(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載の自動車用メータの立体意匠部構造は、例えば、より適正に立体意匠部等の発光部位を発光させるべく、更なる改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、発光部位を適正に発光させることができる車両表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両表示装置は、軸線方向に沿った回動軸線を回動中心として回動する指針と、板状に形成され、可視光域成分の光を遮光する遮光領域内に前記軸線方向に沿って貫通して設けられた露出孔を有する板状部材と、前記軸線方向に対して前記板状部材の前記指針側とは反対側でかつ前記露出孔より前記回動軸線から離間して位置し可視光域成分の光を照射する光源と、可視光域成分の光を透過する材料によって形成され、前記軸線方向に沿って前記露出孔を介して前記板状部材の前記指針側に突出して設けられ前記指針によって指し示される突状目盛、前記軸線方向に沿って前記光源と対向して位置し前記光源から照射された可視光域成分の光が入射される入射面、及び、前記光源から照射され前記入射面に入射された可視光域成分の光を前記突状目盛に導光する導光部を有する導光体と、前記軸線方向に対して前記光源と前記入射面との間に位置すると共に前記軸線方向と交差する方向に対して前記光源と前記露出孔との間に位置し、前記光源から照射され前記入射面に入射せず前記露出孔側に向かう漏れ光を遮光する第1遮光壁部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、上記車両表示装置では、前記第1遮光壁部は、前記露出孔と前記光源とを結ぶ仮想線上に位置し前記軸線方向と交差する方向に沿って延在するものとすることができる。
【0008】
また、上記車両表示装置では、前記軸線方向に対して前記導光体における前記突状目盛の突出側とは反対側に前記導光部に沿って設けられ、可視光域成分の光を遮光する第2遮光壁部を備えるものとすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る車両表示装置は、板状部材の露出孔から指針側に突出して設けられた突状目盛を指針によって指し示すことで車両に関する計測値を表示する。このとき、車両表示装置は、光源から照射された可視光域成分の光が導光体の入射面に入射し導光部を介して突状目盛まで導光されることで当該突状目盛が発光部位として発光表示される。そして、車両表示装置は、光源から照射され導光体の入射面に入射せず露出孔側に向かう漏れ光を、光源と入射面との間でかつ光源と露出孔との間に位置する第1遮光壁部によって遮光することができる。この結果、車両表示装置は、発光部位である突状目盛を適正に発光させることができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
[実施形態]
図1に示す本実施形態に係る車両表示装置1は、いわゆる車載メータを構成するものである。車両表示装置1は、例えば、車両のダッシュボードに設けられたインストルメントパネルに搭載され、車両の運転に供される情報として当該車両に関する種々の情報を表示する。
【0013】
なお、
図1に示す車両表示装置1の第1方向としての奥行き方向Xとは、典型的には、この車両表示装置1が適用される車両の前後方向に相当する。ここでは、奥行き方向Xは、指針7の回動中心をなす回動軸線Cに沿った軸線方向にも相当する。また、車両表示装置1の前面側とは、奥行き方向Xにおいて車両の運転席と対面する側であり、典型的には、当該運転席に座った運転者によって視認される側である。さらに言えば、車両表示装置1の奥行き方向Xの前面側は、目視位置EP(
図2参照)が位置する側である。ここで、目視位置EPは、典型的には、車両表示装置1が適用される車両におけるいわゆるアイレンジ内に位置するものとして予め想定される。ここで、アイレンジとは、「自動車の運転者アイレンジ」であり、車両に応じて予め定まる運転者の視点が位置する領域に相当する。アイレンジは、典型的には、車両において運転者の目の位置の分布を統計的に表したものであり、例えば、運転者が運転席に座った状態で所定割合(例えば、95%)の運転者の目の位置が含まれる領域に相当する。一方、車両表示装置1の背面側とは、奥行き方向Xにおいて前面側とは反対側であり、典型的には、インストルメントパネルの内部に収容される側である。また、車両表示装置1の第2方向としての幅方向Yとは、典型的には、この車両表示装置1が適用される車両の車幅方向に相当する。以下の説明では、車両表示装置1の幅方向Yにおいて、当該車両表示装置1の前面に向かって左側(
図1中左側)を幅方向Y左側、向かって右側(
図1中右側)を幅方向Y右側という場合がある。車両表示装置1の第3方向としての高さ方向Zとは、典型的には、この車両表示装置1が適用される車両の車高方向に相当し、例えば、当該車両が水平面に位置した状態で鉛直方向に沿った方向である。以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、車両表示装置1の各構成が相互に組み付けられ当該車両表示装置1がインストルメントパネルに組み付けられた状態での方向を表す。
【0014】
本実施形態の車両表示装置1は、車両に関する情報を表示する表示部として、例えば、速度計2、回転計3、画像表示部4、方向指示表示部5等を備える。速度計2は、車速を表示する。回転計3は、走行用動力源の出力回転数を表示する。画像表示部4は、画像情報を表示する。方向指示表示部5は、車両の方向指示器(ウインカ)の動作状態を表示する。車両表示装置1は、各部を収容する筐体6を備え、当該筐体6内に速度計2、回転計3、画像表示部4、方向指示表示部5等が配置されると共に各種情報の表示面が奥行き方向Xの前面側、すなわち、目視位置EP側に露出する。車両表示装置1は、筐体6において、速度計2が幅方向Y右側に配置される一方、回転計3が幅方向Y左側に配置され、さらに、画像表示部4、方向指示表示部5がこれらの間に配置される。
【0015】
速度計2、回転計3は、それぞれ車両に関する計測値である車速、出力回転数を指針7によって指し示す車両用アナログ式計器である。速度計2、回転計3は、それぞれ指針7と、目盛部8とを備える。指針7は、棒状に形成され、奥行き方向(軸線方向)Xに沿った回動軸線Cを回動中心として回動するものである。目盛部8は、指針7によって指し示される指標部である。目盛部8は、指針7の先端の回動軌跡方向Rに沿って間隔をあけて並んで設けられる複数の突状目盛9を含んで構成される。速度計2、回転計3は、筐体6内に設けられた駆動モータが回転駆動することで指針7が回動し、目盛部8の所定の位置の突状目盛9を指し示すことで、車両に関する計測値として、車速、出力回転数を表示する。画像表示部4は、例えば、薄型の液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等を用いることができる。画像表示部4は、車両に関する情報として、例えば、積算走行距離、冷却水温、燃料残量、バッテリ蓄電量、ナビゲーション情報、地図情報、各種の警告灯(ウォーニングランプ、いわゆるテルテール)、シフトポジションインジケータ等、車両の運転に際して時々刻々と変化する様々な運転に関する運転情報の画像等を表示する。方向指示表示部5は、光源の点灯、消灯に応じて、左右のそれぞれの矢印形状を表す意匠図柄を構成する光透過部位の表示、非表示が切り替えられることで車両の方向指示器の動作状態を表示する。
【0016】
そして、本実施形態の車両表示装置1は、目盛部8を構成する突状目盛9を発光表示させると共に、筐体6に当該突状目盛9を発光させる際の漏れ光を遮光するための部位が設けられたものである。この構成により、車両表示装置1は、発光部位である突状目盛9を適正に発光させることができるようにしている。以下、各図を参照して、車両表示装置1の構成について詳細に説明する。
【0017】
車両表示装置1は、
図1、
図2、
図3に示すように、さらに、背面カバー10と、基板11と、ケース12と、板状部材としての文字板13と、押え部材14と、光源15と、導光体16と、第1遮光壁部17と、第2遮光壁部18とを備える。車両表示装置1は、奥行き方向Xの背面側から前面側に向かって、背面カバー10、基板11、ケース12、導光体16、文字板13、押え部材14の順で積層された構造となっている。そして、車両表示装置1は、基板11に光源15が実装され、ケース12に導光体16が保持されると共に第1遮光壁部17、第2遮光壁部18が設けられる。車両表示装置1は、押え部材14の奥行き方向Xの前面側に、さらにいわゆる見返し板や透明カバー(表ガラス)等を備えていてもよい。
【0018】
背面カバー10とケース12とは、上述した筐体6を構成するものである。背面カバー10、ケース12は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料等によって構成される。筐体6は、奥行き方向Xの背面側に背面カバー10が位置し、奥行き方向Xの前面側にケース12が位置して、背面カバー10とケース12とが相互に組み付けられる。筐体6は、背面カバー10とケース12とによって区画される空間部内に基板11や導光体16等、速度計2、回転計3、画像表示部4、方向指示表示部5を構成する各部が組み付けられこれらを収容する。筐体6は、ケース12に形成されている開口等を介して速度計2、回転計3、画像表示部4、方向指示表示部5等における各種情報の表示面を奥行き方向Xの前面側、すなわち、目視位置EP側に露出させる。
【0019】
基板11は、略矩形板状に形成され、車両表示装置1の各部を制御し各種機能を実現するための種々の電子部品、配線が実装されるものである。基板11は、上述した指針7用の駆動モータや光源15を含む各種光源が実装される。基板11は、奥行き方向Xに対して背面カバー10とケース12との間に挟持されるようにして保持される。
【0020】
文字板13は、奥行き方向Xが板厚方向となる板状に形成され、車両表示装置1において表示する車両に関する情報に応じた種々の目盛、図柄、記号、文字、装飾等が描かれた板状の部材である。文字板13は、車両表示装置1において、奥行き方向Xの前面側、すなわち、目視位置EP側に露出し運転者を含む乗員の視界にはいりうる部分の意匠部材ともなるものである。文字板13は、例えば、速度計2、回転計3、画像表示部4、方向指示表示部5の各表示面に対応して個別に設けられてもよいし、一体で設けられてもよい。文字板13は、筐体6のケース12の目視位置EP側に設けられ、奥行き方向Xに対してケース12と押え部材14との間に挟持されるようにして保持される。文字板13は、種々の目盛、図柄、記号、文字、装飾等が描かれた部分が押え部材14から目視位置EP側に露出し種々の情報を表示する表示面を構成する。上述した指針7は、奥行き方向Xに対して文字板13の前面側、すなわち、目視位置EP側に位置する。文字板13は、例えば、少なくとも可視光域成分の光を透過し拡散させる光透過性生地のポリカーボネイト製シートの基材に、遮光性を有する暗色系のインクによって上記目盛、図柄、記号、文字、装飾等に対応した形状が中抜きされた印刷が施される。この構成により、文字板13は、上記目盛、図柄、記号、文字、装飾等が描かれている。ここで、可視光域成分の光とは、人が視認できる可視光領域の波長成分の光であり、例えば、波長が360〜830nmの範囲の成分の光である。文字板13は、遮光性を有する暗色系のインクが施された部分が可視光域成分の光を遮光する遮光領域19を構成する。そして、文字板13は、当該中抜きされた部分を光源(光源15とは別の光源)から照射された可視光域成分の光が透過することで目盛、図柄、記号、文字、装飾等が点灯表示状態となる。そして、本実施形態の文字板13は、さらに、上記遮光領域19内に設けられた露出孔20を有する。露出孔20は、遮光領域19内に奥行き方向(軸線方向)Xに沿って当該文字板13を貫通して設けられる。この露出孔20は、突状目盛9を奥行き方向Xに沿って文字板13の指針7側、すなわち、目視位置EP側に露出させるための孔である。露出孔20は、複数の突状目盛9に対してそれぞれ1つずつ設けられ、対応する突状目盛9の位置、形状に応じて略矩形状に形成される。つまりここでは、露出孔20は、突状目盛9と同様に、指針7の先端の回動軌跡方向Rに沿って間隔をあけて並んで複数設けられる。
【0021】
押え部材14は、文字板13の端部等を奥行き方向Xの前面側から覆い、ケース12との間に文字板13を挟持し保持する部材である。押え部材14は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料等によって構成される。押え部材14は、速度計2、回転計3、画像表示部4、方向指示表示部5等における各種情報の表示面を奥行き方向Xの前面側、すなわち、目視位置EP側に露出させつつ、ケース12との間に文字板13を挟持した状態でケース12に組み付けられる。ここでは、押え部材14は、例えば、速度計2側と回転計3側とで個別に設けられるものとして図示しているがこれに限らず、これらが一体で設けられていてもよい。押え部材14は、奥行き方向Xに対して各露出孔20と対向する位置にそれぞれ切り欠き部21が設けられる。切り欠き部21は、複数の露出孔20に対してそれぞれ1つずつ設けられ、対応する露出孔20の位置、形状に応じて略矩形状に形成される。つまりここでは、切り欠き部21は、突状目盛9、露出孔20と同様に、指針7の先端の回動軌跡方向Rに沿って間隔をあけて並んで複数設けられる。また、押え部材14は、例えば、速度計2、回転計3それぞれの表示面を囲う略円環形状の加飾リング22等も一体で形成されている。
【0022】
光源15は、突状目盛9を発光させるためのものである。光源15は、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子等によって構成されるがこれに限らない。光源15は、白色光に限らず、赤色光、青色光、緑色光等、他の明色系の光を照射するものであってもよい。光源15は、奥行き方向Xに対して文字板13の指針7側とは反対側、すなわち、文字板13の背面側に位置して設けられる。光源15は、基板11と共に筐体6内に収容される。光源15は、基板11の奥行き方向Xの前面側の実装面に実装され駆動制御される。光源15は、奥行き方向Xの前面側に向けて可視光域成分を含む光を照射する。つまりここでは、光源15による光の照射方向、言い換えれば、光源15の光軸方向は、奥行き方向Xに沿った方向である。ここでは、光源15は、速度計2、回転計3それぞれの目盛部8に対して、回動軸線Cを中心とした円環状に沿って間隔をあけて複数設けられる。
図1は、複数の光源15のうちの1つを点線で図示している。そして、本実施形態の光源15は、複数のうちの少なくとも1つ(例えば、
図1中に点線で図示したもの)が速度計2、回転計3それぞれにおいて、上述した露出孔20より回動軸線Cから離間して位置する。言い換えれば、露出孔20、突状目盛9は、速度計2、回転計3それぞれの目盛部8において、突状目盛9発光用の光源15より回動軸線C側に近接して位置する。さらに言い換えれば、車両表示装置1は、速度計2、回転計3それぞれの目盛部8において、回動軸線Cと交差する方向に対して、回動軸線Cを中心として、露出孔20、突状目盛9が光源15の内側に位置し、光源15が露出孔20、突状目盛9の外側に位置する。
【0023】
導光体16は、光源15から照射された可視光域成分の光が入射され突状目盛9まで導光し当該突状目盛9を発光させる光学系を構成するものである。導光体16は、上述した突状目盛9、入射面23、及び、導光部24を有し、可視光域成分の光を透過する材料によってこれらが一体で形成される。導光体16は、例えば、アクリル樹脂等の光透過性を有する樹脂材料によって形成されるものであり、プリズムと呼ばれることもある。導光体16は、奥行き方向Xに対して文字板13の指針7側とは反対側、すなわち、文字板13の背面側に位置して設けられる。導光体16は、筐体6のケース12に保持される。
【0024】
導光体16の突状目盛9は、上述したように目盛部8を構成するもの、すなわち、指針7によって指し示される立体物である。突状目盛9は、奥行き方向(軸線方向)Xに沿って露出孔20を介して文字板13の指針7側、すなわち、目視位置EP側に突出して設けられる。突状目盛9は、
図2、
図3では、1つを図示しているが、露出孔20の数に応じて複数設けられる。突状目盛9は、回動軌跡方向Rが板厚方向でかつ回動軸線Cに向かう方向に沿って延在する略矩形板状に形成される。言い換えれば、複数の突状目盛9は、回動軸線Cを中心として略放射状に設けられる(特に
図1参照)。またここでは、突状目盛9は、文字板13からの突出量が回動軸線C側で相対的に小さくなるようなテーパ面が付されている(特に
図3参照)。
【0025】
導光体16の入射面23は、奥行き方向Xに沿って光源15と対向して位置し光源15から照射された可視光域成分の光が入射される部分である。ここで、上述したように、光源15は、露出孔20、突状目盛9より回動軸線Cから離間して位置している。このため、入射面23も光源15と同様に露出孔20、突状目盛9より回動軸線Cから離間して位置している。つまり、入射面23は、回動軸線Cと交差する方向に対して突状目盛9からずれた位置(オフセットされた位置)に設けられる。すなわち、入射面23は、回動軸線Cを中心として、光源15と共に露出孔20、突状目盛9の外側に位置する。ここでは、入射面23は、奥行き方向Xと直交する方向に沿って略平面状に形成される。
【0026】
導光体16の導光部24は、光源15から照射され入射面23に入射された可視光域成分の光を突状目盛9に導光する部分である。導光部24は、奥行き方向Xが板厚方向となる板状に形成される。導光部24は、奥行き方向Xの前面側の面に上述した突状目盛9が形成される。つまり、突状目盛9は、導光部24の奥行き方向Xの前面側の面から当該奥行き方向Xの前面側に向けて突出して形成される。また、導光部24は、板状に形成された板状本体部24aと、当該板状本体部24aから突出して形成された突出部24bとを含んで構成される。板状本体部24aは、奥行き方向Xと直交する方向に沿って略平板状に形成される部分であり、奥行き方向Xに沿って文字板13と対向する。突出部24bは、板状本体部24aの角部が奥行き方向Xの背面側に湾曲しながら突出するようにして形成される。突出部24bは、突出先端面(奥行き方向Xの背面側の先端面)が上述の入射面23を構成する。またここでは、上述した突状目盛9は、導光部24における突出部24bの基端部、すなわち、板状本体部24aと突出部24bとが交わる部分の近傍に設けられている。
【0027】
上記のように構成される導光体16は、各突状目盛9が各露出孔20、及び、各切り欠き部21を介して目視位置EP側に露出しかつ入射面23が光源15と対向する位置関係で筐体6のケース12に保持される。そして、導光体16は、光源15から照射された可視光域成分の光が入射面23に入射し、当該入射した光を導光部24を介して突状目盛9に導光し、当該突状目盛9から奥行き方向Xの前面側、すなわち、目視位置EP側に向けて出射する。この結果、導光体16は、光源15から照射された可視光域成分の光によって、突状目盛9を発光部位として発光表示させることができる。
【0028】
第1遮光壁部17、第2遮光壁部18は、筐体6において、当該突状目盛9を発光させる際の漏れ光を遮光するための部位である。第1遮光壁部17、第2遮光壁部18は、共に筐体6のケース12の一部として一体成形される。第1遮光壁部17、第2遮光壁部18は、共に絶縁性を有する樹脂材料であって可視光域成分の光を遮光する樹脂材料等によって構成される。
【0029】
第1遮光壁部17は、光源15から照射され導光体16の入射面23に入射せず露出孔20側に向かう漏れ光を遮光する部分である。第1遮光壁部17は、奥行き方向(軸線方向)Xに対して光源15と導光体16の入射面23との間に位置する。また、第1遮光壁部17は、奥行き方向Xと交差する方向に対して光源15と露出孔20との間に位置する。第1遮光壁部17は、ケース12において導光体16を保持する壁面から奥行き方向Xと交差する方向に沿って突出し延在して形成されている。ここでは、第1遮光壁部17は、奥行き方向Xに沿って視て入射面23の一部に重なる位置まで延在して形成されている。より詳細には、第1遮光壁部17は、露出孔20と光源15とを結ぶ仮想線L上に位置し、奥行き方向Xと交差する方向に沿って延在して形成される。ここで、仮想線Lは、典型的には、光源15における光の出射面の中心位置(光軸位置)と、露出孔20の中心位置(重心位置)とを結んだ線である。
【0030】
第2遮光壁部18は、光源15から照射され導光体16の入射面23に入射した後、導光部24内を伝播されていく際、突状目盛9に至る前に、当該導光部24から漏れ出た漏れ光を遮光する部分である。第2遮光壁部18は、奥行き方向(軸線方向)Xに対して導光体16における突状目盛9の突出側とは反対側、すなわち、奥行き方向Xの背面側に導光部24に沿って設けられる。第2遮光壁部18は、ケース12において導光体16を保持する壁面の一部を構成する。より詳細には、第2遮光壁部18は、導光部24の奥行き方向Xの背面側において、当該導光部24の板状本体部24aに沿う板状部18aと、導光部24の突出部24bに沿う湾曲壁部18bとを含んで構成される。板状部18aは、奥行き方向Xと直交する方向に沿って略平板状に形成される部分であり、奥行き方向Xに沿って板状本体部24aと対向する。湾曲壁部18bは、板状本体部24aの角部が奥行き方向Xの背面側に湾曲しながらすり鉢状に窪むようにして形成される。上述した第1遮光壁部17は、この湾曲壁部18bにおける奥行き方向Xの背面側の端部近傍に略円弧の鍔状に突出して形成される。なおここでは、第2遮光壁部18の湾曲壁部18bは、ケース12を構成する他の壁部25と共に光源収容室26を形成する。光源収容室26は、光源15を収容するための空間部である。第1遮光壁部17は、当該光源収容室26内に突出するように形成される。また、導光体16は、導光部24の突出部24bが当該光源収容室26内に挿入されるような位置関係でケース12に組み付けられている。
【0031】
以上で説明した車両表示装置1は、文字板13の露出孔20から指針7側に突出して設けられた突状目盛9を指針7によって指し示すことで車両に関する計測値を表示する。このとき、車両表示装置1は、光源15から照射された可視光域成分の光が導光体16の入射面23に入射し導光部24を介して突状目盛9まで導光されることで当該突状目盛9が発光部位として発光表示される。そして、車両表示装置1は、光源15から照射され導光体16の入射面23に入射せず露出孔20側に向かう漏れ光を、光源15と入射面23との間でかつ光源15と露出孔20との間に位置する第1遮光壁部17によって遮光することができる。この結果、車両表示装置1は、目視位置EP側に向かう漏れ光を抑制することができる。特に、本実施形態の車両表示装置1は、回動軸線Cを中心として、露出孔20、突状目盛9が内側、光源15が外側に位置する幾何学的な配置関係上、光源15からの光が回動軸線Cを中心として外側から内側に向けて照射されることとなる。このため、車両表示装置1は、光源15から露出孔20を介して漏れ出た漏れ光が目視位置EP側に向かい易い傾向にある。これに対して、車両表示装置1は、光源15から照射され入射面23に入射せず露出孔20側に向かう漏れ光を第1遮光壁部17によって遮光することができるので、上記のように露出孔20を介して目視位置EP側に向かう漏れ光を抑制することができる。この結果、車両表示装置1は、発光部位である突状目盛9を適正に発光させることができる。
【0032】
より詳細には、以上で説明した車両表示装置1は、第1遮光壁部17が露出孔20と光源15とを結ぶ仮想線L上に位置し奥行き方向(軸線方向)Xと交差する方向に沿って延在して形成される。この構成により、車両表示装置1は、光源15から照射され導光体16の入射面23に入射せず露出孔20側に向かう漏れ光を第1遮光壁部17によって確実に遮光することができる。
【0033】
さらに、以上で説明した車両表示装置1は、奥行き方向Xに対して導光体16における突状目盛9の突出側とは反対側、すなわち、奥行き方向Xの背面側に導光部24に沿って第2遮光壁部18が設けられる。この構成により、車両表示装置1は、光源15から照射され入射面23に入射せず露出孔20側に向かう漏れ光だけでなく、導光部24の突出部24b等から漏れ出た漏れ光も第2遮光壁部18によって遮光し、目視位置EP側に向かい難くすることができる。
【0034】
なお、上述した本発明の実施形態に係る車両表示装置は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0035】
以上の説明では、車両表示装置1は、第2遮光壁部18を備えるものとして説明したがこれに限らず、第2遮光壁部18を備えない構成であってもよい。この場合、第1遮光壁部17は、例えば、ケース12において第2遮光壁部18とは別の他の壁部から突出するように設けられていてもよいし、ケース12とは別体で設けられていてもよい。
【0036】
以上の説明では、奥行き方向Xは、回動軸線Cに沿った軸線方向に相当するものとして説明したがこれに限らない。