特許第6563395号(P6563395)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563395
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】創傷治療用器具
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/44 20060101AFI20190808BHJP
   H05H 1/26 20060101ALN20190808BHJP
【FI】
   A61N1/44
   !H05H1/26
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-538659(P2016-538659)
(86)(22)【出願日】2014年12月12日
(65)【公表番号】特表2017-508485(P2017-508485A)
(43)【公表日】2017年3月30日
(86)【国際出願番号】IB2014066837
(87)【国際公開番号】WO2015087287
(87)【国際公開日】20150618
【審査請求日】2017年11月16日
(31)【優先権主張番号】102013113941.8
(32)【優先日】2013年12月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513077472
【氏名又は名称】レリオン プラズマ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ネッテスハイム,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】コルツェク,ダリウシュ
(72)【発明者】
【氏名】ブルゲル,ドミニク
【審査官】 細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/005132(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/178177(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/44
H05H 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ(P)および/または励起ガスもしくはガス混合物、をそれぞれ生成するための装置(10)を備える創傷治療用器具(1)であって、
筺体(30)と、
前記筺体(30)内に設けられ、自らの高電圧端(8)でプラズマ(P)を発生させる圧電トランス(5)と、
前記筺体(30)内に設けられ、制御回路(3)を有して、前記圧電トランス(5)が電気的に接続される回路基板(7)と、
前記筺体(30)に形成され、前記圧電トランス(5)の高電圧端が向けられる開口部(32)と、
前記筺体(30)の内部または前記筐体(30)に設けられ、前記筐体(30)内の空気の流れを前記開口部(32)に向けさせて、前記装置(10)によってそれぞれ生成された前記プラズマ(P)および/または前記励起ガスもしくはガス混合物が前記開口部(32)から噴出するファン(17)と、
記筺体(30)に前記開口部(32)で着脱自在に接続される第一端部(21)と、治療すべき創傷部位(13)を取り囲むように設けられた第二端部(22)と、を含み、前記第二端部(22)の断面積(19)が前記第一端部(21)の断面積(18)よりも大きい、拡張部材(20)と、を備える
ことを特徴とする器具(1)。
【請求項2】
前記拡張部材(20)は、複数の穿孔(26)を含む周囲側面(25)をさらに備える
ことを特徴とする、請求項1に記載の器具(1)。
【請求項3】
プラズマ(P)または励起ガスもしくはガス混合物の流れ(15)が、それぞれ、前記治療すべき創傷部位(13)に向けられるように、少なくとも一つの導流部材(14)が前記周囲側面(25)の内側(27)に設けられる
ことを特徴とする、請求項2に記載の器具(1)。
【請求項4】
再供給部(28)が前記拡張部材(20)と前記装置(10)とに接続される
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の器具(1)。
【請求項5】
治療が完了したことを色の変化によって示すために、カラーセンサ(35)が前記拡張部材(20)に設置される
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の器具(1)。
【請求項6】
前記拡張部材(20)の種類および前記装置(10)との関係付けによって少なくとも治療時間が設定可能となるように、RFIDチップ(34)が前記拡張部材(20)に設置される
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の器具(1)。
【請求項7】
オゾンセンサ(36)が、前記拡張部材(20)に配置される
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の器具(1)。
【請求項8】
フィルタ(38)が、前記拡張部材(20)の各穿孔(26)にそれぞれ配置される
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の器具(1)。
【請求項9】
前記プラズマ発生装置(10)は、手持ち式装置である
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の器具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、創傷治療用器具に関する。具体的には、創傷治療用器具は、圧電トランスを用いて、プラズマ、および/または、励起ガスもしくはガス混合物、をそれぞれ生成するための装置を備える。この装置は、回路基板と共に圧電トランスが配置された筺体を有する。回路基板上には制御回路が実装され、圧電トランスが電気的に接続される。この装置で生成されたプラズマ、および/または、励起ガスもしくはガス混合物は、それぞれ、筺体の開口部から噴出する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、プラズマを用いて細菌を減少させる装置を開示している。滅菌すべき領域(創傷または対象物)を誘電体膜の周縁部で囲む。圧電トランスの高電圧側は誘電体膜の外側に面しており、プラズマは誘電体膜内で点火される。
【0003】
特許文献2には、人体を治療するためのプラズマ治療デバイスが示されている。プラズマ治療デバイスは、ペン型である。このため、第一電極はペン部に設けられている。ペン部は、電極の領域で接地されている。実施形態によれば、円型の第二電極が設けられ、治療すべき皮膚部分の上に配置される。第二電極は間隔を設定するためのものである。第二実施形態によれば、接地カバーが接地導体に接続されている。このようにして、接地カバーによって、皮膚部分に対して一定の距離を設定することもできる。
【0004】
特許文献3は、治療すべき創傷から離間部材によって間隔が空いているプラズマアレイに関する。
【0005】
特許文献4は、プラズマ装置の円筒状筺体に関する。プラズマ装置のノズルにキャップを接続することができる。このキャップは、はずして滅菌するか、または、廃棄することができる。
【0006】
特許文献5は、治療すべき皮膚表面に接触するチャンバを開示している。生成された高温のプラズマが真空ポンプを用いて再び抽出される。
【0007】
特許文献6は、滅菌プラズマを発生させるプラズマ発生器が内部に配置された筺体を有する、創傷を殺菌処理するための装置を開示している。筺体内には、滅菌プラズマを筺体から運び出す自由噴流となる気流を生成するフローモジュールがさらに設けられている。噴流制御装置は、フローモジュールによって生成された気流を制御することによって、目的に沿って自由噴流に作用するために設けられている。実施形態によれば、創傷は抽出開口を有する囲いに囲まれ、抽出ポートが抽出ダクトに接続される。
【0008】
特許文献7は、細長いものを滅菌するための方法を開示している。微生物およびウイルスを低温プラズマで死滅させるために、ここに記載のプラズマ治療方法で表面の除染が行なわれる。この方法は、微生物またはウイルスをそれぞれできるだけ良好に死滅させるために、さまざまな適切な添加剤をプラズマと混合させる点で優位性がある。この方法は、無機体に適用される。
【0009】
特許文献8は、皮膚の創傷または罹患部分を治療するためのプラズマ治療装置を開示している。プラズマ治療装置は、非熱プラズマを発生するための二つの可撓性面状電極を有する。二つの面状電極は、各々、少なくとも1つの電気導体を備え、該導体は編み込まれている。治療すべき面と対向する面状電極の外側には、殺菌処理された材料でできた創傷接触層が着脱自在に固定されている。
【0010】
特許文献9は、非熱プラズマを表面に照射するための、特に、生体組織のプラズマ治療のための,および、特に、創傷のプラズマ治療のための、プラズマ照射器を開示している。プラズマ照射器は、表面の一部を覆うためのカバー蓋を備える。このようにして、カバー蓋と表面との間に空隙が形成される。非熱プラズマが空隙内に噴出され、そして、空隙はガスでフラッシュすることができる。同様に、空隙からガスを抽出するポンプが設けられている。
【0011】
特許文献10は、低温プラズマを発生させるための装置を開示している。この装置は、創傷を治癒して皮膚表面の異常を改善するために、および、細菌を死滅させるためにプラズマを治療部位に向けさせる手持ち式ノズルを備える。
【0012】
特許文献11には、創傷のプラズマ治療を行なうために、プラスターまたは包帯を介して非熱プラズマを照射するためのプラズマ治療装置が開示されている。プラズマ治療装置には、カバーが設けられてもよい。この場合、プラズマは、カバーの外面側で生成される。
【0013】
特許文献12は、非熱プラズマを発生させるための装置を開示している。反応領域を壁が包囲し、この壁によってプラズマ源も表面から離れている。反応領域を密封するために、この壁の遠位部分には弾性材料が使用される。
【0014】
特許文献13は、電気手術用具および該用具と接続された治療装置とを有する電気手術器具を開示している。該治療装置には、HFエネルギーを供給するための電流発生器が設けられている。実施形態に係る電気外科用具の実施例は、円錐状に広がる前方部を有している。電極を介して、治療液が治療部位に供給される。このように、ここでは、治療中に、さまざまな別個の用具および装置が使用される。
【0015】
特許文献14は、その遠位端に可撓性中空管が取り付けられた内視鏡を開示している。該中空管内には電極が配置され、導管を介して高周波発生器およびアルゴン貯蔵槽と接続されている。該中空管の遠位端から、電離プラズマが治療部位に供給される。実施形態では、該中空管の遠位端は円錐形をしている。
【0016】
特許文献15には、キャップ状の先端部品が取り付けられた内視鏡が開示されている。この先端部品内には、供給されたプラズマに点火し治療部位に供給することが可能なプラズマ発生装置がある。
【0017】
特許文献16は、電気手術的処置を実施するための多機能部材を開示している。多機能部材内には、高周波電流を供給する高周波発生器に接続された電極がある。同時に、この電極は、流体成分の供給ダクトにもなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
特許文献1:ドイツ特許出願第10 2013 107 448.0号
特許文献2:ドイツ特許出願公報第10 2012 103 362号
特許文献3:韓国特許出願公報第2013−0023588号
特許文献4:米国特許第8,267,884号
特許文献5:国際特許出願公報第02/32332号
特許文献6:ドイツ特許出願公報第10 2012 003 563号
特許文献7:ドイツ特許出願公報第10 2007 054 161号
特許文献8:ドイツ特許出願公報第10 2011 001 416号
特許文献9:国際特許出願公報第2010/034451号
特許文献10:国際特許出願公報第2012/158443号A2
特許文献11:国際特許出願公報第2011/110342号
特許文献12:国際特許出願公報第2013/076102号
特許文献13:ドイツ特許出願公報第10 2010 015 899号
特許文献14:欧州特許第0 957 793号
特許文献15:米国特許出願公報第2012/0215158号
特許文献16:ドイツ特許出願公報第10 2009 041 167号
【発明の概要】
【0019】
本発明の目的は、低コストで容易に使用することができ、創傷の効率的かつ安全な治療が可能となる創傷治療用器具を提供することである。
【0020】
上記目的は、請求項1の特徴に係る器具によって達成される。
【0021】
本発明に係る前記創傷治療用器具において、拡張部材が、プラズマ、および/または、励起ガスもしくはガス混合物、をそれぞれ生成する前記装置に、前記装置の前記筐体の前記開口部が前記拡張部材に導かれるように、第一端部によって着脱自在に取り付けられている。第二端部によって、前記装置は治療すべき創傷部位を取り囲む。前記装置では、前記拡張部材の前記第二端部は、前記拡張部材の前記第一端部よりも断面積が大きい。
【0022】
前記装置は、プラズマ発生器またはイオン化機器またはオゾン発生器とすることができる。前記装置がプラズマ発生器の代わりにイオン化機器またはオゾン発生器である場合、励起分子と、イオンと、例えばオゾン、原子状酸素、H2O2、OHラジカル、またはNOxのような反応性酸素種と、の混合ガスが創傷部位に作用する。厳密に言えば、プラズマが前記創傷部位に達する必要はない。
【0023】
前記創傷部位の表面への効果は、活性ガス種の局所濃度に依存する。前記活性ガス種は前記創傷部位の前記表面に反応するので、ここでは、流れがある状態でのガス交換が実施されなければならない。効果の決め手となるのは、前記活性ガス種の積分線量だけでなく、前記創傷部位の前記表面での最大濃度でもある。短い時間で照射される非常に高い濃度の方が、長い時間をかけて照射される低い濃度よりも効果的である。前記活性ガス種の高濃度と組み合わせた短時間の接触によって、表面の活性化が最大となる。
【0024】
前記拡張部材の周囲側面には複数の穿孔がある。該穿孔を介して、前記拡張部材の内部と少なくとも環境との間のガス交換または圧力平衡がそれぞれ可能である。前記周囲側面の内側には、プラズマ、または、励起ガスもしくはガス混合物の流れが、それぞれ、前記治療すべき創傷部位に効率的に向けられるように、少なくとも一つの導流部材が設けられている。
【0025】
ガス再供給部を前記拡張部材と前記装置との間に接続することができる。また、治療が完了したことを色の変化によって示すために、カラーセンサを前記拡張部材に設置することができる。さらに、前記拡張部材の種類および前記装置との関係付けによって、少なくとも治療時間が設定可能となるように、RFIDチップが前記拡張部材に設置することができる。前記RFIDチップを用いることによって、(例えばアルゴンのような)追加ガスを供給する場合に、生成される前記プラズマ、および/または、前記励起ガスもしくはガス混合物、のそれぞれの少なくとも強度および持続時間が前記拡張部材の種類に合うように、前記装置を適合させることができる。
【0026】
本発明によれば、前記装置は、前記プラズマを発生させるための圧電トランスを備えたプラズマ発生装置である。前記圧電トランスの高電圧端は前記筺体の前記開口部に向けられている。前記プラズマ発生装置は、手持ち式装置である。
【0027】
前記装置が手持ち式装置であることは優位点である。手持ち式装置は、低コストで、取り扱いが容易であることを保証する。前記拡張部材と組み合わせることによって、前記手持ち式装置にもかかわらず、創傷の治療にそれぞれ必要な間隔を維持することができる。また、前記拡張部材は、簡単でコスト効率の高いやり方でさまざまな構成に製造することができる。
【0028】
本発明のさらなる利点と優位性のある実施形態とが、以下の図面およびその説明の主題である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明に係る、プラズマによる創傷治療用器具の主な構成の概略図である。
図2】プラズマ発生装置と一緒に使用する拡張部材の実施形態の斜視図である。
図3】拡張部材の上面図である。
図4】拡張部材の別の実施形態の斜視図である。
図5】拡張部材のさらに別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の同じ部材または同じ機能の部材には、同一の参照符号を使用する。ここに示す実施形態は、プラズマを用いる創傷治療用器具をどのように構成することができるかのほんの一例にすぎない。以下の説明はもっぱらプラズマ発生装置として構成された装置に言及するが、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。既に上述したように、プラズマの代わりに、励起分子と、イオンと、例えば、オゾン、原子状酸素、H2O2、OHラジカル、またはNOxのような反応性酸素種と、を有するガス混合物も、創傷の治療に効果をもたらすことができる。厳密に言えば、プラズマが創傷部位に達する必要はない。
【0031】
本発明に係る創傷治療用器具1の概略図を図1に示す。ここで示した実施形態において、プラズマPは、圧電トランス5を有するプラズマ発生装置10で生成される。圧電トランス5は、プラズマ発生装置10の筺体30内に配置される。プラズマPが、圧電トランス5を用いるやり方とは別のやり方で生成されてもよいことは、当業者には明らかである。以下の説明では、圧電トランス5について言及するが、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。圧電トランス5は、制御のために、回路基板7に接続されている。回路基板7は、複数の電子部材4によって、制御回路3を実現する。制御回路3によって、圧電トランス5をその共振周波数で励起させることが可能である。圧電トランス5用の制御回路3は、ケーブル23を介して圧電トランス5の筺体30と接続された通常の標準的な電源アダプタ(図示せず)である外部電源に接続してもよい。同様に、電力供給は、蓄電池を介して行なうこともできる。蓄電池と標準電源アダプタとの組み合わせも考えられる。回路基板7の制御回路3によって、各電気接点12を介し圧電トランス5のそれぞれの側面24に制御電圧が印加される。圧電トランス5の側面24に印加される励起電圧によって、必要な高電圧が、圧電トランス5での高電圧端8で発生する。筺体30の内部または外側にさらにファン17を設けて、筺体30の開口部32に向かって筺体30内に空気の流れを発生させてもよい。同様に、ガス管6を介して、プラズマ発生装置10にガスまたはガス混合物を供給し、それを用いて圧電トランス5がプラズマに点火してもよい。
【0032】
拡張部材20は、プラズマ発生装置10の筐体30に第一端部21(図2参照)で着脱可能に接続することができるように構成されている。拡張部材20の第二端部22(図2参照)は、治療すべき創傷部位13を第二端部22の周縁部29(図2参照)で囲むように構成されている。また、拡張部材20は、周縁部29で、治療すべき創傷部位13がある身体部分40に接触している。プラズマ流15が拡張部材20内に広がって創傷部位13を効果的に治療するために、拡張部材20の第二端部22は、断面積19(図3参照)が拡張部材20の第一端部21での断面積18(図3参照)よりも大きくなっている。
【0033】
拡張部材20内の圧力をほぼ環境圧の圧力レベルに保つために、拡張部材20の周囲側面25は、複数の穿孔26を有している。余剰の反応ガスおよび反応生成物は、穿孔26を介して逃がすことができる。筺体30の開口部32で、すなわち、拡張部材20の第一端部21の領域において、流れが高速である。したがって、ベンチュリ効果によって、拡張部材20の適切に配置された穿孔26で環境ガス(空気)を吸引することができる。
【0034】
拡張部材20内のプラズマ流15がより良く形成されるために、少なくとも一つの導流部材14が、周囲側面25の内側27に配置されている。プラズマ流15は、治療すべき創傷部位13の方に向けられるとともに当該部位との相互作用時間が最適となるように形成される。また、再供給部28が設けられて、拡張部材20とプラズマ発生装置10とを接続してもよい。別の実施形態によれば、再供給部28は、再循環を活性化させるためにポンプに接続することができる。循環は、入力流の体積の循環流の体積に対する割合を最大10:1までにすることができる。拡張部材20内からのガスは、再供給部28を介してこのようにプラズマ発生装置10だけに供給することができる。このガスは、圧電トランス5の高電圧端8の領域に導かれることが好ましい。
【0035】
図2には拡張部材20として考えられる実施形態を示してある。既に図1の説明で述べたように、拡張部材20は、第一端部21を介して着脱自在にプラズマ発生装置10(図1参照)に接続されている。以下の説明は、漏斗状の拡張部材20について言及しているが、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。拡張部材20の形状は本発明の有用性には無関係であることが、当業者には明らかである。
【0036】
拡張部材20を使用する際の重要な条件は、図3に示すように、拡張部材20が第一端部21で、拡張部材20の第二端部22の断面積19よりも小さい断面積18を有するということである。さらに、拡張部材20の第二端部22での周縁部29は、治療すべき創傷部位13を囲むような寸法のものでなければならない。また、拡張部材20の第一端部21での断面積18は、拡張部材20をプラズマ発生装置10の筺体30に着脱自在にかつ形状ロックして取り付けることができるように、筺体30の開口部32の領域におけるプラズマ発生装置10の形状に一致しなければならない。さらに、拡張部材20は、プラズマ発生装置10が拡張部材20の種類を読み取って制御回路を介しプラズマ発生装置10の対応する設定を行なうことができるようにするために、RFIDチップ34を備えることができる。さらに、RFIDチップ34を介して拡張部材20の高さHを読み取ってもよい。高さHは、治療すべき創傷部位13からプラズマ発生装置10までの距離を表す。高さHは、プラズマ発生装置10に設定されるパラメータでもある。
【0037】
図4は、拡張部材20の別の実施形態の斜視図を示している。この実施形態では、RFIDチップ34と拡張部材20の周囲側面25に加えて、カラーセンサ35とオゾンセンサ36が設置される。カラーセンサ35を用いて、創傷部位13の治療が完了したことを示すことができる。RFIDチップ34、カラーセンサ35、およびオゾンセンサ36は、拡張部材20の周囲側面25に、単独で、および/または、任意の組み合わせで設置することができることは明らかである。本実施形態に示されている拡張部材20は、周縁部29に複数の穿孔26を有している。
【0038】
図5は、拡張部材20として考えられる別の実施形態を示している。ここに示した拡張部材20は、複数の穿孔26を周縁部29に有するだけでなく、周囲側面25にも有している。各穿孔26は、拡張部材20内から除去されるべき、場合によっては、再使用のために供給されるべきガス成分だけが抜け出ることができるように、フィルタ38で覆われている。
【0039】
拡張部材20が使い捨て部材として構成されている場合は、特に有益である。拡張部材20が一回使用した後に廃棄されるので、消毒処理を回避することができる。拡張部材20は、射出成形または深絞りまたは熱成形によって低コストの方法で製造することができる。拡張部材20をさまざまな構成で提供することができることは明らかである。拡張部材20は、最大構成で、各々にフィルタ38が設けられた複数の穿孔26を有し、さらに、RFIDチップ34、カラーセンサ35、およびオゾンセンサ36を有する。この最大構成が本発明を限定するものではないことは、当業者には明らかである。
【符号の説明】
【0040】
参照符号のリスト:
1 器具
3 制御回路
4 電子部材
5 圧電トランス
6 ガスダクト
7 回路基板
8 高電圧端
10 プラズマ発生装置
11 周縁部
12 電気接点
13 創傷部位
14 導流部材
15 プラズマ流
17 ファン
18 第一端部の断面積
19 第二端部の断面積
20 拡張部材
21 第一端部
22 第二端部
23 電源アダプタのケーブル
24 圧電トランスの側面
25 周囲側面
26 穿孔
27 内側
28 再供給部
29 周縁部
30 筺体
32 開口部
34 RFIDチップ
35 カラーセンサ
36 オゾンセンサ
38 フィルタ
39 ポンプ
40 身体部分
H 高さ
P プラズマ
図1
図2
図3
図4
図5