【文献】
Gershoni, JM., et al.,Epitope mapping: The first step in developing epitope-based vaccines.,Drug development,2007年,Vol.21, No.3,p.145-156.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IL−21に結合しIL−21活性を高める抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントが配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるペプチドに結合する、前記抗体または抗原結合フラグメント。
前記抗体または抗原結合フラグメントは、生体外でCD8T細胞のIL−21媒介細胞毒性を高める、請求項1または請求項2に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号23に記載のアミノ酸配列からなるペプチドに結合する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗体または抗原結合フラグメント。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
IL−21に向けたモノクローナル抗体が開発されたが、これらの抗体は、IL−21の機能を拮抗するまたは阻害することが示されている。これらのアンタゴニスト抗体は、炎症疾患を抑制する際に有用である。IL−21活性を拮抗し、または高める抗体の開発に関する刊行物は、現在までなかった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、IL−21に結合し、かつ、IL−21の活性を高める抗体を生み出した。したがって、本発明者らは、IL−21作動薬として機能する抗体を、初めて開発した。
【0016】
一例では、本開示は、抗体の
抗原結合ドメインを含むIL−21結合タンパク質を提供し、この
抗原結合ドメインは、IL−21に、結合または特異的に結合して、IL−21活性を高める。
【0017】
一例では、IL−21結合タンパク質は、生体外でまたは生体内で、B細胞のIL−21媒介増殖を高める
【0018】
別の例では、IL−21結合タンパク質は、生体外でまたは生体内で、CD8
+T細胞のIL−21媒介細胞毒性を高める。
【0019】
別の例では、IL−21結合タンパク質は、NK細胞のIL−2媒介増殖を高める。
【0020】
一例では、IL−21結合タンパク質は、IL−21作動薬である。
【0021】
別の例では、IL−21結合タンパク質は、生体内でIL−21半減期を高める。たとえば、IL−21結合タンパク質は、生体内でIL−21半減期を、数時間から数日へ高め得る。一例では、IL−21結合タンパク質は、少なくとも24時間生体内でIL−21半減期を高める。
【0022】
別の例では、IL−21の活性は、IL−21結合タンパク質がない場合のIL−21活性と比較して、少なくとも5倍に高められる。
【0023】
本開示は、抗体の
抗原結合ドメインを含むIL−21結合タンパク質を、追加的にまたは代替的に提供し、
抗原結合ドメインは配列STNAGRRQK(配列番号23)を含むIL−21のエピトープに、結合または特異的に結合する。別の例では、IL−21は、配列番号19に記載の配列PPSTNAGRRQKHRLTを含むエピトープに、結合または特異的に結合する。別の例では、IL−21結合タンパク質は、配列番号20に記載の配列PPSTNAGRRQKHRLTCPSCDSYEを含む、II−21のエピトープに、結合または特異的に結合する。別の例では、IL−21結合タンパク質は、配列番号4に記載の配列IKKLKRKPPSTNAGRRQKHRLTCPSCDSYEを含む、IL−21のエピトープに、結合またはに特異的に結合する。
【0024】
本開示は、追加的にまたは代替的に、抗体の
抗原結合ドメインを含むIL−21結合タンパク質を提供し、
抗原結合ドメインはIL−21に、結合または特異的に結合し、タンパク質が、抗体2P2(配列番号2に記載の配列を含むV
H及び配列番号3に記載の配列を含むV
Lを含む)のIL−21への結合を、競合的に阻害する。
【0025】
一例では、IL−21結合タンパク質は、抗体2P2の、配列番号19、20または4に記載のエピトープ配列への結合を、競合的に阻害する。
【0026】
一例では、IL−21結合タンパク質は哺乳類のIL−21(hIL−21)に、結合または特異的に結合する。別の例では、IL−21結合タンパク質は、ヒトIL−21に、結合または特異的に結合する。更なる例では、IL−21結合タンパク質は、ネコまたはイヌIL−21に、結合または特異的に結合する。
【0027】
一例では、IL−21結合タンパク質は、マウスIL−21に対して、検出可能的に結合しない。
【0028】
一例では、IL−21結合タンパク質は、約9x10
−9M以下の、哺乳類のIL−21すなわちhIL−21の親和定数(K
D)を有する。たとえば、K
Dは、約8x10
−9M以下、または約7x10
−9M以下、または、約6x10
−9M以下、または、約5x10
−9M以下である。一例では、K
Dは約4.8x10
−9M以下である。
【0029】
別の例では、IL−21結合タンパク質は、約2x10
−9M以下の、哺乳類のIL−21すなわちhIL−21の親和定数(K
D)を有する。たとえば、K
Dは、約1x10
−9M以下、または、約9x10
−10M以下、または、約8x10
−10M以下、または、約7x10
−10M以下である。一例では、K
Dは、約5x10
−10M以下である。一例では、K
Dは、約4x10
−10M以下である。一例では、K
Dは、約3x10
−10M以下である。一例では、K
Dは、約2x10
−10M以下である。一例では、K
Dは、約1.5x10
−10M以下である。
【0030】
一例では、前述の例の各々に関して、K
Dは、0.1x10
−12M以上であってもよく、または、1x10−
12M以上であってもよい。
【0031】
一例では、K
Dは、たとえば表面プラスモン共鳴等によるバイオセンサーを用いて判断される。たとえば、IL−21結合タンパク質が固定され、hIL−21すなわち哺乳類のIL−21への結合のレベルが決定される。
【0032】
本開示は、抗体の
抗原結合ドメインを含むIL−21結合タンパク質を、追加的または代替的に提供し、ここで、
抗原結合ドメインは、IL−21に結合または特異的に結合し、
抗原結合ドメインは、以下の少なくとも1つを含む:
(i)少なくとも約80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%が、配列番号5に記載の配列と同一の配列を含む相補性決定領域(CDR)1、少なくとも約80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%が、配列番号6に記載の配列と同一の配列を含むCDR2、及び、少なくとも約80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%が、配列番号7に記載の配列と同一の配列を含むCDR3、を含むV
H;
(ii)少なくとも約95%または96%または97%または98%または99%が、配列番号2に記載の配列と同一の配列を含むV
H;
(iii)少なくとも約80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%が、配列番号8に記載の配列と同一の配列を含むCDR1、少なくとも約80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%が、配列番号9に記載の配列と同一の配列を含むCDR2、及び、少なくとも約80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%が、配列番号10に記載の配列と同一の配列を含むCDR3、を含むV
L;
(iv)少なくとも約95%が配列番号3に記載の配列と同一の配列を含むV
L;
(v)配列番号5に記載の配列を含むCDR1、配列番号6に記載の配列を含むCDR2、及び配列番号7に記載の配列を含むCDR3を含むV
H;
(vi)配列番号2に記載の配列を含むV
H;
(vii)配列番号8に記載の配列を含むCDR1、配列番号9に記載の配列を含むCDR2、及び、配列番号10に記載の配列を含むCDR3を含むV
L;
(viii)配列番号3に記載の配列を含むV
L;
(ix)配列番号5に記載の配列を含むCDR1、配列番号6に記載の配列を含むCDR2、及び、配列番号7に記載の配列を含むCDR3を含むV
H;並びに、配列番号8に記載の配列を含むCDR1、配列番号9に記載の配列を含むCDR2、及び、配列番号10に記載の配列を含むCDR3を含むV
L;及び
(x)配列番号2に記載の配列を含むV
H及び配列番号3に記載の配列を含むV
L。
【0033】
一例では、引用された配列とIL−21結合タンパク質の差は、置換である。
【0034】
当業者は、たとえば、可変領域を含有するタンパク質のフレームワーク領域の中など、本開示のIL−21結合タンパク質に対する置換のための部位を決定することができるだろう。
【0035】
また、本開示は、抗体の
抗原結合ドメインを含むIL−21結合タンパク質を提供し、
抗原結合ドメインはIL−21に結合または特異的に結合し、IL−21シグナル伝達を高め、
抗原結合ドメインは、配列番号2に記載の配列を含むV
H及び配列番号3に記載の配列を含むV
Lを含む。
【0036】
一例では、本明細書に記載されるIL−21結合タンパク質は、少なくともV
H及びV
Lを含み、V
H及びV
Lが結合して、
抗原結合ドメインを含むFvを生成する。当業者は、
抗原結合ドメインが抗体の結合部を含むことを理解するだろう。
【0037】
一例では、V
H及びV
Lは、ポリペプチド鎖の単鎖である。たとえば、タンパク質は以下の通りである:
(i)単鎖Fvフラグメント(scFv);
(ii)二量体scFv(ジscFv);
(iii)抗体の定常領域である、Fc、すなわち、重鎖定常領域(C
H)2及び/またはC
H3に結合される(i)または(ii)の一方;または
(iv)免疫エフェクタ細胞に結合するタンパク質に結合される(i)または(ii)の一方。
【0038】
一例では、V
L及びV
Hは、別々のポリペプチド鎖である。たとえば、タンパク質は以下の通りである:
(i)二重特異性抗体;
(ii)三重特異性抗体;
(iii)四重特異性抗体;
(iv)Fab;
(v)F(ab’)
2;
(vi)Fv;
(vii)抗体の定常領域である、Fc、すなわち、重鎖定常領域(C
H)2及び/またはC
H3に結合される(i)〜(vi)の一つ;
(viii)免疫エフェクタ細胞に結合するタンパク質に結合される(i)〜(vi)の一つ。
【0039】
前述のタンパク質は、抗体の
抗原結合ドメインと呼ぶこともできる。
【0040】
一例では、タンパク質は、抗体、たとえば、モノクローナル抗体、である。一例では、抗体は、裸の抗体である。
【0041】
一例では、タンパク質(または、抗体)は、キメラ、非免疫化、ヒト化、ヒト、または霊長類化である。
【0042】
一例では、タンパク質または抗体は、ヒトである。
【0043】
一例では、相補性決定領域配列(CDR)は、Kabat番号付けシステムに従って定義される。
【0044】
別の例では、CDRは、IMGT番号付けシステムによって定義される。
【0045】
本明細書でのIL−21に「結合する」タンパク質または抗体の参照は、IL−21に「特異的に結合する」または「結合を特異的にする」タンパク質または抗体の字義通りのサポートを提供する。
【0046】
また、本開示は、前述の抗体の
抗原結合ドメインまたは抗原結合フラグメントを提供する。
【0047】
一例では、本明細書に記載されるタンパク質または抗体は、たとえばIgG定常領域等の、ヒト定常領域を含み、これにはたとえば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4定常領域またはそれらの混合物等が挙げられる。V
H及びV
Lを含む抗体またはタンパク質の場合、V
Hは、重鎖定常領域に結合可能であり、V
Lは軽鎖定常領域に結合可能である。
【0048】
たとえば、抗体またはタンパク質の生成または精製の間に、または、抗体の重鎖をコードする核酸を組み換えで操作することにより、本開示の全抗体の重鎖定常領域のC末端リシン(または、定常領域またはC
H3を含むIL−21結合タンパク質)を除去してもよい。したがって、全抗体(または、IL−21結合タンパク質)は、すべてのC末端リジン残基が除去された個体群、C末端リジン残基が全く除去されていない個体群、及び/またはC末端リジン残基を有するまたは有しないタンパク質の混合物を有する個体群を含んでいてもよい。ある例では、個体群は、重鎖定常領域の1つにおいてC末端リジン残基が除去されるタンパク質を追加的に含んでいてもよい。同様に、全抗体の組成物は、C末端リジン残基を有するまたは有さない、同じまたは同程度の混ざり具合の抗体個体群を含んでいてもよい。
【0049】
一例では、本明細書に記載されるタンパク質または抗体は、IgG4抗体の定常領域またはIgG4抗体の安定化定常領域を含む。一例では、タンパク質または抗体は、位置241(Kabatの番号付けシステムに従って(Kabatら, Sequences of Proteins of Immunological Interest Washington DC United States Department of Health and Human Services,1987年及び/または1991年))にプロリンを有するIgG4定常領域を含む。
【0050】
一実施例では、本明細書に記載されるタンパク質または抗体、または、本明細書に記載されるタンパク質または抗体の組成物は、完全にまたは部分的にC末端リジン残基を有するまたは有しない配列の混合物を含んだ安定化重鎖定常領域を含む重鎖定常領域を含む。
【0051】
一例では、本開示の抗体は、(たとえば上記のように)IgG4定常領域または安定化IgG4定常領域に結合または融合される、本明細書に開示されるV
Hを含み、V
Lは、カッパ軽鎖定常領域に結合または融合される。
【0052】
本開示のIL−21結合タンパク質の機能的特性を調査して、これに必要な変更を加えて本開示の抗体に適用することができる。
【0053】
一例では、本明細書に記載されるIL−21結合タンパク質または抗体は、単離型及び/または組み換え型である。
【0054】
一例では、本開示のIL−21結合タンパク質または抗体は、検出可能な標識、または、たとえば、ポリエチレングリコールまたはアルブミン結合タンパク質等の、タンパク質または抗体の半減期を延長する化合物等の、別の化合物に結合される。他の適切な化合物は、本明細書に記載される。
【0055】
また、本開示は、本開示のIL−21結合タンパク質または抗体をコードしている核酸またはそのポリペチドを提供する。
【0056】
本開示は、追加的にまたは代替的に、抗体の
抗原結合ドメインを含むIL−21結合タンパク質を提供し、
抗原結合ドメインは、IL−21に結合または特異的に結合し、
抗原結合ドメインは、以下の少なくとも1つを含む核酸配列によりコードされる:
(i)少なくとも約95%または96%または97%または98%または99%が、配列番号17に記載の配列と同一の配列を含むV
H;
(ii)少なくとも約95%または96%または97%または98%または99%が、配列番号18に記載の配列と同一の配列を含むV
L;
(iii)配列番号17に記載の配列を含むV
H;
(iv)配列番号18に記載の配列を含むV
L;及び
(v)配列番号17に記載の配列を含むV
H及び配列番号18に記載の配列を含むV
L。
【0057】
一例では、このような核酸は、核酸がプロモータに操作可能に結合される発現構築物に含まれる。このような発現構築物は、ベクター、たとえば、プラスミドであってもよい。
【0058】
単鎖のポリペプチド鎖IL−21結合タンパク質に関する本開示の例では、発現構築物は、そのポリペプチド鎖をコードする核酸に結合されるプロモータを含んでいてもよい。
【0059】
IL−21結合タンパク質を形成する複数のポリペプチド鎖に関する例では、発現構築物は、たとえばプロモータに操作可能に結合されるV
Hを含むポリペチドをコードする核酸、並びに、たとえばプロモータに操作可能に結合されるV
Lを含むポリペチドをコードする核酸を、含む。
【0060】
別の例では、発現構築物は、たとえば、以下を操作可能に結合した構成要素を5'から3'の順で有する2シストロン性発現構築物である。
(i)プロモータ
(ii)第1のポリペチドをコードする核酸;
(iii)内部リボソーム侵入部位;及び
(iv)第2のポリペチドをコードする核酸。
ここで、第1のポリペチドはV
Hを含みかつ第2のポリペチドはV
Lを含み、または、その逆も同様である。
【0061】
また、本開示は、別々の発現構築物を想定し、その一方は、V
Hを含む第1のポリペチドをコードし、その他方は、V
Lを含む第2のポリペチドをコードする。たとえば、本開示はまた、以下を含む組成物を提供する:
(i)プロモータに操作可能に結合されるV
Hを含むポリペチドをコードする核酸を含む第1の発現構築物;及び
(ii)プロモータに操作可能に結合されるV
Lを含むポリペチドをコードする核酸を含む第2の発現構築物。
【0062】
また、本開示は、本開示のIL−21結合タンパク質を発現する単離型または組み換え型細胞を提供する。
【0063】
一例では、細胞は、本開示の発現構築物、または:
(i)プロモータに操作可能に結合されるV
Hを含むポリペチドをコードしている核酸を含む第1の発現構築物;及び
(ii)プロモータに操作可能に結合されるV
Lを含むポリペチドをコードしている核酸を含む第2の発現構築物、を含み、第1及び第2のポリペチドは、結合して本開示のIL−21結合タンパク質を形成する。
【0064】
本開示の細胞の例としては、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞または哺乳動物細胞が挙げられる。
【0065】
本開示はさらに、本開示のIL−21結合タンパク質または抗体を生成する方法を提供する。たとえば、このような方法は、IL−21結合タンパク質または抗体の生成に十分な条件下で、本開示の発現構築物を保持することに関与する。
【0066】
一例では、本開示のIL−21結合タンパク質または抗体を生成する方法は、IL−21結合タンパク質または抗体を生成及び、任意に分泌させるのに十分な条件下で、本開示の細胞を培養することを含む。
【0067】
一例では、本開示のIL−21結合タンパク質または抗体を生成する方法はさらに、タンパク質または抗体を単離すること、及び、任意に、IL−21結合タンパク質または抗体を、医薬品組成物に調製すること、を含む。
【0068】
本開示は、本開示のIL−21結合タンパク質または抗体、及び、薬学的に許容される担体を含む組成物を、追加的に提供する。
【0069】
一部の例で、組成物は、以下を含む:
(i)重鎖からのC末端リジン残基を含む本開示の抗体;
(ii)重鎖からのC末端リジン残基を有しない本開示の抗体;及び/または
(iii)1つの重鎖上にはC末端リジン残基を含み、別の(または他方の)重鎖上にはC末端リジン残基は含まない、本開示の抗体、
及び、任意に、薬学的に許容される担体。
【0070】
また、本開示は、本開示のIL−21結合タンパク質及びIL−21を含む複合体を提供する。一例では、IL−21は、組換え型IL−21である。組換え型IL−21の例は、当該技術分野では知られている。
【0071】
また、本開示は、対象の感染または感染症、アレルギーの免疫応答、または、癌、を治療または予防する方法を提供するものであり、この方法は、本開示のIL−21結合タンパク質または複合体を投与することを、含む。この点に関し、IL−21結合タンパク質または複合体は、疾患の再発を予防するために用いることができ、これは疾患を防止すると考えられる。
【0072】
一例では、感染は、慢性感染である。別の例では、感染は、HIV感染等のウィルス感染である。
【0073】
一例では、感染症は、B型肝炎またはC型肝炎である。
【0074】
典型的な癌としては、血液癌、上皮由来癌、肝癌、膵癌、胃癌、骨肉腫、子宮内膜癌及び卵巣癌が挙げられる。
【0075】
また、本開示は、対象におけるIL−21活性を高める方法を提供し、この方法は、IL−21結合タンパク質または本開示の複合体を投与することを含む。
【0076】
一例では、本明細書に記載される方法は、IL−21結合タンパク質または複合体を、約0.05mg/kg〜30mg/kgで投与することを含む。たとえば、この方法は、IL−21結合タンパク質または複合体を、0.1mg/kg〜10mg/kgで、または、0.2mg/kg〜5mg/kgで投与することを含む。一例では、この方法は、IL−21結合タンパク質または複合体を、約0.5〜2.0mg/kgで投与することを含む。また、本開示は、本明細書に記載されるIL−21結合タンパク質または複合体を、医療におけるいずれかの例に使用することを提供する。
【0077】
また、本開示は、感染症、アレルギー性免疫応答または癌を治療するための薬剤の製造のいずれかの例による、本明細書に記載されるIL−21結合タンパク質または複合体の使用を提供する。
【0078】
また、本開示は、IL−21を発現する細胞に関連するIL−21媒介疾患を、局所化する、及び/または、検出する、及び/または、診断する、及び/または、予測する方法を提供し、この方法は、IL−21発現細胞に結合される本明細書に記載されるIL−21結合タンパク質または抗体を、それが存在するならば、生体内で検出することを含み、ここで、IL−21結合タンパク質または抗体は、検出可能なタグに結合されている。
【0079】
一例では、この方法は、対象にIL−21結合タンパク質を投与することをさらに含む。
【0080】
また、本開示は、免疫系前駆細胞を含む細胞の個体群を培養して拡大する方法を提供し、この方法は、本開示のIL−21結合タンパク質または複合体の存在下で、生体外でまたは生体外で、細胞の個体群を培養することを含む。
【0081】
本開示のIL−21結合タンパク質、または、複合体の存在下で、細胞を培養することにより、NK細胞、B細胞及びT細胞等の免疫系細胞の増殖及び分化を高めるだろうことが、理解されよう。
【0082】
一実施形態では、この培養方法はさらに、細胞集団に外因性IL−21を付加させることを備える。
【0083】
免疫系前駆細胞を含む細胞個体群を、哺乳類の対象から取得される生体サンプルから単離してもよい。サンプルは、多数のソースに由来してもよく、その非限定的な例としては、末梢血液、白血球除去血液製品、除去療法血液製品、骨髄、胸腺、組織生検、腫瘍、リンパ節組織、腸関連リンパ系組織、粘膜関連リンパ系組織、肝臓、免疫性病変(たとえば滑液)の部位、膵臓、及び、脳脊髄液等が挙げられる。ドナー対象は好ましくはヒトであり、また、胎児、新生児、子供、成人であることができ、また、正常、罹病、または着目の疾病に罹患しやすい状態であり得る。
【0084】
ある実施形態では、細胞サンプルは、血液サンプルからの末梢血液単核細胞(PBMC)を含む。「末梢血単核細胞」または「PBMC」とは、リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞等を含む)及び単核細胞を意味する。一般に、PBMCは、標準的な技術を用いて患者から単離される。ある実施形態では、赤血球及び多形核白血球の実質的に全てをドナーに残すことまたは戻すことによって、PBMCのみが取得される。白血球泳動法等、当該技術分野で知られている方法を用いて、PBMCを単離してもよい。一般に、5〜7リットルの白血球泳動法ステップを実行し、それにより、患者からPBMCを本質的に除去し、残りの血液成分を戻す。サンプルの収集は好ましくは、血液凝固阻止剤(たとえば、ヘパリン)の存在下で実行される。
【0085】
本明細書に記載されるように、生体外で及び生体外で細胞培養を用いて、NK細胞、B細胞及びT細胞を増殖させることができることが、理解されよう。
【0086】
また、本開示は、上記に記載される方法にしたがって、生体外でまたは生体外で増殖された細胞を投与することにより、対象における感染または感染症、アレルギー性免疫応答または癌を治療または予防する方法を提供することが、理解されよう。
【0087】
上記に開示される方法により得られた、生体外でまたは生体外で増殖された細胞集団を、単独で、または本開示のIL−21結合タンパク質または複合体と組み合わせて、用いる事により、疾患の再発を予防することができ、これは疾患を防止すると考えられる。典型的な感染症としては、HIV、B型肝炎またはC型肝炎が挙げられる。典型的な癌としては、血液癌、上皮由来癌、肝癌、膵癌、胃癌、骨肉腫、子宮内膜癌及び卵巣癌が挙げられる。
【0088】
また、本開示は、サンプル中で、IL−21またはそれを発現する細胞を検出する方法を提供し、この方法は、サンプルをいずれかの例に従って本明細書に記載されるタンパク質または抗体に接触させることにより複合体を形成すること、及び、この複合体を検出すること、を含み、ここで、複合体の検出は、IL−21またはサンプルのそれを発現する細胞を標示するものである。一例では、この方法は、生体外(ex vivo)でまたは生体外(in vitro)で実行される。
【0089】
また、本開示は、いずれかの例に従って本明細書に記載されるIL−21結合タンパク質または複合体を含むキット(たとえば、パッケージまたは製造品)を提供し、これは任意に、本明細書に記載される方法で使用するための説明書付きでパッケージ化される。
【0090】
配列表の解説
配列番号1:ヒトIL−21のアミノ酸配列
配列番号2:抗体2P2のVH鎖のアミノ酸配列
配列番号3:抗体2P2のVL鎖のアミノ酸配列
配列番号4:2P2結合エピトープのアミノ酸配列
配列番号5:IMGT番号付けスキームを用いた抗体2P2のVH鎖のCDR1のアミノ酸配列
配列番号6:IMGT番号付けスキームを用いた抗体2P2のVH鎖のCDR2のアミノ酸配列
配列番号7:IMGT番号付けスキームを用いた抗体2P2のVH鎖のCDR3のアミノ酸配列
配列番号8:IMGT番号付けスキームを用いた抗体2P2のVL鎖のCDR1のアミノ酸配列
配列番号9:IMGT番号付けスキームを用いた抗体2P2のVL鎖のCDR2のアミノ酸配列
配列番号10:IMGT番号付けスキームを用いた抗体2P2のVL鎖のCDR3のアミノ酸配列
配列番号11:Kabat番号付けスキームを用いた抗体2P2のVH鎖のCDR1のアミノ酸配列
配列番号12:Kabat番号付けスキームを用いた抗体2P2のVH鎖のCDR2のアミノ酸配列
配列番号13:Kabat番号付けスキームを用いた抗体2P2のVH鎖のCDR3のアミノ酸配列
配列番号14:Kabat番号付けスキームを用いた抗体2P2のVL鎖のCDR1のアミノ酸配列
配列番号15:Kabat番号付けスキームを用いた抗体2P2のVL鎖のCDR2のアミノ酸配列
配列番号16:Kabat番号付けスキームを用いた抗体2P2のVL鎖のCDR3のアミノ酸配列
配列番号17:抗体2P2のVH鎖をコードするヌクレオチド配列
配列番号18:抗体2P2のVL鎖をコードするヌクレオチド配列
配列番号19:2P2結合エピトープのアミノ酸配列
配列番号20:2P2結合エピトープのアミノ酸配列
配列番号21:2P2結合エピトープのアミノ酸配列
配列番号22:2P2結合エピトープのアミノ酸配列
配列番号23:2P2結合エピトープのコアアミノ酸配列
【発明を実施するための形態】
【0092】
概説
本明細書を通して、別段に具体的に述べられない限り、または、文脈が別段に要求しない限り、単一のステップ、物質の組成物、ステップのグループまたは物質の組成物のグループに対する言及は、それらのステップ、物質の組成物、ステップのグループまたは物質の組成物のグループの単数または複数(すなわち1つ以上)を含むと理解されよう。したがって、本明細書に用いられる場合において、文脈において明らかに他を指示しない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の指示物を含む。たとえば、「a」への言及は、単数ならびに2以上を含み、「an」への言及は、単数ならびに2以上を含み、「the」への言及は、単数ならびに2以上を含む等である。
【0093】
当業者には明らかなように、本開示は、具体的に記載されたこと以外の変形及び変更を受け入れる余地がある。本開示は、すべてのこのような変形及び変更を含むと、理解されるべきである。また、本開示は、本明細書で、個別的にまたは全体的に、参照または指示されるステップ、特徴、組成物及び化合物の全て、並びに、該ステップまたは特徴のすべての組み合わせまたはいずれかの二つ以上を含む。
【0094】
本開示は、本明細書に記載される具体的な実施例によって、その範囲を限定されるものではなく、これら実施例は、例証のみの目的が意図されるものである。機能的に等価の生成物、組成物及び方法は、明らかに本開示の範囲内である。
【0095】
本明細書の本開示のいずれかの実施例は、具体的には別段に述べられない限り、必要な変更を加えて本開示のいずれかの他の実施例に適用されるものと、理解されよう。
【0096】
具体的には別段に定義されない限り、本明細書におけるすべての技術的な及び科学的な用語は、当該技術分野(たとえば、細胞培養、分子遺伝学、免疫学、免疫組織化学、タンパク質化学及び生化学の分野)における通常の知識を有する者に、共通して理解されるのと同じ意味を有すると、理解される。
【0097】
特に明記しない限り、本開示で利用される組換え型タンパク質、細胞培養及び免疫学的技術は標準的な手順であり、当業者に周知のものである。このような技術は、以下のソースの文献等に記載され説明される。J. Perbal, A Practical Guide to Molecular Cloning, John Wiley and Sons (1984)、J. Sambrookら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbour Laboratory Press (1989)、T.A. Brown (編者), Essential Molecular Biology: A Practical Approach, Volumes 1 and 2, IRL Press (1991)、D.M. Glover and B.D. Hames (編者), DNA Cloning: A Practical App roach, Volumes 1 −4, IRL Press (1995 and 1996)、及び、F.M. Ausubelら(編者), Current Protocols in Molecular Biology, Greene Pub. Associates and Wiley−Interscience(1988、現在までのすべての最新版を含む)、Ed Harlow and David Lane (編者) Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbour Laboratory, (1988)、及び、J.E. Coliganら(編者), Current Protocols in Immunology, John Wiley & Sons(現在までのすべての最新版を含む)。
【0098】
本明細書における可変領域及びその部分、免疫グロブリン、抗体及びフラグメントの説明及び定義については、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health, Bethesda, Md., 1987 及び 1991,Borkら, J Mol. Biol. 242, 309−320, 1994, Chothia and Lesk J. Mol Biol.196:901 −917, 1987,Chothiaら, Nature 342, 877−883, 1989及び/またはAl−Lazikaniら, J Mol Biol 273, 927−948, 1997における考察によりさらに明らかにされてもよい。
【0099】
用語「及び/または」、たとえば、「X及び/またはY」は、「X及びY」または「XまたはY」を意味すると理解され、これら両方の意味またはいずれかの意味に対する明示的なサポートを提供すると理解される。
【0100】
本明細書を通して、語「含む(comprise)」、または、その変形である「含む(comprises)」または「含むこと」は、明示された要素、整数若しくはステップ、または、要素、整数若しくはステップのグループを含むことを意味すると理解されるが、いかなる他の要素、整数若しくはステップ、または、要素、整数若しくはステップのグループをも除外するものではない。
【0101】
本明細書に用いられる場合において、「から由来する」という語は、特定の整数が、特定のソースから得られてもよいが、そのソースから必ず直接得られる必要はないことを示すと理解されるものである。
【0102】
本明細書における、たとえば残分等の範囲の言及は、包括的であると理解される。たとえば、「アミノ酸56〜65を含む領域」の言及は、包括的な様式で理解され、すなわち、その領域は、特定の配列で56、57、58、59、60、61、62、63、64及び65の番号のアミノ酸の配列を含む。
【0103】
選択された定義
限定ではなく命名法のみの目的で、ヒトIL−21の典型的な配列は、配列番号1に設定される。
【0104】
「IL−21活性を高める」というフレーズは、本開示のIL−21結合タンパク質は、天然に存在するIL−21の、以下の非限定的な例のいずれか1つ以上の活性を高めることを意味すると理解される。NK細胞の増殖、細胞毒性または成熟を刺激すること、B細胞及びT細胞の増殖または分化を刺激すること、B細胞における抗体産生及び親和性成熟を刺激すること、CD8+T細胞の細胞毒性を刺激すること、T細胞及びNK細胞におけるインターフェロンガンマ生成を刺激すること、樹状細胞(DC)活性化及び成熟を阻害すること、肥満細胞からの炎症媒介物のリリースを阻害すること、マクロファージのファゴサイトーシスを高めること、T
Reg細胞の生成または生残性を阻害すること、及び、骨髄前駆細胞の増殖を刺激すること。
【0105】
用語「単離タンパク質」または「単離ポリペチド」は、その起源または由来のソースの理由で天然の状態でそれを伴う天然関連成分と関連せず、同じソースからの他のタンパク質が実質的に存在しないタンパク質またはポリペチドである。タンパク質は、天然関連成分が実質的に含まなくてもよく、または、当該技術分野で知られているタンパク質精製技術を用いた単離により実質的に精製されてもよい。「実質的に精製される」とは、タンパク質には、混入物質が実質的に無いこと、たとえば、少なくとも約70%または75%または80%または85%または90%または95%または96%または97%または98%または99%、混入物質が無いことを意味する。
【0106】
「組換え型」という用語が、人工遺伝子組換えの生成物を意味することは、理解されよう。したがって、抗体抗原結合ドメインを含む組換え型タンパク質との関連で、この用語は、B細胞成熟の間に発生する天然遺伝子組換えの生成物である、対象の体内で天然に発生する抗体を、含まない。しかしながら、このような抗体が単離されれば、それは、抗体抗原結合ドメインを含んだ単離タンパク質と考えられることとなる。同様に、タンパク質をコードする核酸が単離されて、組換え型手段を用いて発現された場合は、得られたタンパク質は、抗体抗原結合ドメインを含む組換え型タンパク質である。また、組換え型タンパク質は、たとえばそれが発現される細胞内、組織内または対象内にある場合に、人工組換え型手段により発現されるタンパク質も、含む。
【0107】
「タンパク質」という用語は、一つのポリペプチド鎖、すなわち、共有結合でまたは非共有結合で相互に結合されるペプチド結合またはポリペプチド鎖の列(すなわち、ポリペチド複合体)により結合される連続した一連のアミノ酸、を含むと理解される。たとえば、一連のポリペプチド鎖は、適切な化学またはジスルフィド結合を用いて共有結合させることができる。非共有結合の実施例としては、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス力及び疎水的相互作用が挙げられる。
【0108】
「ポリペチド」または「ポリペプチド鎖」という用語は、前述の段落から理解され、ペプチド結合により結合される一連の連続したアミノ酸を意味する。
【0109】
本明細書に用いられる場合において、「
抗原結合ドメイン」という用語は、抗原に特異的に結合することができる抗体の領域を意味すると理解され、すなわち、V
H若しくはV
L、または、V
H及びV
Lの両方を含むFvである。
抗原結合ドメインは、抗体全体と関連がある必要はなく、たとえば、単離型(たとえば、ドメイン抗体)であってもよく、または、たとえば、本明細書に記載される別の形態(たとえばscFv)であってもよい。
【0110】
本開示のための目的のため、「抗体」という用語には、Fv中に含まれる
抗原結合ドメインにより、1個または数個の密接に関連がある抗原(たとえば、IL−21)に特異的に結合することができるタンパク質が含まれる。この用語は、4鎖抗体(たとえば、2つの軽鎖及び2つの重鎖)、組換え型または組換え抗体(たとえば、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、CDR移植化抗体、霊長類化抗体、非免疫化された抗体、合成ヒト化抗体、半分の抗体、二重特異性抗体)を含む。抗体は、定常領域を一般に含み、この定常領域は、定常領域または定常フラグメントまたは結晶化可能(Fc)フラグメントに配列することができる。抗体の典型的な形は、それらの基本的なユニットとして4鎖構造を備える。完全長抗体は、共有結合される2つの重鎖(約50〜70kD)及び2つの軽鎖(各々約23kDa)を備える。軽鎖は、一般に可変領域(存在するならば)及び定常領域を含み、哺乳類ではκ軽鎖またはλ軽鎖である。重鎖は、ヒンジ領域により追加の定常領域に結合される可変領域及び1個または2個の定常領域を一般に含む。哺乳類の重鎖は、以下のタイプα、δ、ε、γまたはμの1つである。
【0111】
各軽鎖は、重鎖の1つにも共有結合される。たとえば、2つの重鎖及び重及び軽鎖は、鎖間ジスルフィド結合及び非共有結合的相互作用により、共に保持される。鎖間ジスルフィド結合の数は、別々のタイプの抗体の間で変えることができる。各鎖は、N末端可変領域(V
HまたはV
L、各々約110個のアミノ酸の長さである)を有し、かつ、C末端に1つ以上の定常領域を有する。軽鎖(C
L、約110個のアミノ酸の長さである)の定常領域は、重鎖の第1の定常領域(C
H1、330〜440個のアミノ酸の長さである)と整列配置され、かつ、これにジスルフィド結合される。軽鎖可変領域は、重鎖の可変領域と整列配置される。抗体重鎖は、2つ以上の追加のC
Hドメイン(たとえば、C
H2、C
H3等)を備えることができ、また、C
H1及びC
H2定常領域の間に、ヒンジ領域を備えることができる。抗体は、いずれかのタイプ(たとえば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(たとえば、IgG
1、IgG
2、IgG
3、IgG
4、IgA
1及びIgA
2)またはサブクラスであってもよい。一例では、抗体は、ネズミ(マウスまたはラット)抗体または霊長類(たとえば、ヒト)抗体である。一例では、抗体重鎖は、C末端リジン残基を有しない。一例では、抗体は、ヒト化、合成ヒト化、キメラ、CDR移植化、または、非免疫化であれる。
【0112】
用語「完全長抗体」、「インタクト抗体」または「全抗体」は、抗体のフラグメントを結合する抗原とは対照的に、その実質的にインタクトな形態で抗体のことを指すために、互換可能に用いられる。具体的には、全抗体は、Fc領域を含む重鎖及び軽鎖を有するものを含む。定常領域は、野生型配列定常領域(たとえば、ヒト野生型配列定常領域)、または、そのアミノ酸配列変異株であってもよい。
【0113】
本明細書に用いられる場合において、本明細書に定義されるように、「可変領域」は、抗体の軽及び/または重鎖の部分のことをいい、これは、抗原に特異的に結合可能であり、かつ、相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列、すなわち、CDR1、CDR2、及び、CDR3、及び、フレームワーク領域(FR)を含む。たとえば、可変領域は、3個のCDRと共に、3個または4個のFR(たとえば、FR1、FR2、FR3及び任意にFR4)を含む。V
Hは、重鎖の可変領域のことをいう。V
Lは、軽鎖の可変領域のことをいう。
【0114】
本明細書に用いられる場合において、用語「相補性決定領域」(同意語としてCDR;すなわち、CDR1、CDR2及びCDR3)は、抗体可変領域のアミノ酸残基のことをいい、その存在は、特異的な抗原結合の主要な貢献者である。各可変領域ドメイン(V
HまたはV
L)は、CDR1、CDR2及びCDR3として特定される3つのCDRを典型的に有する。一例では、CDR及びFRに割り当てられるアミノ酸位置は、免疫学的に着目したタンパク質のKabat配列、アメリカ国立衛生研究所、ベセズダ、メリーランド、1987年及び1991年にしたがって、定義される(また、ここでは「Kabat番号付けシステム」と称する)。別の例では、CDR及びFRに割り当てられるアミノ酸位置は、Enhanced Chothia Numbering Scheme(http://www.bioinfo.org.uk/mdex.html)によって定義される。Kabatの番号付けシステムに従い、V
H FR及びCDRは、以下の通りに配置される:残基1〜30(FR1)、31〜35(CDR1)、36〜49(FR2)、50〜65(CDR2)、66〜94(FR3)、95〜102(CDR3)及び、103〜113(FR4)。Kabatの番号付けシステムに従い、V
L FR及びCDRは、以下の通りに配置される:残基1〜23(FR1)、24〜34(CDR1)、35〜49(FR2)、50〜56(CDR2)、57〜88(FR3)、89〜97(CDR3)及び98〜107(FR4)。本開示は、Kabat番号付けシステムにより定義されるFR及びCDRに限定されず、全ての番号付けシステムを含み、これは以下を含む。Chothia及びLeskの正準番号付けシステム、J. Mol. Biol. 196: 901−917, 1987年; Chothiaら, Nature 342: 877−883, 1989年;及び/またはAl−Lazikaniら, J. Mol. Biol. 273: 927−948, 1997年;Honnegher及びPlUkthunの番号付けシステム、J. Mol. Biol. 309: 657−670, 2001 年;またはGiudicelliらにより考察されるIMGTシステム、Nucleic Acids Res. 25: 206−21 1 1997年。一例では、CDRは、Kabat番号付けシステムによって定義される。任意に、Kabat番号付けシステムに従った重鎖CDR2は、本明細書に列挙される5つのC末端アミノ酸を含まず、または、それらのアミノ酸のいずれか1つ以上が、別の天然に存在するアミノ酸で置換される。この点に関し、Padlanら, FASEB J., 9: 133−139, 1995年、では、重鎖CDR2の5つのC末端アミノ酸が、一般に、抗原結合に関与しないことが確立された。
【0115】
「フレームワーク領域」(FR)は、CDR残基以外の可変領域残基である。
【0116】
本明細書に用いられる場合において、「Fv」という用語は、V
L及びV
Hが結合し
抗原結合ドメインを有する複合体を形成する、すなわち、抗原に特異的に結合することが可能な、複数のポリペチドまたは1つのポリペチドが含まれるか否かにかかわらず、いずれかのタンパク質を意味すると理解される。
抗原結合ドメインを形成するV
H及びV
Lは、一つのポリペプチド鎖内にあってもよく、または、別々のポリペプチド鎖内にあってもよい。さらに、本開示のFv(ならびに本開示のいずれのタンパク質)は、同じ抗原に結合し得るまたは結合できなくてもよい、複数の
抗原結合ドメインを有してもよい。この用語が、抗体から直接誘導されるフラグメント、ならびに組換え型手段を用いて生成されるこのようなフラグメントに対応するタンパク質を含むことが理解されよう。一部の例では、V
Lが軽鎖定常領域(C
L)に結合されず、及び/または、V
Hは重鎖定常領域(C
H)1に結合されない。典型的なFvを含有するポリペチドまたはタンパク質としては、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)フラグメント、scFv、二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体またはより高次の複合体、または、定常領域またはそのドメインに結合される前述のいずれかのもの、たとえば、C
H2またはC
H3ドメイン、たとえば、低分子化抗体、等が挙げられる。「Fabフラグメント」は、免疫グロブリンの一価の抗原結合性フラグメントから成り、酵素パパインにより全抗体を消化して、インタクト軽鎖及び一部の重鎖からなるフラグメントを発生させることにより生成することができ、または、組換え型手段を用いて生成することができる。抗体の「Fab’フラグメント」は、全抗体をペプシンで処理した後に還元し、インタクト軽鎖、並びに、V
H及び単一の定常領域を含む重鎖の一部からなる分子を生成することにより、得ることができる。このように処理される抗体につき、2つのFab’フラグメントが得られる。Fab’フラグメントは、組換えの手段により生成することもできる。抗体の「F(ab’)2フラグメント」は、2つのジスルフィド結合により一緒に保持される2つのFab’フラグメントのダイマーから成り、全抗体分子を酵素ペプシンで処理することにより、以降の還元を行わずに、得られる。「Fab
2」フラグメントは、たとえばロイシンジッパーまたはC
H3ドメインを用いて結合させた2つのFabフラグメントを含む、組換え型フラグメントである。「単一の鎖Fv」または「scFv」は、抗体の可変領域フラグメント(Fv)を含む組換え分子であり、その軽鎖の可変領域及び重鎖の可変領域が、適切なフレキシブルポリペチドリンカーにより共有結合される。
【0117】
本明細書に用いられる場合において、IL−21結合タンパク質またはその
抗原結合ドメインの抗原との相互作用に関しての「結合する」という用語は、相互作用が、抗原上の特定の構造(たとえば、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存することを意味する。たとえば、抗体は、一般的なタンパク質ではなく、特異的なタンパク質構造を認識して、これに結合する。抗体がエピトープ「A」に結合する場合は、標識化「A」及びタンパク質を含んでいる反応におけるエピトープ「A」(またはフリーな未標識「A」)を含む分子の存在は、抗体に結合される標識化「A」の量を減少させる。
【0118】
本明細書に用いられる場合において、「特異的に結合する」または「特異的に結合する」との用語は、本開示のIL−21結合タンパク質は、代替の抗原または細胞に対するよりも、より高頻度で、より迅速に、より長い持続時間で、及び/または、特定の抗原またはそれを発現する細胞に対してより高い親和性で、反応または関与することを意味すると理解される。たとえば、IL−21結合タンパク質は、(すなわち、人間で天然に見出される様々な抗原を結合することが知られる天然に存在する抗体により)それが他のインターロイキンに対するより、または、多反応性天然抗体により共通して認識される抗原に対するより、より大きな親和性(たとえば、1.5倍または2倍または5倍または10倍または20倍または40倍または60倍または80倍から100倍または150倍又200の倍)で、IL−21(たとえば、hIL−21)に結合する。本開示の実施例では、IL−21結合タンパク質は、他のインターロイキンに対するよりも親和性が少なくとも1.5倍または2倍以上(たとえば、5倍または10倍または20倍または50倍または100倍または200倍)で、hIL−21に「特異的に結合する」。一般に、しかし必然的ではなく、結合することに対する言及は、特異的な結合を意味し、各用語は、明示的なサポートを他の用語に提供することが理解されよう。
【0119】
本明細書に用いられる場合において、用語「検出可能的に結合しない」とは、IL−21結合タンパク質、たとえば、抗体等が、10%未満または8%未満または6%未満または5%未満、バックグラウンドよりも高いレベルで、候補となる抗原に結合することを意味すると理解される。バックグラウンドは、タンパク質がない場合及び/または陰性対照タンパク質(たとえば、アイソタイプ対照抗体)の存在下で、検出される結合シグナルのレベル、及び/または、陰性対照抗原の存在下で検出される結合のレベル、とすることができる。結合のレベルは、IL−21結合タンパク質を固定して抗原に接触させるバイオセンサー分析法(たとえばBiacore)を用いて、検出される。
【0120】
本明細書に用いられる場合において、用語「有意に結合しない」とは、本開示のIL−21結合タンパク質のポリペチドへの結合のレベルは、バックグラウンド、たとえば、IL−21結合タンパク質がない場合及び/または陰性対照タンパク質(たとえば、アイソタイプ対照抗体)の存在下での結合シグナルのレベル、及び/または、陰性対照ポリペチドの存在下で検出される結合のレベル、よりも統計学的に有意に高くないことを意味すると理解されよう。結合のレベルは、IL−21結合タンパク質を固定して抗原に接触させるバイオセンサー分析法(たとえばBiacore)を用いて、検出される。
【0121】
説明の目的で、そして、本明細書に例証された構成要件に基づいて当業者にとって明らかなように、本明細書における「親和性」への言及は、タンパク質または抗体のK
Dへの言及である。
【0122】
説明の目的で、そして、この説明に基づく当業者にとって明らかなように、「親和性が少なくとも約」への言及は、親和性(または、K
D)が、引用された値と等しいまたはより高い(すなわち、親和性はより低く引用される)こと、すなわち、2nMの親和性が3nMの親和性のよりも高いこと、を意味することが理解されよう。他の方法で述べるとすれば、この語は、「X以下の親和性」であってもよく、ここでXは、本明細書に引用される値である。
【0123】
本明細書に用いられる場合において、「エピトープ」という用語(同意語「抗原決定基」)は、抗体の抗原結合ドメインを含むIL−21結合タンパク質が結合するIL−21の領域のことを意味すると理解される。この用語は、IL−21結合タンパク質が接触する特異的な残基または構造に必ず限定されるというわけではない。たとえば、この語は、IL−21結合タンパク質が接触するアミノ酸、並びに、この領域の外の5〜10個(またはそれ以上)または2〜5個または1〜3個のアミノ酸にまたがっている領域を含んでいる。一部の例では、エピトープは、IL−21結合タンパク質が折りたたまれた場合、すなわち「立体配置的エピトープ」の場合に、相互に近接して配置される一連の不連続なアミノ酸を含む。また、当業者は、用語「エピトープ」がペプチドまたはポリペチドに限定されないことを、知っている。たとえば、用語「エピトープ」は、たとえば糖側鎖、ホスホリル側鎖、またはスルホニル側鎖等、分子の化学的に活性な表面グループを含み、また所定の例では、特異的な三次元構造上の特性及び/または特異的な荷電特性を有してもよい。
【0124】
用語「競合的に阻害する」とは、本開示のIL−21結合タンパク質(または、その抗原結合ドメイン)が、引用された抗体またはIL−21結合タンパク質の、IL−21、たとえば、hIL−21への結合を低下または妨げることを意味すると理解される。これは、IL−21結合タンパク質(または抗原結合ドメイン)及び抗体が、同じまたは重なり合うエピトープに結合することが原因であるかもしれない。IL−21結合タンパク質は、抗体の結合を完全に阻害する必要はなく、むしろ、結合を、統計的に有意な量、たとえば、少なくとも約10%または20%または30%または40%または50%または60%または70%または80%または90%または95%、低下させるだけで十分であることが、前述から明らかである。好ましくは、IL−21結合タンパク質は、少なくとも約30%だけ、さらに好ましくは少なくとも約50%だけ、さらに好ましくは少なくとも約70%だけ、またさらに好ましくは少なくとも約75%だけ、なおさらに好ましくは少なくとも約80%または85%だけ、なおさらに好ましくは少なくとも約90%だけ、抗体の結合を低下させる。結合の競合阻害を決定する方法は、当該技術分野で知られており、及び/または本明細書に記載される。たとえば、抗体は、IL−21結合タンパク質の存在下または不存在下で、IL−21に曝露される。IL−21結合タンパク質の存在下の方が、IL−21結合タンパク質の不存在の場合よりも抗体の結合が少ない場合は、そのタンパク質は、抗体の結合を競合的に阻害すると考えられる。一例では、競合阻害は、立体障害によらない。
【0125】
2つのエピトープとの関連で「重なる」ことは、2つのエピトープが、1つのエピトープに結合するIL−21結合タンパク質(または、その抗原結合ドメイン)が、他のエピトープに結合するIL−21結合タンパク質(または、抗原結合ドメイン)の結合を競合的に阻害することができるのに十分な数のアミノ酸残基を共有することを意味すると理解される。たとえば、「重なり合う」エピトープは、少なくとも1または2または3または4または5または6または7または8または9または20個のアミノ酸を共有する。
【0126】
本明細書に用いられる場合において、用語「拮抗する」は、タンパク質が細胞中のIL−21媒介シグナル伝達を高めることができることを意味すると理解される。強化された活性を決定する方法は、当該技術分野で知られており、及び/または、本明細書に記載される。
【0127】
本明細書に用いられる場合において、用語「疾患」は、正常機能の破壊または障害のことをいい、いずれかの具体的な疾患に限定されず、疾病または疾患を含み得る。
【0128】
本明細書に用いられる場合において、期間、「予防すること」、「予防する」または、「予防」は本開示のIL−21結合タンパク質を投与することにより、疾患の少なくとも1つの症状の発症を停止することまたは妨げることを含む。また、この語は、寛解期にある対象の再発を予防するまたは妨げるための治療も含む。
【0129】
本明細書に用いられる場合において、用語「治療すること」、「治療する」または、「治療」は、本明細書に記載されるIL−21結合タンパク質を投与することにより、特定の疾病または状態の少なくとも1つの症状を減少または排除することを含む。
【0130】
本明細書に用いられる場合において、語「対象」とは、ヒトを含むいずれかの動物、たとえば哺乳類を意味すると理解される。典型的な対象の非限定的な例としては、ヒト及び非ヒト霊長類が挙げられる。たとえば、対象はヒトである。
【0131】
抗体
一例として、いずれかの例によって本明細書に記載されるIL−21結合タンパク質は、抗体である。
【0132】
抗体を作成する方法は、当該技術分野で知られており、及び/または、Harlow及びLane(編集者)抗体:実験室マニュアル、Cold Spring Harbor Laboratory(1988年)に記載されている。一般に、このような方法では、IL−21(たとえばhIL−21)またはその領域(たとえば細胞外領域)、または、免疫原性フラグメントまたはそのエピトープ、または、これらを発現し及び示す細胞(すなわち免疫原)は、任意に、あらゆる適切なまたは所望の担体、補助剤または薬学的に許容される賦形剤と共に調製され、非ヒト動物、たとえば、マウス、ニワトリ、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ウマ、ウシ、ヤギまたはブタ、に投与される。免疫原は、鼻腔内、筋内、皮下、静注、皮内、腹膜内、または他の既知のルートにより投与されてもよい。
【0133】
免疫後のさまざまな時点で、免疫した動物の血液を採集することによって、ポリクローナル抗体の生成をモニタすることができる。所望の抗体価を達成することが要求される場合、1つ以上の更なる免疫処置を行ってもよい。適切な滴定量が達成されるまで、ブースティング及び滴定するプロセスが繰り返される。免疫原性の所望のレベルが得られた場合は、免疫化された動物から採血して、その血清を分離及び保存し、及び/または、その動物を用いて、モノクローナル抗体(mAb)を生成する。
【0134】
モノクローナル抗体は、本開示により想定される抗体の1つの典型的な形である。「モノクローナル抗体」という用語または「mAb」は、同じ抗原、たとえば抗原中の同じエピトープにに結合することができる均一な抗体群のことをいう。この語は、抗体のソースまたは抗体を作製する方法に関して限定することを意図するものではない。
【0135】
mAbの生成のために、多数の既知の技術のいずれか1つ、たとえば米国特許第4,196,265号または上記のHarlow及びLane(1988)で例証される手順を、用いてもよい。
【0136】
たとえば、適切な動物は、抗体産生細胞を刺激するに十分な条件下で、免疫原で免疫化される。齧歯動物、たとえばウサギ、マウス及びラットは、典型的な動物である。ヒト抗体を発現するように遺伝子操作され、たとえばネズミ抗体を発現しない、マウスを用いて、本開示の抗体を生成することもできる(たとえば、WO2002/066630に記載されるように)。
【0137】
免疫化に続いて、抗体(特異的にBリンパ球(B細胞))を生成する可能性を有する体細胞を、mAb生成手順で使用するために選択する。これらの細胞は、脾臓、扁桃またはリンパ節の生検から、または、末梢血液サンプルから得ることができる。免疫化された動物からのB細胞は、免疫原で免疫化された動物と同じ種から一般に由来する不死の骨髄腫細胞の細胞に、その後融合される。
【0138】
組織培養培地中でのヌクレオチドのデノボ合成をブロックする薬剤を含んだ選択的培地の培養により、ハイブリッドは増幅される。典型的な薬剤は、アミノプテリン、メトトレキセート及びアザセリンである。
【0139】
増幅されたハイブリドーマは、たとえばフローサイトメトリー及び/または免疫組織化学及び/またはイムノアッセイ(たとえばラジオイムノアッセイ、酵素免疫学的測定法、細胞毒性アッセイ、プラークアッセイ、ドットイムノアッセイ等)により、抗体特異性及び/または滴定量のための機能的選択を受ける。
【0140】
代替的に、MAbを分泌する細胞株を製造するために、ABL−MYC技術(NeoClone社、マディソン,Wl 53713、USA)を用いる(たとえば、Largaespadaら, J. Immunol. Methods. 197: 85−95, 1996年に記載されるように)。
【0141】
たとえば、米国特許第6300064号及び/または米国特許第5885793号に記載されるように、ディスプレイライブラリ、たとえば、ファージディスプレイライブラリを、スクリーニングすることより、抗体は、生成または単離可能である。たとえば、本発明者らは、ヒト抗体全体をファージディスプレイライブラリから単離した。
【0142】
本開示の抗体は、合成抗体であってもよい。たとえば、抗体はキメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、合成ヒト化抗体、霊長類化抗体または非免疫化された抗体である。
【0143】
非免疫化、キメラ、CDR移植化、ヒト化、合成ヒト化、霊長類化、ヒト及び複合IL−21結合タンパク質
本開示のIL−21結合タンパク質は、CDR移植化タンパク質でもよく、このCDR移植化タンパク質は、ヒト抗体からのFRへ移植又挿入される、非ヒト種(たとえば、マウスまたはラットまたは非ヒト霊長類)からの抗体からのCDRを含むか、または、他のタイプの抗体(たとえば、別のタイプのヒト抗体)からのFRへ移植または挿入される、抗体の1つのタイプからの抗体(たとえば、ヒト抗体の1つのタイプ)からのCDRを含む。また、この語は、たとえば、1つ以上のCDR移植化可変領域、及び、1つ以上の、たとえば、ヒト可変領域、キメラ可変領域、合成ヒト化可変領域または霊長類化可変領域等を含む、複合IL−21結合タンパク質も含む。
【0144】
本開示のIL−21結合タンパク質は、ヒト化タンパク質でもよい。
用語「ヒト化タンパク質」は、非ヒト種(たとえば、マウスまたはラットまたは非ヒト霊長類)からの抗体からのCDRを含み、ヒト抗体(この種の抗体は「CDR移植化抗体」の種別に入る)からのFRに移植または挿入される、ヒト類似可変領域を含んだタンパク質のことをいうものと理解される。また、ヒト化IL−21結合タンパク質は、ヒトタンパク質の1つ以上の残基が1つ以上のアミノ酸置換により変成されるタンパク質、及び/または、ヒトタンパク質の1つ以上のFR残基が、対応する非ヒト残基により置換されるタンパク質を、含む。また、ヒト化タンパク質は、ヒト抗体にも非ヒト抗体にも見出されない残基を備えてもよい。タンパク質のあらゆる追加の領域(たとえばFc領域)は、一般にヒトのである。ヒト化は、当該技術分野で知られている方法、たとえば、米国特許第5225539号、米国特許第6054297号、米国特許第7566771号または米国特許第5585089号等、を用いて実行することができる。また、用語「ヒト化タンパク質」は、超ヒト化タンパク質(たとえば、米国特許第7732578号で定める)も含む。また、この語は、たとえば、1つ以上のヒト化された可変領域、及び、1つ以上のたとえば、ヒト可変領域、キメラ可変領域、合成ヒト化可変領域または霊長類化可変領域等、を含む複合タンパク質も含む。
【0145】
本開示のIL−21結合タンパク質は、ヒトIL−21結合タンパク質でもよい。ここで用いられる用語「ヒトタンパク質」は、ヒトから見出される、たとえば、ヒト生殖細胞系、または、体細胞、または、下記領域を使用して生成されるライブラリから見出される、可変抗体領域及び、任意に、定常抗体領域を有するタンパク質のことをいう。「ヒト」タンパク質は、ヒト配列によりコードされないアミノ酸残基、たとえば、生体外でランダムまたは部位定方向突然変異により導入される突然変異(特に、少数のタンパク質の残基中、たとえばタンパク質の残基の1つ、2つ、3つ、4つまたは5つの中で、保存的置換または突然変異を関与する突然変異)等を含むことができる。これらの「ヒトタンパク質」は、ヒトの免疫応答の結果として必然的に発生する必要はなく、それらは、組換え型手段(たとえば、ファージディスプレイライブラリをスクリーニングすること)を用い、及び/または、ヒト抗体定常領域及び/または可変領域をコードする核酸を含む遺伝子移入動物(たとえばマウス)により、及び/または、(たとえば、米国特許第5565332号に記載されている)導かれた選択を使用して、発生させることができる。また、この語は、このような抗体の親和性が成熟した形態を含む。本開示の目的で、ヒトタンパク質は、ヒト抗体またはFRからFRを含んでいるタンパク質を含むとも考えられ、これは、ヒトFRの共通配列から配列を含み、たとえば、米国特許第6300064号や米国特許第6248516号に記載されているように、そのCDRの1つ以上がランダムなまたはセミランダムである。
【0146】
任意に、V
Hは、重鎖定常領域、たとえば、IgG4重鎖定常領域、に結合される。一例では、重鎖定常領域は、C末端リジン残基が欠如している。
【0147】
任意に、V
Lは、軽鎖定常領域に結合される。
【0148】
本開示のIL−21結合タンパク質は、合成ヒト化タンパク質であってもよい。用語「合成ヒト化タンパク質」とは、WO2007/019620に記載される方法により調製されるタンパク質のことをいう。合成ヒト化IL−21結合タンパク質は、抗体の可変領域を含み、この可変領域は、新世界霊長類抗体可変領域からのFR、及び、非新世界霊長類抗体可変領域からのCDRを含む。たとえば、合成ヒト化IL−21結合タンパク質は、抗体の可変領域を含み、この可変領域は、新世界霊長類抗体可変領域からのFR及びマウスまたはラット抗体からのCDRを含む。一例では、合成ヒト化IL−21結合タンパク質は、一方または両方の可変領域がヒト化合成されたIL−21結合抗体である。また、この語は、たとえば、1つ以上の合成ヒト化可変領域及び1つ以上の、たとえば、ヒト可変領域またはヒト化された可変領域またはキメラ可変領域を含む複合タンパク質も含む。
【0149】
本開示のIL−21結合タンパク質は、霊長類化タンパク質であってもよい。「霊長類化タンパク質」は、非ヒト霊長類(たとえばカニクイザル)の免疫化の後に発生させた抗体からの可変領域を含む。任意に、非ヒト霊長類抗体の可変領域をヒト定常領域に結合させて、霊長類化抗体を製造する。霊長類化抗体を生成する典型的な方法は、米国特許第6113898号に記載される。また、この語は、たとえば、1つ以上の霊長類化可変領域及び1つ以上の、たとえば、ヒト可変領域またはヒト化された可変領域またはキメラ可変領域を含む複合タンパク質も含む。
【0150】
一例では、本開示のIL−21結合タンパク質は、キメラタンパク質である。語「キメラタンパク質」とは、抗原結合ドメインが特定の種(たとえばマウスまたはラット等のネズミ)からまたは特定の抗体種別またはサブクラスに属し、一方で、タンパク質の残部が、他の種(たとえばヒトまたは非ヒト霊長類)に由来するタンパク質から、または他の抗体種別またはサブクラスに属する、タンパク質のことをいう。一例では、キメラタンパク質は、非ヒト抗体(たとえばマウス抗体)からV
HやV
Lを含むキメラ抗体であり、抗体の残りの領域はヒト抗体からである。このようなキメラタンパク質の生成は、当該技術分野で知られており、及び、標準手段(たとえば、米国特許第6331415号;米国特許第5807715号;米国特許第4816567号及び米国特許第4816397号に記載)により達成されてもよい。また、この語は、たとえば、1つ以上のキメラ可変領域及び1つ以上の、たとえば、ヒト可変領域またはヒト化された可変領域またはキメラ可変領域を含む複合タンパク質も含む。
【0151】
また、本開示は、たとえば、国際特許公報WO2000/34317及び国際特許公報WO2004/108158に記載されているように、非免疫付与IL−21結合タンパク質も想定する。非免疫化された抗体及びタンパク質は、たとえば、除去された(すなわち変異された)B細胞エピトープまたはT細胞エピトープ等の1つ以上のエピトープを有することにより、対象が抗体またはタンパク質に対して免疫応答を増加させるという可能性を低下させる。たとえば、本開示のIL−21結合タンパク質を分析して、1つ以上のBまたはT細胞エピトープを特定し、また、エピトープの中の1つ以上のアミノ酸残基を突然変異させることにより、IL−21結合タンパク質の免疫原性を低下させる。
【0152】
「複合」タンパク質は、V
Hの1つの形態(たとえばヒト)及びV
Lの他の形態(たとえばヒト化)を含むことが、前述の開示から当業者にとって明らかである。本開示は、V
H及びV
Lの形態のすべての組み合わせを明示的に含む。
【0153】
相補性決定領域の決定
本明細書に開示される相補性決定領域(CDR)は、一例では、Lefranc及びその同僚の番号付けシステムに基づいており、これは、免疫遺伝学(IMGT)番号付けシステム(Lefranc、Marie−Pauleら(1999)Nucl. Acids. Res. 27(1):209−212)と呼ばれており、これは、抗体ラムダ及びカッパ軽及び重鎖可変領域、ならびに、T細胞受容体アルファ、ベータ、ガンマ及びデルタ鎖可変領域を含む、免疫グロブリン可変領域生殖細胞系配列のための統一番号付けシステムである。
【0154】
Kabatらの番号付けシステム(Kabatら, Sequences of Proteins of Immunological Interest Washington DC United States Department of Health and Human Services,1987年及び/または1991年)を用いて、CDRが決定されることもできると、当業者は認識する。この番号付けシステムにより、CDR領域は、以下の通りであると決定された:
【0155】
可変重鎖
CDR1 DYYIH
CDR2 WIDPESGDTEYAPKFQV
CDR3 GSGY
可変軽鎖
CDR1 KSSQSLLDSDGETYLN
CDR2 LVSKLDS
CDR3 WQGTHFPYT
【0156】
したがって、本開示は、抗体の抗原結合ドメインを含むIL−21結合タンパク質も含み、ここで、抗原結合性ドメインは、Kabat番号付けシステムに従った上記の重鎖及び軽鎖相補性決定領域配列を含む。
【0157】
タンパク質を含む抗体結合ドメイン
単一ドメイン抗体
一部の例では、本開示のタンパク質は、単一ドメイン抗体(用語「ドメイン抗体」または「dAb」と互換可能に用いられる)である、または単一ドメイン抗体を含む。単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変領域の全てまたは一部を含む単一のポリペプチド鎖である。所定の例では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis社、ウォルサム、MA;たとえば、米国特許第6248516号を参照)。
【0158】
二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体
一部の例では、本開示のタンパク質は、たとえば国際特許公報WO98/044001や国際特許公報WO94/007921に記載されるような、二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体またはより高次のタンパク質複合体である、または、これらを備える。
【0159】
たとえば、二重特異性抗体は、2つの関連ポリペプチド鎖を含んでいるタンパク質であり、各ポリペプチド鎖は、構造V
L−X−V
HまたはV
H−X−V
Lを含み、V
Lは、抗体軽鎖可変領域であり、V
Hは、抗体重鎖可変領域であり、Xは、単一のポリペプチド鎖中のV
H及びV
Lが結合できるようにする(またはFvを生成する)には不十分な残基を含んでいるリンカーであるか、または、存在せず、1つのポリペプチド鎖のV
Hは、他のポリペプチド鎖のV
Lに結合して、抗原結合ドメインを生成する、すなわち、1つ以上の抗原に特異的に結合することができるFv分子を生成する。V
L及びV
Hは、各ポリペプチド鎖で同じであってもよく、または、V
L及びV
Hは、二重特異性の二重特異性抗体(すなわち別々の特異性を有している2つのFvを含む)を生成するように、各ポリペプチド鎖では別々であってもよい。
【0160】
単一鎖Fv(scFv)
scFvは、単一のポリペプチド鎖にV
H及びV
L領域と、V
HとV
Lの間に、scFvが抗原結合のための所望の構造を生成することを可能にする(すなわち、単一のポリペプチド鎖のV
H及びV
Lを相互に結合させてFvを生成する)ポリペチドリンカーとを含んでいることを、当業者は知っているだろう。たとえば、リンカーは、(Gly
4Ser)
3で、12を超えるアミノ酸残基を含み、scFvのためのより好ましいリンカーの1つである。
【0161】
また、本開示は、ジスルフィド安定化Fv(または、diFvまたはdsFv)も想定し、ここで、単一のシステイン残基が、V
HのFR及びV
LのFR、及び、ジスルフィド結合により結合されるシステイン残基に導入され、安定なFvを生成する。
【0162】
代替的に、または追加的に、本開示は、すなわち、非共有結合的または共有結合リンケージにより、たとえば、ロイシンジッパードメイン(たとえばFosまたはJunに由来する)により、結合される2つのscFv分子を含んだタンパク質である、二量体scFvを含む。代替的に、2つのscFvは、十分な長さのペプチドリンカーにより結合されることにより、両方のscFvが形成されて抗原に結合できるようになり、これはたとえば、米国特許第20060263367号に記載されている。
【0163】
重鎖抗体
重鎖抗体は、それらが重鎖を備えているが軽鎖を備えていないという限りにおいて、多くの他の形態の抗体とは構造的に異なっている。したがって、これらの抗体は、「重鎖のみの抗体」ともいわれる。たとえば、重鎖抗体は、ラクダ科の動物及び軟骨魚で見出される(IgNARとも呼ぶ)。
【0164】
天然に存在する重鎖抗体に存在する可変領域は、ラクダ科の動物抗体及びIgNARのV−NAR内では、「V
HHドメイン」と一般にいわれ、これは、従来の4−鎖抗体に存在する重鎖可変領域(「V
Hドメイン」といわれる)から、及び、従来の4−鎖抗体に存在する軽鎖可変領域(「V
Lドメイン」といわれる)から、これらを区別するためである。
【0165】
ラクダ科の動物からの重鎖抗体及びその可変領域、並びに、それらの生成及び/または単離及び/または使用のための方法の、一般的な説明が、以下の引用においてとりわけ見出される:国際特許公報WO94/04678、WO97/49805及びWO97/49805。
【0166】
軟骨魚からの重鎖抗体及びその可変領域、並びに、それらの生成及び/または単離及び/または使用のための方法の、一般的な説明が、以下の引用においてとりわけ見出される:国際特許公報WO2005/118629。
【0167】
他の抗体及びその抗原結合ドメインを含むタンパク質
本開示は、また、他の抗体及びその抗原結合性ドメインを含むタンパク質を想定し、たとえば:
(i)米国特許第5731168号に記載の「キー及び穴」二重特異性タンパク質;
(ii)ヘテロ結合(heteroconjugate)タンパク質、たとえば、米国特許第4676980号に記載;
(iii)化学架橋剤を用いて生成されるヘテロ結合タンパク質、たとえば、米国特許第4676980号に記載;及び
(iv)Fab
3(たとえば、欧州特許EP19930302894に記載)。
【0168】
タンパク質に対する突然変異
また、本開示は、IL−21結合タンパク質、または、これをコードし本明細書に開示される配列と少なくとも80%の同一性を有する核酸を、提供する。一例では、本開示のIL−21結合タンパク質または核酸は、少なくとも約85%または90%または95%または97%または98%または99%が、本明細書に開示される配列と同一の配列を含む。
【0169】
代替的にまたは追加的に、IL−21結合タンパク質は、少なくとも約80%または85%または90%または95%または97%または98%または99%がいずれかの実施例に従って本明細書に記載されるV
HまたはV
LのCDRと同一である、CDR(たとえば3つのCDR)を含む。
【0170】
別の例では、本開示の核酸は、少なくとも約80%または85%または90%または95%または97%または98%または99%が、いずれかの実施例に従って本明細書に記載される機能を有するIL−21結合タンパク質をコードする配列と同一の、配列を含む。また、本開示は、本開示のIL−21結合タンパク質をコードする核酸も含み、これは、遺伝コードの同義性の結果として、本明細書に例証される配列と異なっている。
【0171】
核酸またはポリペチドの%同一性は、GAP(Needleman and Wunsch. Mol. Biol. 48, 443−453, 1970)分析(GCGプログラム)により、ギャップ形成ペナルティ=5、及び、ギャップ拡張ペナルティ=0.3で、決定される。クエリー配列は、少なくとも50残基の長さを有し、GAP分析では、少なくとも50残基の領域上に、2つの配列を整列配置させる。たとえば、クエリー配列は、少なくとも100残基の長さを有し、GAP分析では、少なくとも100残基の領域上に、2つの配列を整列配置させる。たとえば、2つの配列が、それら全体の長さにわたって整列配置される。
【0172】
また、本開示は、厳しいハイブリダイゼーション条件下で、本明細書に記載されるIL−21結合タンパク質をコードする核酸にハイブリダイズする核酸も想定する。「適度な厳密性」とは、SSCバッファx2、0.1%(w/v)SDS、45℃〜65℃の温度範囲、または等価の条件で遂行されるハイブリダイゼーション及び/または洗浄として、本明細書に定義される。「高い厳密性」とは、SSCバッファx0.1、0.1%(w/v)SDSまたはより低い塩濃度、少なくとも65℃の温度、または等価の条件で遂行されるハイブリダイゼーション及び/または洗浄として、本明細書に定義される。特定のレベルの厳密性とは、本明細書では、当業者に知られているSSC以外の洗浄/ハイブリダイゼーション溶液を用いた、等価の条件を含む。たとえば、二重鎖核酸のストランドが解離する温度(融解温度またはTmとして知られる)を計算する方法が、当該技術分野で知られている。核酸のTmと同程度(たとえば5℃以内または10℃以内)またはこれと等しい温度は、高い厳密性を有すると考えられる。核酸のTmが、10℃〜20℃または10℃〜15℃と計算された場合に、中間の厳密性と考えられる。
【0173】
また、本開示は、本明細書に述べた配列と比較して保存的アミノ酸置換を1つ以上含む本開示のIL−21結合タンパク質の変異形も想定する。一部の例では、IL−21結合タンパク質は、10以下の、たとえば、9または8または7または6または5または4または3または2または1の保存的アミノ酸置換を含む。「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基は、類似の側鎖及び/またはハイドロパシー指数及び/または親水性を有するアミノ酸残基で置換されたものである。
【0174】
類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野で定義されており、塩基性側鎖(たとえば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(たとえば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(たとえば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、無極性側鎖(たとえば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝側鎖(たとえば、スレオニン、バリン、イソロイシン)及び、芳香族側鎖(たとえば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。ハイドロパシー指数は、たとえば Kyte and Doolittle J. Mol. Biol., 157: 105−132, 1982に記載され、親水性指数は、たとえば、米国特許第4554101号に記載される。
【0175】
また、本開示は、非保存的アミノ酸の変更を想定する。たとえば、荷電アミノ酸の、別の荷電アミノ酸で及び中性または正荷電アミノ酸での置換は、特に興味深い。一部の例で、IL−21結合タンパク質は、10以下、たとえば、9または8または7または6または5または4または3または2または1の非保存的アミノ酸置換を含む。
【0176】
一例では、本開示のIL−21結合タンパク質の抗原結合ドメインのFR中で、突然変異が生じる。別の例では、本開示のIL−21結合タンパク質のCDR中で、突然変異が生じる。
【0177】
IL−21結合タンパク質の変異形を生成する典型的な方法は、以下を含む:
●DNAの突然変異誘発(Thieら, Methods Mol. Biol. 525: 309−322, 2009)またはRNAの突然変異誘発(Kopsidasら, Immunol. Lett.107:163−168, 2006; Kopsidasら BMC Biotechnology, 7: 18, 2007;及び、国際特許公報WO1999/058661);
●ポリペチドをコードする核酸を細胞突然変異誘発遺伝子に導入すること、たとえば、XL−1 Red, XL−mutS and XL−mutS−Kanr細菌性細胞(Stratagene);
●DNAシャッフリング、たとえば、Stemmer, Nature 370: 389−91 , 1994で開示される;及び、
●部位誘導突然変異誘発、たとえば、Dieffenbach (編者) and Dveksler (編者)(In: PCR Primer: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratories, NY, 1995)に記載される。
【0178】
本開示の変異体IL−21結合タンパク質の生物学的活性度を決定する典型的な方法は、当業者にとって明らかであり、及び/または、たとえば抗原結合等、本明細書に記載される。たとえば、抗原結合、結合の競合阻害、親和性、結合、解離及び治療有効性を決定する方法が、本明細書に記載される。
【0179】
定常領域
本開示は、抗体の定常領域を含む、本明細書に記載されるIL−21結合タンパク質及び/または抗体を含む。これは、Fcに融合される抗体の抗原結合フラグメントを含む。
【0180】
本開示のタンパク質を生成するために有用な定常領域の配列が、多数の別々のソースから得られてもよい。一部の例では、タンパク質の定常領域またはその部分は、ヒト抗体に由来する。定常領域またはその部分は、IgM、IgG、IgD、IgA及びIgE、並びに、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含むあらゆる抗体アイソタイプを含んだ、あらゆる抗体種別に由来してもよい。一例では、定常領域は、ヒトアイソタイプIgG4または安定化IgG4定常領域である。
【0181】
一例では、定常領域のFc領域のエフェクタ機能を誘発する能力は、たとえば天然のまたは野生型ヒトIgG1またはIgG3 Fc領域と比較して、低い。一例では、エフェクタ機能は、抗体依存‐細胞媒介細胞傷害性(ADCC)であり、及び/または、抗体依存性細胞媒介ファゴサイトーシス(ADCP)であり、及び/または、補体依存細胞毒性(CDC)である。タンパク質を含んでいるFc領域のエフェクタ機能のレベルを判断する方法は、当該技術分野で知られており、及び/または、本明細書に記載される。
【0182】
一例では、Fc領域は、IgG4 Fc領域(すなわち、IgG4定常領域から)であり、たとえば、ヒトIgG4 Fc領域である。適切なIgG4 Fc領域の配列は、当業者にとって明らかであり、及び/または、一般公開されているデータベース(たとえば、国立生物工学情報センターから利用できる)で利用できる。
【0183】
一例では、定常領域は、安定化IgG4定常領域である。「安定化IgG4定常領域」という用語は、Fabアーム交換若しくはFabアーム交換を経る傾向、または、半抗体の生成若しくは半抗体を生成する傾向を、低下させるために、組み換えられたIgG4定常領域を意味することが理解される。「Fabアーム交換」とは、IgG4重鎖及び付属の軽鎖(半分子)を、他のIgG4分子からの重鎖軽鎖対に交換する、ヒトIgG4に対するタンパク質修飾の一種のことをいう、したがって、IgG4分子は、2つの異なる抗原を認識する2本の異なるFabアームを得てもよい(二重特異性分子を得る)。Fabアーム交換は、生体内では自然に発生し、生体外では、抽出された血球により、または還元グルタチオン等の還元剤により、誘発され得る。IgG4抗体が解離して、そのそれぞれが単一の重鎖及び単一の軽鎖を含む2つの分子を生成する際に、「半抗体」は生成される。
【0184】
一例では、安定化IgG4定常領域は、Kabatのシステム(Kabatら, Sequences of Proteins of Immunological Interest Washington DC United States Department of Health and Human Services,1987年及び/または1991年)にしたがって、ヒンジ領域の位置241にプロリンを含む。この位置は、EU番号付けシステムによるヒンジ領域の位置228に対応する(Kabatら, Sequences of Proteins of Immunological Interest Washington DC United States Department of Health and Human Services,2001年;及び、Edelmanら, Proc. Natl. Acad. USA, 63, 78−85, 1969年)。ヒトIgG4では、この残基は一般に、セリンである。セリンをプロリンに置換した後は、IgG4ヒンジ領域は、配列CPPCを含む。この点に関して、当業者は、「ヒンジ領域」が、抗体の2本のFabアームに機動性をもたらすFc及びFab領域を結合する抗体重鎖定常領域のプロリンリッチな部分であることを知っている。ヒンジ領域は、重鎖間ジスルフィド結合が関与するシステイン残基を含む。これは、Kabatの番号付けシステムにしたがって、Glu226からヒトIgG1のPro243に伸展すると一般に定義される。重鎖間ジスルフィド(S−S)結合を生成する第1の及び最後のシステイン残基を、同じ位置に配置することにより、他のIgGアイソタイプのヒンジ領域を、IgG1配列と整列して配置することができる(たとえば国際特許公報WO2010/080538を参照)。
【0185】
安定化IgG4抗体の追加の例としては、ヒトIgG4の重鎖定常領域の位置409(EU番号付けシステムによる)のアルギニンを、リシン、スレオニン、メチオニンまたはロイシンと置換した抗体が挙げられる(たとえば、国際特許公報WO2006/033386に記載)。定常領域のFc領域は、アラニン、バリン、グリシン、イソロイシン及びロイシンから成る群より選択された残基を、405に対応する位置(EU番号付けシステムによる)に、追加的にまたは代替的に含んでもよい。任意に、ヒンジ領域は、位置241(すなわちCPPC配列)にプロリンを含む(上に述べたように)。
【0186】
別の例では、Fc領域は、エフェクタ機能(すなわち「非免疫賦活性Fc領域」)を低減するように、組み換えた領域である。たとえば、Fc領域は、268、309、330及び331から成る群より選択された1つ以上の位置での置換を含むIgG1 Fc領域である。別の例では、Fc領域は、以下の変化E233P、L234V、L235A及びG236の欠失の1つ以上、及び/または、以下の変化A327G、A330S及びP331Sの1つ以上、を含んだIgG1 Fc領域である(Armourら, Eur J Immunol. 29:2613−2624, 1999;Shieldsら, J Biol Chem. 276(9):6591 −604, 2001)。非免疫賦活性Fc領域の追加の例は、たとえば、Dall´Acquaらに記載される(J Immunol. 177 : 1 129−1 138 2006;及び/またはHezareh J Virol , 75: 12161 −12168, 2001)。
【0187】
別の例では、Fc領域は、キメラFc領域であり、これはたとえば、IgG4抗体からの少なくとも1つのC
H2ドメイン及びそして、IgG1抗体からの少なくとも1つのC
H3ドメインを含み、ここで、Fc領域は、240、262、264、266、297、299、307、309、323、399、409及び427(EU番号付け)から成る群より選択された1つ以上のアミノ酸位置での置換を含む(たとえば、国際特許公報WO2010/085682に記載)。典型的な置換は、240F、262L、264T、266F、297Q、299A、299K、307P、309K、309M、309P、323F、399s、及び427Fを含む。
【0188】
付加的な改変
本開示はまた、Fc領域または定常領域を含んだ抗体またはIL−21結合タンパク質に追加的な一時変異も想定する。
【0189】
たとえば、抗体は、タンパク質の半減期を増加させる1つ以上のアミノ酸置換を含む。たとえば、抗体は、新生児Fc領域(FcRn)に対するFc領域の親和性を増大させる1つ以上のアミノ酸置換を含んだFc領域を含む。たとえば、Fc領域は、より低いpH、たとえば約pH6.0で、FcRnに対する親和性を増大させて、エンドソーム内のFc/FcRn結合を促進する。一例では、Fc領域は、約pH6におけるFcRnに対する親和性を、約pH7.4におけるその親和性と比較して増大させ、これは、細胞リサイクルの後の、Fcの血液への再リリースを容易にする。血液からのクリアランスを低減することによるこれらのアミノ酸置換は、タンパク質の半減期を延長するために有用である。
【0190】
典型的なアミノ酸置換は、EU番号付けシステムにより、T250Q及び/またはM428LまたはT252A、T254S及びT266FまたはM252Y、S254T及びT256EまたはH433K及びN434Fを含む。追加のまたは代替のアミノ酸置換は、たとえば、米国特許公開公報20070135620または米国特許第7083784号に記載される。
【0191】
タンパク質生成
一例では、たとえば、本明細書に記載されるように、及び/または、当該技術分野で知られていているように、タンパク質の製造するに十分な条件下でハイブリドーマを培養することにより、いずれかの例に従って本明細書に記載されるIL−21結合タンパク質は生成される。
【0192】
組換え型発現
別の例では、いずれかの例に従って本明細書に記載されるIL−21結合タンパク質は、組換え型である。
【0193】
組換え型タンパク質の場合、これをコードする核酸をクローン化して、発現構築物またはベクターとすることができ、そしてそれをその後トランスフェクトして宿主細胞、たとえば大腸菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、若しくは、たとえばサルのCOS細胞、チャイニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞、ヒト胎生期腎臓(HEK)細胞等の哺乳動物細胞、または、タンパク質を別段に製造しない骨髄腫細胞等、とする。タンパク質を発現することに用いられる典型的な細胞は、CHO細胞、骨髄腫細胞またはHEK細胞である。これらの末端を達成する分子クローニング技術は、当該技術分野で知られており、及び、たとえば、Ausubelら,(編者), Current Protocols in Molecular Biology, Greene Pub. Associates and Wiley−Interscience(1988、現在までのすべての最新版を含む)または、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)に記載される。多種多様なクローン化及び試験管内の増幅方法が、組換え型核酸の構築のために適切である。組換え型抗体を生成する方法は当該技術分野でも知られており、たとえば、米国特許第4816567号または米国特許第5530101号を参照されたい。
【0194】
単離に続いて、核酸は挿入され、更なるクローン化(DNAの増幅)のために、または無細胞系または細胞の発現のために、発現構築物または発現ベクター中でプロモータに操作可能に結合される。
【0195】
本明細書に用いられる場合において、用語「プロモータ」は、その最も広い文脈で理解されるべきであり、これはゲノム遺伝子の転写調節配列を含んでおり、この転写調節配列は、正確な転写開始のために必要とされるTATAボックスまたは開始剤要素を含み、そしてたとえば発生の及び/または外部の刺激に応じて、または組織に特異的な方法で核酸の発現を変更する追加の調整要素(たとえば、上流活性化配列、転写因子結合部、エンハンサ及びサイレンサー)を有するか、または、有しない。本願の文脈では、用語「プロモータ」は、組換え型、合成型または融合型の核酸、または、それが操作可能に結合される核酸の発現を与え、活性化し、または高めるその誘導体を記載するために、用いられる。さらに発現を強化する、及び/または該核酸の空間的発現及び/または時間的発現を変更するため、典型的なプロモータは、1つ以上の特異的な調整要素の追加のコピーを含むことができる。
【0196】
本明細書に用いられる場合において、用語「操作可能に結合される」とは、核酸の発現がプロモータにより支配されるように、核酸に相対的にプロモータを配置することを意味する。
【0197】
細胞の発現のための多くのベクターが、利用できる。ベクター成分は一般に、以下の1つ以上を非限定的に含む:シグナル配列、タンパク質をコードする配列(たとえば、本明細書に提供される情報に由来する)、エンハンサ要素、プロモータ、及び、転写終了配列。当業者は、タンパク質の発現に適切な配列を知っている。典型的なシグナル配列は、原核分泌シグナル(たとえば、pelB、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、Ipp、または、耐熱性エンテロトキシンII)、酵母分泌シグナル(たとえば、インベルターゼリーダー、因子リーダーまたは酸性ホスファターゼリーダー)、または、哺乳類の分泌シグナル(たとえば、単純ヘルペスgDシグナル)を含む。
【0198】
哺乳動物細胞中で活性の典型的なプロモータは、サイトメガロウィルス最初期プロモータ(CMV−IE)、ヒト延長因子1−αプロモータ(EF1)、核内低分子RNAプロモータ(U1a及びU1b)、α−ミオシン重鎖プロモータ、シミアンウィルス40プロモータ(SV40)、ラウス肉腫ウィルスプロモータ(RSV)、アデノウィルスメジャー後期プロモータ、β−アクチンプロモータ;CMVエンハンサ/β−アクチンプロモータまたは免疫グロブリンプロモータまたはその活性フラグメントを含むハイブリッド調整要素を含む。有用な哺乳類の宿主細胞株の例としては、SV40により変換されるサル腎臓CV1株(COS−7、ATCC CRL 1651);ヒト胎生期腎臓株(懸濁培養中での成長のためにサブクローニングされる293または293の細胞);ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10);または、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)が挙げられる。
【0199】
典型的なプロモータは、たとえば、Pichia pastoris、Saccharomyces cerevisiae及びS.Pombeを含む群より選択される酵母細胞等の、酵母細胞中での発現に適切であり、この非限定的な例としては、ADH1プロモータ、GAL1プロモータ、GAL4プロモータ、CUP1プロモータ、PHO5プロモータ、nmtプロモータ、RPR1プロモータまたはTEF1プロモータが挙げられる。
【0200】
発現のために細胞に単離核酸またはこれを含む発現構築物を導入するための手段は、当業者に知られている。所与の細胞に用いられる技術は、既知の成功した技術に依存する。組換えDNAを細胞に導入するための手段は、マイクロインジェクション、DEAEデキストランにより媒介されるトランスフェクション、たとえば、lipofectamine(Gibco社、MD、米国)及び/またはcellfectin(Gibco社、MD、米国)を用いることによりリポソームにより媒介されるトランスフェクション、PEG媒介DNA取込み、たとえばDNAで被覆したタングステンまたは金の粒子(Agracetus社、WI、米国)を用いることによるエレクトロポーレーション及び微粒子衝撃、等を含む。
【0201】
タンパク質を製造するために用いられる宿主細胞は、使用する細胞のタイプにより、様々な培地で培養されてもよい。市販の培地、たとえばHam’sFIO(Sigma)、最小必須培地((MEM)、(Sigma)、RPMI−1640(Sigma)及びダルベッコの改質イーグル培地((DMEM)、Sigma)等が、哺乳動物細胞を培養するために適切である。本明細書に考察される他の細胞型を培養するための培地が、当該技術分野で知られている。
【0202】
タンパク質の単離
タンパク質を単離する方法は、当該技術分野で知られ、及び/または、本明細書に記載される。
【0203】
IL−21結合タンパク質が培養培地に分泌される場合、市販のタンパク質濃度フィルタ、たとえば、AmiconまたはMillipore Pellicon限外濾過ユニットを用いて、このような発現系から上澄を、先ず濃縮することができる。プロテオリシスを阻害するため、前述のステップのいずれかで、PMSF等のプロテアーゼ阻害剤を含んでもよく、また、偶発汚染物質の成長を予防するために、抗生物質を含んでもよい。代替的にまたは追加的に、たとえば、連続遠心を用いて、タンパク質を発現する細胞からの上澄をろ過または単離できる。
【0204】
たとえば、イオン交換、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィ、疎水的相互作用クロマトグラフィ、ゲル電気泳動、透析、親和性クロマトグラフィ(たとえば、タンパク質A親和性クロマトグラフィまたはタンパク質Gクロマトグラフィ)、または、前述のもののいずれかの組み合わせを用いて、細胞から生成されるIL−21結合タンパク質を抽出することができる。これらの方法は、当該技術分野で知られており、及び、たとえば国際特許公報WO99/57134、または、Ed Harlow and David Lane (編者) Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbour Laboratory,(1988年)に記載されている。
【0205】
また、たとえば、多ヒスチジンタグ、たとえば、ヘキサヒスチジンタグ、またはインフルエンザウィルス血球凝集素(HA)タグ、またはシミアンウィルス5(V5)タグ、またはフラグタグ、またはグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)タグ等、精製または検出を促進するためのタグを含むように、タンパク質を組み換えることができることを、当業者は知っている。得られたタンパク質は、アフィニティ精製等、当該技術分野で知られている方法を用いて、その後抽出される。たとえば、タンパク質を含んでいるサンプルを、固体のまたは半固体担体上に固定されるhexa−hisタグに特異的に結合するニッケルニトリロ三酢酸(Ni−NTA)に接触させ、サンプルを洗浄して未結合のタンパク質を除去し、そして、続いて結合したタンパク質を溶出することにより、hexa−hisタグを含むタンパク質が抽出される。代替的にまたは追加的に、タグに結合するリガンドまたは抗体が、親和性精製法で用いられる。
【0206】
複合体
一例では、本開示のIL−21結合タンパク質は、化合物に結合される。たとえば、化合物は、ラジオアイソトープ、検出可能な標識、治療化合物、膠質、毒物、核酸、ペプチド、タンパク質、対象中のIL−21結合タンパク質の半減期を増加させる化合物、及び、それらの混合物から成る群より選択される。
【0207】
他の化合物は、IL−21結合タンパク質に直接または間接的に結合することができる(たとえば、間接結合の場合にリンカーを含んでもよい)。化合物の例としては、ラジオアイソトープ(たとえば、沃素131、イットリウム90またはインジウム111)、検出可能な標識(たとえば、蛍光体または蛍光ナノクリスタルまたは量子ドット)、治療化合物(たとえば、化学療法剤または抗炎症薬)、コロイド(たとえば、金)、毒物(たとえば、リシンまたは破傷風トキソイド)、核酸、ペプチド(たとえば、血清アルブミン結合ペプチド)、タンパク質(たとえば、抗体または血清アルブミンの抗原結合ドメインを含むタンパク質)、対象中のIL−21結合タンパク質の半減期を増加させる化合物(たとえば、ポリエチレングリコールまたはこの活性を有する他の水溶性ポリマー)及びこれらの混合物が挙げられる。本開示のIL−21結合タンパク質に結合されることができる典型的な化合物及びこのような結合のための方法は、当該技術分野で知られており、及び、たとえば国際特許公報WO2010/059821に記載される。
【0208】
IL−21結合タンパク質は、ナノ粒子に結合されてもよい(たとえば、Koganら, Nanomedicine (Lond) 2: 287−306, 2007に検討される)。ナノ粒子は、金属ナノ粒子であってもよい。
【0209】
IL−21結合タンパク質を、抗体標的化細菌性ミニ細胞(たとえば国際特許出願PCT/IB2005/000204に記載)に備えてもよい。
【0210】
本開示のIL−21結合タンパク質に結合されることができる典型的な化合物の一部を、表1に列挙する。
【0212】
IL−21結合タンパク質の活性のアッセイ
IL−21及びその変異体への結合
本開示の一部のIL−21結合タンパク質が、hIL−21及びhIL−21の特異的な変異形に結合することが、本明細書の開示から当業者にとって明らかである。タンパク質への結合を評価するための方法は、当該技術分野で知られており、たとえば、Scopeに記載されている(In: Protein purification: principles and practice, Third Edition, Springer Verlag, 1994)。このような方法では、IL−21結合タンパク質を固定すること、及び、標識化抗原でそれを接触させることが、一般に関与する。洗浄して非特異性結合したタンパク質を除去した後、標識の量及び、その結果として、結合した抗原が、検出される。無論、IL−21結合タンパク質を標識化することができ、抗原を固定できる。パニングタイプアッセイを用いることもできる。代替的にまたは追加的に、表面プラスモン共鳴アッセイを用いることができる。
【0213】
任意に、固定されたIL−21結合タンパク質のIL−21またはそのエピトープに対する解離定数(Kd)、会合定数(ka)及び/または親和定数(K
D)を決定する。21結合タンパク質に対する「Kd」または「ka」または「K
D」は、1つの例では、放射性同位元素識別または蛍光識別IL−21結合アッセイにより測定される。「Kd」の場合、このアッセイでは、未標識IL−21の滴定系列の存在下で、標識化IL−21の最低の濃度と、IL−21結合タンパク質とを平衡させる。洗浄して未結合のIL−21を除去した後、タンパク質のKdを標示する標識の量を決定する。
【0214】
他の例に従い、表面プラスモン共鳴アッセイ、たとえばBIAcore表面プラスモン共鳴(BIAcore社、ピスカタウェイ、NJ)を、固定されたIL−21若しくはその領域、または、固定されたIL−21結合タンパク質と共に用いて、Kd、kaまたはK
Dを測定する。
【0215】
一部の例では、IL−21結合タンパク質は、それがIL−21への結合と競合すると考えられるので、抗体8E2と同程度のK
Dまたは向上したK
D(すなわちK
D値が抗体8E2より低い)を有している。
【0216】
競合結合の決定
抗体2P2の結合を競合的に阻害するタンパク質を決定するためのアッセイは、当業者にとって明らかである。このような一つの方法は、本明細書に例証される。
【0217】
たとえば、抗体は、検出可能な標識、たとえば蛍光標識または放射性標識等に結合される。次いで、標識化抗体及び試験IL−21結合タンパク質を混合し、IL−21若しくはその領域またはそれを発現する細胞と接触させる。その後標識化抗体のレベルを決定し、これを、IL−21結合タンパク質がない場合に標識化抗体をIL−21、領域または細胞に接触させた場合に決定したレベルと比較する。試験IL−21結合タンパク質の存在下の方が、IL−21結合タンパク質が無い場合と比較して、標識化抗体のレベルが低下した場合、IL−21結合タンパク質は、競合的にIL−21に対する抗体の結合を阻害すると、考えられる。
【0218】
任意に、試験IL−21結合タンパク質は、抗体への別々の標識に結合される。この代替標識により、IL−21若しくはその領域または細胞に対する試験IL−21結合タンパク質の結合のレベルが検出できるようになる。
【0219】
作動薬活性の決定
本開示の一部の例では、タンパク質は、IL−21活性を高めることができる。
【0220】
受容体を通してリガンドのシグナル伝達を強化するタンパク質の能力を判断するための、様々なアッセイが、当該技術分野で知られている。
【0221】
一例では、IL−21結合タンパク質は、IL−21の存在下で培養された、IL−21R及びgp130を発現する細胞(たとえばBaF3細胞)の増殖を、高める(たとえば両方のタンパク質を発現するように組み換えられる細胞)。細胞(たとえば、約1x10
4個の細胞)を、hIL−21に対するIL−21の存在下(たとえば、約0.5ng/ml〜約5ng/ml、たとえば0.5ng/mlまたは5ng/ml)、試験IL−21結合タンパク質の存在下または不存在下で、培養する。細胞増殖を判断する方法は、当該技術分野で知られており、たとえば、MTT還元及び/またはチミジン取込みを含む。IL−21結合タンパク質がない場合に観測される量と比較した場合に増殖のレベルが高められたIL−21結合タンパク質は、IL−21シグナル伝達を強化するまたは拮抗すると考えられる。
【0222】
前の段落に記載したと類似のアッセイを、B9細胞またはT10細胞に対して実行することができる(Dams−Kozlowskaら, BMC Biotechnol, 12: 8, 2012年;及び、Yokoteら, J AOAC, 83: 1053−1057, 2000年)。T10細胞を利用するアッセイの場合、テトラゾリウム化合物、4−[3−(4−ヨードフェニル)−2−(4−ニトロフェニル)−2H−5−テトラゾリウム]−1,3−−ベンゼン二硫酸塩(WST−1)の還元を比色定量的に検出することにより、増殖を測定することができる。
【0223】
IL−21シグナル伝達のエンハンスメントを判断する他の方法が、本開示により想定される。
【0224】
IL−21の半減期の決定
IL−21の半減期は、たとえば、薬物動態学の研究、たとえば、Kimら, Eur J of Immunol 24:542, 1994年、に記載される方法にしたがって、測定することができる。この方法に従い、放射性同位元素で標識したIL−21を静注でマウスに注入し、その血漿濃度を、時間の関数として、たとえば、注入の後の3分〜72時間に、周期的に測定する。得られるクリアランス曲線は、したがって、二相、すなわち、アルファ段階及びベータ相となる筈である。タンパク質の生体内での半減期の決定のために、ベータ−段階のクリアランス率を計算して、野生型または未組換えのタンパク質のそれと比較する。
【0225】
治療有効性の判断
治療有効性を判断するためのアッセイは、IL−21結合タンパク質により中和を決定することに関連して、上記に説明される。
【0226】
別の例では、疾患を治療するタンパク質の有効性が、生体内でのアッセイを用いて判断される。
【0227】
たとえば、IL−21結合タンパク質を、胃癌等の癌のモデルで試験することができる。たとえば、gp130(gp130
Y757F/Y757F)のY757F変異体に対する同種マウスは、胃部腫瘍を発症する(Jenkinsら, Blood 109: 2380−2388, 2007年)。マウス(たとえば8週齢のマウス)を、IL−21結合タンパク質で処理し、胃部ポリープの数及び/または重量を判断した。ポリープの大きさ及び/または重量を低減するIL−21結合タンパク質は、癌を治療するために有用であると考えられる。結腸癌に対する効果のために、類似したアッセイを試験に用いることができ、この試験では、gp130
Y757F/Y757Fマウスは、アゾキシメタン(AOM)で処理された後、Greten(ら、Cell、118:285−296(2004年))に記載の通り、本質的にデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)により処理され、IL−21結合タンパク質での治療の前に、結腸癌を誘発させる。
【0228】
たとえば、Liら, Oncol. Lett. 3: 802−806, 2012年、に記載されるように、癌転移または癌関連がある骨疾患のモデルで、追加的にまたは代替的に、IL−21結合タンパク質を試験することができる。
【0229】
治療されるべき疾患
IL−21は、最適なCD8
+T細胞媒介免疫、NK活性化、及び、抗体産生及びB細胞成熟等の最適な液性応答に重要であるCD4
+T細胞由来サイトカインである。IL−21は、多数の炎症誘発性サイトカイン、たとえばIL18、IL−15、IL−5、IL−6、IL−7A、IL−17F、TNFRII、sCD25及びRANTES等を誘発することが示されている。
【0230】
本開示のIL−21結合タンパク質は、癌の治療において有用である。典型的な癌は、嚢胞性及び固体腫瘍、骨及び軟部組織腫瘍を含み、それは、肛門の組織、胆管、膀胱、血球、円錐、腸、脳、胸、カルチノイド、頸部、目、食道、頭頸部、腎臓、喉頭、白血病、肝臓、肺、リンパ節、リンパ腫、黒色腫、中皮腫、ミエローマ、卵巣、膵臓、ペニス、前立腺、スキン、肉腫、胃、精巣、甲状腺、膣、陰門、の腫瘍が含まれる。軟部組織腫瘍は、良性シュワン細胞腫モノソミー、類腱腫、脂肪芽細胞腫、脂肪腫、子宮平滑筋腫、明細胞肉腫、皮膚線維肉腫、ユーイング肉腫、骨外性粘液様軟骨肉腫、粘液様脂肪肉腫、胞巣状横紋筋肉腫及び滑膜肉腫を含む。具体的な骨腫瘍は、非化骨性線維腫、単房性骨嚢腫、内軟骨腫、動脈瘤性骨嚢腫、骨芽細胞腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、化骨性線維腫及びエナメル上皮腫、巨細胞腫、線維性骨異形成症、ユーイング肉腫好酸球性肉芽腫、骨肉腫、軟骨腫、軟骨肉腫、悪性線維性組織球腫及び転移性癌を含む。白血病は、急性リンパ芽球、急性骨髄芽球、慢性リンパ性及び、慢性脊髄性を含む。
【0231】
本開示のIL−21結合タンパク質は、ヒトウィルス感染の治療及び予防に有用である。ウィルス感染の例としては、DNAウィルス(たとえば、単純ヘルペスウィルス等のヘルペスウィルス。イプシュタイン−バーンウィルス。サイトメガロウィルス;痘瘡(天然痘)ウィルス等のポックスウィルス;ヘパドナウィルス(たとえばB型肝炎ウィルス);パピローマウィルス;アデノウィルス);RNAウィルス(たとえば、HIV I、II;HTLV I、II;ポリオウィルス;A型肝炎;コロナウィルス(たとえば突発性急性呼吸症候群(SARS));オルトミクソウィルス(たとえば、インフルエンザウィルス);パラミクソウィルス(たとえば、はしかウィルス);狂犬病ウィルス:C型肝炎ウィルス)、フラビウィルス、インフルエンザウィルス;カリシウィルス;狂犬病ウィルス、牛疫ウィルス、アリーナウィルス、等、により引き起こされる感染症が挙げられる。更に、IL−21を用いることができるウィルス関連疾病のタイプの、非限定的な例としては:後天性免疫不全症;肝炎;胃腸炎;出血症;腸炎;心臓炎;脳炎;麻痺;細気管支炎;上下気道疾患;呼吸器乳頭腫症;関節炎;播種性疾病、髄膜炎、単核球症が挙げられる。
【0232】
本開示のIL−21結合タンパク質は、クラミジア、リステリア、ヘリコバクターピロリ、ミコバクテリア、マイコプラズマ、炭疽菌、サルモネラ菌及び赤痢菌を含む、微生物感染症の治療においても、有用である。
【0233】
本開示のIL−21結合タンパク質は、急性及び慢性ウィルス感染のため、及び、免疫不全患者のための単独療法としても、有用である。免疫を高める方法は、未解決の感染症患者における回復時間を速めることができる。免疫療法は、小児または高齢者、ならびに、感染症により得た、または、化学療法剤または骨髄切除等の医療行為後に誘発された、免疫不全を患う患者等の、免疫不全患者の部分集合に対して、さらにより大きい影響を有することができる。免疫調節で治療される兆候のタイプの例としては、慢性肝炎のためのIFN−αの使用、HIV感染症の後のIL−2の使用、及び、移植の後、エプスタインバールウィルス感染症を治療するためのインターフェロンの使用が挙げられる。
【0234】
本開示のIL−21結合タンパク質は、たとえば、花粉症及び気管支喘息等のアレルギー性鼻炎の治療のための、アレルギー免疫療法としても、有用である。
【0235】
組成物
一部の例では、本明細書に記載されるIL−21結合タンパク質は、経口、非経口、吸入スプレーによる、吸着、生体吸収、局所的、直腸、経鼻、頬側、経膣、脳室内、従来の非毒性薬学的許容担体を含む投薬量製剤を移植した保有宿主を通して、または、他のいずれかの便利な投薬形態により、投与することができる。ここで用いられる「経静脈である」という語は、皮下、静脈、筋肉内、腹腔内、髄腔内、心室内、胸骨内及び頭蓋内注入または注入技術を含む。
【0236】
対象への投与のための適切な形態(たとえば医薬品組成物)にIL−21結合タンパク質を調製する方法は、当該技術分野で知られており、また、たとえば、Remington's Pharmaceutical Sciences(第18版、Mack Publishing Co.イーストン、Pa.1990年)に記載の方法、及び、米国薬局方:国民医薬品集(Mack Publishing Co.イーストン、Pa.1984年)に含まれる。
【0237】
本開示の医薬品組成物は、特に、静脈内投与等の経静脈投与、または体腔または器官の内腔または関節への投与のために有用である。投与のための組成物は、たとえば水性担体等の薬学的に許容される担体に溶解されるIL−21結合タンパク質の溶液を、共通して備える。たとえば緩衝食塩水等、様々な水性担体を用いることができる。組成物は、必要に応じて、生理学的条件に近づけるための薬学的に許容される補助物質、たとえば、pH調整及び緩衝剤、毒性調整剤等、たとえば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等を、含んでいてもよい。これらの製剤中の本開示のIL−21結合タンパク質の濃度は、広く変更することができ、基本的に、液量、粘度、本体重量等に、基づいて、選択される投与の特定の方法及び患者のニーズに従って選択される。典型的な担体としては、水、食塩水、リンゲル液、ブドウ糖溶液及び5%のヒト血清アルブミンが挙げられる。混合油及びエチルオレイン酸塩等の非水系ビヒクルを、用いてもよい。リポソームを、担体として用いてもよい。ビヒクルは、たとえば、バッファ及び防腐剤等、等張性及び化学的安定性を高める添加剤を小量含んでもよい。
【0238】
製剤すると、本開示のIL−21結合タンパク質は、投与製剤に適合性のある方法で、及び、治療的に/予防的に有効な量で投与される。製剤は、上記の注射可能な溶液のタイプ等の様々な投薬形態で、容易に投与されるが、他の薬学的に許容される形態、たとえば、錠剤、錠剤、カプセルまたは経口薬投与のための他の固体、坐薬、ペッサリー、経鼻溶液またはスプレー、エアゾール、吸入剤、リポソーム型形態等も想定される。製薬学的に「徐放性」のカプセルまたは組成物を、用いてもよい。徐放性製剤は、長期にわたって一定の薬物レベルを与えるように一般に設計されており、本開示のIL−21結合タンパク質を供給するために用いてもよい。
【0239】
国際特許公報WO2002/080967は、たとえば喘息等の治療のために抗体を含むエアロゾル化組成物を投与する組成物及び方法を記載し、これは、本開示のIL−21結合タンパク質の投与のためにも適切である。
【0240】
組み合わせ療法
一例では、本開示のIL−21結合タンパク質は、本明細書に記載される疾患を治療するために有用な1つ以上の他の化合物と組み合わせて、混合して、または追加の治療ステップで、または治療製剤の追加の成分として、投与される。
【0241】
別の例では、他の化合物とは、癌の治療に用いられる化学療法薬剤または他の薬物である。
【0242】
別の例では、本明細書に記載されるタンパク質は、癌の治療のために、放射線療法の前後に投与される。
【0243】
別の例では、本発明のIL−21結合タンパク質は、免疫療法と組み合わせて投与される。
【0244】
適切な免疫療法の非限定的な例としては、チェックポイント阻害剤;チロシンキナーゼ阻害剤、腫瘍壊死因子受容体阻害剤、サイトカインまたはインターロイキン;インターフェロン;顆粒球マクロファージコロニー刺激因子;ワクチン(癌ワクチンまたは感染症);抗ウィルス薬;腫瘍溶解性ウィルス;ベータグルカン(レンチナン)等の多糖類;及び、養子細胞療法(ACT)、たとえば、ヘルパーT細胞非依存的方法でT細胞を細胞毒性Tリンパ球運命に生体外で培養する、またはキメラ抗原リセプター(CAR)を発現するように遺伝子組み替えしたT細胞、等が挙げられる。
【0245】
適切な免疫療法は、以下を非限定的にターゲットにしてもよい。プログラム死1(PD1)、プログラム死リガンド1(PDL1)またはプログラム死リガンド2(PDL2)、分化抗原群80(CD80)、分化抗原群80(CD86)、B7関連タンパク質1(B7RP1)、分化抗原群276(CD276)、分化抗原群274(CD274)、ヘルペスウィルスエントリ媒介物(HVEM)、分化抗原群リガンド(CD137L)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4リガンド(OX40L)、分化抗原群(CD70)、分化抗原群(CD40)、ガレクチン9(GAL9)、分化抗原群28(CD28)、細胞毒性Tリンパ球活性化剤4(CTLA4)、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、B及びTリンパ球アテニュエータ(BTLA)、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)、TCR、リンパ球活性化遺伝子3(LAG3)、死受容体5(DR5)、分化抗原群137(CD137)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー42(OX40)、分化抗原群27(CD27)、分化抗原群40リガンド(CD40L)、アデノシンA2a受容体(AZaR)及びTIM3(T細胞免疫グロブリン3)。
【0246】
適切なチェックポイント阻害剤は、以下を含む:PD−1阻害剤ニボルマブ(Bristol−Myers Squibb社/小野薬品工業)、ランブロリズマブ(MK−3475;Merck社)、ピジリツマブ(CureTech/Teva社)及び、アンピシリン−224(Amplimmune/GlaxoSmithKline社);PD−L1阻害剤RG−7446(Roche社)及びMEDI−4736(AstraZeneca社);並びに、CTLA−4阻害剤イピリムマブ。適切なチロシンキナーゼ阻害剤は、ソラフェニブ、イマチニブ、ゲフィチニブ、パラディア、エルロチニブ、ラパチニブ、スニチニブ、ニロチニブを含む。適切な腫瘍壊死因子受容体阻害剤は、DR5に向けられる抗体を含む。適切なサイトカインまたはインターロイキンは、IL−2、IL−7、IL−12を含む。適切なインターフェロンは、IFN−アルファ、IFN−ベータ及びIFN−ガンマを含む。適切な顆粒球マクロファージコロニー刺激因子は、サルグラモスチムを含む。適切なワクチンは、シプリューセル−Tを含み、適切な腫瘍溶解性ウィルスは、タリモジーンラハーパレプベックを含む。
【0247】
別の例では、本発明のIL−21結合タンパク質は、DR5及び/またはCD137に向けられた抗体等の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0248】
別の例では、本発明のIL−21結合タンパク質は、免疫調節薬と組み合わせて投与される。
【0249】
適切な免疫調節薬は、サリドマイド(Thalomid社)、レナリドマイド(Revlimid社)及びポマリドミド(Pomalyst社)を含む。
【0250】
投与量及び投与のタイミング
本開示のIL−21結合タンパク質の適切な投与量は、特異的なIL−21結合タンパク質、治療しようとする疾患、及び/または、治療を受ける対象によって変化する。適切な投与量の決定は、熟練した医師の能力の範囲内であり、たとえば、最適状態に及ばない投与量で始まり、投与量を徐々に変えて、最適または有用な投与量を決定する。代替的に、治療/予防のために適切な投与量を決定するため、細胞培養アッセイまたは動物試験からのデータを用い、適切な用量は、殆どまたは全く毒性が無い、活性化合物のED
50を含む血中濃度の範囲の中にある。投与量は、使用される投薬形態及び、利用される投与のルートにより、この範囲の中で変化してもよい。治療的に/予防的に有効な投与量を、細胞培養アッセイから当初は推定することができる。投与量は、細胞培養で決定されるIC
50(すなわち症状の最大阻害の半分を達成する化合物の濃度または量)を含む血中血漿濃度範囲を達成するよう、動物モデルで調製されてもよい。このような情報は、ヒトにおいてより正確で有用な投与量を決定するために用いることができる。血漿のレベルは、たとえば、高性能液体クロマトグラフィにより、おそらく測定される。
【0251】
一部の例では、本開示の方法は、本明細書に記載されるタンパク質を、予防的または治療的に有効な量で投与することを含む。
用語「治療的に有効な量」は、治療が必要な対象に投与される際に、予後及び/または対象の状態を改良し、及び/または、本明細書に記載される臨床疾患の1つ以上の症状を、その疾患の臨床的症候または臨床的特性として観測され及び受け入れられたよりも低いレベルに低減するまたは阻害するような、量である。対象に投与される量は、治療される疾患の特定の特性、治療されている疾患のタイプ及び段階、投与の方法、並びに、公衆衛生、他の疾病、年齢、性別、遺伝子型及び体重等の対象の特性に、依存する。当業者は、これら及びその他の因子により、適切な投与量を決定することができる。したがって、この用語は、たとえばタンパク質の重量または量等、具体的な量に、本開示を限定するものと解釈されるべきではなく、本開示は、対象が明示された結果を達成するに十分ないずれの量のIL−21結合タンパク質をも含む。
【0252】
本明細書に用いられる場合において、「予防的に有効な量」という用語は、臨床疾患の1つ以上の検出可能な症状の発症を、予防し、または阻害し、または遅らせるに十分なタンパク質の量を意味するものと理解される。このような量は、たとえば、投与される特異的なIL−21結合タンパク質、及び/または特定の対象、及び/または疾患のタイプまたは重症度または量、及び/または(遺伝子的またはその他の)疾患に対する疾病素質に依存して変化することを、当業者は知るものである。したがって、この用語は、たとえばIL−21結合タンパク質の重量または量等、具体的な量に、本開示を限定するものと解釈されるべきではなく、本開示は、対象が明示された結果を達成するに十分ないずれの量のIL−21結合タンパク質をも含む。
【0253】
本明細書に記載されるIL−21結合タンパク質の生体内での投与に対し、正常投与量は、1日当たり、個人の体重で約10ng/kgから多くとも約100mg/kgまでまたはそれ以上で、変化してもよい。数日以上にわたる反復投与に対しては、治療される疾患若しくは異常症の重症度に依存して、症状の所望の抑制が達成されるまで、治療を維持することができる。
【0254】
一部の例では、IL−21結合タンパク質は、約1mg/kg〜約30mg/kgの間での最初の(または負荷)投与量で投与され、たとえば約1mg/kg〜約10mg/kg、または、約1mg/kgまたは約2mg/kgまたは5mg/kgである。そして、IL−21結合タンパク質は、約0.01mg/kg〜約2mg/kgの間でのより低い維持投与量で、その後投与されることができ、たとえば約0.05mg/kg〜約1mg/kg、たとえば、約0.1mg/kg〜約1mg/kg、たとえば約0.1mg/kgまたは0.5mg/kgまたは1mg/kgである。10〜15日毎に等7〜30日毎に、維持投与量を投与してもよく、これはたとえば、10日または11日または12日または13日または14日または15日毎等である。
【0255】
一部の例では、IL−21結合タンパク質は、約0.01mg/kg〜約50mg/kgの投与量で投与され、これはたとえば、約0.05mg/kg〜約30mg/kg、たとえば、約0.1mg/kg〜約20mg/kg、たとえば、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、たとえば、約0.1mg/kg〜約2mg/kg、等である。たとえば、IL−21結合タンパク質は、約0.01mg/kg〜約5mg/kgの投与量で投与され、これは、たとえば約0.1mg/kg〜約2mg/kg、たとえば約0.2mg/kgまたは0.3mg/kgまたは0.5mg/kgまたは1mg/kgまたは1.5mg/kg(たとえば、より高い負荷投与量またはより低い維持投与量無しに)等である。一部の例では、たとえば7〜30日おきに多数の投与量は投与され、これはたとえば、10〜22日おき、たとえば、10〜15日おき、たとえば、10日または11日または12日または13日または14日または15日または16日または17日または18日または19日または20日または21日または22日おきに、等である。たとえば、IL−21結合タンパク質は、7日おきにまたは14日おきにまたは21日おきに投与される。
【0256】
一部の例では、治療を始める時点で、哺乳類は、IL−21結合タンパク質を7日連続だけ投与され、または、6日連続または5日連続または4日連続で、投与される。
【0257】
治療に適切に応答しない哺乳類の場合、複数の投与量を一週間内で投与してもよい。代替的にまたは付加的に、投与量を増大させて投与してもよい。
【0258】
別の例では、有害反応を経験した哺乳類に対しては、最初の(または、負荷)投与量を、1週間の数日間または多数の連続した日に分割してもよい。
【0259】
本開示の方法に従ったIL−21結合タンパク質の投与は、投与の目的が治療または予防及び熟練した施術者に知られている他の因子であるか否かにかかわらず、たとえば、受容者の生理的疾患によっては、連続的または間欠的とすることができる。IL−21結合タンパク質の投与は、あらかじめ選択された期間に本質的に連続で行ってもよく、または、たとえば疾患の発症中か発症後のいずれかで、一連の間隔を置いた投与でもよい。
【0260】
キット
本開示は、1つ以上の以下を含んでいるキットを追加的に含む:
(i)本開示のIL−21結合タンパク質またはそれをコードする発現構築物;
(ii)本開示の細胞;
(iii)本開示の複合体;または
(iii)本開示の製薬組成物。
【0261】
IL−21を検出するためのキットの場合、キットは、たとえば、本開示のIL−21結合タンパク質に結合される検出手段を追加的に備えることができる。
【0262】
治療/予防使用のためのキットの場合、キットは、薬学的に許容される担体を追加的に備えることができる。
【0263】
任意に、本開示のキットは、いずれかの例によって本明細書に記載される方法で使用するために、説明書付きでパッケージ化される。
【0264】
本開示は、以下の非限定的な例を含む。
【実施例】
【0265】
方法
ヒトB細胞増殖アッセイ
末梢血液単核細胞(PBMC)を、標準技術によって健康なヒトドナーから単離し、PBMCをCFSEで染色し、その後、CD19+ CD27+ IgD−ナイーブB細胞及びCD19+ CD27+IgD−メモリB細胞に仕分けした。仕分けされた細胞を、培養プレートに接種した。その後、2P2を有するまたは有しない0.5〜50ng/mlのヒトIL−21で、細胞を刺激した。5日後に、CFSE希釈または3Hチミジン増殖アッセイを通して、細胞増殖を決定した。
【0266】
生体内での半減期ELISAアッセイ
hIL−21/2P2複合体の生体内での半減期を検出するため、hIL−21/2P2またはhIL−21単独を、マウスに、静注または皮下で注入し、ここで、複合体の2P2を、商用ビオチン化キットを用いてビオチン化した。注入後1時間、3時間、8時間及び24時間、マウスの採血を行い、血清中のhIL−21のレベルを、ELISAによって測定した。プレートを結合のない3A3でコーティングして、ELISAを行った後、血清でブロッキング及び培養を行った。続いて、ビオチン化2P2でプレートの培養を行い、ストレプトアビジン−HRP及びTMB基質で検出を行った。
【0267】
ELISAアッセイ
2P2及び3A3のエピトープを検出するため、hIL−21の別々の領域からなるペプチドを商業的に合成し、ELISAプレート上にコーティングした後、PBS中の3%BSAで非特異的結合部位のブロッキングを行った。その後ビオチン化2P2または3A3を、ウェルに加え、ストレプトアビジン−HRP及びTMB基質で発症させた。
【0268】
その後、完全長hIL−21に対して2P2または3A3の結合をブロックする能力について、その前の実験から特定されるエピトープをテストした。完全長hIL−21をEIAプレート上にコーティングした後、BSAによる非特異性結合部位のブロッキングを行った。その後、ビオチン化2P2または3A3に、対応するペプチドを添加し、プレート上で培養を行った後、TMB基質で検出を行った。
【0269】
実施例1
抗IL−21抗体のスクリーニング
ヒトIL−21(hIL−21)に対するモノクローナル抗体のライブラリを、本発明者らにより作成した。ヒトIL−21受容体を発現する一次ヒトB細胞(BaF3細胞)の細胞増殖を強化する能力に関するクローンのスクリーニングを行った(BaF3−hIL−21R細胞;Parrish−Novakら (2000年) Nature 408:57−63)。各々のモノクローナル抗体を、
図1で示すように10倍に系列希釈し、2ng/mlのhIL−21と混合し、CO
2 5%、37℃の加湿チャンバ内でそれぞれRPMI−1640培地において培養したBaF3−hIL−21R細胞と共に、培養した。細胞増殖を測定するための[
3H]標識化チミジン取込みアッセイに対して、BaF3−huIL−21R細胞を、培養培地中、18時間サイトカインなしで飢餓状態にした後、72時間培養し、培養の最後の18時間は、サイトカインの存在下1μCi/ウェルの[
3H]−チミジン(Perkin Elmer社、ウォルサム、MA、米国)を添加して行なった。フィルタマット(Perkin Elmer社)上に、細胞を採取し、取り込んだ放射性の核酸を、トップカウントNXTシンチレーションカウンター(Packard Biosciences社、メリデン、CT、米国)を用いて計数した。結果を、三連の培養に対しての分当たりのカウント(CPM)平均として表した。
【0270】
図1に実証されるように、モノクローナル抗体2P2は、用量依存的方法でBaF3−hIL−21R細胞の増殖を増大させた。したがって、抗体2P2は、IL−21サイトカインの存在下での細胞増殖に対する増強能力を実証し、それは、抗体がヒトIL−21の作動薬として機能し得ることを示唆した。VH及びVLの重及び軽CDRを、
図2に示す。IMGT番号付けスキームが決定したCDR配列に下線を付した。
【0271】
実施例2
mAb2P2は、IL−21受容体を通してhIL−21を強化する。
次に、本発明者らは、2P2モノクローナル抗体の向上させる能力が、ヒトIL−21受容体に特異的かどうかを決定した。一次ヒトBaF3細胞、マウスIL−21受容体(BaF3−mIL−21R)を発現しているBaF3細胞、及び、ヒトIL−21受容体(BaF3−hIL−21R)を発現しているBaF3細胞を、0.1、1.0及び10.0μg/mlの2P2抗体(
図3A)並びに、2ng/mlのヒトIL−21の存在下で、播種した。ヒトIL−21R(huIL−21R)及びマウスIL−21R(msIL−21R)のためのコード配列を、NM_021798及びNM_021887に適合させるように配列させたそれぞれヒトまたはマウスcDNAライブラリから、PCRにより、クローン化した。細胞増殖を測定するための[
3H]標識化チミジン取込みアッセイに対して、Ba/F3−huIL−21R細胞またはBa/F3−mIL−21R細胞を、培養培地中、18時間サイトカインなしで飢餓状態にした後、72h培養し、培養の最後の18時間は、指示濃度でのサイトカインの存在下1μCi/ウェルの[
3H]−チミジン(Perkin Elmer社、ウォルサム、MA、米国)を添加して行なった。フィルタマット(Perkin Elmer社)上に、細胞を採取し、取り込んだ放射性の核酸を、トップカウントNXTシンチレーションカウンター(Packard Biosciences社、メリデン、CT、米国)を用いて計数した。結果を、三連の培養に対しての分当たりのカウント(CPM)平均として表した。
【0272】
その結果は、2P2は、Ba/F3hIL−21R細胞の増殖を特異的に増大させたが、Ba/F3mIL−21RまたはBa/F3細胞はしなかったことを実証し、これは、2P2抗体の活性は、ネズミIL−21の機能を強化しなかったため、ヒトIL−21に特異的だったことを示している。
図3Bは、2P2によるBa/F3−hIL−21R細胞(黒丸)及びBaF3−mIL−21R細胞(白丸)の細胞増殖に対する効果を、ヒトIL−12(ng/ml)に対してプロットしたものを示す。2P2の濃度が10μg/mlのとき、ヒトIL−21の生物活性は、10倍以上に増大された。しかしながら、ネズミIL−21受容体を発現している細胞の存在下では、ヒトIL−21の生物活性に対する効果はなかった。
【0273】
実施例3
2P2は、hIL−21媒介ヒトB細胞増殖を強化する。
マーカーCD19、CD27、CD4及びCD45を用いて健康なドナーの末梢血液単核細胞から、ヒトB細胞を濃縮した。標準分析法に従いフローサイトメトリーを用いて、B細胞増殖を測定した。カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)で細胞を標識し、ヒトIL−21が0、0.3、1、5、20及び100ng/mlの存在下で、培養を行った。少なくとも1回の分裂を経た細胞のパーセンテージを、フローサイトメトリーにより決定した。たとえば
図4Aに示されるように、ヒトIL−21が20ng/mlで、ヒトB細胞の約67%が増殖した。
図4Bでは、フローサイトメトリーデータは、最初の6本のバーとして再現される。残りの4本のバーは、5ng/mlのIL−21並びに0、0.01、01及び、1μg/mlの2P2抗体の存在下で増殖されたB細胞のパーセンテージを示す。5ng/mlのhIL−21に1μg/mlのmAb 2P2をプラスした場合に、2P2抗体がない場合の100ng/mlのhIL−21の生物活性に類似した結果を得たことが実証され、その結果、mAb 2P2は、hIL−21の生物活性を約20倍増大させたことが実証され、IL−21活性の有力な作動薬であったことが示唆された。
【0274】
実施例4
2P2はhIL−21媒介ヒトCD8T細胞活性化を強化する。
図5に示される様々な濃度で、ヒトCD8T細胞をIL−21の存在下で培養した。最初の3枚のパネルでは、IL−21単独(2ng/ml及び25ng/ml)、及び、IL−21プラス2P2(それぞれ2ng/ml及び1μg/ml)の存在下で細胞を培養した。次のパネルでは、IL−21単独(10ng/ml及び100ng/ml)、及び、IL−21プラス2P2(それぞれ10ng/ml及び10μg/ml)の存在下で細胞を培養した。CD8 T細胞の活性化を示すグランザイムB及びパーフォリンで細胞を染色したが、その理由は、これらの細胞毒性分子の発現が抗ウィルス及び抗腫瘍免疫にとって重要だからである。グランザイムB/パーフォリン倍陽性細胞のパーセンテージを、上の右手四半部に示す。
図5では、2ng/mlのhIL−21プラス1μg/mlのmAb 2P2が、25ng/mlのhIL−21単独のものよりも、T細胞上でより良好な生物活性を得たことを実証し(21.89%の陽性対20.29%の陽性)、また、10ng/mlのhIL−21プラス10μg/mlのmAb 2P2が、10ng/mlのhIL−21単独のものよりも、より良好な生物活性を得たことを実証した(31.70%対25.77%の陽性)を示し、mAb 2P2によりhIL−21生物活性が10倍超増加したことを示している。
【0275】
実施例5
モノクローナル抗体2P2は、生体内でhIL−21半減期を延長する。
hIL−21/2P2及びhIL−21/3A3複合体の血清半減期を、ELISAアッセイにより生体内で決定した。25μgのhIL−21;25μgのhIL−21及び125μgの2P2−ビオチン;または25μgのhIL−21及び125μgの3A3−ビオチン、のいずれかを、野生型マウスに静注で注入した。1、3、8及び24時間に、マウスの頬から採血を行い、100μlの血液を得た。その後室温で30分間血液を培養して、血清を得た。血清中のhIL−21のレベルの測定を、ELISAにより行った。アッセイの検出限界は、1ng/mlである。
図6は、静注(IV)または皮下(SC)で投与したhIL−21/2P2複合体の24時間での血清からの検出を示す。いずれのルートでも、2P2の投与により、hIL−12単独投与と比較して、テストしたすべての時点で、hIL−21の血清保持の有意的な増加が見られた。2P2は、hIL−21の血清AUCを、皮下に投与したときには54倍高め(皮下IL−21単独はAUC117;皮下IL−21/2P2はAUC6340)、静注で投与したときには164倍高めた(静注IL−21単独は、AUC91.36;静注IL−21/2P2はAUC14993)。
【0276】
実施例6
抗体2P2は、生体内でIL−21活性を高める。
次いで、本発明者らは、2P2が生体内でIL−21活性を高めるか否かを決定した。hIL−21受容体で内因性mIL−21受容体を置換することにより、マウス株を作成した。これらのマウスは、内因性IL−21サイトカインを有しておらず、これらをホモ接合hIL−21R
Kl/Kl及びhIL21
Kl/Klと称する。マウスは、hIL−21Rの正常免疫系及び生理的発現を有するため、それらを、生体内でhIL−21及び2P2の機能をテストするために用いることができる。
【0277】
D0、D2及びD4に、hIL−21またはhIL−21及び2P2をマウスに静注で注入した。治療スケジュールは、下記の表2で設定される。
【0278】
【表2】
【0279】
ヒトIL−21に結合するが、IL−21の活性を強化しない抗体3A3(市販)を、対照として用いた。D5で、マウスを解剖し、それらの脾臓及びリンパ節を採取した。hIL−21/2P2複合体の投与により、hIL−21Rノックインマウスでの組換え型hIL−21単独と比較して、脾臓がより大きい範囲に拡大したことが見出され、生体内2P2でより良好な免疫賦活性機能が示唆された。
【0280】
単一細胞懸濁液を、標準手順に従って調製した。B細胞検出のために、細胞懸濁液を抗体で染色し、FACS(BDからのフローサイトメトリーLSR2)により分析を行った。B細胞の個体群を、以下の通り分析した。
小胞地帯(FZ)B細胞−CD3
−B220
+ IgD
+;
周縁帯(MZ)B細胞−CD3
−B220+IgM+ CD23
−;
遷移性B細胞−CD3
−B220
+IgM
+AA4.1
+。
【0281】
リンパ節からのFZ、MZ及び遷移性B細胞の結果を、
図7に示し、脾臓からのFZ、MZ及び遷移性B細胞の結果を、
図8に示した。一元配置分散分析(Newman−Keuls試験)を複数のグループの差の分析に用いた統計解析を実行した(Graphpad Prism Statistical software (Graphpad Software 社, ラ ホヤ,CA 米国))。これらの結果は、2P2の添加が、リンパ節及び脾臓で遷移性B細胞を有意に増大させ、また、リンパ節の周縁帯B細胞を有意に増大させたことが、示された。
【0282】
【表3】
【0283】
実施例7
エピトープ改良
次に、本発明者らは、ヒトIL−21のどの残基が2P2抗体により結合されたか決定するための調査を行った。
図9は、ヒトIL−21の配列を示し、ここでは、太字体の残基は、構造上のシミュレーション研究によって、抗体2P2により結合される残基であると予測され、下線の残基は、IL−21らせん領域内に位置している。本発明者らは、以下の通りに、そして、
図9で示すように、hIL−21の5つのペプチドを作成した:
ペプチド1(P1、30aa;配列番号19):FLPAPEDVETNCEWSAFSCFQKAQLKSANT
ペプチド2(P2、27aa;配列番号20):AQLKSANTGNNERIINVSIKKLKRKPP
ペプチド3(P3、30aa;配列番号4):IKKLKRKPPSTNAGRRQKHRLTCPSCDSYE
ペプチド4(P4、23aa;配列番号21):PPSTNAGRRQKHRLTCPSCDSYE
ペプチド5(P5、15aa;配列番号22):PPSTNAGRRQKHRLT
【0284】
ELISAアッセイを用いて、抗体2P2と3A3の間の結合を調べ、ストレプトアビジン−HRPは二次的にP1〜P5のペプチド、hIL−21及びOVAペプチドのそれぞれに対する対照とした。
図10に示すように、抗体2P2に結合したペプチド3が、最も強力であり、ペプチド4及びペプチド5と続く。したがって、抗体2P2により認識されたエピトープは、9mer〜15merの最低の配列を含み、そのコア配列はSTNAGRRQK(配列番号23)であった。配列CPSCDも存在した場合に結合はより強力であり、そして、配列IKKLK、CPSCD及びSTNAGRRQKが存在した場合に、最も強力な結合が観測された。最も強力な結合は、配列IKKLKRKPPSTNAGRRQKHRLTCPSCDSYE(配列番号4)を含んでいるペプチド3で観測された(
図10にまとめた)。ペプチド3で2P2をプレ培養した場合、2P2は、完全長hIL−21への結合に失敗した(
図11A)。ペプチド3で対照抗体3A3をプレ培養した場合は、完全長hIL−21への結合を阻害しなかった(
図11B)。これは、ペプチド3内に構成されるエピトープは、hIL−21への2P2の結合に十分であったことを実証した。
【0285】
実施例8
2P2のhIL−21への結合親和力
ダイレクトアミン結合法により、表面血漿共鳴結合反応速度論アッセイを、Bio−rad社XPR36システム上で実行した。簡潔に説明すれば、25μg/mlの抗IL−21mAbを流入させる前に、EDC[N−エチル−N’−(3−ジエチルアミノ−プロピル)カルボジイミド]とNHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)の混合物のフローを用いて、GLCセンサーチップの細胞表面を活性化させ、その後、エタノールアミンのショットフローを用いて、細胞表面上の残りの活性部位をブロックした。その後、0〜40nMのIL−21の系列希釈溶液を、細胞表面上に流入させて、固定された抗IL−21mAb分子に結合させた。結合反応速度論を、3分の結合時間及び6分の解離時間で、30μl/分の流量で、25℃で実行した。バッファは、pH7.4で、Hepes、NaCl、トゥイーン20、及び1mg/mlのBSAから成っていた。サイクル間のフロー細胞再生バッファは、15mMのリン酸であった。二重の参照を用いて、センサーグラムを処理した。結合曲線は、1:1のラングミュア結合モデルに、全般的に当てはめた。
【0286】
2P2のhIL−21への最終的な結合親和力を、n=5測定の平均から、3.0E−09Mとして算出した(表6)。hIL−21及び2P2の親和性は、2.47X10−
9〜4.29X10−
9の範囲に含まれ、その平均は3.33X10−
9、SDは0.74X10−
9であった。
【0287】
【表4】