特許第6563852号(P6563852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6563852地下貯水槽における貯水構造および貯水工法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563852
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】地下貯水槽における貯水構造および貯水工法
(51)【国際特許分類】
   E03B 11/14 20060101AFI20190808BHJP
   E03F 1/00 20060101ALI20190808BHJP
   B65D 88/16 20060101ALI20190808BHJP
   B65D 88/76 20060101ALI20190808BHJP
   B65D 90/00 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   E03B11/14
   E03F1/00 Z
   B65D88/16
   B65D88/76
   B65D90/00 K
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-97323(P2016-97323)
(22)【出願日】2016年5月13日
(65)【公開番号】特開2017-203351(P2017-203351A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2018年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006068
【氏名又は名称】三ツ星ベルト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 和久
(72)【発明者】
【氏名】松本 健史
(72)【発明者】
【氏名】井塲 道夫
【審査官】 荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−279737(JP,A)
【文献】 特開平10−025861(JP,A)
【文献】 特開2006−009565(JP,A)
【文献】 特開2002−309658(JP,A)
【文献】 特開2007−009509(JP,A)
【文献】 特開2007−056611(JP,A)
【文献】 特開2001−090121(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−0658971(KR,B1)
【文献】 韓国登録特許第10−1197024(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 1/00−11/16
E03F 1/00−11/00
B65D 88/00−90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水可能な間隙を有するブロック形状をした中詰材を、遮水シートで覆って貯水槽を形成する貯水工法であって、
前記中詰材の辺部分に、当該辺部分を覆う形状をし、且つ、前記遮水シートに接触する部分が平坦な形状をした、コーナー型物を配置し、
前記コーナー型物が配置された前記中詰材を前記遮水シートによって覆う際に、前記コーナー型物と前記遮水シートとを、接着又は熱融着により接合し、
更に、保護シートによって、前記遮水シートの外側を包み込むように施設する際に、前記保護シートと前記遮水シートとは接合しない、ことを特徴とする貯水工法。
【請求項2】
前記コーナー型物は、三又形状をしており、前記ブロック形状をした中詰材が有する頂点部分を覆うように配置される三又コーナー型物を含むことを特徴とする請求項1に記載の貯水工法。
【請求項3】
前記コーナー型物は、断面視L字形状をしており、前記ブロック形状をした中詰材が有する一つの辺の少なくとも一部を覆うように配置されるL字コーナー型物を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の貯水工法。
【請求項4】
貯水可能な間隙を有する、ブロック形状をした中詰材と、
前記中詰材を覆う遮水シートと、
前記中詰材の辺部分と前記遮水シートとの間に配置され、前記中詰材の辺部分を覆う形状をし、且つ、前記遮水シートに接触する部分が平坦な形状をした、コーナー型物と、
前記遮水シートの外側を包み込む、保護シートと、
を備え、
前記コーナー型物と前記遮水シートとは、接着又は熱融着により接合されており、
前記遮水シートと前記保護シートとは接合されていない、ことを特徴とする貯水構造。
【請求項5】
前記コーナー型物は、三又形状をしており、前記ブロック形状をした中詰材が有する頂点部分を覆うように配置される三又コーナー型物を含むことを特徴とする請求項に記載の貯水構造。
【請求項6】
前記コーナー型物は、断面視L字形状をしており、前記ブロック形状をした中詰材が有する一つの辺の少なくとも一部を覆うように配置されるL字コーナー型物を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の貯水構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば地上を駐車場や庭など別用途に利用しながら地下に雨水を貯めておくための貯水槽や貯水池などを設ける貯水構造及び貯水工法に関るものであり、詳しくは、より簡便に貯水槽を形成することができ、人件費の節約や工期の短縮ができるとともに人的な施工ミスを防止することができる貯水構造及び貯水工法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に地下に帯水層がない土地や、地下に自然の帯水層があっても帯水層を仕切るのが地質上、困難な場所など水資源の乏しい土地では、地下に人工的な貯水槽を形成して水資源を確保することが行われている。その他にも都市部で防火用水や工業用水を確保するために建物の地下や公園・駐車場の地下などに人工的な貯水スペースを有する貯水槽を設けて雨水が効率よく貯水槽に流れ込むようなシステムを作り上げている。このような貯水槽は、貯水スペースの上を駐車場や公園などに利用することから、上からの圧力に対して十分に耐えるものでなければならない。そのため貯水スペース内に中詰材を配置充填して強度を高めており、中詰材としては通常砂利や砕石がよく用いられている。しかし、これらの砂利や砕石は土地によっては十分な量を入手するのが困難なところもあり、価格的にも高価となるケースが多い。また、貯水するための広大な凹所があったとしても砂利や砕石を用いる場合、少なくとも砂利や砕石の体積分は貯水量が減ってしまうことになる。通常、砕石を中詰材として用いた場合、凹所全体の容積に比して貯水率が40%程度となってしまい、残りの60%は砕石に取られてしまうという課題がある。
【0003】
特許文献1には、遮水シートにて囲われた貯水スペースに、ブロック体中詰材を配置した貯水槽を形成する貯水工法において、遮水シートを予め層状に形成した遮水成形体を凹所に配置し、その後遮水成形体内に中詰材を配置することを特徴としたものが開示されている。また、特許文献2には、凹状に形成された下地に遮水シートを敷設した貯水スペースに、中詰材を配置した貯水槽において、下地は傾斜面からなる法面と底面とからなり、遮水シートを敷設した貯水スペースにはブロック体中詰材と小サイズ中詰材を併用配置したことを特徴とする貯水槽などが記載されている。また、特許文献3には、合成樹脂製の貯水ブロック群を被包体で液蜜に被抱して構成された地下貯水槽に用いられる被包体について記載されている。
【0004】
上述の特許文献1〜3に開示されているようなブロック体中詰材は、樹脂などの素材からなる成形体で、上からの圧力に耐えるとともに、貯水するための凹所全体の容量に比して貯水率を90%以上にすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−279737号公報
【特許文献2】特開2001−40719号公報
【特許文献3】特開2013−79524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のように中詰材を砂利や砕石からブロック体中詰材に代替えて、このブロック体中詰材を遮水シート及び保護シートで包む貯水構造および工法(図11の従来の貯水槽参照)には、次のような問題点がある。(1)積み上げたブロック体中詰材を遮水シートで包もうとする際に、コーナー部(角部分、詳しくは中詰材の辺部分や頂点部分)において遮水シートを納めるために遮水シートを折り曲げたり不用部分を切り取ったりする場合があり、手間がかかっていた。また、遮水シートの一部を切り取ることによる漏水の可能性が増えるという問題がある。(2)ブロック体中詰材を積み上げたものは、側壁面や上面が平坦な面ではないので遮水シートで包むときに、ブロック体中詰材が、ずれることがあり、特にコーナー部においての施工が困難になってしまう。(3)積み上げたブロック体中詰材の高さが高いときには、仮敷設した遮水シートを持ち上げてブロック体中詰材側に被せる作業が困難になってしまう。以上のような問題により、遮水シート設置時の作業が困難になり(特にコーナー部)、作業者によって出来栄えが左右されやすくなり、また、人件費がかさんでしまう。
【0007】
そこで、本発明は、積み上げたブロック体中詰材のコーナー部の施工性を向上させることにより、貯水槽の施工がより簡便であり、作業者の熟練度によって出来栄えが左右されにくく、なおかつ人件費などのコストを少なくすることのできる貯水構造および貯水工法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、貯水可能な間隙を有するブロック形状をした中詰材を、遮水シートで覆って貯水槽を形成する貯水工法であって、
前記中詰材の辺部分に、当該辺部分を覆う形状をしたコーナー型物を配置し、前記コーナー型物が配置された前記中詰材を前記遮水シートによって覆うことを特徴とする貯水工法である。
【0009】
上記工法によれば、間隙により凹凸を有する中詰材の辺部分に、当該辺部分を覆う形状をしたコーナー型物を配置することにより、中詰材を遮水シートによって覆う際に、遮水シートが凹凸を有する中詰材の辺部分に引っ掛かるのを防止し、中詰材がずれてしまうことを防ぐことができる。これにより、ブロック形状をした中詰材の辺部分の施工性を向上させ、貯水槽の形成がより簡便であり、作業者の熟練度によって出来栄えが左右されにくく、なおかつ人件費などのコストを少なくすることができる。
【0010】
また、本発明は、上記貯水工法において、前記コーナー型物が、三又形状をしており、前記ブロック形状をした中詰材が有する頂点部分を覆うように配置される三又コーナー型物を含むことを特徴としている。
【0011】
上記工法によれば、三又コーナー型物によって、中詰材が有する頂点部分(三辺の交点)を簡単な施工手順によって覆うことができる。これにより、ブロック形状をした中詰材の頂点部分の施工性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明は、上記貯水工法において、前記コーナー型物が、断面視L字形状をしており、前記ブロック形状をした中詰材が有する一つの辺の少なくとも一部を覆うように配置されるL字コーナー型物を含むことを特徴としている。
【0013】
上記工法によれば、中詰材が有する辺部分を簡単な施工手順によって覆うことができる。これにより、ブロック形状をした中詰材の辺部分の施工性を向上させることができる。
【0014】
また、本発明は、上記貯水工法において、前記コーナー型物が、前記遮水シートに接触する部分が平坦な形状をしていることを特徴としている。
【0015】
上記工法によれば、中詰材を遮水シートによって覆う際に、コーナー型物は遮水シートに接触する部分が平坦な形状をしているため、中詰材の辺部分で遮水シートをずらしたり、折り曲げたりする際の施工性を向上させることができる。
【0016】
また、本発明は、貯水可能な間隙を有する、ブロック形状をした中詰材と、
前記中詰材を覆う遮水シートと、
前記中詰材の辺部分と前記遮水シートとの間に配置され、前記中詰材の辺部分を覆う形状をしたコーナー型物と、
を備えたことを特徴とする貯水構造である。
【0017】
上記構造によれば、間隙により凹凸を有する中詰材の辺部分と遮水シートとの間に中詰材の辺部分を覆う形状をしたコーナー型物を配置することにより、中詰材と遮水シートとが、中詰材の辺部分で直接接触しないようにすることができる。これにより、遮水シートが中詰材の凹凸により損傷することを防止することができる。
【0018】
また、本発明は、上記貯水構造において、前記コーナー型物が、三又形状をしており、前記ブロック形状をした中詰材が有する頂点部分を覆うように配置される三又コーナー型物を含むことを特徴としている。
【0019】
上記構造によれば、三又コーナー型物によって、中詰材が有する頂点部分(三辺の交点)を簡単な施工手順によって覆うことができる。これにより、ブロック形状をした中詰材の頂点部分の施工性を向上させることができる。
【0020】
また、本発明は、上記貯水構造において、前記コーナー型物が、断面視L字形状をしており、前記ブロック形状をした中詰材が有する一つの辺の少なくとも一部を覆うように配置されるL字コーナー型物を含むことを特徴としている。
【0021】
上記構造によれば、中詰材が有する辺部分を簡単な施工手順によって覆うことができる。これにより、ブロック形状をした中詰材の辺部分の施工性を向上させることができる。
【0022】
また、本発明は、上記貯水構造において、前記コーナー型物が、前記遮水シートに接触する部分が平坦な形状をしていることを特徴としている。
【0023】
上記構造によれば、中詰材を遮水シートによって覆う際に、コーナー型物は遮水シートに接触する部分が平坦な形状をしているため、中詰材の辺部分で遮水シートをずらしたり、折り曲げたりする際の施工性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
貯水槽の施工がより簡便であり、作業者の熟練度によって出来栄えが左右されにくく、なおかつ人件費などのコストを少なくすることができる貯水構造および貯水工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態に係る貯水構造の説明図である。
図2】実施形態に係る中詰材の説明図である。
図3】実施形態に係る遮水シート及び保護シートの敷設についての説明図である。
図4】実施形態に係るコーナー型物の説明図である。
図5】実施形態に係る中詰材とコーナー型物との設置態様の説明図である。
図6】実施形態に係る貯水工法のフローである。
図7】貯水工法における遮水シートの接合についての説明図である。
図8】貯水工法における中詰材組立工に係る説明図である。
図9】貯水工法における側面シート工に係る説明図である。
図10】貯水工法における埋め戻しに係る説明図である。
図11】従来の貯水槽の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る地下貯水槽における貯水構造および貯水工法について説明する。
【0027】
(貯水構造1)
実施形態に係る貯水構造1は、図1に示すように、貯水可能な間隙を有するブロック形状をした中詰材2と、中詰材2を覆う遮水シート3と、遮水シート3を保護する保護シート4と、中詰材2の辺部分や頂点部分と遮水シート3との間に配置され、中詰材2の辺部分25や頂点部分26を覆う形状をしたコーナー型物5とを備え、中詰材2に水を流入させる管と、中詰材2に貯水した水を利用するポンプ機構と、中詰材2に貯水した水がオーバーフローした場合に排出する管とが配設されている。そして、この貯水構造1は地中に埋設されて、雨水を内部に蓄え、必要の際に蓄えた雨水が取出されて使用される。
【0028】
(中詰材2)
中詰材2は、図2に示すように、多数の凸形状をした折り曲げ部23(図2では4つ)を平行に形成して多数の溝部24(図2では3つ)を形成した直方体のブロック体22を、折り曲げ部23及び溝部24の方向が互い違いになるように多数積み上げることにより(図2では5つ)、多くの間隙(空隙)を確保した中空構造をしている。
【0029】
ブロック体22は、平面形状が300〜4000mm、好ましくは500〜2000mm四方で、厚みが100〜500mm程度の大きさである。また、ブロック体22を構成する素材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられ、水によって腐食しにくく、比較的安価で最も軽量なポリプロピレンが好ましい。このようなブロック体22を重ねて積み上げた中詰材2は、80%以上、好ましくは90%以上の間隙(空隙)を確保することができ、また上からの10tf/m2 以上の荷重に対して耐えうるものである。
【0030】
なお、中詰材2の形状は、ブロック体22を積み重ねたものに限定されず、前述のように80%以上、好ましくは90%以上の間隙を確保することができるような、ブロック(直方体)形状をした物体であればよい。
【0031】
(遮水シート3)
遮水シート3を構成する素材としては、加硫ゴム系、熱可塑性エラストマー系、ポリエチレン樹脂系、エチレン酢酸ビニル樹脂系、塩化ビニル樹脂系が挙げられ、高強度で耐候性に優れたポリエチレン樹脂系が好ましい。遮水シート3の厚みは、1.0mm〜2.5mmの範囲のものを用いることが好ましい。その理由としては、遮水シート3の厚みが、1.0mm未満であると強度が不足してシートが容易に破断することがあり、一方で、厚みが、2.5mmを超えると、遮水シート3の接合箇所において段差が大きくなってしまい外観を悪くするからである。
【0032】
(保護シート4)
本実施形態の貯水構造1では、図3に示すように、遮水シート3の損傷を防ぐため下地面や側面に保護シート4を敷設する。保護シート4を構成する素材としては、ポリエステル長繊維不織布、ポリエステル短繊維不織布、あるいは天然繊維、合成繊維、合成樹脂などの単体あるいは複合材が挙げられ、遮水シート3と同じ高強度、耐候性を有するポリエステル長繊維不織布、ポリエステル短繊維不織布が好ましい。保護シート4の厚みは4.0mm以上ものを用いることが好ましい。なお、貯水構造1では、遮水シート3と保護シート4の2層での使用が一般的であるが、遮水シート3や保護シート4の枚数は特に限定されるものではなく、遮水シート3と保護シート4が複数枚重なっていてもよい。
【0033】
(コーナー型物5)
コーナー型物5には、図4に示すように、平板形状をしたシートを加工して、三又形状に形成した三又コーナー型物51と、平板形状をしたシートをL字状に折り曲げ、断面視L字形状をしたL字コーナー型物52との2種類がある。
【0034】
三又コーナー型物51は、中詰材2に接触する部分、及び、遮水シート3に接触する部分が平坦な形状をしており、中詰材2の頂点部分26(三辺の交点)を覆うように配置される。即ち、本実施形態では、三又コーナー型物51は、中詰材2の8つの頂点部分26にそれぞれ配置されることになる。また、三又コーナー型物51の寸法としては、幅cが30〜60mm、幅dが150〜500mm、厚みが2〜5mmである。
【0035】
L字コーナー型物52は、中詰材2に接触する部分、及び、遮水シート3に接触する部分が平坦な形状をしており、中詰材2の辺部分25の一部を覆うように配置される。即ち、本実施形態では、L字コーナー型物52は、中詰材2の12個の辺部分25にそれぞれ配置されることになる。また、L字コーナー型物52の寸法としては、幅aが200〜1200mm、幅bが30〜60mm、厚みが2〜5mmである。
【0036】
三又コーナー型物51及びL字コーナー型物52を構成する素材としては、遮水シート3と同様の材質のものを用いている。即ち、三又コーナー型物51及びL字コーナー型物52を構成する素材としては、加硫ゴム系、熱可塑性エラストマー系、ポリエチレン樹脂系、エチレン酢酸ビニル樹脂系、塩化ビニル樹脂系が挙げられ、高強度で耐候性に優れたポリエチレン樹脂系が好ましい。
【0037】
三又コーナー型物51及びL字コーナー型物52は、図5に示すように、中詰材2の辺部分25や頂点部分26に配置され、三又コーナー型物51及びL字コーナー型物52に遮水シート3が直接接合されている。
【0038】
三又コーナー型物51及びL字コーナー型物52と、遮水シート3との接合態様としては、遮水シート3が加硫ゴムなどゴム系の場合は接着剤(例えば、ブチルゴム系の接着剤)により接合している。また、遮水シート3が樹脂系の場合は熱融着により接合している。
【0039】
(貯水工法)
次に、本実施形態に係る貯水工法について、図6のフロー等を参照して説明する。
【0040】
(1:準備工)
建物の地下や公園・駐車場の地下などに上記貯水構造1を施工するにあたり、障害物の除去、及び、安全対策を施す。
【0041】
(2:掘削工)
地面を平面形状が矩形状に掘下げて造成する。
【0042】
(3:基礎工)
底面は地盤表面を突き固めるか、あるいはコンクリート施工により基礎平坦部を形成する。
【0043】
(4:底面シート工)
遮水シート3の損傷を防ぐため、最初に、底面に保護シート4をしわがよらないように敷設してから、遮水シート3を敷設する。なお、遮水シート3の敷設面積が大きい場合は、遮水シート3同士を接合させる。例えば、図7に示すように、遮水シート3の一方にプライマーを貼り付け、他方の遮水シート3にジョイントテープを貼り付け、遮水シート3同士を接合し、接合部分をハンドローラーによって転圧する。
【0044】
(5:中詰材組立工)
底面に敷いた遮水シート3の上において、中詰材2(ブロック体22)の下側の辺部分25及び頂点部分26が設置される位置に、三又コーナー型物51及びL字コーナー型物52を配置する。その後、配置された三又コーナー型物51及びL字コーナー型物52の上に、ブロック体22を折り曲げ部23及び溝部24の方向が互い違いになるように所定数積み上げ、中詰材2を成形する。中詰材2を成形したら、残りの三又コーナー型物51及びL字コーナー型物52を中詰材2の辺部分25及び頂点部分26に設置する(図8参照)。そして、最後に中詰材2の最上部にスペーサーを嵌め込む。
【0045】
(6:側面シート工)
図9に示すように、底部に敷設した遮水シート3を、中詰材2の辺部分25及び頂点部分26に取り付けた三又コーナー型物51及びL字コーナー型物52に接合させて、包み込むように中詰材2の側面に敷設する。遮水シート3の三又コーナー型物51及びL字コーナー型物52に対する接合方法としては、遮水シート3が樹脂系の場合は熱融着、遮水シート3がゴム系の場合は接着剤により接合する。続いて、保護シート4を、遮水シート3の外側を包み込むように敷設する(なお、保護シート4は遮水シート3に接合させない)。
【0046】
(7:上面シート工)
中詰材2の上面に、遮水シート3または透水シート(不織布)を敷設し、中詰材2の側面に敷設した遮水シート3と接合させる。これにより貯水槽になる部分が完成する。
【0047】
(8:埋め戻し)
側面からの土圧による移動や遮水シート3及び保護シート4のズレを防ぐため、重石代わりに上面にバランスよく置き土をし、一方向からの偏荷重が作用しないように四辺均等に外周部を埋戻した後、図10に示すように、上部を所定の高さまで埋戻す。これにより、建物の地下や公園・駐車場の地下などに上記貯水構造1を施工することができる。
【0048】
(効果)
上記貯水工法及び貯水構造1によれば、間隙により凹凸を有する中詰材2の辺部分25等に、辺部分25等を覆う形状をしたコーナー型物5を配置することにより、中詰材2を遮水シート3によって覆う際に、遮水シート3が凹凸を有する中詰材2の辺部分25等に引っ掛かるのを防止し、中詰材2(ブロック体22)がずれてしまうことを防ぐことができる。これにより、ブロック形状をした中詰材2の辺部分25等の施工性を向上させ、貯水槽の形成がより簡便であり、作業者の熟練度によって出来栄えが左右されにくく、なおかつ人件費などのコストを少なくすることができる。
【0049】
また、上記貯水工法及び貯水構造1によれば、三又コーナー型物51によって、中詰材2が有する頂点部分26(三辺の交点)を簡単な施工手順によって覆うことができる。これにより、ブロック形状をした中詰材2の頂点部分26の施工性を向上させることができる。
【0050】
また、上記貯水工法及び貯水構造1によれば、中詰材2が有する辺部分25を簡単な施工手順によって覆うことができる。これにより、ブロック形状をした中詰材2の辺部分25の施工性を向上させることができる。
【0051】
また、上記貯水工法及び貯水構造1によれば、中詰材2を遮水シート3によって覆う際に、コーナー型物5は遮水シート3に接触する部分が平坦な形状をしているため、中詰材2の辺部分25や頂点部分26で遮水シート3をずらしたり、折り曲げたりする際の施工性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 貯水構造
2 中詰材
22 ブロック体
23 折り曲げ部
24 溝部
25 辺部分
26 頂点部分
3 遮水シート
4 保護シート
5 コーナー型物
51 三又コーナー型物
52 L字コーナー型物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11