(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。ただし、以下の順序にしたがって説明するものとする。
【0013】
1.コンポーネント構成
2.システム構成
3.各装置で実行される処理の流れ
4.具体的な運用例
5.コンピュータの構成
【0015】
(コンポーネントレイヤ構成)
図1は、コンポーネントレイヤ構成を示す図である。
【0016】
図1に示すように、ビデオ(Video)、オーディオ(Audio)、字幕(Caption)の各コンポーネントは、セレクティブレイヤ(Selective Layer)、コンポジットレイヤ(Composite Layer)、及び、アダプティブレイヤ(Adaptive Layer)の3階層から構成される。この階層構造においては、アダプティブレイヤの上位階層として、コンポジットレイヤが配置され、コンポジットレイヤの上位階層として、セレクティブレイヤが配置されている。以下、各レイヤの詳細について順に説明する。
【0017】
(アダプティブレイヤ)
まず、アダプティブレイヤについて説明する。
図1に示すように、最も下位の階層となるアダプティブレイヤにおいて、異なる模様が付された円形の一方の記号は、放送波で送信されるコンポーネント(Broadcast Component)を表し、他方の記号は、ネットワークを介して配信されるコンポーネント(Broadband Component)を表している。これらのコンポーネントは、いわゆるアダプティブストリーミングとして配信されるものであって、ビットレートの異なるコンポーネントが複数用意されている。なお、
図1の例では、放送のコンポーネントは、カテゴリごとに1つずつ用意されているが、複数用意するようにしてもよい。また、ここでは、ビデオやオーディオ、字幕などのコンポーネントの分類を、カテゴリ(Category)と称している。
【0018】
アダプティブレイヤでは、図中の点線の弧上を左右に振れる直線が、スイッチとして機能することで、複数のコンポーネントの中から、1つのコンポーネントが選択される。すなわち、アダプティブレイヤは、各コンポーネントのカテゴリにおいて、受信機の適応的な判断に基づいて、複数のコンポーネントを動的に切り替えて、1つのコンポーネントとして機能させるための階層である。ただし、コンポーネントが1つのみである場合には、当該スイッチによる選択は行われずに、そのコンポーネントのみが常に選択されることになる。
【0019】
また、アダプティブレイヤにおける適応選択対象の属性としては、コンポーネントの伝送経路やビットレートを指定することができる。例えば、伝送経路の属性値としては、放送又は通信が指定される。また、ビットレートとしては、例えば10Mbpsなどが指定される。さらに、例えば、画面解像度や物理層(PHY)のロバスト性に関する属性を指定するようにしてもよい。なお、上述した適応選択対象の属性は一例であって、他の属性を指定できるようにしてもよい。
【0020】
このような属性を指定できることから、受信機では、一定期間(例えば10秒)ごとに、最適なコンポーネントが適応的に選択されて切り替えられ、アダプティブストリーミング配信が実現される。具体的には、コンポーネントの伝送経路が通信のみの場合には、通信経路の輻輳状況に応じて変化する受信機の受信バッファ(例えば、後述する
図12の受信バッファ421)の占有状況に応じて、最適なビットレートのコンポーネントを選択することができる。
【0021】
また、コンポーネントの伝送経路として通信のほかに、放送も含まれる場合には、放送のコンポーネントのビットレートに応じて、通信のコンポーネントとの選択を判断することができる。ここで、例えば、ネットワークを介して配信されるコンポーネントとして、1Mbps,2Mbps,5Mbps,10Mbps,20Mbpsのコンポーネントがそれぞれ用意され、放送波で送信されるコンポーネントとして、8Mbpsのコンポーネントのみが用意されている場合の運用を想定する。
【0022】
この場合、受信機は、10Mbps又は20Mbpsの通信のコンポーネントを受信できるのであれば、放送のコンポーネントのビットレートよりも高ビットレートなるので、それらの通信のコンポーネントを優先して受信するようにする。また、輻輳によって、10Mbpsと20Mbpsの通信のコンポーネントを受信することができずに、5Mbpsの通信のコンポーネントを受信できるのであれば、通信のコンポーネントの代わりに、安定的に受信可能な8Mbpsの放送のコンポーネントを選択するようにする、といった運用が可能となる。なお、放送のコンポーネントが複数用意されている場合には、例えば、放送信号のC/N(Carrier/Noise)の変化を測定して、その測定結果に応じて、適応的に放送のコンポーネントを切り替えるようにすればよい。
【0023】
(コンポジットレイヤ)
次に、コンポジットレイヤについて説明する。
図1に示すように、アダプティブレイヤの上位階層となるコンポジットレイヤでは、アダプティブレイヤにより適応的に選択された複数のコンポーネントが1つのコンポーネントに合成される。すなわち、コンポジットレイヤは、各コンポーネントのカテゴリにおいて、合成対象のコンポーネントグループ(以下、「コンポジットコンポーネントグループ」という)内の複数のコンポーネントを組み合わせて1つのコンポーネント(合成コンポーネント)として機能させるための階層である。ただし、合成対象のコンポーネントグループが1つのコンポーネントのみとなる場合には、合成動作は不要となる。
【0024】
また、コンポジットレイヤにおける合成対象の属性としては、スケーラブルや3D(3次元映像)、タイル、レイヤ、ミキシングなどを指定することができる。これらの属性は、組み合わせのタイプを示すものであって、それらの組み合わせにおける要素を示す属性値を指定することができる。
【0025】
「スケーラブル」は、合成対象のコンポーネントが、スケーラブル符号化が施されたコンポーネントであることを示す属性である。このスケーラブル属性の属性値としては、"Base"、又は、"Extended"が指定される。
【0026】
例えば、4K解像度の映像を提供する場合に、スケーラブル属性の属性値として"Base"が指定された2K解像度の映像に相当する符号化信号(ビデオコンポーネント)を放送波で送信するとともに、4K解像度と2K解像度の差分に相当する映像符号化信号(ビデオコンポーネント)に、スケーラブル属性の属性値として"Extended"を指定して、ネットワークを介して配信するようにする。これにより、4K解像度に対応した受信機は、放送で伝送される基本ストリーム(Base Stream)と、通信で伝送される拡張ストリーム(Extended Stream)を合成して、4K解像度の映像を表示させることができる。一方、4K解像度に対応していない受信機は、放送で伝送される基本ストリームのみを用い、2K解像度の映像を表示させることになる。
【0027】
「3D」は、合成対象のコンポーネントが、3D用のコンポーネントであることを示す属性である。この3D属性の属性値としては、"Right"、又は、"Left"が指定される。例えば、3D属性の属性値として"Right"が指定された右目用の映像信号(ビデオコンポーネント)を放送波で送信するとともに、3D属性の属性値として"Left"が指定された左目用の映像信号(ビデオコンポーネント)を、ネットワークを介して配信するようにする。これにより、3Dに対応した受信機は、右目用の映像信号と左目用の映像信号を合成して、3Dの映像を表示させることができる。
【0028】
「タイル」は、合成対象のコンポーネントが、タイリング用のコンポーネントであることを示す属性である。このタイル属性の属性値としては、例えば、"TileA1","TileA2",・・・や、"TileB1","TileB2",・・・、"TileC1","TileC2",・・・が指定される。
【0029】
例えば、"TileA1","TileA2",・・・において、"TileA"は、タイリングのタイプが、タイプAであることを示す。タイプAのタイリングが2枚のタイル用の映像を、左右に並べて表示する方式である場合、タイル属性の属性値として"TileA1"が指定された左側に配置されるタイル用の映像信号(ビデオコンポーネント)を放送波で送信するとともに、タイル属性の属性値として"TileA2"が指定された右側に配置されるタイル用の映像信号(ビデオコンポーネント)を、ネットワークを介して配信するようにする。これにより、タイリング表示に対応した受信機は、左側のタイル用の映像信号と右側のタイル用の映像信号を合成して、タイプAのタイリングに対応する映像を表示させることができる。
【0030】
同様に、例えば、タイプBのタイリングが、4枚のタイル用の映像を2×2に並べて配置して表示する方式である場合、それらの4枚のタイル用の映像信号(ビデオコンポーネント)が、放送又は通信により伝送されるので、受信機では、それらのタイル用の映像を合成して、タイプBのタイリングに対応する2×2の映像を表示させることができる。また、例えば、タイプCのタイリングが、複数のタイル用の映像をパノラマ映像(例えば360度)として配置して表示する方式である場合、複数のタイル用の映像信号(ビデオコンポーネント)が、放送又は通信により伝送されるので、受信機では、それらのタイル用の映像信号を合成して、タイプCのタイリングに対応するパノラマ映像を表示させることができる。なお、上述したタイプA乃至Cのタイリング方式は一例であって、他のタイリング方式を採用することができる。
【0031】
「レイヤ」は、合成対象のコンポーネントが、階層状に表示されるコンポーネントのレイヤであることを示す属性である。このレイヤ属性の属性値としては、例えば重ね合わせの奥から順に、"Layer1","Layer2",・・・が指定される。例えば、レイヤ属性の属性値として"Layer1"が指定された第1層目のレイヤの映像信号(ビデオコンポーネント)を放送波で送信するとともに、レイヤ属性の属性値として"Layer2"が指定された第2層目のレイヤの映像信号(ビデオコンポーネント)を、ネットワークを介して配信するようにする。これにより、レイヤ表示に対応した受信機では、第1層目の映像信号と第2層目の映像信号を合成して、第1層目の映像に、第2層目の映像が重ね合わされた映像を表示させることができる。
【0032】
「ミキシング」は、合成対象のコンポーネントが、ミキシングされるコンポーネントであることを示す属性である。例えば、このミキシング属性としては、"Track1","Track2",・・・が指定される。例えば、ミキシング属性の属性値として"Track1"が指定された音声トラック(オーディオコンポーネント)を放送波で送信するとともに、ミキシング属性の属性値として"Track2"が指定された音声トラック(オーディオコンポーネント)を、ネットワークを介して配信するようにする。これにより、ミキシングに対応した受信機では、音声トラック1と音声トラック2をミキシング(例えば、ボリューム相対位置やパン位置を調整)して、それにより得られた音声を出力することができる。
【0033】
なお、上述したコンポジットレイヤにおける合成対象の属性やその属性値は一例であって、他の属性や他の属性値を指定できるようにしてもよい。
【0034】
(セレクティブレイヤ)
最後に、セレクティブレイヤについて説明する。
図1に示すように、コンポジットレイヤの上位階層であって、最も上位の階層となるセレクティブレイヤでは、図中の点線の弧上を左右に振れる直線が、スイッチとして機能することで、複数のコンポーネントの中から、1つのコンポーネントが選択される。すなわち、セレクティブレイヤは、各コンポーネントのカテゴリにおいて、固定選択対象のコンポーネントグループ(以下、「セレクティブコンポーネントグループ」という)の中から、所定の選択方法に応じて、1又は複数のコンポーネントを静的に選択するための階層である。この選択方法としては、ユーザによる選択のほか、例えば、受信機の性能やユーザの嗜好情報などに応じて受信機によって自動で選択されるようにすることができる。
【0035】
また、セレクティブレイヤにおける固定選択対象の属性としては、ビュータグ、言語、受信機処理要求能力、ビュータイトル、目的などを指定することができる。
【0036】
具体的には、「ビュータグ」は、1つのビューを構成する異なるコンポーネントのカテゴリを組み合わせるためのタグである。例えば、ビュータグとして、"1"が指定された場合には、図中の「1」であるIDが付与されたビデオ、オーディオ、及び、字幕のコンポーネントが、カテゴリを横断して選択されることになる。同様に、ビュータグとして、"2"が指定された場合、図中の「2」であるIDが付与されたコンポーネントが、カテゴリを横断して選択されることになる。なお、ビュータグが付与されていないコンポーネントは、カテゴリごとに独立していることになる。
【0037】
「言語」には、例えば言語コードが指定される。例えば、言語コードに応じたGUI(Graphical User Interface)画面を提示することで、ユーザにより所望の言語が選択されることになる。「受信機処理要求能力」には、受信機で必要とされる処理要求能力が指定される。この要求能力は、レベル値などにより指定するようにしてもよいし、コーデックやレゾリューションなどを多次元で指定してもよい。例えば、処理要求能力をレベル値で指定する場合に、そのレベル値としてレベル2が指定されたときには、レベル2以上の処理能力を有する受信機のみが対応可能となる。
【0038】
「ビュータイトル」には、ビュー画面選択用のタイトルが指定される。例えば、このビュータイトルをテキストで表示することで、ユーザにより所望のビュー画面が選択されることになる。「目的」には、例えば、本編用の音声に対する、ナレーション用の音声などのコンポーネントの目的に関する情報が指定される。
【0039】
なお、上述したセレクティブレイヤにおける固定選択対象の属性は一例であって、他の属性を指定できるようにしてもよい。また、固定選択対象の属性は1つに限らず、複数の属性を組み合わせて利用するようにしてもよい。
【0040】
このような固定選択対象の属性を指定できることから、例えば、受信機では、実行中のアプリケーションが、固定選択対象の属性に基づいて、コンポーネントを選択することができる。ただし、セレクティブコンポーネントグループが1つだけの場合には、選択する必要はなく、当該セレクティブコンポーネントグループが選択されることになる。また、ビュータグによって、ビデオ、オーディオ、字幕など、異なるカテゴリのコンポーネントの組み合わせでグルーピングされている場合には、グループ単位で、コンポーネントが選択されることになる。
【0041】
また、受信機において、複数のコンポーネントが選択された場合に、その選択対象がビデオと字幕のコンポーネントであるときには、映像用と字幕用の複数の画面が表示されることになる。また、複数のコンポーネントが選択された場合に、その選択対象がオーディオコンポーネントのみであるときには、複数の音声がミキシング(Mixing)されてから、出力されることになる。
【0042】
なお、
図1のコンポーネントレイヤ構成の例では、各コンポーネントのカテゴリごとに、セレクティブレイヤが1つ存在する場合を示しているが、各コンポーネントのカテゴリごとに、セレクティブレイヤが複数存在するようにしてもよい。また、
図1のコンポーネントレイヤ構成では、コンポーネントとして、ビデオ、オーディオ、字幕のコンポーネントについて説明したが、サービスを構成する他のコンポーネントについても同様のレイヤ構成を採用することができる。
【0043】
(シグナリング情報の構造例)
図2は、
図1のコンポーネントレイヤ構成を実現するためのシグナリング情報(制御信号)の構造例を示す図である。なお、
図2において、要素と属性のうち、属性には「@」が付されている。また、インデントされた要素と属性は、その上位の要素に対して指定されたものとなる。
【0044】
図2に示すように、topAttribute属性は、最終選択のための属性であって、m0種類(m0=1,…,m0)で定義される。例えば、topAttribute属性として、選択数と選択判断を定義することができる。選択数には、全体で選択可能なコンポーネントの数が指定される。また、選択判断には、ユーザによる選択や受信機による自動選択などが指定される。
【0045】
SelectiveComponentGroup要素は、固定選択対象のコンポーネントグループであるセレクティブコンポーネントグループに関する情報が指定される。SelectiveComponentGroup要素は、CompositeComponentGroup要素の上位の要素となる。ただし、SelectiveComponentGroup要素の出現数は、n1(n1=1,…,n1)となる。
【0046】
selectiveAttribute属性は、SelectiveComponentGroup要素に関して規定される複数の属性を示し、固定選択対象の属性がm1種類(m1=0,…,m1)規定される。例えば、selectiveAttribute属性には、上述したセレクティブレイヤにおける固定選択対象の属性として、ビュータグ、言語、受信機処理要求能力、ビュータイトル、目的などの個別の属性が規定される。
【0047】
CompositeComponentGroup要素は、合成対象のコンポーネントグループであるコンポジットコンポーネントグループに関する情報が指定される。CompositeComponentGroup要素は、AdaptiveComponent要素の上位の要素となる。ただし、CompositeComponentGroup要素の出現数は、n2(n2=1,…,n2)となる。
【0048】
compositeAttribute属性は、CompositeComponentGroup要素に関して規定される複数の属性を示し、合成対象の属性がm2種類(m2=0,…,m2)規定される。例えば、compositeAttribute属性には、上述したコンポジットレイヤにおける合成対象の属性として、スケーラブル、3D、タイル、レイヤ、ミキシングなどの個別の属性が規定される。また、これらの属性は、組み合わせのタイプを示すものであって、それらの組み合わせにおける要素を示す属性値を指定することができる。
【0049】
AdaptiveComponent要素は、適応選択対象のコンポーネントに関する情報が指定される。ただし、AdaptiveComponent要素の出現数は、n3(n3=1,…,n3)となる。
【0050】
adaptiveAttrbute属性は、AdaptiveComponent要素に関して規定される複数の属性を示し、適応選択対象の属性がm3種類(m3=0,…,m3)規定される。例えば、adaptiveAttrbute属性には、上述したアダプティブレイヤにおける適応選択対象の属性として、コンポーネントの伝送経路やビットレートなどが個別に規定される。componentId属性は、コンポーネントのIDが指定される。
【0051】
なお、
図2を参照して説明した、
図1のコンポーネントレイヤ構成を実現するためのシグナリング情報のデータ構造は一例であって、他のデータ構造を採用することもできる。また、このシグナリング情報は、例えば、XML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語により記述される。
【0052】
(コンポーネントレイヤの具体例)
次に、
図3乃至
図8を参照して、上述したコンポーネントレイヤの具体例について説明する。
【0053】
図3のコンポーネントレイヤの具体例では、ビデオのコンポジットレイヤ(Composite Layer)における合成対象の属性として、スケーラブルが指定されており、その下位階層のアダプティブレイヤ(Adaptive Layer)において、基本ストリームが放送で伝送され(図中の「Scalable Base」)、拡張ストリームが通信で伝送されている(図中の「Scalable Extended」)。ここでは、基本ストリームとして、適応選択対象の放送のビデオコンポーネントが1つだけ用意されているため、その1つの放送のビデオコンポーネントが常に選択される。一方、拡張ストリームとして、適応選択対象の通信のビデオコンポーネントが複数用意されているため、それらの複数の通信のビデオコンポーネントの中から、最適なビデオコンポーネントが適応的に選択されることになる(図中の「Adaptive switching」)。
【0054】
ビデオのコンポジットレイヤでは、4K解像度の映像を提供するために、放送で伝送される2K解像度の映像号化信号(ビデオコンポーネント)と、通信で伝送される4K解像度と2K解像度の差分に相当する映像号化信号(ビデオコンポーネント)が合成されることになる。そして、セレクティブレイヤ(Selective Layer)において、例えば、その固定選択対象の属性として受信機処理要求能力が指定されている場合に、受信機が4K解像度に対応している場合には、その合成された4K解像度の映像を表示させることができる(図中の「4K Capable Main View」)。一方、受信機が4K解像度に対応していない場合には、放送で伝送される基本ストリームのみを用い、2K解像度の映像を表示させることになる(図中の「4K Disable Main View」)。すなわち、この場合、通信のビデオコンポーネントは用いられないため、ビデオコンポーネントの適応的な選択は行われないことになる(図中の「Non switching」)。
【0055】
ここで、
図4に示すように、メインビュー(Main View)とは、ディスプレイの画面における、主の表示領域を意味する。上記の4K解像度又は2K解像度の映像は、このメインビューに表示される。また、
図4の画面例には、主の表示領域に対する補助的な表示領域となるサブビュー(Sub View)を表示させることができる。
図3のコンポーネントレイヤの例では、セレクティブレイヤにおいて、セレクティブコンポーネントグループとして、サブビュー1(図中の「Sub View1」)と、サブビュー2(図中の「Sub View2」)が選択可能となっている。
【0056】
サブビュー1では、アダプティブレイヤにおいて、通信のビデオコンポーネントが1つだけ用意されているため、適応的な選択は行われずに、その1つの通信のビデオコンポーネントが常に選択されることになる(図中の「Non switching」)。また、サブビュー2では、アダプティブレイヤにおいて、適応選択対象の通信のビデオコンポーネントが複数用意されており、複数の通信のビデオコンポーネントから適応的に、逐次最適な通信のビデオコンポーネントが選択されることになる(図中の「Adaptive switching」)。
図4の画面例では、メインビューとともに、サブビュー1が表示されることになるが、メインビュー、サブビュー1、及び、サブビュー2のうち、どのビューを表示させるかについては、GUI画面などにより、ユーザに選択させることができる。
【0057】
図3の説明に戻り、オーディオのコンポジットレイヤ(Composite Layer)では、その合成対象の属性として、スケーラブルが指定されており、その下位階層のアダプティブレイヤ(Adaptive Layer)において、ステレオのストリームが放送又は通信で伝送され(図中の「Stereo」)、マルチチャンネルのストリームが通信で伝送されている(図中の「Multi-channel Dev」)。
【0058】
ここでは、ステレオのストリームとして、適応選択対象のオーディオコンポーネントが複数用意されているため、それらの複数の放送又は通信のオーディオコンポーネントの中から最適なオーディオコンポーネントが適応的に選択されることになる(図中の「Adaptive switching」)。すなわち、放送のオーディオコンポーネントとして、通常のロバスト性(図中の「Normal Robustness」)と、高いロバスト性(図中の「High Robustness」)を有するオーディオコンポーネントをそれぞれ用意し、それらを適応的に選択できるようにすることで、例えば、高いロバスト性を有するオーディオコンポーネントが選択された場合に、何らかの原因で、受信機に映像を表示できないときでも、音声のみを出力する、といった運用が可能となる。また、放送のオーディオコンポーネントを受信できない場合には、通信のオーディオコンポーネントを選択するようにすればよい。
【0059】
一方、マルチチャンネルのストリームとして、適応選択対象のオーディオコンポーネントが1つだけ用意されているため、その1つの通信のオーディオコンポーネントが常に選択される。
【0060】
オーディオのコンポジットレイヤでは、放送で伝送されるステレオのオーディオコンポーネントと、通信で伝送されるマルチチャンネルのオーディオコンポーネントが合成され、22.2chのマルチチャンネルの合成コンポーネントが生成される。そして、セレクティブレイヤ(Selective Layer)において、例えば、その固定選択対象の属性として受信機処理要求能力が指定されている場合に、受信機が22.2chのマルチチャンネルに対応している場合には、その合成された22.2chのマルチチャンネルの音声を出力させることができる(図中の「22.2ch Capable Main View」)。一方、受信機が22.2chのマルチチャンネルに対応していない場合には、放送又は通信で伝送されるステレオのストリームのみを用い、ステレオの音声を出力させることになる(図中の「22.2ch Disable Main View」)。
【0061】
ここで、これらのオーディオのセレクティブレイヤの固定選択対象の属性として、ビュータグ1が付与されているので、同様にビュータグ1が付与されているビデオのセレクティブレイヤのビデオコンポーネントに連動することになる。つまり、これらのオーディオコンポーネントに対応する音声は、
図4の画面例のメインビューに表示される映像に対して出力されることになる。
【0062】
また、セレクティブレイヤの固定選択対象の属性として、ビュータグ2が付与されているオーディオコンポーネントは、同様にビュータグ2が付与されているビデオのセレクティブレイヤのビデオコンポーネントに連動することになる(図中の「Sub View1」)。つまり、このオーディオコンポーネントに対応する音声は、
図4の画面例のサブビュー1に表示される映像に対して出力されることになる。
【0063】
さらに、ビュータグ3が付与されているオーディオコンポーネントは、同様にビュータグ3が付与されているビデオコンポーネントに連動することになる(図中の「Sub View2」)。なお、オーディオのサブビュー1とサブビュー2では、アダプティブレイヤにおいて、通信のオーディオコンポーネントが1つだけ用意されているため、適応的な選択は行われずに、その1つの通信のオーディオコンポーネントが常に選択されることになる。
【0064】
また、
図3に示すように、字幕のコンポジットレイヤ(Composite Layer)では、字幕コンポーネントの合成は行われず、さらに、アダプティブレイヤ(Adaptive Layer)では、字幕コンポーネントの適応的な選択が行われないため、セレクティブレイヤ(Selective Layer)における字幕コンポーネントと、アダプティブレイヤにおける字幕コンポーネントが1対1で対応している。なお、字幕コンポーネントのうち、図中の最も左側の1つの字幕コンポーネントのみが放送で伝送され、それ以外の字幕コンポーネントは、通信により伝送されている。
【0065】
セレクティブレイヤの固定選択対象の属性として、ビュータグ1が付与されている字幕コンポーネントは、同様にビュータグ1が付与されているビデオとオーディオのコンポーネントに連動することになる。具体的には、この例の場合、英語とスペイン語の字幕が提供されるが、それらの字幕には、本編の字幕(図中の「Eng(Nor)」,「Spa(Nor)」)のほか、より詳細な解説的な字幕(図中の「Eng(Ex)」,「Spa(Ex)」)が用意されている。字幕のセレクティブレイヤにおいて、例えば、その固定選択対象の属性として、ユーザ選択により言語が指定されている場合、その言語コード等に応じた字幕を表示させることができる。すなわち、ユーザにより選択された英語やスペイン語などの字幕が、
図4の画面例のメインビューに表示される映像に重畳して表示されることになる。
【0066】
また、セレクティブレイヤの固定選択対象の属性として、ビュータグ2が付与されている字幕コンポーネントは、同様にビュータグ2が付与されているビデオとオーディオのコンポーネントに連動することになる。具体的には、英語の字幕(図中の「Eng」)と、スペイン語の字幕(図中の「Spa」)が用意されているので、
図4の画面例のサブビュー1に表示される映像に、ユーザ選択に応じた字幕を重畳して表示させることができる。
【0067】
さらに、セレクティブレイヤの固定選択対象の属性として、ビュータグ3が付与されている字幕コンポーネントは、同様にビュータグ3が付与されているビデオとオーディオのコンポーネントに連動することになる。具体的には、英語の字幕(図中の「Eng」)と、スペイン語の字幕(図中の「Spa」)が用意されているので、ユーザ選択に応じた字幕を映像に重畳して表示させることができる。
【0068】
(オーディオコンポーネントレイヤの他の具体例)
次に、
図5乃至
図8を参照して、オーディオコンポーネントレイヤの他の具体例について説明する。
【0069】
図5に示すように、オーディオのセレクティブレイヤ(Selective Layer)において、例えば、その属性値として、完全版(図中の「Complete Main」)又はミックス版(図中の「Tracks to be Mixed」)を指定可能にすることができる。
【0070】
これにより、例えば、属性値として、完全版が指定された場合には、完全なオーディオコンポーネントが取得され、そのオーディオコンポーネントに対応する音声が出力されることになる。ただし、完全版のオーディオのストリームとして、高ビットレートの放送のオーディオコンポーネントと、低ビットレートの通信のオーディオコンポーネントが用意されており、最適なオーディオコンポーネントが適応的に選択されることになる(図中の「Adaptive switching」)。
【0071】
また、例えば、属性値としてミックス版が指定された場合には、音楽(図中の「Music」)、ダイアログ(図中の「Dialog」)、及び、エフェクト(図中の「Effect」)のコンポーネントがそれぞれ取得されて合成され、その合成コンポーネントに対応する音声が出力されることになる。ただし、音楽のストリームとして、高ビットレートと低ビットレートの通信のオーディオコンポーネントが用意されており、最適なオーディオコンポーネントが適応的に選択されることになる(図中の「Adaptive switching」)。
【0072】
なお、
図6及び
図7に示すように、完全版のオーディオコンポーネントは提供せずに、ミックス版の複数のオーディオコンポーネントのみを提供するようにしてもよい。この場合において、音楽のストリームだけでなく、ダイアログやエフェクトのストリームについても、ビットレートの異なる複数のコンポーネントを用意して、最適なコンポーネントが適応的に選択されるようにすることができる。
【0073】
また、
図8に示すように、オーディオのセレクティブレイヤ(Selective Layer)において、例えば、言語の属性の属性値として、英語版(図中の「Main Eng Audio」)又はスペイン語版(図中の「Main Spa Audio」)を指定可能にすることができる。
【0074】
これにより、例えば、属性値として、英語版が指定された場合には、ダイアログ(図中の「Dialog」)、エフェクト(図中の「Effect」)、及び、音楽(図中の「Music」)のコンポーネントがそれぞれ取得されて合成され、その合成コンポーネントに対応する英語の音声が出力されることになる。ただし、ダイアログのストリームとして、高ビットレートの放送のコンポーネントと、低ビットレートの通信のコンポーネントが用意されており、最適なコンポーネントが適応的に選択されることになる(図中の「Adaptive switching」)。また、音楽のストリームとして、高ビットレートと低ビットレートの通信のコンポーネントが用意されており、最適なコンポーネントが適応的に選択されることになる(図中の「Adaptive switching」)。
【0075】
また、例えば、属性値として、スペイン語版が指定された場合には、スペイン語版のオーディオのストリームとして、オーディオコンポーネントが1つだけ用意されているので、そのオーディオコンポーネントが取得され、スペイン語の音声が出力されることになる。
【0077】
(放送通信システムの構成)
図9は、本技術を適用した放送通信システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【0078】
図9に示すように、放送通信システム1は、データ提供サーバ10、送信装置20、配信サーバ30、及び、受信装置40から構成される。また、配信サーバ30と受信装置40は、インターネット等のネットワーク90を介して相互に接続されている。
【0079】
データ提供サーバ10は、ビデオやオーディオ、字幕などの各種のコンポーネントを、送信装置20及び配信サーバ30に提供する。ここでは、例えば、テレビ番組を提供するサービスにおいて、アダプティブストリーミング配信を実現するために、当該テレビ番組を構成するコンポーネントとして、8Mbpsのビデオコンポーネントを送信装置20に、1Mbps,2Mbps,5Mbps,10Mbps,20Mbpsのビデオコンポーネントを配信サーバ30にそれぞれ提供する。
【0080】
送信装置20は、データ提供サーバ10から提供される各種のコンポーネント(例えば、8Mbpsのビデオコンポーネント)を、デジタル放送の放送波によって送信する。また、送信装置20は、コンポーネントとともに、制御信号(
図2のシグナリング情報)を、デジタル放送の放送波で送信する。なお、この制御信号(
図2のシグナリング情報)は、ネットワーク90に接続された専用のサーバなどから配信されるようにしてもよい。
【0081】
配信サーバ30は、受信装置40からの要求に応じて、データ提供サーバ10から提供される各種のコンポーネント(例えば、1Mbps,2Mbps,5Mbps,10Mbps,20Mbpsのビデオコンポーネント)を、ネットワーク90を介して、受信装置40に配信する。
【0082】
受信装置40は、送信装置20から送信された放送信号を受信して、制御信号(
図2のシグナリング情報)を取得する。受信装置40は、制御信号に応じて、送信装置20から送信される、ビデオやオーディオ、字幕などの各種のコンポーネント(例えば、8Mbpsのビデオコンポーネント)を取得する。また、受信装置40は、制御信号に応じて、配信サーバ30から配信される、ビデオやオーディオ、字幕などの各種のコンポーネント(例えば、1Mbps,2Mbps,5Mbps,10Mbps,20Mbpsのビデオコンポーネント)を取得する。
【0083】
受信装置40は、ビデオや字幕のコンポーネントの映像をディスプレイに表示するとともに、その映像に同期したオーディオコンポーネントの音声をスピーカから出力する。ここでは、例えば、一定期間(例えば10秒)ごとに、8Mbpsの放送のビデオコンポーネントと、1Mbps,2Mbps,5Mbps,10Mbps,20Mbpsの通信のビデオコンポーネントの中から、最適なビデオコンポーネントが適応的に選択されて切り替えられ、アダプティブストリーミング配信が実現されることになる。
【0084】
なお、受信装置40は、ディスプレイやスピーカを含んで単体として構成されるようにしてもよいし、テレビジョン受像機やビデオレコーダ等に内蔵されるようにしてもよい。
【0085】
放送通信システム1は、以上のように構成される。次に、
図9の放送通信システム1を構成する各装置の詳細な構成について説明する。
【0086】
(送信装置の構成)
図10は、本技術を適用した送信装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【0087】
図10に示すように、送信装置20は、コンポーネント取得部201、制御信号取得部202、Mux203、及び、送信部204から構成される。
【0088】
コンポーネント取得部201は、データ提供サーバ10から各種のコンポーネントを取得し、Mux203に供給する。
【0089】
制御信号取得部202は、データ提供サーバ10等の外部のサーバや、内蔵するストレージから制御信号(
図2のシグナリング情報)を取得し、Mux203に供給する。
【0090】
Mux203は、コンポーネント取得部201からの各種のコンポーネントと、制御信号取得部202からの制御信号を多重化して、トランスポートストリームを生成し、送信部204に供給する。
【0091】
送信部204は、Mux203から供給されるトランスポートストリームを放送信号として、アンテナ205を介して送信する。
【0092】
(配信サーバの構成)
図11は、本技術を適用した配信サーバの一実施の形態の構成を示す図である。
【0093】
図11に示すように、配信サーバ30は、制御部301、コンポーネント取得部302、蓄積部303、及び、通信部304から構成される。
【0094】
制御部301は、配信サーバ30の各部の動作を制御する。
【0095】
コンポーネント取得部302は、データ提供サーバ10から各種のコンポーネントを取得し、制御部301に供給する。制御部301は、コンポーネント取得部302からの各種のコンポーネントを、蓄積部303に蓄積する。これにより、蓄積部303には、データ提供サーバ10からの各種のコンポーネントが蓄積されることになる。
【0096】
通信部304は、制御部301からの制御に従い、ネットワーク90を介して受信装置40と各種のデータをやりとりする。
【0097】
制御部301は、受信装置40からのストリーム(コンポーネント)の配信の要求を通信部304が受信した場合、当該要求に応じたコンポーネントを蓄積部303から読み出す。制御部301は、通信部304を制御して、蓄積部303から読み出したコンポーネントからなるストリームを、ネットワーク90を介して受信装置40に配信する。
【0098】
(受信装置の構成)
図12は、本技術を適用した受信装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【0099】
図12に示すように、受信装置40は、チューナ402、Demux403、選択/合成部404、選択/合成部405、選択/合成部406、制御部407、NVRAM408、入力部409、通信部410、Demux411、ビデオデコーダ412、ビデオ出力部413、オーディオデコーダ414、オーディオ出力部415、及び、字幕デコーダ416から構成される。
【0100】
チューナ402は、アンテナ401により受信された放送信号から、選局が指示されたサービスの放送信号を抽出して復調し、その結果得られるトランスポートストリームを、Demux403に供給する。
【0101】
Demux403は、チューナ402から供給されるトランスポートストリームを、各コンポーネントと、制御信号に分離して、各コンポーネントを、選択/合成部404乃至406に供給し、制御信号を、制御部407に供給する。ここでは、コンポーネントとして、ビデオコンポーネント、オーディオコンポーネント、字幕コンポーネントが分離され、選択/合成部404、選択/合成部405、選択/合成部406にそれぞれ供給される。
【0102】
制御部407は、受信装置40の各部の動作を制御する。NVRAM408は、不揮発性メモリであって、制御部407からの制御に従い、各種のデータを記録する。また、制御部407は、Demux403から供給される制御信号(
図2のシグナリング情報)に基づいて、選択/合成部404乃至406により行われる選択/合成処理を制御する。
【0103】
入力部409は、ユーザの操作に応じて、操作信号を制御部407に供給する。制御部407は、入力部409からの操作信号に基づいて、受信装置40の各部の動作を制御する。
【0104】
通信部410は、制御部407からの制御に従い、ネットワーク90を介して配信サーバ30と各種のデータをやりとりする。通信部410は、配信サーバ30から受信したストリームを、Demux411に供給する。このとき、通信部410は、内部に設けられた受信バッファ421にストリームデータをバッファしながら、配信サーバ30から配信されるストリームを受信することになる。
【0105】
Demux411は、通信部410から供給されるストリームを、各コンポーネントに分離して、選択/合成部404乃至406に供給する。ここでは、分離後のコンポーネントのうち、ビデオコンポーネントが選択/合成部404、オーディオコンポーネントが選択/合成部405、字幕コンポーネントが選択/合成部406にそれぞれ供給される。
【0106】
選択/合成部404は、制御部407からの制御に従い、Demux403からのビデオコンポーネントと、Demux411からのビデオコンポーネントに対し、選択/合成処理(例えば、
図1のビデオコンポーネントレイヤにおける各レイヤの処理)を行い、その処理の結果得られるビデオコンポーネントを、ビデオデコーダ412に供給する。
【0107】
ビデオデコーダ412は、選択/合成部404から供給されるビデオコンポーネントを復号し、それにより得られるビデオデータを、ビデオ出力部413に供給する。ビデオ出力部413は、ビデオデコーダ412から供給されるビデオデータを、後段のディスプレイ(不図示)に出力する。これにより、ディスプレイには、例えば、テレビ番組の映像などが表示される。
【0108】
選択/合成部405は、制御部407からの制御に従い、Demux403からのオーディオコンポーネントと、Demux411からのオーディオコンポーネントに対し、選択/合成処理(例えば、
図1のオーディオコンポーネントレイヤにおける各レイヤの処理)を行い、その処理の結果得られるオーディオコンポーネントを、オーディオデコーダ414に供給する。
【0109】
オーディオデコーダ414は、選択/合成部405から供給されるオーディオコンポーネントを復号して、それにより得られるオーディオデータを、オーディオ出力部415に供給する。オーディオ出力部415は、オーディオデコーダ414から供給されるオーディオデータを、後段のスピーカ(不図示)に供給する。これにより、スピーカからは、例えば、テレビ番組の映像に対応する音声が出力される。
【0110】
選択/合成部406は、制御部407からの制御に従い、Demux403からの字幕コンポーネントと、Demux411からの字幕コンポーネントに対し、選択/合成処理(例えば、
図1の字幕コンポーネントレイヤにおける各レイヤの処理)を行い、その処理の結果得られる字幕コンポーネントを、字幕デコーダ416に供給する。
【0111】
字幕デコーダ416は、選択/合成部406から供給される字幕コンポーネントを復号して、それにより得られる字幕データを、ビデオ出力部413に供給する。ビデオ出力部413は、字幕デコーダ416から字幕データが供給された場合、その字幕データを、ビデオデコーダ412からのビデオデータに合成し、後段のディスプレイ(不図示)に供給する。これにより、ディスプレイには、テレビ番組の映像とともに、その映像に対応した字幕が表示される。
【0112】
なお、
図12の受信装置40においては、説明の都合上、各デコーダの前段に、選択/合成部404乃至406が設けられる構成を示したが、選択/合成処理の内容によっては、選択/合成部404乃至406が、各デコーダの後段に設けられる構成を採用するようにしてもよい。
【0113】
<3.各装置で実行される処理の流れ>
【0114】
次に、
図9の放送通信システム1を構成する各装置で実行される処理の流れについて、
図13乃至
図15のフローチャートを参照して説明する。
【0115】
(送信処理)
まず、
図13のフローチャートを参照して、
図9の送信装置20により実行される、送信処理について説明する。
【0116】
ステップS201において、コンポーネント取得部201は、データ提供サーバ10から各種のコンポーネントを取得し、Mux203に供給する。
【0117】
ステップS202において、制御信号取得部202は、外部のサーバなどから制御信号(
図2のシグナリング情報)を取得し、Mux203に供給する。
【0118】
ステップS203において、Mux203は、コンポーネント取得部201からの各種のコンポーネントと、制御信号取得部202からの制御信号を多重化して、トランスポートストリームを生成し、送信部204に供給する。
【0119】
ステップS204において、送信部204は、Mux203から供給されるトランスポートストリームを放送信号として、アンテナ205を介して送信する。ステップS204の処理が終了すると、
図13の送信処理は終了される。
【0120】
以上、送信処理について説明した。この送信処理においては、データ提供サーバ10から提供される各種のコンポーネントと、制御信号が、放送波により送信されることになる。
【0121】
(配信処理)
次に、
図14のフローチャートを参照して、
図9の配信サーバ30により実行される、配信処理について説明する。ただし、配信サーバ30において、蓄積部303には、データ提供サーバ10から取得された各種のコンポーネントが蓄積済みであるものとする。
【0122】
ステップS301において、制御部301は、通信部304を常に監視して、ネットワーク90を介して受信装置40からコンポーネントが要求されたかどうかを判定する。ステップS301においては、受信装置40からのコンポーネントの要求を待って、処理は、ステップS302に進められる。
【0123】
ステップS302において、制御部301は、受信装置40からの要求に応じたコンポーネントを、蓄積部303から読み出す。
【0124】
ステップS303において、制御部301は、通信部304を制御して、蓄積部303から読み出したコンポーネント(ストリーム)を、ネットワーク90を介して、受信装置40に配信する。ステップS303の処理が終了すると、
図14の配信処理は終了する。
【0125】
以上、配信処理について説明した。この配信処理においては、受信装置40からの要求に応じて、データ提供サーバ10から提供される各種のコンポーネント(ストリーム)が、ネットワーク90を介して配信されることになる。
【0126】
(受信処理)
次に、
図15のフローチャートを参照して、
図9の受信装置40により実行される、受信処理について説明する。この受信処理は、例えば、ユーザによるリモートコントローラの操作によって、受信装置40が起動され、選局指示がなされた場合などに実行される。
【0127】
ステップS401において、チューナ402は、アンテナ401を介して放送信号を受信し、放送信号から選局が指示されたサービスの放送信号を抽出して復調する。また、Demux403は、チューナ402からのトランスポートストリームを、コンポーネントと制御信号に分離する。
【0128】
ステップS402において、制御部407は、Demux403からの制御信号(
図2のシグナリング情報)に基づいて、複数のコンポーネントの候補の中から、最適なコンポーネントを選択する。
【0129】
具体的には、制御部407では、制御信号として、
図2のシグナリング情報が取得されるので、その選択肢の中で、まず、topAttribute属性で、選択すべきコンポーネントの数を踏まえた上で、選択判断に応じた動作を制御する。
【0130】
例えば、選択判断がユーザ選択となる場合には、制御部407は、最上位の階層のセレクティブレイヤの各セレクティブコンポーネントグループに、固定選択対象の属性として指定される情報をGUI画面により表示して、ユーザがセレクティブコンポーネントグループ(コンポーネント)を選択するようにする。また、例えば、選択判断が受信機自動選択となる場合には、制御部407は、最上位の階層のセレクティブレイヤの各セレクティブコンポーネントグループに、固定選択対象の属性として指定される情報に基づいて、セレクティブコンポーネントグループ(コンポーネント)を選択する。
【0131】
このコンポーネント選択処理は、基本的に、ビデオやオーディオなどのコンポーネントのカテゴリごとに実行されるが、固定選択対象の属性としてビュータグが指定されている場合には、カテゴリを横断してセレクティブコンポーネントグループ(コンポーネント)が選択されることになる。
【0132】
次に、制御部407は、選択したセレクティブコンポーネントグループ(コンポーネント)に、複数のCompositeComponentGroup要素が存在する場合には、コンポジットレイヤにおいて、指定されたコンポーネント合成を行うべき複数のコンポーネントを、下位の階層のアダプティブレイヤの適応選択対象のコンポーネントから選択する。そして、制御部407は、選択/合成部404乃至406を制御して、適応的に選択された複数のコンポーネントを用い、合成処理を行う。
【0133】
ここでは、例えば、コンポジットコンポーネントグループに、合成対象の属性としてスケーラブルが指定されていた場合、放送で伝送される基本ストリームと、通信で伝送される拡張ストリームとが合成されることになる。また、例えば、コンポジットコンポーネントグループに属性として3Dが指定されていた場合には、放送で伝送される右目用の映像と、通信で伝送される左目用の映像とが合成されることになる。
【0134】
なお、ここでは、複数のCompositeComponentGroup要素が存在する場合について説明したが、CompositeComponentGroup要素が1つだけの場合には、コンポジットレイヤにおいて、下位の階層のアダプティブレイヤの適応選択対象のコンポーネントから適応的に、逐次最適なコンポーネントを選択するようにする。また、アダプティブレイヤにおいて、適応選択対象のコンポーネントが1つだけの場合には、そのコンポーネントが常に選択されることになる。
【0135】
ステップS402の処理によって、最適なコンポーネントが選択されると、処理はステップS403に進められる。ステップS403において、ビデオ出力部413は、ステップS402の処理で選択されたビデオや字幕のコンポーネントに対応する映像を、ディスプレイに表示させる。また、ステップS403において、オーディオ出力部415は、ステップS402の処理で選択されたオーディオコンポーネントに対応する音声を、スピーカから出力する。ステップS403の処理が終了すると、
図15の受信処理は終了する。
【0136】
以上、受信処理について説明した。この受信処理においては、制御信号(
図2のシグナリング情報)に基づいて、放送又は通信により受信可能な複数のコンポーネントの候補の中から、最適なコンポーネントが選択され、提示されることになる。これにより、ユーザは、例えば所望のテレビ番組を選局した場合に、受信可能な複数のコンポーネントの候補の中から選択された最適なコンポーネントに対応する映像や音声を視聴することができる。
【0138】
次に、本技術を適用した放送通信システム1により実現可能な具体的な運用例について説明する。
【0139】
(1)マルチビュー表示サービス
放送通信システム1においては、送信装置10から放送のコンポーネントが送信され、配信サーバ30から通信のコンポーネントが配信されるため、受信装置40では、放送による第1の映像をメインビューに表示するとともに、通信による第2の映像をサブビューに表示して、多画面表示や選択全画面表示が可能となる。
【0140】
(2)多言語音声・字幕サービス
送信装置10から送信される放送のテレビ番組(ビデオやオーディオのコンポーネント)に対し、スペイン語などの外国語の音声や字幕(オーディオや字幕のコンポーネント)を、ネットワーク90を介して、配信サーバ30から配信されるようにすることで、受信装置40では、テレビ番組の映像に同期して、外国語の音声を出力したり、外国語の字幕を重畳表示したりすることが可能となる。
【0141】
(3)手話映像配信サービス
送信装置10から送信される放送のテレビ番組(ビデオやオーディオのコンポーネント)に対し、手話映像(ビデオコンポーネント)を、ネットワーク90を介して、配信サーバ30から配信されるようにすることで、受信装置40では、テレビ番組の映像に対し、子画面で手話映像を表示することが可能となる。
【0142】
(4)放送・通信の切り替えサービス
受信装置40において、送信装置10から送信される放送のテレビ番組(ビデオやオーディオのコンポーネント)を視聴中に、ユーザの選択操作に応じて、そのテレビ番組に関連する番組(ビデオやオーディオのコンポーネント)を、ネットワーク90を介して、配信サーバ30から配信されるようにすることで、受信装置40では、関連番組を視聴することが可能となる。なお、通信のコンポーネントは複数用意されており、それらのコンポーネントが通信経路の輻輳状況などに応じて適応的に選択され、アダプティブストリーミング配信が実現される。また、通信による関連番組が終了すると、放送によるテレビ番組に戻されることになる。
【0143】
(5)CM挿入サービス
受信装置40において、送信装置10から送信される放送のテレビ番組(ビデオやオーディオのコンポーネント)を視聴中に、テレビ番組からCMに切り替わるタイミングで、ユーザの嗜好情報に応じたCM(ビデオやオーディオのコンポーネント)を、ネットワーク90を介して、配信サーバ30から取得することで、そのユーザに特化したCM(Personalized CM)を視聴させることが可能となる。また、通信によるユーザに特化したCMが終了すると、放送によるテレビ番組に戻されることになる。
【0144】
(6)ハイブリッド配信による超高精細テレビ(UHDTV:Ultra High Definition Television)対応サービス
例えば、4K解像度の映像を提供する場合に、送信装置10から、基本ストリームとして、2K解像度の映像符号化信号(ビデオコンポーネント)を放送で送信するとともに、配信サーバ30から、拡張ストリームとして、4K解像度と2K解像度の差分に相当する映像符号化信号(ビデオコンポーネント)を、ネットワーク90を介して配信する場合を想定する。この場合、受信装置40では、4K解像度に対応しているときには、放送で伝送される基本ストリームと、通信で伝送される拡張ストリームを合成して、4K解像度の映像を表示させることができる。なお、受信装置40が、4K解像度に対応していないときには、放送で伝送される基本ストリームのみを用い、2K解像度の映像を表示させることになる。
【0145】
また、8K解像度の映像を提供する場合も同様に、放送で伝送される基本ストリームとして、4K解像度の映像符号化信号(ビデオコンポーネント)を伝送し、通信で伝送される拡張ストリームとして、8K解像度と4K解像度の差分に相当する映像符号化信号(ビデオコンポーネント)を伝送するようにすることで、受信装置40が、8K解像度に対応している場合には、それらのストリームを合成して、8K解像度の映像を表示させることができる。一方、受信装置40が8K解像度に対応していない場合には、放送で伝送される基本ストリームのみを用い、4K解像度の映像を表示させることになる。
【0146】
さらに、フレームレートとして、120pを提供する場合には、放送で伝送される基本ストリームとして、60p分のフレームの映像符号化信号(ビデオコンポーネント)を伝送し、通信で伝送される拡張ストリームとして、120pと60pの差分に相当する映像符号化信号(ビデオコンポーネント)を伝送するようにすることで、受信装置40が、120pのフレームレートに対応している場合には、それらのストリームを合成して、120pのフレームレートで、映像が表示されることになる。一方、受信装置40が120pのフレームレートに対応していない場合には、放送で伝送される基本ストリームのみを用い、60pのフレームレートで、映像が表示されることになる。
【0147】
(7)音声の組み合わせサービス
送信装置10から送信される放送のテレビ番組(ビデオやオーディオのコンポーネント)に対し、言語バリエーションの音声、本編又は解説の音声、その他の内容のバリエーションの音声(オーディオコンポーネント)を、送信装置10から送信されるか、あるいは、ネットワーク90を介して配信サーバ30から配信されるようにすることで、受信装置40では、ユーザの選択操作に応じて、それらの音声をミキシングして提供することが可能となる。
【0148】
(8)放送と通信をまたいだアダプティブストリーミング配信サービス
放送通信システム1においては、送信装置10から1又は複数のコンポーネントが送信され、配信サーバ30から1又は複数のコンポーネントがネットワーク90を介して配信されるため、受信装置40では、それらの放送又は通信のコンポーネントを適応的に選択して、できる限り高画質の映像を得ることが可能となる。例えば、送信装置10から2K解像度の映像(ビデオコンポーネント)を送信する一方、配信サーバ30から4K解像度の映像(ビデオコンポーネント)を、ネットワーク90を介して配信することで、受信装置40では、基本的には、通信の4K解像度の映像を表示させるが、ネットワーク90の輻輳状況に応じて、安定して受信できる放送の2K解像度の映像を表示させるといった、放送と通信をまたいだアダプティブストリーミング配信を実現することができる。
【0150】
前述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0151】
図16は、前述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0152】
コンピュータ900において、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。バス904には、さらに、入出力インターフェース905が接続されている。入出力インターフェース905には、入力部906、出力部907、記録部908、通信部909、及びドライブ910が接続されている。
【0153】
入力部906は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部907は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部908は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部909は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ910は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア911を駆動する。
【0154】
以上のように構成されるコンピュータ900では、CPU901が、例えば、記録部908に記憶されているプログラムを、入出力インターフェース905及びバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、前述した一連の処理が行われる。
【0155】
コンピュータ900(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア911に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0156】
コンピュータ900では、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インターフェース905を介して、記録部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記録部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記録部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0157】
なお、コンピュータ900が実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0158】
ここで、本明細書において、コンピュータ900に各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0159】
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
【0160】
さらに、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0161】
なお、本技術の実施の形態は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0162】
また、前述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0163】
なお、本技術は、以下のような構成をとることができる。
【0164】
(1)
放送波で送信されるコンポーネントを受信する第1の受信部と、
ネットワークを介して配信されるコンポーネントを受信する第2の受信部と、
各部の動作を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、受信可能な複数のコンポーネントの候補の中から、最適なコンポーネントを選択する
受信装置。