(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563524
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】振動式デンシトメータ用の改善されたスプール本体
(51)【国際特許分類】
G01N 9/00 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
G01N9/00 C
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-560293(P2017-560293)
(86)(22)【出願日】2015年5月18日
(65)【公表番号】特表2018-515780(P2018-515780A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(86)【国際出願番号】US2015031372
(87)【国際公開番号】WO2016186639
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2018年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケーシー, ミーガン
(72)【発明者】
【氏名】パンクラッツ, アンソニー ウィリアム
【審査官】
野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/163642(WO,A1)
【文献】
特表2013−536945(JP,A)
【文献】
特開平10−281970(JP,A)
【文献】
特許第2872205(JP,B2)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0167910(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 5/00−9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動式デンシトメータ(200)での使用に適したスプール本体(100)であって、
コア(106)と、
該コア(106)から離れるように広がる複数の突起(104)と、
複数の突起(104)によって画定される少なくとも1つのチャネル(108)とを備え、
振動チューブ部の所定の固有周波数の範囲外の周波数範囲を含む片持ち梁モードを有する、スプール本体(100)。
【請求項2】
前記スプール本体の片持ち梁モードが、770Hzと4080Hzとの間の範囲の外にある、請求項1に記載のスプール本体(100)。
【請求項3】
前記スプール本体の片持ち梁モードが、900Hzと2000Hzとの間の範囲の外にある、請求項1に記載のスプール本体(100)。
【請求項4】
少なくとも1つのチャネル(108)は、その中にフィルタ材料を含む、請求項1に記載のスプール本体(100)。
【請求項5】
前記スプール本体(100)の材料は、ポッティング材(102)を含む、請求項1に記載のスプール本体(100)。
【請求項6】
前記ポッティング材(102)はファイバを含む、請求項5に記載のスプール本体(100)。
【請求項7】
前記スプール本体(100)の材料はプラスチックを含む、請求項1に記載のスプール本体(100)。
【請求項8】
前記スプール本体(100)の材料はポリフェニレンサルファイドを含む、請求項1に記載のスプール本体(100)。
【請求項9】
ハウジング(212)に対して振動チューブ部(206)を振動させるドライバ(214)と、
該振動チューブ部(206)の振動を検知するように構成された少なくとも1つの振動センサ(216)を設けている、請求項1に記載のスプール本体(100)。
【請求項10】
振動チューブ部(206)が前記振動式デンシトメータ(200)の振動部材(202)内に少なくとも部分的に含まれる、請求項1に記載のスプール本体(100)。
【請求項11】
前記複数の突起(104)及び少なくとも1つのチャネル(108)は、前記コア(106)の周りに周方向に配置される、請求項1に記載のスプール本体(100)。
【請求項12】
前記複数の突起(104)及び少なくとも1つのチャネル(108)は、前記コア(106)の長手方向軸の周りに半径方向に配置される、請求項1に記載のスプール本体(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動式デンシトメータに関し、特に振動式デンシトメータのスプール本体に関する。
【背景技術】
【0002】
デンシトメータは、当該技術分野において一般的に知られており、流体の密度を測定するために使用することができる。流体は、液体、ガス、懸濁微粒子及び/又は取り入れられたガスを有する液体、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0003】
振動式デンシトメータは、試験流体に曝されるシリンダのような振動部材を含むことができる。振動式デンシトメータの一例は、片持ち取付けされる円筒状の導管を備え、出口パイプライン又は他の構造に入口端部が連結され、出口端部が振動自由となっている。導管が振動されて、共振周波数が測定される。当該技術分野で一般的に知られているように、試験下の流体の密度は、流体の存在下で、導管の共振周波数を測定することにより決定される。周知の原理に従って、導管の共振周波数は、導管と接触している流体の密度とは逆に変化する。
【0004】
図1は、従来技術のデンシトメータを示す。従来技術のデンシトメータは、ハウジング内に少なくとも部分的に配置された円筒形の振動部材を含む。ハウジング又は振動部材は、デンシトメータをパイプライン又は同様の流体搬送デバイスに流体が漏れないように動作可能に連結するためのフランジ又は他の部材を含むことができる。示された例では、振動部材は、入口端でハウジングに片持ち梁状に取り付けられている。反対側端部は自由に振動する。振動部材は、流体がデンシトメータに入り、ハウジングと振動部材との間を流れることを可能にする複数の流体開口を含む。従って、流体は、振動部材の内側面及び外側面に接触する。これは、試験下の流体がガスを含む場合に特に有用である、何故ならより大きな表面積がガスに曝されるからである。他の例にて、開口がハウジングに配備され、振動部材の開口は必要ではない。
【0005】
振動部材は固有周波数(即ち、共振周波数)又はその近傍で振動される。上述したように、流体の存在下で振動部材の共振周波数を測定することによって、流体の密度を決定することができる。
ドライバと振動センサが、円筒の内側又は外側のスプール本体に位置する。ドライバは、メータ電子機器から駆動信号を受信し、共振周波数又はその近傍で振動部材を振動させる。振動センサは、振動部材の振動を検知し、処理の為に振動情報をメータ電子機器に送信する。メータ電子機器は振動部材/試験流体の共振周波数を決定し、測定された共振周波数から密度測定を生成する。
【0006】
正確な密度測定を得るべく、共振周波数は非常に安定しなければならない。残念なことに、振動式デンシトメータは、ある範囲のガス圧力で作動するセンサに対する応答において、しばしば一連のV状のディップを経験する。これは、
図2のグラフに示される。シリンダを有するスプール本体は、デンシトメータの通常動作中に励起される片持ち梁モードを有するが、この片持ち梁モードを励起する周波数はスプール本体間で不一致である。ガス密度シリンダのための重要な設計基準は、振動モード形状の分離であり、それにより、振動モード形状が簡単かつ正確に区別され得る。しかしながら、スプール本体の片持ち梁モードは、典型的な振動式デンシトメータの予想される測定範囲の範囲内にある1100-1700Hzの間に予測不可能に現れることがあり、測定の精度に影響を及ぼすことに留意すべきである。型封入(ポッティング、potting)工程は正確ではなく空隙形成が起こりやすいので、周波数の変動は、スプール本体の周りのポッティング材料に関連する不一致に起因すると仮定される。
図3は、従来技術のスプール本体におけるポッティングの空隙を示す。
【0007】
その結果、従来技術の振動デンシトメータは、予想できないスプール本体の片持ち梁モードを組み込んだ共振周波数の値を生成し、密度測定値に誤差を招来することがある。
【0008】
従って、振動部材の固有周波数の範囲からスプール本体の片持ち梁モードを除去するニーズがある。増加又は減少する固有振動数を示しつつ、デンシトメータの形状因子に適合する小さなフットプリントを維持するスプール本体を求めるニーズがある。また、ポッティングの空隙を形成し難いスプール本体に対するニーズもある。本発明は、これら及び他のニーズを解決し、当該技術分野における進歩が達成される。
【発明の概要】
【0009】
要約
振動式デンシトメータでの使用に適したスプール本体が提供される。スプール本体は、コアと、コアから離れるように広がる複数のスパインと、複数のスパインによって画定される少なくとも1つのチャネルとを備える。
振動式デンシトメータを形成する方法が提供される。この方法は、所定の固有周波数範囲を有する振動チューブ部を提供するステップと、振動チューブ部の所定の固有周波数の範囲外の周波数範囲を含む片持ち梁モードを有するスプール本体を形成するステップとを含む。
【0010】
態様
本発明の一態様において、振動式デンシトメータに使用される振動部材は、振動式デンシトメータの使用に適したスプール本体を備える。スプール本体はコアと、コアから離れるように広がる複数のスパインとを備え、少なくとも1つのチャネルが複数のスパインによって画定される。
【0011】
好ましくは、スプール本体の片持ち梁モードは、約770Hzと4080Hzとの間の範囲の外にある。
好ましくは、スプール本体の片持ち梁モードは、約900Hzと2000Hzとの間の範囲の外にある。
好ましくは、少なくとも1つのチャネルは、その中にフィルタ材料を含む。
好ましくは、スプール本体の材料は、ポッティング材を含む。
好ましくは、ポッティング材はファイバを含む。
好ましくは、スプール本体の材料はプラスチックを含む。
好ましくは、スプール本体の材料はポリフェニレンサルファイドを含む。
【0012】
好ましくは、ハウジングに対して振動チューブ部を振動させるドライバと、振動チューブ部の振動を検知するように構成された少なくとも1つの振動センサを設けている。
好ましくは、振動チューブ部は振動式デンシトメータの振動部材内に少なくとも部分的に含まれる。
好ましくは、複数のスパイン及び少なくとも1つのチャネルは、コアの周りに周方向に配置される。
好ましくは、複数のスパイン及び少なくとも1つのチャネルは、コアの長手方向軸の周りに半径方向に配置される。
【0013】
本発明の一態様において、振動式デンシトメータを形成する方法は、所定の固有周波数範囲を有する振動チューブ部を提供するステップと、振動チューブ部の所定の固有周波数の範囲外の周波数範囲を含む片持ち梁モードを有するスプール本体を形成するステップとを含む。
【0014】
好ましくは、スプール本体を形成するステップは、コアを形成するステップと、コアから離れるように広がる複数のスパインを形成するステップと、複数のスパインによって画定される少なくとも1つのチャネルを形成するステップとを備える。
好ましくは、所定の固有周波数範囲は約770Hzと4080Hzとの間にある。
好ましくは、所定の固有周波数範囲は約900Hzと2000Hzとの間にある。
【0015】
好ましくは、スプール本体を形成するステップは、少なくとも1つのチャネル内にフィルタ材料を置くステップを含む。
好ましくは、スプール本体の材料は、ポッティング材を含む。
好ましくは、ポッティング材はファイバを含む。
好ましくは、スプール本体の材料はプラスチックを含む。
好ましくは、スプール本体の材料はポリフェニレンサルファイドを含む。
【0016】
好ましくは、スプール本体を形成するステップは、振動チューブ部を振動させるように構成されたドライバをスプール本体上に置くステップと、振動チューブ部の振動を検知するように構成された少なくとも1つの振動センサをスプール本体上に置くステップとを含む。
【0017】
好ましくは、振動式デンシトメータを形成する方法は、振動チューブ部を振動式デンシトメータの振動部材内に少なくとも部分的に置くステップを含む。
好ましくは、複数のスパイン及び少なくとも1つのチャネルは、コアの周りに周方向に配置される。
好ましくは、複数のスパイン及び少なくとも1つのチャネルは、コアの長手方向軸の周りに半径方向に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
同じ符号は全ての図面上の同じ要素を表す。図面は必ずしも縮尺通りではない。
【
図2】
図2は、従来技術のデンシトメータの信号応答カーブを示し、少なくとも部分的にポッティングの不一致により、ディップを示す。
【
図3】
図3は、従来技術のスプール本体におけるポッティングの空隙を示す。
【
図4】
図4は、実施形態に従ったスプール本体を示し、ポッティングは未だ導入されていない。
【
図5】
図5は、実施形態に従ったスプール本体の断面図を示し、ポッティングを有する。
【
図6】
図6は、実施形態に従ったスプール本体のモデルを示し、片持ち梁モードを示す。
【
図8】
図8は本実施形態に従ったスプール本体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図4−
図8及び以下の記述は特定の例を記載して、本発明の最良のモードの実施形態を作り使用する方法を当業者に開示する。進歩性を有する原理を開示する目的で、いくつかの従来の態様は単純化されたか省略された。
当業者は、これらの例示から本発明の範囲内にある変形例を理解するだろう。当業者は、下記に述べられた特徴が種々の方法で組み合わされて、本発明の多数の変形例を形成することを理解するだろう。その結果、本発明は、下記に述べられた特定の例にではなく特許請求の範囲とそれらの等価物によってのみ限定される。
【0020】
上記の如く、デンシトメータ用の振動部材は、該デンシトメータが測定している流体の密度に応じてその固有振動数を変化させる。典型的なガスデンシトメータの場合、振動部材の動作周波数範囲は、例えば約900Hzと2000Hzとの間であるが、これに限定されない。従来技術のスプール本体は、この範囲内にある片持ち梁モードを示すので、流体の密度を測定しようとするとエラーの原因となる。
【0021】
図4と
図5は、実施形態に従ったスプール本体100を示す。分かりやすくするために、
図4は、ポッティングを取り付けない状態で示されている。このスプール本体100は、片持ち梁モードを振動部材の動作モードから遠ざける方向に移動させ、これにより、振動部材が取り付けられるデンシトメータの精度を向上させる。実施形態にて、片持ち梁モードは、振動部材の動作範囲よりも高い周波数にシフトされ、抵触するモードがないようにする。他の実施形態にて、片持ち梁モードは、振動部材の動作範囲よりも低い周波数にシフトされ、抵触するモードがないようにする。スプール本体100は片持ち梁モードの他に他のモードを示し、該他のモードは片持ち梁モードよりも高く、実施形態にて片持ち梁モードは振動部材の動作範囲より低い周波数にシフトされ、スプール本体の最高の次のモードは、振動部材の動作範囲よりも高い。
【0022】
例として、方程式(1)に示すように、周波数は対象物の質量と剛性に依存することが周知である。
【数1】
ここで、
fは周波数、κは剛性、mは質量である。
【0023】
これは、方程式の適用の単なる例であり、他の方程式が考えられるので、実施形態を限定するものではない。しかし、方程式(1)で表される関係は、スプール本体100の固有振動数を高くするには、その質量を小さくしなければならず、その剛性を高くしなければならず、あるいはその両方でなければならないことを示している。提供される実施形態は、より少ないポッティング102を使用することによってスプール本体100の質量を低減している。実施形態は、比較的低い密度のポッティング102を使用することによってスプール本体100の質量を減少させている。ポッティング102に埋め込まれた構成要素の質量を減少させることが考えられるが、これらの構成要素の質量は、ポッティングの質量に比べて比較的大きく、比較的小さな効果だけが可能であることに注目すべきである。従って、一実施形態では片持ち梁モード周波数を上げるためにスプール本体100の剛性が高められる。 関連する実施形態では、片持ち梁モード周波数を下げるためにスプール本体100の剛性が低められる。スプール本体100の質量を調整することにより、スプール本体の剛性を調整することができるので、質量又は質量割り当ての変化に基づく周波数の変化は、剛性の変化によって部分的に相殺され得ることに注目すべきである。
【0024】
スプール本体100の片持ち梁モードの剛性(κ)を定義するのに用いられる方程式の例は、方程式(2)で例示される。
κ=3EI/L
3 (2)
ここで、Eは材料の弾性係数、Iは対象物の慣性モーメント、Lは長さである。
【0025】
これは、方程式の適用の単なる例であり、他の方程式が考えられるので、実施形態を限定するものではない。スプール本体100の長さを調整することは、振動部材の長さ、スプール本体100が存在するキャビティ、及び任意の駆動回路の構成に関係するので、変更するのは比較的面倒な変数である。しかし、一実施形態にて、スプール本体100の長さは、短くされ又は長くされて、所望の周波数応答を達成する。
【0026】
慣性モーメントを調整することにより、実施形態にて、全てのスプール本体100のモードがセンサの動作周波数の範囲外に留まることが可能である。このようにして、κ/mの割合(例えば、方程式(1)参照)は、全ての曲げ、ラジアル及びブレスモードを、一般に約900Hzから2000Hzの間であるセンサの動作範囲の外に置くように調整される。一実施形態にて、動作範囲は約500Hzから2500Hzの間である。これらは周波数範囲の例であって、他の円筒材料又は形状については異なる。
【0027】
弾性係数及び/又は慣性モーメントは、実施形態にて調整される。慣性モーメント(I)は、既に円形の断面ではほぼ理想的であり、方程式(3)のように表すことができる。
I=πr
4/4 (3)
ここで、rはスプール本体の半径である。
【0028】
これは単に方程式の用途の例であり、他の方程式も考えられるので、実施形態を限定するものではない。慣性モーメントを変化させることは、ポッティング102の半径を増減させることに関係する。実施された実験によれば、片持ち梁モードを通常動作の範囲外に十分に高く移動させるためには、慣性モーメントが約112%増加しなければならず、これは、幾つかの実施形態では実用的でない程度にポッティング部の半径が増大することに関連し、振動部材と干渉する。しかし、幾つかの実施形態では、ポッティング部の半径は、慣性モーメントを調整するように増加する。
【0029】
一実施形態にて、スプール本体100の断面を縮小することにより、片持ち梁モードが減少し、それに伴って慣性モーメントが減少する。しかし、断面を縮小することは質量が減少するので、慣性モーメントの変化から生じる周波数変化の大部分が取り消される。一実施形態にて、
図4及び
図5に記載されるように、複数のスパイン(突起)104がコア106から離れて広がるようにスプール本体100を形成すると、より低い慣性モーメントが得られるが、必要な質量が維持される。特に、スパイン104の追加により、コア106の最も薄い断面の特性を受け入れることによって慣性の曲げモーメントを減少させるが、スパイン104の材料を維持することによって質量を比較的高く維持する。複数のスパイン104は、一連のチャネル108を効果的に規定する。一実施形態では、ポッティング102をチャネル108内に配置することができるが、チャネルにはポッティングがないこともある。別個のベース101が存在し、又は存在しない。一実施形態において、チャネル108及びスパイン104は、スプール本体100の周りに周方向に配置される。
図8に示す他の実施形態にて、チャネル108及びスパイン104は、スプール本体100のコア106の長手方向軸の周りに半径方向に配置される。
【0030】
スプール本体100の形状は、図示したような丸い断面に限定されない。実施形態では、矩形、楕円形、多角形、正方形、三角形、小葉形、ドッグボーン形及び他の断面形状も考えられる。
【0031】
上記の如く、ポッティング102の弾性係数はまた、実施形態にて調整される。一実施形態にて、スプール本体100の弾性係数は比較的高い弾性係数を有するポッティング102を用いることによって高められる。一実施形態にて、プラスチックは一般的に典型的なポッティングよりも高い弾性係数を有するので、射出されたプラスチックがポッティング102の代わりに用いられる。一実施形態にて、スプール本体を比較的高い弾性係数を有する材料で形成することにより、スプール本体100の弾性係数が高められる。射出成形を使用することにより、一般的にはポッティング材料として使用されない材料を使用することが可能である。一実施形態にて、従来からのポッティング材又はスプール本体100材の代わりにファイバ強化されたプラスチックが用いられる。一実施形態にて、従来からのポッティング材に代えて、ライトン(商標)のようなポリフェニレンサルファイドが用いられる。ポリフェニレンサルフィドは、高温用途及び腐食性環境において有利に使用され得る。スプール本体100が構成される材料を補強するために、ファイバが加えられて複合材料を作製することができる。考えられるファイバは、例えばガラス、炭素アラミド、ホウ素、アルミナ、炭化ケイ素、石英、当該技術分野において公知の他の繊維、及びそれらの組み合わせから作られたものであり、これらに限定されない。
【0032】
射出成形法はまた、現行のスプール本体にしばしば見られる空隙を生成する可能性が非常に低い(
図3参照)。スプール本体の動きに影響するのに加えて、空隙は電子機器を潜在的に腐食性の測定流体にさらす可能性がある。空隙はまた、製造中にコストのかかる落下(欠陥)率を招き、完成したアセンブリの平均コストを上昇させる一方、生産をも制限する。ポリフェニレンサルフィドはポッティングに取って代わることができるが、ポリフェニレンサルファイドをスプール本体100の構成に使用することもできる。
【0033】
図6は、実施形態に従ったスプール本体100の例示的な有限要素解析モデルを示し、約770Hzに下げられた片持ち梁モードを特に示し、4080Hzまで次のモードが現れない。これらのモードは、殆どの振動部材の動作範囲外であり、従って、殆どの密度測定に干渉しない。
【0034】
図7は、実施形態に従った振動式デンシトメータ200を示す。示された実施形態の振動部材202は、ベース204と、該ベース204に固定された長い振動チューブ部206とを含む。振動部材202は実質的に中空であり、入口端部208と出口端部210を含む。ベース204は振動部材202の入口端部208に位置する。入口端部208は、振動式デンシトメータ200のハウジング212又は他の要素に連結される。振動部材202に流入又は通過する流体は、入口端部208にて入り、出口端部210にて出ることができる。実施形態にて、入口端部208は出口となるように構成され、出口端部210は入口となるように構成されてもよいことは理解されるだろう。
【0035】
振動チューブ部206は、密度感知要素を備える。幾つかの実施形態では、振動チューブ部206は薄い金属チューブである。動作時に、振動チューブ部206は、その固有(共振)周波数で振動するように作動される。一実施形態にて、振動部材202(従って、振動チューブ部206)は、1つ以上の振動モードで振動するように構成される。ガスのような流体は、振動チューブ部206の内面213及び/又は外面215の少なくとも1つの上を通過することができ、従って、振動チューブ部206の露出側に接する。流体の質量はチューブと共に振動し、」振動する質量が増加することは、振動部材の振動の固有周波数を低下させるから、振動部材202が流体の存在下に振動されているときは、流体の密度は振動部材202の固有又は共振振動周波数を測定することにより決定される。
【0036】
振動式デンシトメータ200は、ガス、液体、取り入れられたガスを有する液体、懸濁微粒子を有する液体、及び/又はそれらの組み合わせのような流体の密度を決定するように構成される。
【0037】
一実施形態に従って、振動式デンシトメータ200はハウジング212の内側に振動部材202を含む。振動部材202は、ハウジング212に恒久的にまたは取り外し可能に固定されてもよい。測定される流体は、ハウジング212に導入されてもよいし、ハウジング212を通過してもよい。幾つかの実施形態にて、振動部材202はハウジング212と実質的に同軸である。しかし、振動部材202はハウジング212の断面形状に対応する必要はない。
【0038】
振動チューブ部206が振動式デンシトメータ200に取り付けられると、振動部材202の入口端部208はハウジング212に結合され、一方、出口端部210は自由に振動する。振動チューブ部206は、示された実施形態ではハウジング212に直接結合されていないが、代わりにベース204がハウジング212に結合され、出口端部210が自由に振動する。その結果、振動チューブ部206はハウジング212に片持ち梁状に取り付けられている。
【0039】
実施形態に従って、振動式デンシトメータ200は、更にスプール本体100に連結されたドライバ214及び少なくとも1つの振動センサ216を含む。ドライバ214は、1以上の振動モードで振動部材202を振動させるように構成することができる。ドライバ214は、振動部材202内に配置されたスプール本体100内に配置されて示されているが、幾つかの実施形態では、例えば、ドライバ214は、ハウジング212と振動部材202との間に配置されてもよい。更に、ドライバ214は、入口端部208に接近して位置するように示されているが、ドライバ214は、任意の所望の位置に配置されてもよいことは理解されるべきである。実施形態に従って、ドライバ214はメータ電子機器218からリード220を介して電気信号を受信する。
【0040】
示された実施形態にて、少なくとも1つの振動センサ216がドライバ214と同軸に整列される。他の実施形態にて、少なくとも1つの振動センサ216は、他の位置において振動部材202に結合されてもよい。例えば、少なくとも1つの振動センサ216は振動部材202の外側に位置してもよい。さらに、少なくとも1つの振動センサ216が振動部材202の外側に配置され、一方、ドライバ214が振動部材202の内部に位置していてもよく、またはその逆であってもよい。
【0041】
少なくとも1つの振動センサ216は、リード220を介してメータ電子機器218に信号を送信する。メータ電子機器218は、少なくとも1つの振動センサ216によって受信された信号を処理して、振動部材202の共振周波数を決定することができる。試験中の流体が存在する場合、振動部材202の共振周波数は、当該技術分野で知られているように、流体密度に反比例して変化する。比例変化は、例えば、初期較正中に決定することができる。示される実施形態では、少なくとも1つの振動センサ216はまたコイルを含む。ドライバ214は、振動部材202に振動を誘起する電流を受信し、少なくとも1つの振動センサ216は、ドライバ214によって生成された振動部材202の動きを用いて電圧を誘起する。コイルドライバ及びセンサは当該技術分野で周知であり、それらの更なる記載は記載の簡略化の為に省略する。更に、ドライバ214及び少なくとも1つの振動センサ216は、コイルに限定されず、例えばピエゾ電気ドライバ/センサ、レーザセンサなどの様々な他の周知の振動要素を含むが、これらに限定されないことは理解されるべきである。従って、本実施形態は決してコイルに限定されるべきではない。更に、当業者は、本実施形態の範囲内にとどまりながら、ドライバ214及び少なくとも1つの振動センサ216の特定の配置を変更できることを容易に認識するだろう。
【0042】
メータ電子機器218は、バス222又は他の通信リンクに連結され得る。メータ電子機器218は、バス222を介して密度測定値を伝達することができる。更に、メータ電子機器218は、あらゆる方法の他の信号、測定値又はデータをバス222を介して送信し得る。更に、メータ電子機器218は、指示、プログラミング、他のデータ又は命令をバス222を介して受信し得る。
【0043】
動作にて、振動チューブ部206の壁が励振される。一実施形態では、振動チューブ部206の壁は、ドライバ214又は他の励起機構によって半径方向および半径方向振動モードで励起される。振動チューブ部206の壁は、対応する半径方向モードで振動するが、それは細長い振動チューブ部206及び周囲の流れ流体の共振周波数で振動する。
【0044】
付与されるスプール本体100の実施形態は、スプール本体100の片持ち梁モードによる周波数ディップから、少なくとも所定の周波数差だけ、振動チューブ部206及びその結果の振動モードを分離することを可能にする。従って、振動式デンシトメータ200は、少なくとも1つの振動センサ216によってピックアップされた振動モードを片持ち梁モードの干渉から、フィルタリングするか、さもなければ分離又は区別することができる。
【0045】
デンシトメータ200の構成時に、スプール本体100が形成される。一実施形態にて、スプール本体100は、鋳造によって少なくとも部分的に形成される。一実施形態では、スプール本体100は機械加工によって少なくとも部分的に形成される。一実施形態では、スプール本体100は、放電加工によって少なくとも部分的に形成される。これらは、潜在的な構成技術の非限定的な例を提供し、他の構成技術の使用を制限するようには機能しない。スプール本体100は、金属、プラスチック、ポリマー、複合材、及びこれらの組み合わせから構成することができる。スプール本体100は、単一の材料から形成される必要はなく、第1の材料から作られた部分と、少なくとも第2の材料から作られた他の部分とを含むことができる。ポッティング102は、幾つかの実施形態では、スプール本体100のチャネル108に鋳造、射出、又は他の方法で導入されてもよい。
【0046】
上記の実施形態の詳細な記述は、本発明の範囲内にある発明者によって熟考された全ての実施形態の完全な記述ではない。実際に当業者は、さらに実施形態を作成するために上記実施形態のある要素が種々に組み合わせられるかもしれないし除去されるかもしれないことを認識している、そしてそのような、さらなる実施形態は現在の記述の範囲及び開示の範囲内にある。現在の記述の範囲及び開示の範囲内にある追加の実施形態を作成するために、上記実施形態の全部或いは一部が組み合わせられるかもしれないことも当業者には明白である。
【0047】
特定の実施形態が説明の目的のためにここに記載されるが、当該技術分野における熟練者には、様々な等価な修正は現在の記載の範囲内で可能であることが判るだろう。
ここに提供される開示は、単に上記され、添付の図面に示される実施形態だけではなく他の振動部材に適用され得る。従って、上記の実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲から決定されるべきである。