに関する説明は、端末αに対応する説明と同様である。
【0017】
ここで、端末αが送受信するフレームの一例について説明する。
図2は、フレームのデータ構造の一例を示す図である。
図2に示すように、このフレームは、PHY(Physical)ヘッダ、アドレス情報、シーケンス制御(Sequence Control)情報、データを有する。このうち、PHYヘッダは、物理的な接続形式に関する情報を有するヘッダであり、変換方式、ビットレート、受信タイミング等の情報を有する。アドレス情報は、フレームの宛先となる端末のMAC(Media Access Control)アドレス、フレームの送信元となる端末のMACアドレス、中継を行ったAPのMACアドレス等が含まれる。シーケンス制御情報は、各フレームに付される通し番号である。データは、ユーザデータに対応する。
【0018】
ところで、無線LAN上では、データフレーム、管理フレーム、制御フレームの3種類のフレームが流れる。データフレームは、エンドユーザのデータパケットを運ぶフレームである。管理フレームは、端末とAPとの接続を管理するフレームである。制御フレームは、データパケットのフロー制御や送達確認のためのフレームである。
【0019】
例えば、送信元デバイス(端末またはAP)は、データフレームを送信先デバイス(端末またはAP)に送信した後に、送信先デバイスからの応答(ACK)を待つ。送信先デバイスは、データフレームを受信すると、応答を送信元デバイスに送信する。
【0020】
送信元デバイスは、応答を受信すると、次のデータフレームを、より高いビットレートの変調方式で送信する。これに対して、送信元デバイスは、応答を受信しない場合には、次回のデータフレームを、より低いビットレートの変調方式でリトライ(再送)する。送信元デバイスは、データフレームをリトライする場合には、データフレームに、このデータフレームが再送フレームである旨の情報を格納する。
【0021】
基本的に、ビットレートが高ければデータ転送速度は高速になるが、変調方式がノイズに弱くなり、リトライが発生しやすくなる。リトライ率が大きいと、送信元デバイスが送信したフレームが送信先デバイスで受信されるまでの時間が大きくなる。この結果、エンド・エンド間のデータ転送スループットが低下する。
【0022】
本実施例では、特に区別する場合を除いて、データフレーム、管理フレーム、制御フレームをまとめて、フレームと表記する。
【0023】
図1の説明に戻る。AP1,2,3,4は、無線LANによって端末α,β,γと接続し、データ通信を行う装置である。
図1に示す例では、AP1は、端末αと無線LANによって接続する。例えば、端末αは、AP1を介して、他の端末にフレームを送信する。
【0024】
キャプチャ装置100X,100Yは、端末α,β,γと、AP1〜4との間で送受信するフレームをキャプチャする装置である。例えば、キャプチャ装置100Xがフレームをキャプチャできる範囲を、範囲1xとする。キャプチャ装置100Yがフレームをキャプチャできる範囲を、範囲1yとする。例えば、範囲1x、1yは、キャプチャ装置100X,100Yを中心として、半径20mの円に相当する範囲である。
【0025】
キャプチャ装置100X,100Yは、同時に動作を開始し、同一の時間間隔によりフレームのキャプチャを行う。以下の説明では、キャプチャ装置100X,100Yがキャプチャしたフレームを適宜、キャプチャデータと表記する。なお、キャプチャ装置100Xの時刻と、キャプチャ装置100Yの時刻とは、同時刻に予め設定されているものとする。
【0026】
キャプチャ装置100X,100Yは、キャプチャデータを基にして、後述するような処理を実行し、分析データを生成する。キャプチャ装置100X,100Yは、測定装置200に接続されると、分析データと、キャプチャデータを、測定装置200に通知する。例えば、作業員は、キャプチャ装置100X,100Yを一定時間動作させた後に、キャプチャ装置100X,100Yと、測定装置200とを有線LANまたは無線LAN等を介して接続する。
【0027】
測定装置200は、キャプチャ装置100X,100Yから分析データと、キャプチャデータとを取得し、取得した分析データとキャプチャデータとを基にして、無線LANの通信品質に関する情報を生成する装置である。
【0028】
次に、
図1に示したキャプチャ装置100Xの構成の一例について説明する。キャプチャ装置100Yの構成は、キャプチャ装置100Yと同様であるため、説明を省略する。
図3は、キャプチャ装置の構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、このキャプチャ装置100Xは、フレーム取得部110と、入力部120と、記憶部130と、制御部140とを有する。
【0029】
フレーム取得部110は、AP1〜4と端末α,β,γとの無線LAN通信で送受信されるすべてのフレームを取得(キャプチャ)する処理部である。フレーム取得部110は、取得したフレームを、登録部141に出力する。
【0030】
入力部120は、各種のデータを制御部140に入力する入力装置である。例えば、入力部120は、入力ボタン、タッチパネル等に対応する。
【0031】
記憶部130は、フレーム格納テーブル131と、APリスト132、端末リスト133と、電波占有率情報134と、統計情報135とを有する。記憶部130は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子や、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置に対応する。
【0032】
フレーム格納テーブル131は、フレーム取得部110によって取得されたフレームを格納するテーブルである。
図4は、フレーム格納テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図4に示すように、このフレーム格納テーブル131は、複数の記憶領域30a,30b,30cを有する。
図4に示す例では、記憶領域30a〜30cを示すが、フレーム格納テーブル131には、その他の記憶領域が含まれる。また、以下の説明では、適宜、記憶領域30a〜30cをまとめて、記憶領域30と表記する。
【0033】
各記憶領域30は、それぞれ異なる測定スロット時間に、フレーム取得部110が取得したフレームを格納する。例えば、記憶領域30aは、ある測定スロット時間に、フレーム取得部110が取得したフレームを格納する。記憶領域30bは、記憶領域30aに対する測定スロット時間の次の測定スロット時間に、フレーム取得部110が取得したフレームを格納する。記憶領域30cは、記憶領域30bに対する測定スロット時間の次の測定スロット時間に、フレーム取得部110が取得したフレームを格納する。
【0034】
各記憶領域30では、フレームと、このフレームの属性情報とが対応付けられる。フレームの属性情報は、例えば、該当するフレームのビットレートの情報や、該当するフレームがリトライによるフレームであるか否かの情報が含まれる。また、フレームの属性情報として、フレームを受信した時点の、信号強度の情報が含まれていてもよい。フレームの属性情報は、フレームに関するその他の属性に関する情報を更に含んでいても良い。
【0035】
APリスト132は、業務用のAPのMACアドレスと、公衆WiFi(Wireless Fidelity 登録商標 以下省略)のAPのMACアドレスと、その他のAPのMACアドレスとの情報を有する。
図5は、APリストのデータ構造の一例を示す図である。
図5に示すように、このAPリスト132は、区分情報と、MACアドレスと、AP名と、SSID(Service Set Identifier)と、チャンネル情報とを対応付ける。
【0036】
図5において、区分情報は、該当するAPが、業務用のAPであるのか、公衆WiFiのAPであるのか、その他のAPであるのかを示す情報である。区分情報が「業務用」である場合には、該当するAPが業務用のAPであることを示す。区分情報が「公衆WiFi」である場合には、該当するAPが公衆WiFiのAPであることを示す。区分情報が「その他」の場合には、該当するAPが、その他のAPであることを示す。
【0037】
MACアドレスは、該当するAPのMACアドレスを示す。AP名は、該当するAPの名前に対応する。SSIDは、アクセスポイントの識別子である。チャンネル情報は、該当するAPが利用するチャンネルを示す。
図5の例では、MACアドレス「a1:a2:a3:a4:a5:a6」のAPは、「業務用」であり、AP名は「AP1」であり、SSIDは「yyyy」であり、利用するチャンネルは1chであることが示される。
【0038】
端末リスト133は、業務用の端末のMACアドレスと、その他の端末のMACアドレスとの情報を有する。
図6は、端末リストのデータ構造の一例を示す図である。
図6に示すように、この端末リスト133は、区分情報と、MACアドレスと、SSIDと、チャンネル情報とを対応付ける。
【0039】
図6において、区分情報は、該当する端末が、業務用の端末であるのか、公衆WiFiの端末であるのか、その他の端末であるのかを示す情報である。MACアドレスは、該当する端末装のMACアドレスを示す。SSIDは、端末が利用するAPのSSIDに対応する。チャンネル情報は、該当する端末が利用するチャンネルを示す。
図6の例では、MACアドレス「p1:p2:p3:p4:p5:p6」の端末は、「業務用」であり、SSIDが「yyyy」であり、利用する端末が6chであることが示される。
【0040】
電波占有率情報134は、後述する電波占有率算出部142により算出される電波占有率の情報である。電波占有率に関する説明は後述する。
【0041】
統計情報135は、APから送信されたフレームの数、APの信号強度を、測定スロット時間毎に示す情報である。統計情報135は、後述する統計情報生成部144により生成される。
【0042】
図7Aは、キャプチャ装置100Xの統計情報のデータ構造の一例を示す図である。
図7Aに示すように、統計情報135は、統計情報135Xa,135Xb,135Xc,135Xdを有する。統計情報135Xaは、AP1から送信されたフレームに関する統計情報である。統計情報135Xbは、AP2から送信されたフレームに関する統計情報である。統計情報135Xcは、AP3から送信されたフレームに関する統計情報である。統計情報135Xdは、AP4から送信されたフレームに関する統計情報である。
【0043】
統計情報135Xaについて説明する。統計情報135Xaは、測定開始時刻と、測定終了時刻と、全送信フレーム数と、信号強度とを対応付ける。測定開始時刻は、フレームの測定を開始した時刻であり、測定終了時刻は、フレームの測定を終了した時刻である。測定開始時刻から測定終了時刻までの時間間隔が、測定スロット時間に対応する。全送信フレーム数は、該当する測定開始時刻から測定終了時刻までの間に、AP1から送信された全フレームの数を示す。信号強度は、該当する測定開始時刻から測定終了時刻までの間について、AP1から送信される信号強度の平均値である。
【0044】
統計情報135Xb〜135Xdに関する説明は、フレームを送信するAPが、AP2〜4になる点において、統計情報135Xaと異なるが、その他の説明は同様である。
【0045】
参考例として、キャプチャ装置100Yによる統計情報の一例も示す。
図7Bは、キャプチャ装置100Yの統計情報のデータ構造の一例を示す図である。
図7Bに示すように、統計情報135は、統計情報135Ya,135Yb,135Yc,135Ydを有する。
【0046】
制御部140は、登録部141と、電波占有率算出部142と、リスト作成部143と、統計情報生成部144と、送信部145とを有する。制御部140は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積装置に対応する。また、制御部150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路に対応する。
【0047】
登録部141は、フレーム取得部110がキャプチャしたフレームの情報を、フレーム格納テーブル131に登録する処理部である。登録部141は、測定スロット時間毎に、登録先となるフレーム格納テーブル131の記憶領域を切り替えながら、フレームの情報を、フレーム格納テーブル131に登録する。測定スロット時間は、適宜、技術者が設定・変更を行ってよい。
【0048】
ここで、フレーム取得部110は、受信チャンネルを十分に短い時間間隔で切り替え、該当する受信チャンネルを流れるフレームを取得するものとする。例えば、フレーム取得部110は、250msの時間間隔で、受信チャンネルを切り替えるものとする。このため、登録部141は、ある測定スロット時間において、該当する記憶領域30にフレームの情報を登録すると、記憶領域30には、各チャンネルのフレームの情報が格納されることになる。
【0049】
電波占有率算出部142は、電波占有率を算出する処理部である。電波占有率算出部142が算出した電波占有率の情報を、電波占有率情報134とする。電波占有率算出部142は、電波占有率情報134を記憶部130に格納する。後述するように、電波占有率情報は、測定スロット時間毎に、電波占有率が対応付けられる。
【0050】
電波占有率算出部142が「電波占有率」を算出する処理の一例について説明する。例えば、電波占有率は、式(1)で定義される。式(1)において、T1は、フレームがチャンネル上で伝送されている時間に対応する。T2は、チャンネル上でフレームが流れていない時間に対応する。このため、T1とT2とを加算した時間は、測定スロット時間に対応する。
【0051】
電波占有率=T1/(T1+T2)・・・(1)
【0052】
例えば、電波占有率算出部142は、測定スロット時間毎に、フレーム取得部110のフレーム取得状況を監視し、チャンネル上でフレームが伝送されている時間T1と、フレームが伝送されていない時間T2とを特定する。
【0053】
リスト作成部143は、フレーム格納テーブル131を基にして、APリスト132および端末リスト133を作成する処理部である。リスト作成部143は、APリスト132および端末リスト133を、記憶部130に格納する。
【0054】
リスト作成部143が、APリスト132を作成する処理の一例について説明する。APリスト132において、区分情報「業務用」および「公衆WiFi」に対応するMACアドレス、AP名、SSIDに関する情報は、予め設定されているものとする。リスト作成部143は、フレーム格納テーブル131に格納されたフレームのAPのアドレス(MACアドレス)と、APリスト132の「業務用」および「公衆WiFi」のMACアドレスとを比較し、一致しないMACアドレスを、区分情報「その他」のMACアドレスとして、APリスト132に登録する。また、リスト作成部143は、適宜、AP名、SSID、チャンネル情報を、APリスト132に登録する。
【0055】
リスト作成部143が、端末リスト133を生成する処理の一例について説明する。リスト作成部143は、APリスト132の区分情報「業務用」のAPのMACアドレスをアドレス情報に含むフレームを、フレーム格納テーブル131のフレームから抽出する。リスト作成部143は、抽出したフレームに含まれる端末のMACアドレスを、区分情報「業務用」の端末のMACアドレスとして特定し、端末リスト133に登録する。また、リスト作成部143は、適宜、SSID、チャンネル情報を、端末リスト133に登録する。
【0056】
リスト作成部143は、APリスト132の区分情報「公衆WiFi」のAPのMACアドレスをアドレス情報に含むフレームを、フレーム格納テーブル131のフレームから抽出する。リスト作成部143は、抽出したフレームに含まれる端末のMACアドレスを、区分情報「公衆WiFi」の端末のMACアドレスとして特定し、端末リスト133に登録する。
【0057】
リスト作成部143は、上記の区分情報「業務用」、「公衆WiFi」以外の端末のMACアドレスを、区分情報「その他」の端末のMACアドレスとして特定し、端末リスト133に登録する。以下、「フレーム」とは、データフレームのことである。
【0058】
統計情報生成部144は、フレーム格納テーブル131を基にして、統計情報135を生成する処理部である。統計情報生成部144が、統計情報135Xaを生成する処理の一例について説明する。統計情報生成部144は、測定スロット時間に含まれるフレームのアドレス情報を参照し、AP1から送信されたフレームを抽出する。統計情報生成部144は、抽出したフレームの数を、全送信フレーム数に登録する。統計情報生成部144は、抽出したフレームに対応する信号強度を平均化することで、信号強度を算出し、算出した信号強度を登録する。統計情報生成部144は、測定スロット時間毎に上記処理を繰り返し実行することで、測定スロット時間毎の、全送信フレーム数、信号強度を算出し、統計情報135Xaに登録する。既に説明したが、各測定スロット時間は、各測定開始時刻から測定終了時刻までの時間幅に対応する。
【0059】
統計情報生成部144が、統計情報135Xb〜135Xdを生成する処理は、AP2〜AP4から送信されたフレームを抽出する点以外において、統計情報135Xaを生成する処理と同様である。
【0060】
送信部145は、分析データおよびキャプチャデータを、測定装置200に送信する処理部である。ここで、分析データは、APリスト132、端末リスト133、電波占有率情報134、統計情報135を含む情報である。キャプチャデータは、フレーム格納テーブル131に対応する情報である。
【0061】
次に、測定装置200の構成の一例について説明する。
図8は、測定装置の構成を示す機能ブロック図である。
図8に示すように、測定装置200は、インタフェース部210と、入力部220と、表示部230と、記憶部240と、制御部250とを有する。
【0062】
インタフェース部210は、キャプチャ装置100X,200X、その他のキャプチャ装置と有線又は無線によって接続し、データ通信を実行する処理部である。インタフェース部210は、キャプチャ装置100X,200X、その他のキャプチャ装置から受信したデータを、取得部251に出力する。以下の説明では、キャプチャ装置100X,200X、その他のキャプチャ装置をまとめて、適宜、キャプチャ装置100と表記する。
【0063】
入力部220は、各種のデータを制御部250に入力する入力装置である。例えば、入力部220は、入力ボタン、タッチパネル、キーボード等に対応する。
【0064】
表示部230は、制御部250から出力される情報を表示する表示装置である。例えば、表示部230は、無線LANの通信品質に関する情報を表示する。
【0065】
記憶部240は、キャプチャテーブル241、APリスト242、端末リスト243、AP特定合成テーブル244、端末フレームテーブル245、下りフレームテーブル246、上りフレームテーブル247、通信品質情報248を有する。記憶部240は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子や、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置に対応する。
【0066】
キャプチャテーブル241は、キャプチャ装置100Xから取得した情報を格納するテーブルである。
図9は、キャプチャテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図9に示すように、このキャプチャテーブル241は、識別情報と、分析データと、キャプチャデータとを対応付ける。識別情報は、キャプチャ装置を一意に識別する情報である。分析データは、キャプチャ装置100から取得した分析データである。分析データは、上記のように、APリスト132、端末リスト133、電波占有率情報134、統計情報135を含む情報である。キャプチャデータは、フレーム格納テーブル131に対応する情報である。キャプチャデータは、キャプチャ装置100から取得したキャプチャデータである。キャプチャデータは、上記のように、フレーム格納テーブル131に対応する。
【0067】
APリスト242は、キャプチャ装置100から受信したAPリストを統合したAPリストである。
図10は、測定装置のAPリストのデータ構造の一例を示す図である。
図10に示すように、APリスト242は、区分情報と、MACアドレスと、AP名と、SSIDと、チャンネル情報とを対応付ける。区分情報、MACアドレス、AP名、SSID、チャンネル情報に関する説明は、APリスト132で説明したものと同様である。
【0068】
端末リスト243は、キャプチャ装置100から受信した端末リストを統合した端末リストである。
図11は、測定装置の端末リストのデータ構造の一例を示す図である。
図11に示すように、端末リスト243は、区分情報と、MACアドレスと、SSIDと、チャンネル情報とを対応付ける。区分情報、MACアドレス、SSID、チャンネル情報に関する説明は、端末リスト133で説明したものと同様である。
【0069】
AP特性合成テーブル244は、APから送信されるフレームを良好に受信できたキャプチャ装置100を特定するための情報を保持する。
図12は、AP特性合成テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図12に示すように、AP特性合成テーブル244は、決定テーブル244a,244b,244c,244dを有する。決定テーブル244aは、AP1から送信されるフレームを良好に受信したキャプチャ装置を特定するためのテーブルである。決定テーブル244bは、AP2から送信されるフレームを良好に受信したキャプチャ装置を特定するためのテーブルである。決定テーブル244cは、AP3から送信されるフレームを良好に受信したキャプチャ装置を特定するためのテーブルである。決定テーブル244dは、AP4から送信されるフレームを良好に受信したキャプチャ装置を特定するためのテーブルである。
【0070】
決定テーブル244aについて説明する。決定テーブル244aは、選択キャプチャ装置と、測定開始時刻と、測定終了時刻と、APフレーム送信数と、AP信号強度とを対応付ける。選択キャプチャ装置は、該当する測定スロット時間(測定開始時刻から測定終了時刻までの時間)において、最も良好にAPからのフレームを受信したキャプチャ装置を識別する情報である。測定開始時刻は、フレームの測定を開始した時刻であり、測定終了時刻は、フレームの測定を終了した時刻である。
【0071】
APフレーム送信数は、該当する測定スロット時間において、AP1から送信されたフレームを、キャプチャ装置100が受信した数を示すものである。
図12に示す例では、キャプチャ装置100Xおよびキャプチャ装置100Yがそれぞれ受信したフレームの数を示す。
【0072】
AP信号強度は、該当する測定スロット時間において、キャプチャ装置100が、AP1から送信される信号(フレーム)の強度を示すものである。
図12に示す例では、キャプチャ装置100XがAP1から送信される信号の強度と、キャプチャ装置100YがAP1から送信される信号の強度とを示す。
【0073】
決定テーブル244b〜244dに関する説明は、フレームを送信するAPが、AP2〜4になる点において、決定テーブル244aと異なるが、その他の説明は同様である。
【0074】
端末フレームテーブル245は、端末からキャプチャ装置100に送信されたフレームの通信品質に関する情報を保持するテーブルである。
図13は、端末フレームテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図13に示す例では、端末フレームテーブル245は、通信品質テーブル245a,245bを有する。通信品質テーブル245aは、キャプチャ装置100Xがキャプチャした、端末αから送信されたフレームに基づく通信品質を示すテーブルである。通信品質テーブル245bは、キャプチャ装置100Yがキャプチャした、端末αから送信したフレームに基づく通信品質を示すテーブルである。ここでは、端末αから送信されたフレームに基づく、通信品質テーブル245a,245bを示すが、端末フレームテーブル245は、端末β,γから送信されたフレームに基づく、通信品質テーブルを有していても良い。
【0075】
通信品質テーブル245aについて説明する。通信品質テーブル245aは、測定開始時刻と、測定終了時刻と、全送信フレーム数と、送信リトライ数と、送信平均レートと、送信最大レートと、信号出力とを対応付ける。測定開始時刻は、フレームの測定を開始した時刻であり、測定終了時刻は、フレームの測定を終了した時刻である。
【0076】
全送信フレーム数は、該当する測定スロット時間(測定開始時刻から測定終了時刻までの時間)において、端末αが送信したフレームの数を示す。送信リトライ数は、該当する測定スロット時間において、端末αが行ったフレームのリトライ数を示す。送信平均レートは、測定スロット時間において、端末αがフレームを送信する際に利用したビットレートの平均値である。送信最大レートは、該当する測定スロット時間において、端末αがフレームを送信する際に利用したビットレートの最高値である。信号出力は、端末αがフレームを送信する際の信号出力を示す。
【0077】
通信品質テーブル245bに関する説明は、フレームをキャプチャした装置が、キャプチャ装置100Yである点において、通信品質テーブル245aと異なるが、その他の説明は同様である。
【0078】
下りフレームテーブル246は、AP1〜4から端末に送信されたフレームの通信品質に関する情報を保持するテーブルである。
図14及び
図15は、下りフレームテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図14および
図15に示すように、下りフレームテーブル246は、テーブル246Xa〜246Xd,246Ya〜246Ydを有する。
【0079】
このうち、テーブル246Xa〜246Xdは、キャプチャ装置100Xがキャプチャした、AP1〜AP4から端末αに送信されるフレームを解析することにより生成されるテーブルである。
【0080】
テーブル246Xaは、測定開始時刻と、測定終了時刻と、AP1〜4→端末αフレーム数とを対応付ける。測定開始時刻は、フレームの測定を開始した時刻であり、測定終了時刻は、フレームの測定を終了した時刻である。AP1→端末αフレーム数は、AP1から端末αに送信されたフレーム数である。AP2→端末αフレーム数は、AP2から端末αに送信されたフレーム数である。AP3→端末αフレーム数は、AP3から端末αに送信されたフレーム数である。AP4→端末αフレーム数は、AP4から端末αに送信されたフレーム数である。
【0081】
テーブル246Xbは、測定開始時刻と、測定終了時刻と、AP1〜4→端末αリトライフレーム数とを対応付ける。測定開始時刻は、フレームの測定を開始した時刻であり、測定終了時刻は、フレームの測定を終了した時刻である。AP1→端末αリトライ数は、AP1から端末αに送信する際にリトライされたフレーム数である。AP2→端末αリトライ数は、AP2から端末αに送信する際にリトライされたフレーム数である。AP3→端末αリトライ数は、AP3から端末αに送信する際にリトライされたフレーム数である。AP4→端末αリトライ数は、AP1から端末αに送信する際にリトライされたフレーム数である。
【0082】
テーブル246Xcは、測定開始時刻と、測定終了時刻と、AP1〜4→端末α平均ビットレートとを対応付ける。測定開始時刻は、フレームの測定を開始した時刻であり、測定終了時刻は、フレームの測定を終了した時刻である。AP1→端末α平均ビットレートは、AP1から端末αにフレームを送信する際の平均ビットレートである。AP2→端末α平均ビットレートは、AP2から端末αにフレームを送信する際の平均ビットレートである。AP3→端末α平均ビットレートは、AP3から端末αにフレームを送信する際の平均ビットレートである。AP4→端末α平均ビットレートは、AP4から端末αにフレームを送信する際の平均ビットレートである。
【0083】
テーブル246Xdは、測定開始時刻と、測定終了時刻と、AP1〜4→端末α最大ビットレートとを対応付ける。測定開始時刻は、フレームの測定を開始した時刻であり、測定終了時刻は、フレームの測定を終了した時刻である。AP1→端末α最大ビットレートは、AP1から端末αにフレームを送信する際の最大ビットレートである。AP2→端末α最大ビットレートは、AP2から端末αにフレームを送信する際の最大ビットレートである。AP3→端末α最大ビットレートは、AP3から端末αにフレームを送信する際の最大ビットレートである。AP4→端末α最大ビットレートは、AP4から端末αにフレームを送信する際の最大ビットレートである。
【0084】
テーブル246Ya〜246Ydは、キャプチャ装置100Yがキャプチャした、AP1〜AP4から端末αに送信されるフレームを解析することにより生成されるテーブルである。テーブル246Ya〜246Ydに関する説明は、分析対象となるフレームが、キャプチャ装置100Yによりキャプチャされた点において、テーブル246Xa〜246Xdと異なるが、その他の説明は同様である。
【0085】
図14、
図15に示した下りフレームテーブル246では、AP1〜AP4から端末αに送信するフレームに基づくテーブルを示したがこれに限定されるものではない。下りフレームテーブル246は、AP1〜AP4から端末β,γに送信するフレームに基づくテーブルを含んでいても良い。
【0086】
上りフレームテーブル247は、端末からAP1〜4に送信されたフレームのフレーム数に関する情報を保持するテーブルである。
図16は、上りフレームテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図16に示すように、上りフレームテーブル247は、テーブル247Xa,247Yaを有する。
【0087】
テーブル247Xaは、測定開始時刻と、測定終了時刻と、端末α→AP1〜4フレーム数とを対応付ける。測定開始時刻は、フレームの測定を開始した時刻であり、測定終了時刻は、フレームの測定を終了した時刻である。端末α→AP1フレーム数は、端末αからAP1に送信されたフレーム数である。端末α→AP2フレーム数は、端末αからAP2に送信されたフレーム数である。端末α→AP3フレーム数は、端末αからAP3に送信されたフレーム数である。端末α→AP4フレーム数は、端末αからAP4に送信されたフレーム数である。
【0088】
テーブル247Yaに関する説明は、分析対象となるフレームが、キャプチャ装置100Yによりキャプチャされた点において、テーブル247Xaと異なるが、その他の説明は同様である。
【0089】
図16に示した上りフレームテーブル247では、端末αからAP1〜AP4に送信するフレームに基づくテーブルを示したがこれに限定されるものではない。上りフレームテーブル247は、端末β,γからAP1〜AP4に送信するフレームに基づくテーブルを含んでいても良い。
【0090】
通信品質情報248は、
図1に示したシステムの無線LAN全体の通信品質に関する情報を保持する。
図17は、通信品質情報のデータ構造の一例を示す図である。
図17では説明の便宜上、端末αとAP1〜AP4との間で送信されるフレームに基づく通信品質を示す。
図17に示すように、この通信品質情報248は、選択キャプチャ装置と、測定開始時刻と、測定終了時刻と、フレーム数と、リトライ数と、平均ビットレートと、最大レートと、信号強度と、ローミング状況と、キャプチャデータの比較欄とを対応付ける。
【0091】
選択キャプチャ装置は、該当する測定スロット時間(測定開始時刻から測定終了時刻までの時間)において、AP1〜AP4と端末αとの間で送受信されるフレームを最も良好に受信したキャプチャ装置を識別する情報である。測定開始時刻は、フレームの測定を開始した時刻であり、測定終了時刻は、フレームの測定を終了した時刻である。
【0092】
フレーム数は、受信と、送信とを有する。フレーム数の受信は、端末αがAP1〜AP4から受信したフレーム数を示す。各測定スロット時間の受信は、式(2)によって算出される。式(2)において、FXαAP1は、AP1から端末αに送信されたフレーム数である。FXαAP2は、AP2から端末αに送信されたフレーム数である。FYαAP3は、AP3から端末αに送信されたフレーム数である。FYαAP4は、AP4から端末αに送信されたフレーム数である。また、式(2)に含まれる「X」、「Y」は、フレームを良好に受信したキャプチャ装置100を識別する情報であり、「X」はキャプチャ装置100Xを示し、「Y」はキャプチャ装置100Yを示す。以下に示す式も同様である。
【0093】
フレーム数の受信=FXαAP1+FXαAP2+FYαAP3+FYαAP4・・・(2)
【0094】
フレーム数の送信は、端末αがAP1〜AP4に送信したフレーム数である。各測定スロット時間の送信は、式(3)により算出される。式(3)のFXαは、
図13に示した、端末αの全送信フレーム数に対応する。
【0095】
フレーム数の送信=FXα・・・(3)
【0096】
リトライ数は、受信と、送信とを有する。リトライ数の受信は、AP1〜AP4が端末αにフレームを送信する場合のリトライ数を示す。各測定スロット時間の受信は、式(4)によって算出される。RetryXαAP1は、AP1から端末αにフレームを送信する場合のリトライ数を示す。RetryXαAP2は、AP2から端末αにフレームを送信する場合のリトライ数を示す。RetryYαAP3は、AP3から端末αにフレームを送信する場合のリトライ数を示す。RetryYαAP4は、AP4から端末αにフレームを送信する場合のリトライ数を示す。
【0097】
リトライ数の受信=RetryXαAP1+RetryXαAP2+RetryYαAP3+RetryYαAP4・・・(4)
【0098】
リトライ数の送信は、端末αがAP1〜AP4にフレームを送信する場合のリトライ数を示す。各測定スロット時間の送信は、式(5)によって算出される。式(5)のRetryXαは、
図13に示した、端末αの送信リトライ数に対応する。
【0099】
リトライ数の送信=RetryXα・・・(5)
【0100】
平均ビットレートは、受信と送信とを有する。平均ビットレートの受信は、AP1〜AP4が端末αにフレームを送信する場合の平均ビットレートを示す。各測定スロット時間の受信は、式(6)によって算出される。FXαAP1〜FXαAP4に関する説明は、式(1)で説明したものと同様である。RateXαAP1は、AP1から端末αにフレームを送信する場合の平均ビットレートを示す。RateXαAP2は、AP2から端末αにフレームを送信する場合の平均ビットレートを示す。RateYαAP3は、AP3から端末αにフレームを送信する場合の平均ビットレートを示す。RateYαAP4は、AP4から端末αにフレームを送信する場合の平均ビットレートを示す。
【0101】
平均ビットレートの受信=(FXαAP1*RateXαAP1+FXαAP2*RateXαAP2+FYαAP3*RateYαAP3+FYαAP4*RateYαAP4)/(FXαAP1+FXαAP2+FYαAP3+FYαAP4)・・・(6)
【0102】
平均ビットレートの送信は、端末αがAP1〜AP4にフレームを送信する場合の平均ビットレートを示す。各測定スロット時間の送信は、式(7)によって算出される。式(7)のRateXαは、
図13に示した、端末αの送信平均レートに対応する。
【0103】
平均ビットレートの送信=RateXα・・・(7)
【0104】
最大レートは、受信と送信とを有する。最大レートの受信は、AP1〜AP4が端末αにフレームを送信する場合のビットレートのうち最大のビットレートを示す。各受信スロット時間の受信は、式(8)によって算出される。式(8)において、PeakXαAP1は、AP1から端末αに送信されるフレームの最大ビットレートを示す。PeakXαAP2は、AP2から端末αに送信されるフレームの最大ビットレートを示す。PeakYαAP3は、AP3から端末αに送信されるフレームの最大ビットレートを示す。PeakYαAP4は、AP4から端末αに送信されるフレームの最大ビットレートを示す。
【0105】
最大レートの受信=Max(PeakXαAP1,PeakXαAP2,PeakYαAP3,PeakYαAP4)・・・(8)
【0106】
最大レートの送信は、端末αがAP1〜AP4にフレームを送信する場合のビットレートのうち最大のビットレートを示す。各測定スロット時間の送信は、式(9)によって算出される。式(9)のPeakXαは、
図13に示した、端末αの送信最大レートに対応する。
【0107】
最大レートの送信=PeakXα・・・(9)
【0108】
信号強度は、端末αがフレームを送信する場合の信号強度を示すものである。例えば、信号強度は「RssiXα」となる。
【0109】
ローミング状況は、端末αとAP1〜AP4との間で送受信されたフレーム数を示すものである。例えば、ローミング状況は、端末αとAP1との間で送受信されたフレーム数、端末αとAP2との間で送受信されたフレーム数、端末αとAP3との間で送受信されたフレーム数、端末αとAP4との間で送受信されたフレーム数を含む。
【0110】
端末αとAP1との間で送受信されたフレーム数は、式(10)によって算出される。式(10)において、FXαAP1は、上記のものと同様である。FXAP1αは、端末αからAP1に送信されたフレーム数である。
【0111】
端末αとAP1との間で送受信されたフレーム数=FXαAP1+FXAP1α・・・(10)
【0112】
端末αとAP2との間で送受信されたフレーム数は、式(11)によって算出される。式(11)において、FXαAP2は、上記のものと同様である。FXAP2αは、端末αからAP2に送信されたフレーム数である。
【0113】
端末αとAP2との間で送受信されたフレーム数=FXαAP2+FXAP2α・・・(11)
【0114】
端末αとAP3との間で送受信されたフレーム数は、式(12)によって算出される。式(12)において、FXαAP3は、上記のものと同様である。FXAP3αは、端末αからAP3に送信されたフレーム数である。
【0115】
端末αとAP3との間で送受信されたフレーム数=FYαAP3+FXAP3α・・・(12)
【0116】
端末αとAP4との間で送受信されたフレーム数は、式(13)によって算出される。式(13)において、FXαAP4は、上記のものと同様である。FXAP4αは、端末αからAP4に送信されたフレーム数である。
【0117】
端末αとAP4との間で送受信されたフレーム数=FYαAP4+FXAP4α・・・(13)
【0118】
キャプチャデータの比較欄は、端末αの全送信フレーム数のうち、キャプチャ装置100Xと、キャプチャ装置100Yとがそれぞれ受信したフレーム数の情報を有する。また、キャプチャ装置100Xがフレームをキャプチャした際の、端末αからの信号出力と、キャプチャ装置100Yがフレームをキャプチャした際の、端末αからの信号出力とを有する。
【0119】
キャプチャ装置100Xが、端末αから受信したフレーム数は、「FXα」となる。キャプチャ装置100Yが、端末αから受信したフレーム数は、「FYα」となる。キャプチャ装置100Xがフレームをキャプチャした際の、端末αからの信号出力は「RssiXα」となる。キャプチャ装置100Yがフレームをキャプチャした際の、端末αからの信号出力は「RssiYα」となる。
【0120】
図8の説明に戻る。制御部250は、取得部251と、前処理部252と、選択部253と、分析部254とを有する。制御部250は、例えば、ASICや、FPGAなどの集積装置に対応する。また、制御部250は、例えば、CPUやMPU等の電子回路に対応する。
【0121】
取得部251は、インタフェース部210を介して、キャプチャ装置100から分析データおよびキャプチャデータを取得する処理部である。取得部251は、取得した分析データおよびキャプチャデータを、送信元のキャプチャ装置100の識別情報と対応付けて、キャプチャテーブル241に登録する処理部である。
【0122】
前処理部252は、キャプチャテーブル241を基にして、APリスト242、端末リスト243、AP特性合成テーブル244、端末フレームテーブル245、下りフレームテーブル246、上りフレームテーブル247を生成する処理部である。
【0123】
前処理部252が、キャプチャテーブル241を基にして、APリスト242を生成する処理の一例について説明する。
図18は、前処理部がAPリストを生成する処理を説明するための図である。
図18において、APリスト132Xは、キャプチャ装置100Xから取得したAPリストである。APリスト132Yは、キャプチャ装置100Yから取得したAPリストである。前処理部252は、アンド条件によって、APリスト132Xと、APリスト132Yとをマージすることで、APリスト242を生成する。前処理部252は、生成したAPリスト242を、記憶部240に格納する。
【0124】
前処理部252が、キャプチャテーブル241を基にして、端末リスト243を生成する処理の一例について説明する。
図19は、前処理部が端末リストを生成する処理を説明するための図である。
図19において、端末リスト133Xは、キャプチャ装置100Xから取得した端末リストである。端末リスト133Yは、キャプチャ装置100Yから取得した端末リストである。前処理部252は、アンド条件によって、端末リスト133Xと、端末リスト133Yとをマージすることで、端末リスト243を生成する。
【0125】
また、前処理部252は、端末リスト243に基づいて、抽出した端末の個数をカウントする。端末の個数は、端末リスト243のMACアドレスの種別数(レコード数)に対応する。前処理部252は、端末の個数がNS個以上である場合には、端末の個数がNS個未満となるまで、優先度の低い端末のレコードを、端末リスト243から削除する。
【0126】
例えば、前処理部252は、端末リスト243のMACアドレスと、キャプチャテーブル241のキャプチャデータとを比較して、端末毎に、フレームを送受信した数を計数する。前処理部252は、フレームを送受信した数が多い端末ほど、優先度が高い端末と判定する。すなわち、前処理部252は、フレームを送受信した数が多い端末をソートし、最上位から、NS番目の端末のレコードを、端末リスト243に残す。
【0127】
前処理部252が、AP特定合成テーブル244を生成する処理の一例について説明する。前処理部252は、キャプチャテーブル241を基にして、AP毎に、キャプチャ装置100のAPフレーム送信数、AP信号強度を特定し、特定した情報を、
図12の各決定テーブル244a〜244dに設定する。
【0128】
前処理部252が、決定テーブル244aのキャプチャ装置100XのAPフレーム送信数、AP信号強度を特定する処理の一例について説明する。前処理部252は、キャプチャ装置100Xから取得したキャプチャデータを、キャプチャテーブル241から取得する。前処理部252は、AP1のMACアドレスをキーにして、キャプチャデータを走査し、キャプチャ装置100XのAPフレーム送信数、AP信号強度を特定する。
【0129】
前処理部252が、決定テーブル244aのキャプチャ装置100YのAPフレーム送信数、AP信号強度を特定する処理の一例について説明する。前処理部252は、キャプチャ装置100Yから取得したキャプチャデータを、キャプチャテーブル241から取得する。前処理部252は、AP1のMACアドレスをキーにして、キャプチャデータを走査し、キャプチャ装置100YのAPフレーム送信数、AP信号強度を特定する。
【0130】
前処理部252は、決定テーブル244aと同様にして、AP2〜AP4に関する、決定テーブル244b〜244dを生成する。なお、前処理部252が、決定テーブル244a〜244dを生成した時点において、選択キャプチャ装置の情報は、ブランクとなる。選択キャプチャ装置の情報は、後述する選択部253によって設定される。
【0131】
続いて、前処理部252が、端末フレームテーブル246を生成する処理の一例について説明する。
図13に示したように、例えば、端末フレームテーブル245は、通信品質テーブル245a,245bを有する。前処理部252が、通信品質テーブル245aを生成する処理について説明する。前処理部252は、端末リスト243を参照して、端末αのMACアドレスを特定する。前処理部252は、端末αのMACアドレスと、キャプチャ装置100Xから取得したキャプチャデータとを比較して、キャプチャ装置100Xがキャプチャしたフレームおよびフレームの属性情報を抽出する。
【0132】
前処理部252は、抽出したフレームおよび属性情報を基にして、全送信フレーム数、送信リトライ数、送信平均レート、送信最大レート、信号出力を特定する。前処理部252は、特定した各情報を、通信品質テーブル245aに設定する。同様にして、前処理部252は、通信品質テーブル245bを生成する。
【0133】
続いて、前処理部252が、下りフレームテーブル246を生成する処理の一例について説明する。
図14および
図15に示したように、例えば、下りフレームテーブル246は、テーブル246Xa〜246Xd,246Ya〜246Ydを有する。
【0134】
前処理部252が、テーブル246Xaを生成する処理について説明する。前処理部252は、APリスト242を参照して、AP1のMACアドレスを特定し、端末リスト243を参照して、端末αのMACアドレスを特定する。前処理部252は、AP1のMACアドレスおよび端末αのMACアドレスを基にして、AP1から端末αに送信されたフレームを、キャプチャ装置100Xから取得したキャプチャデータから抽出する。前処理部252は、抽出したフレームを基にして、測定時間スロット毎に、AP1→端末αフレーム数を特定し、テーブル246Xaに登録する。
【0135】
同様にして、前処理部252は、AP2〜AP4から端末αに送信されたフレームを、キャプチャ装置100Xから取得したキャプチャデータから抽出する。前処理部252は、抽出したフレームを基にして、測定時間スロット毎に、AP2〜AP4→端末αフレーム数を特定し、テーブル246Xaに登録する。
【0136】
前処理部252が、テーブル246Xbを生成する処理について説明する。前処理部252は、APリスト242を参照して、AP1のMACアドレスを特定し、端末リスト243を参照して、端末αのMACアドレスを特定する。前処理部252は、AP1のMACアドレスおよび端末αのMACアドレスを基にして、AP1から端末αに送信されたフレームおよび属性情報を、キャプチャ装置100Xから取得したキャプチャデータから抽出する。前処理部252は、抽出したフレームおよび属性情報を基にして、測定時間スロット毎に、AP1→端末αリトライフレーム数を特定し、テーブル246Xbに登録する。
【0137】
同様にして、前処理部252は、AP2〜AP4から端末αに送信されたフレームおよび属性情報を、キャプチャ装置100Xから取得したキャプチャデータから抽出する。前処理部252は、抽出したフレームおよび属性情報を基にして、測定時間スロット毎に、AP2〜AP4→端末αリトライフレーム数を特定し、テーブル246Xbに登録する。
【0138】
前処理部252が、テーブル246Xcを生成する処理について説明する。前処理部252は、APリスト242を参照して、AP1のMACアドレスを特定し、端末リスト243を参照して、端末αのMACアドレスを特定する。前処理部252は、AP1のMACアドレスおよび端末αのMACアドレスを基にして、AP1から端末αに送信されたフレームおよび属性情報を、キャプチャ装置100Xから取得したキャプチャデータから抽出する。前処理部252は、抽出したフレームおよび属性情報を基にして、測定時間スロット毎に、AP1→端末α平均ビットレートを特定し、テーブル246Xcに登録する。
【0139】
同様にして、前処理部252は、AP2〜AP4から端末αに送信されたフレームおよび属性情報を、キャプチャ装置100Xから取得したキャプチャデータから抽出する。前処理部252は、抽出したフレームおよび属性情報を基にして、測定時間スロット毎に、AP2〜AP4→端末α平均ビットレートを特定し、テーブル246Xcに登録する。
【0140】
前処理部252が、テーブル246Xdを生成する処理について説明する。前処理部252は、APリスト242を参照して、AP1のMACアドレスを特定し、端末リスト243を参照して、端末αのMACアドレスを特定する。前処理部252は、AP1のMACアドレスおよび端末αのMACアドレスを基にして、AP1から端末αに送信されたフレームおよび属性情報を、キャプチャ装置100Xから取得したキャプチャデータから抽出する。前処理部252は、抽出したフレームおよび属性情報を基にして、測定時間スロット毎に、AP1→端末α最大ビットレートを特定し、テーブル246Xdに登録する。
【0141】
同様にして、前処理部252は、AP2〜AP4から端末αに送信されたフレームおよび属性情報を、キャプチャ装置100Xから取得したキャプチャデータから抽出する。前処理部252は、抽出したフレームおよび属性情報を基にして、測定時間スロット毎に、AP2〜AP4→端末α最大ビットレートを特定し、テーブル246Xcに登録する。
【0142】
前処理部252テーブル246Ya〜246Ydを生成する処理は、フレームおよび属性情報を、キャプチャ装置100Yから取得したキャプチャデータから抽出する点において異なるが、その他の処理は、テーブル246Xa〜Xdを生成する処理と同様である。
【0143】
続いて、前処理部252が、上りフレームテーブル247を生成する処理について説明する。
図16に示したように、上りフレームテーブル247は、テーブル247Xa,247Yaを有する。
【0144】
前処理部252が、テーブル247Xaを生成する処理について説明する。前処理部252は、APリスト242を参照して、AP1〜AP4のMACアドレスを特定し、端末リスト243を参照して、端末αのMACアドレスを特定する。前処理部252は、AP1〜AP4のMACアドレスおよび端末αのMACアドレスを基にして、端末αからAP1〜AP4に送信されたフレームを、キャプチャ装置100Xから取得したキャプチャデータから抽出する。前処理部252は、抽出したフレームを基にして、測定時間スロット毎に、端末α→AP1〜AP4フレーム数を特定し、テーブル247Xaに登録する。
【0145】
前処理部253が、テーブル247Yaを生成する処理について説明する。前処理部252は、APリスト242を参照して、AP1〜AP4のMACアドレスを特定し、端末リスト243を参照して、端末αのMACアドレスを特定する。前処理部252は、AP1〜AP4のMACアドレスおよび端末αのMACアドレスを基にして、端末αからAP1〜AP4に送信されたフレームを、キャプチャ装置100Yから取得したキャプチャデータから抽出する。前処理部252は、抽出したフレームを基にして、測定時間スロット毎に、端末α→AP1〜AP4フレーム数を特定し、テーブル247Yaに登録する。
【0146】
前処理部253が、上記の処理を実行することで、APリスト242、端末リスト243、AP特性合成テーブル244、端末フレームテーブル245、下りフレームテーブル246、上りフレームテーブル247が生成される。
【0147】
選択部253は、測定スロット時間毎に、フレームを最も良好にキャプチャしたキャプチャ装置を選択する処理部である。後述する分析部254は、選択部253によって選択されたキャプチャ装置がキャプチャしたフレームに基づいて、通信品質情報248を生成する。
【0148】
選択部253の処理の一例について説明する。選択部253は、AP特性合成テーブル244を参照し、APフレーム送信数の多い方のキャプチャ装置を選択しても良いし、AP信号強度の高い方のキャプチャ装置を選択しても良い。
【0149】
選択部253が、APフレーム送信数に基づいて、測定スロット時間毎に、キャプチャ装置を選択する処理について説明する。例えば、決定テーブル244aの1行目のレコードについて説明する。このレコードの測定スロット時間は「2015年11月24日16時45分〜2015年11月24日17時00分」である。このレコードでは、キャプチャ装置100XのAPフレーム送信数が「100」で、キャプチャ装置100YのAPフレーム送信数が「80」である。このため、選択部253は、キャプチャ装置100Xを選択し、1行目のレコードの選択キャプチャ装置に登録する。選択部253は、他のレコードについても、上記処理を繰り返し実行する。
【0150】
選択部253が、AP信号強度に基づいて、測定スロット時間毎に、キャプチャ装置を選択する処理について説明する。例えば、決定テーブル244aの1行目のレコードについて説明する。このレコードの測定スロット時間は「2015年11月24日16時45分〜2015年11月24日17時00分」である。このレコードでは、キャプチャ装置100XのAP信号強度が「−61(dBm)」であり、キャプチャ装置100YのAP信号強度が「−78(dBm)」である。このため、選択部253は、キャプチャ装置100Xを選択し、1行目のレコードの選択キャプチャ装置に登録する。選択部253は、他のレコードについても、上記処理を繰り返し実行する。
【0151】
なお、選択部253は、APフレーム送信数およびAP信号強度を組み合わせて、キャプチャ装置を選択しても良い。
【0152】
また、選択部253は、端末から送信されるフレームを良好に受信したキャプチャ装置を、端末フレームテーブル245を基に特定し、通信品質情報248の測定スロット時間毎の選択キャプチャ装置の情報として設定する。例えば、
図13の端末フレームテーブル245を参照すると、端末αから送信されたフレームを多く受信したキャプチャ装置100は、キャプチャ装置100Xとなる。このため、選択部253は、通信品質情報248の測定スロット時間毎の選択キャプチャ装置に「キャプチャ装置100X」を設定する。
【0153】
なお、選択部253は、端末から送信されるフレーム送信数および端末信号強度を組み合わせて、キャプチャ装置を選択しても良い。
【0154】
分析部254は、選択部253によって選択されたキャプチャ装置がキャプチャしたフレームに基づいて、通信品質情報248を生成する処理部である。例えば、分析部254は、端末フレームテーブル245、下りフレームテーブル246、上りフレームテーブル247を基にして、通信品質情報248を生成する。
【0155】
また、下記では説明を省略するが、
図12のAP特性合成テーブル244を参照すると、AP1,AP2から端末αに送信されたフレームを良好に受信したキャプチャ装置は、選択キャプチャ装置「キャプチャ装置100X」であり、AP3,AP4から端末αに送信されたフレームを良好に受信したキャプチャ装置は、選択キャプチャ装置「キャプチャ装置100Y」である。また、
図17の選択キャプチャ装置に示すように、端末αから各AP1〜AP4に送信したフレームを良好にキャプチャしたキャプチャ装置を「キャプチャ装置100X」とする。
【0156】
分析部254が、通信品質情報248を生成する処理の一例について説明する。分析部254が、通信品質情報248の「フレーム数の受信」の情報を設定する処理について説明する。分析部254は、上記の式(2)に基づいて、「フレーム数の受信」を算出し、通信品質情報248に設定する。分析部254は、他のレコードについても、上記処理を繰り返し実行する。
【0157】
分析部254が、通信品質情報248の「フレーム数の送信」の情報を設定する処理について説明する。分析部254は、上記の式(3)に基づいて、「フレーム数の送信」を算出し、通信品質情報248に設定する。分析部254は、他のレコードについても、上記処理を繰り返し実行する。
【0158】
分析部254が、通信品質情報248の「リトライ数の受信」の情報を設定する処理について説明する。分析部254は、上記の式(4)に基づいて、「リトライ数の受信」を算出し、通信品質情報248に設定する。分析部254は、他のレコードについても、上記処理を繰り返し実行する。
【0159】
分析部254が、通信品質情報248の「リトライ数の送信」の情報を設定する処理について説明する。分析部254は、上記の式(5)に基づいて、「リトライ数の送信」を算出し、通信品質情報248に設定する。分析部254は、他のレコードについても、上記処理を繰り返し実行する。
【0160】
分析部254が、通信品質情報248の「平均ビットレートの受信」の情報を設定する処理について説明する。分析部254は、上記の式(6)に基づいて、「平均ビットレートの受信」を算出し、通信品質情報248に設定する。分析部254は、他のレコードについても、上記処理を繰り返し実行する。
【0161】
分析部254が、通信品質情報248の「平均ビットレートの送信」の情報を設定する処理について説明する。分析部254は、上記の式(7)に基づいて、「平均ビットレートの送信」を算出し、通信品質情報248に設定する。分析部254は、他のレコードについても、上記処理を繰り返し実行する。
【0162】
分析部254が、通信品質情報248の「最大レートの受信」の情報を設定する処理について説明する。分析部254は、上記の式(8)に基づいて、「最大レートの受信」を算出し、通信品質情報248に設定する。分析部254は、他のレコードについても、上記処理を繰り返し実行する。
【0163】
分析部254が、通信品質情報248の「最大レートの送信」の情報を設定する処理について説明する。分析部254は、上記の式(9)に基づいて、「最大レートの送信」を算出し、通信品質情報248に設定する。分析部254は、他のレコードについても、上記処理を繰り返し実行する。
【0164】
分析部254が、通信品質情報248の「信号強度」の情報を設定する処理について説明する。分析部254は、「RssiXα」の値を、通信品質情報248に設定する。分析部254は、他のレコードについても、上記処理を繰り返し実行する。
【0165】
分析部254が、通信品質情報248の「ローミング状況」の情報を設定する処理について説明する。分析部254は、式(10)に基づいて、端末αとAP1との間で送受信されたフレーム数を設定する。分析部254は、式(11)に基づいて、端末αとAP2との間で送受信されたフレーム数を設定する。分析部254は、式(12)に基づいて、端末αとAP3との間で送受信されたフレーム数を設定する。分析部254は、式(13)に基づいて、端末αとAP4との間で送受信されたフレーム数を設定する。分析部254は、他のレコードについても、上記処理を繰り返し実行する。
【0166】
分析部254が、「キャプチャデータの比較欄」の情報を設定する処理について説明する。分析部254は、端末フレームテーブル245に基づいて、該当する情報を抽出し、抽出した情報を、「キャプチャデータの比較欄」に設定する。
【0167】
なお、
図17に示した通信品質情報248は、AP1〜AP4と端末αとの通信品質情報を示したが、AP1〜AP4と端末β,γとの通信品質情報も同様に生成することができる。
【0168】
分析部254は、通信品質情報248を生成した後に、平均ビットレートのグラフ、最大レートのグラフ、リトライ率のグラフ、ローミング状況のグラフを生成する。分析部254は、通信品質情報248の情報および生成した各グラフの情報を表示部230に出力して、表示させる。また、分析部254は、キャプチャ装置100の代わりに、式(1)に基づいて、電波占有率を算出しても良い。分析部254は、電波占有率のグラフを生成し、生成したグラフを表示部230に表示させても良い。
【0169】
次に、本実施例に係るキャプチャ装置100の処理手順について説明する。
図20は、本実施例に係るキャプチャ装置の処理手順を示すフローチャートである。
図20に示すように、キャプチャ装置100のフレーム取得部110は、APおよび端末間で送受信されるフレームをキャプチャする(ステップS101)。キャプチャ装置100の電波占有率算出部142は、測定スロット時間毎に、電波占有率を算出する(ステップS102)。
【0170】
キャプチャ装置100のリスト作成部143は、測定スロット時間毎に、APリスト132および端末リスト133を作成する(ステップS103)。キャプチャ装置100の統計情報生成部144は、APについて、測定スロット時間毎に、AP信号強度および全送信フレーム数を抽出する(ステップS104)。キャプチャ装置100の送信部145は、分析データおよびキャプチャデータを、測定装置200に送信する(ステップS105)。
【0171】
次に、本実施例に係る測定装置200の処理手順について説明する。
図21は、本実施例に係る測定装置の処理手順を示すフローチャートである。
図21に示すように、測定装置200の取得部251は、各キャプチャ装置100から分析データおよびキャプチャデータを取得する(ステップS201)。
【0172】
測定装置200の前処理部252は、分析データから分析対象とする端末を決定する(ステップS202)。前処理部252は、分析対象の端末とローミングする全てのAPを分析対象のAPとして決定する(ステップS203)。前処理部252は、地点毎の電波占有率グラフを生成する(ステップS204)。
【0173】
前処理部252は、各キャプチャ装置100から受信したAPリストをマージして、APリスト242を生成する(ステップS205)。前処理部252は、各キャプチャ装置100から受信した端末リストをマージして、端末リスト243を生成する(ステップS206)。
【0174】
測定装置200の選択部253は、測定スロット時間毎に、個々のAP毎の最適なフレームを選択する(ステップS207)。ステップS207において、例えば、選択部253は、
図12に示したAP特性合成テーブル244を参照して、AP1〜AP4から送信されるフレームを最も良好に受信したキャプチャ装置100を選択し、選択したキャプチャ装置100がキャプチャしたフレームを選択する。
【0175】
前処理部252は、端末フレームテーブル245を生成する(ステップS208)。前処理部252は、下りフレームテーブル246を生成する(ステップS209)。前処理部252は、上りフレームテーブルを生成する(ステップS210)。
【0176】
測定装置200の分析部254は、通信品質情報248を生成する(ステップS211)。分析部254は、グラフを生成し(ステップS212)、通信品質情報248およびグラフを表示部230に表示する(ステップS213)。
【0177】
次に、本実施例に係る測定装置200の効果について説明する。測定装置200は、異なる地点に配置された複数のキャプチャ装置100から、同一の時間帯に同一のAP、端末から送信されたフレームを取得した場合に、複数のキャプチャ装置100のうち、良好に受信した側のフレームを選択して、分析を行う。このため、広範囲で無線LANの通信品質を効率的に評価することができる。
【0178】
また、測定装置200は、APからの送信電波強度が最も強いキャプチャ装置100、または、APからキャプチャしたフレーム数が最も多いキャプチャ装置がキャプチャしたフレームを選択する。このため、良好に受信した側のフレームを適切に選択することができる。
【0179】
また、キャプチャ装置がキャプチャするフレームは、予め設定されたアクセスポイントから送信されるフレームおよび予め設定されたアクセスポイントとフレームをやり取りする端末装置が共通して利用するアクセスポイントから送信されるフレームとする。このため、分析対象のフレームを適切に絞ることができ、測定装置200に係る負担を軽減することができる。
【0180】
また、測定装置200は、APから端末に送信されるフレーム、端末からAPに送信されるフレームの属性情報に基づいて、電波占有率、ビットレート、リトライ率を算出する。このため、通信品質の情報を適切に算出することができる。
【0181】
また、測定装置200は、フレームを基にして、端末と複数のアクセスポイントとのローミング状況を更に分析する。このため、端末のローミング情報を、管理者に通知することが可能となる。
【0182】
ところで、本実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部あるいは一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0183】
さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部がCPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。