特許第6563967号(P6563967)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECプラットフォームズ株式会社の特許一覧

特許6563967無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法
<>
  • 特許6563967-無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法 図000002
  • 特許6563967-無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法 図000003
  • 特許6563967-無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法 図000004
  • 特許6563967-無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法 図000005
  • 特許6563967-無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法 図000006
  • 特許6563967-無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法 図000007
  • 特許6563967-無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法 図000008
  • 特許6563967-無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法 図000009
  • 特許6563967-無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法 図000010
  • 特許6563967-無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法 図000011
  • 特許6563967-無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法 図000012
  • 特許6563967-無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563967
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04H 20/61 20080101AFI20190808BHJP
   H04W 4/06 20090101ALI20190808BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20190808BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20190808BHJP
   H04B 1/16 20060101ALI20190808BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20190808BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20190808BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   H04H20/61
   H04W4/06 170
   H04W84/10 110
   H04W76/10
   H04B1/16 Z
   H04B1/04 Z
   H04N21/436
   H04B5/02
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-25590(P2017-25590)
(22)【出願日】2017年2月15日
(65)【公開番号】特開2018-133678(P2018-133678A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2018年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】辻村 誠司
【審査官】 鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−010001(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/144798(WO,A1)
【文献】 特開2009−070173(JP,A)
【文献】 特開2006−140981(JP,A)
【文献】 特開2003−319468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04H 20/61
H04B 1/04
H04B 1/16
H04B 5/02
H04N 21/436
H04W 4/06
H04W 76/10
H04W 84/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微弱無線を送信する微弱無線送信装置と、
前記微弱無線を受信する利用者が携帯可能な携帯型微弱無線受信装置とを有し、
前記微弱無線送信装置は、
所定周波数のチャネルで微弱無線信号を送信する微弱無線信号送信手段と、
前記チャネルに関するチャネル情報を送信するチャネル情報送信手段とを有し、
前記携帯型微弱無線受信装置は、
前記チャネル情報を受信するチャネル情報受信手段と、
前記チャネル情報に基づいて受信チャネルを設定して前記微弱無線信号を受信する微弱無線信号受信手段と、
前記受信チャネルで受信した前記微弱無線信号に基づいて前記利用者が視聴可能な視聴信号を生成する視聴信号生成手段とを有す
無線視聴システムを有する視聴システム付き施設であって、
前記微弱無線送信装置を所定の空間内に複数設置し、
複数の前記微弱無線送信装置の中で、装置間の距離が短い前記微弱無線送信装置のペアには所定範囲内で周波数の差が大きい前記微弱無線の周波数を割り当てている
ことを特徴とする視聴システム付き施設。
【請求項2】
前記微弱無線信号受信手段が、
前記チャネル情報受信手段が前記チャネル情報を受信したことを契機として前記受信チャネルの設定を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の視聴システム付き施設
【請求項3】
前記チャネル情報送信手段が、
前記微弱無線に影響を与えない伝送波で前記チャネル情報を送信する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の視聴システム付き施設
【請求項4】
前記伝送波が赤外線または超音波である
ことを特徴とする請求項3に記載の視聴システム付き施設
【請求項5】
前記携帯型微弱無線受信装置が、
前記微弱無線送信装置に対し前記チャネル情報の送信を要求するチャネル情報要求信号を送信するチャネル情報要求信号送信手段を有し、
前記微弱無線送信装置が、
前記チャネル情報要求信号を受信するチャネル情報要求信号受信手段を有し、
前記チャネル情報要求信号の受信を契機として前記チャネル情報を送信する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか一項に記載の視聴システム付き施設
【請求項6】
前記チャネル情報要求信号が可視光または超音波である
ことを特徴とする請求項5に記載の視聴システム付き施設
【請求項7】
微弱無線を送信する微弱無線送信装置と、
前記微弱無線を受信する利用者が携帯可能な携帯型微弱無線受信装置とを有し、
前記微弱無線送信装置は、
所定周波数のチャネルで微弱無線信号を送信する微弱無線信号送信手段と、
前記チャネルに関するチャネル情報を送信するチャネル情報送信手段とを有し、
前記携帯型微弱無線受信装置は、
前記チャネル情報を受信するチャネル情報受信手段と、
前記チャネル情報に基づいて受信チャネルを設定して前記微弱無線信号を受信する微弱無線信号受信手段と、
前記受信チャネルで受信した前記微弱無線信号に基づいて前記利用者が視聴可能な視聴信号を生成する視聴信号生成手段とを有する
無線視聴システム
を有する視聴システム付き施設の制御方法であって、
前記微弱無線送信装置を所定の空間内に複数設置し、
複数の前記微弱無線送信装置の中で、装置間の距離が短い前記微弱無線送信装置のペアには所定範囲内で周波数の差が大きい前記微弱無線の周波数を割り当てる
ことを特徴とする視聴システム付き施設の制御方法
【請求項8】
前記携帯型微弱無線受信装置が、
前記微弱無線送信装置に対し前記チャネル情報の送信を要求するチャネル情報要求信号を送信し、
前記微弱無線送信装置が、
前記チャネル情報要求信号を受信し、
前記チャネル情報要求信号の受信を契機として前記チャネル情報を送信する
ことを特徴とする請求項7に記載の視聴システム付き施設の制御方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線視聴システムおよび無線視聴システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機や鉄道などの旅客移動体では、客席ごとにカスタマイズされた映画や音楽の視聴サービス等が提供されている。また、遊技場(パチンコ店、ゲームセンターなど)やテーマパーク、動物園、美術館などでは、それぞれの遊技機や展示物に関する、音楽、音声、情報などを提供するサービスが提供されている。これらのサービスを有線で提供すると、ケーブルの増加や接続の煩わしさ等がある。このため、多くの場合、ケーブルが不要な無線を用いてサービスが提供されている。この時、通常のインターネットプロトコルを用いれば、様々なサービスの提供が可能であるものの、操作のたびに双方向通信の手順を踏む煩わしさがある。このため、簡易な操作で、カスタマイズされたサービスを受けられるシステムが求められている。さらに、利用者ごとに必要なサービスが異なるため、サービスを提供する信号に混信が発生しないようにする必要がある。
【0003】
このような要望に応える技術が、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1には、航空機等の座席に設置された座席端末から、利用者が装着するヘッドフォンに向けて赤外線で音声データを伝送する無線視聴システムの技術が記載されている。ここで、赤外線の伝送ビームを所望の開口角と適度な強度に設定することにより、座席間で混信することなくリクエストした乗客のヘッドフォンに音声データを伝送することができる。なお、特許文献1には、電波を用いて同じサービスを提供することも可能であるが、この場合、反射や回り込みによる隣座席への混信を防止する工夫が必要となるとの記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−253943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の赤外線伝送を用いた技術を利用した場合、赤外線を受信可能な場所に端末を配置しなければならないという問題がある。航空機のように、無線を受信する端末の位置がほぼ固定している場合は良いが、他の利用シーンでは、利用者が端末を保持する位置が一定ではなかったり、利用者自身がある範囲で動いたりするケースが多くある。このような場合、端末の位置が赤外線ビームの照射範囲から容易に外れてしまい、サービスの提供が受けらずれなくなるという問題が発生する。他方、信号の伝送に電波を用いれば、この問題は解決するが、特許文献1に記載されている通り、電波を用いる場合には混信を防止する工夫が別途必要になる。しかしながら、特許文献1には、どのような工夫をすれば良いかについては、説明が記載されていない。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な仕組みで、混信を発生させることなくサービスを提供できる無線視聴システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、無線視聴システムは、微弱無線送信装置と、携帯型微弱無線受信装置とを有している。そして、微弱無線送信装置は、微弱無線信号送信手段と、チャネル情報送信手段とを有している。携帯型微弱無線受信装置は、チャネル情報受信手段と、微弱無線信号受信手段と、視聴信号生成手段とを有している。微弱無線信号送信手段は受信側で視聴信号を生成する元となる微弱無線信号を送信する。チャネル情報受信手段は、例えば、微弱無線の送信周波数や当該周波数に紐づくチャネル番号などを含むチャネル情報を送信する。微弱無線受信手段は、受信したチャネル情報に基づいて、受信チャネルを調整し、微弱無線信号を受信する。視聴信号生成手段は、受信した微弱無線信号に基づいて利用者が視聴可能な視聴信号を生成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の効果は、簡単な仕組みで、混信を発生させることなくサービスを提供できる無線視聴システムを提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態の無線視聴システムを示すブロック図である。
図2】第2の実施形態の無線視聴システムの一例を示すブロック図である。
図3】第2の実施形態の無線視聴システムの別の例を示すブロック図である。
図4】第2の実施形態の無線視聴システムのさらに別の例を示すブロック図である。
図5】第3の実施形態の無線視聴システムを示すブロック図である。
図6】第3の実施形態の無線視聴システムの具体例を示すブロック図である。
図7】第3の実施形態の無線視聴システムの動作を示すシーケンス図である。
図8】第4の実施形態の微弱無線送信装置の具体例を示すブロック図である。
図9】第4の実施形態の携帯型微弱無線受信装置の具体例を示すブロック図である。
図10】第5の実施形態の微弱無線送信装置の具体例を示すブロック図である。
図11】第5の実施形態の携帯型微弱無線受信装置の具体例を示すブロック図である。
図12】第5の実施形態の無線視聴システムの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の無線視聴システムを示すブロック図である。無線視聴システムは、微弱無線送信装置100と、携帯型微弱無線受信装置200とを有している。そして、微弱無線送信装置100は、微弱無線信号送信手段110と、チャネル情報送信手段120とを有している。携帯型微弱無線受信装置200は、チャネル情報受信手段210と、微弱無線信号受信手段220と、視聴信号生成手段230とを有している。
【0012】
微弱無線信号送信手段110は受信側で視聴信号を生成する元となる微弱無線信号を送信する。微弱無線信号送信手段110は、電波法第4条第1号に規定された「発射する電波が著しく微弱な無線局」に属するものであり、電波法第4条第3号に規定された「小規模無線局」は含まないものとする。このような小規模無線局には、2.4−5.6GHz帯の電波を用いた無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)がある。上記の小規模無線局を限られたスペースで複数稼働させると、混信が発生しやすいためである。一方、上記の発射する電波が著しく微弱な無線局を用いた場合は、同様の状況でも混信が生じにくい。
【0013】
チャネル情報受信手段210は、微弱無線送信装置100が送信する微弱無線のチャネル情報を送信する。チャネル情報は、例えば、微弱無線を送信する電波の周波数と、当該周波数に割り当てられたチャネル番号などを含む。微弱無線信号受信手段220は、受信したチャネル情報に基づいて、受信チャネルを調整し、微弱無線信号を受信する。視聴信号生成手段230は、受信した微弱無線信号に基づいて利用者が視聴可能な視聴信号を生成する。
【0014】
微弱無線の到達範囲は、以上の構成とすることにより、本実施形態によれば、混信の影響を受けることなく、所望の無線チャネルで送信された無線信号を視聴することができる。
【0015】
(第2の実施形態)
図2は第2の実施形態の無線視聴システムを示すブロック図である。本実施形態は第1の実施形態の構成における、チャネル情報送信手段120およびチャネル情報受信手段210の具体例を示すものである。図2の例では、チャネル情報を赤外線で伝送する。そのために、チャネル情報送信手段120は、赤外線信号送信部121を有し、チャネル情報受信手段210は、赤外線信号受信部211を有している。
【0016】
赤外線は電波と干渉しないため、視聴のための微弱無線信号に影響を与えることなくチャネル情報を伝送することができる。
【0017】
微弱無線信号に影響を与えない伝送波としては、赤外線の他に例えば超音波がある。図3は、超音波をチャネル情報伝送に用いる無線視聴システムの例を示すブロック図である。チャネル情報送信手段120は、超音波信号送信部122を有し、チャネル情報受信手段210は、超音波信号受光部212を有している。その他の構成は図2の例と同様である。この他、可視光を用いて、微弱無線信号に影響を与えることなくチャネル情報を送信することも可能である。ただし、可視光を用いる場合は、通信可能範囲が、微弱無線送信装置100から見た視界に限られるという制約がある。
【0018】
チャネル情報の送受信の際に、誤り検出を行うこともできる。誤り検出により、誤ったチャネル設定を防ぐことができる。図4はこの機能を備えた無線視聴システムを示すブロック図である。チャネル情報送信手段120は、チャネル情報に誤り検出符号を設定する誤り検出符号設定部123を有している。そして、チャネル情報受信手段210は、誤り検出符号をチェックして誤りを検出する、誤り検出符号チェック部213を有している。
【0019】
以上説明したように、本実施形態によれば、視聴する無線信号に影響を与えることなくチャネル情報を送受信できる。また、誤り検出により、チャネル設定の信頼性を高めることができる。その結果、混信が発生する確率を低下することができる。
【0020】
(第3の実施形態)
端末がチャネルを設定するためのチャネル情報は、微弱無線送信装置100から自主的に送信されるのではなく、外部からのリクエストによって送信を開始するようにしても良い。図5は、この機能を持つ無線視聴システムを示すブロック図である。微弱無線送信装置100は、チャネル情報要求信号受信手段130を有している。また携帯型微弱無線受信装置200は、チャネル情報要求信号送信手段240を有している。チャネル情報要求信号送信手段240がチャネル情報要求信号を送信すると、チャネル情報要求信号受信手段130がチャネル情報要求信号を受信する。この受信を契機として、チャネル情報送信手段120はチャネル情報の送信を開始する。送信する期間は、例えば、時間の長さで定義したり、繰り返し回数で定義したりすることができる。
【0021】
図6はチャネル情報要求信号を可視光で伝送する無線視聴システムの一例を示すブロック図である。チャネル情報要求信号送信手段240は、可視光信号送信部241を有し、チャネル情報要求信号受信手段130は、可視光信号受信部131を有している。他の構成は第2の実施形態の図2の例と同様である。
【0022】
次に上記の例の動作について説明する。図7は、無線視聴システムの動作を示すシーケンス図である。まず、携帯型微弱無線受信装置200が可視光信号でチャネル情報要求信号を送信する(S1)。微弱無線送信装置100は、チャネル情報要求信号を受信すると、チャネル情報を赤外線で送信する(S2)。上述したように、チャネル情報の送信は、所定時間、もしくは所定回数繰り返しても良い。携帯型微弱無線受信装置200は、受信したチャネル情報に基づいて、当該チャネルの無線が受信できるように受信チャネルを設定する(S3)。微弱無線送信装置100は、所定期間チャネル情報を送信すると微弱無線信号を電波で送信する(S4)。ここで、微弱無線送信装置が、チャネル情報の送受信と関係なく、微弱無線の送信を連続して行う仕様としても問題ないが、要求のあった時だけ送信する方が電力を節約できる。携帯型微弱無線受信装置200は、微弱無線信号を受信すると、増幅やノイズ除去などの処理を行って視聴信号を生成する(S5)。なお、携帯型微弱無線受信装置200は、受信チャネルの設定が完了した時点でチャネル設定完了通知を送信し、この通知を契機として微弱無線送信装置100が微弱無線信号の送信を開始する仕様としても良い(S6)。
【0023】
以上説明したように、本実施形態によれば、微弱無線信号に影響を与えない可視光でチャネル情報要求信号を送信し、赤外線でチャネル情報を送信しているため、3つの信号が干渉することなく、微弱無線を視聴できる状態を構成することができる。なお、上記の説明とは逆に、赤外線でチャネル情報要求信号を送信し、可視光でチャネル情報を送信することも可能である。あるいは、いずれかの伝送に超音波を用いても良い。
【0024】
(第4の実施形態)
本実施形態では、装置の具体的な構成例について説明する。図8は微弱無線送信装置1000の一具体例を示すブロック図である。微弱無線送信装置1000は、MCU1100と、FMトランスミッター1200と、アンテナ1300と、可視光受光部1400と、赤外線LED1500と、オーディオミキサー1600とを有している。また、マイク入力端子1610と、外部入力端子1_1620と、外部入力端子2_1630とを有している。
【0025】
MCU(Micro Controller Unit)1100は、一つの集積回路にコンピュータシステムをまとめた、マイクロプロセッサであり、微弱無線送信装置1000の制御を行う。そのために、MCU1100は、プロセッサと、メモリ、入出力回路などを備えている。
【0026】
FM(Frequency Modulation)トランスミッター1200は、MCU1100の制御により、オーディオミキサー1600から入力された信号を微弱無線信号に変換する。変換された信号はアンテナ1300から送信される。FMトランスミッター1200は、周波数設定部1210を備え、MCU1100から送信されるチャネル設定信号によって、送信周波数が制御される。微弱無線信号の周波数は例えば、76−90MHzとすることができる。微弱無線送信装置1000を複数台限られたスペースで使用する場合は、それぞれの送信周波数が異なるように設定して混信を防ぐことができる。周波数設定の刻みは、例えば0.1MHzとすることができる。
【0027】
可視光受光部1400は、携帯型微弱無線受信装置2000からチャネル情報要求信号として送信された可視光信号を受光し電気信号に変換する。この電気信号によりMCU1100はチャネル情報要求信号の受信を検知し、チャネル情報送信処理を行う。
【0028】
赤外線LED(Light Emitting Diode)1500は、MCU1100の制御によって点滅し、レンズ1510を介して赤外線を放射する。赤外線LED1500の点滅によってチャネル情報が赤外線信号に変換され、携帯型微弱無線受信装置2000に向けて送信される。
【0029】
オーディオミキサー1600は、マイク入力端子1610、外部入力端子1_1620、外部入力端子2_1630から入力された音響信号をミキシングし、音響信号をFMトランスミッター1200に出力する。FMトランスミッター1200は、音響信号を微弱無線信号に変換してアンテナ1300から送信する。なお、上述した入力信号は、あくまで一例であり、任意の入力信号を微弱無線信号のソースとすることができる。
【0030】
図9は、携帯型微弱無線受信装置2000の具体例を示すブロック図である。携帯型微弱無線受信装置2000は、MCU2100と、FMレシーバー2200と、アンテナ2300と、可視光LED2400と、レンズ2410と、赤外線受光部2500とを有する。またヘッドフォン端子2600と、押しボタンスイッチ2700と、電源となる電池2800とを有する。
【0031】
MCU2100は、一つの集積回路にコンピュータシステムをまとめた、プロセッサ、メモリ、入出力回路などを備えたマイクロプロセッサであり、携帯型微弱無線受信装置2000の制御を行う。
【0032】
FMレシーバー2200は、アンテナ2300を介して、微弱無線送信装置1000から送信された微弱無線信号を受信する。この時受信するチャネル(周波数)は、赤外線受光部2500から受信したチャネル情報信号に基づいて設定される。MCU2100は受信したチャネル情報に基づいて、受信周波数を制御するチャネル設定信号をFMレシーバー2200に送信する。FMレシーバー2200が保持する周波数設定部2210は、チャネル設定信号に指示された周波数の微弱無線が受信できるように、FMレシーバー2200の受信周波数を設定する。
【0033】
可視光LED2400は、MCU2100の制御によりよって点滅し、チャネル情報要求信号を可視光信号に変換し、レンズ2410を介して放射する。これにより、微弱無線送信装置1000に対してチャネル情報要求信号を送信することができる。なお、この例では、チャネル情報要求信号を、押しボタンスイッチ2700を押すことによって放射するようにしている。利用者は、レンズ2410を微弱無線送信装置1000に向けて、押しボタンスイッチを押すことで、チャネル情報要求信号を送信することができる。
【0034】
赤外線受光部2500は、チャネル情報信号として送信された赤外線を受光する。受光された信号は電気信号に変換され、MCU2100に出力される。MCUでは、入力された信号からチャネル情報を解析し、微弱無線送信装置1000が送信する周波数が受信できるようにFMレシーバー2200の受信周波数を調整する。
【0035】
ヘッドフォン端子2600はヘッドフォンを接続する端子である。利用者はここにヘッドフォンを接続することにより、微弱無線送信装置1000から送信された音楽等の音響を視聴することができる。なお、音響の出力先は、これに限られるものではなくスピーカー等、他の出力装置であっても良い。
【0036】
以上説明したように、本実施形態によれば、使い勝手の良い無線視聴システムを構築することができる。なお、上記の説明では伝送する信号を音響信号としたが、映像信号などの他の形式の信号であっても、同様の仕組みで伝送することができる。
【0037】
(第5の実施の形態)
第4の実施の形態では、携帯型微弱無線受信装置から可視光でチャネル情報要求信号を送信し、この信号を受信した微弱無線送信装置が、赤外線でチャネル情報を送信する例について説明したが、他の方式とすることも可能である。本実施形態では、上記の通信に超音波を用いる例について説明する。
【0038】
図10は、本実施形態の微弱無線送信装置3000を示すブロック図である。微弱無線送信装置3000は、MCU3100と、FMトランスミッター3200と、アンテナ3300と、超音波マイクロフォン3400と、超音波スピーカー3500と、オーディオミキサー3600とを有している。また、マイク入力端子3610と、外部入力端子1_3620と、外部入力端子2_3630とを有している。
【0039】
MCU3100、FMトランスミッター3200、アンテナ3300、オーディオミキサー3600の構成と動作については、第4の実施の形態と同様である。このため、詳細な説明は省略する。第4の実施の形態との違いは、チャネル情報要求信号を超音波で受信し、チャネル情報を超音波で送信することである。
【0040】
微弱無線送信装置3000は、上記の動作を実現するために、チャネル情報要求信号を受信する超音波マイクロフォン3400と、チャネル情報を送信するための超音波スピーカー3500とを備えている。
【0041】
入力側の超音波マイクロフォン3400で受信したチャネル情報要求信号は、入力アンプ3410で増幅され、バンドパスフィルタ3420で不要な信号を除去されて、MCU3100に到達する。バンドパスフィルタ3420は、例えば、周波数Aの帯域の信号だけを通過させる。周波数Aは、チャネル情報を送信する超音波の周波数Bとは異なるようにしておく。これにより、2つの信号の混信を防ぐことができる。
【0042】
MCU3100から出力されたチャネル情報は、出力アンプ3510で増幅され、超音波スピーカー3500から超音波信号として出力される。この時の送信周波数Bは、先に述べたように、チャネル情報要求信号の周波数Aとは異なるものにしておく。
【0043】
以上説明したように、本実施形態微弱無線送信装置3000は、超音波で受信したチャネル情報要求信号に応答して、異なる周波数の超音波でチャネル情報を送信する。他の構成と動作については、第4の実施の形態の微弱無線送信装置1000と同様である。
【0044】
次に、本実施形態の携帯型微弱無線受信装置4000について説明する。携帯型微弱無線受信装置4000は、MCU4100と、FMレシーバー4200と、アンテナ4300と、超音波スピーカー4400と、超音波マイクロフォン4500とを有する。また、またヘッドフォン端子4600と、押しボタンスイッチ4700と、電源となる電池4800とを有する。
【0045】
MCU4100、FMレシーバー4200、アンテナ4300、ヘッドフォン端子4600、電池4800の構成と動作については、第4の実施の形態と同様である。このため、詳細な説明は省略する。第4の実施の形態との違いは、チャネル情報要求信号を超音波で送信し、チャネル情報を超音波で受信することである。
【0046】
超音波スピーカー4400は、MCU4100が出力し、出力アンプ4410で増幅されたたチャネル情報要求信号を、超音波信号として送信する。この時の周波数は、上述した周波数Aである。これにより、微弱無線送信装置3000に対してチャネル情報要求信号を送信することができる。なお、この例では、チャネル情報要求信号を、押しボタンスイッチ4700を押すことによって送信するようにしている。利用者は、超音波スピーカー4400を、微弱無線送信装置3000に向けて、押しボタンスイッチを押すことで、チャネル情報要求信号を送信することができる。
【0047】
超音波マイクロフォン4500は、チャネル情報として送信された超音波信号を受信する。受信された信号は電気信号に変換され、入力アンプ4510で増幅され、バンドパスフィルタ4520で不要な周波数の信号を除去されMCU4100に到達する。バンドパスフィルタ4520は、周波数Bの帯域の信号だけを通過させる。既述の通り、周波数Bは、チャネル情報要求信号の周波数Aとは異なるため、2つの信号の混信を防ぐことができる。MCU4100では、入力された信号からチャネル情報を解析し、微弱無線送信装置3000が送信する周波数の微弱無線が受信できるようにFMレシーバー4200の受信周波数を調整する。
【0048】
以上説明したように、本実施形態によれば、第4の実施の形態と同様に、使い勝手の良い無線視聴システムを構築することができる。
【0049】
第4、第5の実施の形態を適宜選択することにより、例えば、騒音の多い場所では光通信を利用し、逆に太陽光など明るい場所では超音波を利用するなど、周囲の環境により適した通信方式を選択し、使い勝手の良い視聴システムを構築することができる。なお、上記の説明では伝送する信号を音響信号としたが、映像信号などの他の形式の信号であっても、同様の仕組みで伝送することができる。
【0050】
(第6の実施の形態)
第1から第5の実施の形態で説明した無線視聴システムを用いると、混信が発生しにくい無線視聴システムを構築することが可能である。この特徴により、これらの無線視聴システムは、限られたスペースに多数の無線視聴システムを併設する場合に、特に有用である。以下、具体的な例を用いて説明する。
【0051】
図12は、遊技場(パチンコ店)の遊技台5000に第4の実施の形態の微弱無線送信装置1000を設置し、利用者6000が携帯型微弱無線受信装置2000で、音響信号を視聴する例を示す模式図である。各遊技台5000には1台ずつ微弱無線送信装置1000が設置され、それぞれの微弱無線送信装置1000には、異なるチャネル(周波数)が割り当てられている。チャネル番号は、例えば台番号と同じに設定することができる。
【0052】
利用者6000は、携帯型微弱無線受信装置2000を遊技台5000に設置された微弱無線送信装置1000に向け、押しボタンスイッチ2700を押す。すると、第4の実施の形態で説明した動作により、受信チャネルが設定できる。すなわち、携帯型微弱無線受信装置2000を遊技台5000に向け、押しボタンスイッチ2700を押すだけで、混信の無い音響を視聴することができる。なお、距離が近い複数の遊技台の組み合わせに対しては周波数の差が大きくなるように周波数を割り当てると、より混信を発生しにくくすることができる。
【0053】
一方、同じ視聴システムをGHz帯の無線LANやBuluetooth(登録商標)で構築すると、混信が多発してシステムが機能しなくなる恐れがある。
【0054】
以上説明したように、本実施形態によれば限られたスペースに多数の無線視聴システムを併設する場合に、効率よく混信を防止し、快適な無線視聴システムを構築することができる。なお、上記の説明では、遊技場を用いたが、同様のシステムは、ゲームセンター、テーマパーク、動物園、美術館、航空機、列車、バス等にも適用することができる。
【0055】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
100、1000、3000 微弱無線送信装置
110 微弱無線信号送信手段
120 チャネル情報送信手段
121 赤外線信号送信部
130 チャネル情報要求信号受信手段
131 可視光信号受信部
200、2000、4000 携帯型微弱無線受信装置
210 チャネル情報受信手段
211 赤外線信号受信部
220 微弱無線信号受信手段
230 視聴信号生成手段
240 チャネル情報要求信号送信手段
241 可視光信号送信部
1100、2100 MCU
1200 FMトランスミッター
1300、2300 アンテナ
1400 可視光受光部
1500 赤外線LED
1510、2410 レンズ
1600 オーディオミキサー
2200 FMレシーバー
2400 可視光LED
2500 赤外線受光部
3400、4500 超音波マイクロフォン
3500、4400 超音波スピーカー
5000 遊技台
6000 利用者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12