(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
組織、例えば患者の心臓の経中隔組織の穿刺に使用するデバイスは、典型的には本来、機械デバイス若しくは電気手術デバイスのいずれかである。一部の電気手術デバイスは、サイドポートを組み込んでおり、前向き管腔開口を有さないため、例えば、デバイスが密に嵌まり込んでいる拡張器管腔の内部に閉じ込められている場合、流体を効果的に注入することも、流体圧力を監視することもできない。更に、場合によっては案内ワイヤをサイドポートに通し、サイドポートによって受け入れることが可能であるが、一般に、前向き開口のないデバイスは、案内ワイヤをデバイスと共に使用することが容易ではない。対照的に、前向き開口を有するデバイスは、典型的には、流体の注入、圧力の監視にはより効果的であり、典型的には、サイドポート・デバイスよりも案内ワイヤの使用をより容易にする。
【0017】
急傾斜する先端を有する従来のブロッケンブロー経中隔針は、前向き開口を有し、流体の注入若しくは圧力の監視に使用することができる。しかし、従来の経中隔針は、典型的には、組織の穿刺に機械的な力を用いるが、この力は、いくつかの状況では組織の穿刺に有効ではない。機械的な穿刺を容易にしないという組織の穿刺に対する問題を対処するために、一部の医師は、機械針を帯電させ、それにより前向き開口を有する専用電気手術デバイスを作製するために、電気焼灼生成器等を使用してきた。ブロッケンブロー針を帯電させることの1つの欠点は、組織のコアリングの危険性である。組織のコア(若しくは栓)は、典型的には、エネルギー送達時に周囲組織から切除され、その後、針が組織を通って前進する際に電気手術デバイスの管腔内に取り込まれる。組織のコアは、洗い流すことによって管腔から放出させることができるが、場合によっては、塞栓をもたらし、脳卒中若しくは何らかの他の虚血性事象の危険性を増加させる。更に、絶縁せずに帯電させたブロッケンブロー針は、患者及び医師の火傷といった更なる危険性の増大をもたらす。
【0018】
本開示は、電気手術デバイスの様々な実施形態を含み、この電気手術デバイスは、細長い最初の穿刺部をもたらす遠位面を含み、細長い最初の穿刺部は、デバイスを前進させたときに拡張するように構成される一方で、組織のコアリング及び塞栓形成の危険性を低減する。デバイスの実施形態は、前向き管腔開口も有し、圧力の監視、流体の前向き送達を実現し、案内ワイヤとの使用を容易にする。
【0019】
典型的な実施形態では、電極の遠位表面は、少なくとも1つの細長部分を画定し(端から見た場合)、デバイスは、少なくとも1つの細長部分と対応する穿刺部をもたらし、それにより、1つ若しくは複数の組織の垂れ蓋(flap)を画定し、この垂れ蓋は、デバイスを前進させると、デバイスの遠位面により横にずらすことができる。細長電極という用語は、非円形で、一方の寸法が他方の寸法よりも長いと言える電極を説明するために使用する。いくつかの実施形態では、電極の遠位表面は、一般に、C字形状、U字形状、半円形状、円の一区分のような形状、円弧のような形状、弓形、三日月形状、長方形形状、概ね直線、若しくは星形状(即ち、中心点から放射状に広がる区分を有する)である細長形状を画定する。いくつかの実施形態は、一対の概ね平行な電極を有し、これらの電極は、概ね直線(若しくは長方形形状)であり、双極エネルギーを送達させるように動作可能である。本開示は、断面が概ね円形である電気手術デバイスを記載する一方で、本開示の概念及び特許請求の範囲は、非円形デバイス、例えば正方形形状、楕円形形状にも適用される。更に、いくつかの実施形態は、組織の穿刺に使用する電極が前向き管腔開口を完全に包囲若しくは取り囲まないように構成し、それにより、組織のコアリングを生じさせる可能性のあるリング形状電極を有さないようにする。
【0020】
したがって、本発明者等は、心房中隔等の組織を穿刺する手術デバイスを考案し、これを実行するに至ったものであり、この手術デバイスは、中隔を着色するために前向き流体送達を可能にし、帯電させたブロッケンブロー針若しくは同様のデバイスと比較して、組織をコアリングする危険性はより少ない。デバイスは、少なくとも1つの開口を画定する遠位面を備え、遠位面は、少なくとも1つの切断部分及び少なくとも1つの非切断部分を含み、少なくとも1つの切断部分及び少なくとも1つの非切断部分は、電気エネルギーが遠位面に送達されると組織内に細長切断部をもたらすように協働する一方で組織のコアリングを防止する。典型的な実施形態は、処置部位まで案内ワイヤの上を前進させることができる。
【0021】
次に、特定の図面を詳細に参照するが、図示する事項は、例としてであり、本発明の特定の実施形態の例示的な説明の目的にすぎないことを強調する。本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明若しくは図面に示す構造の細部及び構成要素の構成への適用例に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であるか、又は様々な様式で実践若しくは実行することができる。また、本明細書で用いる言い回し及び用語は、説明の目的であり、限定と見なすべきではないことを理解されたい。
【0022】
図1は、ハンドル及びシャフトを含むデバイスの一実施形態の図である。
図1の電気手術デバイス120は、細長部材102、絶縁材105及び遠位部分110から構成される。ハンドル101は、細長部材102の近位端に機械的に結合される。細長部材102は、管腔(
図4a)を画定する。遠位部分110は、電極103、及び開口を画定する遠位面104を含む(本明細書の以下で更に説明する)。実施形態は、流体流線140で表されるように、流体を前方に導くように動作可能である。前向き開口は、デバイスを案内ワイヤと共に使用することを容易にする。
【0023】
電気手術デバイス120のいくつかの実施形態は、絶縁材105を含み、絶縁材105は、デバイスの細長部材102のシャフト及び/又は遠位面104の一部分を覆う。絶縁材は、効果的な絶縁材であり、100パーセントの絶縁材であっても、部分絶縁材であってもよいことが当業者には理解されよう。部分絶縁材層が遠位面104に位置する場合、部分絶縁材は、制限された電気エネルギーのみを部分絶縁材に流すことを可能にすることによって、デバイスを使用する際に効果的な絶縁材として機能し、電気手術デバイスを前進させて通す間、隣接する組織を加熱して組織内に空洞を生じさせるには不十分な電気エネルギーであるようにする。
【0024】
一般に、本開示では、用語「遠位面」は、電気手術デバイス全体を参照して、(内部若しくは側部表面ではなく)遠位端の方から見たデバイスの端部表面を指すために使用する。用語「遠位表面」は、デバイスの特定部の遠位端から見た端部表面を指すために使用する。いくつかの実施形態では、細長部材102の遠位表面、及び遠位面104は、例えば
図3aの実施形態のように同じ表面を指す。
【0025】
本開示の様々な実施形態は、組織を穿刺する電気手術デバイス120を含み、電気手術デバイス120は、流体を受け入れる管腔109を画定する細長部材102;少なくとも1つの開口107を画定する電気手術デバイスの遠位面104を備え、遠位面104は、少なくとも1つの切断部分103a及び少なくとも1つの非切断部分105aを含み、少なくとも1つの切断部分103a及び少なくとも1つの非切断部分105aは、電気エネルギーが遠位面104に送達されると組織内に細長切断部をもたらすように協働する一方で、組織のコアリングを防止する。いくつかの実施形態は、1つの遠位開口のみを有する一方で、他の実施形態は、2つ以上の開口を有する。いくつかの例では、デバイスは、2つの部分以上に分割される開口を有すると説明することができる。
【0026】
本開示の様々な実施形態は、エネルギー送達時に最初の部分穿刺部をもたらすように構成した少なくとも1つの切断部分103aを更に含み、最初の部分穿刺部は、少なくとも1つの切断部分に実質的に対応する。「最初の部分穿刺部」とは、エネルギー送達後、電気手術デバイスを前進させる際に組織を拡張若しくは横にずらす前、エネルギー送達によりもたらされる穿刺部である。最初の部分穿刺部は、かなり小さく、組織を拡大若しくは横にずらさずにデバイスを受け入れることはできない。上記のように、遠位面104は、細長部材102を前進させる間、前進するように構成される一方で、組織のコアリングを防止する。最初の穿刺部は、デバイスを前進させる際に、電気手術デバイス120の遠位面104によって拡大される。細長部材のシャフトが先細である場合、典型的には、前進の間、シャフトによる更なる拡大がある。
【0027】
いくつかの実施形態では、細長部材102は、心臓中隔の穿刺を容易にするために、約30cmから約100cmまでの長さを有する。いくつかの実施形態では、細長部材は、約0.40mmから約1.5mmまでの外径を有し、例えば、電気手術デバイス120を取り外した後に、穿刺により血行動態を不安定にさせないことを保証することにより、血行動態安定性を最小にする。いくつかの実施形態では、電気手術デバイス120は、硬質の細長い針である。
【0028】
電気手術デバイス120のいくつかの実施形態は、少なくとも約0.016Nm
2の曲げ剛さ、例えば約0.017Nm
2の曲げ剛さを有する細長部材102を含み、デバイスのユーザに触知できる反応を与える。
【0029】
デバイスのいくつかの実施形態は、電気手術デバイス120上で重要な目印の場所を強調するマーカを有する。そのような目印は、細長部材102が湾曲し始める場所、電極103の場所、若しくは傾斜遠位面の近位縁部の場所を含むことができる。いくつかの実施形態では、マーカは放射線不透過性である。画像マーカは、限定はしないが、リング形状の中空バンド若しくはコイルを含む異なる形状とすることができる。代替実施形態は、ディスク形状、長方形、及び細長い画像マーカを含み、これらは、他の幾何学的形状若しくは記号を画定する。
【0030】
プラスチック、他のポリマー、金属若しくは他の材料の1つ若しくは複数の層/構成要素から構成することができる細長部材102は、細長部材102の側壁内に埋め込まれたマーカを有することができ、この側壁は、全て金属であっても実質的に(大部分が)金属であってもよい。例えば、マーカを受け入れる側壁は、絶縁層で覆った側壁等、比較的薄い層のポリマーで覆うことができる。全ての金属はある程度放射線不透過性であるため、放射線不透過性マーカは、適切に機能させるため、細長部材を構成する金属よりも不透過性であるべきである。一般に、放射線不透過性マーカを有するデバイスのあらゆる実施形態に関して、放射線不透過性マーカは、細長部材102を構成するどの材料よりも不透過性である材料から構成することができる。
【0031】
図1の実施形態は、全体が真直ぐな細長部材102である一方で、代替実施形態では、細長部材は、湾曲区分を備える。いくつかの例では、湾曲区分は、約10から約25cmまでの湾曲長さを有し、円の約20°から約40°を横切る。いくつかの他の例では、湾曲区分は、約4から約7cmまでの湾曲長さを有し、円の約70度から約110度を横切る。
【0032】
典型的には、ハンドル101は、電気プラグ若しくは他の電気接続器を受け入れる接続器、及び第2の接続器、例えばルアー・ロックを受け入れる流体ポートを備える。電気エネルギーは、エネルギー源から、ハンドル101内に位置する接続器及び典型的にはワイヤ(図示せず)を通して送達することができる。次に、電気エネルギーは、細長部材102及び電極103に伝えられる。
【0033】
ハンドル101のいくつかの実施形態は、隆起を有する、比較的大きな把持可能表面を含み、例えば振動の伝達により触知できる反応を比較的効率的に伝達できるようにする。
【0034】
いくつかの実施形態では、管の一端は、流体供給源(図示せず)、例えば注射器、ポンプ、静脈内流体バッグ等に動作可能に結合され、管のもう一端は、ハンドル101の流体ポートへの接続器と動作可能に結合され、流体ポートは、ハンドルの導管(図示せず)を介して細長部材102の管腔109と流体連通し、それにより、管及び管腔109は、互いに流体連通し、したがって外部デバイスと管腔109との間に流体を流すことを可能にする。
【0035】
いくつかの実施形態では、開口107及び管腔109(例えば
図8)は共に、接続器によって外部管に結合された圧力伝達管腔を実現し、管は、圧力感知デバイス、例えば圧力変換器と流体連通する。
【0036】
図2aから
図2cは、電気手術デバイス120の一実施形態の遠位部分を示し、細長部材102は、導電性管状部材である。細長部材102は、流体を受け入れる管腔109を画定する。管腔(
図2b)内の流体は、注入、引き出すことができるか、若しくは実質的に静止させたままにすることができる。いくつかの実施形態では、導電性管状部材は、ステンレス鋼から構成される。
【0037】
導電性管状部材は、絶縁材105によって少なくとも部分的に覆われ、導電性管状部材の遠位部分は、電極103を画定するため覆わない(即ち電気的に露出させる)。遠位面の非切断部分105aは、絶縁層を備え、いくつかの実施形態(例えば
図2aからc)では、絶縁層は、管状部材のシャフトを覆う絶縁材105と同じであり、管状部材は、遠位面104にわたって延在する管状部材のシャフトを覆う絶縁材105、及び遠位面104を覆う絶縁材の両方を含み、これらは同じ種類の、個別に適用される材料である。代替実施形態では、遠位面104を覆う絶縁層は、異なる種類の絶縁材である。
【0038】
電気手術デバイスの遠位面104は、管腔109と連通する開口107を画定する。
図2bを参照すると、絶縁層(非切断部分105a)は、円の一区分の形状を有し、それにより、導電性管状部材(
図2bの切断部分103a)及び絶縁層は、開口107を画定する。
【0039】
図2aからcの実施形態では、遠位面104は傾斜しており、電気的に露出させた導電性切断部分103a、及び絶縁非切断部分105aから構成される。電極103の遠位表面は、切断部分103aを形成し、本実施形態では、切断部分103aは、遠位端の方から遠位面104を見ると、概ねC字形状若しくは弓形形状である。切断部分103aは、細長く、即ち非円形であり、その幅よりも大きな長さを有する。更に、切断部分103aは、開口107を完全に包囲若しくは囲む若しくは取り囲むのではなく、開口を部分的に囲繞する。
【0040】
遠位面104の近位部分143(
図2c)は、非切断部分105aから構成される。絶縁部分105aは、遠位面104の周縁部145から延在し、管状部材の端部表面を部分的に覆う。いくつかの実施形態では、非切断部分105aは、ポリマー絶縁材から構成され、ポリマー絶縁材は、熱収縮材料、噴霧塗装材料であっても、蒸着により選択的にコーティングした材料であってもよい。一部の代替実施形態では、非切断部分105aは、セラミックを備える。いくつかの実施形態では、導電性管状部材の遠位面は、絶縁層を中に受け入れる段状凹部を有し、これにより平坦遠位面104をもたらす(即ち段状表面がないようにする)。
【0041】
切断部分103aは、電気手術デバイスを組織内に前進させる際、電気的に露出させた切断部分103aによって送達されたエネルギーが、管腔109を実質的に閉塞することなく組織を穿刺するように構成される。具体的には、切断部分103aは、電極103の先頭表面であり、先頭表面は、エネルギー送達デバイスを前進させる一方でエネルギーを送達したときに、組織内を実際に切断する電極の切断表面(即ち切断部分103a)を画定する。電極103の遠位表面の外側周辺部は、遠位面104の周辺部の(全部ではなく)一部分を画定し(
図2a)、それにより、デバイスは、遠位面104の周辺部の(全部ではなく)一部分と対応する穿刺部をもたらし、このため、穿刺部は、組織の垂れ蓋を画定し、デバイスを前進させる際、この垂れ蓋を傾斜遠位面が横にずらす。
【0042】
図2cの電気手術デバイス120の実施形態は、実質的に丸みを帯びた若しくは非外傷性の遠位先端部146を含む。というのは、デバイスは、穿刺のためにデバイス上に鋭い先端を有する必要がないためである。丸みを帯びた先端部は、偶発的に組織を穿刺し、拡張器の支持を放棄する危険性を低減する。言い換えれば、遠位面の遠位部分142は、実質的に丸みを帯びている。いくつかの代替実施形態では、デバイスの先端部は鋭い。更に、遠位面104の平坦表面は、実質的に非外傷性である。
【0043】
図2aからcの実施形態では、遠位面は傾斜している一方で、いくつかの代替実施形態では、遠位面は、平坦な先端部を備える。そのような実施形態では、遠位面の構成は、デバイスを前進させる際、電気手術デバイス120が電気的に穿刺し、コアリングを生じることなく組織を横にずらすように動作可能にすることを可能にする。
【0044】
図3aからdは、電気手術デバイス120の実施形態を示し、導電性材料は、切断部分103aを形成し、非切断部分105aは、デバイスの遠位面上に絶縁コーティング106を備える。
図3aからdのそれぞれでは、細長部材102の遠位表面は、1つの切断部分103a及び1つの非切断部分105aを含む。代替実施形態は、2つ以上の切断部分103a及び/若しくは2つ以上の非切断部分105aを含む。いくつかの実施形態では、絶縁コーティング106は、酸化物、窒化物及びセラミックを含む群から選択される材料の非ポリマー層を備える。より特定の例は、金属酸化物、シリコン酸化物、二酸化ケイ素若しくはダイアモンド薄膜である材料の層を含む。他の実施形態では、絶縁コーティング106は、あらゆるソリッド・ステート絶縁材とすることができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、細長部材102は、導電性管状部材(例えばステンレス鋼)を備え、少なくとも1つの非切断部分105aは、細長部材102の遠位表面の一部分に沿って配置した絶縁材を備え、更に、細長部材102の遠位表面の電気的に露出させた部分は、少なくとも1つの切断部分103aを形成する。そのような実施形態は、(限定はしないが)蒸着、化学蒸着若しくはスパッタリングを含む方法により導電性金属管の上に付着させた絶縁酸化物の層によって作製することができる。この層は、管の遠位表面上にのみ付着させても、管の側部上に付着させてもよい。絶縁コーティング106の1つ若しくは複数の部分は、(限定はしないが)レーザー・アブレーション、化学エッチング若しくはプラズマ・エッチングを含む方法によって除去され、少なくとも1つの切断部分103aを形成する。代替的に、付着工程の間、マスキングを使用して少なくとも1つの切断部分103aを覆い、付着後、マスキングを除去し、電極を露出させる一方で、遠位表面の残りは、絶縁材で覆い、少なくとも1つの非切断部分105aを形成する。
【0046】
図3a及び
図3bは、電気手術デバイス120の側面斜視図及び正面斜視図のそれぞれであり、遠位面104は、傾斜表面を備える。(細長部材102のシャフト上の)非切断部分105a及び絶縁材105は、両方とも絶縁コーティング106から構成される。切断部分103aは、電極103の遠位表面から構成される。
図3cの実施形態では、細長部材102のシャフト上の絶縁材105の遠位部分は、(上述の)絶縁コーティング106から構成され、近位部分は、ポリマー105bから構成される。
図3dの実施形態では、デバイスの遠位面104は、実施的に平坦な先端部を備える。
【0047】
いくつかの代替実施形態では、少なくとも1つの切断部分は、細長部材102の内側表面に沿って遠位面104上に位置する、即ち、切断部分103aは、隣接する開口107である一方で、遠位面104の外側周縁に延在しない。
【0048】
上記の非ポリマー・コーティング(例えばセラミック、酸化物及びダイアモンド薄膜)は、典型的なポリマーよりも薄い層の状態で効果的な絶縁材として機能することができる。電気手術デバイス120のいくつかの例では、絶縁コーティングは、約1ミクロン未満の厚さの層を備える。いくつかの特定の例では、絶縁コーティングは、約100ナノメートルから約1ミクロンまでの厚さの層を備える。いくつかの他の例では、絶縁コーティングは、約1ミクロンから約50ミクロンまでの厚さの層を備える。いくつかの特定の例では、絶縁コーティングは、約1ミクロンから約25ミクロンまでの厚さの層を備え、いくつかのより特定の例では、絶縁コーティングは、約1ミクロンから約10ミクロンまでの厚さの層を備える。
【0049】
少なくとも1つの切断部分が導電性材料を備えるいくつかの代替実施形態では、遠位面の少なくとも1つの非切断部分は、部分的絶縁層から構成される。十分な組織の加熱が生じ組織を電気的に穿刺する(即ち、押す力を伴わない)電気が電極を通って流れ、デバイスの遠位面104上の効果的な部分絶縁層に印加されると、部分絶縁層を通って多少の電流をもたらすが、この電流は、電気手術デバイスを前進させて通す間に、組織を加熱し組織内に空洞をもたらすには不十分なものである。
【0050】
図4aからgは、組織を穿刺する電気手術デバイス120のためのものであり、デバイス120は、流体を受け入れる管腔109(
図4a)を画定する細長部材102を備える。細長部材102の遠位表面は、開口107、及び開口を少なくとも部分的に囲繞する導電性部分(電極103の遠位表面)を画定する。導電性部分は、偏倚電極103を画定し、偏倚電極103は、エネルギーが遠位表面に送達されると、組織内に非コアリング切断部をもたらすように構成される。遠位表面は、以下で説明するように、非切断部分105a及び切断部分103aを含む。更に、細長部材102の遠位表面は、細長部材を前進させる間、前進するように構成される一方でコアリングを防止する。
【0051】
図4aからdは、導電性細長部材102を有する実施形態を示し、導電性細長部材102は、細長部材のシャフトを覆う絶縁材層105を有する。
図4cの例では、細長部材102の遠位表面は、電極103(導電性部分でもある)によって示され、電気手術デバイス120の遠位面104は、絶縁材105を含む。
図4eの実施形態は、遠位面104を含み、絶縁材105は、電極103の一部分にわたって延在する。
【0052】
開口が偏心する典型的な実施形態では、導電性部分(電極103)は、外側周辺部を画定し、導電性部分の狭小領域は、開口に最も近い外側周辺部の一部(例えば
図4cの電極103の底部)を含み、導電性部分の幅広領域は、開口から最も遠い外側周辺部の一部(例えば
図4cの電極103の上部)を含み、それにより、狭小導電性領域及び幅広導電性領域をそれぞれ画定する。
【0053】
導電性部分の遠位表面に電力を供給すると、電圧は、狭小導電性領域及び幅広導電性領域で同じである一方で、電場の強度及び電流は、狭小導電性領域を通り隣接組織に入る場合、幅広導電性領域を通る場合よりも集中し、それにより、狭小導電性領域に隣接する組織は、幅広導電性領域に隣接する組織よりも高い温度まで加熱される。一例として、場合によっては、幅広導電性領域に隣接する組織は、組織を電気的に穿孔しない摂氏50度まで加熱される一方で、狭小導電性領域の少なくとも一部分に隣接する組織は、組織を電気的に穿孔する摂氏300度まで加熱される。したがって、幅広導電性領域よりも、狭小導電性領域により多くの電流が集中するように導電性部分を構成すると、偏倚電極を画定し、狭小導電性領域は、切断部分103aの少なくとも一部を含み、幅広導電性領域は、非切断部分105aの少なくとも一部を含む。
【0054】
いくつかの代替実施形態は、非導電性材料から実質的に構成される細長部材102を含む。
図4f及びgの例では、電気手術デバイス120は、絶縁材105(典型的にはポリマー)から構成した細長部材、及び電極103に電気を供給するように動作可能なワイヤ111を含む。電極103は、全体が板の形態を有し、導電性材料、例えば金属から構成される。電極103は、中断により生じるホット・スポットの生成がないように、鋭い角も、縁部も有さない。
図4f及びgの実施形態では、電極103は、絶縁材105の端部表面を覆い、電極103の遠位表面が電気手術デバイス120の遠位面104を形成するようにする。いくつかの実施形態は、弓形形状である狭小導電性領域の少なくとも一部を含む。
図4gの例では、弓形形状である狭小導電性領域の一部は、実質的に一定な径方向幅若しくは厚さを有する一部分を含む。
【0055】
図4dの実施形態は、傾斜した遠位面104を有する一方で、
図4a及びfの実施形態はそれぞれ、実質的に表面を平坦にした先端を備える遠位面104を有する。
【0056】
図5aから
図5cは、電気手術デバイス120の別の実施形態を示し、細長部材120は、絶縁材105により少なくとも部分的に覆われた導電性管状部材112を備え、導電性管状部材112は、(電気手術デバイス120)の遠位面104の近位にある切欠き部分を有し、電気手術デバイス120は、切欠き部分に位置する絶縁挿入体144を更に備える。電気手術デバイスの遠位面104は、少なくとも1つの切断部分103aを画定する、導電性管状部材の遠位表面、及び少なくとも1つの非切断部分105aの少なくとも一部分を画定する、絶縁挿入体144の遠位表面を備える。電気手術デバイス120の遠位面104は、傾斜している。いくつかの代替実施形態では、遠位面104は平坦な先端部を画定する。典型的には、絶縁挿入体144はポリマーである。いくつかの実施形態では、絶縁挿入体144は、硬質プラスチックであり、いくつかの特定の実施形態では、リフローFEP(フッ化エチレンプロピレン)である。回転させた側面図である
図5cは、部分的に切欠きした絶縁材105を有するデバイスを示し、導電性管状部材112の絶縁挿入体144の受け入れ方を示す。
【0057】
図5bは、電極103が導電性管状部材112から延在することを示す切欠き側面図である。
図5a及び
図5bの側面図は、電極103が、管状部材112の電気的に露出させた部分であり(即ち、電極は導電性管状部材112と連続している)、絶縁材105によって覆われないことを示す。
【0058】
図5aの端面図は、絶縁材105の層と電極103との間に位置する絶縁挿入体144を示す。
図5b及び
図5cは、絶縁挿入体144が導電性管状部材112の切欠き部分にどのように嵌合するのかを示し、絶縁材105が導電性挿入体44及び導電性管状部材112の両方を囲んでいることを示す。
【0059】
図5aの端面図に示すように、遠位面104の絶縁部分105aは、絶縁材105及び絶縁挿入体144の両方の端部表面から構成される。電気的に露出させた導電性部分103aは、電極103の遠位表面から構成される。
図5の端面図は、電気的に露出させた導電性部分103aが円の一区分の形状を有すること、及び絶縁部分105aが開口107から遠位面104の周縁部145まで径方向に延在することを示す。絶縁挿入体144は、開口107を画定する。電気的に露出させた導電性部分103aは、開口107を完全若しくは部分的に包囲するのではなく、開口107に対して横向きであり、したがって、組織をコアリングして穴を開け得るリング形状電極を形成しない。
【0060】
図6a及びbは、電気手術デバイス120の実施形態を示し、細長部材102の遠位端は、先端が非対称に切断され、(電気手術デバイス120の)段付き遠位面104を画定し、この段付き遠位面104は、先頭部分104a及び陥没部分104bを有する。先頭部分104aは、切断部分103aを含み、陥没部分104bは、非切断部分105aを含む。
図6a及びbの例では、先頭部分104aは弓形形状である。典型的には、細長部材102は、絶縁材105により少なくとも部分的に覆われた導電性管状部材を備える。いくつかの実施形態では、非切断部分105aは、絶縁ポリマー層を備える。
【0061】
図6aの実施形態では、陥没部分104bは、非切断部分105aを備える実質的に平坦な表面を画定し、先頭部分104aは平坦な先端部を画定する。
【0062】
図6bの実施形態では、先頭部分104aは、傾斜角部147を画定し、陥没部分104bは、少なくとも1つの非切断部分を少なくとも部分的に画定する勾配付き表面を画定する。
【0063】
いくつかの代替実施形態(図示せず)では、先頭部分104aは傾斜している。
【0064】
図7aからcは、電気手術デバイス120の例を示し、少なくとも1つの切断部分103aは、実質的に弓形であり、細長部材102の内側表面に沿って位置する。典型的には、少なくとも1つの切断部分103aは、導電性材料を備え、少なくとも1つの非切断部分105は、絶縁層を備え、細長部材の遠位表面に沿って配置される。
【0065】
図7bの実施形態では、切断部分103aは三日月形状である。
図7cは、遠位面104が傾斜している一実施形態を示す。
図7の例の全ては、前向き開口107を有する。
【0066】
いくつかの代替実施形態(図示せず)は、細長部材102の壁の中に埋め込まれた切断部分103aを含む。
【0067】
いくつかの他の代替実施形態(図示せず)は、細長部材102を含み、この細長部材102は、絶縁材105により少なくとも部分的に覆われた導電性管状部材を備え、少なくとも1つの非切断部分105aは、細長部材102の遠位表面の一部分に沿って配置した絶縁材を備え、細長部材102の遠位表面の電気的に露出させた部分は、少なくとも1つの切断部分103aを形成し、少なくとも1つの切断部分は、細長部材102の内側表面に沿って遠位面104に位置し、即ち、切断部分103aは、隣接する開口107である一方で、遠位面104の外側周縁部には延在しない。
【0068】
いくつかのまた他の代替実施形態では、細長部材102は、非導電性材料(例えばポリマー)、及び電極まで延在し電力を電極に供給する導電性ワイヤから構成され、少なくとも1つの切断部分103aは、実質的に弓形で細長部材102の内側表面に沿って位置する電極である。
【0069】
図8の実施形態は、電気手術デバイス120のためのものであり、電気手術デバイス120は、非導電性材料を備え、流体を受け入れる管腔109を画定する細長部材102;開口を画定する遠位面104を備え、遠位面104は、少なくとも1つの切断部分103a及び少なくとも1つの非切断部分105aを含み、少なくとも1つの切断部分103a及び少なくとも1つの非切断部分105aは、電気エネルギーを遠位面104に送達すると組織内に細長切断部をもたらすように協働する一方で、組織のコアリングを防止するように構成される。細長部材102の遠位端表面は、開口107を画定する。典型的には、細長部材102はポリマーから構成される。
図8の実施形態では、電極103の遠位端表面は、細長部材102の遠位端に位置し、少なくとも1つの切断部分103aを含む。図示の実施形態は、傾斜した遠位面104を有する。いくつかの実施形態では、電極103の遠位端表面は、三日月形状である一方で、いくつかの他の実施形態では、遠位端表面は、円の一区分の形状を有する。
【0070】
図8の実施形態では、ワイヤ111は、細長部材102の側壁の中に埋め込まれ、電極103に接続され電極103にエネルギーを送達する。いくつかの代替実施形態では、ワイヤ111は、適切なサイズの管腔内に収容される。
【0071】
図示の実施形態では、非切断部分105aは、遠位面104の近位部分に位置し、細長部材102の遠位表面から構成される。典型的には、非切断部分105aはポリマーから構成される。端から見ると、非切断部分105aは開口107を囲む一方で、切断部分103aは開口107を囲まず、開口107に対して横向きであり、したがって、組織をコアリングし得るリング形状電極を形成しない。
【0072】
図9及び
図10の関連実施形態は、電気手術デバイス120のためのものであり、電気手術デバイス120は、細長部材102の遠位にある先頭表面104c(
図9a及び
図10b)を画定する突出電極103を備え、先頭表面104cは、少なくとも1つの切断部分103aを含む。遠位面104は、細長部材102の遠位端表面によって画定される後続表面104d(
図9a及び
図10b)を備える。後続表面104dは、非切断部分105aを形成する絶縁材105を備える。いくつかの実施形態では、先頭表面104cは、実質的に平坦である。いくつかの例では、突出電極103は、エネルギーの送達時に先頭表面104cが回転できるように回転機構に接続される。電気手術デバイスの遠位面104は、先頭表面104c及び後続表面104dを含む。
【0073】
図9a及びbの実施形態では、突出電極103は、開口107を2つの部分に実質的に二等分する。突出電極103は、端からみると、実施的に長方形形状である。いくつかの例では、先頭表面104cは、実質的に長方形形状である。
【0074】
電気手術デバイス120のいくつかの実施形態は、突出電極103を含み、突出電極103は、中心点103bから放射状に広がる少なくとも3つの細長部分を備える。いくつかのそのようなデバイスは、突出電極103を含み、突出電極103は、開口107を少なくとも3つのパイ・スライス形状のくさびに実質的に分割する。いくつかの実施形態は、突出電極103を含み、突出電極103は、中心点103bから放射状に広がる少なくとも3つの細長部分を有するものとして先頭表面104cを画定する。
図10の例は、中心点103bから放射状に広がる電極103の6つの細長部分を有し、開口107を6つのくさび形状区分に分割する。いくつかの実施形態は、先頭表面104cの少なくとも3つの細長部分を更に含み、この少なくとも3つの細長部分は、これらが中心点103bから放射状に広がるにつれて近位に勾配が付けられている。
【0075】
図9及び
図10のいくつかの実施形態は、細長部材102を含み、細長部材102は、導電性管状部材を備え、導電性管状部材は、管状部材の遠位表面上に、非切断部分105aを形成する絶縁材105を有する。いくつかの代替実施形態は、非導電性材料、例えばポリマーを備える細長部材102を含む。
【0076】
図11の電気手術デバイスの実施形態は、弓形形状で部分的に開口107を囲繞する少なくとも1つの切断部分103aを含み、少なくとも1つの切断部分103aは、双極的にエネルギーを送達するように動作可能な少なくとも1つの活性電極103(
図11で「A」によって示す)及び少なくとも1つの戻り電極103(
図11で「R」によって示す)を備える。典型的には、実施形態は、1つは活性電極で1つは戻り電極である対の電極を有し、典型的な実施形態は、2、4、8、10個以上の電極を有する。
【0077】
図11の例等のいくつかの実施形態では、切断部分103aは、180度の円弧を備える。
図11の切断部分103aは、交互のパターンで配置した4つの活性電極及び4つの戻り電極を含む。
【0078】
典型的な実施形態では、非切断部分105aは、絶縁材105を備える。
【0079】
図12に示す例は、別の双極デバイスのためのものである。
図12の電気手術デバイスは、少なくとも1つの切断部分103aを含み、少なくとも1つの切断部分103aは、互いに平行で開口107を横断して実質的に延在する活性電極103(
図12で「A」によって示す)及び戻り電極103(
図12で「B」によって示す)を備え、活性電極及び戻り電極は、双極的にエネルギーを送達するように動作可能である。典型的な実施形態では、開口107は、図示のように活性電極と戻り電極との間にある。
【0080】
いくつかの実施形態では、活性電極と細長部材102との間の遠位面104の部分、及び戻り電極と細長部材102との間の遠位面の部分は共に、絶縁材105から構成される。
図12の実施形態では、電極と細長部材102との間の上述の絶縁材105、及び遠位表面における絶縁材105は一緒に非切断部分105aを形成する。電気手術デバイスの遠位面104は、上記の切断部分103a及び非切断部分105aを含む。
【0081】
図13a及び
図13bは、組織を穿刺する方法の一実施形態を示す。方法は、(a)電気手術デバイス120の電気的に露出させた導電性部分103aを通じて、標的部位で組織141にエネルギーを送達し、電気手術デバイスの遠位面の細長切断部分に実質的に対応する穿刺部をもたらすステップ;及び(b)主に、電気手術デバイスの先端が平坦若しくは角度の付いた遠位表面を前進させることによって、組織をコアリングせずに穿刺部を拡張若しくは広げるステップを含む。いくつかの実施形態では、エネルギーを送達するステップは、組織内に垂れ蓋をもたらすことを含み、拡張若しくは広げるステップは、更なるエネルギー送達を伴わずに完了する。いくつかの実施形態では、標的部位は、心臓内の組織であり、いくつかの特定の実施形態では、組織は、心房中隔132である。典型的には、方法は、外筒、例えば
図7aの外筒130を使用する。拡張という用語は、「より広げる、より大きくする、若しくはより開ける」ことを意味するように本明細書で使用する。
【0082】
組織穿刺方法の代替実施形態は、(a)電気手術デバイスの遠位面の切断部分を通して標的部位で組織にエネルギーを送達し、組織に細長穿刺部をもたらす一方で、遠位面の非切断部分からのエネルギーの送達を防止するステップ;及び(b)穿刺部によって画定される組織の垂れ蓋を横にずらすことによって、組織に電気手術デバイスを前進させるステップを含む。エネルギー送達ステップは、組織内に(
図10の実施形態を使用して)1つ若しくは複数の切れ込みをもたらすことを含む。
【0083】
穿刺部の拡張は、典型的には組織をずらすことを含む。いくつかの実施形態では、拡張には、組織の周囲部分に割り込んで離し、それにより周囲部分を外側に圧縮することを含む。
【0084】
方法のいくつかの実施形態は、電気手術デバイス120を標的部位に案内する医療画像化モダリティの使用を含む。いくつかの実施形態は、電気手術デバイス120を標的部位に配置するために圧力を測定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、電気手術デバイス120を配置するために放射線不透過性マーカ160の使用を含む。いくつかの実施形態は、案内ワイヤ上で電気手術デバイスを標的部位に前進させることを含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、方法は、拡張器128を通じて電気手術デバイス120を標的部位に前進させること;切断部分103aが拡張器128の遠位端と位置合せされるか若しくは拡張器128の遠位端からわずかに突出するように電気手術デバイス120を配置すること;及び電気手術デバイス120の遠位端で開口107(例えば
図3)を通じて流体を送達し、組織を染色することを含む。流体は、典型的には、電気手術デバイスを通じて長手方向で前方に送達される。いくつかの実施形態は、電気手術デバイスの開放遠位面を介して流体を引き出すステップを更に備える。
【0086】
いくつかの実施形態では、電気的に露出させた導電性部分103aの遠位表面は、概ねC字形状であり、ステップ(b)は、概ねC字形状の穿刺部をもたらすことを含む。いくつかの他の実施形態では、電気的に露出させた導電性部分の遠位表面は、概ね三日月形状であり、ステップ(b)は、概ね三日月形状の穿刺部をもたらすことを含む。また他の実施形態では、電気的に露出させた導電性部分の遠位表面は、概ね弓形形状であり、ステップ(b)は、概ね弓形形状の穿刺部をもたらすことを含む。
【0087】
広い態様のいくつかの実施形態では、開口107及び管腔109は共に、圧力伝達管腔を備え、方法は、圧力感知機構を使用して圧力伝達管腔の流体圧力を測定することを更に含む。
【0088】
RF穿孔若しくは穿刺手順では、RF焼灼とは異なり、細胞内流体が蒸気に変換される程度まで組織温度を急激に上昇させるようにエネルギーを加え、これには、細胞内の昇圧による細胞溶解を含む。細胞溶解及び破裂が生じると、空洞がもたらされ、カテーテルの先端が組織を貫通することを可能にする。この効果を達成するために、RF穿孔デバイスは、短時間の間で高電圧を組織領域に印加しなければならない。また、使用されるデバイスの先端は、デバイスのインピーダンスを増大させるため、比較的小さいものとすべきである。このことは、より大きな先端をもつデバイスを用いて、関与する領域に低いインピーダンス及び高い電力信号を送達するRF焼灼とは対照的である。更に、組織内に空洞を生じさせ、この空洞を通じてデバイスが前進できるRF穿孔とは反対に、RF焼灼の目的は、電気伝導を破壊するために、大型の非貫通傷を組織内にもたらすことである。したがって、本発明の目的では、穿孔は、物質内に空洞を生じさせることと定義される。
【0089】
本発明の実施形態は、標的部位における組織からの物質の栓若しくはコアを実質的に除去することなく、そのような穿刺部若しくは空洞をもたらすように動作可能である。というのは、本明細書の上記に記載したように、デバイスから得られた穿刺部は、典型的には、切れ込みのような、C字形状、若しくは同様の構成であるためであり、これらは、電気手術デバイスの遠位面の切断部分の形状(複数可)に実質的に対応する。
【0090】
電気手術デバイス120は、患者体内の物質を穿孔するのに適したラジオ波エネルギー源と共に使用することができる。エネルギー源は、ラジオ波(RF)生成器とすることができ、この生成器は、約100kHzから約1000kHzまでの範囲で動作可能であり、短時間の間に高電圧を生成するように設計する。より具体的には、いくつかの実施形態では、生成器によって生成した電圧は、約0.6秒未満で約0V(ピークツーピーク)から約75V(ピークツーピーク)を超えるまで増大する。生成器によって生成した最大電圧は、約180Vピークツーピークから約3000Vピークツーピークまでの間とすることができる。生成する波形は、様々であってよく、とりわけ、例えば正弦波、矩形波若しくはパルス矩形波を含むことができる。ラジオ波エネルギーの送達中、例えば、標的部位付近の組織の損傷、若しくは細胞破裂後、水蒸気層の形成により、生成器のインピーダンス負荷が増大することがある。生成器は、インピーダンス負荷が増大した場合でさえ、電圧を引き続き増大させるように動作可能である。例えば、エネルギーは、約0.5秒から約5秒までの間の期間で、約0V(RMS)から約220V(RMS)まで急速に増大する電圧で体内組織に送達することができる。
【0091】
特定の動作理論に限定するものではないが、例えば本明細書で上記したような特定の状況下では、ラジオ波エネルギーの送達時に絶縁破壊及びアーク放電が生じることがあり、それにより極性分子が引き離されることがあると考えられる。これらの要因の組合せにより、絶縁性の水蒸気層が電極の周囲に生じることがあり、その結果インピーダンスの増大がもたらされ、例えばインピーダンスは4000Ωを超えるまで増大することがある。いくつかの実施形態では、この高いインピーダンスにもかかわらず、電圧は引き続き増大する。電圧の更なる増大は高周波治療の強度を高めるため、穿孔率の上昇及び穿刺の生成を可能にするために望ましい場合がある。この用途のための適切な生成器の例は、BMC RF Perforation Generator(型番RFP−100A、Baylis Medical Company、カナダ、モントリオール)である。この生成器は、連続的なRFエネルギーを約460kHzで送達する。
【0092】
生成器を単極モードで動作する場合、接地パッド若しくは分散電極は、生成器に電気的に結合され、患者の体と接触若しくは患者の体に取り付けることができ、RFエネルギーの戻り経路をもたらす。
【0093】
デバイス及び方法についての更なる詳細は、2012年5月10日出願の米国出願第13/468,939号、2007年10月1日出願の米国出願第11/905,447号(現在、米国特許第8,192,425号として発行済)、2007年5月23日出願の米国出願第13/113,326号、2005年11月3日出願の米国出願第11/265,304号(現在、米国特許第7,947,040号)、2003年9月19日出願の米国出願第10/666,301号(現在、米国特許第7,048,733号として発行済)、2004年1月21日出願の米国出願第10/760,479号(現在、米国特許第7,270,662号として発行済)、2003年9月19日出願の米国出願第10/666,288号、2003年1月21日出願の米国出願第10/347,366号(現在、米国特許第7,112,197号として発行済)、2004年11月3日出願の米国仮出願第60/522,753号、及び2007年1月10日出願の仮出願第60/884,285号、2006年9月29日出願の第60/827,452号、及び2012年5月31日出願の第61/653967号、2012年8月9日出願の第61/681,512号において見出すことができる。上記で名前を挙げた全ての出願及び特許の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
したがって、本明細書で上記したように、コアリングを生じさせずに組織を穿刺する一方で流体を前方に送達する課題は、電気手術デバイスによって解決され、このデバイスは、少なくとも1つの開口を画定する遠位面を備え、遠位面は、少なくとも1つの切断部分及び少なくとも1つの非切断部分を含み、少なくとも1つの切断部分及び少なくとも1つの非切断部分は、電気エネルギーが遠位面に送達されると組織内に細長切断部をもたらすように協働する一方で、組織のコアリングを防止する。
【0095】
例1:
図2の構成を有する実施形態を試験し、実質的にコアリングが生じることなく組織を穿刺したことがわかった。また、帯電させたブロッケンブロー針を試験し、穿刺時に組織をコアリングしたことがわかった。試験は、
図2の実施形態が、端から見ると、電極の形状に対応するC字形状の穿刺部を切断し、この結果、皮膚の垂れ蓋をもたらし、この垂れ蓋は、電気手術デバイス120を前進させると遠位面104の近位部分によって横にずれ、それによりC字形状穿刺部が拡張されることを明らかにした。
【0096】
上記の本発明の実施形態は、例示のみを目的とする。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることを意図する。
【0097】
明確にするために個別の実施形態の状況で説明した本発明の特定の特徴は、単一の実施形態内で組み合わせても提供できることは了解されよう。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の状況で説明した本発明の特定の様々な特徴は、個別若しくはあらゆる適切な部分的組合せで提供することもできる。
【0098】
本発明を特定の実施形態に関して説明してきたが、多くの代替形態、修正形態及び変形形態が当業者に明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の広い範囲内にある全てのそのような代替形態、修正形態及び変形形態を包含することを意図する。本明細書で述べた全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各個々の刊行物、特許若しくは特許出願が具体的且つ個別に示され、参照により本明細書に組み込まれるのと同程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。更に、本出願におけるあらゆる参照の引用若しくは特定は、そのような参照が本発明に対する従来技術として利用可能であることの承認として解釈しないものとする。