特許第6563488号(P6563488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6563488グランドプレーンから分離されたインジケータ回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563488
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】グランドプレーンから分離されたインジケータ回路
(51)【国際特許分類】
   H01Q 7/00 20060101AFI20190808BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20190808BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20190808BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20190808BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   H01Q7/00
   H02J7/00 X
   H02J7/00 301B
   H01Q1/22 Z
   H01M10/42 P
   H01M10/48 P
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-515681(P2017-515681)
(86)(22)【出願日】2015年5月18日
(65)【公表番号】特表2017-523745(P2017-523745A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】US2015031335
(87)【国際公開番号】WO2015183609
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2018年5月8日
(31)【優先権主張番号】62/005,168
(32)【優先日】2014年5月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315014051
【氏名又は名称】デュラセル、ユーエス、オペレーションズ、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【弁理士】
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】アリステア、ニール、チャペル
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム、アレクサンダー、マーティン、ディレー
(72)【発明者】
【氏名】カルビン、クリストファー、ジャイルズ
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンティン、ディミトロフ、ステファノフ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー、エマニュエル、ミルトン、ストーキー
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン、トドロフ、ブーリルコフ
(72)【発明者】
【氏名】セルジオ、コロナド、ホルタル
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム、フィットラー、モリス
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン、ジェフリー、スペクト
【審査官】 新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0308936(US,A1)
【文献】 特開2013−038967(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0056002(US,A1)
【文献】 特開2010−081716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 7/00
H01M 10/42
H01M 10/48
H01Q 1/22
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池(270、470)であって、正端子(272、472)および負端子(274、474)を備える、電池(270、470)と、
アンテナ(210、410)であって、少なくとも1つのアンテナトレース(250、450)、第1のアンテナ端子(252、452)、および第2のアンテナ端子(254、454)を備える、アンテナ(210、410)と、
デカップラコンポーネント(240、440)であって、第1のデカップラコンポーネント端子(242、442)および第2のデカップラコンポーネント端子(244、444)を備える、デカップラコンポーネント(240、440)と、
集積回路(220、420)と、
アナログ−デジタル変換器と、
通信回路とを備え、前記集積回路は、前記電池(270、470)の条件を感知し読取装置に前記条件を信号によって通信するように構成される、オンセル遠隔表示システムであって、
前記集積回路(220、420)は、前記第1のアンテナ端子(252、452)および前記第2のアンテナ端子(254、454)に電気的に結合され、前記集積回路(220、420)は、前記電池(270、470)の前記正端子(272、472)に電気的に結合され、前記集積回路(220、420)は、前記第1のデカップラコンポーネント端子(242、442)に電気的に結合され、前記第2のデカップラコンポーネント端子(244、444)は、前記電池(270、470)の前記負端子(274、474)に電気的に接続される、
オンセル遠隔表示システム
【請求項2】
前記デカップラコンポーネント(240、440)は、抵抗器、インダクタ、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のオンセル遠隔表示システム
【請求項3】
前記電池(270、470)の前記条件は、過放電保護、過充電保護、残容量決定、電圧決定、サイクル寿命決定、および電力管理からなる群から選択される、請求項に記載のオンセル遠隔表示システム
【請求項4】
前記集積回路(220、420)は、無線周波数識別チップまたは近距離無線通信チップをさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載のオンセル遠隔表示システム
【請求項5】
前記アンテナ(210、410)は、同相構成である2個の対称的なループアンテナ(1000、1100)である、請求項1からのいずれか一項に記載のオンセル遠隔表示システム
【請求項6】
前記アンテナ(210、410)は、位相不一致構成である2個の対称的なループアンテナ(800、900)である、請求項1から5のいずれか一項に記載のオンセル遠隔表示システム
【請求項7】
前記電池(270、470)は、金属筐体を備える、請求項1からのいずれか一項に記載のオンセル遠隔表示システム
【請求項8】
前記電池(270、470)は、AAA電池、AA電池、C電池、D電池、又は9V電池である、請求項1から7のいずれか一項に記載のオンセル遠隔表示システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グランドプレーンから分離されたインジケータ回路に関し、より具体的には、電池から分離されたインジケータ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
無線周波数識別(RFID)および他の近距離無線通信(NFC)プロトコルを含む、ワイヤレス通信は、セキュリティ、在庫管理、アクセス制御などの用途に対して人気が高まっている。RFIDまたはNFCプロトコルを含むスマートフォンの数は、RFIDインジケータ回路およびNFCインジケータ回路などの、パッシブまたはアクティブトランスポンダのさまざまな用途とともに増大している。このようなインジケータ回路は、スマートフォンなどの読取装置によって読取可能なワイヤレス通信信号を変調し、場合によっては発することができるアンテナを含む。しかしながら、寄生容量がアンテナとグランドプレーンとの間に生じ得る。寄生容量は、例えば、アンテナが金属の上または近くに設置されるとき特に問題となり得る。寄生容量は、インジケータ回路内のアンテナのアンテナ電圧を低下させる場合がある。結果として、アンテナの読取範囲が減少する場合がある。加えて、寄生容量は、13.56MHzなどの、アンテナの特定周波数からアンテナを離調させる場合がある。アンテナを再び同調させる必要がある場合があり、ある一定の状況では再び同調させることが実行不可能であるおそれがある。
【0003】
電気化学セル、または電池は、電気エネルギー源として一般に使用される。電池は、通常アノードと呼ばれる負電極、および通常カソードと呼ばれる正電極を包含する。アノードは、酸化され得る活物質を包含する。カソードは、還元され得る活物質を包含する。アノード活物質は、カソード活物質を還元することができる。隔離板がアノードとカソードとの間に配置される。電解液が電池の中に同様に含まれる。前述の構成要素は、一般に金属缶の中に配置される。
【0004】
バッテリテスタは、電池残量などの、電池の特性を決定するために使用することができる。電池上に設置される代表的なタイプの一般的なバッテリテスタは、サーモクロミック型テスタとして知られる。サーモクロミックバッテリテスタで、回路は、消費者が手動で1個または2個のボタンスイッチを押下するとき完成する。一度スイッチが押下されると、消費者はサーモクロミックテスタに電池を接続したことになる。サーモクロミックテスタは、銀製抵抗器、例えば、電気抵抗がその長さに沿って同様に変化するように可変的な幅を有する平らな銀層を含み得る。電流が銀製抵抗器を通って進むにつれて、消散した電力は、銀製抵抗器の上に設置されるサーモクロミック・インク・ディスプレイの色を変える熱を生成する。サーモクロミック・インク・ディスプレイは、電池の相対容量を示す計器として配置することができる。しかしながら、バッテリテスタを使用して電池をテストするために、消費者が不都合にも電池を保持しおよび/またはデバイスから電池を取り外すことが通常必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、グランドプレーンから分離される、ワイヤレス通信、例えばRFIDおよび/またはNFC用途のためのインジケータ回路の必要性が存在する。このようなインジケータ回路を含む通信システムは、アンテナとグランドプレーンとの間で短絡を減少させ、または除去することができる。加えて、このようなインジケータ回路を含む通信システムは、アンテナを再び同調させることを何ら必要としないようにすることができる。加えて、このようなインジケータ回路を含む通信システムは、グランドプレーンとして機能できる他の金属部分からの干渉を減少させ、または除去することができる。グランドプレーンから分離されるワイヤレス通信のためのインジケータ回路は、バッテリテスタの中に同様に組み込むことができる。電池の金属筐体または、デバイスの中のものなどの他の金属部品の結果として生じ得る任意の寄生容量は、減少させ、または除去することができる。いずれの場合においても、アンテナがグランドプレーン/金属部品に近いとき、グランドプレーン/金属部品によってインジケータ回路内のアンテナの読取範囲が悪影響を受けないようにすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施形態において、発明は、インジケータ回路を対象とする。インジケータ回路は、グランドプレーン、アンテナ、デカップラコンポーネント、および集積回路を含む。アンテナは、少なくとも1つのアンテナトレース、第1のアンテナ端子、および第2のアンテナ端子を含む。デカップラコンポーネントは、第1のデカップラコンポーネント端子および第2のデカップラコンポーネント端子を含む。集積回路は、第1のアンテナ端子および第2のアンテナ端子に電気的に結合される。集積回路は、第1のデカップラコンポーネント端子に電気的に結合される。第2のデカップラコンポーネント端子は、グランドプレーンに電気的に接続される。
【0007】
別の実施形態において、発明は、インジケータ回路を対象とする。インジケータ回路は、電池、アンテナ、デカップラコンポーネント、および集積回路を含む。電池は、正端子および負端子を含む。アンテナは、少なくとも1つのアンテナトレース、第1のアンテナ端子、および第2のアンテナ端子を含む。デカップラコンポーネントは、第1のデカップラコンポーネント端子および第2のデカップラコンポーネント端子を含む。集積回路は、第1のアンテナ端子および第2のアンテナ端子に電気的に結合される。集積回路は、電池の正端子に電気的に結合される。集積回路は、第1のデカップラコンポーネント端子に電気的に結合される。第2のデカップラコンポーネント端子は、電池の負端子に電気的に接続される。
【0008】
別の実施形態において、発明は、インジケータ回路を対象とする。インジケータ回路は、電池、アンテナ、デカップラコンポーネント、および集積回路を含む。電池は、正端子および負端子を含む。アンテナは、少なくとも1つのアンテナトレース、第1のアンテナ端子、および第2のアンテナ端子を含む。デカップラコンポーネントは、第1のデカップラコンポーネント端子および第2のデカップラコンポーネント端子を含む。集積回路は、第1のアンテナ端子および第2のアンテナ端子に電気的に結合される。集積回路は、電池の負端子に電気的に結合される。集積回路は、第1のデカップラコンポーネント端子に電気的に結合される。第2のデカップラコンポーネント端子は、電池の正端子に電気的に接続される。
【0009】
本明細書は、特許請求の範囲が本発明を構成しているとみなされる主題を特に指摘し明らかに主張して結びとするが、発明は、添付の図面と関連してなされる次の説明からよりよく理解されると思われる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本明細書で示され説明される1つまたは複数の実施形態による、グランドプレーンから分離されたインジケータ回路の概略図である。
図2】本明細書で示され説明される1つまたは複数の実施形態による、グランドプレーンから分離された別のインジケータ回路の概略図である。
図3】本明細書で示され説明される1つまたは複数の実施形態による、グランドプレーンから分離された別のインジケータ回路の概略図である。
図4】本明細書で示され説明される1つまたは複数の実施形態による、グランドプレーンから分離された別のインジケータ回路の概略図である。
図5】本明細書で示され説明される1つまたは複数の実施形態による、グランドプレーンから分離された別のインジケータ回路の概略図である。
図6】本明細書で示され説明される1つまたは複数の実施形態による、インジケータ回路を含む円筒型電池上のアンテナである。
図7】本明細書で示され説明される1つまたは複数の実施形態による、インジケータ回路を含む円筒型電池上の別のアンテナである。
図8】本明細書で示され説明される1つまたは複数の実施形態による、インジケータ回路とともに使用することができる2個の対称的なループアンテナの位相不一致構成である。
図9】本明細書で示され説明される1つまたは複数の実施形態による、インジケータ回路とともに使用することができる2個の対称的なループアンテナの別の位相不一致構成である。
図10】本明細書で示され説明される1つまたは複数の実施形態による、インジケータ回路とともに使用することができる2個の対称的なループアンテナの同相構成である。
図11】本明細書で示され説明される1つまたは複数の実施形態による、インジケータ回路とともに使用することができる2個の対称的なループアンテナの別の同相構成である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、グランドプレーンから分離されるインジケータ回路を対象とする。インジケータ回路は、ワイヤレス通信信号を送り、および/または受信することができる。インジケータ回路は、集積回路、アンテナ、およびデカップラコンポーネントを含む。インジケータ回路は、電池などのデバイスに電気的に結合することができ、インジケータ回路は、電池電圧などの特性をスマートフォンなどの読取装置にワイヤレスで通信することができる。いくつかの実施形態において、グランドプレーンは、例えば、電池の金属筐体とすることができる。
【0012】
集積回路(IC)は、例えば半導体ウェーハもしくはチップ、または金属、ポリマー、もしくはセラミック基板などの、単一基板上に構築された、トランジスタ、抵抗器、ダイオード、インダクタ、および/またはキャパシタの回路を含むことができ、集積回路の中で、ディスクリート構成部品が所定の機能を行うために相互接続される。ICは、ある1つの機能、または任意の数の機能を行うために、電気的に結合された通信回路および/またはアナログ−デジタル変換器(ADC)を備え得る。ICは、ICがその機能を行うために、システムグランドに電気的に接続することができる。ICは、表示回路、電源回路、RFID回路またはブロック、NFC回路またはブロック、入力/出力回路またはポートなどを含むがそれに限定されない、他の回路を含むことができる。ICは、通信回路およびADCを一緒に並べて物理的に同一場所に設置し、またはそれらを一緒に物理的に統合することができる。ICは、必要とされる、機能、または任意の数の機能の処理能力を網羅するために特に製造される特定用途向け集積回路(ASIC)を同様に含み得る。機能は、物品の特定条件を決定すること、および、機能情報の形で読取装置にその情報を中継することであってもよい。機能は同様に、物品の特定条件の通知を信号によって通信することであってもよく、または、機能は、可聴、可視、または振動感覚の表示を含み得る、物品の特定条件の表示を提供することであってもよい。振動感覚は、振動を感知する能力であり、振動感覚表示は、振動の感覚を提供する機械的または電気機械的手段である。ICは、任意の適当な形状とすることができる。ICは、長さ、幅、および高さを有する長方形または正方形形状とすることができる。ICは、アクティブ、セミアクティブ、バッテリアシストパッシブであってもよく、またはパッシブであってもよい。ICの幅は、約3mm未満、例えば約0.5mmと約2mmとの間とすることができる。ICの高さは、約1.0mm未満、例えば約0.02mmと約0.10mmとの間とすることができる。ICの長さは、約3mm未満、例えば約1.0mmから約2.0mmの間とすることができる。
【0013】
通信回路は、例えばISO/IEC14443(近接型カード)、15693(近傍型カード)、15961、15962、15963、および18000通信規格の中に含まれる、無線周波数識別(RFID)回路機構および近距離無線通信(NFC)回路機構、例えばIEEE802.15.1通信規格の中に含まれる、ブルートゥース回路機構、例えばIEEE802.11通信規格の中に含まれる、ワイファイ回路機構、例えばIEEE802通信規格の中に含まれる、ジグビー回路機構、ならびに任意の他の固定ワイヤレス通信回路機構などの適当な通信回路機構とすることができる。通信回路は、低周波(約125kHzから約134.2kHzまでおよび約140kHzから約148.5kHzまで)、高周波(HF)(13.56MHz)、極超短波(UHF)(860〜956MHz)、またはマイクロ波周波数(2.4〜5.8GHz)などの任意の適当な周波数帯を利用することができる。加えて、可聴音もしくは不可聴音または可視光などの、他の通信回路機構を使用することができる。
【0014】
アンテナは、単一のアンテナ、多数のアンテナを画定し、または1つもしくは複数の連続的なループアンテナを画定することができる、少なくとも1つのアンテナトレースを含み得る。各々のループは、少なくとも1つのアンテナトレースの1つまたは複数の巻きまたは巻線を有し得る。少なくとも1つのアンテナトレースは、第1のアンテナ端子および第2のアンテナ端子を含み得る。第1のアンテナ端子および第2のアンテナ端子は、集積回路(IC)のはんだ、導電性接着剤、超音波溶接、サーモソニックボンディング、熱圧着、またはクリンピング用にジョイント接続を提供することができる。第1のアンテナ端子および第2のアンテナ端子は、ICに電気的に結合することができる。
【0015】
アンテナは、望ましい読取範囲を達成するために必要とされる任意の数のループを含み得る。通信回路および読取装置の共振周波数を満たす同調範囲を有するLC(インダクタンスおよび静電容量)タンク回路を提供するために、何個の対称的なループを使用し、および/または対称的なループごとに何回の巻きを使用し得るかを決めることにおいて、対応するIC入力容量およびアンテナインダクタンスが明らかにされなければならない。
【0016】
少なくとも1つのアンテナトレース、第1のアンテナ端子、および第2のアンテナ端子は、銅、アルミニウム、銀、金、または他の導電性金属から作ることができる。他の実施例は、導電性ポリマー、導電性接着剤、および黒鉛などの導電性炭素を含む。少なくとも1つのアンテナトレース、第1のアンテナ端子、および第2のアンテナ端子は、印刷するか、または描くことができる。アンテナの少なくとも1つのアンテナトレースは、対象表面に材料を塗布するためにスクリーン、グラビア印刷、またはインクジェット印刷を用いてアンテナを画定する機械によって印刷することができる。印刷は、RFスパッタリング技術、対象表面上で材料を画定する衝撃または圧力技術、金属箔マスク技術、およびエッチング技術、または対象表面に塗布される材料を活性化する熱もしくは光活性化技術を介して完了することができる。
【0017】
少なくとも1つのアンテナトレース、第1のアンテナ端子、および第2のアンテナ端子は、箔から作ることができる。少なくとも1つのアンテナトレース、第1のアンテナ端子、および第2のアンテナ端子は、絶縁または裸の予め形成された電線とすることができる。予め形成された電線が裸の場合、非導電性シート、非導電性テープ、非導電性フレキシブル基板、または非導電性収縮包装によって覆うことができる。
【0018】
グランドプレーンは、システムグランドに接続している電気的に伝導性の表面とすることができる。グランドプレーンは、例えば、金属とすることができる。グランドプレーンは、例えば、デバイス内に含まれる金属部品または構成部分であってもよい。
【0019】
アンテナがグランドプレーンに近接しているとき寄生容量が生じ得る。寄生容量は、アンテナとグランドプレーンとの間の分布容量とすることができる。寄生容量は、例えば、シングルエンドアンテナおよび差動型または浮動型のアンテナを含む、任意のアンテナに影響を与え得る。寄生容量は、アンテナの望ましい読取範囲を減少させ得る。寄生容量は、キャパシタとして電気的に機能することができ、容量値を有し得る。寄生容量の容量値は、グランドプレーンとアンテナのオーバラップの面積に応じて変化することになる。寄生容量の容量値は同様に、アンテナとグランドプレーンとの間の誘電体媒質だけでなくアンテナとグランドプレーンとの間の距離に応じて変化することになる。誘電体媒質は、フェライト、プラスチック、空気などの電気絶縁物とすることができる。寄生容量の容量値は、式1に従って計算することができる。
【数1】
式中、Cは、ファラド(F)での、寄生容量の容量値であり、εは、アンテナとグランドプレーンとの間の誘電体媒質の相対的な静的誘電率、または比誘電率(真空に対して、ε=1)であり、εは、およそ8.854×10−12F m−1である、真空誘電率であり、Aは、平方メートル(m)での、アンテナとグランドプレーンのオーバラップの面積であり、dは、メートル(m)での、アンテナとグランドプレーンとの間の分離の距離である。例えば、アンテナとグランドプレーンとの間の誘電体材料は、比誘電率1のフェライトとすることができ、アンテナトレースの表面積は、335mmとすることができ、アンテナとグランドプレーンとの間の距離は0.1mmとすることができる。式1を使用して、これらの条件下での寄生容量の容量値は、約29.7×10−12F[(1)(0.000335m)(8.854×10−12F m−1)/(0.0001m)]と計算される。
【0020】
アンテナおよび寄生容量のリアクタンスは、インジケータ回路内で分圧器の役割を果たし得る。分圧器は、アンテナのアンテナ電圧およびアンテナの関連読取範囲を減少させることになる。デカップラコンポーネントは、分圧器によるアンテナの電圧の低下を最小化するように選択することができる。デカップラコンポーネントは、アンテナから寄生容量を分離し、アンテナに対するグランドプレーンからの任意の干渉を減少させ、または除去する。デカップラコンポーネントは、グランドプレーンからのアンテナの必要な分離を提供する任意の構成部品とすることができる。デカップラコンポーネントは、抵抗器、インダクタ、およびそれらの任意の組合せとすることができる。デカップラコンポーネントは、例えば、離散的な表面実装部品であってもよい。デカップラコンポーネントは、印刷された炭素などの印刷部品であってもよい。デカップラコンポーネントは、抵抗性接着剤などの抵抗性材料であってもよい。デカップラコンポーネントがインジケータ回路内に含まれるとき、システムグランドとグランドプレーンは直接接続されない。
【0021】
デカップラコンポーネントは、例えば、グランドプレーンによるインジケータ回路内のアンテナ電圧の低下を最小化するように選択される抵抗を有する抵抗器とすることができる。抵抗器の抵抗は、例えば、インジケータ回路の動作周波数における寄生容量のリアクタンスの少なくとも約10倍とすることができる。抵抗器の抵抗は、例えば、約100オーム(Ω)より大きくすることができる。抵抗器の抵抗は、例えば、約200Ωより大きくすることができる。抵抗器の抵抗は、例えば、約1,000Ωより大きくすることができる。抵抗器の抵抗は、例えば、約10,000Ωより大きくすることができる。抵抗器の抵抗は、例えば、約20,000Ωより大きくすることができる。
【0022】
デカップラコンポーネントは、例えば、グランドプレーンによるインジケータ回路内のアンテナ電圧の低下を最小化するように選択されるインダクタンスを有するインダクタとすることができる。インダクタのインダクタンスは、例えば、約50マイクロヘンリ(μH)より大きくすることができる。インダクタのインダクタンスは、例えば、約100μHより大きくすることができる。インダクタのインダクタンスは、例えば、約150μHより大きくすることができる。
【0023】
デカップラコンポーネントの選択は、続く計算例に従って決定することができる。アンテナのインダクタンスは、通信回路の入力容量を考慮に入れるときアンテナが同調可能なままでいるために最大化されることになる。アンテナのリアクタンスは、式2に従って計算することができる。
【0024】
=2πfL (式2)
式中、Zは、オーム(Ω)での、アンテナのリアクタンスであり、fは、ヘルツ(Hz)での、アンテナ電圧の周波数であり、Lは、ヘンリ(H)での、アンテナのインダクタンスである。例えば、13.56MHzにおける、高周波RFIDまたはNFC通信回路のためのアンテナは、システムグランドを基準として約5×10−6Hのインダクタンスを有し得る。式2を使用して、例示的なRFIDインジケータ回路に対するアンテナのリアクタンスは、約426Ω(2・π・13.56×10Hz・5×10−6H)と計算される。
【0025】
上の式1で計算される例示的な寄生容量は、同様にリアクタンスを有し得る。寄生容量のリアクタンスは、式3に従って計算することができる。
【数2】
式中、Zは、オーム(Ω)での、寄生容量のリアクタンスであり、fは、ヘルツ(Hz)での、アンテナ電圧の周波数であり、Cは、ファラド(F)での、式1で計算される、寄生容量の容量値である。式3を使用して、寄生容量のリアクタンスは、約390Ω[1/(2・π・13.56×10Hz・29.7×10−12F)]と計算される。
【0026】
インジケータ回路内でアンテナに取得可能な電流は、集積回路によって引き込まれる電流と寄生容量に失われる電流との間でキルヒホッフの法則に従って分割されることになる。この関係は、式4に従って数学的に表現される。
【0027】
ANT=IIC+ILOST (式4)
式中、IANTは、アンペア(A)での、アンテナ電流であり、IICは、アンペア(A)での、集積回路の入力電流であり、ILOSTは、アンペア(A)での、寄生容量に失われる電流である。
【0028】
インジケータ回路内の特定の集積回路は、最小動作電流を有することになる。特定の集積回路は同様に、集積回路が始動することが可能な最小電圧、または閾値電圧を有することになる。特定の集積回路の閾値電圧、および特定の集積回路内の抵抗は既知であるから、特定の集積回路のために、オームの法則に従って、最小動作電流を決定することができる。例えば、特定の集積回路の閾値電圧、および特定の集積回路内の抵抗は、それぞれ1ボルト(V)および1000Ωとすることができる。オームの法則による集積回路の最小動作電流IICは、0.001A[1V/1000Ω]である。
【0029】
アンテナは、閾値電圧定数を保つために寄生容量に関連付けられる任意の失われた電流を相殺するのに十分な電流を作り出す必要があることになる。寄生容量に失われる電流、ILOSTは、オームの法則および、式3で計算される、寄生容量のリアクタンスを使用して計算することができる。寄生容量に失われる電流は、オームの法則によれば、一定の閾値電圧において0.00256A[1V/390Ω]である。
【0030】
アンテナ電流は、式4によれば、0.00356A[0.001A+0.00256A]である。アンテナは、1Vを生成し、式5に従ってアンテナリアクタンス全体の損失を補償しなければならないことになる。
【0031】
ANT=VIC+(IANT・ZANT) (式5)
式中、VANTは、ボルト(V)での、アンテナ電圧であり、VICは、ボルト(V)での、集積回路の閾値電圧であり、IANTは、アンペア(A)での、アンテナ電流であり、ZANTは、オーム(Ω)での、式2で計算される、アンテナのリアクタンスである。アンテナ電圧は、式5に従って計算されるように、2.517V[1V+(0.00356A×426Ω)]であり、それはインジケータ回路の読取範囲が減少するという結果をもたらすことになる。
【0032】
デカップラコンポーネントは、システムグランドとグランドプレーンとの間に付加される。結果として生じる、インジケータ回路の等価回路は、寄生容量と直列にデカップラコンポーネントを有することになる。寄生容量に失われる電流、ILOSTは、次に式6に従って数学的に表される。
【数3】
式中、VICは、ボルト(V)での、集積回路の閾値電圧であり、Zは、オーム(Ω)での、式3で計算される、寄生容量のリアクタンスであり、Zは、オーム(Ω)での、デカップラコンポーネントのリアクタンスである。デカップラコンポーネントのリアクタンスは、インジケータ回路内のアンテナに対する寄生容量の負の影響を最小化するように、寄生容量のリアクタンスに対して大きくするべきである。
【0033】
インジケータ回路のアンテナ電圧は、例えば、寄生容量によって影響を受けないインジケータ回路に対するアンテナ電圧の約95%より大きくすることができる。この場合、寄生容量に失われる電流は、集積回路の入力電流の5%未満とするべきである。式6は、これらの条件下で、次のように書くことができる。
【数4】
+Zを解くことによって、20,000Ωである、約5%電圧低下におけるインジケータ回路内の全体のリアクタンスがもたらされる。寄生容量のリアクタンス、Zは、390Ωと上で計算される。結果として生じる、例示的なインジケータ回路に対するデカップラコンポーネントのインピーダンス、Zは、19,610Ω(20,000Ω−390Ω)である。したがって、抵抗が約20,000Ωである抵抗器などの、デカップラコンポーネントを包含することにより、約5%未満のアンテナ電圧損失という結果をもたらすことになる。抵抗器は、例えば、アンテナから寄生容量を分離し、アンテナに対するグランドプレーンからの任意の干渉を減少させ、または除去する。
【0034】
デカップラコンポーネントは、上述されるように、インダクタとすることができる。インダクタのインダクタンスは、式7に従って計算することができる。
【数5】
式中、Lは、ヘンリ(H)での、インダクタのインダクタンスであり、fは、ヘルツ(Hz)での、アンテナ電圧の周波数であり、Zは、オーム(Ω)での、デカップラコンポーネント、例えば、インダクタの抵抗である。式7を使用して、インダクタの計算されたインダクタンスは、約0.00023H[19,610Ω/(2・π・13.56×10Hz)]である。したがって、インダクタンスが約0.00023Hであるインダクタなどの、デカップラコンポーネントを包含することにより、約5%未満のアンテナ電圧損失という結果をもたらすことになる。デカップラコンポーネントとしてのインダクタの使用は、UHFおよびマイクロ波通信回路などの高周波を有するアンテナを備えた通信回路に最も適用可能とすることができる。
【0035】
加えて、抵抗器またはインダクタなどの、デカップラコンポーネントのインピーダンスは、インジケータ回路内のADCによる電圧測定の望ましい精度によって決定される抵抗値を超えることができない。デカップラコンポーネントのインピーダンスの最大値は、特定のインジケータ回路のために選択されたADCの入力抵抗およびADCの電圧測定の望ましい精度に応じて変化することになる。
【0036】
デカップラコンポーネントは、第1のデカップラコンポーネント端子および第2のデカップラコンポーネント端子を含み得る。第1のデカップラコンポーネント端子は、ICに電気的に結合することができる。第2のデカップラコンポーネント端子は、グランドプレーンに電気的に結合することができる。例えば、リード線などの導電トレースは、デカップラコンポーネントの第1のデカップラコンポーネント端子をICに結合することができる。同様に、リード線などの導電トレースは、デカップラコンポーネントの第2のデカップラコンポーネント端子をグランドプレーンに結合することができる。導電トレースは、導電性ポリマー、導電性接着剤、黒鉛などの導電性炭素、ならびにアルミニウム、ニッケル、銀、銅、金、およびすずなどの導電性金属などの、電気的に伝導性である任意の適当な材料から形成することができる。導電トレースは、デカップラコンポーネントの第1のデカップラ端子からICまでそしてデカップラコンポーネントの第2のデカップラ端子からグランドプレーンまで電気的結合を提供する、任意の適当な形態をとることができる。導電トレースは、例えば、対象表面に直接印刷してもよく、対象表面に添付された細い金属線としてもよく、または、対象表面に取り付けられた細い絶縁線としてもよい。導電トレースは同様に、部分的に、デカップラコンポーネントとして機能し得る。例えば、導電トレースまたは導電トレースの一部の抵抗は、デカップラコンポーネントの必要とされる抵抗に仕立てることができる。例えば、導電性接着剤または導電性炭素などの導電トレースの抵抗は、導電トレースの全体を通して、または導電トレースの一部の中で、約20,000Ωの抵抗とすることができる。
【0037】
読取装置は、RFIDインジケータ回路またはNFCインジケータ回路を読取可能な任意のデバイスとすることができる。読取装置の具体例は、スマートフォン、タブレット、NFCアダプタ付きパーソナルコンピュータ(PC)、専用RFIDインジケータ回路読取装置、専用NFCインジケータ回路読取装置、ハンドヘルド計算機器、または計算機器に電気的に結合されたワンドアンテナを含む。読取装置を使用して質問信号を送信することによってICを励起してもよく、または読取装置が「ウェイクアップ」信号をICに送信してもよい。質問信号は、ICの中の回路を付勢するために使用される所定周波数のRFパルスであり、ICの機能情報を送信するためにICに電力を供給することができる。「ウェイクアップ」信号はRFパルスであってもよいが、ICは、ICに電力供給しICの機能情報を送信するために、別の電力源からの電力を使用することができる。読取装置は、機能情報を可視的に提示するためのディスプレイまたは機能情報を可聴的に提示可能な可聴式デバイスを含み得る。読取装置は、提示する前に機能情報を解釈および/または修正するアルゴリズムを同様に含み得る。
【0038】
オンセル遠隔表示システムは、電気化学セル、または電池に電気的に結合されるインジケータ回路を含み得る。オンセル遠隔表示システムは、例えば、読取装置の使用を通して消費者に、電池についての情報を提供することができる。電池は金属筐体を含み得る。金属筐体は、グランドプレーンの役割を果たし得る。インジケータ回路は、グランドプレーンから分離することができる。オンセル遠隔表示システムの中でグランドプレーンから分離されるインジケータ回路内のアンテナのアンテナ電圧は、アンテナと電池/グランドプレーンとの間に生じ得る寄生容量によって悪影響を受けないようにすることができる。
【0039】
電気化学セルは、電気化学的な還元酸化(レドックス)反応を用いて電気化学セルの活物質の中で化学エネルギーを変換することができるデバイスである。デイビッド・リンデン、電池のハンドブック(Handbook of Batteries)、1.3(第4版 2011)。電気化学セルは、アノード、カソード、および電解液からなる。同文献。1つまたは複数の電気化学セルは、電池と呼ぶことができる。電気化学セル、または電池は、一次または二次とすることができる。一次電池は、1度だけ、例えば、消耗するまで、放電されて、そしてそれから捨てられることを意図されている。一次電池は、例えば、デイビッド・リンデン、電池のハンドブック(Handbook of Batteries)(第4版 2011)で説明される。二次電池は、再充電されるように意図される。二次電池は、何度も、例えば、50回より多く、100回より多く、またはより多く、放電および再充電することができる。二次電池は、例えば、デイビッド・リンデン、電池のハンドブック(Handbook of Batteries)(第4版 2011)で説明される。したがって、電池はさまざまな電気化学対および電解液の組合せを含み得る。本発明は、水系、非水系、イオン液体系、および固体系の一次電池および二次電池両方に適用されることを理解されたい。したがって、前述の系統の一次電池および二次電池は、本出願の範囲内にあり、本発明は、どんな特定の実施形態にも限定されない。
【0040】
電池は同様に、さまざまなサイズおよび寸法がある。国際電気標準会議(IEC)は、例えば、小売で消費者に入手可能な電池について標準的なサイズおよび寸法を確立した。IECは、標準的なサイズおよび寸法、例えば、AAA電池、AA電池、C電池、およびD電池などの円筒型電池を設定した。同様に、標準的なサイズおよび寸法が非円筒型電池に対して設定された。9Vアルカリ電池は、例えば、角柱または長方形の形状をしている。個々の電池またはデバイス製造業者は、同様に、リチウムイオン角柱電池などの、小売で一般に入手可能でない角柱電池について寸法を指定することができる。本発明は、個々の電池またはデバイス製造業者によって指定されたサイズおよび寸法の電池と同様、円筒型および角柱型などのさまざまなサイズ、ならびにAA、AAA、C、D、および9Vなどのさまざまな寸法の電池に適用されることを理解されたい。
【0041】
電池は、正端子および負端子を有し得る。ICは、電池の正端子および負端子に、直列、並列、またはそれらの組合せで、電気的に結合することができる。例えば、リード線などの、導電トレースは、電池の負端子をICに接続することができる。同様に、リード線などの、導電トレースは、電池の正端子をICに接続することができる。導電トレースは、導電性ポリマー、導電性接着剤、黒鉛などの導電性炭素、ならびにアルミニウム、ニッケル、銀、銅、金、およびすずなどの導電性金属などの、電気的に伝導性である任意の適当な材料から形成することができる。導電トレースは、電池に直接印刷することができ、電池に添付された細い金属線とすることができ、電池に取り付けられた細い絶縁線とすることができ、または正端子からICまでそして負端子からICまで電気的接続を提供する任意の他の適当な形態とすることができる。導電トレースは、電池の筐体から電気的に隔離することができる。例えば、導電トレースをICから電池の負端子まで延在させ、電池の負端子に電気的に結合するまで電池から電気的に隔離したままとすることとができる。同様に、導電トレースをICから電池の正端子まで延在させ、電池の正端子に電気的に結合するまで電池から電気的に隔離したままとすることができる。導電トレースは、例えば、銀エポキシなどの導電性接着剤によって、超音波溶接によって、抵抗溶接によって、レーザ溶接によって、または機械的圧力によって、電池の正端子および負端子に結合することができる。
【0042】
インジケータ回路のICは、電池に関して任意の数の一連の機能を行うことができる。ICは、電池の電力出力、電池の放電率、電池がその有効寿命の終わりに近づいているとき、および電池の充電状態に関して、情報を提供することができる。ICは同様に、過放電保護、過充電保護、残容量決定、電圧決定、サイクル寿命決定、および電力管理を提供することができる。電力管理機能は、電池識別、電池劣化状態、電池保護、セル平衡化、燃料計量、充電制御、電圧変換、負荷レギュレーション、電池の電源オン/オフ、電力設定調整、再充電許可または防止、電池バイパス、温度監視、および充電率調整を含み得る。ICは、例えば、オンセル遠隔表示システムで、例えば、読取装置の使用を通して消費者に、電池についての情報を提供するために使用することができる。ICは同様に、固有の数字/記号の配列または例えば、製造日付、ロット番号、シリアル番号、および他の識別可能情報などの情報を示す、RFIDインジケータ回路等価物などの、固有の識別子を用いて構成することができる。
【0043】
オンセル遠隔表示システムのためのインジケータ回路は、上述されるように、少なくとも1つのアンテナトレース、第1のアンテナ端子、および第2のアンテナ端子を含む、アンテナを同様に含み得る。ICは、例えば、RFIDインジケータ回路および/またはNFCインジケータ回路などの通信回路、ADC、第1のアンテナ端子、および第2のアンテナ端子を物理的に統合し電気的に結合することができる。
【0044】
ICは、例えば、電池の負端子に電気的に結合された第1のリード線および電池の正端子に電気的に結合された第2のリード線で電池の電圧を感知するように構成することができる。ICは、電池の負端子と電池の正端子との間で電圧を感知し、その電圧を読取装置に信号によって報告することができる。電池の金属筐体は、グランドプレーンの役割を果たし得る。加えて、多数の電池を電子デバイスの中に含むことができる。オンセル遠隔表示システムを含み電池に近い、電池の金属筐体は、グランドプレーンの役割を果たし得る。加えて、電子デバイスは、グランドプレーンの役割を果たし得る、端子、回路機構などの金属部品を含み得る。寄生容量は、アンテナが電池の金属筐体、別の電池の金属筐体、および/または電子デバイス内の他の金属部品に近接しているとき生じ得る。寄生容量は、オンセル遠隔表示システムの中のアンテナのアンテナ電圧を低下させる場合がある。デカップラコンポーネントは、ICおよび、例えば、電池の正端子と電気的に結合されて、アンテナから寄生容量を分離し、アンテナに対するグランドプレーンからの任意の干渉を減少させ、または除去する。オンセル遠隔表示システムの中でグランドプレーンから分離されるインジケータ回路内のアンテナのアンテナ電圧は、アンテナと電池/グランドプレーンとの間に生じ得る寄生容量によって悪影響を受けないようにすることができる。
【0045】
オンセル遠隔表示システムは、オンセル遠隔表示システムが取り付けられる電池の筐体が金属である場合、磁気ダイバータを同様に含み得る。磁気ダイバータは、特定周波数における透磁率が高く、電気伝導率が低い、任意の材料とすることができる。磁気ダイバータは、例えば、筐体に隣接し筐体を覆う、薄いフレキシブルなフェライト材料とすることができる。他の材料は、例えば、鉄、ニッケル、またはコバルトおよびそれらの対応する合金などの、高い透磁率を提供するフェライトシールドとして使用することができる。フェライトシールドのための他の材料は、実質上電気的に伝導性でない酸化物を同様に含む。磁気ダイバータは、筐体の表面に添付された、または筐体を覆うラベルの中に組み込まれた薄膜とすることができる。磁気ダイバータは、筐体の表面に塗装または被覆することができる。磁気ダイバータは、例えば、約30ミクロンから約300ミクロンの厚さとすることができる。
【0046】
図1を参照すると、アンテナ110、集積回路(IC)120、グランドプレーン130、システムグランド132、およびデカップラコンポーネント140を含む、インジケータ回路100が示される。アンテナ110は、少なくとも1つのアンテナトレース150、第1のアンテナ端子152、および第2のアンテナ端子154を含む。アンテナ110の第1のアンテナ端子152および第2のアンテナ端子154は、集積回路120に電気的に結合される。デカップラコンポーネント140は、第1のデカップラコンポーネント端子142および第2のデカップラコンポーネント端子144を含む。集積回路120は、システムグランド132を介して第1のデカップラコンポーネント端子142に電気的に結合される。第2のデカップラコンポーネント端子144は、グランドプレーン130に電気的に接続される。寄生容量160は、アンテナ110とグランドプレーン130との間に生じ得る。寄生容量160は、キャパシタ162によって模式的に表される容量値を有し得る。寄生容量160の容量値は、グランドプレーン130とアンテナ110のオーバラップの面積に応じて変化することになる。寄生容量160の容量値は同様に、アンテナ110とグランドプレーン130との間の誘電体媒質だけでなくアンテナ110とグランドプレーン130との間の距離に応じて変化することになる。集積回路電流(IIC)、アンテナ電流(IANT)、寄生容量に失われる電流(ILOST)、およびアンテナ電圧(VANT)は、上で論じる例示的な計算をさらに補助するために図1の中に同様に示される。
【0047】
寄生容量160は、寄生容量162がインジケータ回路100の回路機構の物理的部分ではないことを示唆するために、破線として図1で示される。デカップラコンポーネント140は、アンテナ110から寄生容量160を分離し、アンテナ110に対するグランドプレーン130からの任意の干渉を減少させ、または除去する。グランドプレーン130から分離されるインジケータ回路100内のアンテナ110のアンテナ電圧(VANT)は、アンテナ110とグランドプレーン130との間に生じ得る寄生容量160によって悪影響を受けないようにすることができる。
【0048】
図2を参照すると、アンテナ210、集積回路(IC)220、グランドプレーン230、システムグランド232、および電池270に接続されるデカップラコンポーネント240を含む、インジケータ回路200が示される。アンテナ210は、少なくとも1つのアンテナトレース250、第1のアンテナ端子252、および第2のアンテナ端子254を含む。アンテナ210の第1のアンテナ端子252および第2のアンテナ端子254は、集積回路220に電気的に結合される。電池270は、1つの電気化学セルを含む。電池270は、正端子272および負端子274を含む。集積回路220は、電池270の正端子272に電気的に接続される。デカップラコンポーネント240は、第1のデカップラコンポーネント端子242および第2のデカップラコンポーネント端子244を含む。集積回路220は、システムグランド232を介して第1のデカップラコンポーネント端子242に電気的に結合される。第2のデカップラコンポーネント端子244は、電池270の負端子274に電気的に接続される。電池270の負端子274は、同様に、グランドプレーン230の役割を果たす。寄生容量260は、アンテナ210と負端子274/グランドプレーン230との間に生じ得る。寄生容量260は、キャパシタ262によって模式的に表される容量値を有し得る。寄生容量260の容量値は、負端子274/グランドプレーン230とアンテナ210のオーバラップの面積に応じて変化することになる。寄生容量260の容量値は同様に、アンテナ210と負端子274/グランドプレーン230との間の誘電体媒質だけでなくアンテナ210と負端子274/グランドプレーン230との間の距離に応じて変化することになる。
【0049】
寄生容量260は、寄生容量260がインジケータ回路200の回路機構の物理的部分ではないことを示唆するために、破線として図2で示される。デカップラコンポーネント240は、アンテナ210から寄生容量260を分離し、アンテナ210に対する負端子274/グランドプレーン230からの任意の干渉を減少させ、または除去する。負端子274/グランドプレーン230から分離されるインジケータ回路200内のアンテナ210のアンテナ電圧は、アンテナ210と負端子274/グランドプレーン230との間に生じ得る寄生容量260によって悪影響を受けないようにすることができる。
【0050】
図3を参照すると、アンテナ310、集積回路(IC)320、グランドプレーン330、システムグランド332、および電池370に接続されるデカップラコンポーネント340を含む、インジケータ回路300が示される。アンテナ310は、少なくとも1つのアンテナトレース350、第1のアンテナ端子352、および第2のアンテナ端子354を含む。アンテナ310の第1のアンテナ端子352および第2のアンテナ端子354は、集積回路320に電気的に結合される。電池370は、1つの電気化学セルを含む。電池370は、正端子372および負端子374を含む。集積回路320は、電池370の負端子374に電気的に結合される。デカップラコンポーネント340は、第1のデカップラコンポーネント端子342および第2のデカップラコンポーネント端子344を含む。集積回路320は、システムグランド332を介して第1のデカップラコンポーネント端子342に電気的に結合される。第2のデカップラコンポーネント端子344は、電池370の正端子372に電気的に接続される。電池370の正端子372は、同様に、グランドプレーン330の役割を果たす。寄生容量360は、アンテナ310と正端子372/グランドプレーン330との間に生じ得る。
【0051】
寄生容量360は、キャパシタ362によって模式的に表される容量値を有し得る。寄生容量360の容量値は、正端子372/グランドプレーン330とアンテナ310のオーバラップの面積に応じて変化することになる。寄生容量360の容量値は同様に、アンテナ310と正端子372/グランドプレーン330との間の誘電体媒質だけでなくアンテナ310と正端子372/グランドプレーン330との間の距離に応じて変化することになる。寄生容量360は、寄生容量360がインジケータ回路300の回路機構の物理的部分ではないことを示唆するために、破線として図3で示される。デカップラコンポーネント340は、アンテナ310から寄生容量360を分離し、アンテナ310に対する正端子372/グランドプレーン330からの任意の干渉を減少させ、または除去する。正端子372/グランドプレーン330から分離されるインジケータ回路300内のアンテナ310のアンテナ電圧は、アンテナ310と正端子372/グランドプレーン330との間に生じ得る寄生容量360によって悪影響を受けないようにすることができる。
【0052】
図4を参照すると、アンテナ410、集積回路(IC)420、グランドプレーン430、システムグランド432、および電池470に接続されるデカップラコンポーネント440を含む、インジケータ回路400が示される。アンテナ410は、少なくとも1つのアンテナトレース450、第1のアンテナ端子452、および第2のアンテナ端子454を含む。アンテナ410の第1のアンテナ端子452および第2のアンテナ端子454は、集積回路420に電気的に結合される。電池470は、少なくとも2個の電気化学セルを含む。電池470は、正端子472および負端子474を含む。IC420は、電池470の正端子472に電気的に結合される。デカップラコンポーネント440は、第1のデカップラコンポーネント端子442および第2のデカップラコンポーネント端子444を含む。集積回路420は、システムグランド432を介して第1のデカップラコンポーネント端子442に電気的に結合される。第2のデカップラコンポーネント端子444は、電池470の負端子474に電気的に接続される。電池470の負端子474は、同様に、グランドプレーン430の役割を果たす。寄生容量460は、アンテナ410と負端子474/グランドプレーン430との間に生じ得る。寄生容量460は、キャパシタ462によって模式的に表される容量値を有し得る。寄生容量460の容量値は、負端子474/グランドプレーン430とアンテナ410のオーバラップの面積に応じて変化することになる。寄生容量460の容量値は同様に、アンテナ410と負端子474/グランドプレーン430との間の誘電体媒質だけでなくアンテナ410と負端子474/グランドプレーン430との間の距離に応じて変化することになる。
【0053】
寄生容量460は、キャパシタ462によって模式的に表される容量値を有し得る。寄生容量460の容量値は、負端子474/グランドプレーン430とアンテナ410のオーバラップの面積に応じて変化することになる。寄生容量460の容量値は同様に、アンテナ410と負端子474/グランドプレーン430との間の誘電体媒質だけでなくアンテナ410と負端子474/グランドプレーン430との間の距離に応じて変化することになる。寄生容量460は、寄生容量460がインジケータ回路400の回路機構の物理的部分ではないことを示唆するために、破線として図4で示される。デカップラコンポーネント440は、アンテナ410から寄生容量460を分離し、アンテナ410に対する負端子474/グランドプレーン430からの任意の干渉を減少させ、または除去する。負端子474/グランドプレーン430から分離されるインジケータ回路400内のアンテナ410のアンテナ電圧は、アンテナ410と負端子474/グランドプレーン430との間に生じ得る寄生容量460によって悪影響を受けないようにすることができる。
【0054】
図5を参照すると、アンテナ510、集積回路(IC)520、グランドプレーン530、システムグランド532、および電池570に接続されるデカップラコンポーネント540を含む、インジケータ回路500が示される。アンテナ510は、少なくとも1つのアンテナトレース550、第1のアンテナ端子552、および第2のアンテナ端子554を含む。アンテナ510の第1のアンテナ端子552および第2のアンテナ端子554は、集積回路520に電気的に結合される。電池570は、少なくとも2個の電気化学セルを含む。電池570は、正端子572および負端子574を含む。IC520は、電池570の負端子574に電気的に結合される。デカップラコンポーネント540は、第1のデカップラコンポーネント端子542および第2のデカップラコンポーネント端子544を含む。集積回路520は、システムグランド532を介して第1のデカップラコンポーネント端子542に電気的に結合される。第2のデカップラコンポーネント端子544は、電池570の正端子572に電気的に接続される。電池570の正端子572は、同様に、グランドプレーン530の役割を果たす。寄生容量560は、アンテナ510と正端子572/グランドプレーン530との間に生じ得る。
【0055】
寄生容量560は、キャパシタ562によって模式的に表される容量値を有し得る。寄生容量560の容量値は、正端子572/グランドプレーン530とアンテナ510のオーバラップの面積に応じて変化することになる。寄生容量560の容量値は同様に、アンテナ510と正端子572/グランドプレーン530との間の誘電体媒質だけでなくアンテナ510と正端子572/グランドプレーン530との間の距離に応じて変化することになる。寄生容量560は、寄生容量560がインジケータ回路500の回路機構の物理的部分ではないことを示唆するために、破線として図5で示される。デカップラコンポーネント540は、アンテナ510から寄生容量560を分離し、アンテナ510に対する正端子572/グランドプレーン530からの任意の干渉を減少させ、または除去する。正端子572/グランドプレーン530から分離されるインジケータ回路500内のアンテナ510のアンテナ電圧は、アンテナ510と正端子572/グランドプレーン530との間に生じ得る寄生容量560によって悪影響を受けないようにすることができる。
【0056】
図6を参照すると、アンテナ610、集積回路(IC)620、システムグランド632、および円筒型電池670に接続されるデカップラコンポーネント640を含む、インジケータ回路600が示される。アンテナ610は、少なくとも1つのアンテナトレース650、第1のアンテナ端子652、および第2のアンテナ端子654を含む。アンテナ610の第1のアンテナ端子652および第2のアンテナ端子654は、集積回路620に電気的に結合される。電池670は、正端子672および負端子674を含む。集積回路620は、電池670の負端子674に電気的に結合される。デカップラコンポーネント640は、第1のデカップラコンポーネント端子642および第2のデカップラコンポーネント端子644を含む。集積回路620は、システムグランド632を介して第1のデカップラコンポーネント端子642に電気的に結合される。第2のデカップラコンポーネント端子644は、電池670の正端子672に電気的に接続される。電池670の正端子672は、同様に、グランドプレーンの役割を果たす。寄生容量は、アンテナ610と電池670の正端子672との間に生じ得る。デカップラコンポーネント640は、アンテナ610から寄生容量を分離し、アンテナ610に対する正端子672からの任意の干渉を減少させ、または除去する。正端子672/グランドプレーンから分離されるインジケータ回路600内のアンテナ610のアンテナ電圧は、アンテナ610と正端子672/グランドプレーンとの間に生じ得る寄生容量によって悪影響を受けないようにすることができる。
【0057】
図7を参照すると、アンテナ710、集積回路(IC)720、システムグランド732、および円筒型電池770に接続されるデカップラコンポーネント740を含む、インジケータ回路700が示される。アンテナ710は、少なくとも1つのアンテナトレース750、第1のアンテナ端子752、および第2のアンテナ端子754を含む。アンテナ710の第1のアンテナ端子752および第2のアンテナ端子754は、集積回路720に電気的に結合される。電池770は、正端子772および負端子774を含む。集積回路720は、電池770の正端子772に電気的に結合される。デカップラコンポーネント740は、第1のデカップラコンポーネント端子742および第2のデカップラコンポーネント端子744を含む。集積回路720は、システムグランド732を介して第1のデカップラコンポーネント端子742に電気的に結合される。第2のデカップラコンポーネント端子744は、電池770の負端子774に電気的に接続される。電池770の負端子774は、同様に、グランドプレーンの役割を果たす。寄生容量は、アンテナ710と電池770の負端子774との間に生じ得る。デカップラコンポーネント740は、アンテナ710から寄生容量を分離し、アンテナ710に対する負端子774からの任意の干渉を減少させ、または除去する。負端子774/グランドプレーンから分離されるインジケータ回路700内のアンテナ710のアンテナ電圧は、アンテナ710と負端子774/グランドプレーンとの間に生じ得る寄生容量によって悪影響を受けないようにすることができる。
【0058】
図8を参照すると、2個の対称的なループアンテナ800の位相不一致構成が示される。図8は、オーバラップしない2個の対称的なループをわかりやすくするために平面的に2個の対称的なループアンテナ800を描写する。2個の対称的なループアンテナ800は、フレキシブル基板810に印刷することができる。フレキシブル基板810は、第1の縁部820および第2の縁部830を有し得る。2個の対称的なループアンテナ800の各々の対称的なループは、1回、2回、またはより多く巻かれたアンテナトレース840を含み得る。アンテナ800は、第1のアンテナ端子842、および第2のアンテナ端子844を含み得る。第1のアンテナ端子842および第2のアンテナ端子844は、集積回路(IC)850に電気的に結合することができる。アンテナ800は、ワイヤレス通信システムの中で使用するためにグランドプレーンから分離されるインジケータ回路内に含むことができる。
【0059】
図9を参照すると、電池などの、円筒体の周囲に巻くことができるフレキシブル910上の(図8で示される)2個の対称的なループアンテナ900の位相不一致構成が示される。第1の縁部920と第2の縁部930との間にオーバラップはない。IC950、第1のアンテナ端子942、および第2のアンテナ端子944が示され、上述のように機能する。この実例となる実施形態において、フレキシブル基板910が円筒体の周囲に巻かれるとき、第1の縁部920と第2の縁部930は実質的に互いに平行である。別の実施形態において、2個の対称的なループアンテナは、円筒形状のフレキシブル基板910に印刷することができる。円筒形状のフレキシブル基板910は、円筒体の上にスライドすることができる。アンテナ900は、オンセル遠隔表示システムなどのワイヤレス通信システムの中で使用するために、円筒型電池などのグランドプレーンから分離されるインジケータ回路内に含むことができる。
【0060】
図10を参照すると、2個の対称的なループアンテナ1000の同相構成が示される。図10は、オーバラップしない2個の対称的なループをわかりやすくするために平面的に2個の対称的なループアンテナ1000を描写する。2個の対称的なループアンテナ1000は、フレキシブル基板1010に印刷することができる。フレキシブル基板1010は、第1の縁部1020および第2の縁部1030を有し得る。2個の対称的なループアンテナ1000の各々の対称的なループは、1回、2回、またはより多く巻かれたアンテナトレース1040を含み得る。アンテナ1000は、第1のアンテナ端子1042、および第2のアンテナ端子1044を含み得る。第1のアンテナ端子1042および第2のアンテナ端子1044は、集積回路(IC)1050に電気的に結合することができる。同相構成1000において、IC1050とのアンテナトレース1040接続は、図8および図9の位相不一致接続で示されるものと反対にされる。アンテナ1000は、ワイヤレス通信システムの中で使用するためにグランドプレーンから分離されるインジケータ回路内に含むことができる。
【0061】
図11を参照すると、電池などの、円筒体の周囲に巻くことができるフレキシブル1110上の(図10で示される)2個の対称的なループアンテナ1100の同相構成が示される。第1の縁部1120と第2の縁部1130との間にオーバラップはない。IC1150、第1のアンテナ端子1142、および第2のアンテナ端子1144が示され、上述のように機能する。この実例となる実施形態において、フレキシブル基板1110が円筒体の周囲に巻かれるとき、第1の縁部1120と第2の縁部1130は実質的に互いに平行である。別の実施形態において、2個の対称的なループアンテナ1100は、円筒形状のフレキシブル基板1110に印刷することができる。円筒形状のフレキシブル基板1110は、円筒体の上にスライドすることができる。アンテナ1100は、オンセル遠隔表示システムなどのワイヤレス通信システムの中で使用するために、円筒型電池などのグランドプレーンから分離されるインジケータ回路内に含むことができる。
【0062】
2個の対称的なループアンテナは、位相不一致構成(図8および図9)ならびに同相構成(図10および図11)で示される。2個の対称的なループアンテナが円筒型電池などの円筒体に結合されるとき、2個の対称的なループアンテナの2個のループは、互いに(円筒体の反対側に)約180度離れており、それは2個の対称的なループアンテナと読取装置との間のより良好な信号通信を可能にする。位相不一致構成では、円筒体の最上部および最下部に沿ったアンテナトレースの円形部分が互いに同相であり、アンテナトレースの長軸部分が相殺され、円筒体の円筒端部(最上部および最下部)における信号忠実度が向上する。「同相」という用語は、波形が同期している、または2つ以上の波形の周波数が同じでありかつそれらの正ピークおよび負ピークが同時に起こる状況を含み得る。「相殺」という用語は、2つ以上の波形が約180度位相がずれておりかつ同じ周波数および振幅を有する状況を含み得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、フレキシブル基板は多層印刷回路基板(PCB)とすることができる。第1の端子は、アンテナトレースと異なる多層PCB上の層を介してチップ位置上でICに電気的に結合することができる。これにより、トレースを電気的に結合することなく、図9および図11に示されるトレースのオーバラップが可能になる。さらに、図6および図7に示される電池の正端子および負端子へのリード線は、同様に、アンテナトレースとリード線の交差を容易にするように多層PCBの別個の層上にあってもよい。
【0064】
実験的なテスト
インジケータ回路を有する例示的なAA電池が組み立てられる。電池は、金属筐体を有するニッケル水素充電式電池である。電池は、正端子および負端子を含む。薄いフェライト材料の層が電池の金属筐体の円柱軸の表面を覆う。フレキシブルなアンテナは、フェライトで覆われた金属筐体の円柱軸の周囲に堅く巻かれる。オンボードアナログ−デジタル変換器(ADC)を有するパッシブなISO15693 RFID使用可能なシリコンチップがアンテナに電気的に接続される。アンテナの共振周波数をRFID読取装置の共振周波数(13.56MHz)と厳密に合わせるための同調キャパシタが集積回路に電気的に接続される。680kΩ抵抗器および360kΩ抵抗器からなる分圧器が電池の正端子とシステムグランドとの間に接続される。分圧器の出力は、ICのADC入力に接続される。
【0065】
電池Aは、ADC入力が分圧器を通して電池の正端子に接続されるインジケータ回路を含む。電池Aに対するインジケータ回路のICのシステムグランドは、グランドプレーンに接続または近接していない。電池Bは、ADC入力が分圧器を通して電池の正端子に接続されるインジケータ回路を含む。電池Bに対するインジケータ回路のICのシステムグランドは、20kΩの抵抗器であるデカップラコンポーネントを通して電池の金属筐体に接続される。電池Cは、ADC入力が分圧器を通して電池の正端子に接続されるインジケータ回路を含む。電池Cに対するインジケータ回路のICのシステムグランドは、電池の金属筐体に直接接続される。
【0066】
例示的な電池の中の各々のインジケータ回路の読取範囲は、読取範囲テストによって評価される。読取範囲テストは、電池と電気通信しているインジケータ回路内でアンテナに取り付けられるRFID使用可能な集積回路と、スマートフォンを介して、通信することを含む。最大読取範囲は、スマートフォンと電池の長軸、中央点、および相対的回転を整列することによって見いだされる。各々の構成に対する最大読取範囲は、スマートフォン上のNFC使用可能なアプリケーションを使って記録される。最大読取範囲は、スマートフォンとインジケータ回路との間に通信が成功裏に確立される最も遠い距離を測定することによって決定される。最大読取範囲を測定するために、インジケータ回路と電話機は、低誘電率の非金属スペーサを使用することによって設定距離で引き離される。スマートフォンは、インジケータ回路との通信を開始しようと試みる。電話機がインジケータ回路の固有識別番号(UID)および電圧測定値を包含するインジケータ回路の応答を受信し理解することができる場合、通信が成功裏に起こったとみなされる。電話機とアンテナとの間の距離は、通信がもはや確立されなくなるまで連続的に増やされる。測定される距離は、電話機の裏面とアンテナの電話機に最も近い表面との間の距離である。読取範囲テストは、室温において実験室で遂行される。
【0067】
電池Aの最大読取範囲は、28.0mmであると決定される。電池Cの最大読取範囲は、9mm、または電池Aの最大読取範囲の約32%であると決定される。電池Bの最大読取範囲は、27.7mm、または電池Aの最大読取範囲の約99%であると決定される。本発明のデカップラコンポーネントを含むインジケータ回路を含む、電池Bの読取範囲は、電池Aの読取範囲とほぼ等しく、電池の金属筐体(グランドプレーン)の存在下で読取範囲の著しい減少を示さない。
【0068】
本明細書で開示された寸法および値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されると解釈されるべきでない。代わりに、別途指定されない限り、各々のこのような寸法は、列挙された値およびその値を取り巻く機能上同等の範囲の両方を意味するように意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するように意図される。
【0069】
任意の相互参照または関連する特許または出願、および本出願がその優先権または利益を主張する任意の特許出願または特許を含む、本明細書で引用されるすべての文献は、ここに、明示的に除外されるか別途限定されない限り、全体として参照によって本明細書に援用される。いかなる文献の引用も、その文献が本明細書で開示または請求されるいずれかの発明に対する先行技術であること、またはその文献が単独でもしくは他のいかなる参照文献とのいかなる組合せにおいても、かかる発明のいずれかを教示、提案または開示することを認めるものではない。さらに、本文書における用語の任意の意味または定義が参照により援用される文書における同じ用語の任意の意味または定義と矛盾する限りにおいて、本文書でその用語に割り当てられた意味または定義が優先するものとする。
【0070】
本発明の特定の実施形態を例示し説明してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな他の変更および修正がなされ得ることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるこのような変更および修正はすべて、添付の特許請求の範囲において網羅するように意図される。
図1
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