(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記太陽電池モジュールは、全面積の2/7以下が前記第2曲面を覆い、全面積の5/7以上が前記第1曲面を覆うように配置されることを特徴とする請求項6に記載のウィンドウブラインド。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、建築物の電力負荷の解消のための代案として、太陽電池を備えるウィンドウブラインドを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、ウィンドウブラインドに設置できるように柔軟性、軽量特性及び高出力特性を有する太陽電池を提供することにある。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、スラットの領域毎の日照量を考慮してスラットの面積に対して最適な大きさを有する太陽電池モジュールを提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、各スラットに設置される太陽電池モジュール間の電気的接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態によるウィンドウブラインドは、凸曲面を備えるスラットと、複数の太陽電池を備え、前記スラットの凸曲面に取り付けられる太陽電池モジュールとを含む。前記太陽電池を前記凸曲面に取り付けることができるように、前記太陽電池のキャリア生成部は、湾曲変形可能な薄膜III−V族化合物半導体からなる。また、前記太陽電池モジュールは、発電効率を考慮して最適な大きさで最適な位置に配置される。前記太陽電池モジュールの縦方向の曲面の長さは、前記スラットの縦方向の曲面の長さの半分以上であり、前記太陽電池モジュールは、前記スラットの横方向中心線を基準として一側に偏心して配置される。
【0010】
前記太陽電池モジュールの縦方向の曲面の長さは、前記スラットの縦方向の曲面の長さの70%以下である。
【0011】
前記太陽電池モジュールの縦方向の曲面の長さは、前記スラットの縦方向の曲面の長さの63〜70%であることが好ましい。
【0012】
前記太陽電池モジュールの下端は、前記スラットの下端に接するか、又は前記スラットの下端から所定距離離隔し、前記太陽電池モジュールの上端は、前記スラットの横方向中心線に接するか、又は前記横方向中心線を基準として他側に配置される。前記所定距離は、前記スラットの縦方向の曲面の長さの1/10以下である。
【0013】
前記凸曲面は、前記横方向中心線を基準として一側領域に相当する第1曲面と、前記横方向中心線を基準として他側領域に相当し、傾斜方向に光が照射されると直上のスラットにより影が生じる第2曲面とからなり、前記太陽電池モジュールは、前記第2曲面を覆う面積より前記第1曲面を覆う面積の方が大きくなるように配置される。
【0014】
前記太陽電池モジュールは、全面積の2/7以下が前記第2曲面を覆い、全面積の5/7以上が前記第1曲面を覆うように配置される。
【0015】
前記スラットには、前記横方向中心線に沿って変曲点が形成され、前記太陽電池モジュールは、前記変曲点を覆うように配置されてもよい。
【0016】
前記太陽電池モジュールは、前記複数の太陽電池を備える複数のサブモジュールの集合からなり、前記スラットには、前記各サブモジュールの一側と他側にそれぞれ孔が形成され、前記太陽電池モジュールは、前記サブモジュール同士を直列に接続する複数のリボンを備え、前記複数のリボンは、それぞれ前記複数の孔を介して前記凸曲面の背面を経由して互いに隣接して配置される2つのサブモジュールに接続される。
【0017】
前記ウィンドウブラインドは、前記背面から露出する前記リボン及び前記孔を覆うように配置される絶縁テープをさらに含む。
【0018】
前記サブモジュールは、前記複数の太陽電池の集合からなり、前記サブモジュールは、前記太陽電池同士を直列に接続するインターコネクタを備え、前記インターコネクタは、ベースと、前記ベースの一面に形成され、隣接する2つの太陽電池同士を電気的に接続するように隣接する2つの太陽電池にそれぞれ接触する導電層と、前記太陽電池の短絡を防止するように前記導電層の中間部に形成される絶縁層とを含む。
【0019】
前記インターコネクタ及び前記スラットは、可視光線の80%以上を吸収するようにコーティングされる。
【0020】
前記ベースは、銅(Cu)からなり、10〜200μmの厚さを有し、前記導電層は、前記ベースに錫−鉛(SnPb)合金がコーティングされて形成され、1〜100μmの厚さを有する。
【0021】
前記複数のサブモジュールのうち最外郭のサブモジュールに接続されるリボンは、前記孔を介して前記背面に延びて前記背面に配置される多接点コネクタに接続され、前記ウィンドウブラインドは、前記多接点コネクタに接続されるケーブルをさらに含み、前記ケーブルは、前記スラットに形成される配線孔を貫通し、直上のスラットの多接点コネクタと直下のスラットの多接点コネクタに接続される。
【0022】
前記ウィンドウブラインドは、前記ケーブルの折れ曲がりやねじれを防止するように前記ケーブルを囲む支持棒をさらに含む。
【0023】
前記支持棒は、金属、合成樹脂及び合成繊維の少なくとも1つからなる。
【0024】
前記ウィンドウブラインドは、前記太陽電池モジュールを保護するように前記スラットと前記太陽電池モジュールを覆う封止フィルムをさらに含み、前記封止フィルムは、前記スラットの凸曲面と前記太陽電池モジュール全体を覆う第1部分と、前記第1部分の両側にそれぞれ形成され、前記凸曲面の背面に貼り付けられる2つの第2部分とからなる
【0025】
前記ウィンドウブラインドは、前記2つの第2部分と前記背面を覆う背面封止フィルムをさらに含む。
【0026】
前記ウィンドウブラインドは、太陽光に直接さらされるように建物の外部に設置されてもよい。
【0027】
前記複数の太陽電池を備えるサブモジュール同士が直列に接続されて前記太陽電池モジュールを形成し、前記太陽電池モジュール同士が直列に接続されて太陽電池モジュール群を形成し、前記太陽電池モジュール群は、前記各スラットに少なくとも1つずつ配置され、互いに並列に接続されてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、スラットの凸曲面に取り付けられる太陽電池モジュールは複数の太陽電池の集合からなり、太陽電池のキャリア生成部はIII−V族化合物半導体からなるので、太陽電池及び複数の太陽電池が集まって形成される太陽電池モジュールは柔軟性、軽量特性及び高出力特性を有する。
【0029】
このような特性により、太陽電池モジュールは、スラットの凸曲面の半分以上を覆うように配置することができる。太陽電池モジュールは、スラットの凸曲面の63〜70%を覆うように取り付けることがより好ましい。スラットの凸曲面に取り付けられる太陽電池モジュールは直上のスラットによる陰影により発電効率に限界があり、発電効率が飽和する太陽電池モジュールの面積率はスラットの凸曲面の約70%である。太陽電池モジュールがスラットの凸曲面の約70%を占めるとしても、太陽電池モジュールが柔軟性を有するので、スラットの凸曲面に取り付ける際に問題とならない。
【0030】
また、本発明によれば、太陽電池モジュール間の接続構造、異なるスラットに配置される太陽電池モジュール群同士の接続構造がほとんどスラットの背面に配置されるので、スラットが外部環境にさらされることによる影響を低減することができる。ウィンドウブラインドが建物の外部に設置されても、高日射量、降水などの天気の影響はもとより、外部の衝撃などからも接続構造を保護することができる。よって、スラットの太陽電池モジュールが配置されるスラットの凸曲面において前記接続構造が隠れるデザイン的効果もさらに得られる。
【0031】
太陽電池モジュールのサブモジュール同士の接続は必ずしもリボンによるものに限定されない。他の実施形態として、各サブモジュール同士が部分的に重なるように配置することにより、各サブモジュール同士が直接電気的に接続されるようにしてもよい。
【0032】
さらに、本発明によれば、ウィンドウブラインドが建物の外部に設置されても、封止フィルム及び背面封止フィルムにより太陽電池モジュールと接続構造を保護することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照して、本発明によるウィンドウブラインドについてより詳細に説明する。本明細書においては、異なる実施形態であっても同一又は類似の構成には同一又は類似の符号を付し、それについての重複する説明は省略する。本明細書で使用される単数の表現は、特に断らない限り、複数の表現を含む。
【0035】
図1は本発明によるウィンドウブラインド100を示す概念図である。
図2は
図1に示すウィンドウブラインド100の回路構成図である。
【0036】
ウィンドウブラインド100とは、窓などの日光が当たる所に設置され、日光を遮蔽したり外から建物内が見えないようにする装置をいう。ウィンドウブラインド100は、スラット110、太陽電池モジュール120及びロープ(rope)131を含み、サイドフレーム132及び制御モジュール140をさらに含んでもよい。
【0037】
スラット110は、光を遮蔽する目的で設置される。スラット110は、複数備えられ、上下方向に順次配列される。スラット110は、ロープ131により互いに連結される。スラット110は、ロープ131により移動し、互いに密着したり離隔する。スラット110は、互いに離隔させた状態で傾斜(tilt)させることができるように形成される。
スラット110を太陽に向かって傾斜させると、建物の内部に入る日光を遮断することができる。
【0038】
太陽電池モジュール120は、複数の太陽電池の集合からなる。複数の太陽電池が集まって互いに直列に接続されることにより、太陽電池モジュール120が形成される。
【0039】
太陽電池モジュール120は、スラット110の一面に設置される。スラット110が互いに離隔した状態で太陽に向かって傾斜すると、太陽電池モジュール120は太陽から供給される光を用いて電力を生産することができる。
【0040】
ロープ131は、スラット110を昇降及び傾斜可能に連結する。ロープ131に連結されたスラット110は、上昇することにより互いに密着し、逆に下降することにより互いに離隔する。ロープ131の動作は制御モジュール140により制御される。
【0041】
サイドフレーム132は、スラット110の両側に設置される。サイドフレーム132は、スラット110の昇降経路を設定するガイドレール(図示せず)を備えてもよい。スラット110は、両側に突出部(図示せず)を備え、突出部がサイドフレーム132のガイドレールに挿入されるようにしてもよい。ガイドレールがスラット110の昇降方向に延びている場合、スラット110はガイドレールにより設定された昇降経路を移動する。
【0042】
制御モジュール140は、ウィンドウブラインド100の全般的な制御を担う。例えば、制御モジュール140は、スラット110の移動と太陽電池モジュール120の電力生産を制御する。制御モジュール140は、スラット110の移動と太陽電池モジュール120の電力生産の制御のために、電圧安定器141、照度センサ142、駆動モータ143、インバータ144及び電力量計145を含んでもよい。
【0043】
電圧安定器141は、コンセントなどを介して商用電力供給源10に電気的に接続され、入力電圧や負荷に関係なく一定の電圧が維持されるようにする。
【0044】
照度センサ142は、光の明るさを検知するように構成される。照度センサ142により検知される光の明るさによって駆動モータ143が動作するようにしてもよい。例えば、日照量が過度に多いときは、駆動モータ143が動作してスラット110を下降させてから傾斜させることにより、建物の内部に入る光を遮断するようにしてもよい。
【0045】
駆動モータ143は、ロープ131に駆動力を供給し、ロープ131に連結されたスラット110を移動させたり傾斜させる。
【0046】
インバータ144は、太陽電池モジュール120から生産される直流電力を交流電力に変換するように構成され、インバータ144により変換された交流電力は電力会社20に供給又は販売される。電力量計145は、電力会社20に供給又は販売される交流電力の電力量を測定するように構成される。
【0047】
以下、スラット110及び太陽電池モジュール120について詳細に説明する。
【0048】
図3はスラット111、112及び太陽電池モジュール121a、121b、121c、121d、122a、122b、122c、122dの概念図である。
【0049】
スラット111、112は、凸曲面111a、112aを備える。例えば、
図3に示すように、スラット111、112の前面(又は一面)は凸曲面111a、112aからなり、スラット111、112の背面(又は他面)111b、112bは凹んだ曲面からなるようにしてもよい。
【0050】
スラット111、112が凸曲面111a、112aを有するのは、構造的剛性と日射量の調整のためである。
【0051】
スラット111、112が平面からなる場合は、外力によりスラット111、112の左右が重なるように折れ曲がってしまう恐れがある。それに対し、スラット111、112が凸曲面111a、112aを有する場合は、外力に対する抵抗力を有し、構造的剛性を確保することができる。
【0052】
また、スラット111、112が平面からなる場合は、2つのスラット111、112間で光が反射して建物の内部に入ることがある。それに対し、スラット111、112が凸曲面111a、112aを有する場合は、このような現象を防止することができ、日射量を調整することができる。
【0053】
太陽電池モジュール121a、121b、121c、121d、122a、122b、122c、122dは、スラット111、112の凸曲面111a、112aに取り付けられる。太陽電池モジュール121a、121b、121c、121d、122a、122b、122c、122dは複数の太陽電池の集合からなるので、太陽電池モジュール121a、121b、121c、121d、122a、122b、122c、122dを凸曲面111a、112aに取り付けるためには、それぞれの太陽電池が柔軟性を有しなければならない。
【0054】
一般的に、従来のシリコンからなる太陽電池は、大きさが5〜6インチであり、脆性(brittleness)を有する。従って、シリコンからなる太陽電池を繰り返し湾曲変形させると、機械的強度を維持できなくなり、変形や破損につながる。つまり、シリコンからなる太陽電池は十分な柔軟性を有しない。
【0055】
また、シリコンからなる太陽電池は、効率に限界があるので、サイズ制限のあるウィンドウブラインド(
図1の符号100参照)への適用には適していない。これは、太陽電池の効率に限界がある限り、ウィンドウブラインドに適用される太陽電池モジュール121a、121b、121c、121d、122a、122b、122c、122dの発電容量にも限界があるからである。
【0056】
よって、本発明の太陽電池は、凸曲面111a、112aに取り付けることができるように、薄膜III−V族化合物半導体を含む。太陽電池が薄膜III−V族化合物半導体を含むとは、太陽電池のキャリア(電子、正孔)生成部が薄膜III−V族化合物半導体からなることを意味する。ここで、キャリア生成部とは、光電効果によりキャリアが生成される部分をいう。例えば、太陽電池は、フレキシブル基板、下部電極、薄膜III−V族化合物半導体及び上部電極が順次積層された構造を有し、キャリアは薄膜III−V族化合物半導体で生成される。
【0057】
薄膜III−V族化合物半導体は、例えば、GaAs(ガリウム砒素)単位薄膜からなるようにしてもよく、必要電圧によって、GaInP(ガリウムインジウムリン)、AlInP(アルミニウムインジウムリン)、AlGaAs(アルミニウムガリウム砒素)などの単位薄膜が追加されてもよい。
【0058】
ELO(Epitaxial Lift Off)技術により湾曲変形が可能な薄膜III−V族化合物半導体は、シリコン半導体に比べて小さく、薄く、壊れにくい。このような特性は太陽電池モジュール121a、121b、121c、121d、122a、122b、122c、122dの柔軟性を確保できるようにする。
【0059】
スラット111、112の凸曲面111a、112aは、約180R(180mm)の曲率半径を有する。また、薄膜III−V族化合物半導体を含む太陽電池は、約50R(50mm)の曲率半径を有する。曲率半径が小さいとは曲率が大きいことを意味するので、薄膜III−V族化合物半導体を含む太陽電池がスラット111、112の凸曲面111a、112aより多く湾曲することができる。よって、シリコンからなる太陽電池とは異なり、薄膜III−V族化合物半導体を含む太陽電池は、湾曲変形可能であり、スラット111、112の凸曲面111a、112aに取り付けることができる。
【0060】
スラット111、112の凸曲面111a、112aの曲率が均一でない場合は、凸曲面111a、112aに変曲点が存在する。しかし、凸曲面111a、112aに変曲点が存在するとしても、薄膜III−V族化合物半導体を含む太陽電池が柔軟性を有するので、変曲点上にも太陽電池を取り付けることができる。
【0061】
薄膜III−V族化合物半導体は、シリコン半導体に比べて薄い。薄膜III−V族化合物半導体は1〜4μmの厚さを有する。それに対し、シリコン半導体は一般的に約200μmの厚さを有する。柔軟性を有する太陽電池モジュール121a、121b、121c、121d、122a、122b、122c、122dを実現するためには、薄膜III−V族化合物半導体が薄いことが好ましい。薄膜III−V族化合物半導体は、4μm以下の厚さでも十分な光電効果を起こすことができ、高効率を保証する。
【0062】
また、薄膜III−V族化合物半導体は、シリコン半導体に比べて高効率かつ高出力の特性を有する。同じ条件で、薄膜III−V族化合物半導体を含む太陽電池は27〜31%の効率を示すのに対し、シリコン半導体を含む太陽電池は16〜23%の効率を示す。
スラット111、112に取り付けられる太陽電池の数には限界があるので、単位太陽電池の効率が高くないとウィンドウブラインドに要求される発電容量を得ることができない。
【0063】
さらに、薄膜III−V族化合物半導体は、シリコン半導体に比べて軽いので、ウィンドウブラインドのスラット111、112への取り付けに適する。
【0064】
一方、太陽電池モジュール121a、121b、121c、121d、122a、122b、122c、122dは複数備えられ、各太陽電池モジュール121a、121b、121c、121d、122a、122b、122c、122d同士は直列又は並列に接続される。例えば、1つのスラット111(112)に取り付けられる複数の太陽電池モジュール121a、121b、121c、121d(122a、122b、122c、122d)同士は直列に接続されてもよい。また、1つのスラット111に取り付けられる複数の太陽電池モジュール121a、121b、121c、121dを1つの太陽電池モジュール群121とし、他のスラット112に取り付けられる複数の太陽電池モジュール122a、122b、122c、122dを他の太陽電池モジュール群122とすると、太陽電池モジュール群121、122同士は並列に接続されてもよい。太陽電池モジュール群121、122間の電気的接続はケーブル151、152により行われる。
【0065】
スラット111の両端部に配線孔111c、111dが形成され、スラット112の両端部に配線孔112c、112dが形成され、ケーブル151が配線孔111c、112cを通過し、ケーブル152が配線孔111d、112dを通過することにより、太陽電池モジュール群121、122同士を電気的に接続するようにしてもよい。いずれかのスラット111を基準とすると、ケーブル151、152は、直上のスラット112の太陽電池モジュール群122と直下のスラット(図示せず)の太陽電池モジュール群(図示せず)にそれぞれ電気的に接続されるようにしてもよい。ケーブル151、152は異なる極性に接続され、一方のケーブル151はインバータ(
図2の符号144参照)の(+)極に接続され、他方のケーブル152はインバータの(−)極に接続されるようにしてもよい。
【0066】
ウィンドウブラインドは、支持棒160をさらに含んでもよい。スラット111、112が昇降する過程でケーブル151、152の折れ曲がりやねじれが発生する恐れがある。ケーブル151、152の折れ曲がりやねじれが繰り返し発生すると、ケーブル151、152の断線が発生する。支持棒160は、ケーブル151、152の折れ曲がりやねじれを防止するように、ケーブル151、152を囲む。支持棒160は、金属、合成樹脂(プラスチック)、合成繊維などからなるようにしてもよい。
【0067】
以下、太陽電池モジュール121a、121b、121c、121d、122a、122b、122c、122dを保護するための構成について説明する。
【0068】
図4はスラット110、太陽電池モジュール120a、120b、120c、120d、封止フィルム171及び背面封止フィルム172の分解図である。
【0069】
スラット110及び太陽電池モジュール120a、120b、120c、120dについては、
図3で説明したのでその説明を省略する。
【0070】
本発明によるウィンドウブラインド(
図1の符号100参照)は、太陽光に直接さらされるように建物の外部に設置される。ウィンドウブラインドを建物の内部に設置した場合は、窓を透過する光の反射により太陽電池モジュール120a、120b、120c、120dに到達する光の量が減少する。よって、発電量の最大化のためには、ウィンドウブラインドを建物の外部に設置することが好ましい。ただし、ウィンドウブラインドを建物の外部に設置するためには、太陽電池モジュール120a、120b、120c、120dはもとより、太陽電池モジュール120a、120b、120c、120d間の電気的接続のための構成も、水分の浸透などの外部環境から保護されるようにしなければならない。
【0071】
ウィンドウブラインドは、太陽電池モジュール120a、120b、120c、120dを保護する封止フィルム171及び背面封止フィルム172をさらに含む。封止フィルム171及び背面封止フィルム172は、PET(polyethylene terephthalate)及び/又はEVA(ethylene-vinyl acetate)からなるようにしてもよい。外部要因によるスクラッチを防止するために、PETの上面にハードコーティングが追加されてもよい。
【0072】
封止フィルム171は、太陽電池モジュール120a、120b、120c、120dを保護するように、スラット110と太陽電池モジュール120a、120b、120c、120dを覆う。封止フィルム171は、スラット110の凸曲面110aに加え、スラット110の背面110b(凸曲面110aの背面110b)にも貼り付けられるようにしてもよい。封止フィルム171は、スラット110の凸曲面110aと太陽電池モジュール120a、120b、120c、120d全体を覆う第1部分171aと、スラット110の背面110bに貼り付けられる第2部分171bとからなる。ここで、第2部分171bは、
図4に示すように第1部分171aの両側にそれぞれ形成される。
【0073】
1次ラミネーション工程でスラット110より大きい面積を有する封止フィルム171がスラット110の凸曲面110aに貼り付けられると、スラット110の凸曲面110aに配置された太陽電池モジュール120a、120b、120c、120dもスラット110に取り付けられる。ラミネーション工程とは、熱と圧力を加えて封止フィルム171を平面又は曲面に貼り付ける工程をいう。1次ラミネーション工程では、第1部分171aがスラット110の凸曲面110aと太陽電池モジュール120a、120b、120c、120dに貼り付けられ、2つの第2部分171bはリリースフィルムにより保護される。
【0074】
1次ラミネーション工程が完了すると、リリースフィルムを除去し、第1部分171aと第2部分171bの境界(2箇所)で封止フィルム171を折ってスラット110の背面110bに密着させ、その後、2次ラミネーション工程で封止フィルム171をスラット110の背面110bに貼り付ける。
【0075】
背面封止フィルム172は、2つの第2部分171bとスラット110の背面110bを覆う。背面封止フィルム172も、ラミネーション工程でスラット110の背面110bに貼り付けられるようにしてもよい。
【0076】
以下、太陽電池モジュール120a、120b、120c、120dの詳細構造について説明する。
【0077】
図5はスラット110に設置される太陽電池モジュール120a、120bの概念図である。
【0078】
それぞれの太陽電池モジュール120a、120bは、太陽電池SCを備えるサブモジュール120a1の集合からなる。太陽電池SCの集合により1つのサブモジュール120a1が形成され、サブモジュール120a1の集合により1つの太陽電池モジュール120aが形成される。また、それぞれの太陽電池モジュール120a、120bは、スラット110の凸曲面110aに取り付けられる。
【0079】
それぞれの太陽電池モジュール120a、120b同士は直列又は並列に接続される。
【0080】
1つの太陽電池モジュール120a、120bにおいて、サブモジュール120a1同士は直列に接続される。太陽電池モジュール120a、120bは、サブモジュール120a1同士を直列に接続する複数のリボン181、182を含む。リボン181、182は、サブモジュール120a1の両側に形成される。リボン181、182が隣接するサブモジュール120a1に接続されることにより、サブモジュール120a1同士が直列に接続される。
【0081】
1つのサブモジュール120a1において、太陽電池SC同士は直列に接続される。サブモジュール120a1は、太陽電池SC同士を直列に接続するインターコネクタICを含む。インターコネクタICは、2つの太陽電池SC間に少なくとも1つ備えられる。インターコネクタICの構造については
図6A及び
図6Bを参照して説明する。
【0082】
図6AはインターコネクタICの一面を示す概念図である。
図6BはインターコネクタICの他面を示す概念図である。
【0083】
インターコネクタICは、ベースIC1、導電層IC2及び絶縁層IC3を含む。
【0084】
ベースIC1は、銅(Cu)からなり、10〜200μmの厚さを有するようにしてもよい。ベースIC1の厚さが10μmより薄いと、機械的耐久性を維持することが困難であり、ベースIC1の厚さが200μmを超えると、サブモジュールの柔軟性を実現することが困難である。
【0085】
導電層IC2は、ベースIC1の一面に形成される。導電層IC2は、ベースIC1に錫−鉛(SnPb)合金をコーティングして形成してもよい。導電層IC2は、1〜100μmの厚さを有するようにしてもよい。電気的接続の信頼性のためには、導電層IC2の厚さが1μm以上でなければならず、サブモジュールの柔軟性のためには、導電層IC2の厚さが200μm以下でなければならない。
【0086】
絶縁層IC3は、短絡を防止するように、非導電性素材からなる。太陽電池はフレキシブル基板、下部電極、薄膜III−V族化合物半導体及び上部電極からなる積層構造を有するが、1つの太陽電池内で下部電極と上部電極が導電層IC2により電気的に接続されると短絡が発生する。
【0087】
しかし、絶縁層IC3が導電層IC2の中間部に配置された場合は、下部電極と上部電極の電気的接続を防止することができ、短絡を防止することができる。
【0088】
インターコネクタICは、ECA(Electric Conductive Adhesive)又は導電性ペーストにより2つの太陽電池間に接着されるようにしてもよい。インターコネクタIC及びスラットは、暗い色の太陽電池とのデザイン的な調和のために、暗い色でコーティングしてもよい。
【0089】
インターコネクタIC及びスラットを暗い色にするためには、コーティングが可視光線を所定量以上吸収するようにしなければならない。コーティングがインターコネクタIC及びスラットに入射する可視光線の80%以上を吸収する場合、インターコネクタIC及びスラットと太陽電池のデザイン的な調和を図ることができる。
【0090】
以下、ウィンドウブラインドに生じる陰影と太陽電池モジュールの最適な位置及び大きさについて説明する。
【0091】
図7はスラット111、112、113における太陽光が到達する領域と陰影Sが生じる領域を説明するための概念図である。
【0092】
駆動モータ(
図2の符号143参照)の駆動により又は手動でロープ(
図1の符号131参照)を引っ張ると、ロープが動き、ロープに連結されたスラット111、112、113は下降することにより互いに離隔する。その後、スラット111、112、113を回転させて傾斜させると、建物の内部に入る太陽光が遮蔽される。この状態で、スラット111、112、113の凸曲面111a、112a、113aは太陽に向かうように配置される。
【0093】
スラット111、112、113が一定間隔で配置された状態でウィンドウブラインドに太陽光が当たると、直上のスラット111、112、113によりスラット111、112、113の背面111b、112b、113bの後方に陰影(影)Sが生じる。ウィンドウブラインドが建物の外部に設置された場合、陰影Sはスラット111、112、113の凸曲面111a、112a、113aにおいて主に建物に近い領域に生じる。陰影Sの大きさは、太陽の高度に応じて異なり、また、季節や時間の影響を受けるので季節や時間に応じて異なる。
【0094】
太陽電池モジュールの発電量を最大化するために、太陽電池モジュールが凸曲面111a、112a、113a全体を覆うようにしてもよい。しかし、太陽電池モジュールが凸曲面111a、112a、113a全体を覆う場合、陰影Sが生じる領域には太陽光が到達しない。従って、陰影Sが生じる領域に配置された太陽電池は発電できず、ウィンドウブラインドの不要な価格上昇をもたらす。よって、ウィンドウブラインドの経済性及び発電効率性のためには、スラット111、112、113の領域、月毎に陰影Sを分析し、最適な大きさで最適な位置に太陽電池を取り付ける必要がある。例えば、スラット111、112、113において陰影Sが生じる領域を除く領域に太陽電池を配置するようにしてもよい。
【0095】
太陽電池は、電流整合(current matching)のために、各スラット111、112、113に占める面積が同一になるように配置する。場合によっては、陰影Sが生じないスラット113に配置される太陽電池の面積を他のスラット111、112に配置される太陽電池の面積より広くしてもよい。例えば、下の2つのスラット111、112においては、陰影Sが生じる領域を除く領域にのみ太陽電池を配置し、最も上のスラット113においては、凸曲面113a全体に太陽電池を配置するようにしてもよい。
【0096】
図7を参照すると、スラット111、112、113は凸曲面111a、112a、113aを有するので、スラット111、112、113を横から見ると弧(円弧)状である。その弧を10の領域S1〜S10に均等分割し、建物から最も遠い位置の領域をS1、建物に最も近い位置の領域をS10とし、凸曲面111a、112a、113aの領域毎に太陽電池の発電効率を分析した。
【0097】
下記表1は凸曲面111a、112a、113aの領域、月毎に太陽電池の発電効率を分析した結果である。下記表1において、最左列の数字1〜12は、太陽電池の発電効率実験を行った月を示す。また、下記表1において、最上行のS1〜S10は、スラット111、112、113の凸曲面111a、112a、113aの均等分割された領域を示す。S1は建物から最も遠い位置の領域を示し、S10は建物に最も近い位置の領域を示す。各セルの数字は太陽電池の発電効率を示し、最小値が0.0(%)であり、最大値が100.0(%)である。
【0099】
領域S1は毎月太陽光に最も多くさらされる領域であるので、領域S1に配置された太陽電池の発電効率が最も高かった。それに対し、領域S10は毎月常に陰影Sが生じる領域であるので、領域S10に配置された太陽電池の発電効率が最も低かった。
【0100】
実験を行った月によって程度の差はあるが、領域S1に配置された太陽電池の発電効率が最も高く、領域S10に近づくほど次第に太陽電池の発電効率が低くなる傾向を示している。上記表1のデータから、太陽電池モジュールがスラット111、112、113の凸曲面111a、112a、113aに占める面積率と発電量の関係を得ることができる。
【0101】
図8は太陽電池モジュールの面積率と発電量の関係を示すグラフである。グラフの横軸はスラットの凸曲面に対する太陽電池モジュールの面積率(%)を示し、グラフの縦軸は年間発電量(Wh)を示す。
【0102】
太陽電池モジュールの面積率とは、太陽電池モジュール120a、120bがスラットの凸曲面を覆っている程度を意味する。太陽電池モジュールの面積率が大きくなるほど、太陽電池モジュールがスラットの凸曲面に占める面積が大きくなる。
【0103】
太陽電池モジュールの面積率は、スラットの縦方向の曲面の長さと太陽電池モジュールの縦方向の曲面の長さから導出することができる。スラットの横方向とは、スラットの両端部に形成される2つの配線孔に向かって延びる方向、縦方向より長い方向、又は建物の外壁と平行な方向をいう。スラットの縦方向とは、凸曲面が形成される方向、スラットの弧が形成される方向、横方向に直交する方向、又は横方向より短い方向をいう。
【0104】
例えば、スラットの凸曲面を上記表1のように領域S1から領域S10に均等分割した場合、太陽電池モジュールの下端が領域S1と領域S2の境界に位置し、太陽電池モジュールの上端が領域S6と領域S7の境界に位置すると、太陽電池モジュールは領域S2から領域S6を覆う。ここで、太陽電池モジュールの縦方向の曲面の長さは領域S1と領域S2の境界から領域S6と領域S7の境界までであるので、スラットの縦方向の曲面の長さの1/2である。また、太陽電池モジュールの面積率は、スラットの凸曲面の50%である。
【0105】
太陽電池モジュール120a、120bの発電量を最大化するためには、太陽電池モジュールがスラットの横方向に詰めて配置されていなければならない。太陽電池モジュールがスラットの横方向に詰めて配置されている場合、太陽電池モジュールの縦方向の曲面の長さと太陽電池モジュールの面積率は実質的に同じ意味を有する。
【0106】
図8を参照すると、太陽電池モジュールの面積率が大きくなるにつれて年間発電量が増加する傾向を示す。太陽電池モジュールの面積率が70%以下の区間では、年間発電量が太陽電池モジュールの面積率にほぼ比例し、太陽電池モジュールの面積率が70%の区間では、全体発電可能量の90%以上に達する。
【0107】
しかし、太陽電池モジュールの面積率が70%を超える区間では、スラットに生じる陰影Sにより年間発電量の増加が僅かである。つまり、太陽電池モジュールの面積率が70%を超える区間では、太陽電池モジュールの面積率の増加による効果が飽和することが分かる。
【0108】
よって、
図8のグラフから、スラットの凸曲面に対する最適な太陽電池モジュールの面積率は70%以下であることが分かる。また、太陽電池モジュールの発電量の確保のためには、太陽電池モジュールの面積率が50%以上でなければならず、
図8のグラフを参照すると、63%以上であることがより好ましい。63%以下では、太陽電池モジュールの面積率が大きくなるにつれて年間発電量が依然として増加するからである。
【0109】
つまり、太陽電池モジュールの縦方向の曲面の長さは、スラットの縦方向の曲面の長さの半分以上、70%以下でなければならず、63〜70%であることがより好ましい
【0110】
以下、このような太陽電池モジュールの配置について
図9Aを参照して説明する。
【0111】
図9Aはスラット110の一面を示す平面図である。
【0112】
図9Aに示すスラット110の一面はスラット110の凸曲面110aである。スラット110の凸曲面110aには複数の太陽電池モジュール120aが取り付けられ、各太陽電池モジュール120aはサブモジュール120a1、120a2、120a3の集合からなる。
【0113】
図9Aにおいて、スラット110の横方向はWで示し、スラット110の縦方向はDで示す。また、スラット110の縦方向の曲面の長さはaで示し、太陽電池モジュール120aの縦方向の曲面の長さはbで示し、スラット110の横方向中心線はcで示す。
【0114】
スラット110の凸曲面110aは、横方向中心線cを基準として一側と他側に分けられる。
図9Aにおいて、横方向中心線cの一側とは、横方向中心線cの下方領域を意味し、横方向中心線cの他側とは、横方向中心線cの上方領域を意味する。なお、横方向中心線cの一側は、
図7の領域S1〜S5であり、横方向中心線cの他側は、
図7の領域S6〜S10である。
【0115】
凸曲面110aは、横方向中心線cを基準として一側領域に相当する第1曲面S1〜S5と、横方向中心線cを基準として他側領域に相当する第2曲面S6〜S10とからなる。傾斜方向に太陽光が照射されると、第2曲面S6〜S10においては、直上のスラット(図示せず)により陰影Sが生じる。それに対し、第1曲面S1〜S5においては、太陽の高度によって陰影Sが生じる領域も生じない領域も存在する。上記表1を参照すると、領域S1では太陽電池の発電効率が季節に関係なく0より高い値であるので、第1曲面S1〜S5においては陰影Sが生じない領域が必ず存在する。それに対し、領域S10では太陽電池の発電効率が季節に関係なく0であるので、第2曲面S6〜S10においては陰影Sが生じる領域が必ず存在する。
【0116】
太陽電池モジュール120aは、スラット110の横方向中心線cを基準として一側に偏心して配置される。ここで、偏心して配置されるとは、太陽電池モジュール120aの縦方向の曲面の長さの中心がスラット110の横方向中心線c上に位置せず、第1曲面に位置することを意味する。
図9Aを参照すると、太陽電池モジュール120aは、凸曲面110aの下部領域に配置される。よって、太陽電池モジュール120aは、第2曲面を覆う面積より第1曲面を覆う面積の方が大きくなるように配置される。
【0117】
太陽電池モジュール120aが第1曲面側に偏心して配置されるのは、第2曲面に陰影Sが生じるからである。太陽電池モジュール120aの発電効率を最大化するためには、太陽電池モジュール120aを日照量が最も多い位置に配置しなければならず、第2曲面よりは第1曲面の方が、日照量が多い。
【0118】
太陽電池モジュール120aの下端は、スラット110の下端に接するように配置されることが最も好ましい。これは、
図7から分かるように、領域S1で太陽電池の発電効率が最も高いからである。太陽電池モジュール120a及びスラット110の下端とは、
図9Aにおける最下部を意味する。
【0119】
ただし、太陽電池モジュール120aの下端が常にスラット110の下端に接するように配置されるのではなく、太陽電池モジュール120aの下端は、スラット110の下端から所定距離離隔するように配置されてもよい。ここで、所定距離は、スラット110の縦方向の曲面の長さ(a)の1/10以下であることが好ましい。これは、上記表1から分かるように、領域S1の発電効率が最も高いからである。
【0120】
前述したように、太陽電池モジュール120aの縦方向の曲面の長さ(b)は、スラット110の縦方向の曲面の長さ(a)の50〜70%でなければならず、63〜70%であることがより好ましい。太陽電池モジュール120aの縦方向の曲面の長さ(b)がスラット110の縦方向の曲面の長さ(a)の50%である場合、太陽電池モジュール120aの下端がスラット110の下端に接するように配置されると、太陽電池モジュール120aの上端はスラット110の横方向中心線cに接する。
【0121】
また、太陽電池モジュール120aの縦方向の曲面の長さ(b)がスラット110の縦方向の曲面の長さ(a)の50%を超えるか、又は太陽電池モジュール120aの下端がスラット110の下端から離隔する場合は、太陽電池モジュール120aの上端はスラット110の横方向中心線cを基準として他側領域に相当する第2曲面に配置される。
【0122】
一方、太陽電池モジュール120aが本発明で定義する最大の大きさを有するのは、太陽電池モジュール120aの縦方向の曲面の長さ(b)がスラット110の縦方向の曲面の長さ(a)の70%である場合である。この場合、太陽電池モジュール120aの下端がスラット110の下端に接するように配置されると、太陽電池モジュール120aはスラット110の領域S1から領域S7を覆うように配置される。よって、太陽電池モジュール120aの全面積は領域S1〜領域S7に応じて7等分される。
【0123】
7等分された太陽電池モジュール120aの全面積のうち、7分の5は第1曲面を覆うように配置され、7分の2は第2曲面を覆うように配置される。太陽電池モジュール120aが本発明で定義する最大の大きさより小さい場合は、第1曲面を覆う面積はそのまま維持し、第2曲面を覆う面積を小さくすることが好ましい。つまり、第1曲面を覆う面積は7分の5より大きくし(7分の5以上)、第2曲面を覆う面積は7分の2より小さくする(7分の2以下)。
【0124】
このように、太陽電池モジュール120aの縦方向の曲面の長さ(b)がスラット110の縦方向の曲面の長さ(a)の最大70%となるようにするために、太陽電池は、スラット110の凸曲面110aに取り付けることができるように、柔軟性を有しなければならない。本発明の太陽電池は、前述したように湾曲変形可能な薄膜III−V族化合物半導体を含むので、スラット110の凸曲面110aに取り付けることができる。
【0125】
とりわけ、スラット110の凸曲面110aが一定でない曲率を有する場合は、横方向中心線cに沿って変曲点が形成される。この場合も、薄膜III−V族化合物半導体を含む太陽電池が柔軟性を有するので、太陽電池モジュール120aは変曲点を覆うように配置することができる。
【0126】
以下、太陽電池モジュール120aの電気的接続構造について説明する。
【0127】
太陽電池モジュール120aは、発電のために、スラット110の凸曲面110aに配置せざるを得ない。しかし、太陽電池モジュール120aの電気的接続のためのリボン181、182や多接点コネクタ191は、電気的接続の信頼性と美観のために、スラット110の背面110bに配置することが好ましい。
【0128】
スラット110には、各サブモジュール120a1、120a2、120a3の一側と他側にそれぞれ孔110e、110f、110gが形成される。
図9Aを参照すると、各サブモジュール120a1、120a2、120a3の一側と他側には、それぞれ2つの孔110e、110f、110gが形成される。よって、隣接する2つのサブモジュール120a1、120a2、120a3間には、計4つの孔110e、110f、110gが形成される。
【0129】
太陽電池モジュール120aは、サブモジュール120a1、120a2、120a3同士を直列に接続する複数のリボン181、182、183を備える。リボン181、182、183は、それぞれスラット110の孔110e、110f、110gを介してスラット110の背面110bを経由して互いに隣接して配置される2つのサブモジュール120a1、120a2、120a3に接続される。このように、リボン181、182、183がスラット110の背面110bを経由することにより、スラット110の凸曲面110aからリボン181、182、183が露出することを最小限に抑えることができる。
【0130】
図9Bはスラット110の他面を示す底面図である。
【0131】
孔110e、110f、110gを介して背面110bを経由するリボン181、182、183は、背面110bから露出する。ウィンドウブラインドは、背面110bから露出するリボン181、182、183及び孔110e、110f、110gを覆うように配置される絶縁テープ190を含む。絶縁テープ190は、スラット110の背面110bに貼り付けられる。
【0132】
絶縁テープ190は、スラット110の背面110bで外部環境によりリボン181、182、183が損傷することを防止する。また、絶縁テープ190は、電気的絶縁性を有するので、リボン181、182、183の露出による短絡を防止する。
【0133】
スラット110の背面110bには多接点コネクタ191が配置される。多接点コネクタ191は、複数のリボンに電気的に接続される。サブモジュール120a1、120a2、120a3のうち最外郭のサブモジュール120a1に接続されるリボン181は、スラット110の孔110eを介してスラット110の背面110bに延びて多接点コネクタ191に接続される。
【0134】
ウィンドウブラインドは、多接点コネクタ191に接続されるケーブル151を含み、ケーブル151は、スラット110に形成される配線孔111cを貫通し、直上のスラット(図示せず)の多接点コネクタ(図示せず)と直下のスラット(図示せず)の多接点コネクタ(図示せず)に電気的に接続される。ケーブル151により太陽電池モジュール群を他のスラットの太陽電池モジュール群と並列に接続できることは前述した通りである。
【0135】
前述したウィンドウブラインドは、上記実施形態の構成や方法に限定されるものではなく、各実施形態の全部又は一部を選択的に組み合わせて構成することで様々に変形することができる。