特許第6563747号(P6563747)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563747
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】パネル回路
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/14 20060101AFI20190808BHJP
   A61M 1/36 20060101ALI20190808BHJP
   A61M 1/00 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   A61M1/14
   A61M1/36 100
   A61M1/00 190
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-173530(P2015-173530)
(22)【出願日】2015年9月3日
(65)【公開番号】特開2017-46991(P2017-46991A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2018年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】507365204
【氏名又は名称】旭化成メディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 英夫
【審査官】 松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3001188(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0319035(US,A1)
【文献】 特開平05−317418(JP,A)
【文献】 特開2006−263000(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0089806(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0094192(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0147423(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0284648(US,A1)
【文献】 特開2013−199994(JP,A)
【文献】 特開2012−177455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/36
A61M 1/14 − 1/16
A61M 1/00
A61M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液処理装置に対し装着可能なパネル回路であって、
体液処理装置の液体回路の少なくとも一部を構成するチューブと、
前記チューブがパネル平面に沿って配設されるパネルと、を有し、
前記パネルは、
前記パネル平面において前記チューブを垂直方向に重ねて配設するチューブ重複部と、
前記チューブ重複部において前記チューブを重ねて配設するために、所定のチューブの高さを前記パネル平面に沿って次第に変動させる傾斜部と、を有する、パネル回路。
【請求項2】
前記パネルは、基準平面を有し、前記所定のチューブを前記基準平面にあるチューブの上に重ねて配設するための傾斜部、又は前記所定のチューブを前記基準平面にあるチューブの下に重ねて配設するための傾斜部の少なくともいずれかを有する、請求項1に記載のパネル回路。
【請求項3】
前記パネルは、前記チューブ重複部において重ねられたチューブの一方の側面から最上部のチューブの上面に回り込んで、前記最上部のチューブを上から押さえて前記重ねられたチューブを固定する固定部材を有する、請求項1又は2に記載のパネル回路。
【請求項4】
前記パネルは、前記チューブを前記パネル平面に沿ってガイドするチューブガイドを有し、
前記チューブガイドは、n本(nは自然数)のチューブが重ねられる部分において、(チューブの外径×n)−(チューブの内径/2)以上の高さを有する、請求項1〜3のいずれかに記載のパネル回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体液処理装置に装着可能なパネル回路に関する。
【背景技術】
【0002】
透析治療や血漿交換治療で行われる血液処理は、通常血液浄化装置を用いて行われている。この血液浄化装置は、液体回路を利用して血液浄化器に血液を循環させたり、血液に補液を補充したりする機能を有している。この液体回路の一部は、血液浄化装置に対し装着可能なパネル回路に設けられている(特許文献1参照)。このパネル回路は、液体回路の流路を構成するチューブや、そのチューブが固定されるパネルを有している。そして、血液浄化装置を使用する際には、医療従事者が、予め別途用意されているパネル回路を血液浄化装置に装着する。この際パネルを血液浄化装置の所定の位置に固定し、パネル上のチューブを血液浄化装置の各種機器に接続している。このパネル回路により、医療従事者のチューブの交換作業等が簡単になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−73847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記血液浄化装置は、単体でより多くの種類の血液処理に対応できることが望ましい。そのため、パネル回路においては、パネルに、より多くの系統のチューブを様々な組み合わせで配設できるとよい。その一方で、血液浄化装置においてパネルを取り付けるスペースは限られているため、単にパネルを大きくしチューブの配設面積を広げることはできない。
【0005】
そこで、本発明者らは、パネル上においてチューブを重ねて配設することを考えている。しかしながら、チューブを重ねて配設すると、通常は、その重なり部分の近辺においてチューブが急に上下に曲げられるため、キンク(kink)(よじれ)が生じてチューブが閉塞する可能性が考えられる。この場合、所定量の液体がチューブを流れないため、血液処理が適切に行われず、例えば血液浄化装置が停止してしまう。
【0006】
本出願はかかる点に鑑みてなされたものであり、血液浄化装置などの体液処理装置において、キンクが生じないようにチューブを重ねて配設可能なパネル回路を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、パネルにチューブの高さを次第に変える傾斜部を設けることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の態様は以下を含む。
(1)体液処理装置に対し装着可能なパネル回路であって、体液処理装置の液体回路の少なくとも一部を構成するチューブと、前記チューブがパネル平面に沿って配設されるパネルと、を有し、前記パネルは、前記パネル平面において前記チューブを垂直方向に重ねて配設するチューブ重複部と、前記チューブ重複部において前記チューブを重ねて配設するために、所定のチューブの高さを前記パネル平面に沿って次第に変動させる傾斜部と、を有する、パネル装置。
(2)前記パネルは、基準平面を有し、前記所定のチューブを前記基準平面にあるチューブの上に重ねて配設するための傾斜部、又は前記所定のチューブを前記基準平面にあるチューブの下に重ねて配設するための傾斜部の少なくともいずれかを有する、(1)に記載のパネル回路。
(3)前記パネルは、前記チューブ重複部において重ねられたチューブの一方の側面から最上部のチューブの上面に回り込んで、前記最上部のチューブを上から押さえて前記重ねられたチューブを固定する固定部材を有する、(1)又は(2)に記載のパネル回路。
(4)前記パネルは、前記チューブを前記パネル平面に沿ってガイドするチューブガイドを有し、前記チューブガイドは、n本(nは自然数)のチューブが重ねられる部分において、(チューブの外径×n)−(チューブの内径/2)以上の高さを有する、(1)〜(3)のいずれかに記載のパネル回路。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、体液処理装置において、キンクが生じないようにチューブを重ねて配設可能なパネル回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】血液浄化装置の構成の概略を示す説明図である。
図2】血液浄化装置の液体回路の構成の概略を示す説明図である。
図3】パネル回路の構成例を示す説明図である。
図4】チューブ重複部の一例を示す説明図である。
図5図4のチューブ重複部に1本のチューブを固定した例を示す説明図である。
図6図4のチューブ重複部に2本のチューブを固定した例を示す説明図である。
図7】チューブ重複部の傾斜部を示す断面図である。
図8】チューブ重複部の固定部材の構成を示す断面図である。
図9】チューブ重複部のチューブガイドの構成を示す断面図である。
図10】チューブ重複部の他の例を示す説明図である。
図11図10のチューブ重複部に1本のチューブを固定した例を示す説明図である。
図12図10のチューブ重複部に2本のチューブを固定した例を示す説明図である。
図13】チューブ重複部の傾斜部の構成を示す断面図である。
図14】血液浄化装置のポンプにパネル回路のチューブを取り付ける例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態の一例について説明する。なお、図面の上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。さらに、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0011】
<血液浄化装置>
図1は、本実施の形態に係るパネル回路1が装着される体液処理装置としての血液浄化装置2の構成の概略を示す説明図である。血液浄化装置2は、例えば装置本体部10、操作パネル部11、台車部12、ポール部13等を有している。
【0012】
装置本体部10は、血液処理を実行するために必要な各種機器、装置、部材が内蔵或いは取り付け可能に構成されている。例えば装置本体部10には、後述の液体回路40のチューブ150を開閉する各種クランプ群20、液体回路40の液体を圧送するポンプ群21、液体回路40の圧力を検出する圧力センサ、血液の分離器となる膜モジュール等が、内蔵或いは取り付け可能になっている。装置本体部10の側面には、扉30が設けられており、扉30を開けて露出した部分に、本実施の形態に係るパネル回路1が装着可能になっている。扉30を開けて露出した部分には、パネル回路1の後述する加温部170を加温するヒータ31が設けられている。
【0013】
操作パネル部11は、例えばタッチパネルになっており、血液処理の各種設定を入力したり、血液処理の運転状態を表示できるようになっている。ポール部13には、血液処理で用いられる補液バッグ140等の液体バッグを吊下げることができる。
【0014】
<液体回路>
血液浄化装置2は、血液処理を行うための液体回路を取り付けることが可能である。図2は、液体回路40の一例を示す説明図である。液体回路40は、例えば二重濾過血漿交換治療を行うための回路例であり、第1の分離器50と、血液回路51と、第2の分離器52と、血漿成分分離回路53と、補液回路54等を有している。
【0015】
第1の分離器50は、例えば中空糸膜などの分離膜を有し、血液から所定成分、例えば血漿成分を分離できる。
【0016】
血液回路51は、例えば採血部60と第1の分離器50とを接続する採血回路70と、第1の分離器50と返血部61とを接続する返血回路71を備えている。採血回路70は、第1の分離器50の分離膜の一次側の入口に接続され、返血回路71は、第1の分離器50の分離膜の一次側の出口に接続されている。
【0017】
採血回路70には、例えば圧送ポンプ80と、ドリップチャンバ81と、圧力センサ82と、採血回路70に抗凝固剤を供給する抗凝固剤路83が設けられている。返血回路71には、ドリップチャンバ90と、圧力センサ91と、クランプ92が設けられている。
【0018】
第1の分離器50の分離膜の二次側には、血漿成分分離回路53と、圧力センサ95に通じる分岐路96が接続されている。
【0019】
第2の分離器52は、例えば中空糸膜などの分離膜を有し、血漿成分から高分子量成分を除去できる。
【0020】
血漿成分分離回路53は、第1の分離器50の分離膜の二次側と第2の分離器52の分離膜の一次側の入口とを接続する往回路100と、第2の分離器52の分離膜の二次側と返血回路71とを接続する復回路101と、第2の分離器52の分離膜の一次側の出口と排液部を接続する排液回路102を有している。
【0021】
往回路100には、例えば漏血検知器110と、第1の圧送ポンプ111と、ドリップチャンバ112と、圧力センサ113が設けられている。第1の圧送ポンプ111とドリップチャンバ112との間には、他の血液処理において使用される分岐路114が接続されている。また、圧力センサ113は、ドリップチャンバ112に接続された分岐路115に設けられている。往回路100のドリップチャンバ112の下流側は、一部がジグザグ状になっており、温度調整部116となっている。なお、本実施の形態において、往回路100の分岐路114、115以外の流路を主流路100aとする。
【0022】
復回路101には、クランプ120、121が設けられている。復回路101は、第1回路101a及び第2回路101bによって、第2の分離器52の分離膜の二次側の二か所に接続されており、第1回路101aと第2回路101bが合流部101cで合流して、第3回路101dによって返血回路71に接続されている。クランプ120、121は、第1回路101aに設けられている。第3回路101dは、一部がジグザグ状になっており、温度調整部122を有している。第3回路101dは、返血回路71のドリップチャンバ90の上流側に接続されている。
【0023】
排液回路102には、第2の圧送ポンプ130とクランプ131が設けられている。
【0024】
補液回路54は、補液バッグ140から、復回路101の第1回路101aのクランプ120とクランプ121との間に接続されている。補液回路54には、第3の圧送ポンプ141が設けられている。なお、本実施の形態において圧送ポンプ111、130、141は、ポンプ群21を構成している。クランプ120、121、131は、クランプ群20を構成している。
【0025】
上記液体回路40では、例えば二重濾過血漿交換治療のための血液処理が行われる。例えば採血回路70において、患者の血液が第1の分離器50に送られ、血液から血漿成分が分離される。分離された血漿成分は、血漿成分分離回路53の往回路100を通じて第2の分離器52に送られ、血漿成分からコレステロールなどの高分子量成分が除去される。除去された高分子量成分は、排液回路102を通じて排液される。高分子量成分が除去された血漿成分は、復回路101を通じて返血回路71に戻され、患者に戻される。また、補液バッグ140の補液が、補液回路54を通じて復回路101に適宜供給され、復回路101を通じて返血回路71に供給されて、患者の血液に補充される。
【0026】
<パネル回路>
図3に示すようにパネル回路1は、液体回路40の流路を構成する軟質性のチューブ150と、当該チューブ150を配設する硬質のパネル151を有している。
【0027】
チューブ150は、例えば透明のポリ塩化ビニル等で形成されている。
【0028】
パネル151は、硬質の樹脂等で形成されている。パネル151は、例えば略方形の薄い板状に形成され、パネル平面に沿ってチューブ150が配設されている。パネル151は、例えば中央の方形の加温部170と、加温部170の周囲に位置するフレーム部171を有している。
【0029】
加温部170には、ジグザグ状の流路が形成され、この流路が、上記往回路100の温度調整部116と、復回路101の温度調整部122を構成している。すなわち、往回路100及び復回路101の流路の一部はパネル151に形成された流路によって構成され、それ以外の部分はチューブ150によって構成されている。
【0030】
フレーム部171は、例えば樹脂等により一体成型されている。フレーム部171には、各種回路のチューブ、例えば血漿成分分離回路53、補液回路54のチューブ150が配設されている。フレーム部171は、パネル平面においてチューブ150が垂直方向に重ねて配設されるチューブ重複部160と、チューブ重複部160においてチューブ150を重ねて配設するために、所定のチューブの高さをパネル平面に沿って次第に変動させる傾斜部161と、チューブ150を固定する固定部材162と、チューブ150をパネル平面に沿ってガイドするチューブガイド163を有している。
【0031】
チューブ重複部160は、複数個所、例えば5か所に設けられている。第1のチューブ重複部160aは、往回路101の主流路100aのチューブ150と分岐路115のチューブ150を平行に重ねて配設するものであり、第2のチューブ重複部160bは、排液回路102のチューブ150と往回路100の主流路100aのチューブ150を交差させて重ねて配設するものである。第3のチューブ重複部160cは、排液回路102のチューブ150と往回路100の分岐路114のチューブ150を交差させて重ねて配設するものであり、第4のチューブ重複部160dは、復回路101の第1流路101aと補液回路54のチューブ150を平行に重ねて配設するものである。第5のチューブ重複部160eは、復回路101の第1流路101aのチューブ150と、補液回路54のチューブ150及び復回路101の第3流路101dのチューブ150を交差させて重ねて配設するものである。
【0032】
例えば図4図6に示すように第1のチューブ重複部160aにおいて、フレーム部171は、傾斜部161aと、固定部材162a、162b、162c、162dと、チューブガイド163a、163b、163c、163d、163eを有している。なお、図4は、チューブが固定されていない状態を示し、図5は、1本のチューブが固定されている状態を示し、図6は、2本のチューブが固定されている状態を示す。
【0033】
傾斜部161aは、例えば図7に示すようにフレーム部171の基準平面Aからおよそチューブ1個分次第に上がるように形成されている。
【0034】
固定部材162aは、図8に示すように重ねられた2本のチューブ150の一方の側面から最上部のチューブ150の上面に回り込んで、最上部のチューブ150を上から押さえて2本のチューブ150を固定する。図4図6に示すように他の固定部材162b、162c、162dは、チューブ重複部160aにおいて重ねられる前、或いは後のチューブ150の一方の側面から当該チューブ150の上面に回り込んで、チューブ150を上から押さえて固定する。固定部材162a〜162d同士の間隔は、例えば80mm以下、好ましくは10mm以上50mm以下、さらに好ましくは20mm以上40mm以下である。
【0035】
チューブガイド163a〜163eは、板状に形成され、チューブ150の側面に立設し、チューブ150をパネル平面に沿ってガイドする。
【0036】
チューブガイド163aは、図9に示すように2本のチューブ150が重なる位置に形成され、重なった2本のチューブ150よりも高い高さを有している。なお、チューブガイド163aは、2本のチューブが重ねられる部分において、(チューブの外径(D1)×2)−(チューブの内径(D2)/2)以上の高さを有していればよい。
【0037】
図4図6に示すようにチューブガイド163cは、傾斜部161aのある位置に形成され、傾斜部161a上のチューブ150と同程度の高さを有している。他のチューブガイド163b、163d、163eは、チューブが重なった位置、チューブが重なる前等の位置に形成され、例えばチューブ150と同程度の高さを有している。
【0038】
例えば図10図12に示すように第2のチューブ重複部160bにおいてフレーム部171は、傾斜部161bと、固定部材162e、162f、162gと、チューブガイド163f、163g、163hを有している。なお、図10は、チューブが固定されていない状態を示し、図11は、1本のチューブが固定されている状態を示し、図12は、2本のチューブが固定されている状態を示す。
【0039】
傾斜部161bは、例えば図13に示すようにフレーム部171の基準平面Aからおよそチューブ一個分次第に下がるように形成されている。
【0040】
図10図12に示すように固定部材162e、162f、162gは、第2のチューブ重複部160bにおいて重ねられる前、或いは後のチューブ150の一方の側面から当該チューブ150の上面に回り込んで、チューブ150を上から押さえて固定する。
【0041】
チューブガイド163fは、例えばチューブが交差する直前に形成され、その交差直前のチューブ150と同程度の高さを有している。他のチューブガイド163g、163hは、例えばチューブが交差する前に形成され、チューブ150と同程度の高さを有している。図10図12に示すように傾斜部161bを下がった後は、溝164になっており、溝164には、チューブ150を保持する凹凸部165が形成されている。
【0042】
第3〜第5のチューブ重複部160c〜160eは、上記第1、第2のチューブ重複部160a、160bと同様の構成を有している。すなわち図3に示すように第3のチューブ重複部160c及び第5のチューブ重複部160eにおいて、フレーム部71は、第2のチューブ重複部160bと同様にパネル基準面Aより下がる傾斜部161と、チューブが交差する前、或いは後に設けられた固定部材162を有している。
【0043】
第4のチューブ重複部160dにおいて、フレーム部71は、パネル基準面Aより下がる傾斜部161を有している。また、第4のチューブ重複部160dにおいて、平行に重なったチューブ150を上から押さえる固定部材162と、平行に重なったチューブ150と同程度の高さを有するチューブガイド163を有している。
【0044】
<パネル回路の組み立て>
パネル回路1を組み立てる際には、パネル151にチューブ150を配設する。例えば図5に示したように1本目のチューブ150をガイドレール163a、163b、163d、163eに沿って取り付け固定部材162b、162cで固定し、図6に示すようにその上に2本目のチューブ150を平行に取り付ける。2本目のチューブ150は、傾斜部161aでパネル基準面Aに対して上がり、1本目のチューブ150の上に重なる。重なった2本のチューブ150は、固定部材162aで上から押さえられ固定される。
【0045】
また、例えば図11に示すように1本目のチューブ150は固定部材162gで固定し、傾斜部161bでパネル基準面Aに対して下がり凹凸部165で保持される。2本目のチューブ150は図12に示すようにパネル基準面A上でガイドレール163f、163g、163hに沿って取り付け、1本目のチューブ150と交差し、固定部材162e、162fで固定される。
【0046】
<パネル回路の取り付け>
パネル回路1を血液浄化装置2に取り付ける際には、図1に示すように装置本体部10の扉30を開けて、露出面にパネル151を装着する。この際、図14に示すようにポンプ群21の各圧送ポンプ111、130、141に往回路100、排液回路102、補液回路54のチューブ150がそれぞれ取り付けられる。また、図2に示す各チューブ150の端部が第1の分離器50、第2の分離器52、補液バッグ140、返血回路71、圧力センサ113等に接続される。またチューブ150がクランプ群20の各クランプ120、121、131にはめ込まれる。
【0047】
本実施の形態によれば、パネル回路1のパネル151が、パネル平面においてチューブ150を垂直方向に重ねて配設するチューブ重複部160と、チューブ重複部160においてチューブ150を重ねて配設するために、所定のチューブ150の高さをパネル平面に沿って次第に変動させる傾斜部161を有している。このため、パネル151にチューブ150を重ねて配設しても、チューブ150が折れ曲がることがなくキンクが生じるのを防止できる。
【0048】
パネル151は、基準平面Aを有し、所定のチューブ150を基準平面Aにあるチューブ150の上に重ねて配設するための傾斜部161a、又は所定のチューブ150を基準平面Aにあるチューブ150の下に重ねて配設するための傾斜部161bを有するので、チューブ150を重ねてもパネル回路1全体の厚みを最小限に抑えることができる。なお、基準平面Aは、パネル151において同一高さの平面総面積が最も広くなる平面であってもよい。
【0049】
パネル151は、チューブ重複部160において重ねられたチューブ150の一方の側面から最上部のチューブ150の上面に回り込んで、最上部のチューブ150を上から押さえて、重ねられたチューブを固定する固定部材162を有している。これにより、重なったチューブ150をしっかり固定できる。また、チューブ150が重なった部分はパネル151から厚み方向に突出するが、その部分のチューブ150を上から押さえるので、例えばパネル回路1の輸送中に物がパネル回路1に強く押しつけられたような場合でも、固定部材162によりチューブ150が保護され、チューブ150がつぶれて変形等することを抑制できる。この結果、使用前にチューブ150が劣化することを抑制できる。
【0050】
パネル151は、チューブ150をパネル平面に沿ってガイドするチューブガイド163を有し、チューブガイド163は、n本(nは自然数)のチューブが重ねられる部分において、(チューブの外径×n)−(チューブの内径/2)以上の高さを有している(本実施の形態では、n=2)。この結果、例えばパネル回路1の輸送中に物がパネル回路1に強く押しつけられたような場合でも、チューブガイド163によりチューブ150が保護され、チューブ150がつぶれて変形することを抑制できる。この結果、使用前にチューブ150が劣化することを抑制できる。
【0051】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0052】
例えば以上の実施の形態においてパネル151の構成、形状は、他のものであってもよい。パネル151におけるチューブ150の配置は、他のものであってもよい。例えばチューブ重複部160は5か所であったが、これに限られない。チューブ重複部160の傾斜部161、固定部材162、ガイドレール163の数や配置もこれに限られない。また、パネル回路1が装着される血液浄化装置2は、血漿交換療法を行うものに限られず、白血球除去療法、持続緩徐式血液濾過療法、透析治療などの他の血液処理を行うものであってもよい。さらに、本発明は、血液浄化装置2に限られず、他の体液、例えば腹水や胸水の体腔液を処理する体液処理装置のパネル回路に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、体液処理装置において、キンクが生じないようにチューブを重ねて配設可能なパネル回路を提供する際に有用である。
【符号の説明】
【0054】
1 パネル回路
2 血液浄化装置
150 チューブ
151 パネル
160 チューブ重複部
161 傾斜部
162 固定部材
163 チューブガイド
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