(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の表面の形状は、前記ワイヤ挿入器具が接して配置されるヒトの近位大腿骨の一部の形状に対応している、請求項1〜3のいずれか一項に記載のワイヤ挿入器具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、骨プレートを骨に適切に取り付ける方法、及び骨プレートの骨への適切な取り付けを容易にする対応する骨固定キットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によると、骨プレートを骨に取り付ける方法は、ワイヤ挿入器具の第1の表面を骨に接するように配置する工程を含む。ワイヤ挿入器具は、規定されたやり方で骨に接して配置されるように形成された第1の側、及び第1の側と反対側の第2の側を備えた基部を好ましくは含む。
【0005】
例示的な一実施形態では、開口部は、第1の側から第2の側までワイヤ挿入器具の基部を貫通して延在する。開口部は、基準ワイヤを受け入れ規定された方向に基準ワイヤを誘導するような寸法及び形状に作られてもよい。好ましくは、ワイヤ挿入器具は、第1の側から離れて延在するハンドル又は脚部を含む。これは、ワイヤ挿入器具の取り扱いを容易にする。
【0006】
基準ワイヤは、ワイヤ挿入器具の開口部の中に誘導され、骨の中に誘導される。骨プレートが規定されたやり方で骨に接して配置され得るように、ワイヤ挿入器具の表面は接して位置決めされる骨の表面に一致する。ワイヤ挿入器具の開口部は、的確な誘導のために十分であるように選択された長さ、及び基準ワイヤの望ましい方向に対応する整列をなす。したがって、基準ワイヤが骨の中へ正確に挿入されることを可能にする。
【0007】
次の工程で、ワイヤ挿入器具は骨に挿入された基準ワイヤから取り外されてもよい。ワイヤ挿入器具は、基準ワイヤの長手方向の延長に沿って骨から引き抜かれてもよい。
【0008】
例示的な実施形態では、ワイヤ挿入器具がまず取り外され、それから骨プレートが骨上で位置決めされる。骨プレートは、骨プレートの第1の骨に面する表面と、第1の表面と反対側の骨プレートの第2の表面とをつなぐ外側面の表面の方へ開いているスロットを含んでもよい。基準ワイヤが骨プレートのスロット内に受け入れられるまで骨プレートをワイヤの長手方向軸に対して横断方向に動かすことによって、骨プレートを骨に沿って位置決めし得る。
【0009】
例示的な方法は、骨プレートが実際に位置決めされるのに先立って、基準ワイヤが骨に挿入されているので、骨プレートを骨上で位置決めするのが容易になる。骨プレート自体は、その次の工程で骨まで進められるだけである。骨プレートのスロットは、既に骨の中に挿入されている基準ワイヤまで骨プレートが前進するのを可能にする。好ましい実施形態では、骨プレートは横方向、すなわち、基準ワイヤの長手方向軸を横切る方向に動かされる。骨プレートは患部に挿入され、皮膚切開部を通して基準ワイヤに対して位置付けられてもよく、円周の周りが閉じている穴とは異なり、スロットは、骨プレートが体内に挿入された後、骨プレートが基準ワイヤまで前進するのを可能にする。言い換えれば、スロットが開いているので、ワイヤが骨プレートに到達するまで骨プレートを切開部を通してワイヤに沿って摺動させる必要がなく体内へ前進させることができ、次に、プレートは、例えば、スロットがワイヤの骨への進入部位に隣接するまで、操作されることができる。次に、ワイヤがスロットに入るようにプレートを摺動させることができる。ワイヤ挿入器具は骨プレートより小さい寸法を有し、より容易に患部に挿入され骨に接するように配置されることができるので、個別のワイヤ挿入器具を用いて基準ワイヤを骨に挿入することはまた、方法を簡略化する。
【0010】
例示的な実施形態では、骨に接して配置されるように構成されているワイヤ挿入器具の表面は、骨の表面の形状に対応する表面形状を有する。例示的な一実施形態によると、ワイヤ挿入器具は、ヒトの近位大腿骨、特に近位大腿骨の大転子に接して配置されるように構成されている。骨の表面から滑り落ちるのを防ぐために、又は少なくともそのような滑りを減らすために、骨に接して配置されるように構成されるワイヤ挿入器具の表面は、表面から突き出る少なくとも1つのマンドレルを含んでもよい。滑りを減らす又は防ぐ他の表面構造、例えば、リブ、歯、尖頭又は他の突出部等を設けることもできることが理解されるであろう。
【0011】
取り扱いを更に容易にするために、ワイヤ挿入器具はハンドルを含んでもよい。例示的な実施形態では、ワイヤ挿入器具は器具から延在する脚部を含んでもよく、その端部に取り外し可能なハンドグリップを留めることができるハンドル連結部を含んでいる。
【0012】
例示的な一実施形態によると、方法は、骨プレートを骨上で位置決めする前に、骨プレートに位置決め器具又は照準若しくは誘導ブロックを実装する工程を含む。次に、骨プレートに実装された位置決め器具によって、骨プレートが骨上で位置決めされる。位置決め器具は、規定されたやり方で骨プレートに接して配置されるように構成された第1の表面、及び第1の表面と反対側の第2の表面を有する基部を含んでもよい。位置決め器具を骨プレートに整列し実装するのを容易にするために、骨プレートに面する位置決め器具の表面の形状は、骨プレートの第2の表面の形状に対応していてもよい。例示的な一実施形態では、位置決め器具は、骨プレートに固定される前に、骨プレートに接して位置付けられ骨プレートに対して整列される。
【0013】
例示的な一実施形態によると、位置決め器具は、器具の基部の第1の表面と第2の表面との間で器具を貫通して延在し基部の外側面に開いているスロットを含む。位置決め器具が骨プレートに実装されると、位置決め器具のスロットは骨プレートのスロットと整列し得る。これは、骨プレートが骨上で位置決めされると基準ワイヤが骨プレートのスロット及び位置決め器具のスロットの両方と係合することを可能にする。このように、位置決め器具が基準ワイヤとも係合するので、骨プレートの骨上での整列及び位置決めが更に向上する。
【0014】
例示的な一実施形態によると、保護スリーブは、第1の軸方向通路及びそれに平行である第2の軸方向通路を含む。したがって、スリーブは二重スリーブとして指定される。第1及び第2の軸方向通路を有するスリーブは、位置決め器具のスロットに挿入され、スロットを介して外側面の表面に開いている通し穴に挿入されてもよい。したがって、スリーブは、その第1の軸方向通路を介して基準ワイヤに沿って誘導されてもよい。骨プレートが基準ワイヤまで進められた後、スリーブは基準ワイヤを介して誘導されてもよい。しかしながら、骨プレートが基準ワイヤに対して骨に沿った望ましい位置まで動かされる前に、スリーブは基準ワイヤに沿って部分的に誘導され、スリーブがスロット及び位置決め器具の通し穴に受け入れられるように骨プレートが望ましい位置まで動かされると、更に骨の方向に押されることも可能であることが当業者に理解されるであろう。
【0015】
スリーブはまた、ドリルスリーブとしても機能する。骨に穴をあけるためのツール、例えば、ドリル用ビット(a drill bit of a dril)、ラム、K−ワイヤ等は、スリーブの第2の軸方向通路の中に挿入されてもよい。2つの軸方向通路を有するスリーブを提供することによって、軸方向通路のうちの1つが基準ワイヤを受け入れるように構成され、同時に他方の軸方向通路が少なくとも1つのツールを受け入れるように構成されているので、方法が簡潔化される。したがって、カニューレ処置された骨アンカーのような特別な品目は必要ではない。
【0016】
第2の軸方向通路を介してドリルで骨に穴があけられると、位置決め器具の通し穴を通り、骨プレートの通し穴を通して、骨アンカーが骨の中に挿入され得る。好ましくは、これは第1の骨アンカーで、これによって骨プレートが骨上で固定される。更なる骨アンカーの基準となるので、第1の骨アンカーは決定的に重要である。
【0017】
更なる例示的な実施形態によると、スリーブ又は他のドリルスリーブに連結され得る可撓性の定規又は測定器が提供される。ドリル用ビット及び/又はドリルスリーブの直径よりかなり大きい直径を有し得るドリル等の穴をあけるツールが挿入されると、可撓性のある測定器は、ドリルスリーブの、特に二重スリーブの第2の軸方向通路の、長手方向軸から離れて曲がることができる。穴の深さを測定するために穴をあけるツールを取り外す必要がないので、これは骨の中の穴の深さを測定するのを容易にする。可撓性のある測定器は、スリーブの長手方向軸から離れて曲がることができるので、スリーブに実装したままにすることができる。
【0018】
更なる骨アンカーを挿入するために、照準器具が使用される。照準器具は骨の中に的を絞ってドリルで穴をあけるために少なくとも1つのドリルスリーブを誘導するように構成されている。特に、照準器具は、第1の表面及び第1の表面と反対側の第2の表面、少なくとも1つのドリルスリーブを受け入れるような寸法及び形状に作られる第1の表面と第2の表面との間で照準器具を貫通して延在する通し穴を有する。例示的な実施形態では、照準器具は位置決め器具に実装可能である。特に、照準器具は、ハンドグリップもまた実装される位置決め器具のハンドル連結部に連結されてもよい。照準器具は、位置決め器具によって骨プレートに対して位置付けられてもよい。
【0019】
更なる例示的な実施形態によると、ワイヤ挿入器具が骨に接するように配置される前に配向ワイヤが骨の中に挿入される。配向ワイヤが骨の中に挿入されると、ワイヤ挿入器具によって挿入された基準ワイヤが、先に挿入された配向ワイヤが置かれる面に平行である面に置かれるように、ワイヤ挿入器具が骨に接するように配置されてもよい。配向ワイヤは、画像手法の制御下で骨に挿入されてもよい。配向ワイヤは、ワイヤ挿入器具に対する基準ワイヤの正しい方向を決定するのを補助するために使用される。例えば、配向ワイヤは、大腿骨頚部と平行に大腿骨の中に挿入されてもよい。次に、基準ワイヤが、配向ワイヤが置かれる面に、側面観で平行である面に挿入される。このやり方で、基準ワイヤの正しい整列が保証される。基準ワイヤが適所に配置されると、配向ワイヤは取り外されてもよい。基準ワイヤは、大腿骨頚部の中心を通して好ましくは挿入される。
【0020】
本発明の更なる態様によると、骨固定キットは、説明したワイヤ挿入器具、骨プレート、及び位置決め器具を含む。骨固定キットはまた、少なくとも1つの基準ワイヤ、及び少なくとも1つのスリーブ、好ましくは上述した二重スリーブを含む。更に、骨固定キットは、説明した可撓性のある測定器及び照準器具を含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明文及び付属の図面を参照することで本発明のより深い理解が得られるであろう。なお、図中、同様の要素は同じ参照符号により示されるものとする。本発明は、骨の治療用のシステム及び方法を目的とする。具体的には、本発明の例示的な実施形態は、骨プレートを骨に固定するシステム及び方法を説明する。例示的な実施形態が近位大腿骨に関して具体的に説明されるが、本実施形態のシステム及び方法は、任意の様々な骨、特に、長骨に利用され得ることが当業者に理解されるであろう。
【0023】
図1〜9は、骨プレートを骨に取り付けるための方法の工程を示す。例示的な実施形態では、骨プレート8は、ヒトの近位大腿骨1、特に、大転子部2の領域に取り付けられる。方法の例示的な実施形態によると、患部がまず手術台に位置決めされてもよい。テンプレートを使用して、大腿骨2に固定される骨プレートの長さが脚のX線画像で決定されてもよい。例えば、X線画像の下位にある骨と重なり合うようにテンプレートが皮膚に置かれ、植え込まれる骨プレートの長さが決定されてもよい。
【0024】
骨折部位を露出させるために、患部を開いた後、すなわち、対応する切開がなされた後、骨折が既知の方法を使用して整復される。例えば、骨折は、シャンツスクリュー、骨折、特に、骨の隙間によって分離した骨の骨折箇所を圧迫するための鉗子、又は他の好適な器具によって整復されてもよい。骨の正確な整列、特に、前傾を確認するために、まず配向ワイヤ3が骨に挿入される。配向ワイヤは、画像手法の制御下で骨に挿入されてもよい。配向ワイヤ3は、例えば、画像手法を使用して骨に挿入されてもよい。
図1は、骨に挿入された配向ワイヤ3を示す。配向ワイヤ3は、切開部を通して、又は経皮的に、大腿骨に挿入されることができる。配向ワイヤ3は、大腿骨頚部の軸に平行である軸に沿って骨の大腿骨頭部に挿入されてもよい。配向ワイヤ3は、骨に挿入される基準ワイヤ5の配向補助としての機能を果たす。
【0025】
図2に表わされるように、方法の次の工程で、ワイヤ挿入器具4が、大腿骨1に接するように、特に、大転子2に接するように配置される。ワイヤ挿入器具4は、大腿骨1、特に、大転子2の表面と一致するように形作られた表面を含んでもよい。比較的小さい寸法のため、特に、骨プレートと比べて比較的小さい寸法のため、ワイヤ挿入器具4は、切開部を通して容易に骨1に接するように配置され得る。外科医は、ワイヤ挿入器具4の脚部13に留められたハンドグリップ9によって、ワイヤ挿入器具4を誘導及び保持することができる。
【0026】
次の工程で、
図3に表わされるように、基準ワイヤ5が、ワイヤ挿入器具4の開口部を通して大腿骨1に挿入される。方法の例示的な実施形態では、基準ワイヤ5は、大腿骨頭部の中心を通して挿入されてもよい。
図4では、配向ワイヤ3及び基準ワイヤ5は、大腿骨1に挿入された位置で表わされる。配向ワイヤ3及び基準ワイヤ5は、大腿骨1の側面観で、互いに平行である2つの面に位置する。
図19に見られるように、第1の軸方向通路41及び第2の軸方向通路40を有する保護スリーブ6は、
図5に表わされるように、第1の軸方向通路41を介して基準ワイヤ5に沿って誘導される。
【0027】
図6〜8に表わされるように、基準ワイヤ5は、骨プレート8の整列及び位置決めに使用される。特に、
図6に見られるように、骨プレート8は、位置決め又は照準器具7を介して患部に挿入される。この目的のために、位置決め器具7は、切開がなされる前に、好ましくは骨プレート8に既に接続されている。
図6は位置決め器具7を介して骨プレート8が挿入される動作中のスナップショットを示す。骨プレート8及び位置決め器具7は、基準ワイヤ5に対して切開部を通して挿入される。
図7に表わされるように、骨プレート8及び位置決め器具7は、基準ワイヤ5の長手方向に対して横方向に動かされてもよい。特に、骨プレート8の基準ワイヤ5への前進は、大腿骨1に沿って近位から遠位ヘの方向で達成される。以下に詳細に説明されるように、骨プレート8及び位置決め器具7はそれぞれ、この目的のために近位端にスロットを有する。言い換えれば、骨プレート8及び位置決め器具7の近位端にあるスロットが基準ワイヤ5を受け入れるまで、骨プレート8及び位置決め器具7は切開部を通して挿入され、骨1に沿って遠位に動かされる。
【0028】
例えば、基準ワイヤ5が骨プレート8の近位端にあるスロット内に受け入れられた状態で、骨プレート8が骨の所望部分を覆って位置付けられると、スリーブ6は、位置決め器具7と係合するまで前方に押される。
図8に表わされるように、ドリルで穴をあけるための対応するツール12が、骨アンカーを受け入れるために骨にドリルで穴をあけるために、スリーブ6の第2の軸方向通路40を通して挿入されてもよい。これは、特に、骨プレート8の近位端にあるスロットを通して骨プレート8を骨1に固定するために第1の骨アンカーを挿入するために役に立つ。ツール12は、例えば、ドリルビット、ラム、キルシュナー鋼線(K−ワイヤ)、トロカール等であってもよい。第1の骨アンカーが配置されると、スリーブ6、基準ワイヤ5、更にもしあれば配向ワイヤ3を取り外すことができる。基準ワイヤ5が配置された後、配向ワイヤ3が既に取り外されている場合があることが当業者に理解されるであろう。
【0029】
次に、
図9に表わされるように、位置決め器具7は、骨1の中に的を絞ってドリルで更に穴をあけるために使用される照準器具10に連結される。1つ又は複数の保護スリーブ11が、異なる角度で照準器具10を通して誘導されてもよい。大腿骨頚部に骨アンカーを留置するために、骨プレート8の近位頭部を通してドリルで穴をあけるために、ドリルスリーブが保護スリーブ11を通って挿入され、ドリルビットがそこを通して誘導されてもよい。同様に、対応する骨アンカーが骨プレート8の遠位シャフト部を介して下位にある骨1に挿入されることができるように、保護スリーブはまた、骨プレート8の遠位シャフト部で下にある骨1にドリルで穴をあけるために、照準器具10を通して誘導されてもよい。
【0030】
図10〜12は、ワイヤ挿入器具4の異なる観点の図を示し、
図13はその断面図を示す。ワイヤ挿入器具4は、骨1の大転子2に接して配置されるように構成された表面14を有する基部12、及びその表面14と反対側の表面又は側15を含む。骨に面しない側15から、脚部13がその自由端でハンドル連結部17を有して延在している。例えば、
図2及び3に見られるように、取り外し可能なハンドグリップ9がハンドル連結部17に留められていてもよい。ハンドグリップ9はワイヤ挿入器具4から取り外し可能で、器具とは別々に滅菌される。表面14が骨1に接して配置されるように形成され、例えば、形作られていてもよく、例示的な一実施形態では、ワイヤ挿入器具4が骨に対して滑るのを妨げる又は防ぐために、骨の表面と係合するための3つのマンドレル18を含んでもよい。マンドレル18は、例えば、表面14から延在する凸部であってもよく、骨の表面と係合するための鋭い先端を含んでいる。例示的な実施形態は、具体的に3つのマンドレル18を示して説明するが、より少ない数又はより多い数のマンドレル又は他の好適な構造が、本発明の範囲から逸脱することなく、設けられてもよいことが理解されるであろう。
【0031】
図13の断面図に特に見られるように、開口部16は、表面14から反対側15まで基部12を貫通して延在する。開口部16は、基準ワイヤ5を誘導するような寸法及び形状に作られる。基準ワイヤ5の挿入を容易にするために、開口部16は、側15に面する端で面取りされてもよい。開口部16の長さは、基準ワイヤ5を誘導するのに十分であるように選択される。開口部16の直径もそのように選択される。例えば、開口部16の内径は、基準ワイヤ5の外径に相当してもよい。開口部16の直径は、例えば、2〜15mmの範囲であり得る。開口部16の軸長は、例えば、5〜50mmの範囲であり得る。
【0032】
他の実施形態(図示されない)によると、開口部16は、基部12の外側面の表面に開いている横方向スロットとして構成されてもよく、したがって、ワイヤ挿入器具4が基準ワイヤ5の長手方向軸に対して横切る方向に基準ワイヤ5から離れて動くことができる。この実施形態では、開口部16は、以下により詳細に説明される位置決め器具7のデザインに類似している可能性がある。この実施形態では、スリーブ6は、好ましくは基準ワイヤ5を挿入するために使用される。
【0033】
図14〜16では、位置決め器具7の異なる観点が表わされる。位置決め器具7は、骨プレート8に接して配置されるように構成された下面24を備えた基部22を含む。例えば、下面24は、骨プレート8の湾曲部に対応する湾曲部を含むように形成されてもよい。表面24と反対側の上面25から脚部23が延在する。脚部23はその自由端に、特に
図7及び8に示されるワイヤ挿入器具4に関して上述されたハンドグリップ9を留めるために使用されてもよい連結部27を有する。連結部27はまた、特に
図9に表わされる照準器具10を留めるために使用されてもよい。照準器具10は、例えば、刻み付き頭ねじ19によって連結部27に連結されてもよい。他の好適な留め機構が、刻み付き頭ねじ19の代わりとして設けられ得ることが当業者に理解されるであろう。例示的な一実施形態では、照準器具10の骨プレート8に対する望ましい整列を保証するために1つの配向でのみ照準器具10が照準器具10に取り付けられることができるように、連結部27が形成される。位置決め器具7は、好ましくは患部が開かれる前に、例えば、ねじ28によって、骨プレート8に留められてもよい。位置決め器具7はまた、ねじ28の代わりに、スナップ式接続、バヨネット式ロック、又は任意の他の好適な固定構成によって骨プレート8に連結されてもよいことが当業者に理解されるであろう。別の実施形態では、位置決め器具7は、位置決め器具7及び骨プレート8の対応する特徴によって適切な整列で、骨プレート8に接して停止してもよい。特に、下面24は、下面から延在し、骨プレート8の表面を貫通して延在する対応する開口部の中に受け入れられるような寸法及び形状に作られる複数の凸部(例えば、ボール形状の凸部)を含んでもよい。ボールは、位置決め器具7が骨プレート8と適切に整列することを確実にする。
【0034】
位置決め器具7は、表面24と表面25との間で基部22を貫通して延在し、表面24と表面25との間に延在する外側面の表面にスロット26によって開いている通し穴21を含む。表わされる実施形態では、スロット26及び通し穴21は相互接続している。スロット26及び通し穴21は、スリーブ6を受け入れるような寸法及び形状に作られる。特に、スリーブ6の第1の軸方向通路41はスロット26に受け入れられ、一方で、スリーブ6の第2の軸方向通路40は通し穴21に受け入れられる。
【0035】
スリーブ6の第1の軸方向通路41は、スリーブ6の第2の軸方向通路40より小さい直径を有する。第1の軸方向通路41は、基準ワイヤ5を受け入れるだけの役目をする一方で、第2の軸方向通路40は、以下により詳細に説明される、例えば、ドリル用ビット42等のツールを受け入れるような寸法及び形状に作られる。ドリル用ビット42は、骨に穴をあけるために第2の軸方向通路40を通して骨に誘導されてもよい。したがって、第2の軸方向通路40は、第1の軸方向通路41の直径より大きい直径を有してもよい。
【0036】
図17及び18は、大転子2に接して配置されるように構成された骨プレート8の一部分を示す。骨プレート8は、頭部34及びシャフト部33を含む。頭部34は、大転子2の曲率に対応する曲率を有してもよい。骨プレート8は、骨プレートの骨に面する表面39から骨に面しない表面38まで骨プレート8を貫通して延在する通し穴30、31、32を含んでもよい。通し穴30は、骨プレート8のシャフト部33を貫通して延在し、頭部止めねじの可変角度を固定するための部分、及び滑らかなねじ頭を有する骨アンカーを受け入れるための圧縮穴の部分を有する組み合わせ穴として形成される。通し穴31、32は、骨プレート8の頭部34を貫通して延在し、好ましくは可変角度のロック穴として形成される。
【0037】
骨プレート8は、骨に面する表面39から骨に面しない表面38まで頭部34を貫通して延在するスロット36を更に含み、スロットは骨に面する表面39と骨に面しない表面38との縁部をつなぐ外側面の表面35に開いている。この実施形態では、スロット36は骨プレート8の頭部34の近位端に位置する。
図18に表わされるように、スロット36は基準ワイヤ5と係合するように構成されている。また
図7及び8に見られるように、スロット36は、骨プレート8のシャフト部33の面に対して角度をなしてもよい。
【0038】
図16及び17によって明らかにされるように、位置決め器具7及び骨プレート8は、位置決め器具7が骨プレート8に実装されるときに位置決め器具7のスロット26が骨プレート8のスロット36と整列するように、互いに適合される。したがって、位置決め器具7の通し穴21は、骨プレート8の最近位の通し穴31と整合する。骨プレート8は、位置決め器具7のねじ28を受け入れるために表面39から表面38まで頭部34を貫通して延在するねじ穴37を更に含んでもよく、したがって、位置決め器具7が骨プレート8に連結され得る。
【0039】
骨プレート8を位置決めする前に、ワイヤ挿入器具4を用いて基準ワイヤ5を骨1の中に挿入し、次に、
図18に示されるように、骨プレート8をスロット36を介して基準ワイヤ5に対して骨1に沿って位置に移動させることができるので、ワイヤ挿入器具4の使用、並びにスロット26を備えた位置決め器具7及びスロット36を備えた骨プレート8の使用は、骨プレート8の骨1への取り付けを容易にする。
【0040】
骨1の中に形成される骨アンカー穴の深さを決定するために、
図20に表わされるように、計測器44が備えられてもよい。計測器44は、例えば、スリーブ6を通して、あるいは保護スリーブ11を通して挿入され得るドリルスリーブに留めることができる。ドリル用ビット42が骨1の中で最終穴あけ位置に移動されると、穴あけ工具43をドリルスリーブから分離させることなく、計測器44がドリルスリーブと連結され得るように、計測器44は、可撓性の定規又は測定器として形成されてもよい。特に、計測器44は可撓性であるので、ドリルスリーブの長手方向軸から離れるように曲がることができ、穴あけ工具43を取り外す必要なく、計測器44がドリルスリーブと連結されることを可能にする。したがって、穴あけ工具43を係合解除することなく、計測器44はドリル穴に挿入されるねじの長さを測定するために使用され得る。計測器44は、ドリル穴に挿入されるねじの長さを示すために、計測器に沿って目盛を含む。
【0041】
例示的な実施形態が近位大腿骨に関して説明されたが、本発明の原理はまた、他の骨用の骨プレートに適用することができることが理解されるであろう。例えば、本発明はまた、遠位大腿骨、脛骨、又は他の長骨に提供することができる。骨プレート及びワイヤ挿入器具の形状及び寸法、含まれる場合には位置決め器具及び照準器具の形状及び寸法は、本発明の原理を損なうことなく、適用する症例に従って適合されることができることが理解されるであろう。
【0042】
本発明の意図又は範囲から逸脱せずに本発明の構造及び方法に様々な修正及び変更を行うことが可能であることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、本発明の修正物及び変更物を、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に含まれるならば、包含するものとする。
【0043】
〔実施の態様〕
(1) 骨プレート(8)を骨(1)に取り付ける方法であって、
ワイヤ挿入器具(4)の第1の表面(14)が骨(1)に接するように前記ワイヤ挿入器具(4)を配置する工程と、
前記ワイヤ挿入器具(4)の前記第1の表面(14)から前記第1の表面(14)と反対側の前記ワイヤ挿入器具(4)の第2の表面(15)まで前記ワイヤ挿入器具(4)を貫通して延在する、前記ワイヤ挿入器具(4)の開口部(16)を通して基準ワイヤ(5)を挿入する工程と、
前記骨(1)の中に挿入された前記基準ワイヤ(5)から前記ワイヤ挿入器具(4)を取り外す工程と、
前記骨プレート(8)の側縁部(35)に向かって開いたスロット(36)を有する前記骨プレート(8)を前記骨(1)上で位置決めする工程であって、前記スロット(36)が前記骨プレート(8)の第1の骨に面する表面(39)から前記第1の表面(39)と反対側の前記骨プレート(8)の第2の表面(38)まで延在し、前記基準ワイヤ(5)が前記骨プレート(8)の前記スロット(36)と係合するように、前記スロット(36)を前記基準ワイヤ(5)の長手方向に対して横断方向にした状態で前記骨プレート(8)を前記基準ワイヤ(5)まで前進させることによって、位置決めする工程と、を含む、方法。
(2) 前記骨プレート(8)を位置決めする工程の前に、位置決め器具(7)を前記骨プレート(8)に実装する工程を含み、前記骨プレート(8)を位置決めする工程が前記骨プレート(8)に実装された前記位置決め器具(7)によって行われる、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記骨プレート(8)が前記骨プレート(8)の第2の表面(39)に表面構造を有し、前記位置決め器具(7)が前記骨プレート(8)の前記表面構造(38)に相補的な表面構造を有し、
前記位置決め器具(7)を前記骨プレート(8)に実装する工程の前に、前記位置決め器具(7)の前記表面構造を前記骨プレート(8)の前記表面構造に接するように配置する工程を含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記位置決め器具(7)が前記位置決め器具(7)の片側に向かって開いたスロット(26)を有し、
前記位置決め器具(7)を前記骨プレート(8)に実装する工程で前記位置決め器具(7)の前記スロット(26)が前記骨プレート(8)の前記スロット(36)と整列し、
前記骨プレート(8)を位置決めする工程で前記基準ワイヤ(5)が前記位置決め器具(7)の前記スロット(26)と係合する、実施態様2又は3に記載の方法。
(5) 第1の軸方向通路(41)と前記第1の軸方向通路(41)に平行である第2の軸方向通路(40)とを有するスリーブ(6)を、前記位置決め器具(7)の前記スロット(26)と、前記スロット(26)に接していて前記位置決め器具(7)を貫通して延在する通し穴(21)と、に挿入する工程であって、前記スリーブ(6)の前記第1の軸方向通路(41)が前記基準ワイヤ(5)を介して誘導される、工程を含む、実施態様2〜4のいずれかに記載の方法。
【0044】
(6) 前記スリーブ(6)の前記第2の軸方向通路(40)を通して前記骨(1)に穴をあけるための少なくとも1つのツール(12)を挿入する工程を含む、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記スリーブ(6)の前記第2の軸方向通路(40)を通して、前記位置決め器具(7)の前記通し穴(21)を通して、及び前記骨プレート(8)の通し穴(31)を通して、骨アンカーを前記骨(1)に挿入する工程を含む、実施態様5又は6に記載の方法。
(8) 穴をあけるツール(42、43)が前記第2の軸方向通路(40)の中に挿入されると前記スリーブ(6)の前記第2の軸方向通路(40)の長手方向軸から離れて曲がる可撓性のある測定器(44)が前記スリーブ(6)に留められる、実施態様5〜7のいずれかに記載の方法。
(9) 前記骨(1)の中に的を絞ってドリルで穴をあけるための少なくとも1つのドリルスリーブ(11)を誘導するように構成される照準器具(10)を前記位置決め器具(7)に実装する工程を含む、実施態様2〜8のいずれかに記載の方法。
(10) 前記ワイヤ挿入器具(4)を前記骨(1)に接するように配置する工程の前に前記骨(1)の中に配向ワイヤ(3)を挿入する工程を含み、前記ワイヤ挿入器具(4)によって挿入された前記基準ワイヤ(5)が、前記骨(1)の中に先に挿入された前記配向ワイヤ(3)が置かれる面に平行である面に置かれるように、前記ワイヤ挿入器具(4)が前記骨(1)に接するように配置される、実施態様1〜9のいずれかに記載の方法。
【0045】
(11) ワイヤ挿入器具(4)であって、
規定されたやり方で骨(1)に接して配置されるように形成された表面を有する第1の側(14)、及び前記第1の側(14)と反対側の第2の側(15)を有する基部(12)と、
前記第1の側(14)から前記第2の側(15)まで前記基部(12)を貫通し、基準ワイヤ(5)を受け入れ規定された方向に前記基準ワイヤ(5)を誘導するように長さを有して構成される開口部(16)と、
前記第2の側(15)から離れて延在するハンドル又は脚部(13)と、を含む、ワイヤ挿入器具。
(12) ハンドグリップ(9)を留めることができるハンドル連結部(17)が前記ハンドル又は脚部(13)に形成されている、実施態様11に記載のワイヤ挿入器具。
(13) 規定されたやり方で骨(1)に接して配置されるように形成された前記表面が前記表面から突き出る少なくとも1つのマンドレル(18)を有する、実施態様11又は12に記載のワイヤ挿入器具。
(14) 規定されたやり方で骨(1)に接して配置されるように構成された前記表面が規定されたやり方でヒトの近位大腿骨に接して配置されるように構成されている、実施態様11〜13のいずれかに記載のワイヤ挿入器具。
(15) 骨固定キットであって、
規定されたやり方で骨(1)に接して配置されるように形成された表面を有する第1の側(14)、及び前記第1の側(14)と反対側の第2の側(15)を備える基部(12)を有し、前記第1の側(14)から前記第2の側(15)まで前記基部(12)を貫通し、基準ワイヤ(5)を受け入れ規定された方向に前記基準ワイヤ(5)を誘導するように長さを有して構成される開口部(16)を有し、かつ前記第2の側(15)から離れて延在するハンドル又は脚部(13)を有する、ワイヤ挿入器具(4)であって、好ましくは実施態様12〜14のいずれかに記載のワイヤ挿入器具(4)である、ワイヤ挿入器具(4)と、
骨プレート(8)であって、第1の骨に面する表面(39)、及び前記第1の表面(39)と反対側の第2の表面(38)と、前記骨プレート(8)の側縁部(35)に向かって開いたスロット(36)とを有し、前記スロットが前記骨プレート(8)の前記第1の表面(38)から前記骨プレート(8)の前記第2の表面(39)まで延在する、骨プレート(8)と、
位置決め器具(7)であって、規定されたやり方で前記骨プレート(8)に接して配置されるように形成された第1の表面(24)、及び前記第1の表面(24)と反対側の第2の表面(25)を備える基部(22)を有し、前記基部(22)が前記位置決め器具(7)の側縁部に向かって開いたスロット(26)を有し、前記スロットが前記位置決め器具(7)の前記第1の表面(24)から前記位置決め器具(7)の前記第2の表面(25)まで延在する、位置決め器具(7)と、を含む、骨固定キット。
【0046】
(16) 基準ワイヤ(5)を含み、前記位置決め器具(7)の前記スロット(26)及び前記骨プレート(8)の前記スロット(36)は、前記位置決め器具(7)が前記骨プレート(8)に実装されたときに互いに整列するように、また、前記基準ワイヤ(5)と係合するように構成されている、実施態様15に記載の骨固定キット。
(17) 第1の軸方向通路(41)と前記第1の軸方向通路(41)に平行である第2の軸方向通路(40)とを有するスリーブ(6)を含み、前記スリーブ(6)が、前記位置決め器具(7)の前記スロット(26)と、前記位置決め器具(7)の前記スロット(26)に接していて前記位置決め器具(7)の前記基部(22)を貫通する通し穴(21)と、に受け入れられるように構成されている、実施態様15又は16に記載の骨固定キット。
(18) ドリルスリーブ(6;11)に留められ、かつ穴をあけるツール(42、43)が前記ドリルスリーブ(6;11)の中に挿入されると前記ドリルスリーブ(6;11)の長手方向軸から離れて曲がるように構成されている、可撓性のある測定器(44)を含む、実施態様15〜17のいずれかに記載の骨固定キット。
(19) 前記骨(1)の中に的を絞ってドリルで穴をあけるための照準器具(10)を含み、前記照準器具(10)は、第1の表面、及び前記第1の表面と反対側の第2の表面を有し、ドリルスリーブ(11)を受け入れるように構成された少なくとも1つの通し穴が前記照準器具の前記第1の表面から前記照準器具の前記第2の表面まで前記照準器具(10)を貫通して延在し、前記照準器具(10)が、前記位置決め器具(7)に実装可能であり、前記位置決め器具(7)によって前記骨プレート(8)に対して位置決めが可能である、実施態様15〜18のいずれかに記載の骨固定キット。