特許第6563885号(P6563885)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6563885半田ごて温度測定システム及び半田ごて温度測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563885
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】半田ごて温度測定システム及び半田ごて温度測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01K 13/02 20060101AFI20190808BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20190808BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20190808BHJP
   B23K 3/00 20060101ALI20190808BHJP
   B23K 101/42 20060101ALN20190808BHJP
【FI】
   G01K13/02
   H05K3/34 507N
   B23K1/00 330E
   B23K1/00 A
   B23K3/00 310G
   B23K3/00 310A
   B23K101:42
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-216980(P2016-216980)
(22)【出願日】2016年11月7日
(65)【公開番号】特開2018-77049(P2018-77049A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2018年3月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】397065767
【氏名又は名称】株式会社パラット
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳
(72)【発明者】
【氏名】中 眞一郎
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3131670(JP,U)
【文献】 特開2014−146630(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0011061(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 13/02
B23K 1/00
B23K 3/00
H05K 3/34
B23K 101/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の半田ごてを加熱手段で加熱して前記半田ごて内で半田付けする半田付け装置の前記半田ごての温度を測定する半田ごて温度測定システムであって、
温度センサを用いて温度センサ周辺温度を測定する温度測定手段と、
前記半田ごて内部に気体を導入して当該半田ごての先端から当該気体が抜けるように当該気体を流動させる気体導入手段とを備え、
前記温度測定手段は、前記加熱手段により加熱された前記半田ごての内部の少なくとも一部を通過した前記気体の温度を前記温度センサにより測定する構成であり、
前記半田ごてと前記温度センサとの相対位置を変化させる移動手段と、
前記気体が前記半田ごて内部を流動する流動方向に見て前記半田ごて内部の所定の測定位置に前記温度センサが位置するように、前記移動手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記移動手段を制御して前記流動方向に直交する平面上での前記温度センサの位置を変化させ、取得した温度のうち予め定められた条件に合致する温度であった位置を前記平面上の測定位置に定める平面上測定位置決定処理を実行する
半田ごて温度測定システム。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記平面上測定位置決定処理により定めた前記平面上の測定位置で、かつ、前記半田ごての先端から前記流動方向へ所定距離の流動方向測定位置となる三次元位置を本測定位置と定め、
前記移動手段によって前記半田ごてと前記温度センサの相対位置を前記本測定位置に位置させてから前記温度測定手段による本温度測定を実施し、
前記本温度測定により測定した本温度を出力する構成である
請求項1記載の半田ごて温度測定システム。
【請求項3】
筒状の半田ごてを加熱手段で加熱して前記半田ごて内で半田付けする半田付け装置の前記半田ごての温度を測定する半田ごて温度測定方法であって、
温度センサを用いて温度センサ周辺温度を測定する温度測定手段と、
前記半田ごて内部に気体を導入して当該半田ごての先端から当該気体が抜けるように当該気体を流動させる気体導入手段が備えられ、
前記温度測定手段は、前記加熱手段により加熱された前記半田ごての内部の少なくとも一部を通過した前記気体の温度を前記温度センサにより測定するものであり、
前記半田ごてと前記温度センサとの相対位置を変化させる移動手段と、
前記気体が前記半田ごて内部を流動する流動方向に見て前記半田ごて内部の所定の測定位置に前記温度センサが位置するように、前記移動手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記移動手段を制御して前記流動方向に直交する平面上での前記温度センサの位置を変化させ、各位置での温度を前記温度測定手段により取得する準備測定処理と、
取得した温度のうち予め定められた条件に合致する温度であった位置を前記平面上の測定位置に定める平面上測定位置決定処理とを実行する
半田ごて温度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半田付け装置の半田ごての温度を測定する半田ごて温度測定システム及び半田ごて温度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント基板のランドに電子部品の端子を半田付けする、あるいはコイル端を端子に半田付けするなど、様々な半田付けが行われている。このような半田付けを行う半田付け装置は、加熱した半田ごてにより半田を溶融させて半田付けする。
【0003】
このような半田付けにおける半田ごての温度を測定する温度測定装置が提案されている(特許文献1参照)。この温度測定装置は、はんだごてのこて先と接触させるはんだを収容する窪みを有する金属薄膜と、前記窪みの裏側に設けた赤外線放射材と、この赤外線放射材から放射される赤外線が入射する赤外線センサとを備え、前記赤外線に基づいて前記はんだごてのこて先の温度を測定するものである。
【0004】
ここで、出願人は、筒状の半田ごてを用い、この半田ごて内にプリント基板のスルーホールに挿通された電子部品等の端子を挿入し、内部で半田を溶融させて半田付けする方式の半田付け装置を開発し、提供している(特許文献2参照)。
【0005】
このような半田付け装置は、半田ごてが筒状であることから、温度を精度よく測定することが難しい。
このため、上述のような温度測定装置を用いても、半田ごての温度を精度よく測定することができないという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−325756号公報
【特許文献2】特開2013−120869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上述の課題に鑑みて、筒状の半田ごての温度を精度よく測定できる半田ごて温度測定システム及び半田ごて温度測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、筒状の半田ごてを加熱手段で加熱して前記半田ごて内で半田付けする半田付け装置の前記半田ごての温度を測定する半田ごて温度測定システムであって、温度センサを用いて温度センサ周辺温度を測定する温度測定手段と、前記半田ごて内部に気体を導入して当該半田ごての先端から当該気体が抜けるように当該気体を流動させる気体導入手段とを備え、前記温度測定手段は、前記加熱手段により加熱された前記半田ごての内部の少なくとも一部を通過した前記気体の温度を前記温度センサにより測定する構成であり、前記半田ごてと前記温度センサとの相対位置を変化させる移動手段と、前記気体が前記半田ごて内部を流動する流動方向に見て前記半田ごて内部の所定の測定位置に前記温度センサが位置するように、前記移動手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記移動手段を制御して前記流動方向に直交する平面上での前記温度センサの位置を変化させ、取得した温度のうち予め定められた条件に合致する温度であった位置を前記平面上の測定位置に定める平面上測定位置決定処理を実行する半田ごて温度測定システムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明により、筒状の半田ごての温度を精度よく測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】半田ごて温度測定システムの右側面図。
図2】半田ごて温度測定システムの外観構成の説明図。
図3】ヘッド部、ヒータユニット、およびノズルユニットの構成を示す拡大縦断面図。
図4】ヒータユニット、ノズルユニット、および温度測定装置の一部の構成を示す拡大縦断面図。
図5】温度測定装置上部とノズル先端部とを一部断面にして説明する説明図。
図6】温度測定時の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1および図2は、半田ごて温度測定システムAの外観構成の説明図であり、図1は半田ごて温度測定システムAの右側面図、図2(A)は半田ごて温度測定システムの正面図、図2(B)はヘッド部3の外装を一部省略して示す平面図である。
【0013】
図1に示すように、半田ごて温度測定システムAは、半田付け装置1と、この半田付け装置1に設けられた温度測定装置130により構成されている。
半田付け装置1は、半田付け対象であるプリント基板Pのスルーホールに半田付けをしてランドと端子を接続するノズル24(筒状の半田ごて)を装着したヘッド部3と、ヘッド部3およびノズル24をフローティング状態にするエアーサスペンションユニット5と、エアーサスペンションユニット5およびノズル24をステッピングモータ等の駆動手段によって半田付け対象に当接/離間(若しくは近接/離間)させる当接離間方向(図1の上下方向)に移動させる当接離間方向移動ユニット6(移動手段)と、当接離間方向移動ユニット6およびノズル24をステッピングモータ等の駆動手段によってプリント基板Pが搬送される搬送方向(図1の奥行方向,図2(A)の左右方向)に移動させる搬送方向移動ユニット7(移動手段)と、搬送方向移動ユニット7およびノズル24をステッピングモータ等の駆動手段によって搬送方向移動ユニット7の搬送幅方向(図1の左右方向,図2(A)の前後方向)に移動させる搬送幅方向移動ユニット8(移動手段)と、ノズル24の温度測定を行う温度測定装置130とを有している。このように、搬送方向移動ユニット7と搬送幅方向移動ユニット8によりXY平面上でXY方向にノズル24を移動させ、当接離間方向移動ユニット6によりXY平面に直交するZ方向にノズル24を移動させることで、3次元の移動を実現している。
【0014】
搬送幅方向移動ユニット8の上面は、プリント基板Pを搬送する搬送路9の上面および温度測定装置130の上面とほぼ同じ高さになるように構成されている。
【0015】
ヘッド部3の可動範囲は、搬送幅方向移動ユニット8の上方に位置する待機位置(図1に示すP1の位置)と、プリント基板Pに対して半田付けを行う半田付け領域E1,E2(図2(B)のE1,E2で囲まれる領域)と、ノズル24の温度測定を行う温度測定位置(温度測定装置130の上方位置)となる。ヘッド部3は、これらの待機位置、半田付け領域、および温度測定位置のどの位置であっても当接離間方向移動ユニット6によって当接/離間させる方向に移動できる。
【0016】
この構成により、半田付け装置1は、ノズル24を、待機時には、待機ポジションP1(図1参照)の高さおよび位置に収納しておき、半田付け動作時には、半田付け領域E1,E2内で待機ポジションP1よりも低い(半田付け対象に近い)半田付けポジションP2(図1参照)の高さに保持して半田付けを行い、また、ノズル24の温度測定時には、領域E1,E2の外(温度測定装置130の上面の一部領域E11,E12)で温度測定装置130の上面近傍の温度測定ポジションP3(後述の図5参照)の高さに保持して温度測定を実行する。
【0017】
エアーサスペンションユニット5の上部には、リールに巻かれた糸半田2が設けられている。
また、半田付け装置1の近傍には、表示入力装置10が設けられている。この表示入力装置10は、ディスプレイとこれに重ねて設けられたタッチパネルにより構成されており、当接離間方向移動ユニット6と搬送方向移動ユニット7と搬送幅方向移動ユニット8の手動制御を受け付けてノズル24の位置を任意の位置に移動させる、あるいは設定温度等の適宜の情報の入力を受け付けて入力された情報を記憶するなど、適宜の操作入力を受け付ける。
【0018】
図3はノズルユニット20とヒータユニット30が設けられたヘッド部3の拡大縦断面図であり、図4はノズル24近傍の拡大縦断面図である。
図3に示すように、半田付け装置1は、搬送幅方向移動ユニット8(図1参照)に固定されて搬送路9(図1参照)へ向かって真っすぐ伸びるY方向の搬送ガイド7fと、ステッピングモータ等の駆動機構部7eにより搬送ガイド7fに沿って移動する搬送ガイド7cが設けられている。この駆動機構部7eおよび搬送ガイド7fは、搬送幅方向移動ユニット8(図1参照)内に収納されている。搬送ガイド7dは、搬送路9の搬送方向(X方向)へ向かって真っすぐ伸びている。
【0019】
X方向の搬送ガイド7cの上部には、搬送ガイド7cに沿ってX方向に移動する移動体7aと、この移動体7aを搬送ガイド7cに沿ってX方向へ移動させるステッピングモータ等で構成された駆動機構部7bが設けられている。この移動体7a、駆動機構部7b、および搬送ガイド7cは、搬送方向移動ユニット7(図1参照)内に収納されている。この移動体7a、駆動機構部7b、搬送ガイド7c、駆動機構部7e、および搬送ガイド7fは、作業させたい任意の位置へノズル24を移動させるノズル位置移動手段として機能する。
【0020】
移動体7aには、ノズル24がスルーホールに近接/離間する方向に伸びるZ方向の搬送ガイド5cが設けられている。この搬送ガイド5cには、Z方向に移動するヘッド固定部5a、およびステッピングモータ等で構成される駆動機構部5bが設けられている。ヘッド固定部5a、駆動機構部5b、および搬送ガイド5cは、ノズル24を半田付け対象に近接/離間させる方向へ移動させる近接離間方向移動手段として機能し、近接離間方向移動ユニット6(図1参照)内に収納されている。
【0021】
このように構成されたY方向の搬送ガイド7fとX方向の搬送ガイド7c、および駆動機構部7b,7eがノズル位置移動手段として機能することにより、ノズル24の位置を半田付けする任意の位置へ移動させることができる。また、Z方向の搬送ガイド5cおよび駆動機構部5bが近接離間方向移動手段として機能することにより、移動させた位置でノズル24を近接方向へ移動させてノズル24の孔24a内に半田付けするピンを挿通しノズル24の先端をスルーホールに当接させ、半田付け後に離間させることができる。
【0022】
ヘッド固定部5aには、フローティングユニット51が設けられている。このフローティングユニット51は、エアーサスペンションユニット5(図1)内に設けられ、供給されたエアによってノズルユニット20を持ち上げ、プリント基板Pに対するフローティングユニット51(ノズル24が含まれる)の相対的な重みを軽くするものである。例えば、通常の加重を100とするとフローティングユニット51の加重が10%となるようにするなど、適宜の構成とすることができる。
【0023】
ヘッド部3には、糸半田2(図1参照)を挿通する糸半田供給路52と、糸半田供給路52内の糸半田をローラで挟み込んで送り出す糸半田送り出し機構部53(半田供給手段)が設けられ、底部には、ヒータユニット30と、その下方に配置されたノズル24を備えたノズルユニット20とが設けられている。
【0024】
ヒータユニット30の上方には、孔55aに挿入された糸半田2(図1参照)を回転によりカットする回転カッター55と、回転カッター55を回転させるステッピングモータ等の回転機構部54を備えている。円盤状の回転カッター55の厚みと同じ長さの孔55aは、必要な糸半田2の長さと同じ長さの孔に形成されている。
【0025】
半田付け動作時には、糸半田送り出し機構部53によって必要量の糸半田2が孔55aに挿入された状態で回転カッター55が回転する。これにより、糸半田2は孔55aの挿入長さにカットされる。そして、それまで糸半田供給路52と連通していた孔55aは移動して半田導入筒34の孔34aと連通する。この孔55aと孔34aとが連通した状態で、押し込みロッド59を孔55aに挿入すると、孔55a内のカットされた糸半田2は半田導入筒34の孔34aへと強制的に押し込まれて落下する。この際、孔55aに挿入された押し込みロッド59(閉塞手段)は、半田導入筒34の孔34aを上方から塞ぐ蓋の役目を果たすことにもなる。
【0026】
また、これらの構成要素を駆動するべく、各要素は制御部163によって制御される。制御部163には、駆動機構部5b、駆動機構部7b、駆動機構部7e、フローティングユニット51、糸半田送り出し機構部53、回転機構部54、ヒータユニット密着確認センサ44、温度センサ64、着脱用エアシリンダ65、ノズル着脱用ステッピングモータ66、カメラ67、及び記憶部164が接続されている。
【0027】
カメラ67は、半田付け対象となるプリント基板のスルーホールおよびピンの位置等を確認して位置決めする際、および、半田付アカメが発生した場合等の半田付け異常を検出する際等に用いられる。
【0028】
記憶部164は、プリント基板等の半田付け対象ワークの画像と、この半田付け対象ワークに使用するツール(ノズル24、ノズルユニット20、若しくはヒータユニット30)を関連づけた半田付け対象ワーク別ツールデータ、現在装着しているツールの種類、現在装着しているツールの使用回数および使用時間等のデータを記憶している。なお、これ以降、ツールと記載するときは、ノズル24、ノズルユニット20、およびヒータユニット30のいずれかを指す。
【0029】
図4は、ヒータユニット30、ノズルユニット20、および熱電対145(温度センサ)を備えた温度測定装置130を正面から見た一部断面正面拡大図である。
【0030】
ヒータユニット30は、半田供給方向である鉛直方向の孔を有する円筒形の半田導入筒34を内部に備え、この半田導入筒34の下方に配置された半田ごてとなるノズル24と半田導入筒34を囲む円筒形のヒータ36を備えている。
【0031】
半田導入筒34の基部側の側壁の一部には、開口部34bが設けられている。この開口部34bには、空気、窒素ガス等の気体を半田導入筒34内に導入する気体導入路39の一端が接続されている。気体導入路39の他端はガス配管39aを介して当該気体を供給する高圧ガスボンベ165(気体導入手段)に接続されている。ガス配管39aの途中にはマスフローコントローラ39b(流量制御手段)が設置され、ガス配管39a内を流動する気体の流量制御を行う。これにより、ヒータユニット30内の半田導入筒34を一定速度で一定量の気体が通り、ヒータユニット30によって温められた気体がノズル24内を通過する。
【0032】
ノズルユニット20は、ヒータユニット30の下部に設けられ、円筒形に形成されたセラミック製のノズル24と、このノズル24をヒータユニット30に取り付けるノズルホルダ21とを有している、ノズルホルダ21は、ノズル24の先端部分を露出させた状態で、ノズル24の半田供給方向(鉛直方向)の孔24aが半田導入筒34の孔34aに連通するように、ノズル24をヒータユニット30に固定する。また、ノズルホルダ21は、ノズル24に加えてヒータ36の外側も被覆し、ヒータ36が露出するのを防止している。
【0033】
半田付け動作時には、ノズル24は、ヒータユニット30により加熱される。半田付け装置1は、半田導入筒34の孔34aに落下したカットされた糸半田2を、孔34aに連通するノズル24の孔24aに供給し、この半田をノズル24内で溶融してノズル24の先端に接触しているスルーホールに半田付けして、この半田によってランドと端子を電気的に接続することができる(図1に示すP2参照)。
【0034】
図5(A)および図5(B)は、温度測定装置130の上部と、測定待機時のノズル24の先端部とを一部断面にして説明する説明図である。
【0035】
温度測定装置130は、半田付け動作時にノズル24がスルーホールに対して当接/離間する半田付け動作方向に長い円柱形の内部空間136を有する筐体135と、この筐体135のノズル24側の端部に取り付けられる略リング状のカバー131を有している。
【0036】
筐体135の内部空間136には、棒状の熱電対145(温度センサ)が半田付け動作方向(当接/離間方向)に平行に設けられている。この実施例では、熱電対145は、先端露出型のKタイプを使用している。
【0037】
熱電対145は、先端146がカバー131の中心位置より上方に突出して配置されている。なお、このように熱電対145の先端146が筐体135から上方へ突出する構成とするに限らず、先端136がカバー131の中心位置など内部空間136内に位置する構成としてもよい。
【0038】
熱電対145の線経は、φ1mm以下が好ましく、φ0.5mm程度とする事が好適である。この実施例ではφ0.5mmに構成されている。熱電対145の温接点となる先端146は球形に形成され露出している。このように熱電対145に細い線を用いることで、熱容量を小さくして熱ロスを抑制することができる。また、先端露出型のため応答速度が速いという利点がある。また、細い線を用いて形成された先端146は、外径がノズル24の孔24aよりも十分に小さく、ノズル24の孔24a内部に容易に侵入することができる。
【0039】
温度測定装置130は、図1に示すように、半田付け装置1内に設けられた温調器162(温度測定手段)に接続されている。この温調器162は、温度測定装置130から受け取る信号を温度データに変換し、変換された温度データは制御部163(温度取得手段)が取得する。
【0040】
制御部163は、CPU、メモリ(RAM、ROM等)、および信号やデータを外部から取得、あるいは外部に出力するI/Oポートを備え、制御、演算処理を行うコンピュータ制御装置が用いられる。
【0041】
制御部163は、取得した温度データを基に測定した温度を表示入力装置10に表示させると共に、当該温度データを記憶部164に記憶させる。
高圧ガスボンベ165は、ノズル24の内部にガスを導入してノズル24の先端からガスを抜けさせる。
【0042】
図6は、温度測定時に制御部163が制御する動作を示すフローチャートである。この温度測定を実行する前の作業として、温度設定を実施する測定待機位置(初期位置)を設定する初期設定を行う。
【0043】
<初期設定>
まず、制御部163は、使用するノズル24がノズルホルダ21によりヒータユニット30に取り付けられることを許容する(ステップS1)。使用されるノズル24は、標準ノズルや専用ノズル等、半田付け装置1の使用者若しくは初期設定作業者が適宜決定する。
【0044】
制御部163は、ヒータ36の加熱を開始する(ステップS2)。このとき、予め設定された温度(例えば半田溶融温度など)に加熱すると良い。
制御部163は、図1に示した半田付け装置1の当接離間方向移動ユニット6、搬送方向移動ユニット7、および搬送幅方向移動ユニット8を初期設定作業者の手動操作に応じて制御してノズル24をXYZの三次元方向に移動させ、温度測定開始時におけるノズル24の測定待機位置(ノズル24と温度測定装置130の相対位置)を決定する(ステップS3)。この測定待機位置は、ノズル24の先端の中心から近接離間方向に少し離れた位置に温度測定装置130の熱電対145の先端146が位置するようにする、あるいはノズル24の先端から近接離間方向に少し離れた位置でノズル24の孔24aの外周近傍の位置に先端146が位置するようにするなど、適宜の位置とすることができる。この処理は、XYZ座標の目視合わせおよび座標入力の処理となる。
【0045】
そして、制御部163は、初期設定作業者による測定2としてのZ値の入力を表示入力装置10により受け付け(ステップS4)、初期設定作業者による表示入力装置10での目標温度の入力を受け付けて記憶部164に記憶する(ステップS5)。この目標温度は、例えば450℃とするなど、半田片を溶融して半田付けするためのノズル24の温度として適切な適宜の温度に設定することができる。また、ステップS2でのヒータ36の加熱温度と目標温度が異なる場合、この目標温度に合わせてヒータ36の加熱温度を変更すると良い。
【0046】
<温度測定>
<事前準備>
表示入力装置10に表示しているXYZ計測ボタンが押下されると(ステップS6)、制御部163は、高圧ガスボンベ165を制御し、気体導入路39を通じて半田導入筒34内へ空気、窒素ガス等の気体を導入する(ステップS7)。
このとき、制御部163は、半田導入筒34内へ導入する気体の流量を、気体導入路39に接続されたガス配管39aの途中に設置されたマスフローコントローラ39b(流量制御手段)により制御する。
【0047】
またこのとき、制御部163は、半田導入筒34の孔34aに連通する孔55aに押し込みロッド59(閉塞手段)が挿入されるように制御し、ノズル24の基端部の孔24aに連通する半田導入筒34の孔34aを上方から塞ぐ。なお、この押し込みロッド59による閉塞を実施しない構成としてもよい。
【0048】
これにより、開口部34bから半田導入筒34内へ導入された気体は、半田導入筒34の孔34aの下方に連通するノズル24の孔24aを基部側から先端(図4の下端)に向けて流動する。そして、半田導入筒34内およびノズル24内を流動する間に温められ、ノズル24の先端にまで達した気体は、流れ方向および流速を保持した状態でノズル24外に放出される。この状態は、温度測定がすべて終了するまで保持される。なお、押し込みロッド59による閉塞を実行しない場合は、ノズル24の先端(下端)と半田導入筒34の他端(上端)の両方から気体が抜ける。
【0049】
ここで、半田導入筒34内へ導入する気体の流量は、1.0〜2.0リットル/分が好ましく、1.5リットル/分が好適である。この半田導入筒34内へ導入する気体の流量は、ノズル24を過度に冷却することなく、半田導入筒34内およびノズル24内を層流となって気体が流動すると同時に、ノズル24の孔24aの先端で外気が巻き込まれにくいように設定されている。
【0050】
制御部163は、各駆動手段によってノズル24を当接/離間させる方向、搬送方向、および搬送幅方向の3次元に移動させる当接離間方向移動ユニット6(移動手段)、搬送方向移動ユニット7(移動手段)、および搬送幅方向移動ユニット8(移動手段)を制御し、ノズル24を温度測定装置130上方の測定待機位置(図5(A)(B)参照)に移動する(ステップS8)。
【0051】
ここで、温度測定に際して、外気の巻き込みの影響が小さく気流が安定しているノズル24の孔24aの先端近傍で温度測定を行うために、ノズル24の先端面24cで囲まれた開口24dと先端146との間隔(外部間隔)が0.5〜1.5mmとなる位置にまでノズル24を移動するのが好ましく、当該間隔が1.0mmとなる位置にノズル24を移動するのが好適である。
なお、ステップS1〜S6における入力および表示は、表示入力装置10により実行する。
【0052】
<前測定>
ノズル24の温度測定をするとき、制御部163は、ヒータ36(図4参照)(加熱手段)に供給する電力を制御し、設定温度として設定された半田付けに適した目標温度にノズル24(半田ごて)を加熱する。半田付け実施途中で温度測定する場合は、ヒータ36による加熱を継続しておけばよく、半田付けを実施していないときに温度測定のみをするときは、ヒータ36を加熱して十分に加熱してから次の動作を進める。
【0053】
図5(A)のノズル24近傍の縦断正面図、および図5(C)のノズル近傍の横断平面図に示すように、制御部163は、ノズル24の先端24cが熱電対145の先端146に(図5(A)の上下方向に)接近した位置で前測定を実行する。
【0054】
制御部163は、ノズル温度初期測定位置の割り出し方法として、搬送方向移動ユニット7と搬送幅方向移動ユニット8とを制御し、外部間隔を一定に保持した状態で、ノズルセンター位置を求める為、ノズル24をX軸・Y軸方向に各々第一ピッチ(例えば0.16mm)ずつずらすことにより1番高い温度位置を割り出す。
【0055】
すなわち、制御部163は、X方向に第一ピッチだけノズル24を移動させ(ステップS9)、熱電対145により温度を測定し(ステップS10)、温度分布の中心を測定できているか検証し、測定できていれば次に進み(ステップS11:YES)、測定できていなければ(ステップS11:NO)、ステップS9に処理を戻して繰り返す。この第一ピッチは、1mm以下とすることができ、0.5mm以下とすることが好ましく、0.2mm以下とすることがより好ましく、0.16mmとすることが好適である。
【0056】
同様に、制御部163は、Y方向に第一ピッチだけノズル24を移動させ(ステップS12)、熱電対145により温度を測定し(ステップS13)、温度分布の中心を測定できているか検証し、測定できていれば次に進み(ステップS14:YES)測定できていなければ(ステップS14:NO)、ステップS12に処理を戻して繰り返す。
【0057】
制御部163は、ノズル24の測定2位置にZ方向へ移動させる(ステップS15)。すなわち、制御部163は、図5(B)に示すようにZ方向(ノズル24の軸心方向)にノズル24を移動し、ノズル24の開口24dから孔24aの内側へ所定距離だけ熱電対145の先端146を挿入した内部測定位置にノズル24と熱電対145の相対位置を配置する。
【0058】
ここで、ノズル24のZ方向位置は、1番高い温度位置(ノズルセンター位置)からZ軸をノズル24の先端面24cの位置より内部(図示上方)に2mmの位置に熱電対145の先端146が来るように下げる。
【0059】
制御部163は、その位置より再度ノズル24をX軸・Y軸方向に各々0.04mmずつずらすことにより1番高い温度位置を割り出し温度測定精度を上げる。
すなわち、制御部163は、X方向に第二ピッチだけノズル24を移動させ(ステップS16)、熱電対145により温度を測定し(ステップS17)、温度分布の中心を測定できているか検証し、測定できていなければ(ステップS18:No)、ステップS16に処理を戻して繰り返す。この第二ピッチは、1mm以下とすることができ、0.5mm以下とすることが好ましく、0.1mm以下とすることがより好ましく、0.05mm以下とすることがさらに好ましく、0.04mmとすることが好適である。
【0060】
同様に、制御部163は、Y方向に第二ピッチだけノズル24を移動させ(ステップS19)、熱電対145により温度を測定し(ステップS20)、温度分布の中心を測定できているか検証し(ステップS21)、測定できていなければ(ステップS21:No)、ステップS19に処理を戻して繰り返す。
【0061】
測定した温度が温度分布中心であれば(ステップS21:Yes)、制御部163は、測定した温度と目標温度の差が所定値以内か否かを判定する(ステップS22)。
【0062】
所定値以内でなければ(ステップS22:T<0 or T>1)、制御部163は、ノズル24をZ方向(当接離間方向)に第三ピッチだけ移動させる(ステップS23)。この第三ピッチは、1mm以下とすることができ、0.5mm以下とすることが好ましく、0.1mm以下とすることがより好ましく、0.05mm以下とすることがさらに好ましく、0.04mmとすることができる。また、移動の方向としては、ステップS22においてT<0であればノズル24を下げて熱電対145をノズル24内により深く挿入する方向とし、T>1であればノズル24を挙げて熱電対145をノズル24内から出す方向(挿入量を浅くする方向)とする、あるいはその逆とするなど、適宜の方向に定めておくことができる。
【0063】
そして、制御部163は、温度測定を実施し(ステップS24)、ステップS22に処理を戻す。このステップS22〜S24により、目標温度に対して測定温度が1℃以内になるように調整することができる。
【0064】
ステップS22において所定値以内であれば(ステップS22:0≦T≦1)、制御部163は、位置を確定して処理を終了する(ステップS25)。この確定した位置がノズル24内の中心位置となる。
【0065】
以上を持ってノズル温度初期測定位置の割り出を終了とする。次回からの温度測定は、上記で決められたX軸・Y軸・Z軸の座標位置へ移動しノズル温度を測定する。
【0066】
以上の動作により、制御部163は、ノズル24の外部の半田付け動作方向に見て開口24dに対向する外部仮想面上の複数の点(外部測定位置)に先端146が順次位置するように、ノズル24を(図5(A)の前後方向および左右方向に)移動して各位置の前測定を実施できる。こうして制御部163は、外部仮想面上における図5(C)に示すX方向201およびY方向202の格子状の各点で温度を測定できる。なお、このX方向201とY方向202の移動範囲は、ノズル24の内面に熱電対145が接触しない範囲に設定されている。これにより、熱電対145がノズル24に接触して測定誤差が出ることを防止している。
【0067】
なお、先端146が外部仮想面上の各点に位置した際に、熱電対145により測定された測定データは、その都度、温度測定装置130から温調器162(温度測定手段)に送信され、その後、温調器162で温度データに変換され、制御部163(温度取得手段)に送信される。こうして、制御部163は、ノズル24の外部温度の温度データ(実測温度)を取得する。
【0068】
また、制御部163(演算手段)は、取得したノズル24の外部温度の温度データに基づいて、所定条件に合致する位置を本測定におけるXY方向のノズル位置として設定することができる。この所定条件は、最高温度を示す外部仮想面上の最高温度点とする、あるいは、目標温度から前測定での各点の測定温度を減算し、差が最も小さい点とするなど、適宜の条件とすることができる。これにより、安定して温度測定できるXY方向の位置にノズル24と熱電対145の相対位置を設定できる。
【0069】
このように熱電対145の先端146がノズル24の内部測定位置に位置した後、所定の時間(保持時間)その状態が保持される。ここで、当該安定保持時間は約10秒に設定されている。
【0070】
ここで、半田付け動作時には、ノズル24内にプリント基板のスルーホールに挿通された電子部品の端子(ピン)を挿入し、端子に当接する半田をノズル24内部で溶融させて半田付けを行っている。すなわち、溶融前の半田は、ノズル24の開口24dから端子の長さ分だけ奥に入った位置で加熱されている。よって、本測定時におけるノズル24内部での内部測定位置の決定に当たっては、使用する端子の長さおよび溶融前の半田の長さ(例えば、2.0〜15.0mm)を考慮した上で、その都度決定する。もっとも、多くの場合、温度測定に際して、ノズル24の先端面24cで囲まれた開口24dと先端146との間隔(内部間隔)が1.0〜3.0mmとなる位置にまでノズル24を移動するのが好ましく、当該間隔が2.0mmとなる位置にノズル24を移動するのが好適である。
【0071】
<本測定>
図6(B)に示すように、制御部163は、通常計測ボタンが押下される等して本測定開始の信号を受け取ると(ステップS31)、熱電対145により内部測定位置で温度測定する本測定を実行する(ステップS32)。測定データは、温度測定装置130から温調器162(温度測定手段)に送信される。そして、送信された測定データは、温調器162で温度データに変換された後、制御部163(温度取得手段)に送信される。
この本測定は、半田付け装置1による半田付けを実行する稼働前に行っている場合であれば、ステップS31の後にヒータ36の加熱を開始し送風を実行してから温度測定(ステップS32)を実施すればよく、半田付け装置1による半田付けを連続実行している途中で定期点検として実施する場合であれば、ヒータ36が加熱されているのでそのまま加熱を継続し、送風もそのままと(若しくは送風量が違うか送風していなければ温度測定用の送風量に切り替え)として温度測定(ステップS32)を実施すればよい。
【0072】
こうして、制御部163は、ノズル24の内部温度の温度データ(実測温度)を取得する。このとき、制御部163は、受信信号を温度に変換する演算処理を実行する。
【0073】
制御部163は、測定したノズル24の内部温度を表示入力装置10に表示させると共に、内部温度の温度データを記憶部164に記憶させるノズル温度出力処理を実行する。
制御部163は、高圧ガスボンベ165を制御し、空気、窒素ガス等の気体の導入を停止し、温度測定処理を終了する。
【0074】
以上の構成および動作により、筒状のノズル24内の少なくとも一部を通過した気体の温度を測定し、ノズル24の先端24cの温度を短時間で精度良く測定することができる。すなわち、例えばノズル24に熱電対145を接触させて温度測定する場合、円筒形のノズル24の部位における温度差等により、ノズル24の全体的な温度を精度よく測定することができず、不安定な測定結果となる。
【0075】
これに対して、本発明の半田ごて温度測定システムAは、ノズル24の孔24a内を通過してきた気体、すなわちノズル24内全体で温められた温風の温度を熱電対145により測定するため、ノズル24に接触して温度測定する場合のように接触部位の違いによる温度のずれを防止することができる。
【0076】
ノズル24内の少なくとも一部とは、ノズル24の基部側、中央部、先端部など適宜の部位とすることができ、ノズル24内全体とすることができる。これにより、少なくともノズル24内の一部を通過してノズル24の温度の影響を受けた気体の温度を測定できる。
【0077】
また、本発明の半田ごて温度測定システムAは、気体を溜めることなく流動させつづけ、流動する気体の温度を測定するため、安定した温度測定を実現できる。すなわち、例えばノズル24の先端から気体が抜け出ずにたまっている場合、たまった気体の温度が徐々に上昇してしまう。しかし、流動させ続ける気体を測定することによって、このような温度上昇が発生せず、安定した温度測定を実現できる。実際に実験したところ、この気体の温度とノズル24の温度(若しくはヒータ36の温度)は相関がとれており、目標温度に向けて正常動作をしている状態のノズル24を測定すると、ほぼ目標温度を取得できる。
【0078】
また、本測定の位置を上記温風の通過方向でノズル24aの先端24cの近傍位置とすることで、本発明の半田ごて温度測定システムAは、ノズル24内で十分に温められた温風を測定でき、効率よく温度測定できる。さらに、本発明の半田ごて温度測定システムAは、前測定によりXYZの3次元上における最適条件の位置、例えば最高温度の位置若しくは目標温度との差が最も少ない位置を定め、高精度に測定することができる。すなわち、温風の最高温部が孔24aの中心ではなく偏っているような場合でも、本発明の半田ごて温度測定システムAは、最高温部の温度を測定できるために、ノズル24の加熱状況が部位によって異なっていてもノズル24全体の温度(平均温度または最高温度など)を精度よく測定できる。
【0079】
また、通常はノズル24の孔24aの中心(軸心)が最も高温であり、本発明の半田ごて温度測定システムAは、この最も高温となっている中心位置を探ることを前測定により短時間で精度よく実施することができる。
また、ノズル24内で測定する為、外乱の影響を受けない為最高温度位置を確実に測定できる
【0080】
また、本発明の半田ごて温度測定システムAは、前測定において、外気の巻き込みの影響が小さく気流が安定しているノズル24の先端近傍で温度測定を行うため、ノズル24の外部温度の温度データ(実測温度)として、高い精度で、かつ、高い再現性の温度データを測定できる。したがって、この温度データ(実測温度)に基づいて、本発明の半田ごて温度測定システムAは、好適な内部測定位置を正確に決定できる。
【0081】
また、本発明の半田ごて温度測定システムAは、送風して温度測定している間、ヒータ36により加熱し続けていることにより、送風によってノズル24の温度が低下していくことがなく、安定した温度で測定することができる。
【0082】
また、本発明の半田ごて温度測定システムAは、半田付け作業時に、溶融前の半田が加熱され現に溶融するノズル24内部の内部測定位置に熱電対145の先端146を配置できるため、溶融前の半田に付与されている熱量を正確に把握することができる。
【0083】
また、本発明の半田ごて温度測定システムAは、ノズル24の孔24a内で乱流の発生を抑制して気体の流れを安定させることができ、内部測定位置に配置された先端146が測定する実測温度も安定し、ばらつきを少なくすることができる。
【0084】
また、本発明の半田ごて温度測定システムAは、測定に用いる熱電対145の先端146が細い線により小さく形成されているため、熱電対145を内部測定位置等に正確にピンポイントで配置することができる。また、本発明の半田ごて温度測定システムAは、このように先端146が細い線により小さく形成されているため、応答速度が速く、温度測定に要する待ち時間を短くでき、測定時間を短縮できる。
【0085】
また、本発明の半田ごて温度測定システムAは、ステッピングモータ等の駆動手段を備えた移動手段を、コンピュータ制御装置を用いた制御部163が制御して、ノズル24を移動させることにより、熱電対145の先端146を外部測定位置あるいは内部測定位置に配置している。このため、人が手動で測定する場合に繰り返し精度が±5℃程度であったことに比べて、本発明の半田ごて温度測定システムAは、繰り返し精度が±1℃以内と高い再現性を実現できる。しかも、先端146の内部測定位置等への配置精度を人手で行うよりも高くできる上に、短時間での配置が可能である。その上、人の手を介在せずに済むため、加熱されているノズル24等に人の手が接触してしまうことを防止できる。
【0086】
また、半田付け装置1は、人の手を介さずとも温度測定装置30によりノズル24の温度を自動測定できるため、半田付けを行っているラインを停止させることなく温度測定を実行できる。このため、半田付け処理をするラインの稼働中にリアルタイムにノズル24の温度状態を測定でき、ヒュームの付着状態やノズル24の欠損等を診断してノズル24の交換時期をアラームで報知するといったことが可能となる。
【0087】
また、本発明の半田ごて温度測定システムAは、半田付け作業時と同様に、制御部163の制御の下で温度測定を自動で行うため、半田付け作業からの移行に際して、段取り替え等を特に必要とせず、装置稼働率の低下を抑制できる。具体的には、人による測定の場合、手作業による測定時間20秒と、半田付け装置1を停止させる時間30秒が必要なため50秒を要するが、本発明の半田ごて温度測定システムAは15秒で温度測定を完了させることができる。
【0088】
こうして精度よく測定したノズル24の先端24cの温度を利用して、半田付け装置1の連続稼働によってノズル24内に半田やフラックスが付着してノズル24の温度上昇が妨げられるようになっている場合や、何らかの原因によってノズル24の先端24cの温度が下がってきている(あるいは熱しすぎている)状況を把握し、その状況に応じて適切な対策を実行することができる。これによって、半田付け装置1による半田付けの連続運転時間を長時間化し、かつ、適切な時点でノズル24のクリーニングやノズル24の交換等を実施できるため、半田付け装置1の稼働率を向上させることができる。
【0089】
このように、本発明の半田ごて温度測定システムAは、ノズル24の先端24cの温度を短時間で精度よく測定できることにより、ノズル交換若しくはノズル清掃の必要な時期を精度よく判定でき、またヒータによる加熱温度を状況に応じて適宜に調整でき、半田不良をゼロに近づけることができ、しかも連続運転期間をできる限り長くすることができる。
【0090】
なお、この発明は、上述した実施形態に限られず、他の様々な実施形態とすることができる。
【0091】
例えば、XY方向の位置は、前測定で最高温度の位置または目標温度との差が最も小さい位置とするのではなく、孔24aの中心位置としてもよい。この場合、上述した実施例1よりも多少精度が落ちる可能性があるが、それでもノズル24に熱電対145を接触させて温度測定するよりも精度のよい温度測定を実現できる。
【0092】
また、ノズル24内に導入する気体は、高圧ガスボンベ165のガスに限らず、周辺から取り込んだ空気としても良い。また、このようにノズル24に供給する気体は、周辺の雰囲気温度のままでそのまま導入する、あるいは適宜のヒータやクーラによって所定温度に調整してから導入するなど、適宜の構成とすることができる。温度調整されていない気体を導入する場合は、導入前の気体の温度によって本測定を実施する測定時間を調整する、あるいは導入する気体の流速を調整してもよい。
【0093】
また、半田付け装置1に挿着するノズル24の種類を変更した際に、外部仮想面上でX方向201およびY方向202に前測定する範囲、および本測定時に孔24a内に熱電対145を挿入する距離を変更できるように構成してもよい。この場合、多様なノズルの種類に応じて適切な温度測定を実行できる。
【0094】
また、前測定の範囲はノズル24の孔24aの範囲よりも広くしておき、本測定用のXY方向の位置は熱電対145が孔24a内に収まりノズル24の内壁に接触しない位置となるように設定してもよい。この場合、万一最適な条件のXY方向の位置に熱電対145を配置するとノズル24の内壁に接触するか孔24a内に挿入できないような場合には、測定エラーとする、あるいは、熱電対145が孔24a内に入ってかつノズル24に接触しない範囲で当該位置にXY平面上で最も近い位置とする等、適宜の構成とすることができる。
【0095】
また、本測定で測定した温度に応じて、ヒータ温度を校正するように構成してもよい。この場合、次のようにヒータ温度構成処理を行うと良い。
【0096】
<ヒータ温度校正>
<温度比較>
制御部163は、上述の<温度測定>により取得したノズル24の内部温度の温度データ(実測温度)と、目標温度とを比較する。
【0097】
<設定温度変更>
実測温度と目標温度との温度差が1℃以上の場合には、制御部163は、設定温度から当該温度差を差し引いた温度を新たな設定温度として設定し直した上で、ヒータ36(図4参照)(加熱手段)に供給する電力を制御し、ノズル24(半田ごて)を加熱する。
この状態で、制御部163は、上述の<本測定>を実行する。
【0098】
制御部163は、実測温度と目標温度との温度差が1℃未満になるまで、<本測定>、<温度比較>、および<設定温度変更>の一連の工程を繰り返させる。
【0099】
実測温度と目標温度との温度差が1℃未満になった時点で、<ヒータ温度校正>は終了する。
【0100】
このように構成することで、<ヒータ温度校正>も、<温度測定>と同様に、制御部163の制御の下、半田付け装置1が自動で行うため、段取り替え等が不要であり、装置稼働率の低下を抑制できる。
【0101】
また、<ヒータ温度校正>は、形状あるいは熱容量の異なる新たなノズル24に交換した際に特に有用で、当該交換後のヒータ温度の校正を迅速、且つ的確に実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
この発明は、生産設備で半田付けを実行するような産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0103】
24…ノズル
24a…孔
130…温度測定装置
145…熱電対
146…先端
図1
図2
図3
図4
図5
図6