特許第6563795号(P6563795)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6563795健康情報活用システム、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563795
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】健康情報活用システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20190808BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20190808BHJP
【FI】
   G06F16/90
   G06Q50/22
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-235200(P2015-235200)
(22)【出願日】2015年12月1日
(65)【公開番号】特開2017-33527(P2017-33527A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年7月4日
(31)【優先権主張番号】特願2015-154774(P2015-154774)
(32)【優先日】2015年8月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503362784
【氏名又は名称】栢 孝文
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】栢 孝文
【審査官】 松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−080700(JP,A)
【文献】 特開2012−168653(JP,A)
【文献】 特開2005−250583(JP,A)
【文献】 特開2005−202833(JP,A)
【文献】 特開2011−134106(JP,A)
【文献】 特開2003−050866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
G06Q 50/00
50/22
G16H 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康情報に関する複数の記事と各記事に関する複数の質問と前記質問に対する回答結果の統計データとが格納されているデータベースと、
前記データベースに格納されている記事をユーザに提供するのに先立って当該記事に対応する複数の質問を当該ユーザに提示する提示手段と、
前記提示手段によって提示された複数の質問に対するユーザからの各回答結果を取得する取得手段と、
前記取得手段によって各回答結果が取得された場合に当該各回答結果に対応する統計データを前記データベースから読み出してユーザに提供する提供手段と、
前記取得手段によって取得された回答結果に基づいて前記統計データを更新する更新手段と、
を備える健康情報活用システム。
【請求項2】
前記提供手段は、第1の質問に対する二者択一の回答結果と第2の質問に対する二者択一の回答結果とに基づくデータ集団のうち特定の1つの事象のデータ集団のオッズ比を算出して、前記統計データをユーザに提供する、請求項1記載の健康情報活用システム。
【請求項3】
前記提供手段は、先の回答結果に対応するデータ集団と後の回答結果に対応するデータ集団との母比率に差があるか否かを調査する有意差判定方式で、前記統計データをユーザに提供する、請求項1記載の健康情報活用システム。
【請求項4】
前記取得手段によって回答結果が取得された後に健康情報に関する課題をユーザに提供する提供手段と、
前記提供手段によって提供された課題が達成されたことを示す情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段による情報の受付回数が所定数を超えた場合に当該情報の受け付けを停止する停止手段と、
を備える請求項1記載の健康情報活用システム。
【請求項5】
健康情報に関する複数の記事と、各記事に関する複数の質問と、前記質問に対する回答結果の統計データとが格納されているデータベースにアクセスする第1のステップと、
前記データベースに格納されている記事をユーザに提供するのに先立って当該記事に対応する複数の質問を受信して当該ユーザに提示する第2のステップと、
前記第2のステップによって提示された複数の質問に対するユーザからの各回答結果を前記データベースに送信する第3のステップと、
前記第3のステップによって送信された各回答結果に対応する統計データを前記データベースから受信してユーザに提供する第4のステップと、
をユーザ端末に実行させる健康情報活用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康情報活用システム、方法及びプログラムに関し、特に、食事や日常生活の改善で健康を目指すために必要な情報を活用する健康情報活用システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに対して健康関連情報を提供するシステムが特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている発明によれば、通信ネットワーク上に存在する膨大な数の健康関連情報を含んだ臨床学術研究論文をデジタルデータとして取り込み、各論文について主要情報及びサンプル情報を抽出してタグ情報として記憶する。さらに、サンプル情報に基づいて当該論文の信頼性および論文に記載された有用性に対する効果確率を計算してタグ情報に付加してランク分け情報とし、当該ランク分け情報を研究対象及び有用性毎に一覧表として作成し記憶する。これにより、ユーザは、健康関連情報を含んだ論文から抽出され、加工、分析された情報をユーザ端末から検索できる。
【0003】
【特許文献1】特開2008−181188号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている発明は、膨大な数の健康関連情報を含んだ臨床学術研究論文をユーザに提供するのに先立って当該健康関連情報に対応する複数の質問を当該ユーザに提示して、当該提示された複数の質問に対するユーザからの各回答結果を取得する構成にはなっていない。
【0005】
このため、膨大な数の健康関連情報が正しい情報であるか又は誤った情報若しくは不確かな情報であるか、その信頼性を検証することができず、誤った情報又は不確かな情報によってユーザがミスリードされるという課題があった。
【0006】
加えて、せっかく、正しいであろうという信頼性の高い情報をユーザに与えても、それによってユーザに対して、当該情報に基づいて生活習慣を変えるといった対応をさせないと、健康情報の有益な利用をしたことにならない。
【0007】
そこで、本発明は、ユーザにとって有益な健康情報の提供をし、さらに、その健康情報の有益な利用をユーザに促すことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の健康情報活用システムは、
健康情報に関する複数の記事と各記事に関する複数の質問と前記質問に対する回答結果の統計データとが格納されているデータベースと、
前記データベースに格納されている記事をユーザに提供するのに先立って当該記事に対応する複数の質問を当該ユーザに提示する提示手段と、
前記提示手段によって提示された複数の質問に対するユーザからの各回答結果を取得する取得手段と、
前記取得手段によって各回答結果が取得された場合に当該各回答結果に対応する統計データを前記データベースから読み出してユーザに提供する提供手段と、
前記取得手段によって取得された回答結果に基づいて前記統計データを更新する更新手段と、
を備える。
【0009】
また、本発明の健康情報活用方法は、
健康情報に関する複数の記事と各記事に関する複数の質問と前記質問に対する回答結果の統計データとが格納されているデータベースに格納されている記事をユーザに提供するのに先立って当該記事に対応する複数の質問を当該ユーザに提示する第1のステップと、
前記第1のステップによって提示された複数の質問に対するユーザからの各回答結果を取得する第2のステップと、
前記第2のステップによって各回答結果が取得された場合に当該各回答結果に対応する統計データを前記データベースから読み出してユーザに提供する第3のステップと、
前記第2のステップによって取得された回答結果に基づいて前記統計データを更新する第4のステップと、
を含む。
【0010】
また、本発明の健康情報活用プログラムは、
健康情報に関する複数の記事と、各記事に関する複数の質問と、前記質問に対する回答結果の統計データとが格納されているデータベースにアクセスする第1のステップと、
前記データベースに格納されている記事をユーザに提供するのに先立って当該記事に対応する複数の質問を受信して当該ユーザに提示する第2のステップと、
前記第2のステップによって提示された複数の質問に対するユーザからの各回答結果を前記データベースに送信する第3のステップと、
前記第3のステップによって送信された各回答結果に対応する統計データを前記データベースから受信してユーザに提供する第4のステップと、
をユーザ端末に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、健康情報に関する複数の記事をユーザに提供するのに先立ってその記事に対応する複数の質問をユーザに提示して、提示された複数の質問に対するユーザからの各回答結果を取得することによって、健康情報に関する複数の記事を検証し、正しいであろうという信頼性の高い情報のみをユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態の健康情報活用システムの模式的な構成図である。
図2図1の健康情報活用システムにおける健康情報活用方法を示すシーケンス図である。
図3図1のユーザ端末に表示された初期画面である。
図4図1のユーザ端末に表示された記事一覧画面例を示す図である。
図5図1のユーザ端末に表示された第1のアンケート画面例を示す図である。
図6図1のユーザ端末に表示された第2のアンケート画面例を示す図である。
図7図1のユーザ端末に表示された解説画面例を示す図である。
図8図1のユーザ端末に表示された効果スコア詳細解説画面例を示す図である。
図9図1のユーザ端末に表示されたマイトライ追加画面例を示す図である。
図10図1のユーザ端末に表示されたマイトライ管理画面例を示す図である。
図11図1のユーザ端末に表示された健康レベル画面例を示す図である。
図12】本発明の第2の実施形態の健康情報活用システムにおける記事一覧画面例を示す図である。
図13】第2の実施形態においてユーザ端末に表示された第1のアンケート画面例を示す図である。
図14】第2の実施形態においてユーザ端末に表示された第2のアンケート画面例を示す図である。
図15】第2の実施形態において各事象を集計数で表わした場合のオッズ比を示す画面例である。
図16】第2の実施形態においてユーザ端末に表示されたいいことリストの画面例である。
【符号の説明】
【0013】
100 ユーザ端末
101 ディスプレイ
200 ウェブサーバ
201 データベース
202 コントローラ
300 管理者端末
301 ディスプレイ
302 操作手段
400 ネットワーク
【発明の実施の形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態の健康情報活用システムの模式的な構成図である。図1の健康情報活用システムは、以下説明する、ユーザ端末100A〜100Dと、ウェブサーバ200A〜200Cと、管理者端末300と、ネットワーク400とを備えている。
【0016】
ユーザ端末100A〜100D(以下、これら全体を「ユーザ端末100」と称する。)は、例えば、電話機能及び通信機能を有するスマートフォンで構成されている。したがって、ディスプレイ101に操作手段としてのタッチパネルが設けられている。もっとも、ユーザ端末100は、スマートフォンのみならず、パーソナルコンピュータ、タブレットなどの各種情報処理装置とすることもできる。
【0017】
また、図1には示していないが、ユーザ端末100の内部には、アプリケーションとしての健康情報活用プログラムを記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、ネットワーク400を介してウェブサーバ200及び管理者端末300と通信を行う通信手段その他を備えている。
【0018】
ウェブサーバ200A〜200D(以下、これら全体を「ウェブサーバ200」と称する。)は、それぞれ、データベース201と、コントローラ202とを有する。データベース201には、管理者端末300からの指示に従って、健康情報に関する複数の記事と、各記事に関する複数の質問と、前記質問に対する回答結果の統計データとなどが格納される。コントローラ202は、管理者端末300からの指示に応じて、データベース201に対する統計データ等の読み出し及び書き込みを制御する手段と、ネットワーク400を介してユーザ端末100及び管理者端末300と通信する手段とを有する。
【0019】
管理者端末300は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータで構成されている。したがって、管理者端末300は、ディスプレイ301及び操作手段302を有する。また、図1には示していないが、管理者端末300は、ネットワーク400を介してユーザ端末100及びウェブサーバ200の他に、様々なウェブサイトに係るウェブサーバと通信を行う通信手段を備えている。なお、管理者端末300は、ノート型パーソナルコンピュータのみならず、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどで構成することもできる。
【0020】
なお、例えば、ウェブサーバ200と管理者端末300とを一体化させるなど、図1に示す幾つかの媒体を統合したり、逆に、複数の端末を用意して管理者端末300によって実現する動作の幾つかをこれらに分担させたりすることもできる。
【0021】
ネットワーク400は、インターネットなどで構成され、ユーザ端末100、ウェブサーバ200、管理者端末300、及び、様々な検索サイトが格納されている他のウェブサーバ200との間における通信を実現するものである。
【0022】
次に、図1の健康情報活用システムによって実行される健康情報活用方法について、図2ないし図11を参照して説明する。
【0023】
図2は、図1の健康情報活用システムにおける健康情報活用方法を示すシーケンス図である。
【0024】
図2において、まず、管理者端末300の管理者が、健康情報に関する複数の記事S(i)(i=1、2、3・・・)と、各記事に関する複数の質問、例えば2つの質問Q1及びQ2と、質問Q1及びQ2のそれぞれに対する回答結果A1及びA2の統計データD(A1;A2)とをウェブサーバ200に入力する(ステップS1)。
【0025】
複数の記事S(i)としては、例えば、「リンゴのペクチンが腹痛に効く」、「免疫力を上げて病気にならテーマない身体を作る」、「1日2分間の爪もみで風邪を予防する」などのテーマのもとで、これらに関連する健康情報に関する記事がある。各記事には、固有のアドレス(URL:Uniform Resource Locator)が割り当てられている。本実施形態では、ユーザ端末100であるスマートフォンなどにインストール可能なアプリケーションプログラムによって、健康情報活用システムを実現する場合の動作を例に説明する。
【0026】
次に、ユーザ端末100は、ネットワーク400を介して、自端末にインストール可能なアプリケーションプログラムをダウンロードしてから、インストールする。なお、このアプリケーションプログラムは、例えば、ウェブサーバ200に格納しておけばよい。
【0027】
つづいて、ユーザ端末100は、上記各記事のいずれかの閲覧を希望するユーザの指示に応じて、まず、アプリケーションプログラムを起動する(ステップS2)。
【0028】
図3は、ユーザ端末100に表示された初期画面例を示す図である。この例では、初期画面として、アプリケーションプログラムのタイトル101a、本システムによるサービスとして用意してあるいくつかのメニューを選択するためのメニューアイコン101b、本システムによるサービス提供を開始するスタートタブ101cが掲載されている。
【0029】
ユーザがユーザ端末100のディスプレイ101に表示される初期画面内のスタートタブ101cをタップすると、ユーザ端末100はスタートオンの指令をウェブサーバ200に送信する(ステップS4)。具体的にはユーザによってスタートタブ101cがタップされると、記事のテーマの一覧画面のページに割り当てられているURLが、ユーザ端末100からウェブサーバ200に送信される。
【0030】
ウェブサーバ200は、ユーザ端末100からのスタートオンの指令を受信すると、データベース201から記事のテーマの一覧画面のデータを、コントローラ202により読み出して、ユーザ端末100に送信する(ステップS5)。
【0031】
図4は、ユーザ端末100に表示された記事のテーマの一覧画面例を示す図である。この例では、記事のテーマの一覧画面に、健康情報の記事S(i)として、例えば、管理者端末300の管理者によって作成された、「リンゴのペクチンが腹痛に効く:S(1)」、「免疫力を上げて病気にならない身体を作る:S(2)」、「1日2分間の爪もみで風邪を予防する:S(3)」・・・「うつの症状を食生活で改善する:S(6)」などが表示される。
【0032】
なお、記事のテーマの一覧画面の上部には、記事の分類を示すタブ、閲覧の推奨対象の記事に付加的に表示されるおすすめ101d、新着の記事であることを示す新着101e、人気のある記事であることを示す人気101fが表示される。図4に示す記事のテーマの一覧画面の例は、おすすめの記事に関するものである。
【0033】
ユーザが、例えば、この記事のテーマの一覧表の中から最も関心のある記事のテーマを選択(タップ)すると、ユーザ端末100は、その選択記事S(i)をダウンロードしてディスプレイ101に表示させるための指令、具体的には当該記事に割り当てられているURLをウェブサーバ200に送信する(ステップS6)。
【0034】
ウェブサーバ200は、受信したURLに対応する記事S(i)をユーザに提供するのに先立って、その記事S(i)に対応する2つの質問Q1、Q2を、データベース201から読み出して、ユーザにアンケート画面として提示するために、ユーザ端末100に送信する。
【0035】
具体的には、例えば、ユーザが記事S(1)の「リンゴのペクチンが腹痛に効く」というテーマの記事を閲覧対象として選択した場合を想定すると、この場合には、ウェブサーバ200は、記事S(1)に対応する質問として、まず質問Q1に対応する第1のアンケート画面のデータをユーザ端末100に送信する(ステップS7)。
【0036】
図5は、ユーザ端末100に表示された第1のアンケート画面例を示す図である。この例では、第1のアンケート画面に、質問Q1として「週に3個以上リンゴを食べていますか?」が表示され、回答A1として、「食べている」ことを示す選択アイコン「○(はい)」及び「食べていない」ことを示す選択アイコン「×(いいえ)」が表示される。
【0037】
ユーザがいずれかのアイコン「○」又は「×」を選択(タップ)すると、ユーザ端末100は、これに応じて、回答A1のデータをウェブサーバ200に送信する(ステップS8)。
【0038】
ウェブサーバ200は、受信した回答A1のデータをコントローラ202に一時的に記憶した後、次の質問Q2に対応する第2のアンケート画面のデータをユーザ端末100に送信する(ステップS9)。
【0039】
図6は、ユーザ端末に表示された第2のアンケート画面例を示す図である。この例では、第2のアンケート画面に、質問Q2として「腹痛になりますか?」が表示され、回答A2として、「腹痛になります」を示す選択アイコン「○(はい)」及び「腹痛になりません」を示す選択アイコン「×(いいえ)」が表示される。
【0040】
ユーザがいずれかのアイコン「○」又は「×」を選択(タップ)すると、ユーザ端末100は、これに応じて、回答A2のデータをウェブサーバ200に送信する(ステップS10)。
【0041】
ウェブサーバ200は、受信した回答A2のデータをコントローラ202に一時的に記憶した後、記事S(i)に関する質問Q1、Q2に対する回答として、回答A1、A2のデータを取得したことを管理者端末300に送信する(ステップS11)。さらに、ウェブサーバ200は、記事S(i)、回答A1、A2のデータに基づいて、統計データで相関解析を実行する(ステップS12)。
【0042】
この相関解析では、検定による有意差判断方法を用いて効果の評価(以下、「効果スコアE」と称する。)を求める。検定には複数の種類が知られており、これらのいずれかを用いることができるが、以下の考察結果によれば、他の検定を用いることを排除するものではないが、本実施形態の健康情報活用システムとしては下記のタイプ1のz検定を用いることが好ましい。なお、既知の検定としては、例えば、タイプ1:異なる集団の母比率の差の検定(z検定)、タイプ2:同一集団の母比率の差の検定(カイ2乗検定)、タイプ3:同一カテゴリの項目の母比率の差の検定(z検定)、タイプ4:全体と一部カテゴリの母比率の差の検定(z検定)などがある。
【0043】
ここで、どのタイプの検定が最も有効であるかを考察する。有意差を求めるだけの検定では直接効果スコアを出せないが、効果スコアの元となる数値を見出せる(考察1)。タイプ3及びタイプ4は、アンケートに従属関係があるものに対する有意差検定なので、どちらかというとタイプ1及びタイプ2の方が好適である(考察2)。タイプ1及びタイプ2で同様のケースによる試験を行い、両者でより著明な結果が出る方を選択する(考察3)。考察3の試験結果からタイプ1のz検定が最も有効と判断する(考察4)。
【0044】
タイプ1のz検定において、異なる2つの集団の回答人数をそれぞれn1(第1の集団)、n2(第2の集団)とする。第1の集団においてある項目に対する肯定者人数がa人、否定者人数がb人とする。また、第2の集団において同じ項目に対する肯定者人数がc人、否定者人数がd人とする。こうすると、下記の式が成り立つ。
n1=a+b;n2=c+d
【0045】
また、第1の集団における肯定者の回答比率をp1とし、第2の集団における肯定者の回答比率をp2とすると、下記の式が成り立つ。
p1=a/n1、p2=c/n2
【0046】
有意差判定方法におけるz検定において、統計量Tは、下記の数1で表わされる。
【数1】
この数1において、pは下記の数2で表わされる。
【数2】
z検定より、有意点は1.96(絶対値;以下同じ)である。統計量Tの絶対値が有意点以上である場合には、第1の集団と第2の集団の和集団すなわち母集団の肯定者の比率は、第1の集団と第2の集団とで有意な差があると言える。また、効果スコアEは、優位点である1.96≒2.0を25倍すると、100という数値になることから、一般的になじみがあると考えられるので、統計量Tの25倍で表わされる(E=25T)。
【0047】
また、統計量Tが求められれば自動的に決まる確率P値は、統計量Tの値が小さい又は大きい場合、大きく又は小さくなるという相関関係にある。P値は手計算では面倒なので、Excel(登録商標)などの表計算プログラムにおける関数を用いて計算するとよい。
【0048】
すなわち、例えば、Excelを用いた場合には、任意のセルに下記の関数を入力してEnterキーを押下する。
=2*(1−NORMSDIST(統計量T))
P値の有意確率は0.05である。P値が0.05以下である場合には、第1の集団と第2の集団の母集団の肯定者の比率は、第1の集団と第2の集団とで有意な差があると言える。
【0049】
次に、図5及び図6に示したように、記事S(1)のテーマ「リンゴのペクチンが複数に効く」の質問Q1、Q2に対する回答A1、A2の具体例について統計量T及びP値と、z検定の効果スコアEを求める。
【0050】
この場合において、第1の集団は「リンゴを食べる」の回答者の集団であり、第2の集団は「リンゴを食べない」の回答者の集団である。また、それぞれの集団における肯定者は「腹痛になる」の回答者であり、否定者は「腹痛にならない」の回答者である。
【0051】
この場合、「リンゴを食べる」の回答者が200人で、「リンゴを食べない」の回答者も200人であると仮定する(n1=n2=200)。また、「リンゴを食べる」の回答者のうち、「腹痛になる」の回答者が94人(a=94)で、「腹痛にならない」の回答者が106人(b=106)であると仮定する。一方、「リンゴを食べない」の回答者のうち「腹痛になる」の回答者及び「腹痛にならない」の回答者がともに100人(c=d=100)であると仮定する。
【0052】
この仮定の場合には、「リンゴを食べる」の回答者の集団における「腹痛になる」の回答者の比率は0.47(p1=0.47)であり、「リンゴを食べない」の回答者の集団における「腹痛になる」の回答者の比率は0.5(p2=0.5)である。したがって、数2によりpの値は0.485となる。
【0053】
この結果、数1に基づいて求めた統計量Tは、下記の値になる。
T=0.600270182
すなわち、統計量Tの値は有意点1.96より相当に小さいので、「リンゴを食べる」の回答者と「リンゴを食べない」の回答者との間で有意な差はなく、「リンゴのペクチンが腹痛に効く」という効果は見出し得ない。この場合のz検定の効果スコアEは、約15(E=25T)である。
【0054】
また、Excelの関数で求めたP値は、上記の仮定の場合には、下記の値になる。
P=0.5483261872593940
すなわち、P値は有意確率0.05より相当に大きいので、「リンゴを食べる」の回答者と「リンゴを食べない」の回答者との間で有意な差はなく、「リンゴのペクチンが腹痛に効く」という効果は見出し得ない。
【0055】
次に、母集団の人数を10倍にする。すなわち、「リンゴを食べる」の回答者が2000人で、「リンゴを食べない」の回答者も2000人である(n1=n2=2000)と仮定する。また、「リンゴを食べる」の回答者のうち、「腹痛になる」の回答者が940人(a=940)で、「腹痛にならない」の回答者が1060人(b=1060)であると仮定する。一方、「リンゴを食べない」の回答者のうち「腹痛になる」の回答者及び「腹痛にならない」の回答者がともに1000人(c=d=1000)であると仮定する。
【0056】
この仮定の場合には、「リンゴを食べる」の回答者の集団における「腹痛になる」の回答者の比率は、母集団の人数が200人と仮定した場合と同様に、0.47(p1=0.47)であり、「リンゴを食べない」の回答者の集団における「腹痛になる」の回答者の比率は0.5(p2=0.5)である。したがって、数2によりpの値は、母集団の人数が200人の場合と同様に、0.485となる。
【0057】
ただし、数1に基づいて求めた統計量Tは、下記の値になる。
T=1.898220988
すなわち、この仮定の場合には、統計量Tの値は有意点1.96より小さいので、「リンゴを食べる」の回答者と「リンゴを食べない」の回答者との間で有意な差はなく、「リンゴのペクチンが腹痛に効く」という効果は見出し得ない。この場合のz検定の効果スコアEは、約47(E=25T)である。
【0058】
また、Excelの関数で求めたP値は、上記の仮定の場合には、下記の値になる。
P=0.0576669771862157
この場合には、P値は有意確率0.05より大きいので、「リンゴを食べる」の回答者と「リンゴを食べない」の回答者との間で有意な差はなく、「リンゴのペクチンが腹痛に効く」という効果は見出し得ない。
【0059】
次に、母集団の人数を100倍にする。すなわち、「リンゴを食べる」の回答者が20000人で、「リンゴを食べない」の回答者も20000人である(n1=n2=20000)と仮定する。また、「リンゴを食べる」の回答者のうち、「腹痛になる」の回答者が9400人(a=9400)で、「腹痛にならない」の回答者が10600人(b=10600)であると仮定する。一方、「リンゴを食べない」の回答者のうち「腹痛になる」の回答者及び「腹痛にならない」の回答者がともに10000人(c=d=10000)であると仮定する。
【0060】
この仮定の場合には、「リンゴを食べる」の回答者の集団における「腹痛になる」の回答者の比率は、母集団の人数が200人と仮定した場合と同様に、0.47(p1=0.47)であり、「リンゴを食べない」の回答者の集団における「腹痛になる」の回答者の比率は0.5(p2=0.5)である。したがって、数2によりpの値は、母集団の人数が200人の場合と同様に、0.485となる。
【0061】
ただし、数1に基づいて求めた統計量Tは、下記の値になる。
T=6.002701824
すなわち、この仮定の場合には、統計量Tの値は有意点1.96よりかなり大きいので、「リンゴを食べる」の回答者と「リンゴを食べない」の回答者との間で有意な差があり、「リンゴのペクチンが腹痛に効く」という効果がおおいにある。この場合のz検定の効果スコアEは、約150(E=25T)である。
【0062】
また、Excelの関数で求めたP値は、上記の仮定の場合には、下記の値になる。
P=0.0000000019406081
この場合には、P値は有意確率0.05よりかなり小さいので、「リンゴを食べる」の回答者と「リンゴを食べない」の回答者との間で有意な差があり、「リンゴのペクチンが腹痛に効く」という効果がおおいにある。
【0063】
このように、母集団の人数が増加すればするほど、「リンゴを食べる」の回答者と「リンゴを食べない」の回答者との間で有意な差が増加し、「リンゴのペクチンが腹痛に効く」という効果も向上する。したがって、ユーザ端末100のユーザの人数が増加すればするほど、z検定の効果スコアEが高くなる。効果スコアEが所定値、例えば72以上であると、この健康情報活用システムは有意な差があると判断して、正しいであろうという信頼性の高い情報のみをユーザに提供することが可能となる。このことから、必要に応じて、母集団の人数が少ない場合には、各回答数を例えば100倍するなどして算出した結果を、ユーザに提供することも一法である。
【0064】
図2のシーケンス図において、ウェブサーバ200は、ステップS12における相関解析を実行した後、ユーザ端末100に対して解説画面のデータを送信する(ステップS13)。なお、ステップS13の実行は、ユーザがA1,A2を送信するたびに行うのではなく、例えば、1日1回、或いは、1週間に1回など、定期的に、或いは不定期に行うようにしてもよい。
【0065】
図7は、ユーザ端末100に表示された解説画面例を示す図である。この例では、「リンゴのペクチンが腹痛に効く」という記事のz検定の効果スコアEは正の値72である。この場合の統計量Tの値は約2.88であり、統計量Tの値は有意点1.96より大きいので、「リンゴを食べる」の回答者と「リンゴを食べない」の回答者との間で有意な差があり、「リンゴのペクチンが腹痛に効く」という効果がある。解説には、その効果の記事が表わされている。
【0066】
図7の解説画面例には、詳細なz検定の効果スコアE等についての「詳細データ」のタブ101g、及び健康増進のために挑戦するテーマを示す「マイトライに追加」のタブ101hが表わされている。ユーザが詳細データ又はマイトライの追加のタブを選択(タップ)すると、ユーザ端末100はウェブサーバ200に対して選択された指令を送信する(ステップS14)。
【0067】
ウェブサーバ200は、ユーザ端末100から受信した指令が詳細データの要求であるか、又はマイトライ追加の要求であるかを判断する(ステップS15)。ステップS15を実行した結果、ウェブサーバ200は、ユーザ端末100からの指令が詳細データの要求であると判断した場合(ステップS15;YES)には、ユーザ端末100に効果スコア詳細画面のデータを送信する(ステップS16)。
【0068】
図8は、ユーザ端末100に表示された効果スコア詳細画面例を示す図である。この画面には、効果スコアE、「詳細データ」のタブ101g、リンゴを食べている人とリンゴを食べていない人の腹痛を感じる割合R及びその解説が表示される。
【0069】
図8の「詳細データ」のタブ101gがタップされると、さらに詳細な説明、記事を作成する際に参照された参考図書及びその購入方法などが表示される。
【0070】
一方、ステップS15を実行した結果、ウェブサーバ200は、ユーザ端末100からの指令がマイトライ追加の要求であると判断した場合(ステップS15;NO)には、ユーザ端末100にマイトライ追加画面のデータを送信する(ステップS17)。
【0071】
図9は、ユーザ端末100に表示されたマイトライ追加画面例を示す図である。この画面では、継続してリンゴを食べる習慣に挑戦するというテーマを新たに追加した旨のメッセージ101i、リンゴを食べる上で留意すべきアドバイス101j、さらに詳細な情報の検索タブ101kなどが表示される。この後、ウェブサーバ200は、ユーザが新たに追加したテーマを含むマイトライ管理画面のデータを、ユーザ端末100に送信する(ステップS18)。
【0072】
図10は、ユーザ端末100に表示されたマイトライ管理画面例を示す図である。この画面には、健康増進のために、ユーザが過去に追加した挑戦中のテーマとともに、ユーザが新たに追加したテーマが表示される。
【0073】
すなわち、「ハチミツを食べる」というマイトライなどとともに、この例では「リンゴを食べる」というマイトライが追加表示される。そして、各マイトライについて例えば1週間ごとの達成状況を自己チェックするためのタブである達成M(1)、M(2)、M(3)などが表示される。ユーザが「リンゴを食べる」というマイトライを1週間目に達成したときは、ユーザは、達成M(1)をタップするといった使用方法を実行すればよい。
【0074】
n(n=1、2、3・・・)週目に、ユーザがいずれかのマイトライの達成M(j)をタップすると、ユーザ端末100は達成M(j)オンの指令をウェブサーバ200に送信する(ステップS19)。
【0075】
ウェブサーバ200は、ユーザ端末100から受信した達成M(j)オンの指令を受信すると、その指令をカウントする。そして、達成M(j)オンの受信回数が連続的に所定のN回に達したか否かを判断する(ステップS20)。例えば、Nの値を「4」とすると、ユーザが4週の期間に連続してマイトライを達成したことになる。
【0076】
ウェブサーバ200は、達成M(j)オンの受信回数がN回に達したと判断したときは(ステップS20;YES)、そのマイトライが習慣化されたと見なし、達成M(j)タブを消去する(又は、無効にする)画面のデータをユーザ端末100に送信することができる(ステップS21)。こうすると、実際に習慣化されたマイトライのテーマについては、ユーザが、毎週、タップ動作を実行する手間が省ける。
【0077】
ステップS21の後、又は、達成M(j)オンの受信回数がN回に達していないと判断したときは(ステップS20;NO)、ウェブサーバ200は、ステップS21をスキップして、一定期間(例えば、1週間)が経過したか否かを判断する(ステップS22)。
【0078】
一方、ウェブサーバ200は、一定期間が経過したと判断したときは(ステップS22;YES)、健康レベル画面のデータをユーザ端末100に送信する(ステップS23)。
【0079】
図11は、ユーザ端末100に表示された健康レベル画面である。この画面には、過去1週間の効果スコアEの累計獲得ポイント及びその推移グラフG(1)、記事閲覧の知識ポイント及びその推移グラフG(2)、マイトライ達成の経験ポイント及びその推移グラフG(3)が表示される。なお、本実施形態では、画面上のタブ101nのタップによって過去1カ月又は過去1年の健康レベル画面も表示できるようにしている。
【0080】
ステップS23を実行した後、又は、一定期間が経過していないと判断したときは(ステップS22;NO)、ウェブサーバ200は、管理者端末300におけるデータ更新処理(ステップS24)の後、管理者端末300からの変更データである記事S(i)及び効果スコアEを受信すると(ステップS25)、データベース201のデータを更新する。
【0081】
任意に、ユーザの操作によりユーザ端末100のメニューアイコン101mのいずれかが選択(タップ)されると、ウェブサーバ200は、その選択アイコンに対応する画面のデータをユーザ端末100に送信する。
【0082】
メニューアイコン101mは、「記事」、「マイトライ」、「健康レベル」などで構成されている。それぞれのアイコンが選択されると、その選択結果に応じて、図4に示す記事一覧画面、図10に示すマイトライ管理画面、図11に示す健康レベル画面などが表示される。
【0083】
上記実施形態においては、ウェブサーバ200は、データベース201に格納されている記事をユーザに提供するのに先立って、その記事に対応する2つの質問をユーザに提示する構成にしたが、実施形態の変形例として、3つ以上の複数の質問をユーザに提示する構成にしてもよい。この場合には、よりいっそう信頼性の高い健康情報をユーザに対して提供することができる。
【0084】
すなわち、上記実施形態によれば、ウェブサーバ200のデータベース201には、健康情報に関する複数の記事と、各記事に関する複数の質問と、その質問に対する回答結果の統計データとが格納されている。
【0085】
ウェブサーバ200及びユーザ端末100は、データベース201に格納されている記事をユーザに提供するのに先立ってその記事に対応する複数の質問をそのユーザに提示する提示手段を構成する。
【0086】
また、ウェブサーバ200及びユーザ端末100は、提示された複数の質問に対するユーザからの各回答結果を取得する取得手段を構成する。
【0087】
さらに、ウェブサーバ200及びユーザ端末100は、各回答結果が取得された場合に、その各回答結果に対応する統計データをデータベース201から読み出してユーザに提供する提供手段を構成する。
【0088】
一方、管理者端末300は、ウェブサーバ200によって取得された回答結果に基づいて統計データを更新する更新手段を構成する。
【0089】
また、上記実施形態によれば、ユーザ端末100、ウェブサーバ200、及び管理者端末300で構成される健康情報活用システムは、ネットワーク400を利用して、健康情報に関する複数の記事と、各記事に関する複数の質問と、質問に対する回答結果の統計データとが格納されているデータベース201に格納されている記事をユーザに提供するのに先立ってその記事に対応する複数の質問を当該ユーザに提示する第1のステップと、
第1のステップによって提示された複数の質問に対するユーザからの各回答結果を取得する第2のステップと、
第2のステップによって各回答結果が取得された場合にその各回答結果に対応する統計データをデータベース201から読み出してユーザに提供する第3のステップと、
第2のステップによって取得された回答結果に基づいて統計データを更新する第4のステップと、
を含む健康情報活用方法を実現する。
【0090】
さらに、上記実施形態によれば、ユーザ端末100は、外部メモリ又はネットワーク400を介して、健康情報活用プログラムをインストール又はダウンロードすることができる。
【0091】
すなわち、健康情報活用プログラムは、
健康情報に関する複数の記事と、各記事に関する複数の質問と、質問に対する回答結果の統計データとが格納されているウェブサーバ200にアクセスする第1のステップと、
ウェブサーバ200に格納されている記事をユーザに提供するのに先立ってその記事に対応する複数の質問を受信してユーザに提示する第2のステップと、
第2のステップによって提示された複数の質問に対するユーザからの各回答結果をウェブサーバ200に送信する第3のステップと、
第3のステップによって送信された各回答結果に対応する統計データをウェブサーバ200から受信してユーザに提供する第4のステップと、
をユーザ端末100に実行させる。
【0092】
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0093】
上記第1の実施形態においては、2つの質問に対するユーザの回答に基づく有意差判定方法については、z検定の手法を用い、具体的には、数1及び数2で表わされた統計量Tを算出したが、第2の実施形態においては、2つの質問に対するユーザの回答に基づくオッズ比によって、相関解析を行う。
【0094】
なお、第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様の記載及び図面については、重複した説明を省略するとともに、適宜第1の実施形態を援用して説明を行う。
【0095】
第2の実施形態における健康情報活用システムの構成は、図1に模式的に示した第1の実施形態と同様である。また、第2の実施形態における健康情報活用方法についても、図2に示した第1の実施形態のシーケンス図と同様である。さらに、第2の実施形態において、ユーザ端末100に表示された初期画面例についても図3の初期画面例と同様である。
【0096】
図12は、本発明の第2の実施形態の健康情報活用システムにおける記事一覧画面例を示す図である。この例では、複数の記事としては、例えば、「朝のファーストフードや揚げ物をひかえてコレステ(ロールを下げる):S(1)」、「みそ汁で便秘予防、ワカメで効果アップ:S(2)」、「汗をかく有酸素運動で疲れにくい身体づくり:S(3)」などのテーマのもとで、これらに関連する健康情報に関するものを示している。第1の実施形態と同様に、各記事には、固有のアドレス(URL:Uniform Resource Locator)が割り当てられている。
【0097】
この記事一覧画面の上部には、記事の分類を示すタブとして、新着の記事一覧の閲覧を希望するユーザによって選択される新着201aと、人気のある記事一覧の閲覧を希望するユーザによって選択される人気201bとが表示される。図12に示す記事のテーマの一覧画面の例は、新着201aのタブが選択された状態のものである。
【0098】
また、図12の記事一覧画面の下部には、メニューアイコン201cが表示される。メニューアイコン201cには、本図に示す「記事」の画面表示を選択するためのアイコンと、図16を用いて後述する「いいことリスト」の画面表示を選択するためのアイコンと、図9等を用いて説明した「マイトライ」の画面表示を選択するためのアイコンと、図11を用いて説明した「健康レベル」の画面表示を選択するためのアイコンとが表示される。本図に示す「記事」アイコンが選択されている状態から他のアイコンが選択されると、その選択先の画面表示に遷移するようにしてある。
【0099】
図12の記事一覧画面において、例えば、ユーザが記事S(3)の「汗をかく有酸素運動で疲れにくい身体づくり」というテーマの記事を閲覧対象として選択した場合には(ステップS6)、ウェブサーバ200は、記事S(3)に対応する2つの質問に対応する2つのアンケート(第1及び第2のアンケート)画面のデータをユーザ端末100に送信して、それぞれの回答を受信する(ステップS7〜S10)。
【0100】
図13は、図12の画面から遷移する画面例であって、ユーザ端末100に表示された第1のアンケート画面例を示す図である。この例では、第1のアンケート画面に、質問Q1として「週に2回以上筋力トレーニングを行っていますか?」が表示され、二者択一の回答A1として、「行っている」ことを示す選択アイコン「○(はい)」及び「行っていない」ことを示す選択アイコン「×(いいえ)」が表示される。ここで質問Q1は、「○」が選択される場合に肯定的な回答内容となる表現でなされる質問としている。したがって、例えば、「筋力トレーニングは普段行っていませんね?」といった、「○」が選択される場合に否定的な内容となる表現を避けるようにしている。いずれの記事に付帯する質問も、原則的に、このような表現としている。
【0101】
図13に示すアンケート画面例を通じて、ユーザがいずれかのアイコン「○」又は「×」を選択すると、ユーザ端末100は、これに応じて、当該ユーザからの回答A1のデータとして、「○」又は「×」を示すデータをウェブサーバ200に送信する(ステップS8)。
【0102】
ウェブサーバ200は、受信した回答A1のデータをコントローラ202に一時的に記憶した後、次の質問Q2に対応する第2のアンケート画面のデータをユーザ端末100に送信する(ステップS9)。
【0103】
図14は、図13の画面から遷移する画面例であって、ユーザ端末に表示された第2のアンケート画面例を示す図である。この例では、第2のアンケート画面に、質問Q2として「人よりも肩がこりやすいですか?」が表示され、二者択一の回答A2として、「人よりも肩がこりやすい」場合に選択させるアイコン「○(はい)」及び「肩がこりやすいと自覚していない」場合に選択させるアイコン「×(いいえ)」が表示される。ここで質問2は、「○」が選択される場合に否定的な回答内容となる表現でなされる質問としている。。したがって、例えば、「人よりも肩がこりやすい」といった、「○」が選択される場合に肯定的な内容となる表現を避けるようにしている。いずれの記事に付帯する質問も、原則的に、このような表現としている。
【0104】
図14に示すアンケート画面例を通じて、ユーザがいずれかのアイコン「○」又は「×」を選択すると、ユーザ端末100は、これに応じて、当該ユーザからの回答A2のデータとして、「○」又は「×」を示すデータをウェブサーバ200に送信する(ステップS10)。
【0105】
ウェブサーバ200は、受信した回答A2のデータをコントローラ202に一時的に記憶した後、記事S(3)に関する質問Q1、Q2に対する回答として、回答A1、A2のデータを取得したことを管理者端末300に送信する(ステップS11)。さらに、ウェブサーバ200は、記事S(3)及び回答A1、A2のデータに基づいて、統計データで相関解析を実行する(ステップS12)。
【0106】
この相関解析では、以下示す手法によって、オッズ比を用いて効果スコアを求める。すなわち、例えば、集計数が例えば571人であると仮定して、回答A1で「○(週に2回以上筋力トレーニングを行っている)」の集計数が例えば259人(以下、「母集団X」と称する)であると仮定し、「×(週に2回以上筋力トレーニングを行っていない)」の集計数が例えば312人(以下、「母集団Y」と称する)である仮定とする。
【0107】
次に、母集団Xの中において、回答A2で「○(人よりも肩がこりやすい)」の集計数が例えば187人であると仮定し、「×(人よりも肩がこりやすくない)」の集計数が例えば77人であると仮定する。また、母集団Yの中において、回答A2で「○(人よりも肩がこりやすい)」の集計数が例えば183人であると仮定し、「×(人よりも肩がこりやすくない)」の集計数が例えば129人である仮定とする。
【0108】
このように、2つの質問Q1及びQ2のそれぞれに対する二者択一の回答A1及びA2は、「○○」、「○×」、「×○」、「××」の4つの事象がある。上記したように、質問1に係る肯定的な表現での質問と、質問2に係る否定的な表現での質問によれば、回答A1及びA2が「×○」となる事象の場合には、「週に2回以上筋力トレーニングを行っていない場合に」、「肩がこりやすいと自覚している場合」のリスク(オッズ比)となる。
【0109】
ここでは、各事象の比率を、回答A1及びA2が、「○○」に場合にp、「○×」の場合に(1−p)、「×○」の場合にq、「××」の場合に(1−q)で表わし、下記の演算式によってオッズ比OR(q)を求める。
OR(q)={q÷(1−q)}÷{p÷(1−p)}
したがって、小数点4桁以下を四捨五入で計算し、下記の結果を得る。
OR(q)=(0.587×0.297)÷(0.703×0.413)=0.600
【0110】
あるいは、各事象を集計数「○○」=X1、「○×」=X2、「×○」=Y1、「××」=Y2で表わし、下記の演算式によってオッズ比OR(Y1)を求める。
OR(Y1)=(Y1÷Y2)÷(X1÷X2)=(Y1×X2)÷(X1×Y2)
この場合も、OR(Y1)=(183×77)÷(182×129)=0.600となる。
【0111】
図15は、各事象を集計数(人数)で表わした場合のオッズ比を示している。ウェブサーバ200は、選択的に、第1の実施形態において説明した正規分布を用いたz検定の統計学検定法により情報の信頼度を確かめた後、オッズ比を計算する。
【0112】
図16は、ユーザ端末100に表示された「いいことリスト」の画面例である。ウェブサーバ200は、統計結果に基づいて提供する全ての「いいとこリスト」及び記事を作成する。
【0113】
図16には、健康増進のために「継続してほしい習慣」の最新の結果が表示されている。すなわち、「肩がこらないように、週に2回以上、筋力トレーニングを行う」というテーマの記事201e及び「マイトライに追加済み」のメッセージ201fが表示されている。マイトライについては、第1の実施形態の図10で説明したように、例えば1週間単位でユーザの達成を促す。図16に示すように、現在までのマイトライ達成の経験ポイント201gが表示されるようにするとよい。
【0114】
ウェブサーバ200は、例えば1日に1回、集計及び解析を行い、オッズ比(リスク)を毎回再計算する。その結果、統計データに基づく毎日の最新データを、効果スコアに反映させることができる。この効果スコアが高いほど、健康増進の効果が期待できることを意味する。高い効果を期待できる効果スコアの基準値は、本実施形態では、例えば「20+」となるように設定してある。図12において、記事S(3)の「汗をかく有酸素運動で疲れにくい身体づくり」というテーマの効果スコア201dは「45+」と高い値を示している。
【0115】
以上のように、上記第2の実施形態によれば、ウェブサーバ200及びユーザ端末100は、先の質問に対する二者択一の回答結果に対応する2つのデータ集団のそれぞれに対して、後の質問に対する二者択一の回答結果に対応する4つの事象に分類できるデータ集団のうち特定の1つの事象のデータ集団のオッズ比を算出して、前記統計データをユーザに提供することができる。
【0116】
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の健康情報活用方法を実現するとともに、健康情報活用プログラムをユーザ端末100に実行させればよい。また、本実施形態では、質問Q1,Q2という2つの質問に対して、回答A1,A2という二つの回答を取得する例を説明したが、質問数及び回答数は3つ以上でもよい。例えば、質問数を質問Q1〜Q3の3つとし、かつ、回答数を○×△という3つとして、3×3の9つの事象の週係数に基づいてオッズ比を算出してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16