特許第6563516号(P6563516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563516
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】綴じ装置
(51)【国際特許分類】
   B27F 7/19 20060101AFI20190808BHJP
   B27F 7/36 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   B27F7/19
   B27F7/36
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-553472(P2017-553472)
(86)(22)【出願日】2015年11月30日
(86)【国際出願番号】JP2015005955
(87)【国際公開番号】WO2017094040
(87)【国際公開日】20170608
【審査請求日】2018年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】514312619
【氏名又は名称】内田洋行グローバルリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 寿将
(72)【発明者】
【氏名】長内 敏彦
【審査官】 飯田 義久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−090167(JP,A)
【文献】 特開2005−081526(JP,A)
【文献】 特開平06−315906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27F 7/19
B27F 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
綴じ針を打ち出す綴じ針打ち出し部と、
用紙の支持台と、
綴じ針の脚部を折り曲げるクリンチャとが、相対的に移動可能に設けられた綴じ装置であって、さらに、
前記支持台に対する前記綴じ針打ち出し部およびクリンチャの移動タイミングを可変に制御する制御部を備え、
前記制御部は、
綴じ針が用紙を貫通するのに先立つタイミングで前記クリンチャを前記支持台または用紙に当接させる第1のタイミング制御と、
綴じ針が用紙を貫通した後のタイミングで前記クリンチャを前記支持台または用紙に当接させる第2のタイミング制御とを切り替え得るように構成されていることを特徴とする綴じ装置。
【請求項2】
請求項1の綴じ装置であって、
前記第1のタイミング制御は、用紙がめがねクリンチされるタイミングで前記クリンチャを前記支持台または用紙に当接させる制御であることを特徴とする綴じ装置。
【請求項3】
請求項1の綴じ装置であって、
前記第2のタイミング制御は、用紙がフラットクリンチされるタイミングで前記クリンチャを前記支持台または用紙に当接させる制御であることを特徴とする綴じ装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうち何れか1項の綴じ装置であって、
前記綴じ針打ち出し部、支持台、およびクリンチャの少なくとも何れかを駆動するモータを備え、
前記制御部は、前記モータの動作タイミングを制御するように構成されている
ことを特徴とする綴じ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚の用紙の束を綴じ針で綴じる綴じ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数枚の用紙の束を綴じ針(ステープル)で綴じるホッチキス等と称される綴じ装置としては、コの字状の綴じ針を打ち出して、綴じ針の脚部を用紙の束に突き通し、クリンチャによって先端を折り曲げて留めるようになっている。上記折り曲げに当たっては、綴じ針の脚部を湾曲させながら先端が90°以上向きを変えるように折り曲げる、いわゆるめがねクリンチ方式の綴じ装置がある。この方式では、綴じ針の先端が折り返されて用紙の方向に向くので、人の指などに触れにくいようにすることができる。一方、クリンチャの動作タイミングを上記めがねクリンチ方式と異ならせることによって、綴じ針の脚部の先端をほぼまっすぐに保ったままで根元付近を約90°折り曲げ、綴じた用紙の厚さを薄く抑えられるようにする、いわゆるフラットクリンチ方式の綴じ装置も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−285770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記めがねクリンチ方式の綴じ装置と、フラットクリンチ方式の綴じ装置とでは、それぞれクリンチャの動作が異なるため、1台の綴じ装置で双方の方式を兼用することはできなかった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、1台の綴じ装置で、めがねクリンチ方式の綴じ装置と、フラットクリンチ方式の綴じ装置とを容易に兼用できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、
綴じ針を打ち出す綴じ針打ち出し部と、
用紙の支持台と、
綴じ針の脚部を折り曲げるクリンチャとが、相対的に移動可能に設けられた綴じ装置であって、さらに、
前記支持台に対する前記綴じ針打ち出し部およびクリンチャの移動タイミングを可変に制御する制御部を備えたことを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、
第1の発明の綴じ装置であって、
前記制御部は、
綴じ針が用紙を貫通するのに先立つタイミングで前記クリンチャを前記支持台または用紙に当接させる第1のタイミング制御と、
綴じ針が用紙を貫通した後のタイミングで前記クリンチャを前記支持台または用紙に当接させる第2のタイミング制御とを切り替え得るように構成されていることを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、
第2の発明の綴じ装置であって、
前記第1のタイミング制御は、用紙がめがねクリンチされるタイミングで前記クリンチャを前記支持台または用紙に当接させる制御であることを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、
第2の発明の綴じ装置であって、
前記第2のタイミング制御は、用紙がフラットクリンチされるタイミングで前記クリンチャを前記支持台または用紙に当接させる制御であることを特徴とする。
【0010】
これらにより、綴じ針打ち出し部とクリンチャとの動作タイミングを変えることによって、1台の綴じ装置で、フラットクリンチとめがねクリンチとの2通りの綴じ動作を行わせることができる。
【0011】
第5の発明は、
第1の発明から第4の発明のうち何れか1つの綴じ装置であって、
前記綴じ針打ち出し部、支持台、およびクリンチャの少なくとも何れかを駆動するモータを備え、
前記制御部は、前記モータの動作タイミングを制御するように構成されている
ことを特徴とする。
【0012】
これにより、同じ動作シーケンスで動作タイミングを切り替えるだけで、上記のような綴じ動作の切り替えを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、1台の綴じ装置で、めがねクリンチ方式の綴じ装置と、フラットクリンチ方式の綴じ装置とを容易に兼用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】綴じ装置の要部の側面図である。
図2】綴じ装置の要部の正面図である。
図3】綴じ装置の要部の分解斜視図である。
図4図1の IV−IV断面図である。
図5図1の V−V断面図である。
図6】綴じ装置の動作過程を示す側面図である。
図7】綴じ装置の動作過程を示す正面図である。
図8】フラットクリンチ動作時の各部の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
図9】めがねクリンチ動作時の各部の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
(綴じ装置の構成)
綴じ装置は、図1図5に示すように、用紙が載置される天板141(支持台)の上方に、ベースブロックユニット110とノックピンユニット120とを有する本体部が設けられる一方、天板141の下方にクリンチャユニット130が設けられて構成されている。
【0017】
ベースブロックユニット110は、綴じ針301を保持するもので、図6図7に示すように、それ自体が上下動可能に設けられるとともに、ノックピンユニット120を上下動可能に案内するようになっている。このベースブロックユニット110は、ベースブロック111と、押さえ板112と、綴じ針ガイド114とを有している。ベースブロック111には、ノックピンユニット120のノックピン121(綴じ針打ち出し部)を上下方向に案内するノックピンガイド溝111aが形成されている。押さえ板112は、上記ノックピンガイド溝111aを塞ぐように取り付けられ、ボルト113によって固定されている。ベースブロックユニット110には、また、綴じ針301を保持し、打ち出し位置に向けて案内する綴じ針ガイド114が、例えば簡潔化のために図示を省略するブラケット等によって取り付けられている。
【0018】
ノックピンユニット120は、綴じ針301を1本ずつ用紙に向けて打ち出すノックピン121が、蝶ねじ123によって支持ブロック122に取り付けられて成っている。支持ブロック122は、1対のスライドシャフト124がボルト125によって取り付けられ、上記スライドシャフト124がベースブロック111のシャフトガイド穴111bに摺動自在に案内されることによって、上下動可能にされるとともに、スプリング126によって、上方に付勢されている。
【0019】
クリンチャユニット130は、上下動可能に設けられた支持プレート132にクリンチャ131が取り付けられて成っている。上記クリンチャ131に形成されたクリンチ溝131aによって、天板141の開口部141aを介して突き出た綴じ針301の先端を折り曲げることにより、用紙を綴じ得るようになっている。
【0020】
上記ノックピンユニット120、およびクリンチャユニット130は、それぞれ、ノックピン駆動モータ210、またはクリンチャ駆動モータ220に駆動されて、上昇および下降するようになっている。また、ベースブロックユニット110は、用紙に当接していない状態では、ノックピンユニット120と一体的に上昇および下降するようになっている。上記各モータ210・220は、動作タイミング制御部230によって、後述するようにそれぞれ独立のタイミングで制御されるようになっている。
【0021】
(綴じ装置の動作:フラットクリンチ)
上記のように構成された綴じ装置でフラットクリンチされる場合には、動作タイミング制御部230によるモータ210・220の制御によって、図8、および以下のような動作が行われる。
(a) まず、ベースブロック111と、ノックピン121とが、同じタイミングで下降する。綴じ針301は、ベースブロック111の下降に伴って、同じように下降する。
(b) ベースブロック111は、下端が用紙の位置まで下降すると停止する。一方、ノックピン121は下降を続ける。そこで、綴じ針301は、先端部の1本が他から分離されてノックピン121とともに下降する。
(c) やがて、綴じ針301は、先端が用紙に達した後もノックピン121の下降に伴って下降を続け、用紙を貫通する位置に達する。
(d) クリンチャ131は、所定のタイミングで上昇を始める。上記タイミングは、例えば綴じ針301の先端が最下位置に達した後に、多少の余裕を持って、クリンチャ131が綴じ針301に当接するタイミングに設定される。
(e) ノックピン121と綴じ針301は、最下位置に達すると、下降が停止する。
(f) クリンチャ131が上昇して綴じ針301の先端に達すると、綴じ針301の曲げが開始され、フラットクリンチが行われる。
(g) クリンチャ131が用紙に当接する最上位置に達すると、フラットクリンチが完了し、クリンチャ131の上昇は停止する。
(h) フラットクリンチの完了から余裕を持ったタイミングで、ノックピン121が上昇し始め、クリンチャ131は下降し始める。クリンチャ131の下降は、最下位置に達すると停止する。
(i) 上記ノックピン121の上昇に加えて、ベースブロック111も上昇し始め、用紙から離間する。
(j) ノックピン121、およびベースブロック111は、最上位置に戻ると、上昇が停止し、フラットクリンチ動作が終了する。
【0022】
(綴じ装置の動作:めがねクリンチ)
また、めがねクリンチされる場合には、動作タイミング制御部230によるモータ210・220の制御によって、図9、および以下のような動作が行われる。このめがねクリンチの場合には、クリンチャ131が予め上昇する点が、上記フラットクリンチと大きく異なる。
(a) クリンチャ131は、用紙に当接する高さまで上昇するタイミングが、綴じ針301が用紙を貫通するよりも十分に早くなるタイミングで、上昇を開始する。
(b) ベースブロック111、ノックピン121、および綴じ針301は、上記フラットクリンチの場合と同様に下降を開始する。
(c) クリンチャ131は、上記のように余裕を持ったタイミングで、用紙に当接する最上位置に達すると上昇が停止する。
(d) 上記フラットクリンチの場合の(b)と同様に、ベースブロック111は、下端が用紙の位置まで下降すると停止する一方、ノックピン121は下降を続け、綴じ針301は、先端部の1本が他から分離されてノックピン121とともに下降する。
(e) やがて、綴じ針301の先端が用紙に達すると、上記のように既にクリンチャ131が上昇していることにより、ノックピン121の下降に伴って、綴じ針301の曲げが開始され、めがねクリンチが行われる。
(f) ノックピン121は、最下位置に達すると下降が停止し、めがねクリンチが完了する。
(g) 以下、フラットクリンチの場合の(h)〜(j)と同様の動作が行われる。すなわち、めがねクリンチの完了から余裕を持ったタイミングで、ノックピン121は上昇し始め、クリンチャ131は下降し始める。クリンチャ131の下降は、最下位置に達すると停止する。
(h) 上記ノックピン121の上昇に加えて、ベースブロック111も上昇し始め、用紙から離間する。
(i) ノックピン121、およびベースブロック111は、最上位置に戻ると、上昇が停止し、めがねクリンチ動作が終了する。
【0023】
上記のように、ノックピンユニット120、およびクリンチャユニット130の動作を独立して制御可能にし、これらの動作タイミングを変えることによって、1台の綴じ装置で、フラットクリンチとめがねクリンチとの2通りの綴じ動作を行わせることができる。特に、動作タイミング制御部230によるモータ210・220の制御によって、ノックピンユニット120、およびクリンチャユニット130が、それぞれ独立のタイミングで制御されることによって、クリンチ方式の切り替えをより容易に行うことができる。
【0024】
(その他の事項)
なお、上記のように、めがねクリンチの際にもフラットクリンチの際と同様にクリンチャ131を上下動させるのに限らず、例えば動作方式をめがねクリンチに切り替える時にクリンチャ131を用紙に当接する位置まで移動させ、めがねクリンチで綴じる動作をしている間は、クリンチャ131の位置が固定されているようにしてもよいが、上記のように綴じ動作をするごとにクリンチャ131を上下動させる場合には、何れの綴じ動作の際にも、定性的には同じ動作で、タイミングを異ならせるだけでよいので、制御を簡潔にしやすくなる。
【0025】
また、上記綴じ装置の機械的な構造は一例であり、同様の機能を有する種々の構造を適用してもよい。
【0026】
また、各ユニットの動作タイミングは、模式的な一例であり、各ユニットの相対的な動作タイミングや、タイミングの余裕、相対的な動作速度などは、綴じる用紙の紙質や枚数、綴じ針の諸元などに応じて種々設定されればよい。
【0027】
また、上記のように各ユニットの駆動モータを独立のタイミングで制御し得るように構成することによってクリンチ方式の切り替えをより容易にできるが、これに限らず、例えばカム等の機構によって各ユニットの動作タイミングが制御される場合でも、その制御を機械的に切り替えられるようにして、1台の綴じ装置で2通りの綴じ動作を兼用させることはできる。
【符号の説明】
【0028】
110 ベースブロックユニット
111 ベースブロック
111a ノックピンガイド溝
111b シャフトガイド穴
112 押さえ板
113 ボルト
114 綴じ針ガイド
120 ノックピンユニット
121 ノックピン
122 支持ブロック
123 蝶ねじ
124 スライドシャフト
125 ボルト
126 スプリング
130 クリンチャユニット
131 クリンチャ
131a クリンチ溝
132 支持プレート
141 天板
141a 開口部
210 ノックピン駆動モータ
220 クリンチャ駆動モータ
230 動作タイミング制御部
301 綴じ針
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9