特許第6563988号(P6563988)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6563988
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】不揮発性半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11582 20170101AFI20190808BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20190808BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20190808BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   H01L27/11582
   H01L29/78 371
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-160921(P2017-160921)
(22)【出願日】2017年8月24日
(65)【公開番号】特開2019-40972(P2019-40972A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2017年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】511062254
【氏名又は名称】ウィンボンド エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】矢野 勝
【審査官】 上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−079369(JP,A)
【文献】 特開2008−263181(JP,A)
【文献】 特開2008−226979(JP,A)
【文献】 特開2008−218638(JP,A)
【文献】 特開平08−213611(JP,A)
【文献】 特開平11−297689(JP,A)
【文献】 特開平07−183409(JP,A)
【文献】 特開2011−035169(JP,A)
【文献】 特開2014−170936(JP,A)
【文献】 特開2011−108761(JP,A)
【文献】 特開2005−182909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/11582,27/11521,
21/336,29/788,29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面から垂直方向に延在し、かつ導電性の半導体材料から構成される複数の柱状部と、
各柱状部の側部を取り囲むように形成された電荷蓄積部と、
各柱状部の側部を取り囲むように形成された絶縁部と、
行方向の電荷蓄積部の側部を取り囲むように形成されたコントロールゲートと、
行方向の絶縁部の側部を取り囲むように形成されたセレクトゲートと、
メモリセルをプログラムする手段とを有し、
前記柱状部の一方の端部がコンタクトホールを介してビット線に電気的に接続され、前記柱状部の他方の端部が前記基板側の基準電位に電気的に接続され、
前記柱状部の一方の端部側に配置された前記電荷蓄積部および前記コントロールゲートを含むメモリセルと、前記柱状部の他方の端部側に配置された前記絶縁部および前記セレクトゲートを含む選択トランジスタとが直列に接続され、
当該プログラムする手段は、選択メモリセルのコントロールゲートにプログラム電圧を印加し、前記選択メモリセルと直列に接続された選択トランジスタのセレクトゲートに前記プログラム電圧よりも小さい選択電圧を印加し、選択されたビット線に前記基準電位よりも大きい正の電圧を印加する、NOR型のフラッシュメモリ。
【請求項2】
前記選択トランジスタは、電流制限用のトランジスタとして機能し、前記選択メモリセルの電荷蓄積部には、ソース側から電子が注入される、請求項に記載のフラッシュメモリ。
【請求項3】
フラッシュメモリは、行アドレスに基づき行方向のコントロールゲートおよびセレクトゲートを選択する行選択手段と、列アドレスに基づき列方向のビット線およびソース線を選択する列選択手段とを含む、請求項1または2に記載のフラッシュメモリ。
【請求項4】
前記電荷蓄積部と前記絶縁部とは、同一の構成である、請求項1に記載のフラッシュメモリ。
【請求項5】
前記電荷蓄積部および絶縁部は、酸化膜(O)、窒化膜(N)および酸化膜(O)を含む、請求項に記載のフラッシュメモリ。
【請求項6】
前記基準電位は、シリコン基板上に形成された導電領域である、請求項1に記載のフラッシュメモリ。
【請求項7】
メモリセルの周辺回路は、シリコン基板上に形成され、メモリセルは、前記導電領域上に形成される、請求項に記載のフラッシュメモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NOR型フラッシュメモリに関し、特にメモリセルの三次元構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュメモリには、大別して、NAND型とNOR型が存在する。NAND型のフラッシュメモリは、NANDストリングからなるメモリセルアレイを構成することで、占有面積を削減し、集積度の高いメモリセルアレイを実現することができる。一方、NOR型のフラッシュメモリは、ビット線とソース線との間に1つのメモリセルを配置する構成であり、1つのメモリセルへの高速なランダムアクセスが可能となる反面、メモリセル毎にコンタクトを取る必要があるため、NAND型に比べるとメモリセルの占有面積が大きくなる。
【0003】
NOR型のフラッシュメモリでは、その集積度の向上を図るために、仮想接地方式や多値方式を採用している。典型的な仮想接地方式では、メモリセルのソース/ドレインが行方向に隣接するメモリセルのソース/ドレインと共通であり、共通のソースおよびドレインがビット線に電気的に接続される。読出しを行うとき、選択されたメモリセルのソースが接地電位に、ドレインが読出し電圧に印加され、隣接するメモリセルのソース/ドレインがフローティング状態にされる(特許文献1、2)。
【0004】
多値方式では、フローティングゲートまたは電荷をトラップする電荷蓄積領域への電荷を制御することでメモリセルに複数のしきい値を設定する。特許文献3は、電荷トラップ型の多値メモリとしてミラービットタイプのフラッシュメモリを開示している。このフラッシュメモリは、シリコン基板表面とゲート電極との間に、酸化膜−窒化膜−酸化膜のONOを形成し、酸化膜と窒化膜との界面に電荷を捕獲する。ソース/ドレインに印加する電圧を入れ替えることで、窒化膜(電荷蓄積層)のソース側、ドレイン側にそれぞれ電荷を保持させ、1つのメモリセルに2ビットの情報を記憶する。また、ゲート電極の両端近傍に分離したONO膜を形成し、電荷を蓄積する領域を物理的に切り離す構成も提案されている。
【0005】
また、半導体デバイスの高集積化に伴い、メモリセルを3次元または垂直方向にスタックする3次元NANDフラッシュメモリが開発されている(例えば、特許文献4)。このフラッシュメモリは、半導体基板上に、その表面から垂直方向に延びる複数のピラーを形成し、ピラーの側壁を、例えば、トンネル絶縁層、電荷蓄積層およびブロック絶縁層を含むメモリ膜が取り囲んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−100092号公報
【特許文献2】特開平11−110987号公報
【特許文献3】特開2009−283740号公報
【特許文献4】特開2016−58494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
NOR型のフラッシュメモリにおいても、高い動作電流と高い集積度が要求される中で、メモリセルの縮小を行ってきたが、そのスケーリングは限界に近づきつつある。メモリセルのチャンネル長が短くなるとソース/ドレイン間の距離が短くなり、あるいはデザインルールが小さくなると、ゲート電極とソース/ドレイン間の距離が短くなり、予期しないブレークダウンによりメモリセルが勝手にオンし、読出しエラーや書込みエラーなどの原因となる。また、そのような状況であっても、プログラムや消去の動作時間の短縮が求められている。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決し、3次元構造のメモリセルを含むNOR型フラッシュメモリおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るNOR型のフラッシュメモリは、基板と、前記基板の表面から垂直方向に延在し、かつ導電性の半導体材料から構成される複数の柱状部と、各柱状部の側部を取り囲むように形成された電荷蓄積部と、各柱状部の側部を取り囲むように形成された絶縁部と、行方向の電荷蓄積部の側部を取り囲むように形成されたコントロールゲートと、行方向の絶縁部の側部を取り囲むように形成されたセレクトゲートとを有し、前記柱状部の一方の端部がコンタクトホールを介してビット線に電気的に接続され、前記柱状部の他方の端部が前記基板側の基準電位に電気的に接続され、前記電荷蓄積部および前記コントロールゲートを含むメモリセルと、前記絶縁部および前記セレクトゲートを含む選択トランジスタとが直列に接続される。
【0010】
ある実施態様ではフラッシュメモリはさらに、メモリセルをプログラムする手段を含み、当該プログラムする手段は、選択メモリセルのコントロールゲートにプログラム電圧を印加し、前記選択メモリセルと直列に接続された選択トランジスタのセレクトゲートに前記プログラム電圧よりも小さい選択電圧を印加する。ある実施態様では前記選択メモリセルの電荷蓄積部には、ソース側から電子が注入される。ある実施態様ではフラッシュメモリは、行アドレスに基づき行方向のコントロールゲートおよびセレクトゲートを選択する行選択手段と、列アドレスに基づき列方向のビット線およびソース線を選択する列選択手段とを含む。ある実施態様では前記電荷蓄積部と前記絶縁部とは、同一の構成である。ある実施態様では前記電荷蓄積部および絶縁部は、酸化膜(O)、窒化膜(N)および酸化膜(O)を含む。ある実施態様では前記基準電位は、シリコン基板上に形成された導電領域である。ある実施態様ではメモリセルの周辺回路は、シリコン基板上に形成され、メモリセルは、前記導電領域上に形成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、メモリセルを3次元構造にしたことにより、2次元的なスケーリングによる制約を受けることなくメモリセルの活性領域を形成することができる。これにより、メモリセルの集積化と高い動作電流とを同時に実現することができる。さらに、メモリセルと直列に選択トランジスタを形成することで、プログラム時の消費電力をさらに低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1(A)は、本発明の実施例に係るNOR型フラッシュメモリのメモリセルを構成する柱状部の概略斜視図、図1(B)は、ビット線、コントロールゲートおよびセレクトゲートの配線層を模式的に示した斜視図である。
図2図2(A)は、本発明の実施例に係るメモリセルの柱状部の斜視図、図2(B)は、そのA−A線断面図である。
図3】NOR型メモリセルの等価回路図である。
図4図4(A)は、柱状部に1つのトランジスタが形成されるメモリセルの比較例、図4(B)は、その比較例の等価回路図である。
図5】本発明の実施例に係るNOR型フラッシュメモリの電気的な概略構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施例に係るメモリセルの変形例を示す図である。
図7】本発明の実施例に係るNOR型フラッシュメモリの製造工程を説明する概略断面図である。
図8】本発明の実施例に係るNOR型フラッシュメモリの製造工程を説明する概略断面図である。
図9】本発明の実施例に係るNOR型フラッシュメモリの製造工程を説明する概略断面図である。
図10】本発明の実施例に係るNOR型フラッシュメモリの製造工程を説明する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、3次元構造のNOR型フラッシュメモリを例示する。なお、図面は、発明の説明を容易にするために描かれており、図面に示された各部のスケールは、実際のデバイスのスケールと必ずしも一致しないことに留意すべきである。
【実施例】
【0014】
図1(A)は、本発明の実施例に係るNOR型フラッシュメモリのメモリセルを構成する柱状部の概略を示す斜視図、図1(B)は、柱状部に接続されるビット線、コントロールゲートおよびセレクトゲートの配線層を模式的に示した斜視図である。
【0015】
本実施例に係るNOR型フラッシュメモリ100は、図1(A)に示すように、半導体基板110と、半導体基板110の表面から垂直方向(Z方向)に延在する複数の柱状部120と、複数の柱状部120の側部を取り囲むように形成された2つの電荷蓄積部130A、130Bとを含む。複数の柱状部120は、半導体基板110上に2次元アレイ状に配置され、1つの柱状部120の側部には、2つの電荷蓄積部130A、130Bが離間して形成される。X方向に複数のコントロールゲート(ワード線)140の配線層が形成され、コントロールゲート140の各配線は、行方向の各電流蓄積部130Aに共通に接続される。また、X方向に複数のセレクトゲート150の配線層が形成され、セレクトゲート150の各配線は、行方向の各電流蓄積部130Bに共通に接続される。さらに、Y方向に複数のビット線160の配線層が形成され、ビット線160の各配線は、列方向の柱状部120の端部(ドレイン領域)に電気的に接続される。コントロールゲート140および電荷蓄積部130Aを含むトランジスタは、メモリセルMCを構成し、セレクトゲート150および電荷蓄積部130Bを含むトランジスタは、スイッチング機能を有する電流制限用の選択トランジスタSTとして機能する。
【0016】
半導体基板110は、例えば、シリコン基板から構成され、柱状部120は、例えば、円柱状のシリコンまたはポリシリコンから構成される。柱状部120は、ビット線とソース線との間に配置され、ローカルビット線を形成する。メモリセルおよび電流制限用の選択トランジスタがn型のMOS構造を有する場合には、柱状部120は、例えば、p型のシリコンまたはポリシリコンから構成される。
【0017】
図2(A)は、柱状部120の斜視図、図2(B)は、そのA−A線断面図である。柱状部120は、例えば、直径D、垂直方向の長さがLの円筒形状を有する。但し、これは一例であり、柱状部120は、角柱状であってもよい。柱状部120の直径Dは、後述するようにバッファ層に形成する開口の大きさにより決定され、長さLは、バッファ層の厚さにより決定することができる。柱状部120の一方の端部S1には、ドレイン領域が形成され、他方の端部S2には、ソース領域が形成される。メモリセルがn型のMOS構造であるとき、ドレイン領域およびソース領域は、それぞれn型である。
【0018】
電荷蓄積部130A、130Bは、柱状部120の側部を帯状に完全に取り囲む。電荷蓄積部130Aの垂直方向の長さはL1であり(L1<L)、電荷蓄積部130Bの垂直方向の長さはL2である(L2<L)。長さL1とL2とは等しくても良いし、あるいは異なっていてもよい。また、1つの例では、電荷蓄積部130Aと電荷蓄積部130Bとの間には間隔が形成されている。
【0019】
電荷蓄積部130Aは、そこに電荷を蓄積するための層または界面を含む。電荷蓄積部130Aは、コントロールゲート140と柱状部120との間に高い容量結合を提供するように、比較的誘電率の高い物質を含むことが望ましい。例えば、電荷蓄積部130Aは、内側から順に、酸化膜(O)132、窒化膜(N)134、および酸化膜(O)136を含み、ONO膜の界面に電荷をトラップする。
【0020】
電荷蓄積部130Bは、好ましくは、電荷蓄積部130Aと同じ構成であり、これにより、電荷蓄積部130A、130Bの製造が容易になる。勿論、メモリセルに直列に接続された選択トランジスタは、電流制限用トランジスタとしてスイッチング機能を有すれば良いため、必ずしも電荷蓄積部130Bのような電荷蓄積を必要とせず、SiOのような絶縁膜であってもよい。
【0021】
図1(B)に示すように、柱状部120の電荷蓄積部130Aを取り囲むようにコントロールゲート140がX方向に延在し、電荷蓄積部130Bを取り囲むようにセレクトゲート150がX方向に延在する。列方向の柱状部120の端部S1の各ドレイン領域は、ビット線160に共通に電気的に接続され、柱状部120の他方の端部S2の各ソース領域は、基準電位を供給する基板110に電気的に接続される。
【0022】
図3に、本実施例のメモリセルの等価回路図を示す。メモリセルMCと選択トランジスタSTとは直列に接続され、メモリセルMCのドレイン領域がビット線BLに電気的に接続され、選択トランジスタSTのソース領域がソース線SLに電気的に接続される。メモリセルMCのソース領域と選択トランジスタSTのドレイン領域とは共通であり、ノードNは、メモリセルMCと選択トランジスタSTのソース領域/ドレイン領域である。ビット線BLとソース線SLとの間に形成された柱状部120は、メモリセルMCと選択トランジスタSTの直流経路を提供する。
【0023】
コントロールゲート140に電圧が印加されたとき、電荷蓄積部130Aを介して柱状部120に電界が印加される。電荷蓄積部130Aに電子が蓄積されていなければ、電子が蓄積されているときに比べて大きな電界が柱状部に作用する。コントロールゲート140に印加された電圧が閾値以上であれば、柱状部120の表面に反転層が形成され、メモリセルMCが導通状態になる。印加された電圧が閾値未満であれば、柱状部120の表面に反転層が形成されず、メモリセルMCは非導通状態になる。電荷蓄積部130Aに電子が蓄積されていれば、メモリセルMCの閾値は高くなり、電子が蓄積されていなければ、閾値は低くなる。
【0024】
セレクトゲート150に電圧が印加されたとき、電荷蓄積部130Bを介して柱状部120に電界が印加される。電荷蓄積部130Bは、電荷蓄積部130Aと同様に電子を蓄積することが可能な構成ではあるが、電荷蓄積部130Bには、事実上、電子は蓄積されないか、仮に蓄積されたとしても僅かである。それ故、選択トランジスタSTの閾値は、僅かに増加する程度である。セレクトゲート150に閾値以上の電圧が印加されると、柱状部120の表面に反転層が形成され、選択トランジスタSTが導通状態になり、印加される電圧が閾値未満であれば、選択トランジスタSTは非導通状態である。
【0025】
円筒状の柱状部120の外周を帯状の電荷蓄積部130A、130Bが取り囲むように構成されることで、コントロールゲート140、セレクトゲート150から柱状部120の外周に一様に電界が作用し、柱状部120の外周に環状の反転層を形成することができる。選択トランジスタSTが導通状態であるとき、ノードNがソース線SLに電気的に結合され、このとき、ノードNの電位は、ソース線SLの電位と等しいかそれよりも僅かに高い電位である。メモリセルMCおよび選択トランジスタSTが導通状態にあるとき、ビット線BLとソース線SLとの間に電流経路が形成される。
【0026】
例えば、nMOS構造のメモリセルMCをプログラムするとき、選択ビット線BLには、或る正の電圧が供給され、選択ソース線SLには、例えば、GND電圧が供給され、選択ワード線WL(コントロールゲート140)には、正のプログラム電圧Vpgmが供給され、セレクトゲート150には、正の選択電圧Vselが供給される。プログラム電圧Vpgmは、選択電圧Vselよりも大きく、プログラム電圧Vpgmは、例えば8V、選択電圧Vselは、例えば3Vである。また、選択ビット線BLの或る正の電圧は、例えば、5Vである。
【0027】
選択メモリセルMCがプログラム電圧Vpgmにより導通状態になり、選択メモリセルMCと直列に接続された選択トランジスタSTが選択電圧Vselにより導通状態になると、選択ビット線BLから選択ソース線SLに電流が流れる。このとき、選択トランジスタSTは、プログラム電圧Vpgmよりも小さい選択電圧Vselによって導通されるため、選択メモリセルMCを流れる電流よりも小さい電流しか流すことができない。つまり、選択トランジスタSTは、選択メモリセルMCから供給された電流がソース線SLに流れるのを制限する。これにより、選択メモリセルMCのソース領域であるノードNに多くの電子が発生される。ノードNの電位は、ほぼGND電位レベルであり、ノードNで発生された電子は、選択メモリセルMCのドレインとの電位差により選択メモリセルMCのソース領域側(ノードN側)から電荷蓄積部130Aに注入される。これにより、例えば、選択メモリセルMCには、データ「0」がプログラムされる。
【0028】
選択メモリセルMCの読出し動作では、選択ワード線WLに読出し電圧Vreadが印加され、選択メモリセルMCと直列に接続された選択トランジスタSTのセレクトゲート150に選択電圧Vselが印加される。読出し電圧Vreadは、選択電圧Vselと等しく大きさであり、例えば、3Vである。選択ビット線BLには或る正の電圧(例えば、5V)が供給され、選択ソース線SLには、例えば、GND電圧が供給される。選択メモリセルMCに電子が蓄積されている場合には(データ「0」が記憶されている場合)、選択トランジスタSTは導通状態であるが、選択メモリセルMCが非導通状態であるため、選択ビット線BLの電位は変化しない。選択メモリセルMCに電子に蓄積されていない場合(データ「1」が記憶されている場合)、選択トランジスタSTと選択メモリセルMCがともに導通状態になるため、選択ビット線BLの電位が降下し、あるいは選択ビット線BLから選択ソース線SLに電流が流れる。選択ビット線BLの電位または電流はセンスアンプによって検出される。
【0029】
選択メモリセルMCの消去動作では、NAND型フラッシュメモリと同様に、電荷蓄積部130Aに蓄積された電荷をFNトンネリングによりチャンネル領域に放出させる。例えば、選択メモリセルMCのワード線WLに負の消去電圧Versを印加し、選択ビット線BL、選択ソース線SLに正の電圧を印加することで、電子が電荷蓄積部130Aをトンネリングしてチャンネル領域へ放出される。セレクトゲート150は、フローティング状態であってもよいし、あるいは電荷蓄積部130Bに蓄積されるかもしれない電子を放出させたい場合には、選択メモリセルMCと同様に、負の消去電圧Versを印加するようにしてもよい。また、選択メモリセルMCの消去は、選択ビット線および選択ソース線に接続された複数のメモリセルを一括して消去することも可能である。
【0030】
次に、本実施例のメモリセルの効果について説明する。図4は、1つの柱状部に1つのトランジスタが形成された3次元構造のメモリセル(比較例)を示している。同図に示すように、柱状部10の外周を取り囲むように電荷蓄積部20が形成され、電荷蓄積部20には、コントロールゲートCGが接続される。選択メモリセルにプログラムする場合には、ビット線BLに正の電圧を印加し、ソース線SLにGND電圧を印加し、ワード線に正のプログラム電圧を印加し、選択メモリセルをオンさせる。これにより、ドレインからソースに電流が流れ、チャンネルで発生したホットエレクトロンが電荷蓄積部20に注入される。このようなチャネルホットエレクトロン注入を行う場合には、ドレインからソースに一定以上のチャネル電流を流さなければならないが、柱状部10には、その垂直方向の長さに応じて電圧降下が生じる。このため、コントロールゲートCGには、比較的高いプログラム電圧を印加することで、多くのドレイン電流を流させなければならない。その結果、プログラム時の消費電力が大きくなってしまう。
【0031】
これに対し、本実施例のメモリセルの構造では、1つの柱状部120に2つのトランジスタを直列に形成し、プログラム時に、選択メモリセルMCから供給された電流を選択トランジスタSTで制限することで、選択メモリセルのソース側にホットエレクトロンを発生させ、発生させたホットエレクトロンを選択メモリセルのソース側から電荷蓄積部130Aに注入する。このため、チャネルホットエレクトロン注入のように大きなチャンネル電流を必要とせず、プログラム時の消費電力を低減させることができる。さらに選択ワード線に印加するプログラム電圧Bpgmを小さくすることが可能になり、隣接するメモリセルへのプログラムディスターブを抑制することができる。
【0032】
図5は、本実施例のNOR型フラッシュメモリの電気的な概略構成を示すブロック図である。本実施例のNOR型フラッシュメモリは、選択トランジスタSTをオン/オフさせるための構成を新たに必要とするが、それ以外の構成は、従来のNOR型フラッシュメモリと同様である。
【0033】
本実施例のフラッシュメモリ200は、図3に示すような選択トランジスタSTが直列接続されたメモリセルがm行×n列に配列されたメモリセルアレイ210と、外部入出力端子I/Oに接続され入出力データを保持する入出力バッファ220と、入出力バッファ120により入力されたアドレスデータを保持するアドレスバッファ230と、アドレスバッファ230により保持された行アドレスAxに基づきワード線WL_0、WL_1、・・・、WL_mおよびセレクトゲートSEL_0、SEL_1、・・・SEL_mの選択および駆動を行う行選択・駆動回路240と、アドレスバッファ230により保持された列アドレスAyに基づきビット線BL_0、BL_1、・・・BL_nおよびソース線SL_0、SL_1、・・・SL_nの選択および駆動を行う列選択・駆動回路250と、読出し動作等において選択ビット線の電位または電圧を感知するセンスアンプ260と、入出力バッファ220により入力されたコマンド等に基づき各部を制御する制御部270と、データの読出し、プログラムおよび消去等のために必要な種々の電圧(プログラム電圧Vpgm、読出し電圧Vread、消去電圧Versなど)を生成する内部電圧発生回路280とを含んで構成される。
【0034】
制御部270は、外部から入力されたコマンド等に基づき、読出し動作、プログラム動作、消去動作を実行すべく各部を制御する。行選択・駆動回路240は、行アドレスAxに基づき、例えば、p番目のワード線WL_pを選択するとき、同時にp番目のセレクトゲートSEL_pを選択し、かつ、選択ワード線WL_pを動作(プログラム電圧Vpgm、読出し電圧Vread、消去電圧Vers)に応じた電圧で駆動し、選択されたセレクトゲートSEL_pを選択電圧Vselで駆動する。これにより、選択メモリセルMCは、選択トランジスタSTを介して選択ソース線SLに電気的に接続される。
【0035】
なお、上記実施例では、図1(B)に示すように、コントロールゲート140およびセレクトゲート150の配線層がX方向に延在する例を示したが、これに限らず、コントロールゲート140とセレクトゲート150との配線層が異なる方向に延在しても良く、要は、メモリセルMCが選択されたとき、これに直列に接続された選択トランジスタSTが選択できるような構成であればよい。
【0036】
さらに上記実施例では、選択トランジスタSTが電荷蓄積部130Bを含む例を示したが、選択トランジスタSTは、オン/オフのスイッチング機能を備えていればよく、必ずしも電荷蓄積機能を備える必要はない。選択トランジスタSTのゲート絶縁膜に電荷蓄積部130Bを用いたのは、メモリセルの電荷蓄積部130Aと同一構成である方が製造が容易なためである。それ故、選択トランジスタSTのゲート絶縁膜は、通常のMOSトランジスタと同様に、電荷蓄積機能を有していないSiO等のゲート酸化膜であってもよい。
【0037】
また上記実施例では、メモリセルMCの電荷蓄積部130Aと選択トランジスタSTの電荷蓄積部130Bとを物理的に離間した構造にしたが、これに限らず、図6に示すように、1つの柱状部120に1つの垂直方向に連続する電荷蓄積部130を形成し、コントロールゲート140が垂直方向の長さL1で電荷蓄積部130とオーバーラップし、セレクトゲート150が垂直方向の長さL2で電荷蓄積部130とオーバーラップするように構成してもよい。この場合の等価回路もまた図3に示すものとなる。
【0038】
次に、本実施例によるメモリセルの製造方法について図7ないし図10を参照して説明する。ここでは、図6に示すように1つの連続する電流蓄積部130にコントロールゲート140とセレクトゲート150とがオーバーラップされる構成を製造する方法を例示する。図7(A)に示すように、シリコン基板300が用意される。シリコン基板300は、半絶縁性のi型、あるいはp型である。シリコン基板300の表面に、リンまたは砒素などの不純物をイオン注入し、シリコン基板300の表面にn+の高不純物層310を形成する。イオン注入のエネルギーおよび時間は、高不純物層310の不純物濃度や膜厚に応じて適宜選択される。高不純物層310は、メモリセルアレイのソース線SLを構成する。
【0039】
次に、図7(B)に示すように、高不純物層310の全面に第1のバッファ層320が形成される。第1のバッファ層320は、例えば、シリコン酸化膜(SiO)である。次いで、第1のバッファ層320の全面に第2のバッファ層230が形成される。第2のバッファ層330は、例えば、シリコン窒化膜(SiN)である。第1のバッファ層320、第2のバッファ層330は、例えば、CVDによりデポジットされる。
【0040】
次に、図7(C)に示すように、第2のバッファ層330上にマスク層340が形成される。マスク層340は、例えばフォトレジスト層であり、マスク層340には、フォトリソ工程により直径Dの円形状の開口が形成される。次に、マスク層340をエッチング用マスクに用いて、第2のバッファ層330および第1のバッファ層320を異方性ドライエッチングする。好ましくは、第1のバッファ層320と高不純物層310との間で選択比の大きなエッチャントが選択される。これにより、高不純物層310に到達した時点でエッチングを比較的容易に停止させることができる。その結果、第2のバッファ層330および第1のバッファ層320には、高不純物層310に至る、ほぼ直径Dの開口350が形成される。
【0041】
次に、マスク層340を除去し、図7(D)に示すように、開口350を含む第2のバッファ層330の全面に、CVD等により一定の膜厚のポリシリコン層360が形成される。ポリシリコン層360は、開口350内を充填し、開口350内に充填されたポリシリコンは、メモリセルのローカルビット線またはチャンネル領域を提供する柱状部となる。メモリセルがn型のMOS構造である場合には、ポリシリコン層360は、ボロン等がドープされたp型のポリシリコンであることができる。また、柱状部をポリシリコン以外で構成することも可能である。この場合、開口350内に露出されたシリコン層(高不純物層310)を起点にシリコン層をエピタキシャル成長させる。シリコン層は、開口350内を充填し、第2のバッファ層330の全面を覆う膜厚まで成長される。
【0042】
次に、ポリシリコン層360の平坦化処理またはエッチバック処理が行われる。平坦化処理は、好ましくはCMP(Chemical Mechanical Polishing)により行われ、図8(E)に示すように、第2のバッファ層330が露出されるまで行われる。これにより、開口350内にポリシリコンからなる柱状部120が形成される。柱状部120の軸方向の長さは、メモリセルのローカルビット線の長さを規定する。このため、平坦化処理は、CMPにより精度良く行われることが望ましい。次に、柱状部120を含む第2のバッファ層330の全面にリンまたは砒素のイオン注入が行われる。このイオン注入により、柱状部120の端部にn型のドレイン領域が形成される。イオン注入のエネルギーおよび時間等を適宜選択することで、所望のドレイン領域の深さおよび不純物濃度を得ることができる。なお、イオン注入以外にも、例えば、n+の層を全面に形成し、個相拡散により柱状部120にドレイン領域を形成するようにしてもよい。
【0043】
次に、図8(F)に示すように、第2のバッファ層330が除去される。好ましくは、第2のバッファ層330は、第1のバッファ層320に対して選択性のあるウエットエッチングにより除去される。これにより、柱状部120の底部のみが第1のバッファ層320によって包囲され、それ以外の柱状部120の側部および上部が露出される。ここで留意すべきは、第1のバッファ層320の厚さまたは第2のバッファ層330の厚さを適宜選択することで、柱状部120の長さおよび露出される側部の範囲を決定し得ることである。
【0044】
次に、図8(G)に示すように、柱状部120を含む第1のバッファ層320の全面に電荷蓄積部370が形成される。電荷蓄積部370は、酸化膜(O)372、窒化膜(N)374、酸化膜(O)376のONO構造であり、それぞれ一定の膜厚で形成される。
【0045】
次に、図9(H)に示すように、電荷蓄積部370を覆うように全面に一定の膜厚でセレクトゲート用の導電層380が形成される。導電層380は、例えば、不純物がドープされたポリシリコン、あるいはAl、Cuなどの金属材料であることができる。さらに、導電層380は、ポリシリコンとその上に形成される1つまたは複数の金属層を含むものでもよい(例えば、TiN、W)。
【0046】
次に、図9(I)に示すように、電荷蓄積部370が露出するように導電層380がエッチングされる。エッチングは、特に限定されないが、例えば、2段階の工程から行うことができる。最初にCMPにより導電層380を一定の膜厚まで平坦化し、その後に、電荷蓄積部370に対して選択性のあるエッチャントを用いて導電層380をエッチングする。これにより、柱状部120の頂部の電荷蓄積部370が露出され、柱状部120の側部を覆う帯状の導電層380を得ることができる。
【0047】
次に、基板全面に、例えばシリコン酸化膜等の層間絶縁膜390を一定の膜厚で形成した後、図9(J)に示すように導電層380上に層間絶縁膜390が残るように層間絶縁膜390をエッチバックし、さらに層間絶縁膜390および電荷蓄積部370を覆うようにコントロールゲート用の導電層400が形成される。導電層400は、例えば、不純物がドープされたポリシリコン、あるいはAl、Cuなどの金属材料であることができる。さらに、導電層380は、ポリシリコンとその上に形成される1つまたは複数の金属層を含むものでもよい(例えば、TiN、W)。
【0048】
次に、導電層400を、導電層380のエッチングと同様の方法でエッチングし、図10(K)に示すように、柱状部120の頂部を覆う電荷蓄積部370が露出され、柱状部120の側部には、導電層380から層間絶縁膜390によって離間された帯状の導電層400が形成される。
【0049】
次に、図10(L)に示すように、基板全面に、例えば、シリコン酸化膜等の層間絶縁膜410が形成される。次いで、層間絶縁膜410上にレジスト等のマスク層(図中、省略)を形成し、フォトリソ工程によりマスク層に開口を形成し、次いで、マスク層を介して層間絶縁膜410および電荷蓄積部370をエッチングし、柱状部120に到るコンタクトホール420を形成する。
【0050】
次に、図10(M)に示すように、コンタクトホール420を含む基板全面に、ビット線用の金属材料430が形成される。金属材料430は、例えば、AlまたはCu等である。次いで、金属材料430がフォトリソ工程によりビット線に加工される。また、図7(D)から図10(L)の工程において、基板には一定の温度が印加され、その工程中に高不純物層310の不純物が柱状部120の端部に拡散し、柱状部120の端部にはn型のソース拡散領域440が形成される。第1のバッファ層310の膜厚は、高不純物層310から不純物が拡散する距離にほぼ等しくなるように調整される。
【0051】
シリコン基板300の表面全体に高不純物層310、すなわちソース線SLを形成することで、メモリセルアレイの全てのメモリセルのソース拡散領域440をソース線SLに共通に接続することができる。あるいは、シリコン基板300の表面の選択された領域に複数の高不純物層310を形成することで、選択されたメモリセルのソース拡散領域440をソース線SLに共通に接続することができる。また、センスアンプやデコーダ等の周辺回路は、メモリセルアレイよりも下方のシリコン基板300上に形成することができる。
【0052】
上記製造方法では、シリコン基板300の表面に高不純物層310を形成したが、高不純物層310とシリコン基板との間に、高温プロセスに耐えられるように、高融点材料である金属層または金属シリサイド層を介在させるようにしてもよい。
【0053】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
100:NOR型フラッシュメモリ
110:シリコン基板
120:柱状部
130A、130B:電荷蓄積部
132、136:酸化膜(O)
134:窒化膜(N)
140:コントロールゲート
150:セレクトゲート
160:ビット線
300:シリコン基板
310:高不純物層
320:第1のバッファ層
330:第2のバッファ層
340:マスク層
350:開口
360:柱状部
372、376:酸化膜(O)
374:窒化膜(N)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10