(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザーの肢部に圧迫を適用するための圧迫デバイスであって、該圧迫デバイスは、該ユーザーの肢部の一部を実質的に覆うためのスリーブを含み、該スリーブが、外側表面、内側表面、上辺縁、下辺縁及び2つの側辺縁を有し、該第1側辺縁から該第2側辺縁への横断方向において、該スリーブが第1側辺領域、中央領域及び第2側辺領域を有し、該スリーブの該第2側辺領域が、該スリーブの該上辺縁と該下辺縁との間に一連の複数のリングを備えており、各リングは、該スリーブの実質的に該横断方向に該スリーブと該リングとの間に延在するストラップによって着脱可能に又は固定的に取り付けられ、該ストラップの少なくとも一部分が、少なくとも該横断方向に伸張可能であり、該伸張可能部分が、少なくとも該横断方向に弾性を有する材料を含み、かつ、該伸張可能部分が非伸張状態のとき、外側に隆起する材料のループが外面にあり、また使用中で該スリーブの該横断方向に張力がかかっている状態のとき、該伸張可能部分は該横断方向に伸張し、該ループが平らになるように、構成及び配置されており、
該デバイスが、複数のストリップ形の機械的締結タブを更に含み、各リングに単一タブが提供され、各タブは、近位端部分と、内側タブ部分によって接続されている遠位端部分とを含み、該近位端部分が、該スリーブの該第1側辺領域に着脱可能に又は固定的に取り付けられ、これによって該タブは、リングの反対側に配置され、かつ該スリーブの実質的に該横断方向に延在し、該遠位端部分は、該スリーブの該中央部分から反対向きに配置され、各タブが、該スリーブの該外側表面に向かって配置される第1主表面と、該スリーブの該外側表面から反対向きに配置される第2主表面とを有し、ここにおいて該タブの該遠位端部分にある該第2主表面は、機械的締結システムの一部分を含み、また該タブの該近位端部分にある該第2主表面が、該機械的締結システムの相補的部分を含み、該タブ及び該リングが、使用中に、該タブが該リングを通過し、折り返して、該スリーブの該第1側辺縁が該リングに向かって引っ張られ、締結されて、これにより該スリーブが該ユーザーの該肢部の周りに締め付けられて拘束されるように、構成及び配置され、
前記ストラップの前記伸張可能な部分が、外側層材料と内側層材料の2層を含み、該内側層材料の弾性率と、該内側層材料の厚さとの積が、該外側層材料の弾性率と、該外側層材料の厚さとの積よりも小さく、該内側層材料及び外側層材料が、
該伸張可能ストラップ部分が非伸張状態のときに、該内側層の上方に少なくとも1つの該外側層材料のループを提供し、該ループは、使用中で張力がかかり、これによって前記ストラップの伸張可能な部分が前記横断方向に伸張されているときには、平らになり得、
該内側層の上方に少なくとも1つの該外側層材料の領域を提供し、該外側層材料は、前記スリーブの上辺縁及び下辺縁に対して実質的に前記長さ方向に延在するスリットを含み(スリット領域)、これによって、該伸張可能ストラップ部分が非伸張状態のとき、該少なくとも1つのスリット領域における該外側層材料が実質的に平らになり、該スリットの側辺縁が互いに近づくか又は重なり合い、一方、使用中に張力がかかった状態で、これにより該ストラップの伸張可能部分が前記横断方向に伸張しているとき、該スリットの該側辺縁が離間して、下にある内側層を露出するよう、構成及び配置される、圧迫デバイス。
前記内側層が、前記スリットの前記側辺縁が離間したときに見えるようになるしるしを備えており、かつ/又は、前記内側層が、前記外側層の色とは違う色を備えている、請求項1に記載の圧迫デバイス。
ユーザーの肢部の一部を実質的に覆うためのスリーブを含み、該スリーブが外側表面、内側表面、上辺縁、下辺縁及び2つの側辺縁を有し、該第1側辺縁から該第2側辺縁への横断方向において、該スリーブが第1側辺領域、中央領域及び第2側辺領域を有し、該スリーブの該第2側辺領域が、該スリーブの該上辺縁と該下辺縁との間に一連の複数の鳩目又は複数のリングを備えており、該スリーブが、該スリーブの該上辺縁と該下辺縁との間に実質的に長さ方向に延在する細長い伸張可能な襞折りを含み、該襞折りは、前記スリーブの少なくとも前記横断方向に伸張可能であり、該伸張可能な襞折りが、少なくとも横断方向に弾性を有する材料を含み、かつ、該伸張可能な襞折りが非伸張状態のとき、外側に隆起する材料のループが外面にあり、また使用中で該スリーブの横断方向に張力がかかっている状態のとき、該伸張可能な襞折りは横断方向に伸張し、該ループが平らになるように、構成及び配置され、
該デバイスが、複数のストリップ形の機械的締結タブを含み、各鳩目又はリングに単一タブが提供され、各タブは、近位端部分と、内側タブ部分によって接続されている遠位端部分とを更に含み、該近位端部分が、該スリーブの該第1側辺領域に着脱可能に又は固定的に取り付けられ、これによって該タブは、鳩目又はリングの反対側に配置され、かつ該スリーブの実質的に前記横断方向に延在し、該遠位端部分は、該スリーブの該中央部分から反対向きに配置され、各タブが、該スリーブの該外側表面に向かって配置される第1主表面と、該スリーブの該外側表面から反対向きに配置される第2主表面とを有し、該タブの該遠位端部分にある該第2主表面が、機械的締結システムの一部分を含み、また該タブの該近位端部分にある該第2主表面は、該機械的締結システムの相補的部分を含み、該タブ及び該鳩目又はリングが、使用中に、該タブが該鳩目又はリングを通過し、折り返して、該スリーブの該第1側辺縁が該鳩目又はリングに向かって引っ張られ、締結されて、これにより該スリーブが該ユーザーの該肢部の周りに締め付けられて拘束されるように、構成及び配置され、
前記襞折りが、外側層材料と内側層材料の2層を含み、該内側層材料の弾性率と、該内側層材料の厚さとの積が、該外側層材料の弾性率と、該外側層材料の厚さとの積よりも小さく、該内側層材料及び外側層材料が、
該襞折りが非伸張状態のときに、該内側層の上方に少なくとも1つの該外側層材料のループを提供し、該ループは、使用中に張力がかかり、これによって該襞折りが横断方向に伸張されると平らになることができ、かつ、
該内側層の上方に少なくとも1つの該外側層材料の領域を提供し、該外側層材料は、前記スリーブの上辺縁及び下辺縁に対して実質的に長さ方向に延在するスリットを含み(スリット領域)、これによって、該襞折りが非伸張状態のとき、該少なくとも1つのスリット領域における該外側層材料が実質的に平らになり、該スリットの側辺縁が互いに近づくか又は重なり合い、一方、使用中に張力がかかった状態で、これにより該襞折りの伸長可能部分が横断方向に伸張しているとき、該スリットの該側辺縁が離間して、下にある内側層を露出するよう、構成及び配置される、ユーザーの肢部に圧迫を適用するための圧迫デバイス。
前記内側層が、前記スリットの前記側辺縁が離間したときに見えるようになるしるしを備えており、かつ/又は、該内側層が、前記外側層の色とは違う色を備えている、請求項3に記載の圧迫デバイス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
使用及び適用が容易であり、望ましくは、訓練を受けていない人員又は更には患者でも適用でき、同時に、望ましい及び/又は必要とされている適切なフィットが達成及び/又は維持されているかどうかの認識を促進し、これによって望ましい圧迫均一性の提供が促進されるような、非包帯タイプ及び非ストッキングタイプの圧迫デバイスの継続的ニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様において、ユーザーの肢部に圧迫を適用するための圧迫デバイスが提供され、これは、ユーザーの肢部の一部を実質的に覆うためのスリーブを含み、該スリーブは、外側表面、上辺縁、下辺縁及び2つの側辺縁を有し、該第1側辺縁から該第2側辺縁への横断方向において、該スリーブは第1側辺領域、中央領域及び第2側辺領域を有し、該スリーブの該第2側辺領域は、該スリーブの該上辺縁と該下辺縁との間に一連の複数のリングを備えており、各リングは、該スリーブの実質的に横断方向に該スリーブと該リングとの間に延在するストラップによって着脱可能に又は固定的に取り付けられ、該ストラップの少なくとも一部分が、少なくとも横断方向に伸張可能であり、該伸張可能部分は、該スリーブの少なくとも横断方向に弾性を有する材料を含み、かつ、該伸張可能部分が非伸張状態のとき、外側に隆起する材料のループが外面にあり、また使用中で該スリーブの横断方向に張力がかかっている状態のとき、該伸張可能部分は横断方向に伸張し、該ループが平らになるように、構成及び配置されており、
該デバイスは、複数のストリップ形の機械的締結タブを更に含み、各リングに単一タブが提供され、各タブは、近位端部分と、内側タブ部分によって接続されている遠位端部分とを含み、該近位端部分は、該スリーブの該第1側辺領域に着脱可能に又は固定的に取り付けられ、該タブは、リングの反対側に配置され、かつ該スリーブの実質的に横断方向に延在し、該遠位端部分は、該スリーブの該中央部分から反対向きに配置され、各タブは、該スリーブの該外側表面に向かって配置される第1主表面と、該スリーブの該外側表面から反対向きに配置される第2主表面とを有し、ここにおいて該タブの該遠位端部分にある該第2主表面は、機械的締結システムの一部分を含み、また該タブの該近位端部分にある該第2主表面は、該機械的締結システムの相補的部分を含み、該タブ及び該リングは、使用中に、該タブが該リングを通過し、折り返して、該スリーブの該第1側辺縁が該リングに向かって引っ張られ、締結されて、これにより該スリーブが該ユーザーの該肢部の周りに締め付けられて拘束されるように、構成及び配置される。
【0007】
本発明の別の一態様において、ユーザーの肢部に圧迫を適用するための圧迫デバイスが提供され、これは、ユーザーの肢部の一部を実質的に覆うためのスリーブを含み、該スリーブは外側表面、上辺縁、下辺縁及び2つの側辺縁を有し、該第1側辺縁から該第2側辺縁への横断方向において、該スリーブは第1側辺領域、中央領域及び第2側辺領域を有し、該スリーブの該第2側辺領域は、該スリーブの該上辺縁と該下辺縁との間に一連の複数の鳩目又は複数のリングを備えており、該スリーブは、該スリーブの該上辺縁と該下辺縁との間に実質的に長さ方向に延在する細長い伸張可能な襞折りを含み、該襞折りは、該スリーブの少なくとも横断方向に伸張可能であり、該伸張可能な襞折りは、少なくとも横断方向に弾性を有する材料を含み、かつ、該伸張可能な襞折りが非伸張状態のとき、外側に隆起する材料のループが外面にあり、また使用中で該スリーブの横断方向に張力がかかっている状態のとき、該伸張可能な襞折りは横断方向に伸張し、該ループが平らになるように、構成及び配置されており、
該デバイスは更に、複数のストリップ形の機械的締結タブを含み、各鳩目又はリング(該当する場合)に単一タブが提供され、各タブは、近位端部分と、内側タブ部分によって接続されている遠位端部分とを含み、該近位端部分は、該スリーブの該第1側辺領域に着脱可能に又は固定的に取り付けられ、これによって該タブは、鳩目又はリング(該当する場合)の反対側に配置され、かつ該スリーブの実質的に横断方向に延在し、該遠位端部分は、該スリーブの該中央部分から反対向きに配置され、各タブは、該スリーブの該外側表面に向かって配置される第1主表面と、該スリーブの該外側表面から反対向きに配置される第2主表面とを有し、該タブの該遠位端部分にある該第2主表面は、機械的締結システムの一部分を含み、また該タブの該近位端部分にある該第2主表面は、該機械的締結システムの相補的部分を含み、該タブ及び該鳩目又はリング(該当する場合)は、使用中に、該タブが該鳩目又はリング(該当する場合)を通過し、折り返して、該スリーブの該第1側辺縁が該鳩目又はリング(該当する場合)に向かって引っ張られ、締結されて、これにより該スリーブが該ユーザーの該肢部の周りに締め付けられて拘束されるように、構成及び配置される。
【0008】
明確にするために、圧迫デバイスをユーザーの肢部に適用した後は、スリーブの横断方向が円周方向にもなることが理解されよう。ASTM D4848−98(2012)及びBS EN 14704−1:2005に準拠して、弾性とは、変形を起こす力が除去された後すぐに、元の寸法と形状を回復する傾向をもたらす、材料の特性である。
【0009】
驚くべきことに、締結タブを含む解放可能な機械的締結システムにより開閉されるスリーブ状の布地製品を、少なくとも横断方向に弾力性を有する材料を含むストラップの伸張可能部分又は伸張可能襞折りを備えた、相対するリング又は鳩目に関連付けた機械的締結システムのそれぞれ相補的部分と共に提供し、該伸張可能なストラップ部分又は襞折りがそれぞれ非伸張状態にあるときに(例えば、圧迫デバイスが使用中でないときに)、外側に隆起する外面の材料のループがあり、使用中で該スリーブの横断方向に張力がかかっているときに、該ストラップの伸張可能部分又は襞折り部分がそれぞれ、横断方向に伸張して該ループが平らになる(最終的に消失する)ように構成及び配置することによって、使用と適用が簡単であり、かつ、該デバイスを適用する人に対し、伸張の程度に対する評価を促進する視覚的指標を有利に提供し、かつ、良好な解剖学的フィットをもたらす、圧迫デバイスを提供することが可能になることが見出されている。更に、このストラップの伸張可能部分又は襞折りが伸張していないか、部分的にしか伸張していないとき、この外側に面したループは、完全に隆起しているか、又は部分的にのみ平らになり、よって、これを視認することが可能であり、またこのストラップの伸張可能部分又は襞折りが完全に伸張しているとき、この外側に面したループは消失する(すなわち、材料のループが外側にもはや隆起しない程度まで平らになっている)。そのような視覚的指標は、適用時に有利である。いったんループが完全に平らになると(よって消失すると)、完全な伸張であり、よって十分な解剖学的フィットの指標になるからである。更に、スリーブの上辺縁と下辺縁との間に並んで提供される複数のリングのストラップに、あるいは、スリーブの上辺縁と下辺縁との間に実質的に長さ方向に延在する、細長い伸張可能な襞折りに、そのようなループ指標構成を提供することによって、伸張の度合に対する視覚的指標をもたせることが可能になり、よって、上辺縁と下辺縁の間のスリーブのそれぞれの高さにわたってフィットが得られ、これによって、望ましい及び/又は必要な場合、相対するリング又は鳩目に通されている個々の締結タブの締め付け度合は、スリーブに覆われているユーザーの肢部部分の上に対する望ましい解剖学的フィットの提供を促進するよう、またこれによって均一な圧迫を促進するよう、調節することができる。このループ指標構成は、ユーザーが圧迫デバイスを着用しているときにも、好ましく有用である。例えば、望ましいように、例えば効果的な圧迫治療により浮腫が縮小した結果として、肢部の体積が減少した場合、デバイスの張力の度合、及びストラップの伸張可能な部分又は襞折りの張力の度合は低下し、前に平らになっていたループは、目に見えて外側に襞状になり、(低下した張力の度合に応じて)完全に隆起した、又はある程度平らなループを形成し、これによって、デバイスの締め付け直し又は適用し直しを行うべきであるという指標が提供される。
【0010】
望ましくは、ストラップの伸張可能部分又は襞折り(該当する場合)は、外側層(外に面している)材料と内側層(内側に面している)材料の2層を含み、該内側層材料の弾性率と、該内側層の厚さとの積は、該外側層材料の弾性率と、該外側層の厚さとの積よりも小さく、該外側層材料はループ材料であり、該内側層材料は該外側層材料に固定されており、これによって、該ストラップの伸張可能部分又は襞折りがそれぞれ非伸張状態のときには該内側層の上方に該外側層材料のループが提供され、該ループは、使用中で張力がかかり、これによって該ストラップの伸張可能部分又は襞折りがそれぞれ横断方向に伸張されているときには、平らになり得る。ループ指標構成において、該内側層材料の弾性率と、該内側層材料の厚さとの積は、該外側層材料の弾性率と、該外側層の厚さとの積に比べ、少なくとも1/2以下、特に少なくとも1/4以下であり、これにより、明らかなループから完全に平らなループへの移行に、あまり大きな長さの伸びを必要としないことが望ましいことが見出されている。好ましくは、外側層材料と内側層材料のうち少なくとも一方が、少なくとも横断方向に弾性を有し、より好ましくは、これらの材料のそれぞれが、少なくとも横断方向に弾性を有する。
【0011】
弾性率(弾性係数とも呼ばれる)は、ASTM D 882−09「Standard Test Method for Tensile Procedure of Thin Plastic Sheeting」に従って測定され得る。記すべきこととして、この標準方法は、薄いシート形状のプラスチックの張力特性の測定をカバーしていることが明記されているが、この記述されている試験方法及び弾性率の測定は、本明細書に記述される圧迫デバイスに好適な材料に関して好適に使用され得ることが見出されている。
【0012】
このスリーブ、特にスリーブの少なくとも中央領域は、好ましくは、圧迫を適用する使用に好適な材料を含み、より好ましくは、スリーブの少なくとも中央領域は、弾性であり、かつ、例えばDIN 61632:2009に従って測定したときに、幅1cm当たり10Nの荷重下で、このスリーブの少なくとも横断方向に0%超、最大60%の最大伸びを有する材料を含む。本明細書においてそのような材料は、「短伸縮性材料」と呼ばれる。教科書「Foeldi’s Textbook of Lymphology」第2版を参照して、圧迫包帯の伸張性、換言すれば弾性には、短伸縮性(幅1cm当たり10Nの荷重下で最大60%、すなわち、0%超、最大60%の最大伸び有するもの)、中伸縮性(60〜140%)、長伸縮性(140%超)が挙げられ、したがって、非伸縮性包帯は、伸縮量を有さないもの(すなわち0%)と考えられる。
【0013】
ループ指標構成の指標効果を更に強調し、及び/又は均一な圧迫提供を更に促進するために、ループ材料(例えば、2層ストラップの伸張可能部分/襞折り実施形態の外側層材料)の弾性率とループ材料の厚さとの積は、好ましくは、短伸縮性材料の弾性率と短伸縮性材料の厚さとの積の少なくとも90%であり、特に、ループ材料(例えば、2層ストラップの伸張可能部分/襞折り実施形態の外側層材料)の弾性率とループ材料の厚さとの積は、そのような短伸縮性材料の弾性率と短伸縮性材料の厚さとの積以上である。
【0014】
ループ指標構成を見やすくするために、ストラップ又は襞折りの伸張可能部分は好ましくは、非伸張状態のとき、スリーブの横断方向に対する幅が、少なくとも0.1cm、具体的には0.5cmである。例えば構成要素の寸法及び材料使用に関して、スリーブ構成を好ましく促進するために、望ましくは、ストラップ又は襞折りの伸張可能部分は、非伸張状態のとき、スリーブの横断方向に対する幅が、最大4cm、具体的には最大3cmである。
【0015】
好ましくは、特にループの変化及び平らになるのを視認するのを促進することに関して、ストラップ又は襞折りの伸張可能部分は、ループがちょうど平らになった伸張状態のとき、スリーブの横断方向に対する幅が少なくとも1cmである。視認を容易にするため、及び/又は横断/円周方向の圧迫の均一性を促進するため、ストラップ又は襞折りの伸張可能部分は好ましくは、ループがちょうど平らになった伸張状態のとき、スリーブの横断方向に対する幅が最大8cm、具体的には最大6cmである。
【0016】
2層の伸張可能なストラップ部分/襞折り実施形態における、伸張可能なストラップ部分又は襞折りの指標効果を更に強調するために、内側層材料と外側層材料は、ストラップの伸張可能部分/襞折りが非伸張状態のときに、内側層の上方に少なくとも1つの外側層材料のループを提供し、このループは、使用中に張力がかかり、これによってストラップの伸張可能部分/襞折りが横断方向に伸張されているときには、平らになることができ、これに加えて、内側層の上方に少なくとも1つの外側層材料の領域を提供し、この外側層材料は、スリーブの上辺縁及び下辺縁に対して実質的に長さ方向に延在するスリット(例えば開口部)を含み(以下、「スリット領域」と呼ばれる)、これによって、ストラップの伸張可能部分/襞折りが非伸張状態のとき、該少なくとも1つのスリット領域における外側層材料が実質的に平らになり、該スリットの側辺縁が互いに近づくか又は重なり合い、一方、使用中に張力がかかった状態で、これによりストラップの伸張可能部分/襞折りが横断方向に伸張しているとき、該スリットの側辺縁が離間して、下にある内側層を露出するよう、好ましく構成及び配置され得る。このスリット領域はウィンドウ又は目のような働きをし、ストラップの伸張可能部分/襞折りが非伸張状態で、下にある内側層を覆っているときには「閉じ」、ストラップの伸張可能部分/襞折りが横断方向に伸張しているときには「開き」、これによって、スリーブの適切な伸張及び張力に対する第2の指標を提供する。この指標効果は更に、内側層(特に、少なくともその上側表面)に、スリットの縁が離間したときに見えるようになるしるし、及び/又は外側層の色とは違う色、特に、外側層のスリット領域の色とは違う色を備えた指標を提供することによって強化され得る。望ましくは、該少なくとも1つの外側層材料ループと、該少なくとも1つのスリット領域が、スリーブの該上辺縁と下辺縁に対して長さ方向に並んで提供され、より望ましくは、少なくとも2つの外側層材料ループが提供され、該少なくとも2つの外側層材料ループと、該少なくとも1つのスリット領域が交互に、スリーブの該上辺縁と下辺縁に対して長さ方向に並んで提供される。
【0017】
第1の態様(すなわち、ストラップの伸張可能部分を含む実施形態)に関して、使用中にスリーブにより覆われるユーザーの肢部(例えば、腓腹部を含む下腿)に対する好ましい解剖学的フィットの指標と提供を更に促進するために、好ましくは、複数のリング又はストラップ(それぞれリング又はストラップの間の隙間を含む)が、スリーブの上辺縁から下辺縁までの高さの少なくとも70%に対応する高さにわたって延在する。概して、この複数のリング又はストラップ(それぞれリング又はストラップの間の隙間を含む)は、スリーブの上辺縁から下辺縁までの高さの70%〜100%、及び場合によっては100%超に対応する高さにわたって延在する。リング又はストラップの間の隙間の高さは、0.1mm〜7cm(両端の値を含む)、具体的には0.3mm〜3cm(両端の値を含む)、より具体的には0.5mm〜2cmの範囲であり得る。
【0018】
第2の態様(すなわち、襞折り部分を含む実施形態)に関して、使用中にスリーブにより覆われるユーザーの肢部(例えば、腓腹部を含む下腿)に対する好ましい解剖学的フィットの指標と提供を更に促進するために、好ましくは、襞折りは、スリーブの上辺縁から下辺縁までの高さの70%〜100%に対応する高さにわたって延在する。好ましい解剖学的フィットの提供を更に促進するために、複数の鳩目又はリング(該当する場合)(鳩目又はリングそれぞれの間の隙間を含む)が、スリーブの上辺縁から下辺縁までの高さの少なくとも70%に対応する高さにわたって延在することが望ましい。一般に、この複数の鳩目又はリング(該当する場合)(鳩目又はリングそれぞれの間の隙間を含む)は、スリーブの上辺縁から下辺縁までの高さの70%〜100%に対応する高さにわたって延在する。鳩目及びリング(該当する場合)の間の隙間の高さは、0.1mm〜7cm(両端の値を含む)の範囲であり得、具体的には0.3mm〜3cm(両端の値を含む)の範囲であり得、より具体的には0.5mm〜2cmの範囲であり得る。
【0019】
上記の本発明の課題を解決するための手段は、本発明の開示されるそれぞれの実施形態又は本発明のすべての実施を説明することを目的としたものではない。以下の説明は、例示的な実施形態をより具体的に例示するものである。また、付属する請求項に、更なる実施形態が記述される。本出願の全体にわたる複数の箇所で、実施例の一覧によって指針が与えられており、それらの例は、個別に及び様々な組み合わせで使用されることができる。いずれの場合も、記載される列挙は、あくまで代表的な群としてのみの役割を果たすものであって、排他的な列挙として解釈するべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、本明細書で説明する本発明の、特有であり、好適であり、望ましく、好都合であり、有利でありかつ好ましい態様のすべての組み合わせを網羅していることを理解されたい。
【0023】
図1は、ユーザーの肢部に圧迫を適用するのに使用するための圧迫デバイス(100)の代表的な一実施形態の外側の平面図を示し、
図2は、この代表的な実施形態の断面図を示す。このデバイスは、ユーザーの肢部の一部分を実質的に覆うためのスリーブ(1)を含む。このスリーブは、外側表面(3)、内側表面(4)、上辺縁(7)及び下辺縁(8)を含む。デバイスが肢部に対して使用されているとき、典型的に、内側表面(4)は着用者/ユーザーに向いて配置され(下記において、用語「内側」は典型的に、着用者/ユーザーに向いて配置されているものを指し、用語「外側」は着用者/ユーザーとは逆の方向を向いて配置されているものを指す)、上辺縁はユーザーの胴部に向いて配置され、下辺縁はユーザーの胴部から離れた側であり、上辺縁と下辺縁の両方が、本質的に横断方向であり、装着後に肢部の周りを本質的に円周方向に取り巻いて配置される。
図1からわかるように、スリーブには、上辺縁から下辺縁まで延在する2つの側辺縁(9、10)が含まれる。第1側辺縁(9)から第2側辺縁(10)までの横断方向において、スリーブは、第1側辺領域(13)、中央領域(14)及び第2側辺領域(15)を含む。スリーブの第2側辺領域は、スリーブの上辺縁と下辺縁との間に、複数のリング(16)の列を備えている。各リングは、スリーブの間で、具体的には第2側辺領域とリングとの間で、スリーブの実質的に横断方向に延在するストラップ(17)によって取り付けられ、この特定の代表的な実施形態では固定的に取り付けられている。上述のように、圧迫デバイスをユーザーの肢部に適用した後は、スリーブの横断方向が円周方向にもなることが理解されよう。
図2の断面図を参照して、ストラップ(17)は、スリーブ(1)の第2側辺領域(15)に取り付けられ、具体的には第2側辺領域でスリーブの外側表面(3)に取り付けられていることがわかる。この代表的な実施形態において、ストラップは固定的に取り付けられているが、別の実施形態において(例えば
図4及び
図5に例示的に示されているもののように)、ストラップは着脱可能に取り付けられ得ることが理解されよう。
【0024】
ストラップは、ストラップの伸張可能部分を含み、これは少なくとも横断方向に弾性を有する材料を含み、これは、ストラップの伸張可能部分が非伸張状態にあるとき(例えば圧迫デバイスが使用中ではないとき)には材料のループが外面で外方向に隆起し、またスリーブの横断方向での張力付与下で使用しているときには、このストラップの伸張可能部分が横断方向に伸張し、ループが平らになる(最終的には消失する)ように、構成及び配置される。
【0025】
図1及び
図2に示される代表的な実施形態に戻り、各ストラップ(17)は、伸張可能部分(21)を含み得、これは外側に向かって外方向に隆起するループ(20)を備えて構成される。これは、
図2の断面図でよくわかるように、
図1と同様、非伸張状態にあるストラップの伸張可能部分が示されている。また、ストラップの伸張可能部分は好ましくは、外側層材料(18)と内側層材料(19)の2層を含み、ここにおいて内側層材料は、外側層材料のループ(すなわちループ(20))が内側層の上方に提供されるように、外側層材料に固定されることも図からわかる。内側層材料と外側層材料のうち少なくとも一方(好ましくは両方)が、少なくとも横断方向に弾性を有している。内側層材料及び/又は外側層材料の特性、内側層材料と外側層材料とを互いに取り付ける構成、並びに、ストラップをリング及びスリーブに取り付ける構成の結果として、ストラップのループ包含部分(21)は、少なくとも横断方向に伸張可能である。ストラップの伸張可能部分が伸張していない場合、すなわち非伸張状態にある場合、
図1及び
図2に示すように、ループ(20)は細長い盛り上がり又はこぶとして見える。使用中に、このデバイスがユーザーの肢部に適用されている場合、張力がかかり、これによってストラップの伸張可能部分(21)が横断方向に伸張し、ループが平らになり得、また平らになる。
【0026】
ストラップの伸張可能部分が上述のように2層を含む実施形態においては、好ましくは、内側層材料の(横断方向の)弾性率と内側層材料の厚さとの積は、外側層材料の(横断方向の)弾性率と外側層材料の厚さとの積よりも小さい。より好ましくは、内側層材料の弾性率と内側層材料の厚さとの積は、外側層材料の弾性率と外側層材料の厚さとの積の少なくとも1/2以下であり、より好ましくは少なくとも1/4以下である。
【0027】
図1及び
図2の代表的な実施形態において、ストラップの伸張可能部分が非伸張状態にある場合、リングは、第2側辺縁部分から反対向きに、スリーブの第2側辺縁に沿い、かつここから離間して配置される。具体的には、スリーブの第2側辺縁に近い側の、各リングの側辺縁は、第2側辺縁から最大で4cmの距離、具体的には最大で3cmの距離をあけて配置される。あるいは、ストラップの伸張可能部分が非伸張状態にある場合、リングは、第2側辺縁に直接隣接して配置されてよく、具体的には、スリーブの第2側辺縁近くの側辺縁が、スリーブの第2側辺縁に直接隣接して配置され得る。
【0028】
スリーブは、
図1に示すように平らに拡げたときに、実質的に長方形、台形、又は不規則形状であり得る。例えば、本明細書に示される数多くの代表的な実施形態(例えば
図1)におけるスリーブは、実質的に台形である。ユーザーの肢部の部位に対する最適なフィットを促進するため、スリーブの上辺縁及び/又は下辺縁は好ましくはわずかにカーブしていてよく、具体的には、上辺縁がわずかに凸状であり得、及び/又は下辺縁(通常、ユーザーの胴部から離れた側に配置される)はわずかに凹状又は凸状であり得る。あるいは、又はこれに加えて、側辺縁の一方又は両方がわずかにカーブしていてよく、具体的にはわずかに凸状であり得る。これにより、発達した腓腹部に対するフィットが促進され得る。使用中、圧迫デバイスがユーザーの肢部に適用されているとき、好ましくはこのスリーブは、実質的に円筒形、樽形、又は円錐台形である。
【0029】
圧迫デバイスは更に、複数のストリップ形の機械的締結タブ(2)を含む。各リング(16)に対して1つのタブが提供される。各タブは、近位端部分(22)と、内側タブ部分(23)によって接続されている遠位端部分(24)とを含む。
図1及び
図2に示す代表的な実施形態、並びに本明細書に記述される他の代表的な実施形態において、近位端部分(22)は、スリーブ(1)の第1側辺領域(13)に着脱可能に取り付けられる。この近位端部分は、あるいは、スリーブの第1側辺領域に(例えば接着剤、結合、又は縫合により)固定的に取り付けられ得ることが理解されよう。締結タブ(2)は、遠位端部分(24)がスリーブの中央部分から離れて配置された状態で、タブがリングの反対側に配置され、かつ各タブがスリーブの実質的に横断方向に延在するように、スリーブに取り付けられている。
図2により、各タブは、スリーブの外側表面(3)に向かって配置される第1主表面(すなわち内側表面(34))と、スリーブの外側表面から離れた側に配置される第2主表面(すなわち外側表面(33))とを有することがわかる。タブの遠位端部分(24)の第2主表面(33)は、機械的締結システムの一部分(25)を含み、タブの近位端部分のこの第2主表面は、機械的締結システムの相補的部分(26)を含む。
図1及び
図2の代表的な実施形態、及び本明細書に記述される他の代表的な実施形態で見られるように、締結タブの内側タブ部分の第2主表面も、機械的締結システムの相補的部分(26)を含み得る。
【0030】
一般に、締結タブは、締結タブの遠位端部分の第2主表面が、フック、ステム、及び/又はカップ形締結具(第1タブ締結具)を備えており、締結タブの近位端部分の第2主表面が、これらの第1タブ締結具が係合するよう適合された構造を有するか、又はこれを備えている。締結タブの内側部分の第2主表面は更に、第1タブ締結具が係合するよう適合された構造を有するか、又はこれを備え得る。
【0031】
上述のように、締結タブは、着脱可能又は固定的に、スリーブに取り付けられ得る。好ましくは、締結タブは第1側辺縁を横断して延在するように取り付けられる。具体的には、このタブは、概して、第1側辺縁から少なくとも2cm外側に延出する。締結タブが着脱可能に取り付けられているこれらの実施形態について、好ましくは、締結タブの近位端部分の第1主表面は、フック、ステム、及び/又はカップ形締結具(第2タブ締結具)を備えており、スリーブの第1側辺領域の外側表面は、これら第2タブ締結具が係合するよう適合された構造を有するか、又はこれを備えている。ここで、締結タブの近位端部分の第1主表面は、スリーブの第1側辺領域の外側表面に、着脱可能に取り付けられ得る。第2タブ締結具は、第1タブ締結具と同じであっても異なっていてもよい。第2タブ締結具と第1タブ締結具が異なっている場合、好ましくは、スリーブの第1側辺領域の外側表面は、第1及び第2締結具の両方が係合するよう適合されている構造を有するか、又はこれを備えている。好ましくは、第2タブ締結具及びこれに相補的な係合構造は、第1タブ締結具及びこれに相補的な係合構造よりも強い締結を提供するよう選択される。着脱可能に取り付けられた締結タブを使用すると、幅が調節可能な圧迫デバイスを提供することが可能になるため、特に有用であり得る。
【0032】
本明細書に記述される圧迫デバイス、特にそのスリーブは、肢部のサイズの違い(例えば腕と脚の違い)、及び特定の肢部のサイズの一般的な差異に対応するよう、様々なサイズで提供することができる。本明細書に記述される圧迫デバイスは、腓腹部を含む下腿に対する使用に特に好適である。後者に関して、例えば、リンパ球減少症の患者を含む成人ヒトの下腿の寸法を考えると、このサイズは足首周りが約130〜420mm、最も太い箇所が280〜650mmの範囲であり得、例えば7つの標準(太さ)サイズ、例えばXS、S、M、L、XL、XXL、XXXLで圧迫デバイスを提供することが可能であり、これで、潜在的ユーザーの考えられる該当部の太さサイズの80%をカバーするようにでき、残りの20%は特別注文によってカバーされ得る。加えて、成人ヒトの下腿の長さを考えると、このサイズは約20cm〜40cmの範囲であり得、これは、上述の標準(太さ)サイズに関連して提供することが可能であり、例えば、ショート、標準、ロングの3つの長さサイズで提供でき、これも、潜在的ユーザーの考えられる該当部の長さの80%をカバーするようにできる。標準太さサイズに関して、潜在的ユーザーの考えられる該当部の太さサイズの80%をカバーする標準サイズの数は、例えば、ユーザーの肢部に圧迫デバイスを適用する際に、ユーザー又は介護者がスリーブの太さを容易に調節できるよう構成された圧迫デバイスを提供することによって、減らすことができる。特に、本明細書に記述されるように、締結タブがスリーブの第1側辺領域に着脱可能に取り付け可能であり、かつ、スリーブの第1側辺領域がトリミング可能であるよう構成されるような、圧迫デバイスを提供することが有利であり得る。
【0033】
図1及び
図2に示されている代表的な実施形態に戻ると、各締結タブ(2)の遠位端部分(24)の第2主表面(外側表面)(33)は、フック、ステム、及び/又はカップ形締結具(25)を備えており、締結タブの近位端部分(22)並びに内側タブ部分(22)の第2主表面(外側表面)は、これらのタブ締結具が係合するよう適合された構造(26)を有するか又はこれを備えている。加えて、各締結タブ(2)の近位端部分(22)の第1主表面(内側表面)(34)は、フック、ステム、及び/又はカップ形締結具(27)を備えて提供され(これらの第2タブ締結具は、第1タブ締結具(25)と同じであっても異なっていてもよい)、スリーブ(1)の第1側辺領域(13)の外側表面(3)は、第2タブ締結具(27)が係合するよう適合された構造(28)を有するか又はこれを備えている。
図2からわかるように、典型的に、第1側辺領域(13)は、スリーブの該当する領域に、適切な材料の層を積層することにより、関連する係合構造(28)を備えている。加えて、第1側辺領域(13)は、外側縁に沿って容易にトリミングすることができる。圧迫デバイス(特にそのスリーブ)の太さ又は円周を減らすことが必要又は望ましい場合、締結タブを取り外すことができ、第1側辺領域の適切な分量をトリミングして除去することができ、これにより必要又は望ましい太さ/円周を達成することができる。この後、締結タブを、第1側辺領域の残りの部分に取り付け直し、デバイスを適用することができる。一般に、タブはスリーブの外側表面に取り付けられ、これによってタブが第1側辺縁を横断して延在し、特に、その遠位端部分が第1側辺縁から外されるようになる。
【0034】
図3aは、
図1及び
図2に示す代表的な圧迫デバイス(100)をユーザーの下腿に使用した状態の斜視正面図を示し、これを参照すると、締結タブ(2)及びリング(16)は、使用時に、締結タブがリングを通過し、それ自体の上に折り返すことによって、スリーブ(1)の第1側辺縁(9)がリングに向かって引っ張られ、最終的に固定されて、スリーブがユーザーの肢部の周囲を締め付け拘束して、圧迫を提供するよう、構成及び配置されていることが理解されよう。ユーザーの肢部にいったん配置されると、圧迫デバイス(100)は肢部の該当する部分を有利なように包み込み、この代表的な実施形態において、スリーブ(1)及び特にスリーブの中央領域(14)が、肢部の大半を包み込む。
【0035】
ユーザーの下腿に使用するのに好適な圧迫デバイスについて、好ましくはスリーブは、使用中に、リングが(又は、鳩目を有する実施形態については、鳩目が)概ね前面に向くように配置され、特にこれにより、脛骨に概ね沿って延在するように配置されるように、構成及び配置されている。そのような実施形態により、スリーブの中央領域は典型的に、下腿の後側を包み込み、かつ側面の少なくとも一方に配置され、これによって、腓筋に面するよう配置される。
【0036】
スリーブ、特に少なくともその中央領域は、好ましくは、圧力を適用するために使用するのに好適な材料を含む。そのような材料は、当該技術分野において周知である。好ましくは、そのような材料は曲げ剛性が低く伸縮性であり、これによって、容易に肢部形状に適合することができ、同時に、張力下でもあまり容易に伸張されることがなく、これにより、肢部に対する望ましい圧迫の提供が達成できる。より好ましくは、スリーブの少なくとも中央領域(更に好ましくは、スリーブの少なくとも中央領域及び第1側辺領域、最も好ましくは、スリーブの中央領域並びに第1及び第2側辺領域)が、スリーブの少なくとも横断方向に弾性を有する短伸縮性材料を含み、幅1cm当たり10Nの荷重下で(例えば、DIN 61632:2009に準拠して測定した場合)、このスリーブの少なくとも横断方向に0%超、最大60%の最大伸びを有する短伸縮性材料を含む。着用時の快適さのために、このような材料は望ましくは通気性である。上述のように、短伸縮性圧縮材料を含む実施形態について、好ましくは、ループ材料(例えば、2層ストラップの伸張可能部分/襞折り実施形態の外側層材料)の弾性率(横断方向)とループ材料の厚さとの積は、好ましくは、短伸縮性材料の弾性率(横断方向)と短伸縮性材料の厚さとの積の少なくとも90%であり、特に、ループ材料(例えば、2層ストラップの伸張可能部分/襞折り実施形態の外側層材料)の弾性率とループ材料の厚さとの積は、そのような短伸縮性材料の弾性率と短伸縮性材料の厚さとの積以上である。
【0037】
圧迫デバイス、特にスリーブは、スリープ形状の維持を促進するため、特に、スリーブの垂直方向の落脱又は滑り落ちの傾向を最小限にするために、1つ以上の補剛材を備えていてもよく、補剛材は例えば、スリーブの横断方向に対して限定的な幅を有するワイヤ、棒、グリッド、又はパッドの形態で提供され得る。
図1及び
図2に示される代表的な実施形態において、例えば、スリーブの上辺縁と下辺縁との間で長さ方向に延在する細長い補剛材(42)が、第2側辺縁(10)に隣接する第2側辺領域(15)内に提供される。補剛材は、例えば金属、又は、熱成形可能な熱可塑性材料(例えばポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル(例えば3M Scotchcast熱可塑性材料72362))を含む熱可塑性材料で製造され得る。5ミリメートルを超える幅を有する補剛材については、通気性を実現するための孔を備えて提供することが望ましいことがある。設計及び/又は固定の目的のため、補剛材は布ポケット内に提供し、このポケットをスリーブの適切な部分に取り付けることができ、あるいは、補剛剤は、スリーブの適切な部分の表面に配置し、次に、スリーブの該当部分に縫合又は積層される布地シートで完全に覆うことができる。
【0038】
図1及び
図2に示す代表的な実施形態に戻り、
図3aを参照すると、代表的な圧迫デバイス(100)がユーザーの肢部で使用されているとき、スリーブは、中心軸(A)を中心に配置され、複数のリングが第1軸(R)に沿って延在していることが理解されよう。
図3bを参照すると、中心軸(A)を含む面(P)への第1軸(R)の投影に対して、第1軸(R)は、中心軸に対して平行、又は本質的に平行な配置である。概して、第1軸(R)は、中心軸に対して平行な配置、又はほぼ平行な配置のいずれかである(すなわち、第1軸(R)は、中心軸に対して5°以内の鋭角を形成する傾きであり得る)のが好ましい。圧迫デバイスがユーザーの肢部に使用されているとき、一連のリングは、完全に真っ直ぐな軸に沿って延在していなくともよく、すなわち、この投影は、張力及び具体的なユーザーの肢の形状により湾曲していてもよく、そのような場合、一連のリングが沿って延在する軸は、投影された曲線に対する最適な線形フィット(線形回帰)をもたらす軸として定義することができる。
【0039】
図3aに示す使用中の圧迫デバイスを、
図1及び
図2に示す非使用中の同じ圧迫デバイスと比較すると、
図3aに見られるように、リング−ストラップ(17)の上のループは平らになっていることがわかる。加えて、
図1及び
図2に示されている代表的な圧迫デバイス(100)を適用する際、スリーブはユーザーの肢部を中心に配置され、各締結タブ(2)が相対するリング(16)に通され、折り返して引っ張ることにより、スリーブの第1側辺縁(9)がリングに向かって引っ張られ、これによってスリーブ(1)がユーザーの肢部を中心に締め付け、ここにおいて各タブは、相対するリングストラップの伸張可能部分のループが完全に平らになるまで引っ張られる。ループが消失すると(すなわち、平らになったことにより、見えなくなると)、締結タブは、スリーブ(及びこれに伴い圧迫デバイス)がユーザーの肢部を中心として拘束されるよう締結される。
【0040】
図1及び
図2に示す代表的な実施形態からわかるように、使用中に、締結タブを鳩目又はリング(該当する場合)に通し、折り返して締結したときに、第1側辺縁がスリーブの第2側辺縁に向かって引っ張られるが、スリーブの2つの側辺縁は重なり合わないように、スリーブと締結タブを構成及び配置することが望ましい。また、
図1及び
図2に示す代表的な実施形態からわかるように、圧迫デバイスは好ましくは更に舌部を含み得る。この舌部は、使用中に、舌部が概ね、スリーブの第1及び第2側辺縁に隣接して中心に配置されかつこれに沿って延在し、これにより、舌部が、ユーザーと、スリーブの第1及び第2側辺縁の間に画定される開口部との間に配置され、これによって舌部がリングの下に敷かれるよう、望ましいように、スリーブに対して構成及び配置される。
【0041】
図1及び
図2に示す代表的な実施形態に戻り、舌部(5)が提供されている。舌部、特にこの側辺縁部分は、スリーブの第2側辺領域(15)の内側表面(4)に取り付けられ、これによって舌部が第2側辺縁(10)を超えて延出し、かつリング(16)の下に敷かれる。
図3aを参照して、代表的な圧迫デバイス(100)のスリーブ(1)及び締結タブ(2)は、使用中に、締結タブを鳩目又はリング(該当する場合)に通し、折り返して締結したときに、第1側辺縁(9)がスリーブの第2側辺縁(10)に向かって引っ張られるが、スリーブの2つの側辺縁は重なり合わないように、構成及び配列されることが理解されよう。加えて、
図3aに見られるように、圧迫デバイス(100)がユーザーの肢部に使用されているとき、舌部(5)は概ね、スリーブ(1)の第1及び第2側辺縁(9、10)に隣接して中心に配置されかつこれに沿って延在し、これにより、舌部が、ユーザーと、スリーブの第1及び第2側辺縁の間に画定される開口部との間に配置される。
【0042】
舌部を含む圧迫デバイスについて、舌部は、実質的にその幅及び長さにわたって延在する単一の補剛材か、又は長さ方向に延在する1本以上の細長い補剛材を、好ましいように含み得る。上述のように、補剛材は、例えば金属、又は、熱成形可能な熱可塑性材料(例えばポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル(例えば3M Scotchcast熱可塑性材料72362))を含む熱可塑性材料で製造され得る。5ミリメートルを超える幅を有する補剛材については、通気性を実現するための孔を備えて提供することが望ましいことがある。設計及び/又は固定の目的のため、補剛材は布ポケット内に提供し、このポケットをスリーブの適切な部分に取り付けることができ、あるいは、補剛剤は、舌部の適切な部分の表面に配置し、次に、舌部の該当部分に縫合又は積層される布地シートで完全に覆うことができる。あるいは、又はこれに加えて、舌部は、フォームを含み得、具体的には形状記憶フォーム、より具体的には高密度形状記憶フォームを含み得る。高密度形状記憶フォームは、少なくとも65kg/m
3、具体的には少なくとも70kg/m
3、より具体的には少なくとも85kg/m
3、特に少なくとも105kg/m
3の密度を有する形状記憶フォームである。好適な形状記憶フォームの例としては、Filtrona Porous Technologiesから商標名SRF EP2、Argus、Argus Soft、及びArgus Supersoftとして市販されている高密度形状記憶フォームが挙げられる。好ましくは、舌部はフォーム層を含み、具体的には0.5mm〜10mm(両端の値を含む)の厚さを有するフォーム層、より具体的には2mm〜6mm(両端の値を含む)の厚さを有するフォーム層を含む。
【0043】
図1及び
図2に示す代表的な実施形態に戻ると、特に
図2において、舌部(5)には、長さ方向に延在する2本の細長い補剛材(42)が含まれることがわかる。望ましいようにこの2本の補剛材を配置し、これによって、使用中に、ループが平らになると、リングがこの2本の細長い補剛材の間に配置される。補剛材は、フォームの内側層(6)と、適切な被覆材料から製造される上側層(36)の2層の間に配置される。
【0044】
本明細書に示される代表的な実施形態には具体的には示されていないが、本明細書に記述される圧迫デバイスは、他の構造的構成要素を含むよう構成することができ、例えばスリーブから延出する足部分、特に、スリーブの下辺縁の適切な部分から延出する足部分を含むよう構成することができる。そのような足部分は、スティラップ(土踏まずにかけるバンド)部分を形成するよう構成及び配置することができ、あるいは、そのような足部分は、より広い足被覆を提供するよう構成することができる。更に、スリーブ及びそのような足部分は、つま先が閉鎖型若しくは開放型、及び/又は踵が閉鎖型若しくは開放型の、ブーツ状の圧迫デバイスを提供するよう構成及び配置することができる。そのような足部分は、スリーブと一体型として提供することができ、あるいは、ボタン、機械的締結具などの適切な締結手段によってスリーブにとりつけることができる別個の構成要素として提供することができる。圧迫デバイスは更に、円周方向サイズの変更を促進するために、袋状組織又はゲルインサートを含み得る。この点に関して、スリーブは例えば、そのようなインサート用の二重壁又は内側ポケットを備えていてもよく、これによってそのようなインサートを、必要や希望に応じて挿入及び/又は除去することができる。
【0045】
上述のように、ループ指標構成を備えたストラップの伸張可能部分を含む圧迫デバイスでは、ストラップのそのような部分が非伸張状態のときに、リングが、第2側辺縁に隣接又は離間して、第2側辺縁部分から反対向きに、スリーブの第2側辺縁に沿って配置され、特に、各リングがスリーブの第2側辺縁近くに側辺縁を有し、このリングの側辺縁が、スリーブの第2側辺縁に隣接するか、又は、第2側辺縁部分から最大4cm、具体的には最大3cm離れて配置されるよう、デバイスを構成することが好ましい。そのような実施形態は好ましくは、上述のような舌部を含む。
【0046】
あるいは、ループ指標構成を備えたストラップの伸張可能部分を含む圧迫デバイスでは、ストラップのそのような部分が非伸張状態のときに、リングが、中央領域に向かって第2側辺縁から離間しているよう、特に各リングが、スリーブの中央領域から離れた側辺縁を有し、このリングの側辺縁が、第2側辺縁から3〜25cm(両端の値を含む)の距離で離間しているよう、デバイスを構成することが望ましい可能性がある。
【0047】
図4及び
図5に示す代表的な実施形態は、そのような別の圧迫デバイス(100)の一例である。この代表的な圧迫デバイス(100)は、
図1及び
図2に示す代表的な実施形態と同様に、ユーザーの肢部の一部分を実質的に覆うスリーブ(1)を含み、ここでスリーブの第2側辺領域(15)は、スリーブの上辺縁と下辺縁(7、8)の間で連続する複数のリング(16)を備えている。しかしながらこの実施形態では、ストラップ(17)の伸張可能部分(21)が非伸張状態にあるとき、リング(16)が第2側辺縁(10)から中央領域(14)に向かって離間しており、特に、各リングがスリーブの中央部分に対して距離をあけた側辺縁(32)を有し、このリングの側辺縁は、第2側辺縁から離間している(例えば、3cm〜最大25cmの距離)。よって、圧迫デバイス(100)がユーザーの肢部に適用されている使用中に、第1側辺縁(9)がリング(16)に向かって引っ張られると、第1側辺縁が第2側辺縁(10)を超えて引っ張られ、これにより第2側辺領域(15)の、第2側辺縁に隣接する部分が下側巻き付け(under-winding)を形成する。この代表的な圧迫デバイス(100)は、第1側辺領域(13)に着脱可能に取り付け可能な一連の締結タブ(2)を含み、このタブ及び第1側辺領域は、
図1及び
図2に示す代表的な実施形態に関連した記述と同様にして構成される。この代表的な圧迫デバイスが、第1の代表的な実施形態と異なるのは、ストラップ(17)と一緒になったリング(16)が、スリーブ(1)(特に第2側辺領域(15))に着脱可能に取り付けることができる点である。更に、この伸張可能な、ループを含むストラップ部分(21)に加えて、ストラップ(17)には近位端部分(31)が含まれ、ストラップの近位端部分の内側主表面(34)(すなわち、スリーブの外側表面に向いていて、ループ(20)を含むストラップの外向き表面の反対側の表面)は、フック、ステム、及び/又はカップ形締結具(ストラップ締結具)(37)を備える。また、スリーブの第2側辺領域(15)の外側表面(3)は、ストラップ締結具(37)が係合するよう適合された構造を有するか、又はそのような構造(38)を備えている。よって、ストラップの近位端部分(31)の内側表面(34)が、スリーブ(1)の第2側辺領域(15)の外側表面(3)に着脱可能に取り付けられ得る。代表的な実施形態からわかるように、第1側辺領域(13)、中央領域(14)及び第2側辺領域(15)は同じように構成されることが有利であり得、すなわち、各領域の外側表面(3)は、第2タブ締結具(27)及びストラップ締結具(37)が係合するよう適合された構造を有するか、又はそのような構造(38)を備えている。第2タブ締結具とストラップ締結具は同一であり得ることが理解されよう。好ましくは、スリーブの第1及び第2側辺領域(13、15)は、トリミング可能なように構成される。そのような構成により、幅及び/又は円周方向の調整に関して、有利なように高い自由度が実現できる。これは特に、通常、カスタム寸法が必要になるような異常及び/又は非標準的な肢部太さ/周囲長を有するユーザーにとって有用であり得る。更に、スリーブ材料はロールとして有利に提供することができ、スリーブ材料の長さ(標的の、望ましい/必要な幅又は周囲長に対応する長さ)はこのロールから切断することができ、次いで、締結タブと、ストラップ(このそれぞれが、上述の近位端部分と、伸張可能なループ包含部分とを含む)付きリングとを、スリーブの外側表面に着脱可能に取り付けて、圧迫デバイスが提供され得る。図示の代表的な実施形態において、締結タブと、ストラップ付きリングは、それぞれ個別に、スリーブに対して着脱可能に取り付けることができるが、別の実施形態において、一連の締結タブは、スリーブに着脱可能に取り付け可能な単一の一体型構成要素として構成及び配置され得る。同様に、一連のストラップ付きリングは、スリーブに着脱可能に取り付け可能な単一の一体型構成要素として構成及び配置され得る。そのような一体型タブ又はストラップ構成要素は、1本以上の補剛材を追加で含み得る。
【0048】
概して、リングと、上述のようなループ指標構成を備えた伸張可能部分を有するストラップとを含む圧迫デバイスについて、望ましくはこのストラップの伸張可能部分は、非伸張状態のときに、少なくとも0.1cm、具体的には少なくとも0.5cmの、スリーブの横断方向に対する幅を有する。望ましくは、ストラップの伸張可能部分は、非伸張状態のときに、最大で4cm、より望ましくは最大で3cmの、スリーブの横断方向に対する幅を有する。好ましくは、ストラップの伸張可能部分は、ループがちょうど完全に平らになった時点の伸張状態のときに、少なくとも1cmの、スリーブの横断方向に対する幅を有する。好ましくは、ストラップの伸張可能部分は、ループがちょうど完全に平らになった時点の伸張状態のときに、最大で8cm、より望ましくは最大で6cmの、スリーブの横断方向に対する幅を有する。
【0049】
概して、リングと、上述のようなループ指標構成を備えた伸張可能部分を有するストラップとを含む圧迫デバイスについて、好ましくは各ストラップは、少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも2cm、最も好ましくは少なくとも3cmの、スリーブの横断方向に対する高さを有する。好ましくは、各ストラップは、最大10cm、より好ましくは最大8cm、最も好ましくは最大6cmの、スリーブの横断方向に対する高さを有する。これに加えて、又は別の方法として、望ましくは複数のリング又はストラップ(それぞれリング又はストラップの間の隙間を含む)は、スリーブの上辺縁から下辺縁までの高さの少なくとも70%に対応する高さにわたって延在する。複数のリング又はストラップ(それぞれリング又はストラップの間の隙間を含む)は、スリーブの上辺縁から下辺縁までの高さの70%〜100%、及び場合によっては100%超に対応する高さにわたって延在し得る。好ましくは、リング又はストラップの間の隙間の高さは、0.1mm〜7cm(両端の値を含む)、より好ましくは0.3mm〜3cm(両端の値を含む)、及び最も好ましくは0.5mm〜2cmの範囲である。
【0050】
図13〜
図15は、
図1及び
図2に示されているものに類似の代表的な一実施形態の図を提供し、ただしこの実施形態は、ストラップの伸張可能なストラップ部分にスリット領域を備えている。更に
図13〜
図15に示す代表的な圧迫デバイス(100)は、各ストラップ(17)の伸張可能部分(21)の外側層材料及び内側層材料(それぞれ18、19)の構成を除き、
図1及び
図2と同じである。
図13を参照して、各ストラップの伸張可能部分は、2つのループ(20)と1つのスリット領域(40)を交互に含み(すなわち、ループ−スリット領域−ループ)、スリーブ(1)の上辺縁及び下辺縁(それぞれ7、8)に対して長さ方向に並んでいる(すなわち、スリーブの長手方向に実質的に沿っている)ことがわかる。
図13を参照して、非伸張状態での伸張可能部分の外側層(18)は、中心にI字状の切れ目を呈し、これにより外側層材料は本質的に3つの部分に分かれていることが理解されよう。これは、ループ及びスリット領域を提供するよう、内側層と連携して構成及び配置することができる。外側層材料及び内側層材料の構成及び配置は、
図14及び
図15にわかりやすく示されている。外側層の2つの外側部分は、内側層に固定されており、これにより、ストラップの伸張可能部分(21)が非伸張状態のとき、外側層材料(18)の2つのループ(20)が、内側層(19)の上方に提供される(例えば
図14を参照)。本明細書に記述される他の代表的な実施形態と同様、これらのループは、スリーブが使用され(すなわち適用され)、張力がかかっている状態でストラップの伸張可能部分が横断方向に伸張されているときに、平らになり得る。外側層材料(18)の中央部分も、内側層(19)の上方に配置され、この外側層材料には、スリーブの上辺縁及び下辺縁に対して実質的に長さ方向に延在する開口部が含まれる。
図15からわかるように、ストラップの伸張可能部分(21)が非伸張状態のとき、開口部はスリット(41)の形状を有し、外側層材料(18)は実質的に平らになり、スリットの側辺縁が互いに対して近づき、これにより下の内側層材料が覆われる。(別の実施形態において、内側層及び外側層は、スリットの側縁辺が重なるように構成及び配置され得る。)中央部分の真ん中から余った外側層材料を除去(例えば切除)して、伸張部分が非伸張状態のときに、外側層材料が実質的に平らになり、スリットの側辺縁が互いに隣接する(又は別の実施形態では重なり合う)ようにし、同時に外側層材料の外側部分が、内側層の上に外側層材料のループを呈するようにすることが理解されよう。
図13〜
図15に示す代表的な圧迫デバイス(100)をユーザーの下腿に使用しているときの、斜視正面図を示す
図16を参照して、締結タブ(2)がリング(16)を通って引っ張られ、これによりスリーブ(1)の第1側辺縁(9)がリング及びスリーブの第2側辺縁(10)方向に引っ張られ、これによりスリーブがユーザーの肢部の周りを締め付けて拘束することにより圧迫を提供するとき、ストラップの伸張可能部分が横断方向に伸張し、これにより外側層材料(18)のスリットの側辺縁が離れて、下にある内側層(19)を露出させ、同時に外側層材料のループ(
図16では見えない)が平らになることが理解されよう。スリットが開いて、下にある内側層が露出し、ループが完全に平らになると、ユーザーはスリーブを締結することができる。
【0051】
図6〜
図12は、ループ指標構成が細長い伸張可能な襞折り内に提供されている代表的な実施形態を示し、この襞折りはスリーブの上辺縁と下辺縁の間に実質的に長さ方向に延在する。概して、そのような襞折りを含む圧迫デバイスについて、襞折りは好ましくは、スリーブの上辺縁から下辺縁までの高さの70%〜最高100%に対応する高さで延在し、より好ましくは、襞折りはスリーブの上辺縁から下辺縁まで延在する。上述のストラップの伸張可能部分と同様に、襞折りは、スリーブの少なくとも横断方向に弾性を有する材料を含み、これは、襞折りが非伸張状態にあるとき(例えば圧迫デバイスが使用中ではないとき)には材料のループがデバイスの外面で外方向に隆起し、またスリーブの横断方向での張力付与下で使用しているときには、この襞折りが横断方向に伸張し、ループが平らになる(最終的には消失する)ように、構成及び配置される。
【0052】
図6は、リングの代わりに鳩目を含む、ユーザーの肢部に圧迫を適用するのに使用するための圧迫デバイス(100)の代表的な一実施形態の外側の平面図を示し、
図7は、この代表的な実施形態の断面図を示す。このデバイスは、ユーザーの肢部の一部分を実質的に覆うためのスリーブ(1)を含む。このスリーブは、外側表面(3)、内側表面(4)、上辺縁(7)、下辺縁(8)及び2つの側辺縁(9、10)を含む。他の代表的な実施形態と同様、第1側辺縁(9)から第2側辺縁(10)までの横断方向において、スリーブは、第1側辺領域(13)、中央領域(14)及び第2側辺領域(15)を含む。スリーブの第2側辺領域は、スリーブの上辺縁と下辺縁との間に、複数の鳩目(12)の列を備えて提供される。各図、特に
図7からわかるように、第2側辺領域(15)は更に、好ましくは、鳩目(12)と第2側辺縁(10)との間に配置される補剛材(42)を含む。スリーブは更に、スリーブの上辺縁と下辺縁(7、8)の間で実質的に長さ方向に延在する、細長い伸張可能な襞折り(11)を含み、特にこの襞折りは、スリーブの上辺縁から下辺縁まで延在する。襞折りは、少なくともスリーブの横断方向に伸張可能であり、外側に向かって隆起する材料のループ(20)を含む。これは、
図7に示される断面図にわかりやすく示されている。また、伸張可能な襞折り(11)は好ましくは、外側層材料(18)と内側層材料(19)の2層を含み、内側層材料と外側層材料のうち少なくとも一方(望ましくは両方)が、少なくとも横断方向に弾性を有することがわかる。
図7からわかるように、襞折りの外側層は、スリーブの隣接する材料と一体化されており、襞折りの内側層はスリーブの内側層に固定されている別の材料のストリップになっており、これにより、内側層の上方に外側層材料のループを提供する(すなわち、襞折りのループ(20))。ループ(20)は、細長い盛り上がり又はこぶとして見える。使用中に、このデバイス(100)がユーザーの肢部に適用されている場合、張力がかかり、これによって伸張可能な襞折り(11)が横断方向に伸張し、ループが平らになり得、また平らになる。
【0053】
襞折りは、少なくとも部分的に、隣接するスリーブ材料と一体化していてよく、あるいは、襞折りは、スリーブ内へのインサートとして提供されてもよい(
図8及び
図9の代表的な実施形態は、後者の一例である)。伸縮可能な襞折りが上述のように2層を含む実施形態においては、好ましくは、内側層材料の弾性率と内側層材料の厚さとの積は、外側層材料の弾性率と外側層材料の厚さとの積よりも小さい。より好ましくは、内側層材料の弾性率と内側層材料の厚さとの積は、外側層材料の弾性率と外側層材料の厚さとの積の少なくとも1/2以下であり、より好ましくは少なくとも1/4以下である。2層の襞折りを含み、かつこの襞折りが、隣接するスリーブ材料と少なくとも部分的に一体化されている実施形態において、好ましくはループ材料(すなわち外側層材料)は、スリーブの隣接する材料と一体化しており、一方、襞折りの内側層がスリーブの内側層に固定されている別のストリップ材料であり、これによって、内側層の上方に外側層材料のループを提供する。スリーブの関連する隣接領域に短伸縮性材料を更に好ましく含むそのような実施形態において、ループ材料(すなわち、2層の伸張可能な襞折り内の外側層材料)の弾性率及び厚さは、通常、この短伸縮性材料の弾性率及び厚さに、それぞれ等しくなることが理解されよう。あるいは上述のように、上述のスリーブの関連領域に短伸縮性材料を含む実施形態について、好ましくは、ループ材料(例えば、2層襞折り実施形態の外側層材料)の弾性率とループ材料の厚さとの積は、好ましくは、短伸縮性材料の弾性率と短伸縮性材料の厚さとの積の少なくとも90%であり、特に、ループ材料(例えば、2層伸張可能襞折り実施形態の外側層材料)の弾性率とループ材料の厚さとの積は、そのような短伸縮性材料の弾性率と短伸縮性材料の厚さとの積以上である。
【0054】
図6及び
図7の代表的な圧迫デバイスは更に、複数のストリップ形の機械的締結タブ(2)を含み、各鳩目に対して1つの締結タブがある。締結タブ(2)並びに第1側辺部分(13)は好ましいくは、上述のように構成される。代表的なデバイスには更に、第2側辺領域(15)で内側表面(4)に望ましいように固定された舌部(5)が含まれ、これにより舌部が鳩目の下側に敷かれ、第2側辺縁(10)から外側に延出する。舌部は上述のように好ましく構成され、また
図7でわかるように、この代表的な実施形態の舌部は、材料の外側層(36)と内側層(6)との間に長さ方向に配置されて延在する2本の細長い補剛材(42)を含み、この内側層は好ましくはフォームで製造される。
【0055】
図には示されていないが、
図6及び
図7に示される代表的な圧迫デバイスを使用するために、ユーザーの肢部(例えば、ユーザーの腓腹を含む下腿)に当ててこれを覆う際、締結タブ(2)が鳩目(12)を通過して、折り返され、それ自体に締結されることが理解されよう。第1側辺縁(9)はこれによって、鳩目(12)に向かって引っ張られ、したがってスリーブ(1)の第2側辺縁(10)に向かって引っ張られる。好ましくは、スリーブの2つの側辺縁は重なり合わないが、開口部を残すよう画定し、この中央に舌部(5)が配置される。加えて、
図6及び
図7に示されている圧迫デバイスを適用する際、スリーブ(1)はユーザーの肢部を中心に配置され、各締結タブ(2)が相対する鳩目(12)に通され、折り返して引っ張ることにより、スリーブの第1側辺縁(9)が鳩目(12)に向かって引っ張られ、これによってスリーブがユーザーの肢部を中心に締め付け、ここにおいてタブは、伸張可能な襞折りのループが完全に平らになるまで引っ張られる。ループが消失すると、締結タブが締結され、これによりスリーブ(及び対応する圧迫デバイス)がユーザーの肢部の周りに拘束される。
【0056】
襞折りは望ましくは、非伸張状態において、少なくとも0.1cm、より望ましくは少なくとも0.5cmの、スリーブの横断方向に対する幅を有する。襞折りは望ましくは、非伸張状態において、最大4cm、より望ましくは最大3cmの、スリーブの横断方向に対する幅を有する。好ましくは、襞折りは、ループがちょうど完全に平らになった時点の伸張状態のときに、少なくとも1cmの、スリーブの横断方向に対する幅を有する。好ましくは、襞折りは、ループがちょうど完全に平らになった時点の伸張状態の時に、最大8cm、具体的には最大6cmの、スリーブの横断方向に対する幅を有する。
【0057】
襞折りは、締結タブと鳩目(又は、鳩目の代わりにリングを含む実施形態の場合にはリング)との間の、スリーブの任意の場所に提供され得る。デバイスが適用されているときの、襞折りのループ指標構成を見やすくするために、好適には、襞折りは、スリーブの中央部分又は第2側辺部分に提供され得、またより好適には、スリーブの中央部分の鳩目(又は、該当する場合はリング)近く、又は、中央部分に向かって鳩目(又は、該当する場合はリング)近く又はこれに隣接する第2側辺部分に提供され得る。
【0058】
図6及び
図7に示す代表的な実施形態において、襞折りは、スリーブの中央部分(14)にあり、この襞折りは、鳩目(12)近くに配置され、従って、スリーブの第1側辺領域(13)に取り付けられた締結タブ(2)から離れている。図には示されていないが、この代表的な圧迫デバイス(100)がユーザーの肢部に使用されているとき、スリーブ(1)は中心軸(A)を中心に配置され、この中心軸は面(P)内にあり、襞折りは第2軸(G)に沿って延在し、ここにおいて、中心軸(A)を含む面(P)上へのこの第2軸(G)の投影に関して、第2軸(G)は、中心軸(A)と平行であるか、又は実質的に平行な配置となることが理解されよう。別の実施形態において、襞折りは、前述の第2軸(G)が傾斜して、中心軸に対して最大25°(端の値を含む)の鋭角(β)を形成するよう構成及び配置され得る。
【0059】
図8及び
図9に示す代表的な圧迫デバイスは、圧迫デバイス(100)がユーザーの肢部に使用されているとき、襞折りが第2軸(G)に沿って延在するように、伸張可能襞折り(11)が配置されている実施形態の一例であり、ここにおいて、中心軸(A)を含む面(P)上へのこの第2軸(G)の投影に関して、第2軸(G)は、中心軸(A)に対して傾いていて、鋭角(β)を形成する。特に、
図8及び
図9に示す代表的な圧迫デバイスは、スリーブの上辺縁と下辺縁(7、8)の間に連続する、鳩目の代わりの複数のリング(16)を有するスリーブ(1)を含む。各リングは好ましくは、スリーブ(1)とリング(16)との間に延在するストラップ(17)により固定的に取り付けられる。この代表的なデバイスのリングは、スリーブの第2側辺縁(10)に沿い、かつこの側辺縁から離間し、第2側辺領域(15)から反対向きに配置され、特に、スリーブの第2側辺縁(10)近くにある各リングの側辺縁(39)は、スリーブの第2側辺縁から離間している。好ましくは、この間隔は、最大4cm、より好ましくは最大3cmに対応している。あるいは、リングは第2側辺縁に隣接して(ただし、依然として第2側辺領域(15)から反対向きに)配置され得、特に、スリーブの第2側辺縁(10)近くにある各リングの側辺縁(39)は、スリーブの第2側辺縁に隣接して配置され得る。
図9からわかるように、この代表的な実施形態では、リング−ストラップがスリーブの第2側辺領域(15)に取り付けられており、スリーブのこの領域(15)が補剛材(42)を備えている。この代表的な実施形態には、締結タブ(2)と舌部(5)が含まれ、これらの構成要素は両方とも、上述のように構成及び配置される。伸張可能な襞折り(11)に関して、
図9から理解されるように、この代表的な実施形態において、襞折りはスリーブ内、特にその中央領域(14)に提供される挿入物として提供される。更に、
図9を参照して、スリーブは2つの個別の部品(1a及び1b)で作られており、襞折り(11)は外側層材料(18)及び内側層材料(19)を含み、ここにおいて内側層材料は外側層材料の内側表面に固定され、内側層の上方に外側層材料のループ(20)を提供するよう構成及び配置され、かつここにおいて、襞折りは2つのスリーブ部品(1a、1b)それぞれの内側表面(4)に固定され、これによって、2つのスリーブ部品を架橋して、外側に向いたループ(20)を備えた完全なスリーブを提供していることがわかる。
【0060】
図8を参照して、この代表的な実施形態の襞折りは、例えば第2側辺縁(10)に対して傾いていることがわかる。更に、
図8及び
図9に示されている代表的な圧迫デバイス(100)のユーザーの下腿に使用中の斜視正面図を示す
図10aを参照すると、スリーブ(1)は中心軸(A)を中心に配置され、襞折り(11)は第2軸(G)に沿って長さ方向に延在していることが理解されよう。中心軸(A)を含む面(P)上の軸(G)の投影を示す
図10bを参照すると、中心軸(A)を含む面(P)上の第2軸(G)の投影に対して、第2軸(G)は傾斜しており、中心軸に対して約12°の鋭角(β)を形成していることが理解されよう。
図10aに戻ると、圧迫デバイス(100)が使用中のとき、襞折り(11)は横断方向に伸張して、ループが平らになっているのがわかる。
図10aに提示されるように、デバイスが適切に適用されているとき、襞折りが伸張して、これによりループが完全に平らになり、すなわち消失する。
【0061】
図10bからわかるように、一般に、本明細書に記述されるように伸張可能な襞折りを含む圧迫デバイスにおいて、そのようなデバイスがユーザーの肢部に使用されているとき、スリーブは、中心軸(A)を中心に配置され、この中心軸は面(P)内にあり、複数の鳩目又はリング(該当する場合)は好ましくは第3軸(E)に沿って延在し、ここにおいて、中心軸(A)を含む面(P)への第3軸(E)の投影について、第3軸は、中心軸に対して平行配置又はほぼ平行配置されている(すなわち、第3軸(E)は、中心軸に対して5°以下の鋭角を形成して傾き得る)。
【0062】
概して、本明細書に記述される伸張可能な襞折りを含む圧迫デバイスについて、好ましくは、複数の鳩目又はリング(該当する場合)は、鳩目又はリングそれぞれの間の隙間を含めて、スリーブの上辺縁から下辺縁までの高さの少なくとも70%に対応する高さにわたって延在する。望ましくは、鳩目及びリング(該当する場合)の間の隙間の高さは、0.1mm〜7cm(両端の値を含む)の範囲であり、具体的には0.3mm〜3cm(該当する場合)の範囲であり、より具体的には0.5mm〜2cmの範囲である。リング及びストラップを含むこれらの実施形態において、好ましくは各ストラップは、少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも2cm、最も好ましくは少なくとも3cmの、スリーブの横断方向に対する高さを有する。望ましくは、各ストラップは、最大10cm、より望ましくは最大8cm、最も望ましくは最大6cmの、スリーブの横断方向に対する高さを有する。ストラップの間の隙間の高さは、0.1mm〜7cm(両端の値を含む)の範囲であり、具体的には0.3mm〜3cm(両端の値を含む)の範囲であり、より具体的には0.5mm〜2cmの範囲であることが好ましい。
【0063】
図11及び
図12に示される代表的な圧迫デバイスは、
図8及び
図9に示す例示的実施形態の変種であり、次の2つの点において異なっている。第1に、襞折り(11)は挿入物として提供されているのではなく、襞折り(11)の外側層(18)が、スリーブ(1)の隣接する材料と一体化しており、襞折りの内側層(19)が、スリーブの内側表面(4)に固定された別個のストリップ材料になっている。第2に、襞折り(11)が長さ方向に延在し、これにより、圧迫デバイス(100)がユーザーの肢部に使用されているとき、襞折りが第2軸(G)に沿って延在し、ここにおいて中心軸(A)を含む面(P)への第2軸の投影に関して、第2軸(G)は中心軸に対して平行又は本質的に平行である。
【0064】
本明細書に記述される代表的な実施形態から理解されるように、デバイスの適用と、全体的にスムーズなフィットを促進するために、鳩目及びリング(該当する場合)は好ましくは、鳩目又はリングの開口部の、スリーブの横断方向に対する高さが、締結タブの、スリーブの横断方向に対する高さよりも大きい。リング及びストラップを含むこれらの実施形態において、好ましくはリングは、鳩目又はリングの開口部の、スリーブの横断方向に対する高さが、ストラップの、スリーブの横断方向に対する高さよりも大きくなるよう、構成及び/又は選択される。これに加えて、又は別の方法として、鳩目及びリング(該当する場合)は、望ましくは長方形又は実質的に長方形の形状であり、あるいは、楕円形又は実質的に楕円形の形状であり(例えば、幅狭又は細長い楕円形、カヌー形、細長い涙滴形)、あるいは、細長い又は幅狭のD字形である。
【0065】
締結タブは望ましくは、少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも2cm、より望ましくは少なくとも3cmの、スリーブの横断方向に対する高さを有する。締結タブは望ましくは、最大10cm、より望ましくは最大8cm、最も望ましくは最大6cmの、スリーブの横断方向に対する高さを有する。締結タブは望ましくは、少なくとも6cmの、スリーブの横断方向に対する幅を有する。締結タブは望ましくは、最大25cmの、スリーブの横断方向に対する幅を有する。
【0066】
ストラップは望ましくは、少なくとも1cm、より望ましくは少なくとも2cm、最も望ましくは少なくとも3cmの、スリーブの横断方向に対する高さを有する。望ましくはストラップは、最大10cm、より好ましくは最大8cm、最も好ましくは最大6cmの、スリーブの横断方向に対する高さを有する。
【0067】
前述のように、本明細書に記述される圧迫デバイスをユーザーの肢部に適用する方法は、一般に次の工程を含む:
a)ユーザーの肢部の周囲にスリーブを配置する工程と、
b)各締結タブを、相対する鳩目又はリング(該当する場合)に通す工程と、
c)各締結タブを折り返す工程と、
d)締結タブを引っ張ることにより、スリーブの第1側辺縁が、鳩目又はリング(該当する場合)に向かって引っ張られる工程と、
e)締結タブが引っ張られ、ストラップの伸張可能な部分又は襞折り(該当する場合)が、ループ材料が完全に平らになる程度まで伸張したときに、締結タブを締結する工程(特に望ましくは、締結は、ループ材料がちょうど完全に平らになったとき(したがって消失したとき)に行われる)。
【0068】
スリット領域を含む実施形態においては、工程e)において、締結タブが引っ張られ、伸張可能なストラップ部分又は襞折り(該当する場合)が、スリットの側辺縁が離れ、下にある内側層が露出して、ループ材料が完全に平らになる程度まで伸張したときに、締結タブを締結するのが好ましいことがある。スリット領域を含む実施形態において、デバイスを適切に適用した後、張力が低下した場合(足の体積の減少(例えば浮腫の縮小の結果として)、又は材料疲労などの何らかの理由により)、スリットの側辺縁が互いに近づき、下にある内側層、及び/又は該当する場合は内側層に提供されている標識が見えなくなるか、該当する場合は部分的にしか見えなくなった場合に、このことがユーザー又は介護者に対し、デバイスを締結し直しかつ締め直す必要があることを示す指標を提供することが理解されよう。この指標は、ループ材料が、再び張力低下によるループの再形成を開始するのを観察することにより、強化される。ただし、ユーザー及び/又は介護者にとって、ループ材料が浮き上がり始めたかどうかが不確かな場合であっても、スリット領域の下にある内側層及び/又はそこにある指標(該当する場合)が見えなくなった場合、又は部分的にしか見えなくなった場合(該当する場合)、圧迫デバイスを締め直す時期であるという指標が得られる。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[62]に記載する。
[1]
ユーザーの肢部に圧迫を適用するための圧迫デバイスであって、該圧迫デバイスは、該ユーザーの肢部の一部を実質的に覆うためのスリーブを含み、該スリーブが、外側表面、内側表面、上辺縁、下辺縁及び2つの側辺縁を有し、該第1側辺縁から該第2側辺縁への横断方向において、該スリーブが第1側辺領域、中央領域及び第2側辺領域を有し、該スリーブの該第2側辺領域が、該スリーブの該上辺縁と該下辺縁との間に一連の複数のリングを備えており、各リングは、該スリーブの実質的に該横断方向に該スリーブと該リングとの間に延在するストラップによって着脱可能に又は固定的に取り付けられ、該ストラップの少なくとも一部分が、少なくとも該横断方向に伸張可能であり、該伸張可能部分が、少なくとも該横断方向に弾性を有する材料を含み、かつ、該伸張可能部分が非伸張状態のとき、外側に隆起する材料のループが外面にあり、また使用中で該スリーブの該横断方向に張力がかかっている状態のとき、該伸張可能部分は該横断方向に伸張し、該ループが平らになるように、構成及び配置されており、
該デバイスが、複数のストリップ形の機械的締結タブを更に含み、各リングに単一タブが提供され、各タブは、近位端部分と、内側タブ部分によって接続されている遠位端部分とを含み、該近位端部分が、該スリーブの該第1側辺領域に着脱可能に又は固定的に取り付けられ、これによって該タブは、リングの反対側に配置され、かつ該スリーブの実質的に該横断方向に延在し、該遠位端部分は、該スリーブの該中央部分から反対向きに配置され、各タブが、該スリーブの該外側表面に向かって配置される第1主表面と、該スリーブの該外側表面から反対向きに配置される第2主表面とを有し、ここにおいて該タブの該遠位端部分にある該第2主表面は、機械的締結システムの一部分を含み、また該タブの該近位端部分にある該第2主表面が、該機械的締結システムの相補的部分を含み、該タブ及び該リングが、使用中に、該タブが該リングを通過し、折り返して、該スリーブの該第1側辺縁が該リングに向かって引っ張られ、締結されて、これにより該スリーブが該ユーザーの該肢部の周りに締め付けられて拘束されるように、構成及び配置される、圧迫デバイス。
[2]
前記スリーブの少なくとも前記中央領域が、幅1cm当たり10Nの荷重下で前記スリーブの少なくとも前記横断方向に0%超、最大60%の最大伸びを有する短伸縮性材料を含む、項目1に記載の圧迫デバイス。
[3]
前記ループ材料の弾性率と、前記ループ材料の厚さとの積が、前記短伸縮性材料の弾性率と、前記短伸縮性材料の厚さとの積の、少なくとも90%であり、特に、前記ループ材料の弾性率と、前記ループ材料の厚さとの積が、前記短伸縮性材料の弾性率と、前記短伸縮性材料の厚さとの積以上である、項目2に記載の圧迫デバイス。
[4]
前記ストラップの前記伸張可能な部分が、外側層材料と内側層材料の2層を含み、該内側層材料の弾性率と、該内側層材料の厚さとの積が、該外側層材料の弾性率と、該外側層材料の厚さとの積よりも小さく、該外側層材料が前記ループ材料であり、該内側層材料が該外側層材料に固定されており、これによって、前記ストラップの伸張可能部分が非伸張状態のときには該内側層の上方に該外側層材料のループが提供され、該ループは、使用中で張力がかかり、これによって前記ストラップの伸張可能な部分が前記横断方向に伸張されているときには、平らになり得る、項目1〜3のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[5]
前記ストラップの前記伸張可能な部分が、外側層材料と内側層材料の2層を含み、該内側層材料の弾性率と、該内側層材料の厚さとの積が、該外側層材料の弾性率と、該外側層材料の厚さとの積よりも小さく、該内側層材料及び外側層材料が、
該伸張可能ストラップ部分が非伸張状態のときに、該内側層の上方に少なくとも1つの該外側層材料のループを提供し、該ループは、使用中で張力がかかり、これによって前記ストラップの伸張可能な部分が前記横断方向に伸張されているときには、平らになり得、
該内側層の上方に少なくとも1つの該外側層材料の領域を提供し、該外側層材料は、前記スリーブの上辺縁及び下辺縁に対して実質的に前記長さ方向に延在するスリットを含み(スリット領域)、これによって、該伸張可能ストラップ部分が非伸張状態のとき、該少なくとも1つのスリット領域における該外側層材料が実質的に平らになり、該スリットの側辺縁が互いに近づくか又は重なり合い、一方、使用中に張力がかかった状態で、これにより該ストラップの伸張可能部分が前記横断方向に伸張しているとき、該スリットの該側辺縁が離間して、下にある内側層を露出するよう、構成及び配置される、項目1〜4のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[6]
前記少なくとも1つの外側層材料ループと、前記少なくとも1つのスリット領域が、前記スリーブの該上辺縁と下辺縁に対して長さ方向に並んで提供され、特に、少なくとも2つの外側層材料ループが提供され、該少なくとも2つの外側層材料ループと、該少なくとも1つのスリット領域が交互に、前記スリーブの該上辺縁と下辺縁に対して長さ方向に並んで提供される、項目5に記載の圧迫デバイス。
[7]
前記内側層が、前記スリットの前記側辺縁が離間したときに見えるようになるしるしを備えており、かつ/又は、前記内側層が、前記外側層の色とは違う色を備えている、項目5又は6に記載の圧迫デバイス。
[8]
前記内側層材料の弾性率と前記内側層材料の厚さとの積が、前記外側層材料の弾性率と前記外側層材料の厚さとの積の1/2以下、特に少なくとも1/4以下である、項目4〜7のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[9]
前記内側層材料及び/又は前記外側層材料が、少なくとも前記横断方向に弾性を有する、項目4〜8のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[10]
前記ストラップの前記伸張可能部分が非伸張状態のとき、前記スリーブの前記横断方向に対する幅が少なくとも0.1cm、具体的には少なくとも0.5cmである、項目1〜9のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[11]
前記ストラップの前記部分が非伸張状態のとき、前記スリーブの前記横断方向に対する幅が最大4cm、具体的には最大3cmである、項目1〜10のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[12]
前記ストラップの前記伸張可能部分が、前記ループ又は該当する場合は複数のループがちょうど完全に平らになった時点の伸張状態のとき、前記スリーブの前記横断方向に対する幅が少なくとも1cmである、項目1〜11のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[13]
前記ストラップの前記部分が、前記ループ又は該当する場合は複数のループがちょうど完全に平らになった時点の伸張状態のとき、前記スリーブの前記横断方向に対する幅が最大8cm、具体的には最大6cmである、項目1〜12のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[14]
前記各ストラップが、少なくとも1cm、具体的には少なくとも2cm、より具体的には少なくとも3cmの、前記スリーブの前記横断方向に対する高さを有し、かつ/又は、前記各ストラップが、最大10cm、具体的には最大8cm、より具体的には最大6cmの、前記スリーブの前記横断方向に対する高さを有する、項目1〜13のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[15]
前記複数のリング又はストラップであって該リング又はストラップの間の隙間を含むものがそれぞれ、前記スリーブの前記上辺縁から前記下辺縁までの高さの少なくとも70%に対応する高さにわたって延在し、かつ/又は、前記リング又はストラップの間の隙間の高さが、0.1mm〜7cm(両端の値を含む)、具体的には0.3mm〜3cm(両端の値を含む)、より具体的には0.5mm〜2cmの範囲である、項目1〜14のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[16]
ユーザーの肢部に使用されているとき、前記スリーブが中心軸(A)を中心に配置され、該中心軸が面(P)内にあり、前記複数のリングが第1軸(R)に沿って延在し、ここにおいて、該第1軸(R)の、該中心軸(A)を含む該面(P)への投射に対して、該第1軸が、該中心軸に対して平行な配置、又はほぼ平行な配置である、項目1〜15のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[17]
前記ストラップの前記部分が非伸張状態のときに、前記リングが、前記第2側辺縁に隣接又は離間して、前記第2側辺縁部分から反対向きに、前記スリーブの前記第2側辺縁に沿って配置され、特に、前記各リングが前記スリーブの前記第2側辺縁近くに側辺縁を有し、前記リングの該側辺縁が、前記スリーブの前記第2側辺縁に隣接するか、又は、前記第2側辺縁部分から最大4cm、特に最大3cm離れて配置される、項目1〜16のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[18]
前記ストラップの前記部分が非伸張状態のときに、前記リングが、前記中央領域に向かって前記第2側辺縁から離間して配置され、特に、該各リングが、前記スリーブの前記中央領域から離れた側辺縁を有し、前記リングの該側辺縁が、前記第2側辺縁から3〜25cm(両端の値を含む)の距離で離間している、項目1〜16のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[19]
前記リングが前記第2側辺領域の前記外側表面に着脱可能に取り付けられ、前記各ストラップが近位端部分を更に含み、前記ストラップの該近位端部分の内側表面が、フック、ステム、及び/又はカップ形締結具(ストラップ締結具)を備えており、前記スリーブの前記第2側辺領域の前記外側表面が、該ストラップ締結具が係合するよう適合された構造を有するか、又はそのような構造を備えている、項目18に記載の圧迫デバイス。
[20]
ユーザーの肢部の一部を実質的に覆うためのスリーブを含み、該スリーブが外側表面、内側表面、上辺縁、下辺縁及び2つの側辺縁を有し、該第1側辺縁から該第2側辺縁への横断方向において、該スリーブが第1側辺領域、中央領域及び第2側辺領域を有し、該スリーブの該第2側辺領域が、該スリーブの該上辺縁と該下辺縁との間に一連の複数の鳩目又は複数のリングを備えており、該スリーブが、該スリーブの該上辺縁と該下辺縁との間に実質的に長さ方向に延在する細長い伸張可能な襞折りを含み、該襞折りは、前記スリーブの少なくとも前記横断方向に伸張可能であり、該伸張可能な襞折りが、少なくとも横断方向に弾性を有する材料を含み、かつ、該伸張可能な襞折りが非伸張状態のとき、外側に隆起する材料のループが外面にあり、また使用中で該スリーブの横断方向に張力がかかっている状態のとき、該伸張可能な襞折りは横断方向に伸張し、該ループが平らになるように、構成及び配置され、
該デバイスが、複数のストリップ形の機械的締結タブを含み、各鳩目又はリング(該当する場合)に単一タブが提供され、各タブは、近位端部分と、内側タブ部分によって接続されている遠位端部分とを更に含み、該近位端部分が、該スリーブの該第1側辺領域に着脱可能に又は固定的に取り付けられ、これによって該タブは、鳩目又はリング(該当する場合)の反対側に配置され、かつ該スリーブの実質的に前記横断方向に延在し、該遠位端部分は、該スリーブの該中央部分から反対向きに配置され、各タブが、該スリーブの該外側表面に向かって配置される第1主表面と、該スリーブの該外側表面から反対向きに配置される第2主表面とを有し、該タブの該遠位端部分にある該第2主表面が、機械的締結システムの一部分を含み、また該タブの該近位端部分にある該第2主表面は、該機械的締結システムの相補的部分を含み、該タブ及び該鳩目又はリング(該当する場合)が、使用中に、該タブが該鳩目又はリング(該当する場合)を通過し、折り返して、該スリーブの該第1側辺縁が該鳩目又はリング(該当する場合)に向かって引っ張られ、締結されて、これにより該スリーブが該ユーザーの該肢部の周りに締め付けられて拘束されるように、構成及び配置される、ユーザーの肢部に圧迫を適用するための圧迫デバイス。
[21]
前記スリーブの少なくとも前記中央領域が、幅1cm当たり10Nの荷重下で前記スリーブの少なくとも前記横断方向に0%超、最大60%の最大伸びを有する短伸縮性材料を含む、項目20に記載の圧迫デバイス。
[22]
前記ループ材料の弾性率と、前記ループ材料の厚さとの積が、前記短伸縮性材料の弾性率と、前記短伸縮性材料の厚さとの積の、少なくとも90%であり、特に、前記ループ材料の弾性率と、前記ループ材料の厚さとの積が、前記短伸縮性材料の弾性率と、前記短伸縮性材料の厚さとの積以上である、項目21に記載の圧迫デバイス。
[23]
前記襞折りが、少なくとも、前記スリーブの隣接する材料に一体化された部品であるか、又は、前記スリーブ内への挿入物として提供される、項目20〜22のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[24]
前記襞折りが、外側層材料と内側層材料の2層を含み、該内側層材料の弾性率と、該内側層材料の厚さとの積が、該外側層材料の弾性率と、該外側層材料の厚さとの積よりも小さく、該外側層材料が前記ループ材料であり、かつ該内側層材料が該外側層材料に固定されており、これによって、該襞折りが非伸張状態のときには該内側層の上方に該外側層材料のループが提供され、該ループは、使用中で張力がかかり、これによって該襞折りが横断方向に伸張されているときには、平らになり得る、項目20〜23のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[25]
前記襞折りが、外側層材料と内側層材料の2層を含み、該内側層材料の弾性率と、該内側層材料の厚さとの積が、該外側層材料の弾性率と、該外側層材料の厚さとの積よりも小さく、該内側層材料及び外側層材料が、
該襞折りが非伸張状態のときに、該内側層の上方に少なくとも1つの該外側層材料のループを提供し、該ループは、使用中に張力がかかり、これによって該襞折りが横断方向に伸張されると平らになることができ、かつ、
該内側層の上方に少なくとも1つの該外側層材料の領域を提供し、該外側層材料は、前記スリーブの上辺縁及び下辺縁に対して実質的に長さ方向に延在するスリットを含み(スリット領域)、これによって、該襞折りが非伸張状態のとき、該少なくとも1つのスリット領域における該外側層材料が実質的に平らになり、該スリットの側辺縁が互いに近づくか又は重なり合い、一方、使用中に張力がかかった状態で、これにより該襞折りが横断方向に伸張しているとき、該スリットの該側辺縁が離間して、下にある内側層を露出するよう、構成及び配置される、項目20〜23のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[26]
前記少なくとも1つの外側層材料ループと、前記少なくとも1つのスリット領域が、前記スリーブの該上辺縁と下辺縁に対して長さ方向に並んで提供され、特に、少なくとも2つの外側層材料ループが提供され、該少なくとも2つの外側層材料ループと、該少なくとも1つのスリット領域が交互に、スリーブの該上辺縁と下辺縁に対して長さ方向に並んで提供される、項目25に記載の圧迫デバイス。
[27]
前記内側層が、前記スリットの前記側辺縁が離間したときに見えるようになるしるしを備えており、かつ/又は、該内側層が、前記外側層の色とは違う色を備えている、項目25又は26に記載の圧迫デバイス。
[28]
前記内側層材料の弾性率と該内側層材料の厚さとの積が、前記外側層材料の弾性率と該外側層材料の厚さとの積の少なくとも1/2以下、特に少なくとも1/4以下である、項目24〜27のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[29]
前記内側層材料及び/又は前記外側層材料が、少なくとも前記横断方向に弾性を有する、項目24〜28のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[30]
前記襞折りの前記外側層が、前記スリーブの隣接する材料と一体化し、該襞折りの前記内側層は、該スリーブの前記内側層に固定された別個のストリップ材料であるか、あるいは、該2層襞折りが、該スリーブの挿入物として提供される、項目24〜29のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[31]
前記襞折りが、前記締結タブと鳩目又はリング(該当する場合)との間の、前記スリーブ内に提供され、特に、前記襞折りが、前記スリーブの前記中央部分内又は前記第2側辺部分内に提供され、より具体的には、該鳩目又はリング(該当する場合)近くの前記スリーブの前記中央部分内に提供され、あるいは、該鳩目又はリング(該当する場合)近く又は隣接する前記第2側辺部分内に、前記中央部分に向けて提供される、項目20〜30のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[32]
前記襞折りが非伸張状態のとき、前記スリーブの前記横断方向に対する幅が少なくとも0.1cm、具体的には少なくとも0.5cmである、項目20〜31のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[33]
前記襞折りが非伸張状態のとき、前記スリーブの前記横断方向に対する幅が最大4cm、具体的には最大3cmである、項目20〜32のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[34]
前記襞折りが、前記ループ又は該当する場合は複数のループがちょうど完全に平らになった時点の伸張状態のとき、前記スリーブの前記横断方向に対する幅が少なくとも1cmである、項目20〜33のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[35]
前記襞折りが、前記ループ又は該当する場合は複数のループがちょうど完全に平らになった時点の伸張状態のとき、前記スリーブの前記横断方向に対する幅が最大8cm、特に最大6cmである、項目20〜34のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[36]
前記ユーザーの前記肢部に使用しているとき、前記スリーブが中心軸(A)を中心に配置され、該中心軸は面(P)内にあり、前記襞折りは第2軸(G)に沿って延在し、該中心軸(A)を含む該面(P)上の該第2軸の投影に対して、該第2軸(G)は、該中心軸に対して平行な配置であるか、又は最大25°の鋭角(β)を形成して傾いている、項目20〜35のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[37]
前記襞折りが、前記スリーブの前記上辺縁から下辺縁までの高さの、70%〜100%に対応する高さにわたって延在する、項目20〜36のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[38]
前記複数の鳩目又はリング(該当する場合)(鳩目又はリングそれぞれの間の隙間を含む)が、前記スリーブの前記上辺縁から下辺縁までの高さの少なくとも70%に対応する高さにわたって延在する、項目20〜37のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[39]
前記鳩目及びリング(該当する場合)の間の前記隙間の高さが、0.1mm〜7cm(両端の値を含む)の範囲、具体的には0.3mm〜3cm(両端の値を含む)の範囲、より具体的には0.5mm〜2cmの範囲である、項目20〜38のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[40]
前記ユーザーの前記肢部に使用されているとき、前記スリーブが中心軸(A)を中心に配置され、該中心軸が面(P)内にあり、前記複数の鳩目又はリング(該当する場合)が第3軸(E)に沿って延在し、該第3軸(E)の、該中心軸(A)を含む該面(P)への投射に対して、該第3軸が、該中心軸に対して平行な配置、又はほぼ平行な配置である、項目20〜29のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[41]
前記圧迫デバイスがリングを含み、該各リングが、前記スリーブと該リングとの間に延在するストラップによって取り付けられ、該リングが該スリーブの前記第2側辺縁に沿い、該側辺縁に隣接するか又は離間して、該第2側辺縁から反対向きに配置される、項目20〜40のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[42]
前記各リングが前記スリーブの前記第2側辺縁近くに側辺縁を有し、前記リングの該側辺縁が、前記スリーブの第2側辺縁に隣接して配置されるか、あるいは、最大4cm、特に最大3cmの距離で該第2側辺縁から離間して配置される、項目41に記載の圧迫デバイス。
[43]
前記各ストラップが、少なくとも1cm、具体的には少なくとも2cm、より具体的には少なくとも3cmの、前記スリーブの前記横断方向に対する高さを有する、項目41又は42に記載の圧迫デバイス。
[44]
前記各ストラップが、最大10cm、具体的には最大8cm、より具体的には最大6cmの、前記スリーブの前記横断方向に対する高さを有する、項目41〜43のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[45]
前記ストラップの間の前記隙間の高さが、0.3mm〜7cm(両端の値を含む)の範囲、具体的には0.3mm〜3cm(両端の値を含む)の範囲、より具体的には0.5mm〜2cmの範囲である、項目41〜44のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[46]
前記スリーブ及び前記締結タブが、使用中に、前記締結タブを前記鳩目又はリング(該当する場合)に通し、折り返して締結したときに、前記第1側辺縁が前記スリーブの前記第2側辺縁に向かって引っ張られるが、前記スリーブの2つの前記側辺縁は重なり合わないように、構成及び配列される、項目1〜18又は項目20〜45のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[47]
前記デバイスが舌部を更に含み、ここにおいて、使用中に、該舌部が前記スリーブの前記第1及び第2側縁辺に隣接しかつこれらに沿って延在するよう概ね中央に配置され、これによって、該舌部が、前記ユーザーと、前記スリーブの前記第1及び第2側辺縁の間に画定される開口部との間に配置され、これによって、該舌部が前記鳩目又はリング(該当する場合)の下に敷かれるよう、該舌部が前記スリーブに対して構成及び配置される、項目1〜18又は項目20〜46のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[48]
前記舌部が、実質的にその幅及び長さにわたって延在する単一の補剛材か、又は長さ方向に延在する1本以上の細長い補剛材を含む、項目47に記載の圧迫デバイス。
[49]
前記舌部がフォームを含み、具体的には形状記憶フォーム、より具体的には高密度形状記憶フォームを含む、項目47又は48に記載の圧迫デバイス。
[50]
前記舌部がフォーム層を含み、具体的には0.5mm〜10mm(両端の値を含む)の厚さを有するフォーム層、より具体的には2mm〜6mm(両端の値を含む)の厚さを有するフォーム層を含む、項目49に記載の圧迫デバイス。
[51]
前記各締結タブが、少なくとも6cmの、前記スリーブの前記横断方向に対する幅を有し、かつ/又は、前記各締結タブが、最大25cmの、前記スリーブの前記横断方向に対する幅を有する、項目1〜50のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[52]
前記締結タブが、前記第1側辺縁を横切って延在し、特に、該締結タブは、第1側辺縁から少なくとも2cm外側に延出する、項目1〜51のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[53]
前記各締結タブが、少なくとも1cm、具体的には少なくとも2cm、より具体的には少なくとも3cmの、前記スリーブの前記横断方向に対する高さを有し、かつ/又は、該各締結タブが、最大10cm、具体的には最大10cm、より具体的には最大6cmの、前記スリーブの前記横断方向に対する高さを有する、項目1〜52のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[54]
前記締結タブの前記内側タブ部分の前記第2主表面が、前記機械的締結システムの前記相補的部分を含む、項目1〜53のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[55]
前記締結タブの前記遠位端部分の前記第2主表面が、フック、ステム、及び/又はカップ形締結具(タブ締結具)を備えており、前記締結タブの前記近位端部分の前記第2主表面が、前記締結具が係合するよう適合された構造を有するか、又はこれを備えている、項目1〜54のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[56]
前記締結タブの前記内側タブ部分の前記第2主表面が、前記締結具が係合するよう適合された構造を有するか、又はこれを備えている、項目54に従属する項目55に記載の圧迫デバイス。
[57]
前記締結タブの前記近位端部分の前記第1主表面が、フック、ステム、及び/又はカップ形締結具(第2タブ締結具)を備えており、前記スリーブの前記第1側辺領域の前記外側表面が、該第2タブ締結具が係合するよう適合された構造を有するか、又はこれを備えており、前記締結タブの前記近位端部分の前記第1主表面が前記スリーブの前記第1側辺領域の前記外側表面に、着脱可能に取り付けられている、項目1〜56のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[58]
前記締結タブの前記遠位端部分の前記第2主表面の前記タブ締結具が、第1タブ締結具であり、前記スリーブの前記第1側辺領域の前記外側表面が、該第1タブ締結具及び前記第2タブ締結具が係合するよう適合された構造を有するか、又はこれを備えている、項目55又は56のいずれかに従属する項目57に記載の圧迫デバイス。
[59]
前記スリーブの前記第1側辺領域がトリミング可能である、項目57又は58に記載の圧迫デバイス。
[60]
前記スリーブの前記第1側辺領域、前記中央領域及び前記第2側辺領域が、前記第2タブ締結具及びストラップ締結具が係合するよう適合された構造を有するか、又はこれを備えている、項目19に直接的又は間接的に従属する項目57〜59のいずれかに記載の圧迫デバイス。
[61]
前記スリーブの前記第1及び第2側辺領域がトリミング可能である、項目60に記載の圧迫デバイス。
[62]
ユーザーの肢部に、項目1〜61のいずれかに記載の圧迫デバイスを適用する方法であって、該方法が、
a)該ユーザーの該肢部の周囲に前記スリーブを配置する工程と、
b)前記各締結タブを、相対する鳩目又はリング(該当する場合)に通す工程と、
c)前記各締結タブを折り返す工程と、
d)前記締結タブを引っ張ることにより、前記スリーブの前記第1側辺縁が、該鳩目又はリング(該当する場合)に向かって引っ張られる工程と、
e)前記締結タブが引っ張られ、前記ストラップの前記伸張可能な部分又は襞折り(該当する場合)が、前記ループ材料が完全に平らになる程度まで伸張したときに、前記締結タブを締結する工程と、を含む方法。