(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563729
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】絶縁同期整流型DC/DCコンバータ、それを用いた電源装置、電源アダプタおよび電子機器
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
H02M3/28 X
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-151194(P2015-151194)
(22)【出願日】2015年7月30日
(65)【公開番号】特開2017-34812(P2017-34812A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】菊池 弘基
(72)【発明者】
【氏名】清水 亮
【審査官】
佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2014/0268915(US,A1)
【文献】
特開平07−308065(JP,A)
【文献】
特開2002−281749(JP,A)
【文献】
特開2014−138458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁同期整流型のDC/DCコンバータであって、
1次巻線および2次巻線を有するトランスと、
負荷と接続される出力ラインと、
前記1次巻線と接続されるスイッチングトランジスタと、
前記2次巻線と前記出力ラインの間に設けられる同期整流トランジスタと、
前記スイッチングトランジスタを駆動する1次側コントローラと、
前記同期整流トランジスタを駆動する2次側コントローラと、
前記2次巻線と前記同期整流トランジスタを接続する第1ノードと接続される第1電極を有する第1キャパシタと、
前記出力ラインの電圧によって前記第1キャパシタを充電するとともに、前記第1キャパシタの両端間の電圧を安定化する補助電源と、
を備え、
前記補助電源は、
一端が前記出力ラインに直接接続される第1抵抗と、
アノードが前記第1抵抗の他端に接続される第1ダイオードと、
一端が前記出力ラインに直接接続される第2抵抗と、
カソードが前記第2抵抗の他端に接続され、アノードが前記第1キャパシタの前記第1電極に接続されるツェナーダイオードと、
ドレインが前記第1ダイオードのカソードに接続され、ソースが前記第1キャパシタの第2電極に接続され、ゲートが前記第2抵抗の前記他端および前記ツェナーダイオードの前記カソードに接続されるトランジスタと、
を含み、
前記2次側コントローラの接地電圧が、前記第1ノードから供給され、前記2次側コントローラの電源電圧が前記第1キャパシタの前記第2電極から供給されることを特徴とするDC/DCコンバータ。
【請求項2】
前記補助電源の少なくとも一部と前記2次側コントローラは、同一のモジュールにパッケージ化されることを特徴とする請求項1に記載のDC/DCコンバータ。
【請求項3】
フィードバック用フォトカプラと、
前記フィードバック用フォトカプラの入力側と接続され、前記DC/DCコンバータの出力電圧に応じた誤差電流を発生するシャントレギュレータと、
をさらに備え、
前記1次側コントローラは、前記フィードバック用フォトカプラの出力側と接続され、前記フィードバック用フォトカプラからのフィードバック信号に応じて前記スイッチングトランジスタを駆動することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のDC/DCコンバータ。
【請求項4】
前記出力ラインと接続される第2キャパシタをさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のDC/DCコンバータ。
【請求項5】
商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、
前記フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、
前記ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、
前記直流入力電圧を降圧し、負荷に供給する請求項1から4のいずれかに記載のDC/DCコンバータと、
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項6】
負荷と、
商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、
前記フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、
前記ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、
前記直流入力電圧を降圧し、負荷に供給する請求項1から4のいずれかに記載のDC/DCコンバータと、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、
前記フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、
前記ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、
前記直流入力電圧を降圧し、負荷に供給する請求項1から4のいずれかに記載のDC/DCコンバータと、
を備えることを特徴とする電源アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁同期整流型DC/DCコンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビや冷蔵庫をはじめとするさまざまな家電製品は、外部からの商用交流電力を受けて動作する。ラップトップ型コンピュータ、携帯電話端末やタブレット端末をはじめとする電子機器も、商用交流電力によって動作可能であり、あるいは商用交流電力によって、機器に内蔵の電池を充電可能となっている。こうした家電製品や電子機器(以下、電子機器と総称する)には、商用交流電圧をAC/DC(交流/直流)変換する電源装置(AC/DCコンバータ)が内蔵される。あるいはAC/DCコンバータが、電子機器の外部の電源アダプタ(ACアダプタ)に内蔵される場合もある。
【0003】
図1は、本発明者が検討したAC/DCコンバータ100rの基本構成を示すブロック図である。AC/DCコンバータ100rは主としてフィルタ102、整流回路104、平滑キャパシタ106およびDC/DCコンバータ200rを備える。
【0004】
商用交流電圧V
ACは、ヒューズおよび入力キャパシタ(不図示)を介してフィルタ102に入力される。フィルタ102は、商用交流電圧V
ACのノイズを除去する。整流回路104は、商用交流電圧V
ACを全波整流するダイオードブリッジ回路である。整流回路104の出力電圧は、平滑キャパシタ106によって平滑化され、直流電圧V
INに変換される。
【0005】
絶縁型のDC/DCコンバータ200rは、入力端子P1に直流電圧V
INを受け、それを降圧して、目標値に安定化された出力電圧V
OUTを生成し、出力端子P2と接地端子P3の間に接続される負荷(不図示)に供給する。
【0006】
DC/DCコンバータ200rは、1次側コントローラ202、フォトカプラ204、シャントレギュレータ206、出力回路210、2次側コントローラ300r、およびその他の回路部品を備える。出力回路210は、トランスT1、ダイオードD1、出力キャパシタC2、スイッチングトランジスタM1、同期整流トランジスタM2を含む。出力回路210のトポロジーは、一般的な同期整流型のフライバックコンバータのそれであるため、説明を省略する。
【0007】
トランスT1の1次巻線W1と接続されるスイッチングトランジスタM1がスイッチングすることにより、入力電圧V
INが降圧され、出力電圧V
OUTが生成される。そして1次側コントローラ202は、スイッチングトランジスタM1のスイッチングのデューティ比を調節する。
【0008】
DC/DCコンバータ200rの出力電圧V
OUTは、抵抗R1、R2により分圧される。シャントレギュレータ206のカソード(K)端子は、フォトカプラ204の入力側の発光素子(発光ダイオード)と接続され、アノード(A)端子は接地される。シャントレギュレータ206の基準(REF)端子には、分圧された電圧(電圧検出信号)V
OUT_Sが入力される。シャントレギュレータ206は誤差増幅器を含み、電圧検出信号V
OUT_Sと所定の基準電圧V
REF(不図示)の誤差を増幅し、誤差に応じた誤差電流I
ERRを生成し、フォトカプラ204の入力側の発光素子(発光ダイオード)から引き込む(シンク)。
【0009】
フォトカプラ204の出力側の受光素子(フォトトランジスタ)には、2次側の誤差電流I
ERRに応じたフィードバック電流I
FBが流れる。このフィードバック電流I
FBが、抵抗およびキャパシタにより平滑化され、1次側コントローラ202のフィードバック(FB)端子に入力される。1次側コントローラ202は、FB端子の電圧(フィードバック電圧)V
FBにもとづいてスイッチングトランジスタM1のデューティ比を調節する。
【0010】
2次側コントローラ300rは、スイッチングトランジスタM1のスイッチングと同期して、同期整流トランジスタM2をスイッチングする。2次側コントローラ300rは、同期整流コントローラ、ドライバを備える。同期整流コントローラは、スイッチングトランジスタM1のスイッチングと同期したパルス信号を生成する。たとえば同期整流コントローラは、スイッチングトランジスタM1がターンオフすると、パルス信号を、同期整流トランジスタM2のオンを指示する第1状態(たとえばハイレベル)とする。また同期整流コントローラは、同期整流トランジスタM2のオン期間に2次巻線W2に流れる2次電流I
Sが実質的にゼロになると、パルス信号を同期整流トランジスタM2のオフを指示する第2状態(ローレベル)とする。ドライバはパルス信号に応じて同期整流トランジスタM2をスイッチングする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−074959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
同期整流トランジスタM2をターンオンするためには、同期整流トランジスタM2のゲートに、ソース電位V
Sよりもある電圧、高いゲート電圧を印加する必要がある。
図1において同期整流トランジスタM2は、2次巻線W2の高電位側つまり出力端子P2側に設けられ、同期整流トランジスタM2のソース電位V
Sは、スイッチングトランジスタM1のスイッチングに応じて変動する。このトポロジニーにおいて同期整流トランジスタM2をスイッチングするためには、2次側コントローラ300rの接地(GND)端子を、同期整流トランジスタM2のソースと接続し、2次側コントローラ300rを、ソース電位V
Sを基準として動作させる必要がある。
【0013】
そして2次側コントローラ300rの電源(VCC)端子には、同期整流トランジスタM2のソース電位V
Sを基準とした電源電圧V
CC1を供給する必要がある。電源電圧V
CC1を生成するために、トランスT1の2次側には補助巻線W4が設けられる。補助巻線W4、ダイオードD4およびキャパシタC4は、補助コンバータを形成しており、出力電圧V
OUTよりも高い直流電圧V
CC1を発生する。
図1のDC/DCコンバータ200rでは、補助巻線W4付きのトランスT1が必要であるが、このようなトランスT1は高価である。
【0014】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、トランスの2次側の補助巻線を用いずに2次側コントローラに電源供給なDC/DCコンバータの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のある態様は、絶縁同期整流型のDC/DCコンバータに関する。DC/DCコンバータは、1次巻線および2次巻線を有するトランスと、負荷と接続される出力ラインと、1次巻線と接続されるスイッチングトランジスタと、2次巻線と出力ラインの間に設けられる同期整流トランジスタと、スイッチングトランジスタを駆動する1次側コントローラと、同期整流トランジスタを駆動する2次側コントローラと、2次巻線と同期整流トランジスタを接続する第1ノードと接続される第1電極を有する第1キャパシタと、出力ラインの電圧によって第1キャパシタを充電するとともに、第1キャパシタの両端間の電圧を安定化する補助電源と、を備える。2次側コントローラの接地電圧を第1ノードから供給し、2次側コントローラの電源電圧を第1キャパシタの第2電極から供給する。
【0016】
この態様によると、トランスの2次側の補助巻線が不要となるため、コストを下げることができる。
【0017】
補助電源は、出力ラインと第1キャパシタの第2電極の間に設けられた第1抵抗を含んでもよい。これにより、第1抵抗を介して第1キャパシタを充電できる。
【0018】
補助電源は、出力ラインと第1キャパシタの第2電極の間に、カソードが第1キャパシタ側となる向きにて第1抵抗と直列に設けられたダイオードをさらに含んでもよい。
スイッチングトランジスタM1のスイッチングに応じて第1ノードの電圧が跳ね上がり、第1キャパシタの第2電極の電圧は、出力ラインの電圧より高くなる場合がある。充電経路にダイオードを挿入することで、第1キャパシタが放電するのを防止でき、第1キャパシタの両端間の電圧を維持できる。
【0019】
補助電源は、出力ラインと第1キャパシタの第2電極の間に、カソードが第1キャパシタ側となる向きにて設けられたダイオードを含んでもよい。
【0020】
補助電源は、第1キャパシタの両端間電圧を、所定の電圧を超えないようにクランプするクランプ回路を含んでもよい。これにより第1キャパシタの両端間電圧を安定化できる。
【0021】
補助電源は、出力ラインと第1キャパシタの第2電極の間に設けられ、そのソース/エミッタが第1キャパシタの第2電極と接続され、そのゲート/ベースに定電圧が入力されたトランジスタを含んでもよい。この場合、定電圧をV
A、トランジスタのゲートソース電圧(ベースエミッタ間電圧)をV
Bとするとき、第1キャパシタの両端間電圧を、V
A−V
Bに安定化できる。
【0022】
補助電源は、第1キャパシタの第1電極とトランジスタのゲート/ベースの間に設けられた第1ツェナーダイオードをさらに含んでもよい。
【0023】
補助電源は、第1キャパシタと並列に接続された第2ツェナーダイオードを含んでもよい。これにより第1キャパシタの両端間電圧を、第2ツェナーダイオードのツェナー電圧に安定化できる。
【0024】
補助電源は、出力ラインと第1キャパシタの間に設けられ、出力ラインから第1キャパシタに向かう電流が流れ、逆電流を阻止する充電回路と、第1キャパシタの両端間電圧を安定化するクランプ回路と、を含んでもよい。
【0025】
補助電源の少なくとも一部と2次側コントローラは、同一のモジュールにパッケージ化されてもよい。
【0026】
本発明の別の態様もまた、絶縁同期整流型のDC/DCコンバータに関する。DC/DCコンバータは、1次巻線および2次巻線を有するトランスと、負荷と接続される出力ラインと、1次巻線と接続されるスイッチングトランジスタと、2次巻線と出力ラインの間に設けられる同期整流トランジスタと、スイッチングトランジスタを駆動する1次側コントローラと、同期整流トランジスタを駆動する2次側コントローラと、2次巻線と同期整流トランジスタを接続する第1ノードと接続される第1電極を有する第1キャパシタと、そのソース/エミッタが第1キャパシタの第2電極と接続されるトランジスタと、出力ラインとトランジスタのドレイン/コレクタの間に直列に設けられた第1抵抗およびダイオードと、カソードがトランジスタのゲート/ベースと接続され、アノードが第1キャパシタの第1電極と接続される第1ツェナーダイオードと、出力ラインとトランジスタのゲート/ベースの間に設けられる第2抵抗と、を備える。2次側コントローラの接地電圧を第1ノードから供給し、2次側コントローラの電源電圧を第1キャパシタの第2電極から供給する。
【0027】
本発明のさらに別の態様もまた、DC/DCコンバータである。このDC/DCコンバータは、1次巻線および2次巻線を有するトランスと、負荷と接続される出力ラインと、1次巻線と接続されるスイッチングトランジスタと、2次巻線と出力ラインの間に設けられる同期整流トランジスタと、スイッチングトランジスタを駆動する1次側コントローラと、同期整流トランジスタを駆動する2次側コントローラと、2次巻線と同期整流トランジスタを接続する第1ノードと接続される第1電極を有する第1キャパシタと、そのソース/エミッタが第1キャパシタの第2電極と接続されるトランジスタと、出力ラインとトランジスタのドレイン/コレクタの間に直列に設けられた第1抵抗およびダイオードと、カソードが第1キャパシタの第2電極と接続され、アノードが第1キャパシタの第1電極と接続される第2ツェナーダイオードと、を備える。2次側コントローラの接地電圧を第1ノードから供給し、2次側コントローラの電源電圧を第1キャパシタの第2電極から供給する。
【0028】
ある態様のDC/DCコンバータは、フィードバック用フォトカプラと、フィードバック用フォトカプラの入力側と接続され、DC/DCコンバータの出力電圧に応じた誤差電流を発生するシャントレギュレータと、をさらに備えてもよい。1次側コントローラは、フィードバック用フォトカプラの出力側と接続され、フィードバック用フォトカプラからのフィードバック信号に応じてスイッチングトランジスタを駆動してもよい。
【0029】
DC/DCコンバータは、出力ラインと接続される第2キャパシタをさらに備えてもよい。
【0030】
本発明の別の態様は、電源装置(AC/DCコンバータ)に関する。電源装置は、商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、直流入力電圧を降圧し、負荷に供給する上述のDC/DCコンバータと、を備える。
【0031】
本発明の別の態様は、電子機器に関する。電子機器は、負荷と、商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、直流入力電圧を降圧し、負荷に供給する上述のDC/DCコンバータと、を備える。
【0032】
本発明の別の態様は、ACアダプタに関する。ACアダプタは、商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、直流入力電圧を降圧し、直流出力電圧を生成する上述のDC/DCコンバータと、を備える。
【0033】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0034】
本発明のある態様によれば、絶縁同期整流型のDC/DCコンバータにおいて、トランスの2次側の補助巻線が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明者が検討したAC/DCコンバータの基本構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態に係る絶縁同期整流型のDC/DCコンバータを備えるAC/DCコンバータの回路図である。
【
図6】AC/DCコンバータを備えるACアダプタを示す図である。
【
図7】
図7(a)、(b)は、AC/DCコンバータを備える電子機器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0037】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0038】
図2は、実施の形態に係る絶縁同期整流型のDC/DCコンバータ200を備えるAC/DCコンバータ100の回路図である。AC/DCコンバータ100の基本構成は
図1のそれと同様であり、またDC/DCコンバータ200の基本構成も
図1のそれと同様である。
【0039】
2次側コントローラ300の構成、動作は特に限定されず、公知の、あるいは将来利用可能な技術を用いればよい。たとえば2次側コントローラ300は、DC/DCコンバータ200の1次側のスイッチングトランジスタM1のターンオフを検出すると同期整流トランジスタM2をターンオンし、トランスT1の2次巻線W2の電流I
Sが実質的にゼロになったことを検出すると、同期整流トランジスタM2をターンオフする。
【0040】
スイッチングトランジスタM1のオン期間において、2次巻線W2の両端間電圧は、−V
IN×N
S/N
Pであるから、同期整流トランジスタM2のドレイン電圧V
D_S(つまりドレインソース間電圧V
DS)は、V
D_S=V
OUT+V
IN×N
S/N
Pとなる。N
P,N
Sは、1次巻線W1、2次巻線W2の巻数である。
【0041】
スイッチングトランジスタM1がオフすると、同期整流トランジスタM2のソースからドレインに向かって2次電流I
Sが流れるため、ドレインソース間電圧は負電圧となる。連続モードでは、スイッチングトランジスタM1がターンオンすることにより、2次電流I
Sがゼロとなり、ドレイン電圧が再びV
D=V
OUT+V
IN×N
S/N
Pに跳ね上がる。不連続モードでは、同期整流トランジスタM2のオン状態においてトランスT1に蓄えられたエネルギーの減少にともない2次電流I
Sが減少していくと、ドレインソース間電圧V
DSの絶対値は小さくなり、やがて2次電流I
Sが実質的にゼロになると、ドレインソース間電圧V
DSも実質的にゼロとなり、ドレイン電圧V
D_Sはリンギングする。
【0042】
これらの性質を利用して2次側コントローラ300は、同期整流トランジスタM2のドレイン電圧(ドレインソース間電圧)にもとづいて、同期整流トランジスタM2をスイッチングすることができる。
【0043】
本実施の形態では、2次側コントローラ300への電源供給が、
図1と異なっており、2次側コントローラ300への電源電圧V
CC1を供給するために、第1キャパシタC1および補助電源400が設けられる。第1キャパシタC1の一端(第1電極)は、2次巻線W2と同期整流トランジスタM2を接続する第1ノードN1(つまり同期整流トランジスタM2のソース)と接続される。
【0044】
補助電源400は、第1キャパシタC1および出力ライン212と接続されており、出力ライン212の電圧V
OUTによって第1キャパシタC1を充電するとともに、第1キャパシタC1の両端間の電圧を安定化する。
【0045】
2次側コントローラ300のGND端子は、第1ノードN1と接続され、2次側コントローラ300のVCC端子は、第1キャパシタC1の他端(第2電極)と接続される。これにより2次側コントローラ300の接地電圧を、第1ノードN1から供給し、2次側コントローラ300の電源電圧V
CC1を第1キャパシタC1の第2電極から供給する。
【0046】
本発明は、
図2のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、回路に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や回路動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例を説明する。
【0047】
図3は、補助電源400の構成例を示す回路図である。補助電源400は、充電回路402およびクランプ回路404を備える。充電回路402は、出力ライン212と第1キャパシタC1の第2電極の間に設けられ、出力ライン212から第1キャパシタC1に向かう電流が流れ、逆電流を阻止する。クランプ回路404は、第1キャパシタC1の両端間電圧を安定化する。
【0048】
図4は、補助電源400aの別の回路図である。補助電源400は、第1抵抗R1、ダイオードD1、トランジスタM11、第2抵抗R2、第1ツェナーダイオードZD1を含む。トランジスタM11は、NチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、そのソースが第1キャパシタC1の第2電極と接続される。第1抵抗R1およびダイオードD1は、出力ライン212とトランジスタM1のドレインの間に直列に設けられる。第1ツェナーダイオードZD1のカソードはトランジスタM11のゲートと接続され、そのアノードは第1キャパシタC1の第1電極と接続される。第2抵抗R2は、出力ライン212とトランジスタM11のゲートの間に設けられる。
【0049】
第1キャパシタC1は、第1抵抗R1、ダイオードD1、トランジスタM11を含む経路によって充電される。そして第1キャパシタC1の両端間電圧は、第1ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧をV
Zと書くとき、V
Z−V
GSを超えないようにクランプされる。V
GSはトランジスタM11のゲートソース間電圧である。ダイオードD1は、トランジスタM11のボディダイオードを介して第1キャパシタC1から出力ライン212に流れる電流を阻止する。
【0050】
第1抵抗R1、ダイオードD1、トランジスタM11は、
図3の充電回路402と対応づけることができる。また第2抵抗R2、第1ツェナーダイオードZD1、トランジスタM11は、
図3のクランプ回路404と対応づけることができる。
【0051】
図4において第1抵抗R1を省略してもよい。また第1ツェナーダイオードZD1に代えて、別の定電圧素子を設けてもよい。たとえば定電圧素子としては、複数のダイオードをアノードがトランジスタM11のゲート側となる向きで縦積みした構成を用いてもよい。
【0052】
トランジスタM11は、NPN型バイポーラトランジスタであってもよい。この場合、MOSFETのようなボディダイオードが存在しないため、ダイオードD1を省略してもよい。
【0053】
図5は、補助電源400bの別の回路図である。補助電源400bは、第1抵抗R1、ダイオードD1、第2ツェナーダイオードZD2を備える。第1抵抗R1およびダイオードD1は、第1キャパシタC1の第2電極と出力ライン212の間に直列に設けられる。第2ツェナーダイオードZD2は、第1キャパシタC1と並列に接続される。
第1キャパシタC1は、第1抵抗R1、ダイオードD1を含む経路によって充電される。そして第1キャパシタC1の両端間電圧は、第2ツェナーダイオードZD2のツェナー電圧V
Zを超えないようにクランプされる。第1抵抗R1、ダイオードD1は、
図3の充電回路402と対応づけることができる。また第2ツェナーダイオードZD2は、
図3のクランプ回路404と対応づけることができる。
【0054】
図2〜
図5のDC/DCコンバータ200によれば、トランスT1の2次側の補助巻線が不要となるため、コストを下げることができる。
【0055】
高耐圧プロセスを用いることで、第1抵抗R1、ダイオードD1、第2ツェナーダイオードZD2などの回路素子を、半導体基板上に集積化することが可能となる。したがって補助電源400の少なくとも一部と2次側コントローラ300は、同一のモジュールにパッケージ化してもよい。これにより補助電源400のすべての回路素子をディスクリート部品で構成した場合に比べて、部品点数を減らすことができ、一層コストを下げることができる。
【0056】
(用途)
続いて、実施の形態で説明したDC/DCコンバータ200の用途を説明する。
図6は、AC/DCコンバータ100を備えるACアダプタ800を示す図である。ACアダプタ800は、プラグ802、筐体804、コネクタ806を備える。プラグ802は、図示しないコンセントから商用交流電圧V
ACを受ける。AC/DCコンバータ100は、筐体804内に実装される。AC/DCコンバータ100により生成された直流出力電圧V
OUTは、コネクタ806から電子機器810に供給される。電子機器810は、ノートPC、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話、携帯オーディオプレイヤなどが例示される。
【0057】
図7(a)、(b)は、AC/DCコンバータ100を備える電子機器900を示す図である。
図7(a)、(b)の電子機器900はディスプレイ装置であるが、電子機器900の種類は特に限定されず、オーディオ機器、冷蔵庫、洗濯機、掃除機など、電源装置を内蔵する機器であればよい。
プラグ902は、図示しないコンセントから商用交流電圧V
ACを受ける。AC/DCコンバータ100は、筐体804内に実装される。AC/DCコンバータ100により生成された直流出力電圧V
OUTは、同じ筐体904内に搭載される、マイコン、DSP(Digital Signal Processor)、電源回路、照明機器、アナログ回路、デジタル回路などの負荷に供給される。
【0058】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0059】
(第1変形例)
実施の形態では、フライバックコンバータを説明したが、本発明はフォワードコンバータにも適用可能である。この場合にはトランスT1の2次側に、複数の同期整流用のトランジスタが配置されることとなる。2次側コントローラは、複数の同期整流トランジスタをスイッチングするよう構成されてもよい。またコンバータは疑似共振型であってもよい。
【0060】
(第2変形例)
スイッチングトランジスタや同期整流トランジスタの少なくとも一方は、バイポーラトランジスタやIGBTであってもよい。
【0061】
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0062】
P1…入力端子、P2…出力端子、P3…接地端子、M1…スイッチングトランジスタ、M2…同期整流トランジスタ、C2…出力キャパシタ、T1…トランス、W1…1次巻線、W2…2次巻線、100…AC/DCコンバータ、102…フィルタ、104…整流回路、106…平滑キャパシタ、200…DC/DCコンバータ、202…1次側コントローラ、204…フォトカプラ、206…シャントレギュレータ、210…出力回路、212…出力ライン、300…2次側コントローラ、C1…第1キャパシタ、400…補助電源、402…充電回路、404…クランプ回路、R1…第1抵抗、R2…第2抵抗、D1…ダイオード、M11…トランジスタ、ZD1…第1ツェナーダイオード、ZD2…第2ツェナーダイオード、800…ACアダプタ、802…プラグ、804…筐体、806…コネクタ、810,900…電子機器、902…プラグ、904…筐体。