特許第6563602号(P6563602)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6563602無線通信システムにおけるマスタ端末及びそのコンパニオン装置のモビリティをサポートする方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563602
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおけるマスタ端末及びそのコンパニオン装置のモビリティをサポートする方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/08 20090101AFI20190808BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20190808BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20190808BHJP
   H04W 84/14 20090101ALI20190808BHJP
   H04W 4/80 20180101ALI20190808BHJP
【FI】
   H04W36/08
   H04W88/04
   H04W84/10 110
   H04W84/14
   H04W4/80
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-528761(P2018-528761)
(86)(22)【出願日】2016年12月2日
(65)【公表番号】特表2019-501583(P2019-501583A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(86)【国際出願番号】KR2016014096
(87)【国際公開番号】WO2017095180
(87)【国際公開日】20170608
【審査請求日】2018年6月1日
(31)【優先権主張番号】62/261,860
(32)【優先日】2015年12月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】シュイ チアン
(72)【発明者】
【氏名】リ ヨンテ
(72)【発明者】
【氏名】ピョン テウク
【審査官】 石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−522211(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/030557(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/084028(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/046447(WO,A1)
【文献】 特開2010−259020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
H04B 7/24 − 7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいてハンドオーバ手順を実行する方法であって、当該方法は、ターゲットeノードB(eNB)によって実行され、
ソースeNBからマスタ端末(UE)のUEコンテキスト及びウェアラブル装置を含むコンパニオンUEのUEコンテキストを有するハンドオーバ要求メッセージを受信し、
前記ハンドオーバ要求メッセージに基づいて、前記マスタUEと前記コンパニオンUEとの間の関係を決定することを有し、
前記マスタUEとコンパニオンUEとの間の関係は、前記コンパニオンUEのUEコンテキスト及び前記マスタUEのUEコンテキストの両方に基づいて、対であると決定され、
前記コンパニオンUEは、前記マスタUEを介して前記ソースeNBに接続される、方法。
【請求項2】
前記コンパニオンUEは、第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)アクセスネットワーク、ブルートゥース又はWi−Fiのうちの一つを介して前記マスタUEに接続される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マスタUEのUEコンテキスト及び前記コンパニオンUEのUEコンテキストは、各々、前記マスタUEの発展型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク無線アクセスベアラ(E−RAB)及び前記コンパニオンUEのE−RABに関係する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記マスタUEのE−RABと前記コンパニオンUEのE−RABとは、E−RAB識別子(ID)、E−RABレベルサービス品質(QoS)パラメータ、ダウンリンク(DL)フォワーディング又はアップリンク(UL)汎用パケット無線サービストンネルプロトコル(GTP)トンネルエンドポイントのうちの一つに基づいて互いに区別される、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記マスタUEのUEコンテキスト及び前記コンパニオンUEのUEコンテキストは、各々、前記マスタUEの無線リソース制御(RRC)コンテキスト及び前記コンパニオンUEのRRCコンテキストに関係する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記マスタUEのRRCコンテキストと前記コンパニオンUEのRRCコンテキストとは、互いに区別されるか、又は一つのRRCコンテキストにマージされる、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記マスタUEのUEコンテキスト及び前記コンパニオンUEのUEコンテキストは、各々、前記マスタUEの測定報告及び前記コンパニオンUEの測定報告に関係する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記マスタUEの測定報告と前記コンパニオンUEの測定報告とは、互いに区別される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
無線通信システムにおけるハンドオーバ手順を実行するターゲットeノードB(eNB)であって、
送受信部と、
メモリと、
前記メモリ及び前記送受信部動作可能に接続されるプロセッサと、を有し、
前記プロセッサは、
前記送受信部が、ソースeNBからマスタ端末(UE)のUEコンテキスト及びウェアラブル装置を含むコンパニオンUEのUEコンテキストを有するハンドオーバ要求メッセージを受信するよう制御し、
前記ハンドオーバ要求メッセージに基づいて、前記マスタUEと前記コンパニオンUEとの間の関係を決定するよう構成され、
前記マスタUEとコンパニオンUEとの間の関係は、前記コンパニオンUEのUEコンテキスト及び前記マスタUEのUEコンテキストの両方に基づいて、対であると決定され、
前記コンパニオンUEは、前記マスタUEを介して前記ソースeNBに接続される、ターゲットeNB。
【請求項10】
前記マスタUEのUEコンテキスト及び前記コンパニオンUEのUEコンテキストは、各々、前記マスタUEの測定報告及び前記コンパニオンUEの測定報告に関係する、請求項9に記載のターゲットeNB。
【請求項11】
前記コンパニオンUEは、第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)アクセスネットワーク、ブルートゥース又はWi−Fiのうちの一つを介して前記マスタUEに接続される、請求項に記載のターゲットeNB。
【請求項12】
前記マスタUEの測定報告と前記コンパニオンUEの測定報告とは、互いに区別される、請求項9に記載のターゲットeNB。
【請求項13】
前記マスタUEのUEコンテキスト及び前記コンパニオンUEのUEコンテキストは、各々、前記マスタUEの発展型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク無線アクセスベアラ(E−RAB)及び前記コンパニオンUEのE−RABに関係する、請求項に記載のターゲットeNB。
【請求項14】
前記マスタUEのE−RABと前記コンパニオンUEのE−RABとは、E−RAB識別子(ID)、E−RABレベルサービス品質(QoS)パラメータ、ダウンリンク(DL)フォワーディング又はアップリンク(UL)汎用パケット無線サービストンネルプロトコル(GTP)トンネルエンドポイントのうちの一つに基づいて互いに区別される、請求項13に記載のターゲットeNB。
【請求項15】
前記マスタUEのUEコンテキスト及び前記コンパニオンUEのUEコンテキストは、各々、前記マスタUEの無線リソース制御(RRC)コンテキスト及び前記コンパニオンUEのRRCコンテキストに関係する、請求項9に記載のターゲットeNB。
【請求項16】
前記マスタUEのRRCコンテキストと前記コンパニオンUEのRRCコンテキストとは、互いに区別されるか、又は一つのRRCコンテキストにマージされる、請求項15に記載のターゲットeNB。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関し、より詳しくは、無線通信システムにおけるマスタ端末(UE;User Equipment)及びそのコンパニオン装置(companion device)のモビリティ(mobility)をサポートする方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP LTEは、高速パケット通信を可能とするための技術である。LTEの目標であるユーザ及び事業者のコスト節減、サービス品質向上、カバレッジ拡張及びシステム容量増大のために多くの方式が提案された。3GPP LTEは、上位レベルの必要条件として、ビット当たりのコスト節減、サービス有用性の向上、周波数バンドの柔軟な使用、簡単な構造、オープンインターフェース及び端末の適切な電力消費を要求する。
【0003】
スマートウォッチ(smart watches)などのウェアラブル装置は、市販されている新しいタイプのユーザ機器として現在利用可能である。ウェアラブル装置の数が増加するに応じて、このようなデバイスに対する顧客の要求が大きくなっている。例えば、顧客は、一般的なウォッチのバッテリ寿命などのように、スマートウォッチからの非常に長いバッテリ寿命を期待する。また、例えば、音声、ストリーミング、eHealth、一般的なスマートフォンなどの、遅延センシティブ(delay sensitive)サービスを含む多様なアプリケーション/サービスに対するサポートも期待する。
【0004】
長いバッテリ寿命を提供するために、3GPPは、Rel−12では節電モード(power saving mode)を標準化し、Rel−13では拡張された不連続受信(DRX;Discontinuous Reception)を標準化した。しかし、このような特徴は、LTEアクセスをサポートするウェアラブル装置における遅延センシティブサービスに適しない。また、Rel−12 MTC(Machine-Type Communication)の端末(UE;User Equipment)カテゴリ0及びRel−13 MTCの新しいUEカテゴリは、このようなウェアラブル装置により使われる多様なアプリケーション/サービスを完全にサポートできない。
【0005】
3GPP SA1研究項目(study item)である新しいSMARTER(Services and Markets Technology Enablers)が進展した。SMARTERの側面(aspects)のうちの一つは、ウェアラブル装置及びIoT(internet-of-things)装置に向上した接続(連結)性(connectivity)を提供することである。向上した接続性により他のUEを介して装置をネットワークに接続できる。装置は、ネットワークに対する直接接続(direct connection)と中継接続(relayed connection)との間でスイッチできる。
【0006】
市販されているウェアラブル装置は、UE間の短距離通信無線接続技術(radio access technology、RAT)のためのブルートゥース(登録商標)及びWLAN(Wireless Local Area Network)をサポートする。市販されている装置を考慮すれば、ブルートゥース(登録商標)又はWLANを介して向上した接続性をサポートすることは興味深いことである。一方、ブルートゥース(登録商標)及びWLANは、互いに異なるサービス品質(QoS;quality of service)を有する多様なサービスを完全にサポートすることはできない。
【0007】
ウェアラブル装置が向上した接続性により他のUEを介してネットワークに接続される場合、ウェアラブル装置に対するモビリティ、即ち、ハンドオーバ手順が考慮されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、無線通信システムにおけるマスタ端末(UE;User Equipment)及びそのコンパニオン装置のモビリティをサポートする方法及び装置を提供する。本発明は、マスタUE及びコンパニオンUEの両方のUEコンテキスト(コンテクスト)(UE context)を含むハンドオーバ要求メッセージを転送(送信)する(transmitting)方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様において、無線通信システムにおけるターゲットeノードB(eNB;eNodeB)がハンドオーバ手順を実行する方法が提供される。方法は、ソースeNBからマスタ端末(UE;User Equipment)のUEコンテキスト及びコンパニオンUEのUEコンテキストを有するハンドオーバ要求メッセージを受信し、マスタUEとコンパニオンUEとの間の関係を識別することを有する。
【0010】
他の態様において、無線通信システムにおけるハンドオーバ手順のターゲットeNB(eNodeB)が提供される。ターゲットeNBは、メモリと、メモリに接続されるプロセッサと、を有し、プロセッサは、ソースeNBからマスタ端末(UE;User Equipment)のUEコンテキスト及びコンパニオンUEのUEコンテキストを有するハンドオーバ要求メッセージを受信し、マスタUEとコンパニオンUEとの間の関係を識別する。
【発明の効果】
【0011】
ウェアラブル装置がターゲットeNB(eNodeB)に効率的にハンドオーバされることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】LTEシステムの構造を示す図である。
図2】一般的なE−UTRAN及びEPCの構造のブロック図である。
図3】LTEシステムのユーザプレーンプロトコルスタックのブロック図である。
図4】LTEシステムの制御プレーンプロトコルスタックのブロック図である。
図5】物理チャネル構造の一例を示す図である。
図6】コンパニオン(companion)UEのためのネットワークへの中継ベース接続の例を示す図である。
図7】マスタUE及びコンパニオンUEの両方に対するモビリティの例を示す図である。
図8】本発明の一実施例によるハンドオーバ手順を実行する方法を示す図である。
図9】本発明の実施例が具現される無線通信システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などの多様な無線通信システムに使われることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000などの無線技術で具現されることができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data rates for GSM evolution)などの無線技術で具現されることができる。OFDMAは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、E−UTRA(evolved UTRA)などの無線技術で具現されることができる。IEEE802.16mは、IEEE802.16eから発展したもの(evolution)であり、IEEE802.16に基づくシステムとの後方互換性(backward compatibility)を提供する。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP;3rd Generation Partnership Project)LTE(Long Term Evolution)は、E−UTRA(Evolved-UMTS Terrestrial Radio Access)を使用するE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、ダウンリンクでOFDMAを採用し、アップリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEから発展したものである。
【0014】
説明を明確にするために、LTE−Aを中心に記述するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるものではない。
【0015】
図1は、LTEシステムの構造を示す。通信ネットワークは、IMS及びパケットデータを介したインターネット電話(Voice over internet protocol:VoIP)などの多様な通信サービスを提供するために広く設置される。
【0016】
図1を参照すると、LTEシステム構造は、一つ又は複数の端末(UE)10、E−UTRAN(Evolved-UMTS Terrestrial Radio Access Network)及びEPC(Evolved Packet Core)を含む。端末10は、ユーザにより携帯される(carried by)通信装置である。端末10は、固定されてもよいし、モビリティを有してもよく、MS(Mobile Station)、UT(User Terminal)、SS(Subscriber Station)、無線機器(wireless device)等、他の用語で呼ばれることもある。
【0017】
E−UTRANは一つ又は複数のeNB(evolved node-B)20を含み、一つのセルに複数のUEが存在することができる。eNB20は、制御プレーン(control plane)及びユーザプレーン(user plane)の終端点をUEに提供する。eNB20は、一般に、UE10と通信する固定された局(ポイント)(fixed station)をいい、BS(Base Station)、アクセスポイント(access point)など、他の用語で呼ばれることがある。一つのeNB20はセル毎に配置できる。
【0018】
以下、DLはeNB20からUE10への通信を意味し、ULはUE10からeNB20への通信を意味する。DLにおいて、送信器はeNB20の一部であり、受信器はUE10の一部でありうる。ULにおいて、送信器はUE10の一部であり、受信器はeNB20の一部でありうる。
【0019】
EPCは、MME(Mobility Management Entity)及びS−GW(Serving GateWay)を含む。MME/S−GW 30は、ネットワークの終端に配置できる。明確性のために、本願において、MME/S−GW 30は単純に“ゲートウェイ”と称されるが、このようなエンティティ(entity)は、MME及びS−GWを含むものとして理解される。PDN(Packet Data Network)ゲートウェイ(P-GW)は、外部ネットワークに接続できる。
【0020】
MMEは、eNB20へのNAS(non-access stratum)シグナリング、NASシグナリングセキュリティ(保安)(security)、AS(Access Stratum)セキュリティ制御、3GPPアクセスネットワーク間のモビリティのためのinter CN(Core Network)(CN間)ノードシグナリング、(ページング再転送の制御及び実行を含む)アイドルモード端末到達可能性、(アイドルモード及び活性化モードであるUEのための)トラッキング領域リスト管理、P−GW(PDN(Packet Data Network) GateWay)及びS−GW選択、MME変更に伴うハンドオーバのためのMME選択(MME selection for handovers with MME change)、2G又は3G 3GPPアクセスネットワークへのハンドオーバのためのSGSN(Serving GPRS Support Node)選択、ローミング、認証、専用ベアラ設定を含むベアラ管理機能、(地震/津波警報システム(ETWS)、及び商用モバイル警報システム(CMAS)を含む)PWS(Public Warning System)メッセージ転送のサポートなどの多様な機能を提供する。S−GWホストは、(例えば、ディープパケットインスペクション(deep packet inspection)を通じた)ユーザ別ベースの(per-user based)パケットフィルタリング、ローフルインターセプション(lawful interception)、端末IP(Internet Protocol)アドレス割当、DLにおけるトランスポートレベル(transport level)パケットマーキング(packet marking)、UL/DLサービスレベル課金、ゲーティング及びレート強制(rate enforcement)、APN−AMBR(Access Point Name Aggregate Maximum Bit Rate)に基づいたDLレート強制の各種の機能を提供する。
【0021】
ユーザトラフィック転送又は制御トラフィック転送のためのインターフェースが使用できる。UE10とeNB20とは、Uuインターフェースにより接続される。eNB20は、X2インターフェースにより相互間で接続される。隣り合うeNB20は、X2インターフェースによるメッシュネットワーク(meshed network)構造を有することができる。複数のノードは、eNB20とゲートウェイ30との間におけるS1インターフェースを介して接続できる。
【0022】
図2は、一般的なE−UTRAN及びEPCの構造のブロック図である。図2を参照すると、eNB20は、ゲートウェイ30に対する選択、無線リソース制御(RRC;Radio Resource Control)活性化(activation)中のゲートウェイ30へのルーティング(routing)、ページングメッセージのスケジューリング及び転送、BCH(Broadcast CHannel)情報のスケジューリング及び転送、UL及びDLにおけるUE10へのリソースの動的割当、eNB測定の設定(configuration)及び提供(provisioning)、無線ベアラ制御、RAC(Radio Admission Control)(無線許可制御)及びLTE活性状態における接続モビリティ(連結移動性)制御機能を実行することができる。前述したように、ゲートウェイ30は、EPCでページング開始、LTEアイドル状態管理、ユーザプレーンの暗号化、SAEベアラ制御及びNASシグナリングの暗号化及び完全性保護(integrity protection)機能を実行することができる。
【0023】
図3は、LTEシステムのユーザプレーンプロトコルスタックのブロック図である。図4は、LTEシステムの制御プレーンプロトコルスタックのブロック図である。UEとE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコルの階層は、通信システムで広く知られたOSI(Open System Interconnection)モデルの下位3層に基づいて、L1(第1層)、L2(第2層)、及びL3(第3層)に区分される。
【0024】
物理層(PHY;PHYsical layer)はL1に属する。物理層は、物理チャネルを介して上位層に情報転送サービスを提供する。物理層は、上位層であるMAC(Media Access Control)層とトランスポート(転送)チャネル(transport channel)を介して接続される。物理チャネルは、トランスポートチャネルにマッピングされる。トランスポートチャネルを介してMAC層と物理層との間でデータが転送される。互いに異なる物理層間、即ち送信器の物理層と受信器の物理層との間で、データは、物理チャネルを介して転送される。
【0025】
MAC層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層はL2に属する。MAC層は、論理チャネル(logical channel)を介して上位層であるRLC層にサービスを提供する。MAC層は、論理チャネル上のデータ転送サービスを提供する。RLC層は、信頼性あるデータ転送をサポートする。一方、RLC層の機能は、MAC層の内部の機能ブロックで具現されることができ、この際、RLC層は存在しないこともある。PDCP層は、相対的に帯域幅の小さい無線インターフェース上でIPv4又はIPv6などのIPパケットを導入して転送されるデータが効率良く転送されるように不要な制御情報を減らすヘッダ圧縮機能を提供する。
【0026】
RRC(Radio Resource Control)層は、L3に属する。L3の最も下端部分に位置するRRC層は、制御プレーンのみで定義される。RRC層は、RB(Radio Bearer)などの設定(configuration)、再設定(re-configuration)、及び解放(解除)(release)と関連して論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルなどの制御を担当する。RBは、UEとE−UTRANとの間のデータ転送のためにL2により提供されるサービスを意味する。
【0027】
図3を参照すると、RLC層及びMAC層(ネットワーク側においてeNBで終了)は、スケジューリング、ARQ及びHARQなどの機能を実行することができる。PDCP層(ネットワーク側においてeNBで終了)は、ヘッダ圧縮、完全性保護、及び暗号化などのユーザプレーン機能を実行することができる。
【0028】
図4を参照すると、RLC/MAC層(ネットワーク側においてeNBで終了)は、制御プレーンのために同一の機能を実行することができる。RRC層(ネットワーク側においてeNBで終了)は、ブロードキャスト(放送)(broadcasting)、ページング、RRC接続管理、RB制御、モビリティ機能、及びUE測定報告及び制御などの機能を実行することができる。NAS制御プロトコル(ネットワーク側におけるゲートウェイのMMEで終了)は、SAEベアラ管理、認証、LTE_IDLEモビリティ管理、LTE_IDLEにおけるページング開始、及びゲートウェイとUEとの間のシグナリングのためのセキュリティ制御などの機能を実行することができる。
【0029】
図5は、物理チャネル構造の一例を示す。物理チャネルは、無線リソースを通じてUEの物理層とeNBの物理層との間のシグナリング及びデータを転送する。物理チャネルは、時間領域における複数のサブフレームと周波数領域における複数の副搬送波とで構成される。1msである一つのサブフレームは、時間領域で複数のシンボルで構成される。該当サブフレームの特定シンボル、例えばサブフレームの第1のシンボルはPDCCHのために使用できる。PDCCHは、PRB(Physical Resource Block)及びMCS(Modulation and Coding Schemes)などの動的に割り当てられたリソースを運ぶことができる。
【0030】
DLトランスポートチャネルは、システム情報を転送するために使われるBCH(Broadcast CHannel)、UEをページングするために使われるPCH(Paging CHannel)、ユーザトラフィック又は制御信号を転送するために使われるダウンリンク共有チャネル(DL−SCH;DownLink Shared CHannel)、マルチキャスト又はブロードキャストサービス転送のために使われるMCH(Multicast CHannel)などを含む。DL−SCHは、HARQ、変調、コーディング及び転送電力の変化による動的リンク適応及び動的/準静的(semi-static)リソース割当をサポートする。また、DL−SCHは、セル全体におけるブロードキャスト及びビームフォーミングの使用を可能にすることができる。
【0031】
ULトランスポートチャネルは、一般にセルへの初期接続(initial access)のために使われるRACH(Random Access CHannel)、ユーザトラフィック、又は制御信号を転送するために使われるアップリンク共有チャネル(UL−SCH;UpLink Shared CHannel)などを含む。UL−SCHは、HARQ及び転送電力及び潜在的な変調及びコーディングの変化による動的リンク適応をサポートする。また、UL−SCHは、ビームフォーミングの使用を可能にすることができる。
【0032】
論理チャネルは、転送される情報の種類によって、制御プレーンの情報伝達のための制御チャネルとユーザプレーンの情報伝達のためのトラフィックチャネルとに分類される。即ち、論理チャネルタイプの集合(セット)は、MAC層により提供される互いに異なるデータ転送サービスのために定義される。
【0033】
制御チャネルは、制御プレーンの情報伝達のみのために使われる。MAC層により提供される制御チャネルは、BCCH(Broadcast Control CHannel)、PCCH(Paging Control CHannel)、CCCH(Common Control CHannel)、MCCH(Multicast Control CHannel)、及びDCCH(Dedicated Control CHannel)を含む。BCCHは、システム制御情報をブロードキャストするためのDLチャネルである。PCCHは、ページング情報の転送のためのDLチャネルであり、ネットワークがUEのセル単位の位置を知らないときに使われる。CCCHは、ネットワークとRRC接続を有しないとき、UEにより使われる。MCCHは、ネットワークからUEにMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Services)制御情報を転送するために使われる一対多のDLチャネルである。DCCHは、UEとネットワークとの間における専用制御情報転送のために、RRC接続を有するUEにより使われる一対一の両方向チャネルである。
【0034】
トラフィックチャネルは、ユーザプレーンの情報伝達のみのために使われる。MAC層により提供されるトラフィックチャネルは、DTCH(Dedicated Traffic CHannel)及びMTCH(Multicast Traffic CHannel)を含む。DTCHは、一対一のチャネルであって、一つのUEのユーザ情報の転送のために使われ、UL及びDLの両方に存在することができる。MTCHは、ネットワークからUEにトラフィックデータを転送するための一対多のDLチャネルである。
【0035】
論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のUL接続は、UL−SCHにマッピングできるDCCH、UL−SCHにマッピングできるDTCH、及びUL−SCHにマッピングできるCCCHを含む。論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のDL接続は、BCH又はDL−SCHにマッピングできるBCCH、PCHにマッピングできるPCCH、DL−SCHにマッピングできるDCCH、DL−SCHにマッピングできるDTCH、MCHにマッピングできるMCCH、及びMCHにマッピングできるMTCHを含む。
【0036】
RRC状態は、UEのRRC層がE−UTRANのRRC層と論理的に接続されている(connected)か否かを指示する。RRC状態は、RRC接続状態(RRC_CONNECTED)及びRRCアイドル状態(RRC_IDLE)などの2種類に分けられる。RRC_IDLEで、UEがNASにより設定されたDRX(Discontinuous Reception)を指定する間に、UEは、システム情報及びページング情報のブロードキャストを受信することができる。そして、UEは、トラッキング領域でUEを固有に指定する識別子(ID;IDentification)の割当を受けて、PLMN(Public Land Mobile Network)選択及びセル再選択を実行することができる。またRRC_IDLEでは、いかなるRRCコンテキストもeNBに記憶されない(stored)。
【0037】
RRC_CONNECTEDにおいて、UEは、E−UTRANでE−UTRAN RRC接続及びコンテキストを有し、eNBにデータを転送及び/又はeNBからデータを受信することが可能である。また、UEは、eNBにチャネル品質情報及びフィードバック情報を報告することができる。RRC_CONNECTEDにおいて、E−UTRANは、UEが属するセルを知ることができる。したがって、ネットワークは、UEにデータを転送及び/又はUEからデータを受信することができ、ネットワークは、UEのモビリティ(ハンドオーバ及びNACC(Network Assisted Cell Change)を通じてのGERAN(GSM(登録商標) EDGE Radio Access Network)でinter−RAT(Radio Access Technology)(RAT間)セル変更指示)を制御することができ、ネットワークは、隣り合うセルのためにセル測定を実行することができる。
【0038】
RRC_IDLEにおいて、UEは、ページングDRX周期を指定する。具体的には、UEは、UE固有(UE specific)ページングDRX周期毎の特定のページング機会(paging occasion)にページング信号をモニタリングする。ページング機会は、ページング信号が転送される間の時間区間である。UEは、自体だけのページング機会を有する。ページングメッセージは、同一のトラッキング領域(TA;Tracking Area)に属する全てのセル上に転送される。UEが一つのTAから他のTAに移動すれば、UEは、自体の位置をアップデートするためにネットワークにTAU(Tracking Area Update)メッセージを転送することができる。
【0039】
LTE技術を使用して低コストのMTC(Machine Type Communication)装置を接続して管理することに大きな関心がある。また、このような低コスト装置の重要な一例はウェアラブルであり、ほとんどの場合中継の役割を行うことができるスマートフォンに近接できるというメリットを有する。低コスト装置の場合、非3GPP短距離技術を含む、装置−対−装置(D2D;device-to-device)のアプリケーションが論議された。特に、D2D支援ウェアラブル及びMTCアプリケーション(D2D aided wearable and MTC applications)を可能にするために、より向上されたLTE技術の二つの主要な側面がある。
【0040】
1)UE−対−ネットワーク中継機能の改善(enhancement):近接ベースサービス(ProSe;proximity-based services)におけるUE−対−ネットワーク中継アーキテクチャは、アクセス層(access stratum)において遠隔UEのトラフィックを中継UEのトラフィックと差別化しない。このモデルは、ネットワーク及び運用者の、例えば、課金(billing)又はセキュリティのために遠隔UEを別途の装置として取り扱う能力を制限する。特に、3GPPセキュリティ関連は、決してネットワークと遠隔UEとの間の終端間(E2E;end-to-end)に到達せず、これは、中継UEが遠隔UEの通信に対する平文(クリアテキスト)(clear text)アクセスを有することを意味する。UE−対−ネットワーク中継は、中継リンクを介した終端間セキュリティ、サービス連続性、E2E QoS(Quality of Service)をサポートすることにおいて向上しなければならず、ここで、複数の(多重)(multiple)遠隔UEとの可能な、効率的な動作、及びUuとD2D無線インターフェースとの間の効率的な経路スイッチ(path switching)がサポートされる。
【0041】
D2Dを使用した中継は、ブルートゥース(登録商標)及びWi−Fi(登録商標)などの非3GPP技術に基づいて行われることもある。このような技術に対するサービス連続性などのいくつかの向上により、中継を商業的な使用事例でより魅力的なものにすることができる。直接Uu接続が以前より実用的でなくなる(例えば、バッテリの大きさの制限などの)フォーム−ファクタ制限だけでなく、ユーザのスマートフォンに近接した使用パターンにより、このような技術はウェアラブルに特に有用である(This can be especially useful to wearables due to their usage patterns with proximity to the user's smartphone, as well as form-factor limitations that may make a direct Uu connection less practical (e.g. limits on battery size))。
【0042】
中継により(即ち、トラフィックが中継される)遠隔UEに対する相当な電力節減が可能である。これは、特にディープカバレッジ(deep coverage)シナリオで適用される。中継を導入する費用効率の高い(cost effective)方法のうちの一つは、遠隔装置と中継装置との間の単方向(unidirectional)D2Dリンクを使用することである。この場合、遠隔UEからULデータのみを中継するときに中継UEが利用される。このようなアプローチの利点は、D2D受信のための追加RF(Radio Frequency)能力が遠隔UEに追加されないことである。
【0043】
2)低電力、低速及び低複雑度/低コスト装置を少なくともサポートするために、信頼できるユニキャストPC5リンクを可能にする改善:NB−IoT(narrowband internet-of-things)及びeMTC(enhanced MTC)の研究中に開発されたアイデアを再使用して低コストD2D装置が具現されることができる。例えば、NB−IoT/eMTC UL波形などが再使用されることができる。このような装置は、インターネット/クラウドと通信して近距離装置と通信するために潜在的に単一モデムを使用する。公共安全使用事例により推進されるブロードキャスト指向設計に由来した現在のPC5リンク設計は、任意のリンク適応及びフィードバックメカニズムの欠如により低電力及び信頼可能なD2D通信を妨害するボトルネックの現象を示す。このような短所により電力消費、スペクトラム効率及び装置複雑性の側面でウェアラブル及びMTC使用事例に対する目標性能メトリックを達成することが可能でない。減少された消費電力及び低複雑度は、一般に小型フォームファクタ(形状因子)(form factors)及び長いバッテリ寿命を特徴とするウェアラブル及びMTC使用事例の核心となる属性である。
【0044】
図6は、コンパニオン(companion)UEのためのネットワークへの中継ベース接続(relay based connection)の例を示す。図6を参照すると、コンパニオンUEは、3GPPアクセスネットワークによりネットワークに直接接続されることができる。その代案として、コンパニオンUEは、中継ベース接続により間接的にマスタUEを介してネットワークに接続されることができる。中継ベース接続を使用するコンパニオンUEは、コンパニオンUEがUu動作をオフにする間にも、マスタUEとの中継ベース接続を介してRRC/NASメッセージなどの制御シグナリングを交換することができる。IoTサービスだけでなく、一般サービスが中継ベース接続を介して使われると仮定することができる。コンパニオンUEは、LTEに対する通常のUE能力、例えば、Cat4又はそれ以上をサポートすることができる。
【0045】
コンパニオンUEとマスタUEとは、ブルートゥース(登録商標)などの短距離通信RAT、WLAN又は3GPPアクセスネットワークを介して接続されることができる。コンパニオンUEは、直接接続から中継ベース接続に、又は、その逆に、ネットワークへの接続をスイッチすることができる。しかし、従来技術は、マスタUE及びコンパニオンUEのモビリティを共に考慮しない。即ち、ハンドオーバ手順のターゲットeNBの観点で、ターゲットeNBは、マスタUE及びコンパニオンUEが共にハンドオーバされるか、又はただ一つのUEがハンドオーバされるかを確認することができない。したがって、隣り合うeNBへのハンドオーバによる潜在的な問題を解決する方法が提示されなければならない。
【0046】
図7は、マスタUE及びコンパニオンUEの両方に対するモビリティの例を示す。図7を参照すると、マスタUEは、3GPPアクセスネットワークによりeNB1に接続される。また、コンパニオンUEは、マスタUEを介してネットワークに接続される。コンパニオンUEとマスタUEとは、3GPPアクセスネットワーク、ブルートゥース(登録商標)又はWi−Fi(登録商標)を介して互いに接続されることができる。
【0047】
マスタUE及びコンパニオンUEは、eNB1からeNB2にハンドオーバされるように意図されることができる。このような場合、eNB1、即ち、ソースeNBは、ハンドオーバ要求メッセージをeNB2、即ち、ターゲットeNBに転送する。ハンドオーバ要求メッセージは、マスタUE及びコンパニオンUEの両方のUEコンテキストを含むことができる。より詳しくは、マスタUE及びコンパニオンUEの両方のUEコンテキストは、マスタUEとコンパニオンUEとが互いに対になることを指示することができる。例えば、ハンドオーバ要求メッセージにマスタUE及びコンパニオンUEのUEコンテキストが存在することにより、eNB2は、二つのUEが一対であることを識別することができる。
【0048】
前述したUEコンテキストは、発展型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク無線アクセスベアラ(E−RAB;E-UTRAN radio access bearer)に対応できる。マスタUEのE−RABとコンパニオンUEのE−RABとは、区別されなければならない。E−RAB ID、E−RABレベルQoSパラメータ、DLフォワーディング(DL Forwarding)、又はUL汎用パケット無線サービストンネルプロトコル(GTP;GPRS tunneling protocol)トンネルエンドポイントのうちの一つによりマスタUEのE−RABとコンパニオンUEのE−RABとの区別が実現されることができる。
【0049】
また、マスタUEのRRCコンテキストとコンパニオンUEのRRCコンテキストとは、指示子(ID;Indicator)により区別されることができる。又は、マスタUEのRRCコンテキストとコンパニオンUEのRRCコンテキストとが一つのRRCコンテキストにマージされる(merged into)ことができる。また、マスタUEの測定報告とコンパニオンUEの測定報告とも区別されることができる。
【0050】
ハンドオーバ要求メッセージに含まれているマスタUE及びコンパニオンUEのUEコンテキストを利用して、ターゲットeNBは、マスタUEとコンパニオンUEとの間の関係を識別することができる。したがって、eNBは、E−RABを受け入れる(受諾する)(accept)方法又は制御プレーンRRCパラメータを使用する方法を決定する場合、対応動作を取ることができる。したがって、サービス連続性が保証されることができる。
【0051】
図8は、本発明の一実施例によるハンドオーバ手順を実行するための方法を示す。この実施例において、コンパニオンUEは、マスタUEを介してソースeNBに接続される。コンパニオンUEは、3GPPアクセスネットワーク、ブルートゥース(登録商標)又はWi−Fi(登録商標)のうちの一つを介してマスタUEに接続される。
【0052】
ステップS100において、ソースeNBは、マスタUEのUEコンテキスト及びコンパニオンUEのUEコンテキストを含むハンドオーバ要求メッセージをターゲットeNBに転送する。マスタUEのUEコンテキスト及びコンパニオンUEのUEコンテキストは、マスタUEとコンパニオンUEとが一対であることを指示することができる。マスタUEのUEコンテキスト及びコンパニオンUEのUEコンテキストUEは、マスタUEのE−RAB及びコンパニオンUEのE−RABに各々対応できる。このような場合、マスタUEのE−RABとコンパニオンUEのE−RABとは、E−RAB ID、E−RABレベルQoSパラメータ、DLフォワーディング又はUL GTPトンネルエンドポイントのうちの一つにより互いに区別されることができる。又は、マスタUEのUEコンテキスト及びコンパニオンUEのUEコンテキストは、マスタUEのRRCコンテキスト及びコンパニオンUEのRRCコンテキストに各々対応できる。このような場合、マスタUEのRRCコンテキストとコンパニオンUEのRRCコンテキストとは、互いに区別されるか、又は一つのRRCコンテキストにマージされることができる。又は、マスタUEのUEコンテキスト及びコンパニオンUEのUEコンテキストは、マスタUEの測定報告及びコンパニオンUEの測定報告に各々対応できる。このような場合、マスタUEの測定リポートとコンパニオンUEの測定リポートとは、互いに区別されることができる。
【0053】
ステップS110において、ターゲットeNBは、マスタUEとコンパニオンUEとの間の関係を識別する。したがって、ターゲットeNBは、E−RABを受け入れる方法又は制御プレーンRRCパラメータを使用する方法を決定する場合、対応動作を取ることができる。したがって、サービス連続性が保証されることができる。
【0054】
図9は、本発明の実施例が具現される無線通信システムを示す。
【0055】
第1のeNB800は、プロセッサ(processor)810、メモリ(memory)820及び送受信部(transceiver)830を含むことができる。プロセッサ810は、本明細書で説明された機能、過程及び/又は方法を具現するように構成されることができる。無線インターフェースプロトコルの階層は、プロセッサ810により具現されることができる。メモリ820は、プロセッサ810と接続され、プロセッサ810が動作する(operate)ための多様な情報を記憶する。送受信部830は、プロセッサ810と接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。
【0056】
第2のeNB900は、プロセッサ910、メモリ920及び送受信部930を含むことができる。プロセッサ910は、本明細書で説明された機能、過程及び/又は方法を具現するように構成されることができる。無線インターフェースプロトコルの階層は、プロセッサ910により具現されることができる。メモリ920は、プロセッサ910と接続され、プロセッサ910が動作するための多様な情報を記憶する。送受信部930は、プロセッサ910と接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。
【0057】
プロセッサ810、910は、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、他のチップセット、論理回路、及び/又はデータ処理装置を備えることができる。メモリ820、920は、ROM(read-only memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、記憶媒体、及び/又は他の記憶装置を備えることができる。送受信部830、930は、無線周波数信号を処理するためのベースバンド回路を備えることができる。実施形態がソフトウェアで実現されるとき、上述した技法は、上述した機能を果たすモジュール(過程、機能等)で実現されることができる。モジュールは、メモリ820、920に記憶され、プロセッサ810、910により実行されることができる。メモリ820、920は、プロセッサ810、910の内部又は外部にありうるし、よく知られた様々な手段にてプロセッサ810、910と接続されることができる。
【0058】
前述した例示的なシステムにおいて、前述した本発明の特徴によって実現されることができる方法は、流れ図に基づいて説明された。便宜上、方法は、一連のステップ又はブロックで説明したが、請求された本発明の特徴は、ステップ又はブロックの順序に限定されるものではなく、あるステップは、異なるステップと、前述と異なる順序で又は同時に発生できる。また、当業者であれば、流れ図に示すステップが排他的でなく、他のステップが含まれるか、又は流れ図の1つ又は複数のステップが本発明の範囲に影響を及ぼさずに削除可能であることを理解することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9