特許第6563947号(P6563947)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563947
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】CCR6化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 215/48 20060101AFI20190808BHJP
   C07D 405/04 20060101ALI20190808BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20190808BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20190808BHJP
   C07D 417/04 20060101ALI20190808BHJP
   C07D 413/10 20060101ALI20190808BHJP
   C07D 403/10 20060101ALI20190808BHJP
   C07D 417/10 20060101ALI20190808BHJP
   C07D 401/10 20060101ALI20190808BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20190808BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20190808BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 15/02 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 5/16 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190808BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20190808BHJP
【FI】
   C07D215/48
   C07D405/04CSP
   C07D405/14
   C07D401/12
   C07D417/04
   C07D413/10
   C07D403/10
   C07D417/10
   C07D401/10
   A61K31/4709
   A61K31/47
   A61K31/506
   A61P29/00
   A61P37/08
   A61P17/00
   A61P17/06
   A61P17/04
   A61P11/06
   A61P1/00
   A61P15/02
   A61P9/00
   A61P11/02
   A61P11/00
   A61P5/16
   A61P25/28
   A61P3/10
   A61P37/06
   A61P9/10 101
   A61P31/00
   A61P43/00 111
   !C12N15/09 ZZNA
【請求項の数】32
【全頁数】52
(21)【出願番号】特願2016-556693(P2016-556693)
(86)(22)【出願日】2014年12月2日
(65)【公表番号】特表2016-540051(P2016-540051A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(86)【国際出願番号】US2014068152
(87)【国際公開番号】WO2015084842
(87)【国際公開日】20150611
【審査請求日】2017年11月30日
(31)【優先権主張番号】61/910,838
(32)【優先日】2013年12月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507416218
【氏名又は名称】ケモセントリックス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ダイラギ
(72)【発明者】
【氏名】ディーン アール.ドラゴリ
(72)【発明者】
【氏名】ジャレク カリシアク
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ダブリュ.ラング
(72)【発明者】
【氏名】マンモハン レッディ レレティ
(72)【発明者】
【氏名】イエンドーン リー
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ エム.ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ベンカット レッディ マリ
(72)【発明者】
【氏名】ビエンカム マラソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ ピー.パワーズ
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ジョアンヌ タン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジェイ.ウォルターズ
(72)【発明者】
【氏名】ジュイ ヤーン
(72)【発明者】
【氏名】ペングリー ジャーン
【審査官】 薄井 慎矢
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−537275(JP,A)
【文献】 特表2008−526996(JP,A)
【文献】 特表2010−504908(JP,A)
【文献】 特表2010−504280(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/130811(WO,A1)
【文献】 特表2010−533203(JP,A)
【文献】 特表2011−522806(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/119518(WO,A1)
【文献】 特表2011−513196(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/061004(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/061005(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)を有する化合物:
【化1】
又はその医薬的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、N−酸化物、若しくは回転異性体
(式中、
Aは、−COH、−SOH、−PO及びテトラゾールからなる群より選択される要素であり;
環の節点a、b、c及びdは、独立にN、CH及びC(R)から選択され;
各Rは、独立にハロゲン、CN、−SF、C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、C1−8ハロアルキル、−OR、−SR、−COR、−NR、及び、5又は6員環ヘテロアリールからなる群より選択され、ここでRのアルキル部位は、任意により更に1〜3のRで置換されていてもよく;更に任意により、隣接する複数のR要素が連結されて、C、O、S及びNから選択される環の節点を有する、飽和又は不飽和の更なる5又は6員環を形成していてもよく、ここで前記更なる5又は6員環は、任意によりハロゲン、ヒドロキシル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ及びC1−4ハロアルキルからなる群より選択される1又は2以上の要素で置換されていてもよく;
下付文字mは、0〜2の整数であり;
下付文字nは、0〜3の整数であり;
各R及びRは、独立にハロゲン、CN、C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、C1−8ハロアルキル、アリール、−OR、−NR及び−N(R)−C−Cアルキレン−ORからなる群より選択され、ここでR及びRのアルキル又はアリール部位は、任意により更に1〜3のRで置換されていてもよく;
Arは、5又は6員環の芳香環又はヘテロ芳香環であり、当該環は、独立にハロゲン、CN、−SF、C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、C1−8ハロアルキル、C1−8ヒドロキシアルキル、−OR、−NR、5又は6員環ヘテロアリール、及び3−、4−、5又は6員環ヘテロシクロアルカンからなる群より選択される1〜5のR置換基で任意により置換されていてもよく、ここで前記ヘテロアリール及びヘテロシクロアルカン環の節点として存在するヘテロ原子は、N、O及びSから選択され、ここでRのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルカン部位は、任意により更に1〜3のRで置換されていてもよく;
各R及びRは、独立に水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、アミノ、C1−8アルキルアミノ、及びジC1−8アルキルアミノからなる群より選択され、或いは、窒素原子に結合している場合には、任意により連結されて4〜7員飽和環を形成していてもよく、当該環は任意によりオキソで置換されていてもよい。)。
【請求項2】
式中、
の節点a、b、c及びdは、独立にN、CH及びC(R)から選択され;
各Rは、独立にハロゲン、CN、C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、C1−8ハロアルキル、−OR、−COR、−NRからなる群より選択され、ここでRのアルキル部位は、任意により更に1〜3のRで置換されていてもよく;更に任意により、隣接する複数のR要素が連結されて、C、O、S及びNから選択される環の節点を有する、飽和又は不飽和の更なる5又は6員環を形成していてもよく、ここで前記更なる5又は6員環は、任意によりハロゲン、ヒドロキシル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ及びC1−4ハロアルキルからなる群より選択される1又は2以上の要素で置換されていてもよく;
下付文字mは、0〜2の整数であり;
下付文字nは、0〜3の整数であり;
各R及びRは、独立にハロゲン、CN、C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、C1−8ハロアルキル、アリール、−OR、−NR及び−N(R)−C−Cアルキレン−ORからなる群より選択され、ここでR及びRのアルキル又はアリール部位は、任意により更に1〜3のRで置換されていてもよく;
Arは、5又は6員環の芳香環又はヘテロ芳香環であり、当該環は任意により、ハロゲン、CN、C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、C1−8ハロアルキル、C1−8ヒドロキシアルキル、−OR、−NR、5又は6員環ヘテロアリール、及び3−、4−、5又は6員環ヘテロシクロアルカンからなる群より独立に選択される1〜5のR置換基で置換されていてもよく、ここで前記ヘテロアリール及びヘテロシクロアルカン環の節点として存在するヘテロ原子は、N、O及びSから選択され、ここでRのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルカン部位は、任意により更に1〜3のRで置換されていてもよく;
各R及びRは、独立に水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、アミノ、C1−8アルキルアミノ、及びジC1−8アルキルアミノからなる群より選択され、或いは、窒素原子に結合している場合には、任意により連結されて4〜7員飽和環を形成していてもよい、
請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、N−酸化物、若しくは回転異性体。
【請求項3】
a、b、c及びdが、各々独立に、CH及びC(R)からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
環の節点dが、CHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
環の節点c及びdが、各々CHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
環の節点a、b、及びcが、各々C(R)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
環の節点a及びbが、各々C(R)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Aが、−COHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
m及びnが、各々独立に0又は1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
m及びnが、各々0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
Arが、各々任意により1〜3のR置換基で置換されていてもよい、ベンゼン、ピリジン及びピリミジンからなる群より選択される、6員環の芳香環又はヘテロ芳香環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
Arが、各々任意により1〜2のR置換基で置換されていてもよい、ベンゼン及びピリジンからなる群より選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Arが、任意により1〜3のR置換基で置換されていてもよいベンゼン環であり;Aが、−COHであり;dが、CHであり;a、b及びcが各々、独立にCH及びC(R)からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
下付文字m及びnが、各々独立に0又は1である、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
下付文字m及びnが、各々0である、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
環の節点としてa、b、c及びdを有する環が:
【化2】
からなる群より選択される、
(式中、yで示す波線は、化合物のNHS(O)部位に対する連結点を示し、zで示す波線は、キノリン環に対する連結点を示す。)、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
Arが:
【化3】
からなる群より選択される
(式中、wで示す波線は、S(O)部分に対する連結点を示す。)、請求項11に記載の化合物。
【請求項18】
Arが:
【化4】
からなる群より選択される
(式中、wで示す波線は、S(O)部分に対する連結点を示す。)、請求項16に記載の化合物。
【請求項19】
下記:
【化5】
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
下記:
【化6】
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、N−酸化物、若しくは回転異性体。
【請求項21】
下記式:
【化7】
の構造を有する、請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項22】
下記式:
【化8】
の構造を有する、請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項23】
下記式:
【化9】
の構造を有する、請求項1に記載の化合物、又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項24】
請求項1〜23の何れか一項に記載の化合物、又はその医薬的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、N−酸化物、若しくは回転異性体と、医薬的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項25】
少なくとも部分的にCCR6により調節される疾患又は状態を治療するための、請求項24に記載の医薬組成物
【請求項26】
前記疾患又は状態が、炎症性疾患又は状態である、請求項25に記載の医薬組成物
【請求項27】
前記疾患又は状態が、乾癬、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、蕁麻疹、掻痒、アレルギー性喘息、クローン病、潰瘍性結腸炎、回腸炎、腸炎、虫刺され、強皮症、膣炎、血管炎、グレーブス病、アルツハイマー病、I型糖尿病、移植片拒絶、アテローム性動脈硬化、敗血症、サルコイドーシス、慢性閉塞性肺疾患、及び副鼻腔炎からなる群より選択される、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記疾患又は状態が、アトピー性皮膚炎である、請求項25に記載の医薬組成物
【請求項29】
前記疾患又は状態が、乾癬である、請求項25に記載の医薬組成物
【請求項30】
前記化合物が、請求項11161819、20、21、22、又は23に記載の化合物、又はその医薬的に許容可能な塩ある、請求項24〜29の何れか一項に記載の医薬組成物
【請求項31】
前記化合物が、請求項18に記載の化合物、又はその医薬的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、N−酸化物、若しくは回転異性体である、請求項30に記載の医薬組成物
【請求項32】
前記化合物が、請求項19に記載の化合物、又はその医薬的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、N−酸化物、若しくは回転異性体である、請求項30に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照:
本願は、米国特許仮出願第61/910,838号(2013年12月2日出願)に基づく優先権の利益を主張する。その開示事項はその全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦支援の研究開発の下でなされた発明に対する権利に関する宣言:
適用無し。
【0003】
コンパクトディスクで提出される「配列表」、表、又はコンピュータープログラムリスト添付物への言及:
適用無し。
【背景技術】
【0004】
ケモカインは、マクロファージ、T細胞、好酸球、好塩基球、及び好中球を炎症部位に誘引するために、多種多様な細胞により放出される走化性サイトカインである(総説として、Schall, Cytokine, 3:165-183 (1991)、Schall, et al., Curr Opin. Immunol. 6:865-873 (1994)、及びMurphy, Rev. Immun., 12:593-633 (1994))。走化性の刺激に加えて、ケモカインは個々の細胞において選択的に他の変化も誘導しうる。例えば、細胞形状の変更、細胞内遊離カルシウムイオン([Ca2+])濃度の一過的上昇、顆粒エキソサイトーシス、インテグリンの上方調節、生物活性脂質(例えばロイコトリエン)の形成、及び白血球の活性化に伴う呼吸バースト等が挙げられる。即ち、ケモカインは炎症応答の初期トリガーであり、感染又は炎症部位への炎症メディエーターの放出、走化性、及び溢出を引き起こす。
【0005】
ケモカインにはCXC(α)及びCC(β)という2つのクラスが存在し、これらは最初の2つのシステインが一つのアミノ酸によって隔てられているか(C−X−C)、それとも隣接しているか(C−C)が異なる。α−ケモカイン、例えばインターロイキン−8(IL−8)、好中球活性化タンパク質−2(neutrophil-activating protein-2:NAP−2)、及びメラノーマ成長刺激活性タンパク質(melanoma growth stimulatory activity protein:MGSA)等は、主に好中球走化性であるのに対して、β−ケモカイン、例えばRANTES、MIP−la、MIP−lb、単球走化性タンパク質−l(monocyte chemotactic protein-l:MCP−l)、MCP−2、MCP−3、及びエオタキシン等は、マクロファージ、T−細胞、好酸球、及び好塩基球に対して走化性を示す(Deng, et al., Nature, 381:661-666 (1996))。ケモカインは、G−タンパク質結合7回膜貫通ドメインタンパク質群に属する特異的な細胞表面受容体に結合する(総説として、Horuk, Trends Pharm. Sci., 15:159-165 (1994))。斯かる受容体は、「ケモカイン受容体」(chemokine receptors)と呼ばれる。
【0006】
ケモカイン受容体に対応するリガンドが結合すると、ケモカイン受容体は関連する三量体Gタンパク質を通じて細胞内シグナルを伝送し、その結果として細胞内カルシウム濃度が急激に上昇する。β−ケモカインに結合又は反応するヒトケモカイン受容体は少なくとも11種存在し、αケモカイン結合するヒトケモカイン受容体は少なくとも7種存在する。更に、CX3CR1(フラクタルカイン受容体)はフラクタルカインケモカインに結合しうる。最初の2つのシステインの間に存在する3つのアミノ酸群により区別される。ケモカイン受容体は、炎症並びに免疫調節性の障害及び疾患(例えば喘息やアレルギー性疾患、更には自己免疫病理、例えば関節リウマチやアテローム性動脈硬化等)の重要なメディエーターとの関連が指摘されている。
【0007】
CCR6は主にB細胞、IL17分泌T細胞、制御性T細胞及び樹状細胞において発現することが知られており、その対応するリガンドCCL20(MIP−3α)に対して強い結合を示す。大人の末梢血エフェクター/記憶CD4+T細胞の約30〜60%で発現されている。CCR6は、炎症組織、特に皮膚及び肺に対する白血球のホーミングに関与しており、皮膚ホーミング表現型を有するT細胞(CLA+T細胞)の殆ど全てで共発現されている。このように、CCR6は白血球が関与する皮膚病理において重要な役割を果たしている。
【0008】
CCR6の発現は、以下の様に乾癬と関連づけられてきた。ヒトにおいて、末梢血中の皮膚ホーミングCD4T細胞の大多数はCCR6を発現し、乾癬患者から単離されたT細胞において発生するCCL20媒介走化性の程度がより高い(Homey, et. al., JI, 2000)。IL17分泌細胞は幾つかの炎症性疾患における中心的な剤である。T細胞、例えばγδT細胞及びTH17T細胞等は、活性化後にIL17を産生する。IL17の病原作用は、ヒト疾患、例えば関節リウマチ(Patel DD et. al., Ann Rheum Dis 2013)、多発性硬化症(Zepp J, Wu L, and X Li Trends Immunol 2011)、及び乾癬(Martin DA et. al., J Invest Dermatol 2012)等と関連づけられてきた。IL17と乾癬とを強く結びつける証拠としては、乾癬とIL17のシグナル伝達経路における上流(IL−23)又は下流(NFκb)の遺伝子との強い関連、並びに臨床背景における標的化IL17での効力を示す遺伝子ワイド関連研究が挙げられる(Martin DA et. al., J. Invest Dermat. 2012;Papp et. al., NEJM, 2012;Papp et. al., NEJM, 2012)。CCL20媒介走化性の増強に加え、乾癬患者から単離されたCCR6+T細胞は、健全対照者と比較して、IL−17A、IL22、及びTNFαを優先的に分泌する(Kagami, et. al., J. Invest. Dermatol., 2010)。最後に、ccl20mRNAは、乾癬皮膚病変試料において上方制御されていた(Homey, et. al., JI, 2000; Dieu-Nosjean, et. al., JEM, 2000)。マウスにおいて、CCR6ノックアウトマウスは、IL−23駆動性の乾癬から保護された。このように、マウス及びヒトの双方で、多数の証拠により、乾癬及び乾癬様モデルにおけるCCR6遮断の保護的役割が示唆されている。
【0009】
CCR6の臨床条の重要性を考慮すると、CCR6機能を調節する化合物の特定は、新たな治療剤の開発に至る魅力的な方向性であると言える。本明細書では、斯かる化合物及びそれらの使用の方法が提供される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書では、式(I)を有する化合物:
【化1】
(ここで、環の節点a、b、c、及びd;Ar;A;R、R、並びに下付文字m及びnの意味は、以下の発明の詳細な説明において供される)が提供される。斯かる化合物は、CCR6により少なくとも部分的に調節される疾患又は状態の処置に有用である。
【0011】
式(I)の化合物の医薬組成物も提供される。
【0012】
更に、本明細書では、式(I)の化合物の合成のための調製方法、並びに当該調製に有用な選択された中間体も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A図1A〜1Hは、本明細書に記載の方法で調製及び評価された化合物の構造及び結合データを供する。活性は、+:20000nMIC50500nM;++:500nM>IC50100nM;及び+++:100nM>IC50として表す。
図1B】同上。
図1C】同上。
図1D】同上。
図1E】同上。
図1F】同上。
図1G】同上。
図1H】同上。
【0014】
図2A図2A〜2Cは、本明細書に記載の方法で調製及び評価された化合物の構造及び遊走データを供する。活性は、+:20000nMIC50500nM;++:500nM>IC50100nM;及び+++:100nM>IC50として表す。
図2B】同上。
図2C】同上。
【発明を実施するための形態】
【0015】
I.略語及び定義
特に指示しない限り、用語「アルキル」は、単独で、又は他の置換基の一部として直鎖又は分枝鎖炭化水素ラジカルを意味し、指定の炭素原子数を有する(すなわち、Cは1〜8個の炭素を意味する)。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等が挙げられる。用語「アルケニル」は、1つ以上の二重結合を有する不飽和アルキル基を意味する。同様に、用語「アルキニル」は、1つ以上の三重結合を有する不飽和アルキル基を意味する。このような不飽和アルキル基の例としては、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジニエル)、エチニル、1−及び3−プロピニル、3−ブチニル、並びに高級同族体及び異性体が挙げられる。用語「シクロアルキル」は、環原子の表示数(例、C3−6シクロアルキル)及び完全に飽和しているか又は環の節点間に二重結合を1つのみ有する炭化水素環を意味する。「シクロアルキル」はまた、二環式及び多環式炭化水素環、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタンなどを意味する。用語「ヘテロシクロアルカン」又は「ヘテロシクロアルキル」は、N、O及びSより選択される1〜5個のヘテロ原子を含有するシクロアルキル基を意味し、ここで窒素原子及びイオウ原子は酸化されていてもよく、窒素原子は四級化されていてもよい。ヘテロシクロアルカンは単環系、二環系又は多環系であってよい。ヘテロシクロアルカン基の非限定例としては、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ブチロラクタム、バレロラクタム、イミダゾリジノン、ヒダントイン、ジオキソラン、フタルイミド、ピペリジン、1,4−ジオキサン、モルホリン、 チオモルホリン、チオモルホリン−S−オキシド、チオモルホリン−S,S−オキシド、ピペラジン、ピラン、ピリドン、3−ピロリン、チオピラン、ピロン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、キヌクリジン等が挙げられる。ヘテロシクロアルカン基は、環炭素又はヘテロ原子を介して分子の残部に結合することができる。
【0016】
用語「アルキレン」は、単独で、又は他の置換基の一部として、−CHCHCHCH−などアルカンから誘導される二価のラジカルを意味する。通常は、アルキル(又はアルキレン)基は1〜24個の炭素原子を有しており、本発明においては10個以下の炭素原子を有する基が好ましい。「低級アルキル」又は「低級アルキレン」とは、短鎖アルキル基又は短鎖アルキレン基であり、通常4個以下の炭素原子を有する。同様に、「アルケニレン」及び「アルキニレン」とは、それぞれ二重結合を有する「アルキレン」又は三重結合を有する「アルキレン」の不飽和型を意味する。
【0017】
本発明で使用する場合、本明細書で示されるあらゆる化学構造における単結合、二重結合又は三重結合と交差する波線
【化2】
は、分子の残部への単結合、二重結合又は三重結合の連結点を示す。
【0018】
用語「アルコキシ」、「アルキルアミノ」及び「アルキルチオ」(又はチオアルコキシ)は従来の意味で使用され、それぞれ酸素原子を介して分子の残部に結合したアルキル基、アミノ基を介して分子の残部に結合したアルキル基、又はイオウ原子を介して分子の残部に結合したアルキル基を意味する。更に、ジアルキルアミノ基のアルキル部分は、同一であるか又は異なることができ、互いに結合し、それぞれが結合している窒素原子と共に3〜7員環を形成することもできる。従って、ジアルキルアミノ又は−NRで示される基は、ピぺリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、アゼチジニル等を包含することを意味する。
【0019】
用語「ジ−(C1−4アルキル)アミノ−C1−4アルキル」は、同一であるか又は異なることができる2つのC1−4アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル及びt−ブチル)を持ち、C1−4アルキル基(C1−4アルキレン連結基)を介して分子の残部に結合しているアミノ基を意味する。ジ−(C1−4アルキル)アミノ−C1−4アルキル基の例としては、ジメチルアミノメチル、2−(エチル(メチル)アミノ)エチル、3−(ジメチルアミノ)ブチル等が挙げられる。
【0020】
特に指示しない限り、用語「ハロ」又は「ハロゲン」は単独で、又は他の置換基の一部として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。更に、「ハロアルキル」などの用語はモノハロアルキル及びポリハロアルキルを包含することを意味する。例えば、用語「C1−4ハロアルキル」は、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピル等を包含することを意味する。
【0021】
特に指示しない限り、用語「アリール」は、縮合し又は共有結合で結合し、単環又は複数環(最大3環)になることができる多価不飽和炭化水素基(一般に芳香族)を意味する。用語「ヘテロアリール」は、N、O及びSより選択される1〜5個のヘテロ原子を含むアリール基(又は環)を意味し、ここで窒素原子及びイオウ原子は酸化されていてもよく、窒素原子は四級化されていてもよい。ヘテロアリール基は、へテロ原子を介して分子の残部に結合することができる。アリール基の非限定例としては、フェニル、ナフチル及びビフェニルが挙げられ、更にヘテロアリール基の非限定例としては、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミンジニル、トリアジニル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ベンゾトリアジニル、プリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾトリアジニル、チエノピリジニル、チエノピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリジン、ベンゾチアキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、 イソチアゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、プテリジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、チアゾリル、フリル、チエニル等が挙げられる。上記のアリール環系及びヘテロアリール環系のそれぞれの置換基は、下記の許容される置換基の群より選択される。
【0022】
用語「アリールアルキル」は、アリール基がアルキル基(例、ベンジル、フェネチル等)に結合しているラジカルを包含することを意味する。同様に、用語「ヘテロアリール−アルキル」は、ヘテロアリール基がアルキル基(例、ピリジルメチル、チアゾリルエチル等)に結合しているラジカルを包含することを意味する。
【0023】
本発明で使用する場合、用語「へテロ原子」は、酸素(O)、窒素(N)、イオウ(S)及びケイ素(Si)を包含することを意味する。
【0024】
用語「薬学的に許容可能な塩」は、本明細書に記載される化合物で見出される特定の置換基に応じて、比較的非毒性の酸又は塩基で調製された活性化合物の塩を包含することを意味する。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含む場合、そのままか又は適切な不活性溶媒に入れた所望の塩基を十分量有する化合物の中性型に接触させることによって、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容可能な無機塩基から誘導される塩の例としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、二価マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等が挙げられる。薬学的に許容可能な有機塩基から誘導される塩としては、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等といった、置換アミン、環状アミン、天然アミン等を含む第一級アミン、二級アミン、三級アミンの塩が挙げられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含む場合、そのままか又は適切な不活性溶媒に入れた所望の酸を十分量有する化合物の中性型に接触させることによって、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容可能な酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸又は亜リン酸等の無機酸、更に、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸等の比較的無毒な有機酸から誘導される塩が挙げられる。また、アルギニン酸等のアミノ酸塩、グルクロン酸又はガラクツロン酸等の有機酸塩も含まれる(例えば、Berge, S.M., et al, “Pharmaceutical Salts”, Journal of Pharmaceutical Science,1977, 66, 1-19を参照のこと)。本発明のある特定の化合物は、塩基性官能基及び酸性官能基の双方を含んでおり、塩基付加塩又は酸付加塩のどちらへの変換も可能である。
【0025】
本化合物の中性型は、塩に塩基又は酸を接触させ、従来の方法で親化合物を単離することで再生してよい。本化合物の原形態は、極性溶媒中での溶解度など、特定の物理的性質において種々の塩の形態とは異なるが、その他は本発明の目的のための化合物の原形態に対応する。
【0026】
塩の形態に加えて、本発明はプロドラッグ形態の化合物を提供する。本明細書で記載される化合物のプロドラッグは、生理的条件下で速やかに化学変化を起こし、本発明の化合物を提供する。更に、プロドラッグは生体外環境において化学的方法又は生化学的方法により本発明の化合物へと変換することができる。例えば、プロドラッグを適切な酵素又は試薬と共に経皮パッチ式リザーバーに入れた場合、徐々に本発明の化合物に変換することができる。
【0027】
本発明の特定化合物は、非溶媒和形態と同様に、水和形態を含む溶媒和形態でも存在することができる。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲内に包含されることを意図する。本発明の特定化合物は、複数の結晶形態又は非晶質形態で存在してよい。一般に、全ての物理的形態は本発明で検討される用途に対応し、本発明の範囲内であることを意図する。
【0028】
本発明の特定化合物は、非対称炭素原子(光学中心)又は二重結合を有する。ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、位置異性体及び個々の異性体(例、分離した光学異性体)は全て本発明の範囲内に包含されることを意図する。本発明の化合物はまた、このような化合物を構成する1個以上の原子において、非天然の比率の原子同位体を含んでもよい。同位体の非天然の比率とは、当該原子の、実際に検出した量から100%検出する場合の量までの範囲、と定義してよい。例えば、本化合物は、三重水素(H)、ヨウ素125(125I)又は炭素14(14C)などの放射性同位体、若しくは重水素(H)又は炭素13(13C)などの非放射性同位体を混合させてよい。このような同位体変異種により、本出願の別の箇所で記載されている同位体に更なる有用性を提供することができる。例えば、本発明の化合物の同位体変異種は、診断試薬及び/又は画像試薬として、若しくは細胞毒性/放射性毒治療薬として更なる有用性を見出す可能性があるが、これらに限定されない。更に、本発明の化合物の同位体変異種は、薬物動態学変化及び治療中の安全性、忍容性又は有効性の向上に寄与することができる薬力学的特性を有することができる。本発明の化合物の全同位体変異種は、放射性であってもなくても、本発明の範囲内に包含されることを意図する。
【0029】
特に指示しない限り、用語「及び酸性同配体」は、カルボン酸を置換えることができ、酸性官能基及び立体構造、並びにカルボン酸に似た活性水準(又は溶解性など他の化合物特性)を提供する電子的特性を有する基を意味する。代表的な酸性同配体としては、ヒドロキサム酸、スルホン酸、スルフィン酸、スルホンアミド、アシル−スルホンアミド、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、テトラゾール及びオキソ−オキサジアゾールが挙げられる。
【0030】
式Iを有する本発明の化合物は別の異性体で存在することができる。本発明で使用する場合、用語シス(cis)又はトランス(trans)は、化学技術分野において従来の意味で使用されており、すなわち基準面(例、二重結合、若しくはデカリン型環系又はヒドロキノロン環系などの環系)に対する置換基の互いの位置を意味する。シス異性体の置換基は基準面の同側に付き、トランス異性体の置換基は反対側に付く。更に、本発明により異なる配座異性体と同様に特異な回転異性体も考えられる。配座異性体は、1つ以上のσ結合の周りが回転することで異なり得る立体配座異性体である。回転異性体は、1つのσ結合の周りのみが回転することで異なる配座異性体である。
【0031】
II.概略
本発明は、CCR6受容体の強力な拮抗薬として作用する式Iの化合物の発見に由来する。本化合物は、インビボ抗炎症活性及び優れた薬物動態特性を有する。従って、本明細書に提供される化合物は、医薬組成物、CCR6−媒介疾患の治療法、及び競合的なCCR6拮抗薬の同定のためのアッセイにおいて有用である。
【0032】
III.化合物
一態様では、本発明は式Iを有する化合物:
【化3】
又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、N−酸化物、若しくは回転異性体を提供する。式(I)中、Aはカルボン酸部分又はカルボン酸同配体であり;環の節点a、b、c及びdは、独立にN、CH及びC(R)から選択され;各Rは、独立にハロゲン、CN、−SF、C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、C1−8ハロアルキル、−OR、−SR、−COR、−NR、及び、5又は6員環ヘテロアリールからなる群より選択され、ここでRのアルキル部位は、更に1〜3つのRで置換されていてもよく;更に、隣接するR同士が連結されて、C、O、S及びNから選択される環の節点を有する、飽和又は不飽和の更なる5又は6員環を形成していてもよく、前記更なる5又は6員環は、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ及びC1−4ハロアルキルからなる群より選択される1つ又は2つのメンバーで置換されていてもよく;下付文字mは、0〜2の整数であり;下付文字nは、0〜3の整数であり;各R及びRは、独立にハロゲン、CN、C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、C1−8ハロアルキル、アリール、−OR、−NR及び−N(R)−C−Cアルキレン−ORからなる群より選択され、ここでR及びRのアルキル又はアリール部位は、更に1〜3つのRで置換されていてもよく;Arは、5又は6員環の芳香環又はヘテロ芳香環であり、当該環は、独立にハロゲン、CN、−SF、C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、C1−8ハロアルキル、C1−8ヒドロキシアルキル、−OR、−NR、5又は6員環ヘテロアリール、及び3、4、5又は6員環ヘテロシクロアルカンからなる群より選択される1〜5つのR置換基で置換されていてもよく、ここで前記ヘテロアリール及びヘテロシクロアルカン環の節点として存在するヘテロ原子は、N、O及びSから選択され、ここでRのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルカン部位は、更に1〜3つのRで置換されていてもよく;各R及びRは、独立に水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、アミノ、C1−8アルキルアミノ、及びジC1−8アルキルアミノからなる群より選択され、或いは、窒素原子に結合している場合には、連結されて4〜7員飽和環を形成していてもよく、この飽和環はオキソで置換されていてもよい。
【0033】
幾つかの選択された実施形態において、式(I)の化合物は、式中、環の節点a、b、c及びdは、各々独立にCH及びC(R)から選択される。他の選択された実施形態において、式(I)の化合物は、式中、環の節点dがCHである。更に他の選択された実施形態において、式(I)の化合物は、式中、環の節点c及びdが各々CHである。なお更に他の選択された実施形態において、式(I)の化合物は、式中、環の節点a、b、及びcが各々C(R)である。他の選択された実施形態において、式(I)の化合物は、式中、環の節点a及びbが、各々C(R)である。
【0034】
式(I)の化合物において、Aは、カルボン酸又はカルボン酸同配体(又はその適切な塩)を表す。式(I)の特定の選択された実施形態において、Aは、−COH、−SOH、−PO及びテトラゾールからなる群より選択されるメンバーを表す。他の選択された実施形態において、式(I)の化合物は、式中、Aが、カルボン酸(−COH)又はテトラゾールである。幾つかの実施形態において、Aはテトラゾールである。幾つかの実施形態において、Aは−COHまたはその塩である。
【0035】
キノリン部分に付く置換基に着目すると、特定の選択された実施形態においてm及びnは共に0である。他の選択された実施形態において、式(I)の化合物は、式中、m及びnが独立に0及び1から選択される。それらの実施形態では、式中、R及びRが存在し、選択された実施形態は、式中、各々が独立にハロゲン、C1−8アルキル、−OR、−NR及び−N(R)−C−Cアルキレン−ORからなる群より選択され、ここでR及びRのアルキル部位は更に1〜3つのRで置換されていてもよい。
【0036】
式(I)の化合物の他の選択された実施形態において、上記の各実施形態では、Arは、ベンゼン、ピリジン及びピリミジンからなる群より選択される、6員環の芳香環又はヘテロ芳香環であり、各々が1〜3つのR置換基で置換されていてもよい。式(I)の化合物の更に他の選択された実施形態において、上記の各実施形態では、Arは、ベンゼン及びピリジンからなる群より選択され、各々が1〜2つのR置換基で置換されていてもよい。
【0037】
ある選択された式(I)の実施形態の群において、Arが、1〜3つのR置換基で置換されていてもよいベンゼン環であり;Aが、−COHであり;dが、CHであり;a、b及びcが、独立にCH及びC(R)からなる群より選択される。この実施形態の群において、更に選択された実施形態では、式中、m及びnが、各々独立に0又は1である。更に選択された実施形態では、式中、m及びnが、各々0である。
【0038】
式(I)の化合物の他の選択された実施形態において、上記の各実施形態では、環の節点としてa、b、c及びdを有する環が
【化4】
からなる群より選択される、(式中、yで示す波線は、化合物のNHS(O)部位に対する連結点を示し、zで示す波線は、キノリン環に対する連結点を示す。)
【0039】
式(I)の化合物の他の選択された実施形態において、上記の各実施形態では、Arが
【化5】
からなる群より選択される、(式中、wで示す波線は、S(O)部分に対する連結点を示す。)
【0040】
更に他の選択された実施形態において、式(I)の化合物が
【化6】
からなる群から選択される。
【0041】
更に他の選択された実施形態において、式(I)の化合物が
【化7】
からなる群から選択される、
又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、N−酸化物、若しくは回転異性体である。
【0042】
化合物の調製
下記の実施例の方法は、本発明の特定化合物を入手するための追従可能な合成方法を提供する。他の方法または下記に提示された方法の修正は、当業者にとって容易であり、本発明の範囲内である。
【0043】
IV.医薬組成物
上記の化合物だけでなく、ヒトおよび動物におけるCCR6の活性を調節するための組成物は、通常、医薬担体又は希釈剤を含む。
【0044】
本明細書で使用する場合、用語「組成物」は、特定成分を特定量含む生成物、と同様に、直接的または間接的に特定成分を特定量混合して生成した任意の生成物、が包含されていることを意図する。「薬学的に許容可能な」と表される担体、希釈剤又は賦形剤は他の成分と適合しなければならず、製剤の受け入れ者に有害であってはならない。
【0045】
本発明の化合物投与を目的とする医薬組成物は、便利な単位剤形で提示され、製薬及び薬物送達の技術分野において既知の何れかの方法で調製されてよい。全ての方法で、有効成分と1種類以上の副成分を構成する担体とを一体化させる工程が含まれる。一般に、医薬組成物は、有効成分を液状担体、若しくは微粉化した固体担体又はその両者と均一及び完全に一体化させることにより調製され、必要であれば生成物を所望の形状に成形する。医薬組成物には、疾患の経過又は状態に際して所望の効果が生じるのに十分な量の有効な対象化合物が含まれている。
【0046】
有効成分を含む医薬組成物は、経口使用に適した形状、例えば、錠剤、トローチ、甘味入り錠剤、水性又は油性懸濁液、分散性粉末又は顆粒、乳液、並びに米国特許第6,451,339号に記載されている様な自己乳化、硬カプセル又は軟カプセル、シロップ、エリキシル、溶液、口腔パッチ、口腔ゲル、チューインガム、咀嚼錠、発泡性粉末、並びに発泡錠でもよい。経口使用が目的の組成物は、医薬組成物製造の当業者に既知の何れかの方法により調製されてよく、この様な組成物は、薬学的に優れて、口当たりのよい薬剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、酸化防止剤及び保存剤からなる群から選択される1種類以上の薬剤を含めてよい。錠剤は、錠剤の製造に適した非毒性で薬学的に許容可能な賦形剤との混合体に有効成分を含む。これらの賦形剤は、不活性希釈剤(例えば、セルロース、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、グルコース、マニトール、ソルビトール、ラクトース 、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなど)、造粒剤及び崩壊剤(例えばコーンスターチ又はアルギン酸)、結合剤(例えばPVP、セルロース、PEG、デンプン、ゼラチン又はアラビアゴム)、及び平滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルク)であってよい。錠剤はコーティングされていなくてもコーティングされていてもよく、経腸的又は既知の別の方法により、胃腸管で崩壊及び吸収を遅らせることによって長期にわたる持続効果を提供する。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料が用いられてよい。時間遅延材料は、放出制御用の浸透性治療剤を形成するために、米国特許第4,256,108号、第4,166,452号及び第4,265,874号に記載されている技術を用いてコーティングされてもよい。
【0047】
経口使用のための調製はまた、有効成分を不活性な固体希釈剤(例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリン)と混合して硬ゼラチンカプセルとして、若しくは有効成分を水媒質又は油媒質(例えば落花生油、流動パラフィン又はオリーブ油)と混合して軟ゼラチンカプセルとして提示してもよい。更に、乳液は油などの非水性混和性成分で製造することができ、モノグリセリド及びジグリセリド、PEGエステル等などの界面活性剤の使用により安定化する。
【0048】
水性懸濁液は、活性材料を水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合剤に含む。この様な賦形剤は、懸濁剤(例えばナトリウム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴム)であり、分散剤又は湿潤剤は、天然リン脂質(例えばレシチン)、若しくは脂肪酸を有するアルキレンオキシドの縮合物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、若しくは長鎖脂肪族アルコールを有するエチレンオキシドの縮合物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、若しくは脂肪酸由来の部分エステルを有するエチレンオキシド及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールなどのヘキシトールとの縮合物、若しくは脂肪酸由来の部分エステルを有するエチレンオキシド及びヘキシトール無水物(例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)との縮合物でよい。水性懸濁液はまた、1つ以上の保存剤(例えばエチル、又はn−プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤及び1つ以上のショ糖又はサッカリンといった甘味剤)を含んでよい。
【0049】
油性懸濁液は、有効成分を植物油(例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油又はココナッツ油)、若しくは流動パラフィンなどの鉱油に懸濁することで調製されてよい。油性懸濁液は、増粘剤(例えば、蜜蝋、固形パラフィン又はセチルアルコール)を含んでよい。上記のような甘味剤及び香味剤は、口当たりの良い経口製剤を提供するために添加されてよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化物を添加することで保存されてよい。
【0050】
水性懸濁液の調製に好適な分散性粉末及び顆粒に水を添加することで、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1種類以上の防腐剤を有する混合体に有効成分を提供する。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、既に上記に例示されている。その他の賦形剤に、例えば甘味剤、香味剤及び着色剤を含んでいてもよい。
【0051】
本発明の医薬組成物は、水中油型乳液の形態でもよい。油相は植物油(例えば、オリーブ油又は落花生油)、若しくは鉱油(例えば、流動パラフィン)又はこれらの混合物でよい。好適な乳化剤は、天然ゴム(例えば、アラビアゴム又はトラガカントゴム)、天然リン脂質(例えば、ダイズ、レシチン)、脂肪酸由来のエステル又は部分エステル及びヘキシトール無水物(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、並びにエチレンオキシドを有する前記部分エステルの縮合物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)でよい。乳液は、甘味剤および香味剤を含んでいてもよい。
【0052】
シロップ剤及びエリキシル剤は甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロース)と調製されてよい。この様な製剤はまた、粘滑剤、防腐剤並びに香味剤及び着色剤を含んでもよい。経口液剤は、例えばシクロデキストリン、PEG及び界面活性剤と組合せて調製することができる。
【0053】
本医薬組成物は、滅菌した注射可能な水性懸濁液又は油性懸濁液の形態であってよい。本懸濁液は、上記したそれらの適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用し、当業者に既知の技術に従って調製されてよい。滅菌した注射製剤は、非毒性で非経口的に許容可能な希釈剤又は溶媒、例えば1,3−ブタンジオール溶液として、滅菌した注射可能な溶液又は懸濁液でもよい。許容可能な賦形剤及び溶媒の中で使用してよいのは、水、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液である。更に、滅菌した固定油は、通常溶媒又は懸濁媒体として用いられる。この目的の為に、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激固定油を用いてよい。加えて、オレイン酸などの脂肪酸は注射剤の調製において使用される。
【0054】
本発明の化合物は、薬剤の直腸投与のために座薬の形態で投与されてもよい。これらの組成物は、常温では固体であるが直腸温では液体になる為、直腸で溶けて薬剤を放出する、適切な非刺激性賦形剤を有する薬剤と混合することにより調製することができる。このような材料としては、カカオバター及びポリエチレングリコールが挙げられる。更に、本化合物は溶液又は軟膏を用いて眼内送達により投与することができる。更に、対象化合物の経皮送達はイオン導入パッチ等の方法で実施することができる。局所使用には、本発明の化合物を含むクリーム、軟膏、ゼリー、溶液又は懸濁液などが用いられる。本発明で使用する場合、局所適用は口洗液及びうがい薬の使用も意味する。
【0055】
本発明の化合物は、医療装置に付着させるために調製してもよい。医療装置には、様々な従来のグラフト、ステント、ステントグラフト、カテーテル、バルーン、バスケット若しくは身体内に配置又は永続的に移植できる他の装置の何れかを含んでいてもよい。特定の例として、介入手技により治療された身体領域に、本発明の化合物を送達できる装置及び方法を有することが望ましい。
【0056】
代表的実施形態において、本発明の阻害剤は、ステントなどの医療装置内に付着させ、身体の一部を治療するために治療部位へ送達されてよい。
【0057】
ステントは治療剤(すなわち薬剤)の送達手段として使用されている。血管内ステントは一般に、冠状血管又は末梢血管内に永続的に移植される。ステントのデザインとしては、米国特許第4,733,655号(Palmaz)、第4,800,882号(Gianturco)又は第4,886,062号(Wiktor)のようなものが挙げられる。この様なデザインとしては、金属及びポリマー双方のステントと同様に、自動展開及びバルーン拡張式ステントが挙げられる。ステントは、例えば、米国特許第5,102,417号(Palmaz)及び国際特許出願第WO91/12779号(Medtronic, Inc.)並びに第WO90/13332号(Cedars-Sanai Medical Center)、米国特許第5,419,760号(Narciso, Jr.)及び米国特許第5,429,634号(Narciso, Jr.)に開示されているように脈管構造に接触する部位で薬剤を放出するためにも使用されてよい。ステントは、米国特許出願第5,833,651号(Donovanら)に開示されているように、遺伝子送達目的で管腔壁にウイルスを送達するためにも使用されている。
【0058】
用語「付着した」は、阻害剤が塗布され、吸収され、収まること、又は当該技術分野において、既知の方法によって装置内に組込まれることを意味する。例えば、阻害剤は、医療装置を塗膜する又はつなぐポリマー材料に埋込まれ(「マトリックス型」)内から放出、又はポリマー材料により包囲され(「リザーバー型」)から放出されてもよい。後者の例において、阻害剤はポリマー材料内に閉じ込められるか、又はポリマー材料に結合されてよい。この様なポリマー材料は、当該技術分野において既知の1つ以上の技術を用いて製造する。その他の調製では、阻害剤は、経時的に取り外し可能な結合剤を用いる塗膜を必要とせずに、医療装置表面に結合されてよく、有効な機械的及び化学的工程により除去することができ、若しくは移植部位で阻害剤が永続的に固定化した形態となる。
【0059】
一実施形態では、阻害剤は、生体適合性塗膜を形成中にポリマー組成物を使用してステントなどの医療装置に組込まれてよい。これらの成分から作製された塗膜は、通常均質で、移植用にデザインされた多くの装置の塗膜に有用である。
【0060】
ポリマーは、所望の放出速度又はポリマー安定度に応じて、生体安定性ポリマー又は生体吸収性ポリマーのどちらでもよいが、生体安定性ポリマーと違い、生体吸収性ポリマーは移植後長い間存在せず、有害な慢性的局所反応を引き起こすことは無い為、本実施形態には生体吸収性ポリマーが好ましい。使用可能な生体吸収性ポリマーとしては、ポリ(L−乳酸)、ポリカプロラクトン、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLLA/PGA)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ヒドロキシ酪酸−co−吉草酸)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D,L−ラクチド)(PLA)、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカルボナ−ト)(PGA/PTMC)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリリン酸エステル、ポリリン酸エステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、シアノアクリラート、ポリ(トリメチレンカルボナート)、ポリ(イミノカルボナート)、共重合(エーテル−エステル)(例、PEO/PLA)、シュウ酸ポリアルキレン、ポリホスファゼン並びに生体分子(フィブリン、フィブリノーゲン、セルロース、デンプン、コラーゲン及びヒアルロン酸など)、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクラレート、ヒドロゲルの架橋ブロック共重合体又は両親媒性ブロック共重合体、並びに当該技術分野において既知の他の適切な生体吸収性共重合体が挙げられるが、これらに限定されない。また、比較的慢性の組織反応性が低いポリウレタン、シリコーン及びポリエステルなどの生体安定性ポリマーは使用可能であり、ポリオレフィン、ポリイソブチレン及びエチレン−アルファオレフィン共重合体;アクリルポリマー及びアクリル共重合体、ハロゲン化ビニルポリマー及びハロゲン化ビニル共重合体(ポリ塩化ビニルなど);ポリビニルピロリドン;ポリビニルエーテル(ポリビニルメチルエーテルなど);ハロゲン化ポリビニリデン(ポリフッ化ビニリデン及びポリ塩化ビニリデンなど);ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン;芳香族ポリビニル(ポリスチレンなど)、ポリビニルエステル(ポリ酢酸ビニルなど);ビニルモノマー同士及びオレフィンとの共重合体(エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体など);ピラン共重合体;ポリヒドロキシ−プロピル−メタクリルアミド−フェノール;ポリヒドロキシエチル−アスパルタミド−フェノール;パルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド−ポリリシン;ポリアミド(ナイロン66及びポリカプロラクタムなど);アルキド樹脂、ポリカルボナート;ポリオキシメチレン;ポリイミド;ポリエーテル;エポキシ樹脂、ポリウレタン;レーヨン;レーヨン−トリアセタート:セルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース;酢酸酪酸セルロース;セロハン;硝酸セルロース;プロピオン酸セルロース;セルロースエーテル;及びカルボキシメチルセルロース、などの他のポリマーも、溶解し処理すること、又は医療装置に重合させることができれば使用可能である。
【0061】
ポリマー及び半透性ポリマーマトリックスは、弁、ステント、チューブ、人工装具等などの造形品に成形されてよい。
【0062】
本発明の一実施形態において、本発明の阻害剤は、ステント又はステント−グラフト装置に形成されたポリマー又は半透性ポリマーマトリックスに結合された。
【0063】
通常は、ポリマーはスピン塗布又は浸し塗り、吹付けにより移植可能な装置の表面に塗付される。当該技術分野において既知の他の方法もこの目的に利用することができる。吹付け方法としては、従来の方法に加えて、インクジェット型のディスペンサを使用する微小堆積法が挙げられる。更に、ポリマーを装置の特定部分のみに定着させるフォトパターニングを使用し、移植可能な装置に付着させることができる。この装置による塗布は、装置周りに均一層を提供し、この装置による塗布を介して様々な検体での拡散の向上が可能となる。
【0064】
本発明の好ましい実施形態において、阻害剤はポリマー塗膜から医療装置が置かれた環境に放出されるために配合される。好ましくは、阻害剤は溶出を制御するためのポリマー担体又ポリマー層が関与する幾つかの既知の方法の少なくとも1つを使用し、長期間(例、数か月)に渡り、制御された方法で放出される。これらの技術の幾つかは、米国特許出願第20040243225A1号に既に記載されている。
【0065】
更に、米国特許第6,770,729号に記載されている様に、ポリマー組成物の試薬及び反応条件が操作可能である為、ポリマー塗膜から阻害剤の放出を制御することができる。例えば、1つ以上のポリマー塗膜の拡散係数を調節し、ポリマー塗膜からの阻害剤の放出を制御することができる。このテーマの変形例において、医療装置が置かれた環境に存在する検体(例、ポリマーのある部分の破壊又は加水分解を促進する検体)の能力を調節する為に、1つ以上のポリマー塗膜の拡散係数を制御することができ、ポリマー組成物内の1種類以上の構成成分(例えば、それによってポリマー塗膜から阻害剤の放出を調節する)に接近する。更に本発明の別の実施形態は、複数のポリマー塗膜を有し、各自複数の拡散係数を有する装置を含む。本発明のこの様な実施形態において、ポリマー塗膜からの阻害剤放出は、複数のポリマー塗膜により調節することができる。
【0066】
本発明の更に別の実施形態において、ポリマー塗膜からの阻害剤放出は、ポリマー組成物の1つ以上の特性(1種以上の内因性化合物又は外因性化合物、若しくは代わりにポリマー組成物のpHの存在など)を調節することにより制御される。例えば、ある特定のポリマー組成物は、ポリマー組成物のpH減少に対応して阻害剤を放出するように設計することができる。若しくはある特定ポリマー組成物は、過酸化水素の存在に対応して阻害剤を放出するように設計することができる。
【0067】
V.CCR6により調節される疾患の治療方法
一態様において、本発明はCCR6媒介症状又媒介疾患を有する対象者に本発明の何れかの化合物を治療的有効量投与することにより、この様な症状又は疾患を治療又は予防する方法を提供する。本方法にて使用する好ましい化合物は、好ましい実施態様として上記に記載された化合物に加えて、下記の実施例で具体的に例示された化合物、及び本明細書で特異的構造を備える化合物である。本明細書で定義される「対象者」は、霊長類(例、ヒト)、牛、羊、ヤギ、馬、犬、猫、ウサギ、ラット、マウス等を含む哺乳類などの動物を含むが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、対象者はヒトである。
【0068】
本発明で使用する場合、語句「CCR6媒介症状又は媒介疾患」並びに関連する語句及び用語は、不適切な(例、正常より低い又は高い)CCR6機能活性を特徴とする症状又は疾患、を意味する。不適切なCCR6機能活性は、通常CCR6を発現しない細胞でのCCR6発現、CCR6発現増加(例えば炎症性及び免疫調節性の障害及び疾患をもたらす)若しくはCCR6発現減少の結果として生じた可能性がある。不適切なCCR6機能活性は、通常CCL20を分泌しない細胞によるCCL20分泌、CCL20発現増加(例えば、炎症性及び免疫調節性の障害及び疾患をもたらす)若しくはCCL20発現減少の結果としても生じた可能性がある。CCR6媒介症状又は媒介疾患は、不適切なCCR6機能活性により完全に又は部分的に媒介される可能性がある。しかしながら、CCR6媒介症状又は媒介疾患は、CCR6の変化が基礎症状又は基礎疾患(例、CCR6拮抗薬が少なくとも数人の患者の健康状態を改善する)に何らかの効果を及ぼすものである。
【0069】
用語「治療的有効量」は、研究者、獣医又は他の臨床医が対象とする組織、系、動物又はヒトの生物学的反応又は医学的反応を引き出す対象化合物量を意味する。
【0070】
炎症、感染及び癌を伴う疾患および症状は、本化合物および組成物により治療及び予防することができる。一群の実施形態において、ヒト又は他の種の慢性疾患を含む疾患又は症状は、CCR6機能の阻害剤で治療することができる。これらの疾患及び症状としては、(1)全身性アナフィラキシー又は過敏性反応、薬剤アレルギー、虫刺アレルギー及び食物アレルギーなどのアレルギー疾患、(2)クローン病、潰瘍性大腸炎、回腸炎及び小腸炎などの炎症性腸疾患、(3)膣炎、(4)皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、蕁麻疹及び掻痒症、白斑症などの乾癬及び炎症性皮膚疾患、(5)血管炎、(6)脊椎関節症、(7)強皮症、(8)アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、過敏性肺疾患等などの喘息及び呼吸器アレルギー疾患、(9)関節炎(関節リウマチ及び乾癬性関節炎を含む)に加えて、例えば橋本病及びグレーヴス病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、1型糖尿病、糸球体腎炎等などの自己免疫疾患、(10)移植片拒絶反応(同種移植片拒絶及び移植片対宿主疾患を含む)、(11)アテローム性動脈硬化症、筋炎、神経変性疾患(例、アルツハイマー病)、脳炎、髄膜炎、肝炎、腎炎、敗血症、サルコイドーシス、アレルギー性結膜炎、耳炎、慢性閉塞性肺疾患、副鼻腔炎、ベーチェット病及び痛風などの、抑制されるべき望ましくない炎症反応であるその他の疾患、が挙げられる。
【0071】
好ましくは、本方法はアレルギー疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎などの皮膚症状、並びに喘息及び強皮症から選択される疾患及び症状の治療を目的とする。
【0072】
実施形態の別の群において、CCR6依存制御性T細胞輸送の変調は、癌、感染症(HIVなどのウイルス感染、及び細菌感染)並びに臓器移植症状及び皮膚移植症状などの免疫抑制疾患を含む疾患及び症状を治療するために調節されてよい。用語「臓器移植症状」は、骨髄移植症状及び実質臓器(例、腎臓、肝臓、肺、心臓、膵臓又はこれらの組合せ)移植症状を包含することを意味する。
【0073】
治療する疾患及び対象者の症状に応じて、本発明の化合物は、経口、非経口(例、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、嚢内注射又は注入、皮下注射若しくは移植)、吸入、鼻、膣、直腸、舌下からの、又は外用の投与方法で投与されてよく、単独で又は組合せて、各投与方法に適切な、従来の非毒性で薬学的に許容可能な担体、補助剤及び賦形剤を含む適切な用量単位の調製物の状態で調製されてよい。本発明は、本発明の化合物を徐放性製剤の状態で投与することも意図する。
【0074】
当業者は、治療計画において、CCR6活性を調節する薬剤を他の治療剤及び/又は化学療法剤、若しくは放射線と組合せることが可能なことを理解している。場合によっては、化学療法剤量又は放射線量は、本発明の組成物との組合せ無し行われた場合、治療効果を下回る量になるだろう。当業者であれば、「組合せ」は治療における組合せを伴うこと(すなわち、混合物として2種類又はそれ以上の薬剤を投与することができ、双方の薬剤が対象者の血流中に同時に存在するように、少なくとも同時又は別の時間に対象者に導入することができる)は明らかだろう。更に、本発明の組成物は、第2の治療計画の前後、例えば、化学療法又は放射線療法の前後に投与されてもよい。
【0075】
従って本発明の化合物は、多種多様な炎症性及び免疫調節性の障害及び疾患の予防及び治療に有用である。
【0076】
ケモカイン受容体変異を要する症状の治療または予防において、適切な服用レベルは一般に、患者の体重1kg当たり約0.001〜100mgを1日1〜数回投与する。 好ましくは、服用レベルは、1日約0.01〜約25mg/kg、より好ましくは1日約0.05〜約10mg/kgとなる。適切な服用レベルは、1日約0.01〜25mg/kg、1日約0.05〜10mg/kg又は1日約0.1〜5mg/kgでよい。この範囲内の用量は、1日0.005〜0.05mg/kg、0.05〜0.5mg/kg、又は0.5〜5.0mg/kgでよい。経口投与用に、本組成物は1.0〜1000mgの有効成分、特に1.0mg、5.0mg、10.0mg、15.0mg、20.0mg、25.0mg、50.0mg、75.0mg、100.0mg、150.0mg、200.0mg、250.0mg、300.0mg、400.0mg、500.0mg、600.0mg、750.0mg、800.0mg、900.0mg、1000.0mgの有効成分を含む錠剤形態として、症状により用量を調節し、治療を受ける患者に提供されることが好ましい。本化合物は、1日1〜4回投与の治療計画でよく、好ましくは1日1〜2回投与の治療計画でよい。
【0077】
しかしながら、個別の患者の具体的な服用レベル及び投与頻度は異なっていてよく、用いられる特定化合物の活性、並びにその化合物の代謝安定性及び活動期間、患者の年齢、体重、遺伝形質、健康状態、性別及び食生活、加えて投与方式及び投与時期、排泄ペース、薬剤配合並びに治療を受ける患者の症状の重症度、などを含む種々の要因により決まると理解されるだろう。
【0078】
炎症、免疫障害、感染及び癌を伴う疾患および症状は、本化合物、組成物及び方法により治療又は予防することができる。
【0079】
本発明の化合物及び組成物は、炎症性腸疾患、関節リウマチ、変形性関節症、乾癬性関節炎、多関節型関節炎、多発性硬化症、アレルギー疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎及び喘息、並びに上記の病変、を含む炎症性障害又は自己免疫障害、症状及び疾患などの対象の症状又は疾患を予防及び治療するのに関連した有用性を有する、他の化合物及び組成物と組合せることができる。
【0080】
例えば、骨量減少を伴う関節炎などの炎症又は自己免疫の治療又は防止において、本化合物及び組成物は、抗炎症剤又は鎮痛剤(オピエート作動薬など)、リポキシゲナーゼ阻害剤(5−リポキシゲナーゼ阻害剤など)、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤など)、インターロイキン阻害剤(インターロイキン−1阻害剤など)、NMDA拮抗薬、一酸化窒素阻害剤又は一酸化窒素合成阻害剤、非ステロイド性抗炎症剤、又はサイトカイン抑制抗炎症剤、例えばアセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、フェンタニール、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド性鎮痛剤、サフェンタニル、スリンダク、テニダップ等などの化合物と共に使用されてもよい。同様に、即時化合物及び組成物は上記の鎮痛剤と共に、カフェイン、H2拮抗薬(例、ラニチジン)、シメチコン、アルミニウム又は水酸化マグネシウムなどの増強剤;フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン又はレボデソキシエフェドリンなどの鼻づまり薬;コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン、又はデキストロメトルファンなどの鎮咳剤;利尿薬;並びに鎮静性抗ヒスタミン剤又は非鎮静性抗ヒスタミン剤と投与されてよい。
【0081】
同様に、本発明の化合物及び組成物を、本発明の化合物及び組成物が有効な疾患及び症状の治療、予防、抑制又は改善のために使用される、他の薬剤と組合せて使用してもよい。この様な他の薬剤は、一般に使用される経路により、また一般に使用される量を、本発明の化合物又は組成物と共に同時に又は続けて投与してもよい。本発明の化合物又は組成物が1つ以上の他の薬剤と同時に使用される場合、本発明の化合物又は組成物に、この様な他の薬剤を含む医薬組成物を加えることが好ましい。従って本発明の医薬組成物は、本発明の化合物又は組成物に加えて1つ以上の有効成分又は治療剤を含む組成物も含む。本発明の化合物又は組成物と組合せてもよい他の治療剤であり、別々又は同時に投与される医薬組成物の例としては(a)VLA4拮抗薬、(b)ベクロメタゾン、メチルプレドニゾロン、βメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、フルチカゾン、ヒドロコルチゾン、ブデソニド、トリアムシノロン、サルメテロール、サルブタモール、ホルモテロールなどのコルチコステロイド、(c)シクロスポリン(cyclosporine A, Sandimmune(登録商標), Neoral(登録商標))、タクロリムス(FK 506, Prograf(登録商標))、ラパマイシン(sirolimus, Rapamune(登録商標))、トファシチニブ(Xeljanz(登録商標))及び他のFK506型免疫抑制剤、並びにミコフェノラート、例、ミコフェノール酸モフェチル(CellCept(登録商標))などの免疫抑制剤;(d)ブロムフェニラミン、クロルフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミンピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスカルボエトキシロラタジン等のなどの抗ヒスタミン剤(H1ヒスタミン拮抗薬);(e)非ステロイド性抗喘息薬(例、テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、ビトルテロール及びピルブテロール)、テオフィリン、クロモリンナトリウム、アトロピン、臭化イプラトロピウム、ロイコトリエン拮抗薬(例、ザフムルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト、ポビルカスト及びSKB-106,203)、ロイコトリエン生合成阻害剤(zileuton, BAY-1005);(f)プロピオン酸誘導体(例、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ニロプロフェン(niroprofen)、 ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸及びチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(例、インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナック、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸、フェンチアザク、フロフェナック、イブフェナック、イソキセパック、オキシピナック、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン及びゾメピラック)、フェナム酸誘導体(例、フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸及びトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(例、ジフルニサル及びフルフェニサール)、オキシカム(例、イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカム及びテノキシカン)、サルチル酸(例、アセチルサリチル酸及びスルファサラジン)並びにピラゾロン(例、アパゾン、ベズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン及びフェニルブタゾン)などの非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs);(g)セレコキシブ(Celebrex(登録商標))及びロフェコキシブ(Vioxx(登録商標))などのシクロオキシゲナーゼ−2(COX-2)阻害剤;(h)ホスホジエスタラーゼIV型阻害剤(PDE IV);(i)オーラノフィン及びオーロチオグルコースなどの金化合物;(j)エタネルセプト(Enbrel(登録商標))、(k)オルソクローン(OKT3)、ダクリズマブ(Zenapax(登録商標))、バシリキシマブ(Simulect(登録商標))及びインフリキシマブ(Remicade(登録商標))、アダリムマブ(Humira(登録商標))、ゴリムマブ(Simponi(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、トシリズマブ(Actemra(登録商標))などの抗体療法、(l)他のケモカイン受容体の拮抗薬、特にCCR5、CXCR2、CXCR3、CCR2、CCR3、CCR4、CCR7、CXCR1及びCXCR6;(m)ワセリン及びラノリンのような潤滑剤又は皮膚軟化剤、(n)角質溶解剤(例、タザロテン)、(o)ビタミンD誘導体、例、カルシポトリエン又はカルシポトリオール(Dovonex(登録商標))、(p)プソラーレン紫外線療法、(q)アントラリン(Drithrocreme(登録商標))、(r)エトレチナート(Tegison(登録商標))及びイソトレチノイン並びに(s)インターフェロンβ−1β(Betaseron(登録商標))、インターフェロン(β−1α(Avonex(登録商標))、アザチオプリン(Imurek(登録商標), Imuran(登録商標))、グラチラマー酢酸塩(Capoxone(登録商標))、グルココルチコイド(例、プレドニゾロン)及びシクロフォスファミド などの多発性硬化症治療剤(t)メトトレキサート及びレフルノミドなどの抗リウマチ薬(u)5−アミノサリチル酸及びそのプロドラッグ;ヒドロキシクロロキン;D−ペニシラミン;アザチオプリン、6−メルカプトプリン及びメトロレキサートなどの代謝拮抗剤;コルヒチンなどのヒドロキシ尿素及び微小管かく乱物質、並びにボルテゾミブ(Velcade(登録商標))といったプロテアソーム阻害剤などのDNA合成阻害剤、など他の化合物が挙げられるがこれらに限定されない。第2の有効成分に対する本発明の化合物重量比は異なってもよく、各成分の有効量によって決まる。一般に、各成分の有効量が使用される。例えば、本発明の化合物をNSAIDと組合せる場合、本発明の化合物:NSAIDの重量比は一般に、約1000:1〜約1:1000、好ましくは約200:1〜約1:200の範囲である。本発明の化合物と他の有効成分の組み合わせは、一般に上記の範囲内ではあるが、各症例における各有効成分の有効量が使用されなければならない。
【実施例】
【0082】
VI.実施例
以下に実施例を説明するが、これらの実施例は特許請求された発明を限定するものではない。
【0083】
以下で使用された試薬及び溶媒は、アルドリッチ・ケミカル社(Milwaukee, Wisconsin, USA))などの民間の供給元から入手することができる。H−NMRは、Varian Mercury 400 MHz NMR分光計に記録した。TMSに対して有意なピークが提供され、多重度(s=単ピーク、d=二重ピーク、t=三重ピーク、q=四重ピーク、m=多重ピーク)及びプロトン数、の順に表にした。質量分析の結果については、質量を電荷で割った比に続いて各イオン(丸括弧内)の相対存在量が報告されている。表中において、1つのm/e値は、最も一般的な原子同位体を含むM+H(又は注記したものはM−H)イオンについて報告している。全ての事例において、同位体パターンは予測した式に対応している。エレクトロスプレーイオン化(ESI)質量分析を、ヒューレッド・パッカードMSDエレクトロスプレー質量分析計で、試料送達のためにAgilent Zorbax SB-C18, 2.1X50 mm, 5μカラムを装備したHP1100高速液体クロマトグラフィーを使用して行った。通常、検体を0.1mg/mLでメタノールに溶解し、1マイクロリットルを送達溶媒と共に質量分析計に注入し、100〜1500ダルトンで走査した。全化合物は、1%ギ酸を含むアセトニトリル/水を送達溶媒として使用し、正のESIモードで分析することができた。下記で提供した化合物は、2mM濃度のNHOAcのアセトニトリル/水溶液を送達溶媒として使用し、負のESIモードでも分析することができた。
【0084】
下記の略称が、実施例及び本発明の明細書全体を通して使用されている。HPLC=高速液体クロマトグラフィー、DMF=ジメチルホルムアミド、TFA=トリフルオロ酢酸、THF=テトラヒドロフラン、EtOAc=酢酸エチル、BOCO=ジカルボン酸ジ−tertブチル又はBOC無水物、DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン、HBTU=ヘキサフルオロリン酸O−(ベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム、dppf=1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、Pd(dba)=トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン、DMP=フタル酸ジメチル、Me=メチル、Et=エチル、DCM=ジクロロメタン。
【0085】
本発明の適用範囲内の化合物は、下記の様に、当業者にとって既知の様々な反応を用いて合成することができる。当業者はまた、本発明の目的化合物を合成するために別の方法を用いることも可能であると理解しており、本明細書内に記載された方法は、対象化合物にとって全てを網羅しているわけではないが、広く適用でき、実用的な方法である。
【0086】
この特許において請求されているある特定の分子は、異なるエナンチオマ型及びジアステレオ型の形状で存在することができ、これらの化合物の変異体全てが請求されている。
【0087】
この明細書で鍵となる化合物を合成するために行う実験手順の詳細な説明により分子が得られる。分子を同定する物理データに加えて、関連する構造描写によりこれらの分子を説明する。
【0088】
当業者は、有機化学における標準の精製手順中に、酸及び塩基が頻繁に使用されることも理解している。親化合物が塩の生成に必要な酸性または塩基性を本来有する場合、この特許内に記載の実験手順の最中に親化合物の塩が時折生成される。
【0089】
実施例1:5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キノリン−8−カルボン酸メチルの合成
【化8】
(a)HO(80mL)およびHSO(120mL)の撹拌溶液に、5−ブロモ−8−メチルキノリン(25g,112.6mmol)を0℃で加えた。溶液を得た後、内部温度を70℃に保ちながらCrO(16g,157.6mmol)を少量ずつ投入した。反応混合物を1時間、70℃で攪拌した。追加のCrO(16g,157.6mmol)を分割して添加し、80℃で2.5時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、砕氷上に注ぎ、水酸化アンモニウム水溶液で中和し、固体を得た。得られた固体を濾過し、高減圧下で16時間乾燥させ、粗製5−ブロモキノリン−8−カルボン酸(28.0g)を緑色固体として得た。
【0090】
(b)KCO(61.3g,444.0mmol)及びヨウ化メチル(63.1g,444.0mmol)を5−ブロモキノリン−8−カルボン酸(28.0g,111.0mmol)のDMF(250mL)撹拌懸濁液に室温で添加した。反応混合物を45℃で36時間加熱し、室温まで冷却し、固形分を濾過し、酢酸エチル(100mL)で洗浄した。濾液を水で希釈し、酢酸エチル(3×300mL)で抽出し、水(3×100mL)で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル(0〜20%)のヘキサン溶出液を使用したシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、5−ブロモキノリン−8−カルボン酸メチルを黄白色の固体(2段階で20.5g,70%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)のδ値は、9.07 (dd, J = 4.3, 1.5 Hz, 1 H), 8.60 (dd, J = 8.7, 1.6 Hz, 1 H), 7.88 (s, 2 H), 7.58 (dd, J = 8.6, 4.0 Hz, 1 H), 4.05 (s, 3 H)であった。
【0091】
(c)5−ブロモキノリン−8−カルボキン酸メチル(20.5g,77.06mmol)、 4,4,5,5−テトラメチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(21.4g,84.7mmol)、 及びKOAc(18.8g,192.6mmol)の乾燥1,4−ジオキサン(200mL)溶液を、窒素ガスで10分間パージした。 次に、Pd(dppf)Cl(3.14g,7.70mmol)を加え、得られた混合物を95℃で8時間加熱し、室温まで冷却し、減圧下で過剰な溶媒を除去した。残留物をエーテルで希釈し、セライトプラグに通して濾過し、エーテル(200mL)で洗浄した。濾液は減圧下で濃縮した。得られた残留物を、0〜50%酢酸エチルのヘキサン溶出液を使用したシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製し、エーテルに溶解した赤色で濃密なシロップ/固体を得て、−20℃まで冷却し、12時間保存した。分離した薄ピンク色の固体を濾過し、乾燥させ、純粋な5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キノリン−8−カルボン酸メチル(17.5g、78%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) のδ値は、9.14 (dd, J = 8.6, 0.6 Hz, 1 H), 9.02-9.01 (m, 1 H), 8.14 (d, J = 7.0 Hz, 1 H), 7.94 (d, J = 7.0 Hz, 1 H), 7.48 (dd, J = 8.6, 4.3 Hz, 1 H), 4.06 (s, 3 H), 1.43 (s, 12 H)であった。
【0092】
実施例2:3,4−ジクロロ−2−ヨードアニリンの合成
【化9】
3,4−ジクロロアニリン(20g,123mmol)、HI(48%,15.7g、123mmol)、H(30%,8.3g,246mmol)を水(62mL)に懸濁した撹拌液に、室温で反応混合物を室温の暗い所で一晩攪拌した。その上澄みを破棄し、酢酸エチル:ヘキサン(1:10)で希釈し、飽和NaHSOと共に急冷し、周囲温度で1時間撹拌し、固形分を濾過した。濾液を水、NaHCO飽和水溶液、乾燥(NaSO)で洗い取り、濾過し、濃縮してヨード誘導体(微量の異性体を要する)の位置異性体混合物(1:4)を得た。シクロヘキサンから再結晶し、濾液で濃縮した位置異性体の混合物(1:1)を得た。この混合物を、酢酸エチル:ヘキサン(0〜2%)の溶出液を使用したシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより更に精製し、要求される化合物を黄白色の固体(5.2g,約15%収率)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) のδ値は、7.22 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 6.60 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 4.32 (br, 2 H)であった。
【0093】
実施例3:3−クロロ−2−ヨード−4−(トリフルオロメトキシ)アニリン
【化10】
実施例2と同様にして、18%の収率で表題化合物を合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) のδ値は、7.11 (d, J = 8.9 Hz, 1 H), 6.67 (d, J = 8.9 Hz, 1 H), 4.30 (br, 2 H)であった。
【0094】
実施例4:2−ブロモ−3−フルオロ−4−トリフロオロメトキシアニリンの合成
【化11】
(a)20mLのバイアル瓶に、3−フルオロ−4−トリフロオロメトキシアニリン(150mg,0.769mmol)の酢酸溶液(0.5mL)を室温で加えた。臭素(118μL,2.30mmol,3eq)を加え、反応液を数時間攪拌した。ジクロロメタン(2mL)を加え、固形化した反応混合物を粉砕し、更に臭素(40μL,0.781mmol,1eq)を加えた。更に1時間撹拌した後、反応混合物に窒素の流れを徐々に吹きつけてジクロロメタンを除去した。この固体を濾過し、水で徹底的に洗浄し、減圧下で乾燥させて2,6−ジブロモ−3−フルオロ−4−トリフロオロメトキシアニリンを白色固体(172mg,0.489mmol,64%収率)として得た。
【0095】
(b)40mLのバイアル瓶に、2,6−ジブロモ−3−フルオロ−4−トリフロオロメトキシアニリン(172mg,0.489mmol)を加え、続いて塩化スズ(II)二水和物(122mg,0.540mmol,1.1eq)を加えた。酢酸(725μL)及び高濃度塩酸(580μL)を加え溶液を作った。反応混合物を115℃で1.5時間加熱した。反応物を室温まで冷却した後、酢酸の大部分を減圧下で除去した。水を加え、ジクロロメタンで生成物を3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。減圧下で溶媒を除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用して粗製材料を精製した。回収した2,6−ジブロモ−3−フルオロ−4−トリフロオロメトキシアニリンを5〜10%勾配の酢酸エチルのヘキサン溶液を使用して溶出し、続いて所望の生成物である2−ブロモ−3−フルオロ−4−トリフロオロメトキシアニリンを15%酢酸エチルのヘキサン溶液(64.8mg,0.236mmol,48%)で溶出した。1H NMR (400 MHz, CDCl3)のδ値は、7.06(dd, J = 9.0, 9.0 Hz, 1 H), 6.52 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1 H), 4.27(br, 2 H)であった。
【0096】
実施例5:4−クロロ−5−ブロモ−6−アミノ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソールの合成
【化12】
(a)撹拌した4−アミノ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(2.5g,14.4mmol)のジクロロメタン溶液に、0℃でN−ブロモコハク酸イミド (2.7g,15.2mmol)を少量ずつ加えた。この溶液を0℃で30分間撹拌し、次いで室温で1時間撹拌した。反応混合物を1Mチオ硫酸ナトリウム溶液でクエンチし、脱イオン水で希釈し、ジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。一緒にした有機層を乾燥させ(NaSo)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー(SiO,0〜20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製し、出発物質1gを回収し、5−ブロモ−4−アミノ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソールを無色油(2.33g,9.25mmol,64%)として得た。質量分析MS:(ES)のm/z値は、算出したC7H4BrF2NO [M + H]+の理論値が252.0実測値は252であった。
【0097】
(b)撹拌した塩化銅(II)(2.49g,18.5mmol)及び亜硝酸tert−ブチル(2.39g,23.13mmol)のアセトニトリル溶液に、55℃で5−ブロモ−4−アミノ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(2.33g,9.25mmol)のアセトニトリル溶液を加えた。この溶液を55℃で30分撹拌し、室温まで冷却した。反応混合物を5%塩酸溶液でクエンチし、脱イオン水で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を乾燥させ(NaSo)、濾過し、減圧下で濃縮した。 粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー(SiO,0〜20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製し、5−ブロモ−4−クロロ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソールを帯黄色油(1.5g,5.53mmol,60%)として得た。MS:(ES)のm/z 値は、算出したC7H2BrClF2O2 [M + H]+ の理論値が272.0、実測値は0であった。
【0098】
(c)5−ブロモ−4−クロロ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(1.5g,5.53mmol)の濃縮硫酸溶液(10mL)を−10℃まで冷却した。 次に、発煙硝酸溶液(1mL)及び濃縮硫酸(2mL)を滴下して加えた。得られた溶液を−10℃で約2時間攪拌した。反応混合物を氷水へと注ぐと、黄色固体が析出した。 固体を濾過し、水で洗浄し、固体を収集した。 粗製固体をフラッシュ・クロマトグラフィー(SiO、0〜5%酢酸エチルのヘキサン溶液)にて精製し、純粋な6−ニトロ−5−ブロモ−4−クロロ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(1.0g,3.16mmol、57%)を得た。MS:(ES)の m/z 値は、算出したC7HBrClF2NO4 [M + H]+ の理論値が316.0、実測値は316であった。
【0099】
(d)6−ニトロ−5−ブロモ−4−クロロ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(1.0g,3.16mmol)のエタノール(4mL)及び水(1mL)溶液のスラリーに、塩化アンモニウム(3.38g,63.2mmol)及び鉄粉(1.06g,18.96mmol)を加えた。混合物を90℃になるまで1時間温めた後冷やした。 セライトプラグに通して濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー(SiO、0〜30%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製し、6−アミノ−5−ブロモ−4−クロロ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソールを白色固体(0.90g,3.16mmol,100%)として得た。MS:(ES)のm/z値は、算出したC7H3BrClF2NO2 [M + H]+ の理論値が286.0、実測値は286であった。
【0100】
実施例6:2,2−ジフルオロ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾ−[d][1,3]ジオキソール−5−アミンの合成
【化13】
実施例1と同様にして、55%収率で表題化合物を合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) のδ値は7.22 (s, 1 H), 6.31 (s, 1 H), 4.80 (br, 2 H), 1.34 (s, 12 H)であった。
【0101】
実施例7:2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)アニリンの合成
【化14】
実施例1と同様にして表題化合物を合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3)のδ値は、7.43 (br, 1 H), 7.10 (dd, J = 4.2, 1.8 Hz, 1 H), 6.55 (d, J = 7.1 Hz, 1 H), 1.34 (s, 12 H)であった。
【0102】
実施例8:5−[6−[(4−tert−ブチル−3−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]キノリン−8−カルボン酸の合成
【化15】
(a)2,2−ジフルオロ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−アミン(実施例5,2.7g,9.03mmol)の乾燥ピリジン溶液(12mL)に、4−tert−ブチル−3−フルオロフェニルスルホニルクロライド(2.82g,11.28mmol)を加え、反応混合物を80℃で一晩加熱した。この混合物を室温まで冷却し、過剰な溶媒を減圧下で除去した。残留物を塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、DCMで抽出し、ヘキサン:酢酸エチルの混合物を溶出液として使用したシリカカラムによるフラッシュカラムで精製し、純粋な化合物(3.28g,71%)を得た。
【0103】
(b)4−tert−ブチル−N−[2,2−ジフルオロ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]−3−フルオロベンゼンスルホンアミド(3.2g,6.22mmol)、5−ブロモキノリン−8−カルボン酸メチル(実施例1,工程b,1.66g,6.22mmol)及び2MのKCO(7.8mL,15.55mmol)水溶液の1,4−ジオキサン溶液(50mL)の混合物を窒素で5分間パージした。Pd(PPh(360mg,0.31mmol,5モル%)を加え、反応混合物を95℃で一晩加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、水酸化リチウム水和物(2.6g,62.2mmol)を加え、80℃で1時間加熱した。室温まで冷却し、反応媒体のpHを2Nの塩酸水溶液で約6に調節にし、酢酸エチルで抽出、乾燥(NaSO)、濾過し、濃縮した。残留物をメタノールで粉砕し、僅かに色を帯びた白色固体(1.75g,50%)として純粋な(>95%)表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD)のδ値は、8.96-8.94 (m, 1 H), 8.57 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.93-7.91 (m, 1 H), 7.57-7.54 (m, 2 H), 7.42 - (t, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.30-7.26 (m, 1 H), 7.18-7.15 (m, 1 H), 7.05 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 6.88 (s, 1 H), 6.56 (br, 1 H), 1.43 (s, 9 H)であった。MS:(ES)でC27H21F3N2O6Sのm/z値を算出した。
【0104】
実施例9:5−[2−[(4−tert−ブチル−3−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル]キノリン−8−カルボン酸の合成
【化16】
実施例8と同様にして表題化合物を合成した。1H NMR (400 MHz, CD3OD)のδ値は、9.02 (dd, J = 4.4, 1.6 Hz, 1 H), 8.60 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 8.07 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1 H), 7.67 (dd, J = 8.7, 4.4 Hz, 1 H), 7.56 (d, J = 8.9 Hz, 1 H), 7.47 (ddt, J = 9.0, 1.9, 1.1 Hz, 1 H), 7.39 - 7.24 (m, 3 H), 7.14 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1 H), 7.03 (dd, J = 12.0, 2.0 Hz, 1 H), 1.39 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC27H22F4N2O5S [M+H]+ の理論値が558.12、実測値は558.1であった。
【0105】
実施例10:5−[2−(4−tert−ブチル−3−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−5−クロロフェニル]キノリン−8−カルボン酸
【化17】
実施例8と同様にして表題化合物を合成した。1H NMR (400 MHz, CD3OD)のδ値は、9.10 (dd, J = 4.7, 1.6 Hz, 1 H), 8.66 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 8.27 (dd, J = 8.6, 1.6 Hz, 1 H), 7.78 (dd, J = 8.6, 4.7 Hz, 1 H), 7.54 (dd, J = 8.6, 2.7 Hz, 1 H), 7.41-7.36 (m, 3 H), 7.16 (dd, J = 8.2, 1.9 Hz, 1 H), 7.06 (dd, J = 11.1, 1.9 Hz, 1 H), 1.40 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC26H22ClFN2O4S [M+H]+ の理論値が513.1、実測値は513.1であった。
【0106】
実施例11:5−[6−[(4−tert−ブチル−3−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−2,3−ジクロロフェニル]キノリン−8−カルボン酸の合成
【化18】
(a)3,4−ジクロロ−2−ヨードアニリン(実施例2,2.2g,7.67mmol)の乾燥ピリジン溶液(8mL)に4−tert−ブチル−3−フルオロフェニルスルホニル塩素(2.11g,8.43mmol)を加え、反応混合物を80℃で一晩加熱した。LCMSでモノスルホンアミド及びビススルホンアミドの存在を確認した。10Nの水酸化ナトリウム水溶液(3mL)及びエタノール(2mL)を加え、ビススルホンアミドを加水分解した。次に反応混合物を80℃で2時間加熱した。室温まで冷却し、過剰な溶媒を減圧下で除去し、暗褐色の固体を得て、DCMで希釈し、1NのHCl水溶液で洗浄し、ヘキサン:酢酸エチルの混合物を溶出液として使用したシリカカラムによるフラッシュカラムで精製し、純粋な4−tert−ブチル−N−(3,4−ジクロロ−2−ヨードフェニル)−3−フルオロベンズスルホンアミドを、僅かに色を帯びた白色固体(3.5g,91%)として得た。
【0107】
(b)4−tert−ブチル−N−(3,4−ジクロロ−2−ヨードフェニル)−3−フルオロベンズスルホンアミド(9g,17.9mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キノリン−8−カルボン酸メチル(7.8g、25.1mmol)、リン酸カリウム水和物(10.3g,44.75mmol)及びSPhos(0.73g,1.79mmol)の混合物のn−BuOH:HO(75:25mL)溶液を窒素で15分間パージした。次に、Pd(dba)(0.65g,0.72mmol)を加え、85℃で6時間加熱し、室温まで冷却し、セライトプラグに通して濾過し、酢酸エチルで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をTHF/HO(60/10mL)で希釈し、水酸化リチウム一水和物(7.52g,179mmol)を加えた。次に反応混合物を60℃で一晩加熱し、室温まで冷却し、2NのHCl水溶液でpHを約6に調節し、酢酸エチル(3×500mL)で抽出し、一緒にした酢酸エチル層を水、食塩水、乾燥(NaSO)で洗浄し、濾過し、濃縮した。残留物を、酢酸エチル及びヘキサンを溶離液として使用したフラッシュカラムで精製し、生成物を得た。この生成物を更にメタノールから粉砕して僅かに色を帯びた白色固体(7.2g,73%)として表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)のδ値は、8.98 (dd, J = 4.4, 1.6 Hz, 1 H), 8.69 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 7.77 - 7.69 (m, 2 H), 7.63 (d, J = 9.0 Hz, 1 H), 7.52 (dd, J = 8.6, 4.3 Hz, 1 H), 7.42 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.32 (dd, J = 4.4, 1.6 Hz, 1 H), 7.17 (dd, J = 11.4, 2.0 Hz, 1 H), 7.05 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 6.30 (s, 1 H), 1.48 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC26H21FN2O4S [M+H]+ の理論値が547.06、実測値は547.1であった。
【0108】
実施例12:5−[2−(4−tert−ブチル−3−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−5−シアノフェニル]キノリン−8−カルボン酸ビスナトリウム塩
【化19】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。
【0109】
0.1NのNaOH水溶液(2eq)をアセトニトリル及び水に懸濁した遊離酸に加え、凍結乾燥し、二ナトリウム塩を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD)のδ値は、9.10 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1 H), 8.69 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 8.19 (dd, J = 8.7, 1.7 Hz, 1 H), 7.89 (dd, J = 8.5, 2.1 Hz, 1 H), 7.81 - 7.68 (m, 3 H), 7.51 - 7.38 (m, 2 H), 7.32 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1 H), 7.22 (dd, J = 11.9, 2.0 Hz, 1 H), 1.41 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC27H22FN3O4S [M+H]+ の理論値が504.13、実測値は504であった。
【0110】
実施例13:5−[6−[(4−tert−ブチル−3−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−2−フルオロ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]キノリン−8−カルボン酸の合成
【化20】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3)のδ値は、9.00 (dd, J = 4.3, 1.7 Hz, 1 H), 8.72 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 7.86 (dt, J = 8.6, 1.5 Hz, 1H), 7.64 - 7.54 (m, 2 H), 7.53 - 7.33 (m, 3 H), 7.30 - 7.18 (m, 2 H), 1.42 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC27H21N2O5SF5 [M - H]-の理論値が579.1、実測値は579.1であった。
【0111】
実施例14:5−[6−[(4−tert−ブチルフェニル)スルホニルアミノ]−2−クロロ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]キノリン−8−カルボン酸二ナトリウム塩の合成
【化21】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。1H NMR (400 MHz, CD3OD)のδ値は、8.79-8.77 (m, 1 H), 7.72 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.57-7.54 (m, 1 H), 7.52 ((d, J = 9.4 Hz, 1 H), 7.38 - 7.35 (m, 2 H), 7.32 - 7.29 (m, 2 H), 7.23-7.18 (m, 2 H), 6.99 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 1.32 (s, 9 H);であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC27H22ClF3N2O5S [M +H]-の理論値が579.09、実測値は579.1であった。
【0112】
実施例15:5−[6−[(4−tert−ブチルフェニル)スルホニルアミノ]−2−クロロ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]キノリン−8−カルボン酸の合成
【化22】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。1H NMR (400 MHz, CD3OD) のδ値は、9.06 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.61 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.94 (dd, J = 8.8, 1.6 Hz, 1H), 7.72 - 7.60 (m, 3H), 7.42 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.20 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.16 - 7.06 (m, 2H), 1.42 (s, 9H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC27H21ClF4N2O5S [M+H]+ の理論値が597.08、実測値は597.1であった。
【0113】
実施例16:5−[6−[(4−tert−ブチル−3−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−4−クロロ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]キノリン−8−カルボン酸の合成
【化23】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。1H NMR (400 MHz, CD3OD)のδ値は、9.08 (dd, J = 4.7, 1.6 Hz, 1 H), 8.58 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 8.11 (dd, J = 8.6, 1.6 Hz, 1 H), 7.72 (dd, J = 8.6, 4.7 Hz, 1 H), 7.43-7.39 (m, 2 H), 7.18 (dd, J = 8.2, 2.0 Hz, 1 H), 7.08 (dd, J = 10.2, 2.0 Hz, 1 H), 1.40 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC27H20ClF3N2O6S [M +H]-の理論値が593.07、実測値は593.1であった。
【0114】
実施例17:4−tert−ブチル−N−[2,2−ジフルオロ−6−[8−(1H−テトラゾール−5−イル)−5−キノリル]−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]−3−フルオロベンゼンスルホンアミドの合成
【化24】
(a)5−ブロモ−8−ヨードキノリン(0.52g,1.55mmol)、Zn(CN)(218mg,1.86mmol)及びdppf(103mg,0.186mmol)のDMF混合溶液(2.5mL)をN(ガス)で5分間パージした。Pd(dba)(85mg,0.093mmol)を加え、得られた混合物を95℃で5時間加熱した。 反応終了後、室温まで冷却し、水で希釈し、水溶液を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄、NaSO上で乾燥、減圧下で濃縮した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン(5〜25%)溶出液を使用したシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製し、5−ブロモキノリン−8−カルボニトリルを褐色固体(72mg)として得た。
【0115】
(b)実施例8と同様に鈴木反応を行い、出発物質72mgから生成物70mgを得た。
【0116】
(c)上記ニトリル(35mg,0.064mmol)のHO/IPA(5:1,2mL)撹拌溶液に、室温でZnBr(43mg,0.324mmol)及びNaN(21mg,0.324mmol)を加えた。反応混合物を100℃で16時間加熱した。反応終了後、室温まで冷却し1NのHCl水溶液で中和した。水溶液を酢酸エチル(2×25mL)で抽出し、一緒にした有機層を食塩水で洗浄、NaSO上で乾燥、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をメタノールで粉砕し、褐色固体(8mg)として表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)のδ値は、9.84 (s, 1H), 9.04 (dd, J = 4.2, 1.7 Hz, 1H), 8.45 (d, J = 7.5, Hz, 1H), 7.87 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 8.6, 4.2 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 8.1, Hz, 1H), 7.16 - 7.0 (m, 3H), 1.24 (s, 9H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC28H22F3N5O4S [M+H]+ の理論値が582.13、実測値は582.1であった。
【0117】
実施例18:5−[2−[(4−tert−ブチルフェニル)スルホニルアミノ]−5−シアノフェニル]キノリン−8−カルボン酸の合成
【化25】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3)のδ値は、9.00 (dd, J = 4.3, 1.6 Hz, 1 H), 8.68 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.92 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 7.87 (dd, J = 8.6, 1.2 Hz, 1 H), 7.78 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1 H), 7.62 - 7.50 (m, 5 H), 7.45 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.19 (d, J = 7.5 Hz, 2 H), 6.67 (s, 1 H), 1.37 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は算出したC27H23N3O4S [M+H]+の理論値が486.14、実測値は486.1であった。
【0118】
実施例19:5−[6−[(4−tert−ブチルフェニル)スルホニルアミノ]−2−クロロ−3−シアノフェニル]キノリン−8−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩の合成
【化26】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)のδ値は、9.85 (bs, 1 H), 9.12-9.13 (m, 1 H), 8.48 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), δ 8.06 (bs, 1 H), 7.89-7.87 (m, 1 H), 7.70 - 7.52 (m, 7 H), 7.16 (d, J = 6.7 Hz, 1 H), 1.30 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC27H22ClN3O4S [M +H]-の理論値が520.09、実測値は520.1であった。
【0119】
実施例20:5−[6−[(4−tert−ブチルフェニル)スルホニルアミノ]−3−シアノ−2−フルオロフェニル]キノリン−8−カルボン酸塩酸塩の合成
【化27】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3)のδ値は、9.04 (dd, J = 4.3, 1.6 Hz, 1 H), 8.76 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.84 - 7.75 (m, 3 H), 7.64 - 7.53 (m, 5H), 7.22 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 6.59 (bs, 1 H) 1.37 (s, 9H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC27H22FN3O4S [M+H]+の理論値が504.1、実測値は504.4であった。
【0120】
生物学的実施例1:リガンド結合アッセイ
リガンド結合アッセイは、CCR6及びそのリガンドであるCCL20(MIP3α)間の相互作用を阻止するCCR6拮抗薬の潜在的機能を調べるために使用された。 CCR6受容体を安定的に発現しているL1.2細胞を遠心分離にかけ、アッセイ緩衝液(20mM濃度のHEPES(pH7.1),140mM濃度のNaCl,1mM濃度のCaCl,5mM濃度のMgCl,0.1%窒素ナトリウム及び0.1%ウシ血清アルブミン)に再懸濁し、5×10細胞/mL濃度にした。結合アッセイを以下の通りに設定した。初めに、0.1mLの細胞(5×10細胞/ウェル)を化合物の入ったアッセイプレートに加え、スクリーニング(又は化合物のIC50値測定の用量反応部分)のために各化合物の最終濃度を約2〜10μMにした。次に、125Iの標識の付いたCCL20(PerkinElmer; Waltham, MAから入手)0.1mLをアッセイ緩衝液に希釈し、最終濃度を約50pMにし、各ウェルで約30,000cpm得たものを加え、プレートを密閉し、約3時間25℃で振とう培養機で培養した。反応物を、0.3%ポリエチレンイミン(PEI)溶液に予浸した真空細胞採取器(Packard Instruments; Meriden, CT)のGF/Bガラスフィルターに吸収した。シンチレーション流体(50uL;Microscint 20, Packard Instruments)を各ウェルに加え、プレートを密閉し、TopCount シンチレーション計数管(Packard Instruments)で放射能を測定した。希釈剤のみ(総数用)又は20uM濃度の化合物、のどちらかを含む対照ウェルを使用して化合物の完全阻害パーセントを計算した。GraphPad社(San Diego, Ca)のコンピュータプログラムPrismを使用してIC50値を計算した。IC50値は、標識の付いたTARCが受容体に結合するのを50%低減させるのに必要な濃度である。図1の化合物の結合アッセイにおけるIC50値は、100nM未満が(+++);100〜500nMが(++);20uM以下で500nM超が(+)で表示されている。
【0121】
生物学的実施例2:移動/走化性アッセイ
血清走化性アッセイは、CCR6などのケモカイン受容体を介する移動を阻害する状態で、潜在的な受容体拮抗薬の有効性を明らかにするために使用された。このアッセイは、5μm孔径のポリカーボネート膜を有するChemoTX(登録商標)マイクロチャンバーシステムを使用して定期的に実施された。この様なアッセイを始めるのに、ケモカイン受容体発現細胞(CCR6を安定的に発現するL1.2細胞など)を、室温で400xgの遠心分離により収集し、ヒト血清に50,000,000/mlに懸濁させた。次に試験済みの化合物又は化合物と同量の溶媒(DMSO)を、最終DMSO濃度0.25%(v/v)で細胞/血清混合物に加えた。別途、組み換え型ヒトCCL20を走化性緩衝液(HBSS+0.1%BSA)で希釈し、通常0.01nM〜500nMに渡る濃度範囲で、希釈後のケモカイン29μlをChemoTX(登録商標)プレートウェルの下部に置いた。5μm(孔径)のポリカーボネート膜をプレート上に置き、20μLの細胞/血清混合物を膜の各ウェルに移した。プレートを37℃で90分間培養し、ポリカーボネート膜を除去した後、DNA挿入剤CyQUANT(Invitrogen, Carlsbad, CA)5μlをウェルの下部に加えた。移動した細胞数に対する蛍光量をSpectrafluor Plusプレートリーダー(TECAN, San Jose, CA)を使用して測定した。
【0122】
(a)オキサザロン誘発遅延型過敏症モデルにおける対象化合物の評価
オキサゾロンによって誘発される皮膚の遅延型過敏症(DTH)のマウスモデルにおける、本発明の化合物を評価した。要約すると、0日目、8〜10週齢のBALB/cマウスの除毛した腹部に、エタノールに溶解した1%オキサゾロン溶液で局所的に感作させた。6日目、感作後のマウスに賦形剤、又は投与直前に1.061及び1.033に増量した本発明の化合物のどちらかを経口投与し、4時間経過後、0.5%オキサゾロンエタノール溶液を使用してマウスの右耳で局所テストを行った。翌日(7日目)、キャリパー法を使用して耳の厚さを測定した。賦形剤で処理された対照と比較して、化合物で処理された動物は耳の腫れが著しく減少しており、オキサゾロン誘発皮膚過敏症の軽減に化合物が媒介していることを示している。
【0123】
(b)イミキモド誘発乾癬モデルにおける対象化合物の評価
複数の乾癬マウスモデルが知られている。例えば、イミキモド誘発乾癬モデルにおいて、1日1回5%イミキモドを塗布する3日前にbalb/cマウスの背部を除毛した。賦形剤(1%HPMC)又はCCR6化合物を、例えば経口で5〜200mg/kgを1日1/2回、イミキモドを塗布した時点で投与し、5〜10日間続けた。以下の方法を使用して治療効果を評価した。皮膚の厚さを評価するために1日1回行う電子ノギス法及びエンドポイントの免疫組織化学法、白血球湿潤及び炎症を測定するためのフローサイトメトリーおよびエンドポイントの免疫蛍光法、並びに分子変化を評価するための2日目及び5日目のLuminexによるmRNA定量化。本発明の化合物1.033又は1.061量で処理された動物に、疾患の有意な改善が見られた。
【0124】
(c)IL−23誘発乾癬モデルにおける対象化合物の評価
乾癬に関連する形質型の変化を誘発する別の方法は、IL−23の皮内注射を伴う。 要約すると、組み換え型マウスIL−23(500ng)に合計5〜6回、10〜12日間に渡り、1日おきにC57BL6/Nマウスの右耳に皮下注射した。それに伴い 同時にPBSを同じマウスの左耳に皮内注射した。CCR6化合物を経口又は別の方法、例えば5〜200mg/kgを1日1/2回、予防的に服用させた。賦形剤を使用するテストマウスに、経口でIL−23を提供する治療薬剤投与を4日間実施した。5日目に、本発明の化合物を、例えば5〜200mg/kgを1日1/2回、経口又は別の方法(この時点では右耳へのIL−23の皮内注射を2回)で動物に投与した。ノギスを使用し、耳の厚みを手動で測定して有効性を評価した。本発明の化合物1.033又は1.061量で処理された動物に、疾患の有意な改善が見られた。
【0125】
(d) 敗血症性ショックマウスモデルにおける対象化合物の評価
本実施例は、敗血症性ショックを治療するためのCCR6拮抗薬の有効性を評価する手順について記載する。齧歯動物にリポ多糖体(LPS)を注入すると、動物モデルに内毒素性ショックを誘発する恐れがある。3系統のマウス群(1群当たり15匹)を、LD(致死量)90のLPS腹腔内注射で処理した。第1系統のマウスは更に、LPS投与の30分前にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)およびTween0.5%腹腔内注射を受けた。第2の系統は、LPS投与の30分前又はLPS投与と同時に腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内、経口又は他の投与方法の何れかにより、異なるCCR6拮抗薬量を投与されたマウス群から構成されている。第3の系統のマウスは陽性対照として使用され、LPS投与の30分前にIL−10腹腔内注射又は抗TNF抗体腹腔内注射のどちらかで処理された群から構成されている。LPS注射後72時間、マウスの死亡をモニターした。
【0126】
(e)喘息/アレルギー性肺炎齧歯モデルにおける対象化合物の評価
本発明のCCR6化合物は、アレルギー性喘息のマウスモデルで評価することができる。喘息は、8〜10週齢のBALB/cマウスを0日目および10日目に水酸化アルミニウム補助剤のOVAで感作することで誘発される。20日目のマウスは、PBSのOVAで攻撃され、鼻腔内に気道炎症を引き起こす。マウス群は、20日目から始まり23日目で終わるまで賦形剤、又は投与量を増量した本発明の化合物のどちらかで処理された。動物はその後、気管支肺胞洗浄(BAL)で鼻孔内のOVAが細胞浸潤物を攻撃した後、23日目に分析した。本発明の化合物で処理されたマウスは、賦形剤で処理されたマウスと比較して、BAL白血球数の著しい減少を示した。
【0127】
(f)関節リウマチマウスモデルにおける対象化合物の評価
本実施例は、関節リウマチを治療するためのCCR6拮抗薬の有効性を評価する手順について記載する。関節リウマチの動物モデルは、齧歯動物に選択補助剤の状態でII型コラーゲンを注射することで誘発される。0日目及び21日目に、1群当たり15匹の遺伝的に感染しやすいマウス又はラットから構成される齧歯動物の3系統に、フロイント完全アジュバント中に乳化したII型コラーゲンを皮下又は皮内注射した。齧歯動物の第1の系統は、PBS及びTween0.5%腹腔内注射を最初の感作で受け、その後更に別の投与スケジュールで感作を受けた。第2の系統は、最初の感作及びその後別の投与スケジュールで腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内、経口又は他の投与方法の何れかにより異なるCCR6拮抗薬量を投与された齧歯動物の群から構成されている。第3の系統の齧歯動物は陽性対照として使用され、最初の感作および後に別の投与スケジュールで、IL−10腹腔内注射又は抗TNF抗体腹腔内注射のどちらかで処理された群から構成されていてもよい。3週から8週まで、動物の関節又は手足の腫れの発生、並びに標準の疾患重症度評価による度合をモニターした。疾患の重症度は、関節の組織分析により確認した。本発明の化合物の1.061量で処理された動物は、処理後著しい改善評価を示した。
【0128】
(g)SLE(全身性エリテマトーデス)マウスモデルにおける対象化合物の評価
本実施例は、全身性エリテマトーデス(全身性紅斑性狼瘡)を治療するためのCCR6拮抗薬の有効性を評価する手順について記載する。メスのNZB/W FIマウスに、蛋白尿、血清中の自己抗体、糸球体腎炎及び最終的な死亡、を特徴とするSLEに似た病状を6ヶ月齢で自然発生させた。NZB/W FIマウス群の3つの系統は、1群当たり20匹のマウスから構成され、CCR6拮抗薬の有効性の試験を以下の通り行った。第1の系統のマウスは、疲労直後にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)およびTween0.5%腹腔内注射を受け、更にその後様々な投与スケジュールを受けた。第2の系統は、疲労直後及びその後様々な投与スケジュールで、腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内、経口又は他の投与方法の何れかにより異なるCCR6拮抗薬量の投与を受けたマウス群から構成されている。第3の系統のマウスは陽性対照として使用され、疲労直後及びその後様々な投与スケジュールで投与された抗IL−10抗体で処理された群から構成される。疾患の発生を最終的な死亡率、腎臓組織構造、血清中の自己抗体レベル及び蛋白尿の観点からモニターする。
【0129】
(h)悪性腫瘍マウスモデルにおける対象化合物の評価
本実施例は、悪性腫瘍を治療するためのCCR6拮抗薬の有効性を評価する手順について記載する。正常なマウス株は、OVAワクチン接種後に、OVAで形質移入され、腫瘍の特異的な抗原反応の評価を容易にするマウスの胸腺腫EL4、を含む種々の特徴がはっきりしたマウスの腫瘍系統と共に移植することができる。これらの腫瘍モデル何れかの3つの系統のマウス群でCCR6拮抗薬の有効性を試験した。第1の系統のマウスは、腫瘍移植直後にPBS及びTween0.5%腹腔内注射を受け、その後更に様々な投与スケジュールを受けた。第2の系統は、腫瘍移植直後及びその後様々な投与スケジュールで、腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内、経口又は他の投与方法の何れかにより異なるCCR6拮抗薬量の投与を受けたマウス群から構成されている。第3の系統のマウスは陽性対照として使用され、腫瘍移植直後及びその後様々な投与スケジュールで腹腔内に投与された抗IL−17抗体、抗−IFNg抗体で処理された群から構成される。腫瘍増殖と腫瘍退縮を比較して有効性をモニターする。OVAを形質移入したEL4胸腺腫モデルの場合、流入領域リンパ節細胞を生体外OVAで刺激すること、及び抗原特異的細胞毒性を測定することで、72時間で細胞溶解性OVAの特異的反応を測定することができる。分析は、例えば腫瘍量、制御性T細胞のIL−17レベル又は湿潤で行うことができ、本発明の化合物での処理により、このモデルにおいて有益な効果をもたらすことが期待されている。
【0130】
(i)癌マウスモデルにおける対象化合物の評価
マウスのRENCA腫瘍モデルは、ヒト成人腎細胞癌の進行、具体的には肺への自然転移に似た症状を呈し、固形腫瘍のモデルとして機能する。22日を過ぎてBalb/cの6〜8週齢のメスマウスに、腎臓被膜及び腎臓腫瘍増殖が観察され、早ければ15日目に肺転移が観察された状態で、約5×10個のRENCA細胞(マウス腎腺癌、ATCC cat# CRL-2947)を播種した。動物に賦形剤又は本発明の化合物のどちらかを、例えば腫瘍移植時から毎日皮下投与し、原発性の増殖に対する効果を、又は後(例、7日目)に転移に対する化合物の効果をモニターする。原発腫瘍領域を、自動カリパスを使用して1週間に2回測定する。腫瘍量は、式v=pab2/6で計算し、式中aは最長径、bはaと垂直で2番目に長い径である。腫瘍量又は転移発生率の減少は、この徴候での化合物の有効性を示している。
【0131】
(j)IBDマウスモデルにおける対象化合物の評価
本実施例は、炎症性腸疾患(IBD)におけるCCR6拮抗薬の有効性を評価する手順について記載する。IBD(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)の幾つかのマウスモデルが開発されてきた。これらのマウスモデルの幾つかは、特定のサイトカイン遺伝子(例、IL−10又はIL−2)が欠失した遺伝子操作された遺伝子導入マウスである。別のIBDマウスモデルは、特定の表面マーカー表現型(即ちCD45 RB hi )を持つ高度に純化したCD4+Tリンパ球個体群をSCIDマウスに移植することによって得られる。これらのモデルの何れか3つの系統のマウス群でCCR6拮抗薬の有効性を以下の通り試験した。第1のマウス群は更に、遺伝子導入マウスの自然モデル又は細胞のSCIDマウス移植時である場合、PBS及びTween0.5%腹腔内注射を疲労後すぐに受け、その後細胞移植モデルは様々な薬剤投与を受ける。第2の系統は、遺伝子導入マウスの自然モデル又は細胞のSCIDマウス移植時である場合、腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内、経口又は他の投与方法の何れかにより異なるCCR6拮抗薬量の投与を疲労後すぐに受け、その後細胞移植モデルが様々な薬剤投与を受けたマウス群から構成されている。第3の系統のマウスは陽性対照として使用され、遺伝子導入マウスの自然モデル又は細胞のSCIDマウス移植時である場合、疲労後すぐにIFNg又はTNFのどちらかの抗体、若しくはサイトカインIL−10で処理され、その後細胞移植モデルが様々な薬剤投与を受けたマウス群で構成されている。マウスを6〜8週間、疾患発生を評価し、最初は重量喪失及び/又は直腸脱を介してモニターし、最終的に動物の結腸及び腸管の組織学的観察によりモニターする。
【0132】
理解されるように、本明細書に記載の実施例及び実施形態は、あくまでも例示の目的のみで示すものであり、これらに接した当業者には種々の改変や変更が示唆されるであろう。斯かる改変や変更も、本明細書及び添付の特許請求の範囲の精神及び範疇に含まれるものとする。
【0133】
本明細書で引用する文献、特許公報、及び特許出願公開公報は、何れもその全体があらゆる目的において引用により本明細書に組み込まれる。
【配列表フリーテキスト】
【0134】
配列番号1:ヒトCCR6 mRNA転写産物変異体1
受入番号 NM_004367 バージョン NM_004367.5 GI:150417991
1 agtgtatggg tgaaggaggc agcagtgtgg ccggagagga gagctgggct gggagcacag
61 gaaggtcccc aggactctgt ggtcatcagt aagagagggc ccacgtgtat atgctggtga
121 acagaaatgt caaccttttc aaagtctgac atttaagaga aaaaactgtg gctgttggtt
181 tgtggaacag acagctcctt ctttattgag tcacctctac tttcctgcta ccgctgcctg
241 tgagctgaag gggctgaacc atacactcct ttttctacaa ccagcttgca ttttttctgc
301 ccacaatgag cggggaatca atgaatttca gcgatgtttt cgactccagt gaagattatt
361 ttgtgtcagt caatacttca tattactcag ttgattctga gatgttactg tgctccttgc
421 aggaggtcag gcagttctcc aggctatttg taccgattgc ctactccttg atctgtgtct
481 ttggcctcct ggggaatatt ctggtggtga tcacctttgc tttttataag aaggccaggt
541 ctatgacaga cgtctatctc ttgaacatgg ccattgcaga catcctcttt gttcttactc
601 tcccattctg ggcagtgagt catgccaccg gtgcgtgggt tttcagcaat gccacgtgca
661 agttgctaaa aggcatctat gccatcaact ttaactgcgg gatgctgctc ctgacttgca
721 ttagcatgga ccggtacatc gccattgtac aggcgactaa gtcattccgg ctccgatcca
781 gaacactacc gcgcagcaaa atcatctgcc ttgttgtgtg ggggctgtca gtcatcatct
841 ccagctcaac ttttgtcttc aaccaaaaat acaacaccca aggcagcgat gtctgtgaac
901 ccaagtacca gactgtctcg gagcccatca ggtggaagct gctgatgttg gggcttgagc
961 tactctttgg tttctttatc cctttgatgt tcatgatatt ttgttacacg ttcattgtca
1021 aaaccttggt gcaagctcag aattctaaaa ggcacaaagc catccgtgta atcatagctg
1081 tggtgcttgt gtttctggct tgtcagattc ctcataacat ggtcctgctt gtgacggctg
1141 caaatttggg taaaatgaac cgatcctgcc agagcgaaaa gctaattggc tatacgaaaa
1201 ctgtcacaga agtcctggct ttcctgcact gctgcctgaa ccctgtgctc tacgctttta
1261 ttgggcagaa gttcagaaac tactttctga agatcttgaa ggacctgtgg tgtgtgagaa
1321 ggaagtacaa gtcctcaggc ttctcctgtg ccgggaggta ctcagaaaac atttctcggc
1381 agaccagtga gaccgcagat aacgacaatg cgtcgtcctt cactatgtga tagaaagctg
1441 agtctcccta aggcatgtgt gaaacatact catagatgtt atgcaaaaaa aagtctatgg
1501 ccaggtatgc atggaaaatg tgggaattaa gcaaaatcaa gcaagcctct ctcctgcggg
1561 acttaacgtg ctcatgggct gtgtgatctc ttcagggtgg ggtggtctct gataggtagc
1621 attttccagc actttgcaag gaatgttttg tagctctagg gtatatatcc gcctggcatt
1681 tcacaaaaca gcctttggga aatgctgaat taaagtgaat tgttgacaaa tgtaaacatt
1741 ttcagaaata ttcatgaagc ggtcacagat cacagtgtct tttggttaca gcacaaaatg
1801 atggcagtgg tttgaaaaac taaaacagaa aaaaaaatgg aagccaacac atcactcatt
1861 ttaggcaaat gtttaaacat ttttatctat cagaatgttt attgttgctg gttataagca
1921 gcaggattgg ccggctagtg tttcctctca tttccctttg atacagtcaa caagcctgac
1981 cctgtaaaat ggaggtggaa agacaagctc aagtgttcac aacctggaag tgcttcggga
2041 agaaggggac aatggcagaa caggtgttgg tgacaattgt caccaattgg ataaagcagc
2101 tcaggttgta gtgggccatt aggaaactgt cggtttgctt tgatttccct gggagctgtt
2161 ctctgtcgtg agtgtctctt gtctaaacgt ccattaagct gagagtgcta tgaagacagg
2221 atctagaata atcttgctca cagctgtgct ctgagtgcct agcggagttc cagcaaacaa
2281 aatggactca agagagattt gattaatgaa tcgtaatgaa gttggggttt attgtacagt
2341 ttaaaatgtt agatgttttt aattttttaa ataaatggaa tacttttttt ttttttttaa
2401 agaaagcaac tttactgaga caatgtagaa agaagttttg ttccgtttct ttaatgtggt
2461 tgaagagcaa tgtgtggctg aagacttttg ttatgaggag ctgcagatta gctaggggac
2521 agctggaatt atgctggctt ctgataatta ttttaaaggg gtctgaaatt tgtgatggaa
2581 tcagatttta acagctctct tcaatgacat agaaagttca tggaactcat gtttttaaag
2641 ggctatgtaa atatatgaac attagaaaaa tagcaacttg tgttacaaaa atacaaacac
2701 atgttaggaa ggtactgtca tgggctaggc atggtggctc acacctgtaa tcccagcatt
2761 ttgggaagct aagatgggtg gatcacttga ggtcaggagt ttgagaccag cctggccaac
2821 atggcgaaac ccctctctac taaaaataca aaaatttgcc aggcgtggtg gcgggtgcct
2881 gtaatcccag ctacttggga ggctgaggca agagaatcgc ttgaacccag gaggcagagg
2941 ttgcagtgag ccgagatcgt gccattgcac tccagcctgg gtgacaaagc gagactccat
3001 ctcaaaaaaa aaaaaaaaaa aaaaggaaag aactgtcatg taaacatacc aacatgttta
3061 aacctgacaa tggtgttatt tgaaacttta tattgttctt gtaagcttta actatatctc
3121 tctttaaaat gcaaaataat gtcttaagat tcaaagtctg tatttttaaa gcatggcttt
3181 ggctttgcaa aataaaaaat gtgttttgta catgaa

配列番号2:ヒトCCR6 mRNA転写産物変異体2
受入番号 NM_031409 バージョン NM_031409.3 GI:150417990
1 aactcacacg gcctcttgca aacgttccca aatcttccca gtcggcttgc agagactcct
61 tgctcccagg agataaccag gtaaaggagt atgaaagttt gggtacaaac tcattgctgc
121 aaattgaaaa ccatgcaaag gctgtcttcc tctggggagt tcaatgcctc tctttttctt
181 atcactttac cattggttgg actttgattc cagggatcct acgattactc aataccctac
241 aggatataca tggttaacca tttgcatttg ggcaaatagg cgttactttt caataggaag
301 tggcaatcca gaacttgctt ttgggcaatt ctagtagctc accgcttttt tcttaatgac
361 tgctagaagc tgcatcttat tgacagatgg tcatcacatt ggtgagctgg agtcatcaga
421 ttgtggggcc cggagtgagg ctgaagggag tggatcagag cactgcctga gagtcacctc
481 tactttcctg ctaccgctgc ctgtgagctg aaggggctga accatacact cctttttcta
541 caaccagctt gcattttttc tgcccacaat gagcggggaa tcaatgaatt tcagcgatgt
601 tttcgactcc agtgaagatt attttgtgtc agtcaatact tcatattact cagttgattc
661 tgagatgtta ctgtgctcct tgcaggaggt caggcagttc tccaggctat ttgtaccgat
721 tgcctactcc ttgatctgtg tctttggcct cctggggaat attctggtgg tgatcacctt
781 tgctttttat aagaaggcca ggtctatgac agacgtctat ctcttgaaca tggccattgc
841 agacatcctc tttgttctta ctctcccatt ctgggcagtg agtcatgcca ccggtgcgtg
901 ggttttcagc aatgccacgt gcaagttgct aaaaggcatc tatgccatca actttaactg
961 cgggatgctg ctcctgactt gcattagcat ggaccggtac atcgccattg tacaggcgac
1021 taagtcattc cggctccgat ccagaacact accgcgcagc aaaatcatct gccttgttgt
1081 gtgggggctg tcagtcatca tctccagctc aacttttgtc ttcaaccaaa aatacaacac
1141 ccaaggcagc gatgtctgtg aacccaagta ccagactgtc tcggagccca tcaggtggaa
1201 gctgctgatg ttggggcttg agctactctt tggtttcttt atccctttga tgttcatgat
1261 attttgttac acgttcattg tcaaaacctt ggtgcaagct cagaattcta aaaggcacaa
1321 agccatccgt gtaatcatag ctgtggtgct tgtgtttctg gcttgtcaga ttcctcataa
1381 catggtcctg cttgtgacgg ctgcaaattt gggtaaaatg aaccgatcct gccagagcga
1441 aaagctaatt ggctatacga aaactgtcac agaagtcctg gctttcctgc actgctgcct
1501 gaaccctgtg ctctacgctt ttattgggca gaagttcaga aactactttc tgaagatctt
1561 gaaggacctg tggtgtgtga gaaggaagta caagtcctca ggcttctcct gtgccgggag
1621 gtactcagaa aacatttctc ggcagaccag tgagaccgca gataacgaca atgcgtcgtc
1681 cttcactatg tgatagaaag ctgagtctcc ctaaggcatg tgtgaaacat actcatagat
1741 gttatgcaaa aaaaagtcta tggccaggta tgcatggaaa atgtgggaat taagcaaaat
1801 caagcaagcc tctctcctgc gggacttaac gtgctcatgg gctgtgtgat ctcttcaggg
1861 tggggtggtc tctgataggt agcattttcc agcactttgc aaggaatgtt ttgtagctct
1921 agggtatata tccgcctggc atttcacaaa acagcctttg ggaaatgctg aattaaagtg
1981 aattgttgac aaatgtaaac attttcagaa atattcatga agcggtcaca gatcacagtg
2041 tcttttggtt acagcacaaa atgatggcag tggtttgaaa aactaaaaca gaaaaaaaaa
2101 tggaagccaa cacatcactc attttaggca aatgtttaaa catttttatc tatcagaatg
2161 tttattgttg ctggttataa gcagcaggat tggccggcta gtgtttcctc tcatttccct
2221 ttgatacagt caacaagcct gaccctgtaa aatggaggtg gaaagacaag ctcaagtgtt
2281 cacaacctgg aagtgcttcg ggaagaaggg gacaatggca gaacaggtgt tggtgacaat
2341 tgtcaccaat tggataaagc agctcaggtt gtagtgggcc attaggaaac tgtcggtttg
2401 ctttgatttc cctgggagct gttctctgtc gtgagtgtct cttgtctaaa cgtccattaa
2461 gctgagagtg ctatgaagac aggatctaga ataatcttgc tcacagctgt gctctgagtg
2521 cctagcggag ttccagcaaa caaaatggac tcaagagaga tttgattaat gaatcgtaat
2581 gaagttgggg tttattgtac agtttaaaat gttagatgtt tttaattttt taaataaatg
2641 gaatactttt tttttttttt taaagaaagc aactttactg agacaatgta gaaagaagtt
2701 ttgttccgtt tctttaatgt ggttgaagag caatgtgtgg ctgaagactt ttgttatgag
2761 gagctgcaga ttagctaggg gacagctgga attatgctgg cttctgataa ttattttaaa
2821 ggggtctgaa atttgtgatg gaatcagatt ttaacagctc tcttcaatga catagaaagt
2881 tcatggaact catgttttta aagggctatg taaatatatg aacattagaa aaatagcaac
2941 ttgtgttaca aaaatacaaa cacatgttag gaaggtactg tcatgggcta ggcatggtgg
3001 ctcacacctg taatcccagc attttgggaa gctaagatgg gtggatcact tgaggtcagg
3061 agtttgagac cagcctggcc aacatggcga aacccctctc tactaaaaat acaaaaattt
3121 gccaggcgtg gtggcgggtg cctgtaatcc cagctacttg ggaggctgag gcaagagaat
3181 cgcttgaacc caggaggcag aggttgcagt gagccgagat cgtgccattg cactccagcc
3241 tgggtgacaa agcgagactc catctcaaaa aaaaaaaaaa aaaaaaagga aagaactgtc
3301 atgtaaacat accaacatgt ttaaacctga caatggtgtt atttgaaact ttatattgtt
3361 cttgtaagct ttaactatat ctctctttaa aatgcaaaat aatgtcttaa gattcaaagt
3421 ctgtattttt aaagcatggc tttggctttg caaaataaaa aatgtgtttt gtacatgaa

配列番号3:ヒトCCR6 アミノ酸配列
MSGESMNFSDVFDSSEDYFVSVNTSYYSVDSEMLLCSLQEVRQFSRLFVPIAYSLICVFGLLGNILVVITFAFYKKARSMTDVYLLNMAIADILFVLTLPFWAVSHATGAWVFSNATCKLLKGIYAINFNCGMLLLTCISMDRYIAIVQATKSFRLRSRTLPRSKIICLVVWGLSVIISSSTFVFNQKYNTQGSDVCEPKYQTVSEPIRWKLLMLGLELLFGFFIPLMFMIFCYTFIVKTLVQAQNSKRHKAIRVIIAVVLVFLACQIPHNMVLLVTAANLGKMNRSCQSEKLIGYTKTVTEVLAFLHCCLNPVLYAFIGQKFRNYFLKILKDLWCVRRKYKSSGFSCAGRYSENISRQTSETADNDNASSFTM
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図2C
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]