(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、パチンコ機1に適用している。
【0012】
(パチンコ機1の全体構成)
まず、パチンコ機1の全体構成を説明する。
図1は、パチンコ機の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すパチンコ機1は、矩形状の外枠2と、外枠2の前側に配設された内枠3と、内枠3の前側に配設された扉ユニット4と、を備えている。
内枠3は、矩形状に形成され、外枠2に対して開閉することが可能となるように配設されている。内枠3の内側には、遊技盤10(
図2参照)が取り付けられている。
扉ユニット4は、略方形の扉状に形成され、外枠2に対して開閉することが可能となるように配設されている。これによって、扉ユニット4は、内枠3に取り付けられた遊技盤10の正面側を開閉することが可能となっている。扉ユニット4は、略中央部に配設された透明板4aと、透明板4aの周囲に配設された装飾部4bと、透明板4aの下側に配設された受皿ユニット5と、受皿ユニット5の側方に配設された発射ハンドル6と、を備えている。
透明板4aは、樹脂、ガラス等の透明な材料により平板状に形成され、内枠3に取り付けられた遊技盤10の正面側に配設される。これによって、遊技者は、透明板4aを介して、遊技盤10を視認することが可能となっている。装飾部4bは、前方に向かって膨出する形状を有している。装飾部4bの上側の各角部には、その内部に音発生装置(スピーカ)22(
図3参照)が配設された音抜部4cが設けられている。各音抜部4cには、音発生装置22が出力する音声を通過させる複数の音抜孔が設けられている。また、装飾部4bには、複数のランプ21(
図3参照)が配設されている。
【0013】
受皿ユニット5は、遊技球(貸球及び賞球)を受ける受皿5aと、受皿5aの前側に配設された演出ボタン5b及び回転型セレクター5cと、を有している。
演出ボタン5bは、略円柱状に形成され、受皿ユニット5から上方に向かって突出するように配設されている。演出ボタン5bは、遊技者による押下操作(下方に向かって押し込む操作)が可能となっている。受皿ユニット5の内部には、演出ボタン5bの押下操作を検出する第1操作検出スイッチ24(
図3参照)が配設されている。第1操作検出スイッチ24は、演出ボタン5bが押下操作されるごとに、第1操作信号を演出制御回路300(
図3参照)に対して出力する。
回転型セレクター5c(いわゆる「ジョグダイヤル」)は、略円筒状に形成され、演出ボタン5bの周囲を囲むように配設されている。回転型セレクター5cは、遊技者による回転操作(円筒軸を中心に回転させる操作)が可能となっている。受皿ユニット5の内部には、回転型セレクター5cの回転操作を検出する第2操作検出スイッチ25(
図3参照)が配設されている。第2操作検出スイッチ25は、回転型セレクター5cが所定角度(例えば、60[°])回転操作されるごとに、第2操作信号を演出制御回路300に対して出力する。
【0014】
また、受皿ユニット5の上面には、貸出操作部7が配設されている。貸出操作部7は、球貸ボタン7aと、返却ボタン7bと、度数表示装置7cと、を有している。ここで、パチンコ機1は、プリペイドカードに記録されている情報の読出し及び更新を行うことが可能なCRユニット500(
図3参照)と通信可能に接続されている。そして、プリペイドカード(図示せず)がCRユニット500に挿入されると、CRユニット500に挿入されたプリペイドカードに記録されている有価媒体の残存度数が度数表示装置7cに表示される。そして、プリペイドカードがCRユニット500に挿入されている状態で球貸ボタン7aが操作されると、所定数の遊技球が受皿5aに払い出される。この際、払い出された遊技球の数に応じてプリペイドカードに記録されている有価媒体の残存度数が更新されて、更新された有価媒体の残存度数が度数表示装置7cに表示される。また、有価媒体の残存度数が残っているプリペイドカードがCRユニット500に挿入されている状態で返却ボタン7bが操作されると、CRユニット500からプリペイドカードが返却される。
ここで、プリペイドカートとしては、例えば、磁気記憶媒体、記憶IC内蔵媒体等が該当する。
発射ハンドル6は、遊技者による回転操作が可能となっている。そして、発射ハンドル6は、回転操作されたことに応じて、この回転操作量に応じた抵抗値を払出制御回路400(
図3参照)に対して出力する。
【0015】
(遊技盤10の構成)
次に、遊技盤10の構成を説明する。
図2は、遊技盤の正面を示し、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
図2に示すように、遊技盤10の正面には、発射ハンドル6が操作されることに応じて打ち出された遊技球が流下する遊技領域30が形成されている。また、遊技盤10における遊技領域30の略中央部には、演出画像表示装置20が配設されている。演出画像表示装置20は、第1画像表示装置11及び第2画像表示装置12から構成されている(
図4参照)。
各画像表示装置11,12は、例えば、液晶表示装置、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置等の可変表示装置によって構成される。本実施形態では、各画像表示装置11,12は、液晶表示装置となっている。
各液晶表示装置11,12では、マトリクス状(行列状)に配置された複数の表示画素(図示せず)によって、表示画面11a,12aが構成されている。本実施形態では、各表示画面11a,12aの画素数は、800(水平画素数)×600(垂直画素数)=480000[ピクセル]となっている。
演出画像表示装置20では、上下方向(
図2及び
図5に示す上下方向)に沿って、2つの表示画面11a,12aが、所定の隙間を介して配置されている。また、2つの表示画面11a及び表示画面12aは、同一平面上に配置されているとともに、表示画面11aの左右方向(
図2及び
図5に示す左右方向)の各端辺及び表示画面12aの左右方向の各端辺は、一直線上に配置されている。
【0016】
各画像表示装置11,12は、バックライト(図示せず)と、バックライトの正面側に配設された液晶パネル11b,12b(
図4参照)と、液晶パネル11b,12bを駆動する駆動回路11c,12c(
図4参照)と、バックライト、液晶パネル11b,12b及び駆動回路11c,12cを保持する保持枠13(
図5(b)参照)と、を有している。
バックライトは、液晶パネル11b,12bに対して光を照射する。バックライトとしては、LED、冷陰極管等を適用することができる。
本実施形態では、各液晶パネル11b,12bは、TFT(Thin Film Transistor)を用いたアクティブマトリックス駆動方式の液晶パネルとなっている。具体的には、各液晶パネル11b,12bは、1対の偏光板と、1対の偏光板の間に配設された液晶ユニットと、を有している。液晶ユニットは、カラーフィルタ基板と、カラーフィルタ基板の背面側に配設されたアレイ基板と、カラーフィルタ基板及びアレイ基板の間に封入された液晶層と、を有している。
【0017】
カラーフィルタ基板の背面側(液晶層側)には、R(赤)、G(緑)及びB(青)を含むカラーフィルタと、共通電極(対向電極)と、配向膜と、が形成されている。一方、アレイ基板の正面側(液晶層)側には、画素電極と、画素電極を駆動するためのTFT(スイッチ素子)と、TFTのゲート入力となるX電極(ゲートライン)と、TFTのソース入力となるY電極(ソースライン)と、配向膜と、が形成されている。
各液晶パネル11b,12bでは、複数の画素電極がマトリクス状(行列状)に配置されている。具体的には、各液晶パネル11b,12bでは、複数のX電極が並設されているとともに、複数のY電極が並設されている。各X電極は、上下方向に沿って延びており、各Y電極は、左右方向(
図2及び
図5に示す左右方向)に沿って延びている。そして、X電極とY電極の各交点において、TFT及び画素電極が配設されて、副画素が形成されている。そして、各副画素にはR(赤)、G(緑)及びB(青)のうち一色のカラーフィルタが対応付けられている。
本実施形態では、各液晶パネル11b,12bでは、並設された3つの副画素(R(赤)に係る副画素、G(緑)に係る副画素及びB(青)に係る副画素)によって、1つの表示画素が形成されている。
【0018】
各駆動回路11c,12cは、VDP340から入力される映像信号及び同期信号に基づいて、各表示画面11a,12aにおける演出画像の表示を制御する。具体的には、各駆動回路11c,12cは、ゲートライン駆動回路(図示せず)と、ソースライン駆動回路(図示せず)と、を有している。
ゲートライン駆動回路は、入力された映像信号に基づいて、各副画素が備えるTFTのオン・オフを切り替える。また、ソースライン駆動回路は、ゲートライン駆動回路による各副画素が備えるTFTのオン・オフに同期して、入力された映像信号に基づくソース電圧を、当該副画素(共通電極と画素電極との間に挟まれた領域の電極)に対して印加する。
そして、各画像表示装置11,12では、VDP340から入力される1フレーム分の映像信号に基づいて、当該画像表示装置11,12が備える全ての副画素に対して、当該映像信号に基づくソース電圧を印加することによって、当該1フレーム分の描画データに基づく演出画像(後述するフレームバッファ領域Bにおいて描画された1フレーム分の描画データに基づく演出画像)が表示される。さらに、各画像表示装置11,12では、所定のフレームレートにしたがって、複数フレームに係る描画データに基づく演出画像を連続して表示することによって、動画像が表示される。
ここで、演出画像表示装置20では、後述するように、第1画像表示装置11及び第2画像表示装置12のそれぞれにおいて、個別の演出画像を表示(
図9(b)及び
図19(b)参照)することができる。また、第1画像表示装置11及び第2画像表示装置12によって、一の演出画像を表示(
図6(b)及び
図20(b)参照)することができる。さらに、第1画像表示装置11及び第2画像表示装置12のそれぞれにおいて、同一の演出画像を表示(
図7(b)参照)することができる。
【0019】
本実施形態では、第1画像表示装置11の表示画面11aには、演出画像の表示に基づいて、第1演出図柄z1(
図19(b)参照)が表示される3つの第1演出図柄表示領域a1〜a3(
図19(b)参照)と、第2演出図柄z2(
図19(b)参照)が表示される1つの第2演出図柄表示領域a4(
図19(b)参照)と、を構成することが可能となっている。
第1演出図柄z1は、数字、文字、記号、キャラクタ等の識別情報(図柄)を含んで構成されている。各第1演出図柄表示領域a1〜a3では、第1演出図柄z1の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。第2演出図柄z2は、カラーバーから構成されている。第2演出図柄表示領域a4では、第2演出図柄z2の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。
そして、演出図柄z1,z2の変動表示とは、各第1演出図柄表示領域a1〜a3において、第1演出図柄z1がスクロール表示されるとともに、第2演出図柄表示領域a4に表示されている第2演出図柄z2が順次変更される(カラーバーが表す色が順次変化される)ことをいう。また、演出図柄z1,z2の停止表示とは、各第1演出図柄表示領域a1〜a3の抽選結果表示位置において、所定の第1演出図柄z1を停止させた状態で表示するとともに、第2演出図柄表示領域a4において、所定の第2演出図柄z2が表示される(カラーバーが所定の色を表す)ことをいう。そして、3つの第1演出図柄表示領域a1〜a3において停止表示された第1演出図柄z1と、第2演出図柄表示領域a4において停止表示された第2演出図柄z2との組み合わせによって、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)の結果が表示される。
【0020】
また、第2画像表示装置12の表示画面12aには、演出画像の表示に基づいて、後述する始動情報記憶領域に記憶されている各始動情報に対応する保留図柄h(
図19(b)及び
図20(b)参照)が表示される保留図柄表示領域b(
図19(b)及び
図20(b)参照)を構成することが可能となっている。
保留図柄表示領域bには、後述する特図始動情報記憶領域(特
図1始動情報記憶領域及び特
図2始動情報記憶領域)に記憶されている特図始動情報(特
図1始動情報及び特
図2始動情報)に対応する保留図柄hが表示される。
【0021】
演出画像表示装置20の左方には、始動ゲート41が設けられている。始動ゲート41は、常時、遊技球による通過が可能となるように形成されている。始動ゲート41には、普図始動球検知センサ104(
図3参照)が配設されている。普図始動球検知センサ104は、遊技球による始動ゲート41の通過の検出に応じて、検出信号を主制御回路200に対して出力する。主制御回路200は、普図始動球検知センサ104からの検出信号の入力に応じて、普通図柄抽選を実行する。
演出画像表示装置20の下方には、第1始動口51が設けられている。第1始動口51は、上向きに開口した入球口(いわゆる「ヘソ」)であり、常時、遊技球の入球が可能となっている。第1始動口51内には、特
図1始動球検知センサ101(
図3参照)が配設されている。特
図1始動球検知センサ101は、第1始動口51への遊技球の入球の検出に応じて、検出信号を主制御回路200に対して出力する。主制御回路200は、特
図1始動球検知センサ101からの検出信号の入力に応じて、第1特別図柄抽選を実行する。
【0022】
第1始動口51の下方には、第2始動口52が設けられている。第2始動口52には、第2始動口52への遊技球の入球を不可能にする閉止状態と遊技球の入球を可能にする開放状態とに変位することが可能な始動口開閉部材52a(いわゆる「電動チューリップ」)が設けられている。始動口開閉部材52aは、始動口ソレノイド64(
図3参照)によって開閉される。第2始動口52は、通常時は、始動口開閉部材52aが閉止状態とされて、遊技球の入球が不可能となっているが、普通図柄抽選に当選した場合に、始動口開閉部材52aが開放状態とされて、遊技球の入球が可能となる。第2始動口52内には、特
図2始動球検知センサ102(
図3参照)が配設されている。特
図2始動球検知センサ102は、第2始動口52への遊技球の入球の検出に応じて、検出信号を主制御回路200に対して出力する。主制御回路200は、特
図2始動球検知センサ102からの検出信号の入力に応じて、第2特別図柄抽選を実行する。
【0023】
第2始動口52の下方には、大入賞口53が設けられている。大入賞口53には、大入賞口53への遊技球の入球を不可能にする閉止状態と遊技球の入球を可能にする開放状態とに変位することが可能な大入賞口開閉部材53a(いわゆる「アタッカー」)が設けられている。
大入賞口開閉部材53aは、大入賞口ソレノイド65(
図3参照)によって開閉される。大入賞口53は、通常時は、大入賞口開閉部材53aが閉止状態とされて、遊技球の入球が不可能となっているが、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選に当選して、大当たり遊技状態が生起された場合に、大入賞口開閉部材53aが開放状態とされて、遊技球の入球が可能となる。大入賞口53内には、大入賞球検知センサ103(
図3参照)が配設されている。大入賞球検知センサ103は、大入賞口53への遊技球の入球の検出に応じて、検出信号を主制御回路200に対して出力する。主制御回路200は、大入賞球検知センサ103からの検出信号の入力に応じて、遊技球払出装置440(
図3参照)による賞球の払い出しに係る遊技球払出動作を実行する。
【0024】
遊技領域30における大入賞口53の下方には、いずれの入球口にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口54が設けられている。なお、遊技領域30には、各入球口51,52,53やゲート41に遊技球を導くように複数の釘(図示せず)が配置されている。
第1始動口51の右方には、状態表示装置63が設けられている。状態表示装置63は、LED等によって構成されている。状態表示装置63には、第1特別図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数(いわゆる「保留数」)、第2特別図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数、普通図柄抽選の抽選結果の表示が保留されている回数、大当たり遊技状態の種別(ラウンド遊技の実行回数)等が表示される。
状態表示装置63の下方には、普図表示装置60、特
図1表示装置61及び特
図2表示装置62が設けられている。各表示装置60,61,62は、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成されている。
普図表示装置60は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、普図表示装置60では、停止表示された普通図柄によって、普通図柄抽選の結果が表示される。ここで、普図表示装置60に停止表示された普通図柄が特定の図柄となった場合には、遊技者に有利な遊技状態である普図当たり遊技状態が生起される。
特
図1表示装置61は、数字や図柄等からなる第1特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、特
図1表示装置61では、停止表示された第1特別図柄によって、第1特別図柄抽選の結果が表示される。特
図2表示装置62は、数字や図柄等からなる第2特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、特
図2表示装置62では、停止表示された第2特別図柄によって、第2特別図柄抽選の結果が表示される。
ここで、特図表示装置61,62における特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の表示と、演出図柄表示領域a1〜a4における演出図柄z1,z2の表示とは、変動表示が開始される時期、変動表示が終了して停止表示が行われる時期及び停止表示された図柄が示す抽選結果のそれぞれについて対応付けられている。
そして、特
図1表示装置61に停止表示された第1特別図柄が特定の図柄となった場合又は特
図2表示装置62において停止表示された第2特別図柄が特定の図柄となった場合には、遊技者に有利な遊技状態である大当たり遊技状態が生起される。
【0025】
(制御系の構成)
次に、パチンコ機1における制御系の構成を説明する。
図3は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図4は、演出制御回路及び演出画像表示装置の構成を示すブロック図である。
図5は、フレームバッファ領域と各表示画面に表示される演出画像との関係を示す図である。
図3に示すように、パチンコ機1は、主制御回路200と、演出制御回路(サブ制御回路)300と、払出制御回路400と、各制御回路200,300,400等に電源(電力)を供給する電源回路600と、を備えている。
各制御回路200,300,400は、CPU(Central Processing Unit)と、遊技の進行に係るプログラム及び遊技の進行に必要なデータを格納するROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されているプログラムに基づく処理を進行するために使用される一時記憶領域となるRAM(Random Access Memory)と、を備えるマイクロコンピュータである。主制御回路200、演出制御回路300及び払出制御回路400は、それぞれ別々の基板に実装されている。
【0026】
主制御回路200は、CPU210と、ROM220と、RAM230と、入力ポート240と、第1出力ポート251と、第2出力ポート252と、第3出力ポート253と、周波数発生回路260と、ハード乱数発生回路270と、を備える。
入力ポート240は、各検知センサ・スイッチ101〜104から入力された検出信号及び払出制御回路400から入力された制御コマンドのそれぞれを、CPU210に対して出力する。第1出力ポート251は、各表示装置60〜63及び各ソレノイド64,65に対して制御信号を出力するとともに、パチンコ機1の賞球の払い出しに関する情報やエラー信号をホールコンピュータ(図示せず)に対して送信する。第2出力ポート252は、演出制御回路300に対して制御コマンドを送信する。第3出力ポート253は、払出制御回路400に対して制御コマンドを送信する。
【0027】
第2出力ポート252及び第3出力ポート253のそれぞれは、送信用データレジスタ(図示せず)と、FIFO(First In First Out)バッファ(図示せず)と、送信用シフトレジスタ(図示せず)と、を有している。
送信用データレジスタは、後述する制御コマンド格納処理(ステップS33)に基づいて入力された制御コマンドを、FIFOバッファに対して出力する。
FIFOバッファは、複数のレジスタから構成され、複数の制御コマンドを記憶することが可能となっている。そして、FIFOバッファは、送信用データレジスタから入力された制御コマンドを記憶するとともに、記憶している制御コマンドを入力された順番で送信用シフトレジスタに対して出力する。
送信用シフトレジスタは、FIFOバッファから入力された制御コマンドについて、パラレル−シリアル変換を行い、シリアルデータとして、演出制御回路300に対して送信する。
【0028】
ROM220には、遊技の進行に係るプログラム及び遊技の進行に必要なデータが格納されている。特に、ROM220には、遊技の進行に必要なデータとして、各種抽選を実行するための判定テーブル、演出制御回路300を制御するために必要な各種制御コマンドが格納されている。
RAM230には、主制御回路200における入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタ等の各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等が一時的に記憶される。
特に、RAM230には、特
図1始動球検知センサ101、特
図2始動球検知センサ102及び普図始動球検知センサ104のそれぞれからの検出信号の入力を契機として取得される始動情報を記憶する領域が設けられている。ここで、始動情報とは、各検出信号の入力を契機として取得された各種乱数値等の情報をいう。
【0029】
周波数発生回路260は、所定のクロック周波数(本実施形態では、12[MHz])でクロック(同期信号)を発生させて、このクロックをCPU210及びハード乱数発生回路270のそれぞれに対して出力する。ハード乱数発生回路270は、普通図柄抽選の当たり乱数、第1特別図柄抽選の当たり乱数及び第2特別図柄抽選の当たり乱数のそれぞれを発生させる。ハード乱数発生回路270は、周波数発生回路260から1クロックが入力されるごとに、ループカウンタの値を所定の範囲内(例えば、0〜65535の範囲内)において1ずつ更新することによって、当たり乱数を発生させる。本実施形態では、ハード乱数発生回路270のループカウンタの値は、0.083[μs](1[s]/12[MHz]=0.083[μs])ごとに更新される。なお、ループカウンタは、普通図柄抽選、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選のそれぞれに対応するものが設定されている。
【0030】
演出制御回路300は、主制御回路200から受信した制御コマンドに基づいて、演出画像表示装置20(各画像表示装置11,12)における演出画像の表示、ランプ21の点灯・点滅及び音発生装置22による音の出力のそれぞれを制御する。
図4に示すように、演出制御回路300は、CPU310と、ROM320と、RAM330と、VDP(Video Display Processor)340と、CGROM(Character Generator ROM)350と、を備える。なお、
図4では、演出制御回路300のうち、画像表示装置20における演出画像の表示を制御する表示制御部の構成を示し、ランプ21の点灯・点滅を制御するランプ制御部及び音発生装置22による音の出力を制御する音制御部の表示を省略している。
ROM320には、演出の進行に係るプログラム、演出の進行に必要なデータが格納されている。特に、ROM320には、各演出に対応する表示スケジュールデータ等が格納されている。
各演出に対応する表示スケジュールデータは、演出画像表示装置20における当該演出に係る演出画像の表示を制御するためのデータである。各演出に対応する表示スケジュールデータでは、当該演出において表示すべき所定数のフレームに係る描画内容指定情報が時系列的に規定されている。
そして、CPU310は、表示スケジュールデータに基づいて、1フレームごとに、当該フレームに係る描画の内容を指定する表示制御信号を生成し、生成した表示制御信号を、VDP340に対して送信する。
具体的には、CPU310は、表示スケジュールデータに規定されている各フレームに係る描画内容指定情報について、当該描画内容指定情報を指定(当該描画内容指定情報に基づく描画を指定)する表示制御信号を生成し、生成した表示制御信号を、VDP340に対して送信する。
この際、複数の表示スケジュールデータが設定されている場合には、当該複数の表示スケジュールデータに係る描画内容指定情報(複数の描画内容指定情報)が、各フレームに係る表示制御信号により指定される。すなわち、各フレームに係る描画の内容を指定する表示制御信号において、複数の描画内容指定情報(複数の表示スケジュールデータに係る描画内容指定情報)が含められる。
これによって、VDP340において、1フレームに係る描画データが描画され、演出画像表示装置20において、順次、VDP340により描画された描画データに基づく演出画像が表示される。
【0031】
ここで、各フレームに係る描画内容指定情報には、素材指定情報、X座標情報、Y座標情報、基点位置情報、X方向拡大率情報、Y方向拡大率情報、回転角情報、有効描画領域指定情報、出力領域指定情報、出力先指定情報等が含まれている。
素材指定情報は、CGROM350に格納されている素材データのうちから使用する素材データを指定する情報となっている。X座標情報及びY座標情報は、フレームバッファ領域Bにおいて、素材データ(スプライト画像)を表示する位置(座標)を指定する情報となっている。基点位置情報は、素材データにおける基点の位置を指定する情報となっている。そして、基点位置情報が指定する基点が、X座標情報及びY座標情報が指定する座標に配置される。X方向拡大率情報は、素材データを、X方向にどれだけ拡大・縮小して表示するかを指定する情報となっている。Y方向拡大率情報は、素材データを、Y方向にどれだけ拡大・縮小して表示するかを指定する情報となっている。回転角情報は、所定の基準軸に対して、素材データを回転する角度を指定する情報となっている。
有効描画領域指定情報は、フレームバッファ領域Bのうち描画を有効とする領域(後述する画素値記憶部の範囲)を指定する情報となっている。有効描画領域指定情報は、フレームバッファ領域Bの全体又はその一部を座標により指定する。
出力領域指定情報は、フレームバッファ領域Bのうち描画データの出力を実行する領域(画素値記憶部の範囲)を指定する情報となっている。出力領域指定情報は、フレームバッファ領域Bの全体又はその一部を座標により指定する。特に、各フレームに係る描画内容指定情報では、有効描画領域指定情報により指定されている領域に含まれる領域(有効描画領域指定情報により指定されている領域の全体又は一部の領域)が、出力領域指定情報により指定されている。
出力先指定情報は、出力領域指定情報により指定されている領域に描画されている描画データの出力先を指定する情報となっている。本実施形態では、出力先指定情報では、第1画像表示装置11及び第2画像表示装置12のうち少なくとも一方が指定される。出力先指定情報により第1画像表示装置11及び第2画像表示装置12のうち一方が指定されている場合には、出力領域指定情報により指定されている領域に描画されている描画データが、当該出力先指定情報により指定されている一方の画像表示装置11,12に対して出力される。この場合には、第1画像表示装置11と第2画像表示装置12とで、異なる画像が表示されることになる。一方、出力先指定情報により第1画像表示装置11及び第2画像表示装置12の両方が指定されている場合には、出力領域指定情報により指定されている領域に描画されている描画データが、第1画像表示装置11及び第2画像表示装置12のそれぞれに対して出力される。この場合には、第1画像表示装置11と第2画像表示装置12とで、同一の画像が表示される。
【0032】
RAM330には、主制御回路200から受信した制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。
CPU310は、主制御回路200から受信した制御コマンドに基づいて、実行する演出の内容を決定する。そして、決定した演出の内容に対応する演出プログラムに基づいて、表示スケジュールデータを設定する。さらに、設定された表示スケジュールデータにしたがって、1フレームごとに、表示制御信号を生成し、生成した表示制御信号を、VDP340に対して出力する。
また、CPU310は、決定した演出の内容に係る演出プログラムにしたがって、ランプ制御データ及び音制御データのそれぞれを読み出して、読み出した各制御データをランプ21及び音発生装置22のそれぞれに対して出力する。
【0033】
VDP340は、CPU310から入力された表示制御信号に基づいて、描画データ(演出画像)を生成(描画)するとともに、生成した描画データを各画像表示装置11,12の駆動回路11c,12cに対して出力する。
本実施形態では、VDP340には、VRAM(Video RAM)341が内蔵されている。そして、
図5(a)に示すように、VRAM341には、描画データを生成(記憶)することが可能なフレームバッファ領域(描画領域)Bが設けられている。
本実施形態では、ダブルバッファリング方式が採用されており、VRAM341において、2つのフレームバッファ領域Bが設けられている。2つのフレームバッファ領域Bは、互いに同一の構成となっている。そして、各フレームバッファ領域Bには、1フレーム分の描画データを生成(1フレーム分の演出画像を描画)することが可能となっている。
VDP340では、2つのフレームバッファ領域Bのうち一方のフレームバッファ領域Bが描画領域に指定されている間に、2つのフレームバッファ領域Bのうち他方のフレームバッファ領域Bが出力領域に指定される。そして、出力領域として指定されている一方のフレームバッファ領域Bに生成されている1フレーム分の描画データに基づく映像信号が、各駆動回路11c,12cに対して出力される。この間、描画領域として指定されている他方のフレームバッファ領域Bにおいて、新たな1フレーム分の描画データが生成される。
そして、描画領域として指定されている他方のフレームバッファ領域Bにいて、新たな1フレーム分の描画データの生成が完了すると、描画領域の指定及び出力領域の指定が切り替えられる。これによって、他方のフレームバッファ領域Bが出力領域に指定され、一方のフレームバッファ領域Bが描画領域として指定される。
【0034】
図5(a)に示すように、各フレームバッファ領域Bの画素数(各フレームバッファ領域において記憶することが可能な描画データの画素数)は、表示画面11aの画素数(表示画素の数)と、表示画面12aの画素数(表示画素の数)と、隙間部gの仮想の画素数と、の合計と同一に規定されている。
ここで、隙間部gは、2つの表示画面11a,12aの間に存在する領域となっている。本実施形態では、隙間部gは、第1画像表示装置11の下側の保持枠13と、第2画像表示装置12の上側の保持枠13と、両保持枠13の間に存在する隙間と、からなる(表示画面11aの下辺と、表示画面12aの上辺と、両表示画面11a,12aの左辺を結んだ直線と、両表示画面11a,12aの右辺を結んだ直線と、により囲まれる領域)。
そして、隙間部gの仮想の画素数とは、隙間部gにおいて、各表示画面11a,11bにおける配列と同一の配列により、当該表示画面11a,11bを構成する表示画素を配列した場合に想定される画素数を意味する。隙間部gの仮想の画素数は、隙間部gの大きさ(面積)と、各表示画面11a,12aを構成する各表示画素の大きさ(面積)と、に基づいて規定される。
【0035】
図5(b)に示すように、本実施形態では、隙間部gの左右方向の寸法が各表示画面11a,12aの左右方向の寸法と一致しているため、隙間部gの仮想の水平画素数は、各表示画面11a,12aの水平画素数と一致している。また、隙間部gの垂直画素数は、隙間部gの上下方向の寸法(表示画面11aの下端から表示画面12aの上端までの寸法)を、1つの表示画素(各表示画面11a,12aを構成する表示画素)の上下方向の寸法で除した数(本実施形態では、「100」)となる。したがって、隙間部gの仮想の画素数は、800(水平画素数)×100(垂直画素数)=80000[ピクセル]となる。
以上により、各フレームバッファ領域Bの画素数は、800(水平画素数)×1300(垂直画素数)=1040000[ピクセル](表示画面11aの画素数(480000[ピクセル])+表示画面11bの画素数(480000[ピクセル])+隙間部gの仮想の画素数(80000[ピクセル])=1040000[ピクセル])に規定されている。
各フレームバッファ領域Bでは、単一の座標系に基づいて、各画素の画素値が格納される記憶部(以下、「画素値記憶部」とする)の番地を特定することが可能となっている。そして、有効描画領域指定情報及び出力領域指定情報のそれぞれでは、上記座標系に基づく座標により、フレームバッファ領域B内の領域(画素値記憶部の範囲)が指定される。
各画素値記憶部には、各画素の画素値として、24ビットのデータ(Rの階調を示すデータ(8ビット)+Gの階調を示すデータ(8ビット)+Bの階調を示すデータ(8ビット)=24ビット)を格納することが可能となっている。これによって、本実施形態では、各表示画面11a,12aの各表示画素において、フルカラー(約1677万色)の表示を行うことが可能となっている。
【0036】
CGROM350には、演出画像表示装置20に表示される演出画像を構成する素材となる素材データが格納されている。ここで、素材データには、演出図柄データ、保留図柄データ、キャラクタデータ、文字データ、背景データ等が含まれている。
VDP340は、CPU320から表示制御信号が入力されると、描画領域として指定されているフレームバッファ領域Bにおいて、描画データを生成する。この際、VDP340は、スプライト機能により、複数の素材データを合成して、描画データを生成する。
ここで、表示制御信号には、一又は複数の描画内容指定情報(素材指定情報、X座標情報、Y座標情報、基点位置情報、X方向拡大率情報、Y方向拡大率情報、回転角情報、有効描画領域指定情報、出力領域指定情報、出力先指定情報等)が含まれている。
そして、VDP340は、CPU320から表示制御信号が入力されると、当該表示制御信号に含まれる描画内容指定情報に基づいて、CGROM350から素材データを読み出し、読み出した素材データを用いて描画データを生成する。この際、入力された表示制御信号に複数の描画内容指定情報が含まれている場合には、当該複数の描画内容指定情報のそれぞれに基づく描画を所定の順序で実行し、1フレーム分の描画データを生成する。
【0037】
本実施形態では、32.0[ms]ごとに、描画領域の指定及び出力領域の指定が切り替えられる。そして、描画領域として指定されたフレームバッファ領域Bでは、描画領域として指定されてから32.0[ms]が経過するまでの期間中に、1フレーム分の描画データが生成される。なお、16.0[ms]ごとに、描画領域の指定及び出力領域の指定が切り替えられ、描画領域として指定されてから16.0[ms]が経過するまでの期間中に、1フレーム分の描画データが生成される構成としても構わない。
具体的には、入力された表示制御信号において、一の描画内容指定情報のみが含まれている場合には、VDP340は、当該描画内容指定情報に基づく描画データ生成処理を実行する。
一方、入力された表示制御信号において、複数の描画内容指定情報が含まれている場合には、VDP340は、当該複数の描画内容指定情報のそれぞれに基づく描画データ生成処理を所定の順序で実行する。
【0038】
各描画内容指定情報に基づく描画データ生成処理では、まず、当該描画内容指定情報に含まれる有効描画領域指定情報に基づいて、フレームバッファ領域Bのうち描画を有効とする領域(以下、「有効描画領域」とする)を設定する。これによって、フレームバッファ領域Bのうち有効描画領域において、当該描画内容指定情報に基づく描画データの生成(描画データの格納)が可能となる。一方、フレームバッファ領域Bのうち有効描画領域を除いた領域(以下、「無効描画領域」とする)には、当該描画内容指定情報に基づく描画データの生成(描画データの格納)が禁止される(マスクされる)。
各描画内容指定情報に基づく描画データ生成処理では、次に、当該描画内容指定情報に含まれる素材指定情報、X座標情報、Y座標情報、基点位置情報、X方向拡大率情報、Y方向拡大率情報、回転角情報等に基づいて、描画データを生成する。この際、フレームバッファ領域Bのうち有効描画領域として設定されている領域においてのみ、描画データが生成される。
各描画内容指定情報に基づく描画データ生成処理では、さらに、当該描画内容指定情報に含まれる出力領域指定情報及び出力先指定情報に基づいて、フレームバッファ領域Bのうち描画データの出力を行う領域(以下、「描画データ出力領域」とする)、及び、当該描画データ出力領域に生成されている描画データの出力先を、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタにおいて設定する。
以上により各描画内容指定情報に基づく描画データ生成処理が終了する。そして、各フレームに係る表示制御信号において複数の描画内容指定情報が含まれている場合には、各描画内容指定情報について、上記描画データ生成処理が実行される。この場合には、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタにおいて、複数の描画データ出力領域(及び、各描画データ出力領域に対応する出力先)が設定される。
【0039】
また、VDP340は、出力領域として指定されているフレームバッファ領域Bから描画データの出力を行う。
具体的には、VDP340は、出力領域として指定されているフレームバッファ領域Bにおいて生成(記憶)されている描画データに基づいて、映像信号出力処理を実行する。
映像信号出力処理では、まず、出力領域として指定されているフレームバッファ領域Bにおいて生成(記憶)されている描画データに基づいて、各画像表示装置11,12の駆動回路11c,12cに対して出力する映像信号を生成する。ここで、映像信号には、描画データを構成する各画素に係る画素値を示す情報が含まれている。
すなわち、出力領域として指定されているフレームバッファ領域Bに対応するレジスタに設定されている描画データ出力領域に基づいて、当該描画データ出力領域に生成されている描画データに基づく映像信号を生成する。この際、複数の描画データ出力領域が設定されている場合には、各描画データ出力領域について、当該描画データ出力領域に生成されている描画データに基づく映像信号を生成する。
映像信号出力処理では、次に、生成した映像信号を、同期信号(水平同期信号、垂直同期信号等)とともに、各画像表示装置11,12の駆動回路11c,12cに対して出力する。
すなわち、フレームバッファ領域Bに対応するレジスタに設定されている出力先に基づいて、各描画データ出力領域ついて生成した映像信号を、当該描画データ出力領域に対応する出力先(駆動回路11c,12c)に対して出力する。
これによって、フレームバッファ領域Bに生成されている描画データのうち、描画データ出力領域に生成されている描画データについて、当該描画データに基づく映像信号が生成され、生成された映像信号が、当該描画データ出力領域に対応する出力先に対して出力される。この際、複数の描画データ出力領域が設定されている場合には、各描画データ出力領域について、当該描画データ出力領域に描画されている描画データに基づく映像信号が生成され、生成された映像信号が、当該描画データ出力領域に対応する出力先に対して出力される。
【0040】
本実施形態では、32.0[ms]ごとに、描画領域の指定及び出力領域の指定が切り替えられる。そして、VDP340は、出力領域として指定されたフレームバッファ領域Bについて、出力領域として指定されてから32.0[ms]が経過するまでの期間中に、2回の映像信号出力処理を繰り返し実行する。これによって、同一の映像信号が2回、各画像表示装置11,12の駆動回路11c,12cに対して出力される。なお、16.0[ms]ごとに、描画領域の指定及び出力領域の指定が切り替えられ、出力領域として指定されてから32.0[ms]が経過するまでの期間中に、1回の映像信号出力処理を実行する構成としても構わない。
【0041】
次に、描画データ生成処理及び映像信号出力処理の具体例を説明する。
図6は、第1例に係る描画データ生成処理に基づいてフレームバッファ領域に生成される描画データと、第1例に係る映像信号出力処理に基づいて演出画像表示装置において表示される演出画像と、の関係を示す図である。
図7は、第2例に係る描画データ生成処理に基づいてフレームバッファ領域に生成される描画データと、第2例に係る映像信号出力処理に基づいて演出画像表示装置において表示される演出画像と、の関係を示す図である。
図8は、第3例に係る描画データ生成処理に基づいてフレームバッファ領域において描画データが生成される過程を示す図である。
図9は、第3例に係る描画データ生成処理に基づいてフレームバッファ領域に生成される描画データと、第3例に係る映像信号出力処理に基づいて演出画像表示装置において表示される演出画像と、の関係を示す図である。
【0042】
まず、第1例に係る描画データ生成処理及び映像信号出力処理について説明する。
第1例では、CPU310により第1演出の実行が決定されたものとする。また、第1演出に対応する表示スケジュールデータに規定されている各フレームに係る描画内容指定情報において、有効描画領域指定情報により、フレームバッファ領域Bの全体((0,0)〜(799,1299)の範囲)が指定されており、出力領域指定情報及び出力先指定情報により、フレームバッファ領域Bのうち(0,0)〜(799,599)の範囲に生成されている描画データを第1画像表示装置11に対して出力し、フレームバッファ領域Bのうち(0,700)〜(799,1299)の範囲に生成されている描画データを第2画像表示装置12に対して出力することが指定されているものとする。
第1例では、CPU310は、第1演出に対応する表示スケジュールデータに基づいて、1フレームごとに、表示制御信号を生成し、生成した表示制御信号を、VDP340に対して送信する。この際、各フレームに係る描画の内容を指定する表示制御信号には、第1演出に対応する表示スケジュールデータに規定されている各フレームに係る描画内容指定情報が含められる。
VDP340は、各フレームに係る表示制御信号を受信すると、当該表示制御信号に含まれている描画内容指定情報に基づいて、描画データ生成処理(全体描画処理)を実行する。
すなわち、まず、当該描画内容指定情報に含まれる有効描画領域指定情報に基づいて、描画領域として指定されているフレームバッファ領域Bの全体((0,0)〜(799,1299)の範囲)を有効描画領域として設定する。
次に、
図6(a)に示すように、有効描画領域として設定されたフレームバッファ領域Bの全体において、当該描画内容指定情報に含まれる素材指定情報、X座標情報、Y座標情報、基点位置情報、X方向拡大率情報、Y方向拡大率情報、回転角情報等に基づいて、描画データを生成する。これによって、フレームバッファ領域Bの全体において、800(水平画素数)×1300(垂直画素数)=1040000[ピクセル]の描画データが生成される。
さらに、当該描画内容指定情報に含まれる出力領域指定情報及び出力先指定情報に基づいて、2つの描画データ出力領域を、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタにおいて設定する。すなわち、描画データ出力領域として、(0,0)〜(799,599)の範囲を指定する第1の描画データ出力領域と、(0,700)〜(799,1299)の範囲を指定する第2の描画データ出力領域と、を設定するとともに、第1の描画データ出力領域に生成されている描画データの出力先として第1画像表示装置11を設定し、第2描画データ出力領域に生成されている描画データの出力先として第2画像表示装置12を設定する。
【0043】
次に、当該フレームバッファ領域Bが出力領域として指定されると、VDP340は、当該フレームバッファ領域Bにおいて生成されている描画データに基づいて、映像信号出力処理を実行する。
すなわち、まず、
図6(a)に示すように、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタに設定されている第1の描画データ出力領域に生成されている描画データに基づいて、フレームバッファ領域Bのうち第1の描画データ出力領域((0,0)〜(799,599)の範囲)に生成されている描画データに基づく映像信号を生成する。
また、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタに設定されている第2の描画データ出力領域に基づいて、フレームバッファ領域Bのうち第2の描画データ出力領域((0,700)〜(799,1299)に生成されている描画データに基づく映像信号を生成する。
次に、第1の描画データ出力領域について生成した映像信号を、第1画像表示装置11の駆動回路11cに対して出力するとともに、第2の描画データ出力領域について生成した映像信号を、第2画像表示装置12の駆動回路12cに対して出力する。これによって、800(水平画素数)×600(垂直画素数)=480000[ピクセル]の描画データに基づく映像信号が、駆動回路11c及び駆動回路12cのそれぞれに対して出力される。
以上により、
図6(b)に示すように、第1画像表示装置11の表示画面11aにおいて、フレームバッファ領域Bのうち第1の描画データ出力領域に生成されている描画データに基づく演出画像が表示されるとともに、第2画像表示装置12の表示画面12aにおいて、フレームバッファ領域Bのうち第2の描画データ出力領域に生成されている描画データに基づく演出画像が表示される。
【0044】
次に、第2例に係る描画データ生成処理及び映像信号出力処理について説明する。
第2例では、CPU310により第2演出の実行が決定されたものとする。また、第2演出に対応する表示スケジュールデータに規定されている各フレームに係る描画内容指定情報において、有効描画領域指定情報により、フレームバッファ領域Bの全体((0,0)〜(799,1299)の範囲)が指定されており、出力領域指定情報及び出力先指定情報により、フレームバッファ領域Bのうち(0,100)〜(799,699)の範囲に生成されている描画データを第1画像表示装置11及び第2画像表示装置12のそれぞれに対して出力することが指定されているものとする。
第2例では、CPU310は、第2演出に対応する表示スケジュールデータに基づいて、1フレームごとに、表示制御信号を生成し、生成した表示制御信号を、VDP340に対して送信する。この際、各フレームに係る描画の内容を指定する表示制御信号には、第2演出に対応する表示スケジュールデータに規定されている各フレームに係る描画内容指定情報が含められる。
VDP340は、各フレームに係る表示制御信号を受信すると、当該表示制御信号に含まれている描画内容指定情報に基づいて、描画データ生成処理(全体描画処理)を実行する。
すなわち、まず、当該描画内容指定情報に含まれる有効描画領域指定情報に基づいて、描画領域として指定されているフレームバッファ領域Bの全体((0,0)〜(799,1299)の範囲)を有効描画領域として設定する。
次に、
図7(a)に示すように、有効描画領域として設定されたフレームバッファ領域Bの全体において、当該描画内容指定情報に含まれる素材指定情報、X座標情報、Y座標情報、基点位置情報、X方向拡大率情報、Y方向拡大率情報、回転角情報等に基づいて、描画データを生成する。これによって、フレームバッファ領域Bの全体において、800(水平画素数)×1300(垂直画素数)=1040000[ピクセル]の描画データが生成される。
さらに、当該描画内容指定情報に含まれる出力領域指定情報及び出力先指定情報に基づいて、1つの描画データ出力領域を、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタにおいて設定する。すなわち、描画データ出力領域として、(0,100)〜(799,699)の範囲を指定する描画データ出力領域を設定するとともに、当該描画データ出力領域に生成されている描画データの出力先として第1画像表示装置11及び第2画像表示装置12を設定する。
【0045】
次に、当該フレームバッファ領域Bが出力領域として指定されると、VDP340は、当該フレームバッファ領域Bにおいて生成されている描画データに基づいて、映像信号出力処理を実行する。
すなわち、まず、
図7(a)に示すように、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタに設定されている描画データ出力領域に生成されている描画データに基づいて、フレームバッファ領域Bのうち描画データ出力領域((0,0)〜(799,599)の範囲)に生成されている描画データに基づく映像信号を生成する。
次に、描画データ出力領域について生成した映像信号を、第1画像表示装置11の駆動回路11c及び第2画像表示装置12の駆動回路12cのそれぞれに対して出力する。これによって、800(水平画素数)×600(垂直画素数)=480000[ピクセル]の描画データに基づく映像信号が、駆動回路11c及び駆動回路12cのそれぞれに対して出力される。
以上により、
図7(b)に示すように、第1画像表示装置11の表示画面11a及び第2画像表示装置12の表示画面12aのそれぞれにおいて、フレームバッファ領域Bのうち描画データ出力領域に生成されている描画データに基づく演出画像が表示される。
【0046】
次に、第3例に係る描画データ生成処理及び映像信号出力処理について説明する。
第3例では、CPU310により同時期に実行される第3演出及び第4演出の実行が決定されたものとする。また、第3演出に対応する表示スケジュールデータに規定されている各フレームに係る描画内容指定情報において、有効描画領域指定情報により、フレームバッファ領域Bのうち(0,0)〜(799,599)の範囲が指定されており、出力領域指定情報及び出力先指定情報により、フレームバッファ領域Bのうち(0,0)〜(799,599)の範囲に生成されている描画データを第1画像表示装置11に対して出力することが指定されているものとする。
さらに、第4演出に対応する表示スケジュールデータに規定されている各フレームに係る描画内容指定情報において、有効描画領域指定情報により、フレームバッファ領域Bのうち(0,700)〜(799,1299)の範囲が指定されており、出力領域指定情報及び出力先指定情報により、フレームバッファ領域Bのうち(0,700)〜(799,1299)の範囲に生成されている描画データを第2画像表示装置12に対して出力することが指定されているものとする。
第3例では、CPU310は、第3演出に対応する表示スケジュールデータ及び第4演出に対応する表示スケジュールデータに基づいて、1フレームごとに、表示制御信号を生成し、生成した表示制御信号を、VDP340に対して送信する。この際、各フレームに係る描画の内容を指定する表示制御信号には、第3演出に対応する表示スケジュールデータに規定されている各フレームに係る描画内容指定情報と、第4演出に対応する表示スケジュールデータに規定されている各フレームに係る描画内容指定情報と、が含められる。
VDP340は、各フレームに係る表示制御信号を受信すると、当該表示制御信号に含まれている第3演出に係る描画内容指定情報及び第4演出に係る描画内容指定情報のそれぞれに基づいて、描画データ生成処理(個別描画処理)を実行する。
【0047】
具体的には、まず、第3演出に係る描画内容指定情報に基づく描画データ生成処理を実行する。
すなわち、まず、第3演出に係る描画内容指定情報に含まれる有効描画領域指定情報に基づいて、描画領域として指定されているフレームバッファ領域Bのうち(0,0)〜(799,599)の範囲を有効描画領域として設定する。
また、
図8(a)に示すように、フレームバッファ領域Bのうち有効描画領域として設定された(0,0)〜(799,599)の範囲において、当該第3演出に係る描画内容指定情報に含まれる素材指定情報、X座標情報、Y座標情報、基点位置情報、X方向拡大率情報、Y方向拡大率情報、回転角情報等に基づいて、描画データを生成する。この際、フレームバッファ領域Bのうち無効描画領域がマスクされることによって、当該無効描画領域には、描画データが生成(記憶)されない。これによって、当該有効領域の大きさ(800(水平画素数)×600(垂直画素数)=480000[ピクセル])を超える大きさの素材データを用いて描画データの生成を行った場合であっても、当該素材データが後述する第4演出に係る有効描画領域に描画されることが防止される。以上によって、フレームバッファ領域Bのうち(0,0)〜(799,599)の範囲において、800(水平画素数)×600(垂直画素数)=480000[ピクセル]の描画データが生成される。
さらに、当該第3演出に係る描画内容指定情報に含まれる出力領域指定情報及び出力先指定情報に基づいて、1つ目の描画データ出力領域を、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタにおいて設定する。すなわち、描画データ出力領域として、(0,0)〜(799,599)の範囲を指定する第1の描画データ出力領域を設定するとともに、当該第1の描画データ出力領域に生成されている描画データの出力先として第1画像表示装置11を設定する。
【0048】
次に、第4演出に係る描画内容指定情報に基づく描画データ生成処理を実行する。
すなわち、まず、第4演出に係る描画内容指定情報に含まれる有効描画領域指定情報に基づいて、描画領域として指定されているフレームバッファ領域Bのうち(0,700)〜(799,1299)の範囲を有効描画領域として設定する。
また、
図8(b)に示すように、フレームバッファ領域Bのうち有効描画領域として設定された(0,700)〜(799,1299)の範囲において、当該第4演出に係る描画内容指定情報に含まれる素材指定情報、X座標情報、Y座標情報、基点位置情報、X方向拡大率情報、Y方向拡大率情報、回転角情報等に基づいて、描画データを生成する。この際、フレームバッファ領域Bのうち無効描画領域がマスクされることによって、当該無効描画領域には、描画データが生成(記憶)されない。これによって、当該有効領域の大きさ(800(水平画素数)×600(垂直画素数)=480000[ピクセル])を超える大きさの素材データを用いて描画データの生成を行った場合であっても、当該素材データが第3演出に係る有効描画領域に描画されることが防止される。以上によって、フレームバッファ領域Bのうち(0,700)〜(799,1299)の範囲において、800(水平画素数)×600(垂直画素数)=480000[ピクセル]の描画データが生成される。
さらに、当該第4演出に係る描画内容指定情報に含まれる出力領域指定情報及び出力先指定情報に基づいて、2つ目の描画データ出力領域を、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタにおいて設定する。すなわち、描画データ出力領域として、(0,700)〜(799,1299)の範囲を指定する第2の描画データ出力領域を設定するとともに、当該第2の描画データ出力領域に生成されている描画データの出力先として第2画像表示装置12を設定する。
以上によって、
図9(a)に示すように、フレームバッファ領域Bにおいて、(0,0)〜(799,599)の範囲に、第3演出に係る描画内容指定情報に基づく描画データが生成され、(0,700)〜(799,1299)の範囲に、第4演出に係る描画内容指定情報に基づく描画データが生成される。
また、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタにおいて、2つの描画データ出力領域(第1の描画データ出力領域及び第2の描画データ出力領域)が設定される。
【0049】
次に、当該フレームバッファ領域Bが出力領域として指定されると、VDP340は、当該フレームバッファ領域Bにおいて生成されている描画データに基づいて、映像信号出力処理を実行する。
すなわち、まず、
図9(a)に示すように、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタに設定されている第1の描画データ出力領域に生成されている描画データに基づいて、フレームバッファ領域Bのうち第1の描画データ出力領域((0,0)〜(799,599)の範囲)に生成されている描画データに基づく映像信号を生成する。
また、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタに設定されている第2の描画データ出力領域に生成されている描画データ基づいて、フレームバッファ領域Bのうち第2の描画データ出力領域((0,700)〜(799,1299)に生成されている描画データに基づく映像信号を生成する。
そして、第1の描画データ出力領域について生成した映像信号を、第1画像表示装置11の駆動回路11cに対して出力するとともに、第2の描画データ出力領域について生成した映像信号を、第2画像表示装置12の駆動回路12cに対して出力する。これによって、800(水平画素数)×600(垂直画素数)=480000[ピクセル]の描画データに基づく映像信号が、駆動回路11c及び駆動回路12cのそれぞれに対して出力される。
以上により、
図9(b)に示すように、第1画像表示装置11の表示画面11aにおいて、フレームバッファ領域Bのうち第1の描画データ出力領域に生成されている描画データに基づく演出画像が表示されるとともに、第2画像表示装置12の表示画面12aにおいて、フレームバッファ領域Bのうち第2の描画データ出力領域に生成されている描画データに基づく演出画像が表示される。
【0050】
払出制御回路400は、発射ハンドル6が備える発射ボリューム(図示せず)から入力された信号に基づいて、遊技球発射装置423による遊技球の発射動作を制御する。
具体的には、払出制御回路400には、発射ボリューム及び遊技球発射装置423が接続されている。発射ボリュームは、発射ハンドル6が回転操作されると、この回転操作量に応じた信号を払出制御回路400に対して出力する。そして、払出制御回路400は、発射ボリュームから入力された信号に応じた強さで遊技球を遊技領域30に発射するように、遊技球発射装置423による遊技球の発射動作を制御する。
【0051】
また、払出制御回路400は、主制御回路200から受信した制御コマンド及びCRユニット500から受信した球貸指示信号のそれぞれに基づいて、遊技球払出装置440による遊技球払出動作を制御する。
具体的には、払出制御回路400には、接続基板410が接続され、その接続基板410には、球貸ボタン7a、返却ボタン7b、度数表示装置7c及びCRユニット500のそれぞれが接続されている。
球貸ボタン7aは、押下操作されたことに応じて、球貸操作信号を、接続基板410を介してCRユニット500に対して送信する。そして、CRユニット500は、球貸操作信号を受信すると、挿入されているプリペイドカードに記録されている有価媒体の残存度数から所定数の貸球を払い出すために必要な度数を減算して、プリペイドカードにおける有価媒体の残存度数の記録を更新するとともに、所定数の遊技球の払い出しを指示する球貸指示信号を、接続基板410を介して払出制御回路400に送信する。さらに、払出制御回路400は、球貸指示信号を受信すると、所定数の遊技球を払い出すように、遊技球払出装置440による遊技球の払出動作を制御する。
CRユニット500は、プリペイドカートが挿入されたとき及びプリペイドカードにおける有価媒体の残存度数の記録を更新したときのそれぞれにおいて、有価媒体の残存度数を示す度数信号を、接続基板410を介して度数表示装置7cに送信する。そして、度数表示装置7cは、度数信号を受信すると、この度数信号が示す有価媒体の残存度数を表示する。
返却ボタン7bは、押下操作されたことに応じて、返却操作信号を、接続基板410を介してCRユニット500に対して送信する。そして、CRユニット500は、返却操作信号を受信すると、有価媒体の残存度数が残っているプリペイドカードを返却(排出)する。
【0052】
(各種抽選について)
次に、パチンコ機1で実行される各種抽選について説明する。
パチンコ機1では、遊技球による始動ゲート41の通過を契機として、普通図柄抽選が実行される。そして、普通図柄抽選に当選した場合に、普図当たり遊技状態が生起される。普図当たり遊技状態では、始動口開閉部材52aが閉止状態から開放状態に変位(開放)されて、第2始動口52への遊技球の入球が可能な状態となる。
普通図柄抽選に当選した場合には、普図表示装置60において、普通図柄を「普図当たり図柄」で停止表示させるように制御する。一方、普通図柄抽選に落選した場合には、普図表示装置60において、普通図柄を「はずれ図柄」で停止表示させるように制御する。
また、パチンコ機1では、第1始動口51への遊技球の入球を契機として、第1特別図柄抽選が実行され、第2始動口52への遊技球の入球を契機として、第2特別図柄抽選が実行される。そして、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選に当選した場合に、大当たり遊技状態が生起される。大当たり遊技状態では、大入賞口開閉部材53aが閉止状態から開放状態に変位されるラウンド遊技が実行されて、大入賞口53への遊技球の入球が可能な状態となる。
本実施形態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)の抽選に当選した場合に生起される大当たり遊技状態の種別として、「通常大当たり」及び「確変大当たり」の2種類が設定されている。
【0053】
「通常大当たり」に当選した場合には、表示装置61,62において、特別図柄を「通常大当たり図柄」で停止表示させるように制御する。この際、演出図柄表示領域a1〜a4において、演出図柄z1,z2を「通常大当たり図柄」で停止表示させるように制御する。演出図柄表示領域a1〜a4において停止表示される「通常大当たり図柄」は、例えば、3つの第1演出図柄表示領域a1〜a3に停止表示された第1演出図柄z1が、「2、2、2」等、同一の偶数の数字を示す演出図柄で揃うとともに、第2演出図柄表示領域a4に停止表示された第2演出図柄z2が青色を示す態様とする。
「確変大当たり」に当選した場合には、表示装置61,62において、特別図柄を「確変大当たり図柄」で停止表示させるように制御する。この際、演出図柄表示領域a1〜a4において、演出図柄z1,z2を「確変大当たり図柄」で停止表示させるように制御する。演出図柄表示領域a1〜a4において停止表示される「確変大当たり図柄」は、例えば、3つの第1演出図柄表示領域a1〜a3に停止表示された第1演出図柄z1が、「1、1、1」等、同一の奇数の数字を示す演出図柄で揃うとともに、第2演出図柄表示領域a4に停止表示された第2演出図柄z2が赤色を示す態様とする。
一方、特別図柄抽選に落選した場合(「はずれ」の場合)には、表示装置61,62において特別図柄を「はずれ図柄」で停止表示させるように制御する。この際、演出図柄表示領域a1〜a4において、演出図柄z1,z2を「はずれ図柄」で停止表示させるように制御する。演出図柄表示領域a1〜a4において停止表示される「はずれ図柄」は、例えば、3つの第1演出図柄表示領域a1〜a3に停止表示された第1演出図柄z1を、「1、6、9」等、少なくとも一の領域に停止表示された演出図柄z1が示す数字が、他の領域に停止表示された演出図柄z1が示す数字と異なる組み合わせとなるとともに、第2演出図柄表示領域a4に停止表示された第2演出図柄z2が白色を示す態様とする。
【0054】
「通常大当たり」又は「確変大当たり」に当選した場合には、ラウンド遊技の回数が15[回]に設定され、各回のラウンド遊技における大入賞口開閉部材53aの最長開放時間が所定時間(例えば、30.0[s])に設定される。各回のラウンド遊技における大入賞口開閉部材53aの開放は、大入賞口開閉部材53aが開放状態とされてから設定された最長開放時間が経過するか、または、大入賞口53への遊技球の入球数が所定数(例えば、10[球])に達することにより終了する。
ここで、パチンコ機1では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選)の当選確率に係る遊技状態として、「特図低確率状態」及び「特図高確率状態」を有している。「特図低確率状態」では、特別図柄抽選の当選確率が、第1の確率(以下、「低確率」とする)(例えば、1/390)に設定される。一方、「特図高確率状態」では、特別図柄抽選の当選確率が、第1の確率より高い第2の確率(以下、「高確率」とする)(例えば、1/39)に設定される。なお、主制御回路200は、第1特別図柄抽選の当選確率と第2特別図柄抽選の当選確率とが同期するように、各抽選の当選確率を設定する。
「通常大当たり」に当選した場合には、この大当たり遊技状態が終了した後から次の大当たり遊技状態が生起される前までの期間において、「特図低確率状態」が生起される。一方、「確変大当たり」に当選した場合には、この大当たり遊技状態が終了した後から次の大当たり遊技状態が生起される前までの期間において、「特図高確率状態」が生起される(または、大当たり遊技状態の終了に応じて「特図高確率状態」が開始され、開始された「特図高確率状態」は、この「特図高確率状態」の開始後、大当たり遊技状態が生起されることなく、所定回数(例えば、70[回])の特別図柄の報知表示(変動表示及び停止表示)が実行されたことに応じて終了される)。
【0055】
また、パチンコ機1では、補助制御として、時短制御を実行することが可能となっている。時短制御とは、該制御が実行されていないときと比較して、特別図柄の変動表示を行う時間(以下、「変動時間」とする)が短縮される制御をいう。本実施形態では、時短制御が実行されているときには、該制御が実行されていないときと比較して、普通図柄抽選の当選確率が向上され、普図当たり遊技状態における始動口開閉部材52aの開放回数が増加され、普図当たり遊技状態における始動口開閉部材52aの開放時間が延長され、かつ、普通図柄の変動表示を行う時間が短縮される。
そして、「通常大当たり」又は「確変大当たり」に当選した場合には、この大当たり遊技状態の終了後において、時短制御が実行される。この時短制御は、大当たり遊技状態の終了に応じて開始され、この時短制御の開始後、大当たり遊技状態が生起されることなく、所定回数(例えば、70[回])の特別図柄の報知表示(変動表示及び停止表示)が実行されたことに応じて終了される。
【0056】
(制御コマンドについて)
次に、主制御回路200から演出制御回路300に対して送信される制御コマンド、及び、主制御回路200と払出制御回路400との間で送受信される制御コマンドについて説明する。
図10は、主制御回路から演出制御回路に対して送信される制御コマンドを説明する図である。
主制御回路200と演出制御回路300とは、シリアル通信用のハーネスを介して互いに接続されている。ここで、主制御回路200と演出制御回路300との間における通信は、主制御回路200から演出制御回路300への一方向のみで行われ、演出制御回路300から主制御回路200への通信は行われない。
主制御回路200から演出制御回路300に対して送信される各制御コマンドは、制御コマンドの種類を示す1バイトの先行データと、制御コマンドの内容を示す1バイトの後続データと、から構成されている。
そして、主制御回路200は、シリアル通信によって、先行データ及び後続データから構成される制御コマンドを演出制御回路300に対して送信する。演出制御回路300では、主制御回路200から制御コマンドを受信すると、シリアル通信受信割込みが発生し、この割込み処理によって、制御コマンドのデータをRAMの所定領域に記憶する。
【0057】
図10に示すように、パチンコ機1では、主制御回路200から演出制御回路300に対して送信される制御コマンドとして、図柄種別指定コマンド、第1変動パターン指定コマンド、第2変動パターン指定コマンド、停止指定コマンド、状態指定コマンド、保留数指定コマンド等が設定されている。
図柄種別指定コマンドは、特別図柄(演出図柄)の停止図柄(特別図柄抽選の抽選結果)を指定するコマンドである。図柄種別指定コマンドは、停止表示させる演出図柄の態様(停止図柄)として、「はずれ図柄」、「通常大当たり図柄」又は「確変大当たり図柄」を指定する。図柄種別指定コマンドは、特別図柄の変動開始時に送信される。
第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドは、それぞれ、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動パターンを指定するコマンドである。本実施形態では、第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドは、それぞれ、変動時間を指定することによって、当該変動時間に対応付けられている変動パターンを指定するように構成されている。
【0058】
第1変動パターン指定コマンドは、演出図柄の変動表示のうち第1期間(例えば、演出図柄の変動表示の開始後から後述するリーチ表示の開始前までの期間)の変動パターン(以下、「第1変動パターン」とする)を指定する。本実施形態では、第1変動パターンとして、互いに異なる内容の報知演出(後述する擬似連続変動表示の内容等)が対応付けられた、m(複数)種類の変動パターン(変動時間)が設定されている。そして、第1変動パターン指定コマンドは、m種類の第1変動パターンのうち一のものを指定する。
本実施形態では、第1変動パターンとして、「通常変動パターン」及び「擬似連続変動パターン」が設定されている。
「通常変動パターン」とは、「擬似連続変動パターン」とは異なり、演出図柄の変動表示中に、大当たり遊技状態が生起されることを期待させる表示が行われない変動パターンをいう。また、「擬似連続変動パターン」とは、演出図柄の変動表示中に、1回以上の擬似連続変動表示が行われる変動パターンをいう。
ここで、擬似連続変動表示とは、第2演出図柄表示領域における第2演出図柄の変動表示が継続されつつ、3つの第1演出図柄表示領域のうち二以上の領域の抽選結果表示位置(第1演出図柄が停止表示されて、特別図柄抽選の結果が表示される位置)において第1演出図柄の仮停止表示が行われた後に、再び、全ての第1演出図柄表示領域において第1演出図柄の通常変動表示が行われる表示をいう。
仮停止表示とは、第1演出図柄表示領域の抽選結果表示位置において、表示されている第1演出図柄が変更されることなく、一の種類の第1演出図柄が揺れた状態で表示される表示をいう。また、通常変動表示とは、第1演出図柄表示領域の抽選結果表示位置に表示される第1演出図柄が、順次変更される(入れ替えられる)表示をいう。
【0059】
第2変動パターン指定コマンドは、演出図柄の変動表示のうち第2期間(例えば、リーチ表示の開始後から演出図柄の停止表示の開始前までの期間)の変動パターン(以下、「第2変動パターン」とする)を指定する。ここで、第2期間は、第1期間より後の期間となっている。本実施形態では、第2変動パターンとして、互いに異なる内容の報知演出(後述するリーチ表示の内容等)が対応付けられた、n(複数)種類の変動パターン(変動時間)が設定されている。そして、第2変動パターン指定コマンドは、n種類の第2変動パターンのうち一のものを指定する。
本実施形態では、第2変動パターンとして、「通常変動パターン」及び「リーチ変動パターン」が設定されている。
「通常変動パターン」とは、「リーチ変動パターン」とは異なり、演出図柄の変動表示中に、大当たり遊技状態が生起されることを期待させる表示が行われない変動パターンをいう。また、「リーチ変動パターン」とは、演出図柄の変動表示中に、リーチ表示が行われる変動パターンをいう。
リーチ表示とは、演出図柄がリーチ状態を形成するとともに、演出図柄がリーチ状態を形成した際に、所定のリーチ演出が実行される表示をいう。リーチ状態とは、第2演出図柄表示領域における第2演出図柄の変動表示が継続されつつ、3つの第1演出図柄表示領域のうち二以上の領域において第1演出図柄の仮停止表示が行われ、かつ、二以上の領域において仮停止表示されている第1演出図柄が、「大当たり図柄」に含まれる組み合わせとなる状態(例えば、二以上の第1演出図柄表示領域において互いに同一の数字を示す「数字図柄」が仮停止表示されている状態)をいう。
【0060】
停止指定コマンドは、演出図柄(第1演出図柄及び第2演出図柄)の停止表示を指定するコマンドである。停止指定コマンドは、特別図柄の停止表示時に送信される。
状態指定コマンドは、遊技状態を指定するコマンドである。状態指定コマンドは、特図高確率状態の設定又は特図低確率状態の設定を指定する。状態指定コマンドは、各制御の開始時又は終了時、各確率の設定時に送信される。
保留数指定コマンドは、特図保留数の変化を指定するコマンドである。保留数指定コマンドは、特図保留数が1増加したこと又は特図保留数が1減少したことを指定する。保留数指定コマンドは、特図保留数の変化時に送信される。
【0061】
主制御回路200と払出制御回路400とは、シリアル通信用のハーネスを介して互いに接続されている。ここで、主制御回路200と払出制御回路400との間における通信は、双方向に行われる。主制御回路200と払出制御回路400との間において送受信される各制御コマンドは、1バイトのデータから構成されている。
そして、主制御回路200は、シリアル通信によって、制御コマンドを払出制御回路400に対して送信する。払出制御回路400では、主制御回路200から制御コマンドを受信すると、シリアル通信受信割込みが発生し、この割込み処理によって、制御コマンドのデータをRAMの所定領域に記憶する。また、払出制御回路400は、シリアル通信によって、制御コマンドを主制御回路200に対して送信する。主制御回路200では、払出制御回路400から制御コマンドを受信すると、シリアル通信受信割込みが発生し、この割込み処理によって、制御コマンドのデータをRAM230の所定領域に記憶する。
パチンコ機1では、主制御回路200から払出制御回路400に対して送信される制御コマンドとして、賞球数指定コマンド等が設定されている。賞球数指定コマンドは、払い出しを行う賞球数を指定するコマンドである。本実施形態では、賞球数指定コマンドは、n個(n=1〜15)の賞球の払い出しを指定する。賞球数指定コマンドは、遊技球払出制御回路400による賞球の払い出しに係る遊技球払出動作の実行時に送信される。
また、パチンコ機1では、払出制御回路400から主制御回路200に対して送信される制御コマンドとして、払出中エラーの発生・解除、満タンエラーの発生・解除、球詰まりエラーの発生・解除等のそれぞれを指定するコマンドが設定されている。各制御コマンドは、各種エラーの発生・解除の検出時に送信される。
【0062】
(主制御回路200で実行される処理)
次に、主制御回路200で実行される処理を説明する。
まず、主制御回路200に構成されているハードウェアの機能について説明する。
パチンコ機1に電源が投入されると、ハード乱数発生回路270は、周波数発生回路260から1クロックが入力されるごと(本実施形態では、0.083[μs]ごと)に、ループカウンタの値を所定の範囲内(例えば、0〜65535の範囲内)において1ずつ更新するハード乱数更新処理を開始する。そして、ハード乱数更新処理によって、普通図柄抽選の当たり乱数、第1特別図柄抽選の大当たり乱数及び第2特別図柄抽選の大当たり乱数のそれぞれが更新される。なお、ハード乱数更新処理は、ハード乱数発生回路270(ハードウェア)の機能として実行され、後述するCPU210がソフトウェアに基づいて実行する処理とは独立して実行される。
また、パチンコ機1に電源が投入されると、第2出力ポート252の送信用シフトレジスタは、FIFOバッファに記憶されている制御コマンドを演出制御回路300に対して送信する制御コマンド送信処理を開始する。なお、制御コマンド送信処理は、第2出力ポート252(ハードウェア)の機能として実行され、後述するCPU210がソフトウェアに基づいて実行する処理とは独立して実行される。
【0063】
次に、主制御回路200のCPU210がROM220に記憶されている遊技の進行に係るプログラム(ソフトウェア)に基づいて実行する遊技制御処理について説明する。
図11は、主制御回路が実行するメインループ処理を示すフローチャートである。
図12は、主制御回路が実行するシリアル通信受信割込み処理を示すフローチャートである。
図13は、主制御回路が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
主制御回路200は、パチンコ機1に電源が投入されると、メインルーチンとして、所定の初期化処理を実行した後に、メインループ処理を繰り返し実行する。また、主制御回路200は、所定の割込み発生要因の成立に応じて、割込み処理として、シリアル通信受信割込み処理、タイマ割込み処理等を実行する。
シリアル通信受信割込み処理の割込み発生要因は、払出制御回路400からの制御コマンドの受信となっている。タイマ割込み処理の割込み発生要因は、割込み要求信号の受信となっている。ここで、割込み要求信号は、所定割込み周期(本実施形態では、4.0[ms]周期)で発生する。
【0064】
まず、CPU210が実行するメインループ処理を説明する。
CPU210は、初期化処理が終了すると、
図11に示すメインループ処理を開始する。メインループ処理が開始されると、ステップS30に移行する。
ステップS30では、割込み禁止処理を実行し、ステップS31に移行する。割込み禁止処理では、他の処理の割込みを禁止する割込み禁止状態を設定する。これにより、割込み禁止状態が設定されている期間中には、シリアル通信受信割込み処理、タイマ割込み処理等の割込みが禁止される。
ステップS31では、初期値乱数更新処理を実行し、ステップS32に移行する。初期値乱数更新処理では、初期値乱数を発生させるためのループカウンタの値を更新する。初期値乱数とは、プログラム上で発生する乱数であるソフト乱数(大当たり図柄乱数、変動パターン乱数等)の初期値及び終了値を更新(変更)するための乱数である。
すなわち、ソフト乱数を発生させるループカウンタは、予め設定された初期値から終了値までの範囲内において更新される。そして、ループカウンタの初期値及び終了値は、ループカウンタの乱数値が終了値に達するごとに変更される。この際、ループカウンタに設定される初期値及び終了値は、初期値乱数に基づいて決定される。
【0065】
ステップS32では、制御コマンド解析処理を実行し、ステップS33に移行する。制御コマンド解析処理では、払出制御回路400から受信した制御コマンドの解析を行う。
ステップS33では、制御コマンド格納処理を実行し、ステップS34に移行する。制御コマンド格納処理では、RAM230のポート出力要求バッファに記憶されている制御コマンドを、第2出力ポート252の送信用データレジスタに対して出力する。
これによって、送信用データレジスタに入力された制御コマンドは、FIFOバッファに記憶(格納)される。そして、FIFOバッファに記憶された制御コマンドは、送信用シフトレジスタによって、所定の順番で、演出制御回路300に対して送信される。
ステップS34では、割込み許可処理を実行し、ステップS35に移行する。割込み許可処理では、割込み禁止状態を解除する。これにより、ステップS34の割込み許可処理終了後からステップS30の割込み禁止処理が開始される前までの期間が割込み許可期間となり、当該割込み許可期間中において、シリアル通信受信割込み処理、タイマ割込み処理等の割込みが許可される。
ステップS35では、その他乱数更新処理を実行し、ステップS30に移行する。その他乱数更新処理では、ソフト乱数のうち大当たり図柄乱数を除いたもの(変動パターン乱数等)の更新を行う。
【0066】
次に、CPU210が実行するシリアル通信受信割込み処理を説明する。
CPU210は、払出制御回路400から制御コマンドを受信すると、メインループ処理の割込み許可期間中又はタイマ割込み処理の割込み許可期間中において、
図12に示すシリアル通信受信割込み処理を開始する。シリアル通信受信割込み処理が開始されると、ステップS100に移行する。
ステップS100では、レジスタ退避処理を実行し、ステップS101に移行する。レジスタ退避処理では、メインループ処理又はタイマ割込み処理の実行中に使用していたレジスタの値をRAM230の退避領域に退避させる。
ステップS101では、入力ポート240の受信バッファにデータ(制御コマンド)が存在するか否かを判定し、受信バッファにデータが存在すると判定した場合(Yes)には、ステップS102に移行し、受信バッファにデータが存在しないと判定した場合(No)には、ステップS103に移行する。
ステップS102では、受信データ格納処理を実行し、ステップS103に移行する。受信データ格納処理では、受信バッファに存在するデータ(制御コマンド)をRAM230の所定領域に格納する。
ステップS103では、レジスタ復帰処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。レジスタ復帰処理では、ステップS100で退避しておいたレジスタの値を復帰させる。そして、レジスタ復帰処理の終了後、メインループ処理又はタイマ割込み処理(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0067】
次に、CPU210が実行するタイマ割込み処理を説明する。
周波数発生回路260は、所定割込み周期(本実施形態では、4.0[ms])ごとに、割込み要求信号を発生させる。そして、CPU210は、割込み要求信号の発生に応じて、メインループ処理の割込み許可期間中において、
図13に示すタイマ割込み処理を開始する。タイマ割込み処理が開始されると、ステップS200に移行する。
ステップS200では、レジスタ退避処理を実行し、ステップS201に移行する。レジスタ退避処理では、メインループ処理の実行中に使用していた全てのレジスタの値をRAM230の退避領域に退避させ、割込みを許可する。
ステップS201では、初期値乱数更新処理を実行し、ステップS202に移行する。ステップS201の初期値乱数更新処理は、ステップS31の初期値乱数更新処理と同一の処理となっている。
【0068】
ステップS202では、ソフト乱数更新処理を実行し、ステップS203に移行する。ソフト乱数更新処理では、ソフト乱数のうち大当たり図柄乱数を発生させるためのループカウンタの値を更新する。
ステップS203では、スイッチチェック処理を実行し、ステップS204に移行する。スイッチチェック処理では、入力ポート240における各検知センサ101〜104からの検出信号の入力の有無をチェックする。そして、いずれかの検知センサ101〜104からの検出信号の入力を検出した場合には、該検出を示す情報をRAM230の所定領域に記憶する。
ステップS204では、特別図柄抽選に係る各種乱数を記憶する特図乱数記憶処理を実行し、ステップS205に移行する。特図乱数記憶処理については、後述する。
ステップS205では、特別図柄抽選の抽選結果を報知する特図変動処理を実行し、ステップS206に移行する。特図変動処理については、後述する。
ステップS206では、大当たり遊技状態を制御する大当たり遊技処理を実行し、ステップS207に移行する。大当たり遊技処理では、RAM230の所定領域において大当たり遊技状態の開始を示す大当たり遊技状態開始フラグが設定されているか否かを判定し、大当たり遊技状態開始フラグが設定されていると判定した場合には、大当たり遊技状態を生起させる。
大当たり遊技状態では、大入賞口開閉部材53aが閉止状態から開放状態に変位されるラウンド遊技が実行されて、大入賞口53への遊技球の入球が可能な状態となる。本実施形態では、大当たり遊技状態では、15回のラウンド遊技が実行される。各回のラウンド遊技は、大入賞口開閉部材53aが開放状態とされてから最長開放時間が経過したこと及び大入賞口53への遊技球の入球数が所定数に達したことのうち一方が達成された場合に、終了する。
また、大当たり遊技状態の終了時には、時短回数カウンタに所定回数が設定されて、時短制御が開始される。
【0069】
ステップS207では、普通図柄抽選に係る各種乱数を記憶する普図乱数記憶処理を実行し、ステップS208に移行する。普図乱数記憶処理では、ステップS203の処理結果に基づいて、普図始動球検知センサ104から検出信号が入力されたか否かを判定し、入力されたと判定した場合には、普図乱数記憶処理を実行する。
普図乱数記憶処理では、普通図柄抽選の普図当たり乱数等を対応のループカウンタから取得して、取得した乱数(乱数値)を、普図始動情報として、RAM230の普図始動情報記憶領域に記憶する。
ステップS208では、普通図柄抽選の抽選結果を報知する普図変動処理を実行し、ステップS209に移行する。普図変動処理では、普図始動情報記憶領域において普図始動情報が記憶されているか否かを判定し、普図始動情報が記憶されていると判定した場合には、普図当たり判定処理及び報知表示開始処理を実行する。
普図当たり判定処理では、普図始動情報記憶領域に記憶されている普図始動情報に含まれる普図当たり乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定し、普図当たり乱数の値が当たり値と一致していると判定した場合には、停止図柄として「普図当たり図柄」を設定し、普図当たり乱数の値が当たり値と一致していないと判定した場合には、停止図柄として「はずれ図柄」を設定する。
報知表示開始処理では、普通図柄の変動時間を設定して、普図表示装置60において、普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄の変動表示が開始されてから設定された変動時間が経過した場合には、普図表示装置60において、普通図柄の表示が終了されて、普図当たり判定処理で設定された停止図柄による普通図柄の停止表示が行われる。
【0070】
ステップS209では、普図当たり遊技状態を制御する普図当たり遊技処理を実行し、ステップS210に移行する。普図当たり遊技処理では、普図表示装置60において「普図当たり図柄」が停止表示されたか否かを判定し、「普図当たり図柄」が停止表示されたと判定した場合には、普図当たり遊技状態を生起させる。
普図当たり遊技状態では、始動口開閉部材52aが閉止状態から開放状態に変位(開放)されて、第2始動口52への遊技球の入球が可能となる。始動口開閉部材52aは、開放状態とされてから所定の開放時間が経過したこと及び第2始動口52への遊技球の入球数が所定数に達したことのうち一方が達成された場合に、閉鎖状態とされる。
ステップS210では、賞球の払い出し動作を実行する賞球払出処理を実行し、ステップS211に移行する。賞球払出処理では、ステップS203の処理結果に基づいて、各検知センサ101〜103からの検出信号の入力の有無を判定する。そして、各検知センサ101〜103からの検出信号の入力があった場合には、賞球数指定コマンドを払出制御回路400に対して送信する。
本実施形態では、特
図1始動球検知センサ101から検出信号の入力があった場合には、3[球]の賞球数を指定する賞球数指定コマンド、特
図2始動球検知センサ102から検出信号の入力があった場合には、1[球]の賞球数を指定する賞球数指定コマンド、大入賞球検知センサ103から検出信号の入力があった場合には、5[球]の賞球数を指定する賞球数指定コマンドを払出制御回路400に対して送信する。
【0071】
ステップS211では、エラー監視処理を実行し、ステップS212に移行する。エラー監視処理では、各種エラーの発生を監視して、エラーの発生を判定した場合には、発生したエラーの種類に応じた処理を実行する。
例えば、払出制御回路400から払出中エラーの発生、満タンエラーの発生又は球詰まりエラーの発生を指定する制御コマンドを受信した場合には、受信した制御コマンドが指定するエラーの発生を判定する。そして、当該エラーの発生の報知を指定する制御コマンドをRAM230のポート出力要求バッファに記憶する。
また、払出制御回路400から払出中エラーの解除、満タンエラーの解除又は球詰まりエラーの解除を指定する制御コマンドを受信した場合には、受信した制御コマンドが指定するエラーの解除を判定する。そして、当該エラーの発生の報知の停止を指定する制御コマンドをRAM230のポート出力要求バッファに記憶する。
ステップS212では、ポート出力処理を実行し、ステップS213に移行する。ポート出力処理では、各種制御信号が、普図表示装置60、特
図1表示装置61、特
図2表示装置62、状態表示装置63、始動口ソレノイド64、大入賞口ソレノイド65等に対して出力される。
ステップS213では、レジスタ復帰処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。レジスタ復帰処理では、ステップS200で退避しておいたレジスタの値を復帰させる。そして、レジスタ復帰処理の終了後、メインループ処理(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0072】
次に、ステップS204の特図乱数記憶処理を説明する。
図14は、特図乱数記憶処理を示すフローチャートである。
特図乱数記憶処理は、ステップS204において実行されると、
図14に示すように、まず、ステップS240に移行する。
ステップS240では、ステップS203の処理結果に基づいて、特
図1始動球検知センサ101からの検出信号の入力を検出したか否かを判定し、入力を検出したと判定した場合(Yes)には、ステップS241に移行し、入力を検出しないと判定した場合(No)には、ステップS243に移行する。
ステップS241では、特
図1保留数が上限数に達しているか否かを判定し、上限数に達していないと判定した場合(No)には、ステップS242に移行し、上限数に達していると判定した場合(Yes)には、ステップS243に移行する。
ここで、特
図1保留数とは、特
図1表示装置61における第1特別図柄の報知表示(変動表示及び停止表示)が保留されている数をいう。本実施形態では、特
図1保留数の上限数は、「4」に設定されている。
【0073】
ステップS242では、特
図1乱数記憶処理を実行し、ステップS243に移行する。特
図1乱数記憶処理では、第1特別図柄抽選の大当たり乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数等を対応のループカウンタから取得して、取得した各種乱数(乱数値)を、特
図1始動情報として、RAM230の特
図1始動情報記憶領域に記憶する。
また、特
図1乱数記憶処理では、特図保留数が1増加したことを指定する保留数指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。
ステップS243では、ステップS203の処理結果に基づいて、特
図2始動球検知センサ102からの検出信号の入力を検出したか否かを判定し、入力を検出したと判定した場合(Yes)には、ステップS244に移行し、入力を検出しないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(S205)に移行する。
【0074】
ステップS244では、特
図2保留数が上限数に達しているか否かを判定し、上限数に達していないと判定した場合(No)には、ステップS245に移行し、上限数に達していると判定した場合(Yes)には、一連の処理を終了して次の処理(S205)に移行する。
ここで、特
図2保留数とは、特
図2表示装置62における第2特別図柄の報知表示(変動表示及び停止表示)が保留されている数をいう。本実施形態では、特
図2保留数の上限数は、「4」に設定されている。
ステップS245では、特
図2乱数記憶処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。特
図2乱数記憶処理では、第2特別図柄抽選の大当たり乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数等を対応のループカウンタから取得して、取得した各種乱数(乱数値)を、特
図2始動情報として、RAM230の特
図2始動情報記憶領域に記憶する。
また、特
図2乱数記憶処理では、図示していないが、特図保留数が1増加したことを指定する保留数指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。
【0075】
次に、ステップS205の特図変動処理を説明する。
図15は、特図変動処理を示すフローチャートである。
特図変動処理は、ステップS205において実行されると、
図15に示すように、まず、ステップS250に移行する。
ステップS250では、大当たり遊技状態の生起中であるか否かを判定し、大当たり遊技状態の生起中でないと判定した場合(No)には、ステップS251に移行し、大当たり遊技状態の生起中であると判定した場合(Yes)には、一連の処理を終了して次の処理(S206)に移行する。
ステップS251では、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の報知表示中であるか否かを判定し、特別図柄の報知表示中でないと判定した場合(No)には、ステップS252に移行し、特別図柄の報知表示中であると判定した場合(Yes)には、ステップS257に移行する。ここで、特別図柄の報知表示中とは、特別図柄の変動表示又は停止表示が行われている期間中をいう。
【0076】
ステップS252では、特図保留数が「0」であるか否かを判定し、特図保留数が「0」でないと判定した場合(No)には、ステップS253に移行し、特図保留数が「0」であると判定した場合(Yes)には、一連の処理を終了して次の処理(S206)に移行する。ここで、特図保留数とは、特
図1保留数及び特
図2保留数の合計数をいう。
ステップS253では、大当たり判定処理を実行し、ステップS254に移行する。大当たり判定処理では、RAM230の始動情報記憶領域(特
図1始動情報記憶領域又は特
図2始動情報記憶領域)に記憶されている始動情報(特
図1始動情報又は特
図2始動情報)に含まれる大当たり乱数を読み出して、この大当たり乱数の値が大当たり値と一致しているか否かを判定(大当たり判定)する。そして、大当たり乱数の値が大当たり値と一致している場合には、「大当たり」と判定し、大当たり乱数の値が大当たり値と一致していない場合には、「はずれ」と判定する。
この際、本実施形態では、始動情報記憶領域(特
図1始動情報記憶領域及び特
図2始動情報記憶領域)に記憶されている始動情報(特
図1始動情報及び特
図2始動情報)は、特
図1始動情報及び特
図2始動情報を通じて、先に取得(記憶)された始動情報から順に、大当たり判定が実行される。なお、特
図2始動情報記憶領域において特
図2始動情報が記憶されている場合には、特
図1始動情報に対して優先して、当該特
図2始動情報に基づく大当たり判定を実行する構成としても構わない。以下、ステップS253において大当たり判定が実行された始動情報を、「判定始動情報」とする。
【0077】
ROM220には、大当たり乱数と当たり値との対応が登録された特別図柄抽選テーブルが格納されている。また、特別図柄抽選テーブルとして、特図低確率状態に対応する特別図柄抽選テーブル及び特図高確率状態に対応する特別図柄抽選テーブルが格納されている。特図低確率状態に対応する特別図柄抽選テーブルでは、当選確率が第1の確率(例えば、1/390)となるように、当たり値が登録されている。一方、特図高確率状態に対応する特別図柄抽選テーブルでは、当選確率が第1の確率より高い第2の確率(例えば、1/39)となるように、当たり値が登録されている。そして、大当たり判定処理では、現在設定されている遊技状態に対応する特別図柄抽選テーブルを読み出して、大当たり判定を行う。これにより、特別図柄抽選の抽選結果(当選又は落選)が判定される。
【0078】
ステップS254では、停止図柄設定処理を実行し、ステップS255に移行する。停止図柄設定処理では、ステップS253の処理結果に基づいて、停止表示させる特別図柄の態様(停止図柄)を決定する(停止図柄判定)。
具体的には、大当たり判定により特別図柄抽選(第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選)に当選したと判定された場合には、判定始動情報に含まれる大当たり図柄乱数を読み出して、読み出した大当たり図柄乱数に基づいて、停止図柄(「通常大当たり図柄」又は「確変大当たり図柄」)を決定する。一方、大当たり判定により特別図柄抽選に落選したと判定された場合には、停止図柄として、「はずれ図柄」が決定される。
ROM220には、大当たり図柄乱数と大当たり図柄の種類との対応が登録された大当たり図柄決定テーブルが格納されている。また、大当たり図柄決定テーブルとして、第1特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブル及び第2特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルが格納されている。第1特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルと第2特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルとでは、各種類の大当たり図柄が選択される確率が互いに異なっている。
【0079】
そして、停止図柄設定処理では、判定始動情報が特
図1始動情報である場合には、当該判定始動情報に含まれる大当たり図柄乱数と、第1特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルとに基づいて、大当たり図柄の種類(「通常大当たり図柄」又は「確変大当たり図柄」)が判定される。一方、判定始動情報が特
図2始動情報である場合には、当該判定始動情報に含まれる大当たり図柄乱数と、第2特別図柄抽選に対応する大当たり図柄決定テーブルとに基づいて、大当たり図柄の種類が判定される。
さらに、停止図柄設定処理では、停止図柄させる特別図柄の態様として、決定した停止図柄を設定する。また、決定した停止図柄に対応する図柄種別指定コマンド(「通常大当たり図柄指定」、「確変大当たり図柄指定」又は「はずれ図柄指定」)を、ポート出力要求バッファに格納する。
【0080】
ステップS255では、変動時間設定処理を実行し、ステップS256に移行する。変動時間設定処理では、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動時間を決定する(変動パターン判定)。
具体的には、判定始動情報に含まれる変動パターン乱数を読み出して、読み出した変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動時間(第1変動パターンの内容及び第2変動パターンの内容)を決定する。
ROM220には、変動パターン乱数と第1変動パターンの内容(変動時間)との対応が登録された第1変動パターン決定テーブルが格納されている。そして、第1変動パターン決定テーブルとして、大当たり判定の結果のそれぞれ(「大当たり」又は「はずれ」)に対応する第1変動パターン決定テーブルが格納されている。また、「はずれ」に対応する第1変動パターン決定テーブルとして、時短制御の実行状況(実行中又は停止中)と保留数との組み合わせのそれぞれに対応する第1変動パターン決定テーブルが格納されている。
そして、時短制御の実行中に対応する第1変動パターン決定テーブルでは、時短制御の停止中に対応する第1変動パターン決定テーブルと比較して、短い変動時間(例えば、0.5[s])に係る第1変動パターンが登録されている。また、保留数が多いほど短い変動時間に係る第1変動パターンが決定されるように、各保留数に対応する第1変動パターン決定テーブルの内容が設定されている。
【0081】
また、ROM220には、変動パターン乱数と第2変動パターンの内容(変動時間)との対応が登録された第2変動パターン決定テーブルが格納されている。そして、第2変動パターン決定テーブルとして、大当たり判定の結果(「大当たり」又は「はずれ」)に対応する第2変動パターン決定テーブルが格納されている。また、「はずれ」に対応する第2変動パターン決定テーブルとして、時短制御の実行状況(実行中又は停止中)と保留数との組み合わせのそれぞれに対応する第2変動パターン決定テーブルが格納されている。
そして、時短制御の実行中に対応する第2変動パターン決定テーブルでは、時短制御の停止中に対応する第2変動パターン決定テーブルと比較して、短い変動時間(例えば、0.5[s])に係る第2変動パターンが登録されている。また、保留数が多いほど短い変動時間に係る第2変動パターンが決定されるように、各保留数に対応する第2変動パターン決定テーブルの内容が設定されている。
【0082】
そして、変動時間設定処理では、まず、判定始動情報に含まれる変動パターン乱数と、当たり判定の結果、時短制御の実行状況、保留数等に対応する第1変動パターン決定テーブルとに基づいて、第1変動パターンの内容(「通常変動パターン」、「擬似連続変動パターン」等)を判定する。
また、判定始動情報に含まれる変動パターン乱数と、当たり判定の結果、時短制御の実行状況、保留数等に対応する第2変動パターン決定テーブルとに基づいて、第2変動パターンの内容(「通常変動パターン」、「リーチ変動パターン」等)を判定する。
さらに、変動時間設定処理では、判定した第1変動パターンの内容を指定する第1変動パターン指定コマンド(変動パターンm指定)及び判定した第2変動パターンの内容を指定する第2変動パターン指定コマンド(変動パターンn指定)を、ポート出力要求バッファに格納する。
また、変動時間設定処理では、対象の特図保留数(特
図1保留数又は特
図2保留数)を1減算し、特図保留数が1減少したことを指定する保留数指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。
【0083】
ステップS256では、報知表示開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。報知表示開始処理では、ステップS255で決定した特別図柄の変動時間(変動パターンに対応する変動時間)を、特図変動時間タイマに設定する。ここで、特別図柄の変動時間とは、第1変動パターンに係る変動時間と第2変動パターンに係る変動時間とを合計した時間をいう。
そして、特
図1表示装置61又は特
図2表示装置62において、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示を開始するとともに、設定した特図変動時間タイマによる変動時間の計測を開始する。
また、RAM230の始動情報記憶領域に記憶されている判定始動情報を消去して、当該判定始動情報を、RAM230の変動中始動情報記憶領域に記憶する。
ステップS257では、特図変動時間タイマに基づいて、ステップS256で設定した特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、設定した特別図柄の変動時間が経過したと判定した場合(Yes)には、ステップS258に移行し、設定した特別図柄の変動時間が経過していないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(S206)に移行する。
【0084】
ステップS258では、報知表示終了処理を実行し、ステップS259に移行する。報知表示終了処理では、特
図1表示装置61又は特
図2表示装置62において、ステップS254で設定された停止図柄による特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の停止表示を行う。なお、特別図柄の停止表示は、予め設定されている所定時間行われる。
また、報知表示終了処理では、停止指定コマンドを、ポート出力要求バッファに格納する。
ステップS259では、ステップS258で停止表示された停止図柄が「大当たり図柄」(「通常大当たり図柄」又は「確変大当たり図柄」)であるか否かを判定し、大当たり図柄であると判定した場合(Yes)には、ステップS260に移行し、大当たり図柄でないと判定した場合(No)には、ステップS261に移行する。
【0085】
ステップS260では、大当たり遊技状態開始処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(S206)に移行する。大当たり遊技状態開始処理では、大当たり遊技状態開始フラグを、RAM230の所定領域に設定する。
ステップS261では、時短制御を実行中であるか否かを判定し、時短制御を実行中であると判定した場合(Yes)には、ステップS262に移行し、時短制御を実行中でないと判定した場合(No)には、一連の処理を終了して次の処理(S206)に移行する。
ステップS262では、時短制御を終了するか否かを判定し、時短制御を終了すると判定した場合(Yes)には、ステップS263に移行し、時短制御を終了しないと判定した場合(No)には、ステップS264に移行する。
本実施形態では、時短回数カウンタの値が「0」となっている場合には、時短制御を終了すると判定し、時短回数カウンタの値が「1」以上の場合には、時短制御を終了しないと判定する。
ステップS263では、時短制御停止処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(S206)に移行する。時短制御停止処理では、時短制御を停止して、時短回数カウンタの値をリセットする。
ステップS264では、時短回数カウンタ更新処理を実行し、一連の処理を終了して次の処理(S206)に移行する。時短回数カウンタ更新処理では、時短回数カウンタに設定されている値から「1」を減算した値を、新たに時短回数カウンタに設定する。
【0086】
(演出制御回路300で実行される処理)
次に、演出制御回路300のCPU310がROM320に記憶されているプログラム(ソフトウェア)に基づいて実行する演出制御処理について説明する。
図16は、演出制御回路が実行するメインループ処理を示すフローチャートである。
図17は、演出制御回路が実行するシリアル通信受信割込み処理を示すフローチャートである。
図18は、演出制御回路が実行するタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
演出制御回路300は、パチンコ機1に電源が投入されると、メインルーチンとして、所定の初期化処理を実行した後に、メインループ処理を繰り返し実行する。また、演出制御回路300は、所定の割込み発生要因の成立に応じて、割込み処理として、リアル通信受信割込み処理、タイマ割込み処理等を実行する。
本実施形態では、演出制御回路300のCPU310は、初期化処理において、VDP340のVRAM341において、2つのフレームバッファ領域Bを設定する。また、CPU310は、初期化処理において、後述する保留数カウンタの初期値として「0」を設定する。
シリアル通信受信割込み処理の割込み発生要因は、主制御回路200からの制御コマンドの受信となっている。タイマ割込み処理の割込み発生要因は、割込み要求信号の受信となっている。ここで、割込み要求信号は、所定割込み周期(本実施形態では、4.0[ms]周期)で発生する。
【0087】
まず、CPU310が実行するメインループ処理を説明する。
演出制御回路300のCPU310は、パチンコ機1に対して電源が投入されると、初期化処理を実行した後に、
図16に示すメインループ処理を開始する。メインループ処理が開始されると、ステップS50に移行する。
ステップS50では、割込み禁止処理を実行し、ステップS51に移行する。割込み禁止処理では、他の処理の割込みを禁止する割込み禁止状態を設定する。これにより、割込み禁止状態が設定されている期間中には、シリアル通信受信割込み処理、タイマ割込み処理等の割込みが禁止される。
ステップS51では、制御コマンド解析処理を実行し、ステップS33に移行する。制御コマンド解析処理では、主制御回路200から受信した制御コマンドの解析を行う。
【0088】
ステップS52では、割込み許可処理を実行し、ステップS53に移行する。割込み許可処理では、割込み禁止状態を解除する。これにより、ステップS52の割込み許可処理終了後からステップS50の割込み禁止処理が開始される前までの期間が割込み許可期間となり、当該割込み許可期間中において、シリアル通信受信割込み処理、タイマ割込み処理等の割込みが許可される。
ステップS53では、演出用乱数更新処理を実行し、ステップS50に移行する。演出用乱数更新処理では、演出内容の抽選に用いる各種乱数を発生させるためのループカウンタの値を更新する。
【0089】
次に、CPU310が実行するシリアル通信受信割込み処理を説明する。
演出制御回路300のCPU310は、主制御回路200から制御コマンドを受信すると、メインループ処理の割込み許可期間中又はタイマ割込み処理の割込み許可期間中において、
図17に示すシリアル通信受信割込み処理を開始する。シリアル通信受信割込み処理が開始されると、ステップS400に移行する。
ステップS400では、レジスタ退避処理を実行し、ステップS401に移行する。レジスタ退避処理では、メインループ処理又はタイマ割込み処理の実行中に使用していたレジスタの値をRAM320の退避領域に退避させる。
ステップS401では、入力ポート(図示せず)の受信バッファ(図示せず)に制御コマンド(データ)が記憶されているか否かを判定し、受信バッファに制御コマンドが記憶されていると判定した場合(Yes)には、ステップS402に移行し、受信バッファに制御コマンドが記憶されていないと判定した場合(No)には、ステップS403に移行する。
ステップS402では、受信データ格納処理を実行し、ステップS403に移行する。受信データ格納処理では、受信バッファに記憶されている制御コマンドをRAM330のコマンドバッファ領域に記憶する。
ステップS403では、レジスタ復帰処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。レジスタ復帰処理では、ステップS100で退避しておいたレジスタの値を復帰させる。そして、レジスタ復帰処理の終了後、メインループ処理又はタイマ割込み処理(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0090】
次に、CPU310が実行するタイマ割込み処理を説明する。
図19は、第4例に係る描画データ生成処理に基づいてフレームバッファ領域に生成される描画データと、第4例に係る映像信号出力処理に基づいて演出画像表示装置において表示される演出画像と、の関係を示す図である。
図20は、第5例に係る描画データ生成処理に基づいてフレームバッファ領域に生成される描画データと、第5例に係る映像信号出力処理に基づいて演出画像表示装置において表示される演出画像と、の関係を示す図である。
演出制御回路300の周波数発生回路(図示せず)は、所定割込み周期(本実施形態では、4.0[ms])ごとに、割込み要求信号を発生させる。そして、演出制御回路300のCPUは、割込み要求信号の発生に応じて、メインループ処理の割込み許可期間中において、
図18に示すタイマ割込み処理を開始する。タイマ割込み処理が開始されると、ステップS500に移行する。
ステップS500では、レジスタ退避処理を実行し、ステップS501に移行する。レジスタ退避処理では、メインループ処理の実行中に使用していた全てのレジスタの値をRAM320の退避領域に退避させ、割込みを許可する。
ステップS501では、演出フラグ設定処理を実行し、ステップS502に移行する。演出フラグ設定処理では、状態指定コマンドを受信したか否かを判定し、状態指定コマンドを受信したと判定した場合には、各種演出フラグの設定を行う。なお、状態指令コマンドを受信したか否かは、状態指定コマンドがRAM320のコマンドバッファ領域に保存されているか否かに基づいて判定する。
具体的には、特図高確率状態を指定する状態指定コマンドを受信した場合には、確変演出フラグを、RAM320の所定領域に設定する。一方、特図低確率状態を指定する状態指定コマンドを受信した場合には、RAM320の所定領域に設定されている確変演出フラグを解除する。
【0091】
ステップS502では、保留表示制御処理を実行し、ステップS503に移行する。保留表示制御処理では、保留数指定コマンドを受信したか否かを判定し、保留数指定コマンドを受信したと判定した場合には、保留数更新処理を実行する。保留数指定コマンドを受信したか否かは、保留数指定コマンドがRAM330のコマンドバッファ領域に保存されているか否かに基づいて判定する。
保留数更新処理では、受信した保留数指定コマンドが特図保留数の増加を指定している場合には、現在の保留数カウンタの値に「1」を加算した値を、新たに保留数カウンタに設定する。一方、受信した保留数指定コマンドが特図保留数の減少を指定している場合には、現在の保留数カウンタの値から「1」を減算した値を、新たに保留数カウンタに設定する。
【0092】
また、保留数更新処理では、更新後の保留数カウンタの値に基づいて、実行する保留数表示演出の演出プログラムを決定する。ここで、保留数表示演出では、保留図柄表示領域bにおいて、更新後の保留数カウンタの値に対応する数の保留図柄hが表示される。
具体的には、保留数更新処理では、更新後の保留数カウンタの値に基づいて、保留数表示演出の演出プログラムを決定する。そして、決定した演出プログラムにしたがって、当該保留数表示演出に係る表示スケジュールデータを設定する。そして、設定した表示スケジュールデータに基づく表示制御信号の出力を開始する。
これによって、設定された表示スケジュールデータにしたがって、順次、保留数表示演出を構成する描画データの描画を指示する表示制御信号が、VDP340に対して送信される。
本実施形態では、保留数表示演出に係る描画内容指定情報では、有効描画領域指定情報によって、フレームバッファ領域Bのうち(0,700)〜(799,1299)の範囲が指定され、出力領域指定情報によって、フレームバッファ領域Bのうち(0,700)〜(799,1299)の範囲が指定され、出力先指定情報によって、第2画像表示装置12が指定されている。
これによって、
図19(a)に示すように、保留数表示演出を構成する各描画データは、描画領域として指定されたフレームバッファ領域Bのうち(0,700)〜(799,1299)の範囲に描画される。そして、フレームバッファ領域Bのうち(0,700)〜(799,1299)の範囲に描画された描画データが、第2画像表示装置12に対して出力される。これによって、
図19(b)に示すように、保留数表示演出に係る演出画像は、表示画面12aにおいて表示される。
【0093】
ステップS503では、変動表示制御処理を実行し、ステップS504に移行する。変動表示制御処理では、所定の制御コマンドを受信したか否かを判定し、所定の制御コマンドを受信したと判定した場合には、変動表示開始処理を実行する。ここで、所定の制御コマンドとは、図柄種別指定コマンド、第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドをいう。所定の制御コマンドを受信したか否かは、図柄種別指定コマンド、第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドがRAM330のコマンドバッファ領域に保存されているか否かに基づいて判定する。
変動表示開始処理では、第1変動パターン指定コマンドが指定する第1変動パターンの内容に基づいて、変動表示のうち第1期間の演出プログラムを決定する。そして、決定した第1期間の演出プログラムにしたがって、第1期間の表示スケジュールデータを決定する。
また、第2変動パターン指定コマンドが指定する第2変動パターンの内容に基づいて、変動表示のうち第2期間の演出プログラムを決定する。そして、決定した第2期間の演出プログラムにしたがって、第2期間の表示スケジュールデータを決定する。
さらに、決定した第1期間の表示スケジュールデータと第2期間の表示スケジュールデータとを合わせた表示スケジュールデータを、当該変動表示の表示スケジュールデータとして設定する。そして、設定した表示スケジュールデータに基づく表示制御信号の出力を開始する。
これによって、設定された表示スケジュールデータにしたがって、順次、当該変動表示を構成する描画データの描画を指示する表示制御信号が、VDP340に対して送信され、演出画像表示装置20において、演出図柄z1,z2の変動表示が開始される。
【0094】
本実施形態では、第1変動パターンに基づく変動表示に係る描画内容指定情報、及び、第2変動パターンのうち「通常変動パターン」に基づく変動表示に係る描画内容指定情報では、有効描画領域指定情報によって、フレームバッファ領域Bのうち(0,0)〜(799,599)の範囲が指定され、出力領域指定情報によって、フレームバッファ領域Bのうち(0,0)〜(799,599)の範囲が指定され、出力先指定情報によって、第1画像表示装置11が指定されている。
これによって、
図19(a)に示すように、第1変動パターンに基づく変動表示を構成する各描画データ、及び、第2変動パターンのうち「通常変動パターン」に基づく変動表示を構成する各描画データは、描画領域として指定されたフレームバッファ領域Bのうち(0,0)〜(799,599)の範囲に描画される。そして、フレームバッファ領域Bのうち(0,0)〜(799,599)の範囲に描画された描画データが、第1画像表示装置11に対して出力される。これによって、
図19(b)に示すように、第1変動パターンに基づく変動表示に係る演出画像、及び、第2変動パターンのうち「通常変動パターン」に基づく変動表示に係る演出画像は、表示画面11aにおいて表示される。
一方、第2変動パターンのうち「リーチ変動パターン」に基づく変動表示に係る描画内容指定情報では、有効描画領域指定情報によって、フレームバッファ領域Bの全体が指定され、出力領域指定情報によって、フレームバッファ領域Bのうち(0,0)〜(799,599)の範囲、及び、フレームバッファ領域Bのうち(0,700)〜(799,1299)の範囲が指定され、出力先指定情報によって、(0,0)〜(799,599)の範囲について第1画像表示装置11が指定され、(0,700)〜(799,1299)の範囲について第2画像表示装置12が指定されている。
これによって、
図20(a)に示すように、「リーチ変動パターン」に基づく変動表示を構成する各描画データは、描画領域として指定されたフレームバッファ領域Bの全体に描画される。そして、フレームバッファ領域Bのうち(0,0)〜(799,599)の範囲に描画された描画データが、第1画像表示装置11に対して出力され、フレームバッファ領域Bのうち(0,700)〜(799,1299)の範囲に描画された描画データが、第2画像表示装置12に対して出力される。これによって、
図20(b)に示すように、「リーチ変動パターン」に基づく変動表示に係る演出画像は、表示画面11a及び表示画面12aにおいて表示される。
この際、保留数表示演出及び「リーチ変動パターン」に基づく変動表示が同時に実行される場合には、保留表示演出を構成する各描画データと、「リーチ変動パターン」に基づく変動表示を構成する各描画データと、が合成されて、両演出に係る描画データが生成される。
【0095】
また、変動表示開始処理では、図柄種別指定コマンドが指定する停止図柄(「はずれ図柄」、「通常大当たり図柄」又は「確変大当たり図柄」)に基づいて、演出図柄の停止表示の演出プログラムを決定する。そして、決定した演出プログラムにしたがって、停止表示に係る表示スケジュールデータを設定する。
【0096】
ステップS504では、停止表示制御処理を実行し、ステップS505に移行する。停止表示制御処理では、停止指定コマンドを受信したか否かを判定し、停止指定を受信したと判定した場合には、停止表示開始処理を実行する。ここで、停止指定コマンドを受信したか否かは、停止指定コマンドがRAM320のコマンドバッファ領域に保存されているか否かに基づいて判定する。
停止表示開始処理では、ステップS503で設定した停止表示に係る表示スケジュールデータに基づく表示制御信号の出力を開始する。これによって、設定された表示スケジュールデータにしたがって、順次、当該停止表示を構成する描画データの描画を指示する表示制御信号が、VDP340に対して送信され、演出画像表示装置20において、演出図柄z1,z2の停止表示が開始される。
本実施形態では、停止表示に係る表示制御信号では、描画実行領域指定情報により、描画実行領域として、表示領域R1が指定される。これによって、停止表示を構成する各描画データは、描画領域として指定されたフレームバッファ領域Bの表示領域R1において生成される。よって、停止表示に係る演出画像は、表示画面11aにおいて表示される。
ステップS505では、レジスタ復帰処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。レジスタ復帰処理では、ステップS500で退避しておいたレジスタの値を復帰させる。そして、レジスタ復帰処理の終了後、メインループ処理(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0097】
(パチンコ機1の動作)
次に、パチンコ機1の動作を説明する。
パチンコ機1では、始動口51,52への遊技球の入球があると、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、変動パターン乱数等の各種乱数が取得されて、取得した各種乱数が、始動情報(特
図1始動情報又は特
図2始動情報)として、RAM230の始動情報記憶領域(特
図1始動情報記憶領域又は特
図2始動情報記憶領域)に記憶される。ここで、各始動情報記憶領域には、最大で4つまで始動情報が記憶される。
始動情報が始動情報記憶領域に記憶されると、特図保留数が1増加したことを指定する保留数指定コマンドが、主制御回路200から演出制御回路300に対して出力される。そして、保留数指定コマンドを受信した演出制御回路300は、保留数カウンタの値を更新(「1」を加算)し、更新後の保留数カウンタの値に基づいて、保留数表示演出を実行する。これによって、保留数表示演出として、保留図柄表示領域bにおいて表示される保留図柄hの数が「1」増加される演出画像が表示される。
ここで、パチンコ機1では、始動情報記憶領域(特
図1始動情報記憶領域及び特
図2始動情報記憶領域)において、最大で8つの始動情報を記憶することが可能となっているため、保留図柄表示領域bにおいて、最大で8つの保留図柄hが表示される。
【0098】
始動情報記憶領域に記憶されている始動情報については、所定の順序で、大当たり遊技状態を生起させるか否かを判定する大当たり判定と、当該大当たり判定の結果を報知する報知表示の変動時間(変動パターン)を判定する変動パターン判定と、報知表示において停止表示させる図柄を判定する停止図柄判定と、を含む始動判定が実行される。
そして、始動情報について始動判定が実行されると、表示装置61,62において、始動判定で決定された変動パターンに基づく特別図柄の変動表示が開始される。
特別図柄の変動表示が開始される際には、特図保留数が1減少したことを指定する保留数指定コマンドが、主制御回路200から演出制御回路300に対して出力される。そして、保留数指定コマンドを受信した演出制御回路300は、保留数カウンタの値を更新(「1」を減算)し、更新後の保留数カウンタの値に基づいて、保留数表示演出を実行する。これによって、保留数表示演出として、保留図柄表示領域bにおいて表示される保留図柄hの数が「1」減少される演出画像が表示される。
また、特別図柄の変動表示が開始される際には、図柄種別指定コマンド、第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドが、主制御回路200から演出制御回路300に対して出力される。そして、第1変動パターン指定コマンド及び第2変動パターン指定コマンドを受信した演出制御回路300は、演出図柄表示領域a1〜a4において、変動パターン判定で決定された変動パターンに基づく演出図柄z1,z2の変動表示を実行する。
【0099】
特別図柄の変動表示が開始されてから始動判定で決定された変動時間が経過すると、特別図柄の変動表示が終了されて、大当たり判定の結果(特別図柄抽選の結果)に応じた態様による特別図柄の停止表示が開始される。
特別図柄の停止表示が開始される際には、停止指定コマンドが、主制御回路200から演出制御回路300に対して出力される。そして、停止指定コマンドを受信した演出制御回路300は、演出図柄表示領域a1〜a4において、停止図柄判定で決定された停止図柄に基づく演出図柄z1,z2の停止表示を実行する。
そして、特別図柄抽選に当選した場合には、特別図柄の停止表示が行われた後に、大当たり遊技状態が生起される。大当たり遊技状態では、大入賞口開閉部材53aが閉止状態から開放状態に変位されるラウンド遊技が実行されて、大入賞口53への遊技球の入球が可能となる。
【0100】
特に、パチンコ機1では、演出制御回路300のCPU310は、主制御回路200から受信した制御コマンドに基づいて、実行する演出内容を決定する。そして、決定した演出内容に対応する演出プログラムに基づいて、演出画像表示装置20において表示する演出画像を制御するための表示スケジュールデータを設定する。さらに、設定した表示スケジュールデータにしたがって、順次、表示制御信号を生成し、生成した表示制御信号をVDP340に対して出力する。
VDP340は、CPU310から入力された表示制御信号に基づいて、描画データ生成処理を実行する。この際、表示制御信号において、一の描画内容指定情報のみが含まれている場合には、当該描画内容指定情報に基づく描画データ生成処理を実行する。一方、表示制御信号において、複数の描画内容指定情報が含まれている場合には、当該複数の描画内容指定情報のそれぞれに基づく描画データ生成処理を所定の順序で実行する。
各描画内容指定情報に基づく描画データ生成処理では、まず、当該描画内容指定情報に含まれる有効描画領域指定情報に基づいて、フレームバッファ領域Bにおいて有効描画領域を設定する。
そして、当該描画内容指定情報に含まれる素材指定情報、X座標情報、Y座標情報、基点位置情報、X方向拡大率情報、Y方向拡大率情報、回転角情報等に基づいて、描画データを生成する。この際、フレームバッファ領域Bのうち有効描画領域として設定されている領域において、描画データが生成される。
さらに、当該描画内容指定情報に含まれる出力領域指定情報及び出力先指定情報に基づいて、描画データ出力領域、及び、当該描画データ出力領域に生成されている描画データの出力先を、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタにおいて設定する。
【0101】
また、VDP340は、出力領域として指定されているフレームバッファ領域Bに生成(記憶)されている描画データに基づいて、各画像表示装置11,12の駆動回路11c,12cに対して出力する映像信号を生成し、生成した映像信号を各駆動回路11c,12cに対して出力する。
具体的には、まず、出力領域として指定されているフレームバッファ領域Bのうち、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタに設定されている描画データ出力領域に生成されている描画データに基づいて映像信号を生成し、生成した映像信号を、当該描画データ出力領域に対応する出力先に対して出力する。この際、当該フレームバッファ領域Bに対応するレジスタにおいて、複数の描画データ出力領域が設定されている場合には、各描画データ出力領域について映像信号を生成し、各描画データ出力領域について生成した映像信号を、当該描画データ出力領域に対応する出力先に対して出力する。
これによって、各画像表示装置11,12の表示画面11a,12aにおいて、入力された映像信号に基づく演出画像が表示される。
【0102】
(パチンコ機1の作用)
次に、パチンコ機1の作用について説明する。
パチンコ機1では、一のフレームバッファ領域Bにおいて、複数の画像表示装置11,12のそれぞれに係る領域が指定される。そして、指定された領域に描画されている画像が、当該領域に係る画像表示装置11,12に対して出力される。
これによって、一のフレームバッファ領域Bに描画されている画像のうち、各画像表示装置11,12に係る領域として指定されている領域に描画されている画像が、当該画像表示装置11,12に対して出力される。
したがって、一のフレームバッファ領域Bにおける画像の描画に基づいて、複数の画像表示装置11,12のそれぞれにおいて画像を表示することができる。すなわち、複数の画像表示装置11,12のそれぞれに対応するフレームバッファ領域Bを設定する必要がなくなる。
よって、複数の画像表示装置11,12において画像を表示するために必要となる記憶容量を低減することが可能となる。
特に、個別描画処理では、複数の画像表示装置11,12のそれぞれに係る領域として指定される領域において、個別の画像が描画され、各領域において描画された画像が、当該領域に係る画像表示装置11,12に対して出力される。
これによって、一のフレームバッファ領域Bにおける画像の描画に基づいて、複数の画像表示装置11,12で異なる画像を表示することが可能となる。
また、全体描画処理では、一のフレームバッファ領域Bの全体において、一の画像が描画され、当該一の画像のうち、各画像表示装置11,12に係る領域として指定されている領域に描画されている部分が、当該画像表示装置11,12に対して出力される。
これによって、一のフレームバッファ領域Bにおける画像の描画に基づいて、複数の画像表示装置11,12によって一の画像を表示することが可能となる。