特許第6563564号(P6563564)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563564
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】センサユニット
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/245 20060101AFI20190808BHJP
   G01R 33/02 20060101ALI20190808BHJP
   G01R 33/09 20060101ALI20190808BHJP
   H01L 43/08 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   G01D5/245 110B
   G01R33/02 U
   G01R33/02 N
   G01R33/09
   G01D5/245 R
   H01L43/08 A
   H01L43/08 P
   H01L43/08 Z
【請求項の数】19
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-130642(P2018-130642)
(22)【出願日】2018年7月10日
(62)【分割の表示】特願2017-854(P2017-854)の分割
【原出願日】2017年1月6日
(65)【公開番号】特開2018-185331(P2018-185331A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2018年8月24日
(31)【優先権主張番号】特願2016-140085(P2016-140085)
(32)【優先日】2016年7月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 国博
(72)【発明者】
【氏名】和田 善光
(72)【発明者】
【氏名】平林 啓
(72)【発明者】
【氏名】山脇 和真
(72)【発明者】
【氏名】梅原 剛
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−147711(JP,A)
【文献】 特開2015−212694(JP,A)
【文献】 特開2006−146524(JP,A)
【文献】 特開2001−159953(JP,A)
【文献】 特開2013−016630(JP,A)
【文献】 特開2004−069695(JP,A)
【文献】 特開2014−174170(JP,A)
【文献】 特開2009−063385(JP,A)
【文献】 特開2006−208255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/245
G01R 33/02
G01R 33/09
H01L 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに実質的に直交する第1の辺および第2の辺を含む、実質的に矩形の平面形状を有する基板と、
前記基板に積層された回路チップと、
前記回路チップに設けられ、前記第1の辺に実質的に平行であって前記基板の中心位置を通る第1の軸上に並ぶ複数の第1のセンサと
を備えた
センサユニット。
【請求項2】
前記基板に設けられた一端を各々有し、前記第1の辺もしくは前記第2の辺に沿って並び、または前記第1の辺および前記第2の辺の双方に沿って並ぶ複数のリードをさらに備えた
請求項1記載のセンサユニット。
【請求項3】
前記複数のリードは、前記第1の辺に沿って並んでいる
請求項2記載のセンサユニット。
【請求項4】
前記複数の第1のセンサのうちの1つが、前記基板の前記中心位置に設けられた中心位置センサであり、
前記複数の第1のセンサの前記中心位置センサを除く他の前記第1のセンサは、前記中心位置センサを挟むように同数ずつ設けられている
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項5】
前記複数の第1のセンサは、前記第1の軸上において互いに第1の距離を隔てるように配置されている
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項6】
前記複数の第1のセンサは、互いに実質的に等しい平面形状を有し、
前記複数の第1のセンサにおける前記第1の辺に沿った寸法は実質的に同一であり、
前記複数の第1のセンサにおける前記第2の辺に沿った寸法は実質的に同一である
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項7】
前記複数の第1のセンサは、実質的に同一の構造を有する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項8】
前記回路チップに設けられ、前記第2の辺に実質的に平行であって前記基板の前記中心位置を通る第2の軸上に並ぶ複数の第2のセンサをさらに備えた
請求項1記載のセンサユニット。
【請求項9】
前記複数の第1のセンサのうちの1つおよび前記複数の第2のセンサのうちの1つが、前記基板の前記中心位置に設けられた中心位置センサであり、
前記複数の第1のセンサの前記中心位置センサを除く他の前記第1のセンサは、前記中心位置センサを挟むように同数ずつ設けられており、
前記複数の第2のセンサの前記中心位置センサを除く他の前記第2のセンサは、前記中心位置センサを挟むように同数ずつ設けられている
請求項8記載のセンサユニット。
【請求項10】
前記複数の第1のセンサは、前記第1の軸上において互いに第1の距離を隔てるように配置されており、
前記複数の第2のセンサは、前記第2の軸上において互いに第2の距離を隔てるように配置されている
請求項8または請求項9に記載のセンサユニット。
【請求項11】
前記第1の距離と前記第2の距離とが実質的に等しい
請求項10記載のセンサユニット。
【請求項12】
前記複数の第1のセンサは、互いに実質的に等しい平面形状を有し、
前記複数の第1のセンサにおける前記第1の辺に沿った寸法は実質的に同一であり、
前記複数の第1のセンサにおける前記第2の辺に沿った寸法は実質的に同一であり、
前記複数の第2のセンサは、互いに実質的に等しい平面形状を有し、
前記複数の第2のセンサにおける前記第1の辺に沿った寸法は実質的に同一であり、
前記複数の第2のセンサにおける前記第2の辺に沿った寸法は実質的に同一である
請求項8から請求項11のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項13】
前記第1のセンサにおける前記第1の辺に沿った寸法と前記第2のセンサにおける前記第1の辺に沿った寸法とは実質的に同一であり、
前記第1のセンサにおける前記第2の辺に沿った寸法と前記第2のセンサにおける前記第2の辺に沿った寸法とは実質的に同一である
請求項12記載のセンサユニット。
【請求項14】
前記複数の第1のセンサは、実質的に同一の構造を有し、
前記複数の第2のセンサは、実質的に同一の構造を有する
請求項8から請求項13のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項15】
前記第1のセンサの構造と前記第2のセンサの構造とは、実質的に同一である
請求項14記載のセンサユニット。
【請求項16】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは、磁気抵抗効果素子を含む
請求項8から請求項15のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項17】
前記第1の辺の長さと前記第2の辺の長さとが実質的に等しい
請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項18】
前記基板の中心位置は前記回路チップの中心位置と一致している
請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のセンサユニット。
【請求項19】
互いに実質的に直交する第1の辺および第2の辺を含む、実質的に矩形の平面形状を有する基板と、
前記基板に積層された回路チップと、
前記回路チップに設けられ、前記第1の辺に実質的に平行であって前記回路チップの中心位置を通る第1の軸上に並ぶ複数の第1のセンサと、
前記回路チップに設けられ、前記第2の辺に実質的に平行であって前記回路チップの前記中心位置を通る第2の軸上に並ぶ複数の第2のセンサと
を備えた
センサユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基体に複数のセンサが配置されてなるセンサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、基体上に複数のセンサおよび集積回路などが設けられたセンサユニット(センサパッケージ)が知られている(例えば特許文献1参照)。このようなセンサパッケージとしては、例えば車軸などの回転体の回転動作を検出する角度検出センサが提案されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−63385号公報
【特許文献2】特開2006−208255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、最近、このようなセンサユニットの微小化と検出精度の向上とが強く求められるようになっている。
【0005】
しかしながら、寸法の縮小化が進むにつれ、環境温度変化や集積回路の発熱等による基体の歪みに起因する応力が各センサに印加され、結果として各センサの出力へ悪影響が生じるおそれがある。
【0006】
したがって、熱応力等に起因する検出精度の低下の少ない、信頼性に優れたセンサユニットを提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様としてのセンサユニットは、互いに実質的に直交する第1の辺および第2の辺を含む、実質的に矩形の平面形状を有する基板と、その基板に積層された回路チップと、その回路チップに設けられ、第1の辺に実質的に平行であって基板の中心位置を通る第1の軸上に並ぶ複数の第1のセンサとを備える。
【0008】
本発明の一実施態様としてのセンサユニットでは、複数の第1のセンサが、基体上の、第1の辺に実質的に平行であって基体の中心位置を通る第1の軸上に並ぶようにした。このため、複数の第1のセンサは、基体の歪みが比較的小さい位置に設置される。
【0009】
本発明の一実施態様としてのセンサユニットでは、基体に設けられた一端を各々有し、第1の辺もしくは第2の辺に沿って並び、または第1の辺および第2の辺の双方に沿って並ぶ複数のリードをさらに備えたものであってもよい。その場合、複数のリードは、第1の辺に沿って並んでいるとよい。さらに、基体に設けられ、第2の辺に実質的に平行であって基体の中心位置を通る第2の軸上に並ぶ複数の第2のセンサを備えていてもよい。その場合、複数の第1のセンサのうちの1つおよび複数の第2のセンサのうちの1つが、基体の中心位置に設けられた中心位置センサであり、複数の第1のセンサの中心位置センサを除く他の第1のセンサは中心位置センサを挟むように同数ずつ設けられており、複数の第2のセンサの中心位置センサを除く他の第2のセンサは中心位置センサを挟むように同数ずつ設けられているとよい。また、複数の第1のセンサは、第1の軸上において互いに第1の距離を隔てるように配置されており、複数の第2のセンサは、第2の軸上において互いに第2の距離を隔てるように配置されているとよい。その場合、第1の距離と第2の距離とが実質的に等しいことが望ましい。
【0010】
本発明の一実施態様としてのセンサユニットでは、複数の第1のセンサのうちの1つが、基体の中心位置に設けられた中心位置センサであり、複数の第1のセンサの中心位置センサを除く他の前記第1のセンサが、中心位置センサを挟むように同数ずつ設けられているようにしてもよい。複数の第1のセンサは、例えば第1の軸上において互いに第1の距離を隔てるように配置されていてもよい。
【0011】
本発明の一実施態様としてのセンサユニットでは、複数の第1のセンサは互いに実質的に等しい平面形状を有し、複数の第1のセンサにおける第1の辺に沿った寸法は実質的に同一であり、複数の第1のセンサにおける前記第2の辺に沿った寸法は実質的に同一であるとよい。複数の第1のセンサは、実質的に同一の構造を有するとよい。
【0012】
本発明の一実施態様としてのセンサユニットでは、複数の第1のセンサは、互いに実質的に等しい平面形状を有し、複数の第1のセンサにおける第1の辺に沿った寸法は実質的に同一であり、複数の第1のセンサにおける第2の辺に沿った寸法は実質的に同一であり、複数の第2のセンサは、互いに実質的に等しい平面形状を有し、複数の第2のセンサにおける第1の辺に沿った寸法は実質的に同一であり、複数の第2のセンサにおける第2の辺に沿った寸法は実質的に同一であるとよい。その場合、第1のセンサにおける第1の辺に沿った寸法と第2のセンサにおける第1の辺に沿った寸法とは実質的に同一であり、第1のセンサにおける第2の辺に沿った寸法と第2のセンサにおける第2の辺に沿った寸法とは実質的に同一であるとよい。複数の第1のセンサは実質的に同一の構造を有し、複数の第2のセンサは実質的に同一の構造を有するとよい。第1のセンサの構造と第2のセンサの構造とは、実質的に同一であるとよい。
【0013】
本発明の一実施態様としてのセンサユニットでは、第1のセンサおよび第2のセンサは、磁気抵抗効果素子を含むものであってもよい。また、第1の辺の長さと第2の辺の長さとが実質的に等しいものであってもよい。基体は、基板と、基板に積層された回路チップとを有し、基板の中心位置は回路チップの中心位置と一致しているとよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施態様としてのセンサユニットによれば、基体の歪みに伴って第1のセンサに印加される応力が緩和されるので、第1のセンサの出力を安定させることができる。したがって、高い信頼性を有するセンサユニットを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施の形態としてのセンサユニットの全体構成を表す平面図である。
図2図1に示したセンサユニットの断面構成を表す断面図である。
図3図1に示したセンサユニットの回路図である。
図4図1に示したセンサの構成を表す斜視図である。
図5図1に示したセンサの出力変化を模式的に表す特性図である。
図6図3に示した磁気抵抗効果素子の要部構成を模式的に表す分解斜視図である。
図7】第1の実施の形態の第1の変形例としてのセンサユニットの全体構成を表す平面図である。
図8】第1の実施の形態の第2の変形例としてのセンサユニットの全体構成を表す平面図である。
図9】第1の実施の形態の第3の変形例としてのセンサユニットの全体構成を表す平面図である。
図10】第1の実施の形態の第4の変形例としてのセンサユニットの全体構成を表す平面図である。
図11】第1の実施の形態の第5の変形例としてのセンサユニットの全体構成を表す平面図である。
図12】第1の実施の形態の第6の変形例としてのセンサユニットの全体構成を表す平面図である。
図13】第1の実施の形態の第7の変形例としてのセンサユニットの全体構成を表す平面図である。
図14】本発明の第2の実施の形態としてのセンサユニットの全体構成を表す平面図である。
図15】第2の実施の形態の第1の変形例としてのセンサユニットの全体構成を表す平面図である。
図16】第1の参考例としてのセンサユニットの全体構成を表す平面図である。
図17】第2の参考例としてのセンサユニットの全体構成を表す平面図である。
図18】第3の参考例としてのセンサユニットの全体構成を表す平面図である。
図19】実験例におけるセンサの特性値を表す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態およびその変形例
基体の中心位置とICチップの中心位置とが一致するようにしたセンサユニットの例。
2.第2の実施の形態およびその変形例
基体の中心位置とICチップの中心位置とが異なるようにしたセンサユニットの例。
3.実験例
4.その他の変形例
【0017】
<1.第1の実施の形態>
[センサユニット1Aの構成]
最初に、図1から図3を参照して、本発明における第1の実施の形態としてのセンサユニット1Aの構成について説明する。図1は、センサユニット1Aの全体構成例を表す平面図である。図2は、センサユニット1Aの、図1に示した第1の軸J1に沿った断面を表すものである。図3は、センサユニット1Aの概略構成を表す回路図である。このセンサユニット1Aは、例えば回転体の回転角の検出に用いられる角度検出センサとして用いられるものである。
【0018】
センサユニット1Aは、基板10と、その基板10に積層された集積回路(IC)チップ20と、ICチップ20に積層されたセンサ群30とを備えたものである。なお、基板10およびICチップ20を合わせたものが本発明の「基体」に対応する一具体例である。
【0019】
基板10は、互いに実質的に直交する第1の辺11および第2の辺12を含む、実質的に矩形の平面形状を有するものである。ここで、第1の辺11の長さと第2の辺12の長さとが実質的に等しく、基板10の平面形状は実質的に正方形となっているとよい。実質的に、とは、例えば製造誤差等に起因する程度のずれを許容する意味である。なお本明細書では、第1の辺11が延伸する方向をX軸方向とし、第2の辺12が延伸する方向をY軸方向とし、基板10の厚さ方向(図1の紙面に対して垂直な方向をZ軸方向とする。さらに図1では、基板10の中心位置、すなわち基板10の、X軸方向における中心位置を通る第2の軸J2とY軸方向における中心位置を通る第1の軸J1との交点に、符号10Jを付している。
【0020】
ICチップ20は、矩形の平面形状を有すると共に基板10よりも小さな占有面積を有する。センサユニット1Aでは、ICチップ20の中心位置20J、すなわちICチップ20の、X軸方向における中心位置とY軸方向における中心位置との交点は、基板10の中心位置10Jと実質的に一致している。なお、中心位置20Jと中心位置10Jとが一致する、とは、製造誤差等に起因する±30μm程度の範囲のずれを許容するものである。また、ICチップ20は、演算回路21(図3参照)を含んでいる。
【0021】
センサ群30は、例えば中心位置10J(20J)を通るX軸に平行な第1の軸J1上に並ぶセンサ31〜33を有する。センサ31〜33は、いずれも矩形の平面形状を有すると共にICチップ20よりも小さな占有面積を有する。また、センサ32は、中心位置10J(20J)に設けられた中心位置センサである。
【0022】
各センサ31〜33の平面形状は矩形であり、ICチップ20の寸法よりも小さな寸法を有する。各センサ31〜33の平面形状は、いずれも正方形であってもよい各センサ31〜33は、例えば実質的に同一の構造を有する磁気抵抗効果(MR)素子を含むものである。第1の軸J1上において、センサ31とセンサ32との距離D312は、センサ32とセンサ33との距離D323と実質的に等しいことが望ましい。したがって、センサ31とセンサ33とは、中心位置センサであるセンサ32を中心として線対称および点対称をなすように設けられている。
【0023】
センサ31〜33は、それぞれ、検出対象である外部磁場の変化(回転)に対して互いに例えば90°位相の異なる信号を出力する2つのセンサ部を有している。具体的には、図4に示したように、例えば磁気センサ部41と磁気センサ部42とを有している。なお、図4は、センサ31〜33の構成を表す斜視図である。磁気センサ部41は、外部磁場Hの変化(回転)を検知して差分信号S1を演算回路21へ出力する(図3)。同様に、磁気センサ部42は、外部磁場Hの変化(回転)を検知して差分信号S2を演算回路21へ出力する(図3)。但し、差分信号S1の位相と差分信号S2の位相とは互いに90°異なっている。例えば図5に示したように、外部磁場Hの回転角θに対し、差分信号S1がsinθに従う出力(例えば抵抗値)の変化を表すものであるとき、差分信号S2はcosθに従う出力(例えば抵抗値)の変化を表すものである。図5は、外部磁場Hの回転角θに対する出力の変化を模式的に表す特性図である。
【0024】
磁気センサ部41は、図3に示したように、4つの磁気抵抗効果(MR;Magneto-Resistive effect)素子41A〜41Dがブリッジ接続されたブリッジ回路411と、差分検出器412とを含んでいる。同様に、磁気センサ部42は、4つのMR素子42A〜42Dがブリッジ接続されたブリッジ回路421と、差分検出器422とを含んでいる。ブリッジ回路411は、MR素子41AおよびMR素子41Bの一端同士が接続点P1において接続され、MR素子41CおよびMR素子41Dの一端同士が接続点P2において接続され、MR素子41Aの他端とMR素子41Dの他端とが接続点P3において接続され、MR素子41Bの他端とMR素子41Cの他端とが接続点P4において接続されている。ここで、接続点P3は電源Vccと接続されており、接続点P4は接地されている。接続点P1,P2は、それぞれ差分検出器412の入力側端子と接続されている。この差分検出器412は、接続点P3と接続点P4との間に電圧が印加されたときの接続点P1と接続点P2との間の電位差(MR素子41A,41Dのそれぞれに生ずる電圧降下の差分)を検出し、差分信号S1として演算回路21へ向けて出力するものである。同様に、ブリッジ回路421は、MR素子42AおよびMR素子42Bの一端同士が接続点P5において接続され、MR素子42CおよびMR素子42Dの一端同士が接続点P6において接続され、MR素子42Aの他端とMR素子42Dの他端とが接続点P7において接続され、MR素子42Bの他端とMR素子42Cの他端とが接続点P8において接続されている。ここで、接続点P7は電源Vccと接続されており、接続点P8は接地されている。接続点P5,P6は、それぞれ差分検出器422の入力側端子と接続されている。この差分検出器422は、接続点P7と接続点P8との間に電圧が印加されたときの接続点P5と接続点P6との間の電位差(MR素子42A,42Dのそれぞれに生ずる電圧降下の差分)を検出し、差分信号S2として演算回路21へ向けて出力するものである。なお、図3において符号JSS1を付した矢印は、MR素子41A〜41D,42A〜42Dの各々における磁化固着層SS1(後出)の磁化の向きを模式的に表している。すなわち、MR素子41A,41Cの各抵抗値は、外部磁場Hの変化に応じて互いに同じ向きに変化(増加もしくは減少)し、MR素子41B,41Dの各抵抗値は、いずれも、外部磁場Hの変化に応じてMR素子41A,41Cとは反対向きに変化(減少もしくは増加)することを表している。また、MR素子42A,42Cの各抵抗値の変化は、外部磁場Hの変化に応じてMR素子41A〜41Dの各抵抗値の変化に対して位相が90°ずれている。MR素子42B,42Dの各抵抗値は、いずれも、外部磁場Hの変化に応じてMR素子42A,42Cとは反対向きに変化する。したがって例えば、外部磁場Hがθの方向に回転する(図4)と、ある角度範囲ではMR素子41A,41Cでは抵抗値が増大し、MR素子41B,41Cでは抵抗値が減少するという挙動を示す関係にある。その際、MR素子42A,42Cの抵抗値は、MR素子41A,41Cの抵抗値の変化に例えば90°だけ遅れて(あるいは進んで)変化し、MR素子42B,42Dの抵抗値は、MR素子41B,41Dの抵抗値の変化に90°だけ遅れて(あるいは進んで)変化することとなる。
【0025】
各MR素子41A〜41D,42A〜42Dは、例えば図6に示したように磁性層を含む複数の機能膜が積層されたスピンバルブ構造をなしている。具体的には、一定方向に固着された磁化JSS1を有する磁化固着層SS1と、特定の磁化方向を発現しない中間層SS2と、外部磁場Hの磁束密度に応じて変化する磁化JSS3を有する磁化自由層SS3とが順にZ軸方向に積層されてなるものである。磁化固着層SS1、中間層SS2および磁化自由層SS3は、いずれもXY面内に広がる薄膜である。したがって、磁化自由層SS3の磁化JSS3の向きは、XY面内において回転可能となっている。なお、図6は、外部磁場Hが磁化JSS3の向きに付与されている負荷状態を示している。また、MR素子41A,41Cにおける磁化固着層SS1は、例えば+X方向に固着された磁化JSS1を有し、MR素子41B,41Dにおける磁化固着層SS1は、−X方向に固着された磁化JSS1を有する。なお、磁化固着層SS1,中間層SS2および磁化自由層SS3は、いずれも単層構造であってもよいし、複数層からなる多層構造であってもよい。また、磁化固着層SS1,中間層SS2および磁化自由層SS3が、上記とは逆の順番に積層されていてもよい。
【0026】
磁化固着層SS1は、例えばコバルト(Co)やコバルト鉄合金(CoFe)、コバルト鉄ボロン合金(CoFeB)などの強磁性材料からなる。なお、磁化固着層SS1と隣接するように、中間層SS2と反対側に反強磁性層(図示せず)を設けるようにしてもよい。そのような反強磁性層は、白金マンガン合金(PtMn)やイリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性材料により構成されるものである。反強磁性層は、例えば磁気センサ部41においては、+X方向のスピン磁気モーメントと−X方向のスピン磁気モーメントとが完全に打ち消し合った状態にあり、隣接する磁化固着層SS1の磁化JSS1の向きを、+X方向へ固定するように作用する。
【0027】
スピンバルブ構造が磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)膜として機能するものである場合、中間層SS2は、例えば酸化マグネシウム(MgO)からなる非磁性のトンネルバリア層であり、量子力学に基づくトンネル電流が通過可能な程度に厚みの薄いものである。MgOからなるトンネルバリア層は、例えば、MgOからなるターゲットを用いたスパッタリング処理のほか、マグネシウム(Mg)の薄膜の酸化処理、あるいは酸素雰囲気中でマグネシウムのスパッタリングを行う反応性スパッタリング処理などによって得られる。また、MgOのほか、アルミニウム(Al),タンタル(Ta),ハフニウム(Hf)の各酸化物もしくは窒化物を用いて中間層SS2を構成することも可能である。なお中間層SS2は、例えばルテニウム(Ru)や金(Au)などの白金族元素や銅(Cu)などの非磁性金属により構成されていてもよい。その場合、スピンバルブ構造は巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant Magneto Resistive effect)膜として機能する。
【0028】
磁化自由層SS3は軟質強磁性層であり、例えばコバルト鉄合金(CoFe)、ニッケル鉄合金(NiFe)あるいはコバルト鉄ボロン合金(CoFeB)などによって構成される。
【0029】
ブリッジ回路411を構成するMR素子41A〜41Dには、それぞれ電源Vccからの電流I10が接続点P3において分流された電流I1もしくは電流I2が供給される。ブリッジ回路411の接続点P1,P2からそれぞれ取り出された信号e1,e2が差分検出器412に流入する。ここで、信号e1は例えば磁化JSS1と磁化JSS3とのなす角度をγとしたときAcos(+γ)+B(A,Bはいずれも定数)に従って変化する出力変化を表し、信号e2はAcos(γ−180°)+Bに従って変化する出力変化を表す。
【0030】
一方、ブリッジ回路421を構成するMR素子42A〜42Dには、それぞれ電源Vccからの電流I10が接続点P7において分流された電流I3もしくは電流I4が供給される。ブリッジ回路421の接続点P5,P6からそれぞれ取り出された信号e3,e4が差分検出器422に流入する。ここで、信号e3はAsin(+γ)+Bに従って変化する出力変化を表し、信号e4はAsin(γ−180°)+Bに従って変化する出力変化を表す。さらに、差分検出器412からの差分信号S1および差分検出器422からの差分信号S2が演算回路21に流入する。演算回路21では、tanγに応じた角度が算出される。ここで、γはセンサ群30に対する外部磁場Hの回転角θに相当するので、回転角θが求められるようになっている。
【0031】
[センサユニット1Aの動作および作用]
本実施の形態のセンサユニット1Aでは、例えばXY面内における外部磁場Hの回転角θの大きさを、センサ群30によって検出することができる。
【0032】
このセンサユニット1Aでは、センサ群30に対して外部磁場Hが回転すると、いずれもセンサ群30に及ぶX軸方向の磁界成分の変化およびY軸方向の磁界成分の変化が磁気センサ部41,42におけるMR素子41A〜41D,42A〜42Dによって検出される。その際、ブリッジ回路411,421からの出力として、例えば図5に示した変化を示す差分信号S1,S2が演算回路21へ流入する。そののち、演算回路21において、計算式Arctan(αsinθ/βcosθ)に基づいて外部磁場Hの回転角θを求めることができる。
【0033】
[センサユニット1Aの効果]
このセンサユニット1Aでは、センサ群30に含まれるセンサ31〜33における外部磁場Hに対する検出特性が向上している。
【0034】
具体的には、各センサ31〜33において、温度変化が生じた場合であっても、直交性(orthogonality)の低下が抑制されるようになっている。ここでいう直交性とは、例えば磁気センサ部41からの出力(差分信号S1)の位相に対する磁気センサ部42からの出力(差分信号S2)の位相の設定値(例えば90°)からのずれ量を意味する。このずれ量は0に近いほど好ましい。
【0035】
本実施の形態のセンサユニット1Aにおいて、センサ31〜33の直交性の低下が抑制されるのは、センサ31〜33がいずれも温度変化に起因する基板10の歪みが比較的小さい位置に設置されているためと考えられる。すなわち、複数のセンサ31〜33が、実質的に矩形の平面形状を有する基板10の、第1の辺11に実質的に平行であって中心位置10Jを通る第1の軸J1上に並ぶようにしたことにより、基板10の歪みの影響を受けにくいと考えられる。なお、温度変化の原因としては、周囲環境温度の変化のほか、ICチップ20の発熱が含まれる。
【0036】
特に、本実施の形態のセンサユニット1Aでは、複数のリード40の並び方向と一致する方向(ここではX軸方向)に複数のセンサ31〜33を並べるようにしたので、センサ31〜33の各々におよぶ応力をより緩和できる。複数のリード40と基板10との各接続点とセンサ31〜33とのY軸方向の距離をほぼ一定とすることができるからである。このため、センサ31〜33の直交性の低下を回避することができる。
【0037】
[第1の実施の形態の第1変形例(変形例1−1)]
図7は、本実施の形態における第1変形例(変形例1−1)としてのセンサユニット1Bの全体構成例を表す平面図である。上記第1の実施の形態としてのセンサユニット1では、複数のリード40の並び方向(X軸方向)と実質的に平行の第1の軸J1上に複数のセンサ31〜33を並べるようにした。これに対し、本変形例では、複数のリード40の並び方向(X軸方向)と実質的に直交すると共に中心位置10J(20J)を通る第2の軸J2上に複数のセンサ34,32,35を順に並べるようにした。ここで、センサ34とセンサ35とは、センサ32を中心として線対称および点対称をなすように配置されているとよい。すなわち、センサ34とセンサ32との距離D342と、センサ32とセンサ35との距離D325とが実質的に等しいことが望ましい。センサ34,32,35をこのように配置した場合であっても、センサ34,32,35における直交性の低下を回避することができる。
【0038】
[第1の実施の形態の第2変形例(変形例1−2)]
図8は、本実施の形態における第2変形例(変形例1−2)としてのセンサユニット1Cの全体構成例を表す平面図である。本変形例は、第1の軸J1および第2の軸J2上の双方において複数のセンサが並ぶようにしたものである。具体的には、第1の軸J1上においてセンサ31,32,33が並び、第2の軸J2上においてセンサ34,32,35が並ぶように構成されている。センサ31〜35は、中心位置10J(20J)を中心として回転対称の位置に配置されているとよい。センサ31〜35をこのように配置した場合であっても、センサ31〜35における直交性の低下を回避することができる。
【0039】
[第1の実施の形態の第3変形例(変形例1−3)]
図9は、本実施の形態における第3変形例(変形例1−3)としてのセンサユニット1Dの全体構成例を表す平面図である。上記第1の実施の形態としてのセンサユニット1では、複数のセンサ31〜33がいずれも正方形の平面形状を有するようにした。これに対し、本変形例では、各センサ31〜33が、それらの並び方向(X軸方向)の寸法よりも、その並び方向と直交する方向(Y軸方向)の寸法のほうが大きくなるようにした。センサ31〜33がこのような形状(長方形)を有するようにした場合、直交性の低減を回避することができ、かつ、振幅比の低減も回避することができる。ここでいう振幅比とは、例えば磁気センサ部41からの出力(差分信号S1)の振幅に対する磁気センサ部42からの出力(差分信号S2)の振幅の比をいう。この振幅比は1に近いほど好ましい。
【0040】
[第1の実施の形態の第4変形例(変形例1−4)]
図10は、本実施の形態における第4変形例(変形例1−4)としてのセンサユニット1Eの全体構成例を表す平面図である。本変形例では、第2の軸J2上においてセンサ34,32,35が並ぶように構成されると共に、センサ34,32,35が、それらの並び方向(Y軸方向)の寸法よりも、その並び方向と直交する方向(X軸方向)の寸法のほうが大きくなるようにした。本変形例であっても、センサ34,32,35における直交性の低減を回避することができ、かつ、振幅比の低減も回避することができる。
【0041】
[第1の実施の形態の第5変形例(変形例1−5)]
図11は、本実施の形態における第5変形例(変形例1−5)としてのセンサユニット1Fの全体構成例を表す平面図である。本変形例は、偶数個のセンサ51〜54が第1の軸J1上に並ぶようにしたものである。本変形例では、第2の軸J2を対称軸として、センサ51とセンサ54とが対称に配置され、センサ52とセンサ53とが対称に配置されているとよい。センサ51〜54がこのように配置されている場合であっても、センサ51〜54における直交性の低減を回避することができる。
【0042】
[第1の実施の形態の第6変形例(変形例1−6)]
図12は、本実施の形態における第6変形例(変形例1−6)としてのセンサユニット1Gの全体構成例を表す平面図である。本変形例は、偶数個のセンサ55〜58が第2の軸J2上に並ぶようにしたものである。本変形例では、第1の軸J1を対称軸として、センサ55とセンサ58とが対称に配置され、センサ56とセンサ57とが対称に配置されているとよい。センサ55〜58がこのように配置されている場合であっても、センサ55〜58における直交性の低減を回避することができる。
【0043】
[第1の実施の形態の第7変形例(変形例1−7)]
図13は、本実施の形態における第7変形例(変形例1−7)としてのセンサユニット1Hの全体構成例を表す平面図である。本変形例は、第1の軸J1および第2の軸J2上の双方において複数のセンサが並ぶようにしたものである。具体的には、第1の軸J1上においてセンサ31,33が並び、第2の軸J2上においてセンサ34,35が並ぶように構成されている。センサ31,33,34,35は、中心位置10J(20J)を中心として回転対称の位置に配置されているとよい。センサ31,33,34,35をこのように配置した場合であっても、センサ31,33,34,35における直交性の低減を回避することができる。
【0044】
<2.第2の実施の形態>
[センサユニット2Aの構成]
図14は、本発明における第2の実施の形態としてのセンサユニット2Aの全体構成例を表す平面図である。上記第1の実施の形態のセンサユニット1A,1Bは、ICチップ20の中心位置20Jと基板10の中心位置10Jとが実質的に一致するようにしたものである。これに対し、本実施の形態のセンサユニット2Aは、ICチップ20の中心位置20Jと基板10の中心位置10Jとが異なるようにしたものである。具体的には、ICチップ20の中心位置20Jが基板10の中心位置10Jよりも+X方向に移動した位置となるようにした。また、センサ31〜33は、第1の軸J1と直交すると共にICチップ20の中心位置20Jを通る第3の軸J3上に並ぶように配置されている。
【0045】
本実施の形態のセンサユニット2Aにおいても、センサ31〜33における直交性の低減を回避することができる。
【0046】
[第2の実施の形態の変形例(変形例2−1)]
図15は、本実施の形態における第1変形例(変形例2−1)としてのセンサユニット2Bの全体構成例を表す平面図である。本変形例は、第2の軸J2上においてセンサ34,32,35が順に並ぶようにしたことを除き、他は上記センサユニット2Aと同様の構成を有する。センサ34,32,35をこのように配置した場合であっても、センサ34,32,35における直交性の低減を回避することができる。
【0047】
<3.実験例>
上記第1および第2の実施の形態ならびにそれらの変形例として挙げた各センサユニット1A〜1H,2A,2Bのサンプルを作製し、各々における振幅比(%)および直交性(deg)を測定した。ここで、実験例1Aは図1のセンサユニット1Aに対応し、実験例1Bは図7のセンサユニット1Bに対応し、実験例1Cは図8のセンサユニット1Cに対応し、実験例1Dは図9のセンサユニット1Dに対応し、実験例1Eは図10のセンサユニット1Eに対応し、実験例1Fは図11のセンサユニット1Fに対応し、実験例1Gは図12のセンサユニット1Gに対応し、実験例1Hは図13のセンサユニット1Hに対応し、実験例2Aは図14のセンサユニット2Aに対応し、実験例2Bは図15のセンサユニット2Bに対応する。
【0048】
また、実験例3Aは、図16に示した参考例としてのセンサユニット3Aに対応するものであり、実験例3Bは、図17に示した参考例としてのセンサユニット3Bに対応するものであり、実験例3Cは、図18に示した参考例としてのセンサユニット3Cに対応するものである。図16のセンサユニット3Aは、第1の軸J1から外れた位置においてX軸方向に並ぶセンサ131〜133からなるセンサ群130を備えたものである。図17のセンサユニット3Bは、第2の軸J2から外れた位置においてY軸方向に並ぶセンサ134,132,135からなるセンサ群130Aを備えたものである。図18のセンサユニット3Cは、第1の軸J1および第2の軸J2の双方に対して斜めの方向に並ぶセンサ131〜133からなるセンサ群130を備えたものである。
【0049】
図19に、それぞれのサンプルについて、直交性と、基板加熱後の振幅比と基板加熱前の振幅比との差分(以下、単に振幅比の差分という。)との関係を示す。ここでいう基板加熱後の振幅比は、基板10を120℃で24h保持した直後に測定した振幅比である。基板加熱前の振幅比は室温(23℃)下で測定した振幅比である。振幅比の差分は、0に近いほど好ましく、実質的に0であることが最も好ましい。図19において、横軸が直交性[deg]を示し、縦軸が振幅比の差分[%]を示す。なお、図19では、実験例1A〜3Cに対応するプロットにそれぞれ符号PL1A〜3Cを付している。図19は、各サンプルにおける周辺部に位置するセンサに対応するデータを示している。具体的には、図19において、実験例1A(図1)はセンサ33に、実験例1B(図7)はセンサ35に、実験例1C(図8)はセンサ33に、実験例1D(図9)はセンサ33に、実験例1E(図10)はセンサ35に、実験例1F(図11)はセンサ54に、実験例1G(図12)はセンサ58に、実験例1H(図13)はセンサ33に、実験例2A(図14)はセンサ35に、実験例2B(図15)はセンサ35に、実験例3A(図16)はセンサ133に、実験例3B(図17)はセンサ135に、実験例3C(図18)はセンサ133にそれぞれ対応するデータを示している。
【0050】
図19に示したように、参考例としての実験例3A〜3C(プロットPL3A〜3C)では、直交性の劣化が見られたが、それ以外の実験例では比較的良好な直交性が得られた。中でも、実験例1A,1B(図1図7)ではより良好な振幅比が得られ、実験例1D,1E,1H(図9図10図13)ではよりいっそう良好な振幅比が得られた。
【0051】
<4.その他の変形例>
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態等では、3または4個のセンサがX軸方向またはY軸方向に並ぶようにした例を説明したが、本発明では、センサの数はこれに限定されるものではなく、2以上であれば任意に選択可能である。また、1つのセンサユニットに搭載される各センサの形状および寸法は同一の場合に限定されるものではない。
【0052】
また、上記実施の形態等では、回転体の回転角の検出に用いられる角度検出センサとして用いられるセンサユニットについて説明したが、本発明のセンサユニットの用途はそれに限定されない。例えば地磁気を検出する電子コンパスなどにも適用可能である。また、センサは磁気抵抗効果素子以外の検出素子、例えばホール素子等を含むものであってもよい。
【0053】
なお本発明は、磁気抵抗効果素子として、GMR膜を有するGMR素子を採用した場合よりもMTJ膜を有する磁気トンネル接合素子(TMR素子)を採用した場合に特に有用である。一般的に、TMR素子はGMR素子よりも感度が高いため、センサに印加される応力の影響を受けやすい(誤差の増大が生じやすい)からである。
【符号の説明】
【0054】
1A〜1H,2A,2B…センサユニット、10…基板、10J…中心位置、11…第1の辺、12…第2の辺、20…ICチップ、20J…中心位置、21…演算回路、30…センサ群、31〜33…センサ、41,42…磁気センサ部、411,421…ブリッジ回路、412,422…差分検出器、41A〜41D,42A〜42D…MR素子、40…リード、J1…第1の軸、J2…第2の軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図16
図17
図18
図19