(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563545
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】空中作業プラットフォーム用の障害物検知システム
(51)【国際特許分類】
B66F 9/24 20060101AFI20190808BHJP
B66F 11/04 20060101ALI20190808BHJP
B66F 7/08 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
B66F9/24 H
B66F11/04
B66F7/08 F
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-37181(P2018-37181)
(22)【出願日】2018年3月2日
(65)【公開番号】特開2018-150172(P2018-150172A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2018年5月16日
(31)【優先権主張番号】62/466,501
(32)【優先日】2017年3月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/904,682
(32)【優先日】2018年2月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597011614
【氏名又は名称】ジェイエルジー インダストリーズ インク.
【氏名又は名称原語表記】JLG INDUSTRIES INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ケイ. モールマン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー アイ. ギルブライド
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ダブリュ. ロンバルド
(72)【発明者】
【氏名】イグナシー プシュキェヴィッチ
【審査官】
有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2003/0221916(US,A1)
【文献】
特開2011−063352(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0098910(US,A1)
【文献】
実開平05−065994(JP,U)
【文献】
特開2016−199406(JP,A)
【文献】
仏国特許出願公開第02836468(FR,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0187712(US,A1)
【文献】
実開昭58−099297(JP,U)
【文献】
実開平03−122099(JP,U)
【文献】
特開平10−175799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00─11/04
B66F 7/00─ 7/28
B66F 13/00─19/02
B66C 13/00─15/06
B60R 21/00─21/13
B60R 21/34─21/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラットフォーム床及び該プラットフォーム床からレール高さまで延びる安全レールを含む作業プラットフォームと、
前記プラットフォーム床に固定された主センサユニットであって、前記プラットフォーム床から前記レール高さの上方の空間までの領域、及び前記作業プラットフォームの前方及び後方のいずれをも単独で監視するように構成された主センサユニットとを備えるプラットフォームアセンブリ。
【請求項2】
前記主センサユニットは、略反対の方向を向く2つのセンサを備え、該2つのセンサの各々は、検知扇状領域を規定する請求項1に記載のプラットフォームアセンブリ。
【請求項3】
前記2つのセンサは、前記検知扇状領域が少なくとも部分的に重複するように互いに対して配置される請求項2に記載のプラットフォームアセンブリ。
【請求項4】
前記2つのセンサは、互いに対して約90度をなして方向付けられる請求項2に記載のプラットフォームアセンブリ。
【請求項5】
前記作業プラットフォームは、2つの長辺と、該2つの長辺よりも短い前端及び後端とを有する長方形であり、前記主センサユニットは、前記2つの長辺の少なくとも一方に配置される請求項1に記載のプラットフォームアセンブリ。
【請求項6】
前記作業プラットフォームは、格納位置と拡張位置との間で変位可能であり、且つ拡張位置において前記プラットフォーム床を前方及び後方の少なくとも一方に拡張するプラットフォーム拡張部を備え、
前記プラットフォームアセンブリは、更に、前記プラットフォーム拡張部に近接して配置され且つ前記プラットフォーム拡張部の下方の領域を監視するように構成された副センサユニットを備える請求項1に記載のプラットフォームアセンブリ。
【請求項7】
更に、前記プラットフォーム拡張部上に配置され且つ前記プラットフォーム拡張部と共に変位可能なターゲットパネルを備え、
前記ターゲットパネルは、前記拡張位置では前記副センサユニットの視線内にあり、前記格納位置では前記副センサユニットの視線の外にある請求項6に記載のプラットフォームアセンブリ。
【請求項8】
車輪付きシャーシと、
前記車輪付きシャーシ上に支持され且つ起立位置と降下位置との間で変位可能なアームスタックと、
前記アームスタック上に支持され且つ前記アームスタックと共に変位可能なプラットフォームアセンブリとを備えるシザーリフトであって、
前記プラットフォームアセンブリは、
プラットフォーム床及び該プラットフォーム床からレール高さまで延びる安全レールを含む作業プラットフォームと、
前記プラットフォーム床に固定された主センサユニットであって、前記プラットフォーム床から前記レール高さの上方の空間までの領域、及び前記作業プラットフォームの前方及び後方のいずれをも単独で監視するように構成された主センサユニットを備えるシザーリフト。
【請求項9】
前記主センサユニットは、略反対の方向を向く2つのセンサを備え、該2つのセンサの各々は、検知扇状領域を規定する請求項8に記載のシザーリフト。
【請求項10】
前記2つのセンサは、前記検知扇状領域が少なくとも部分的に重複するように互いに対して配置される請求項9に記載のシザーリフト。
【請求項11】
前記作業プラットフォームは、格納位置と拡張位置との間で変位可能で、且つ前記アームスタックから張り出した前記拡張位置において、前記プラットフォーム床を前方及び後方の少なくとも一方に拡張するプラットフォーム拡張部を備え、
前記プラットフォームアセンブリは、更に、前記プラットフォーム拡張部に近接して配置され且つ前記プラットフォーム拡張部の下方の領域を監視するように構成された副センサユニットを備える請求項8に記載のシザーリフト。
【請求項12】
更に、前記プラットフォーム拡張部上に配置され且つ前記プラットフォーム拡張部と共に変位可能なターゲットパネルを備え、
前記ターゲットパネルは、前記拡張位置では前記副センサユニットの視線内にあり、前記格納位置では前記副センサユニットの視線の外にある請求項11に記載のシザーリフト。
【請求項13】
プラットフォーム床、2つの長辺、及び前記プラットフォーム床からレール高さまで延びる安全レールを含む作業プラットフォームと、
前記プラットフォーム床に固定された2つの主センサユニットであって、前記2つの長辺の各々に各々が配置され且つ前記プラットフォーム床から前記レール高さの上方の空間までの領域、及び前記作業プラットフォームの前方及び後方のいずれをも単独で監視するように各々が構成された2つの主センサユニットとを備え、
前記2つの主センサユニットの各々は、略反対の方向を向く2つのセンサを備え、
前記2つのセンサの各々は、検知扇状領域を規定するプラットフォームアセンブリ。
【請求項14】
前記2つのセンサは、前記プラットフォームの各辺における前記検知扇状領域が少なくとも部分的に重複するように、互いに対して配置される請求項13に記載のプラットフォームアセンブリ。
【請求項15】
前記2つの主センサユニットの各々の前記2つのセンサは、互いに対して約90度をなして方向付けられる請求項13に記載のプラットフォームアセンブリ。
【請求項16】
前記作業プラットフォームは、格納位置と拡張位置との間で変位可能で、且つ拡張位置において、前記プラットフォーム床を前方及び後方の少なくとも一方に拡張するプラットフォーム拡張部を備え、
前記プラットフォームアセンブリは、更に、前記プラットフォーム拡張部に近接して配置され且つ前記プラットフォーム拡張部の下方の領域を監視するように構成された副センサユニットを備える請求項13に記載のプラットフォームアセンブリ。
【請求項17】
更に、前記プラットフォーム拡張部上に配置され且つ前記プラットフォーム拡張部と共に変位可能なターゲットパネルを備え、
前記ターゲットパネルは、前記拡張位置では前記副センサユニットの視線内にあり、前記格納位置では前記副センサユニットの前記視線の外にある請求項16に記載のプラットフォームアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照:本願は、2017年3月3日に出願された米国仮特許出願第62/466,501号の優先権を主張し、その内容全体を援用して本文の記載の一部とする。
【0002】
連邦資金による研究開発の記述:(該当しない)
【0003】
本発明は、作業プラットフォームに関し、より具体的には、障害物又は構造体との衝突という結果になる持続的な非自発的操作(過失操作)からの操作者の保護を強化するための設備を含む作業プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0004】
伸縮式ブームに支持された作業プラットフォームを備える空中リフトには、頭上圧潰(クラッシュ)事故の衝撃を防ぐ又は最小限とするためのセンサシステムが装着されている。伸縮式ブームを用いると、特に操作者の頭上又は後ろに位置し得る構造体とプラットフォームの間に操作者が位置するとき、安全上の問題が起こり得る。操作者が構造体とプラットフォームの間で押しつぶされ得る位置へプラットフォームが移動され得て、重傷又は死亡という結果になる。
【発明の概要】
【0005】
シザーリフトは、プラットフォームの移動が垂直であるという機械的制限の性質のために、このような安全を脅かす危険の影響を受けにくい。しかし、頭上衝突の危険性は依然として存在し、潜在的な障害物と危険を検知することのできるプラットフォームアセンブリを、このような機械に設けるのが望ましいであろう。
【0006】
記載される実施形態のプラットフォームアセンブリは、プラットフォーム床に近接(隣接)する作業プラットフォームの外面に配置された1つ又は複数のセンサユニットを含み得る。センサは、プラットフォームの近傍にある潜在的な障害物を検知するための検知「扇状」領域(“fans” of coverage)を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、伸縮式プラットフォーム(拡張可能なプラットフォーム)が、拡張位置にあるプラットフォーム拡張部の下方の物体/構造物への潜在的な圧潰(クラッシュ)の危険を防止するために下方を見る追加センサを組み込むことにより適合(accommodate)されている。
【0007】
ある例示的な実施形態では、プラットフォームアセンブリは、プラットフォーム床及び該プラットフォーム床からレール高さまで延びる安全レールを含む作業プラットフォームと、前記作業プラットフォームに固定され且つ前記プラットフォーム床に近接して配置された主センサユニットを含む。前記主センサユニットは、前記プラットフォーム床から前記レール高さの上方の空間までの領域、及び前記作業プラットフォームの前方及び後方を監視するように構成されている。
【0008】
前記主センサユニットは、また、略反対の方向を向く2つのセンサを含んでもよく、該2つのセンサの各々は検知扇状領域を規定する。これに関連して、前記2つのセンサは、前記検知扇状領域が少なくとも部分的に重複するように互いに対して配置されてもよい。いくつかの実施形態において、前記2つのセンサは、互いに対して約90度をなして方向付けられてもよい。前記作業プラットフォームは、2つの長辺と、該2つの長辺よりも短い前端及び後端とを有する長方形であってもよく、前記主センサユニットは、前記2つの長辺の少なくとも一方に配置されてもよい。
【0009】
前記作業プラットフォームはまた、格納位置と拡張位置との間で変位可能であってもよく、且つ拡張位置において前記プラットフォーム床を前方及び後方の少なくとも一方に拡張するプラットフォーム拡張部を含んでも良い。前記プラットフォームアセンブリはまた、追加的に、前記プラットフォーム拡張部に近接して配置され且つ前記プラットフォーム拡張部の下方の領域を監視するように構成された副センサユニットを備えてもよい。これに関連して、前記プラットフォームアセンブリは、また、前記プラットフォーム拡張部上に配置され且つ前記プラットフォーム拡張部と共に変位可能なターゲットパネルを含んでもよい。前記ターゲットパネルは、前記拡張位置では前記副センサユニットの視線内にあってもよく、前記格納位置では前記副センサユニットの視線の外にあってもよい。
【0010】
別の例示的な実施形態では、シザーリフトは、車輪付きシャーシと、前記車輪付きシャーシ上に支持され且つ起立位置と降下位置との間で変位可能なアームスタック(arm stack)と、前記アームスタック上に支持され且つ前記アームスタックと共に(前記アームスタックによって)変位可能な、記載された実施形態のプラットフォームアセンブリとを含む。
【0011】
更に別の例示的な実施形態では、プラットフォームアセンブリは、プラットフォーム床、2つの長辺、及び前記プラットフォーム床からレール高さまで延びる安全レールを含む作業プラットフォームと、前記作業プラットフォームに固定された2つの主センサユニットであって、前記2つの長辺の各々に前記プラットフォーム床に近接して各々が配置された2つの主センサユニットを含む。前記2つの主センサユニットは、前記プラットフォーム床から前記レール高さの上方の空間までの領域、及び前記作業プラットフォームの前方及び後方を監視するように構成されている。前記2つの主センサユニットの各々は、略反対の方向を向く2つのセンサを備え、前記2つのセンサの各々は、検知扇状領域を規定する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
このような及びその他の態様及び利点を、添付された以下の図面を参照しながら詳細に記載する。
【0013】
【
図1-2】
図1及び
図2は、センサユニットを含む例示的なプラットフォームアセンブリを示す。
【0014】
【
図3】
図3は、センサユニットによる検知扇状領域を例示する。
【0015】
【
図4】
図4は、プラットフォーム拡張部用の副センサを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照すると、記載される実施形態に係るプラットフォームアセンブリ(プラットフォーム組立体)は、シザーリフトへの例示的な適用例として示されている。プラットフォームアセンブリが他のリフト車両タイプに適用可能であろうこと、及び本発明が、示され且つ記載される例示的なシザーリフトへの適用例に限定されることを必ずしも意味していないことが理解されるであろう。
【0017】
図1から
図4に示されるシザーリフトは、車輪付きシャーシ12、車輪付きシャーシ12上に支持され、起立位置(起立方位)と降下位置(降下方位)との間で変位可能なアームスタック14、及びアームスタック14と共に変位可能な(アームスタック14によって変移可能な)プラットフォームベース18を介してアームスタック14上に支持されているプラットフォームアセンブリ16を含む。
【0018】
プラットフォームアセンブリ16は、プラットフォーム床22、及びプラットフォーム床22からレール高さ(柵高さ)まで延びる安全レール(安全柵)24を備えた作業プラットフォーム(プラットフォーム)20を含む。作業プラットフォーム20は、また、格納位置(
図1)と拡張位置(
図3)との間で変位可能であるプラットフォーム拡張部26を含み得る。プラットフォーム拡張部26は、拡張位置では、前方及び後方のうちの少なくとも1つの方向にプラットフォームを拡張する。いくつかの実施形態では、作業プラットフォーム20は、前端及び後端の両方にプラットフォーム拡張部26を含み得る。プラットフォーム拡張部26は、プラットフォーム上で、知られているように、相補的な構造により入れ子式(はまりこみ式)に伸縮する。
【0019】
プラットフォームアセンブリ16は、また、作業プラットフォーム20に固定された主センサユニット(第1センサユニット)28を含み得る。示されるように、主センサユニット28は、プラットフォーム床22に隣接(近接)する作業プラットフォーム20の外面上に配置され得る。2つの長辺と、これより短い前端部および後端部とを含む長方形状の作業プラットフォーム20においては、主センサユニット28は、片方又は両方の長辺に配置され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、主センサユニット28の各々は、略反対方向を向く2つのセンサ30を含み、センサ30の各々は、検知扇状領域(カバレージ扇状領域、扇状検知範囲。fan of coverage)を規定する。センサ30は、検知ゾーン内に潜在的な障害物(障害物となり得るもの)があることを検知して、機械制御システムに信号を出力する。センサは、レーダー、ライダー(LiDAR)、又は他の適切な検知技術を使用し得る。適切なセンサは、カナダ国ケベック市のレダーテック(LeddarTech)社から入手可能なLeddarVu Vu8である。
【0021】
センサ30は、既存の構造物に留め金(締め具)で固定され得るセンサハウジング32内に固定され、特定の応用例(適用例、アプリケーション)や対象とする保護ゾーンに応じて配置することができる。ハウジング32内のセンサ30は、互いに対して約90度をなすように配向(方向付け)される。水平に対し(又はプラットフォーム床22に対し)、前方を向くセンサは約45度の角度をなしてよく、後方を向くセンサは約135度(又は反対方向から45度)の角度をなしてよい。
【0022】
ハウジング32内の複数のセンサ30を、検知扇状領域が少なくとも部分的に重複するように、互いに対して配置するのが望ましい。
図3は、重複している複数の検知扇状領域34を示す。検知領域は、90度から110度の間とし得る。扇状域は一般に狭く(例えば、2度から5度)、プラットフォーム床22に近接したセンサ30では、センサ30は、機械の前方及び後方も見ながら、プラットフォームの上方の領域もカバーする。具体的には、センサは、
図3に示されるように、プラットフォーム床22からレール高さ上方の空間までの領域、作業プラットフォーム20の前方及び後方を監視するように構成されている。
【0023】
図3に示される例示的な適用例では、主センサユニット28は、プラットフォーム拡張部26が拡張位置にある作業プラットフォーム20に関して、作業プラットフォーム20の両方の長辺(長手の側面)上の略中央位置に配置されている。プラットフォーム拡張部26に適合(適応)させるために、主センサユニット28は、プラットフォーム床22に隣接するプラットフォーム拡張部26なしでは、中央からわずかにずれて(即ち、中央の前方又は後方に)配置されている。
【0024】
図4を参照すると、プラットフォームアセンブリ16は、また、プラットフォーム拡張部26に隣接(近接)して配置され、プラットフォーム拡張部26の下方の領域を監視するように構成された副(第2)センサユニット(副(第2)センサ)36を備え得る。示されるように、副センサユニット36は、プラットフォーム拡張部26に対して固定され、プラットフォームベース18に取り付けられ得る。副センサユニット36は、示されるように、拡張位置にあるプラットフォーム拡張部26の下方の物体/構造物への潜在的な圧潰(クラッシュ)の危険を防止する役割を果たす。
【0025】
ターゲットパネル38は、プラットフォーム拡張部26に配置されてよく、プラットフォーム拡張部26と共に変位可能である。ターゲットパネル38は、プラットフォーム拡張部26が拡張位置にある状態では副センサユニット36の視線内にあり、一方、プラットフォーム拡張部26が格納位置にある場合は、ターゲットパネル38は、副センサ部36の視線の外側にある。したがって、ターゲットパネル38によって、副センサ部36は、プラットフォーム拡張部26が拡張されているか、それとも格納されているかを知ることができる。プラットフォームの下方の領域を監視するように配置され、構成された追加のセンサを、(例えば、航空機、ガラス壁などのような慎重に扱うべき物体の周辺で作業する場合に)シザーリフトに接近した物体を検知するために、また、プラットフォームの高さを測定するために、利用することができる。
【0026】
使用にあたって、作業プラットフォームを上げ下げするためのリフトアセンブリ(リフティング組立体)と協働可能な車両の駆動コンポーネント(駆動構成要素、駆動部品)は、制御パネルの操作者入力手段、及び駆動コンポーネント及び制御パネルと通信する駆動/制御システムによって制御される。また、制御システムは、単数又は複数の主センサユニット28からの信号も受信し、操作者入力手段及び単数又は複数の主センサユニット28からの信号に基づいて駆動コンポーネントの作動を制御する。少なくとも、制御システムは、主センサユニット28が被検知領域内に障害物を検出したときに駆動コンポーネントを停止するようにプログラムされる。あるいは、制御システムは、障害物が検出されたときに、最後の(直前の)動作を逆動させてもよい。
【0027】
作動停止が選択される場合、障害物が検出されたときには、作動中の機能はすぐに停止され、作動中でない全ての機能は作動しない(作動開始されない)。逆動機能が選択される場合、動作中に障害物が検知されたときには、動作に必要な回転数ターゲットが維持され、障害物が検知されたときに作動中の機能のみが、逆動機能が停止するまで逆動される。逆動機能が作動しているとき、地面及びプラットフォームの警笛が作動し得る。逆動機能が完了した後、エンジン回転数は低く設定され、機能が、例えばフットスイッチ及び操作者制御装置によって再作動されるまで、すべての機能は無効にされる。システムはセンサユニットによって起動された機能停止を無効にする(解除する)ために使用されるセンサ無効(オーバーライド)ボタンを含んでもよい。無効ボタンが押されて保たれる場合、フットスイッチ及び制御装置が続いて再作動された場合にはリフト機能が可能になる。このとき、作動速度はクリープモード速度に自動的に設定される。制御装置は、無効ボタンが押されているか解除されているかに関わらず、障害物が検知される前に停止機能が無効になることがないようにプログラムされる。これは、もし無効ボタンが常時閉の位置(押された位置)に固定または操作される場合でも依然として停止機能が使用可能となることを確実にする。
【0028】
逆動機能は、機械の様々な操作パラメータ(動作パラメータ)について実行(実装)される。もし障害物が検知された時に前方への駆動の要求が受信された場合、それは道路上の突起又は障害物として扱われ、逆動機能を始動させないだろう。逆動機能は、異なる機能についてそれぞれ設定されるセンサ信号、フットスイッチの信号及び時間パラメータに基づいて終了する。もし最大逆動時間が経過する前にセンサ信号が障害物検知状態から障害物非検知状態に変わった場合、次いで逆動機能が停止されるだろう。そうでない場合は、最大逆動時間が経過するまで逆動機能が作動するだろう。
【0029】
また、フットスイッチの解除(フットスイッチを離すこと)によっても、いつでも逆動機能は終了される。
【0030】
もし操作者がプラットフォーム上で身動きできない場合、スイッチを介して地上から地上制御が利用可能である。地上制御モードにおいて、もしプラットフォームスイッチが作動している(押されている)場合、微速(クリープ速度)でのプラットフォーム動作を許容し得る。もし、センサユニットが障害物検知状態から障害物非検知状態に変わった場合、使用を可能化し且つ機能を制御する地上スイッチが再び作動状態にされない限り動作は微速に維持される。
【0031】
記載された実施形態のプラットフォームアセンブリは、潜在的な障害物及び圧潰(クラッシュ)の危険を検知するために戦略的に配置された複数のセンサを含んでいる。プラットフォームアセンブリは、シザーリフトへの適用として示されているが、他の作業プラットフォームなどに適用可能である。記載されたセンサユニットを含むプラットフォームアセンブリは、障害物又は構造体との衝突という結果になる持続的な非自発的操作(過失操作)からの操作者の保護を強化する役割を果たす。
【0032】
本発明は、最も実用的であり好ましい実施形態であると現在考えられるものに関連して記載したが、本発明は開示された実施形態に限定されないこと、むしろそれとは逆に、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内に含まれる種々の改変及び等価な構成を包含するように意図されたものであることが理解されるべきである。