特許第6563603号(P6563603)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6563603周波数変化によって実時間振動を提供する振動提供システム及び振動提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563603
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】周波数変化によって実時間振動を提供する振動提供システム及び振動提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20190808BHJP
   B06B 1/02 20060101ALI20190808BHJP
   A63F 13/28 20140101ALI20190808BHJP
【FI】
   G06F3/01 560
   B06B1/02 A
   A63F13/28
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-530464(P2018-530464)
(86)(22)【出願日】2016年9月5日
(65)【公表番号】特表2018-529176(P2018-529176A)
(43)【公表日】2018年10月4日
(86)【国際出願番号】KR2016009924
(87)【国際公開番号】WO2017043825
(87)【国際公開日】20170316
【審査請求日】2018年2月28日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0126932
(32)【優先日】2015年9月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518069346
【氏名又は名称】バック ジェ ソン
(74)【代理人】
【識別番号】100081318
【弁理士】
【氏名又は名称】羽切 正治
(74)【代理人】
【識別番号】100132458
【弁理士】
【氏名又は名称】仲村 圭代
(74)【代理人】
【識別番号】100165146
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 博喜
(72)【発明者】
【氏名】バック ジェ ソン
【審査官】 滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録実用新案第20−0365424(KR,Y1)
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0101967(KR,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0056461(US,A1)
【文献】 特開2015−053047(JP,A)
【文献】 特開2012−022537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
A63F 13/28
B06B 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータやゲーム機又は携帯端末から出力される信号を、有線通信や無線通信で受信する通信部110と、
前記通信部110から伝達された音響信号を増幅させ、振動子を実時間に駆動させる振動信号に変換させる変換部120と、
前記変換部120から伝達された振動信号によって振動する振動子130とを含み、
前記変換部120は、
前記通信部110から伝達されたアナログ音響信号のうち、振幅の小さい音響信号は増幅させ、振幅の大きい音響信号は、飽和とならない程度だけ増幅させて、ゲインが維持されるようにする自動ゲイン調節器121と、
前記自動ゲイン調節器121から入力される増幅した音響信号を差動信号に変換させて、ノイズ影響を減衰させる差動駆動機122と、
前記差動駆動機122から入力されるノイズの影響が減衰したアナログ音響信号をデジタル信号に変換することなく、アナログ信号そのまま増幅させて、振動子を駆動する振動信号に変換させる振動子駆動機123とを含むことを特徴とする周波数変化によって実時間振動を提供する振動提供システム。
【請求項2】
前記通信部110は、
受信されるデジタル複合信号から、デジタル音響信号を分離する信号分離器111と、前記信号分離器111で分離されたデジタル音響信号を、アナログ信号に変換させるD−A変換器112とを含むことを特徴とする請求項1に記載の周波数変化によって実時間振動を提供する振動提供システム。
【請求項3】
前記D−A変換器112は、
前記信号分離器111で分離されたデジタル音響信号のうち、20〜20,000Hzに該当するデジタル音響信号のみを、アナログ音響信号に変換することを特徴とする請求項2に記載の周波数変化によって実時間振動を提供する振動提供システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の振動提供システムを備える携帯端末ケース。
【請求項5】
請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の振動提供システムを備える振動マウス。
【請求項6】
携帯端末やコンピュータ、ゲーム機から受信されたデジタル複合信号を、信号分離器111でデジタル音響信号のみを分離するステップ(S10)と、
前記信号分離器111で分離されたデジタル音響信号を、D−A変換器112でアナログ音響信号に変換するステップ(S20)と、
前記D−A変換器112で変換されたアナログ音響信号を、自動ゲイン調節器121で一定のゲインが維持されるように増幅するステップ(S30)と、
前記自動ゲイン調節器121で増幅されたアナログ音響信号は、差動駆動機122で差動信号に変換され、ノイズの影響を減衰させるステップ(S40)と、
前記差動駆動機122により、ノイズの影響が減衰したアナログ音響信号は、振動子駆動機123により、アナログ音響信号そのまま増幅されて、振動信号に変換するステップ(S50)と、
前記振動子駆動機123の振動信号を伝達されて、振動子が実時間に振動するステップ(S60)とを含むことを特徴とする周波数変化によって実時間振動を提供する振動提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動提供システム及び振動提供方法に関し、より詳しくは、コンピュータやゲーム機、又は携帯端末から受信された音響信号を、振動子が実時間に動的に振動可能な振動信号に変換して提供する振動提供システム、及び振動子を実時間に立体的に振動させる振動提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IT技術の発展に伴い、コンピュータ装置やゲーム機、各種の携帯用装置を使用するユーザは、これらの装置がよりリアリティーのある相互作用(interaction)を提供することを求めている。これにより、従来の視覚及び聴覚による情報伝達に加えて、触覚による情報をより現実感があるように伝達するハードウェア環境を提供するための方法に対する関心が増加している。
【0003】
また、コンピュータ装置や各種のゲーム機に用いられるマウスに振動モータを設置して、プログラムの使用において、プログラムの内容によってマウスが振動する振動マウスが使われている。また、携帯端末のような移動通信端末機には、常時付着して使われる携帯端末保護ケースが振動するようにする振動ケースが使われている。
【0004】
特に、近年には、PCゲームやコンソールゲームなどが逐次モバイルゲームに転換される傾向に合わせて、携帯端末によるハプティック効果が重要な要素となっているところ、様々な機能を備えたスマートフォンのような携帯端末において、ハプティック機能を具現するために、はやい応答速度と振動の精密制御が要求されるだけでなく、逐次高性能化しているゲームに適合したハプティック制御技術の開発が要求されている。
【0005】
これに関連する技術として、韓国公開特許第10−2012−0110669号には、携帯端末機に設置され、振動するために、振動専用信号を受けて単なる振動をする携帯端末ケースが記載されている。
【0006】
また、韓国公開特許第10−2014−0065087号には、携帯端末機に設置され、複数の振動子が備えられ、選択情報を受けて単なる振動だけを起こす、すなわち、受信用アラーム機能のみを行うモバイルケースが記載されている。
【0007】
また、韓国登録特許第10−0814685号には、実際の音響効果に最も適合な振動パターンを作り出し、その振動パターンファイルをゲームやアプリケーションソースで音響効果と共に出力することで、真正な音響効果に一致する振動パターンで振動モータを制御する振動マウス駆動装置が記載されているが、反応時間によって振動子を早く制御する方法については、何らの言及もない。
【0008】
また、韓国公開特許第10−2015−0059165号には、携帯端末機の保護ケースの内側に実時間振動フィードバックを提供するアクチュエータを設けることで、携帯端末から出力される映像と音響に適合なハプティック信号を、ユーザにはやい振動応答で提供することで、同時感を与え、振動の大きさによって、アクチュエータの振動量を調節するか、低周波数でシリンダ型振動モータが振動フィードバックを提供するように制御することで、様々な振動パターンを伝達する携帯端末用保護ケースが記載されているが、反応時間のはやい振動子を制御する方法については、解決していないという不都合がある。
【0009】
また、韓国登録特許第10−0979675号には、モバイル機器用ゲームアクセサリの内側に、振動モータと大型バッテリーを設置し、モバイル機器を用いてユーザがゲームをする場合、音響に連動する振動を提供すると共に、モバイル機器のバッテリーが放電する場合、大型バッテリーを使用する構造のモバイル機器用ゲームアクセサリが記載されているが、前記振動モータは、その応答速度が多少遅いリニア振動モータを使用する振動方式であり、これは、応答速度が遅くて、ユーザに同時感を感じさせるには足りなく、振動形態も、単純振動を提供するだけである。
【0010】
さらに、従来の携帯端末ケースに設置される振動装置としての振動モータは、音響に連動する振動を発生させるために、音響信号を、モータ駆動のためのデジタル信号に変換しなければならないので、その構成が複雑であるという不都合がある。
【0011】
また、人間が視覚情報と共に、同時的な振動感覚を感じられる応答速度が15ms以下であることに鑑みると、リニアモータ方式の振動装置は、応答速度が50〜70msであるので、ユーザに同時感を与えるには遅いと言える。また、コインタイプの回転型モータも振動モータであって、応答速度が100〜150msと非常に遅いので、単に、受信用アラーム機能だけとして使われている。
【0012】
また、平面リニアモータも、水平方向の力場(Lateral Force Fieldsds、LFFs)現象を用いた振動体であり、これも、コイルを用いたモータであるので、応答速度が50〜70msと遅くて、ハプティック効果を具現するには、不足であると言える。
【0013】
このように、従来のリニアモータとコインタイプ回転型モータは、応答速度と停止速度が遅くて、連続した振動の発生において、振動重複効果による振動騒音現像となり、結果として、先に伝達された振動と後に伝達される振動の区分が不明であって、視覚情報に対応する同時感覚を感じることができなくなる。その上に、ハプティック機能の具現のための大振動、微細振動など、様々な振動パターンを極めてはやい応答速度で制御することができなくなる。
【0014】
また、韓国登録特許第10−0614242号には、携帯端末機の音出力を振動に変える移動型端末機用音源再生機が記載されているが、これは、周波数変化を有する音響信号を、同時感を有する振動に変えることではなく、情報受信に際して、呼出し信号を報知するように振動する単なるアラーム機能のみを提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2012−0110669号
【特許文献2】韓国公開特許第10−2014−0065087号
【特許文献3】韓国登録特許第10−0814685号
【特許文献4】韓国公開特許第10−2015−0059165号
【特許文献5】韓国登録特許第10−0979675号
【特許文献6】韓国登録特許第10−0614242号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、コンピュータやゲーム機又は携帯端末から受信された音響信号に適合な振動フィードバックによるハプティック信号を、ユーザにはやい応答速度で提供し、周波数による躍動的な振動を実時間に提供することで、同時感と共に臨場感を感じさせる振動提供システム及び振動提供方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述したことを達成するために、本発明による周波数変化によって実時間振動を提供する振動提供システムは、コンピュータやゲーム機又は携帯端末から出力される信号を、有線通信や無線通信で受信する通信部110と、通信部110から伝達された音響信号を増幅させ、振動子を実時間に駆動させる振動信号に変換させる変換部120と、変換部120から伝達された振動信号によって振動する振動子130とを含み、
前記変換部120は、通信部110から伝達されたアナログ音響信号のうち、振幅の小さい音響信号は増幅させ、振幅の大きい音響信号は、飽和とならない程度だけ増幅させて、ゲインが維持されるようにする自動ゲイン調節器121と、自動ゲイン調節器121から入力される増幅した音響信号を差動信号に変換させて、ノイズ影響を減衰させる差動駆動機122と、差動駆動機122から入力されるノイズの影響が減衰したアナログ音響信号をデジタル信号に変換することなく、アナログ信号そのまま増幅させて、振動子を駆動する振動信号に変換させる振動子駆動機123とを含むことを特徴とする。
【0018】
通信部110は、受信されるデジタル複合信号から、デジタル音響信号を分離する信号分離器111と、信号分離器111で分離されたデジタル音響信号を、アナログ信号に変換させるD−A変換器112とを含む。
【0019】
D−A変換器112は、信号分離器111で分離されたデジタル音響信号のうち、20〜20,000Hzに該当するデジタル音響信号のみを、アナログ音響信号に変換する。
【0021】
また、本発明による周波数変化によって実時間振動を提供する振動提供システムを備える携帯端末ケースを提供することを特徴とする。
【0022】
更に、本発明による周波数変化によって実時間振動を提供する振動提供システムを備える振動マウスを提供することを特徴とする。
【0023】
また、本発明による周波数変化によって実時間振動を提供する振動提供方法は、携帯端末やコンピュータ、ゲーム機から受信されたデジタル複合信号を、信号分離器111でデジタル音響信号のみを分離するステップ(S10)と、信号分離器111で分離されたデジタル音響信号を、D−A変換器112でアナログ音響信号に変換するステップ(S20)と、D−A変換器112で変換されたアナログ音響信号を、自動ゲイン調節器121で一定のゲインが維持されるように増幅するステップ(S30)と、自動ゲイン調節器121で増幅されたアナログ音響信号は、差動駆動機122で差動信号に変換され、ノイズの影響を減衰させるステップ(S40)と、差動駆動機122により、ノイズの影響が減衰したアナログ音響信号は、振動子駆動機123により、アナログ音響信号そのまま増幅されて、振動信号に変換するステップ(S50)と、振動子駆動機123の振動信号を伝達されて、振動子が実時間に振動するステップ(S60)とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明による周波数変化によって実時間振動を提供する振動提供システムは、携帯端末から出力される映像と音響に適合なハプティック信号を、実時間にユーザに臨場感があり、はやい振動応答で提供することで、ゲームや映画のように立体的な振動を要するハードウェア環境に、視覚、聴覚、及び触覚により、情報を更に現実感のあるように伝達できるとい効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明による周波数変化によって実時間振動を提供する振動提供システムの一実施例である携帯端末ケースを概念的に示す全体構成図である。
図2図2は、本発明による通信部に関する細部構成図である。
図3図3は、本発明による変換部に関する細部構成図である。
図4図4は、単一端信号(single ended signal)と差動信号(differential signal)において、ノイズに対する免疫力説明に関する一例示図である。
図5図5は、本発明による振動子を駆動する方法に関する一例示図である。
図6図6は、本発明による音響信号の周波数によって振動子を駆動させるフローチャートである。
図7図7は、従来の振動子を駆動する方法に関する一例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の具体的な特徴及び利点は、添付の図面に基づく詳細な説明により更に明らかになるだろう。本発明を説明することに当たり、関連する公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を濁していると判断される場合は、その具体的な説明を省略していることに留意すべきである。そして、後述する用語は、本発明での機能を考えて定義された用語であって、これは、ユーザの意図又は慣例などによって異なることがある。そのため、その定義は、本明細書の全般に渡る内容を基に行わなければならない。
【0027】
以下、添付の図面を参照して、本発明による周波数変化によって実時間振動を提供する携帯端末ケースについて、好適な実施例を詳しく説明する。
【0028】
図1は、本発明による周波数変化によって実時間振動を提供する振動提供システムの一実施例である携帯端末ケースを概念的に示す全体構成図、図2は、本発明による通信部に関する細部構成図、図3は、本発明による変換部に関する詳細構成図、図4は、単一端信号(single ended signal)と差動信号(differential signal)において、ノイズに対する免疫力説明に関する一例示図、図5は、本発明による振動子を駆動する方法に関する一例示図、図6は、本発明による音響信号の周波数によって振動子を駆動させるフローチャート、図7は、従来の振動子を駆動する方法に関する一例示図である。
【0029】
図1図3に示すように、本発明の一実施例による周波数変化によって実時間振動を提供する振動提供システム10は、通信部110と、変換部120と、振動子130とを含む。
【0030】
本発明では、振動提供システム10が装着される一実施例として、携帯端末ケース(C)を例示しているが、これに限るものではなく、携帯端末やマウス、ゲーム機、ゲーム機スティック、コンピュータ本体などに装着されることができる。
【0031】
振動提供システム10が装着される携帯端末ケース(C)の本体部100は、携帯端末(図示せず)が収納されるサイズ及び空間をもって形成され、収納された携帯端末の破損を防止する保護ケースの役割を果たすと共に、携帯端末から出力される映像と音響に適合なハプティック信号を、ユーザに臨場感があり、且つ、はやい振動応答で提供する役割を果たす。
【0032】
通信部110は、本体部100の内側に設けられ、携帯端末とは有線又は無線で連結されて、携帯端末から出力される音響信号が含まれている信号を、有線通信又は無線通信で受信する。
【0033】
通信部110は、図2に示しているように、携帯端末から受信されるデジタル複合信号から、デジタル音響信号を分離する信号分離器111と、信号分離器111で分離されたデジタル音響信号をアナログ信号に変換するD−A変換器112とを含む。
【0034】
ここで、信号分離器111は、USBフォーマットとなったデジタル複合信号から、デジタル音響信号のみを抽出するように構成される。
【0035】
また、D−A変換器112は、信号分離器111で分離されたデジタル音響信号のうち、20〜20,000Hzに該当するデジタル音響信号のみを、アナログ音響信号に変換する。
【0036】
D−A変換器112でアナログ信号に変換された音響信号は、変換部120に伝達される。
【0037】
変換部120は、本体部100の内側に設けられ、通信部110から受信されたアナログ音響信号を、振動子を実時間に駆動させる振動信号に変換させる。図3に示しているように、変換部120は、自動ゲイン調節器121と、差動駆動機122と、振動子駆動機123とから構成される。
【0038】
ここで、自動ゲイン調節器121は、振幅の大きい信号を増幅させ、飽和になると、信号が歪んで雑音が発生することを最小化するように調節し、通信部110から伝達されたアナログ音響信号のうち、振幅の小さい音響信号は増幅させ、振幅の大きい音響信号は、飽和とならない程度だけ増幅させて、一定のゲインが維持されるようにする。自動ゲイン調節器121を通過した増幅された音響信号は、差動駆動機122に伝達される。
【0039】
差動駆動機122は、自動ゲイン調節器121から入力される単一端信号(single-ended signal)を、差動信号(differential signal)に変換して、周辺雑音(ノイズ)の影響を減衰し、振動子駆動機123に伝達する。
【0040】
これは、単一端信号の場合は、接地に対して、1つの信号線だけが存在するので、周辺雑音に対して影響を直接受けることに対して、差動信号の場合は、接地に対して、2つの信号線が存在するので、周辺雑音に対して2つの信号線がいずれも影響されるので、2つの信号線の差で動作する特性上、大きな変化がなくなり、結果として、実際にノイズの影響がないように動作することで、周辺雑音を最小化するか、減衰することを用いたことである。(図4の(a)、(b)参照)
【0041】
振動子駆動機123は、差動駆動機122から入力されるノイズの影響が減衰したアナログ音響信号をデジタル信号に変換することなく、アナログ信号そのまま増幅させて、振動子を駆動する振動信号に変換させており、これは、振動子が高電圧で駆動されるためである。
【0042】
振動子駆動機123は、図3及び図5の(a)、(b)に示しているように、入力されたアナログ音響信号を、アナログ音響信号そのまま増幅させ、振動信号として振動子130に伝達する。
【0043】
そこで、本発明による振動子駆動機123は、振動子を駆動させるために、アナログ音響信号をデジタル信号に変換することが不要であり、反応タクトタイムがかからないため、応答速度がはやくなり、それによって、入力された音響信号の周波数変化により、増幅されたアナログ音響信号が振動信号として、振動子を実時間で駆動させて振動することができる。
【0044】
この際、増幅率を調節して、振動子の振動強さを調節することができる。
【0045】
従来の振動子駆動機は、反応速度が50〜70ms程度と非常に遅いため、アナログ信号で直接駆動させることができなく、図7の(a)、(b)、(c)に示しているようなピーク検出方法、すなわち、低帯域通過フィルターを通過した信号から、振動子の駆動閾値(threshold)電圧よりも大きい信号だけを識別して抽出する方法を用い、このように抽出された信号は、再度振動モータを駆動するために、複雑な方法でデジタル信号に変換されなければならない。
【0046】
また、振動子130は、本発明に他の携帯端末ケースの本体部100の内側に設けられ、振動子駆動機123から伝達された振動信号によって駆動され、本体部100を振動させ、少なくとも1以上の振動子で構成される。
【0047】
以下、図6を参照して、本発明による音響信号の周波数変化によって振動子を駆動させて、振動を提供する流れをステップ別に説明する。
【0048】
振動提供システム10の通信部110は、携帯端末やコンピュータ、ゲーム機などからデジタル複合信号を受信され、信号分離器111により、デジタル音響信号のみを分離する(S10)。
【0049】
ステップS10の信号分離器111で分離されたデジタル音響信号は、D−A変換器112により、アナログ信号に変換される(S20)。
【0050】
この時、D−A変換器112は、信号分離器111で分離されたデジタル音響信号のうち、20〜20,000Hzに該当するデジタル音響信号のみを、アナログ音響信号に変換させる。
【0051】
ステップS20のD−A変換器112でアナログ信号に変換された音響信号は、変換部120の自動ゲイン調節器121に伝達され、一定のゲインが維持されるように増幅される(S30)。
【0052】
この時、自動ゲイン調節器121は、伝達された音響信号のうち、周波数が小さい信号は増幅させ、周波数が大きい信号は、飽和とならない程度だけ増幅させて、信号が歪んで雑音が発生することを最小化するように調節し、自動ゲイン調節器121を通過した増幅された信号は、差動駆動機122に伝達される。
【0053】
ステップS30の自動ゲイン調節器121で増幅されたアナログ音響信号は、差動駆動機122で差動信号(differential signal)に変換して、周辺雑音(ノイズ)の影響を最小化するか、減衰させる(S40)。
【0054】
ステップS40の差動駆動機122で変換されたアナログ音響信号は、振動子駆動機123により、アナログ音響信号そのまま増幅されて、振動信号として振動子130に伝達される(S50)。
【0055】
ここで、振動子駆動機123は、入力されたアナログ音響信号をそのまま増幅させ、増幅されたアナログ音響信号を振動信号に変換し て、振動子に伝達するので、振動子は、入力されたアナログ音響信号の周波数変化によって実時間に駆動され振動することになる。(S60)
【0056】
また、振動子は、アナログ音響信号の増幅率を調節し、その振動強さを調節する。
【0057】
本発明の詳細な説明では、具体的な実施例について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない限度内で様々な変形ができることは、言うまでもない。そのため、本発明の範囲は、説明した実施例に限って決まってはいけなく、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等概念から導出されるあらゆる変更又は変形した形態が、本発明の範囲に含まれることと解析されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7