【課題を解決するための手段】
【0023】
その方法に関して、この目的は、処理剤の少なくとも一部は、切り口に直接的に塗布されないが、ロードキャリアが導入され、そのロードキャリアは処理剤を吸収し、そうすることで、そのときに生み出されたアクティブに殺菌する雰囲気が、包装スリーブ、ブランクまたはウェブ材料の開いた切り口に作用し、所望の殺菌を行うことから達成される。
【0024】
この点で、包装製品の承認された既知の利用が影響を受けることなく、厚紙の十分な深さまで殺菌を実現することができる。「十分な深さ」はそれぞれ用いられる生産方法によって決定される。シームが超音波によって形成される場合は、約2から3mmの深さまで殺菌を実行して、シーリングプロシージャの間に汚染されたダストが開いた縁部から押し出されるのを確実に阻止しなければならない。シームがマイクロ波によって閉じられる場合は、10分の数ミリメートルの深さでも足りる。
【0025】
処理剤または処理剤の少なくとも一部は、好ましくは、蒸発およびその後の吸収によって(1つまたは複数の)開いた切り口に間接的に移される。
【0026】
本発明のさらなる教示が、生み出されたアクティブに殺菌する雰囲気が容器によって周囲から隔てられることを提供する。この点で、容器の少なくとも各部分、好ましくは、内側の各部分が、好ましくは、処理剤で濡らされる。
【0027】
本発明のさらなる構成では、容器は、1つもしくは複数の包装スリーブ、(1つまたは複数の)ブランクまたは(1つまたは複数の)ロールを格納および/または輸送するために使用される被覆箱である。この点で、本発明のさらなる構成によれば、被覆箱の内側の少なくとも各部分領域が処理剤で濡らされる。
【0028】
紙/プラスチック複合包装材料の例示的な生産の間は、キャリア層が、一般には、紙または厚紙が最初にコーティングされ、このようにして複合材料が生産される。次いで、複合材料は、しわの線および折り目が入れられる前に印刷される。こうした加工ステップの後に、ウェブ材料が、概して、ロール状の材料として存在し、次いで、本発明の状況内で処理することができる。しかし、本発明の方法による処理の前に、第一に、さらなるステップで、ブランクが、好ましくは、ウェブ材料から打ち抜かれ、層になるように積まれる。したがって、これらのブランクから、側方の切り口を折り畳んで接合(長手方向のシームをシーリング)することによって、上部および底部が開いた包装スリーブを生産することが可能であり、それらの包装スリーブは、平坦になるように折り畳まれ梱包された状態で充填工場に送ることができる。本発明による方法は、好ましくは、包装スリーブの梱包に関連して実行され、したがって、充填機の無菌領域では実行されないが、その代わりに充填機の外で実行される。
【0029】
包装スリーブまたはブランクが、巻き上げられたウェブ材料から生産されるときは、それぞれ完全に開いた切り口からなる円柱形のロールの平面状の端部面がそれに応じて殺菌される場合は、個別のブランクが長さに切断される前に本発明による方法を利用することができる。
【0030】
巻き上げられたウェブ材料から直接的に包装が生産される場合は、それぞれ完全に開いた切り口からなる円柱形ロールの端部面はそれに応じて殺菌することができる。
【0031】
消毒薬のための温置時間が便宜上設けられる。前記温置時間は、通常、数分から数時間の範囲にあり、ブランク、包装スリーブおよび巻き上げられたウェブ材料を充填機に輸送する時間の間に確実に縁部を消毒するのに十分である。処理剤は、通常、恒久的に包装材料内にある。そのときに、ブランク、包装スリーブおよび巻き上げられたウェブ材料の縁部領域は、数日から数か月にわたって菌がないままである。
【0032】
製品、すなわち、包装材料、特に、それから形成される無菌の包装に関して、本発明の目的は、少なくとも1つのパルプ/厚紙層は第1の部分領域および少なくとも1つの第2の部分領域を有し、第1の部分領域はパルプ/厚紙1グラム当たりのコロニー形成単位が少なくとも100の負荷を有し、少なくとも1つの第2の部分領域は、第1の部分領域と比べるとパルプ/厚紙1グラム当たりのコロニー形成単位が最大で半分の負荷を有することから実現される。
【0033】
言及する特性をより正確に定義するためにここで明示する判定方法の、以下に提示するより詳細な説明をさらに参照する。
【0034】
本発明による特性を有する包装材料の構成により、100CFU/g未満の負荷を有するパルプ/厚紙層で複合材料を形成する必要なしに、内部に収容される充填材料を長期間にわたって確実に保護する、質の高い複合包装を生産することが可能である。その結果、複合包装モデルの環境バランスを有意に改善することも可能である。細菌負荷についてパルプ/厚紙層への要求が低いことから、化学物質をほんのわずかしか使用せずに生産される厚紙の質を加工することが可能である。
【0035】
本発明の特定の構成では、第1の部分領域でも、少なくとも250CFU/g、好ましくは、少なくとも500CFU/g、特に好ましくは、少なくとも1000CFU/gの負荷を有する。
【0036】
その結果、環境は特定の範囲にわたって保護される。というのは飲料用カートンのための従来の特定のタイプの厚紙生産プロセスは、汚染化学物質の使用に大いに頼らなければならず、さらに、エネルギー要件も標準的な厚紙生産と比べると高いからである。
【0037】
それぞれの包装スリーブの少なくとも1つの開いた切り口は、消毒薬が十分に浸透する。このことは、切り口に設けられ少なくとも1つの第2の部分領域を形成する周囲領域が、最大半分である十分に低い細菌負荷にまで減少することを意味する。
【0038】
「切り口の周囲領域」は、開いた縁部と接触するかまたは開いた縁部によって境界を定められるような領域を指すと理解され、周囲領域は深さが少なくとも0.3mm、好ましくは、深さが少なくとも1.5mmとすべきである。無菌包装内の食材の汚染を特に確実に阻止できるようにするために、周囲領域の厚さが最大2mm、好ましくは、それどころか厚さが3mm、またはそれどころか厚さが5mmであることがさらに好ましい。
【0039】
第1の部分領域と少なくとも1つの第2の部分領域との面積比、または第2の部分表面が複数ある場合は、第2の部分表面の表面全体との面積比は、好ましくは、約8:1と約60:1との間にある。この点で、少なくとも1つの第2の部分領域は、常に、定義された形状、好ましくは、リング面またはストリップ形状を形成する。表面のサイズは、(その後の)複合包装のフォーマットおよび少なくとも1つの第2の部分領域を形成する周囲領域の幅に応じて変わり、すなわち、処理剤の(切り口から包装材料の表面の内部まで測定される)浸透深さに応じて変わる。
【0040】
特定の包装フォーマットまたは特定のタイプの包装に基づいて、第1の部分領域と少なくとも1つの第2の部分領域の分布は反復模様を形成する。これは、第1の部分領域および少なくとも1つの第2の部分領域は、具体的には、複合包装の展開したものにランダムに分布されないが、その代わりに、タイプに基づいた反復模様に従うことを意味する。例えば、展開された複合包装の表面は矩形を形成することができる。その表面は、4つの縁部のうちの1つに沿って延びる周囲領域によって形成される個々の第2の部分領域までは、第1の部分領域によって満たすことができる。対応する複合包装のタイプに関して第2の部分領域が2つ設けられる場合は、それらの第2の部分領域は、両側の縁部または互いに直角に当接する縁部上の周囲領域によって形成することができる。それぞれの縁部によって境界を定められる4つの周囲領域が全て第2の部分領域を形成し、そうすることで、第1の部分領域を完全に枠に入れることも可能である。例えば、第1の部分領域によって形成される表面の内側に円形の穿孔が設けられる場合は、環状の第2の部分領域が周囲領域として、穿孔によって形成される縁部にまたはその周りに当接することが可能である。この第2の部分領域の位置も、一連の複合包装のタイプ内で一様に繰り返される。
【0041】
本発明のさらなる教示が、少なくとも1つのパルプ/厚紙層が再生繊維の各部分を有することを提供する。
【0042】
食材の包装など、影響されやすい使用の場合は、再生繊維を含む厚紙ウェブはこれまで不可能であった。というのは、そうしたウェブは不純物または汚染物質の定義不能な質および量を有することがあるからである。本発明による方法または製品の使用により、事実上世界中で十分に利用できるこうした環境学的に有意義な資源を、無菌状態になるように包装される食材、したがって、具体的には、いわゆるUHT牛乳を保護するために初めて使用することもできる。
【0043】
本発明の別の構成は、第1の部分領域と比べると、第2の部分領域が、パルプ/厚紙1グラム当たりのコロニー形成単位が最大で4分の1、好ましくは、10分の1、最も好ましくは100分の1の負荷を有することを提供する。パルプ/厚紙1グラム当たりのコロニー形成単位の負荷がさらに実質的に小さい分数を想定できることでさえも可能である。その結果、充填材料に対する汚染のリスクがさらに低下する。
【0044】
本発明のさらなる構成によれば、切り口に位置する周囲領域は、最大10CFU/g、好ましくは、最大5CFU/g、最も好ましくは、1CFU/g未満を有する。その結果、極めて良好な殺菌率を実現することができる。そうすることで、さらに、アルミニウムなしの複合材の場合は特に、完成形の包装および保護される充填材料の保存期間を延長することもできる。
【0045】
本発明のさらなる教示によれば、第2の部分領域の少なくとも1つは、開いた切り口または穿孔縁部によって境界を定められる。この点で、開いた切り口または穿孔縁部に沿って生じ、消毒薬が浸透する「周囲領域」は、厚さが少なくとも0.3mm、具体的には、厚さが1.5mm、特に好ましくは、厚さが少なくとも2mmである。
【0046】
第2の部分領域は、好ましくは、第2の部分領域の境界を定める切断縁部または穿孔縁部に実質的に平行に延在する想像線によって、第1の部分領域から境界を定められる。
【0047】
処理剤は、好ましくは、蒸発およびその後の吸収によって、包装材料の(1つまたは複数の)開いた切り口に間接的に移される。そのために、具体的には、容器の、具体的には、被覆箱の内側の少なくとも各部分領域が処理剤で濡らされるか、または容器に挿入されるかもしくは添付されるキャリア要素がロードキャリアとして用いられる。
【0048】
容器の、具体的には、外側包装の内側の全部分または選択された部分(内部に挿入されるかもしくは添付される被覆箱またはロードキャリア)は、具体的には、容器が閉じられる前または後に、処理剤、したがって、殺菌溶液が導入される。これは、好ましくは、閉止前に実行される。
【0049】
容器が段ボールの被覆箱である場合は、これは、被覆箱に梱包されたスリーブの上側または下側の開いた厚紙縁部を通して、導入された被覆箱フラップから殺菌剤が吸収されるという利点をもたらす。直接生産ラインの外で、例えば、隣接する部屋で被覆箱が処理剤を施される場合は、特許文献3による包装スリーブの殺菌と比べて既に有意に低下された作業負荷を、さらに低下させることができる。この点で、折り畳み式の箱として存在する被覆箱が折り畳まれる前またはその最中に導入される場合は、なおさら特に好ましい時もある。
【0050】
カートンが閉じられた後に、容器、好ましくは、被覆箱によって封入される雰囲気の、例えば針を用いた「注入」が可能であり、適切な領域で、例えば、上部の空き空間で被覆箱を1回または複数回穿孔しなければならない。被覆箱の内側に、それが閉じられる前に、ロードキャリア、例えば、フェルトストリップを加えることも可能であり、閉じられた後で、針が処理剤をロードキャリア中に注入できるように針によって穿孔することが可能である。このようにして、周囲は、処理剤に含有される活性成分によって、事実上汚染されない。
【0051】
そのために、本発明のさらなる構成では、容器は弁を備えることもできる。弁の使用は、処理剤が容器から再排出されることを効果的に防止し、過度の拡散を防止する。弁は、機械的逆止弁または穿孔可能な自己閉止膜として構成することができる。機械弁を設けることは、再利用可能な容器の場合は特に有利なことがあり、自己閉止膜は、外側または内側から容器に非常に簡単に添付することもでき、少なくとも1回限りの使用に関しては適切な保護を与える。
【0052】
処理剤は、好ましくは、適切な染料で着色されている。したがって、塗布された場所を目視で確かめることが簡単である。これは、管理目的で用いることができる。さらに、包装材料の開いた切り口によってアクティブに殺菌する雰囲気から消毒薬と共に吸収される染料が使用される場合、包装材料そのものから、単純な目視のチェックによって処理が完了したことを検証することも可能である。この点で、周囲領域への処理剤の浸透深さを見ることもできる。したがって、染料が処理済みの縁部を変色させることが好ましい。
【0053】
本発明のさらなる教示が、本発明による複合包装が請求項10〜16の何れか一項に記載の包装材料から生産されることを提供する。
【0054】
平坦になるように折り畳まれた複数の包装スリーブ、ブランクまたはロールになるように巻き上げられたウェブ材料を受けるための、本発明による容器は、容器の内側の少なくとも各部分が、処理剤で濡らされているかもしくは処理剤を備え、かつ/または、処理剤を備えるロードキャリアが容器の内側に設けられることを特徴とする。さらに、周囲への処理剤の移動を確実に防止するために、好ましくは、容器の外面を少なくとも穿孔領域でシールすることができる。実施形態を参照しながら本発明による容器を以下により詳細に説明する。
【0055】
噴霧、滴下、およびその後の塗り付け、コーティング、ローラー掛け、押し当て、へら掛け、印刷(例えば、「インクジェット」法)、浸漬または蒸発によって、外側包装は、適切な領域に、例えば、被覆箱のフラップの内側に、消毒薬、例えば、過酸化物溶液を含有する処理剤を導入することができる。すでに言及したように、注入として導入プロシージャを実行することもできる。
【0056】
殺菌剤が導入されたストリップ、インサートシートまたは他のキャリア材料を加えることによって、容器に入れて輸送される包装材料の縁部に消毒薬を導入することができる。
【0057】
この点で、ロードキャリアがアキュムレータとして構成され、液体の処理剤で充填でき、その後処理剤を周囲に再度放出する場合は、そのことが有利な時がある。具体的には、そのためには有孔または多孔性の格納材料が適切である。
【0058】
容器に、特に、被覆箱に梱包された、平坦になるように折り畳まれた包装材料は、概して、数日間の間に輸送される。その間に、開いた厚紙縁部および容器または外側包装の細菌の減少または殺菌は吸収される殺菌剤によって行われる。この点で、驚くべきことに、消毒薬の濃度が非常に低いにもかかわらず、顕著な消毒率が実現されることが分かった。低濃度の消毒薬が、効果的な曝露時間として容器内で長い滞留時間を利用できることが想定される。したがって、生み出されるアクティブに殺菌する雰囲気は、数時間またはさらに数日にわたる長期間、効果的な範囲内に維持することができる。このように、低濃度で長い曝露時間が得られる。消毒薬は、使用される量の影響下で、厚紙の周囲領域または穿孔領域に最大2mmもしくは3mmまたはさらに深く浸透する。これは、パルプ/厚紙層のそこにある繊維が静止しないものとされ、そうすることで、繊維上の菌も束縛されず、パルプ/厚紙層から繊維と共にダストとして逃げることができるので重要である。
【0059】
曝露時間は、厚紙の特定のタイプおよび坪量に基づいて、それぞれの場合に、使用される処理剤およびそれに含有される添加剤、投与量、予期される消毒率および外気温に影響される。
【0060】
生産される包装に使用される厚紙は親水性であり、最終製品として、概して約5.5%から8.5%の相対含水率を有する、すなわち、厚紙の含水率が一般の環境条件から生じる飽和制限をずっと下回り、概して、周囲に関する平衡含水率に等しいので、厚紙の縁部を通る処理剤の吸収が可能である。
【0061】
活性薬剤、したがって、ここでは消毒薬よりも蒸気圧が低い極性有機溶媒の添加は、促進剤として働く。このように、例えば過酸化物溶液へのエタノールの添加は、切り口の吸収作用を促進し、厚紙への過酸化物の浸透を強化する。これは、切り口への消毒薬のより深い浸透を可能にし、そうすることで、消毒薬とエタノールの比が適切な場合に、数時間後でも深さ数ミリメートル程度まで、処理される包装材料の周囲領域を殺菌することができる。
【0062】
エタノールは、その蒸気圧が活性媒体より低い場合に、概して促進剤として働く極性有機溶媒の群に属する。混入される極性有機溶媒の蒸気圧が活性媒体より高い場合は、溶媒は抑制剤として働く。より高い蒸気圧を有する溶媒の一例が、ダウ・ケミカル社(DOW Chemical Company)に属するブランド化された製品であるダワノール(登録商標)(DOWANOL(登録商標))である。概して、低分子量の極性有機溶媒が低い蒸気圧を有し、高分子量の有機溶媒が高い蒸気圧を有すると述べることができる。
【0063】
さらに、一部の殺菌剤の殺菌効果は相乗的に増強される。
【0064】
<判定方法>
【0065】
請求項に言及される特性のより正確な定義を提示するために、以下の判定方法が設定される。
【0066】
<1グラム当たりのコロニー形成単位(CFU/g)の判定>
【0067】
欧州標準方法ISO8784−1:2005およびこれらの試験規則で提示される基準が、1グラム当たりのコロニー形成単位(CFU/g)を判定するための基礎として選択される。試験規則は、ここで、厚紙、プラスチックおよび場合によってはアルミニウムからなる包装材料または複合材料のCFU/g負荷を調査するために適用される。包装材料のサンプリングおよびCFU/gの判定を実行するときに、列挙される試験規則からの逸脱が必要な場合は、以下に説明する。
【0068】
<1.1.1 サンプリングおよび試料調製>
【0069】
採取される包装材料の試料を手で触ってはならない。試料は、殺菌のサンプリング容器に、好ましくは、殺菌のプラスチック製の袋に格納される。検査される領域は殺菌のはさみを用いてバラバラに切断される。「検査される領域」とは、
a.周囲領域ではない、請求項10に記載の第1の部分領域(開いた切り口から少なくとも10ミリメートル離れた試料)
b.包装材料の開いた切り口または穿孔縁部(開いた切り口から最大3ミリメートルまで)にある、請求項10に対応する第2の部分領域または周囲領域
である。
【0070】
欧州標準方法ISO8784−1:2005、第8章「試験材料の準備(Preparation of the test material)」を補うために、最大3gの包装材料が第1の部分領域のために使用される。最大3gの包装材料は第2の部分領域のためにも使用される。試料から得られる材料が不十分な場合は、最大5個の同一試料の第2の部分領域が一緒に使用される。
【0071】
<1.2 表面にある細菌の個数の任意判定>
【0072】
サンプリングの前に、菌の内部の存在に加えて、包装材料の試験片も表面が汚染されることが可能である。表面にある細菌の個数を別個に判定し、表面にある細菌の個数を、1.1下で判定された1グラム当たりのコロニー形成単位の数値から減算することによって、包装材料のCFU/gを判定する際にエラーを防止することが可能である。
【0073】
<1.2.1 用語および略語>
【0074】
ml=ミリリットル
h=時間
CFU=コロニー形成単位
℃=摂氏温度
g=グラム
mm=ミリメートル
cm=センチメートル
【0075】
<1.2.2 必要な補助器具および用具>
【0076】
コンタクトペトリ皿(プラスチック)φ5.5cm(例えば、Greiner Bio-One社の629180)
ピンセット
カッターの刃
殺菌のプラスチックの袋またはアルミニウム箔
殺菌剤
インキュベーター
殺菌作業台
培地:平板計数寒天(例えば、Oxoid社のNo.CM325、Merck社のNo.105463、Difco社のNo.247940として市販されている)
【0077】
<1.2.3 実施>
【0078】
包装材料の面積240cm
2が試料ごとに試験される。コンタクトペトリ皿が24cm
2の面積を有する。したがって、上記で言及された領域を検査するために、試料ごとに10個のコンタクト皿が用意される。
【0079】
寒天がペトリ皿の縁部の上に突出する(アーチ状に覆う)が、縁部を越えてはみ出すことはない、十分な培地が、殺菌のペトリ皿に取り入れられる。用意された、冷却されたコンタクト皿は、指定条件下で閉止および温置される包装材料の表面に押し付けられる。
【0080】
試料は殺菌のピンセットだけで触れられ、コンタクト皿は包装の開いた縁部と接触しないような、取り扱いがなされるべきである。
【0081】
ペトリ皿は、濃縮が起きないように蓋を下にしてインキュベーター内に配置される。
【0082】
培地:平板計数寒天が、表面にある細菌の計数に用いられる。
【0083】
温置:平板計数寒天は、30℃で5日間温置され、それに続いて評価が実行される。
【0084】
<1.2.4 評価>
【0085】
試料のコンタクトプレートに存在するコロニーは全て計数される。結果は、CFU(コロニー形成単位)/100cm
2に変換され、記録される。得られる値は、調査される領域の表面に変換され、数値として1グラム当たりのコロニー形成単位の値から減算される。
【0086】
<例>
【0087】
本発明による方法の現実的な実施のために、例えば、
− 蒸発抑制剤(例えば、ダワノール(登録商標))
− 表面張力低下剤、例えば、アルコール部分(抑制剤、表面活性剤などの表面活性物質を有するアルコール部分)
− 過酢酸3〜15%
− ノルマルまたはイソプロパノール
− 他の殺胞子性の活性薬剤
の添加があってもなくても、3.5%から50%の過酸化水素溶液を処理剤として使用することができる。
【0088】
溶液は、水またはアルコール(エタノール)と混合して処理することができ、この点で、有毒な残留物がないかまたは完全に揮発可能である。もちろん、処理剤は、過酸化水素溶液の代わりに別の適切な消毒薬を有することもできる。
【0089】
12の使用例を表1に列記する。以下の基本的条件をそれらの例に適用する。
【0090】
CFU/gは、方法に記載された基準およびプロセスに従って評価した。処理した包装材料は、厚紙層として坪量230g/m
2のStora Enso社のNatura Boardによる厚紙を有する。別段の明示がない限り、容器1つに包装スリーブを350個格納した。
【0091】
容器は以下の特徴を有する。
被覆箱:W:60cm;H:19cm;D:10.5cmの寸法の、段ボールから生産された容器
プラスチック箱:W:60cm;H:19cm;D:10.5cmの寸法の、ポリプロピレンから生産された、蓋付き容器
シュリンクフィルム:W:1m;L:2.5m;厚さ:20μmの寸法の、ポリオレフィンから生産されたフィルム
導入された紙キャリア:DIN A4、坪量150g/m
2のパルプ
【0092】
処理剤は以下の化学物質から生産される。
H
2O
2溶液:Peroxal DS 35%のH
2O
2溶液(食材品質)
エタノール:MEK(1%)でメチル化した工業用エタノール(99%)
メタノール:工業用メタノール(98%)
ダワノール:Dowによる1−メトキシ−プロパノール−2
【0093】
【表1】
【0094】
要約すると、本発明の利点は、以下のように概説することができる。
− 処理剤は、被覆箱のフラップに定められたようにして塗布することができる。
− 縁部に直接噴霧するのと比べると消毒薬の消費が最低限。そうすることで、作業環境に対する潜在的リスクおよび汚染は有意に低減される。
− 直接の噴霧による過剰な導入は避けられる。
− 厚紙フラップとスリーブ縁部または穿孔との間の吸収交換のための時間は、生産場所から充填ステーションまでの輸送によって十分に設けられる(多くの場合に3日超)。
− 被覆箱のフラップの処理剤を染めることによる識別、したがって、良好な塗布および投与量管理が可能である。
− 吸収量が最小限であることにより、包装材料が充填機内で加工される前に検出できるような消毒薬の残留量、例えば、過酸化物の残留量はない。したがって、健康へのリスクが阻止される。
− 包装の外側の目に見える領域に影響がない。具体的には、複合包装の販売に重要な印刷画像は影響を受けず、隣接する包装スリーブは、充填機に送られるときに一緒に貼り付くことが事実上防止される。
− 処理剤、具体的には、過酸化物溶液は、事実上開いた切り口にアクティブに吸収されるので切り口にのみ作用する。包装の残りの部分には負荷がない。
【0095】
以下では、単に実施形態を例示する図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。