特許第6563487号(P6563487)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6563487動的状況認識データに基づいて複数の自律モバイルノードを制御する方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563487
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】動的状況認識データに基づいて複数の自律モバイルノードを制御する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/185 20060101AFI20190808BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20190808BHJP
【FI】
   H04B7/185
   H04W84/06
【請求項の数】33
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2017-513596(P2017-513596)
(86)(22)【出願日】2015年5月19日
(65)【公表番号】特表2017-521974(P2017-521974A)
(43)【公表日】2017年8月3日
(86)【国際出願番号】US2015031629
(87)【国際公開番号】WO2015179439
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2018年5月17日
(31)【優先権主張番号】62/000,398
(32)【優先日】2014年5月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/000,450
(32)【優先日】2014年5月19日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516348223
【氏名又は名称】エピシス サイエンス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】ナディーシャ オリヴァー ラナシンハ
(72)【発明者】
【氏名】リュ ボン キョン
(72)【発明者】
【氏名】セン ウィ−ミン
【審査官】 鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0299947(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0228335(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0325357(US,A1)
【文献】 特開2004−336408(JP,A)
【文献】 特表平09−503892(JP,A)
【文献】 特開2014−027611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/185
H04W 84/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信の方法であって、
複数の自律航空モバイルノードを空中で展開することであって、前記展開することにより、第1のノードと第2のノードとの間に、前記複数の自律航空モバイルノード間にそれぞれ確立される複数の無線通信リンクを含む無線通信ネットワークを確立する、前記展開すること、
少なくとも部分的に前記複数の自律航空モバイルノードの役割情報に基づいて、前記第1のノードと、前記複数の自律航空モバイルノードに含まれる第1の自律航空モバイルノードとの間に第1の無線通信リンクを自律的に確立することであって、前記役割情報は、バックボーンノード、先端ノード、又はフリーノードを含み、前記先端ノードは、前記第1のノードから離れて前記第1の無線通信リンクの1つの端部に位置決めされ、及び前記バックボーンノードは、前記第1のノードと前記先端ノードとの間に位置決めされ、前記第1の無線通信リンクが前記第1のノードと前記第1の自律航空モバイルノードとの間に確立される場合、前記第1の自律航空モバイルノードの前記役割情報は、前記フリーノードから前記先端ノードに変わる、前記自律的に確立すること、
前記複数の自律航空モバイルノードの動きを自律的に調整又は制御することであって、前記自律的に調整又は制御することは、前記複数の自律航空モバイルノードの1つ又は複数の搭載センサからリアルタイムで受信されるデータから特定されるフィールドに基づいて、前記複数の自律航空モバイルノード間の分散方式で実行され、各フィールドは、フィールド強度成分及び速度成分を含み、且つ前記複数の自律航空モバイルノードが前記複数の無線通信リンクを確立するように移動して、前記第1の自律航空モバイルノードを介して前記第1のノードと前記無線通信ネットワークを形成するように、前記受信されたリアルタイムデータに基づいて前記複数の自律航空モバイルノードの吸引力又は排斥力を生じさせるように構成される、前記自律的に調整又は制御すること、及び
前記第2のノードとの無線通信リンクを含むように前記無線通信ネットワークを自律的に拡張することであって、前記無線通信ネットワークが前記第2のノードと確立される場合、前記第1のノードとの前記無線通信ネットワークに含まれる前記複数の自律航空モバイルノードの前記役割情報は、前記バックボーンノードに変わる、前記自律的に拡張することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記無線通信ネットワークの部分が破損したか否かを判断すること、及び
前記無線通信ネットワークの前記部分が破損したと判断される場合、前記複数の自律航空モバイルノード間の分散方式で、前記破損した無線通信ネットワークを自律的に修復すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線通信ネットワークの部分が破損しているか否かを判断することは、前記複数の自律航空モバイルノードの1つが通信していないか否かを判断することを含み、
分散方式で前記無線通信ネットワークを自律的に修復することは、
通信していないと判断された前記自律航空モバイルノードを、フリーノード若しくは余剰ノード、又は前記無線通信ネットワークを形成する前記1つ若しくは複数の自律航空モバイルノードの任意の1つである別の自律モバイルノードで置換することであって、前記別の自律モバイルノードは、通信していないと判断される前記自律航空モバイルノードを置換するように前記役割情報及び位置情報を変更するように構成される、前記置換すること
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
複数の自律航空モバイルノードを空中で展開することは、前記複数の自律航空モバイルノードを前記第1のノードの仮想ロケーションに向けて発進させることを含み、前記複数の自律航空モバイルノードは、前記第1のノードの前記仮想ロケーション及び1つ又は複数の目的地についての情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記データは、前記複数の自律航空モバイルノードからリアルタイムで受信される信号の信号強度又は品質についての情報を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の自律航空モバイルノードの第1の自律航空モバイルノードをナビゲートすること、
前記第1のノードに関連付けられたテンタクルがあるか否かを判断することであって、前記テンタクルは、前記複数の自律航空モバイルノードによって確立される1つ又は複数の無線通信リンクを含む、前記判断すること、及び
前記第1のノードに関連付けられた前記テンタクルがあると判断される場合、少なくとも部分的に前記複数の自律航空モバイルノードからリアルタイムで受信される前記データに基づいて、前記第1の自律航空モバイルノードを前記テンタクルに沿ってロケーションに向けてナビゲートすることであって、前記データは、前記第1の自律航空モバイルノードに搭載された1つ又は複数のセンサから受信される測定データである、前記ナビゲートすること、又は
前記第1のノードに関連付けられたテンタクルがないと判断される場合、少なくとも部分的に前記第1のノードからの受信データに基づいて、前記第1のノードの通信範囲のエッジにおけるロケーションに向けて前記第1の自律航空モバイルノードをナビゲートし、前記第1のノードとの前記テンタクルを確立し、且つ前記第1の自律航空モバイルノードの前記役割情報を前記テンタクルの先端ノードに変更すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の自律航空モバイルノードと前記第2のノードとの間の無線通信リンクが確立されているか否かを判断すること、及び
前記第1の自律航空モバイルノードと前記第2のノードとの間の前記無線通信リンクが確立されていると判断する場合、前記第1の自律航空モバイルノードと前記第2のノードとの間の前記無線通信リンクを含むように前記第1のノードとの前記テンタクルを拡張し、且つそれにより、前記第1のノードと前記第2のノードとの間に展開される前記第1の自律航空モバイルノードを介して、前記第1のノードと前記第2のノードとの間に前記無線通信ネットワークを確立すること
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の自律航空モバイルノードは無人航空機(UAV)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記無線通信ネットワークの前記部分が破損しているか否かを判断することは、
前記第1のノードとのテンタクル内の第1の隣接自律航空モバイルノードにプローブ信号を送信すること、及び
前記プローブ信号に応答して、タイマによって設定された時間期間以内に、応答信号を前記第1の隣接自律航空モバイルノードから受信することと、又は
前記プローブ信号に応答して且つ前記タイマの期限が切れたときに、前記第1の隣接自律航空モバイルノードが通信していないと判断し、且つ前記テンタクルを介した前記無線通信ネットワークが破損したと判断することと
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記無線通信ネットワークが破損したと判断された後、第2の隣接自律航空モバイルノードと通信して、前記第1の隣接自律航空モバイルノードを、フリーノード又は余剰ノードとしての前記役割情報を有する別の自律航空モバイルノードで置換すること、
前記別の自律航空モバイルノードと通信すること、
前記別の自律航空モバイルノードが前記第1のノードとの前記テンタクルの一部になるように、前記別の自律航空モバイルノードをナビゲートすることと、及び
少なくとも前記別の自律航空モバイルノードを介して、前記第1のノードとの前記無線通信ネットワークを再確立し、且つ前記別の自律航空モバイルノードの前記役割情報を前記テンタクルのバックボーン又は先端ノードに変更すること
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
自律モバイル装置であって、
メモリと、
前記メモリに結合される少なくとも1つのプロセッサと
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
空中に展開される複数の自律モバイル装置間の分散方式で、前記自律モバイル装置の動きを調整及び/又は制御して、地上の第1のノードとの無線通信ネットワークを形成すること、
前記複数の自律モバイル装置についての測定データを、前記自律モバイル装置に搭載される1つ又は複数のセンサからリアルタイムで受信すること、
前記測定データをフィールド情報に変換することであって、前記フィールド情報は、複数のフィールドであって、それぞれフィールド強度成分及び速度成分を含むように構成され、且つ前記複数の自律モバイル装置の吸引力又は排斥力を生じさせるように構成される複数のフィールドを含む、変換すること、
前記複数の自律モバイル装置の役割情報を受信することであって、前記役割情報は、バックボーンノード、先端ノード、又はフリーノードを含み、前記先端ノードは、前記第1のノードから離れた第1の無線通信リンクの1つの端部に位置決めされ、及び前記バックボーンノードは、地上の前記第1のノードと前記先端ノードとの間に位置決めされる、受信すること、及び
前記フィールド情報及び前記役割情報に基づいて、前記自律モバイル装置が、前記複数の自律モバイル装置を介して、地上の前記第1のノードとの前記無線通信ネットワークを確立するように移動するように、前記複数の自律モバイル装置間の分散方式で、前記自律モバイル装置の動きを調整又は制御すること
を実行するように構成される、自律モバイル装置。
【請求項12】
前記自律モバイル装置は無人航空機(UAV)を含む、請求項11に記載の自律モバイル装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1のノード又は別の自律航空モバイル装置のいずれかとの無線通信を確立するように更に構成される、請求項11に記載の自律モバイル装置。
【請求項14】
前記1つ又は複数のセンサは、無線ジオロケーションセンサ、イメージセンサ、化学的センサ、又は生物学的センサの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の自律モバイル装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記第1のノードとの確立されたテンタクルがあるか否かを判断することであって、前記テンタクルは、前記複数の自律モバイル装置により確立される1つ又は複数の無線通信リンクを含む、前記判断すること、及び
前記第1のノードとの確立されたテンタクルがあると判断される場合、前記フィールド情報及び前記役割情報に基づいて、前記テンタクルに沿ってロケーションに前記自律モバイル装置をナビゲートすること、又は
前記第1のノードと確立されたテンタクルがないと判断される場合、前記第1のノードとの無線通信リンクを確立し、それにより、前記第1のノードとの前記テンタクルを形成し、且つ前記自律モバイル装置の前記役割情報を前記無線通信リンクの先端ノードに変更すること
を実行するように更に構成される、請求項11に記載の自律モバイル装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
地上の第2のノードが前記自律モバイル装置の無線通信範囲内にあるか否かを判断すること、及び
地上の前記第2のノードが、前記自律モバイル装置の前記無線通信範囲内にあると判断される場合、地上の前記第2のノードと無線通信リンクを確立し、それにより、地上の前記第1のノードと前記第2のノードとの間に前記1つ又は複数の自律航空モバイル装置を介した無線通信ネットワークを含むように前記テンタクルを拡張すること
を実行するように更に構成される、請求項15に記載の自律モバイル装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記1つ又は複数のセンサからの前記測定データをリアルタイムで処理することであって、前記1つ又は複数のセンサは、少なくとも1つのイメージセンサを含むように構成される、前記処理すること、
前記測定データに基づいて地上での第2のノードの存在を検出すること、及び
前記測定データを前記フィールド情報に変換すること
を実行するように更に構成される、請求項15に記載の自律モバイル装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサは、地上での前記第2のノードの前記存在を検出する場合、前記第2のノードが地上で移動するにつれて、前記複数の自律モバイル装置をグループとして移動させることにより、地上の前記第2のノードの移動を動的に追跡するように更に構成される、請求項17に記載の自律モバイル装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記吸引力及び/又は排斥力を決定する際に、地上の前記第2のノードを仮想ノードとして表すこと、及び
前記フィールド情報に基づいて前記自律モバイル装置をナビゲートすること
を実行するように更に構成される、請求項18に記載の自律モバイル装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
地上の前記第2のノードの前記移動のビデオを捕捉すること、及び
前記テンタクルを介して、前記捕捉されたビデオを前記第1のノードに送信すること
を実行するように更に構成される、請求項18に記載の自律モバイル装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記1つ又は複数のセンサからリアルタイムで受信される前記測定データを処理することであって、前記1つ又は複数のセンサは、少なくとも1つの無線周波数(RF)ジオロケオーションセンサを含むように構成され、前記測定データは、地上の第2のノードによって発せられるRF信号の検出確率を含む、前記処理すること、
前記測定データに基づいて、前記第2のノードが地上に存在するか否かを判断すること、及び
前記第2のノードが地上に存在すると判断される場合、通信して、1つ又は複数の自律航空モバイル装置を地上の前記第2のノード付近のロケーションに引き寄せること
を実行するように更に構成される、請求項15に記載の自律モバイル装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記テンタクルを介して、地上の前記第2のノードの特定されたロケーションを前記第1のノードに送信するように更に構成される、請求項21に記載の自律モバイル装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記1つ又は複数のセンサからリアルタイムで受信される前記測定データを処理することであって、前記1つ又は複数のセンサは、少なくとも1つの生物学的又は化学的センサを含むように構成され、及び前記測定データは、標的汚染材料の検出レベルを含む、前記処理すること、
前記標的汚染材料の前記検出レベルが所定値以上であるか否かを判断すること、及び
前記標的汚染材料の前記検出レベルが前記所定値以上であると判断される場合、前記テンタクルを介して、前記標的汚染材料の前記検出レベルについての情報を前記第1のノードに通信すること
を実行するように更に構成される、請求項15に記載の自律モバイル装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記標的汚染材料を検出した前記複数の自律モバイル装置から受信される情報に基づいて、前記検出された標的汚染材料のロケーションを特定するように更に構成される、請求項23に記載の自律モバイル装置。
【請求項25】
前記複数の自律航空モバイルノードの役割は、前記無線通信ネットワークにおけるオーファンノード又は余剰ノードを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の自律航空モバイルノードの1つ又は複数の搭載センサからリアルタイムで受信されるデータから特定されるフィールドに基づいて、前記複数の自律航空モバイルノードを自律的にナビゲートすることは、
前記1つ又は複数の搭載センサから収集される前記データに基づいてフィールドを特定すること、
前記複数の自律航空モバイルノードからフィールド情報を受信すること、
前記データに基づく前記特定されたフィールドと、前記複数の自律航空モバイルノードからの前記受信されたフィールド情報とを合算して、結合フィールドにすること、及び
前記結合フィールドに従って前記複数の自律航空モバイルノードをナビゲートすること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記複数の自律航空モバイルノードは、それぞれ、
同じコードを含むこと、
実行時に前記役割情報を区別すること、及び
隣接する近傍航空モバイルノードと通信すること
を実行するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記複数の自律航空モバイルノードのそれぞれは、スケジュールされた時間に現在の状態を各近傍ノードにブロードキャストするように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
自律航空モバイルノードは、所定期間にわたり、少なくとも2つの隣接する自律航空モバイルノードから通信を受信せず、前記自律航空モバイルノードは、先端ノードになる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記無線通信ネットワークの部分が破損したか否かを判断することは、2つ以上の先端ノードが存在するか否かを判断することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
1つ又は複数の余剰ノードを使用して前記無線通信ネットワークのクリティカルロケーションを自律的に補強することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
中央ロケーションにおける1人又は複数のオペレータは、統一ユーザインターフェースを通して前記1つ又は複数の自律航空モバイルノードを監視することができ、前記複数の自律航空モバイルノードに関連する制御データは、前記無線通信ネットワークを介して前記中央ロケーションに中継され、それにより、前記1人又は複数のオペレータは、前記統一ユーザインターフェースを介して前記複数の自律航空モバイルノードと対話し且つそれを制御する、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記フィールドは、正規化センサデータに基づいて特定され、前記正規化センサデータは、前記複数の自律航空モバイルノードの前記吸引力又は排斥力に変換される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条下での優先権の主張
本特許出願は、2014年5月19日に出願された「Method and Apparatus for Pilotless Flying Control of Multiple Autonomous Mobile Vehicles Based on Dynamic Situational Awareness Data」という名称の米国仮特許出願第62/000450号明細書及び2014年5月19日に出願された「Method and Apparatus for Biologically Inspired Autonomous Infrastructure Monitoring」という名称の米国仮特許出願第62/000398号明細書に対する優先権を主張するものであり、これら両仮特許出願の内容全体は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示の態様は、一般的には無線通信に関し、より詳細には、複数の自律モバイル(AMN)ノードを介して2つ以上のノード間で無線通信を確立し維持する技法が組み込まれたデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
無人機は多くの場合、様々な軍事用途及び民間用途で有用である。広い地理的エリアにわたり分散したモバイルエンティティ間で一定で確実な通信を維持することは、多くの商業的用途及び軍事用途にとって極めて重要なタスクである。例えば、人々のチームが、固定通信基盤がない過酷な環境又はセンサがない環境に展開される場合、基地局との無線交信の維持は、展開を調整する効率を劇的に増大させるが、それでも通信の維持は、これらのエンティティの主要タスクを妨げるべきではない。
【0004】
従来、無人航空機(UAV)を含め、大半の自律モバイルノードは、ノード毎に1人又は複数のオペレータという率で人間のオペレータにより遠隔操作される。したがって、複数の遠隔制御されるUAVとのモバイル通信ネットワークの形成は、必要とされる人間オペレータの人数が急速に増大し得るため、法外にコストがかかり、非常に非効率的であり得る。さらに、オペレータは、他のUAVと調整して、展開された通信ネットワークの性能をモニタしながら、展開されたUAVを制御する必要がある。実現可能な解決策は、無線通信の限られた範囲、無線通信を介しての人間による直接制御なしでの、分散した複数のモバイルノードの移動の調整、異種ノードの効率的で安全な利用、予期せぬ破損へのシームレスで安全な対応、オペレータがネットワーク内の任意のノードをモニタし、誤作動が観測される場合にオーバーライドできるようにすること等の幾つかの問題に対処しなければならない。さらに、既存の技術では、複数の自律モバイルノードの制御及びモニタリングは、最適に満たず、非効率的であり(多くの場合、オペレータにより手動で行われる)、さらに、一旦空中に展開された後での航空自律モバイルノード故障に対処する効率的なメカニズムはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、複数の自律モバイルノードの効率的な制御及びモニタリングを強化するシステム及び技法並びに空中に展開された自律モバイルノードの故障に対処する効率的なメカニズムが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の基本的理解を提供するために、以下に1つ又は複数の態様の簡略化した概要を提示する。この概要は、意図される全ての態様の克明な概説であることは意味されず、したがって、全ての態様の主要又は重要な要素の識別も意図されなければ、ありとあらゆる態様の範囲を明らかにすることも意図されない。この概要の唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明への前置きとして、1つ又は複数の態様の幾つかの概念を簡略化した形態で提示することである。
【0007】
本明細書に記載される本技術は、無人航空機(UAV)等の複数の自律モバイルノード(AMN:AUTONOMOUS MOBILE NODE)又は装置が、ネットワーク性能及び他のオンボードセンサデータ測定に基づいてそれら自体をリアルタイムで自律制御できるようにすることにより、既存の技術に伴う1つ又は複数の問題に対処する。さらに、本技術は、無線通信の限られた範囲、分散したAMNの移動の調整及び最適未満ネットワークの形成回避、AMN故障への対応、通信ネットワークのクリティカルロケーションの修復及び補強等の既存の技術の1つ又は複数の問題に対する解決策を提供する。例えば、無線通信の限られた範囲を解消するために、本明細書に開示される本技術は、AMNが、近隣のAMN又は静止ノードが同じ無線ネットワークの部分である場合、それら近隣のAMN又は静止ノードを通してデータトラフィック(例えば、通信データ、センサデータ、コマンド、及び応答データ等)をルーティングする。
【0008】
一態様では、本開示は、オンボード通信無線により受信される無線通信信号の信号強度情報を使用して、モバイル挙動(例えば、飛行)を特定し得、それにより、自律モバイルノードが無線接続/切断を制御し、無線ネットワークでの環境要因の影響を最小化できるようにする。別の態様では、本技術が装備された自律モバイルノードの移動は、分散様式で制御され、最適未満ネットワークの形成を回避するが、最適ネットワークに向けての継続的改善を可能にする。さらに、別の態様では、本開示は、特定の閾値に基づいて、隣接自律モバイルノードから受信される、信号品質等の無線信号情報を、それぞれが吸引性及び排斥性を有するフィールドを含むフィールド情報に変換し得る。これらのフィールドの強度情報及び方向情報を、地上の宛先ノード等の範囲外にある特定のタイプのノードからの仮想フィールドと併せて使用して、本技術は、各自律モバイルノードを自律的に制御し、分散的にミッションの目的(例えば、高速通信バックボーン展開、物体の検出及び追跡、ジオロケーション等)を達成することができる。
【0009】
さらに、一態様では、本開示は、異種モバイルノードをあるポイントから別のポイントに安全に飛行させることができる。UAV等の異種モバイルノードの大半は、全地球測位システム(GPS)ガイダンスに基づいていくらかの限られた自動飛行能力を有するため、本明細書に記載される本技術は、近隣の自律モバイルノードからの近接性センサ及び/又は信号強度に関するデータが使用されて、所与のミッションの安全及び成功の両方を保証するように、自動飛行能力と併せて使用することができる。別の態様では、任意の予備自律モバイルノードを使用して、無線通信ネットワークのクリティカルロケーションを事前対策的に補強して、故障時の修復時間を最短に抑えることができる。また、特定の態様によれば、本明細書に記載される本技術の有効性は、環境及びトラフィック状況について収集される情報に基づいて、実行時中、無線信号送/受信パラメータを動的に調整することにより、最大化し得る。さらに、本開示の特定の態様によれば、1人又は複数のオペレータは、統一インタフェースを通して複数の自律モバイルノードをモニタすることができる。複数の自律モバイルノードに関する制御データは、形成されたアドホックネットワークを介して、必要な場合、複数の自律モバイルノードと対話し、制御することができる1人又は複数のオペレータのために、中央ロケーションに中継することができる。
【0010】
一態様では、本開示は、直接通信を有することが妨げられる距離にある2つ以上の指定されたモバイルノード又は静止モバイルノード間に無線通信ネットワークを自律的に確立して維持することにより、共同通信方法を提供する。特に、自律モバイル装置は、第1の指定ノードとの確実な無線通信が確立されるまで、第1の指定ノードに向かって飛行する。第1の指定ノードは、地上での第1のノードを含み得る。次に、自律モバイル装置は、少なくとも部分的に、展開された1つ又は複数の自律モバイルノードから受信されるデータに基づいて、次の指定ノードに向かって通信範囲のエッジまで自律的にナビゲートされて、無線通信ネットワークを形成する。このプロセスを繰り返すことにより、完了時に2つの指定ノードを接続する無線通信ネットワーク(又はテンタクル)が成長し得る。
【0011】
さらに、一態様では、2つの指定ノード間に関連付けられたテンタクルがあるか否かが判断される。関連付けられたテンタクルがあると判断される場合、まだテンタクル内にない任意の自律モバイル装置は、テンタクルに沿ってナビゲートされ、テンタクルを拡張する。
【0012】
別の態様では、無線通信ネットワークの部分は、破損していると判断され得、そのような場合、破損した無線通信ネットワークを自律的に修復し得る。さらに、無線通信ネットワークの部分は、展開された1つ又は複数の自律モバイルノードの1つが通信していないか否かの判断に基づいて、破損していると判断し得る。また、無線通信ネットワークの自律修復は、通信していない1つ又は複数の自律モバイルノードの1つを、無線通信ネットワークに結合された別の自律モバイルノードで置換することにより行い得る。
【0013】
一態様では、データは、無線通信ネットワーク内の1つ若しくは複数の自律モバイルノードの役割、1つ若しくは複数の自律モバイルノードから受信される信号の信号強度、又は品質についての情報を含み得る。
【0014】
一態様では、複数の無線通信リンクを確立することは、1つ又は複数の自律モバイルノードから受信されるデータから特定されるフィールドに基づいて、1つ又は複数の自律モバイルノードをナビゲートすることを含むことができる。各フィールドは、フィールド強度成分及び速度成分を含み、1つ又は複数の自律モバイルノードを互いに向けて引き寄せるか、又は排斥させるように構成し得る。
【0015】
本開示の別の態様では、潜在的な異種センサ(例えば、化学的、生物学的、光学的、磁気的等)からの測定値をフィールド強度にシームレスに変換することによる強度検知方法が提供され、フィールド強度は、ネットワーク化された1つ又は複数の自律モバイルノードの移動に影響することができる。これは、クリティカルロケーションを自律的に補強し、形成されたネットワークへの破損を検出し、自己修復する能力を有する分散センサネットワークを形成する。自律モバイル装置は、地上の第1のノードに向けて自律的に飛行する。無線通信が、地上の第1のノードと確立される。次に、自律モバイル装置は、少なくとも部分的に第1のノードから受信されるデータ又は空中に展開される1つ又は複数の自律モバイルノードから受信されるデータに基づいて、地上の第2のノードに向かうロケーションに自律的にナビゲートされて、無線通信ネットワークを形成する。
【0016】
一態様では、第1のノードに関連付けられたテンタクルがあるか否かを特定し得、ここで、テンタクルは、1つ又は複数の自律モバイルノードにより確立された1つ又は複数の無線通信リンクを含む。第1のノードに関連付けられたテンタクルがあると判断される場合、自律モバイル装置は、テンタクルに沿って、少なくとも部分的に1つ又は複数の自律モバイルノードから受信されるデータに基づいて、ロケーションにナビゲートし得る。代替的には、第1のノードに関連付けられたテンタクルがないと判断される場合、自律モバイル装置は、少なくとも部分的に第1のノードからの受信データに基づいて、ロケーションに向けてナビゲートし得る。さらに、データは、1つ又は複数の自律モバイルノードからの受信信号に基づくフィールド情報を含み得、フィールド情報はフィールドを含み得る。各フィールドは、フィールド強度成分及び速度成分を含み、自律モバイル装置を吸引又は排斥させるように構成し得る。また、データは、1つ又は複数の自律モバイルノードの役割、1つ又は複数の自律モバイルノードから受信される信号の信号強度、又は品質のうちの少なくとも1つについての情報を含み得る。
【0017】
さらに、地上の第2のノードとの無線通信リンクが確立されたか否かを特定し得、第2のノードとの無線通信リンクが確立されたと判断されると、自律モバイル装置及び空中に展開される1つ又は複数の自律モバイルノードを介して、第1のノードと第2のノードとの間の無線通信ネットワークを確立し得る。
【0018】
一態様では、無線通信ネットワークが破損しているか否かを判断し得る。プローブ信号をテンタクル内の第1の隣接自律モバイルノードに送信し得る。プローブ信号に応答して、タイマにより設定される時間期間以内に、応答信号を第1の隣接自律モバイルノードから受信し得る。代替的には、プローブ信号に応答して、及びタイマの期限切れを受けて、第1の隣接自律モバイルノードが通信していないと判断し得、無線通信ネットワークは破損していると判断し得る。
【0019】
別の態様では、無線通信ネットワークが破損していると判断された後、第2の隣接自律モバイルノードとの通信は、第1の隣接自律モバイルノードをテンタクルに関連付けられた別の自律モバイルノードで置換して、実行し得、別の自律モバイルノードを介して、無線通信ネットワークを第1のノードと第2のノードとの間に再確立し得る。
【0020】
別の態様では、少なくとも1つのプロセッサは、1つ又は複数のセンサからの受信データを処理し、処理されたデータに基づいて、地上の第2のノードの存在を検出し、受信データをフィールド情報に変換するように更に構成される。1つ又は複数のセンサは、少なくとも1つのイメージセンサを含むように構成し得る。
【0021】
別の態様では、少なくとも1つのプロセッサは、地上での第2のノードの存在を検出する場合、地上の第2のノードの移動を動的に追跡するように更に構成される。
【0022】
別の態様では、少なくとも1つのプロセッサは、吸引力及び/又は排斥力を決定する際に、地上での第2のノードの存在を仮想ノードとして表し、フィールド情報に基づき自律モバイル装置をナビゲートするように更に構成される。
【0023】
別の態様では、少なくとも1つのプロセッサは、地上の第2のノードの移動のビデオを捕捉することと、テンタクルを介して、捕捉されたビデオを第1のノードに送信することとを実行するように更に構成される。
【0024】
別の態様では、少なくとも1つのプロセッサは、1つ又は複数のセンサからの受信データを処理することと、受信データに基づいて、第2のノードが地上に存在するか否かを判断することと、第2のノードが地上に存在すると判断される場合、通信して、1つ又は複数の自律モバイル装置を地上の第2のノード付近のロケーションに引き寄せることとを実行するように更に構成される。1つ又は複数のセンサは、少なくとも1つ無線周波数(RF)ジオロケーションセンサを含むように構成し得、受信データは、地上での第2のノードにより発せられるRF信号の検出確率を含み得る。さらに、少なくとも1つのプロセッサは、テンタクルを介して、地上での第2のノードの特定されたロケーションを第1のノードに送信するように更に構成される。
【0025】
別の態様では、少なくとも1つのプロセッサは、1つ又は複数のセンサからの受信データを処理することと、標的汚染材料の検出レベルが、所定値以上であるか否かを判断することとを実行するように更に構成される。少なくとも1つプロセッサは、標的汚染材料の検出レベルが所定値以上であると判断される場合、テンタクルを介して、標的汚染材料の検出レベルについての情報を第1のノードに通信するように更に構成される。1つ又は複数のセンサは、少なくとも1つの生物学的又は化学的センサを含むように構成され、受信データは、標的汚染材料の検出レベルを含み得る。少なくとも1つのプロセッサは、標的汚染材料を検出した1つ又は複数の自律モバイル装置から受信される情報に基づいて、検出された標的汚染材料のロケーションを特定するように更に構成される。
【0026】
本開示の別の態様では、指定ノードでの変化に自律的に適合することによる共同ナビゲーション方法を提供し得る。この態様では、指定ノードは、仮想ロケーション又は非共同ノードで表し得る。各ノードの仮想ロケーションの経時変化は、地形にわたる異なるネットワーク形状の形成及び系統的なナビゲーションを促進し得る。
【0027】
本開示の更に別の態様は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを含む自律モバイル装置を提供する。自律モバイル装置は、本明細書に記載される本開示の様々な機能又は態様を実行するように構成される。少なくとも1つのプロセッサは、自律モバイル装置を地上の第1のノードに向けてナビゲートし、自律モバイル装置に搭載された1つ又は複数のセンサからデータを受信するように構成し得る。少なくとも1つプロセッサは、受信データをフィールド情報に変換するように更に構成し得、フィールド情報は、吸引力又は排斥力を含むようにそれぞれ構成されるフィールドを含み得る。さらに、少なくとも1つのプロセッサは、フィールド情報に基づいて、自律モバイル装置をナビゲートするように更に構成し得る。1つ又は複数のセンサは、無線ジオロケーションセンサ、イメージセンサ、化学的センサ、又は生物学的センサのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0028】
一態様では、少なくとも1つのプロセッサは、確立された第1のノードとのテンタクルがあるか否かを判断するように構成し得、テンタクルは、1つ又は複数の自律モバイル装置により確立された1つ又は複数の無線通信リンクを含むように構成される。さらに、少なくとも1つのプロセッサは、確立された第1のノードとのテンタクルがあると判断される場合、自律モバイル装置をテンタクルに沿って、フィールド情報に基づくロケーションにナビゲートし、又は代替的には、確立された第1のノードとのテンタクルがないと判断される場合、第1のノードとのテンタクルを確立するように構成し得る。
【0029】
別の態様では、少なくとも1つのプロセッサは、地上の第2のノードが、自律モバイル装置の無線通信範囲内にあるか否かを判断し、地上の第2のノードが自律モバイル装置の無線通信範囲内にあると判断される場合、地上の第2のノードとの無線通信リンクを確立し、それにより、地上の第1のノードと第2のノードとの間に無線通信ネットワークを確立するように構成し得る。
【0030】
別の態様では、様々な機能又は本開示の態様を実行するコンピュータ実行可能コードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読媒体は、モバイル装置を自律的に飛行させて、無線通信ネットワークを形成する目的で、1つ又は複数のプロセッサに数秒以下毎に又はすぐに判断を下させ、上述したような本開示の様々な機能又は態様を実行させる。
【0031】
本技術のこれら及び他の態様は、以下に続く詳細な説明を検討した場合、より十分に理解される。
【0032】
図面図は、限定ではなくあくまでも例として本教示による1つ又は複数の実施態様を示す。図中、同様の参照番号は同じ又は同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本開示の特定の態様による無線通信ネットワークを示す概念図である。
図2】本開示の特定の態様による無線通信ネットワークを自律的に確立するフローチャートの例である。
図3】本開示の特定の態様によるノードの異なる役割の遷移を示す図の例である。
図4】本開示の特定の態様によるノードが経験するフィールドのプロファイルの例である。
図5】本開示の特定の態様によるノードを(指定された)宛先ノードにガイドするフィールドを示す概念図である。
図6】本開示の特定の態様による無線通信ネットワークの状態遷移を示す図の例である。
図7A】本開示の特定の態様による無線通信ネットワークの破損検出及び修復を示す例図である。
図7B】本開示の特定の態様による無線通信ネットワークの破損検出及び修復を示す図例である。
図8】本開示の特定の態様によるフローチャート例である。
図9A】本開示の特定の態様によるフローチャート例である。
図9B】本開示の特定の態様によるフローチャート例である。
図10A】本開示の特定の態様による装置を概念的に示す機能ブロック図及びグラフィカルユーザインタフェースの例である。
図10B】本開示の特定の態様による装置を概念的に示す機能ブロック図及びグラフィカルユーザインタフェースの例である。
図10C】本開示の特定の態様による装置を概念的に示す機能ブロック図及びグラフィカルユーザインタフェースの例である。
図11】処理システムと様々なオンボードセンサとの間の対話を概念的に示す機能ブロック図を示す。
図12A】本開示の特定の態様による装置の構成要素を概念的に示す。
図12B】本開示の特定の態様による装置の構成要素を概念的に示す。
図12C】本開示の特定の態様による装置の構成要素を概念的に示す。
図13】本開示の特定の態様による共同ナビゲーションを概念的に示す。
図14】本開示の特定の態様による共同ナビゲーションを概念的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
添付図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成の説明として意図され、本明細書に記載される概念を実施し得る唯一の構成を表すことを意図しない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解の提供を目的として、特定の詳細を含む。しかし、これらの特定の詳細なしで、これらの概念が実施可能なことが当業者には理解される。幾つかの場合、周知の構造及び構成要素は、そのような概念を曖昧にしないように、ブロック図で示されている。
【0035】
本明細書に開示される本開示は「生物学的に触発された人工知能認識」(「BioAIR」)システム及び技法(「BioAIR方法論」)としても知られ得、このシステム及び技法は、無人航空機(UAV)等の航空通信ノードを調整して、動的通信ネットワークを自律的に形成し維持するために展開される。このシステム及び技法は、ホルモンに基づく伝達を通しての生物細胞分化からのヒントを活かして、無線(センサ)信号をデジタルホルモンにマッピングすることにより、分散して、自律モバイルノード等の航空ノード群を調整する。
【0036】
本開示は、少なくとも3つの主な能力を単一のシステムで提供する:共同通信、検知、及びナビゲーション。共同通信では、本開示は、指定ノード間の所望の通信信号品質に基づいて他のノードを戦略的に位置決めすることにより、幾つかの指定ノードを接続するモバイルアドホックネットワークを自律的に作成することが可能である。この能力は、アクセスが拒まれる環境での高速展開可能なインターネット及び/又は通信サービス等の新しい用途を可能にする。共同検知では、本開示は、自律的に、ネットワークトラフィックに基づいてクリティカルロケーションを補強し、形成されたネットワークへの任意の破損を検出し、自己修復することが可能である。さらに、本開示は、リアルタイムセンサデータ及びミッション目的に応答して、ネットワーク内の全てのノード間に分散した異種センサの検知力を調整して、広範囲のフォーメーションを形成することができる。この能力は、特に、アンチアクセス環境での通信、リモートセンシング、ジオロケーション、航空測量、及び国境警備等の用途に必要とされ得る。共同ナビゲーションでは、本開示は、ノードが十分に高速に反応することができる場合、形成された通信ネットワークを維持しながら、指定ノードの移動を追尾することが可能である。この能力は、標的追跡、農産物ケア、モバイルエスコート、及び国境防備等の用途で必要とされ得る。
【0037】
したがって、本明細書に開示される本開示は、自律モバイルノードの単一システムとしての同時の共同通信、検知、及びナビゲーション等の、任意の既存の技術から強化された能力及び機能を提供する。さらに、本明細書に記載される本技術は、自律モバイルノードの性能をモニタし、自律モバイルノードの挙動をリアルタイムで動的に調整する能力を人間のオペレータに提供する。
【0038】
図1は、本開示の特定の態様による通信ネットワークを示す概念図である。一態様では、本開示は、様々なタイプの無人航空機等の1つ又は複数の自律モバイルノードの力を調整して、指定サイト間にロバストな無線通信ネットワークを達成する分散解決策を提供する。基本的には、本明細書に記載される本技術は、1つ又は複数の自律モバイルノード間での共同通信を可能にする。図1に示されるように、通信ネットワーク100は、1つ又は複数の起点ノード103(例えば、ノード1)と、1つ又は複数の自律モバイルノード105、107、109、及び111(例えば、UAV1、UAV2、UAV3、及びUAV4)と、1つ又は複数の宛先ノード113(例えば、ノード2、ノード3)とを含む。例では、起点ノード103又は宛先ノード113は、モバイルノード又は静止ノードであり得る。さらに、1つ又は複数のモバイルノードは、UAV1、UAV2、UAV3UAV4等の1つ又は複数の無人航空機(UAV)を含み得る。また、1つ又は複数のモバイルノードは、無線通信ネットワークを確立し維持する自律航空通信構成要素を含むが、これに限定されない等の人工知能プログラム(図示せず)等の構成要素を含み得る。すなわち、本明細書に記載のように、各無人航空ノード(本明細書では、「自律モバイルノード」又は「自律モバイル装置」と同義で使用される)は、本明細書に開示される本技術の様々な態様を実施する自律モバイル通信構成要素1004を含む処理システム1001(図10Aに示される)等の搭載された1つ又は複数の処理システムを含み得る。
【0039】
別の態様では、各自律モバイルノードは、割り当てられた一意の識別番号(ID)及び/又はインターネットプロトコル(IP)アドレスを有し得る。一意のID及び/又はIPアドレスは、ミッション展開前に割り当て得る。追加又は代替として、各自律モバイルノードの一意のID又はIPアドレスは、自律モバイルノードが空中で展開され、地上のノードと交信すると、地上のノード(例えば、ノード1)により無線通信リンクを介して自律モバイルノードに動的に割り当てることができる。
【0040】
代替的には、複数の自律モバイルノードは、地上及び空中に展開し得、指定された自律モバイルノードが、サーバ−クライアントネットワーク環境でのサーバの役割をとり、一意のID及び/又はIPアドレスを地上及び空中に展開された複数の自律モバイルノードに動的に割り当て得る。別の態様では、各自律モバイルノードは、空中に展開された他の自律モバイルノードと通信して、ミッションを実行する無線通信ネットワークのサイズを決定し得る。
【0041】
図1の例に示されるように、通信ネットワーク100は、1つ又は複数の無線通信リンク121、123、125、127、及び129を含む通信リンクのチェーンを形成することにより、2つのノード間−ノード1等の起点ノード(又はサイト)103とノード2及び/又はノード3等の宛先ノード(又はサイト)113との間−に確立し得る。換言すれば、例では、通信テンタクル(又はテンタクル)を起点ノード103と宛先ノード113との間に形成し得る。本開示では、「テンタクル」という用語は、本明細書で使用される場合、通信リンクのチェーン、自律モバイルノード間に通信リンクを確立する自律モバイルノードのチェーン、又は1つ若しくは複数の自律モバイルノードにより確立される複数の無線通信リンクのチェーンを意味する。したがって、テンタクルは、本明細書で使用される場合、地上の第1のノード、例えば、ノード1を起点とする1つ又は複数の無線通信リンクを含み得る。さらに、起点ノード103と宛先ノード113との間の完全な通信テンタクルは、図1に示されるように、例えば、ノード1、UAV1、UAV2、UAV3、UAV4、ノード2、及び/又はノード3を含むノードのチェーンを指し得る。
【0042】
上述したように、図1では、ノード1、ノード2、及びノード3は、地上局又はモバイルノードであり得る。換言すれば、ノード1、ノード2、及びノード3は、静止ノード又は移動ノードであることができる。さらに、ノード1は、無線信号送信及び/又は受信デバイス又は局であり得る。また、ノード2又はノード3も、無線信号送信及び/又は受信デバイス又は局であり得る。代替的には、本開示の態様では、ノード1、ノード2、又はノード3は、人々、デバイス、車両等の群等の宛先を含み得る。
【0043】
一態様では、自律モバイルノード105、107、109、及び111は、1つ又は複数の付近のロケーションからノード1等の起点ノード103に向けて発進又は展開し得る。また、自律モバイルノードは、起点ノード103及び宛先ノード113の地理的場所情報等の起点ノード103及び宛先ノード113についての幾らかの事前知識がある状態で、様々な時間間隔で任意の場所から発進し得る。代替的には、複数の起点ノードが利用可能な場合、通信ネットワーク100のオペレータは、発進前、各自律モバイルノードに何れを割り当てるかを選び得る。また、自律モバイルノード105、107、109、及び111は任意の順序で発進することができる。さらに、一態様では、起点ノード103は、テンタクルの起点とすることができるトラフィックサイト(例えば、1つ又は複数の自律モバイルノードと通信することができる無線送信機があるエリア)であり得る。宛先ノード113も、起点ノード103と宛先ノード113との間に無線通信ネットワークを確立することができるように、テンタクルが成長して達することができるトラフィックサイト(例えば、1つ又は複数の自律モバイルノードと通信することができる無線送信機があるエリア)であり得る。
【0044】
一態様では、自律モバイルノード105、107、109、及び111に、空中に展開する前に、ミッションプロファイル等の特定のデータをプログラムすることができる。典型的なミッションプロファイルは、起点ノード103及び/又は宛先ノード113の場所情報、自律モバイルノード105、107、109、及び111の無線能力、並びに様々な状況で優先処理を必要とする優先度トラフィックノードについての特定の情報を含み得る。起点ノード103又は宛先ノード113の場所情報は、起点ノード103及び宛先ノード113の全地球測位システム(GPS)座標についての情報を含み得る。追加又は代替として、起点ノード103及び宛先ノード113の場所情報は、展開サイトから自律モバイルノード105、107、109、及び111に無線で送信し得る。自律モバイルノード105、107、109、及び111の無線能力は、無線通信プロトコル、通信範囲、無線通信チャネル数、アンテナのタイプ(例えば、全方向アンテナか、それとも多方向アンテナか)等を含み得る。
【0045】
本明細書に記載される例では、各自律モバイルノードは、通信ネットワーク100での内部での役割(例えば、フリー(Free)、オーファン(Orphan)、先端(Tip)、バックボーン(Backbone)、余剰(Extra)等)通信ネットワーク100での隣接する自律モバイルノードの役割(例えば、フリー、オーファン、先端、バックボーン、余剰等)、隣接自律モバイルノードから受信される無線周波数信号等の信号の信号強度若しくは品質、又は自律モバイルノードのオンボードセンサから収集されるリアルタイムデータに基づいて、空中で新しいロケーションに移動(ナビゲート)するか、それとも位置を維持するかを判断する。さらに、各自律モバイルノードは、起点ノード103と宛先ノード113との間のテンタクルの形成中又は形成後、通信ネットワーク100において異なる役割を受ける。自律モバイルノードの役割遷移の例について、図3を参照して以下に説明する。
【0046】
図1を再び参照すると、UAV1、UAV2、UAV3、及びUAV4等の自律モバイルノードの群101は、起点ノード103に向かうロケーションから空中で展開される。例えば、自律モバイルノードの群の中から、UAV1が最初に展開されると仮定する。UAV1は自律的に移動し、ノード1等の起点ノード103に最初に交信し、起点ノード103に関連付けられたテンタクルをサーチする。テンタクルが検出されない場合、UAV1は、UAV1とノード1との間にテンタクルを作成し、例えば、UAV1とノード1との間に無線通信リンク121(テンタクル)を確立する。UAV2、UAV3、及びUAV4が空中に展開されると、本開示の特定の態様によれば、UAV2、UAV3、及びUAV4は、ノード1又はノード2に向かって自律的に飛行し得る。UAV2、UAV3、UAV4はそれぞれ、起点ノード103に関連付けられたテンタクルをサーチして検出し、テンタクルをノード2又はノード3等の宛先ノード113に向けて成長又は拡張させるように動作する。
【0047】
実施例では、各自律モバイルノードは、予め定義される無線通信範囲(例えば、近距離、中間距離、又は長距離)を有し、展開され、無線通信範囲又は接続範囲内にあることが検出された起点ノード又は別の自律モバイルノードと無線通信リンクを確立するように、自律的にナビゲートする。したがって、1つ又は複数の自律モバイルノードを使用して、起点ノード103から宛先ノード113までの長距離をカバーするように、テンタクルを成長させ得る。例えば、起点ノード103及び宛先ノード113が互いの近傍にある場合、起点ノード103と宛先ノード113との間に無線通信ネットワークを確立するためには、空中で展開された1つの自律モバイルノードが必要であり得る。その他の場合、テンタクルを形成し、起点ノード103と宛先ノード113との間の長距離をカバーするようにテンタクルを成長させるためには、空中で展開された2つ以上の自律モバイルノードが必要であり得る。
【0048】
さらに、起点ノード103と宛先ノード113との間の通信ネットワーク100(又は最終的なテンタクル)が完成すると、任意の余分な自律モバイルノード(図示せず)は、完成した最終的なテンタクル100を強化するか、又は新しい宛先ノードまで新しいテンタクルを成長させるように、それ自体を自律的に位置決めし得る。
【0049】
図2は、起点ノードを起点とする無線通信ネットワーク又はテンタクルを確立するフローチャート例を示す。まず、201において、自律モバイルノードの群(例えば、図1の自律モバイルノードの群101)が空中に展開され、各自律モバイルノードには、起点ノード及び/又は宛先ノードの場所情報等の特定の場所情報(例えば、GPS座標)がプログラムされる。
【0050】
203において、第1の自律モバイルノードが、その無線通信範囲内で起点ノードと交信した場合、第1の自律モバイルノードは起点ノードを検出し得る。起点ノードが検出されると、第1の自律モバイルノードは、起点ノードに関連付けられた1つ又は複数の既存のテンタクルをサーチし得る。1つ又は複数の既存のテンタクルの検出は、起点ノードと通信することにより、又は起点ノード若しくは他の自律モバイルノードから送信される信号に基づいて行い得る。一実施態様では、信号は、起点ノード又は他の自律モバイルノードからのブロードキャストメッセージであり得る。各ブロードキャストメッセージは、ブロードキャストノードの場所情報(例えば、GPS座標)、通信ネットワーク又はテンタクルの形成におけるその役割(例えば、起点、オーファン、フリー、先端、余剰、バックボーン等)を含み得る。ブロードキャストノードがテンタクルの一部である場合、ブロードキャストメッセージは、テンタクル識別子及びテンタクルの状態等のテンタクルについての情報を含み得る。したがって、ブロードキャストメッセージが、テンタクル識別子及び/又はテンタクルの状態についていかなる情報も含まない場合、受信ノードは、テンタクルが現在、作成中であるか否かを判断し得る。
【0051】
205において、テンタクルが見つからなかったか、又は検出されなかった場合、第1の自律モバイルノードは、起点ノードとの初期テンタクルを形成する最初のノードになる。第1の自律モバイルノードは、起点ノードと通信して、起点ノードとの初期テンタクルを作成する。
【0052】
207において、初期テンタクルが作成された(例えば、無線通信リンクが起点ノードと第1の自律モバイルノードとの間に確立された)後、群内の残りの各自律モバイルノードは、宛先ノードに向かうロケーションに自律的にナビゲートし、前に拡張されたテンタクルの末端である隣接自律モバイルノードの無線通信範囲のエッジにおいて、それぞれが拡張テンタクルに追加の無線通信リンクを追加することにより、初期テンタクルを宛先ノードに向けて拡張する。
【0053】
一実態態様では、特定の自律モバイルノードは、拡張テンタクルに沿い、群内の他の自律モバイルノードから受信される情報(例えば、信号品質)に基づいて、特定の自律モバイルノードの特定されたロケーションに向けて移動し得る。特定の自律モバイルノードがそのロケーションに到来した場合、特定の自律モバイルノードは、特定の自律モバイルノードと、前に拡張されたテンタクルの先端部にある別の自律モバイルノードとの間に無線通信リンクを確立し追加することにより、前に拡張されたテンタクルを拡張し得る。特定の自律モバイルノードは次に、新たに拡張されたテンタクルの新しい先端部になる。このようにして、十分な数の自律モバイルノードを使用して、図1に示されるように、追加の通信リンクを前に拡張されたテンタクルの先端部に繰り返し追加することにより、起点ノードを起点とするテンタクルは、自律的に成長し、距離にわたる(例えば、テンタクルの先端部と宛先ノードは、互いの無線通信範囲内にある)宛先ノードに到達することができる。
【0054】
さらに、別の態様では、複数の起点ノード及び複数の宛先ノードがある場合、上述したように、自律モバイルノードの協働を通して、複数の起点ノードから複数の宛先ノードへの1つ又は複数の無線通信ネットワーク(又はテンタクル)を作成することができる。
【0055】
209において、テンタクルが起点ノードと宛先ノードとの間に完成した後、テンタクルの形成に使用されない、空中に展開された任意の余剰自律モバイルノードを使用して、完成したテンタクルを強化するか、又は新しい宛先への新しいテンタクルを調整させることができる。
【0056】
上述したように、テンタクルはまず、起点ノードに最初に無線交信することになった自律モバイルノードにより形成し得、その後、テンタクルは、空中に展開された追加の自律モバイルノードを使用することにより、生物学的成長と同様に成長し得る。テンタクルの形成及び成長のプロセス中、各自律モバイルノードは、図3に示されるように、異なる役割又はモードをとることができる。
【0057】
図3は、本開示の特定の態様による、各自律モバイルノードがとることができる異なる役割を示す役割遷移の図例を示す。図3に示されるように、各自律モバイルノードは以下の役割又はモードのうちの1つをとり得る:「オーファン(Orphan)」301(例えば、オーファンノード)、「フリー(Free)」303(例えば、フリーノード)、「先端(Tip)」305(先端ノード)、「バックボーン(Backbone)」307(バックボーンノード)、又は「余剰(Extra)」309(余剰ノード)。
【0058】
オーファンノードとは、任意の他の自律モバイルノードの通信範囲外にあるノードである。すなわち、オーファンノードは、テンタクル又は起点ノードから切断され得る。フリーノードとは、テンタクル又はテンタクルを形成する1つ若しくは複数の自律モバイルノードと通信することができるが、テンタクルの一部ではないノードである。フリーノードは、宛先ノード(例えば、宛先ノードにより及ぼされる仮想宛先フィールドにより引き寄せられ)及びそのアンカー又は先端ノードに引き寄せられるが、他の全てのノードにより排斥される。先端ノードとは、現在、テンタクルの先端部にあり、起点ノードに向かって配置された隣接ノードとの無線接続を有するノードである。バックボーンノードとは、テンタクル(又は起点ノードと宛先ノードとの間の無線通信ネットワーク)の形成に関与するが、先端ノードではないノードである。バックボーンノードは、無線通信範囲内で2つのバックボーンノード(例えば、図1のUAV2)、バックボーンノード及び起点ノード(例えば、図1のUAV1)、又はバックボーンノード及び宛先ノード(例えば、図1のUAV4)との無線接続を有する。また、2つの隣接ノード(又はテンタクルノードと呼ばれることもある)間に、親−子関係があり得、この関係は、起点ノードから宛先ノードに向けて順序付けられる。すなわち、起点ノードに近いノードは、テンタクル形成での別のノード(例えば、子)の親になる。例では、バックボーンノードは、その親ノード及び子ノードに引き寄せられるが、他の全てのノードから排斥される。余剰ノードとは、宛先ノードに達したが、テンタクルの拡張又は起点ノードと宛先ノードとの間の無線通信ネットワークの部分を形成する必要のないノードである。余剰ノードは、起点ノードと宛先ノードとの間に形成されるテンタクルの周囲をあちこち自在に移動又はパトロールすることができる。
【0059】
図3に示されるように、自律モバイルノードは、テンタクルの形成中、様々な役割遷移を経ることができる。例として、まず、起点ノードが役割を先端ノードになるように変えた場合、新しいテンタクルが作成される。起点ノードに向かって飛行して、テンタクルを形成する1つ又は複数の自律モバイルノードは最初、オーファンノードである。すなわち、例では、初期展開段階では、全ての自律モバイルノードは、テンタクル又は起点ノードから切断されており、したがって、オーファンノードである(例えば、オーファン301にある)。オーファンノードは、起点ノードの場所情報に基づいて、起点ノードに向かって自律的にナビゲートし得る。したがって、起点ノード及び/又は宛先ノードの場所情報(例えば、GPS座標)は、オーファンノードのメモリに予めプログラムし得る。代替的には、起点ノードの場所情報は、空中展開中、オーファンノードに無線で送信し得る。
【0060】
オーファンノードが、無線通信範囲内で、起点ノード又は起点ノードを起点とするテンタクルを検出するが、まだそのテンタクルの部分ではない場合、オーファンノードはフリーノードになる(例えば、フリー303にある)。例として、フリーノードがテンタクル又はテンタクルの端部にあるノードである先端ノードを検出する場合、フリーノードは、先端ノードへのアンカー関係を確立する。フリーノードは、先端ノード及び宛先ノードからのフィールドに基づいて、自由に又はテンタクルに沿って均衡ロケーションに移動するように構成される(詳細に後述する)。均等ロケーションにおいて、フリーノードはテンタクルの新しい先端になり、それにより、自律モバイルノードの追加の無線通信リンク(又は範囲)を追加することにより、テンタクルを拡張する。すなわち、自律モバイルノードが、他の自律モバイルノードにより確立された、起点ノードを起点とする1つ又は複数のテンタクルを検出する場合、その自律モバイルノードは、テンタクルに沿ってナビゲートし、テンタクルの端部において新しい先端ノードになり、テンタクルを宛先ノードに向けて拡張する。
【0061】
新しい先端ノードが、前の先端ノードとの無線接続を確立すると、前の先端ノードは、テンタクルのバックボーンノードになり(例えば、バックボーン307にあり)、隣接するバックボーンノード及び新しい先端ノードとの無線通信を維持する。
【0062】
このようにして、テンタクルは宛先ノードの方向に拡張するように設計されるため、追加の自律モバイルノード(例えば、フリーノード)が次々と新しい先端ノードになるにつれて、テンタクルを拡張し、最終的に起点ノードから宛先ノードに達するまで拡張することができる。また、テンタクルの端部に新たに追加されたノードが先端ノードになり、その隣接ノードがバックボーンノードになる場合、新たに追加されたノードは、形成されたテンタクル内の隣接ノードの子になり、隣接ノードは新たに追加されたノードの親になる。
【0063】
上述したプロセスを再帰的に繰り返すことにより、幾つかの自律モバイルノードの使用を介して、起点ノードを起点とした無線通信リンクを宛先ノードに達するように拡張することができる。上述したように、テンタクルを形成する1つ又は複数の自律モバイルノードにより、無線通信ネットワークが起点ノードと宛先ノードとの間に確立される場合のみ、テンタクルは起点ノードと宛先ノードとの間に「完成」する。
【0064】
本開示の態様では、宛先ノードとのテンタクルが完成した後、テンタクルに追加される最後の自律モバイルノードは、最近傍の近隣自律モバイルノードにメッセージを送信して、テンタクルがこの時点で完成していること、及び/又は起点ノードと宛先ノードとの間の無線通信ネットワークが確立していることを通知し得る。最近傍の近隣自律モバイルノードは、メッセージを受信し、テンタクル内の他の最近傍近隣自律モバイルノードに転送する。メッセージは次に、テンタクル全体を通して伝搬し、中間ノードを介したメッセージの複数の中継又は転送後、起点ノードに達する(「最近傍近隣へのワンホップブロードキャスト方式」)。
【0065】
さらに、完成したテンタクル内で、起点ノード及び/又は宛先ノードを含め、テンタクル内の任意のノードからの全ての通信メッセージ及びデータの転送は、最近傍近隣へのワンホップブロードキャスト方式を使用して、例えば、データを送信ノードから起点ノード又は宛先ノードに向かうテンタクル内の最近傍近隣ノードに中継又は転送することにより、実行される。
【0066】
本開示の態様では、テンタクルが起点ノードと宛先ノードとの間で完成した後、起点ノードと宛先ノードとの間のテンタクルの形成に関与しなかった幾つかの自律モバイルノード(例えば、フリーノード)があり得る。そのようなフリーノードは、展開されたが、テンタクルの形成に必要とされず、余剰ノードになる(例えば、余剰309にある)。別の態様では、所望の場合、余剰ノードは、既存のテンタクルの補強又は新しいテンタクルの構築に使用し得る。代替的には、余剰ノードは、(i)宛先ノードの周囲に留まってもよく、(ii)完成したテンタクルに沿って起点ノードに飛行して戻ってもよく、(iii)完成したテンタクルに沿って分布して、完成したテンタクルを強化してもよく、又は(iv)新しい宛先への新しいテンタクルの構築を開始してもよい。
【0067】
代替的には、余剰ノードは、起点ノードと宛先ノードとの間で完成したテンタクルに沿って前後にパトロールして、無線通信ネットワークへの破損が検出される場合の素早い修復を支援し得る。本開示による別の態様では、余剰ノードは、宛先ノードの周囲に分散して、宛先ノード又はその周囲での脅威耐性を改善し得る。別の態様では、余剰ノードは、起点ノードの周囲に拡散して、起点ノードでの監視を改善し得る。更に別の態様では、複数の起点ノードの場合、一意の識別子を起点ノードと宛先ノードとの間に完成した各テンタクルに割り当て得る。
【0068】
図4は、本開示の特定の態様による概念図を提供する。例では、1つ又は複数のテンタクル又は無線通信リンクに沿った自律モバイルノードのナビゲートは、各自律モバイルノードが経験したフィールドのプロファイルに基づく。本開示の態様では、自律モバイルノードは、近隣自律モバイルノードから受信する信号についての情報(例えば、信号強度、信号品質等)に基づいて、近隣自律モバイルノードへの通信範囲のエッジでの位置を保持し得る。一実施態様では、信号強度又は信号品質は、最近傍近隣自律モバイルノードにより引き寄せられるか、又は排斥されている自律モバイルノードに対応する、フィールド強度成分及び方向成分等の成分を有するベクトルに変換し得る。一態様では、受信信号の品質は、受信無線周波数伝送の信号レベル又は信号強度に基づいて特定し得る。信号強度は多くの場合、自律モバイルノード等の展開デバイスのアンテナにより受信される信号電力(dBm又はdBmW)単位、すなわち、1ミリワット(mW)の基準レベルを超えるデシベル(dB)単位で測定され表現される。
【0069】
図4に示されるように、信号品質(X)とフィールド強度(F)との関係のグラフが示される。受信信号品質(X)はフィールド強度(F)に変換されて、自律モバイルノードに対して吸引が作用すべきか、それとも排斥が作用すべきかを判断する。図4に示されるグラフは、そのような方式例を示し、ここでは、自律モバイルノードが互いに空間的に近い場合、衝突を回避するために排斥し、すなわち、X>Rhiであり、式中、Xは受信信号品質を表し、Rhiは、基準信号品質値Rの上限を表す。グラフは、自律モバイルノードが許容可能範囲外にある場合、互いに引き寄せ合い、すなわち、X<Rloであることを更に示し、式中、Xは受信信号品質を表し、Rloは、基準信号品質値Rの下限を表す。さらに、自律モバイルノードが完全に通信範囲外である場合、信号又はフィールドはない。
【0070】
自律モバイルノードの初期展開の開始時、自律モバイルノードが通信範囲外である場合であっても、ノード2等の宛先ノード113に向けた仮想吸引フィールド501(図5参照)を計算するために、各自律モバイルノードに、図5に示されるノード2等の宛先ノードの場所情報を提供し得ることにも留意する。さらに、例示を目的として、図5は、ノード2等の1つのみの宛先ノードを示したが、図1に示されるように、ノード2及びノード3等の複数の宛先ノードがあり得る。ノード2及びノード3を含む複数の宛先ノードの場合、各自律モバイルノードに、ノード2及びノード3を含む複数の宛先ノードの場所情報を提供し得、ノード2に向かう第1の仮想吸引フィールドをまず計算し得、次に、ノード3に向かう第2の仮想吸引フィールドを計算し得る。
【0071】
本開示の態様では、無線周波数伝送の受信信号品質のフィールド強度は、以下の表現(A)を使用して計算し得る。
If(X>Rhi),Field_Strength=(X−Rhi)/(1−Rhi
Else If(X<Rlo),Field_Strength=−Rlo/X
Else Field_Strength=0
【0072】
また、フィールド強度の速度成分(例えば、速度X及び速度Y)は、以下の表現(B)を使用して計算することができる。
velocityX=velocityX+Field_Strength(xself−xother)/sqrt((xself−xother+(yself−yother)及び
velocityY=velocityY+Field_Strength(yself−yother)/sqrt((xself−xother+(yself−yother
【0073】
図5は、2つの隣接自律モバイルノード105と107(例えば、UAV1とUAV2)との間で相互作用するフィールド例と、ノード2等の宛先ノード113により及ぼされる仮想吸引フィールド501との視覚化図を示す。一実施態様では、この仮想吸引フィールドは、一定の大きさ1.0を有し、宛先ノード113の方向に点を有する。さらに、自律モバイルノード107が宛先ノード113の通信範囲内にある場合、仮想吸引フィールドは、宛先ノード113のフィールドで置換し得る。例では、上記表現(A)及び(B)に基づいて、自律モバイルノード107に作用しているフィールドが計算される。計算されたフィールドは一緒に合算され、自律モバイルノード107に楕円形軌跡503を生じさせる。楕円形軌跡503は、自律モバイルノード107を宛先ノード113のより近くに存在する均衡点にガイドする(例えば、均衡点での自律モバイルノード107’)。このようにして、自律モバイルノード107は自律的に、自律モバイルノード105の無線通信範囲内の宛先ノード113に向けて、フィールド(受信信号強度に基づき得る)に基づいてそれ自体をナビゲートする(例えば、自律モバイルノード105との無線通信を維持しながら)。
【0074】
さらに、テンタクルはそれ自体の状態遷移を有し得る。例えば、図6は、本開示の特定の態様によるテンタクルの状態遷移図の例を示す。すなわち、起点ノードを起点とするテンタクルは、起点ノードと宛先ノードとの間に無線接続を確立することに向けての進行に応じて、異なる状態であることができる。一態様では、テンタクルは、以下の状態のうちの1つであることができる:形成中601、完成603、破損605、及び補強中607。
【0075】
テンタクルの形成中601状態では、新しいテンタクル(又は初期無線通信ネットワーク)が、起点ノード又は既に到達した宛先ノードから開始される。最初、いかなる先端ノードもないことがあるが、第1の自律モバイルノードがフィールド内の均衡点に達するとすぐに、第1の自律モバイルノードは先端ノードになる。また、第1の自律モバイルノードは、そのテンタクル又は無線通信ネットワークに一意の識別子(ID)を生成し得る。例えば、一実施態様では、タイムスタンプを第1の自律モバイルノードの一意のIDと統合することにより、テンタクルの一意の識別子(「テンタクルID」)を生成し得る。これにより、ノードは、異なる時点で一意のテンタクルIDを生成又は再生成することができる。一意のテンタクルIDの使用は、1つの起点ノードから又は1つの宛先ノードに、互いに干渉せずに複数のテンタクルを構築することに役立ち得る。代替的には、一意のテンタクルIDを用いて、1つの起点ノードから複数の宛先ノードに、又は複数の起点ノードから1つの宛先ノードに複数のテンタクルを形成し得る。不完全なテンタクルと交信する場合、ノードはその識別子(例えば、テンタクルID)を取得し、それにより、同じテンタクルIDを含むノードからの信号のみが、フィールドの計算に寄与し、それにより、他のテンタクルからの干渉をなくし得る。
【0076】
さらに、テンタクル(又は無線通信ネットワーク)の形成中601状態では、テンタクルは、幾つかのフリーノード、バックボーンノード、及び1つの先端ノードを含み得る。1つ又は複数のテンタクルを介する無線通信ネットワークが、起点ノードと宛先ノードとの間に確立される(例えば、テンタクルが宛先ノードに達するまで成長する)と、テンタクル又は無線通信ネットワークは、テンタクルの完成603にある。さらに、フリーノードが、テンタクルの先端ノード及び宛先ノードの無線通信範囲内に達すると、フリーノードはテンタクル(又は無線通信ネットワーク)を完成し、それにより、ある距離にわたり起点ノードと宛先ノードとの間に1つ又は複数の自律モバイルノードを介して、無線接続を確立し得る。テンタクルが完成する(例えば、完成603)と、テンタクルを形成する全ての自律モバイルノードは、役割をバックボーンノードに変更し、テンタクル又はネットワークに先端ノードは存在しなくなる。
【0077】
新しい宛先ノードがない場合、テンタクルが起点ノードから宛先ノードまで完成するとすぐに、上述したように、残っているフリーノードは余剰ノードになり得、補強を目的としてテンタクルのバックボーンノードにアンカーし得る(例えば、補強607)。一実施態様では、各バックボーンノードは1つの余剰ノードにアンカーし得、それにより、1つの余剰ノードは、2つ以上の近隣バックボーンノードから信号を受信し得る。この戦略は、無線通信ネットワーク又はテンタクルに任意の破損が生じる場合、無線通信ネットワークが最小の中断でトラフィックを再ルーティングすることを意味する、第1のテンタクルから離れた安全な距離のところに十分な数のモバイルノードがある場合、第2のテンタクルを形成し得ることを保証する。
【0078】
本開示の特定の態様によれば、フリーノードは、2つのバックボーンノード、先端ノード及びバックボーンノード、又はバックボーンノード及び起点若しくは宛先ノードに隣接し得る。任意のバックボーンノードがこれらの基準を満たしていないと判断される場合、テンタクル又は無線通信ネットワークは破損している(例えば、破損605にある)と見なされる。破損がノードにより検出される場合、そのノードは先端ノードになるように役割を変更し(バックボーンノードから)、任意のアンカーされた余剰ノードは解放されて、必要とされる修復を実行する(例えば、テンタクル又は無線通信ネットワーク内の破損したバックボーンノードに取って代わる)。
【0079】
一実施態様では、複数の起点ノードが利用可能な場合、オペレータは、発進前に、各自律モバイルノードにどの起点ノードを割り当てるかを選び得る。別の実施態様では、余剰ノードの数と、無線通信ネットワークで検出される破損とに基づいて、複数の起点ノードを動的に割り当てることができる。複数の宛先が存在する場合、第1の宛先へのテンタクルを完成することができ、次に、別のテンタクルをその第1の宛先から次の宛先に構築することができ、以下同様である。2つの部分的に完成したテンタクルが出会う場合、フリーノードは2つの先端ノードに直面することになり、本明細書に開示される方法論は、これらの2つのテンタクルを1つに統合し得る。このプロセスは、補強ノードを起点ノード及び/又は宛先ノードから強制的に到来させることにより、複数のロケーションでの破損を同時に修復するのを助ける。
【0080】
本開示の特定の態様によれば、テンタクル内の各自律モバイルノードは、テンタクルへの破損を自律的に検出し、修復プロセスを開始することができる。
【0081】
例として、図7Aは、テンタクルへの破損を検出し修復する別の説明のための例を提供する。図7Aでは、自律モバイルノード109が破損し(例えば、機械的故障又は過酷な環境に起因して)、UAV2及びUAV4等の他の自律モバイルノードと通信していないと仮定されている。その結果、起点ノード103と宛先ノード113との間のテンタクル又は一旦完成した無線通信ネットワークは破断する。UAV5等の自律モバイルノード133が、テンタクルの通信範囲内にあるUAV4等の自律モバイルノード111にアンカーされた余剰ノードであることも仮定される。
【0082】
本開示の態様では、各自律モバイルノードは、親ノード及び子ノードの状態を定期的にチェックするように構成される。一態様としては、1つ又は複数のプローブ信号を使用して、親ノード及び子ノードの状態を定期的に確かめることができる。例えば、所定の時間間隔(例えば、20秒)で、各自律モバイルノードは、プローブ信号を親ノード及び子ノードに送信して、ノードのステータスをチェックし得る。一実施態様では、プローブ信号は、自律モバイルノードにより近隣自律モバイルノード(例えば、親ノード及び子ノード)に送信されるハートビート信号であり得、プローブ信号に応答して、親ノード及び子ノードはそれぞれ、使用可能であり、テンタクル内の他のノードと通信していることを通知する返信信号で応答する。
【0083】
別の実施態様では、ブロードキャストメッセージを使用して、親ノード及び子ノードのステータスを定期的に確かめ得る。例えば、各自律モバイルノードは、自律モバイルノードが活きており、使用可能であることを通知するブロードキャストメッセージを親ノード及び子ノードに送信し得る。ブロードキャストメッセージが、1分等の予め定義される時間間隔以内に親ノード又は子ノードから受信されない場合、親ノード又は子ノードが破損しており(例えば、ハードウェア故障、ソフトウェア故障等)、したがって、テンタクルが破損していると仮定し得る。このプロセスは、より高速の修復応答に必要な、テンタクルへの破損のロケーションも識別し得る。
【0084】
図7Aに示される例では、例として、自律モバイルノード111(又は107)が、ある時間期間(例えば、1分)以内で自律モバイルノード109からの信号(例えば、ブロードキャスト信号)を予期しており、時間期間は、構成可能なパラメータであってもよく、又は発進若しくは展開前に予めプログラムすることができる事前設定パラメータであってもよい。しかし、自律モバイルノード109は破損している(例えば、自律モバイルノード109は、機械的故障に起因してダウンしている)ため、自律モバイルノード111(又は107)は、いかなる信号も受信することができず、タイマが切れる。タイマが切れると、自律モバイルノード111(又は107)は、自律モバイルノード109が破損又はダウンしていると判断する。さらに、自律モバイルノード111(又は107)は、役割をバックボーンから先端に変更し、他の全てのノード(隣接近隣ノードを含む)に役割の変更を通知する。例えば、余剰ノード133等の余剰ノードはフリーノードになり、ノード107、105、又は111等のバックボーンノードはテンタクルノードになり、強化ノードはフリーノードになる。
【0085】
その結果、フリーノード133は、破損ノード109のロケーションまで自律的に移動し、テンタクル形成において破損ノード109に取って代わる。すなわち、フリーノード133は、自律モバイルノード111及び自律モバイルノード107等の両近隣ノードとの無線接続を確立することにより、テンタクルを再構築する(例えば、テンタクルを完成させる)。完成したテンタクル内の自律モバイルノードの役割は、バックボーンに変わり(全てのテンタクルノードがバックボーンノードになることを含む)、テンタクルに関連付けられたあらゆるフリーノードは余剰ノードになる。その結果、無線通信ネットワークは、起点ノード103と宛先ノード113との間に再確立され、無線通信ネットワークへの破損は、余剰ノード133等の展開された自律モバイルノードのうちの1つ又は複数によって自律的に修復される。
【0086】
上述したように、テンタクルが起点ノードから宛先ノードに完成すると、テンタクル内の全てのノードはバックボーンノードになり、全てのフリーノードは、テンタクルに関連付けられた余剰ノードになる。本開示の特定の態様によれば、図7Bに示されるように、余剰ノードは、完成したテンタクルの強化に使用し得る。余剰ノードは、あるバックボーンノードから次のバックボーンに移動する(例えば、テンタクルをパトロールする)ように構成し得る。現在のバックボーンノードK(UAV1又はUAV2)が、いかなる強化も有さない場合、余剰ノードはその役割を強化に変更し、図7Bの例に示されるように、バックボーンノードKとの強化関係を確立し得る。代替的には、余剰ノード(例えば、UAV4)は、バックボーンノードKの通信範囲内でバックボーンノードK(例えば、UAV1)の近くに留まり得る。また、一態様では、テンタクルは、テンタクルの端部において均等に強化し得る。さらに、述べたように、テンタクルが強化される場合、残っている余剰(例えば、UAV3又はUAV4)ノードは、テンタクルに沿って引き続きパトロールし得る。その結果、本技術を使用して、1つ又は複数の自律モバイルノードを介して起点ノードと宛先ノード(又は地上の2つのノード)間の無線通信ネットワークを自律的に構築し、維持し得る。また、1つ又は複数の自律モバイルノードの役割変更に基づいて、無線通信ネットワークへの任意の破損を自律的且つ効率的に検出し、修復し得る。さらに、無線通信ネットワーク又はテンタクルのクリティカル部分は、テンタクルに関連付けられた1つ又は複数の自律モバイルノードにより自律的に強化し得る。
【0087】
さらに、本開示の態様では、テンタクルに関連付けられた1つ又は複数の自律モバイルノード内の1つ又は複数のコンピュータシステムは、1つ又は複数の自律モバイルノードを使用して無線通信ネットワークを確立、維持、修復、及び強化することに関連する様々な機能を実行するように構成し得る。
【0088】
したがって、さらに、本明細書に開示される本技術は、1つ又は複数のノードに取り付けられた1つ又は複数の異種センサを通しての共同検知も促進する。特に、化学的、生物学的、光学的、カメラ、無線、ネットワーク等のセンサからの処理後測定値は、フィールド強度を含むフィールド情報に変換し、速度計算に追加して、本明細書に記載のようにノードの軌跡を変更することができる。
【0089】
本開示の特定の態様によれば、本技術を使用して、搭載されたビデオ又はイメージセンサを使用して、監視目的及び戦術任務のために、地上にある第2のノード(例えば、味方宛先又は敵方宛先)の移動を追跡することができる。図5に示される仮想吸引フィールド501は、大きさが検知物体からの距離に比例する検知フィールドで置換し得る。そのような情報は、別個の物体認識ソフトウェアを用いてイメージセンサから抽出することができる。
【0090】
例として、図8は、1つ又は複数のオンボードビデオ/イメージセンサを使用して、地上にある第2のノードの移動を追跡する方法論例を示す。801において、1つ又は複数の自律モバイルノード(又は自律モバイル装置)が、地上にある第1のノードに向かって飛行又は移動する。例として、図10Bに示される自律モバイル通信構成要素1004の飛行構成要素1030又はロケーションに向けてのナビゲーション構成要素1037は、自律モバイルノードを地上での第1のノードにナビゲートし得る。
【0091】
803において、自律モバイル装置は、地上の第1のノードとの無線通信を確立する。例として、図10Bに示される自律モバイル通信構成要素1004の無線通信確立構成要素1033を使用して、地上の第1のノードとの無線通信を確立し得る。
【0092】
805において、自律モバイル装置は、第1のノードに関連付けられたテンタクル(例えば、1つ又は複数のテンタクル)があるか否かを判断し、テンタクルは、1つ又は複数の自律モバイルノードにより確立される1つ又は複数の無線通信リンクを含む。例として、自律モバイル通信構成要素1004のテンタクル検出構成要素1035を使用して、第1のノードに関連付けられたテンタクルがあるか否かを判断し得る。
【0093】
807において、第1のノードに関連付けられたテンタクルがあると判断される場合、自律モバイル装置は、少なくとも部分的に、1つ又は複数の自律モバイルノードからの受信信号についての情報に基づいて、第2のロケーションに向けてナビゲートする。第1のノードに関連付けられたテンタクルがないと判断される場合、自律モバイル装置は、少なくとも部分的に第1のノードからの受信信号についての情報に基づいて、第2のロケーションに向けてナビゲートされる。例として、自律モバイル通信構成要素1004の飛行構成要素1030又はロケーション構成要素1037に向けてのナビゲーションを使用して、特定後、自律モバイルノードを第2のロケーションに向けてナビゲートし得る。
【0094】
809において、1つ又は複数の自律モバイル装置を使用して、地上の第2のノードが検出される。第2のノードの検出は、ビデオ及び/又はイメージ処理機器(例えば、図11に示されるカメラセンサ1103及び/又はジオロケーションセンサ1102)等の搭載機器を使用することにより実行することができる。自律モバイル装置は、ビデオ捕捉又はイメージ処理機器を備え得る。自律モバイル装置が地上の第2のノードの機器のビデオ監視範囲内に入るようにテンタクルが成長する場合、自律モバイル装置は、以下のように、搭載される1つ又は複数のセンサ(例えば、ビデオ監視センサ又はカメラセンサ1103等のイメージセンサ)及び/又は1つ又は複数の自律モバイルノードから受信される情報に基づいて、地上の第2のノードの存在をサーチし検出する:(i)ビデオ捕捉又はイメージ処理機器で動作するデジタル信号処理アルゴリズムソフトウェアモジュールが常時、物体を識別し、識別された物体を解析し(例えば、顔の検出及び認識)、1組の既知の物体(標的物体)と比較し、(ii)一致が見つかった場合、一致した割合が信号品質として表現され、図4に示されるように適切なフィールド強度に変換され、(iii)地上の第2のノードの存在が、搭載される1つ又は複数のセンサからの受信データに基づいて検出されると、第2のノードに関連するビデオデータが捕捉され、テンタクル内の1つ又は複数の展開される自律モバイルノードを介して第1のノードに中継される。上記デジタル信号処理アルゴリズムソフトウェアモジュール(又はビデオセンサデジタル信号処理機器)は、図10Aに示されるように、1つ又は複数のプロセッサ1003を介して実施し得る。
【0095】
811において、地上の第2のノードの移動は、オンボードビデオ監視センサによりモニタされ、追跡される。地上の第2のノードの移動の速度及び/又は方向は常時、ビデオセンサデジタル信号処理機器によって推定され更新され、それらの値は、標的物体を検出した自律モバイルノードの移動(例えば、飛行)を制御する。例として、地上の第2のノードの移動のモニタリング及び追跡は、カメラセンサ1103からの測定データに基づいて、処理システム1001、自律モバイル通信構成要素1004等のうちの少なくとも1つにより実行し得る。
【0096】
813において、地上の第2のノードの移動について収集された情報は、1つ又は複数の自律モバイルノードにより確立されたテンタクルを介して、第1のノードに送信される。追加又は代替として、地上の第2のノードの移動について収集された情報は、テンタクルを介して全てのノードに送信し得る。したがって、追跡される第2のノードが移動するにつれて、テンタクルは、追跡される第2のノードの移動変化に応答して(例えば、宛先ノードフィールドの方向変化に応答して)、拡張、収縮、又は湾曲し得る。例として、図10Bに示される自律モバイルノードの自律モバイル通信構成要素1004の無線通信構成要素を確立することを使用して、情報をノードに送信し得る。その結果、本明細書に記載される本技術を使用して、1つ又は複数の自律モバイルノードを使用し、監視の宛先ノードを自律的に検出しモニタすることができる。
【0097】
さらに、本開示の特定の態様によれば、本技術は、搭載された無線周波数(RF)ジオロケーションセンサを使用して地上の第2のノードの地理的ロケーションを識別又は特定するのに使用することもできる。例として、図9Aは、地上の第2のノードにより発せられるRF信号を検出し追跡することにより、地上の第2のノードのロケーションを特定する方法論例を示す。
【0098】
901において、自律モバイル装置を含む1つ又は複数の自律モバイルノードは、地上の第1のノードに向けて飛行(又は移動)する。例として、図10Bに示される自律モバイル通信構成要素1004の飛行構成要素1030又はロケーションに向けてのナビゲーション構成要素1037を使用して、地上の第1のノードへの自律モバイルノードのナビゲーションに使用し得る。
【0099】
903において、自律モバイル装置は、地上の第1のノードとの無線通信を確立する。例として、図10Bに示される自律モバイル通信構成要素1004の無線通信確立構成要素1033を使用して、地上の第1のノードとの無線通信を確立し得る。
【0100】
905において、自律モバイル装置は、第1のノードに関連付けられたテンタクル(例えば、1つ又は複数のテンタクル)があるか否かを判断し、テンタクルは、1つ又は複数の自律モバイルノードにより確立された1つ又は複数の無線通信リンクを含む。例として、自律モバイル通信構成要素1004のテンタクル検出構成要素1035を使用して、第1のノードに関連付けられたテンタクルがあるか否かを判断し得る。
【0101】
907において、第1のノードに関連付けられたテンタクルがあると判断される場合、自律モバイル装置は、少なくとも部分的に1つ又は複数の自律モバイルノードから受信される情報に基づいて、ロケーションに向けてナビゲートする。第1のノードに関連付けられたテンタクルがないと判断される場合、自律モバイル装置は、少なくとも部分的に第1のノードからの受信信号についての情報に基づいて、ロケーションに向けてナビゲートする。例として、自律モバイル通信構成要素1004の飛行構成要素1030又はロケーションに向けてのナビゲーション構成要素1037を使用して、特定後、ロケーションに向けて自律モバイルノードをナビゲートし得る。
【0102】
909において、自律モバイル装置は、地上の第2のノードにより送信された関心信号を検出する。例えば、自律モバイル装置は、搭載されたRF検出機器を備え得る。テンタクルが成長するにつれて、自律モバイル装置は、無線通信範囲内での関心信号の存在をスキャンし、関心のあるRF信号は、地上の第2のノードに送信し得る。任意の既存のRF信号検出技法を使用して、地上の第2のノードからの関心信号を検出し得る。自律モバイル装置が地上の第2のノードの存在を検出するRF信号検出範囲内に来るように、テンタクルが成長する場合、自律モバイル装置は、以下のように、地上の第2のノードの存在をサーチし検出する:(i)搭載されたRFジオロケーションセンサと併せて動作するRF信号検出アルゴリズムソフトウェアモジュールが常時、信号を識別し、識別された信号を解析し(例えば、変調方式、信号帯域幅、中心周波数等)、サーチリスト内の1組の既知の信号と比較し、(ii)一致が見つかった場合、対応する信号の品質は、図4に示されるように、フィールド強度に変換される。例として、RF信号の検出及び追跡は、処理システム1001、ジオロケーションセンサ1102、及び自律モバイル通信構成要素1004(例えば、飛行構成要素1030又はロケーションに向けてのナビゲーション構成要素1037)等のうちの少なくとも1つを使用することにより実行し得る。さらに、RF信号検出アルゴリズムソフトウェアモジュールは、図10Aに示されるように、1つ又は複数のプロセッサ1003を介して実施し得る。
【0103】
さらに、(iii)第2のノードの存在が検出されると、第2のノードに関連する識別された信号についての詳細が捕捉され、テンタクル内の1つ又は複数の展開された自律モバイルノードを介して第1のノードに中継され、(iv)テンタクル全体にわたり送信された検出信号情報を受信すると、テンタクルに結合された1つ又は複数の余剰自律モバイル装置は、地上の標的とされる第2のノードを検出するまで、第1の自律モバイル装置に向かって移動(例えば、飛行)する。少なくとも3つの自律モバイルノードは、各オンボードRF信号検出センサを各信号処理モジュール又は機器と併せて使用して同じ標的とされる第2のノードを検出する場合、各自の座標を互いと通信し(オンボードPSを使用して)、三角測量等の方法を使用して第2のノードの場所情報(例えば、ロケーション座標)を推定し、(v)第2のノードは移動可能であり得るため、地上の第2のノードを検出した自律モバイルノードはそれぞれロケーションを調整して、良好な信号一致品質を維持し、調整を常時共有して、地上の第2のノードの推定場所情報を更新し得る。
【0104】
913において、地上の第2のノードの特定されたロケーションについての情報は、1つ又は複数の自律モバイルノードにより確立されるテンタクルを介して、第1のノードに送信される。例として、処理システム1001又は自律モバイル通信構成要素1004は、テンタクルを介して情報を第1のノードに送信するように構成し得る。その結果、本明細書に記載される本技術を使用して、1つ又は複数の自律モバイルノードの1つ又は複数のオンボードRF信号検出センサを使用して、地上の関心のある第2のノードを自律的に検出し、位置特定することができる。
【0105】
さらに、本開示の特定の態様によれば、図9Bに示されるように、本技術を使用して、1つ又は複数のオンボード生物学的センサ又は化学的センサを使用して毒性汚染物又は汚染材料で汚染された地理的エリアを識別又は特定することもできる。この場合、第2のノードは、検出される汚染エリアの中央ロケーションを指し得る。例として、図9Bは、第2のノードの周囲の標的とする汚染物又は化学物質の汚染レベルを検出し追跡することにより、地上又は空中の汚染エリアを特定する方法論例を示す。
【0106】
912において、自律モバイル装置を含む1つ又は複数の自律モバイルノードは、地上の第1のノードに向けて飛行(又は移動)する。例として、図10Bに示される自律モバイルノード通信構成要素1004の飛行構成要素1030又はロケーションに向けてのナビゲーション構成要素1037を使用して、自律モバイルノードを地上の第1のノードにナビゲートし得る。
【0107】
923において、自律モバイル装置は、地上の第1のノードとの無線通信を確立する。例として、図10Bに示される自律モバイル通信構成要素1004の無線通信確立構成要素1033を使用して、地上の第1のノードとの無線通信を確立し得る。
【0108】
925において、自律モバイル装置は、第1のノードに関連付けられたテンタクル(例えば、1つ又は複数のテンタクル)があるか否かを判断し、テンタクルは、1つ又は複数の自律モバイルノードにより確立された1つ又は複数の無線通信リンクを含む。例として、自律モバイル通信構成要素1004のテンタクル検出構成要素1035を使用して、第1のノードに関連付けられたテンタクルがあるか否かを判断し得る。
【0109】
927において、第1のノードに関連付けられたテンタクルがあると判断される場合、自律モバイル装置は、少なくとも部分的に、1つ又は複数の自律モバイルノードからの受信信号についての情報に基づいて、予めプログラムされた第2のロケーション(検出前であるため)に向けてナビゲートする。第1のノードに関連付けられたテンタクルがないと判断される場合、自律モバイル装置は、少なくとも部分的に第1のノードからの受信信号についての情報に基づいて、第2のロケーションに向けてナビゲートされる。例として、自律モバイル通信構成要素1004の飛行構成要素1030又はロケーションに向けてのナビゲーション構成要素1037を使用して、特定後、自律モバイルノードを第2のロケーションに向けてナビゲートし得る。
【0110】
929において、自律モバイル装置は、1つ又は複数の汚染物又は化学物質(又は標的とする汚染材料)の一致を検出する。例えば、自律モバイル装置は、搭載された生物学的及び/又は化学的センサを備え得る。テンタクルが成長するにつれて、自律モバイル装置は、検知範囲内の汚染物又は化学物質の存在についてスキャンする。自律モバイル装置が汚染エリアの生物学的又は化学的検出範囲内に入るように、テンタクルが成長した場合、自律モバイル装置は、以下のように汚染エリアの存在をサーチし検出する:(1)搭載された生物学的又は化学的センサで動作する生物学的又は化学的材料検出アルゴリズムソフトウェアモジュールが常時、生物学的又は化学的センサにより捕捉された、識別された化合物を分析し、(ii)一致が見つかった場合、材料の正規化された濃度を示す信号品質が、図4に示されるように、適切なフィールド強度に変換され、(iii)標的とする汚染材料の存在が検出されると、汚染物に関連する識別された材料についての詳細を捕捉し、テンタクル内の1つ又は複数の展開された自律モバイル装置を介して第1のノードに中継し得、(iv)全テンタクルを介して送信された検出信号情報を受信すると、テンタクルに取り付けられた1つ又は複数の余剰自律モバイル装置は、同じ汚染フィールドを検出するまで、第1の自律モバイル装置に向かって移動(例えば、飛行)する。同じ汚染物を検出している新しい自律モバイル装置のそれぞれは次に、検出一致品質及び自律モバイル装置の各ロケーションに基づいて、自律モバイル装置によって常時更新される吸引及び排斥フィールド強度の結果として、汚染エリアを取り囲み始める。さらに、生物学的又は化学的材料検出アルゴリズムソフトウェアモジュールは、図10Aに示されるように、1つ又は複数のプロセッサ1003を介して実施し得る。
【0111】
931において、追加の自律モバイル装置が、各オンボード生物学的/化学的センサを使用して同じ汚染エリアを検出する場合、自律モバイル装置は、互いと各自の座標を通信し(オンボードGPSを使用して)、汚染エリアに接近し、(v)汚染エリアは変わり得るため、汚染を検出した自律モバイル装置は、ロケーションを調整して、良好な汚染一致品質を維持し、調整を常時共有して、推定汚染エリアを更新する。例として、汚染エリアについての情報の検出及び通信は、プロセッサ1003、自律モバイル通信構成要素1004、化学的又は生物学的センサ等のうちの1つ又は複数を使用することにより実行し得る。
【0112】
933において、推定汚染エリアについての情報(すなわち、第2のノードロケーションとして識別されるエリアの中心ロケーション)は、1つ又は複数の自律モバイルノードにより確立されるテンタクルを介して第1のノードに送信される。例として、処理システム1001又は自律モバイル通信構成要素1004は、テンタクルを介して情報を第1のノードに送信するように構成し得る。
【0113】
その結果、本明細書に記載される本技術を使用して、オンボード生物学的又は化学的センサを備えた1つ又は複数の自律モバイル装置を使用し、自律的に汚染を検出し、大凡の汚染エリアを推定することができる。
【0114】
図2図9A、及び図9Bに示されるフローチャートの態様を含む本開示の様々な態様は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せを使用して実施し得、1つ若しくは複数のコンピュータシステム又は他の処理システムで実施し得る。さらに、本明細書での本開示の様々な態様によれば、1つ又は複数の機能は、1つ又は複数プロセッサを含み得る「処理システム」を用いて実施し得る。そのような処理システムの例は、図10Aに示されるように、シングル又はマルチコアプロセッサ、USB又はEthernet等の通信バス、1つ又は複数の送受信機、及び1つ又は複数のオンボードセンサを有するコンピュータシステムを含み得る。
【0115】
図10Aは、自律モバイルノードの装置1000のハードウェア実施の例を示すシステム図を示す。自律モバイルノードは、少なくとも1つの処理システム1001を含む1つ又は複数の装置1000を含み得る。また、代替的には、装置1000は、自律モバイルノード又は地上ノードで実施される任意の通信デバイスであることができる。処理システム1001又は装置1000は、クライアント−サーバ環境又は分散計算環境でクライアント又はサーバとして実施し得る。
【0116】
一実施態様では、装置1000は、処理システム1001、送受信機インタフェース1006、センサインタフェース1007、ナビゲーションインタフェース1008、及び任意選択的にユーザ(人間オペレータ)インタフェース1009を含み得る。処理システム1001は、通常、中央演算処理装置又は他の処理デバイス、内部通信バス、命令/コード及びデータ記憶用の様々なタイプのメモリ又は記憶媒体、及び通信目的での1つ又は複数のネットワークインタフェースカード又はポートを含む汎用コンピュータであり得る。例として、処理システム1001は、1つ又は複数の通信バス(全体的に通信バス1002で表される)、1つ又は複数のプロセッサ(全体的にプロセッサ1003で表される)、コンピュータ可読媒体(非一時的コンピュータ可読媒体を含め、全体的にコンピュータ可読媒体1005として表される)、及び1つ又は複数の自律モバイル通信構成要素(全体的に自律モバイル通信構成要素1004として表される)を含む。本開示では、処理システム1001は、本明細書に記載されるフローチャート、プロセス図、アルゴリズムで示されるような本技術の様々な機能又は態様を実施するように構成し得る。
【0117】
通信バス1002は、処理システム1001の特定の用途及び全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バス、ケーブル、又はブリッジを含み得る。通信バス1002は、1つ又は複数のプロセッサ1003を含む様々な回路、コンピュータ可読媒体1005、及び自律モバイル通信構成要素1004を一緒にリンクするように構成される。通信バス1002は、当分野で周知であり、したがって、これ以上説明しないタイミングソース、周辺機器、電圧調整器、及び電力管理回路等の様々な他の回路をリンクすることもできる。様々な通信インタフェースを提供して、プロセッサ1003、コンピュータ可読媒体1005、自律モバイル通信1004、送受信機インタフェース1006、センサインタフェース1007、ナビゲーションインタフェース1008、ユーザ(人間オペレータ)インタフェース1009等の様々な構成要素間でデータを転送し得る。通信インタフェースの例としては、Ethernet(10/100/1000Mbps)等のネットワークインタフェース、USB、ファイアワイヤ、及びRS−232等のシリアル通信ポート、並びに個々のインタフェースが取り付けられた高速で確実な通信に向けて最適化されたカスタマイズ回路を挙げることができる。
【0118】
例では、自律モバイル通信構成要素1004は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、又は両方の組合せを含み、自律モバイルノードのナビゲート、テンタクルの形成、テンタクルのモニタリング、維持、及びテンタクルへの任意の破損の修復等に関連する機能を含む、自律モバイル通信機能に関連する本明細書に記載される様々な特徴又は機能を実施し得る。自律モバイル通信は、自律モバイル通信構成要素1004により単独で、又はプロセッサ1003と組み合わせて実施し得る。
【0119】
例として、図10Bに示されるように、自律モバイル通信構成要素1004は、飛行構成要素1030、無線通信確立構成要素1033、テンタクル検出構成要素1035、及びロケーションに向けてのナビゲーション構成要素1037を含み得る。飛行構成要素1030は、構成要素又はモジュール(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せ)として実施し得、自律モバイルノード(又は装置)を地上にあり得る第1のノードに向けて自律的に飛行させるように構成される。無線通信確立構成要素1033は、様々なノード(例えば、地上の第1のノード及び/又は第2のノード)又は空中に展開された他の自律モバイルノードとの無線通信を確立するように構成された構成要素又はモジュール(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せ)として実施し得る。テンタクル検出構成要素1035は、地上の第1のノード又は空中に展開された1つ若しくは複数の自律モバイルノードに関連付けられたテンタクルがあるか否かを判断するように構成された構成要素又はモジュール(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せ)として実施し得、ここで、テンタクルは、1つ又は複数の自律モバイルノードにより確立される1つ又は複数の無線通信リンクを含む。ロケーションに向けてのナビゲーション構成要素1037は、第1のノードに関連付けられたテンタクルがあると判断される場合、少なくとも部分的に、自律モバイルノードに搭載される1つ又は複数のセンサから受信される情報に基づいて、自律モバイルノードを第1のノードの第1のロケーションにナビゲートするか、又は第2のノードに向かう第2のロケーションに向けて、テンタクルに沿ってナビゲートするように構成される構成要素又はモジュール(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せ)として実施し得る。ロケーションに向けてのナビゲーション構成要素1037は、第1のノードに関連付けられたテンタクルがないと判断される場合、少なくとも部分的に第1のノードから受信される情報に基づいて、自律モバイルノードを第2のロケーションに向けてナビゲートするように更に構成し得る。代替的には、ロケーションに向けてのナビゲーション構成要素1037は、少なくとも部分的に、自律モバイルノードに搭載された1つ又は複数のセンサからの測定データに基づいて、自律モバイルノードを第2のロケーションに向けてナビゲートするように構成することもできる。
【0120】
再び図10Aを参照すると、処理システム1001は、1つ又は複数のプロセッサ1003を含み得る。プロセッサ1003は、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むゲートアレイ、プログラマブル論理デバイス(PLD)、離散ハードウェア回路、又は本明細書に記載される様々な機能を実行するように構成される他の適するハードウェアを含み得る。プロセッサ1003は、通信バス1002と、コンピュータ可読媒体1005に記憶されたソフトウェア又は命令の実行を含む一般処理との管理を担うように構成し得る。ソフトウェア又は命令は、自律モバイルノードのナビゲート、テンタクルの形成、テンタクルのモニタリング、維持、及びテンタクルへの任意の破損の修復に関連する機能を含む、自律モバイル通信機能に関連する様々な機能又は動作を処理システムに実行させるコード命令を含み得る。すなわち、ソフトウェアは、プロセッサ1003によって実行されると、処理システム1001に、本明細書に記載される本技術に関連する機能を含む様々な機能を実行させ得る。また、コンピュータ可読媒体は、ソフトウェアを実行すると、プロセッサ1003によって操作されるデータを記憶し得る。すなわち、ソフトウェア機能は、実行可能命令又はコード及び関連付けられた記憶データ等、例えば、空中に展開された自律モバイルノードを使用して無線通信ネットワークを自律的に確立、モニタ、維持、修復する機能を含む本明細書に開示される本技術の技法の実施に使用されるファイル等を含め、プログラミングを含み得る。
【0121】
本開示では、ソフトウェアは、命令、命令セット、コード、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、プロシージャ、関数、ハードウェア記述言語等を広く含む。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読媒体に常駐し得る。非一時的コンピュータ可読媒体は、例として、磁気記憶装置(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、及びプロセッサがアクセスし読み取ることができるソフトウェア及び/又は命令を記憶する任意の他の適する媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体は、例として、搬送波、伝送線、及びコンピュータがアクセスし読み取ることができるソフトウェア及び/又は命令を伝送する任意の他の適する媒体を含むこともできる。コンピュータ可読媒体は、処理システム内に存在してもよく、処理システム外に存在してもよく、又はプロセッサシステムを含む複数のエンティティにわたり分散してもよい。さらに、ソフトウェアは、他のロケーションに記憶してもよく、及び/又は適切な処理システムにロードするために輸送されてもよい。アプリケーション又は処理システムを含む適切な汎用コンピュータの他のプログラミングのソフトウェアコード又は命令は、異なるネットワークロケーション(例えば、リモートサーバ)に記憶し、ネットワークを通して無線で送信して、処理システムのメモリに記憶し得る。
【0122】
送受信機インタフェース1006は、起点ノード、宛先ノード、又は自律モバイルノード等の他の装置と無線通信する手段を提供する。送受信機インタフェース1006は、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、超広帯域(UWB)、Bluetooth(登録商標)、及び/又は他の適するプロトコルを含め、短距離及び/又は長距離無線通信プロトコルをサポートするように構成し得る。代替的には、送受信機インタフェース1006は、任意の他のプロプライエタリ無線通信プロトコルをサポートすることもできる。
【0123】
センサインタフェース1007は、自律モバイルノードに搭載される1つ又は複数のセンサ(図11に示されるように)と通信するインタフェースを提供する。また、センサインタフェース1007は、「アプリケーションプログラミングインタフェース」(API)と呼ばれることが多いインタフェースを含み得る。APIは、処理システム1001内部のプロセッサ1003に関して「デバイスドライバ」ソフトウェアモジュールの形態で実施し得る。このAPIを介して、処理システム1001内部で実行中のシステム関数呼び出しにより要求されると、処理システム1001に接続された、要求されたセンサインタフェースは、APIを介して、タプル、例えば、<関数名、タイムスタンプ、デバイス識別子、送/受信データ方向フラグ、センサの内部パラメータ/オブジェクト分類識別子、データフィールド数、データ値アレイ>の形態のデータをプロセッサ1003に提供する。さらに、搭載される各センサは、定期的に(例えば、3秒毎)又はAPIを介しての処理システム1001による要求時に、それ自体のセンサデータをこのタプル形式に変換するように構成し得る。センサプラットフォームの候補例としては、各自律モバイルノードに設置し得るGPSを含むジオロケーションセンサ、無線周波数センサ、ネットワーク品質センサ、化学的センサ、生物学的センサ、カメラ/イメージセンサ等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0124】
ナビゲーションインタフェース1008は、自律モバイルノードの自動飛行モジュール又は構成要素と通信する手段を提供する。自動飛行構成要素は、装置1000が様々な場所情報、例えば、関心のあるGPS座標等のデータを取得又は受信し、自律モバイルノードを指定された座標ロケーションに飛行させる移動コマンド等のコマンドを発行できるようにするAPIを提供する。
【0125】
ユーザ(人間オペレータ)インタフェース1009は、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイクロホン、ジョイスティック、又は他のユーザインタフェース要素を含み得る任意選択的な構成要素である。ユーザインタフェース1009を使用して、処理システム1001と通信し得る。ユーザインタフェース1009は、自律モバイルノードに結合し得る。代替的には、ユーザインタフェース1009は、起点ノードに結合し得、オペレータコンソール上にグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提示するように構成し得る。一実施態様では、発進又は展開前、ユーザインタフェース1009を介して、起点ノード及び/又は宛先ノードの場所情報を自律モバイルノード又は起点ノードの処理システム1001に入力することができる。また、上述したように、ユーザインタフェース1009を使用して、図10Cに示されるように、オペレータコンソールにGUIの例を生成し得る。図10CのGUIインタフェースは、人間のオペレータがオペレータコンソール上で、任意のネットワークされた自律モバイルノードの特定の自律挙動をモニタ及び/又はオーバーライドするのに役立ち得る。GUI1060は、カメラフィードビュー1063、1つ又は複数の自律モバイルノードのノード制御1065、及びグラフィカルネットワークビュー1067等の複数のグラフィカルエリアを提示するように構成し得る。カメラフィードビュー1063は、空中の自律モバイルノードからのリアルタイムイメージを表示し得る。ノード制御1065は、起点ノード又は宛先ノードを制御(例えば、イネーブル又はディセーブル)し、1つ又は複数の自律モバイルノード(例えば、UAV1、UAV2、・・・、及びUAV N)を始動又は回収する能力をオペレータに提供する。グラフィカルネットワークビュー1067は、1つ又は複数の自律モバイルノードを介して起点ノードと宛先ノードとの間に確立される通信ネットワークのグラフィカル表現を提示し得る。
【0126】
図11は、処理システムと様々なオンボードセンサとの間の対話を概念的に示す機能ブロック図を示す。図11に示されるように、システム図は、処理システム1001が、3つの例示的なセンサ:ジオロケーションセンサ(1102)、カメラセンサ(1103)、及び化学/生物学的センサ(1004)を含む様々なセンサインタフェースをいかに使用し得るかを示している。上述したように、各センサインタフェース1007A、1007B、及び1007Cは、各オンボードセンサプラットフォームと通信する手段を提供する。特に、3つのインタフェース(1007A、1007B、及び1007C)はそれぞれ、定期的に又はプロセッサ1003による要求時に、タプルの形態、すなわち、<関数名、タイムスタンプ、デバイス識別子、送/受信データ方向フラグ、センサの内部データ/オブジェクト分類識別子、データフィールド数、データ値アレイ>の形態でデータを提供する。
【0127】
本開示の特定の態様では、GPS、受信信号品質、信号強度に関する通信品質測定、代替のセンサ、又は代替の測定尺度等の様々な測定データを使用し得る。代替のセンサ又は代替の測定尺度は、無線周波数ベースのジオロケーションセンサ1102(例えば、コグニティブ無線アーキテクチャから)を介する他の無線周波数測定、カメラ又はイメージセンサ1103を介するカメラ識別又は物体追跡測定、化学/生物学的センサ1104を介する空気組成の生物学的又は化学的センサ測定、ネットワーク品質センサを介したメッセージ送出品質等のネットワーク測定を含み得る。これらのセンサ又はセンサシステムは、通信ネットワーク又はテンタクルでの各ノードの重要性等の改善された状況認識を提供するように構成し得る。
【0128】
一態様では、システム1001はクリティカルセンシティブ制御(CSC)構成要素を含み得、この構成要素は、通信ネットワーク内の自律モバイルノードのクリティカル性又は重要性を特定し、テンタクル内の重要なロケーションを補強しようとする。例えば、ジオロケーションセンサ1102を使用して、特定のロケーションでの自律モバイルノードのクリティカル性は、自律モバイルノードを通るデータトラフィックの測定量(例えば、Mbps単位で測定される)により、又は自律モバイルノードを通ってルーティングされている1つ若しくは複数のメッセージの優先度により特定し得る。
【0129】
さらに、各自律モバイルノードには、その自律モバイルノードを通るデータトラフィックの測定量又はその自律モバイルノードを通ってルーティングされている1つ若しくは複数のメッセージの優先度に基づいて、クリティカル値を割り当て得る。自律モバイルノードのクリティカル値が所定の閾値を超える場合、CSC構成要素は、利用可能な余剰ノードをその自律モバイルノードにガイドし、親ノードと子ノードとの間に位置決めされることを保証し得、それにより、高いクリティカル値を有する自律モバイルノードにより確立されたテンタクルのセグメントを補強する。基本的に、余剰ノードを配置する各戦略は、近傍ノードのトラフィックの幾らかを余剰ノードを通してルーティングすることで近傍ノードのクリティカル性を低減することにより、ネットワークを補強し得る。さらに、本開示の態様では、CSC構成要素又は機能は、起点ノード又は起点ノードを起点とするテンタクルを形成する1つ若しくは複数の自律モバイルノードのうちの任意の1つに存在することができる。
【0130】
図12Aは、幾つかの構成要素例を含む、UAV1等の自律モバイルノード(AMN)1200を概念的に示すブロック図の別の例を示す。図12Aに示される自律モバイルノード1200は、少なくとも処理システム1001(図10Aに示されるような)、自動飛行装置1201、GPS1203、推進システム1205、センサ1207、送受信機1211、及び電源1209を含むように構成される。
【0131】
自動飛行装置1201は、自律モバイルノードの自律制御及び動作を担い、自律モバイルノードの様々な状態を測定する。自動飛行装置1201は、気圧計と、自律モバイルノードでの加速度及び/又は角速度を提供する1つ又は複数の加速度計、1つ又は複数のジャイロスコープ、及び/又は1つ又は複数の磁力計を有する慣性測定ユニット(IMU)とを含み得る。
【0132】
GPS1203は、GPS受信機を含み、自律モバイルノードのGPS座標等の場所情報を特定し得る。センサ1207は、図11に示されるように、無線周波数ベースのジオロケーションセンサ1102、化学/生物学的センサ1104、カメラセンサ1103、ネットワーク品質センサ(図示せず)等の様々なタイプのオンボードセンサを含み得る。オンボードセンサを使用して、様々なタイプのデータ(又は測定データ)を取得し、異なる目的で処理し得る。一実施態様では、各センサ内部の処理は、特定のAPI実装(例えば、図4を参照して本明細書に記載される方法論による)の一環として方向成分及び大きさ成分からなるベクトルに測定データを変換し得、次に、ベクトルはAPIを介して処理システム1001に提供される。別の態様では、様々なセンサからの測定データを使用して、自律モバイルノードの動作を自律的に監視し、及び/又は制御することができる。代替的には、測定データを使用して、図8及び図9を参照して上述したように、地上の標的ノード(又は第2のノード)を識別し、及び/又は追跡し得る。
【0133】
推進システム1205は、自律モバイルノードのエンジン又は他の推進システムを含み得る。推進システム1205の一実施態様は、以下、図12に示されるように、複数のロータを更に含み得る。
【0134】
センサ1207は、本明細書に記載のように、カメラセンサ1103、ジオロケーションセンサ1007、化学的又は生物学的センサ1104等の1つ又は複数のセンサを含み得る。
【0135】
送受信機1211は、地上の1つ若しくは複数のノードと通信するか、又は空中に展開される他の自律モバイルノードと通信するための1つ又は複数の送受信機及び/又は送受信機インタフェース1006を含み得る。上述したように、送受信機インタフェース1006は、UMB、Wi−Fi、WiMax、IEEE802.20、UWB、Bluetooth、及び/又は他の適するプロトコルを含め、様々な短距離及び長距離無線通信プロトコルをサポートするように構成し得る。電源1209は、自律モバイルノード1200に搭載された電子回路及び様々な構成要素に電力を提供するのに様々なタイプの電池又は電源を含み得る。
【0136】
図12B及び図12Cは、自律モバイルノードのハードウェア構成要素の構成例を示す。図12Bは、処理システム(例えば、ODROID−U3)、GPS(例えば、AdaFruit GPSチップ)、送受信機(例えば、TP−Link Wi−Fiデバイス)、及び電源(例えば、RAVPower電池パック)を含む自律モバイルノードのカスタムビルドエンクロージャの単純なブロック図を示す。例では、処理システムは、HardKernel ODROID−U2を含み得、GPSはAdafruit Ultimate GPS Breakout v3を含み得、送受信機はTP−LINK TL−WN722N Wireless N150 USBアダプタを含み得、電源は、RAVPower Element 10400mAh外部USB電池を含み得る。
【0137】
図12Cは、推進システム、センサ、及び自動飛行装置を含むハードウェアシステム(例えば、ヘキサロータ)の一実施態様を示す。特に、推進システムは6個のロータを含み得、センサは、電子コンパス及び高度計を含み得、一方、自動飛行装置は、プロプライエタリソフトウェアを有する専用Raspberry Piを含み得る。
【0138】
さらに、上述したように、自律モバイルノードは、任意選択的な構成要素として、ビデオデータ又はイメージデータを捕捉するビデオカメラ又はスナップショットカメラ等の1つ又は複数のカメラ1103を含み得る。捕捉されたビデオデータ又はイメージデータは、記憶され、及び/又は自律モバイルノードの送受信機1211を介して、隣接する自律モバイルノードを含む他のノードに送信し得る。さらに、捕捉されたビデオデータ又はイメージデータは、テンタクルを形成する1つ又は複数の自律モバイルノードを通して(例えば、捕捉されたビデオデータ又はイメージデータをある自律モバイルノードからテンタクル内の別の自律モバイルノードに中継することを介して)、起点ノードに送信し得る。一実施態様では、自律モバイルノードがナビゲートする際、カメラは、捕捉されたビデオを更に処理するために、テンタクル内の他の自律モバイルノードを介して別の自律モバイルノード又は起点ノードにビデオをリアルタイムで無線ストリーミングし得る。
【0139】
図13及び図14は、本開示の特定の態様による共同ナビゲーションの例を示す。共同ナビゲーション例は、フィールドのプロファイルを変更し、展開される通信ネットワークの全体的な形状及び/又は応答を変更する目的で、仮想宛先又は起点ロケーションを割り当てることにより達成し得る。例えば、図13では、通信ネットワークは起点ノードにテザリングされないことがある。代わりに、空中に展開される全ての自律モバイルノードは、仮想ロケーションに引き寄せられる。仮想ロケーションを囲み、仮想ロケーションを移動させている自律モバイルノードは、効率的なモバイルエスコート又は防衛線を形成することになり得る。また、検知された障害物(例えば、障害物1)からの追加のフィールドをフィールド強度計算に直接追加して、自律モバイルノードが通信制約下の環境に入る際に自律モバイルノードの安全を保証する(すなわち、障害物回避)ことができる。同様に、図14に示されるように、通信ネットワークは、最大範囲での弧に沿って定義される仮想宛先を移動させることにより、エリアを掃引するテンタクルであり得る。
【0140】
したがって、本明細書に記載される本開示は、多くの利点及び恩恵を提供する。本明細書に記載される多くの利点及び恩恵の中でも特に、本開示は、様々なオンボードセンサデータ測定及び/又はネットワーク性能に基づいて、複数の自律モバイルノードがそれ自体を自律的に制御できるようにする。さらに、本開示は、分散して空中に展開される自律モバイルノードの動きを自律的に調整し、最適未満のネットワークの形成を回避し、様々なタイプの自律モバイルノード障害に対処し、空中に展開された自律モバイルノードを使用して通信ネットワークのクリティカルロケーションを修復し補強できるようにし得る。さらに、上述したように、本開示は、自律的に、ノードにより送信された関心のある信号を検出し、1つ又は複数の自律モバイルノードから受信される情報に基づいてノードのロケーションを特定し、及び/又はノードの移動を動的に追跡できるようにし得る。さらに、本開示は、1つ又は複数の自律モバイルノードから受信される情報に基づいて、汚染材料の存在を自律的に検出し、汚染エリアのロケーションを特定できるようにし得る。
【0141】
本開示の別の態様では、本明細書に開示される本技術に関連する様々な機能は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの任意の組合せを使用して実施し得る。アルゴリズム疑似コードの例は、以下のように、「main」、「communicate」、及び「move」等の関数に関連する疑似コードを含み得る。
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
上述したように、本明細書に開示される本技術に関連する様々な機能又は動作(例えば、様々なフローチャート、プロセス図、アルゴリズム等)は、自律モバイルノードで実行中の1つ又は複数のプロセッサ又はコンピュータシステムにおいて実施し得る。当分野で周知のように、汎用コンピュータは通常、中央プロセッサ又は他の処理デバイス、内部通信バス、コード及びデータ記憶用の様々なタイプのメモリ又は記憶媒体(RAM、ROM、EEPROM、キャッシュメモリ、ディスクドライブ等)、通信目的での1つ又は複数のネットワークインタフェースカード又はポートを備える。ソフトウェア機能は、命令又は実行可能コード及び関連付けられた記憶データ、例えば、本開示により本明細書に記載される動作又は機能を含む様々な動作を実施するために使用されるファイルを含め、プログラミングを含む。ソフトウェアコードは、クライアント、サーバ、又はネットワーク要素機能に関連し得、汎用コンピュータにより実行可能であり得る。動作において、上述したように、コードは、汎用コンピュータプラットフォーム内の非一時的機械可読記憶媒体に記憶される。しかし、他の場合、ソフトウェアは、他のロケーションに記憶してもよく、及び/又は輸送されて、実行のために適切な汎用コンピュータシステムにロードされてもよい。本明細書に開示される動作及び/又は機能に関連するアプリケーション又は他のプログラミングのソフトウェアコードは、サーバに記憶され、ネットワークを通して送信されて、クライアントのメモリに記憶されてもよい。
【0146】
別の変形では、本開示の特定の態様による方法及びシステムは、単一の自律モバイルノード又は地上ノード等のスタンドアロン環境で動作し得る。別の変形では、本開示の特定の態様による方法及びシステムは、クライアント−サーバ環境又は複数の自律モバイルノードで実施される処理システムを含む複数の計算プラットフォームにわたり分散した計算環境で動作し得る。本明細書に開示される方法でのステップの特定の順序又は階層が、プロセス例の例示であり、再配置し得ることが理解される。したがって、添付の方法請求項の様々なステップは、サンプル順序で提示されており、したがって、別段のことが述べられる場合を除き、提示される特定の順序又は階層に限定される意図はない。
【0147】
本明細書に提供される例示及び例は、説明を目的としており、添付される特許請求の範囲の限定を意図しない。本開示は、1つ又は複数の本発明の概念の実施形態例として見なされるべきであり、本発明の趣旨及び範囲及び/又は示される例の特許請求の範囲を限定する意図はない。さらに、これらの態様への様々な変更が、当業者には容易に明らかになり、本明細書において定義される一般原理は、他の態様にも適用可能である。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示される態様に限定されることは意図されず、特許請求の範囲の言葉に一致する全範囲によるべきであり、特許請求の範囲では、単数形の要素への参照は、唯一を意味すると特に述べられる場合を除き、「唯一」を意味することが意図されず、むしろ「1つ又は複数」を意味することが意図される。別段のことが特に記載される場合を除き、「幾つかの」という用語は1つ又は複数を指す。項目のリストの「のうちの少なくとも1つ」を参照する語句は、1つのメンバを含め、それらの項目の任意の組合せを指す。当業者に既知であるか、又は後に既知になる本開示全体を通して記載される様々な態様の要素に均等な全ての構造及び機能は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、特許請求の範囲による包含が意図される。本明細書に開示されるいかなることも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されるか否かにかかわらず、公開されることは意図されない。請求項要素が、「する手段」又は「するステップ」(方法クレームの場合でのように)という語句を使用して明示的に記載されない限り、いずれが適切であれ、米国特許法第112条第6段落又は米国特許法第112(f)条下で解釈されるべきではないことにも留意する。
【0148】
さらに、特徴例であると現在見なされるものを示し、及び/又は説明したが、請求項による主題から逸脱せずに、様々な他の変更を行い得、及び/又は均等物で置換し得ることが当業者には明らかである。さらに、本明細書に記載される概念から逸脱せずに、特定の状況に適合するために、請求項による主題の教示に多くの変更を行い得る。したがって、請求項による主題は、本明細書に開示される特定の例に限定されないことが意図され、そのような請求項による主題は、添付の特許請求の範囲及び/又はその均等物内にある全ての態様を含み得る。
【0149】
様々な実施形態が本明細書に記載され、様々な実施形態の説明は、例示を意図され、限定を意図されない。添付の特許請求の範囲から逸脱せずに、様々な変更及び応用が関連分野の当業者により行われ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B
図12C
図13
図14