(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、固有の識別情報を記憶する情報記憶部を備え、前記画像形成部に装着されている交換可能部品と、異常の発生を検出するエラー検出部と、前記異常に関するエラー表示の内容を示す第1のエラーコードと、前記第1のエラーコードと異なるエラー表示の内容を示す第2のエラーコードと、前記第1のエラーコード及び前記第2のエラーコードのいずれとも異なり、エラー表示の内容を示す第3のエラーコードとを記憶するエラーコード記憶部とを備えた画像形成装置における、エラー報知方法であって、
前記交換可能部品が第1種別であるか第2種別であるかを示す検出結果を判定情報記憶部に蓄積するステップと、
前記情報記憶部に記憶されている前記識別情報から前記交換可能部品が前記第1種別であるか前記第2種別であるかを判定するステップと、
前記エラー検出部が前記異常を検出したときに前記交換可能部品が前記第1種別である場合には前記第1のエラーコードの内の前記異常に対応する内容を示す第1の報知信号を出力し、前記エラー検出部が前記異常を検出したときに前記交換可能部品が前記第2種別である場合には前記第2のエラーコードの内の前記異常に対応する内容を示す第2の報知信号を出力するステップと、
前記エラー検出部が前記異常を検出したときに前記交換可能部品が前記第1種別であり且つ前記検出結果に基づいて前記第2種別である前記交換可能部品が過去に使用されたと判定した場合には、前記第1の報知信号に代えて前記第3のエラーコードに基づく第3の報知信号を出力するステップと
を有することを特徴とするエラー報知方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、異常の内容を示すメッセージは、画像形成装置の状況(例えば、交換可能部品が純正品であるか否か)を反映していないため、メッセージを受け取った保守担当者は、異常の原因を正確に特定することができず、対処方法(保守又は修理の方法)を適切に決定できない場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、通知されたエラー情報から、発生した異常に対する対処方法を適切に決定することができる画像形成装置及びエラー報知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る画像形成装置は、記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、固有の識別情報を記憶する情報記憶部を備え、前記画像形成部に装着されている交換可能部品と、異常の発生を検出するエラー検出部と、前記異常に関するエラー表示の内容を示す第1のエラーコードと、前記第1のエラーコードと異なるエラー表示の内容を示す第2のエラーコードと
、前記第1のエラーコード及び前記第2のエラーコードのいずれとも異なり、エラー表示の内容を示す第3のエラーコードとを記憶するエラーコード記憶部と、
前記交換可能部品が第1種別であるか第2種別であるかを示す検出結果を蓄積する判定情報記憶部と、前記情報記憶部に記憶されている前記識別情報から前記交換可能部品が
前記第1種別であるか
前記第2種別であるかを判定し、前記エラー検出部が前記異常を検出したときに前記交換可能部品が前記第1種別であ
り且つ交換前の前記交換可能部品が前記第1種別であることを示す前記検出結果が蓄積されている場合には前記第1のエラーコードの内の前記異常に対応する内容を示す第1の報知信号を出力し、前記エラー検出部が前記異常を検出したときに前記交換可能部品が前記第2種別である場合には前記第2のエラーコードの内の前記異常に対応する内容を示す第2の報知信号を出力する制御部と、を備え
、前記制御部は、前記エラー検出部が前記異常を検出したときに前記交換可能部品が前記第1種別であり且つ前記検出結果に基づいて前記第2種別である前記交換可能部品が過去に使用されたと判定した場合には、前記第1の報知信号に代えて前記第3のエラーコードに基づく第3の報知信号を出力することを特徴とする。
【0007】
本発明の他の態様に係るエラー報知方法は、記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、固有の識別情報を記憶する情報記憶部を備え、前記画像形成部に装着されている交換可能部品と、異常の発生を検出するエラー検出部と、前記異常に関するエラー表示の内容を示す第1のエラーコードと、前記第1のエラーコードと異なるエラー表示の内容を示す第2のエラーコードと
、前記第1のエラーコード及び前記第2のエラーコードのいずれとも異なり、エラー表示の内容を示す第3のエラーコードとを記憶するエラーコード記憶部とを備えた画像形成装置における、エラー報知方法であって、
前記交換可能部品が第1種別であるか第2種別であるかを示す検出結果を判定情報記憶部に蓄積するステップと、前記情報記憶部に記憶されている前記識別情報から前記交換可能部品が
前記第1種別であるか
前記第2種別であるかを判定するステップと、前記エラー検出部が前記異常を検出したときに前記
交換可能部品が前記第1種別であ
り且つ前記検出結果に基づいて前記第2種別である前記交換可能部品が過去に使用されていないと判定した場合には前記第1のエラーコードの内の前記異常に対応する内容を示す第1の報知信号を出力し、前記エラー検出部が前記異常を検出したときに前記
交換可能部品が前記第2種別である場合には前記第2のエラーコードの内の前記異常に対応する内容を示す第2の報知信号を出力するステップと、
前記エラー検出部が前記異常を検出したときに前記交換可能部品が前記第1種別であり且つ前記検出結果に基づいて前記第2種別である前記交換可能部品が過去に使用されたと判定した場合には、前記第1の報知信号に代えて前記第3のエラーコードに基づく第3の報知信号を出力するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、通知されたエラー情報から、発生した異常に対する対処方法を適切に決定することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
《1》実施の形態1の構成
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の構成を示す概略側面図である。
図1に示されるように、画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の現像剤(トナー)により記録媒体上に画像を形成(印刷)することができる電子写真方式のカラープリンタである。画像形成装置1は、記録媒体積載部としての用紙カセット20と、記録媒体取出し部としてのホッピングローラ21と、記録媒体搬送部としての搬送ローラユニット22と、記録媒体検出部としての用紙位置検出センサ73と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する4つの画像形成部11(11Y,11M,11C,11K)とを備えている。また、画像形成装置1は、中間転写部としての中間転写ベルト60と、ベルト駆動部としての駆動ローラ61,62と、一次転写部としての一次転写ローラ63(63Y,63M,63C,63K)と、二次転写部としての二次転写ローラ81と、定着部としての定着ユニット24と、記録媒体排出部としての排出ローラ対26とを備えている。なお、本実施の形態では、画像形成装置1がカラープリンタである場合を説明するが、本発明は、モノクロプリンタ、複写機、ファクシミリ装置などの他の種類の画像形成装置にも適用可能である。
【0011】
用紙カセット20は、内部に複数枚の記録媒体(用紙)90を堆積させた状態で記録媒体90を収納する。ホッピングローラ21は、回転することにより用紙カセット20に収納された記録媒体90を1枚ずつ分離して取り出す。搬送ローラユニット22は、ホッピングローラ21により取り出された記録媒体90を引き出してD1方向に搬送する。用紙位置検出センサ73は、搬送ローラユニット22により搬送された記録媒体90の先端を検知する。
【0012】
印刷部としての画像形成部11(11Y,11M,11C,11K)は、静電潜像を担持する感光体ドラム51(51Y,51M,51C,51K)と、感光体ドラム51を露光する露光装置としての発光素子アレイ(発光素子プリントヘッド)であるLED(Light Emitting Diode)アレイ15(15Y,15M,15C,15K)と、感光体ドラム51の表面を一様に帯電させる帯電ローラ52(52Y,52M,52C,52K)とを備えている。また、画像形成部11(11Y,11M,11C,11K)は、LEDアレイ15の露光により感光体ドラム51の表面に形成された静電潜像に現像剤としてのトナーを供給して、静電潜像を現像する現像剤担持体としての現像ローラ53(53Y,53M,53C,53K)と、トナーを貯蔵する現像剤補給部としてのトナーカートリッジ54(54Y,54M,54C,54K)と、トナーカートリッジ54に貯蔵されているトナーを現像ローラ53に供給する現像剤供給部材としての供給ローラ55(55Y,55M,55C,55K)と、現像ローラ53上のトナー層の厚さを規制する現像剤規制部材としての現像ブレード56(56Y,56M,56C,56K)と、感光体ドラム51に残留したトナーを掻き取るクリーニングブレード58(58Y,58M,58C,58K)とを備えている。画像形成部11(11Y,11M,11C,11K)は、感光体ドラム51(51Y,51M,51C,51K)に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を形成する。なお、画像形成部11Y,11M,11C,11Kは、現像するトナーの色が異なる点を除いて、互いに同じ構成を有する。
【0013】
駆動ローラ61,62は、無端状の中間転写ベルト60を張架するとともに、回転して中間転写ベルト60をD2方向に移動させる。一次転写ローラ63(63Y,63M,63C,63K)は、中間転写ベルト60を挟んで感光体ドラム51(51Y,51M,51C,51K)に対向して配置され、感光体ドラム51(51Y,51M,51C,51K)上に形成されたトナー像(現像剤像)を中間転写ベルト60上に転写する。
【0014】
中間転写ベルト60は、画像形成部11Y,11M,11C,11Kに対向して配置され、中間転写ベルト60上に転写された4色のトナー像からなるカラー画像を搬送する。濃度検出部としての濃度センサ64は、中間転写ベルト60上の画像濃度を検出する。濃度センサ64は、例えば、赤外光を出射する赤外LEDと2つの受光素子(フォトダイオード)とを有し、2つのフォトダイオードのうちの一方は、トナー像の鏡面反射光を受光する位置に配置され、2つのフォトダイオードのうちの他方は、拡散反射光を受光する位置に配置される。二次転写ローラ81は、中間転写ベルト60上に転写されたトナー像を記録媒体90に転写する。
【0015】
定着ユニット24は、加熱ローラ71及び加圧ローラ72を有する。加熱ローラ71及び加圧ローラ72により記録媒体90に転写されたトナー像を加熱及び加圧して、記録媒体90にトナー像を定着させる。排出ローラ対26は、定着ユニット24によりトナー像が定着された記録媒体90を搬送し、装置外へ排出する。
【0016】
図2は、実施の形態1に係る画像形成装置1の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
図2に示されるように、画像形成装置1は、印刷制御部30と、インタフェイス部32と、操作入力部33と、ROM(Read Only Memory)35及びRAM(Random Access Memory)36を有する記憶部としてのメモリ34と、主制御部としてのCPU(Central Processing Unit)37と、各種センサ38とを有している。また、画像形成装置1は、プロセス制御部40と、現像ローラ53に印加する電圧を制御する現像電圧制御部41と、供給ローラ55に印加する電圧を制御する供給電圧制御部42と、現像ブレード56に印加する電圧を制御する層形成電圧制御部43と、帯電ローラ52に印加する電圧を制御する帯電電圧制御部44と、LEDアレイ15(15Y,15M,15C,15K)を制御する露光制御部48と、感光体ドラムモータ50を制御するモータ制御部46とを含んでいる。インタフェイス部32は、情報入力手段としての上位装置31から印刷データ及び制御命令(制御コマンド)を受信する。上位装置31は、ネットワーク上のパーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯電話などの装置である。画像形成装置1は、後述する第1の報知信号又は第2の報知信号をネットワーク上の他の装置に送信する通信部をさらに備えていてもよい。
【0017】
印刷制御部30は、インタフェイス部32を介して受信した印刷データ及び制御命令に基づいて画像形成装置1の印刷動作を制御する。操作入力部33は、例えば、操作者の入力操作を受け付ける操作ボタン等の入力手段及びディスプレイ等の表示部を備えた操作パネル(タッチパネル)である。ただし、操作入力部33において、入力手段と表示部とは、分離された別個の構成であってもよい。
【0018】
ROM35は、画像形成装置1全体の動作の制御及び処理を行うための制御プログラム(ソフトウェア)及び制御データ等を記憶する。RAM36は、制御プログラムの実行に伴って生成される各種情報を一時的に記憶する。なお、本実施の形態では、ROM35は、書き換え可能なフラッシュROM等であってもよい。
【0019】
CPU37は、メモリ34のROM35に格納された制御プログラムに基づいて画像形成装置1全体の動作の制御及び各種処理を行う。また、メモリ34は、エラーコードを記憶するエラーコード記憶部であってもよい。各種センサ38は、
図1に示される用紙位置検出センサ73を含み、記録媒体90(記録媒体の位置)を検出する。
【0020】
濃度センサ64は、中間転写ベルト60上の画像濃度を検出するセンサである。濃度センサ64などのセンサは、エラー検出部の一部を構成する。プロセス制御部40は、印刷制御部30からの指示に基づいて各ローラへ印加する電圧の制御を行う。現像電圧制御部41は、現像部57内の現像ローラ53に印加する電圧(現像電圧)を制御し、供給電圧制御部42は、現像部57内の供給ローラ55に印加する電圧(供給電圧)を制御する。層形成電圧制御部43は、現像部57内の現像ブレード56に印加する電圧を制御し、帯電電圧制御部44は、帯電ローラ52に印加する電圧(帯電電圧)を制御する。
【0021】
露光制御部48は、印刷データに応じてLEDアレイ15(15Y,15M,15C,15K)の露光動作を制御する。印刷データは、例えば、上位装置31からインタフェイス部32を介して受信される。
【0022】
モータ制御部46は、駆動力発生部としての感光体ドラムモータ50を制御し、
図1に示される感光体ドラム51を回転駆動する。
図1に示される感光体ドラム51、現像ローラ53、供給ローラ55の一方の端部(
図1が描かれている紙面に垂直な方向のローラ支軸の端部)には、駆動力を伝達する駆動力伝達機構としてのギヤが備えられており、現像ローラ53及び供給ローラ55のギヤが感光体ドラム51のギヤと噛合うことにより、現像ローラ53及び供給ローラ55は、駆動力発生部としての感光体ドラムモータ50により回転駆動力を受け取る。ただし、現像ローラ53及び供給ローラ55を回転させる駆動力は、他の駆動力発生部から受け取る構造であってもよい。
【0023】
なお、インタフェイス部32、操作入力部33、メモリ34、CPU37、及び各種センサ38は、印刷制御部30と接続され、印刷制御部30へ信号を出力し、また、プロセス制御部40、現像電圧制御部41、供給電圧制御部42、層形成電圧制御部43、帯電電圧制御部44、及びモータ制御部46は、印刷制御部30と接続され、印刷制御部30から出力される指令信号を受けて動作する。
【0024】
図3は、実施の形態1に係る画像形成装置1おける画像形成部11(11Y,11M,11C,11K)の構成を概略的に示す図である。
図3において、画像形成部11は、現像電圧制御部41に接続され、印刷制御部30は、濃度センサ64の検出値に基づいて現像電圧制御部41に指令信号を出力する。画像形成部11は、静電潜像を担持する静電潜像担持体としての感光体ドラム51と、LEDアレイ15と、帯電ローラ52と、現像ローラ53と、ユーザーによって交換可能な交換可能部品であるトナーカートリッジ54と、供給ローラ55と、現像ブレード56と、クリーニングブレード58とを備える。また、画像形成部11は、画像形成装置1本体から着脱可能(ユーザーによって交換可能)な印刷ユニット(画像形成ユニット)10と、LEDアレイ15とから構成されてもよい。この場合、画像形成ユニット10は、感光体ドラム51と、帯電ローラ52と、現像ローラ53と、トナーカートリッジ54と、供給ローラ55と、現像ブレード56と、クリーニングブレード58とを有する。
【0025】
感光体ドラム51は、表面に静電潜像が形成され、
図2に示される感光体ドラムモータ50の駆動によりD3方向に回転する。帯電ローラ52は、帯電電圧制御部44の制御により所定の電圧が印加され、感光体ドラム51の表面を一様に帯電させる。
【0026】
複数のLEDを有するLEDアレイ15は、感光体ドラム51の表面に対向して配置され、印刷データに基づいて複数のLEDを選択的に発光させて、感光体ドラム51の表面に選択的に光を照射し、感光体ドラム51の表面を露光し、静電潜像を形成する。トナーカートリッジ54は、現像剤としてのトナーを貯蔵し、そのトナーは、記録媒体に可視像を描くために使用される。本実施の形態におけるトナーは、ポリエステル樹脂、着色剤、帯電制御剤、及び離型剤を含み、外添剤(疎水シリカ)が添加されている。また、本実施の形態におけるトナーは、例えば、粉砕法により得られた粉砕形状の平均粒径8μmの現像剤である。
【0027】
現像ローラ53は、感光体ドラム51上に形成された静電潜像にトナーを現像し、金属製のシャフトの外周に弾性体が取り付けられて構成される。例えば、現像ローラ53は、金属製のシャフトに弾性体としてのゴム硬度70°(アスカーC)の半導電性のウレタンゴムを用いて構成される。供給ローラ55は、トナーカートリッジ54に貯蔵されたトナーを現像ローラ53に供給する。現像ブレード56は、現像ローラ53上にトナー層を一定の層厚に規制する。
【0028】
クリーニングブレード58は、記録媒体90に転写されずに感光体ドラム51上に残留したトナーを取り除く。なお、トナーカートリッジ54は、画像形成ユニット10から取り外して交換可能な交換可能部品である。
【0029】
図4は、トナーカートリッジ交換時の制御部301の処理の一例を示す図である。制御部301は、
図2における印刷制御部30、CPU37、メモリ34、及びプロセス制御部40を含む。インタフェイス(I/F)部32は、上位装置(ホスト装置)31からの印刷データを受信する。画処理部303は、I/F部32を介して受信された印刷データを解析する。算出部304は、画処理部303で解析された印刷データに基づき消費されるトナー量を算出する。統計記憶部305は、算出部304で算出されたトナー消費量の累計を記憶する。プロセス制御部40は、画処理部303から受け取ったデータに基づいて画像形成を行うための制御動作を行う。入力制御部307は、操作入力部(
図2における33)からの操作者の入力に基づいて、表示画面に情報を表示する。情報記憶部としての消耗品情報記憶部308は、トナーカートリッジ54に搭載され、トナーカートリッジ54の識別情報である個別情報を記憶する。
【0030】
消耗品情報読取部309は、消耗品情報記憶部308の内容を読み取る。判定部310は、消耗品情報読取部309で読み取った情報から、装着されたトナーカートリッジ54が第1種別としての純正品であるか第2種別としての非純正品であるかを判定する。ここで、「純正品」とは、対象装置(対象製品)を製造販売する権限を有する者(例えば、製造会社及び販売会社など)によって、当該対象商品の部品として供給(販売、貸与を含む)される部品(消耗品を含む)を示す。「非純正品」とは、純正品以外の部品を示す。判定情報記憶部としての消耗品履歴記憶部311は、消耗品交換履歴を記憶する。消耗品交換履歴記憶部には、判定部310の判定結果も記憶される。
【0031】
モード切替部312は、操作入力部33の表示部に表示されるエラーコードを純正品のトナーカートリッジ54を実装したときの表示モード(第1のエラーコードを用いる表示モード)と、非純正品のトナーカートリッジ54を実装したときのモード(第2のエラーコードを用いる表示モード)のいずれかに切り替える。
【0032】
図5は、実施の形態1に係る画像形成装置1の記憶部(例えば、メモリ34)に記憶されているエラーコードの一例を表形式で示す図である。
図5において、比較例1〜3のコードは、メモリ34には記憶されていない参考用のデータ(従来の装置におけるデータ)である。比較例1〜3においては、トナーカートリッジ54が純正品である場合のエラーコードは、トナーカートリッジ54が非純正品である場合のエラーコードと同じである。また、
図5において、実施例11,12,21〜28,31,32のコードは、メモリ34には記憶されている本実施の形態におけるデータである。実施例11,12,21〜28,31,32においては、トナーカートリッジ54が純正品である場合のエラーコード(第1のエラーコード)は、トナーカートリッジ54が非純正品である場合のエラーコード(第2のエラーコード)とは異なる。
【0033】
図5の比較例1のエラーコードは、モード切替部がエラーコードの切替えを行うことが不可能な比較例1の画像形成装置によって記憶される。この装置に純正のトナーカートリッジを装着したときに表示される復旧不可能を示すエラーコードと、この装置に非純正のトナーカートリッジ54を装着したときに表示される復旧不可能を示すエラーコードとは、同じであり、エラー情報のメッセージ内容は互いに同じである。
【0034】
図5の実施例11及び12のエラーコードは、モード切替部312がエラーコードの切替えを行うことが可能な本実施の形態に係る画像形成装置1によって記憶される。この装置に純正のトナーカートリッジ54を装着したときに表示される復旧不可能を示すエラーコード(第1のエラーコード)と、この装置に非純正のトナーカートリッジ54を装着したときに表示される復旧不可能を示すエラーコード(第2のエラーコード)とは、異なり、エラー情報のメッセージ内容も互いに異なる。
【0035】
図5の比較例2のエラーコードは、モード切替部がエラーコードの切替えを行うことが不可能な比較例2の画像形成装置によって記憶される。この装置に純正のトナーカートリッジ54を装着したときに表示される復旧可能なエラーコードと、この装置に非純正のトナーカートリッジを装着したときに表示される復旧可能なエラーコードとは、同じであり、エラー情報のメッセージ内容は互いに同じである。
【0036】
図5の実施例21〜28のエラーコードは、モード切替部312がエラーコードの切替えを行うことが可能な本実施の形態に係る画像形成装置1によって記憶される。この装置に純正のトナーカートリッジ54を装着したときに表示される復旧可能なエラーコード(第1のエラーコード)と、この装置に非純正のトナーカートリッジ54を装着したときに表示される復旧可能なエラーコード(第2のエラーコード)とは、異なり、エラー情報のメッセージ内容も互いに異なる。
【0037】
図5の比較例3のエラーコードは、モード切替部がエラーコードの切替えを行うことが不可能な比較例3の画像形成装置によって記憶される。この装置に純正のトナーカートリッジ54を装着したときに表示されるエラーコードに含まれない注意情報であるワーニング信号と、この装置に非純正のトナーカートリッジ54を装着したときに表示されるエラーコードに含まれない注意情報であるワーニング信号とは、同じであり、メッセージ内容は互いに同じである。
【0038】
図5の実施例31,32のエラーコードは、モード切替部312がエラーコードの切替えを行うことが可能な本実施の形態に係る画像形成装置1によって記憶される。この装置に純正のトナーカートリッジ54を装着したときに表示されるエラーコードに含まれない注意情報であるワーニング信号と、この装置に非純正のトナーカートリッジ54を装着したときに表示されるエラーコードに含まれない注意情報であるワーニング信号とは、異なり、メッセージ内容も互いに異なる。
【0039】
《2》実施の形態1の動作
実施の形態1においては、制御部301は、消耗品情報記憶部308に記憶されている識別情報から交換可能部品としてのトナーカートリッジ54が純正品であるか非純正品であるかを判定し、エラー検出部としての濃度センサ64の検出値が異常であることを検出したときにトナーカートリッジ54が純正品である場合には、第1のエラーコードの内の異常に対応する内容を示す第1の報知信号(
図5の表の純正品の場合のエラーコードに基づく信号)を出力し、濃度センサ64の検出値が異常であることを検出したときにトナーカートリッジ54が非純正品である場合には、第2のエラーコードの内の異常に対応する内容を示す第2の報知信号(
図5の表の非純正品の場合のエラーコードに基づく信号)を出力する。
【0040】
図6は、実施の形態1に係る画像形成装置1における交換可能部品(例えば、消耗品)であるトナーカートリッジ54の、交換時の処理(エラー報知方法)を示すフローチャートである。制御部301において、消耗品情報読取部309により読み取られた、消耗品情報記憶部308の情報から、トナーカートリッジ54の交換が検出されたら(ステップS1においてYES)、判定部310は、装着されたトナーカートリッジ54が、純正品であるか否かを判定する(ステップS2)。装着されたトナーカートリッジ54が純正品である場合には(ステップS2においてYES)、モード切替部312は、操作入力制御部306のエラーコード表示モードを純正モードに設定する(ステップS3)。装着されたトナーカートリッジ54が非純正品であると判定された場合(ステップS2においてNO)には、モード切替部312は、操作入力制御部306のエラーコード表示モードを非純正モードに設定する。
【0041】
なお、
図6に示されるステップS2の処理は、以下の処理であってもよい。例えば、判定部310は、装着されたトナーカートリッジ54が、純正品であるか否かを判定し、且つ、装着されたトナーカートリッジ54が純正品であり、消耗品履歴記憶部311に記憶されている履歴情報から、交換直前のトナーカートリッジ54も純正品である場合にのみ、モード切替部312が、操作入力制御部306のエラーコード表示モードを純正モードに設定し、それ以外の場合には、モード切替部312は、操作入力制御部306のエラーコード表示モードを非純正モードに設定してもよい。
【0042】
《3》実施の形態1の効果
以上に説明したように、実施の形態1に係る画像形成装置1によれば、純正品のトナーカートリッジ54を装着したときにおけるエラー表示と、非純正品のトナーカートリッジ54を装着したときにおけるエラーコードとが異なるので、保守対応を受け付ける保守担当者(コールセンター)は、連絡を受けた時点でエラーコードを確認することで、エラーの原因を適切に把握することができる。
【0043】
また、連絡を受けた段階で、非純正品を使用している顧客には、有償対応になることを説明できるため、適切な保守サービスを提供することができる。
【0044】
なお、消耗品履歴記憶部311に、過去に使用された交換可能部品(消耗品)が純正品であったか、非純正品であったかの検出結果を蓄積しておき、現在は純正品の交換可能部品を使用しているが、過去に非純正品の交換可能部品を使用していた場合の、第3のエラーコード(第1及び第2のエラーコードのいずれとも異なる)に基づく報知信号の出力及び表示を行ってもよい。
【0045】
また、上記説明では、交換可能部品がトナーカートリッジ54である場合を説明したが、
図3に示される印刷ユニット10を上記交換可能部品とすることも可能である。
【0046】
《4》利用形態の説明
本実施の形態では、画像形成装置にトナーを用いた中間転写タイプのプリンタを例にして説明したが、トナーを使用して直接転写で現像を行うプリンタ、ファクシミリ、MFP(多機能周辺装置)にも対応可能である。また、本発明は、トナーの代わりにインクを用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ、MFPにも適応可能である。
【0047】
上記本実施の形態では、第1種別のトナーカートリッジを純正品のトナーカートリッジとし、第2種別のトナーカートリッジを非純正品のトナーカートリッジとして説明したが、第1種別のトナーカートリッジは、例えば、通常トナー搭載のトナーカートリッジであり、第2種別のトナーカートリッジは、例えば、高光沢度用トナー(定着マージンが狭い、或いは、軟化温度が低めであるトナー)搭載のトナーカートリッジ、及び低印字率用トナー(外添剤が多めに外添されるトナー)搭載のトナーカートリッジであってもよい。