特許第6563661号(P6563661)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6563661電気機械式外科手術デバイスと外科手術ローディングユニットとを相互接続するためのジンバルを有するアダプターアセンブリ、およびその外科手術システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563661
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】電気機械式外科手術デバイスと外科手術ローディングユニットとを相互接続するためのジンバルを有するアダプターアセンブリ、およびその外科手術システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】23
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-50737(P2015-50737)
(22)【出願日】2015年3月13日
(65)【公開番号】特開2015-205170(P2015-205170A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2018年1月23日
(31)【優先権主張番号】14/257,063
(32)【優先日】2014年4月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル プリバニック
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−500149(JP,A)
【文献】 特開2011−115594(JP,A)
【文献】 特表2012−522554(JP,A)
【文献】 特開2013−215578(JP,A)
【文献】 特開2013−255804(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/008178(WO,A2)
【文献】 国際公開第2011/007351(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0253326(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/009699(WO,A2)
【文献】 カナダ国特許出願公開第2824590(CA,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 ― 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能を実施するように構成されている外科手術ローディングユニットと、該外科手術ローディングユニットを作動させるように構成されている外科手術デバイスとを選択的に相互接続するためのアダプターアセンブリであって、該外科手術ローディングユニットは、軸方向に並進可能な駆動部材を含み、該外科手術デバイスは、複数の回転可能な駆動シャフトを含み、該アダプターアセンブリは、
ハウジングであって、該ハウジングは、該外科手術デバイスとの接続のために構成され、適合されており、該外科手術デバイスの該複数の回転可能な駆動シャフトの各回転可能な駆動シャフトと動作可能に連通するように構成され、適合されている、ハウジングと、
外側チューブであって、該外側チューブは、該ハウジングによって支持されている近位端と、該外科手術ローディングユニットとの接続のために構成され、適合されている遠位端とを有し、該外側チューブの該遠位端は、該外科手術ローディングユニットの該軸方向に並進可能な駆動部材と動作可能に連通しており、該外側チューブは、長手方向軸を規定する、外側チューブと、
関節運動アセンブリであって、該関節運動アセンブリは、該外側チューブにおいて支持されているジンバルと、該ハウジングにおいて支持されている複数のねじ切りされたスリーブとを含み、該複数のねじ切りされたスリーブは、少なくとも1つのケーブルによって該ジンバルに結合されている、関節運動アセンブリと
を含み、
該外科手術デバイスの該複数の回転可能な駆動シャフトのうちの少なくとも1つの回転は、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの少なくとも2つを並進させることにより、該少なくとも1つのケーブルによって該ジンバルを該外側チューブの該長手方向軸に対して全方向に関節運動させ、該ジンバルの関節運動は、該外科手術ローディングユニットを該外側チューブの該遠位端の周りに関節運動させる、アダプターアセンブリ。
【請求項2】
発射シャフトをさらに含み、該発射シャフトは、前記外科手術デバイスの前記複数の回転可能な駆動シャフトのうちの少なくとも1つに結合するように構成され、適合されている近位端と、前記外科手術ローディングユニットの発射を可能にするために、該外科手術ローディングユニットの前記軸方向に並進可能な駆動部材に結合するように構成され、適合されている遠位端とを有する、請求項1に記載のアダプターアセンブリ。
【請求項3】
前記発射シャフトは、前記ジンバルを通して回転力を伝達し、前記軸方向に並進可能な駆動部材の軸方向の並進をもたらすことにより、前記外科手術ローディングユニットを発射させるように構成され、適合されている、請求項2に記載のアダプターアセンブリ。
【請求項4】
前記発射シャフトは、近位発射シャフトと遠位発射シャフトとを含み、該近位発射シャフトと該遠位発射シャフトとは、該遠位発射シャフトが該近位発射シャフトに対して移動可能であるように、前記ジンバル内で一緒に結合されている、請求項3に記載のアダプターアセンブリ。
【請求項5】
前記近位発射シャフトは、その遠位端においてボール部材を含み、前記遠位発射シャフトは、その近位端においてソケットを含み、該ソケットは、ソケットボアを規定し、該近位発射シャフトの該ボール部材は、該ソケットボア内に取り付けられている、請求項4に記載のアダプターアセンブリ。
【請求項6】
前記ジンバルは、それを通してジンバルボアを規定し、該ジンバルボアは、該ジンバルおよび前記遠位発射シャフトが前記ボール部材の外側表面の周りを移動可能であるように、該遠位発射シャフトを受け取るように構成され、適合されている、請求項5に記載のアダプターアセンブリ。
【請求項7】
前記ジンバルは、その外側表面において、少なくとも1つのスロットを規定し、前記少なくとも1つのケーブルは、該少なくとも1つのスロット内に固定されている、請求項1に記載のアダプターアセンブリ。
【請求項8】
前記外側チューブは、遠位ハウジングアセンブリを含み、該遠位ハウジングアセンブリは、前記外科手術ローディングユニットの近位端を係合するように構成され、適合されており、前記ジンバルは、遠位フランジを含み、該遠位フランジは、該遠位ハウジングアセンブリを係合することにより、該ジンバルの移動に応答して、該外科手術ローディングユニットが関節運動することを可能にするように構成され、適合されている、請求項1に記載のアダプターアセンブリ。
【請求項9】
前記複数のねじ切りされたスリーブは、少なくとも1つのねじ切りされたねじの上で支持されている、請求項1に記載のアダプターアセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つのねじ切りされたねじは、第1の組のねじ筋と第2の組のねじ筋とを含み、該第1の組のねじ筋と該第2の組のねじ筋とは、反対方向にねじ切りされており、前記複数のねじ切りされたスリーブのうちの第1のものは、該第1の組のねじ筋とねじ式に係合され、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの第2のものは、該第2の組のねじ筋とねじ式に係合され、該少なくとも1つのねじ切りされたねじの第1の回転方向への回転は、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの該第1のものと該第2のものとを接近させ、該少なくとも1つのねじ切りされたねじの第2の回転方向への回転は、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの該第1のものと該第2のものとを分離させる、請求項9に記載のアダプターアセンブリ。
【請求項11】
前記ハウジングに固定されている発射トリガーをさらに含む、請求項1に記載のアダプターアセンブリ。
【請求項12】
電気機械式外科手術システムであって、該電気機械式外科手術システムは、
少なくとも1つの軸方向に並進可能な駆動部材を含む外科手術ローディングユニットと、
ハンドヘルド電気機械式外科手術デバイスであって、該ハンドヘルド電気機械式外科手術デバイスは、
ハウジングと、
該ハウジングにおいて支持されている少なくとも1つの回転可能な駆動シャフトと
を含む、ハンドヘルド電気機械式外科手術デバイスと、
アダプターアセンブリと
を含み、該アダプターアセンブリは、該外科手術デバイスの該ハウジングと該外科手術ローディングユニットとの間に選択的に接続可能であり、該アダプターアセンブリは、
関節運動アセンブリであって、該関節運動アセンブリは、ジンバルと複数のねじ切りされたスリーブとを含み、該複数のねじ切りされたスリーブは、少なくとも1つのケーブルによって該ジンバルに結合されており、該複数のねじ切りされたスリーブは、該少なくとも1つのケーブルによって該ジンバルを関節運動させるために移動可能であり、該ジンバルの関節運動は、該外科手術ローディングユニットを関節運動させる、関節運動アセンブリと、
発射シャフトと
を含み、該発射シャフトは、該外科手術デバイスの該少なくとも1つの回転可能な駆動シャフトと該少なくとも1つの軸方向に並進可能な駆動部材との間に接続可能であり、該発射シャフトは、該外科手術ローディングユニットを全方向に関節運動させるために該ジンバルとともに移動可能であり、該少なくとも1つの軸方向に並進可能な駆動部材を該外科手術ローディングユニットを通して並進させるために回転可能である、電気機械式外科手術システム。
【請求項13】
前記発射シャフトは、近位発射シャフトと遠位発射シャフトとを含み、該近位発射シャフトと該遠位発射シャフトとは、該遠位発射シャフトが該近位発射シャフトに対して移動可能であるように、前記ジンバル内で一緒に結合されている、請求項12に記載の電気機械式外科手術システム。
【請求項14】
前記近位発射シャフトは、その遠位端においてボール部材を含み、前記遠位発射シャフトは、その近位端においてソケットを含み、該ソケットは、ソケットボアを規定し、該近位発射シャフトの該ボール部材は、該ソケットボア内に取り付けられている、請求項13に記載の電気機械式外科手術システム。
【請求項15】
前記ジンバルは、それを通してジンバルボアを規定し、該ジンバルボアは、該ジンバルおよび前記遠位発射シャフトが前記ボール部材の外側表面の周りを移動可能であるように、該遠位発射シャフトを受け取るように構成され、適合されている、請求項14に記載の電気機械式外科手術システム。
【請求項16】
前記ジンバルは、その外側表面において、少なくとも1つのスロットを規定し、前記少なくとも1つのケーブルは、該少なくとも1つのスロット内に固定されている、請求項12に記載の電気機械式外科手術システム。
【請求項17】
前記ジンバルは、遠位フランジを含み、該遠位フランジは、該ジンバルの移動に応答して、該外科手術ローディングユニットが関節運動することを可能にするように構成され、適合されている、請求項12に記載の電気機械式外科手術システム。
【請求項18】
前記複数のねじ切りされたスリーブは、少なくとも1つのねじ切りされたねじの上で支持されている、請求項12に記載の電気機械式外科手術システム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのねじ切りされたねじは、第1の組のねじ筋と第2の組のねじ筋とを含み、該第1の組のねじ筋と該第2の組のねじ筋とは、反対方向にねじ切りされており、前記複数のねじ切りされたスリーブのうちの第1のものは、該第1の組のねじ筋とねじ式に係合され、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの第2のものは、該第2の組のねじ筋とねじ式に係合され、該少なくとも1つのねじ切りされたねじの第1の回転方向への回転は、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの該第1のものと該第2のものとを接近させ、該少なくとも1つのねじ切りされたねじの第2の回転方向への回転は、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの該第1のものと該第2のものとを分離させる、請求項18に記載の電気機械式外科手術システム。
【請求項20】
発射トリガーは、前記アダプターアセンブリに固定されている、請求項12に記載の電気機械式外科手術システム。
【請求項21】
電気機械式外科手術システムを動作させる方法であって、該電気機械式外科手術システムは、外科手術ローディングユニットと、外科手術デバイスと、アダプターアセンブリとを含み、該外科手術デバイスは、モーターと、少なくとも1つの回転可能な駆動シャフトとを含み、該アダプターアセンブリは、複数のねじ切りされたスリーブと、少なくとも1つのねじ切りされたねじと、ジンバルと、複数のケーブルとを含み、該方法は、該アダプターアセンブリによって外科手術デバイスに動作可能に結合されている外科手術ローディングユニットを関節運動させるためのものであり、該方法は、
該モーターによって、該外科手術デバイスの少なくとも1つの回転可能な駆動シャフトを回転させることにより、該アダプターアセンブリ内に支持されている少なくとも1つのねじ切りされたねじを回転させ該少なくとも1つのねじ切りされたねじに沿って複数のねじ切りされたスリーブを軸方向に並進させることと、
該複数のねじ切りされたスリーブの並進によって、該複数のねじ切りされたスリーブとジンバルとの間に固定されている複数のケーブルを並進させることと、
該複数のケーブルの並進によって、該ジンバルを関節運動させることにより、該外科手術ローディングユニットをアダプターアセンブリに対して関節運動させることと
を含む、方法。
【請求項22】
前記アダプターアセンブリは、発射シャフトをさらに含み、前記外科手術デバイスは、回転可能な駆動シャフトをさらに含み、前記方法は、該回転可能な駆動シャフトの回転によって、該発射シャフトを回転させることにより、前記外科手術ローディングユニットを発射することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記アダプターアセンブリは、発射トリガーをさらに含み、前記方法は、該アダプターアセンブリに固定されている発射トリガーの作動によって、前記回転可能な駆動シャフトを回転させることにより、前記発射シャフトを回転させることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、外科手術システムにおける使用のためのアダプターアセンブリに関する。より詳しくは、本開示は、電気機械式外科手術デバイスおよび外科手術ローディングユニットとの使用のためのアダプターアセンブリであって、電気機械式外科手術デバイスと外科手術ローディングユニットとを電気的および機械的に相互接続するためのアダプターアセンブリに関し、ならびに本開示は、ハンドヘルド電気機械式外科手術デバイスと、外科手術ローディングユニットをハンドヘルド電気機械式外科手術デバイスに接続するためのアダプターアセンブリとを含む外科手術システムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
多くの外科手術デバイス製造業者が、外科手術デバイスを動作させるため、および/または操作するための自社の動力式駆動システムを備えている製品種目を開発している。多くの例において、外科手術デバイスは、再使用可能である動力式ハンドルアセンブリ、および使い捨てエンドエフェクターなどを含み、この使い捨てエンドエフェクターなどは、使用前に動力式ハンドルアセンブリに選択的に接続され、次に、処分されるために、またはいくつかの例においては、再使用のために滅菌されるために、使用後にエンドエフェクターから接続解除される。
【0003】
既存の動力式外科手術デバイスおよび/またはハンドルアセンブリの多くとの使用のための既存のエンドエフェクターの多くは、直線的な力によって駆動される。例えば、胃腸内吻合手順、端端吻合手順、および横断吻合手順を実施するためのエンドエフェクターは、各々が、動作させられるために直線的な駆動力を代表的に必要とする。従って、これらのエンドエフェクターは、回転運動を使用して動力などを送達する外科手術デバイスおよび/またはハンドルアセンブリと適合しない。
【0004】
直線駆動エンドエフェクターを、回転運動を使用して動力を送達する動力式外科手術デバイスおよび/またはハンドルアセンブリと適合可能にするために、アダプターおよび/またはアダプターアセンブリが、直線駆動エンドエフェクターと動力式の回転駆動の外科手術デバイスおよび/またはハンドルアセンブリとの間をインターフェイス接続し、それらを相互接続するために使用される。これらのアダプターおよび/またはアダプターアセンブリの多くは、多くの部品を含む複雑なデバイスであり、組み立てるために大きな労力を必要とする。従って、より少ない部品を組み込んでおり、組み立てに集中する労力がより少なく、根本的に製造がより経済的であるアダプターおよび/またはアダプターアセンブリを開発する必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本開示は、電気機械式外科手術デバイスおよび外科手術ローディングユニットとの使用のためのアダプターアセンブリであって、電気機械式外科手術デバイスと外科手術ローディングユニットとを電気的および機械的に相互接続するためのアダプターアセンブリに関し、ならびに本開示は、ハンドヘルド電気機械式外科手術デバイスと、外科手術ローディングユニットをハンドヘルド電気機械式外科手術デバイスに接続するためのアダプターアセンブリとを含む外科手術システムに関する。
【0006】
本開示の局面に従って、機能を実施するように構成されている外科手術ローディングユニットと、外科手術ローディングユニットを作動させるように構成されている外科手術デバイスとを選択的に相互接続するためのアダプターアセンブリが提供され、外科手術ローディングユニットは、軸方向に並進可能な駆動部材を含み、外科手術デバイスは、複数の回転可能な駆動シャフトを含む。
【0007】
アダプターアセンブリは、ハウジングを含み、このハウジングは、外科手術デバイスとの接続のために構成され、適合されており、外科手術デバイスの複数の回転可能な駆動シャフトの各回転可能な駆動シャフトと動作可能に連通するように構成され、適合されている。外側チューブは、ハウジングによって支持されている近位端と、外科手術ローディングユニットとの接続のために構成され、適合されている遠位端とを有する。外側チューブの遠位端は、外科手術ローディングユニットの軸方向に並進可能な駆動部材と動作可能に連通している。外側チューブは、長手方向軸を規定する。外側チューブは、遠位ハウジングアセンブリを含み得、この遠位ハウジングアセンブリは、外科手術ローディングユニットの近位端を係合するように構成され、適合されている。
【0008】
関節運動アセンブリは、外側チューブにおいて支持されているジンバルと、ハウジングにおいて支持されている複数のねじ切りされたスリーブとを含む。複数のねじ切りされたスリーブは、少なくとも1つのケーブルによってジンバルに結合されている。実施形態において、複数のねじ切りされたスリーブは、少なくとも1つのねじ切りされたねじの上で支持されている。外科手術デバイスの複数の回転可能な駆動シャフトのうちの少なくとも1つの回転は、複数のねじ切りされたスリーブのうちの少なくとも2つを並進させることにより、少なくとも1つのケーブルによってジンバルを外側チューブの長手方向軸に対して全方向に関節運動させる。ジンバルの関節運動は、外科手術ローディングユニットを外側チューブの遠位端の周りに関節運動させる。ジンバルは、遠位フランジを含み得、この遠位フランジは、遠位ハウジングアセンブリを係合することにより、ジンバルの移動に応答して、外科手術ローディングユニットが関節運動することを可能にするように構成され、適合されている。実施形態において、ジンバルは、その外側表面において、少なくとも1つのスロットを規定する。少なくとも1つのケーブルは、少なくとも1つのスロット内に固定されている。
【0009】
アダプターアセンブリは、発射シャフトを含み、この発射シャフトは、外科手術デバイスの複数の回転可能な駆動シャフトのうちの少なくとも1つに結合するように構成され、適合されている近位端と、外科手術ローディングユニットの発射を可能にするために、外科手術ローディングユニットの軸方向に並進可能な駆動部材に結合するように構成され、適合されている遠位端とを有する。
【0010】
実施形態において、発射シャフトは、ジンバルを通して回転力を伝達し、軸方向に並進可能な駆動部材の軸方向の並進もたらすことにより、外科手術ローディングユニットを発射させるように構成され、適合されている。いくつかの実施形態において、発射シャフトは、近位発射シャフトと遠位発射シャフトとを含む。近位発射シャフトと遠位発射シャフトとは、遠位発射シャフトが近位発射シャフトに対して移動可能であるように、ジンバル内で一緒に結合され得る。近位発射シャフトは、その遠位端においてボール部材を含み得、遠位発射シャフトは、その近位端においてソケットを含み得る。ソケットは、ソケットボアを規定し、近位発射シャフトのボール部材は、ソケットボア内に取り付けられ得る。
【0011】
いくつかの実施形態において、ジンバルは、それを通してジンバルボアを規定し、このジンバルボアは、ジンバルおよび遠位発射シャフトがボール部材の外側表面の周りを移動可能であるように、遠位発射シャフトを受け取るように構成され、適合されている。
【0012】
実施形態において、少なくとも1つのねじ切りされたねじは、第1の組のねじ筋と第2の組のねじ筋とを含む。第1の組のねじ筋と第2の組のねじ筋とは、反対方向にねじ切りされ得る。複数のねじ切りされたスリーブのうちの第1のものは、第1の組のねじ筋とねじ式に係合され得、複数のねじ切りされたスリーブのうちの第2のものは、第2の組のねじ筋とねじ式に係合され得る。少なくとも1つのねじ切りされたねじの第1の回転方向への回転は、複数のねじ切りされたスリーブのうちの第1のものと第2のものとを接近させ得る。少なくとも1つのねじ切りされたねじの第2の回転方向への回転は、複数のねじ切りされたスリーブのうちの第1のものと第2のものとを分離させ得る。
【0013】
実施形態において、発射トリガーは、アダプターアセンブリに固定されている。発射トリガーは、ハウジングに固定され得る。
【0014】
本開示の別の局面に従って、電気機械式外科手術システムが提供される。電気機械式外科手術システムは、少なくとも1つの軸方向に並進可能な駆動部材を含む外科手術ローディングユニットと、ハンドヘルド電気機械式外科手術デバイスとを含む。ハンドヘルド電気機械式外科手術デバイスは、ハウジングと、ハウジングにおいて支持されている少なくとも1つの回転可能な駆動シャフトとを含む。
【0015】
アダプターアセンブリは、外科手術デバイスのハウジングと外科手術ローディングユニットとの間に選択的に接続可能である。アダプターアセンブリは、関節運動アセンブリと発射シャフトとを含む。
【0016】
関節運動アセンブリは、ジンバルと複数のねじ切りされたスリーブとを含む。複数のねじ切りされたスリーブは、少なくとも1つのケーブルによってジンバルに結合されている。複数のねじ切りされたスリーブは、少なくとも1つのケーブルによってジンバルを関節運動させるために移動可能である。ジンバルの関節運動は、外科手術ローディングユニットを関節運動させる。
【0017】
発射シャフトは、外科手術デバイスの少なくとも1つの回転可能な駆動シャフトと少なくとも1つの軸方向に並進可能な駆動部材との間に接続可能である。発射シャフトは、外科手術ローディングユニットを全方向に関節運動させるためにジンバルとともに移動可能であり、少なくとも1つの軸方向に並進可能な駆動部材を外科手術ローディングユニットを通して並進させるために回転可能である。
【0018】
本開示の別の局面に従って、アダプターによって外科手術デバイスに動作可能に結合されている外科手術ローディングユニットを関節運動させる方法が提供される。上記方法は、外科手術デバイスの少なくとも1つの回転可能な駆動シャフトを回転させることにより、アダプター内に支持されている少なくとも1つのねじ切りされたねじを回転させて、少なくとも1つのねじ切りされたねじに沿って複数のねじ切りされたスリーブを軸方向に並進させることと、複数のねじ切りされたスリーブとジンバルとの間に固定されている複数のケーブルを並進させることと、複数のケーブルによってジンバルを関節運動させることにより、外科手術ローディングユニットをアダプターに対して関節運動させることとを含む。上記方法は、発射シャフトを回転させることにより、外科手術ローディングユニットを発射することを含み得る。
【0019】
本開示の例示的実施形態のさらなる詳細および局面は、添付の図面を参照して、より詳細に下に記載される。
【0020】
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
機能を実施するように構成されている外科手術ローディングユニットと、該外科手術ローディングユニットを作動させるように構成されている外科手術デバイスとを選択的に相互接続するためのアダプターアセンブリであって、該外科手術ローディングユニットは、軸方向に並進可能な駆動部材を含み、該外科手術デバイスは、複数の回転可能な駆動シャフトを含み、該アダプターアセンブリは、
ハウジングであって、該ハウジングは、該外科手術デバイスとの接続のために構成され、適合されており、該外科手術デバイスの該複数の回転可能な駆動シャフトの各回転可能な駆動シャフトと動作可能に連通するように構成され、適合されている、ハウジングと、
外側チューブであって、該外側チューブは、該ハウジングによって支持されている近位端と、該外科手術ローディングユニットとの接続のために構成され、適合されている遠位端とを有し、該外側チューブの該遠位端は、該外科手術ローディングユニットの該軸方向に並進可能な駆動部材と動作可能に連通しており、該外側チューブは、長手方向軸を規定する、外側チューブと、
関節運動アセンブリであって、該関節運動アセンブリは、該外側チューブにおいて支持されているジンバルと、該ハウジングにおいて支持されている複数のねじ切りされたスリーブとを含み、該複数のねじ切りされたスリーブは、少なくとも1つのケーブルによって該ジンバルに結合されている、関節運動アセンブリと
を含み、
該外科手術デバイスの該複数の回転可能な駆動シャフトのうちの少なくとも1つの回転は、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの少なくとも2つを並進させることにより、該少なくとも1つのケーブルによって該ジンバルを該外側チューブの該長手方向軸に対して全方向に関節運動させ、該ジンバルの関節運動は、該外科手術ローディングユニットを該外側チューブの該遠位端の周りに関節運動させる、アダプターアセンブリ。
(項目2)
発射シャフトをさらに含み、該発射シャフトは、上記外科手術デバイスの上記複数の回転可能な駆動シャフトのうちの少なくとも1つに結合するように構成され、適合されている近位端と、上記外科手術ローディングユニットの発射を可能にするために、該外科手術ローディングユニットの上記軸方向に並進可能な駆動部材に結合するように構成され、適合されている遠位端とを有する、上記項目に記載のアダプターアセンブリ。
(項目3)
上記発射シャフトは、上記ジンバルを通して回転力を伝達し、上記軸方向に並進可能な駆動部材の軸方向の並進をもたらすことにより、上記外科手術ローディングユニットを発射させるように構成され、適合されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のアダプターアセンブリ。
(項目4)
上記発射シャフトは、近位発射シャフトと遠位発射シャフトとを含み、該近位発射シャフトと該遠位発射シャフトとは、該遠位発射シャフトが該近位発射シャフトに対して移動可能であるように、上記ジンバル内で一緒に結合されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のアダプターアセンブリ。
(項目5)
上記近位発射シャフトは、その遠位端においてボール部材を含み、上記遠位発射シャフトは、その近位端においてソケットを含み、該ソケットは、ソケットボアを規定し、該近位発射シャフトの該ボール部材は、該ソケットボア内に取り付けられている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のアダプターアセンブリ。
(項目6)
上記ジンバルは、それを通してジンバルボアを規定し、該ジンバルボアは、該ジンバルおよび上記遠位発射シャフトが上記ボール部材の外側表面の周りを移動可能であるように、該遠位発射シャフトを受け取るように構成され、適合されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のアダプターアセンブリ。
(項目7)
上記ジンバルは、その外側表面において、少なくとも1つのスロットを規定し、上記少なくとも1つのケーブルは、該少なくとも1つのスロット内に固定されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のアダプターアセンブリ。
(項目8)
上記外側チューブは、遠位ハウジングアセンブリを含み、該遠位ハウジングアセンブリは、上記外科手術ローディングユニットの近位端を係合するように構成され、適合されており、上記ジンバルは、遠位フランジを含み、該遠位フランジは、該遠位ハウジングアセンブリを係合することにより、該ジンバルの移動に応答して、該外科手術ローディングユニットが関節運動することを可能にするように構成され、適合されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のアダプターアセンブリ。
(項目9)
上記複数のねじ切りされたスリーブは、少なくとも1つのねじ切りされたねじの上で支持されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のアダプターアセンブリ。
(項目10)
上記少なくとも1つのねじ切りされたねじは、第1の組のねじ筋と第2の組のねじ筋とを含み、該第1の組のねじ筋と該第2の組のねじ筋とは、反対方向にねじ切りされており、上記複数のねじ切りされたスリーブのうちの第1のものは、該第1の組のねじ筋とねじ式に係合され、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの第2のものは、該第2の組のねじ筋とねじ式に係合され、該少なくとも1つのねじ切りされたねじの第1の回転方向への回転は、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの該第1のものと該第2のものとを接近させ、該少なくとも1つのねじ切りされたねじの第2の回転方向への回転は、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの該第1のものと該第2のものとを分離させる、上記項目のうちのいずれか一項に記載のアダプターアセンブリ。
(項目11)
上記ハウジングに固定されている発射トリガーをさらに含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のアダプターアセンブリ。
(項目12)
電気機械式外科手術システムであって、該電気機械式外科手術システムは、
少なくとも1つの軸方向に並進可能な駆動部材を含む外科手術ローディングユニットと、
ハンドヘルド電気機械式外科手術デバイスであって、該ハンドヘルド電気機械式外科手術デバイスは、
ハウジングと、
該ハウジングにおいて支持されている少なくとも1つの回転可能な駆動シャフトと
を含む、ハンドヘルド電気機械式外科手術デバイスと、
アダプターアセンブリと
を含み、該アダプターアセンブリは、該外科手術デバイスの該ハウジングと該外科手術ローディングユニットとの間に選択的に接続可能であり、該アダプターアセンブリは、
関節運動アセンブリであって、該関節運動アセンブリは、ジンバルと複数のねじ切りされたスリーブとを含み、該複数のねじ切りされたスリーブは、少なくとも1つのケーブルによって該ジンバルに結合されており、該複数のねじ切りされたスリーブは、該少なくとも1つのケーブルによって該ジンバルを関節運動させるために移動可能であり、該ジンバルの関節運動は、該外科手術ローディングユニットを関節運動させる、関節運動アセンブリと、
発射シャフトと
を含み、該発射シャフトは、該外科手術デバイスの該少なくとも1つの回転可能な駆動シャフトと該少なくとも1つの軸方向に並進可能な駆動部材との間に接続可能であり、該発射シャフトは、該外科手術ローディングユニットを全方向に関節運動させるために該ジンバルとともに移動可能であり、該少なくとも1つの軸方向に並進可能な駆動部材を該外科手術ローディングユニットを通して並進させるために回転可能である、電気機械式外科手術システム。
(項目13)
上記発射シャフトは、近位発射シャフトと遠位発射シャフトとを含み、該近位発射シャフトと該遠位発射シャフトとは、該遠位発射シャフトが該近位発射シャフトに対して移動可能であるように、上記ジンバル内で一緒に結合されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の電気機械式外科手術システム。
(項目14)
上記近位発射シャフトは、その遠位端においてボール部材を含み、上記遠位発射シャフトは、その近位端においてソケットを含み、該ソケットは、ソケットボアを規定し、該近位発射シャフトの該ボール部材は、該ソケットボア内に取り付けられている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の電気機械式外科手術システム。
(項目15)
上記ジンバルは、それを通してジンバルボアを規定し、該ジンバルボアは、該ジンバルおよび上記遠位発射シャフトが上記ボール部材の外側表面の周りを移動可能であるように、該遠位発射シャフトを受け取るように構成され、適合されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の電気機械式外科手術システム。
(項目16)
上記ジンバルは、その外側表面において、少なくとも1つのスロットを規定し、上記少なくとも1つのケーブルは、該少なくとも1つのスロット内に固定されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の電気機械式外科手術システム。
(項目17)
上記ジンバルは、遠位フランジを含み、該遠位フランジは、該ジンバルの移動に応答して、該外科手術ローディングユニットが関節運動することを可能にするように構成され、適合されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の電気機械式外科手術システム。
(項目18)
上記複数のねじ切りされたスリーブは、少なくとも1つのねじ切りされたねじの上で支持されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の電気機械式外科手術システム。
(項目19)
上記少なくとも1つのねじ切りされたねじは、第1の組のねじ筋と第2の組のねじ筋とを含み、該第1の組のねじ筋と該第2の組のねじ筋とは、反対方向にねじ切りされており、上記複数のねじ切りされたスリーブのうちの第1のものは、該第1の組のねじ筋とねじ式に係合され、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの第2のものは、該第2の組のねじ筋とねじ式に係合され、該少なくとも1つのねじ切りされたねじの第1の回転方向への回転は、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの該第1のものと該第2のものとを接近させ、該少なくとも1つのねじ切りされたねじの第2の回転方向への回転は、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの該第1のものと該第2のものとを分離させる、上記項目のうちのいずれか一項に記載の電気機械式外科手術システム。
(項目20)
発射トリガーは、上記アダプターアセンブリに固定されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の電気機械式外科手術システム。
(項目21)
アダプターによって外科手術デバイスに動作可能に結合されている外科手術ローディングユニットを関節運動させる方法であって、該方法は、
該外科手術デバイスの少なくとも1つの回転可能な駆動シャフトを回転させることにより、該アダプター内に支持されている少なくとも1つのねじ切りされたねじを回転させて、該少なくとも1つのねじ切りされたねじに沿って複数のねじ切りされたスリーブを軸方向に並進させることと、
該複数のねじ切りされたスリーブとジンバルとの間に固定されている複数のケーブルを並進させることと、
該複数のケーブルによって該ジンバルを関節運動させることにより、該外科手術ローディングユニットをアダプターに対して関節運動させることと
を含む、方法。
(項目22)
発射シャフトを回転させることにより、上記外科手術ローディングユニットを発射することをさらに含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
上記アダプターに固定されている発射トリガーを発射することをさらに含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目18A)
上記複数のねじ切りされたスリーブは、少なくとも1つのねじ切りされたねじの上で支持されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のアダプターアセンブリ。
(項目19A)
上記少なくとも1つのねじ切りされたねじは、第1の組のねじ筋と第2の組のねじ筋とを含み、該第1の組のねじ筋と該第2の組のねじ筋とは、反対方向にねじ切りされており、上記複数のねじ切りされたスリーブのうちの第1のものは、該第1の組のねじ筋とねじ式に係合され、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの第2のものは、該第2の組のねじ筋とねじ式に係合され、該少なくとも1つのねじ切りされたねじの第1の回転方向への回転は、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの該第1のものと該第2のものとを接近させ、該少なくとも1つのねじ切りされたねじの第2の回転方向への回転は、該複数のねじ切りされたスリーブのうちの該第1のものと該第2のものとを分離させる、上記項目のうちのいずれか一項に記載のアダプターアセンブリ。
(項目20A)
発射トリガーは、上記アダプターアセンブリに固定されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のアダプターアセンブリ。
【0021】
(摘要)
本開示は、電気機械式外科手術デバイスおよび外科手術ローディングユニットとの使用のためのアダプターアセンブリであって、電気機械式外科手術デバイスと外科手術ローディングユニットとを電気的および機械的に相互接続するためのアダプターアセンブリに関し、ならびに本開示は、ハンドヘルド電気機械式外科手術デバイスと、外科手術ローディングユニットをハンドヘルド電気機械式外科手術デバイスに接続するためのアダプターアセンブリとを含む外科手術システムに関する。
【0022】
本明細書中に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例示し、上に与えられた本開示の概略的な説明および下に与えられる実施形態(複数可)の詳細な説明と一緒に、本開示の原理を説明するために役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1Aは、本開示の原理に従う電気機械式外科手術システムの斜視図であり、図1Bは、図1Aに示される指示された詳細部の領域の拡大された斜視図である。
図2図2は、図1Aの電気機械式外科手術システムのアダプターアセンブリの拡大された斜視図である。
図3図3は、図2のアダプターアセンブリの遠位部分の拡大された斜視図である。
図4図4は、図2の線4−4に沿って得られる場合の、図2のアダプターアセンブリの底面断面図であり、第1の状態におけるその関節運動アセンブリを例示している。
図5図5は、部品が分離されている、図2のアダプターアセンブリの近位部分の側面斜視図である。
図6図6は、図4の線6−6に沿って得られる場合の、図2のアダプターアセンブリの近位部分の正面斜視図である。
図7図7は、関節運動アセンブリの一部分および発射アセンブリの一部分の拡大された側面斜視図であり、関節運動アセンブリが第1の状態で示されている。
図8図8は、図7に示される関節運動アセンブリの一部分のセクションの拡大された底面斜視図である。
図9図9は、図4に示される指示された詳細部の領域の拡大された断面底面図であり、関節運動アセンブリが第2の状態で示されている。
図10図10は、部品が分離されている、図3に示されるアダプターアセンブリの遠位部分の拡大された斜視図である。
図11図11は、関節運動アセンブリのジンバルの拡大された斜視図である。
図12図12は、図3に示されるアダプターアセンブリの遠位部分の、その一部分が明瞭さのために取り外されている拡大された側面斜視図であり、アダプターアセンブリの遠位部分は、非関節運動状態で示されている。
図13図13は、関節運動アセンブリの遠位部分の拡大された正面斜視図である。
図14図14は、図2の線14−14に沿って得られる場合の、図2のアダプターアセンブリの側面断面図である。
図15図15は、図14に示される指示された詳細部の領域の拡大された側面断面図である。
図16図16は、図4に示される指示された詳細部の領域の拡大された底面断面図である。
図17図17は、部品が分離されている、図1Aの電気機械式外科手術システムの外科手術ローディングユニットの拡大された斜視図である。
図18図18Aおよび図18Bは、進行的な側面斜視図であり、図1Aの電気機械式外科手術システムの外科手術ローディングユニットの近位部分が、図3に示されるアダプターアセンブリの遠位部分に固定されるところを例示している。
図19図19は、図3のアダプターアセンブリの遠位端部分の拡大された正面斜視図であり、アダプターアセンブリの遠位端部分は、関節運動させられた状態で示されている。
図20図20は、図3のアダプターアセンブリの遠位端部分の、その一部分が明瞭さのために取り外されている拡大された後方斜視図であり、アダプターアセンブリの遠位部分は、関節運動させられた状態で示されている。
図21図21は、図1Aの電気機械式外科手術システムの一部分の拡大された正面斜視図であり、その外科手術ローディングユニットは、関節運動させられた状態で示されている。
図22図22は、部品が分離されている、本開示に従う別の実施形態のアダプターアセンブリの近位部分の側面斜視図である。
図23図23は、図22のアダプターアセンブリの近位部分の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
本開示の電気機械式外科手術システムは、動力式ハンドヘルド電気機械式器具の形態での外科手術デバイスを含み、この動力式ハンドヘルド電気機械式器具は、複数の異なるエンドエフェクターへの選択的な取り付けのために構成され、複数の異なるエンドエフェクターは、各々、動力式ハンドヘルド電気機械式外科手術器具による作動および操作のために構成されている。特に、本記載の電気機械式外科手術システムは、アダプターアセンブリを含み、このアダプターアセンブリは、動力式ハンドヘルド電気機械式外科手術器具を複数の異なるエンドエフェクターに相互接続する。各アダプターアセンブリは、関節運動アセンブリを含み、この関節運動アセンブリは、その作動および/または操作をもたらすための動力式ハンドヘルド電気機械式外科手術器具に動作可能に結合されている。関節運動アセンブリは、1つ以上のケーブルを含み、1つ以上のケーブルは、ジンバルと2つ以上のねじ切りされたスリーブとを相互接続している。ジンバルは、複数のエンドエフェクターのうちの1つに結合しており、その結果、ねじ切りされたスリーブの軸方向の移動が、1つ以上のケーブルを移動させることにより、ジンバルを回転させて、そしてアダプターアセンブリの遠位端の周りでのエンドエフェクターの関節運動をもたらす。
【0025】
本開示の電気機械式外科手術システム、外科手術デバイス/ハンドルアセンブリ、アダプターアセンブリ、および/またはローディングユニットの実施形態が、図面を参照して詳細に記載され、図面において、類似の参照数字は、数枚の図の各々における同一の要素または対応する要素を表す。本明細書中で用いられる場合、用語「遠位」は、ユーザーからより遠い、システム、アセンブリ、デバイス、および/またはそれらの構成要素のその部分を指し、用語「近位」は、ユーザーにより近い、システム、アセンブリ、デバイス、および/またはそれらの構成要素のその部分を指す。
【0026】
次に、図1Aおよび図1Bに目を向けると、本開示に従う電気機械式外科手術システムが、全体的に10と称され、動力式ハンドヘルド電気機械式器具の形態での外科手術デバイス100と、アダプターアセンブリ200と、ローディングユニット300(例えば、エンドエフェクター、複数回使用ローディングユニットまたは単回使用ローディングユニット)とを含む。外科手術デバイス100は、アダプターアセンブリ200との選択的な接続のために構成されており、次に、アダプターアセンブリ200は、ローディングユニット300との選択的な接続のために構成されている。外科手術デバイス100とアダプターアセンブリ200とは、一緒に、ローディングユニット300を作動させるために協働し得る。
【0027】
外科手術デバイス100は、ハンドルハウジング102を含み、このハンドルハウジング102は、その中に置かれている回路基板(示されない)と駆動機構(示されない)とを含む。回路基板は、外科手術デバイス100の様々な動作を制御するように構成されている。ハンドルハウジング102は、その中に、再充電可能な電池(示されない)を中に選択的に取り外し可能に受け取るための空洞(示されない)を規定する。電池は、外科手術デバイス100の電気的構成要素のうちの任意のものに電力を供給するように構成されている。
【0028】
ハンドルハウジング102は、外科手術デバイス100の様々な構成要素を収容している上方ハウジング部分102aと、上方ハウジング部分102aから延びている下方ハンドグリップ部分102bとを含む。下方ハンドグリップ部分102bは、上方ハウジング部分102aの最近位端の遠位に配置され得る。上方ハウジング部分102aに対する下方ハウジング部分102bの場所は、外科手術デバイス100の重量のバランスをとるように選択され、この外科手術デバイス100は、アダプターアセンブリ200および/もしくはローディングユニット300に接続されているか、またはアダプターアセンブリ200および/もしくはローディングユニット300を支持している。
【0029】
ハンドルハウジング102は、ハウジングを提供し、このハウジングの中に駆動機構が置かれている。駆動機構は、外科手術デバイス100の様々な動作を実施するために、シャフトおよび/または歯車構成要素を駆動するように構成されている。特に、駆動機構は、ローディングユニット300を長手方向軸「X」の周りにアダプターアセンブリ200の遠位端に対して選択的に関節運動させること、ローディングユニット300を長手方向軸「X」の周りにハンドルハウジング102に対して選択的に回転させること、ローディングユニット300のアンビルアセンブリ310とカートリッジアセンブリ320とを互いに対して選択的に移動/接近/分離させること、ならびに/またはローディングユニット300のカートリッジアセンブリ320内のステープル留めおよび切断カートリッジを発射することを行うために、シャフトおよび/または歯車構成要素を駆動するように構成されている。
【0030】
ハンドルハウジング102は、接続部分104を規定し、この接続部分104は、アダプターアセンブリ200の近位端を受け入れるように構成されている。接続部分104は、回路基板と電気的に通信しているトリガー接触表面105と、複数の回転可能な駆動シャフトまたはコネクター106とを収容している。複数の回転可能な駆動シャフトの各回転可能な駆動シャフトは、ハウジングハンドル102内に収容されている駆動機構(示されない)によって、独立しておよび/または依存して作動可能であり回転可能である。実施形態において、複数の回転可能な駆動シャフト106は、互いに共通の面または線において配置されている回転可能な駆動シャフト106a、106b、106c、106d、および106eを含む。認識され得るように、複数の回転可能な駆動シャフトは、任意の適切な構成で配置され得る。駆動機構は、所与の時点において、外科手術器具100の回転可能な駆動シャフト106のうちの1つを選択的に駆動するように構成され得る。
【0031】
ハンドルハウジング102は、外科手術デバイス100の様々な機能を作動させるための指で作動される複数の制御ボタン、揺動デバイスなどを支持している。例えば、ハンドルハウジング102は、より詳細に下に記載されるように、エンドエフェクター300の関節運動をもたらすために、例えば、関節運動パッド(例えば、関節運動パッド108)を含む複数のアクチュエーターを支持している。関節運動パッド108は、関節運動パッド108と協働している複数のセンサー108aに接触することにより、アダプターアセンブリ200に対するローディングユニット300の全方向の関節運動を可能にするように構成されている。実施形態において、複数のセンサー108aのうちの1つ以上は、長手方向軸「X」に対する異なる偏揺れ角度および/またはたて揺れ角度に対応しており、ローディングユニット300は、関節運動パッド108の異なる部分の押し下げに応答した複数のセンサー108aのうちの1つ以上の作動時に、長手方向軸「X」に対して移動させられ得る。ハンドルハウジング102は、アクチュエーター107a、107bを支持し得、アクチュエーター107a、107bは、さらに詳細に下に記載されるように、アダプターアセンブリ200の構成要素のうちの1つ以上の調整を可能にするための回転可能な駆動シャフト106d、106eの作動のために、回転可能な駆動シャフト106d、106eと電気的に通信して配置され得る。本記載のアクチュエーターのうちの任意のものは、任意の適切な構成(例えば、ボタン、ノブ、トグル、スライドなど)を有し得る。
【0032】
例示的な電気機械式外科手術システム(それらの構成要素は、本明細書中に記載される電気機械式外科手術システム10の1つ以上の構成要素と組み合わせ可能であり、および/または交換可能である)の様々な内部構成要素および動作の詳細な説明について、2008年9月22日に出願された国際出願第PCT/US2008/077249号(国際公開第WO 2009/039506号)、および2009年11月20日に出願された米国特許出願公開第2011/0121049号が参照され得、これらの各々の内容全体は、本明細書中で参考として援用される。
【0033】
図2および図3を参照すると、アダプターアセンブリ200は、その近位端部分におけるハウジング202と、ハウジング202からその遠位端部分2040に遠位方向に延びている外側チューブ204とを含む。
【0034】
次に、図4図9に目を向けると、アダプターアセンブリ200のハウジング202は、近位ハウジング202aと遠位ハウジング202bとを含み、近位ハウジング202aおよび遠位ハウジング202bは、発射トリガー205を支持している。発射トリガー205は、トリガー接触表面205aを含み、発射トリガー205は、近位ハウジング202aの中にスライド可能に配置されている。近位ハウジング202aは、ハウジング本体206を含み、このハウジング本体206は、それを通して中央スロット206aを規定し、この中央スロット206aから半径方向に外方に延びている遠位リップ206bを有する。ハウジング本体206は、そこに取り付けアセンブリ210を支持しており、そこから遠位方向に延びている細長い舌208を含み、この細長い舌208は、発射トリガー205をスライド可能に受け取る細長いチャネル208aを規定する。
【0035】
取り付けアセンブリ210は、ハウジング本体206において支持されており、ハウジング本体206から外方に延びているシャフト212と、シャフト212の外側表面の周りに支持されているばね214と、ばね214およびシャフト212を係合する取り付けボタン216とを含む。ばね214は、取り付けボタン216の底部表面に接触して、ハウジング本体206から間隔が空けられている延ばされた位置へ取り付けボタン216を上方に付勢する。ばね214は、取り付けボタン216が、延ばされた位置から圧縮された位置に下方に押し下げられることを可能にするために十分に圧縮性である。圧縮された位置において、取り付けボタン216は、ハウジング本体206と密接に接近して配置され、延ばされた位置からオフセットされている。取り付けボタン216は、傾斜した係合特徴216aを含み、この傾斜した係合特徴216aは、ハンドルハウジング102の接続部分104へのハウジング202の固定を容易にするために、取り付けボタン216が延ばされた位置にある間、ハンドルハウジング102の接続部分104a(図1A)に接触するように構成されている。
【0036】
図4および図5に見られるように、遠位ハウジング202bは、第1の半体セクション218aと第2の半体セクション218bとを含む。第1の半体セクション218aは、そこから延びている複数のピン220を含み、第2の半体セクション218bは、複数のボア222を規定し、複数のボア222は、第1の半体セクション218aと第2の半体セクション218bとを一緒に嵌合させるために、第1の半体セクション218aの複数のピン220を受け取るように適合されている。第1の半体セクション218aおよび第2の半体セクション218bの各々は、内部リップ受け取り環状凹部224を規定し、この内部リップ受け取り環状凹部224は、近位ハウジング202aと遠位ハウジング202bとの固定を容易にするために、近位ハウジング202aの遠位リップ206bの一部分を受け取るように適合されている。第1の半体セクション218aおよび第2の半体セクション218bの各々は、関節運動アセンブリ受け取り凹部226を規定し、この関節運動アセンブリ受け取り凹部226は、外側チューブ受け取りチャネル228と連通している。各外側チューブ受け取りチャネル228は、第1の半体セクション218aおよび第2の半体セクション218bのうちの一方の遠位端を通って規定される。
【0037】
関節運動アセンブリ230は、ハウジング202および外側チューブ204内に支持されている。関節運動アセンブリ230は、その近位端における1対のスリーブアセンブリ240a、240bとその遠位端におけるジンバル250とを含む。1対のスリーブアセンブリ240a、240bおよびジンバル250は、複数のケーブル260によって接続されている。図6に示され、より詳細に下に記載されるように、複数のケーブル260は、第1のケーブル260aと、第2のケーブル260bと、第3のケーブル260cと、第4のケーブル260dとを含む。
【0038】
図6図8を参照すると、1対のスリーブアセンブリ240a、240bの各々は、支持シャフト242と、ねじ切りされたねじアセンブリ244と、軸受ブロック245と、1対のねじ切りされたスリーブ246、248とを含む。
【0039】
図4に見られるように、支持シャフト242は、近位部分242aを含み、この近位部分242aは、近位ハウジング202aの中央スロット206a(図5を参照のこと)の中に受け取られている。近位部分242aは、その中にねじ切りされたボア242bを規定する。各ねじ切りされたボア242bは、近位ハウジング202aへの関節運動アセンブリ230の固定を容易にするために、その中にねじ243を受け取り、このねじ243は、近位ハウジング202aにおいて規定されるねじ通路203を通って前進させられる。支持シャフト242は、近位部分242aから遠位方向に延びている遠位部分242cをさらに含む。
【0040】
図5を参照すると、各ねじ243は、1対のスリーブアセンブリ240a、240bの並進「A1」および「A2」の軸方向線によって、およびねじ243の回転矢印「B1」および「B2」によって示されるように、複数のケーブル260のうちの1つ以上における全体のたるみを調整するために、ケーブル引張装置(tensioner)として機能し得る。例えば、図4を再び参照すると、1対のスリーブアセンブリ240a、240bは、各スリーブアセンブリ240a、240bにおけるたるみ調整における違いを示すために、互いに対し、ずれた長手方向の関係で配置されている(例えば、軸受ブロック245および/またはねじ切りされたねじアセンブリ244の遠位端の間の相対的な長手方向の関係を比較のこと)。実施形態において、1対のスリーブアセンブリ240a、240bのうちの一方のたるみ調整は、1対のスリーブアセンブリ240a、240bの他方と異なり得、および/または同じであり得、同様に、複数のケーブル260のうちの1つ以上において所望のケーブルのたるみを達成するために、必要に応じて、さらに調整され得る。特に、ねじ切りされたボア242bのうちの1つに対してねじ243の回転を締めること、および/またはゆるめることにより、ねじ243を支持シャフト242に対して接近させ、および/または引き離し、1対のスリーブアセンブリ240a、240bのうちの一方または両方を(近位方向に、および/または遠位方向に)軸方向に移動させて、複数のケーブル260のうちの1つ以上における引張を調整する。実施形態において、ねじ243のうちの一方または両方を締めることは、1対のスリーブアセンブリ240a、240bのうちの一方または両方を近位方向に引っ張り、ねじのうちの一方または両方をゆるめることは、1対のスリーブアセンブリ240a、240bのうちの一方または両方を遠位方向に前進させる。いくつかの実施形態において、ねじ243のうちの一方または両方をゆるめることは、1対のスリーブアセンブリ240a、240bのうちの一方または両方を近位方向に引っ張り、ねじのうちの一方または両方を締めることは、1対のスリーブアセンブリ240a、240bのうちの一方または両方を遠位方向に前進させる。認識され得るように、各ねじ243は、他方のねじ243に対して、独立して、および/または依存して回転可能であり得る(例えば、締める回転、ゆるめる回転、時計回りの回転、および/または反時計回りの回転)。
【0041】
ねじ切りされたねじアセンブリ244は、入力ソケット244bから遠位方向に延びているねじ切りされたねじ244aを含み、入力ソケット244bの遠位端は、ねじ切りされたねじ244aの近位端に機械的に接続されている。各入力ソケット244bは、ハンドルハウジング102の複数の回転可能な駆動シャフト106のうちの1つを係合するように構成されている。例えば、スリーブアセンブリ240bの入力ソケット244bは、回転可能な駆動シャフト106aに機械的に結合され得、スリーブアセンブリ240aの入力ソケット244bは、回転可能な駆動シャフト106cに機械的に結合され得る。
【0042】
ねじ切りされたねじ244aは、第1のねじ筋244cと第2のねじ筋244dとを含み、第1のねじ筋244cおよび第2のねじ筋244dは、反対方向にねじ切りされている。例えば、第1のねじ筋244cは、左方向のねじ筋であり得、第2のねじ筋244dは、右方向のねじ筋であり得、その逆も同様である。実施形態において、第1のねじ筋244cおよび第2のねじ筋244dは、同じねじ筋ピッチを有する。ねじ切りされたねじ244aは、第3のねじ筋244eを含み得る。第3のねじ筋244eは、右方向または左方向のいずれかであり得、第1のねじ筋244cおよび/または第2のねじ筋244dと同じおよび/または異なるピッチを有し得る。認識され得るように、第1のねじ筋244c、第2のねじ筋244d、または第3のねじ筋244eのうちの任意のものは、任意の適切な形状、寸法、および/または構成を有し得る。図4を参照すると、ねじ切りされたねじ244は、その外側表面から延びている保持部材244fを含む。保持部材244fは、複数の対向するセクションを有し得る。いくつかの実施形態において、保持部材244fは、環状リップである。
【0043】
図8に見られるように、軸受ブロック245は、支持シャフト242の近位端部分に取り付けられ、ねじ切りされたねじアセンブリ244に取り付けられている。軸受ブロック245は、遠位プレート245aと近位プレート245bとを含み、遠位プレート245aと近位プレート245bとは、1対のファスナー245c、245dによって、一緒に固定されている。図4も参照すると、遠位プレート245aおよび近位プレート245bは、それを通して第1のチャネル245eおよび第2のチャネル245fを規定する。第1のチャネル245eは、ねじ切りされたねじ244の近位部分を受け取り、保持部材244fおよびスラスト軸受247を囲んでいる。第2のチャネル245fは、上に記載されるように、ねじ243の回転時に1対のスリーブアセンブリ240a、240bのうちの1つの軸方向の前進を容易にするために、支持シャフト242を受け取り、この支持シャフト242は、その中にしっかり固定され得る。認識され得るように、スリーブアセンブリ240aの軸受ブロック245は、スリーブアセンブリ240bの軸受ブロック245の鏡像である。
【0044】
図7および図8を参照すると、1対のねじ切りされたスリーブ246、248の各々は、L字形のプロフィールを有する。図9に例示されるように、ねじ切りされたスリーブ246は、それを通して第1のボア246aおよび第2のボア246bを規定し、第1のボア246aは、ねじ切りされており、第2のボア246bは、滑らかである。同様に、ねじ切りされたスリーブ248は、それを通して第1のボア248aおよび第2のボア248bを規定し、第1のボア248aは、ねじ切りされており、第2のボア248bは、滑らかである。1対のスリーブアセンブリ240a、240bの各々は、ねじ切りされたボア246a、248aがねじ切りされたねじ244aを受け取るように配置され、その結果、第1のねじ筋244cは、ねじ切りされたボア246aをねじ式に係合し、第2のねじ筋244dは、ねじ切りされたボア248aをねじ式に係合する。1対のスリーブアセンブリ240a、240bの各々はまた、ねじ切りされたスリーブ246、248の滑らかなボア246b、248bが支持シャフト242の遠位部分242cを受け取るように配置され、その結果、ねじ切りされたスリーブ246、248は、支持シャフト242の遠位部分242cに沿って軸方向に移動する。実施形態において、スリーブアセンブリ240aのねじ切りされたスリーブ246は、スリーブアセンブリ240bのねじ切りされたスリーブ246と鏡像関係で配置され得る。図8に見られるように、1対のねじ切りされたスリーブ246、248の各々は、その側面表面において、シャフト受け取りチャネル246c、248cおよびケーブル受け取りチャネル246d、248dを規定する。1対のねじ切りされたスリーブ246、248の各々は、ケーブルフェルール262によって、複数のケーブル260のうちの1つに結合されており、このケーブルフェルール262は、複数のケーブル260の各々の近位端に接続されている。ケーブル受け取りチャネル246d、248dは、その中に複数のケーブル260のうちの1つのケーブルフェルール262を受け取って、複数のケーブル260のうちの1つを1対のねじ切りされたスリーブ246、248の各々に固定する。
【0045】
図10図13を参照すると、複数のケーブル260の各々は、第1、第2、第3、および第4のケーブル260a〜260dの遠位端をジンバル250に固定するための保持ボール262(図13を参照のこと)まで遠位方向に延びている。複数のケーブル260の各対向する対は、2つのケーブルを有し得、2つのケーブルは、180度離れた場所において、ジンバル250に固定されている(例えば、第1のケーブル260aおよび第4のケーブル260d、または第2のケーブル260bおよび第3のケーブル260c)。
【0046】
図6に見られるように、複数のケーブル260の各対向する対は、同じねじ切りされたねじ244上の1対のねじ切りされたスリーブ246、248に接続している近位端を有する。従って、第1のケーブル260aおよび第4のケーブル260dの近位端は、一方のねじ切りされたねじ244に接続し、第2のケーブル260bおよび第3のケーブル260cの近位端は、他方のねじ切りされたねじ244に接続している。複数のケーブルのうちの1つ以上が、外側チューブ204内で交差し得ることが企図される。
【0047】
図10図13を再び参照すると、ジンバル250は、概して丸みのある形状を有する近位部分250aと、近位部分250aから延びている遠位部分250bとを有する。近位部分250aは、その遠位外側表面において複数のボール保持スロット252(例えば、4つ)を規定し、複数のボール保持スロット252の各ボール保持スロットは、複数のケーブル260の保持ボール262のうちの1つを受け取って、複数のケーブル260の各々をジンバル250に固定するような寸法にされている。
【0048】
ジンバル250の近位部分250aは、離して間隔が空けられた複数のウイング254を含み、離して間隔が空けられた複数のウイング254は、その外側表面から延びている。離して間隔が空けられた複数のウイング254の各ウイングは、上部表面254aと側面表面254bとを含む。離して間隔が空けられた複数のウイング254の隣接するウイングの側面表面254bは、近位部分250aの外側表面の周りに複数のスロット256を規定する。複数のケーブル260を受け取るように構成されている複数のスロット256は、複数のボール保持スロット252と連通しており、そこから近位方向に延びている。
【0049】
ジンバル250の遠位部分250bは、管状シャフト251を含み、この管状シャフト251は、上方に延びているフランジ253を有し、この上方に延びているフランジ253は、管状シャフト251の外側表面から延びている。上方に延びているフランジ253は、その側面表面において、1対の弓形の側面チャネル253a、253bを規定する。1対の弓形の側面チャネル253a、253bは、1対の対向する歯253c、253dを形成し、1対の対向する歯253c、253dは、フランジ253の側面表面から延びている。ジンバル250の近位部分250aおよび遠位部分250bは、それを通して延びているジンバルボア258(図11図12を参照のこと)を規定し、このジンバルボア258は、遠位部分250bの内側表面によって規定される第1のセクション258aと、近位部分250aの内側表面によって規定される第2のセクション258bとを含む。
【0050】
図14を参照すると、発射アセンブリ270は、アダプターアセンブリ200のハウジング202および外側チューブ204内に支持されている。発射アセンブリ270は、ハウジングハンドル102(図1Aを参照のこと)の回転可能な駆動シャフト106bに結合するように適合されている入力ソケット272と、入力ソケット272から遠位方向に延びている近位発射シャフト274と、近位発射シャフト274から遠位方向に延びている遠位発射シャフト276と、ピン278とを含み、このピン278は、ジンバルボア258内で近位発射シャフト274と遠位発射シャフト276とを一緒に固定している。
【0051】
図14を引き続き参照すると、ハウジング軸受部材280は、近位ハウジング202a内に近位発射シャフト274の近位端を支持し、近位取り付け部材282および遠位取り付け部材284は、外側チューブ204内に近位発射シャフト274の遠位端を支持している。ハウジング軸受部材280は、スラスト軸受282を含み、このスラスト軸受282は、それを通して近位発射シャフト274を受け取り、近位発射シャフト274が回転することを可能にする。近位取り付け部材282は、それを通して中央通路282aを規定し、この中央通路282aは、近位発射シャフト274を受け取る。
【0052】
図10図15、および図16に見られるように、遠位取り付け部材284は、近位セクション284aと遠位セクション284bとを含む。近位セクション284aは、それを通して1対のねじ開口部284cを規定し、1対のねじ開口部284cの各々は、近位セクション284aの対向する上部表面および底部表面において配置されている。同様に、遠位取り付け部材284の遠位セクション284bは、それを通して1対のねじ開口部284dを規定し、1対のねじ開口部284dの各々は、遠位セクション284bの対向する上部表面および底部表面において配置されている。遠位取り付け部材284の遠位セクション284bは、半球の開口部284fを規定する内側表面284eをさらに含み、この半球の開口部284fは、ジンバル250の近位部分250aを受け取ることにより、ジンバル250がその中で全方向に関節運動することを可能にする。
【0053】
図14を再び参照すると、近位発射シャフト274の近位端は、入力ソケット272の遠位端に受け取られ、近位発射シャフト274の遠位端は、結合部材274aを含む。図10に見られるように、結合部材274aは、それを通して細長い上部スロット274bと、それを通して側面スロット274cとを規定し、この側面スロット274cは、上部スロット274bを横切って配置されている。細長い上部スロット274bは、ピン278を受け取り、側面スロット274cは、ピン結合部290を受け取り、このピン結合部290は、その中にピンボア292を規定し、このピンボア292がピン278を受け取る。
【0054】
図10および図14図16を引き続き参照すると、遠位発射シャフト276は、半球の形状を有する近位部分276aと、近位部分276aの遠位端から遠位方向に延びている中央シャフト276bと、中央シャフト276bの遠位端から遠位方向に延びている遠位先端276cとを含む。遠位発射シャフト276の近位部分276aは、それを通って延びているピンチャネル276dを規定する。遠位発射シャフト276の近位部分276aは、半球の開口部276eを規定する内側表面を有し、この半球の開口部276eは、近位発射シャフト274の結合部材274aを受け取るように適合されている。中央シャフト276bは、中央シャフト276bの上部表面から凹みを付けられているレッジ276fを規定する。
【0055】
図3図10図15、および図16に見られるように、外側チューブ204の遠位端部分2040は、第1のセグメント2042と、第2のセグメント2044と、第3のセグメント2046と、第4のセグメント2048とを含む。
【0056】
外側チューブ204の遠位端部分2040の第1のセグメント2042は、1対のねじ開口部2042a、2042bを規定し、1対のねじ開口部2042a、2042bは、遠位取り付け部材284の1対のねじ開口部284cと対応している。第1のセグメント2042の1対のねじ開口部2042a、2042bおよび遠位取り付け部材284の1対のねじ開口部284cは、1対のねじ204a、204bを受け取ることにより、第1のセグメント2042の遠位端内に規定される開口部2042cの中に遠位取り付け部材284の近位セクション284aを固定する。
【0057】
外側チューブ204の遠位端部分2040の第2のセグメント2044は、近位セクション2044aと、近位セクション2044aから延びている遠位セクション2044bとを含む。第2のセグメント2044は、中央開口部2044cを規定し、この中央開口部2044cは、近位セクション2044aおよび遠位セクション2044bを通して延びている。近位セクション2044aは、それを通して1対のねじ開口部2044dを規定し、1対のねじ開口部2044dの各々は、近位セクション2044aの対向する上部表面および底部表面において配置されている。第2のセグメント2044の1対のねじ開口部2044dは、1対のねじ204c、204dが遠位取り付け部材284の遠位セクション284bの上に第2のセグメント2044を固定するように、遠位取り付け部材284の1対のねじ開口部284dと対応している。遠位セクション2044bは、ピン開口部2044eを規定する。ピン開口部2044eは、ピン結合部290内での固定のためにピン278がそれを通って前進させられることを可能にするために、遠位発射シャフト276のピンチャネル276dと整列し得る。
【0058】
外側チューブ204の遠位端部分2040の第3のセグメント2046は、円筒形本体2046aを有し、この円筒形本体2046aは、第2のセグメント2044の遠位セクション2044bを覆って取り付き、そのピン開口部2044eを覆う。第3のセグメント2046は、U字形のシュー2046bを含み、このU字形のシュー2046bは、円筒形本体2046aの遠位表面から遠位方向に延びている。中央チャネル2046cは、U字形のシュー2046bおよび円筒形本体2046aを通って規定され、ジンバル250の遠位部分250bを受け取るように構成されている。
【0059】
外側チューブ204の遠位端部分2040の第4のセグメント2048は、第4のセグメント2048から延びている1対のアーム2048a、2048bを含む。1対のアーム2048a、2048bは、離して間隔が空けられた互いに鏡像関係で配置されている。1対のねじ開口部2048c、2048dは、第4のセグメント2048において規定され、第3のセグメント2046内に規定される1対のねじボア2046d、2046eと整列させられ、その結果、1対のねじ204e、204fは、第4のセグメント2048の1対のねじ開口部2048c、2048dおよび第3のセグメント2046の1対のねじボア2046d、2046eによって受け取られ、第3のセグメント2046と第4のセグメント2048とを一緒に固定し得る。第4のセグメント2048は、プランジャー開口部2048eを規定し、このプランジャー開口部2048eは、外側チューブ204の遠位端部分2040のプランジャーアセンブリ2060を受け取る。
【0060】
プランジャーアセンブリ2060は、プランジャー2060aを含み、このプランジャー2060aは、ばね2060bによって、プランジャー開口部2048eを通して付勢されている(図15を参照のこと)。プランジャーアセンブリ2060と1対のアーム2048a、2048bとは、さらに詳細に下に記載されるように、遠位端部分2040へのローディングユニット300の近位端の固定を容易にするために協働する(図18Aおよび図18Bを参照のこと)。
【0061】
図10に例示されるように、舌2048fは、第4のセグメント2048から延びており、それを通して開口部2048gを規定し、この開口部2048gは、それを通して遠位発射シャフト276の遠位先端276cを受け取る。舌2048fは、歯車2050から延びている歯2050aが、外側チューブ204の遠位端部分2040の第4のセグメント2048の1対のアーム2048a、2048bの各々の嵌合表面2048hの間に位置決めされるように、舌2048fの近位表面と第3のセグメント2046のU字形のシュー2046bの遠位表面との間に歯車2050を支持する。
【0062】
歯車2050の内側表面は、それを通してチャネル2050bを規定する。歯車2050の内側表面は、平らな表面2050c(図15を参照のこと)を含み、この平らな表面2050cは、遠位発射シャフト276のレッジ276f上に支持されている。
【0063】
次に、図17に目を向けると、ローディングユニット300は、アンビル310とカートリッジアセンブリ320とを含み、アンビル310とカートリッジアセンブリ320とは、1対のピン315a、315bによって一緒にピン留めされており、開放状態と閉鎖状態との間を移動可能である。アンビル310とカートリッジアセンブリ320とは、複数の直線の列のファスナー「F」(例えば、ステープル)を適用するために協働する。特定の実施形態において、ファスナーは、様々なサイズのものであり、特定の実施形態において、ファスナーは、様々な長さまたは列(例えば、長さにおいて、約30mm、約45mm、および60mm)を有する。
【0064】
カートリッジアセンブリ320は、取り付け部分324に固定される基部322と、フレーム部分326と、カートリッジ部分328とを含み、このカートリッジ部分328は、その組織係合表面において、複数のファスナー保持スロット328aおよびナイフスロット328bを規定する。取り付け部分324は、その近位端において嵌合表面324a、324bを有し、取り付け部分324の中に受け取りチャネル324cを規定し、この受け取りチャネル324cは、その中に、フレーム部分326と、カートリッジ部分328と、ファスナー発射アセンブリ330とを支持する。カートリッジアセンブリ320は、付勢部材340を支持し、この付勢部材340は、アンビル310を係合する。
【0065】
ファスナー発射アセンブリ330は、外科手術デバイス100(図1A)の回路基板と電気的に通信している電気的接触部材332と、軸受部材334と、外側チューブ204の遠位端部分2040の歯車2050を係合する歯車部材336と、ねじアセンブリ338とを含む。ねじアセンブリ338は、親ねじ338aと、駆動梁338bと、複数のプッシャー部材338dと係合可能である作動そり338cとを含む。
【0066】
カートリッジアセンブリ320は、1対のプランジャーアセンブリ350a、350bも支持している。1対のプランジャーアセンブリ350a、350bの各々は、ばね352と、プランジャー354と、ピン356とを含み、このピン356は、各プランジャーアセンブリを取り付け部分324に固定する。プランジャーアセンブリ350a、350bは、取り付け部分324内でのカートリッジ部分328の固定を容易にするために、カートリッジ部分328の近位端と協働する。
【0067】
ローディングユニット300の近位端を外側チューブ204の遠位端部分2040に固定するために、ローディングユニット300の近位端は、図18Aに見られるように、外側チューブ204の遠位端部分2040と整列させられ、その結果、ローディングユニット300の近位端は、図18Bに見られるように、遠位端部分2040と一緒にスナップ留めされ(snap)得る。図10および図17も参照すると、ローディングユニット300の嵌合表面324a、324bは、ローディングユニット300の歯車部材336の歯が歯車2050の歯と噛み合う(enmesh)ように、第4のセグメント2048の嵌合表面2048hと係合する。
【0068】
動作において、関節運動パッド108の押し下げは、複数のセンサー108aのうちの1つ以上(one more)に接触することにより、回路基板と電気的に通信し、(ハンドルハウジング102内のモーター(示されない)の作動に起因して)回転可能な駆動シャフト106a、106cのうちの一方または両方を作動させて、1対のスリーブアセンブリ240a、240bのうちの一方または両方のねじ切りされたねじアセンブリ244の回転をもたらす。特に、各ねじ切りされたねじアセンブリ244の回転は、1対のスリーブアセンブリ240a、240bのうちの1つの入力ソケット244bと回転可能な駆動シャフト106a、106cのうちの1つとの間の回転的な係合によってもたらされる。ねじ切りされたねじ244aの回転は、1対のねじ切りされたスリーブ246、248を、図7に示される線「C1」、「C2」、「C3」、および「C4」によって例示されるように、それぞれの支持シャフトに沿って、接近状態(図9を参照のこと)と分離状態(図4を参照のこと)との間で軸方向に移動させる。1対のねじ切りされたスリーブ246、248の相対的な軸方向移動は、複数のケーブル260の対向する対のケーブル(例えば、第1のケーブル260aおよび第4のケーブル260dは、第1の対向する対のケーブルであり、第2のケーブル260bおよび第3のケーブル260cは、第2の対向する対のケーブルである)のうちの1つの対のうちの1つのケーブル/第1のケーブルを近位方向に引っ張り/後退させ/締め、対向する対のケーブルのうちの1つの対のうちの別のケーブル/第2のケーブルを遠位方向に自由にし/延ばし/解放して、ジンバル250を回転/旋回/関節運動させる。ジンバル250が回転する場合、ジンバル250の遠位部分250bは、第3のセグメント2046の円筒形本体2046aおよび/またはU字形のシュー2046bを係合することにより、遠位端部分2040を外側チューブ204に対して長手方向軸「X」の周りに関節運動させる。遠位端部分2040の移動は、図19図21に見られるように、ローディングユニット300を外側チューブ204に対して長手方向軸「X」の周りに任意の方向に(例えば、全方向に)関節運動させる。より詳しくは、ローディングユニット300(ならびに遠位端部分2040の第3のセグメント2046および第4のセグメント2048)は、外側チューブ204の遠位端(ならびに遠位端部分2040の第1のセグメント2042および第2のセグメント2044)に長手方向に固定されているが、ローディングユニット300を任意の所望の向きに位置決めするために、遠位端部分2040において規定される中心点「P」から延びている「X」軸、「Y」軸、および/または「Z」軸に対して任意の方向に関節運動させられ得る。
【0069】
複数のケーブル260のうちの1つ以上における引張/たるみは、例えば、システム10の1回以上の使用前、使用中、および/または使用後に調整される必要があり得る。たるみ/引張を締めること、および/またはゆるめることをもたらすために、アクチュエーター107a、107b(図1Aを参照のこと)のうちの一方または両方は、回転可能な駆動部材106d、106eのうちの一方または両方に回転移動を伝えるために作動させられ得る。回転可能な駆動部材106d、106eがねじ243の近位端と係合している状態で、回転可能な駆動部材106d、106eの回転は、ねじ243のうちの一方または両方が回転することをもたらす。一方または両方のねじ243の回転は、上に記載されるように、複数のスリーブアセンブリ240a、240bの対のうちの一方または両方を移動させることによって、複数のケーブル260のうちの1つ以上における引張を調整する。
【0070】
複数のファスナー「F」を発射するために、アダプターアセンブリ200の発射トリガー205は、トリガー接触表面205aがハンドルハウジング102のトリガー接触表面105に接触することにより、(ハンドルハウジング102内のモーター(示されない)の作動に起因して)回転可能な駆動部材106bを回転させるように作動させられる。回転可能な駆動部材106bの回転は、近位発射シャフト274が、長手方向軸「X」の周りを遠位発射シャフト276とともに回転することをもたらし、その結果、歯車2050は、ローディングユニット300の歯車336を回転させる。歯車336の回転は、親ねじ338aを回転させ、駆動梁338bが、親ねじ338aと駆動梁338bとの間のねじ式の係合によって、親ねじ338aに沿って長手方向ナイフスロット328bを通って軸方向に前進することを可能にする。駆動梁338bは、アンビル310を係合することにより、アンビル310とカートリッジアセンブリ320とを接近状態に維持する。駆動梁338bの遠位方向の前進は、作動そり338cを複数のプッシャー部材328との係合へ前進させ、複数のファスナー保持スロット328aからアンビル310内に規定される対応するファスナー形成ポケットに対して、形成のために複数のファスナー「F」を発射する。ローディングユニット300は再設定され得、ファスナーカートリッジ328は置き換えられ得、その結果、ローディングユニット300は、次いで、所望される場合、再度発射され得る。
【0071】
次に、図22に目を向けると、アダプターアセンブリの別の実施形態の近位部分が提供され、全体的に400と称されている。アダプターアセンブリ400は、アダプターアセンブリ200と実質的に同様であり、その構築および動作における違いを説明するために必要な程度まで本明細書中に記載されるのみである。アダプターアセンブリ400は、近位ハウジングアセンブリ402と、遠位ハウジングアセンブリ404と、外側チューブ406と、発射シャフトアセンブリ407と、関節運動アセンブリ408と、トリガーアセンブリ410とを含む。近位ハウジングアセンブリ402は、近位ハウジング402aと、解放ボタン402bと、1対のねじ402cとを含み、1対のねじ402cは、関節運動アセンブリ408に結合される。遠位ハウジングアセンブリ404は、第1の半体セクション404aと第2の半体セクション404bとを含み、第1の半体セクション404aおよび第2の半体セクション404bは、近位ハウジングアセンブリ402に結合し、関節運動アセンブリ408の近位部分を支持する。
【0072】
トリガーアセンブリ410は、磁気領域412aを有するトリガー412と、支持チューブ414と、スイッチアセンブリ416と、ホール効果スイッチ(PCB)418とを含む。スイッチアセンブリ416は、1対の触知できるドーム416aと、1対の内側ばね416bと、1対のプランジャー416cと、1対の外側ばね416dとを含む。内側ばね416bおよび外側ばね416dの対は、中心となる位置(図23を参照のこと)にトリガー410を付勢するために、1対のプランジャー416cと協働する。線「D」によって例示されるように、トリガー412は、遠位ハウジング402および近位ハウジング404内に軸方向に移動可能に支持されており、トリガー412の磁気領域412aを移動させるために作動可能である。1対の触知できるドーム416aは、トリガーの移動の終了を示すために、1対のプランジャー416cが1対の触知できるドーム416aに接触する場合に可聴クリックを提供するように構成されている。
【0073】
動作において、ホール効果スイッチ418に対するトリガー412の磁気領域412aの移動は、磁場を作り出し、電気的信号を発生させ、電気的信号は、外科手術器具100の回路基板と通信し、外科手術器具100の回転可能な駆動部材106bを作動させる。回転可能な駆動部材106bの回転は、上に記載されるように、発射シャフトアセンブリ407を回転させて、ローディングユニット300を発射させる。
【0074】
本明細書中に記載される構成要素のうちの任意のものは、強度、永続性、耐久性、重量、腐食に対する抵抗性、製造の容易さ、製造の費用などを考慮して、金属、プラスチック、樹脂、複合材などのいずれかから製作され得る。
【0075】
実施形態において、本明細書中に記載される構成要素のうちの任意のもの(例えば、エンドエフェクターおよび/またはアダプター)は、外科手術デバイス100の回路基板/コントローラーに電気的に結合する1つ以上のマイクロチップ(例えば、1−wireマイクロチップ(例えば、MAXIM INTEGRATEDTM、San Jose、CAから入手可能であるマイクロチップモデル第DS2465、DS28E15、および/またはDS2432)など)を含み得る。例示的1−wireマイクロチップが、米国特許第6,239,732号に示され、記載されており、その内容全体は、本明細書中で参考として援用される。これらのチップのうちの任意のものは、暗号化された認証(例えば、SULU ID)を含み得、および/または1wire適合性であり得る。
【0076】
本明細書中に特に記載され、添付の図面に示される構造および方法が、非限定的な例示的実施形態であること、ならびに記載、開示、および図面が、単に特定の実施形態の例証として解釈されるべきであることを当業者は理解する。従って、本開示は、記載される正確な実施形態に限定されないこと、ならびに様々な他の変化および改変が、本開示の範囲または趣旨から外れることなく、当業者によって達成され得ることが理解されるべきである。さらに、特定の実施形態に関して示されるか、または記載される要素および特徴が、本開示の範囲から外れることなく、特定の他の実施形態の要素および特徴と組み合わせられ得、そのような改変およびバリエーションはまた、本開示の範囲内に含まれる。従って、本開示の主題は、特に示され、記載されたことによって限定されない。
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