特許第6563789号(P6563789)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563789
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】クランプ装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/14 20060101AFI20190808BHJP
   F16B 2/12 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   A61M5/14 532
   F16B2/12 A
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-227071(P2015-227071)
(22)【出願日】2015年11月19日
(65)【公開番号】特開2017-93668(P2017-93668A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029676
【氏名又は名称】株式会社トップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 進
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−126604(JP,U)
【文献】 実開平5−69777(JP,U)
【文献】 米国特許第9393089(US,B1)
【文献】 特開2009−45114(JP,A)
【文献】 特開2015−42895(JP,A)
【文献】 実開平4−75372(JP,U)
【文献】 特開2009−30797(JP,A)
【文献】 実開昭59−183507(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0165340(US,A1)
【文献】 特開2017−80333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/14
F16B 2/00−2/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸液スタンドのポールの一方外周面に当接する可動側当接部及び前記可動側当接部が先端に設けられたネジ軸体を有する可動側クランプ部と、
前記ポールの他方外周面に当接する固定側当接部及び前記可動側クランプ部に向い前記ネジ軸体に沿って前記固定側当接部から延設されるレール部を有する固定側クランプ部と、
前記ネジ軸体と螺合するネジ孔を有し、前記ネジ孔によって前記可動側クランプ部と連結されると共に、前記レール部の長手方向に沿って前記レール部に摺動可能に連結される連結部材とを備え、前記ポールを挟持することで輸液スタンドに着脱自在なクランプ装置において、
前記連結部材は、前記レール部に揺動可能に支持され、前記揺動によって前記レール部と前記連結部材とのなす角度が所定の角度を超えると、前記連結部材のレール部側の端部の少なくとも一部が前記レール部に接触して前記摺動が阻止されるように形成され、
前記連結部材と前記可動側当接部との間には、前記連結部材を前記可動側当接部から離間させる方向であって、前記所定の角度を超える方向に付勢する弾性部材とを有することを特徴とするクランプ装置。
【請求項2】
請求項1記載のクランプ装置であって、
前記連結部材は、前記レール部より前記ネジ軸体側において、前記レール部に接触する第1接触部と、
前記第1接触部が前記レール部に接触するときに、前記レール部を挟んで前記第1接触部の反対側で前記レール部に接触する第2接触部とを有することを特徴とするクランプ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のクランプ装置であって、
前記連結部材と前記可動側クランプ部との間に板状部材を有し、
前記板状部材は、前記レール部または前記連結部材のレール部側に揺動可能に支持され、
前記弾性部材は、前記連結部材と前記板状部材との間に配置されることを特徴とするクランプ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のクランプ装置であって、
前記連結部材は、前記レール部の長手方向に沿って貫通されることによって形成され、前記レール部を遊嵌することで前記レール部に対して前記連結部材を摺動可能かつ揺動可能に取り付ける第1貫通溝を有し、
前記板状部材は、前記レール部の長手方向に沿って貫通されることによって形成され、前記レール部を遊嵌することで前記レール部に対して前記板状部材を摺動可能かつ揺動可能に取り付ける第2貫通溝を有することを特徴とするクランプ装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載のクランプ装置であって、
前記連結部材及び前記板状部材は、少なくとも一方に前記弾性部材を収納することができる穴部を有することを特徴とするクランプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸液ポンプ等を輸液スタンドのポールに着脱可能に固定するためのクランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
輸液ポンプ等を用いて輸液を行うときに、輸液スタンドから起立状態で固定されたポールに対して輸液ポンプ等または輸液ポンプ等を着座させた台座を固定するためにクランプ装置が使用される。
【0003】
この種のクランプ装置としては、従来、金属の板状部材を略C字状に形成することにより、ポールの一方の外周面に当接する固定側当接部と、該固定側当接部材に対向配置され内周面に雌ねじが形成されたネジ孔を有する起立状部とを有する固定側クランプ部と、前記ポールの他方の外周面に当接する可動側当接部、該可動側当接部が一方の端部に設けられ外周面に前記雌ねじと螺合する雄ねじが形成されたネジ軸体、及び、該ネジ軸体の他端に固定される回転ノブを有する可動側クランプ部とを備えるクランプ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来のクランプ装置は、輸液スタンドのポールに着脱する際に、回転ノブを回転させることでネジ軸体を動かすことでポールに対する把持状態の解除および固定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】意匠登録第1421775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のクランプ装置を輸液スタンドから取り外す際には、落下防止のために一方の手で輸液ポンプを支えつつ、他方の手で回転ノブを何回転も回し続ける必要があり、固定する際にはこれとは逆の手順を行う必要があり、素早い脱着が困難であるという不都合があった。
【0006】
上記の点に鑑み、本発明は、素早く簡単に脱着可能なクランプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、本発明のクランプ装置は、輸液スタンドのポールの一方外周面に当接する可動側当接部及び前記可動側当接部が先端に設けられたネジ軸体を有する可動側クランプ部と、前記ポールの他方外周面に当接する固定側当接部及び前記可動側クランプ部に向い前記ネジ軸体に沿って前記固定側当接部から延設されるレール部を有する固定側クランプ部と、前記ネジ軸体と螺合するネジ孔を有し、前記ネジ孔によって前記可動側クランプ部と連結されると共に、前記レール部の長手方向に沿って前記レール部に摺動可能に連結される連結部材とを備え、前記ポールを挟持することで輸液スタンドに着脱自在なクランプ装置において、前記連結部材は、前記レール部に揺動可能に支持され、前記揺動によって前記レール部と前記連結部材とのなす角度が所定の角度を超えると、前記連結部材のレール部側の端部の少なくとも一部が前記レール部に接触して前記摺動が阻止されるように形成され、前記連結部材と前記可動側当接部との間には、前記連結部材を前記可動側当接部から離間させる方向であって、前記所定の角度を超える方向に付勢する弾性部材とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明のクランプ装置をポールに取り付けるときには、まず、ネジ軸体を回転させることで、ネジ軸体の先端に設けられた可動側当接部とネジ軸体に螺合した連結部材との距離を近づける。
【0009】
これにより、前記レール部と前記連結部材とのなす角が、後述する所定角度以内になるので、板状部材はレール部と接触しなくなる。この結果、連結部材及びこれに螺合している可動側クランプ部は、レール部に対し摺動可能な状態となる。
【0010】
次に、可動側クランプ部をレール部に沿って固定側当接部方向(先端方向)に摺動させることで、取付け対象のポールに対して可動側当接部を押し付け、可動側当接部と固定側当接部とでポールを挟み込む。
【0011】
このポールに対して可動側当接部を押し付けた状態で、ネジ軸体を先ほどと反対回り方向に数回転させると、可動側当接部に対して連結部材が相対的に離間される。
【0012】
このとき、連結部材はレール部に揺動可能に支持されており、かつ、弾性部材によって、連結部材から離間する方向であって前記所定の角度を超える方向に付勢されているため、連結部材は前記レール部とのなす角が前記所定角度を超えるように揺動される。
【0013】
すると、連結部材のレール部側の端部の少なくとも一部が該レール部に接触し、摩擦係合状態となって連結部材のレール部に対する摺動が阻止される。この結果、連結部材に螺合した可動側クランプ部もレール部に対して摺動できなくなる、すなわち、取付け対象のポールに対して可動側当接部を押し付けた状態から後端方向に移動することができなくなるので、クランプ装置がポールに取り付けられる。
【0014】
このように、本発明によれば、ネジ軸体を一方方向に数回転させるだけで、ポールからクランプ装置を取り外すことができ、また、ポールに対して可動側当接部を押し付けて、ネジ軸体を他方方向に数回転させるだけで、ポールに対してクランプ装置を取り付けることができるため、ポールに対してクランプ装置を素早く簡単に脱着することができる。
【0015】
本発明のクランプ装置において、前記連結部材は、前記レール部より前記ネジ軸体側において、前記レール部に接触する第1接触部と、前記第1接触部が前記レール部に接触するときに、前記レール部を挟んで前記第1接触部の反対側で前記レール部に接触する第2接触部とを有することが好ましい。
【0016】
これによれば、レール部に摩擦係合する接触部を増やすことができるため、より確実に、ポールに対してクランプ装置を取り付けることができる。
【0017】
また、本発明のクランプ装置は、前記連結部材と前記可動側クランプ部との間に板状部材を有し、前記板状部材は、前記レール部または前記連結部材のレール部側に揺動可能に支持され、前記弾性部材は、前記連結部材と前記板状部材との間に配置されることが好ましい。
【0018】
これによれば、本発明のクランプ装置をポールに取り付けるときに、まず、ネジ軸体を回転させることで、ネジ軸体の先端に設けられた可動側当接部とネジ軸体に螺合した連結部材との距離を近づける。すると、前記連結部材と前記可動側当接部との間に配置された板状部材は、両者に挟まれるので、弾性部材は、板状部材と連結部材とに強く挟み込まれる。そのため、ポールに対して可動側当接部を押し付けた状態で、ネジ軸体を反対回り方向により数回転させただけで、連結部材は弾性部材によって、連結部材から離間する方向であって前記所定の角度を超える方向に付勢され、より素早く簡単にクランプ装置を脱着することができる。
【0019】
この板状部材を備える本発明のクランプ装置において、前記連結部材は、前記レール部の長手方向に沿って貫通されることによって形成され、前記レール部を遊嵌することで前記レール部に対して前記連結部材を摺動可能かつ揺動可能に取り付ける第1貫通溝を有し、前記板状部材は、前記レール部の長手方向に沿って貫通されることによって形成され、前記レール部を遊嵌することで前記レール部に対して前記板状部材を摺動可能かつ揺動可能に取り付ける第2貫通溝を有することが好ましい。
【0020】
これによれば、ネジ軸体を回転させることで、ネジ軸体の先端に設けられた可動側当接部とネジ軸体に螺合した連結部材との距離を近づけ、連結部材と板状部材とのそれぞれ対向する面を近づけると、第1の貫通孔と第2の貫通孔とが連通される。
【0021】
そうすると、レール部の厚さに対して貫通孔が長く形成されることになるため、連結部材及び板状部材をレール部に対して摺動させたときに、連結部材がレール部に接触するほど大きく揺動する可能性が低くなる。この結果、かかる構成を備えるクランプ装置によれば、摺動をスムーズにすることができる。
【0022】
また、板状部材を備える本発明のクランプ装置において、前記連結部材及び前記板状部材は、少なくとも一方に前記弾性部材を収納することができる穴部を有することが好ましい。
【0023】
これによれば、連結部材と板状部材との距離を近づけたときに、弾性部材は穴部に収納されることになるため、連結部材と板状部材とを接触させることができるので、第1の貫通孔と第2の貫通孔との連通がより確実なものになる。
【0024】
この結果、かかる構成を備えるクランプ装置によれば、より摺動をスムーズにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本実施形態のクランプ装置によって、輸液スタンドに輸液ポンプを取り付けた状態を示す外観斜視図。
図2図2は、本発明のクランプ装置の実施形態を示す平面図。
図3図3Aは、図2のA−A線断面図。図3Bは、図2のB−B線断面図。
図4図4A乃至図4Cは、本実施形態のクランプ装置をポールに取り付ける方法を示す説明図。
図5図5A及び図5Bは、本実施形態の板状部材の揺動を説明するための一部断面図。
図6図6は、本実施形態のクランプ装置の変形例を示す平面図。
図7図7Aは、図6に示す変形例の板状部材の平面図、図7Bは、図6に示す変形例の板状部材の背面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1に示すように、本実施形態のクランプ装置1は、輸液スタンド60に輸液ポンプ70を取り付けるために用いる。
【0027】
輸液ポンプ70の底面には、破線図示の雌ネジ穴71が設けられており、輸液ポンプ70を台座72上に載置した状態から、固定ネジ73を雌ネジ穴71に対して螺合させることで、台座72上に輸液ポンプ70を固定する。
【0028】
台座72には、クランプ装置1が固定される。
【0029】
輸液スタンド60のポール61は、脚部62から床面に対して垂直に起立されて固定されている。このポール61は、輸液スタンド60の機種毎にその直径が異なる。
【0030】
クランプ装置1は、後述するように輸液スタンド60のポール61に対して、素早く簡単に脱着できので、輸液スタンド60に輸液ポンプ70を素早く簡単に脱着できる。
【0031】
図2で示すように、本実施形態のクランプ装置1は、固定側クランプ部10と、可動側クランプ部20と、これらを連結する連結部材30とを備えている。
【0032】
以下、説明の便宜のために、クランプ装置1の長手方向を図2の上下方向と定義し、クランプ装置1の短手方向を図2の左右方向と定義する。
【0033】
固定側クランプ部10は、上下方向に伸びるレール部11と、レール部11の上端から、右方向に曲がりながら延設され、ポール61の一方の外周面に当接する固定側当接部12とを有する。
【0034】
レール部11は、全長50mm(上下方向)、幅30mm(奥行方向)、厚さ5mm(左右方向)のアルミの板状部材である。
【0035】
レール部11は、自身を左右方向に貫通する雌ネジ穴13を有する。クランプ装置1の雌ネジ穴13と台座72に設けられた貫通穴(図示せず)とを、円筒状のカラーの中空部を介して連通するように配置し、雄ネジ(図示せず)によって、クランプ装置1と台座72とは固定される。
【0036】
レール部11の下端には、連結部材30が外れることを防止する抜け止め14が着脱自在に取り付けられている。
【0037】
本実施形態の固定側当接部12は、ポール61に当接する側の面が谷形形状に形成されている。固定側当接部12の形状は、これに限られるものではなく、直線状・曲線状の別を問わないが、本実施形態のようにポール61側が谷形形状になっていると、ポール61の抜け止め効果、及び、ポール61への接点を増やすことによる把持力増加効果があるため好ましい。
【0038】
可動側クランプ部20は、外周面に雄ネジが形成され上下方向に延びるネジ軸体21と、ネジ軸体21の上端に回動自在に設けられた可動側当接部22と、下端に固定された回転ノブ23とを備えている。
【0039】
回転ノブ23は、本実施形態では、図2の下方向から見たときに円盤状をなすように形成されている。回転ノブ23の形状はこれに限られず、略星形形状でもよく、把持しやすいように多角形状でもよい。
【0040】
可動側当接部22は、ネジ軸体21の先端に回動自在に取り付けられる基部22aと、基部22aの奥行方向の端部及び手前方向の端部から固定側当接部12方向に張り出すクランプ歯22bとを有する。クランプ歯22bは、固定側当接部12に対向し、ポール61の他方の外周面に当接するように谷形形状に形成されている。
【0041】
ネジ軸体21は上端に小径部24を有し、他方、基部22aには該小径部24より、やや大径の貫通孔(図示せず)が設けられている。ネジ軸体21は、ワッシャ25を介して小径部24を基部22aの貫通孔に挿通し、基部22aの反対側においてスプリングピン26で固定されている。この結果、可動側当接部22は、ネジ軸体21の上端に回動自在に取り付けられる。なお、ワッシャ25は、適宜省略することもできる。
【0042】
連結部材30は、本実施形態では、ステンレス製の板状部材であり、図3Aに示すように、ネジ軸体21と螺合する雌ねじ孔31と、レール部11に沿って摺動可能なようにレール部11に嵌合される略C字状の第1貫通溝32と、内蔵バネ33の下端を収納する穴部34と、皿ネジ35の先端が螺合する雌ねじ穴36とを備える。
【0043】
第1貫通溝32は、レール部11を挿通して摺動及び揺動が可能なように、レール部11の厚さ(図2及び図3Aにおける左右方向の幅)より大きい幅を持つように形成されている。
【0044】
また、クランプ装置1は、図2に示すように、ステンレス製の板状部材40を有する。
【0045】
板状部材40は、図3Bに示すように、ネジ軸体21を挿通する大貫通孔41と、レール部11に沿って摺動可能に嵌合される略C字状の第2貫通溝42と、皿ネジ35が収納されるざくり加工が施されたネジ用貫通孔46を備え、さらに、後端側側面に、連結部材30の穴部34と対向し内蔵バネ33の上端を収納する穴部44を備える。
【0046】
大貫通孔41はネジ軸体21より大径に形成されている。第2貫通溝42は、レール部11を挿通して摺動及び揺動が可能なように、レール部11の厚さより大きい幅を持つように形成されている。
【0047】
ネジ用貫通孔46は、図5Aに示すように、皿ネジ35のネジ部より大きく、かつ、皿ネジ35のネジ頭が抜けない幅に形成され、皿ネジ35は、板状部材40のネジ用貫通孔46に挿通され緩嵌合しつつ雌ねじ穴36に螺合される。このとき、図5A及び図5Bに示すように、皿ネジ35に対して、ネジ用貫通孔46は、若干の隙間を持つように設計されているため、板状部材40と連結部材30とは、一定の間隔をあけた状態で、相対的に揺動可能に係止される。
【0048】
連結部材30の穴部34及び板状部材40の穴部44の内部には、図2に示すように、内蔵バネ33が収納されている。内蔵バネ33は、板状部材40と連結部材30とを相互に離間する方向に移動させるように付勢している。なお、本発明の穴部は、連結部材30及び板状部材40の両方に設けるだけでなく、どちらか一方だけに設けて内蔵バネ33を収納してもよい。
【0049】
次に、図4を参照して、クランプ装置1の取付け方法を説明する。
【0050】
連結部材30は、図4Aに示すように、レール部11とほぼ直交するように配置されている状態になっているとき、ロックが解除された状態になる。
【0051】
そこで、回転ノブ23を把持し、図4Aに示すように、ポール61の直径に合わせて可動側クランプ部20をレール部11に沿って上方向に摺動させ、図4Bに示すように、ポール61の上下側面に固定側当接部12と可動側当接部22のクランプ歯22bとが当接するまで移動させる。
【0052】
次に、図4Bに示すように、回転ノブ23を、上方向に押しつけながらネジ軸体21を矢印a方向(時計回り方向)に数回転(本実施形態では約1〜2回転程度)させる。
【0053】
すると、板状部材40を挟み込んだ状態で近接していた可動側当接部22と連結部材30とが、相互に離間する方向に力が発生するところ、可動側クランプ部20のクランプ歯22bがポール61に当接しており上方向に移動できないので、連結部材30が下方向に離れようとする。
【0054】
このとき、連結部材30は、板状部材40に対して皿ネジ35によって連結されており、かつ、内蔵バネ33で板状部材40から付勢されているため、皿ネジ35を支点としての矢印b方向に揺動される。同時に、ネジ軸体21は、この連結部材30の雌ねじ孔31に螺合されているため、ネジ軸体21も矢印b方向に揺動される。
【0055】
この結果、図4C図4C図2と同じである。)に示すように、連結部材30は、レール部11に対して後述する摩擦係合状態となるので、クランプ装置1は、ポール61を固定側当接部12と可動側当接部22とで挟持した状態から、可動側クランプ部20が下側に移動することを連結部材30によって阻止した状態になる。
【0056】
なお、本実施形態のクランプ装置1では、この状態から、回転ノブ23をさらに矢印a方向(時計回り方向)に回転(本実施形態では約1回転程度)させると、連結部材30の下方向への移動が阻止されているので、可動側クランプ部20がポール61にさらに押し付けられるように上方向に移動させられ、締め付けをさらに強くすることもできる。
【0057】
次に、図4を参照して、クランプ装置1の取外し方法を説明する。
【0058】
まず、回転ノブ23を把持し、図4Cに示すように、ネジ軸体21を矢印c方向(反時計回り方向)に数回転(本実施形態では2〜3回転)させる。このとき、ネジ軸体21は連結部材30の雌ねじ孔31に螺合されているため、連結部材30と可動側当接部22とが相互に接近しようとする力が発生する。
【0059】
但し、連結部材30は、レール部11に対して摩擦係合状態となり、上方向にも移動しにくい状態であるため、可動側当接部22が矢印d方向(下方向)に移動される。
【0060】
すると、可動側当接部22がワッシャ25を介して、板状部材40を下方向に押していき、連結部材30の穴部34及び板状部材40の穴部44の内部に内蔵バネ33を収納させながら、板状部材40と連結部材30とを密接させる。
【0061】
すると連結部材30は、内蔵バネ33によって矢印b方向に付勢されていた状態から解放され、矢印e方向に揺動できるようになる。
【0062】
その結果、クランプ装置1は、図4Aに示すように、板状部材40が、可動側当接部22と連結部材30とに挟まれ、レール部11とほぼ直交するように配置されている状態になる。そして、このとき、板状部材40による連結部材30のレール部11に対する摩擦係合も解除されるので、可動側クランプ部20が上下方向に摺動可能になり、ポール61を取り外すことができる。
【0063】
以上説明したとおり、クランプ装置1は、回転ノブ23を、固定側当接部12及び可動側当接部22のクランプ歯22bがポール61と当接するまで上方向に押して、時計回り方向に数回転させるだけで、ポール61に対して素早く簡単に取り付けることができ、逆に、回転ノブ23を、時計回りと反対方向に数回転させ、下方向に引くだけでポール61に対して素早く簡単に取り外すことができる。
【0064】
最後に、図3乃至図5を用いて、連結部材30による摺動阻止の機構について説明する。
【0065】
まず、連結部材30によって可動側クランプ部20の摺動が阻止されていない状態を説明する。
【0066】
図4Aに示すように、連結部材30がレール部11とほぼ直交するように配置されている状態になっているとき、第1貫通溝32はレール部11に接触しない。この結果、連結部材30はレール部11に沿って摺動可能となる。
【0067】
特に、この状態においては、連結部材30と板状部材40とが接触することによって、第1貫通溝32と第2貫通溝42とが連通し、レール部11に沿って溝が長くなるため、揺動が抑えられ摺動させやすくなる。
【0068】
次に、連結部材30によって可動側クランプ部20の移動が阻止されている状態を説明する。
【0069】
図4Cに示すように、連結部材30は内蔵バネ33によって付勢されて所定角度を超えているとき、第1貫通溝32に対してレール部11が接触する。
【0070】
具体的には、図4B及び図4Cに示すように、連結部材30が皿ネジ35を支点として揺動するため、図5Bに示すように、第1貫通溝32の右下端(第1接触部)がレール部11の右側と接触するとともに左上端(第2接触部)がレール部11の左側と接触する。
【0071】
この結果、レール部11に対し、連結部材30の第1貫通溝32が2カ所において摩擦係合状態となって可動側クランプ部20の移動が阻止する。
【0072】
[変形例]
本実施形態では、可動側当接部22は、谷形形状に形成され、ネジ軸体21の上端に回動自在に構成されていたが、可動側当接部22に替えて押し子をネジ軸体21に固定してもよい。
【0073】
また、レール部11及び第1貫通溝32は、摩擦係数を高めるために、粗面加工、ゴム引き加工等の滑り止め加工をしてもよい。
【0074】
また、レール部11の側面に鋸状などの凹凸を形成し、当該凹凸に第1貫通溝32が嵌合して板状部材40をロックするように構成してもよい。
【0075】
また、本実施形態の第1貫通溝32は、組立の容易性を考慮して一端が解放された略C字状に形成されているが、単に矩形状の貫通孔であってもよい。また、レール部11は長さ方向に溝を有し、連結部材30は左端から当該溝に挿入される挿入片を有し、当該挿入片が当該溝に挿入されて、先端が抜け止めされる構成であってもよい。
【0076】
さらに、板状部材は、図6及び図7に示すような構成であってもよい。
【0077】
当該変形例に示す板状部材80は、連結部材30に突起部を設けておき、当該突起部に略U字状のフック部81を掛合させることで組み立てることができる。
【0078】
また、板状部材80は、レール部11側において上方向に伸びる舌片82を有する。板状部材80は、連結部材30の穴部34に一部が収納された内蔵バネ33によって上方向に付勢されたとき、舌片82がレール部11に接触して、それ以上の移動を阻止し、内蔵バネ33が抜け落ちることを防止する。
【0079】
以上の板状部材80によれば、生産効率をよくすることができる。
【0080】
他方、上記本実施形態で説明した板状部材40は、以下の優位性を有する。すなわち、本実施形態のクランプ装置1は、連結部材30が図4Bに示す矢印b方向に揺動することで摩擦係合しているため、図4Cに示す矢印e方向への力が加えられると、摩擦係合が解除されることがある。つまり、連結部材30の左端に下方向への衝撃がかかると、摩擦係合が解除されることがある。
【0081】
本実施形態で説明した板状部材40は、左端が連結部材30の左端の上方向に配置されるため、上記衝撃から連結部材を防御することができる。
【0082】
したがって、上記本実施形態で説明した板状部材40は、万が一の摩擦係合の解除を低減させることができる。
【0083】
なお、本実施形態及び上記変形例では、板状部材を有する形態を説明したが、本発明はこれに限られず、ネジ軸体21及び連結部材30が内蔵バネ33で矢印b方向に揺動されればよいので、板状部材を省略して、内蔵バネ33が可動側当接部22に接するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…クランプ装置、10…固定側クランプ部、11…レール部、12…固定側当接部、20…可動側クランプ部、21…ネジ軸体、22…可動側当接部、23…回転ノブ(把持部)、30…連結部材、31…ネジ孔、33…内蔵バネ(弾性部材)、61…ポール。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7