【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、請求項1の特徴を有する医療機能デバイスによって解決され得る。
【0010】
本発明によれば、逆流防止弁装置又は略して弁としても示される逆流防止弁用の弁座を有する医療機能デバイスが、本明細書によって提案される。
【0011】
逆流防止弁は、当該逆流防止弁が、ガス殺菌に適した、それによって殺菌スリット又はスロットがそのままになるか又は維持される第1の位置に加えて、第2の機能位置を取るように具現化される。これは、逆流防止弁のある区画に対して力を加えること、且つ/又は、その区画を変位又はシフトさせることによって行われる。第1の機能位置は、本明細書においては初期位置又は殺菌位置とも呼ばれる。第2の機能位置は、本明細書においては作動位置又は逆止め位置とも呼ばれる。
【0012】
第2の機能位置において、逆流防止弁は逆止め機能を採用し、逆流防止弁は、当該逆流防止弁が、第2の位置への移行が完了した後に力が解放された後、第2の位置にあるままであるように具現化される。
【0013】
移行する力が解放された後、又は、変位又はシフトさせるアクチュエータが逆流防止弁から外れて又は逆流防止弁から係合解除された後、逆流防止弁は、任意の、又はどんな場合でも、それによって逆流防止弁がそれ自体を逆止め位置から殺菌位置へと戻る一切の相当な逆止め効果を示さない。逆流防止弁は、自己保持又は係留として示され得る。
【0014】
第1の位置から第2の位置への移行は、本明細書においては「作動」としても示される。
【0015】
第1の位置から第2の位置への移行をもたらした又は引き起こした力の解放の後に独立して第2の位置にあるままである逆流防止弁は、本明細書においては「残留して作動されている」としても示される。したがって、そうするのに適した弁はまた、「残留して作動可能」として考えられ且つ/又は示される。
【0016】
以下の実施形態のすべてにおいて、「〜であってもよい(may be)」又は「〜を有してもよい(may have)」などの表現の使用は、「好ましくは〜である」又は「好ましくは〜を有する」などと同意に理解されるべきであり、且つ、本発明による例示的な実施形態を示すように意図されている。
【0017】
本明細書において数値に関する語が言及されているときはいつでも、当業者はこれを数値の下限の指示として理解する。それが当業者にとって認識できるいかなる矛盾ももたらさないという条件で、当業者は、これらの事例において、たとえば、「1つ」を常に「少なくとも1つ」であるとして暗黙的に理解する。この理解はまた、本発明、及び、これが当業者の視点において技術的に可能であるときはいつでも、数値に関する語、たとえば、「1つ」が代替的に「正確に1つ」として意図され得るという解釈によって包含される。両方が本発明によって包含され、且つ、本明細書において使用されるすべての数値に関する語に適用される。
【0018】
本発明の有利な発展が、それぞれ従属請求項及び実施形態の主題である。
【0019】
本発明による実施形態は、任意の自由な組み合わせによる以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0020】
本発明による例示的な実施形態のすべてにおいて、キャップは、スナップ嵌めキャップとして具現化されてもよい。
【0021】
本発明による機能デバイスのいくつかの例示的な実施形態において、弁の作動は一般的に、経路の圧迫/変位によって行われる。本明細書において言及される力はこのとき、それに対する反応である。
【0022】
本発明による機能デバイスのいくつかの特定の例示的な実施形態において、逆流防止弁は第1の位置において逆止め機能を有しない。
【0023】
本発明による医療機能デバイスのいくつかの例示的な実施形態において、逆流防止弁は、当該逆流防止弁が血液処理装置のアクチュエータによって第1の位置から第2の位置に移行されるように具現化される。それによって、機能デバイスはその動作のために血液処理装置と接続される。
【0024】
本発明によるいくつかの特定の例示的な実施形態において、機能デバイスは、逆流防止弁が、力の解放の後に摩擦閉めによって、第2の位置にあるままであるように具現化される。その目的のために、たとえば、弁本体の少なくとも1つの区画と弁座の少なくとも1つの区画との間に摩擦閉じを付与する要素が設けられてもよい。この要素はまた、摩擦閉じ要素としても示される場合がある。
【0025】
本発明による機能デバイスのいくつかの例示的な実施形態において、逆流防止弁は、弁本体、及び/又は、本明細書において言及されるときはいつでも任意選択的にスナップ嵌めキャップとして具現化されてもよいキャップを含むか、又は、当該弁本体及び/又はキャップであり、これらの実施形態において、弁座は逆流防止弁の一部分ではない。一方で、本発明による他の例示的な実施形態においては、弁座も逆流防止弁の一部分である。
【0026】
本発明によるいくつかの例示的な実施形態において、機能デバイスは、逆流防止弁が、力の解放の後に、摩擦閉めのみによって第2の位置にあるままであるように具現化される。
【0027】
本発明による特定の例示的な実施形態において、機能デバイスは、逆流防止弁(又は弁本体及び/若しくはキャップ)が、逆流防止弁の、第1の位置から第2の位置への移行の間に、又は、移行に向かって、弁座又は機能デバイスの残りの部分に対してシフトされるように具現化される。弁座に対する変位は、それによって、好ましくはフィルム面に完全に又は実質的に垂直である方向において行われる場合がある。
【0028】
本発明による特定の例示的な実施形態において、機能デバイスは、利用可能な場合はキャップが、逆流防止弁が開かれているときに弁座に対して変位しないように具現化される。
【0029】
本発明による機能デバイスのいくつかの例示的な実施形態において、逆流防止弁は、弁本体、及び弁本体とは別個に作製又は製造されるキャップ又はスナップ嵌めキャップとを備える。
【0030】
本発明による機能デバイスのいくつかの特定の例示的な実施形態において、弁本体はいくつかのノブを備える。それらのノブは、弁本体のキャップとの接続後に、キャップの開口部又は貫通開口部から半径方向に延伸する。
【0031】
本発明による機能デバイスの特定の例示的な実施形態において、弁本体及びキャップの両方が排出構造を備える。
【0032】
本発明による機能デバイスのいくつかの例示的な実施形態において、支持リング領域内でカセットの弁座の円筒形区画内に、ステップ若しくは層又はステップ状直径制限部が具現化される。
【0033】
本発明による機能デバイスのいくつかの特定の例示的な実施形態において、シール領域内に存在する弁座及び/又はシール区画は、円錐状又は平坦に設計される。弁本体及び/又はキャップは、シール領域をシールする。
【0034】
本発明による機能デバイスの特定の例示的な実施形態において、弁本体は、第1のプレストレス又は付勢を受けてキャップ内で半径方向に位置決めされ、且つ、第2のプレストレス又は付勢を受けて軸方向に位置決めされる。ここで、第2のプレストレス又は付勢は、第1のプレストレス又は付勢よりも大きいものであり得る。
【0035】
本発明による機能デバイスのいくつかの例示的な実施形態において、弁本体は、弁トレーを有するカップの形態を有し、且つ、任意選択的に、弁トレーにおいて中心に且つ例示的に堅固に固定されているテンションロッドを有する。それによって、テンションロッドは、ロッドテンションがキャップのスナップ嵌め開口部内にスナップ嵌め又は係合されている間、弁本体をキャップと接続するように設計されている。
【0036】
本発明による機能デバイスのいくつかの特定の例示的な実施形態において、キャップは半径方向に延伸する舌片又はピンを備える。
【0037】
本発明による機能デバイスの特定の例示的な実施形態において、ロッドテンション及び弁トレーは、キャップ内のロッドテンションが第2の位置内で、すべての空間方向においてさらなる区画に対する接触のない空間を維持するのに十分堅固である。
【0038】
本発明による機能デバイスのいくつかの例示的な実施形態において、ロッドテンション及び弁トレーは、キャップ内のロッドテンションが第2の位置内で、すべての空間方向においてさらなる区画に対する接触のない空間を維持するのに十分堅固である。
【0039】
本発明による機能デバイスのいくつかの特定の例示的な実施形態において、キャップは、外部に対して又は外向きに半径方向に、且つ上部においては軸方向に開いているいくつかの開口部又は貫通開口部を有するアーチの形態を有する。さらに、スナップ嵌め舌片又はピンが貫通開口部内に配置され、当該スナップ嵌め舌片又はピンは、それらが半径方向内向きに屈曲するときに、開口部又は貫通開口部を部分的にのみ被覆する。
【0040】
本発明による機能デバイスの特定の例示的な実施形態において、貫通開口部及びスナップ嵌め舌片又はピンの数はそれぞれ奇数である。
【0041】
機能デバイスのいくつかの特定の例示的な実施形態において、逆流防止弁は、一方では第2の位置に達した後に、且つ、他方では力が不足になった後又は変位アクチュエータが逆流防止弁から解放された後に、逆流防止弁の構成要素が互いに適所にロックされること、引っ掛かること、楔止めされることなどに起因して、逆流防止弁が第2の位置にあるままになるように具現化される。これらの構成要素は、弁本体及びキャップであってもよく、弁本体は、力が加わることによって、又は、変位アクチュエータによって、キャップ内に、弾性変形されてスナップ嵌めされ、又は、適所にロック、引っ掛け、楔止めなどされ得る。本発明による特定の実施形態において、それによって、これは、キャップの任意選択の支持舌片又はピンのようなキャップの区画の後ろ又は下でスナップ嵌め、引っ掛かり又は楔止めされる弁本体の支持リングであり、一方で、任意選択のセンタリングコーンのような、弁のさらなる区画がそこからばね要素の影響下で、任意選択のコーン受容部のような、キャップのまたさらなる区画を圧迫する。
【0042】
本発明による機能デバイスの特定の例示的な実施形態におけるばね要素は、好ましくは弁本体の弾性区画として設計される。ばね要素は、ばね膜であってもよい。ばね膜は、閉じられているか若しくは周縁を囲み、且つ/又は、回転対称とすることができる。ばね膜は、切断面において、カップ形状断面を有してもよい。ばね膜は、切断面において、同心状断面を有してもよい。
【0043】
本発明による機能デバイスのいくつかの特定の例示的な実施形態において、逆流防止弁又はその区画は、当該防止弁又はその区画が、弁座内に挿入される逆流防止弁又はその少なくとも1つの区画のプレストレスをもたらし又は引き起こすように具現化される。
【0044】
本発明による機能デバイスのいくつかの例示的な実施形態において、プレストレスは、例示的にばね膜であるばね要素によってもたらされる。
【0045】
本発明による機能デバイスのいくつかの特定の例示的な実施形態において、ばね要素は弁本体の一区画である。
【0046】
本発明による機能デバイスのいくつかの特定の例示的な実施形態において、キャップは閉じられた又は周囲の縁部を含む。これは、スナップ嵌め舌片又はピンの高さに配置され、且つ、それによって、射出成形品の主分離面を形成する。完全な又は周囲の縁部は、本発明の特定の例示的な実施形態において、キャップの円筒形態からの逸脱をもたらし又は引き起こし、これは有利には、キャップが傾けられるか又は傾斜運動を受けるときに、キャップの傾き又は引っ掛かりを防止することができる。
【0047】
本発明による機能デバイスのいくつかの特定の例示的な実施形態において、本明細書において殺菌スロットとして示される、閉じられた又は周囲のスロット又はスリットは、第1の位置にあるままである。この軸方向取り付け位置、及び、それとともに殺菌スロット又はスリットは、互いに接する構成要素、好ましくは、一端における弁座及び他端における弁本体の摩擦閉じを通じて、摩擦閉じ要素の一例としてクランプ締めセンタリングリブの形態で保持される。殺菌スロットは、第1の位置において殺菌流体を流され得る。殺菌スロットは第2の位置においては閉じられ、又は、もはや存在しない。
【0048】
本発明の特定の例示的な実施形態によれば、機能デバイスは、血液カセット、カセット、血液チューブ又は注入チューブとして設計される。
【0049】
本発明のいくつかの例示的な実施形態において、機能デバイスは、硬質本体、及び硬質本体又はその部分を被覆するフィルムとを備える血液カセットとして設計される。それによって、弁座は硬質本体内に設けられる。逆流防止弁は、フィルム上の血液処理装置のアクチュエータの圧力又は変位若しくはシフトによって、逆流防止弁が第2の位置に移行されるように配置される。
【0050】
本発明による機能デバイスのいくつかの特定の例示的な実施形態において、逆流防止弁のフィルム側前端面は、血液カセットのフィルム面を越えて延伸又は突出しない。
【0051】
本発明による特定の実施形態において、一体型弁本体が、シリコンゴムから作製される。弁本体は、閉じられた又は周囲を流体密にした様態でコーンシリンダに固定される、好ましくはカップ形状の半径方向シールバーを備えることができる。
【0052】
本発明による特定の実施形態において、弁本体は、誘導、クランプ締め及び排出の役割を果たす、誘導クランプ締め排出リブを備える。誘導クランプ締め排出リブは好ましくは、奇数個及び均等な間隔をおいて、3つ以上の好ましい数でコーンシリンダに固定される。
【0053】
弁座は、本発明による特定の実施形態において、ここでは誘導シリンダ(弁座内の下方)及びシールシリンダ(弁座内の上部にある)である、2つの隣接するシリンダを備える場合があり、シールシリンダは誘導シリンダよりも大きい直径を有し、且つ、直径が遷移する領域又は両方のシリンダの間の段又はステップは、スナップ嵌め遷移部又はステップとして示される。弁本体のクランプ締め誘導ノブ又は誘導クランプ締め排出リブのうちの少なくともいくつかは、誘導シリンダにおいて第1の位置に位置決めされる。上述されたクランプ締め誘導ノブを越えて延伸又は突出するクランプ締めスナップ嵌めノブは、シールシリンダにおいて第1の位置に位置決めされる。クランプ締めスナップ嵌めノブ及び上述されたクランプ締め誘導ノブの両方が、第2の位置において誘導シリンダに位置決めされる。
【0054】
本発明のよる特定の実施形態において、弁本体の半径方向シールバーは、シールシリンダに軸方向に噛み合わされず、それゆえ、流体に対して開いているリング容積(殺菌スロット)がある。コアシリンダの前端面に対する軸方向の最小限の作動力(好ましくは20〜40Nである)の動作解放のみによって、シフト変位が導入される。
【0055】
本発明による特定の実施形態において、第2の位置において、誘導シリンダの下側区画、たとえば、底部に、排出底部リブが配置される。排出底部リブは、ここで、作動持ち上げを制限し、且つ、すべての他のリブとともに、弁本体の均一な脱気及び循環特性、並びに、ガスによる安全な殺菌可能性を保証し得る。
【0056】
本発明による特定の実施形態において、好ましくは先細りのシール縁部を有する閉じられた又は周囲の半径方向シールバーが、カセットの弁座のシールシリンダとともに逆流防止弁シールシステムを形成し、且つ、その後、作動引き上げが実行されている。それによって、好ましくはエラストマから作製される弁本体の閉じられたシール縁部は、半径方向のプレストレス又は付勢を受けてシールシリンダに当接する。
【0057】
本発明による特定の実施形態において、弁本体はエラストマ材料、好ましくはシリコンゴムから構成される。
【0058】
本発明の特定の実施形態において、弁本体の位置決めリングは、取り付けられた状態において殺菌ガスの利用可能性を保証する、好ましくは周囲に配置されているいくつかの排出構造を備える。
【0059】
本発明による特定の実施形態において、位置決めリングの上側リング前端面は、フィルム、又は、その上に若しくはそこにおいてフィルムが掛けられ又は溶接されているカセット縁部と同一平面上又は同じ高さにある。
【0060】
本発明による特定の実施形態において、位置決めリングの外周面は、カセット内でそれに取り付けられている段差又は変化孔よりも大きい直径を有する。この直径差、材料の硬度及び/又は排出構造の設計によって、摩擦によって引き起こされる保持力が発生し得る。
【0061】
本発明による特定の実施形態において、位置決めリング下側リング前端面は、変位止めとしての役割を果たし、且つ、それとともに、第2の位置における開口圧力及び出口特性線の較正を「作動」させる。
【0062】
本発明による特定の実施形態において、出口リングゾーンは、単一の、間にスロットを有するらせんループ形状単一バーから構成される。これは、第2の位置への流体出口の役割を果たし、バルブコアを設定位置に保持し、且つ、軸方向弾性及び傾斜位置補償支持構造を構築する。
【0063】
本発明による特定の実施形態において、弁本体は、好ましくはマッシュルーム形状のバルブコアを備える。マッシュルームバルブコアは、好ましくは、両方の、すなわち、フィルムに対するその上側及び、カセット側プランジャに対するその下側における、軸変位方向における変位制限として作用するより堅固なコア領域を含む。
【0064】
これらのストッパは、指定された圧力及び体積流量範囲が逸脱されるときにのみ触れられる。弁のシールリングゾーンは、第1の位置内に、安全なガス殺菌のための、たとえば、約0.4mmのリングスロットを備える。第2の位置において、これは、好ましくは、約0.4mmの最小のプレストレス又は付勢を受けて、たとえば、弁座の円錐状又は平坦なシール座部をシールする。
【0065】
本発明による特定の実施形態において、逆流防止弁装置は、キャップを有する弁本体を備えるか、又は、当該弁本体から構成される。キャップは好ましくは、サーモプラスチック、好ましくはポリプロピレン(略してPP)から作製される。
【0066】
本発明による特定の実施形態において、シールリングを有する弁本体は、弁本体がキャップと事前に組み立てられた後に、キャップの開口部から半径方向外向きに突出するいくつかのノブを備える。
【0067】
本発明による特定の実施形態において、弁本体及びキャップの両方が排出構造を備える。それらの排出構造は、最適なガス及び上記殺菌可能性を供給する。
【0068】
本発明によるいくつかの実施形態において、直径段差又は変化として示されるステップ(ステップ状直径制限部)が、支持リング空間内でカセットの弁座の円筒形区画内に設けられる。直径段差を越えて半径方向に突出するノブがカセットの弁座内にシフトされるとき、及び/又は、キャップのリング前端領域が弁座のリング前端領域に対して、接触が延伸されるまでより近くなったとき、作動位置又は第2の位置が到達される。
【0069】
本発明による特定の実施形態においてキャップは、弁本体との比較においてより堅固である。
【0070】
本発明による特定の実施形態において、本発明による逆流防止弁装置は、ツーピースであってもよい。
【0071】
本発明による特定の実施形態において、逆流防止弁装置は、平坦な様態でシールすることができる。「平坦」とは、本発明による特定の実施形態において、シール領域が、好ましくは完全に、実質的に又は部分的に平面であり、且つ/又は、フィルム面に対して平行であることを意味する。シール領域は、本発明によるいくつかの特定の実施形態において、好ましくは完全に又は実質的に、弁本体のシフト方向に対して垂直である平面内に位置決めされ得る。
【0072】
本発明による特定の実施形態は、第2の位置において、それに対して弁本体及び/又はキャップがシールする弁座は、シール領域において円錐状又は断面において円錐形状で具現化される。
【0073】
本発明による特定の実施形態において、弁本体は、蛇腹型の周面を有するカップの形状、任意選択の大まかに平坦な、堅固に設計された弁本体、及び、弁トレーに対して中心に且つ堅固に取り付けられている任意選択のテンションロッドを有する。テンションロッドは、ロッドテンションがキャップの適切な中心スナップ嵌め開口部内にスナップ嵌めされている間の、弁本体とキャップとの間の接続用に設計されている。
【0074】
弁本体から外方に面する蛇腹周面のリング前端は、本発明による特定の実施形態において、好ましくはより軽いプレストレス又は付勢の下では半径方向に位置決めされ、且つ、より大きいプレストレス又は付勢の下ではキャップ内半径方向よりも軸方向に位置決めされる。それによって、蛇腹周面は対応して圧縮され、且つ、スナップ嵌めされたロッドテンションに対する軸方向プレストレス又は付勢が維持される。この軸方向プレストレス又は付勢は、本明細書においては逆流防止弁のプレストレス又は付勢として示される場合がある。
【0075】
キャップは、本発明による特定の実施形態において、相対的に堅固な材料PP(弾性曲げ係数約1750N/mm)から作製される。
【0076】
キャップは、本発明による特定の実施形態において、半径方向に弾性のある舌片又はピンを有して設計される。
【0077】
本発明による特定の実施形態において、ロッドテンション及び弁トレーは、ロッドテンションが第2の位置内で、すべての空間方向において構造的環境に対する接触のない空間を維持するのに十分堅固に具現化される。
【0078】
本発明による特定の実施形態において、キャップ又はスナップ嵌めキャップ(両方の表現は、キャップがそれぞれの要素にスナップ嵌めされ得ることを条件として、交換可能であるとして理解されるべきである)は付加的に、下側リング前端面において、半径方向内向きに当接又は突出するいくつかのロック突起を備える。
【0079】
キャップは、本発明による特定の実施形態において、当該キャップが、複数回のオン−オフ射出成形において、それぞれ中央高温チャネルゲーティングを有して生成され得るように設計される。
【0080】
弁本体は、本発明による特定の実施形態において、キャップの対応するコーン内に遊びがないように受け入れられる、中央円錐ピンを備える。
【0081】
接続膜又は膜が、本発明による特定の実施形態において、コーンと弁本体の支持シールリングとの間に延伸する。
【0082】
本発明による特定の実施形態において、弁本体は、組み込まれていない状態で、中心に配置されているその接続膜の、底部に向いている、すなわち、完全に組み立てられた状態では医療機能デバイスの弁座に向くわずかな反りを含む。
【0083】
キャップ内への弁本体の事前組み立てにおいて、この湾曲は、本発明による特定の実施形態において、弁本体の支持フランジの、キャップの保持突起とのスナップ嵌めによってすでに中和されており、又は、軽い湾曲が反対方向において、したがって、上向き、すなわち、弁座から外方に起こるようにすでに弾性変形されている。反対方向における湾曲は、本発明による特定の実施形態において、作動又は第2の位置への移行の間に又はそれを通じて再び増大する。本発明による特定の実施形態において、湾曲は、当該湾曲を通る処置流体の流れの間に又はそれを通じて、再び増大される。
【0084】
本発明による特定の実施形態において、支持シールリングは接続膜との関係においてよりコンパクトに且つ/又は壁を厚くされる。
【0085】
本発明の特定の実施形態における逆流防止弁装置は、キャップ内のピンプレートの形態を有する。
【0086】
本発明による特定の実施形態において、弁座はアンダーカットを一切含まない。
【0087】
本発明による特定の実施形態において、キャップは、外部に対して半径方向に又は上部開口部に対して軸方向になっているいくつかの貫通開口部を有するアーチの形態を有する。半径方向外向きに屈曲し得るスナップ嵌め舌片又はピンが、これらの貫通開口部内に配置され、スナップ嵌め舌片又はピンは、貫通孔を比例的にのみ、たとえば、約30%まで閉じる。
【0088】
「上部」、「底部」などのような空間的指示が分からないときは、添付の図面内に見られ得る図解を参照する。
【0089】
本発明による特定の実施形態において、貫通孔の数及びスナップ嵌め舌片又はピンの数は、好ましくはそれぞれ奇数である。
【0090】
本発明による特定の実施形態において、キャップは、同じ高さにあり、且つ、それによって、射出成形品の主分離面を形成する、好ましくは支持アーチ及び屈曲可能スナップ嵌め舌片又はピンの両方の中に位置決めされる、周囲の好ましくは鋭利な縁部を備える。
【0091】
本発明による特定の実施形態において、キャップの上側リング前端部は、アーチ構造の最高区画部を形成し、且つ、フィルムを通じて、処置機械のアクチュエータ−センサユニットによる作動力、作動経路及び保持力の引き込みのための機械的切断点を表す。これは、構造化ノッチ又は面取りを構築することによって中断される平坦なリング前端部を表す。
【0092】
本発明による特定の実施形態において、キャップは、上側リング前端部及び、コーン受容部内の両方において、構造化ノッチ又は面取り部、溝及び陥凹部のような多数のパターン又は構造化を含む。
【0093】
部分が、対称で、且つ、製造中のサーモプラスチックの冷却による反り又は変形を受けにくい形態を維持するために、外側及び内側パターンは、本発明による特定の実施形態において、貫通開口部又はスナップ嵌め舌片若しくはピンの数に対する関連において同じ数又は偶数に分割されて同心円上に配置される。
【0094】
本発明による特定の実施形態において、キャップは、アーチ構造だけでなく、好ましくはキャップ位置合わせノッチの内部及び外部の、垂直シリンダ壁及び、円錐状の、特に急峻な円錐周壁とを含む。
【0095】
弁本体は、本発明による特定の実施形態において、蛇腹と同様の形態を有し又はその形態であり、且つ、位置合わせコーン、静止前端、少なくとも2つの支持位置合わせハンプ、ばね接続膜、シールリング及び、支持リングを包含し、上記表現は、
図6を参照して下記に説明される。
【0096】
本発明による特定の実施形態において、且つ、挿入可能性を更に増大させるために、キャップの下側リング前端及び弁座縁部の両方が、さらなる挿入面取り部として作用する曲線を設けられる。
【0097】
本発明による特定の実施形態において、スナップ嵌め舌片又はピンは、キャップのシリンダ外壁に対しての、たとえば0.4mmのより大きい直径を有する。
【0098】
本発明による特定の実施形態において、弁本体は、キャップ内で、プレストレスを受け、力及び形態によってかみ合い、且つ軸方向に遊びがないように構築される。
【0099】
本発明によるいくつか又はすべての実施形態は、上述された又は後述される利点の1つ又は複数の呈することができる。
【0100】
本発明によるいくつかの実施形態において、作動、すなわち、逆流防止又は逆止め機能は有利には、消耗品が除去された後も維持される。このように、本発明による継続的に作動される逆流防止弁によって、除去中も3つの言及された点における流体の漏れが防止され得る。ここで、2つのホースクランプ及びそれらを作動させるために必要とされる使用者は必要とされず、又は、免除され得る。さらに、有利には、漏れる液体によって引き起こされる汚染に対する保護を保証するために、代替コネクタ(これについては国際公開第2010/121819号パンフレットの
図1内の参照符号41を参照されたい)内のいかなる閉鎖スリーブ及び機械のそれに関連付けられる作業工程を有することも必要とされない。
【0101】
本発明による逆流防止弁は有利には、殺菌の前の製造における早期の作動に対する必要とされるロバスト性を結集することができる。
【0102】
加えて、本発明による実施形態は、自動製造、安全な殺菌、及び、逆流防止弁の品質の増大における利点を提供することができる。フィルムを平滑化し、且つ、射出成形壁を平滑化するための大口径排出構造、及び、構成要素の面積が広く接する量が少ないことがこれに寄与し、更に、開かれた初期化における、すなわち、第1の位置における、ガス殺菌が完了するまでの安全な持続、特に圧力開口部のガス殺菌に起因する特性の変化が小さく且つ明確であることと、配備工程に沿った安全且つ正確な作動の工程に影響を与える可能性がある貯蔵及び移送の間の機械的付加、熱的付加又は放射によって誘起される付加によって引き起こされる、取り付けられた逆流防止弁の特性の変化を最小限に抑えることと、カセットに取り付けられている連続的に平坦なフィルムに基づいて安全な製造可能フィルム溶接線を保証するためにカセットのフィルム面を越える、フィルム側前/端面のそれまで許容されていた突出(逆流防止弁が、フィルム内の局所的なへこみを引き起こす)を防止することと、圧力開口部の緊密性及び放出圧力降下曲線の再現性が高いこと、並びに、それによって大量生産及び市場において入手可能な多くの又は経年劣化した処置機械においても安全に機能することと同時に、個々の部品、並びに、取り付け及び処置機械との相互作用の両方によるそれらの相互作用のそれらの相互作用の、許容誤差に対してより寛容な設計と、放出圧力開口部の再現性を増大することと、放出領域における圧力降下を低減すること、すなわち、各体積流量放出における圧力降下を最小限に抑えることと、体積流量圧力降下放出の曲線を平坦化すること、すなわち、体積流量放出の増大による圧力降下の増大を最小限に抑えることと、放出開口圧力を受けての、又は当該圧力下での微細、且つ長期間の侵入に対する緊密性、特に、空気侵入に対する緊密性の増大と、汚染粒子の存在による漏れに対する感受性を低減し、且つ、自己洗浄の機能を向上することと、最大圧力までの排除領域における更に安全且つ緊密なシールと、振動又は揺れ及び雑音の放出を防止することとに寄与する。
【0103】
以下のようなさらなる利点がある。
○ 作動後の機能不全の危険性が低いこと、
○ カセット構成及び血液処理装置によって予め決定されている、約1.2mmの可能な最大の軸方向作動引き上げ(フィルムに対して測定されている)においても安全な性能、
○ これに関連して構成要素において改善された構成及び小さい許容誤差が達成可能であるため、特性値の改善が達成可能であること、
○ 機能性試験までの製造中に可逆性の作動が実現可能であること、
○ 溶接線による射出成形製造が不均一になること、及び、それと関連付けられる漏れの問題がないこと、
○ 蒸気殺菌後の幾何形状が十分で一定であること、
○ 使用時の弁ストレス又はバイアスが低減され、パラメータ開弁圧力及び流出圧力低下に効果があり得る、プレストレス作動位置のわずかな緩み、
○ エラストマとサーモプラスチックとの材料組み合わせによって、及び、ノブの幾何形状によって許容誤差が大きく調整され、それゆえ、大きな許容可能変動又は寸法許容誤差で低コスト且つ安全な製造が可能になること、
○ 完全にエラストマから作製され、且つ、底部リブによって軸方向に可撓性であることに起因して、軸方向動力制限が安全であること、
○ 排出が広範囲であること、及び、クランプ締め位置調整リブの凸性によって弁本体と弁座との間の表面の圧縮がわずかであることによって、ガス殺菌可能性が良好であること、
○ トリが圧力及び圧力体積流量特性が、選択される材料、選択される壁の厚さ及び直径、並びに、測定値の製造許容誤差及び材料の特性のみに依存し、経過される範囲(ここでは1.2〜1.8mm)内にある有効作動持ち上げを条件とした作動持ち上げの大きさには依存しないこと、
○ 弁座をカセット内で組み立てることによって、アンダーカットがなく、且つ、それによる変形の問題がないこと、
○ さらに、作動後の機能不全の危険性が低いことによって逆流防止弁を一体型にできること、
○ 組み立て手順が単純であること、
○ 軸方向組み立て傾斜に対する許容誤差補償が良好であること、
○ 機械許容誤差の作動経路及び、それによる弁プレストレス又は付勢が分離されること、
○ 圧力開口部及び圧力体積流量の特性線の再現性が顕著に改善すること、
○ 圧力体積流量の特性線が平坦化され、その結果として、より低い圧力損失及びより低い開口圧力構成が実現可能であること、
○ 薬剤の注入による注入作動力がわずかであることによる人間工学的利点、
○ 輸血のために又は輸血の間に使用され利用されるときに溶血反応が低いこと、
○ 半径方向位置合わせのより高い再現性でキャップ又はスナップ嵌めキャップ内の弁の予備組み立てが単純であること、
○ カセットフィルムの取り付け後の製造によって弁装置の機能性を試験することが可能であること、
○ 弁の蛇腹形状に起因して、たとえば、単純なマッシュルーム形状によるもののように/それよりも線形的なばね特性線が実現可能であること、
○ 流れ経路(単純なマッシュルーム形状によるものなど)の終端において、LSR射出成形(液体シリコンゴム)のような好ましい製造にけるフロー関係に関して弁要素のシールリング領域が配置又は位置決めされず、それゆえ、溶接線、及び、それによる漏れを引き起こす溶接欠陥が回避されること、
○ 逆流防止弁の製造又は実行に必要とされる材料が非常に少なく、且つ、費用が低いこと(0.5ユーロセント)、
○ 自由に回転位置決めする様式で、弁装置の取り付けが容易に自動化可能であること、
○ シールリング領域の位置合わせ性能が良好であること、
○ 作動及び流入によって弁及びキャップとの間の摩擦が安全に回避されること、
○ 弁装置が特に軸方向において非常にコンパクトであり、それに関連付けられる形で、流れのデッドスペースを低減可能であること、
○ キャップを有する他のプレストレスを受ける弁設計のような、特性及び許容誤差性能における利点、
○ 安全なガス殺菌性能を確実にするためのガスに対して開いている初期位置、
○ 作動経路が小さいにもかかわらず解放膨張力がより高いことによる、ロバストな初期位置、
○ 継続的作動を通じて、除去後に望ましくない流体の漏れが回避されること、
○ 作動弁の摩擦閉じ及び大きいプレストレス又は付勢によって除去後に安全な位置保持を備えながら、安全に継続作動されること、
○ 硬質の覆い隠すキャップが、機械的介入又は改変に対して軟質の弁を封止すること、
○ ロバストなガスに対して開いている初期位置及び明確な強い解放膨張力のための、スナップ嵌め舌片又はピンくさび状直径段差の新規の機構、
○ 弁直径との関連において非常に小さい作動経路が、平坦なフィルム初期位置及び低いフィルム応力又は応力付与によって、機械側受動作動アクチュエータを可能にすること、
○ 可能性のある傾きを通常のシフトのように考慮に入れる、新規の傾斜防止作動又は面保持機構、
○ 許容誤差のしばりが低減された特別な幾何学的構成、
○ 正確に予測可能でコンパクトな、機能によって決定される幾何形状によって、許容誤差が低減されること、
○ 組み立てられた構成要素の相互幾何形状較正を通じた弁許容誤差の低減、
○ 処置中に作動膨張力が較正及び低減されるが、作動膨張力は弁製造の間に可能な限り高く設定されるように、殺菌及び貯蔵によって熱的及び時間的材料応力低減を利用すること、
○ 弁の弁座に対する位置決め許容誤差を、キャップを介在させることによって処置機械の開始される力及び経路から分離すること、
○ プレストレス又は付勢の原理によって、プレストレス経路がもたらされ、結果として、弁の特性がより正確に、より低い圧力降下を呈し、それゆえまた、処置流体がより慎重に処理されること(同じ体積流量においてせん断応力がより低くなる)、
○ 円錐又は球体セグメント形状の弁シール座部が、より許容誤差値の低い特性、非動作ステップにおけるシールの増大、自己洗浄の機能、不純物及び材料欠陥がある場合のより高いシール機能をもたらすこと、
○ 全体的な剛性及び局所的な戻り並びに柔軟な弁シールリングの幾何形状が、不純物及び材料欠陥がある場合により高いシール機能をもたらすこと、
○ オン−オフ離型原理によって個々の構成要素が極めてコスト効率的に製造され、等しい壁厚及び少ない材料消費によって射出成形サイクル時間が最小限に抑えられ、且つ、伸長がより少ないことに起因して、相対的にわずかなエラストマを含むフィルムを適用することが可能になり、それゆえ、コスト効率的になること、
○ 回転対称で剛性の幾何形状及び中心ゲーティングによって構成要素の幾何形状が特により正確になること、
○ 幾何形状が流路の端部から外方にシフトすることによって、シールリングゾーンにおいて気泡及び溶接線がまったく又はほとんどないこと、
○ すべての構成要素の自己位置合わせ及び回転位置決め自由度の特に良好な特性によって、すべての部分及び処置許容誤差を考慮に入れることによって概念的に含まれる完全に自動化可能な製造及び試験概念、
○ 完成した、装備された状態において弁の完全な流体試験が、可逆的作動によって実現可能であること、
○ 使用中の特性線の緩和に対する事故補償特性、
○ 圧力損失−質量流量特性線の平坦化のために、特に回転蛇腹の変形特性を利用すること、
○ エラストマ弁構成要素のパターンとの比較における機能改善として、サーモプラスチックキャップの排出及び殺菌パターンが最適化されていること、
○ 弁の柔軟で粘着性のエラストマ材料との最適化された協調機能のための、キャップによる、大きい開口部角度、軸方向におけるパターン、劣化侵食及び軸方向支持ゾーンによる円錐中心位置合わせ、
○ 低い値の同じ安全レベルにおける高い再現性により、処置流体の開口圧力を設定することが可能であり、したがって、処置流体の噴霧がより人間工学的になり、供給又は給送ポンプからの材料に配慮した圧力レベルがより低くなり、又は、逆流防止弁を通じて戻る血液による溶血反応が低くなること、
○ 多くの及び/又は奇数個の、等しく分割された貫通開口部及びスナップ嵌め舌片又はピン、これは、同じくいくつかの流体チャネルによる回転方向が弁座から逸脱することなく、且つ、良好な中心合わせ特性を有して、弁装置の低い圧力降下及び均等な流入を可能にする、
○ バリがなく射出成形により製造するという通常多く存在する必要性を省略して、軸方向シフトによる摩擦及び傾斜に配慮しない傾きのような、弁の機能のための離型分割線の技術的に機能的な使用、
○ 硬質サーモプラスチック材料から作製される広い作動リング表面が、機械の作動ハンプに対する作動圧迫応力を低減し、且つ、機械及び弁構成要素に対する弾性的柔軟性による作動経路移行の不正確性を低減すること、
○ 部品の提供及び事前位置決めによる、安全な振動要件及び配向分類のためのキャップ及び弁の焦点及び形状対称性において有利な形態設計、
○ キャップ及び弁の円錐状の丸みを帯びた中心幾何形状が、吸引工程、並びに、及び円形受け入れ孔との正確な且つさらなる端部中心合わせを可能にすること、
○ 気密封止されたアクチュエータ−センサマット内で跳ねる、漸進的に動作する作動ハンプを組み込むために中性費用を必要とする、特に単純且つ受動的に有効な作動デバイスを機械側に適用又は実装することが可能であること、
○ アクチュエータ−センサマットの後ろの領域に、機械ばねを個別に構築されている、同様に封止された、挿入式作動デバイスを適用することが可能であること、
○ 処置を開始する前に弁装置の完全な機能性試験を実施することが可能であり、且つ、逆流防止弁機能とは別に、両側開放流路の機能をも手続き的に使用することが更に可能であるという可能性を有する、アクチュエータ−センサマットの後ろに封止された、能動的に駆動可能な作動デバイスを提供することが可能であること、
○ スナップ嵌め障壁を克服した後に、低いさらなるシフト力で高い作動膨張力を維持するために、キャップの作動機構内の静止摩擦及びスライド摩擦との差を使用すること、
○ 漸進的な力経路特性線を維持するために、作動位置において高い作動膨張力を低い残留力と結びつけることができる、アクチュエータ−センサマットの凸状又は先の尖ったノブ又はシャフト構造を使用すること、
○ エラストマ弁において屈曲工程を通じてのみ、弁開放が発生し、それゆえ、ヒステリシス再現性における変動が著しく降下すること、
○ 流れのデッドゾーン、及び、シールリングの比持ち上げゾーンにおける流体滞留時間を回避しながら、弁が開かれているときのシールリングの均等且つ完全な持ち上げによって、詰まりの傾向が低いこと、
○ 弁シールリングが均等に持ち上がり、それゆえ、実質的に基本振動モードしか許容しないため、振動及び雑音又は音の発生に対する感受性が低いこと。
【0104】
本発明による特定の実施形態において、弁射出成形品は有利には、低価格のオン−オフ構想に従って製造され得、必要とされる成形ポストの数は、流体シリコンの架橋のためのより長い特有のサイクル時間に起因して、スナップ嵌め成形品よりも約2倍多く設定されるべきである。単純且つ実質的に回転対称な形状によって、平坦で、シール可能に型を充填すること、及び、支持リングの底部包囲角度における、型分割線が重要でない離型剤によって、並びに、約110mm^3の非常に小さい構造体積によって、極めて安価に弁を製造することが可能である。LSR構成要素は通常、最も経済的には、側方に取り付けられた回転スパチュラに起因して、エジェクタ側型穴から押し出されるという事実に起因して、弁はそれゆえ、最適な再現性において設計され、それによって、中心合わせコーンを、中心噴射点として、及び、離型工程の間はエジェクタ側型半部から突出する押出ニップルとして利用する。本発明による機能デバイスの逆流防止弁設計は、反り又は変形が少ない型形状に有利である、中心成形され、且つ、実質的に回転対称であるという特性を含む。
【0105】
その体積の大部分は中心(マッシュルームの土台領域)の近傍には配置されず、一方で、その体積の、シールリング付近の部分は相対的に大きく、それによって、それは、流路の端部及び離型剤の直近には位置決めされないことも有利である。その結果として、シールリング領域充填する工程における液体射出成形は、型充填が完了する直前にはまだ行われず、流速は停止には至らず、且つ、気泡及び溶接線は更に動かされない。このように、空隙若しくはエアポケット又は閉じ込められた空気並びに溶接線及びそれと関係付けられる表面における幾何学的不正確性がすべて、シールリングにおいて得られるすべてのものであり、それゆえ、弁座においてシール面と接触するリング形状領域における弁のシール機能を低減するという問題はない。
【0106】
本発明による機能デバイスの逆流防止弁は、本発明による特定の実施形態において、その製造において型形態の充填を特にサポートする形状を備える。中心から射出される液体エラストマが、最初に、支持前端と衝突し、且つ、ばね膜の薄壁波形へと急に転向又は方向転換され、エラストマは、シールリングを通じて、更には、脱気を伴う離型剤及び流路端部が位置決めされる、相対的に体積の多い支持リングへの新たな転向又は方向転換に従う。シールリングはそれゆえ、相対的に速い流速による均質化された射出成形コンパウンドの流入を受け、それとともに空隙及び溶接線(部分的に流頭が凍結又は固化されている)が更に動かされる。したがって、特により正確、且つ、シールにより適した表面を有するシールリングが得られる。
【0107】
キャップの相対的に高い剛性との関連においてエラストマ構成要素の剛性が低い(ここではShoreA約40〜70)ことに起因して、本発明による特定の実施形態において、有利には弁構成要素内ではなくキャップ構成要素内に配置される、殺菌ガスを利用可能にし、空気排出又は流出及びアセンブリによる摩擦低減のための構造が存在する。圧縮及び組み立てられた状態において等しく大きく連続的に開いた構造を維持するために、弁構成要素内に対応する構造を配置するよりも、深さの浅い構造がキャップ内に必要とされる。これは、持ち上げられた及び圧迫された構造がエラストマにおいて平らにされた結果であり、それゆえ、サーモプラスチック構成要素及びエラストマ構成要素との間の望ましくない表面直接接触が増大し、一方で同時に、所望される所望のガス伝導排出口が断面において縮小する。加えて、これは、この事例において、表面内の小さな欠陥は機能に対して影響を有しないと言う事実に起因してキャップの製造において考慮されるべきではない、絞ることが困難、且つ、脱気することが困難な構造があるとき、エラストマ部品の表面の誤差のない製造のために有益である。
【0108】
さらなる可能な利点は、特に許容誤差最適化に関する。詳細には、以下の通りである。
【0109】
1. スナップ嵌めキャップにおける弁のプレストレス又は付勢によって、弁はいくつかの軸方向寸法においてスナップ嵌めキャップに適応し、且つ、軸方向への延び、半径方向の間隔空け及び軸方向の位置合わせにも従ってそれ自体を、より堅固且つより正確に製造可能なスナップ嵌めキャップに向け、それによって、もはや弁のいくつかの寸法許容誤差はさほど関係がなくなり、又は更には、もはや意味がなくなる。
【0110】
2. 「作動」位置について、キャップがその下側リング前端によって、弁座リングサポートにおいて平坦に延在することのみが重要であるという事実に起因して、経路が少なくとも、キャップが平坦に延伸するようになるように十分に大きい限り、処置機械のアクチュエータ−センサプレートが、キャップの作動ハンプへのシフトのためにいずれの経路を取るかは意味がない。これは、機械の作動経路に対して弁の作動経路が比例的に依存する、柔軟に設計された既知の弁設計のほとんどに対する、特徴的な差異である。弁の作動経路と機械の作動アクチュエータとの間のほぼ完全な分離が得られる。
【0111】
3. キャップが、エラストマ弁本体よりも1桁剛性であるという事実に起因して、導入される動力を受けた軸方向自己変形は、対応してより小さい。ここで、キャップの位置合わせコーン及びそれとともに弁の中心領域の軸位置不正確性は、キャップを有しない以前の設計よりもおよそ1桁(0.02〜0.04mm)を超えて低下し、それによって、処置機械の作動ハンプの侵入深さ及び軸方向の力が、弁の中心領域の軸方向シフト及びそれとともに作動される弁の動作プレストレス又は付勢に直接の影響を及ぼしている。したがって、作動位置における弁のプレストレス力と機械の作動アクチュエータの作動力との間のほぼ完全な分離が得られる。
【0112】
4. 影響を与える許容誤差の幾何学的、機械的なしばりは、以前の寸法の小さい部分、すなわち、弁の寸法、及び、そのすぐ周囲の、弁クランプ締めに含まれる弁座及びキャップ内部のトポロジのみを含む。これらすべてのトポロジはZ方向において0.4〜3.6mmの範囲内の小さい寸法しか有しないため、射出成形品トポロジの許容誤差はそれに従って小さく、且つ、±0.03mm未満の範囲内である。それゆえ、許容誤差のしばりの大幅な短縮、及び、同時により狭い単一の許容誤差が得られる。
【0113】
5. 上記で言及した両方のリング表面が、一般的に5〜20Nの連続的な残留力を受けて接する場所によって、両方のリング表面の軸方向への延びの逸脱は、それら自体を弾塑的に相互に同等にするため、当該逸脱はそれら自体を相互に低減する。これは、基本的に角度変形によって実行される、軸方向圧縮射出成形構成要素が、先の尖った対向面に対して露出されている事例において一般的な工程である。設置されている構成要素の相互の設計最適化によって、そのような精度の増大が得られる。
【0114】
6. 弁のばね面は、回転蛇腹と同様の形状を有する。運動摩擦の防止のための円筒形回転又は旋回面が失われているため、弁の軸方向の偏向又は調節による設計変更工程は、純粋な回転蛇腹と同一視されるべきではない。回転蛇腹と同様の設計は、平坦なばね面と比較されたときに、以下の様な特定の利点を有する。
【0115】
6a. 同じ軸方向プレストレス又は付勢によって、シールリングのレベルにおける角度柔軟性が明らかに増大され、それによって、より均等な又は安定したシール圧迫がもたらされ、それゆえ、弁の対称軸の、弁座の対称軸に対する半径方向及び角度的不整合又はずれによる開口圧力のばらつきがより狭くなる。
【0116】
6b. 支持リングとシールリングとの間のほとんど垂直な壁区画との関連における支持リングの相対的な剛性に起因して、一般的に特有の剛性のシールリングゾーンが結果としてもたらされ又は発生し、これは、回転蛇腹によって、より全体としてシフトされ、したがって、各半径方向及び軸方向の様態でシフトされるときに弁座のシールリングに適応する。局所的に、すなわち硬質弁座シールリングへのエラストマ弁シールリングの局所的な圧縮と関連して、それゆえ、両方の表面の締め付け調整が増大又は増強され、それによって、弁シールリングは相対的に鋭利な縁部(シーリング圧縮の先の尖った要素の組み合わせ)を構築し、弁シールリングは局所的に、弁座シールリングにおけるShoreA約30〜70の低い硬度を上回って平らになる。それゆえ、両方のシーリング面又はシールゾーン内に局所的に存在する外部物体の局所的な不規則性の局所的に有効なシール調整の決定基準を表す、高い表面圧縮が局所的に発生する。これまで提案されている弁設計のほとんどの事例において、弁シールリングゾーンは壁が薄くされており、一般的に又は全体として剛性がより低い。それによって、不規則性及び外部物体は、局所的な調整及び封止ではなく、シールリングゾーンの全体的な変形をもたらし、したがって、局所的な間隔又は間隙形成によってシール効果が低減される。それゆえ、本発明による弁は、局所的な表面欠陥及びシールゾーン内に存在する外部物体の影響下でより再現可能且つより良好にシールする。
【0117】
6c. 回転蛇腹と同様の設計はまた、シールリングの軸方向シフトのばね特性の線形性にも影響を有する。特定の軸方向最小偏向から開始して、回転蛇腹は、任意のさらなる偏向において一定に継続する又は更には減少していく力を含む。その後、屈曲応力状態がもはや変化しない、すなわち、回転蛇腹が同様の一定に継続する形態を取っているとき、最小偏向が達成される。それに必要とされる偏向軸路は、回転蛇腹の強度よりも約3〜5倍高い純粋な回転蛇腹によるものである。キャップのプレストレス又は付勢を通じて、そのような経路は圧迫され得る。これは、0.8の制限されている作動経路に起因するプレストレスのない設計によって可能であり、これは、最小の殺菌スロット及び追加可能な最大の許容誤差を差し引いた後の軸方向プレストレス又は付勢について、すでに現在の回転蛇腹強度よりも小さい約0.4mmのみが残るためである。軸方向力の制限の一般的な回転蛇腹特性は、力経路特性線がほぼ水平に進み、それとともに開口圧力及び流れ抵抗の許容誤差感受性がまたもう1度低減され得るように、弁が設計されることを可能にする。
【0118】
7. キャップ内の弁のプレストレス又は付勢、並びに、このプレストレス又は付勢及び第2の又は作動位置における他のプレストレス又は付勢の解放によって、この新規の弁は、キャップがなく且つプレストレス又は付勢がない弁よりも明らかに高い経路でプレストレスを受け得、それゆえ、より平坦なばね特性線を有するより可撓性のばね膜幾何形状が、第2の位置において利用され得、それとともに、同じ作動経路不規則性によって、圧力降下及び圧力降下の不規則性のような、開口圧力のより小さい不確実性がもたらされる。
【0119】
8. しかしながら、上記で説明したようなキャップ概念は、機械のアクチュエータからの弁の広い分離をもたらし、その上、幾何学的許容誤差が巧妙な構成要素配置又はレイアウトによって低減するという事実に起因して、上述した特性線値の許容誤差は更に低減される。
【0120】
9. より平坦な弁ばね特性線及びより強いプレストレス又は付勢と関連する許容誤差の低い第2の作動位置によって、消耗品の除去後の、弁の特に安全な継続作動が達成される。作動位置において摩擦によって保持されるキャップは、最大0.6バールの過剰な圧力が消耗品内に発現又は発生したときは、それ自体を作動させない。実際には、空になった又は排出された消耗品のガスコンプライアンスがそのような圧力の発現を許容しないため、通常の除去条件下ではこの圧力は発生し得ない。
【0121】
特に有用な特性である、動作及び閉鎖中の弁のより高い自己洗浄効果によって、本発明による特定の実施形態において、楔効果及び高いシール圧縮が達成され、これは、弁座シールリングの楔形状構成に起因して、そこでの弁の離昇の間に、垂直変位及び接線変位とが重なり合うためであり、それによって、接線変位は洗浄効果を発生させ又は作り出すが、弁の離昇まで、より長く継続するシール時間の後にここで所望されるヒステリシス効果(より高い開口圧力)も発生させ又は作り出す。好ましい円錐状弁シール座部は、すでに更に上述したように、当該シール座部がボールスクレーパの形状に近付くにつれて、平坦な弁座よりも好適な角度許容誤差特性を有する。理想的な実施形態において、弁シール座部は、正確に、弁座軸に対する弁軸の許容誤差の制限された振り子傾斜に対応する半径によって圧迫されるボールスクレーパの形態を取ることができる。この事例において、弁シールリングは、それ自体を弁シール座部リングに対して調整するために、最小の全体的な弾性変形のみを必要とする。しかしながら、円錐壁がそれ以上の一定の増大を一切有しないため、プレストレス又は付勢関係の寸法決定はより困難である。
【0122】
空気及び異なる流体による試行又は実験は、本発明による特定の実施形態における弁が、与えられた体積流量領域において、一切の可聴雑音又は測定可能な気圧振動を生じないことを示している。空気の連続的な流入を伴う放射線写真又はX線写真によって、一定の開口を観測することができた。これは、本発明による特定の実施形態における弁設計が、特に、血流が中断又は停止することになるシール残留区画が残されるときの粘着性の凝血塊に関連して、粘着性粒子の詰まり又は堆積の傾向をわずかしか有しないことと関連付けられる。円錐設計は、内部下側から上部外側への指定される幾何学的進路をほぼ連続的に指示するフローチャネルを形成する。この結果としてまた、ハウジングの流れの流動損失が少なくなり(流れの方向の突然の変化が少なくなることに起因する)、且つ、主流路の脱気機能が改善される(平均流速がより高くなることに起因する)。
【0123】
指定される領域の外部の体積流量が非常に高いことによって、キャップの内側アーチ状キャッピングは、本発明による特定の実施形態において、流体によって持ち上げられている弁保持リングに対する変位止めとして作用する。この平坦な変位止めは、キャップアーチに対する弁のデッドロックの可能性が発生し得ないように、幾何学的に設計される。発生している一般的な障壁又は約1.5バールまでのシール圧によって、且つ、0〜600ml/minの指定される体積流量範囲内で、弁は屈曲変位によってそれ自体で開き、それによって、弁の内側材料部分が、中心合わせコーンと止まり端部との間でほとんど遊びがないままにされ、且つ、保持リングが、キャップ及び弁座に対する接触又は接触距離なしにすべての空間方向において離間される。(たとえば、再配置可能なボールを有する逆流防止弁によって)スライド変位が止まることによって、特性線は高度に再現可能であり、且つ、ヒステリシスがほとんどない。通常の障壁又は最大2.5バールのシール圧によって、弁のシールリング領域は連続的に、弁座のシール円錐により緊密に位置するようになり、且つ、シール効果を増強又は強化する。極度の障壁又は最大約5バールのシール圧によって、弁のばね膜領域は内部に屈曲し、且つ、圧力に引き出されることによって再び正確な初期位置又は状態に戻る。通常の且つ極度の障壁又はシール圧によって、弁座の中心内の中心合わせ突起が、弁位置の軸方向変位又はシフト及び軸方向−半径方向不整合を防止する。加えて、これは流れ空間を縮小し、したがって、一定の流速に寄与する。
【0124】
体積流量のより多い局面がより長くなることによって、弁は、流れ抵抗の低減に向けて数ミリバール、エラストマ材料の一般的な反応を弛緩させる。これらの材料の間で又は下で、シリコンゴムは、特に弛緩がより低いことに起因して、重要な地位を有する。しかしながら、キャップに対する持続的な軸方向残留力によってキャップも弁座基部に向けて弛緩するという事実に起因して、この弛緩方向が、プレストレス又は付勢の増大方向と一致するときに、補償効果が発生する。このように、キャップを有する弁設計は、補償取り付け構成によって、圧力体積流量特性線の弛緩をより低くすることを可能にする。適切な一連の試験又は実験全体を通じて、弁及びキャップの弛緩の中庸な相互補償が決定及び実施されるように、消耗品及び機械の構成要素及び要素許容誤差、処置温度及び時間な機械の摩耗及び裂開動作を考慮に入れて、特にキャップの円錐座部領域の幾何学的構成が最適化され得る。
【0125】
そこに又はその中に配置されるように意図されている場所における、装備されたカセット消耗品の緊密性は、特に代替コネクタにある閉鎖スリーブ(対応するシール機能を有する)が、一連の消耗品によって省略され得るように信頼可能ではないことを証明している。ここで、国際公開第2010/121819号パンフレットの
図1内の参照符号41を参照されたい。これは、それ以上の閉鎖スリーブのシール作動のために、且つ、同時に、より経済的且つより迅速に実行するためにハブを使用することを必要としない、機械側アクチュエータ−センサ結合機構のさらなる単純化によって達成される。
【0126】
本発明は、添付の図面又は図解を参照しながら例示的に説明されるものとし、同一の参照符号は、同じ又は同一の要素を指す。部分的に大きく単純化された図面において、以下が適用される。