特許第6563955号(P6563955)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6563955処置されるべき人物の身体の一部を処置するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563955
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】処置されるべき人物の身体の一部を処置するための装置
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/06 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
   B26B19/06 Z
【請求項の数】12
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-563786(P2016-563786)
(86)(22)【出願日】2015年4月29日
(65)【公表番号】特表2017-514580(P2017-514580A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(86)【国際出願番号】EP2015059287
(87)【国際公開番号】WO2015165935
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2018年2月9日
(31)【優先権主張番号】14166321.1
(32)【優先日】2014年4月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】オイト デ ブルテン レイモン ヘンク
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/096572(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0227554(US,A1)
【文献】 特表2012−501202(JP,A)
【文献】 特表2000−505683(JP,A)
【文献】 特開2004−130153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 19/00 − 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置されるべき人物の身体の一部を処置するための装置であって、
処置ユニットと、
前記処置ユニットの角度方向を示す情報を生成するよう構成された角度方向識別器であって、水平に対する前記処置ユニットの角度方向を示す情報を生成するよう構成された角度方向センサを有する、角度方向識別器と、
前記処置ユニットの所望の角度方向を示す基準プロファイルを参照し、前記角度方向識別器及び前記基準プロファイルにより生成された情報に基づき、前記所望の角度方向に対する、前記処置ユニットの角度方向を示す情報を生成し、前記角度方向識別器により提供される前記処置ユニットの角度方向を示す情報に応じて、前記装置の1つ以上の特性を調節するよう構成された、コントローラと、
ユーザ入力部と、
を有し、
前記コントローラは、ユーザ入力に基づいて前記基準プロファイルを変更及び/又は形成するよう構成され、前記角度方向識別器により生成された前記処置ユニットの角度方向を示す情報を参照し、前記処置ユニットの角度方向を示す情報に基づいて、前記基準プロファイルを変更及び/又はメモリに保存するよう構成される、装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記角度方向識別器により生成された情報が前記基準プロファイルに対応することを前記コントローラが決定した場合に、前記装置の1つ以上の特性を調節するよう構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記角度方向識別器により生成された情報が前記基準プロファイルと異なることを前記コントローラが決定した場合に、前記装置の1つ以上の特性を調節するよう構成された、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記角度方向識別器は、身体の一部における所望の角度を定義するインジケータを検出するよう構成された、インジケータ検出センサを有する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記インジケータは、身体の一部に付けられた物体であるか、又は身体の一部に投射された投射マークである、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、フィードバックモジュールを更に有し、前記コントローラが調節するよう構成される前記装置の1つ以上の特性は、前記処置ユニットの角度方向を示す情報に応じて、処置されるべき人物にフィードバックを提供するフィードバックモジュールの動作である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記フィードバックモジュールは、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的なフィードバックを提供するよう構成された、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、ハンドル部及びアクチュエータを更に有し、前記アクチュエータは、前記ハンドル部に対して前記処置ユニットを動かすよう構成され、前記コントローラが調節するよう構成される、前記装置の1つ以上の特性は、前記ハンドル部に対して前記処置ユニットを動かす前記アクチュエータの動作である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、毛を処置するための装置であり、前記処置ユニットは、毛処置ユニットである、請求項1乃至のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
処置されるべき人物の身体の一部を処置するためのシステムであって、
処置ユニットを持つ処置装置と、
基部ユニットと、
前記処置ユニットの角度方向を示す情報を生成するよう構成された角度方向識別器であって、水平に対する前記処置ユニットの角度方向を示す情報を生成するよう構成された角度方向センサを有する、角度方向識別器と、
前記処置ユニットの所望の角度方向を示す基準プロファイルを参照し、前記角度方向識別器及び前記基準プロファイルにより生成された情報に基づき、前記所望の角度方向に対する、前記処置ユニットの角度方向を示す情報を生成し、前記角度方向識別器により提供される前記処置ユニットの角度方向を示す情報に応じて、前記システムの1つ以上の特性を調節するよう構成された、コントローラと、
ユーザ入力部と、
を有し、
前記コントローラは、ユーザ入力に基づいて前記基準プロファイルを変更及び/又は形成するように構成され、前記角度方向識別器により生成された前記処置ユニットの角度方向を示す情報を参照し、前記処置ユニットの角度方向を示す情報に基づいて、前記基準プロファイルを変更及び/又はメモリに保存するよう構成されるシステム。
【請求項11】
処置されるべき人物の身体の一部を処置する方法であって、
角度方向識別器を用いて毛を処置するための処置装置の処置ユニットの角度方向を示す情報を生成するステップであって、前記角度方向識別器は、水平に対する前記処置ユニットの角度方向を示す情報を生成するよう構成された角度方向センサを有するステップと、
前記処置ユニットの所望の角度方向を示す基準プロファイルを参照し、前記角度方向識別器及び前記基準プロファイルにより生成された情報に基づき、前記所望の角度方向に対する、前記処置ユニットの角度方向を示す情報を生成し、前記角度方向識別器により提供される前記処置ユニットの角度方向を示す情報に応じて、前記処置装置の1つ以上の特性を調節するステップと、
入力ユニットを用いて入力された、ユーザ入力に基づいて、前記基準プロファイルを変更及び/又は形成するステップと、
前記角度方向識別器により生成された前記処置ユニットの角度方向を示す情報を参照し、前記処置ユニットの角度方向を示す情報に基づいて、前記基準プロファイルを変更及び/又はメモリに保存するステップと、
を有する方法。
【請求項12】
少なくとも1つのプロセッサにより実行されたときに、請求項11に記載の方法が実行されるようにする命令を有する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処置されるべき人物の身体の一部を処置するための装置に関する。特に、本発明は、例えば毛トリマ又はシェーバを含む、毛を切断するための装置に関する。本発明はまた、処置されるべき人物の身体の一部を処置する方法、及び、少なくとも1つのプロセッサにより実行されたときに、該処置されるべき人物の身体の一部を処置する方法が実行されるようにする命令を有するコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば処置されるべき身体の一部における毛を切断することによって、人物の身体の一部を処置するための装置は、ユーザの身体の一部に当てられ、毛が切断されるべき領域の上を動かされる及び/又は該領域と整合させられる、例えばトリマのような電動のハンドヘルド型装置を含む。斯かる装置は、機械的な毛切断装置を含む。ユーザは、身体の該部分に対して、例えば切断刃のような切断ユニットを動かして位置決めし、該切断ユニットを適切に動かすことによって、例えば襟足又はもみあげのような生え際をトリミングし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ユーザ自身の毛又は他の人の毛を切断する場合、見栄えの良い結果をもたらすにはかなりの技術が要求される。斯かる装置は、例えばユーザの頭部において正確に位置決めすることが難しい。該装置によりもたらされる処置の精度は、ユーザの技術及び安定した手に依存する。更に、該装置並びのユーザの手及び腕は、ユーザの視野を遮り、該装置を正確に位置決めし向きを定めることを困難にする。
【0004】
本発明の目的は、上述した問題をかなり軽減する又は克服する、処置されるべき人物の身体の一部を処置するための装置、及び/又は処置されるべき人物の身体の一部を処置する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、処置されるべき人物の身体の一部を処置するための装置であって、処置ユニットと、前記処置ユニットの角度方向を示す情報を生成するよう構成された、角度方向識別器と、前記角度方向識別器により提供される前記処置ユニットの角度方向を示す情報に応じて、前記装置の1つ以上の特性を調節するよう構成された、コントローラと、を有する装置が提供される。
【0006】
斯かる構成により、該処置ユニットの角度方向を決定することが可能となり、それ故、該決定された角度方向に応じて該装置の動作を調節することが可能となる。このことは、該決定された角度方向に基づいて該装置により適用される処置を改善することが可能となることを意味する。
【0007】
前記角度方向識別器は、水平に対する前記処置ユニットの角度方向を示す情報を生成するよう構成された、角度方向センサを有する。
【0008】
それ故、該処置ユニットの角度方向を、容易に且つ正確に決定することが可能となる。
【0009】
前記コントローラは、前記処置ユニットの所望の角度方向を示す基準プロファイルを参照し、前記角度方向識別器及び前記基準プロファイルにより生成された情報に基づき、前記所望の角度方向に対する、前記処置ユニットの角度方向を示す情報を生成し、前記コントローラにより生成された情報に応じて、前記装置の1つ以上の特性を調節するよう構成されても良い。
【0010】
それ故、所望の角度位置を参照し、所望の角度位置と該決定された角度位置との両方に依存して、該装置を動作させることが可能となる。このことは、所望の角度位置に依存して該装置を制御することが可能となることを意味する。
【0011】
前記コントローラは、前記角度方向識別器により生成された情報が前記基準プロファイルに対応することを前記コントローラが決定した場合に、前記装置の1つ以上の特性を調節するよう構成されても良い。
【0012】
本構成により、該切断ユニットが該所望の角度方向となったときを正確に決定することが可能となる。更に、ユーザが処置されるべき身体の一部を直接に見る必要が必ずしもなくなる。
【0013】
該コントローラは、プロセッサ及びメモリを含んでも良い。
【0014】
該装置は更に、処置ユニット駆動器を有しても良い。該コントローラは、前記角度方向識別器により生成された情報が前記基準プロファイルに対応することを前記コントローラが決定した場合に、該処置ユニット駆動器を動作させるよう構成されても良い。
【0015】
それ故、該処置ユニットは、該処置ユニットがユーザにより所望される適切な方向にあるときにのみ、動作させられ得る。このことは、該処置ユニットが不適切な方向にあるときには処置が為されず、それ故処置されるべき身体の一部に処置が不適切に為されることを防止することを支援する。
【0016】
前記コントローラは、前記角度方向識別器により生成された情報が前記基準プロファイルと異なることを前記コントローラが決定した場合に、前記装置の1つ以上の特性を調節するよう構成されても良い。
【0017】
それ故、該処置ユニットが適切な方向にないときに、該装置の特性が調節されることが可能となる。例えば、該装置が適切な方向にない場合、ユーザが該装置により通知を受けても良く、従ってユーザが、処置されるべき身体の一部に処置を為さないことを通知されることとなる。
【0018】
該処置ユニットは、処置端部を持っても良く、該処置ユニットの角度方向は、該処置端部の角度方向により定義されても良い。該処置端部は、直線状であっても良い。
【0019】
前記装置は、ユーザ入力部を更に有しても良く、ユーザ入力に基づいて前記基準プロファイルを変更及び/又は形成するよう構成されても良い。
【0020】
本構成により、所望の角度方向が決定されることが可能となる。それ故、ユーザが、所望の角度方向を決定及び設定すること、及び/又は望ましいときに該所望の角度方向を変更することが可能となる。
【0021】
前記コントローラは、前記角度方向識別器により生成された前記処置ユニットの角度方向を示す情報を参照し、前記処置ユニットの角度方向を示す情報に基づいて、前記基準プロファイルを変更及び/又はメモリに保存するよう構成されても良い。
【0022】
当該構成は、基準プロファイルが再現されること、及び斯かるプロファイルが後の段階で該コントローラにより使用されるために保存されることを可能とすることを支援する。
【0023】
前記角度方向識別器は、身体の一部における所望の角度を定義するインジケータを検出するよう構成された、インジケータ検出センサを有しても良い。
【0024】
当該構成は、処置されるべき身体の一部に対する処置ユニットの適切な角度方向が、容易に且つ正確に決定されることを支援する。
【0025】
前記インジケータは、身体の一部に付けられた物体であっても良く、又は身体の一部に投射された投射マークであっても良い。
【0026】
このことは、ユーザが該角度方向を、それ故処置されるべき身体の一部に為されることをユーザが所望する処置の位置を、容易に調節及び決定することが可能であることを意味する。例えば、毛トリマの場合、ユーザは検出に為されるべき所望の切断の線を容易にマークすることが可能である。
【0027】
前記装置は、フィードバックモジュールを更に有しても良い。前記コントローラが調節するよう構成される、前記装置の1つ以上の特性は、前記処置ユニットの角度方向を示す情報に応じて、処置されるべき人物にフィードバックを提供するフィードバックモジュールの動作であっても良い。
【0028】
それ故、該処置ユニットが適切な角度方向にあるとき、それ故処置を行うべきときを、ユーザに示すことが可能となる。代替としては、該処置ユニットが不適切な角度方向にあるとき、それ故処置を行うべきでないときを、ユーザに示すことが可能となる。
【0029】
前記フィードバックモジュールは、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的なフィードバックを提供するよう構成されても良い。
【0030】
前記装置は、ハンドル部及びアクチュエータを更に有しても良い。前記アクチュエータは、前記ハンドル部に対して前記処置ユニットを動かすよう構成されても良く、前記コントローラが調節するよう構成される、前記装置の1つ以上の特性は、前記ハンドル部に対して前記処置ユニットを動かす前記アクチュエータの動作であっても良い。
【0031】
当該構成により、処置ユニットの角度方向が維持されたままで、ユーザがハンドル部の角度方向を動かすことが可能となる。このことは、ユーザの動きによりユーザによって不適切な処置が為されることを防止することを支援する。
【0032】
前記処置ユニットは、前記ハンドル部に対して枢動可能であっても良い。
【0033】
それ故、該処置ユニットは、該ハンドル部に対して容易に動かすことができる。
【0034】
前記処置装置は、前記コントローラが、前記角度方向識別器により生成された前記処置ユニットの角度方向を示す情報に基づいて、前記所望の角度方向を示す基準プロファイルを形成及び保存するように構成される、校正モードで動作可能であっても良く、前記コントローラが、前記保存された基準プロファイルを参照し、前記処置ユニットの角度方向を示す前記生成された情報を、前記保存された基準プロファイルと比較するよう構成される、処置モードで動作可能であっても良い。
【0035】
当該構成により、正確な所望の角度方向を決定することを支援することが可能となり、それ故使用のため該所望の角度方向をユーザが保存することを可能とする。
【0036】
校正モードにおいては、前記コントローラは、前記角度方向識別器により生成された前記処置ユニットの角度方向を示す情報に基づいて、既存の保存された基準プロファイルを変更し、新たな基準プロファイルを形成して、該新たな基準プロファイルを保存するよう構成されても良い。
【0037】
斯かる構成によれば、ユーザが既存のプロファイルを新たなプロファイルに変更することが可能となる。該新たなプロファイルは、既存のプロファイルを置き換えても良いし、又は既存のプロファイルとともに保存されても良い。
【0038】
前記コントローラは、2つ以上の基準プロファイルから選択するよう構成されても良い。該2つ以上の基準プロファイルからの選択は、ユーザ入力に応じたものであっても良い。
【0039】
それ故、該システムが1人よりも多いユーザによって利用されること、及び/又は異なる処置を実行するために利用されることが可能となる。
【0040】
前記装置は、毛を処置するための装置であっても良い。前記処置ユニットは、毛処置ユニットであっても良い。
【0041】
前記装置は、処置されるべき身体の一部における、該処置されるべき身体の一部に対する前記処置ユニットの角度方向を表示するよう構成された、視覚的マーカを有しても良い。該視覚的マーカは、レーザマーカであっても良い。
【0042】
それ故、処置が適切に為されていることを示す視覚的な示唆をユーザに提供することが可能となり、コントローラにより適切な基準プロファイルが参照されていることをユーザがチェックすることを可能とする。
【0043】
本発明の他の態様によれば、処置されるべき人物の身体の一部を処置するためのシステムであって、処置ユニットを持つ処置装置と、基部ユニットと、前記処置ユニットの角度方向を示す情報を生成するよう構成された角度方向識別器と、前記角度方向識別器により提供される前記処置ユニットの角度方向を示す情報に応じて、前記システムの1つ以上の特性を調節するよう構成された、コントローラと、を有するシステムが提供される。
【0044】
該システムは、身体の一部にける所望の角度を定義するよう構成された、インジケータ生成器を有しても良い。該インジケータ生成器は、前記基部ユニット上にあっても良い。
【0045】
本発明の他の態様によれば、処置されるべき人物の身体の一部を処置する方法であって、角度方向識別器を用いて処置装置の処置ユニットの角度方向を示す情報を生成するステップと、前記角度方向識別器により提供される前記処置ユニットの角度方向を示す情報に応じて、前記処置装置の1つ以上の特性を調節するステップと、を有する方法が提供される。
【0046】
本発明の他の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサにより実行されたときに、請求項14に記載の方法が実行されるようにする命令を有する、コンピュータプログラムが提供される。
【0047】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施例を参照しながら説明され明らかとなるであろう。
【0048】
本発明の実施例は、添付図面を参照しながら、単に例として、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】第1の状態における毛を切断するための一装置の模式的な図を示す。
図2】第2の状態における図1の毛を切断するための装置の模式的な図を示す。
図3図1の装置の模式的なブロック回路図を示す。
図4】第1の状態における使用時の図1の装置の模式的な図を示す。
図5】第2の状態における使用時の図1の装置の模式的な図を示す。
図6】第3の状態における使用時の図1の装置の模式的な図を示す。
図7】第4の状態における使用時の図1の装置の模式的な図を示す。
図8】毛を切断するための他の装置の模式的な図を示す。
図9】毛を切断するための他の装置の模式的なブロック回路図を示す。
図10】第1の状態における毛を切断するためのシステムの模式的な図を示す。
図11】第2の状態における図10の毛を切断するためのシステムの模式的な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
ここで記載される実施例は、毛を切断するための装置及び/又はシステムを説明するものである。しかしながら、ここで記載される装置及び/又はシステムは、毛を切断する用途に限定されるものではなく、異なる用途のために利用されても良いことは、理解されるであろう。即ち、該装置は、処置されるべき人物の身体の一部を処置するための装置に適用可能である。例えば、ここで記載される実施例は、例えば脱毛器、シェーバ、トリマ、エクスフォリエーター、微小皮膚剥離装置、レーザ毛切断装置、保湿器、超短パルス光ベースの装置、歯ブラシ、又はその他の処置されるべきユーザの一部と相互作用するいずれの電動装置にも適用可能である。該処置装置は、着色剤、シャンプー、薬剤、又はその他の物質を、処置されるべき身体の一部に塗布しても良い。考えられ得る代替の用途は、歯ブラシ、フロス器、シェーバ、切断を含む代替のタイプの除毛、皮膚洗浄、皮膚の日焼け及び/又は皮膚活性化のような、1つ以上の非侵襲的又は侵襲的な処置を実現する装置を含む。斯かる実施例においては、身体の一部の処置は、光の照射、ローション又はその他の流体の塗布、及び/又は穿刺を含み得る。
【0051】
図1乃至3を参照すると、毛を切断するための装置10が示されている。切断装置10は、ハンドヘルド型の電動毛トリマ装置である。装置10は、本体を形成するハンドル部11と、切断ヘッド12とを有する。該装置は、装置10を含むシステムの一部であっても良いことは、理解されるであろう。装置10は更に、コントローラ30を有する。コントローラ30は、切断装置10を動作させるよう構成される。
【0052】
ここで説明される実施例においては、装置10は、処置されている人物であるシステム10のユーザを参照しながら説明される。即ち、ユーザは該ユーザ自身を処置するために該装置を用いている。しかしながら、代替の実施例においては、該ユーザは、装置10を利用して別の人物に処置を行うために、装置10を用いる人物である。
【0053】
本実施例における装置10は、毛トリマである。ハンドル部11は、装置10の動作要素が収容される筐体を形成する。ハンドル部11は、細長い形状である。ハンドル部11は、長軸を定義する。ハンドル部11の構成は異なるものであっても良く、例えばハンドル部11は球状であっても良いことは、理解されるであろう。ハンドル部11は、持ち手部分を定義する外側面を持つ。ハンドル部11及び切断ヘッド12は、該持ち手部分がユーザにより保持されることが可能となるよう配置される。
【0054】
切断ヘッド又はユニット12は、処置ヘッド又はユニットとして機能する。切断ヘッド12は、ハンドル部11の一方の端部にある。切断ユニット12は、例えば頭部のようなユーザの身体の一部の皮膚の上を動かされて、該身体の一部における毛をトリミングする。切断ユニット12は、毛をトリミングするよう構成される。切断ユニット12は、1つ以上の固定処置要素(図示されていない)と、該1つ以上の固定処置要素に対して動く1つ以上の可動処置要素と、を持つ。該固定処置要素を越えて毛が突出し、該可動処置要素によって切断される。特に、一実施例においては、切断ユニット12は、固定処置要素として機能する固定刃と、可動処置要素として機能する可動刃と、を有する。該固定刃は、歯の第1のアレイを有する固定端を持つ。該可動刃は、歯の第2のアレイを有する可動端を持つ。該固定端と可動端とは、互いに平行に整列される。該可動刃は、毛せん断係合において該固定刃に対して往復運動的に動くことができる。それ故、歯の第2のアレイは、歯の第2のアレイに対して、往復運動的に動くよう構成される。本実施例においては、該固定処置要素と可動処置要素とが、協働する機械的な切断部(図示されていない)を形成する。
【0055】
1つの切断ユニットが以上に説明されたが、切断装置10は2つ以上の切断ユニット12を有しても良いことは、理解されるであろう。本構成においては、該切断ユニットは、1つ以上の固定処置要素及び1つ以上の可動処置要素を有するが、代替の切断構成も想到可能であることは、理解されるであろう。例えば、切断ユニット12は、毛が通って延在するフォイル(図示されていない)、及び該フォイルの上を動く可動刃(図示されていない)を有しても良い。
【0056】
切断ユニット12は、処置端13を持つ。処置端13は、処置が行われる切断ユニット12の部分を定義する。協働する固定刃及び可動刃を持つ本実施例においては、処置端13は、これらの刃の歯の先端により形成される先行端である。切断ユニット12の角度方向は、処置端13の角度方向により定義される。処置端13は全体として直線状であるが、例えば弓型のような代替の輪郭を持っても良い。
【0057】
切断ユニット12は、切断ユニット駆動器14により駆動される。駆動器14は、駆動動作で切断ユニット12を駆動させるよう機能する。本実施例においては、駆動器14は、電気モータである。駆動器14は、固定要素に対して可動要素を往復運動的に駆動する。駆動器14は、コントローラ30により操作可能である。
【0058】
ハンドル部11に対する切断ユニット12の位置は、調節可能である。即ち、切断ユニット12は、ハンドル部11に対して移動可能である。切断ユニット12は、ハンドル部11に回転可能に装着される。枢動軸(図示されていない)が、ハンドル部11に切断ユニット12を装着する。アクチュエータ15は、ハンドル部11に対して切断ユニット12を動かすよう動作可能である。アクチュエータ15はハンドル部11のなかにあり、切断ユニット12に作用するが、他の構成も可能である。アクチュエータ15は、回転可能なアクチュエータであり、例えば機械的アクチュエータであっても良いし、又は電磁アクチュエータであっても良い。本実施例においては、アクチュエータ15は、サーボモータである。アクチュエータ15は、ハンドル部11に対する切断ユニットの相対位置を制御する。アクチュエータ15は、枢動軸を形成しても良い。アクチュエータ15は、電気的に駆動される。アクチュエータ15は、コントローラ30からの命令に応じて切断ユニット12を動かす。
【0059】
上述の構成によれば、切断ユニット12は、ハンドル部11に対して動く。切断ユニット12は、図1においてハンドル部11に対して第1の位置に示され、図2においてハンドル部11に対して第2の位置に示されている。図1及び2に示されるように、いずれの位置においても、水平に対する切断ユニット12の角度方向は一定である。
【0060】
切断装置10は更に、バッテリのような電源(図示されていない)を有する。該バッテリは、充電可能である。本実施例においては、該電源は内蔵型再充填可能バッテリであるが、例えば外部電源に切断装置10を接続する電源コードのような代替の電源手段も可能であることは、理解されるであろう。
【0061】
図3は、装置10の選択された構成要素の模式的な図を示す。装置10は、コントローラ30、角度方向センサ40、ユーザ入力部50、及び例えばスピーカ及び/又はディスプレイを含む1つ以上のフィードバックモジュール60を含む。
【0062】
コントローラ30は、プロセッサ31及びメモリ32を有する。コントローラ30は、切断装置10を動作させるよう動作可能である。
【0063】
プロセッサ31は、いずれの適切な形をとっても良い。例えば、プロセッサ31は、マイクロコントローラ、複数のマイクロコントローラ、回路、単一のプロセッサ、若しくは複数のプロセッサであっても良く、又はこれらを含んでも良い。コントローラ30は、1つ又は複数のモジュールから形成されても良い。
【0064】
メモリ32は、いずれの適切な形をとっても良い。メモリ32は、不揮発性メモリ及び/又はRAMを含んでも良い。該不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードディスクドライブ(HDD)又は固体メモリ(SSD)を含んでも良い。該メモリは、数あるなかでも、オペレーティングシステムを保存する。該メモリは、リモートに配置されても良い。該RAMは、データの一時的な保存のためにプロセッサ31により用いられる。該オペレーティングシステムは、コントローラ30により実行されたときに、切断装置10又は切断装置10を含むシステムのハードウェア要素のそれぞれの動作を制御するコードを含んでも良い。コントローラ30は、1つ以上のプロファイルのような1つ以上のオブジェクトが、リモートに保存されるようにすることが可能であっても良いし、又はメモリ32によってローカルに保存されるようにすることが可能であっても良い。コントローラ30は、不揮発性メモリによって保存された、1つ以上のプロファイルのような1つ以上のオブジェクトを参照すること、及び該1つ以上の保存されたオブジェクトをRAMにアップロードすることが可能であっても良い。
【0065】
コントローラ30は、例えばユーザ入力部50のような、入力に応答して切断装置10を動作させるよう動作可能である。コントローラ30は、処置ヘッド駆動器14を動作させるよう構成される。
【0066】
ユーザ入力部50は、何らかのユーザインタフェースの形を有する。任意に、装置10は、電力のような該装置の何らかの動作特性を調節するためのコントローラ及び/又はディスプレイを含む。ユーザ入力部50は、ユーザが装置を操作すること、例えば装置10をスイッチオン及びオフすることを可能とする。ユーザ入力部50は、例えばボタン、タッチ画面又はスイッチであっても良い。
【0067】
フィードバックモジュール60は、ユーザにフィードバックを提供するよう構成される。該フィードバックは、可聴の示唆、可視の示唆又は触知性の示唆の1つ以上であっても良い。一実施例においては、該フィードバックモジュールは、ディスプレイ(図示されていない)を含む。該ディスプレイは、コントローラ30からの信号に応答して、ユーザに可視の示唆又は信号を生成するよう動作可能である。幾つかの実施例においては、該ディスプレイは省略されても良いことは、理解されるであろう。
【0068】
一実施例においては、フィードバックモジュール60は、スピーカ(図示されていない)を含む。該スピーカは、コントローラ30からの信号に応答して、ユーザに可聴の示唆又は信号を生成するよう動作可能である。幾つかの実施例においては、該スピーカは省略されても良いことは、理解されるであろう。本構成においては、該スピーカは、装置10のハンドル部11に配置される。それ故、該スピーカはユーザの近くに配置され、該スピーカにより生成される可聴の信号がユーザにより容易に聞かれることを可能とすることとなる。
【0069】
一実施例においては、フィードバック60は、例えばユーザ(図示されていない)に触知可能なフィードバックを提供する、振動モータ(図示されていない)を含む。該振動モータは、コントローラ30からの信号に応答して、ユーザに触知可能な示唆又は信号を生成するよう動作可能である。幾つかの実施例においては、該振動モータは省略されても良いことは、理解されるであろう。本構成においては、該振動モータは、装置10のハンドル部11に配置される。それ故、触知可能な信号が、ユーザにより容易に検出されることとなる。フィードバックモジュール60の異なる部分が、互いから離れて配置されても良いことは、理解されるであろう。
【0070】
角度方向センサ40は、装置10の処置ユニット12のなかにある。それ故、角度方向センサ40は、処置ユニット12の角度方向を直接に決定することが可能である。代替としては、角度方向センサ40は、ハンドル部11のなかにある。斯かる構成においては、処置ユニット12の角度方向は、処置ユニット12の角度方向と、ハンドル部11に対する処置ユニット12の回転を示す情報と、に基づいて決定される。角度方向センサ40は、角度方向識別子であるか又は該識別子の一部を形成する。
【0071】
角度方向センサ40は、6軸空間センサである。空間センサは知られたものであり、従って詳細な説明は省略される。角度方向センサ40は、相対運動の6つの軸(3軸の平行移動及び3軸の回転)の計測値を提供するよう構成される。角度方向センサ40は、処置ヘッド12の角度方向を示す情報を生成するよう構成される。角度方向センサ40により生成された情報は、コントローラ30に供給される。
【0072】
本実施例、及び他の説明された実施例においては、角度方向センサ40は6軸空間センサであるが、代替のセンサが用いられても良いことは、理解されるであろう。角度方向センサ40は、例えば慣性センサ、位置センサ、加速度計、ジャイロスコープ又はこれらの組み合わせのような、1つ以上の種々のセンサを含んでも良い。これら代替のタイプの詳細な説明は、省略されている。
【0073】
角度方向センサ40は、処置ユニット12において予め定義された位置及び方向に配置されている。それ故、該処置ユニットの方向は、角度方向センサ40の既知の方向及び位置に基づいて容易に決定されることができる。即ち、処置ユニット12は、角度方向センサ40に対する既知の相対的な配置にある。
【0074】
ここで説明された実施例においては、コントローラ30、ユーザ入力部50及び1つ以上のフィードバックモジュール60は切断装置10上にあるが、代替の実施例においては、コントローラ30、ユーザ入力部50及び/又は1つ以上のフィードバックモジュール60は、1つ以上の別個のユニット上にあっても良い。例えば、一実施例においては、コントローラ30、ユーザ入力部50及び1つ以上のフィードバックモジュール60は、基部ユニット(例えば図10参照)上にある。該基部ユニットは、携帯電話又はタブレット型コンピュータのような、モバイル型のコンピュータ装置であっても良い。斯かる構成においては、切断装置10は更に、該基部ユニットと通信するための通信モジュールを有することとなる。切断装置10と該基部ユニットとの間の通信は、有線接続であっても良いし又は無線接続であっても良い。コントローラ30は、切断装置10上にあっても良いし若しくは該基部ユニットにあっても良く、又は該基部ユニット上の基部コントローラと切断装置10上の装置コントローラとを含んでも良い。同様に、該1つ以上のフィードバックモジュール及び/又はユーザ入力部が、該基部ユニット上に配置されても良い。このことは、ユーザが該ユーザ入力部を操作すること、又はフィードバックを受けることを支援する。
【0075】
図1乃至3の装置10は、ユーザにより保持されているハンドヘルド型の切断装置10により操作させられる。該ユーザは、該ハンドヘルド型の切断装置10を保持し、毛が切断されるべき身体の一部の領域の上で該領域に対して切断ユニット12を動かすことによって、装置10を使用する。
【0076】
装置10は、ユーザによって作動させられる。装置10は、ユーザ入力部50を操作することによって作動させられる。コントローラ30は、切断ユニット12を切断モードで動作させるよう処置ユーザ駆動器14を制御するよう構成される。切断ユニット12は、1つよりも多い処置モードを持っていても良い。コントローラ30は、アクチュエータ15を動作させて、ハンドル部11に対する切断ユニット12の位置を決定する。
【0077】
切断ユニット12は、最初は中立位置にある。該中立位置においては、切断端13は、ハンドル部11の長軸に垂直に延在する。しかしながら、該中立位置の向きは別の向きであっても良いことは、理解されるであろう。切断ユニット12が中立位置にない場合には、コントローラ30は最初に、切断ユニット12を該中立位置へと動かす。
【0078】
一実施例においては、装置10は、切断ユニット12が中立位置に維持された状態で切断装置10が動作可能な、手動操作状態で動作可能である。該手動操作状態は、ユーザ入力に応じて選択可能であっても良い。斯かる状態においては、ユーザは、装置10を所望の向き及び位置へと向け及び位置決めすることが可能であり、また切断ユニット12を用いて例えばユーザの首部及び/又は頭部のような所望の処置されるべき身体の一部における毛を切断することが可能である。
【0079】
斯かる状態においては、又は従来のトリマを用いる場合には、切断ユニット12の方向、それ故切断端13の方向は、予測及び制御することが難しい。ユーザは、適切な態様で装置を動かすために、技術と安定した手に頼ることとなる。該装置を保持しているときは、皮膚又は頭部の過度の動きが誤りを引き起こし得るため、このことは困難となり得る。更に、該装置が使用中であるときには、該装置及び/又はユーザの手又は腕が、ユーザの視線を妨害し得、このことが、望ましくない位置で装置が保持されてしまうことに帰着し、不正確さ又は誤りを引き起こし得る。それ故、斯かる装置を用いて正確な毛の切断を達成することは困難である。
【0080】
装置10は、一定角度動作状態で動作可能である。コントローラ30は、ユーザ入力に応答して、装置10を該一定角度動作状態で動作させるよう動作可能である。代替としては、またはこれに加えて、コントローラ30は、デフォルトの動作状態として、装置10を該一定角度動作状態で動作させるよう動作可能である。該一定角度動作状態は、ユーザ入力に応じて選択可能であっても良い。
【0081】
該一定角度動作状態においては、コントローラ30は、水平に対して一定の角度方向で、切断ユニット12を維持するよう構成される。コントローラ30は、ハンドル部11に対する切断ユニット12の方向を動かすよう、アクチュエータ15を動作させるよう構成される。アクチュエータ15は、角度方向識別子として機能する角度方向センサ40により供給される切断ユニット12の角度方向を示す情報に応じて、コントローラ30により動作させられ得る。
【0082】
所望の角度方向を示す情報は、基準プロファイルにおいてメモリ32に保存される。コントローラ30は、該所望の角度方向の基準プロファイルを参照するよう構成される。該基準プロファイルは、ルックアップテーブルに保存されても良い。該基準プロファイルは、メモリ32により保存されても良い。斯かる構成においては、コントローラ30は、メモリ32を参照して該基準プロファイルにアクセスするよう構成される。一実施例においては、該基準プロファイルはRAMにより保存される。
【0083】
該基準プロファイルは、所望の角度方向を示す情報を提供する。本実施例においては、該所望の角度方向を示す情報は、例えば0度、10度、又は23度といった、水平に対する角度に関する。
【0084】
コントローラ30は、2つ以上の基準プロファイルから基準プロファイルを選択するよう構成されても良い。該2つ以上の基準プロファイルは、メモリ32に保存されても良い。代替としては、該基準プロファイルは、コントローラ30が選択することが可能な、2つ以上の所望の角度方向を含んでも良い。
【0085】
コントローラ30は、ユーザがユーザ入力部50を操作することに応答して、所望の角度方向を選択するよう構成される。コントローラ30が参照する基準プロファイル、又は該基準プロファイルにおける範囲から選択された所望の角度方向は、ユーザ入力部50の操作に応答して選択されても良い。例えば、一実施例においては、ユーザ入力部50は、所望の角度方向を設定するためのダイアルを含む。代替としては、或る範囲の角度方向から所望の角度方向を選択するための上下ボタンが用いられても良い。コントローラ30は、例えばディスプレイを操作することによってフィードバックモジュール60を動作させ、ユーザ入力部50の操作に応答して選択された所望の角度方向の示唆を提供しても良い。それ故、該所望の角度方向は、手動で選択可能である。
【0086】
本実施例においては、該所望の角度方向は、ユーザ入力部50の操作に応答して手動で選択可能であるが、代替の構成も想到可能であることは、理解されるであろう。例えば、代替の実施例においては、該基準プロファイルは、角度方向センサ40により生成された情報に基づいて形成又は主性される。斯かる構成においては、装置10は、ユーザ入力部50の操作に応答して校正モードで動作させられる。該校正モードにおいては、ユニットコントローラ47が、基準プロファイルを形成する又は既存の基準プロファイルを修正するよう構成される。
【0087】
校正モードにおいては、コントローラ30は、ハンドル部11に対して固定された関係に切断ユニット12を維持する。ユーザは、切断ユニット12の切断端13が所望の角度方向となるよう、装置10を手動で向ける。このことは、生え際又はその他の特徴に整合するよう為されても良い。ユーザは次いで、ユーザ入力部50を操作する。ユーザ入力部50の操作は、コントローラ30に、切断ユニット12が所望の角度方向にあることの示唆を提供する。コントローラ30は次いで、角度方向センサ40により生成された情報を参照するよう構成され、該情報は所望の角度方向を示す基準プロファイルとしてコンピュータ30により保存される。コントローラ30は、新たな基準プロファイルを生成する代わりに、既存の保存された基準プロファイルにおける記録された情報を修正しても良いことは、理解されるであろう。それ故、コントローラ30は、基準プロファイル中の記録された情報を、所望の角度方向を示す情報として参照することが可能である。
【0088】
所望の角度方向が選択されると、コントローラ30は、切断モードで切断装置10を動作させるよう構成される。角度方向識別器として機能する角度方向センサ40は、水平に対する切断ユニット12の角度方向を示す情報を生成するよう構成される。コントローラ30は、該生成された切断ユニット12の角度方向を表す情報に依存して、切断ユニット12の所望の角度方向からの逸脱を決定するよう構成される。該コントローラは、角度方向センサ40により供給された角度方向を示す情報と基準プロファイルとに基づいて、切断ユニット12とハンドル部11との間の相対的な方向を調節するようアクチュエータ15を動作させる。コントローラ30は、切断ユニット12の角度方向を示す情報を、所望の角度方向を示す情報を提供する基準プロファイルと比較するよう構成される。コントローラ30は、切断ユニット12の角度方向を示す情報が、該所望の角度方向と相関するか否かを決定する。コントローラ30は、所望の角度方向を示すデータを保存する基準プロファイルを参照するよう構成される。コントローラ30が、切断ユニット12の角度方向を示す情報が、保存された所望の角度方向に対応しないと決定した場合には、該コントローラは、2つの角度の間の差を決定し、適切な方向へと切断ユニット12を動かすようアクチュエータ15を動作させるよう構成される。ハンドル部11に対する処置ユニット12の動きの程度は、角度方向センサ40により供給される処置ユニット12の角度方向を示す情報と、ハンドル部11に対する処置ユニット12の回転を示す情報と、に基づいて、コントローラ30により決定される。ハンドル部11に対する処置ユニット12の回転を示す情報は、回転検出識別部として機能するアクチュエータ15又はその他の要素により提供されても良い。
【0089】
一実施例においては、コントローラ30が、装置10の作動の際に所望の角度方向が達成されていると決定した場合には、コントローラ30は、例えば音声を生成するようスピーカを動作させることにより、フィードバックモジュール60を動作させてユーザにフィードバックを提供するよう構成される。コントローラ30は更に、又は代替として、所望の角度方向が達成されたと決定されたときに、例えば駆動器14を作動させることにより、制御ユニット駆動器14の動作特性を変更させても良い。
【0090】
ユーザは次いで、切断装置10を操作して、処置されるべき身体の一部の毛を切断する。ハンドル部11の向きが変えられると、コントローラ30は、切断ユニット12の決定された角度方向に依存して、装置10の1つ以上の動作特性(本例においては、切断ユニット12とハンドル部11との間の相対的な方向)を変更するよう構成される。即ち、コントローラ30は、コントローラ30が、切断ユニット12の方向を示す情報と、基準プロファイルにより提供される所望の角度方向と、の間に差があることを決定した場合に、アクチュエータ15を動作させるように構成される。
【0091】
コントローラ30は、切断ユニット12の角度方向を示す情報を、所望の角度方向を示す情報を供給する基準プロファイルと比較するよう構成される。コントローラ30は、切断ユニットの角度方向を示す情報が、所望の角度方向と相関するか否かを決定する。コントローラ30は、所望の角度方向を示すデータを保存する基準プロファイルを参照するよう構成される。コントローラ30が、切断ユニット12の角度方向を示す情報が、該保存された所望の角度方向に対応しないことを決定した場合、コントローラ30は、該所望の角度方向を示す情報と、検出された角度方向と、の差を決定し、それに応じてアクチュエータ15を動作させるよう構成される。処置ユニット12の動きの程度は、角度方向センサ40により供給される処置ユニット12の角度方向を示す情報と、ハンドル部11に対する処置ユニット12の回転を示す情報と、に基づいて、コントローラ30により決定される。
【0092】
コントローラ30が、処置ユニット12の角度方向を示す情報が、所望の角度方向に対応することを決定した場合には、コントローラ30は、アクチュエータ15を動作させない。コントローラ30は、定期的に、又は予め決定された時間間隔で、切断ユニット12の角度方向を示す情報を参照するよう構成される。コントローラ30は、角度方向センサ40により生成される情報を監視し、所定の時間に亘って処置されるべき身体の一部に対する切断装置10の位置における決定された変化に基づいて処置されるべき身体に対する切断ユニット12の角度方向における変化を決定することにより、水平に対する切断ユニット12の角度方向を決定するよう構成される。
【0093】
図4及び5は、水平に対して0度である所望の角度方向で用いられている装置10の例を示す。図4においては、該装置は第1の動作状態で示されており、図5においては、該装置は、ハンドル部11の向きが変化させられているが、切断ユニットの角度方向を維持するようアクチュエータ15を動作させることによって当該変化をコントローラが補償している、第2の動作状態で示されている。
【0094】
角度方向センサ40は、連続的に又は予め定義された間隔で、切断ユニット12を示す情報を生成することが可能である。コントローラ30は、連続的に又は予め定義された間隔で、切断ユニット12を示す情報を参照することが可能である。それ故、角度方向センサ40は、切断ユニット12の角度方向を示す情報を供給することが可能である。コントローラ30は、所定の時間に亘る、切断装置10の相対位置の比較に基づいて、所望の角度方向からの逸脱を決定するよう構成される。それ故、コントローラ30は、角度方向センサ40により生成される情報に基づいて、処置されるべき身体の一部に対する切断装置10の経路を決定することが可能である。
【0095】
処置ユニット12は、使用の間に時計回り及び半時計回りで回転させられ得ることは、理解されるであろう。アクチュエータ15は、使用の間にハンドル部11の動きに依存して種々の方向に処置ユニット12を動かすことは、理解されるであろう。しかしながら、使用の間、処置ユニット12は一般的に、該装置が保持された手に依存して切断ユニット12の中立位置に対して、時計回りか又は半時計回りの、一方の回転方向に傾けられる。しかしながら、使用の間、例えばユーザの頭部の他方の側における毛を切断するため、手を持ち替えることが必要となり得る。一実施例においては、コントローラ30は、ハンドル部11に対する切断ユニット12の回転を反転させ、対応する切断がユーザの頭部の反対側において為され得るように構成される。コントローラ30は、ユーザ入力50の操作に応答して、又は角度方向センサ40により生成される情報に基づいて、切断ユニット12の回転を反転させるよう構成されても良い。メモリ32により保存された基準プロファイルは、切断ユニット12の反転を示す情報を保存するよう構成されても良く、コントローラ30は、該基準プロファイを参照するよう構成されても良い。
【0096】
図6及び7は、ユーザの頭部の側面においてもみあげをトリミングするために装置10が用いられている例を示す。本実施例においては、所望の角度方向は、水平に対して約85度である。図6においては、該装置は第1の動作状態で示されており、図7においては、該装置は、ハンドル部11の向きが変化させられているが、切断ユニット12の角度方向を維持するようアクチュエータ15を動作させることによって当該変化をコントローラが補償している、第2の動作状態で示されている。ユーザは、切断状態を反転させていることを示すようユーザ入力部50を操作し、コントローラ50は、ハンドル部11に対する切断ユニット12の回転を反転させるように構成される。
【0097】
以上に説明された実施例においては、コントローラ30が調節するよう構成される動作特性はアクチュエータ15の動作であったが、代替の構成も想到可能であることは理解されるであろう。代替の又は補足的な実施例が、ここで図8を参照しながら説明される。切断装置の当該実施例の構成は、全体的には以上に説明された実施例と同一であり、従って詳細な説明はここでは省略される。更に、参照番号も同じままとされる。しかしながら、本実施例においては、コントローラ30は、角度方向センサ40により生成された情報に応じて、例えばスピーカ及び/又はディスプレイのようなフィードバックモジュール60を介して、切断装置のユーザに角度方向状態を通知する。斯かる構成においては、切断装置10が使用されている間、コントローラ30は、ユーザが適切な動作をとれるように、角度方向識別子として機能する角度方向センサ40により生成される情報に依存して、ユーザに通知するフィードバックモジュール60の動作特性を変更するよう構成される。
【0098】
図8においては、切断装置10の切断ユニット12は、ハンドル部11に対して固定されて配置される。それ故、切断ユニット12の向きは、ハンドル部11の向きに依存する。本実施例においては、角度方向センサ40は切断ユニット12のなかにあるが、ハンドル部11の向きは切断ユニット11の向きに対応するため、角度方向センサ40はハンドル部11のなかにあっても良いことは、理解されるであろう。
【0099】
切断装置10の動作は、全体としては以上に説明された実施例と同じである。即ち、コントローラが、角度方向センサ40により生成される情報と、メモリに保存された基準プロファイルと、に依存して、ユーザに通知する装置10の動作特性を変更するよう構成される。所望の角度方向は、以上に説明されたように得られても良く、それ故詳細な説明はここでは省略される。
【0100】
切断装置10の動作の間、フィードバックモジュール60は、ビープ音のような可聴の音声の形で、音響信号を提供するよう動作させられても良い。代替として、又はこれに加えて、フィードバックモジュール60は、該装置のハンドル部を介してユーザにより感知される振動の形で、触知可能なフィードバックを提供しても良い。代替として、又はこれに加えて、フィードバックモジュール60は、フラッシュ光又はその他の光学的な示唆のような、光信号を提供しても良い。コントローラ30は、角度方向センサ40により生成される情報に依存して、上述した信号のうち1つよりも多い信号を提供するよう、フィードバックモジュール60を動作させるよう構成されても良いことは、理解されるであろう。
【0101】
一実施例においては、コントローラ30は、角度方向センサ40により供給される情報及び基準プロファイルに基づいて、切断ユニット12の角度方向が所望の角度方向とは異なることをコントローラ30が決定した場合に、ユーザに示唆を提供するようフィードバックモジュール60を動作させるよう構成される。それ故ユーザは、処置端13が所望の角度方向にないという示唆を提供される。一実施例においては、コントローラ30は、所望の角度方向に戻すため又は所望の角度方向を得るため、切断ユニット12を動かす方向についての示唆を、ユーザに提供するよう構成される。例えば、コントローラ30は、角度方向センサ40により供給される情報及び基準プロファイルに基づいて、所望の角度方向に対して切断ユニットが傾いた方向に依存した異なる音調を生成するよう、スピーカを動作させても良い。コントローラ30はまた、角度方向センサ40により供給される情報及び基準プロファイルに基づいて、切断ユニットが傾いた方向に依存して、音のピッチを変更するようスピーカを動作させるよう構成されても良い。
【0102】
更なる代替例又は補足的な実施例においては、コントローラ30は、角度方向センサ40により供給される情報及び基準プロファイルに基づいて、切断ユニット12の角度方向が所望の角度方向に対応することをコントローラ30が決定した場合に、ユーザに示唆を提供するようフィードバックモジュール60を動作させるよう構成される。それ故、ユーザは、処置端13が水平に対して所望の角度方向に向けられていることの示唆を提供される。例えば、コントローラ30は、角度方向センサ40により供給される情報及び基準プロファイルに基づいて、切断ユニット12が適切に向けられていることが決定された場合に、スピーカを動作させても良い。
【0103】
更なる代替例又は補足的な実施例においては、コントローラ30は、角度方向センサ40により供給される情報及び基準プロファイルに基づいて、切断ユニット12の角度方向が所望の角度方向とは異なることをコントローラ30が決定したことに応じて、切断ユニット駆動器14に対する動作を調節するよう構成される。斯かる実施例においては、コントローラ30は、角度方向センサ40により供給される情報及び基準プロファイルに基づいて、切断ユニット12の角度方向が所望の角度方向に対応することをコントローラ30が決定した場合に、切断ユニット駆動器14を動作させるよう構成される。コントローラ30は、角度方向センサ40により供給される情報及び基準プロファイルに基づいて、切断ユニット12の角度方向が所望の角度方向とは異なることをコントローラ30が決定した場合には、切断ユニット駆動器14の動作を停止するよう構成される。それ故ユーザは、所望の角度方向とは異なる角度方向で切断を行うことを防止される。
【0104】
コントローラ30が調節するように構成されるものがフィードバックモジュール60である動作特性に関する上述の実施例と、処置ヘッド駆動器14の作動である上述の実施例とは、互いと組み合わせられて用いられても良く、及び/又は、切断ユニット12及びハンドル部11の相対的な方向を調節するようコントローラ30が構成される実施例と組み合わせられて用いられても良い。例えば、一実施例においては、コントローラ30は、水平に対する処置ユニット12の角度方向を維持するようアクチュエータ15を動作させるよう構成されても良い。斯かる実施例においては、コントローラ30はまた、角度方向センサ40により供給される情報及び基準プロファイルに基づいて、切断ユニット12の角度方向が所望の角度方向とは異なることをコントローラ30が決定した場合には、ユーザに示唆を提供するようフィードバックモジュール60のうち1つ以上を動作させるよう構成されても良い。斯かる場合は、切断装置10の突然の動きの場合、又は水平からのハンドル部11の向きがアクチュエータ15の動きの範囲を超えて動いた場合に、生じ得る。斯かる構成においては、コントローラ30は、角度方向センサ40により供給される情報及び基準プロファイルに基づいて、切断ユニット12の角度方向が所望の角度方向に対応することを該コントローラが決定した場合には、該フィードバックモジュール60のうち1つ以上を停止させるよう構成されても良い。
【0105】
代替として、又はコントローラ30がフィードバックモジュール60を動作させるのに加えて、コントローラ30は、切断ユニット12の角度方向が所望の角度方向とは異なることをコントローラ30が決定した場合には、切断装置10の切断動作を停止するよう、切断ユニット駆動器14の動作モードを変更するよう構成されても良い。斯かる構成においては、コントローラ30は、角度方向センサ40により供給される情報及び基準プロファイルに基づいて、切断ユニット12の角度方向が所望の角度方向に対応することを該コントローラが決定した場合には、切断ユニット駆動器14を作動させるよう構成されても良い。
【0106】
以上に説明された実施例においては、角度方向識別器は、角度方向センサ40である。しかしながら、図9乃至11を参照しながら以下に説明されるように、他の実施例においては、角度方向が代替の手段により決定されるか、又は角度方向センサ40と組み合わせて代替の手段により決定される。以下に説明される実施例は、概して以上に説明された実施例と同じであり、従って詳細な説明はここでは省略される。しかしながら、図9乃至11を参照しながら以下に説明される実施例においては、切断装置10が、角度方向識別器として機能するインジケータ検出センサ70を持つ。角度方向識別器は、角度方向センサ40及びインジケータ検出センサ70の両方を有しても良いし、一実施例においては一方が省略されても良い。
【0107】
本実施例においては、図9乃至11に示されるように、角度方向センサ40とインジケータ検出センサ70とが、あわせて角度方向識別器を形成する。インジケータ検出センサ70は、処置されるべき身体の一部に付与されるインジケータを検出するよう構成される。本実施例においては、インジケータ検出センサ70は、ユーザの皮膚及び/又は毛における光学的なマークを検出するよう構成される。インジケータとして機能する該光学的なマークは、インジケータ生成器90により生成される。インジケータとして機能する該光学的なマークは、所望の角度方向を表すものである。該光学的なマークは、所望の角度方向を表す直線又はパターンであっても良い。インジケータ生成器90は、毛を切断するためのシステムの基部ユニット80上にある。本実施例においては、該毛を切断するためのシステムは、基部ユニット80及び切断装置10を有する。インジケータ生成器90は、レーザビーム生成器である。インジケータ生成器90は、処置されるべき身体の一部に可視の線を表示する。このことは、ユーザが所望する角度方向をユーザが容易に決定することを可能とする。これらのマークは、該装置のインジケータ検出センサ70が容易に検出することが可能なインジケータであって、これに応じてコントローラが該装置の動作特性を変更することを可能とするインジケータとして機能する。インジケータ検出センサ70は光学センサであるが、代替のセンサも想到可能である。
【0108】
別の実施例においては、インジケータ検出センサ70は、ユーザにより備えられた、ユーザの皮膚におけるインジケータとして機能する物質(図示されていない)を検出するよう構成される。該物質は、ペンのような物質供給器により供給されても良い。毛及び/又は皮膚に供給される該物質は紫外インクであっても良く、センサが紫外光センサであっても良い。幾つかの実施例においては、該物質は、紫外光センサによっても検出可能であり、通常の照明条件の下でユーザにも可視である、蛍光物質であっても良い。しかしながら、他の物質が代替として毛及び/又は皮膚に供給され、ユーザの毛及び/又は皮膚における当該物質の存在を検出するための適切なセンサが備えられても良いことは、理解されるであろう。例えば、該物質は、可視スペクトル内又はその他において光学的に検出可能ないずれかの物質であっても良い。毛及び/又は皮膚に供給され得る他の光学的に検出可能な物質の例は、グラファイト物質若しくは化粧品又はその他のいずれかの利用可能な可視又は不可視の物質を含む。
【0109】
本実施例においては光学的なマークである該インジケータが、切断の所望される角度方向を表し皮膚に付与されると、ユーザは切断装置10を動作させる。インジケータ検出センサ70は、該インジケータに依存して、所望の角度方向を示す情報を生成するよう構成される。本実施例においては、インジケータ検出センサ70は、インジケータ生成器90により生成された光学的なマークの配列を検出するよう構成される。
【0110】
コントローラ30は、インジケータ検出センサ70により生成された情報に基づいて、所望の角度方向を示す基準プロファイルを形成するよう構成される。本実施例においては、コントローラ30は、インジケータ生成器90により生成された光学的なマークの配列に切断端13を整合させるように、ハンドル部11に対して切断ユニット12を回転させるよう、アクチュエータ15を動作させる。該コントローラは次いで、角度方向センサ40により生成される情報を参照して、基準プロファイルを生成する。代替としては、コントローラ30は、インジケータ検出センサ70により生成される所望の角度方向を示す情報と、光学的なマークと切断ヘッドとの相対的な角度方向を決定することによる切断ユニット12の角度方向と、に基づいて、所望の角度方向を決定するよう構成される。それ故、所望の角度方向は、インジケータ検出センサ70及び角度方向センサ40により生成される情報に基づいて決定される。
【0111】
別の実施例においては、コントローラ30は、インジケータ検出センサ70により生成される情報に基づいて、光学的なマークの配列と切断端13が整合されるまで、ユーザに切断装置10を動かすよう示唆するため、例えばディスプレイ又はスピーカのようなフィードバックモジュール60を動作させるよう構成される。コントローラ30は次いで、角度方向センサ40により生成される情報を参照して、所望の角度方向を決定する。
【0112】
コントローラ30は次いで、該決定された所望の角度方向を示す基準プロファイルを生成又は変更する。該基準プロファイルは、ルックアップテーブル又はその他の記録構成の形をとっても良い。該基準プロファイルは次いで、コントローラ30による将来の参照のため、コントローラ30によってメモリ32に保存される。
【0113】
切断装置10は次いで、インジケータ検出センサ70により生成された情報、又はインジケータ検出センサ70及び角度方向センサ40により生成された情報に基づいて、コントローラ30により決定された所望の角度方向に依存して、以上に説明されたような切断動作で動作させられる。本実施例においては、コントローラ30は、切断端13が所望の角度方向に維持されるように、ハンドル部11に対する切断ユニット12の相対的な方向を調節するよう、アクチュエータ15を動作させるよう構成される。しかしながら、代替として又はこれに加えて、コントローラ30は、フィードバックモジュール60を介してユーザに通知しても良い。
【0114】
以上に説明された実施例においては、角度方向識別器により提供される情報に基づいて処置ユニットの角度方向を示す情報を生成するよう構成されるコントローラは切断装置のなかにあるが、代替の構成においては、該コントローラは、基部ユニットとして機能する、例えば携帯電話といったモバイル型コンピュータ装置のなかのコントローラのような別個のコントローラであっても良いことは、理解されるであろう。斯かる構成においては、当該コントローラは、角度方向識別器により生成される情報を供給されるよう構成されることとなる。当該別個のコントローラによって生成された情報に基づく処置ユニットの角度方向を示す情報は、次いで処置装置へと供給されても良い。同様に、1つ以上のフィードバックモジュール及び/又はユーザ入力部が、基部ユニット上に配置されても良い。
【0115】
以上に説明された実施例においては、角度方向識別器により供給された情報に基づいて処置ユニットの角度方向を示す情報を生成するよう構成されたコントローラは、切断装置のなかにあるが、代替の構成においては、該コントローラは、例えば基部ユニットとして機能する携帯電話のようなモバイル型のコンピュータ装置におけるコントローラのような、別個のコントローラであっても良いことは、理解されるであろう。斯かる構成においては、当該コントローラは、角度方向識別器により生成された情報を提供されるように構成される。当該別個のコントローラにより生成された上述に基づく、処置ユニットの角度方向を示す情報は次いで、処置装置に供給されても良い。同様に、1つ以上のフィードバックモジュール及び/又はユーザ入力部が、基部ユニット上に配置されても良い。
【0116】
「有する(comprising)」なる語は他のユニット又はステップを除外するものではなく、「1つの(a又はan)」なる不定冠詞は複数を除外するものではないことは、理解されるであろう。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0117】
本出願において請求項は特徴の特定の組み合わせに向けたものであるが、本発明の開示の範囲は、いずれかの請求項において現在請求されているものと同一の発明に関するものであろうとなかろうと、また本発明が軽減するものと同一の技術的課題のいずれか又は全てを軽減するものであろうとなかろうと、明示的若しくは暗黙的にここで開示されたいずれの新規な特徴若しくは特徴の新規な組み合わせ、又はその一般化をも含むことは、理解されるべきである。本出願人はここで、本出願又は本出願から導かれるいずれかの更なる出願の手続きの間に、斯かる特徴及び/又は斯かる特徴の組み合わせに対して、新たな請求項が作成され得ることを注記しておく。
図1
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図4
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図9
図10
図11