(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の方法において、前記マイクロ波を吸収するナノ材料が、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、バッキーボール、グラフェン、超常磁性ナノ粒子、磁性ナノ粒子、金属ナノワイヤ、半導体ナノワイヤ、量子ドット、ポリアニリン(PANI)、ポリ3,4-エチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする方法。
請求項3に記載の方法において、前記ポリマーフィラメントがスチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレン(PE)、PC/ABS、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリアミド(ナイロン)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるフィラメントを含むことを特徴とする方法。
請求項3に記載の方法において、前記ポリマーフィラメントにマイクロ波を照射する工程が、前記ポリマーフィラメントに1秒〜5分間マイクロ波を照射することを特徴とする方法。
請求項16に記載のオブジェクトにおいて、前記マイクロ波を吸収するナノ材料が、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、バッキーボール、グラフェン、超常磁性ナノ粒子、磁性ナノ粒子、金属ナノワイヤ、半導体ナノワイヤ、量子ドット、ポリアニリン(PANI)、ポリ3,4-エチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とするオブジェクト。
請求項18に記載のオブジェクトにおいて、前記ポリマーフィラメントがスチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレン(PE)、PC/ABS、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリアミド(ナイロン)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるフィラメントを含むことを特徴とするオブジェクト。
請求項25に記載の装置において、前記押出機の近くに位置するチップをさらに含み、前記チップが、前記押出機の近くにおいて前記マイクロ波源からのマイクロ波を集中させるために使用可能であることを特徴とする装置。
請求項28に記載の装置において、前記ポリマーフィラメントが、スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレン(PE)、PC/ABS、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリアミド(ナイロン)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるフィラメントを含むことを特徴とする装置。
【発明の概要】
【0009】
本発明の開示は、一般に熱溶解フィラメント製法による造形品の内面ビード拡散接合を強化するためのCNT充填(または被覆)ポリマーコンポジットのマイクロ波誘導加熱に関する。本発明は、マイクロ波を吸収するナノ材料(カーボンナノチューブ(CNT))を3Dプリンター用ポリマーフィラメントの表面(または体積全体)に取り込み、マイクロ波照射処理後および/またはin-situでの集束マイクロ波照射後(プリント中)に内面ビード接合強度を高める技法を例示する。本発明の方法により、最終的に3Dプリントされたパーツの全体的な強度は劇的に増加し、熱溶解フィラメントパーツの等方性機械的特性は従来の製造方式によるパーツの強度と特性に近づくか、超えることになる。本発明は上記を達成するため、小さい重量分率のナノ材料を既存の業界水準ポリマーフィラメントに適用するとともに、機械的特性を大幅に高める安価で迅速に行える拡張性のある後処理技法を採用する。
【0010】
現在の技術は、ポリマービードを別のポリマービードの隣接部および/または上部に単に押し出し、潜在押出熱および/または加熱されたプリントチャンバの熱を利用して、ポリマービードを隣接ポリマービードに局所溶解または溶着する方式に依存する。この方法は、特に荷重が前記ビードに垂直に適用される場合、または「平行」配置される場合に、前記ビードの不完全な溶着、それに続く内面ビード層間剥離に起因する機械的特性の低下を引き起こす。本明細書で開示する発明は、CNTなどの高周波を吸収するナノ材料のマイクロ波加熱による、ナノメートルスケールの局所誘導される間接的伝導に基づくポリマーの加熱に依存する。これは、バルク高周波透明ポリマーパートを大幅に加熱劣化させたり、寸法的な歪みを起こすことなく、隣接ビード同士間のポリマー鎖の急速な拡散接合を可能にする。
【0011】
本発明の一実施形態では、オブジェクトは3Dプリント技法を使用して作られる。均一な同軸被覆を適用してマイクロ波を吸収するナノ材料(カーボンナノチューブなど)に3Dプリントフィラメントをカプセル化する。前記被覆は3Dプリントプロセス中または3Dプリントプロセス完了後に適用可能である。あるいは、マイクロ波を吸収するナノ材料を前記プリンターフィラメント体積全体に均一に組み込みことも、ビード押出成形時に所望の断面構成を達成するため放射状グラデーションパターンで組み込みことも可能である。押出成形時にナノ材料の配置を制御するため、溶融ポリマーの流れを制御する技法を実装可能である。この技法に含まれるのは以下の手順である:安定した層流または乱流レジームを達成するためノズルダイのランド長を修正すること。ねじれ螺旋流を誘発するため前記押出軸周りで前記ダイまたはプラットフォームを回転させること。または前記押出機ノズルに対して前記プリンターフィラメントの動きを制御すること。前記プリントされたオブジェクトは次いで、所定の時間幅と照射力でマイクロ波で照射される。前記照射は3Dプリントプロセス中または3Dプリントプロセス完了後に断続的に行うことが可能である。前記照射は、前記マイクロ波を吸収するナノ材料を加熱して、前記被覆ポリマーフィラメントを局所極高温への曝露対象とする。この局所加熱は前記ポリマーを接触面で溶着する。
【0012】
本発明の用途は、3Dプリントされた熱可塑性パーツの機械的特性を改善するための容易な処理方法を提供するものである。さらなる用途には、組み込み型電子機器同時製造のための優れた機械的特性の制御および/または電気伝導性ネットワーク、半導体ネットワーク、および誘電体ネットワークの制御に対応する集束マイクロ波エネルギーによる3Dプリントされたパーツの部位特異的な接合が含まれる。
【0013】
例えば、3Dプリントされたパーツは特定の用途に調整される多機能性を搭載可能である。これには、バルク電気伝導率の変化を測定することによって非破壊的にin-situでパーツの構造的整合性を監視する能力が含まれる。また、これには特定の種類の高周波を吸収するナノ材料を利用する用途が含まれる。伝導性ナノコンポジットコアおよび誘電体シースからなる多層同軸フィラメント被覆分布を実装すると、プリント回路、電磁コイル、誘導子、およびアンテナのための押出成形ポリマーワイヤの電気伝導性を確保できる。これらの押出成形ワイヤをマイクロ波照射および加熱することによって、電気伝導性ナノ材料(CNT、銀ナノ粒子およびナノワイヤなど)の焼結を行って所望の電気伝導率を達成することができる。さらに、前記プリンターフィラメントの長さに沿って分割された部位特異的なナノ材料を含むと、歪みセンサー、温度センサー、タッチセンサー、エレクトロルミネセンスインジケータ、および電気機械式アクチュエータなどの組み込み型電子機器の製造が有効かつ可能になる。
【0014】
一般に、一態様においては、本発明はマイクロ波を吸収するナノ材料を含む被覆を有するポリマーフィラメントを選択することを含む積層造形法を特徴とする。前記積層造形法には、前記ポリマーフィラメントから3次元オブジェクトを造形することがさらに含まれる。前記積層造形法には、前記3次元オブジェクトの造形工程中または工程後、前記ポリマーフィラメントにマイクロ波を照射することがさらに含まれる。
【0015】
本発明の実装は、以下の特徴の1つまたは複数を含むことが可能である:
前記マイクロ波を吸収するナノ材料は、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、バッキーボール、グラフェン、超常磁性ナノ粒子、磁性ナノ粒子、金属ナノワイヤ、半導体ナノワイヤ、量子ドット、ポリアニリン(PANI)、ポリ3,4-エチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択可能である。
【0016】
前記マイクロ波を吸収するナノ材料にはカーボンナノチューブを含むことが可能である。
前記カーボンナノチューブは多層カーボンナノチューブであり得る。
【0017】
前記被覆は前記ポリマーフィラメントの直径の0.005%〜30%の厚さを有することが可能である。
前記被覆は約100nm〜0.5mmの厚さを有することが可能である。
【0018】
前記被覆は1重量%〜50重量%のカーボンナノチューブを含むことが可能である。
前記被覆は3重量%〜10重量%のカーボンナノチューブを含むことが可能である。
前記ポリマーフィラメントはポリ乳酸(PLA)を含むことが可能である。
【0019】
前記ポリマーフィラメントは、スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレン(PE)、PC/ABS、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリアミド(ナイロン)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるフィラメントを含むことが可能である。
【0020】
前記ポリマーフィラメントにマイクロ波を照射する工程は、前記3次元オブジェクトの造形工程中に行うことが可能である。
前記ポリマーフィラメントにマイクロ波を照射する工程は、前記3次元オブジェクトの造形工程後に行うことが可能である。
【0021】
前記ポリマーフィラメントにマイクロ波を照射する工程では、前記ポリマーフィラメントにマイクロ波を1秒〜5分間照射することが可能である。
前記ポリマーフィラメントにマイクロ波を照射する工程は、1W〜1kWの照射力で行うことが可能である。
【0022】
前記積層造形法は、ポリマーフィラメントを選択することをさらに含むことが可能である。前記積層造形法は、前記被覆により前記ポリマーフィラメントを被覆することをさらに含むことが可能である。前記被覆する工程は、噴射成膜、浸漬被覆、押出被覆、およびそれらの組み合わせからなる工程から選択することが可能である。
【0023】
一般に、別の態様においては、本発明は複数のポリマーフィラメントを含む3次元オブジェクトを特徴とする。複数の前記ポリマーフィラメントは、マイクロ波を吸収するナノ材料を含む被覆を有する。前記3次元オブジェクトには、前記ポリマーフィラメントの被覆が共に熱溶解されていることがさらに含まれる。
【0024】
本発明の実装は、以下の特徴の1つまたは複数を含むことが可能である:
前記マイクロ波を吸収するナノ材料は、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、バッキーボール、グラフェン、超常磁性ナノ粒子、磁性ナノ粒子、金属ナノワイヤ、半導体ナノワイヤ、量子ドット、ポリアニリン(PANI)、ポリ3,4-エチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択可能である。
【0025】
前記マイクロ波を吸収するナノ材料は、カーボンナノチューブを含むことが可能である。
前記カーボンナノチューブは多層カーボンナノチューブであり得る。
【0026】
前記被覆は約100nm〜0.5mmの厚さを有することが可能である。
前記被覆は1重量%〜50重量%のカーボンナノチューブを含むことが可能である。
前記被覆は3重量%〜10重量%のカーボンナノチューブを含むことが可能である。
【0027】
前記ポリマーフィラメントはポリ乳酸(PLA)を含むことが可能である。
前記ポリマーフィラメントは、スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレン(PE)、PC/ABS、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリアミド(ナイロン)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるフィラメントを含むことが可能である。
【0028】
一般に、別の態様においては、本発明は押出機を有する3次元プリンターを含む積層造形装置を特徴とする。前記積層造形装置には、前記押出機により押出成形可能なマイクロ波を吸収するナノ材料を含む被覆を有するポリマーフィラメントがさらに含まれる。前記積層造形装置には、前記押出機による押出成形後に前記ポリマーフィラメントの照射に使用可能なマイクロ波源がさらに含まれる。
【0029】
本発明の実装は、以下の特徴の1つまたは複数を含むことが可能である:
前記積層造形装置には、前記押出機の近くに位置するチップをさらに含むことが可能である。前記チップは前記押出機の近くにおいてマイクロ波源からのマイクロ波の焦点調整に使用可能である。
【0030】
前記積層造形装置は、前記装置からのマイクロ波の放射を遮蔽する電磁遮蔽をさらに含むことが可能である。
前記マイクロ波を吸収するナノ材料は、カーボンナノチューブを含むことが可能である。
【0031】
前記被覆は前記ポリマーフィラメントの直径の0.005%〜30%の厚さを有することが可能である。
前記被覆は約100nm〜0.5mmの厚さを有することが可能である。
【0032】
前記被覆は1重量%〜50重量%のカーボンナノチューブを含むことが可能である。
前記被覆は3重量%〜10重量%のカーボンナノチューブを含むことが可能である。
前記ポリマーフィラメントはポリ乳酸(PLA)を含むことが可能である。
【0033】
前記ポリマーフィラメントは、スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレン(PE)、PC/ABS、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリアミド(ナイロン)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるフィラメントを含むことが可能である。
【0034】
前記積層造形装置は、前記ポリマーフィラメントにマイクロ波を1秒〜5分間照射するために使用可能である。
前記積層造形装置は前記ポリマーフィラメントにマイクロ波を1W〜1kWの照射力で照射するために使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明およびその利点をより深く理解するために、添付図面と併せて理解される以下の記載を参照する。
【
図1A】
図1Aは、噴射成膜法によってカーボンナノチューブでポリマーフィラメント外面を被覆する方法を例示する図である。
【
図2】
図2は、浸漬被覆によってカーボンナノチューブでポリマーフィラメント外面を被覆する代替方法を示す写真である。
【
図3】
図3は、カーボンナノチューブ/PLA被覆フィラメントの写真である。
【
図4】
図4は、前記被覆ポリマーフィラメント(
図1に示した噴射成膜後)をマイクロ波加熱に曝露する方法を例示する図である。
【
図5】
図5は、噴射成膜法によって部分的に被覆(
図1に示す)し、次いでマイクロ波加熱に曝露した(
図4に示す)ポリマーフィラメントの写真である。
【
図6】
図6は、マイクロ波を照射できるようにクロスハッチスタックに配置したポリマーフィラメント(
図1に示した噴射成膜後)を例示する図である。
【
図7】
図7は、噴射成膜法(
図1に示す)によりポリマーフィラメントを被覆し、次いで前記被覆ポリマーフィラメントのクロスハッチスタックにマイクロ波を照射(
図6に示す)することによって作られたマイクロ波溶解クロスハッチスタックの写真である。
図7の拡大部分は、前記マイクロ波溶解クロスハッチスタック701の光学顕微鏡画像である。
【
図8】
図8は、同様に作られた3Dプリントオブジェクトの写真2葉である(オブジェクト801およびオブジェクト1102)。オブジェクト801は純ABSプリンターフィラメントを用いて積層造形法によって作った。オブジェクト1102は、マイクロ波照射でプリント後処理を行ったカーボンナノチューブ被覆ABSプリンターフィラメントを用いて同一の積層造形法で作った。
【
図9】
図9は、引張ドッグボーンサンプルの写真であり、CNTが前記プリントプロセス組み込まれているサンプル(902)と、組み込まれていないサンプル(901)が含まれている。
【
図10】
図10は、圧縮試験サンプルの写真であり、CNTが前記プリントプロセスに組み込まれているサンプル(1002)と、組み込まれていないサンプル(1001)が含まれている。前記画像は、圧縮試験後のサンプルとCNTおよびマイクロ波処理を適用したサンプルとの圧縮強さの違いを示す。
【
図11】
図11は、カーボンナノチューブを分散被覆したポリマーフィラメント断面のSEMである。
【
図12】
図12は、ランダム配向した多層カーボンナノチューブを示す
図11の被覆ポリマーフィラメントのSEM(拡大図)である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態によって作られた(マイクロ波照射後)3DプリントしたオブジェクトのSEM(上面図)である。
【
図14】
図14は、ランダム配向した多層カーボンナノチューブを示す
図13の被覆ポリマーフィラメントのSEM(上面図・拡大図)である。
【
図16】
図16Aは、多層カーボンナノチューブ被覆PLAフィラメント束の写真である。
図16Bは、マイクロ波照射時の
図16Aの束の温度分布の前向き赤外線(FLIRカメラ)画像である。
【
図17】
図17は、DC伝導率(1701)およびAC伝導率(1702)とPLAフィルムにおける多層カーボンナノチューブ添加との関係を反映するグラフを示す。
【
図18】
図18は、PLA/多層カーボンナノチューブサンプル(添加量0.1重量%)の前向き赤外線(FLIRカメラ)画像を示す。
【
図19】
図19は、PLA/多層カーボンナノチューブサンプル(添加量0.5重量%)のFLIRカメラ画像を示す。
【
図20】
図20Aは、PLA/多層カーボンナノチューブサンプル(添加量1.0重量%)のFLIRカメラ画像を示す。
図20Bは
図20A画像の拡大図である。
図20Cは、均一なポリマーナノコンポジットにおけるCNT添加(1.0重量%)の機能としての体積損失密度(熱として散逸される電力にほぼ比例する)のANSYSシミュレーションである。
【
図21】
図21Aは、PLA/多層カーボンナノチューブサンプル(添加量2.5重量%)のFLIRカメラ画像を示す。
図21Bは
図21A画像の拡大図である。
図21Cは、均一なポリマーナノコンポジットにおけるCNT添加(2.5重量%)の機能としての体積損失密度のANSYSシミュレーションである。
【
図22】
図22Aは、PLA/多層カーボンナノチューブサンプル(添加量5重量%)のFLIRカメラ画像を示す。
図22Bは
図22A画像の拡大図である。
図22Cは、均一なポリマーナノコンポジットにおけるCNT添加(5重量%)の機能としての体積損失密度のANSYSシミュレーションである。
【
図23】
図23Aは、PLA/多層カーボンナノチューブサンプル(添加量10重量%)のFLIRカメラ画像を示す。
図23Bは
図23A画像の拡大図である。
図23Cは、均一なポリマーナノコンポジットにおけるCNT添加(10重量%)の機能としての体積損失密度のANSYSシミュレーションである。
【
図24】
図24は、PLA/多層カーボンナノチューブサンプル(添加量0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2.5重量%、5重量%、および10重量%)の最大温度と時間との関係のグラフである。
【
図25A】
図25Aは、純PLAおよびPLA/多層カーボンナノチューブのDSC曲線グラフである(10重量%)。
【
図25B】
図25Bは、純PLAおよびPLA/多層カーボンナノチューブのDSCサーモグラムのグラフである(10重量%)。
【
図25C】
図25Cは、純PLAおよびPLA/多層カーボンナノチューブの一定圧力での熱容量と温度との関係を示すグラフである(10重量%)。
【
図26】
図26は、一定誘電率での矩形導波管におけるシミュレーション損失性誘電体の固定誘電率のための正規化されたマイクロ波吸収力と損失正接との関係のシミュレーション結果を示すグラフである。
【
図27】
図27は、CNTを表す薄肉伝導性シェルを有するPLAフィラメント被覆束における電界強度を示す。
【
図28】
図28は、マイクロ波によって強化されたCNT/ポリマーフィルムの密着性に関する剥離試験の概略図を例示する図である。
【
図29】
図29は、本発明の実施形態の方法であって、in-situマイクロ波照射装置がマイクロ波エネルギーを押出点に適用してポリマーの局所加熱および溶着を制御することを特徴とする本発明の実施形態の方法を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、マイクロ波を吸収するナノ材料(カーボンナノチューブ(CNT))を3Dプリンター用ポリマーフィラメントの表面(または体積全体)に取り込み、マイクロ波照射処理後および/またはin-situでの集束マイクロ波照射後(プリント中)に内面ビード接合強度を高める技法を例示する。本発明の実施形態では、熱可塑性パーツを製造するため、逐次積層される層が付加的に配置されて所望の形状を作る積層造形法が3Dプリンターによって利用されている。これらの3Dプリンターは複雑なデザインの製品を通常の機械加工技法よりもはるかに速くプリントすることが可能であるが、前記最終パーツの強度は従来の機械加工法で生産したパーツに比べると低下することがある。本発明の処理方法は、かかるパーツの強度が従来の機械加工法で生産したパーツと比較して低いという問題に対処するために使用される。前記処理方法は、この3Dプリントされたパーツの弱点を根絶するために使用される。前記処理方法には、カーボンナノチューブ(CNT)被覆による前記パーツの被覆およびマイクロ波照射の適用(多くの場合マイクロ波照射の逐次適用)が含まれる。前記マイクロ波照射は、前記積層造形法中および/または前記積層造形法の完了後に行うことが可能である。
ポリマーフィラメントの被覆
図1Aを参照すると、
図1Aは噴射成膜法によってカーボンナノチューブでポリマーフィラメント103外面を被覆する方法を例示する。この実施形態では、カーボンナノチューブ分散液のリザーバー102を有するエアブラシ101が、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)フィラメントなどのポリマーフィラメント103外面を被覆するために使用される。前記ポリマーフィラメント103は、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、高密度ポリエチレン(HDPE)、PC/ABS、およびポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリアミド(ナイロン)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリエーテルイミド(ULTEM(商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびそれらの組み合わせなどのその他のポリマーから作ることが可能である。前記カーボンナノチューブ分散液は、濃度10 mg/mlにて適切な溶媒(ABSの場合、アセトン)中に熱可塑性樹脂を溶解し、多層カーボンナノチューブ粉末(CheapTubes.com、バーモント州ブラトルバロ)を濃度0.5 mg/mlにて添加し、続いてプローブ超音波処理を30分間実行することによって作った。その他の使用可能な溶媒は、例えば、PLAの場合、クロロホルムである。
【0037】
エアブラシ101を使用し、前記カーボンナノチューブの成膜噴射104をポリマーフィラメント103に適用して被覆105を前記ポリマーフィラメント103上に形成する。
図1Bは、
図1Aで例示した噴射成膜方法を示す写真である。
【0038】
ポリマーフィラメント103の外面を被覆105で被覆する代替方法には、CNT分散液中における裸フィラメントの浸漬被覆(例えば
図2に示したように)、CNTポリマーのマスターバッチシースおよび純ポリマーコア同軸フィラメントの同時共押出、およびそれらの組み合わせが含まれる。米国特許第3,458,615号「Hydrodynamically Centering Sheath/Core Filament Spinnerette」、1969年7月29日発行、Bragawらに付与、米国特許第4,680,156号「Sheath Core Composite Extrusion And A Method Of Making It By Melt Transformation Coextrusion,」、1987年7月14日発行、Collierに付与、および米国特許第5,219,508号「Method Of Manufacturing Sheath Core Fiber」、1993年6月15日発行、Collierらに付与、を参照願いたい。
図2に示した浸漬被覆方法は、均一なフィラメント被覆処理を作成するために拡張性がある。
【0039】
例えば、前記被覆浴はMWCNT-OH/PLA/クロロホルム分散液であり得る。浸漬被覆の場合は、最終被覆厚を制御するために、より粘性のある被覆溶液を使用する。一実施形態では、この粘度の増加はクロロホルム中の固形分重量パーセントを溶媒の40 mg/mlに増加させることによって達成する。前記フィラメントが浴槽を通過する際に(
図2に示したように)、薄肉MWCNT/PLAシェルが前記フィラメント表面上に成膜される。その乾燥時間は十分に急速であることから、前記フィラメントの大部分はクロロホルムによって損傷されず、24時間100℃にてオーブン内で真空乾燥後に元の機械的特性を回復する。前記フィラメント被覆はMWCNT/PLAコンポジットフィルムであり得る。その理由は、MWCNTだけの被覆は一般に前記表面に十分に接合しないため、損傷なしに3-Dプリントプロセスを終了することができないからである。
【0040】
図3は、
図2で説明し、示した浸漬被覆法によるカーボンナノチューブ/PLA被覆フィラメントの写真である。
カーボンナノチューブ
本発明で使用したカーボンナノチューブの種類には、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、官能基化カーボンナノチューブなどが含まれる。また、カーボンブラック、バッキーボール、グラフェン、超常磁性ナノ粒子または磁性ナノ粒子、金属ナノワイヤまたは半導体ナノワイヤおよび量子ドット、およびポリアニリン(PANI)またはポリ3,4-エチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)などの特定の導電性ポリマーを含むマイクロ波を吸収するナノ材料の他の形態を使用可能である。
【0041】
マイクロ波加熱
図4は、前記被覆ポリマーフィラメント103に(
図1に示した噴射成膜後に)マイクロ波401を照射する方法を例示する図である。前記純ポリマーフィラメント103は前記マイクロ波401に対して比較的に非感受性ではあるが、前記被覆105におけるカーボンナノチューブはマイクロ波照射に対して極端な感受性を示し、局所加熱を生成する。この局所加熱は、例えばIrin, F.らの「Detection of carbon nanotubes in biological samples through Microwave-Induced heating」、Carbon、2012、50、(12)、4441-4449、およびVegesna, S.らの「Non-destructive Technique for Broadband Characterization of Carbon Nanotubes at Microwave Frequencies」、Journal of Electromagnetic Waves and Applications、2013、27、(11)、1372-1381で論考、説明されている。前記マイクロ波照射後のカーボンナノチューブの局所加熱はフィラメント-フィラメント接触面402にて選択的溶解を引き起こし、ポリマー拡散および連続したポリマー構造の形成を可能にする。かかる構造は在来のプリントされた3D構造とは顕著に異なる。前記ポリマーフィラメント103は、隣接ポリマーフィラメント103がフィラメント-フィラメント接触面402においてウエット状態になり、前記ポリマー鎖が前記接触面全体にわたって相互拡散できた時点で、フィラメント-フィラメント接触面402で溶解できる。例えば、ポリマーフィラメント103は溶融によってフィラメント-フィラメント接触面402でウエット状態になることが可能である。溶融しないポリマー(非晶質高分子など)の場合は、前記ポリマーフィラメント103の温度がガラス転移温度を十分に超えて高くなると非ニュートン流体として流動可能になる。
【0042】
前記マイクロ波は3Dプリントプロセス中またはプロセス後に適用可能である。一部の実施形態では、前記マイクロ波401は積層造形法が完了した時点でオブジェクト造形後に適用する。別の実施形態では、前記マイクロ波は逐次積層される層が配置されているときに適用する(すなわち「in-situ」方法)。かかるin-situ方法は、プリントプロセス中にフィラメント-フィラメント接触面を加熱する集束マイクロ波照射によって配備可能であり、前記マイクロ波照射装置を3Dプリンターのハードウェアに統合する(適切な電磁遮蔽とともに)。 製造中のフィラメント-フィラメント接触面の「溶着」は構造の強度を高める。さらなる利点は、この方法が従来の押出成膜法では以前に達成できなかった特定形状の製造を可能にすることである。例えば、押出成膜法は構築中にサポートされないので、通常は突出構造や大きな間隙構造を生産することはできない。支持のない大型橋梁構造の構築は実証されているが*(http://www.thingiverse.com/thing:12925、http://youtu.be/_b6hFFcLh_Q、およびhttp://youtu.be/wK2APNwEoSk)*、前記橋梁の上にさらなる層をプリントすると、追加して積層されるポリマービードの潜在熱および付加重量のため、橋梁構造に撓みが生じる。3Dプリントプロセス中に本明細書で説明する発明で溶着部の強度を高めることによって、当該橋梁様構造をより優れた寸法公差で取得することができる。これは通常、相当量の離脱材または吸収性支持材が利用される複雑なパーツに重要である。
ポリマーフィラメント束
図5は、噴射成膜法(
図1に示す)によって部分的に(被覆105で)被覆され、次いでマイクロ波加熱に曝露(
図4に示す)されたポリマーフィラメント103のポリマーフィラメント束501の写真である。前記ポリマーフィラメント103は、ABSから作り、マイクロ波401を照射(従来型マイクロ波オーブン内で約2.45GHzにて約20秒間)して、前記フィラメント同士間(前記ポリマーフィラメント103の被覆区分内)の空隙を最小限にして溶解構造を形成した。対照的に、前記ポリマーフィラメント103の非被覆部分(すなわち、前記マイクロ波透明ABSフィラメント部分)は前記マイクロ波処理方法401によって影響を受けず、熱溶解されなかった。
クロスハッチスタック
図6は、マイクロ波401が照射されるようにクロスハッチスタックに配置したポリマーフィラメント103(外面上に被覆105を形成するため
図1に示した噴射成膜後)を例示する図である。
図7は、噴射成膜法(
図1に示す)によりポリマーフィラメントを被覆し、配列し、次いで前記被覆ポリマーフィラメントのクロスハッチスタックにマイクロ波を照射(
図6に示す)することによって作られたマイクロ波溶解クロスハッチスタックの写真である。拡大部分702は、前記マイクロ波溶解クロスハッチスタック701の光学顕微鏡画像である。前記ポリマーフィラメント103にはABSを使用した。被覆ポリマーフィラメント103のクロスハッチスタックにマイクロ波401を照射(従来のマイクロ波オーブン内で約20秒間約2.45GHzにて)して、前記フィラメント同士間の空隙を最小限にして溶解構造を形成した。前記マイクロ波照射中に起こるこのフィラメント溶解は、空隙を排除し、荷重伝達を向上させる。
【0043】
この方法における変数には、照射時間、照射力、周波数、前記CNTポリマーシースの厚さ、前記被覆中のCNT重量または体積分率、および前記被覆方法自体が含まれる。一部の実施形態では、照射時間は約1秒〜約5分間、照射力は約1W〜約1kW、およびCNTポリマーシース厚は約100nm〜約0.5mmである。前記マイクロ波の周波数は利用するマイクロ波源の種類によって制御可能である。
プリントオブジェクト
図8は、同様に作られた3Dプリントオブジェクトの写真2葉である(オブジェクト801およびオブジェクト802)。オブジェクト801は純ABSプリンターフィラメントを用いて積層造形法によって作った。オブジェクト802は、マイクロ波照射でプリント後処理を行ったカーボンナノチューブ被覆ABSプリンターフィラメントを用いて同一の積層造形法で作った。
【0044】
オブジェクト802に関しては、エアブラシを使用して前記カーボンナノチューブの分散液を前記純ABSプリンターフィラメント上に噴射し、次いで前記カーボンナノチューブ被覆を有するプリントされたパーツに従来のマイクロ波オーブン内で約15秒間約2.45GHzにてマイクロ波を照射した。本発明の実施形態を使用して形成したその他のオブジェクトの場合と同じく、この方法は最小限の前記フィラメント同士間空隙で熱溶解構造(オブジェクト1102)を形成した。
【0045】
図9〜
図10は、被覆フィラメントから作られたその他の3Dプリントオブジェクトの写真である。オブジェクト901および1001は、純非被覆PLAプリンターフィラメントのみで作られた3Dプリントオブジェクトである。これらはUPを使用してプリントした。ミニ3Dデスクトッププリンター。オブジェクト902および1002は、CNT被覆を適用し、マイクロ波を照射した後の3Dプリントオブジェクトである。
形態学
図11は、カーボンナノチューブ分散液を被覆したポリマーフィラメント1101の断面のSEMである。前記ポリマーフィラメント1101は純ABSである。 前記被覆ポリマーフィラメントはマイクロ波で照射されていない。前記カーボンナノチューブ被覆1102(前記同軸CNTシート)は約15μmの厚さ1103を有する。
図12は、カーボンナノチューブ被覆1102内でランダム配向した多層カーボンナノチューブ1201を示す被覆ポリマーフィラメント1101のSEM(拡大図)である。
【0046】
図13は、本発明の実施形態によって作られた(マイクロ波照射後)3DプリントしたオブジェクトのSEM(上面図)である。
図13は、2つの押出成形ポリマービード1301間の接触面1302を示す。
図14は、前記カーボンナノチューブ被覆内でランダム配向した多層カーボンナノチューブ1401を示す
図13の3DプリントオブジェクトのSEM(上面図・拡大図)である。前記多層カーボンナノチューブは約50nm〜約80nmの直径を有する。
図15は、
図7の3Dプリントオブジェクトの断面のSEMである。この断面は、前記ポリマーフィラメント1501(純ABS)、カーボンナノチューブ被覆1502、および前記押出成形ポリマービード間の接触面1503を示す。
【0047】
図12の多層カーボンナノチューブ1201(マイクロ波による照射前)と
図14の多層カーボンナノチューブ1401(マイクロ波による照射後)間の比較は、前記マイクロ波照射方法が前記多層カーボンナノチューブを著しく損傷したり破壊しないことを示す。
【0048】
さらに、
図13〜
図15の後処理画像は、前記カーボンナノチューブおよびポリマーが良好な接触状態にあり、ポリマーに目に見える気泡や損傷(すなわち熱傷)がないことを示す。これは、前記カーボンナノチューブがその強烈な熱分布を前記ポリマーに伝達し(熱伝導を介して)、この熱を放散させて著しい劣化を引き起こすことなく前記ポリマー接触面を溶解した可能性が高いことを明らかにするものである。
マイクロ波放射への熱応答
マイクロ波誘導によるCNT加熱は、ポリマーナノコンポジット接触面における調整可能なポリマーの可動性と密着性の可能性を開く。また、この現象は3-Dプリントされたパーツにおけるポリマー溶着性を改善するために使用することが可能である。誘電特性をin situマイクロ波温度測定と接続することによって、本発明は前記マイクロ波応答が積層造形におけるポリマーフィルムおよびフィラメント密着性にどのように影響するかを制御可能である。
【0049】
カーボンナノチューブ添加の機能として、前記フィラメントにおいて非線形、非単調なマイクロ波吸収応答があることが発見されている。閾値を超えるカーボンナノチューブ添加では、熱応答は急激に増加し、前記カーボンナノチューブのマイクロ波応答がカーボンナノチューブネットワーク結合(パーコレーション)によって影響を受けることを示す。これは予期しなかったことで、以前には報告されていない。
【0050】
CNT添加ポリマーナノコンポジットの熱応答は、電気的浸透性があるCNTネットワーク(すなわち、マイクロ波加熱吸収と、CNT/ポリマーナノコンポジットの誘電特性との間の結合に起因する)の誘電特性に起因して、非線形および非単調であることが信じられている。
【0051】
積層造形で通常利用されるポリ乳酸(PLA)を市販の多層カーボンナノチューブと様々な重量百分率で混合した。例えば、-OH官能基化された多層カーボンナノチューブをPLA/クロロホルム溶液中で分散させ、これらの分散液を使用して溶液キャスト法を行い、MWCNT/PLAフィルムを様々なMWCNT添加レベル(0.00〜10.0重量パーセント)でをホットプレスした。これらのフィルムの溶液キャストを行った後、これらのキャラクタリゼーションには、電気特性試験(DCおよびAC)、赤外線温度測定(in-situマイクロ波熱量測定を実行するため効果的に画像処理を使用)、および示差走査熱量測定(DSC)を含めた。
【0052】
これらの測定値は、電気パーコレーション閾値を超えたMWCNT添加量でマイクロ波吸収性の劇的増加を示した。熱応答におけるこの増加は、伝導性カーボンナノチューブのネットワーク切断からネットワーク結合への遷移によって生じたことが信じられる。マイクロ波放射に起因する前記カーボンナノチューブ上の誘導電流の大きさはこの閾値を超えて大幅に増加し、加熱による大電力放散を引き起こした。この閾値未満では、ネットワーク切断における前記カーボンナノチューブ間の間隙はマトリックスの高インピーダンスのため電流の流れを阻害することがさらに信じられる。
【0053】
図16Aは、多層カーボンナノチューブ被覆PLAフィラメント束の写真である。
図16BのMWCNT被覆PLAフィラメント束のマイクロ波照射に関するFLIR(198W、20秒間の照射)、選択されたビデオフレームは照射後0.1秒の加熱分布を示し、示された17℃の温度上昇(18℃から35℃)は、加熱プロセスの急速さを示している。前記データは局所加熱の効果を示し、
図27におけるシミュレーション結果と同様に(後述)、前記加熱がMWCNT濃縮領域に限定されており、フィラメントの相互溶着を促進することを確認している。前記解析過程にわたって、前記空間的に平均化されたサンプル温度は58.5℃上昇した。
図16Bにおけるこのデータは、前記フィラメントのマイクロ波応答性CNTによる被覆が効果的であり、将来性があることを示す。
電気特性
前記加熱は結果として生じるフィルムの電気特性に基づいて調整可能である。当該電気特性には、伝導率、損失正接、および誘電特性が含まれる。
【0054】
様々な多層カーボンナノチューブ添加量で添加したPLAフィルムのDC伝導率およびAC伝導率を測定した。4点プローブを使用してDC測定を行った。これらのAC測定は、PLA/多層カーボンナノチューブサンプル(矩形PLA/多層カーボンナノチューブサンプル、厚さ0.5mm、矩形導波管中に挿入)上で同軸線および矩形導波管を用いて低電力マイクロ波ネットワーク解析器で行った。アジレント社のマイクロ波ネットワーク解析器を用いて散乱パラメータ(透過係数および反射係数)を測定し、適切な校正後に前記サンプルの誘電特性を抽出するために使用した。導波管を測定に使用したことから、スルーリフレクトライン(TRL校正法)を行って導波管アダプタおよび入力導波管部分および出力導波管部分に対して前記同軸線を修正した。
【0055】
図17は、PLAフィルムにおけるDC伝導率(1701)およびAC伝導率(1702)と前記多層ナノチューブ重量パーセント添加との関係を反映するグラフである。
図17に示したように、前記AC伝導率値(2.45GHzでの)およびDC伝導率値は、高いカーボンナノチューブ添加量(5重量%超)におけるパーコレートした抵抗性カーボンナノチューブネットワークの伝導率値と同一であるが、低いカーボンナノチューブ添加量(3重量%未満)におけるAC伝導率は高くなっている。
【0056】
その他のマイクロ波材料のキャラクタリゼーション法(非常に広い周波数範囲 - DCからマイクロ波周波数で動作する同軸線などを用いるなど)が誘電率データおよび伝導率データを得るために使用可能である。当該データは、必要な最適カーボンナノチューブ濃度を決定するために使用可能であり、前記熱応答の調整に利用可能な周波数依存機能(共鳴)を明らかにすることもできる。
温度分布
また、上記のPLA/多層カーボンナノチューブサンプルの温度分布を検討して、制御環境での大電力(10〜100W)マイクロ波放射(2.45GHz)に対する熱応答を明らかにした。前記in-situマイクロ波熱量測定の設定には、矩形導波管内部に配置した均一なフィルムの中心における温度上昇を画像化するために前向き赤外線(FLIR)カメラを使用し、それをマイクロ波発振器に順に結合した。(FLIR(登録商標)Systems, Inc.)。前記FLIRカメラで、導波管の開口端を覆う金属メッシュ製ウィンドウを介して前記サンプルを観察する。電磁RFメーターを使用してマイクロ波放射中の安全性を確保する。
【0057】
PLA/多層カーボンナノチューブサンプル(添加量0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2.5重量%、5重量%、および10重量%)を試験した。前記FLIRカメラは、カスタム導波管内で2.45GHzにて20ワットのマイクロ波を30秒間照射した後、様々な量のMWCNT添加を行った後のPLAフィルムの熱画像(前記導波管内部)を明らかにした。
図18、
図19、
図20A、
図21A、
図22A、および
図23A。これらの図に示したように、カーボンナノチューブ添加量を2.5重量%に増加すると熱応答は劇的に増加する。これは、抵抗性(容量性ではない)パーコレーションネットワークの発生に関連した結果であることが信じられている。
【0058】
図22Aおよび
図23Aは、添加量が5重量%から10重量%に変わると熱応答が低下(および空間分布における変化)することも示す。これは、電力吸収から、伝導性ネットワークと関連するマイクロ波電力反射への遷移に関連していることがさらに信じられる。異常で非単調な加熱の進行は、マイクロ波電力透過率(サブパーコレーションサンプルにおける)、マイクロ波電力吸収率(パーコレーション閾値のすぐ上のナノフィラー添加量のサンプル)、および伝導性が高いサンプルにおけるマイクロ波電力反射率の全体像を示すものである。これは、マイクロ波加熱に有益なCNT含有量範囲をさらに示す。
【0059】
図24は、PLA/多層カーボンナノチューブサンプル(添加量0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2.5重量%、5重量%、および10重量%)(それぞれの番号は2401〜2406)の最大温度と時間との関係を示す。
示差走査熱量測定
示差走査熱量測定(DSC)を使用して、上記の純PLAおよびPLA/多層カーボンナノチューブサンプルの融点、結晶化温度およびガラス転移温度の測定を行った。
図25Aは、純PLA(2501)およびPLA/多層カーボンナノチューブ(10重量%)(2502)のDSC曲線を示す。
図25Aは、純PLA(2503)およびPLA/多層カーボンナノチューブ(10重量%)(2504)のDSCサーモグラムを示す。これらの測定値は、前記ポリマーが強力に溶着された接触面を形成する可能性が高い温度を正確に示す。ほとんどの熱可塑性ポリマーは、接合または溶着を形成するためにガラス転移温度を超えた温度で加熱しなくてはならない。前記DSCはまた、FLIR画像処理により取得した温度分布の結果と相関関係を有する温度の機能として判別可能な熱容量の推定値をもたらした。
図25Cは、純PLA(2505)およびPLA/多層カーボンナノチューブ(10重量%)(2506)の一定圧力における熱容量と温度との関係を示す。前記DSC測定は、前記PLAのT
gがFLIR画像処理したサンプル(〜60℃)における動的温度での定常値と時間応答との関係と相関関係を有することを示した。
マイクロ波とカーボンナノチューブ添加ポリマーとの相互作用
前記マイクロ波の加熱行動は、前記サンプルの幾何形状、印加される電磁界および材料の誘電特性に基づく。シミュレーションおよびモデリングを利用して、CNT添加ポリマーのマイクロ波応答の根底にある科学を調査した。シミュレーションおよびモデリングは、熱応答での様々なパラメータ(CNT添加、マイクロ波電力、サンプル厚)の効果を調査する上で役に立つ。
【0060】
マイクロ波加熱モデリングは、電磁モデリングだけでなく、熱転写/熱伝達モデリングも必要とする。ANSYS(高周波数構造シミュレータ、HFSS)の商用ソフトウェア(電磁シミュレーション用)はANSYS Mechanical(熱シミュレーション用)と一緒に利用される。また、COMSOL MultiphysicsをANSYS結果との比較に利用する。マイクロ波を照射したCNT添加ポリマーのモデリングは、CNTの寸法(ナノメートル)とバルクサンプルの寸法(センチメートル)との間にある抜本的な違いのため、困難な課題である。直接シミュレーションは膨大な計算リソースを必要とするため、可能ではない。
【0061】
矩形導波管内の損失性誘電体スラブシミュレーションのための、ANSYS HFSSを用いたシミュレーション結果を
図20C、
図21C、
図22C、および
図23Cに示す(
図20B、
図21B、
図22B、および
図23Bのそれぞれにおける比較のための実験データと並行して)。
図20C、
図21C、
図22C、および
図23Cのシミュレーション(および
図20B、
図21B、
図22B、および
図23Bの実験)におけるサンプル添加量はそれぞれ1重量%、2.5重量%、5重量%、および10重量%であった。前記シミュレーションには、様々なCNT添加量のサンプルのために実験的に測定した損失正接の入力値を必要とした。これらのサンプルの損失正接および誘電率を様々なCNT添加量のナノコンポジットフィルムでの導波管測定値から取得した。これらの損失正接および誘電率の測定値は前記シミュレーションのために使用し、結果として得られた空間分布は再び前記マイクロ波透過率、吸収率、および反射率を示した。
【0062】
2つのデータセット((a)
図20C、
図21C、
図22C、および
図23Cのデータセットと、(b)
図20B、
図21B、
図22B、および
図23Bのデータセット)間の類似性は顕著であった。CNT添加量が増加するにつれて、前記サンプルのマイクロ波応答は2つの遷移:電力透過から吸収への遷移および反射への遷移を経た。このCNT/マイクロ波の相互作用のシミュレーションと実験との間の顕著な合致は完全に新しいことで、以前には報告されていない。
【0063】
前記カーボンナノチューブ層でのマイクロ波吸収性を調整するために、カーボンナノチューブ濃度と総吸収力との関係を計算した。ANSYS HFSSを使用して一定誘電率を有する矩形導波管内に配置した損失性誘電体スラブのシミュレーションを行った。
図26は、前記スラブによって吸収された完全に正規化されたマイクロ波電力と前記材料の損失正接tanδ(前記損失正接は、前記材料の電気伝導率tanδ=σ/(2πfε)であり、本式では、σは伝導率、εは誘電率、fは周波数)との関係を示す。
図24に示したように、前記材料内で放散された電力を最大化する損失正接の最適値(CNT濃度量によって制御される)がある(熱に変換した)。これは、マイクロ波照射後に前記CNT/PLA基材を用いて製造されたコンポーネントで所望の接合強度を達成するためのパラメータの特定に使用可能である。当該パラメータには、CNT濃度、マイクロ波電力、周波数、および照射時間が含まれる。
【0064】
また、このモデリングおよびシミュレーションは前記ナノコンポジットにおける不均一な加熱効果を示した。
図27は、CNTを表す薄肉伝導性シェルで被覆したPLAフィラメント束(
図16A〜
図16Bに示した)の電界強度を示す。前記束を、垂直偏波の電界を有するTE
10モードで動作する矩形導波管内に配置した。加熱量は前記電界強度に対応させた。前記電界は薄肉CNTシェル領域においてPLAコアよりも強力で、前記シェルのより強力な加熱をもたらした。これは、前記加熱が前記シェルに限定され、バルクにではなく前記接触面における加熱と拡散を可能にしたことを示す。
マイクロ波誘導によるポリマー密着性
また、CNT/ポリマーナノコンポジットでの溶着へのマイクロ波加熱による機械的な効果の検討を行った。CNT豊富なポリマー被覆は、マイクロ波照射への曝露でポリマー基板の密着性を高める。ポリマー接触面の力学に加えて、当該現象はナノスケールで部位特異的な加熱/接合を可能にすることによって積層造形における新たな手段を開く。
【0065】
これを検討するため、MWCNT/PLAフィルムを2つのPLA基板上に適用し、次いで前記2つの基板を付着させ、次いで前記サンプルをマイクロ波場に曝露した。マイクロ波照射のために商用1250 Wマイクロ波オーブンを利用した。マイクロ波オーブンは均一な電磁界分布を有さないので、前記サンプル不均一な加熱を経た。しかしながら、均一な電磁界分布を提供して前記サンプルのパーツが均一に加熱されることをより確実に確保するマイクロ波照射チャンバは利用可能である。
【0066】
前記多層カーボンナノチューブはマイクロ波の照射時に局所熱源の機能を果たすことから、前記接触面におけるポリマーの拡散および可動性の増加により、前記バルク構造が歪むことなくシームレスで迅速な溶着が可能になる。
図28に例示したように、ASTM剥離試験(従来の引張試験機を用いて実施した)は、MWCNT/ポリマー層での接着強度の向上におけるマイクロ波照射効果のマクロスケール表示を提供することが可能である。前記被覆厚およびCNT含有量(およびマイクロ波照射)は、変動させることによってポリマー拡散での被覆効果を制御可能である。前記CNTフィルムの非単調マイクロ波応答に加えて、極めて高いCNT添加量がポリマー拡散を阻害する(前記接触面の片側での2つのバルク相から)ことが信じられている。それゆえに、前記被覆厚さおよびCNT含有量はより優れたポリマー拡散を実現するために制御可能である。したがって、前記溶着方法における分子鎖の相互拡散度および効果は調整可能で制御可能である。
製造方法
カーボンナノチューブを用いた通常のPLAフィラメントの被覆プロセスは、これらのPLAフィラメントを既存の3-Dプリンターで使用することを可能にする。マイクロ波誘導による溶着に対応するカーボンナノチューブを用いたフィラメントの被覆コンセプトは全く新しいコンセプトである。前記データは、当該被覆が施されたフィラメントが様々な構造の3-Dプリントの原料として使用可能であることを示す。例えば、これらのCNT添加3-D構造を形成し、次いでマイクロ波照射に(1W〜1kWの範囲で)一定時間(1秒〜5分間の範囲)曝露して、CNT豊富なポリマー被覆を加熱し、局部を溶融し、界面拡散を誘発し、接着強度を増加させることが可能である。これらは、上記の特性を含む高度な特性に対して制御可能である。結果として得られるオブジェクトは(設計によって)高度な圧縮強度および引張強度(例えば、インストロン社の機械的特性評価試験機で測定可能な)を有し得る。
【0067】
前記データは、3-Dプリント中に行われる押出プロセス全体にわたってCNT被覆が維持されることを示す。これらの構造は、CNTとPLAの両方が被覆中に存在する場合、プリント前後に類似する表面伝導性およびマイクロ波応答性を有する。
【0068】
図29は、本発明の実施形態で利用可能なプリントプロセス中に新たにプリントされた位置でフィラメント-フィラメント接触面を加熱するin-situマイクロ波マグネトロン-導波管-同軸適用装置システム2901を例示する図である。システム2901では、プリントフィラメント2902(カーボンナノチューブ被覆PLAなど)が積層造形装置(3Dプリンターなど、すなわち、Helix社製3Dプリンターなど)の押出機ノズル2903を介して押出成形される。(
図29では、前記積層造形装置の押出機ノズル2903およびプリントフィラメント2902のみの詳細が示されている。他の標準的な積層造形装置、例えば3Dプリンターの標準的なパーツなどは、ブロック2904で説明されている)。
【0069】
また、システム2901はマイクロ波源2904(2.45GHzのマイクロ波入力を有する矩形導波管などを備えている(周波数調整用プランジャーで制御可能)。前記マイクロ波源は、新たにプリントされた位置にある同軸適用装置チップ2905を用いてその位置に集中照射可能である。同軸位置決めユニットのチップにおけるマイクロ波の照射は局所加熱(ΔT)2906を提供する。
【0070】
また、電磁遮蔽(図示せず)を、安全性および整合性への考慮を含む様々な理由から前記システムに組み込むことが可能である)。これは、適切な電磁遮蔽措置を用いて、前記マイクロ波照射システムの前記3-Dプリンターハードウェアへの統合を可能にする。
【0071】
前記同軸適用装置チップ2905は、前記プリンターのヘッドを一緒に移動するために、前記プリンターヘッドに直接取り付け可能である(前記押出機のノズル2903がある位置)。このマイクロ波局所加熱は、サンプル全体ではなく、プリントされたばかりの領域だけを照射できるように前記マイクロ波電力がプリント中に印加されることを可能にする。
【0072】
これにより、前記プリンター構造の変更を直接に行うことができ、フィラメント成膜直後のマイクロ波照射が可能になる。
かかるシステムがもたらすものは:(a)CNTおよびCNT/ポリマーナノコンポジットのマイクロ波放射への応答性を利用する新型システムおよび方法。(b)CNT分散液を有する材料に適した効率的なモデリング技法。(c)マイクロ波照射後のCNT/ポリマーナノコンポジット溶着のための方法と構造と特性の相互関係。(d)最適化されたCNT添加およびマイクロ波照射法を取り込む3Dプリント器具の開発、である。
製造技術
本発明の実施形態は、(1)伝統的な手法で作られたポリマーパーツを利用する射出成形、押出成形、機械加工と、(2)熱溶解積層法(FDM(商標)、Stratasys、Inc.)および熱溶解フィラメント製法(FFF)などの積層造形法でプリントされたパーツと、の間に現在存在する相違を克服する。当該方法により、(a)3Dプリントされた熱可塑性パーツの全体的な強度を高めること、(b)バルクパーツの歪みや加熱なしに、ビード間のポリマー鎖の急速な拡散接合を可能にすること(従って強度を高める)、(c)3Dプリントされた熱可塑性パーツの等方性機械的特性を改善して従来の方法で製造されたパーツに匹敵(または優越)すること、が可能である。
【0073】
本発明の実施形態は、工業用および商業用の3Dプリントプロセスに使用および組み込み可能である。本発明の実施形態は、航空宇宙産業、自動車産業、防衛産業、宇宙産業に関連する部品などの製造を改善強化することが可能である。
【0074】
本発明のシステム、方法、および結果として得られる材料は広範なエンジニアリング分野、基礎技術分野(高分子ダイナミクス、マイクロ波物理学など)と応用技術分野(ナノコンポジット処理)の両方に重要である。これらの成果は、積層造形、車両、および、アンテナ設計、レーダー波吸収被覆、および電磁遮蔽を含む国家の優先製造領域に適合する。溶着の機械的特性における課題に対処することができれば、防衛産業および航空宇宙産業のニーズ、特に実質的なニーズは積層造形によって満たすことが可能である。
【0075】
本発明はまた、電気的特性の修正にナノ粒子を利用する他の産業および科学的用途に重大な影響を与える。宿主媒体で正確かつ効率的にナノ粒子を分散して電気特性を制御可能に利用することは困難な課題であるが、多くの用途で非常に期待されている。
【0076】
本明細書で提供した実施例は、本発明のいくつかの実施形態をより完全に例示するものである。当出願人が発見した本技法に従った実施例で開示した技法は、本発明の実践において適切に機能し、したがってその実行のための例示的なモードを構成すると考慮し得ることは、当業者であれば理解されよう。しかしながら、本発明の開示を鑑みて、開示した特定の実施形態に多くの変更を行うことができ、それでも尚、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく同様のまたは類似した結果が得られることは当業者であれば理解されよう。
【0077】
本発明の実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨および教示から逸脱することなく、これらの実施形態の修正を行い得る。本明細書で説明した実施形態および提供した実施例は、例示的に説明することのみを目的としており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書で開示した本発明では、本発明の範囲を逸脱することなく多くの変形および修正が可能である。それゆえ、その他の実施形態は以下の請求項の範囲内にある。保護の範囲は上記の記載により限定されるものではない。
【0078】
関連特許および出版物
以下の特許および出版物は本発明に関連する:
米国特許第7,754,054号「Microwave Induced Functionalization Of Single Wall Carbon Nanotubes And Composites Prepared Therefrom」、2010年7月13日発行、Mittraらに付与。
【0079】
米国特許第8,080,199号「Interaction Of Microwaves With Carbon Nanotubes To Facilitate Modification」、2011年12月20日発行、Tourらに付与。
米国特許公開第2011/0223343号「Novel NanoComposite For Sustainability of Infrastructure」2011年9月15日公開、Wangらに付与。
【0080】
Chowdhury, S. R.らの「Microwave-Induced Rapid NanoComposite Synthesis Using Dispersed Single-Wall Carbon Nanotubes as the Nuclei」、Journal of Materials Science、2009、44、(5)、1245-1250、doi:10.1007/s10853-009-3259-4。
【0081】
Higginbotham, A. L.らの「Carbon Nanotube Composite Curing through Absorption of Microwave Radiation」、Composites Science and Technology、2008、68、(15-16)、3087-3092、doi:10.1016/j.compscitech.2008.07.004。
【0082】
Irin, F.らの「Detection of carbon nanotubes in biological samples through Microwave-Induced heating」、Carbon、2012、50、(12)、4441-4449。
Nikzad, Mらの、「Thermo-Mechanical Properties of a Highly Filled Polymeric Composites for Fused Deposition Modeling」、Materials Design、2011、32、(6)、3448-3456、doi:10.1016/j.matdes.2011.01.056。
【0083】
Partain, S.C.の「Fused Deposition Modeling with Localized Pre-Deposition Heating Using Forced Air」Vasa、2007、http://medcontent.metapress.com/index/A65RM03P4874243N.pdf、モンタナ州立大学、2007、http://scholarworks.montana.edu/xmlui/handle/1/2016。
【0084】
Paton, Keith R.らの「Efficient Microwave Energy Absorption by Carbon Nanotubes」、Carbon、2008、46、(14)、doi:10.1016/j.carbon.2008.08.001。
Shim, Hyung Cheoulらの「Enhancement of Adhesion Between Carbon Nanotubes and Polymer Substrates Using Microwave Irradiation」、Scripta Materialia、2009、61、(1)、32-35、doi:10.1016/j.scriptamat.2009.02.060。
【0085】
Shofner, M.L.の「Nanofiber‐reinforced Polymers Prepared by Fused Deposition Modeling」、Journal of Applied Polymer Science、2003、89、(11)、3081-3090 http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/app.12496/full。
【0086】
Vegesna, S.らの「Non-destructive Technique for Broadband Characterization of Carbon Nanotubes at Microwave Frequencies」、Journal of Electromagnetic Waves and Applications、2013、27、(11)、1372-1381。
【0087】
Wang, C.Y.らの「Strong Carbon-Nanotube-Polymer Bonding by Microwave Irradiation」、Advanced Functional Materials、2007、17、(12)、1979-1983、doi:10.1002/adfm.200601011。
【0088】
Wang, C.Y.らの「Flexible Field Emitter Made of Carbon Nanotubes Microwave Welded onto Polymer Substrates」、Applied Physics Letters、2007、90、(10)、103111、doi:10.1063/1.2711771。
【0089】
米調査会社ウォーラーズ・アソシエイツ、「Wohlers Report 2012:Additive Manufacturing and 3d Printing, State of the Industry(積層造形および3Dプリント産業の動静)」。2012, 1-271 (Ft. Collins, Co.) http://wohlersassociates.com/state-of-the-industry-reports.html.
Ziemian, C.らの「Anisotropic Mechanical Properties of ABS Parts Fabricated by Fused Deposition Modelling」、Mechanical Engineering、2012、第7章、159-181(編集者:Gokcek, Murat)、doi: 10.5772/34233。
【0090】
本明細書で引用したすべての特許、特許出願、および出版物の開示は、本明細書に記載されている例示、手順、または他の明細を補足する範囲で、その全文を引用することを以って本明細書の一部となす。