(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の連結ジョイントは、引手本体の長手方向両側に設けられ、引手本体同士を連結して一体化するために、ネジを利用するので、ワンタッチで簡単に引手本体同士を連結させることができず、組み立てが面倒であるという問題点があった。さらに、従来の連結ジョイントは、連結ジョイント同士をネジで連結する構造なので、引手本体を取り付ける引戸の厚みが決まっており、引戸の厚みが異なると対応することができないという問題点があった。また、従来の連結ジョイントは、連結ジョイント同士をネジにより連結する構成なので、連結ジョイント同士の連結力が一定であり、引戸の種類に応じて連結力を変更させる等の柔軟な対応ができないという問題点があった。
【0005】
本願発明は、上記問題点に鑑み案出したものであって、引手本体同士をワンタッチで簡単に連結させることができ、引戸の厚みが異なっても対応することができる連結ジョイントを提供することを第1の目的とする。さらに、連結ジョイント同士の連結力を必要に応じて変更させることができる連結ジョイントを提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1記載の連結ジョイントは、上記第1
及び第2の目的を達成するため、一対の引手を連結して引戸に取り付ける連結ジョイントであって、ジョイント本体は、連結体を有し、
前記連結体は、一方が引手に取り付けられ、他方に係合部が設けられており、前記連結体の係合部は、係合凸部と係合凹部とで形成され、
前記係合凸部は、外側両面に外側係止歯が形成され、
前記係合凹部は、内側両面に内側係止歯が形成され、
前記ジョイント本体は、
前記係合凸部と
前記係合凹部を、他のジョイント本体の係合凹部と係合凸部に係合すると、
前記係合凸部の
前記外側係止歯と
前記係合凹部の
前記内側係止歯が噛み合って、
前記他のジョイント本体と連結するように構成されており、前記内側係止歯は、係合凹部の先部に形成さ
れ、前記係合凸部は、矩形体状に形成され、対向する両面外側に前記外側係止歯が設けられ、前記係合凹部は、基壁と、前記基壁の両側に形成された側壁とで断面略コ字状に形成され、対向する側壁内面に前記内側係止歯が設けられており、前記側壁には、前記内側係止歯と前記連結体の間に、切り欠きが形成されていることを特徴とする。
【0007】
本願請求項2記載の連結ジョイントは、上記第2の目的を達成するため、
前記基壁には、切り欠きが形成されていることを特徴する。
【0008】
本願請求項3記載の連結ジョイントは、上記
第1及び第2の目的を達成するため、
一対の引手を連結して引戸に取り付ける連結ジョイントであって、ジョイント本体は、連結体を有し、前記連結体は、一方が引手に取り付けられ、他方に係合部が設けられており、前記連結体の係合部は、係合凸部と係合凹部とで形成され、前記係合凸部は、外側両面に外側係止歯が形成され、前記係合凹部は、内側両面に内側係止歯が形成され、前記ジョイント本体は、前記係合凸部と前記係合凹部を、他のジョイント本体の係合凹部と係合凸部に係合すると、前記係合凸部の前記外側係止歯と前記係合凹部の前記内側係止歯が噛み合って、前記他のジョイント本体と連結するように構成されており、前記内側係止歯は、前記係合凹部の先部に形成され、前記係合凸部は、矩形体状に形成され、対向する両面外側に
前記外側係止歯が設けられ、前記係合凹部は、基壁と、
前記基壁の両側に形成された側壁とで断面略コ字状に形成され、対向する側壁内面に
前記内側係止歯が設けられており、
前記基壁には、切り欠きが形成されていることを特徴する。
【0009】
本願請求項4記載の連結ジョイントは、上記第1及び第2の目的を達成するため、一対の引手を連結して引戸に取り付ける連結ジョイントであって、ジョイント本体は、連結体を有し、前記連結体は、一方が引手に取り付けられ、他方に係合部が設けられており、前記連結体の係合部は、係合凸部と係合凹部とで形成され、前記係合凸部は、外側両面に外側係止歯が形成され、前記係合凹部は、内側両面に内側係止歯が形成され、前記ジョイント本体は、前記係合凸部と前記係合凹部を、他のジョイント本体の係合凹部と係合凸部に係合すると、前記係合凸部の前記外側係止歯と前記係合凹部の前記内側係止歯が噛み合って、前記他のジョイント本体と連結するように構成されており、前記内側係止歯は、前記係合凹部の先部及び後部に形成され、前記係合凸部は、矩形体状に形成され、対向する両面外側に前記外側係止歯が設けられ、前記係合凹部は、基壁と、前記基壁の両側に形成された側壁とで断面略コ字状に形成され、対向する側壁内面の前記先部と前記後部に前記内側係止歯が設けられており、前記側壁には、前記先部側の前記内側係止歯と前記後部側の前記内側係止歯の間に
、断面コ字状の切り欠きが形成され
、前記切り欠きの大きさを変化させることにより、前記内側係止歯の弾性変形力が変化することを特徴とする。
【0010】
本願請求項5記載の連結ジョイントは、上記第2の目的を達成するため、
前記基壁には、切り欠きが形成されていることを特徴する。
【0011】
本願請求項6記載の連結ジョイントは、上記
第1及び第2の目的を達成するため、
一対の引手を連結して引戸に取り付ける連結ジョイントであって、ジョイント本体は、連結体を有し、前記連結体は、一方が引手に取り付けられ、他方に係合部が設けられており、前記連結体の係合部は、係合凸部と係合凹部とで形成され、前記係合凸部は、外側両面に外側係止歯が形成され、前記係合凹部は、内側両面に内側係止歯が形成され、前記ジョイント本体は、前記係合凸部と前記係合凹部を、他のジョイント本体の係合凹部と係合凸部に係合すると、前記係合凸部の前記外側係止歯と前記係合凹部の前記内側係止歯が噛み合って、前記他のジョイント本体と連結するように構成されており、前記内側係止歯は、前記係合凹部の先部及び後部に形成され、前記係合凸部は、矩形体状に形成され、対向する両面外側に
前記外側係止歯が設けられ、前記係合凹部は、基壁と、
前記基壁の両側に形成された側壁とで断面略コ字状に形成され、対向する側壁内面の
前記先部と
前記後部に
前記内側係止歯が設けられており、
前記基壁には、切り欠きが形成されていることを特徴する。
【0012】
本願請求項7記載の連結ジョイントは、上記第2の目的を達成するため、前記引手に
前記ジョイン
ト本体が一体的に形成されていることを特徴する。
【発明の効果】
【0013】
本願発明に係る連結ジョイントは、一対の引手を連結して引戸に取り付けるものである。ジョイント本体は、連結体を有する。連結体は、一方が引手に取り付けられ、他方に係合部が設けられている。前記連結体の係合部は、係合凸部と係合凹部とで形成されている。係合凸部は、外側両面に外側係止歯が形成されている。係合凹部は、内側両面に内側係止歯が形成されている。ジョイント本体は、係合凸部と係合凹部を、他のジョイント本体の係合凹部と係合凸部に係合すると、係合凸部の外側係止歯と係合凹部の内側係止歯が噛み合って、他のジョイント本体と連結するように構成されている。前記内側係止歯は、係合凹部の先部に形成されている。前記内側係止歯は、係合凹部の先部及び後部に形成されている場合もある。
【0014】
本願発明に係る連結ジョイントを取り付けた一対の引手を、引戸の両方の面側に対向して配置し、引戸に形成された取付長孔に両側から装着する。本願発明に係る連結ジョイントは、一方の引手を引戸の一方の面側から取付長孔に装着し、他方の引手を引戸の他方の面側から取付長孔に装着すると、一方の連結ジョイントの係合凹部に他方の連結ジョイントの係合凸部が係合し、一方の連結ジョイントの係合凸部が他方の連結ジョイントの係合凹部に係合して、一対の連結ジョイントが連結し、一対の引手を引戸にワンタッチで簡単に固定することができる。
【0015】
本願発明に係る連結ジョイントは、一対の連結ジョイントを連結すると、係合凹部の内側係止歯と係合凸部の外側係止歯が噛み合って係止されるので、連結の解除を困難にすることができる。本願発明に係る連結ジョイントは、一対の引手に取り付ける向きを互いに変えることにより連結させることができるので、一種類を作るだけで良く、コストを安く抑えることができるという効果がある。
【0016】
本願発明に係る連結ジョイントは、厚みの薄い引戸に一対の引手を取り付ける場合には、一方の連結ジョイントの係合凹部に設けられた内側係止歯が、他方の連結ジョイントの係合凸部に設けられた外側係止歯の深い位置で噛み合って係止される。また、厚みの厚い引戸に一対の引手を取り付ける場合には、一方の連結ジョイントの係合凹部に設けられた内側係止歯が、他方の連結ジョイントの係合凸部に設けられた外側係止歯の浅い位置で噛み合って係止される。このように、本願発明に係る連結ジョイントは、内側係止歯が噛み合う外側係止歯の位置を変えることにより、板厚の異なる引戸に柔軟に対応することができるという効果がある。本願発明に係る連結ジョイントは、引戸の板厚の変化に対応して、内側係止歯の外側係止歯に対する位置が変わっても、内側係止歯全体が外側係止歯に噛み合っているので、引戸の板厚が変わっても内側係止歯と外側係止歯の噛み合う係止力(連結力)が常に一定しており、安定して一対の引戸を連結することができるという効果がある。
【0017】
また、本願発明に係る連結ジョイントは、係合凸部が矩形体状に形成され、係合凸部の対向する両面外側に外側係止歯が設けられている。さらに、本願発明に係る連結ジョイントは、係合凹部が、基壁と基壁の両側に形成された側壁とで断面略コ字状に形成され、係合凹部の対向する側壁内面に内側係止歯が設けられている。この側壁は、内側係止歯と連結体の間に切り欠きが形成されている。また、側壁は、前記内側係止歯が係合凹部の先部及び後部に形成されている場合、先部側の内側係止歯と後部側の内側係止歯の間に、切り欠きが形成されている。切り欠きは、基壁に形成されている場合もある。
【0018】
本願発明に係る連結ジョイントは、切り欠きの大きさを変化させることにより、内側係止歯の弾性変形力が変化し、内側係止歯と外側係止歯の噛み合う係止力(連結力)を変化させることもできるという効果がある。連結ジョイントは、係止力(連結力)が弱いと、連結が容易になる一方、外れ易くなり、係止力(連結力)が強いと、連結が強固になる一方、外れ難くなる。このように、本願発明に係る連結ジョイントは、切り欠きの大きさで係止力(連結力)の調整を行うことができ、引戸の重さ・材質・形状に合わせて、また要求に応じて係止力(連結力)を調節することができるという効果がある。
【0019】
本願発明に係る連結ジョイントは、引手にジョイン本体が一体的に形成されていても良く、上記効果を達成する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願発明に係る連結ジョイントの概要について説明する。
図5に示すように、連結ジョイント1は、一対の引手31を連結して引戸61に取り付けるものである。ジョイント本体1aは、連結体2を有する。連結体2は、一方が引手31に取り付けられ、他方に係合部20が設けられている。即ち、
図1に示すように、連結体2は、一方の面3に引手31に形成された一対の係合突起51,52に係合される一対の係合枠10,11が設けられ、他方の面4に係合部20が設けられている。前記連結体2の係合部20は、係合凸部21と係合凹部22とで形成されている。
【0022】
図1,2に示すように、係合凸部21は、外側両面に外側係止歯21a,21aが形成されている。係合凹部22は、内側両面に内側係止歯23a,24aが形成されている。
図7に示すように、ジョイント本体1aは、係合凸部21と係合凹部22を、他のジョイント本体1aの係合凹部22と係合凸部21に係合すると、係合凸部21の外側係止歯21a,21aと係合凹部22の内側係止歯23a,24aが噛み合って、他のジョイント本体1aと連結するように構成されている。前記内側係止歯23a,24aは、係合凹部22の先部に形成されている。なお、前記内側係止歯23a,24aは、
図12,13に示すように、係合凹部22の先部23b,24b及び後部23c,24cに形成されている場合もある。
【0023】
図4,5に示すように、連結ジョイント1は、一対の係合枠10,11を引手31の一対の係合突起51,52に係合させて、引手31に簡単に取り付けることができる。連結ジョイント1を取り付けた一対の引手31は、引戸61の両方の面側に対向して配置し、引戸61に形成された取付長孔62に両側から装着する。連結ジョイント1は、一方の引手31を引戸61の一方の面側から取付長孔62に装着し、他方の引手31を引戸61の他方の面側から取付長孔62に装着すると、一方の連結ジョイント1の係合凹部22に他方の連結ジョイント1の係合凸部21が係合し、一方の連結ジョイント1の係合凸部21が他方の連結ジョイント1の係合凹部22に係合して、一対の連結ジョイント1が連結し、一対の引手31を引戸61にワンタッチで簡単に固定することができる(
図7参照)。
【0024】
連結ジョイント1は、一対の連結ジョイント1を連結すると、係合凹部22の内側係止歯23a,24aと係合凸部21の外側係止歯21a,21aが噛み合って係止されるので、連結の解除を困難にすることができる。連結ジョイント1は、一対の引手31に取り付ける向きを互いに変えることにより連結させることができるので、一種類を作るだけで良く、コストを安く抑えることができる。
【0025】
連結ジョイント1は、
図8(a)に示すように、厚みの薄い引戸61に一対の引手31を取り付ける場合には、一方の連結ジョイント1の係合凹部22に設けられた内側係止歯23a,24aが、他方の連結ジョイント1の係合凸部21に設けられた外側係止歯21a,21aの深い位置で噛み合って係止される。また、
図8(b)に示すように、厚みの厚い引戸61に一対の引手31を取り付ける場合には、一方の連結ジョイント1の係合凹部22に設けられた内側係止歯23a,24aが、他方の連結ジョイント1の係合凸部21に設けられた外側係止歯21a,21aの浅い位置で噛み合って係止される。このように、連結ジョイント1は、内側係止歯23a,24aが噛み合う外側係止歯21a,21aの位置を変えることにより、板厚の異なる引戸61に柔軟に対応することができる。連結ジョイント1は、引戸61の板厚の変化に対応して、内側係止歯23a,24aの外側係止歯21a,21aに対する位置が変わっても、内側係止歯23a,24a全体が外側係止歯21a,21aに噛み合っているので、引戸61の板厚が変わっても内側係止歯23a,24aと外側係止歯21a,21aの噛み合う係止力(連結力)が常に一定しており、安定して一対の引戸61を連結することができる。
【0026】
また、連結ジョイント1は、係合凸部21が矩形体状に形成され、係合凸部21の対向する両面外側に外側係止歯21a,21aが設けられている。さらに、連結ジョイント1は、係合凹部22が、基壁25と基壁25の両側に形成された側壁23,24とで断面略コ字状に形成され、係合凹部22の対向する側壁23,24内面に内側係止歯23a,24aが設けられている。この側壁23,24は、
図1に示すように、内側係止歯23a,24aと連結体2の間に切り欠き26,27が形成されている。なお、側壁23,24は、前記内側係止歯が係合凹部22の先部及び後部に形成されている場合、先部側の内側係止歯23b、24bと後部側の内側係止歯23c、24cの間に、切り欠き26,27が形成されている。また、切り欠き28が、
図10,11に示すように、基壁25に形成されている場合もある。
【0027】
連結ジョイント1は、切り欠き26,27の大きさを変化させることにより、内側係止歯23a,24aの弾性変形力が変化し、内側係止歯23a,24aと外側係止歯21a,21aの噛み合う係止力(連結力)を変化させることもできる。連結ジョイント1は、係止力(連結力)が弱いと、連結が容易になる一方、外れ易くなり、係止力(連結力)が強いと、連結が強固になる一方、外れ難くなる。このように、連結ジョイント1は、切り欠き26,27の大きさで係止力(連結力)の調整を行うことができ、引戸61の重さ・材質・形状に合わせて係止力(連結力)を調節することができる。連結ジョイント1は、引手31にジョイン本体1aが一体的に形成されていても良い。
【0028】
さらに、連結ジョイントについて詳細に説明する。
図4に示すように、連結ジョイント1は、引戸用引手31の長手方向両側に取り付けられる。引戸用引手31は、
図5に示すように、引戸61に形成された取付長孔62の両側から取り付けられる。引戸61は、木製、金属製等の種々の材料で平板状に形成され、開閉端63側近傍に引戸用引手31を取り付ける取付長孔62が形成されている。取付長孔62は、開閉端63と略並行に延設され、引戸61を貫通しており、矩形状に形成されている。
【0029】
引戸用引手31は、アルミニウム、スチール等の金属、硬質合成樹脂等により成形されている。引戸用引手31は、
図4,5に示すように、長尺状の底壁32と、前記底壁32の長手方向X両側に形成された短側壁33,34と、長手方向Xと略直交する短手方向Y両側に形成された長側壁37,38を有する。短側壁33,34は、底壁32の一方の面32a側に突出しており、先端部33a,34aにフランジ35,36が形成されている。フランジ35,36は、短側壁33,34と略直角で外方に突出しており、引戸61の取付長孔62の周縁62aに係合する。
【0030】
長側壁37,38は、底壁32の一方の面32a側に突出しており、先端部37a,38aにフランジ40,41が形成されている。フランジ40,41は、長側壁37,38と略直角で外方に突出しており、引戸61の取付長孔62の周縁62aに係合する。フランジ40,41と前記フランジ35,36は、連続して形成されている。長側壁37,38の外側面には、係止爪条42,43が長側壁37,38の長手方向と略直角の短手方向に延設されている。係止爪条42,43は、引戸61の取付長孔62の内側壁62bに係止する。
【0031】
引戸用引手31の長手方向X両側に、係合手段50が設けられている。係合手段50は、
図4に示すように、引戸用引手31の短側壁33,34及びフランジ35,36に一体的に形成された一対の略L字状の係合突起51,52及びガイド片53とからなる。一対の係合突起51,52は、固定片54,55と、固定片54,55と略直角の係合片56,57とからなる。係合片56,57の先端には、係止爪56a,57aが形成されている。前記ガイド片53は、一対の係合突起51,52の略中心に配置され、前端中央部に係合段部59が形成されている。
【0032】
図1,2に示すように、連結ジョイント1は、アルミニウム、スチール等の金属、合成樹脂等により成形されている。連結ジョイント1は、板状の連結体2を有する。連結体2の一方の面3の左右両側には、垂直板5,7と係合板6,8によって略L字状に形成された係合枠10,11が設けられている。垂直板5,7は、連結体2の両端に連結体2と略直角となるように設けられている。係合板6,8は、垂直板5,7の先端に垂直板5,7と略直角となるように設けられている。係合板6,8は、対向する内側に延設され、先端に半円状の係合突条12,13が形成されている。係合突条12,13は、連結体2側に突出している。
【0033】
また、連結体2の一方の側面中央には、ストッパー15が設けられてる。当該係合枠10,11の係合板6,8は、前記引戸用引手31の一対の係合突起51,52の係合片56,57に係合され、係止爪56a,57aに係止される。前記ガイド片53の係合段部59には、連結ジョイント1の係合板6,8が引戸用引手31の一対の係合片56,57に係合されると、連結ジョイント1のストッパー片15が当接する。
【0034】
前記連結体2の他方の面4、即ち、係合枠10,11と反対の面には、係合部20が形成されている。係合部20は、係合凸部21と係合凹部22とで形成されている。係合凸部21は、矩形体状に形成され、外側面両側に外側係止歯21a,21aが設けられている。係合凹部22は、一対の平板状の側壁23,24の間で形成されている。側壁23,24の間は、係合凸部21の厚みと略同程度となっており、内側の側壁23の内側面と外側の側壁24の内側面に前記係合凸部21の外側係止歯21a,21aと噛み合う内側係止歯23a,24aが設けられている。
【0035】
又、側壁23,24は、補強のため、他端に基壁25が設けられている。従って、係合凹部22は、側壁23,24と基壁25によって断面が略コ字状に形成されている。前記係合凹部22の一対の側壁23,24に形成された内側係止歯23a,24aは、側壁23,24の先端側(連結体2から離れた側)の一部に設けられている。又、側壁23,24の内側係止歯23a,24aと連結体2の間に断面コ字状の切り欠き26,27が形成されている。
【0036】
係合凸部21と係合凹部22は、連結体2の中心を挟んだ両側の略同一位置に設けられている。
図6,7に示すように、一対の連結ジョイント1は、一方の連結ジョイント1の係合凸部21を他方の連結ジョイント1の係合凹部22に係合させ、一方の連結ジョイント1の係合凹部22に他方の連結ジョイント1の係合凸部21を係合させて接続させて、他方の連結ジョイント1に連結することができる。一対の連結ジョイント1は、上記したように接続すると、係合凸部21の外側係止歯21a,21aと係合凹部22の内側係止歯23a,24aが噛み合うので、連結の解除が困難となる。
【0037】
連結ジョイント1は、上記構成を有し、以下のように使用することができる。
図4に示すように、連結ジョイント1は、引戸用引手31の長手方向両端に取り付ける。連結ジョイント1は、連結体2と係合板6の間の隙間に係合片57を差し込み、連結体2と係合板8の間の隙間に係合片56を差し込むことによって、引戸用引手31に取り付けられる。連結ジョイント1は、ストッパー15が係合段部59に当接し、係合枠10が係合片57の係止爪57aに係止され、係合枠11が係合片56の係止爪56aに係止され、係合突条12が係合片57に圧接し、係合突条13が係合片56に圧接して、引戸用引手31に安定して固定される。このようにして、一対の引戸用引手31の長手方向両端に連結ジョイント1を取り付けることができる。
【0038】
図5に示すように、引戸61の両方の面側に、連結ジョイント1を取り付けた一対の引戸用引手31を対向して配置し、引戸61に形成された取付長孔62に両側から一対の引戸用引手31を装着する。一方の引戸用引手31を引戸61の一方の面側から取付長孔62に装着し、他方の引戸用引手31を引戸61の他方の面側から取付長孔62に装着すると、引戸用引手31のフランジ35,36,40、41が取付長孔62の周縁62aに係合する。略同時に、一対の引戸用引手31に取り付けた連結ジョイント1は、係合部20同士が互いに係合して連結するので、一対の引戸用引手31,31が引戸61に固定される。
【0039】
一対の連結ジョイント1,1の連結は、
図7に示すように、一方の連結ジョイント1の係合凹部22に他方の連結ジョイント1の係合凸部21が係合し、一方の連結ジョイント1の係合凸部21が他方の連結ジョイント1の係合凹部22に係合して行われる。一対の連結ジョイント1,1は、上記したように連結すると、係合凹部22の内側係止歯23a,24aと係合凸部21の外側係止歯21aが噛み合って係止されるので、連結の解除が困難である。
【0040】
一対の連結ジョイント1,1は、異なる板厚の引戸61にも対応できる。即ち、
図8(a),
図9(a)に示すように、厚みの薄い引戸61に一対の引戸引手31,31を取り付ける場合には、一方の連結ジョイント1の係合凹部22の内側係止歯23a,24aが他方の連結ジョイント1の係合凸部21の外側係止歯21aの深い位置で噛み合って係止される。
図8(b),
図9(b)に示すように、厚みの厚い引戸61に一対の引戸引手31,31を取り付ける場合には、一方の連結ジョイント1の係合凹部22の内側係止歯23a,24aが他方の連結ジョイント1の係合凸部21の外側係止歯21aの浅い位置で噛み合って係止される。
【0041】
このように、連結ジョイント1は、内側係止歯23a,24aが噛み合う外側係止歯21aの位置を変えることにより、引戸61の厚みに対応することができる。また、連結ジョイント1は、内側係止歯23a,24aが噛み合う外側係止歯21aの位置を変えても、常に内側係止歯23a,24a全体が噛み合っているので、係止力(連結力)は一定である。
【0042】
また、連結ジョイント1は、内側係止歯23a,24aと外側係止歯21aの噛み合う係止力(連結力)を変化させることもできる。連結ジョイント1は、内側係止歯23a,24aと連結体2の間の側壁23,24に断面コ字状の切り欠き26,27が形成されている。切り欠き26,27の大きさを変化させることにより、内側係止歯23,24aの弾性変形力が変化する。切り欠き26,27を大きくすれば、弾性変形力、即ち係止力(連結力)が弱くなる。切り欠き26,27を小さくすれば、弾性変形力、即ち係止力(連結力)が強くなる。
【0043】
切り欠き26,27は、幅Hと深さDで大きさが決まり、主に深さDを変えて、係止力(連結力)の調整を行うことができる。切り欠き26,27が深いと係止力(連結力)が弱くなり、浅いと係止力(連結力)が強くなる。係止力(連結力)が弱いと、連結ジョイント1の連結が容易になる一方、外れ易くなる。係止力(連結力)が強いと、連結ジョイント1の連結が強固になる一方、外れ難くなる。引戸61が重い場合には、外れ難くし、引戸61が軽い場合には、連結を容易にする等、種々の対応が可能となる。このように、連結ジョイント1は、切り欠き26,27の大きさで係止力(連結力)の調整を行うことができ、引戸61の重さ・材質・形状に合わせて係止力(連結力)を調節することができる。さらに、連結ジョイント1は、引手31の交換を前提とした場合、外れ易いようにすることができ、引手31を長く使用したい場合、外れ難いようにすることができる等、必要に応じて切り欠き26,27の大きさで係止力(連結力)の調整を行うことができる。
【0044】
連結ジョイント1は、主に合成樹脂の成形によって一体成形される。前記した、切り欠き26,27は、合成樹脂が注入される成形金型の凸起によって形成される。凸起は、高いと切り欠き26,27が深くなり、低いと切り欠き26,27が浅くなる。従って、成形金型の凸起を高くしておき、凸起を削り落とすだけで、切り欠き26,27の深さを変えて係止力(連結力)を調整することができる。従って、連結ジョイント1を製作する金型は、係止力(連結力)を調節するため、金型を複数用意する必要がなく、凸起の肉を削り落とすだけなので、安価であり、製作が容易である。
【0045】
上記実施の形態では、連結ジョイント1は、側壁23,24に切り欠き26,27を形成し、切り欠き26,27の大きさを変えて、係止力(連結力)を調整することができるようにした。しかし、
図10,11に示すように,基壁25に切り欠き28を形成し、この切り欠き28の大きさ(幅又は/及び深さ)を変えて、係止力(連結力)を調整することができるようにしても良い。勿論、側壁23,24に切り欠き26,27を形成し、基壁25に切り欠き28を形成して、係止力(連結力)を調整することもできる。
【0046】
上記実施の形態では、連結ジョイント1は、側壁23,24の先部に内側係止歯23a,24aを形成した。しかし、
図12,13に示すように,側壁23,24の先部に内側係止歯23b,24bを形成し、側壁23,24の後部に内側係止歯23c,24cを形成しても良い。このように形成した一対の連結ジョイント1,1は、厚みの薄い引戸61に一対の引戸引手31,31を取り付ける場合には、一方の連結ジョイント1の係合凹部22の内側係止歯23b,24b及び内側係止歯23c,24cが他方の連結ジョイント1の係合凸部21の外側係止歯21aの深い位置と浅い位置で噛み合って係止される。厚みの厚い引戸61に一対の引戸引手31,31を取り付ける場合には、一方の連結ジョイント1の係合凹部22の内側係止歯23b,24bが他方の連結ジョイント1の係合凸部21の外側係止歯21aの浅い位置で噛み合って係止される。係る場合、側壁23,24は、先部の内側係止歯23b,24bと後部の内側係止歯23c,24cの間に切り欠き26,27が形成される。