特許第6563826号(P6563826)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563826
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 35/00 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
   B65G35/00 B
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-10888(P2016-10888)
(22)【出願日】2016年1月22日
(65)【公開番号】特開2017-128437(P2017-128437A)
(43)【公開日】2017年7月27日
【審査請求日】2018年4月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】594133456
【氏名又は名称】株式会社アラキ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100129861
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 滝治
(72)【発明者】
【氏名】竹内 定
(72)【発明者】
【氏名】加藤 浩志
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−128305(JP,A)
【文献】 実開昭56−163061(JP,U)
【文献】 実開昭62−176072(JP,U)
【文献】 特開昭63−176767(JP,A)
【文献】 特開2005−162475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 35/00−35/08
B65G 1/00−1/133;1/14−1/20
B65G 17/00−17/48
B61B 9/00
B66F 19/00
B66B 1/00−20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直区間、曲線区間、水平区間、が連続する搬送レールと、
前記搬送レールの外側であって前記水平区間と反対側にある外側プーリーと、
前記曲線区間の内側であって前記水平区間と同じ側にある内側プーリーと、
前記外側プーリーに架け渡されたワイヤであって、該ワイヤの一部は前記垂直区間に並行して延び、該ワイヤの他部は前記水平区間に並行して延びているワイヤと、
前記ワイヤの前記一部の端部に取り付けられたカウンターウェイトと、
前記搬送レールに沿って搬送され、動滑車と被搬送物支持材を備えた搬送台車と、を備え、
前記搬送台車が前記水平区間から前記曲線区間に移動する際に前記動滑車が前記ワイヤの前記他部に接触するとともに前記外側プーリーと前記内側プーリーとの間を通過し、前記ワイヤの前記他部が前記内側プーリーに接触し
前記動滑車が前記外側プーリーと前記内側プーリーとに架け渡された状態の前記ワイヤに接触しながら該搬送台車が該曲線区間から前記垂直区間に移動することによって該動滑車にて該ワイヤを該搬送台車の移動方向に引っ張って前記カウンターウェイトを持ち上げる、搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は垂直区間、曲線区間、水平区間、が連続する搬送レールに沿って被搬送物を搬送する搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
垂直区間、曲線区間、水平区間、が連続する搬送レールに沿って被搬送物を搬送する従来の搬送装置において、特に垂直区間で被搬送物を搬送する場合には被搬送物を駆動モータにて直接引き上げている。
【0003】
そのため、この引き上げの際には大きな推力を要し、さらには、駆動モータに加えて減速機等を使用することから搬送速度が遅くなり、これが水平区間の搬送速度を遅くする要因にもなっていた。
【0004】
ここで、特許文献1には、ハンガーが吊り下げられるハンガー保持部材を搬送する無端の搬送路を有し、この搬送路は、下側水平搬送部、左側昇降搬送部、上側水平搬送部、および右側昇降搬送部が順に連続して構成されており、各搬送部が多数のスプロケットを備え、各スプロケットに無端のチェーンコンベアが張装され、駆動モータにて各スプロケットを回転させてチェーンコンベアを移動させ、ハンガー保持部材を搬送する衣類用ハンガーの立体収納装置が開示されている。
【0005】
特許文献1に記載の衣類用ハンガーの立体収納装置によっても、駆動モータにてハンガー保持部材を搬送することから、昇降搬送部(垂直区間)や水平搬送部(水平区間)での搬送速度が遅くなるといった課題を解消することはできない。
【0006】
そこで、駆動モータを使用せず、カウンターウェイトの荷重を利用して被搬送物を搬送する搬送装置が考えられる。この搬送装置を図3を参照して説明する。
【0007】
図3で示す搬送装置DVは、垂直区間R1、曲線区間R2、水平区間R3、が連続する搬送レールRと、鉛直フレームF1とプーリーRO1,RO2が取り付けられた水平フレームF2とからなる架台と、搬送レールRに沿って搬送され、被搬送物を支持する被搬送物支持材Bを備えた搬送台車Dと、から大略構成されている。
【0008】
搬送レールRの側方には該搬送レールRの線形上に多数のプーリーRO’が配設され、ワイヤWは多数のプーリーRO’に張設され、プーリーRO1を介し、水平フレームF2を介し、プーリーRO2を介して延びてその一端にカウンターウェイトCが取り付けられており、ワイヤWの他端は搬送台車Dに取り付けられている。なお、ワイヤWはチェーンであってもよい。
【0009】
カウンターウェイトCが下方に降下することで(Y1方向)、搬送台車Dが搬送レールRに沿って垂直区間R1から曲線区間R2、さらに水平区間R3へと搬送され(Y2方向)、搬送台車Dに取り付けられた被搬送物支持材Bにて支持された被搬送物を、所定場所まで搬送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平7−284600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図3で示す搬送装置DVでは、同図からも明らかなように、カウンターウェイトCと搬送台車Dを繋ぐワイヤWが複雑な経路をたどる必要があり、構造的に複雑な装置となってしまう。
【0012】
また、搬送レールRの線形に沿うように配設された多数のプーリーRO’は搬送台車Dと干渉しないように搬送レールRから所定距離オフセットした位置に配設される必要があることからも、搬送装置DVは構造的に複雑な装置となってしまう。
【0013】
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、簡易な構造で、垂直区間、曲線区間、水平区間、が連続する搬送レールに沿って被搬送物を搬送することのできる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成すべく、本発明による搬送装置は、垂直区間、曲線区間、水平区間、が連続する搬送レールと、前記搬送レールの外側であって前記水平区間と反対側にある外側プーリーと、前記曲線区間の内側であって前記水平区間と同じ側にある内側プーリーと、前記外側プーリーに架け渡されたワイヤであって、該ワイヤの一部は前記垂直区間に並行して延び、該ワイヤの他部は前記水平区間に並行して延びているワイヤと、前記ワイヤの前記一部の端部に取り付けられたカウンターウェイトと、前記搬送レールに沿って搬送され、動滑車と被搬送物支持材を備えた搬送台車と、を備え、前記搬送台車が前記水平区間から前記曲線区間に移動する際に前記動滑車が前記ワイヤの前記他部に接触するようになっており、該搬送台車が該曲線区間から前記垂直区間に移動する際に該動滑車にて該ワイヤを該搬送台車の移動方向に引っ張って前記カウンターウェイトを持ち上げるようになっているものである。
【0015】
本発明による搬送装置は、搬送レールの外側に外側プーリー、内側に内側プーリーを備え、カウンターウェイトが一端に取り付けられたワイヤが外側プーリーを介して搬送レールの水平区間に沿って延びていて、搬送台車が水平区間から曲線区間に移動する際に搬送台車の備えた動滑車がワイヤと接触(キャッチ)し、搬送台車が曲線区間から垂直区間に移動する際に動滑車にてワイヤを引っ張ってカウンターウェイトを持ち上げることにより、垂直区間における走行台車の降下速度を緩和する点に特徴を有する装置である。
【0016】
すなわち、走行台車が垂直区間を降下する際に、カウンターウェイトの重量が重量補助の役割を果たし、走行台車等の重量によって降下する際の速度を適度な速度に調整することが可能になる。
【0017】
ここで、曲線区間の内側に配設される内側プーリーは、動滑車がワイヤを緩やかな角度でキャッチできるような位置に1つもしくは2つ以上配設されているのが好ましい。
【0018】
このように動滑車がワイヤを緩やかな角度でキャッチできると、このキャッチの際に動滑車からワイヤに対して衝撃的な荷重が作用するのが解消される。
【発明の効果】
【0019】
以上の説明から理解できるように、本発明の搬送装置によれば、垂直区間、曲線区間、水平区間、が連続する搬送レールの外側に外側プーリー、内側に内側プーリーを備え、カウンターウェイトが一端に取り付けられたワイヤが外側プーリーを介して搬送レールの水平区間に沿って延びていて、搬送台車が水平区間から曲線区間に移動する際に搬送台車の備えた動滑車がワイヤと接触し、搬送台車が曲線区間から垂直区間に移動する際に動滑車にてワイヤを引っ張ってカウンターウェイトを持ち上げることにより、垂直区間における走行台車の降下速度を適度な速度に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の搬送装置の実施の形態を示した模式図である。
図2】(a)、(b)、(c)の順に、水平区間を搬送された搬送台車が曲線区間から垂直区間に移動することを説明した図である。
図3】カウンターウェイトにて搬送台車が搬送レールに沿って搬送される従来の搬送装置を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の搬送装置の実施の形態を説明する。なお、図示する搬送装置では曲線区間に2つの内側プーリーが配設されているが、内側プーリーは1つであっても3つ以上であってもよいことは勿論のことである。
【0022】
(搬送装置の実施の形態)
図1は本発明の搬送装置の実施の形態を示した模式図である。
【0023】
図1で示すように、搬送装置10は、垂直区間1A、曲線区間1B、水平区間1C、が連続する搬送レール1と、搬送レール1の外側であって水平区間1Cと反対側にある外側プーリー2Aと、曲線区間1Bの内側であって水平区間1Cと同じ側にある内側プーリー2Bと、外側プーリー2Aに架け渡されたワイヤ3と、ワイヤ3の端部に取り付けられたカウンターウェイト4と、搬送レール1に沿って搬送される搬送台車5と、から大略構成されている。
【0024】
ワイヤ3は、外側プーリー2Aに架け渡され、ワイヤの一部3Aは垂直区間1Aに並行して延び、ワイヤの他部3Bは水平区間1Cに並行して延びている。
【0025】
より具体的には、ワイヤの他部3Bは曲線区間1Bの途中を横切り、水平区間1Cの下方位置で水平区間1Cに並行して延びている。
【0026】
搬送台車5には回動竿5aが固定されており、回動竿5aには不図示の被搬送物を支持(もしくは収容)する被搬送物支持材6が回動自在に取り付けられている。
【0027】
さらに、搬送台車5の上部には動滑車5bが備えてある。
【0028】
次に、図2を参照して、搬送台車5が水平区間1Cから曲線区間1Bを経て垂直区間1Aに搬送される際の搬送装置10の作用を説明する。ここで、図2は(a)、(b)、(c)の順に、水平区間を搬送された搬送台車が曲線区間から垂直区間に移動することを説明した図である。
【0029】
図2(a)で示すように、搬送台車5は曲線区間1Bを目指して水平区間1Cを搬送される(X1方向)。
【0030】
次に、図2(b)で示すように、搬送台車5が曲線区間1Bに入った段階で、曲線区間1Bの内側に配設された2つの内側プーリー2Bに案内されるように傾斜し、この傾斜の過程で水平区間1Cの下方にて当該水平区間1Cに並行に延びているワイヤの他部3Bと動滑車5bが接触する(キャッチする)。
【0031】
動滑車5bがワイヤの他部3Bと接触した後、搬送台車5が曲線区間1Bをさらに移動することでワイヤの一部3Aの端部に取り付けられていたカウンターウェイト4が持ち上げられる(Z1方向)。
【0032】
ここで、曲線区間1Bの内側に配設された2つの内側プーリー2Bにより、動滑車5bがワイヤ3を緩やかな角度でキャッチすることが可能になる。言い換えれば、動滑車5bがワイヤ3を緩やかな角度でキャッチできるような位置に図示する2つの内側プーリー2Bが配設されている。
【0033】
このように動滑車5bがワイヤ3を緩やかな角度でキャッチすることにより、この動滑車5bによるキャッチの際に動滑車5bからワイヤ3に対して衝撃的な荷重が作用するのが解消される。
【0034】
次に、図2(c)で示すように、搬送台車5が曲線区間1Bを通過して垂直区間1Aに移動することにより(X2方向)、搬送台車5の降下にともなってカウンターウェイト4がさらに持ち上げられる(Z1方向)。
【0035】
このように、動滑車5bがワイヤ3と接触(キャッチ)し、搬送台車5が曲線区間1Bから垂直区間1Aに移動する際に動滑車5bにてワイヤ3を引っ張ってカウンターウェイト4を持ち上げることにより、垂直区間1Aにおける搬送台車5の降下速度を緩和することができる。
【0036】
また、図示を省略するが、搬送台車5が垂直区間1Aを上昇して曲線区間1Bに移動する際には、図2(c)で示すカウンターウェイト4を降下させることにより、搬送台車5を垂直区間1Aに沿ってスムーズに上昇させることができる。
【0037】
なお、図2(a)〜(c)で示すように、搬送台車5の回動竿5aに対して被搬送物支持材6が回動自在に取り付けられていることから、搬送台車5が搬送レール1のいずれの区間にある場合でも被搬送物支持材6の姿勢を一定に保持することができ、被搬送物支持材6で支持された被搬送物を一定の姿勢で支持することができる。
【0038】
搬送装置10によれば、簡易な装置構造で、垂直区間1A、曲線区間1B、水平区間1C、が連続する搬送レール1に沿って被搬送物をスムーズに搬送することが可能になる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0040】
1…搬送レール、1A…垂直区間、1B…曲線区間、1C…水平区間、2A…外側プーリー、2B…内側プーリー、3…ワイヤ、3A…ワイヤ(の一部)、3B…ワイヤ(の他部)、4…カウンターウェイト、5…搬送台車、5a…回動竿、5b…動滑車、6…被搬送物支持材、10…搬送装置
図1
図2
図3