(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像表示装置は、前記車両情報に関する画像を表示する表示装置本体と、前記ボス部が設けられ前記表示装置本体に対して着脱可能に設けられるカバーとを含んで構成される、
請求項1に記載の車両表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載の液晶表示メータは、例えば、液晶パネル等の画像表示装置、当該画像表示装置を制御する回路基板、及び、これらを収容するケース等、構成部品同士の相互の固定において更なる改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、構成部品同士を相互に適正に固定することができる車両表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両表示装置は、車両情報に関する画像を表示すると共に複数のボス部を有する画像表示装置と、第1方向に沿って前記画像表示装置と対向して設けられ前記画像表示装置を制御すると共にそれぞれ前記第1方向に沿って前記ボス部と対向する位置に前記第1方向に沿って貫通して形成された複数の基板締結孔を有する回路基板と、前記第1方向に沿って前記画像表示装置とは反対側で前記回路基板と対向して設けられ前記画像表示装置、及び、前記回路基板を収容すると共にそれぞれ前記第1方向に沿って前記ボス部と対向する位置に前記第1方向に沿って貫通して形成された複数のケース締結孔を有するケースと、各前記ボス部、各前記基板締結孔、及び、各ケース締結孔を介して前記画像表示装置と前記回路基板と前記ケースとを相互に締結し固定する複数の締結部材とを備え、前記ボス部は、前記第1方向に沿って突出して形成され前記第1方向の先端に前記回路基板が当接可能である当接面が形成された基部と、前記基部の前記第1方向の先端から前記第1方向に沿って突出して形成され前記第1方向に沿って前記基板締結孔、及び、前記ケース締結孔に挿入可能である挿入部と、前記挿入部の前記第1方向の先端から前記第1方向に沿って前記基部側に向かって形成され前記締結部材が螺合可能である螺合孔とを含んで構成され、前記第1方向に沿って前記螺合孔に螺合された前記締結部材と前記当接面との間に前記回路基板、及び、前記ケースを挟み込んで固定することを特徴とする。
【0007】
また、上記車両表示装置では、前記ケース、前記締結部材、及び、前記ボス部は、導電性を有する金属材料によって構成され、前記画像表示装置、前記回路基板、及び、前記ケースは、前記ボス部、及び、前記締結部材を介して導通され、当該回路基板を介して接地されるものとすることができる。
【0008】
また、上記車両表示装置では、前記画像表示装置は、前記車両情報に関する画像を表示する表示装置本体と、前記ボス部が設けられ前記表示装置本体に対して着脱可能に設けられるカバーとを含んで構成されるものとすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る車両表示装置は、第1方向に沿って画像表示装置と回路基板とケースとが対向するように配置された状態で、締結部材によってボス部、基板締結孔、ケース締結孔を介して画像表示装置と回路基板とケースとを相互に締結し固定することができる。この場合、車両表示装置は、画像表示装置に設けられた各ボス部の挿入部がそれぞれ第1方向に沿って基板締結孔、及び、ケース締結孔に挿入されることで画像表示装置と回路基板とケースとの相対位置を適正な位置関係で位置決めすることができる。そして、車両表示装置は、当該挿入部の先端に設けられた螺合孔に締結部材が螺合される。この構成により、車両表示装置は、第1方向に沿って、螺合孔に螺合された締結部材と、ボス部の基部に形成された当接面との間に回路基板、及び、ケースを挟み込んで固定することができる。この結果、車両表示装置は、構成部品同士、ここでは、画像表示装置、回路基板、及び、ケース同士を相互に適正に固定することができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
[実施形態]
図1、
図2に示す本実施形態に係る車両表示装置1は、いわゆる車載メータを構成するものであり、例えば、車両のダッシュボードに設けられたインストルメントパネルに搭載され、車両の運転に供される情報として当該車両に関する種々の情報を表示する。
【0013】
なお、
図1等に示す車両表示装置1の第1方向としての奥行き方向Xとは、典型的には、この車両表示装置1が適用される車両の前後方向に相当する。また、車両表示装置1の前面側とは、奥行き方向Xにおいて車両の運転席と対面する側であり、典型的には、当該運転席に座った運転者によって視認される側である。一方、車両表示装置1の背面側とは、奥行き方向Xにおいて前面側とは反対側であり、典型的には、インストルメントパネルの内部に収容される側である。また、車両表示装置1の第2方向としての幅方向Yとは、典型的には、この車両表示装置1が適用される車両の車幅方向に相当する。以下の説明では、車両表示装置1の幅方向Yにおいて、当該車両表示装置1の前面に向かって左側を幅方向Y左側、向かって右側を幅方向Y右側という場合がある。車両表示装置1の第3方向としての高さ方向Zとは、典型的には、この車両表示装置1が適用される車両の高さ方向に相当し、例えば、当該車両が水平面に位置した状態で鉛直方向に沿った方向である。以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、車両表示装置1の各構成が相互に組み付けられ当該車両表示装置1がインストルメントパネルに組み付けられた状態での方向を表す。
【0014】
具体的には、車両表示装置1は、ケース2と、回路基板3と、画像表示装置4と、ランプケース5と、文字板6と、見返し部材7と、透明部材8と、複数の締結部材9とを備え、画像表示装置4に車両情報に関する画像を表示する。車両表示装置1は、奥行き方向Xの背面側から前面側に向かって、ケース2、回路基板3、画像表示装置4及びランプケース5、文字板6、見返し部材7、透明部材8の順で積層された構造となっている。
【0015】
ケース2は、車両表示装置1を構成する種々の部品が組み付けられこれらを収容するものである。ケース2は、奥行き方向Xに沿って画像表示装置4とは反対側で回路基板3と対向して設けられる。言い換えれば、ケース2は、奥行き方向Xに沿って回路基板3を挟んで画像表示装置4とは反対側に設けられる。ケース2は、奥行き方向Xの回路基板3側が凹部となる皿状(トレイ状)に形成され、当該凹部内の内部空間部に回路基板3、画像表示装置4、ランプケース5等が組み付けられこれらを収容する。本実施形態のケース2は、導電性を有する金属材料、例えば、マグネシウム合金によって構成される。この構成により、ケース2は、組み付けられる種々の部品を適正に支持するための十分な強度が確保されると共に、当該種々の部品から発生するノイズを遮断するノイズ対策部品としても機能する。また、ケース2は、種々の部品を固定するための固定部が設けられている。ここでは、ケース2は、当該固定部として、回路基板3、及び、画像表示装置4を締結固定するための複数のケース締結孔2aを有する。複数のケース締結孔2aは、それぞれ奥行き方向Xに沿って貫通して形成される。ここでは、ケース締結孔2aは、合計4つが設けられている。複数のケース締結孔2aは、それぞれ奥行き方向Xに沿って後述する基板締結孔3a、ボス部41と対向する位置に1つずつ形成される。各ケース締結孔2aは、略円形状に形成される。なお、ケース2は、固定部として、当該ケース締結孔2aの他、ランプケース5を締結固定するためのケース締結孔や見返し部材7を係止固定するための係止部等も含んで構成されるがここではその説明を省略する。
【0016】
回路基板3は、画像表示装置4に電気的に接続され当該画像表示装置4を制御するものである。回路基板3は、奥行き方向Xに沿ってケース2、及び、画像表示装置4と対向して設けられる。言い換えれば、回路基板3は、奥行き方向Xに沿ってケース2と画像表示装置4との間に設けられる。回路基板3は、ケース2の凹部内の内部空間部に収容可能な形状、大きさの略矩形板状に形成される。回路基板3は、車両表示装置1における各種機能を実現するための種々の電子部品が実装される。回路基板3は、種々の電子部品が実装されこれらを電気的に接続する電子回路を構成するものであり、ここではいわゆるプリント回路基板(Printed Circuit Board)である。回路基板3は、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、紙エポキシ樹脂やセラミック等の絶縁性の材料からなる絶縁層に銅等の導電性の材料によって配線パターン(プリントパターン)が印刷されることで種々の回路が構成される。そして、回路基板3は、電子部品等がハンダ付け等によって当該配線パターンに電気的に接続されることで当該電子部品が実装される。回路基板3は、例えば、奥行き方向Xの背面側、すなわち、ケース2側の実装面にコネクタ31、32、33等が実装されている。コネクタ31、32は、ケース2に形成された開口2b、2c等を介してケース2の外部に露出する。コネクタ31、32は、電線等の配索材の端末に設けられたコネクタが嵌合されることで、回路基板3と当該配索材とを電気的に接続する。コネクタ33は、後述の配索材44の端末の端子が嵌合されることで、回路基板3と画像表示装置4とを電気的に接続する。また、回路基板3は、例えば、奥行き方向Xの前面側、すなわち、画像表示装置4、ランプケース5側の実装面に複数の光源34等が実装されている。光源34は、各種の警告灯(ウォーニングランプ、いわゆるテルテール)等を発光表示するための光源である。光源34は、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子等によって構成されるがこれに限らない。そして、回路基板3は、ケース2に締結固定するための複数の基板締結孔3aを有する。複数の基板締結孔3aは、それぞれ奥行き方向Xに沿って貫通して形成される。ここでは、基板締結孔3aは、ケース締結孔2aと同様に合計4つが設けられている。複数の基板締結孔3aは、それぞれ奥行き方向Xに沿って上述したケース締結孔2a、後述するボス部41と対向する位置に1つずつ形成される。各基板締結孔3aは、各ケース締結孔2aとほぼ同径の略円形状に形成される。
【0017】
画像表示装置4は、車両情報に関する画像を表示するものである。画像表示装置4は、奥行き方向Xに沿ってケース2とは反対側で回路基板3と対向して設けられる。言い換えれば、画像表示装置4は、奥行き方向Xに沿って回路基板3を挟んでケース2とは反対側に設けられる。画像表示装置4は、ケース2に締結固定するための複数のボス部41を有する。本実施形態の画像表示装置4は、表示装置本体42と、カバー43とを含んで構成され、カバー43にボス部41が設けられる。
【0018】
表示装置本体42は、画像表示装置4において画像を表示するための機能を有する主たる部分である。表示装置本体42は、略矩形板状に形成され、奥行き方向Xの前面側、すなわち、文字板6側に画像表示面42aを有する。画像表示面42aは、奥行き方向Xの前面側を向き、文字板6等を介して奥行き方向Xの前面側、すなわち、目視位置側に露出する。表示装置本体42は、当該画像表示面42aに車両情報に関する画像を表示する。表示装置本体42は、例えば、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を用いた液晶ディスプレイを用いることができる。表示装置本体42は、これに限らず、薄型のプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等を用いることもできる。画像表示面42aに表示される車両情報に関する画像としては、例えば、車両の速度、走行用動力源の出力回転数、積算走行距離、冷却水温、燃料残量、バッテリ蓄電量、ナビゲーション情報、地図情報、交差点情報、エコ走行等に関する情報、各種の警告灯(ウォーニングランプ、いわゆるテルテール)、シフトポジションインジケータ、方向指示記号等、車両の運転に際して時々刻々と変化する様々な運転に関する運転情報の画像が含まれてもよい。表示装置本体42は、配索材44を介して回路基板3に電気的に接続され当該回路基板3によって駆動制御され、画像表示面42aに種々の画像を表示する。
【0019】
カバー43は、表示装置本体42に対して着脱可能に設けられるものである。カバー43は、表示装置本体42の奥行き方向Xの背面側、すなわち、画像表示面42aとは反対側の面に装着される。つまり、カバー43は、表示装置本体42において奥行き方向Xの回路基板3側で当該回路基板3と対向する面に装着され、奥行き方向Xに対して回路基板3と表示装置本体42との間に介在する。そして、カバー43は、複数のボス部41を有しており、当該ボス部41を介してケース2に締結固定されることで、当該ケース2に表示装置本体42を保持するホルダとして機能する。ボス部41を含めカバー43は、導電性を有する金属材料によって構成される。具体的には、カバー43は、板状部43aと、枠状保持部43bとを有する(
図3も参照)。板状部43aは、奥行き方向Xが板厚方向となる略矩形板状に形成される。板状部43aは、幅方向Y、及び、高さ方向Zに延在し、表示装置本体42の奥行き方向Xの背面側の面の大部分を覆う大きさに形成される。板状部43aは、一部に切り欠き部や凹凸部が設けられている。枠状保持部43bは、板状部43aの各辺(4辺)の一部が奥行き方向Xの前面側に向けて略直角に屈曲するようにして形成されバネ支持部を構成する。幅方向Yに沿って対向する一対の枠状保持部43bは、幅方向Yに沿って表示装置本体42を挟み込んで当該表示装置本体42を支持する。高さ方向Zに沿って対向する一対の枠状保持部43bは、高さ方向Zに沿って表示装置本体42を挟み込んで当該表示装置本体42を支持する。カバー43は、板状部43aと各枠状保持部43bとによって区画された空間部内に表示装置本体42を保持し、幅方向Y、高さ方向Zに沿った4方から各枠状保持部43bによって当該表示装置本体42を支持する位置関係で当該表示装置本体42に装着される。そして、カバー43は、板状部43aに複数のボス部41が設けられる。ボス部41は、後述する締結部材9が螺合されることで、画像表示装置4を回路基板3と共にケース2に締結固定するための部分である。複数のボス部41は、それぞれカバー43の板状部43aの奥行き方向Xの背面側の面、すなわち、奥行き方向Xの回路基板3と対向する側の面から奥行き方向Xに沿って柱状に突出して形成される。ここでは、ボス部41は、ケース締結孔2a、基板締結孔3aと同様に合計4つが設けられている。複数のボス部41は、それぞれ奥行き方向Xに沿ってケース締結孔2a、基板締結孔3aと対向する位置に1つずつ設けられる。画像表示装置4は、ケース2の凹部内の内部空間部に収容され、当該各ボス部41、及び、締結部材9を介してケース2に締結固定される。この状態で、画像表示装置4は、カバー43がケース2に締結固定され、当該カバー43に表示装置本体42が保持される。なお、当該ボス部41の構成については、
図3、
図4等を参照して後で詳細に説明する。
【0020】
ランプケース5は、回路基板3の奥行き方向Xの前面側に実装された複数の光源34をそれぞれ収容するものである。ランプケース5は、奥行き方向Xに沿ってケース2とは反対側で回路基板3と対向して設けられる。ここでは、ランプケース5は、画像表示装置4の幅方向Yの両側に隣接してそれぞれ1つずつ、合計2つが設けられる。各ランプケース5は、奥行き方向Xの両側に開口した複数のキャビティ5aを有し、当該各キャビティ5aにそれぞれ光源34を収容する。ランプケース5は、絶縁性を有する樹脂材料等によって構成される。各ランプケース5は、ケース2の凹部内の内部空間部に収容され、ボルト等の締結部材を介してケース2に締結固定される。
【0021】
文字板6は、車両表示装置1で表示する情報に応じた種々の記号、文字、目盛、装飾等の図柄が描かれた板状の部材である(なおここでは、簡略化のため当該図柄の図示を省略している。)。文字板6は、奥行き方向Xに沿って回路基板3とは反対側で画像表示装置4、ランプケース5と対向して設けられる。言い換えれば、文字板6は、画像表示装置4、ランプケース5の奥行き方向Xの前面側で当該画像表示装置4、ランプケース5と対向して設けられる。文字板6は、例えば、透明生地のポリカーボネイト製シートであり、暗色系のインクによって、上記図柄に対応した形状が中抜きされた印刷が施されることで、当該図柄が描かれている。文字板6は、例えば、上述した光源34によって発光表示される各種の警告灯(ウォーニングランプ、いわゆるテルテール)等に関する図柄等が描かれた部分において当該光源34から照射された光が透過されることで、当該図柄が点灯表示される。また、文字板6は、光を透過する透明部分、あるいは、開口部分を介して表示装置本体42の画像表示面42aを奥行き方向Xの前面側、すなわち、目視位置側に露出させる。文字板6は、奥行き方向Xに対して、ケース2と見返し部材7との間に介在し挟持されて設けられる。
【0022】
見返し部材7は、文字板6の周囲を囲うと共にケース2との間に文字板6を保持する部分である。見返し部材7は、奥行き方向Xに沿って画像表示装置4、ランプケース5とは反対側で文字板6と対向して設けられる。言い換えれば、見返し部材7は、文字板6の奥行き方向Xの前面側で当該文字板6と対向して設けられる。見返し部材7は、絶縁性を有する樹脂材料等によって構成される。見返し部材7は、ケース2の係止部に係止固定され、奥行き方向Xに対してケース2との間に当該文字板6を挟持して保持し、文字板6において図柄が描かれている部分や画像表示面42aを奥行き方向Xの前面側、すなわち、目視位置側に露出させる。
【0023】
透明部材8は、光を透過する光透過性を有する保護部材であり、見返し部材7の奥行き方向Xの前面側に組み付けられる。透明部材8は、見返し部材7に対して係止部を介して係止固定される。透明部材8は、画像表示面42aや文字板6の奥行き方向Xの前面側、すなわち、目視位置側を覆い、これを保護する。
【0024】
複数の締結部材9は、各ケース締結孔2a、各基板締結孔3a、及び、各ボス部41を介してケース2と回路基板3と画像表示装置4とを相互に締結し固定するものである。締結部材9は、典型的には、各ボス部41にそれぞれ螺合可能な締結ボルトである。締結部材9は、軸部9aと、頭部9bとを含んで構成される。軸部9aは、略円柱状に形成され外周面に螺合溝が形成される。頭部9bは、工具等によって締結トルクが付加される部分であり、軸部9aより大径に形成される。締結部材9は、軸部9a、及び、頭部9bが導電性を有する金属材料によって一体で形成される。なお、画像表示装置4は、締結部材9の他にも各部を相互に締結し固定する締結部材を備えているがここではその説明を省略する。
【0025】
そして、上記で説明した本実施形態の車両表示装置1は、
図2、
図3、
図4に示すように、ケース2と回路基板3と画像表示装置4との固定構造において、各ボス部41が基部41aと、挿入部41bと、螺合孔41cとを含んで構成されるものである。この構成により、本実施形態の車両表示装置1は、画像表示装置4、回路基板3、及び、ケース2同士を相互に適正に固定することができる構成を実現している。各ボス部41は、基部41a、挿入部41b、及び、螺合孔41cが導電性を有する金属材料によって一体で形成される。なお、複数のボス部41は、相互にほぼ同様の構成であるので、以下では、特に断りのない限り、複数のボス部41を共通で説明する。
【0026】
具体的には、基部41aは、カバー43の板状部43aの奥行き方向Xの背面側の面、すなわち、奥行き方向Xの回路基板3と対向する側の面から奥行き方向Xに沿って回路基板3側に向けて突出して柱状に形成される。本実施形態の基部41aは、中心軸線が奥行き方向Xに沿い、かつ、ケース締結孔2a、及び、基板締結孔3aより大径の略円柱状に形成される。この構成により、基部41aは、ケース締結孔2a、及び、基板締結孔3aより大径の略円柱状に形成されることによって、奥行き方向Xに沿って基板締結孔3a、及び、ケース締結孔2aに挿入不能に構成される。そして、基部41aは、奥行き方向Xの先端41d、すなわち、回路基板3側の端(板状部43aとは反対側の端)に回路基板3が当接可能である当接面41eが形成される。当接面41eは、基部41aの奥行き方向Xの背面側、すなわち、回路基板3側の先端面によって構成される。
【0027】
挿入部41bは、基部41aの奥行き方向Xの先端41dから奥行き方向Xに沿って回路基板3側に向けて突出して柱状に形成される。本実施形態の挿入部41bは、中心軸線が奥行き方向Xに沿った略円柱状に形成される。挿入部41bは、中心軸線が基部41aの中心軸線と一致し、かつ、基部41a、ケース締結孔2a、及び、基板締結孔3aより小径の略円柱状に形成される。ボス部41は、挿入部41bの中心軸線が基部41aの中心軸線と一致し、かつ、基部41aより小径に形成されることによって、基部41aの先端41dに段付き部が形成され、当該段付き部が基部41aの先端面、すなわち、当接面41eを構成する。また、挿入部41bは、ケース締結孔2a、及び、基板締結孔3aより小径の略円柱状に形成されることによって、奥行き方向Xに沿って基板締結孔3a、及び、ケース締結孔2aに挿入可能に構成される。
【0028】
螺合孔41cは、挿入部41bの奥行き方向Xの先端41f、すなわち、回路基板3側の端(基部41aとは反対側の端)から奥行き方向Xに沿って基部41a側に向かって形成される。螺合孔41cは、内周面に締結部材9が螺合可能な螺合溝が形成される。螺合孔41cは、奥行き方向Xに沿って挿入部41bの先端41fから基部41aに渡って延在して形成される。言い換えれば、基部41a、挿入部41bは、当該螺合孔41cが形成されることで全体として略円筒状に形成されるということもできる。
【0029】
各ボス部41は、カバー43とは別体に形成された後、基部41a側がカバー43の板状部43aに奥行き方向Xの前面側から加締められることによって当該板状部43aと一体化される。なお、各ボス部41は、これに限らず、基部41a、挿入部41b、及び、螺合孔41cがカバー43と共に導電性を有する金属材料によって一体で形成されてもよい。
【0030】
上記のように構成される各ボス部41は、カバー43が表示装置本体42に装着された状態で、各挿入部41bが各板締結孔3a、各ケース締結孔2aに順に挿入される。各ボス部41は、挿入部41bがそれぞれ奥行き方向Xに沿って基板締結孔3a、及び、ケース締結孔2aに挿入された状態となることで、画像表示装置4と回路基板3とケース2との相対位置を適正な位置関係で位置決めすることができる。そして、各ボス部41は、螺合孔41cに対してケース2の奥行き方向Xの背面側から締結部材9の軸部9aが奥行き方向Xに沿って螺合される。この構成により、各ボス部41は、奥行き方向Xに沿って螺合孔41cに螺合された締結部材9の頭部9bと当接面41eとの間に回路基板3、及び、ケース2を挟み込んで固定することができる。つまり、車両表示装置1は、締結部材9とボス部41とによって画像表示装置4と回路基板3とケース2とを共締めすることができる。
【0031】
なお、複数設けられるケース締結孔2a、及び、基板締結孔3aは、それぞれ少なくとも1つが挿入部41bの外径よりやや大きい内径で形成され、残りが種々の公差を許容できるように、幅方向Y又は高さ方向Zのいずれかに沿った長孔や挿入部41bの外径より十分に大きい内径で形成されてもよい。
【0032】
また、ケース2、締結部材9、及び、ボス部41は、上述したように、導電性を有する金属材料によって構成されている。そしてここでは、画像表示装置4、回路基板3、及び、ケース2は、ボス部41、及び、締結部材9を介して導通され、当該回路基板3を介して接地される。本実施形態の車両表示装置1は、
図4に矢印で例示するように、表示装置本体42がカバー43、ボス部41、締結部材9、ケース2を介して回路基板3における奥行き方向Xの背面側、すなわち、ケース2側の実装面の配線パターン(レジスト剥離部分)に導通される。そして、車両表示装置1は、回路基板3の配線パターン、コネクタ31、配索材等を介して車両のボディにて接地される。
【0033】
以上で説明した車両表示装置1は、奥行き方向Xに沿って画像表示装置4と回路基板3とケース2とが対向するように配置された状態で、締結部材9によってボス部41、基板締結孔3a、ケース締結孔2aを介して画像表示装置4と回路基板3とケース2とを相互に締結し固定することができる。この場合、車両表示装置1は、画像表示装置4に設けられた各ボス部41の挿入部41bがそれぞれ奥行き方向Xに沿って基板締結孔3a、及び、ケース締結孔2aに挿入されることで画像表示装置4と回路基板3とケース2との相対位置を適正な位置関係で位置決めすることができる。そして、車両表示装置1は、当該挿入部41bの先端41fに設けられた螺合孔41cに締結部材9が螺合される。この構成により、車両表示装置1は、奥行き方向Xに沿って、螺合孔41cに螺合された締結部材9と、ボス部41の基部41aに形成された当接面41eとの間に回路基板3、及び、ケース2を挟み込んで固定することができる。つまり、車両表示装置1は、画像表示装置4に設けられたボス部41を、画像表示装置4と回路基板3とケース2とを相互に位置決めする位置決め部、及び、画像表示装置4と回路基板3とケース2とを相互に固定する固定部として兼用することができる。そして、車両表示装置1は、ケース締結孔2a、基板締結孔3aを上記位置決め部用と上記固定部用とで共通とすることができる。この構成により、車両表示装置1は、例えば、上記位置決め部と上記固定部とを別個に設ける場合と比較して、省スペース化、小型化を実現することができ、例えば、回路基板3におけるデッドスペースを低減し、配線パターンをより高密度化することができる。この結果、車両表示装置1は、構成部品同士、ここでは、画像表示装置4、回路基板3、及び、ケース2同士を相互に適正に固定することができる。
【0034】
さらに、以上で説明した車両表示装置1は、画像表示装置4、回路基板3、及び、ケース2がボス部41、及び、締結部材9を介して導通され、当該回路基板3を介して接地される。この構成により、車両表示装置1は、相対的に短く効率的な経路で画像表示装置4、回路基板3、ケース2を接地することができるので、この点でも省スペース化、小型化を実現することができ、例えば、回路基板3における配線パターンをより高密度化することができる。
【0035】
さらに、以上で説明した車両表示装置1は、画像表示装置4が表示装置本体42と、ボス部41が設けられるカバー43とを含んで構成される。この構成により、車両表示装置1は、表示装置本体42に対してカバー43を装着することで、表示装置本体42に対して容易にボス部41を組み付けることができる。この結果、車両表示装置1は、例えば、表示装置本体42として汎用品を用いた場合であってもボス部41の位置や数を調整し易い構成とすることができる。これにより、車両表示装置1は、例えば、汎用性を向上することができ、製造コストを抑制することができる。
【0036】
なお、上述した本発明の実施形態に係る車両表示装置は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0037】
以上で説明した表示装置本体42と回路基板3とを接続する配索材44は、例えば、電線、金属棒、バスバ、平面回路体(例えば、FPC(Flexible Printed Circuits)やFFC(Flexible Flat Cable)等)等を用いることができる。ここでは、配索材44は、例えば、表示装置本体42、及び、回路基板3に対して着脱可能に組み付けられるFPCが用いられる。この場合、配索材44は、例えば、両端部に複数の端子が配列される。そして、配索材44は、一方の端部が表示装置本体42側のコネクタ42bに嵌合され、他方の端部が回路基板3のコネクタ33に嵌合される。この構成により、配索材44は、表示装置本体42と回路基板3とを電気的に接続することができる。またこの場合、配索材44は、中間の回路構成を適宜調整することで、一方の端部における端子配列と他方の端部における端子配列とを相互に異ならせることも可能である。このことを利用して、配索材44は、例えば、コネクタ42bにおける端子配列、及び、コネクタ33における端子配列の双方を、それぞれ表示装置本体42、回路基板3の要求にあわせた好適な配列にすることもできる。そしてこの場合、配索材44は、例えば、一方の端子配列において、回路を構成しないダミーの端子を設け、一方の端部における端子数(配極数)と他方の端部における端子数(配極数)とを異ならせておくことで、誤組み付けを防止する構造を実現することもできる。この場合、配索材44は、例えば、端子数が相対的に多い側の端部を、本来、端子数が相対的に少ない側の端部と嵌合すべきコネクタに挿入しようとした場合、上記ダミーの端子により当該コネクタへの挿入が阻止される。この結果、配索材44は、誤組み付けを防止することができ、適正な接続関係で表示装置本体42と回路基板3とを接続することができる。
【0038】
以上で説明したケース2、締結部材9、及び、ボス部41を含むカバー43は、導電性を有する金属材料によって構成されるものとして説明したがこれに限らず、絶縁性を有する樹脂材料等によって構成されてもよい。この場合、画像表示装置は、上記とは異なる経路を介して接地されればよい。
【0039】
以上で説明した回路基板3は、プリント回路基板であるものとして説明したがこれに限らず、例えば、絶縁性の樹脂材の内部に導電性の金属材のバスバが内蔵され当該バスバによって種々の回路が構成されたインサートバスバ基板等であってもよい。
【0040】
以上で説明した画像表示装置4は、表示装置本体42と、カバー43とを含んで構成され、カバー43にボス部41が設けられるものとして説明したがこれに限らず、カバー43を備えず、ボス部41が表示装置本体42に直接的に設けられていてもよい。
【0041】
以上で説明した挿入部41bは、中心軸線が基部41aの中心軸線と一致しているものとして説明したがこれに限らず偏心していてもよい。また、挿入部41bは、先端部が曲面状等の誘い形状を有していてもよい。