特許第6563788号(P6563788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローム株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6563788-タッチ式入力装置、電子機器 図000002
  • 特許6563788-タッチ式入力装置、電子機器 図000003
  • 特許6563788-タッチ式入力装置、電子機器 図000004
  • 特許6563788-タッチ式入力装置、電子機器 図000005
  • 特許6563788-タッチ式入力装置、電子機器 図000006
  • 特許6563788-タッチ式入力装置、電子機器 図000007
  • 特許6563788-タッチ式入力装置、電子機器 図000008
  • 特許6563788-タッチ式入力装置、電子機器 図000009
  • 特許6563788-タッチ式入力装置、電子機器 図000010
  • 特許6563788-タッチ式入力装置、電子機器 図000011
  • 特許6563788-タッチ式入力装置、電子機器 図000012
  • 特許6563788-タッチ式入力装置、電子機器 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563788
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】タッチ式入力装置、電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20190808BHJP
   G06F 3/045 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   G06F3/041 430
   G06F3/041 450
   G06F3/045 G
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-221852(P2015-221852)
(22)【出願日】2015年11月12日
(65)【公開番号】特開2017-91292(P2017-91292A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】臼井 弘敏
【審査官】 木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−281518(JP,A)
【文献】 特開2005−251692(JP,A)
【文献】 特開2005−141643(JP,A)
【文献】 実開昭62−120382(JP,U)
【文献】 特開2006−048388(JP,A)
【文献】 特開2011−059771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/03
3/041−3/047
H05K3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ式入力装置であって、
抵抗膜と、
前記抵抗膜の外周の一部に沿って形成される電極と、
前記抵抗膜とギャップを隔てて設けられた導体と、
前記電極から引き出された第1配線と、
前記導体と接続される第2配線と、
を備え、ユーザがタッチした位置において、前記抵抗膜と前記導体が接触可能に構成され、
前記導体は、前記タッチ式入力装置が搭載される電子機器の金属の一部分であることを特徴とするタッチ式入力装置。
【請求項2】
前記第1配線と前記第2配線は、単一のケーブルに収容され、前記ケーブル内で同一平面に離間して設けられ、
前記第1配線および前記第2配線は、前記ケーブルの端部において同一面側に露出していることを特徴とする請求項1に記載のタッチ式入力装置。
【請求項3】
前記第1配線と前記第2配線は、単一のケーブルに収容され、前記ケーブル内で同一平面に離間して設けられ、
前記第1配線および前記第2配線は、前記ケーブルの端部において互いに反対側の面に露出し、前記ケーブルは前記端部において前記電極と前記導体に挟まれることを特徴とする請求項1に記載のタッチ式入力装置。
【請求項4】
前記第1配線と前記第2配線は、単一のケーブルに収容され、前記ケーブル内で絶縁層を挟んだ積層構造を有し、
前記第1配線および前記第2配線は、前記ケーブルの端部において同一面側に露出していることを特徴とする請求項1に記載のタッチ式入力装置。
【請求項5】
前記第1配線と前記第2配線は、単一のケーブルに収容され、前記ケーブル内で絶縁層を挟んだ積層構造を有し、
前記第1配線および前記第2配線は、前記ケーブルの端部において互いに反対側の面に露出し、前記ケーブルは前記端部において前記電極と前記導体に挟まれることを特徴とする請求項1に記載のタッチ式入力装置。
【請求項6】
請求項1からのいずれかに記載のタッチ式入力装置と、
前記タッチ式入力装置の前記第1配線、前記第2配線と接続され、ユーザの入力を検出する制御回路と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項7】
前記制御回路は、ユーザのタッチの有無を検出することを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御回路は、ユーザがタッチした位置の前記電極と垂直方向の座標を検出することを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗膜を用いたタッチ式入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートホン、タブレット端末、ノート型やポータブルオーディオ機器、デジタルカメラ、ゲーム機器、カーナビゲーション装置などの電子機器は、指で接触することによって電子機器を操作するための入力装置を備えるものが主流となっている。こうした入力装置として、抵抗膜式のタッチパネル(タッチセンサ)などが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−48233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1(a)、(b)は、抵抗膜式タッチパネルの構造を示す図である。抵抗膜式タッチパネル(以下、単にタッチパネルという)900は、第1抵抗膜902、第2抵抗膜904を備える。第1抵抗膜902と第2抵抗膜904は、Z方向に離間して設けられる。第1抵抗膜902には、X方向に延びる2辺に沿って、第1電極906、第2電極908が形成される。第2抵抗膜904には、Y方向に延びる2辺に沿って、第3電極910、第4電極912が形成される。4本の電極と接続される配線(あるいは端子)X,X,Y,Yは、共通の一辺914側から引き出されている。
【0005】
タッチの検出は、配線Xに所定電圧Vを、配線Yに電圧Vを印加した状態で行われる。この状態においてユーザがタッチパネル900に接触すると、接触した座標に応じて、配線X,Yに発生する電気的状態、すなわち電圧や電流が変化する。したがって配線X,Yの電気的状態を測定することで、座標を計算することができる。
【0006】
図1(b)には、抵抗膜920と電極922の接合部の断面が示されている。電極922は、ある高さhを有している。このため、電極922の近傍には、座標を検知することができないデッドスペース(無効領域)924 が生ずる。このような事情から、パネルの幅(長さ)は、座標検出が可能な領域の幅(長さ)よりも、無効領域の分だけ大きくなる。無効領域の大きさは、抵抗膜や電極の材料やメーカーに依存するが、現状では、0.4mm〜10mm程度大きくなる。タッチパネル900の面積が十分に大きい場合、これはたいした問題とはならない。しかしながら、たとえば3cmのパネルにおいて、両端に1cmの無効領域が必要であれば、有効な領域は1cmとなってしまう。
【0007】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、無効領域を小さくしたタッチ式の入力装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、タッチ式入力装置に関する。タッチ式入力装置は、抵抗膜と、抵抗膜の外周の一部に沿って形成される電極と、抵抗膜と離間して設けられた導体と、電極から引き出された第1配線と、導体と接続される第2配線と、を備え、ユーザがタッチした位置において、抵抗膜と導体が接触可能に構成される。
【0009】
第1配線および第2配線の間のインピーダンス(抵抗値)は、タッチした位置(入力位置)と電極の間の距離に応じて変化する。したがって、入力の有無、あるいは入力位置の1次元座標を検出できる。この態様では電極は1本であるため、電極により生ずる無効領域の面積を、4線の抵抗膜式タッチパネルに比べて小さくできる。また4線の抵抗膜式タッチパネルに比べて配線を2本に減らせるため、構造を簡略化できる。
【0010】
第1配線と第2配線は、単一のケーブルに収容され、ケーブル内で同一平面に離間して設けられ、第1配線および第2配線は、ケーブルの端部において同一面側に露出していてもよい。
【0011】
第1配線と第2配線は、単一のケーブルに収容され、ケーブル内で同一平面に離間して設けられてもよい。第1配線および第2配線は、ケーブルの端部において互いに反対側の面に露出し、ケーブルは端部において電極と導体に挟まれてもよい。
【0012】
第1配線と前記第2配線は、単一のケーブルに収容され、ケーブル内で絶縁層を挟んだ積層構造を有してもよい。第1配線および第2配線は、ケーブルの端部において同一面側に露出していてもよい。
【0013】
第1配線と第2配線は、単一のケーブルに収容され、ケーブル内で絶縁層を挟んだ積層構造を有してもよい。第1配線および第2配線は、ケーブルの端部において互いに反対側の面に露出し、ケーブルは端部において電極と導体に挟まれてもよい。
【0014】
導体は、タッチ式入力装置が搭載される電子機器の金属の一部分であってもよい。
【0015】
導体は、メッシュ構造を有してもよい。これによりタッチ式入力装置が透明となり、ディスプレイなどに重ねて配置することが可能となる。
【0016】
本発明の別の態様は、電子機器に関する。電子機器は、上述のいずれかのタッチ式入力装置と、タッチ式入力装置の第1配線、第2配線と接続され、ユーザの入力を検出する制御回路と、を備えてもよい。
【0017】
制御回路は、ユーザのタッチの有無を検出してもよい。この場合、スイッチとして用いることができる。
制御回路は、ユーザがタッチした位置の電極と垂直方向の座標を検出してもよい。この場合、スライド式の入力装置として用いることができる。
【0018】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、あるいは本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0019】
本発明のある態様によれば、タッチ式の入力装置の無効領域を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1(a)、(b)は、抵抗膜式タッチパネルの構造を示す図である。
図2】実施の形態に係るタッチ式入力装置の斜視図である。
図3図2のタッチ式入力装置の等価回路図である。
図4】タッチ位置PuのX座標と、第1配線と第2配線の間の抵抗値の関係を示す図である。
図5図5(a)、(b)は、図2のタッチ式入力装置の有効領域および無効領域を示す図であり、図5(c)は、図1のタッチパネルの有効領域および無効領域を示す図である。
図6図6(a)〜(c)は、タッチ式入力装置を制御する制御回路の回路図である。
図7図7(a)〜(c)は、タッチ式入力装置の第1構成例の構造を示す図である。
図8図8(a)、(b)は、タッチ式入力装置の第2構成例の構造を示す図である。
図9図9(a)、(b)は、タッチ式入力装置の第3構成例の構造を示す図である。
図10図10(a)、(b)は、タッチ式入力装置の第4構成例の構造を示す図である。
図11】タッチ式入力装置の第5構成例を示す図である。
図12】タッチ式入力装置を備える電子機器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0022】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0023】
図2は、実施の形態に係るタッチ式入力装置100の斜視図である。なお本明細書に示される各部材は、発明の理解の容易化、説明の簡潔化のため、適宜、拡大あるいは縮小しており、したがって各部材の寸法の大小関係は、図示のそれに限定されるものではない。
【0024】
タッチ式入力装置100は、抵抗膜10、導体12、電極14、第1配線16、第2配線18、を備える。ここでは便宜的に、抵抗膜10を含む面内にX軸およびY軸を定義し、それと垂直な方向にZ軸を定義する。抵抗膜10と導体12は、XY平面と平行であり、オーバーラップしてZ軸方向にギャップを隔てて配置される。電極14は、抵抗膜10の外周の一部分、具体的にはその1辺E1に沿って形成される。第1配線16は電極14から引き出されており、第2配線18は導体12と接続される。第2配線18は、第1配線16が引き出される辺E1と同じ側から引き出してもよい。
【0025】
タッチ式入力装置100は、ユーザがタッチした位置において、抵抗膜10と導体12が接触可能に構成される。この点に関しては、従来の4線の抵抗膜式タッチパネルと同様の技術を用いればよい。本実施の形態では、導体12は固定されており、抵抗膜10が変形可能であり、抵抗膜10側にタッチすることで、抵抗膜10と導体12が接触する。
【0026】
以上がタッチ式入力装置100の基本構成である。続いてその動作原理を説明する。図3は、図2のタッチ式入力装置100の等価回路図である。Puはユーザがタッチした位置を示す。ユーザがタッチした位置Puと電極14の間の抵抗値Rxは、それらのX方向の距離xに応じている。導体12の抵抗値は十分に低く、実質的にゼロと近似したとすれば、第1配線16と第2配線18の間の抵抗値Rzは、Rx+Rcとなる。Rcは、抵抗膜10と導体12の接触抵抗であり、一定値とみなすことができる。また第1配線16と第2配線18の抵抗値も、抵抗膜10のそれに比べて十分に小さいので、実質的にゼロと仮定できる。
【0027】
図4は、タッチ位置PuのX座標と、第1配線16と第2配線18の間の抵抗値の関係を示す図である。ここではX軸を、電極14を原点(0)とし、電極14から離れるほどx座標が増加する方向に定義している。抵抗膜10の電極14とタッチ位置Puの間の抵抗値Rxは、距離xに応じて増加するが、増加の程度は、抵抗膜10の形状などに依存する。抵抗膜10がY方向の幅が狭ければ、Rxはxに対して比例する。なお、Y方向の幅が太くなると比例関係から逸脱しうるが、いずれにせよ、第1配線16と第2配線18の間の抵抗値は、ユーザが接触した位置PuのX座標と1対1で対応する。図4の特性は、パネルごとにあらかじめ測定しておいてもよい。なお非接触の状態は、x=無限大を意味し、したがってRzも無限大となる。
【0028】
以上がタッチ式入力装置100の動作原理である。このタッチ式入力装置100によれば、抵抗値Rzを直接的あるいは間接的に測定することにより、タッチの有無、あるいはタッチ位置PuのX座標を測定できる。
【0029】
図5(a)、(b)は、図2のタッチ式入力装置100の有効領域および無効領域を示す図である。なお比較のために図5(c)に図1のタッチパネル900の有効領域および無効領域を示す。なお無効領域にはハッチングを付す。図2のタッチ式入力装置100は、抵抗膜10上に形成され、Y方向に延びる1本の電極14のみを備える。したがって図5(a)、(b)に示すようにX方向に関しては、電極14が設けられる一辺E1側においてのみ無効領域22が存在し、一辺E1と対向する別の一辺E2側には無効領域は存在せず、したがって領域24が有効となる。またY方向に関しては、両辺E3,E4ともに電極が形成されないため、抵抗膜10の幅全体が有効領域26となる。
【0030】
したがって、図2のタッチ式入力装置100によれば、図1のタッチパネル900に比べて、パネル全体の面積に占める有効領域の比率を各段に高めることができる。つまり図2のタッチ式入力装置100によれば、図5(a)に示すように、図1のタッチパネル900と比べて、同じパネルの面積に対して、より大きな有効領域を得ることができる。あるいは図5(b)に示すように、図1のタッチパネル900と比べて、同じ有効領域の面積を、より小さなパネル面積で実現できる。これらの効果は、パネルの面積が小さいほど顕著である。
【0031】
また4線の抵抗膜式タッチパネルに比べて配線を2本に減らせるため、構造を簡略化できる。また図1のタッチパネル900では、2枚の抵抗膜902,904のアライメントに精度が要求されるが、図2のタッチ式入力装置100では、抵抗膜10と導体12はオーバーラップしていればよいため、製造が簡単である。
【0032】
図6(a)〜(c)は、タッチ式入力装置100を制御する制御回路の回路図である。上述のようにタッチ位置を検出するには、第1配線16と第2配線18の間の抵抗値Rzを直接的、あるいは間接的に測定する必要がある。制御回路200は、第1配線16および第2配線18と接続され、タッチの有無あるいはタッチ位置を検出する。
【0033】
図6(a)の制御回路200aは、電圧源202、電流センサ204および演算回路220を備える。電圧源202は、第1配線16と第2配線18の間に、所定電圧Vxを印加する。電流センサ204はこのときに流れる電流Ixを測定する。電流Ixは、
Ix=Vx/Rz
で表される。演算回路220は、電流Ixの測定値と所定電圧Vxにもとづいて、タッチ位置の座標を、計算あるいはテーブル参照により取得する。
【0034】
図6(b)の制御回路200bは、基準抵抗206、電圧源208、電圧センサ210および演算回路220を備える。基準抵抗206は既知の抵抗値RREFを有し、第1配線16と第2配線18の一方(図6(b)では18)と接地の間に設けられる。電圧源208は、第1配線16と第2配線18の他方(図6(b)では16)に、既知の電圧Vxを印加する。電圧センサ210は、第1配線16と第2配線18の一方(図6(b)では18)の電圧Vzを測定する。電圧Vzは、電圧Vxを抵抗RzとRREFで分圧した値を有する。
Vz=Vx×RREF/(Rz+RREF
演算回路220は、電圧Vzと所定電圧Vx、基準抵抗RREFにもとづいて、タッチ位置の座標を計算により、あるいはテーブル参照により取得する。
【0035】
図6(c)の制御回路200cは、電流源212、電圧センサ214および演算回路220を備える。第1配線16と第2配線18の一方(ここでは18)は接地される。電流源212は、第1配線16と第2配線18の他方(ここでは16)に、既知の定電流IREFを供給する。電圧センサ214は、第1配線16に生ずる電圧Vzを測定する。電圧Vzは、
Vz=IREF×Rz
で表される。演算回路220は、電圧Vzおよび電流IREFにもとづいてタッチ位置の座標を計算により、あるいはテーブル参照により取得する。
【0036】
なお制御回路200の構成は、図6(a)〜(c)の制御回路200a〜200cには限定されない。たとえば4線式の抵抗膜式タッチパネルの制御回路を用いて、タッチ式入力装置100を制御してもよい。
【0037】
図7(a)〜(c)は、タッチ式入力装置100の第1構成例100aの構造を示す図である。図7(a)に示すように第1配線16および第2配線18は、単一のケーブル300に収容される。ケーブル300内で、第1配線16と第2配線18は、同一平面に離間して設けられ、絶縁体301で被覆される。ケーブル300の端部302には、同一面S1に、第1配線16、第2配線18に連通する開口304,306が設けられ、したがって第1配線16および第2配線18は、ケーブル300の端部302において同一面S1側に露出している。
【0038】
図7(b)に示すようにケーブル300は、面S1が下側となるように、つまり抵抗膜10、導体12と対向するように配置される。第1配線16は、開口304を介して抵抗膜10に形成される電極14と電気的、機械的に接続される。また第2配線18は、開口306を貫通するポスト30を介して導体12と接続される。ポストは、はんだであってもよいし、導電性の接着剤であってもよいし、コンタクト内に形成されたスルーホールであってもよい。
【0039】
図8(a)、(b)は、タッチ式入力装置100の第2構成例100bの構造を示す図である。図7(a)と同様に、第1配線16と第2配線18は、同一平面内に離間して設けられる。図8(a)に示すように、第1配線16は第1面S1側から露出し、第2配線18は第2面S2側から露出する。ケーブル300は、その端部において抵抗膜10と導体12に挟まれている。第1配線16はポスト32を介して電極14と接続され、第2配線18はポスト30を介して導体12と接続される。
【0040】
図8(a)、(b)の構成例100bは以下の利点を有する。図7(b)の構成では、抵抗膜10をポスト30の分だけ、導体12に対してオフセットする必要がある。言い換えれば、ポスト30に対応する領域と、電極14に対応する領域が、無効領域22となる。これに対して図8(b)の構造では、ポスト30に対応する領域と、ポスト32(電極14)に対応する領域がオーバーラップするため、無効領域22のX軸方向の長さをさらに小さくできる。
【0041】
図9(a)、(b)は、タッチ式入力装置100の第3構成例100cの構造を示す図である。この構成例100cでは、第1配線16と第2配線18はZ方向に積層される。第1配線16と第2配線18は、ケーブル300の端部において、同一面S1側から露出している。第1配線16はポスト30を介して電極14と接続され、第2配線18はポスト32を介して導体12と接続される。この構成例100cによれば、第1配線16と第2配線18を積層することにより、ケーブル300の横方向の幅を小さくできる。
【0042】
図10(a)、(b)は、タッチ式入力装置100の第4構成例100dの構造を示す図である。第3構成例100cと同様に第1配線16と第2配線18はZ方向に積層される。ケーブル300の端部において、第1配線16は第1面S1側から、第2配線18は第2面S2側から露出している。第1配線16はポスト30を介して電極14と接続され、第2配線18はポスト32を介して導体12と接続される。この構成例100dによればケーブルの幅を小さくできる。また第3構成例100cに比べて無効領域22のX軸方向の長さを小さくできる。
【0043】
図11は、タッチ式入力装置100の第5構成例100eを示す図である。この構成例100eにおいて、導体12は、タッチ式入力装置100が搭載される電子機器500の金属520の一部分である。たとえば金属520は、電子機器500の筐体であってもよいし、シャーシであってもよい。つまり、金属520の一部分に、抵抗膜10を重ね合わせることにより、タッチ式入力装置100eが形成される。
【0044】
続いてタッチ式入力装置100の用途を説明する。図12は、タッチ式入力装置100を備える電子機器500を示す図である。電子機器500の種類は特に限定されず、スマートホンやタブレット端末、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ポータブルオーディオプレイヤ、ノート型PC、ポータブルゲーム機器、ディスプレイ装置、カーナビゲーション装置、ゲーム機器やそのコントローラ、各種リモコン装置などであり得る。ここでは電子機器500は、カーナビゲーション装置である。カーナビゲーション装置500は、自動車のコンソールに取り付けられる。カーナビゲーション装置500は、ディスプレイパネル502に加えて、少なくともひとつの入力装置504,506,508を備える。入力装置504,506,508は、上述したタッチ式入力装置100である。たとえば入力装置504,506は、接触、非接触の2状態を検出するボタン(スイッチ)として利用される。たとえばボリュームアップ、ボリュームダウンのボタンや、地図の拡大、縮小のボタン、カーソルボタン、カーナビゲーション装置500の電源ボタン、その他、任意の機能が割り当てられたボタンとして用いることができる。
【0045】
また入力装置508は、タッチ入力の位置(座標)を検出可能である。ユーザが入力装置508に触れながら、矢印510に沿って指を移動させると、入力装置508はタッチ位置の移動を検出できる。このような入力装置508は、スライド式のボリューム、スライド式の拡大縮小ボタンなどとして利用できる。
【0046】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0047】
(第1変形例)
導体12は、メッシュ構造を有してもよい。これにより導体12が透明となるため、従来の抵抗膜式タッチパネルと同様に、ディスプレイパネル上にタッチ式入力装置100を重ねて配置することが可能となる。
【0048】
(第2変形例)
実施の形態では、抵抗膜10が変形可能であり、ユーザが抵抗膜10側にタッチする構造を説明したが本発明はそれには限定されない。導体12が抵抗膜10と同程度の柔軟性を有する場合、導体12を変形可能として、ユーザが導体12側にタッチする態様で使用してもよい。
【0049】
(第3変形例)
実施の形態では、抵抗膜10および導体12が矩形の場合を説明したが、抵抗膜10、導体12の形状は特に限定されない。たとえば抵抗膜10および導体12の形状は互いに異なっていてもよく、また円形や楕円形であってもよいし、テーパーを有する台形や三角形であってもよい。
【0050】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0051】
100…タッチ式入力装置、10…抵抗膜、12…導体、14…電極、16…第1配線、18…第2配線、200…制御回路、202…電圧源、204…電流センサ、206…基準抵抗、208…電圧源、210…電圧センサ、212…電流源、214…電圧センサ、220…演算回路、300…ケーブル、301…絶縁体、302…端部、S1…第1面、S2…第2面、500…電子機器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12