【実施例】
【0082】
VI.実施例
以下に実施例を説明するが、これらの実施例は特許請求された発明を限定するものではない。
【0083】
以下で使用された試薬及び溶媒は、アルドリッチ・ケミカル社(Milwaukee, Wisconsin, USA))などの民間の供給元から入手することができる。
1H−NMRは、Varian Mercury 400 MHz NMR分光計に記録した。TMSに対して有意なピークが提供され、多重度(s=単ピーク、d=二重ピーク、t=三重ピーク、q=四重ピーク、m=多重ピーク)及びプロトン数、の順に表にした。質量分析の結果については、質量を電荷で割った比に続いて各イオン(丸括弧内)の相対存在量が報告されている。表中において、1つのm/e値は、最も一般的な原子同位体を含むM+H(又は注記したものはM−H)イオンについて報告している。全ての事例において、同位体パターンは予測した式に対応している。エレクトロスプレーイオン化(ESI)質量分析を、ヒューレッド・パッカードMSDエレクトロスプレー質量分析計で、試料送達のためにAgilent Zorbax SB-C18, 2.1X50 mm, 5μカラムを装備したHP1100高速液体クロマトグラフィーを使用して行った。通常、検体を0.1mg/mLでメタノールに溶解し、1マイクロリットルを送達溶媒と共に質量分析計に注入し、100〜1500ダルトンで走査した。全化合物は、1%ギ酸を含むアセトニトリル/水を送達溶媒として使用し、正のESIモードで分析することができた。下記で提供した化合物は、2mM濃度のNH
4OAcのアセトニトリル/水溶液を送達溶媒として使用し、負のESIモードでも分析することができた。
【0084】
下記の略称が、実施例及び本発明の明細書全体を通して使用されている。HPLC=高速液体クロマトグラフィー、DMF=ジメチルホルムアミド、TFA=トリフルオロ酢酸、THF=テトラヒドロフラン、EtOAc=酢酸エチル、BOC
2O=ジカルボン酸ジ−tertブチル又はBOC無水物、DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン、HBTU=ヘキサフルオロリン酸O−(ベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム、dppf=1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、Pd
2(dba)
3=トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン、DMP=フタル酸ジメチル、Me=メチル、Et=エチル、DCM=ジクロロメタン。
【0085】
本発明の適用範囲内の化合物は、下記の様に、当業者にとって既知の様々な反応を用いて合成することができる。当業者はまた、本発明の目的化合物を合成するために別の方法を用いることも可能であると理解しており、本明細書内に記載された方法は、対象化合物にとって全てを網羅しているわけではないが、広く適用でき、実用的な方法である。
【0086】
この特許において請求されているある特定の分子は、異なるエナンチオマ型及びジアステレオ型の形状で存在することができ、これらの化合物の変異体全てが請求されている。
【0087】
この明細書で鍵となる化合物を合成するために行う実験手順の詳細な説明により分子が得られる。分子を同定する物理データに加えて、関連する構造描写によりこれらの分子を説明する。
【0088】
当業者は、有機化学における標準の精製手順中に、酸及び塩基が頻繁に使用されることも理解している。親化合物が塩の生成に必要な酸性または塩基性を本来有する場合、この特許内に記載の実験手順の最中に親化合物の塩が時折生成される。
【0089】
実施例1:5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キノリン−8−カルボン酸メチルの合成
【化8】
(a)H
2O(80mL)およびH
2SO
4(120mL)の撹拌溶液に、5−ブロモ−8−メチルキノリン(25g,112.6mmol)を0℃で加えた。溶液を得た後、内部温度を70℃に保ちながらCrO
3(16g,157.6mmol)を少量ずつ投入した。反応混合物を1時間、70℃で攪拌した。追加のCrO
3(16g,157.6mmol)を分割して添加し、80℃で2.5時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、砕氷上に注ぎ、水酸化アンモニウム水溶液で中和し、固体を得た。得られた固体を濾過し、高減圧下で16時間乾燥させ、粗製5−ブロモキノリン−8−カルボン酸(28.0g)を緑色固体として得た。
【0090】
(b)K
2CO
3(61.3g,444.0mmol)及びヨウ化メチル(63.1g,444.0mmol)を5−ブロモキノリン−8−カルボン酸(28.0g,111.0mmol)のDMF(250mL)撹拌懸濁液に室温で添加した。反応混合物を45℃で36時間加熱し、室温まで冷却し、固形分を濾過し、酢酸エチル(100mL)で洗浄した。濾液を水で希釈し、酢酸エチル(3×300mL)で抽出し、水(3×100mL)で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(Na
2SO
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル(0〜20%)のヘキサン溶出液を使用したシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製し、5−ブロモキノリン−8−カルボン酸メチルを黄白色の固体(2段階で20.5g,70%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)のδ値は、9.07 (dd, J = 4.3, 1.5 Hz, 1 H), 8.60 (dd, J = 8.7, 1.6 Hz, 1 H), 7.88 (s, 2 H), 7.58 (dd, J = 8.6, 4.0 Hz, 1 H), 4.05 (s, 3 H)であった。
【0091】
(c)5−ブロモキノリン−8−カルボキン酸メチル(20.5g,77.06mmol)、 4,4,5,5−テトラメチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(21.4g,84.7mmol)、 及びKOAc(18.8g,192.6mmol)の乾燥1,4−ジオキサン(200mL)溶液を、窒素ガスで10分間パージした。 次に、Pd(dppf)Cl
2(3.14g,7.70mmol)を加え、得られた混合物を95℃で8時間加熱し、室温まで冷却し、減圧下で過剰な溶媒を除去した。残留物をエーテルで希釈し、セライトプラグに通して濾過し、エーテル(200mL)で洗浄した。濾液は減圧下で濃縮した。得られた残留物を、0〜50%酢酸エチルのヘキサン溶出液を使用したシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製し、エーテルに溶解した赤色で濃密なシロップ/固体を得て、−20℃まで冷却し、12時間保存した。分離した薄ピンク色の固体を濾過し、乾燥させ、純粋な5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キノリン−8−カルボン酸メチル(17.5g、78%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) のδ値は、9.14 (dd, J = 8.6, 0.6 Hz, 1 H), 9.02-9.01 (m, 1 H), 8.14 (d, J = 7.0 Hz, 1 H), 7.94 (d, J = 7.0 Hz, 1 H), 7.48 (dd, J = 8.6, 4.3 Hz, 1 H), 4.06 (s, 3 H), 1.43 (s, 12 H)であった。
【0092】
実施例2:3,4−ジクロロ−2−ヨードアニリンの合成
【化9】
3,4−ジクロロアニリン(20g,123mmol)、HI(48%,15.7g、123mmol)、H
2O
2(30%,8.3g,246mmol)を水(62mL)に懸濁した撹拌液に、室温で反応混合物を室温の暗い所で一晩攪拌した。その上澄みを破棄し、酢酸エチル:ヘキサン(1:10)で希釈し、飽和NaHSO
3と共に急冷し、周囲温度で1時間撹拌し、固形分を濾過した。濾液を水、NaHCO
3飽和水溶液、乾燥(Na
2SO
4)で洗い取り、濾過し、濃縮してヨード誘導体(微量の異性体を要する)の位置異性体混合物(1:4)を得た。シクロヘキサンから再結晶し、濾液で濃縮した位置異性体の混合物(1:1)を得た。この混合物を、酢酸エチル:ヘキサン(0〜2%)の溶出液を使用したシリカゲルによるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより更に精製し、要求される化合物を黄白色の固体(5.2g,約15%収率)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) のδ値は、7.22 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 6.60 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 4.32 (br, 2 H)であった。
【0093】
実施例3:3−クロロ−2−ヨード−4−(トリフルオロメトキシ)アニリン
【化10】
実施例2と同様にして、18%の収率で表題化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) のδ値は、7.11 (d, J = 8.9 Hz, 1 H), 6.67 (d, J = 8.9 Hz, 1 H), 4.30 (br, 2 H)であった。
【0094】
実施例4:2−ブロモ−3−フルオロ−4−トリフロオロメトキシアニリンの合成
【化11】
(a)20mLのバイアル瓶に、3−フルオロ−4−トリフロオロメトキシアニリン(150mg,0.769mmol)の酢酸溶液(0.5mL)を室温で加えた。臭素(118μL,2.30mmol,3eq)を加え、反応液を数時間攪拌した。ジクロロメタン(2mL)を加え、固形化した反応混合物を粉砕し、更に臭素(40μL,0.781mmol,1eq)を加えた。更に1時間撹拌した後、反応混合物に窒素の流れを徐々に吹きつけてジクロロメタンを除去した。この固体を濾過し、水で徹底的に洗浄し、減圧下で乾燥させて2,6−ジブロモ−3−フルオロ−4−トリフロオロメトキシアニリンを白色固体(172mg,0.489mmol,64%収率)として得た。
【0095】
(b)40mLのバイアル瓶に、2,6−ジブロモ−3−フルオロ−4−トリフロオロメトキシアニリン(172mg,0.489mmol)を加え、続いて塩化スズ(II)二水和物(122mg,0.540mmol,1.1eq)を加えた。酢酸(725μL)及び高濃度塩酸(580μL)を加え溶液を作った。反応混合物を115℃で1.5時間加熱した。反応物を室温まで冷却した後、酢酸の大部分を減圧下で除去した。水を加え、ジクロロメタンで生成物を3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。減圧下で溶媒を除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを使用して粗製材料を精製した。回収した2,6−ジブロモ−3−フルオロ−4−トリフロオロメトキシアニリンを5〜10%勾配の酢酸エチルのヘキサン溶液を使用して溶出し、続いて所望の生成物である2−ブロモ−3−フルオロ−4−トリフロオロメトキシアニリンを15%酢酸エチルのヘキサン溶液(64.8mg,0.236mmol,48%)で溶出した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)のδ値は、7.06(dd, J = 9.0, 9.0 Hz, 1 H), 6.52 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1 H), 4.27(br, 2 H)であった。
【0096】
実施例5:4−クロロ−5−ブロモ−6−アミノ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソールの合成
【化12】
(a)撹拌した4−アミノ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(2.5g,14.4mmol)のジクロロメタン溶液に、0℃でN−ブロモコハク酸イミド (2.7g,15.2mmol)を少量ずつ加えた。この溶液を0℃で30分間撹拌し、次いで室温で1時間撹拌した。反応混合物を1Mチオ硫酸ナトリウム溶液でクエンチし、脱イオン水で希釈し、ジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。一緒にした有機層を乾燥させ(Na
2So
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー(SiO
2,0〜20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製し、出発物質1gを回収し、5−ブロモ−4−アミノ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソールを無色油(2.33g,9.25mmol,64%)として得た。質量分析MS:(ES)のm/z値は、算出したC
7H
4BrF
2NO [M + H]
+の理論値が252.0実測値は252であった。
【0097】
(b)撹拌した塩化銅(II)(2.49g,18.5mmol)及び亜硝酸tert−ブチル(2.39g,23.13mmol)のアセトニトリル溶液に、55℃で5−ブロモ−4−アミノ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(2.33g,9.25mmol)のアセトニトリル溶液を加えた。この溶液を55℃で30分撹拌し、室温まで冷却した。反応混合物を5%塩酸溶液でクエンチし、脱イオン水で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を乾燥させ(Na
2So
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。 粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー(SiO
2,0〜20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製し、5−ブロモ−4−クロロ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソールを帯黄色油(1.5g,5.53mmol,60%)として得た。MS:(ES)のm/z 値は、算出したC
7H
2BrClF
2O
2 [M + H]
+ の理論値が272.0、実測値は0であった。
【0098】
(c)5−ブロモ−4−クロロ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(1.5g,5.53mmol)の濃縮硫酸溶液(10mL)を−10℃まで冷却した。 次に、発煙硝酸溶液(1mL)及び濃縮硫酸(2mL)を滴下して加えた。得られた溶液を−10℃で約2時間攪拌した。反応混合物を氷水へと注ぐと、黄色固体が析出した。 固体を濾過し、水で洗浄し、固体を収集した。 粗製固体をフラッシュ・クロマトグラフィー(SiO
2、0〜5%酢酸エチルのヘキサン溶液)にて精製し、純粋な6−ニトロ−5−ブロモ−4−クロロ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(1.0g,3.16mmol、57%)を得た。MS:(ES)の m/z 値は、算出したC
7HBrClF
2NO
4 [M + H]
+ の理論値が316.0、実測値は316であった。
【0099】
(d)6−ニトロ−5−ブロモ−4−クロロ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(1.0g,3.16mmol)のエタノール(4mL)及び水(1mL)溶液のスラリーに、塩化アンモニウム(3.38g,63.2mmol)及び鉄粉(1.06g,18.96mmol)を加えた。混合物を90℃になるまで1時間温めた後冷やした。 セライトプラグに通して濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー(SiO
2、0〜30%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製し、6−アミノ−5−ブロモ−4−クロロ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソールを白色固体(0.90g,3.16mmol,100%)として得た。MS:(ES)のm/z値は、算出したC
7H
3BrClF
2NO
2 [M + H]
+ の理論値が286.0、実測値は286であった。
【0100】
実施例6:2,2−ジフルオロ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾ−[d][1,3]ジオキソール−5−アミンの合成
【化13】
実施例1と同様にして、55%収率で表題化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) のδ値は7.22 (s, 1 H), 6.31 (s, 1 H), 4.80 (br, 2 H), 1.34 (s, 12 H)であった。
【0101】
実施例7:2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)アニリンの合成
【化14】
実施例1と同様にして表題化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)のδ値は、7.43 (br, 1 H), 7.10 (dd, J = 4.2, 1.8 Hz, 1 H), 6.55 (d, J = 7.1 Hz, 1 H), 1.34 (s, 12 H)であった。
【0102】
実施例8:5−[6−[(4−tert−ブチル−3−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]キノリン−8−カルボン酸の合成
【化15】
(a)2,2−ジフルオロ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−アミン(実施例5,2.7g,9.03mmol)の乾燥ピリジン溶液(12mL)に、4−tert−ブチル−3−フルオロフェニルスルホニルクロライド(2.82g,11.28mmol)を加え、反応混合物を80℃で一晩加熱した。この混合物を室温まで冷却し、過剰な溶媒を減圧下で除去した。残留物を塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈し、DCMで抽出し、ヘキサン:酢酸エチルの混合物を溶出液として使用したシリカカラムによるフラッシュカラムで精製し、純粋な化合物(3.28g,71%)を得た。
【0103】
(b)4−tert−ブチル−N−[2,2−ジフルオロ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]−3−フルオロベンゼンスルホンアミド(3.2g,6.22mmol)、5−ブロモキノリン−8−カルボン酸メチル(実施例1,工程b,1.66g,6.22mmol)及び2MのK
2CO
3(7.8mL,15.55mmol)水溶液の1,4−ジオキサン溶液(50mL)の混合物を窒素で5分間パージした。Pd(PPh
3)
4(360mg,0.31mmol,5モル%)を加え、反応混合物を95℃で一晩加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、水酸化リチウム水和物(2.6g,62.2mmol)を加え、80℃で1時間加熱した。室温まで冷却し、反応媒体のpHを2Nの塩酸水溶液で約6に調節にし、酢酸エチルで抽出、乾燥(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残留物をメタノールで粉砕し、僅かに色を帯びた白色固体(1.75g,50%)として純粋な(>95%)表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)のδ値は、8.96-8.94 (m, 1 H), 8.57 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.93-7.91 (m, 1 H), 7.57-7.54 (m, 2 H), 7.42 - (t, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.30-7.26 (m, 1 H), 7.18-7.15 (m, 1 H), 7.05 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 6.88 (s, 1 H), 6.56 (br, 1 H), 1.43 (s, 9 H)であった。MS:(ES)でC
27H
21F
3N
2O
6Sのm/z値を算出した。
【0104】
実施例9:5−[2−[(4−tert−ブチル−3−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル]キノリン−8−カルボン酸の合成
【化16】
実施例8と同様にして表題化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)のδ値は、9.02 (dd, J = 4.4, 1.6 Hz, 1 H), 8.60 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 8.07 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1 H), 7.67 (dd, J = 8.7, 4.4 Hz, 1 H), 7.56 (d, J = 8.9 Hz, 1 H), 7.47 (ddt, J = 9.0, 1.9, 1.1 Hz, 1 H), 7.39 - 7.24 (m, 3 H), 7.14 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1 H), 7.03 (dd, J = 12.0, 2.0 Hz, 1 H), 1.39 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC
27H
22F
4N
2O
5S [M+H]
+ の理論値が558.12、実測値は558.1であった。
【0105】
実施例10:5−[2−(4−tert−ブチル−3−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−5−クロロフェニル]キノリン−8−カルボン酸
【化17】
実施例8と同様にして表題化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)のδ値は、9.10 (dd, J = 4.7, 1.6 Hz, 1 H), 8.66 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 8.27 (dd, J = 8.6, 1.6 Hz, 1 H), 7.78 (dd, J = 8.6, 4.7 Hz, 1 H), 7.54 (dd, J = 8.6, 2.7 Hz, 1 H), 7.41-7.36 (m, 3 H), 7.16 (dd, J = 8.2, 1.9 Hz, 1 H), 7.06 (dd, J = 11.1, 1.9 Hz, 1 H), 1.40 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC
26H
22ClFN
2O
4S [M+H]
+ の理論値が513.1、実測値は513.1であった。
【0106】
実施例11:5−[6−[(4−tert−ブチル−3−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−2,3−ジクロロフェニル]キノリン−8−カルボン酸の合成
【化18】
(a)3,4−ジクロロ−2−ヨードアニリン(実施例2,2.2g,7.67mmol)の乾燥ピリジン溶液(8mL)に4−tert−ブチル−3−フルオロフェニルスルホニル塩素(2.11g,8.43mmol)を加え、反応混合物を80℃で一晩加熱した。LCMSでモノスルホンアミド及びビススルホンアミドの存在を確認した。10Nの水酸化ナトリウム水溶液(3mL)及びエタノール(2mL)を加え、ビススルホンアミドを加水分解した。次に反応混合物を80℃で2時間加熱した。室温まで冷却し、過剰な溶媒を減圧下で除去し、暗褐色の固体を得て、DCMで希釈し、1NのHCl水溶液で洗浄し、ヘキサン:酢酸エチルの混合物を溶出液として使用したシリカカラムによるフラッシュカラムで精製し、純粋な4−tert−ブチル−N−(3,4−ジクロロ−2−ヨードフェニル)−3−フルオロベンズスルホンアミドを、僅かに色を帯びた白色固体(3.5g,91%)として得た。
【0107】
(b)4−tert−ブチル−N−(3,4−ジクロロ−2−ヨードフェニル)−3−フルオロベンズスルホンアミド(9g,17.9mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キノリン−8−カルボン酸メチル(7.8g、25.1mmol)、リン酸カリウム水和物(10.3g,44.75mmol)及びSPhos(0.73g,1.79mmol)の混合物のn−BuOH:H
2O(75:25mL)溶液を窒素で15分間パージした。次に、Pd
2(dba)
3(0.65g,0.72mmol)を加え、85℃で6時間加熱し、室温まで冷却し、セライトプラグに通して濾過し、酢酸エチルで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をTHF/H
2O(60/10mL)で希釈し、水酸化リチウム一水和物(7.52g,179mmol)を加えた。次に反応混合物を60℃で一晩加熱し、室温まで冷却し、2NのHCl水溶液でpHを約6に調節し、酢酸エチル(3×500mL)で抽出し、一緒にした酢酸エチル層を水、食塩水、乾燥(Na
2SO
4)で洗浄し、濾過し、濃縮した。残留物を、酢酸エチル及びヘキサンを溶離液として使用したフラッシュカラムで精製し、生成物を得た。この生成物を更にメタノールから粉砕して僅かに色を帯びた白色固体(7.2g,73%)として表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)のδ値は、8.98 (dd, J = 4.4, 1.6 Hz, 1 H), 8.69 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 7.77 - 7.69 (m, 2 H), 7.63 (d, J = 9.0 Hz, 1 H), 7.52 (dd, J = 8.6, 4.3 Hz, 1 H), 7.42 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.32 (dd, J = 4.4, 1.6 Hz, 1 H), 7.17 (dd, J = 11.4, 2.0 Hz, 1 H), 7.05 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 6.30 (s, 1 H), 1.48 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC
26H
21FN
2O
4S [M+H]
+ の理論値が547.06、実測値は547.1であった。
【0108】
実施例12:5−[2−(4−tert−ブチル−3−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−5−シアノフェニル]キノリン−8−カルボン酸ビスナトリウム塩
【化19】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。
【0109】
0.1NのNaOH水溶液(2eq)をアセトニトリル及び水に懸濁した遊離酸に加え、凍結乾燥し、二ナトリウム塩を得た。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)のδ値は、9.10 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1 H), 8.69 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 8.19 (dd, J = 8.7, 1.7 Hz, 1 H), 7.89 (dd, J = 8.5, 2.1 Hz, 1 H), 7.81 - 7.68 (m, 3 H), 7.51 - 7.38 (m, 2 H), 7.32 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1 H), 7.22 (dd, J = 11.9, 2.0 Hz, 1 H), 1.41 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC
27H
22FN
3O
4S [M+H]
+ の理論値が504.13、実測値は504であった。
【0110】
実施例13:5−[6−[(4−tert−ブチル−3−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−2−フルオロ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]キノリン−8−カルボン酸の合成
【化20】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)のδ値は、9.00 (dd, J = 4.3, 1.7 Hz, 1 H), 8.72 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 7.86 (dt, J = 8.6, 1.5 Hz, 1H), 7.64 - 7.54 (m, 2 H), 7.53 - 7.33 (m, 3 H), 7.30 - 7.18 (m, 2 H), 1.42 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC
27H
21N
2O
5SF
5 [M - H]
-の理論値が579.1、実測値は579.1であった。
【0111】
実施例14:5−[6−[(4−tert−ブチルフェニル)スルホニルアミノ]−2−クロロ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]キノリン−8−カルボン酸二ナトリウム塩の合成
【化21】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)のδ値は、8.79-8.77 (m, 1 H), 7.72 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.57-7.54 (m, 1 H), 7.52 ((d, J = 9.4 Hz, 1 H), 7.38 - 7.35 (m, 2 H), 7.32 - 7.29 (m, 2 H), 7.23-7.18 (m, 2 H), 6.99 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 1.32 (s, 9 H);であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC
27H
22ClF
3N
2O
5S [M +H]
-の理論値が579.09、実測値は579.1であった。
【0112】
実施例15:5−[6−[(4−tert−ブチルフェニル)スルホニルアミノ]−2−クロロ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]キノリン−8−カルボン酸の合成
【化22】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) のδ値は、9.06 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.61 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.94 (dd, J = 8.8, 1.6 Hz, 1H), 7.72 - 7.60 (m, 3H), 7.42 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.20 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.16 - 7.06 (m, 2H), 1.42 (s, 9H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC
27H
21ClF
4N
2O
5S [M+H]
+ の理論値が597.08、実測値は597.1であった。
【0113】
実施例16:5−[6−[(4−tert−ブチル−3−フルオロフェニル)スルホニルアミノ]−4−クロロ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]キノリン−8−カルボン酸の合成
【化23】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD)のδ値は、9.08 (dd, J = 4.7, 1.6 Hz, 1 H), 8.58 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 8.11 (dd, J = 8.6, 1.6 Hz, 1 H), 7.72 (dd, J = 8.6, 4.7 Hz, 1 H), 7.43-7.39 (m, 2 H), 7.18 (dd, J = 8.2, 2.0 Hz, 1 H), 7.08 (dd, J = 10.2, 2.0 Hz, 1 H), 1.40 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC
27H
20ClF
3N
2O
6S [M +H]
-の理論値が593.07、実測値は593.1であった。
【0114】
実施例17:4−tert−ブチル−N−[2,2−ジフルオロ−6−[8−(1H−テトラゾール−5−イル)−5−キノリル]−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル]−3−フルオロベンゼンスルホンアミドの合成
【化24】
(a)5−ブロモ−8−ヨードキノリン(0.52g,1.55mmol)、Zn(CN)
2(218mg,1.86mmol)及びdppf(103mg,0.186mmol)のDMF混合溶液(2.5mL)をN
2(ガス)で5分間パージした。Pd
2(dba)
3(85mg,0.093mmol)を加え、得られた混合物を95℃で5時間加熱した。 反応終了後、室温まで冷却し、水で希釈し、水溶液を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄、Na
2SO
4上で乾燥、減圧下で濃縮した。粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン(5〜25%)溶出液を使用したシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製し、5−ブロモキノリン−8−カルボニトリルを褐色固体(72mg)として得た。
【0115】
(b)実施例8と同様に鈴木反応を行い、出発物質72mgから生成物70mgを得た。
【0116】
(c)上記ニトリル(35mg,0.064mmol)のH
2O/IPA(5:1,2mL)撹拌溶液に、室温でZnBr
2(43mg,0.324mmol)及びNaN
3(21mg,0.324mmol)を加えた。反応混合物を100℃で16時間加熱した。反応終了後、室温まで冷却し1NのHCl水溶液で中和した。水溶液を酢酸エチル(2×25mL)で抽出し、一緒にした有機層を食塩水で洗浄、Na
2SO
4上で乾燥、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をメタノールで粉砕し、褐色固体(8mg)として表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6)のδ値は、9.84 (s, 1H), 9.04 (dd, J = 4.2, 1.7 Hz, 1H), 8.45 (d, J = 7.5, Hz, 1H), 7.87 (dd, J = 8.6, 1.7 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 8.6, 4.2 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 8.1, Hz, 1H), 7.16 - 7.0 (m, 3H), 1.24 (s, 9H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC
28H
22F
3N
5O
4S [M+H]
+ の理論値が582.13、実測値は582.1であった。
【0117】
実施例18:5−[2−[(4−tert−ブチルフェニル)スルホニルアミノ]−5−シアノフェニル]キノリン−8−カルボン酸の合成
【化25】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)のδ値は、9.00 (dd, J = 4.3, 1.6 Hz, 1 H), 8.68 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.92 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 7.87 (dd, J = 8.6, 1.2 Hz, 1 H), 7.78 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1 H), 7.62 - 7.50 (m, 5 H), 7.45 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.19 (d, J = 7.5 Hz, 2 H), 6.67 (s, 1 H), 1.37 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は算出したC
27H
23N
3O
4S [M+H]
+の理論値が486.14、実測値は486.1であった。
【0118】
実施例19:5−[6−[(4−tert−ブチルフェニル)スルホニルアミノ]−2−クロロ−3−シアノフェニル]キノリン−8−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩の合成
【化26】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)のδ値は、9.85 (bs, 1 H), 9.12-9.13 (m, 1 H), 8.48 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), δ 8.06 (bs, 1 H), 7.89-7.87 (m, 1 H), 7.70 - 7.52 (m, 7 H), 7.16 (d, J = 6.7 Hz, 1 H), 1.30 (s, 9 H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC
27H
22ClN
3O
4S [M +H]
-の理論値が520.09、実測値は520.1であった。
【0119】
実施例20:5−[6−[(4−tert−ブチルフェニル)スルホニルアミノ]−3−シアノ−2−フルオロフェニル]キノリン−8−カルボン酸塩酸塩の合成
【化27】
実施例11と同様にして表題化合物を合成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)のδ値は、9.04 (dd, J = 4.3, 1.6 Hz, 1 H), 8.76 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.84 - 7.75 (m, 3 H), 7.64 - 7.53 (m, 5H), 7.22 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 6.59 (bs, 1 H) 1.37 (s, 9H)であった。MS:(ES)のm/z値は、算出したC
27H
22FN
3O
4S [M+H]
+の理論値が504.1、実測値は504.4であった。
【0120】
生物学的実施例1:リガンド結合アッセイ
リガンド結合アッセイは、CCR6及びそのリガンドであるCCL20(MIP3α)間の相互作用を阻止するCCR6拮抗薬の潜在的機能を調べるために使用された。 CCR6受容体を安定的に発現しているL1.2細胞を遠心分離にかけ、アッセイ緩衝液(20mM濃度のHEPES(pH7.1),140mM濃度のNaCl,1mM濃度のCaCl
2,5mM濃度のMgCl
2,0.1%窒素ナトリウム及び0.1%ウシ血清アルブミン)に再懸濁し、5×10
5細胞/mL濃度にした。結合アッセイを以下の通りに設定した。初めに、0.1mLの細胞(5×10
4細胞/ウェル)を化合物の入ったアッセイプレートに加え、スクリーニング(又は化合物のIC
50値測定の用量反応部分)のために各化合物の最終濃度を約2〜10μMにした。次に、
125Iの標識の付いたCCL20(PerkinElmer; Waltham, MAから入手)0.1mLをアッセイ緩衝液に希釈し、最終濃度を約50pMにし、各ウェルで約30,000cpm得たものを加え、プレートを密閉し、約3時間25℃で振とう培養機で培養した。反応物を、0.3%ポリエチレンイミン(PEI)溶液に予浸した真空細胞採取器(Packard Instruments; Meriden, CT)のGF/Bガラスフィルターに吸収した。シンチレーション流体(50uL;Microscint 20, Packard Instruments)を各ウェルに加え、プレートを密閉し、TopCount シンチレーション計数管(Packard Instruments)で放射能を測定した。希釈剤のみ(総数用)又は20uM濃度の化合物、のどちらかを含む対照ウェルを使用して化合物の完全阻害パーセントを計算した。GraphPad社(San Diego, Ca)のコンピュータプログラムPrismを使用してIC
50値を計算した。IC
50値は、標識の付いたTARCが受容体に結合するのを50%低減させるのに必要な濃度である。
図1の化合物の結合アッセイにおけるIC
50値は、100nM未満が(+++);100〜500nMが(++);20uM以下で500nM超が(+)で表示されている。
【0121】
生物学的実施例2:移動/走化性アッセイ
血清走化性アッセイは、CCR6などのケモカイン受容体を介する移動を阻害する状態で、潜在的な受容体拮抗薬の有効性を明らかにするために使用された。このアッセイは、5μm孔径のポリカーボネート膜を有するChemoTX
(登録商標)マイクロチャンバーシステムを使用して定期的に実施された。この様なアッセイを始めるのに、ケモカイン受容体発現細胞(CCR6を安定的に発現するL1.2細胞など)を、室温で400xgの遠心分離により収集し、ヒト血清に50,000,000/mlに懸濁させた。次に試験済みの化合物又は化合物と同量の溶媒(DMSO)を、最終DMSO濃度0.25%(v/v)で細胞/血清混合物に加えた。別途、組み換え型ヒトCCL20を走化性緩衝液(HBSS+0.1%BSA)で希釈し、通常0.01nM〜500nMに渡る濃度範囲で、希釈後のケモカイン29μlをChemoTX
(登録商標)プレートウェルの下部に置いた。5μm(孔径)のポリカーボネート膜をプレート上に置き、20μLの細胞/血清混合物を膜の各ウェルに移した。プレートを37℃で90分間培養し、ポリカーボネート膜を除去した後、DNA挿入剤CyQUANT(Invitrogen, Carlsbad, CA)5μlをウェルの下部に加えた。移動した細胞数に対する蛍光量をSpectrafluor Plusプレートリーダー(TECAN, San Jose, CA)を使用して測定した。
【0122】
(a)オキサザロン誘発遅延型過敏症モデルにおける対象化合物の評価
オキサゾロンによって誘発される皮膚の遅延型過敏症(DTH)のマウスモデルにおける、本発明の化合物を評価した。要約すると、0日目、8〜10週齢のBALB/cマウスの除毛した腹部に、エタノールに溶解した1%オキサゾロン溶液で局所的に感作させた。6日目、感作後のマウスに賦形剤、又は投与直前に1.061及び1.033に増量した本発明の化合物のどちらかを経口投与し、4時間経過後、0.5%オキサゾロンエタノール溶液を使用してマウスの右耳で局所テストを行った。翌日(7日目)、キャリパー法を使用して耳の厚さを測定した。賦形剤で処理された対照と比較して、化合物で処理された動物は耳の腫れが著しく減少しており、オキサゾロン誘発皮膚過敏症の軽減に化合物が媒介していることを示している。
【0123】
(b)イミキモド誘発乾癬モデルにおける対象化合物の評価
複数の乾癬マウスモデルが知られている。例えば、イミキモド誘発乾癬モデルにおいて、1日1回5%イミキモドを塗布する3日前にbalb/cマウスの背部を除毛した。賦形剤(1%HPMC)又はCCR6化合物を、例えば経口で5〜200mg/kgを1日1/2回、イミキモドを塗布した時点で投与し、5〜10日間続けた。以下の方法を使用して治療効果を評価した。皮膚の厚さを評価するために1日1回行う電子ノギス法及びエンドポイントの免疫組織化学法、白血球湿潤及び炎症を測定するためのフローサイトメトリーおよびエンドポイントの免疫蛍光法、並びに分子変化を評価するための2日目及び5日目のLuminexによるmRNA定量化。本発明の化合物1.033又は1.061量で処理された動物に、疾患の有意な改善が見られた。
【0124】
(c)IL−23誘発乾癬モデルにおける対象化合物の評価
乾癬に関連する形質型の変化を誘発する別の方法は、IL−23の皮内注射を伴う。 要約すると、組み換え型マウスIL−23(500ng)に合計5〜6回、10〜12日間に渡り、1日おきにC57BL6/Nマウスの右耳に皮下注射した。それに伴い 同時にPBSを同じマウスの左耳に皮内注射した。CCR6化合物を経口又は別の方法、例えば5〜200mg/kgを1日1/2回、予防的に服用させた。賦形剤を使用するテストマウスに、経口でIL−23を提供する治療薬剤投与を4日間実施した。5日目に、本発明の化合物を、例えば5〜200mg/kgを1日1/2回、経口又は別の方法(この時点では右耳へのIL−23の皮内注射を2回)で動物に投与した。ノギスを使用し、耳の厚みを手動で測定して有効性を評価した。本発明の化合物1.033又は1.061量で処理された動物に、疾患の有意な改善が見られた。
【0125】
(d) 敗血症性ショックマウスモデルにおける対象化合物の評価
本実施例は、敗血症性ショックを治療するためのCCR6拮抗薬の有効性を評価する手順について記載する。齧歯動物にリポ多糖体(LPS)を注入すると、動物モデルに内毒素性ショックを誘発する恐れがある。3系統のマウス群(1群当たり15匹)を、LD(致死量)90のLPS腹腔内注射で処理した。第1系統のマウスは更に、LPS投与の30分前にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)およびTween0.5%腹腔内注射を受けた。第2の系統は、LPS投与の30分前又はLPS投与と同時に腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内、経口又は他の投与方法の何れかにより、異なるCCR6拮抗薬量を投与されたマウス群から構成されている。第3の系統のマウスは陽性対照として使用され、LPS投与の30分前にIL−10腹腔内注射又は抗TNF抗体腹腔内注射のどちらかで処理された群から構成されている。LPS注射後72時間、マウスの死亡をモニターした。
【0126】
(e)喘息/アレルギー性肺炎齧歯モデルにおける対象化合物の評価
本発明のCCR6化合物は、アレルギー性喘息のマウスモデルで評価することができる。喘息は、8〜10週齢のBALB/cマウスを0日目および10日目に水酸化アルミニウム補助剤のOVAで感作することで誘発される。20日目のマウスは、PBSのOVAで攻撃され、鼻腔内に気道炎症を引き起こす。マウス群は、20日目から始まり23日目で終わるまで賦形剤、又は投与量を増量した本発明の化合物のどちらかで処理された。動物はその後、気管支肺胞洗浄(BAL)で鼻孔内のOVAが細胞浸潤物を攻撃した後、23日目に分析した。本発明の化合物で処理されたマウスは、賦形剤で処理されたマウスと比較して、BAL白血球数の著しい減少を示した。
【0127】
(f)関節リウマチマウスモデルにおける対象化合物の評価
本実施例は、関節リウマチを治療するためのCCR6拮抗薬の有効性を評価する手順について記載する。関節リウマチの動物モデルは、齧歯動物に選択補助剤の状態でII型コラーゲンを注射することで誘発される。0日目及び21日目に、1群当たり15匹の遺伝的に感染しやすいマウス又はラットから構成される齧歯動物の3系統に、フロイント完全アジュバント中に乳化したII型コラーゲンを皮下又は皮内注射した。齧歯動物の第1の系統は、PBS及びTween0.5%腹腔内注射を最初の感作で受け、その後更に別の投与スケジュールで感作を受けた。第2の系統は、最初の感作及びその後別の投与スケジュールで腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内、経口又は他の投与方法の何れかにより異なるCCR6拮抗薬量を投与された齧歯動物の群から構成されている。第3の系統の齧歯動物は陽性対照として使用され、最初の感作および後に別の投与スケジュールで、IL−10腹腔内注射又は抗TNF抗体腹腔内注射のどちらかで処理された群から構成されていてもよい。3週から8週まで、動物の関節又は手足の腫れの発生、並びに標準の疾患重症度評価による度合をモニターした。疾患の重症度は、関節の組織分析により確認した。本発明の化合物の1.061量で処理された動物は、処理後著しい改善評価を示した。
【0128】
(g)SLE(全身性エリテマトーデス)マウスモデルにおける対象化合物の評価
本実施例は、全身性エリテマトーデス(全身性紅斑性狼瘡)を治療するためのCCR6拮抗薬の有効性を評価する手順について記載する。メスのNZB/W FIマウスに、蛋白尿、血清中の自己抗体、糸球体腎炎及び最終的な死亡、を特徴とするSLEに似た病状を6ヶ月齢で自然発生させた。NZB/W FIマウス群の3つの系統は、1群当たり20匹のマウスから構成され、CCR6拮抗薬の有効性の試験を以下の通り行った。第1の系統のマウスは、疲労直後にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)およびTween0.5%腹腔内注射を受け、更にその後様々な投与スケジュールを受けた。第2の系統は、疲労直後及びその後様々な投与スケジュールで、腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内、経口又は他の投与方法の何れかにより異なるCCR6拮抗薬量の投与を受けたマウス群から構成されている。第3の系統のマウスは陽性対照として使用され、疲労直後及びその後様々な投与スケジュールで投与された抗IL−10抗体で処理された群から構成される。疾患の発生を最終的な死亡率、腎臓組織構造、血清中の自己抗体レベル及び蛋白尿の観点からモニターする。
【0129】
(h)悪性腫瘍マウスモデルにおける対象化合物の評価
本実施例は、悪性腫瘍を治療するためのCCR6拮抗薬の有効性を評価する手順について記載する。正常なマウス株は、OVAワクチン接種後に、OVAで形質移入され、腫瘍の特異的な抗原反応の評価を容易にするマウスの胸腺腫EL4、を含む種々の特徴がはっきりしたマウスの腫瘍系統と共に移植することができる。これらの腫瘍モデル何れかの3つの系統のマウス群でCCR6拮抗薬の有効性を試験した。第1の系統のマウスは、腫瘍移植直後にPBS及びTween0.5%腹腔内注射を受け、その後更に様々な投与スケジュールを受けた。第2の系統は、腫瘍移植直後及びその後様々な投与スケジュールで、腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内、経口又は他の投与方法の何れかにより異なるCCR6拮抗薬量の投与を受けたマウス群から構成されている。第3の系統のマウスは陽性対照として使用され、腫瘍移植直後及びその後様々な投与スケジュールで腹腔内に投与された抗IL−17抗体、抗−IFNg抗体で処理された群から構成される。腫瘍増殖と腫瘍退縮を比較して有効性をモニターする。OVAを形質移入したEL4胸腺腫モデルの場合、流入領域リンパ節細胞を生体外OVAで刺激すること、及び抗原特異的細胞毒性を測定することで、72時間で細胞溶解性OVAの特異的反応を測定することができる。分析は、例えば腫瘍量、制御性T細胞のIL−17レベル又は湿潤で行うことができ、本発明の化合物での処理により、このモデルにおいて有益な効果をもたらすことが期待されている。
【0130】
(i)癌マウスモデルにおける対象化合物の評価
マウスのRENCA腫瘍モデルは、ヒト成人腎細胞癌の進行、具体的には肺への自然転移に似た症状を呈し、固形腫瘍のモデルとして機能する。22日を過ぎてBalb/cの6〜8週齢のメスマウスに、腎臓被膜及び腎臓腫瘍増殖が観察され、早ければ15日目に肺転移が観察された状態で、約5×10
5個のRENCA細胞(マウス腎腺癌、ATCC cat# CRL-2947)を播種した。動物に賦形剤又は本発明の化合物のどちらかを、例えば腫瘍移植時から毎日皮下投与し、原発性の増殖に対する効果を、又は後(例、7日目)に転移に対する化合物の効果をモニターする。原発腫瘍領域を、自動カリパスを使用して1週間に2回測定する。腫瘍量は、式v=pab2/6で計算し、式中aは最長径、bはaと垂直で2番目に長い径である。腫瘍量又は転移発生率の減少は、この徴候での化合物の有効性を示している。
【0131】
(j)IBDマウスモデルにおける対象化合物の評価
本実施例は、炎症性腸疾患(IBD)におけるCCR6拮抗薬の有効性を評価する手順について記載する。IBD(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)の幾つかのマウスモデルが開発されてきた。これらのマウスモデルの幾つかは、特定のサイトカイン遺伝子(例、IL−10又はIL−2)が欠失した遺伝子操作された遺伝子導入マウスである。別のIBDマウスモデルは、特定の表面マーカー表現型(即ちCD45 RB hi )を持つ高度に純化したCD4+Tリンパ球個体群をSCIDマウスに移植することによって得られる。これらのモデルの何れか3つの系統のマウス群でCCR6拮抗薬の有効性を以下の通り試験した。第1のマウス群は更に、遺伝子導入マウスの自然モデル又は細胞のSCIDマウス移植時である場合、PBS及びTween0.5%腹腔内注射を疲労後すぐに受け、その後細胞移植モデルは様々な薬剤投与を受ける。第2の系統は、遺伝子導入マウスの自然モデル又は細胞のSCIDマウス移植時である場合、腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内、経口又は他の投与方法の何れかにより異なるCCR6拮抗薬量の投与を疲労後すぐに受け、その後細胞移植モデルが様々な薬剤投与を受けたマウス群から構成されている。第3の系統のマウスは陽性対照として使用され、遺伝子導入マウスの自然モデル又は細胞のSCIDマウス移植時である場合、疲労後すぐにIFNg又はTNFのどちらかの抗体、若しくはサイトカインIL−10で処理され、その後細胞移植モデルが様々な薬剤投与を受けたマウス群で構成されている。マウスを6〜8週間、疾患発生を評価し、最初は重量喪失及び/又は直腸脱を介してモニターし、最終的に動物の結腸及び腸管の組織学的観察によりモニターする。
【0132】
理解されるように、本明細書に記載の実施例及び実施形態は、あくまでも例示の目的のみで示すものであり、これらに接した当業者には種々の改変や変更が示唆されるであろう。斯かる改変や変更も、本明細書及び添付の特許請求の範囲の精神及び範疇に含まれるものとする。
【0133】
本明細書で引用する文献、特許公報、及び特許出願公開公報は、何れもその全体があらゆる目的において引用により本明細書に組み込まれる。